JP2004531031A - ケーブル - Google Patents
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Abstract
多導電体ケーブル（１０）は編組構造に基づいて形成される。導電性ヤーン（１１、１２）を非導電性ヤーン（１３）と一緒に選択的に編むことにより、１つのみの編組で多導電体電気ケーブルを得ることができる。この例では、２つの導電体、すなわち、導電性ヤーン（１１）により得た第１の導電体と、導電性ヤーン（１２）により得た第２の導電体とを設ける。これらの導電性ヤーン（１１、１２）を絶縁性ヤーン（１３）により互いに離間関係に維持する。
Description
【技術分野】
【０００１】
本発明は、電気ケーブル、特に編組（ブレイド）構造を有する電気ケーブルに関するものである。
【０００２】
電気ケーブルが、この電気ケーブルの導電体を絶縁するための電気絶縁材料の１つ以上の編組を有するようにすることは既知である。更に、導電性材料の編組を、遮蔽を行なうために絶縁された１つ以上の導電体を囲むように形成しうる。各導電体が個々に絶縁されている複数の導電体を有するケーブルを形成しうるが、このようなケーブルは導電体の本数が増えるにつれ一層かさばるものとなる。導電体の直径又は絶縁体の厚さを減少させることによりこのかさばりの増大を最小にしうるが、このような手段を講じると、ケーブルの機能が低減されるおそれがある。
【０００３】
いわゆる、リボンケーブルを形成するように導電体を並べて配置することによっても、複数の導電体を有するケーブルを形成することができるが、このようなケーブルが占める面積が大きくなり、これによりケーブルはある分野に用いるのに不適切となるおそれがある。このようなケーブルの導電体を電磁遮蔽するのも困難となるおそれがある。
【０００４】
本発明によれば、電気絶縁材料の細長体として形成したケーブルであって、この細長体の表面に対して配置し且つこの細長体の長手方向に沿って延在させた２本以上の導電体を当該細長体が有している当該ケーブルにおいて、少なくとも２本の導電体の各々が細長体の長手方向に沿って互いに離間された状態を保って配置されているケーブルを提供する。
【０００５】
随意ではあるが、２本以上の導電体のうちの少なくとも１本が、細長体を形成している電気絶縁材料により少なくとも部分的に囲まれているようにする。この場合、細長体が、少なくとも１つの導電性素子を有する第１の編組構造体であり、この導電性素子が当該細長体の一端と当該細長体の他端との間に電気的な連続性を与えている、従って、前記１本の導電体を構成しているようにしうる。更に、前記第１の編組構造体が２つ以上の導電性素子を有し、各導電性素子が当該細長体の一端と当該細長体の他端との間に電気的な連続性を与えている、従って、前記１本の導電体を構成しており、前記第１の編組構造体における各導電性素子が、この第１の編組構造体の電気絶縁材料によりこの第１の編組構造体の他の導電性素子から離間関係に、従って、電気絶縁状態に保持されているようにすることができる。
【０００６】
導電体は導電性金属、金属被覆絶縁体又は炭素繊維或いは導電性ポリマーとすることができる。
【０００７】
電気絶縁材料は、ナイロン（商標名）、ポリアミド、アセテート、綿及びウールとすることができる。
【０００８】
本発明の上述した観点及びその他の観点は、特許請求の範囲の記載から明らかとなるであろう。
【０００９】
以下に本発明を図面につき説明する。
図面は、線図的なもので、実際のものに正比例して描いていないことに注意すべきである。図面の各部の相対的な寸法は、明瞭のために及び図面の便宜上誇張したり、縮小したりした。異なる実施例で同じ符号は、一般に、対応する又は類似する部分を示すのに用いた。
【００１０】
図１ａを参照するに、ケーブル１０は、第１導電性ヤーン１１と、第２導電性ヤーン１２と、絶縁性ヤーン１３とを有する編組構造をしている。第１導電性ヤーン１１及び第２導電性ヤーン１２は、各々が螺旋を形成するようにケーブル１０の長手方向で一端から他端へ延在している。第１導電性ヤーン１１及び第２導電性ヤーン１２は、編組の織り合わせ絶縁性ヤーンにより互いに離間して保持されており、従って、互いに電気絶縁されている。編組のヤーンにより描かれた螺旋路は、ただ１つの編組の形態の多導電体電気ケーブルを得るために用いられる。使用する編組パターンや使用する導電性ヤーンの本数を変えることにより、分離された導電体の本数を２本よりも多くすることができる。絶縁性ヤーン１３は、導電性ヤーンが延在している方向と同じ又は逆の方向で螺旋状に延在させることができる。
【００１１】
図２を参照するに、この図２には、本発明の他の実施例であるケーブル２０が示してあり、このケーブル２０は、編組２１を最も内側とし、編組２３を最も外側とした３つの同心的な編組構造体２１、２２及び２３を有する。編組２１は導電性ヤーン１１を有し、この導電性ヤーンはケーブルの軸線方向に沿って進んだ際に第１の方向で螺旋を形成している。編組２２は内側編組２１と外側編組２３との間に位置しており、絶縁性ヤーン１３から成っている。外側編組２３は導電性ヤーン１１を有し、この導電性ヤーンは、編組２１の導電性ヤーン１１より成る螺旋方向と逆の第２の方向で螺旋を形成している。従って、編組２１のヤーン１１と編組２３のヤーン１１とが共同して、電気信号を送るのに適したツイストペア（撚線対）を形成している。３つよりも多い同心編組を有するケーブル構造を得ることもできる。
【００１２】
各編組層に絶縁性導体及び導電性導体の双方又はいずれか一方を含めることができるようにした他の編組層を設けることができること、当業者にとって明らかである。このような編組構造をより一般的な種類のケーブルと組合せて用いることもできる。ケーブル内には光ファイバ素子を入れることができる。
【００１３】
導電性ヤーンは、金属、カーボンファイバの導電性ポリマー又は組成により導電特性を有する導電性ポリマーのような導電性材料から形成しうる。導電性ヤーンは、ポリアミドのような絶縁体に、ニッケル、銅、アルミニウム、金及び銀のような導電性材料を被覆することにより形成しうる。絶縁性ヤーン１３は、ナイロン（商標名）、ポリアミド、アセテート、綿及びウールのような絶縁材料から形成する。ヤーンは、モノフィラメント又はマルチフィラメントにでき、各ヤーンが有する材料は１種類よりも多くしうる。各編組が有するヤーンの種類は１つよりも多くしうる。導電性ヤーンは、導電性材料と絶縁性材料との混合を有しうる。
【００１４】
編組を形成するヤーンの本数として比較的少ないものを図示しているが、通常、より多くのヤーンを存在させること明らかである。
【００１５】
上述したところから、多くの変形例が当業者にとって明らかとなるであろう。これらの変形例には、ケーブル、衣服、布張り品及びその他の室内装飾品や、これらの適用品の設計、製造及び使用において既知の他の特徴を含めることができ、これらの既知の特徴は前述した特徴の代りに又は前述した特徴に加えて用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１ａ】本発明により形成した第１実施例のケーブルの一部を示す線図である。
【図１ｂ】図１ａのＩ‐Ｉ線上を断面とする断面図である。
【図２ａ】本発明により形成した第２実施例のケーブルの一部を示す線図である。
【図２ｂ】図２ａのII‐II線上を断面とする断面図である。
【０００１】
本発明は、電気ケーブル、特に編組（ブレイド）構造を有する電気ケーブルに関するものである。
【０００２】
電気ケーブルが、この電気ケーブルの導電体を絶縁するための電気絶縁材料の１つ以上の編組を有するようにすることは既知である。更に、導電性材料の編組を、遮蔽を行なうために絶縁された１つ以上の導電体を囲むように形成しうる。各導電体が個々に絶縁されている複数の導電体を有するケーブルを形成しうるが、このようなケーブルは導電体の本数が増えるにつれ一層かさばるものとなる。導電体の直径又は絶縁体の厚さを減少させることによりこのかさばりの増大を最小にしうるが、このような手段を講じると、ケーブルの機能が低減されるおそれがある。
【０００３】
いわゆる、リボンケーブルを形成するように導電体を並べて配置することによっても、複数の導電体を有するケーブルを形成することができるが、このようなケーブルが占める面積が大きくなり、これによりケーブルはある分野に用いるのに不適切となるおそれがある。このようなケーブルの導電体を電磁遮蔽するのも困難となるおそれがある。
【０００４】
本発明によれば、電気絶縁材料の細長体として形成したケーブルであって、この細長体の表面に対して配置し且つこの細長体の長手方向に沿って延在させた２本以上の導電体を当該細長体が有している当該ケーブルにおいて、少なくとも２本の導電体の各々が細長体の長手方向に沿って互いに離間された状態を保って配置されているケーブルを提供する。
【０００５】
随意ではあるが、２本以上の導電体のうちの少なくとも１本が、細長体を形成している電気絶縁材料により少なくとも部分的に囲まれているようにする。この場合、細長体が、少なくとも１つの導電性素子を有する第１の編組構造体であり、この導電性素子が当該細長体の一端と当該細長体の他端との間に電気的な連続性を与えている、従って、前記１本の導電体を構成しているようにしうる。更に、前記第１の編組構造体が２つ以上の導電性素子を有し、各導電性素子が当該細長体の一端と当該細長体の他端との間に電気的な連続性を与えている、従って、前記１本の導電体を構成しており、前記第１の編組構造体における各導電性素子が、この第１の編組構造体の電気絶縁材料によりこの第１の編組構造体の他の導電性素子から離間関係に、従って、電気絶縁状態に保持されているようにすることができる。
【０００６】
導電体は導電性金属、金属被覆絶縁体又は炭素繊維或いは導電性ポリマーとすることができる。
【０００７】
電気絶縁材料は、ナイロン（商標名）、ポリアミド、アセテート、綿及びウールとすることができる。
【０００８】
本発明の上述した観点及びその他の観点は、特許請求の範囲の記載から明らかとなるであろう。
【０００９】
以下に本発明を図面につき説明する。
図面は、線図的なもので、実際のものに正比例して描いていないことに注意すべきである。図面の各部の相対的な寸法は、明瞭のために及び図面の便宜上誇張したり、縮小したりした。異なる実施例で同じ符号は、一般に、対応する又は類似する部分を示すのに用いた。
【００１０】
図１ａを参照するに、ケーブル１０は、第１導電性ヤーン１１と、第２導電性ヤーン１２と、絶縁性ヤーン１３とを有する編組構造をしている。第１導電性ヤーン１１及び第２導電性ヤーン１２は、各々が螺旋を形成するようにケーブル１０の長手方向で一端から他端へ延在している。第１導電性ヤーン１１及び第２導電性ヤーン１２は、編組の織り合わせ絶縁性ヤーンにより互いに離間して保持されており、従って、互いに電気絶縁されている。編組のヤーンにより描かれた螺旋路は、ただ１つの編組の形態の多導電体電気ケーブルを得るために用いられる。使用する編組パターンや使用する導電性ヤーンの本数を変えることにより、分離された導電体の本数を２本よりも多くすることができる。絶縁性ヤーン１３は、導電性ヤーンが延在している方向と同じ又は逆の方向で螺旋状に延在させることができる。
【００１１】
図２を参照するに、この図２には、本発明の他の実施例であるケーブル２０が示してあり、このケーブル２０は、編組２１を最も内側とし、編組２３を最も外側とした３つの同心的な編組構造体２１、２２及び２３を有する。編組２１は導電性ヤーン１１を有し、この導電性ヤーンはケーブルの軸線方向に沿って進んだ際に第１の方向で螺旋を形成している。編組２２は内側編組２１と外側編組２３との間に位置しており、絶縁性ヤーン１３から成っている。外側編組２３は導電性ヤーン１１を有し、この導電性ヤーンは、編組２１の導電性ヤーン１１より成る螺旋方向と逆の第２の方向で螺旋を形成している。従って、編組２１のヤーン１１と編組２３のヤーン１１とが共同して、電気信号を送るのに適したツイストペア（撚線対）を形成している。３つよりも多い同心編組を有するケーブル構造を得ることもできる。
【００１２】
各編組層に絶縁性導体及び導電性導体の双方又はいずれか一方を含めることができるようにした他の編組層を設けることができること、当業者にとって明らかである。このような編組構造をより一般的な種類のケーブルと組合せて用いることもできる。ケーブル内には光ファイバ素子を入れることができる。
【００１３】
導電性ヤーンは、金属、カーボンファイバの導電性ポリマー又は組成により導電特性を有する導電性ポリマーのような導電性材料から形成しうる。導電性ヤーンは、ポリアミドのような絶縁体に、ニッケル、銅、アルミニウム、金及び銀のような導電性材料を被覆することにより形成しうる。絶縁性ヤーン１３は、ナイロン（商標名）、ポリアミド、アセテート、綿及びウールのような絶縁材料から形成する。ヤーンは、モノフィラメント又はマルチフィラメントにでき、各ヤーンが有する材料は１種類よりも多くしうる。各編組が有するヤーンの種類は１つよりも多くしうる。導電性ヤーンは、導電性材料と絶縁性材料との混合を有しうる。
【００１４】
編組を形成するヤーンの本数として比較的少ないものを図示しているが、通常、より多くのヤーンを存在させること明らかである。
【００１５】
上述したところから、多くの変形例が当業者にとって明らかとなるであろう。これらの変形例には、ケーブル、衣服、布張り品及びその他の室内装飾品や、これらの適用品の設計、製造及び使用において既知の他の特徴を含めることができ、これらの既知の特徴は前述した特徴の代りに又は前述した特徴に加えて用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１ａ】本発明により形成した第１実施例のケーブルの一部を示す線図である。
【図１ｂ】図１ａのＩ‐Ｉ線上を断面とする断面図である。
【図２ａ】本発明により形成した第２実施例のケーブルの一部を示す線図である。
【図２ｂ】図２ａのII‐II線上を断面とする断面図である。
Claims (13)
- 電気絶縁材料の細長体として形成したケーブルであって、この細長体の表面に対して配置し且つ当該細長体の長手方向に沿って延在させた２本以上の導電体を当該細長体が有している当該ケーブルにおいて、少なくとも２本の導電体の各々が細長体の長手方向に沿って互いに離間された状態を保って配置されているケーブル。
- 請求項１に記載のケーブルにおいて、２本以上の導電体のうちの少なくとも１本が、細長体を形成している電気絶縁材料により少なくとも部分的に囲まれているケーブル。
- 請求項２に記載のケーブルにおいて、細長体が、少なくとも１つの導電性素子を有する第１の編組構造体であり、この導電性素子が当該細長体の一端と当該細長体の他端との間に電気的な連続性を与えている、従って、前記１本の導電体を構成しているケーブル。
- 請求項３に記載のケーブルにおいて、前記第１の編組構造体が２つ以上の導電性素子を有し、各導電性素子が当該細長体の一端と当該細長体の他端との間に電気的な連続性を与えている、従って、前記１本の導電体を構成しており、前記第１の編組構造体における各導電性素子が、この第１の編組構造体の電気絶縁材料によりこの第１の編組構造体の他の導電性素子から離間関係に、従って、電気絶縁状態に保持されているケーブル。
- 請求項１〜４のいずれか一項に記載のケーブルにおいて、前記２本以上の導電体の少なくとも１本が前記細長体の電気絶縁材料の表面上に配置されているケーブル。
- 請求項５に記載のケーブルにおいて、前記表面上に配置された少なくとも１本の前記導電体が、第１の編組構造体を同心的に囲む他の編組構造体の導電性素子の形態に設けられているケーブル。
- 請求項１〜４のいずれか一項に記載のケーブルにおいて、前記２本以上の導電体の少なくとも１本が、前記細長体を形成する電気絶縁材料により完全に囲まれているケーブル。
- 請求項７に記載のケーブルにおいて、細長体を形成する電気絶縁材料により完全に囲まれている少なくとも１本の導電体が、第１の編組構造体により同心的に囲まれている他の編組構造体の導電性素子の形態に設けられているケーブル。
- 請求項３〜８のいずれか一項に記載のケーブルにおいて、導電性素子が単一のヤーン又は複数のヤーンから成っているケーブル。
- 請求項１〜９のいずれか一項に記載のケーブルにおいて、導電性素子が細長体の長手軸線に対しほぼ平行であるケーブル。
- 請求項１〜９のいずれか一項に記載のケーブルにおいて、導電性素子が細長体の長手軸線に対しほぼ螺旋となっているケーブル。
- 請求項１〜１１のいずれか一項に記載の技術的特徴を有するケーブルを製造する方法。
- 少なくとも１つの編組を形成する工程であって、この編組又は組合せた編組がケーブルの長手方向に沿って延在するように配置された２本以上の導電体を有し、少なくとも２本の導電体の各々を互いに離間関係に保たれるように配置する工程を有する電気ケーブルの製造方法。
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