JP2004525330A - 実験室局所排気装置用の排気体積流量調節装置 - Google Patents
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Abstract
長方形のハウジング(6)を備えた実験室局所排気装置用の排気体積流量調節装置であって、
上記長方形のハウジング(6)は、実験室局所排気装置に配置することができ、かつ、上記実験室局所排気装置の内部に接続可能な流入装置と、排気システムに接続可能な排出装置（8、12、13）とを備え、
上記ハウジング(6)の内部は、仕切り板(17)によって2つの区域、即ち局所排気装置側の排気流の安定化区域と排出装置側の測定調節区域とに仕切られ、これらの区域は排気を方向転換させる領域(18)によってつながっており、また
圧力測定装置(22、23、24、28、29)を有する長方形の測定用オリフィス(20、25)と長方形の調節フラップ(21)が、ハウジング壁面と上記仕切り板（17）との間で流れ方向に相互に離れて配置されている、
ことを特徴とする実験室局所排気装置用の排気体積流量調節装置。
上記長方形のハウジング(6)は、実験室局所排気装置に配置することができ、かつ、上記実験室局所排気装置の内部に接続可能な流入装置と、排気システムに接続可能な排出装置（8、12、13）とを備え、
上記ハウジング(6)の内部は、仕切り板(17)によって2つの区域、即ち局所排気装置側の排気流の安定化区域と排出装置側の測定調節区域とに仕切られ、これらの区域は排気を方向転換させる領域(18)によってつながっており、また
圧力測定装置(22、23、24、28、29)を有する長方形の測定用オリフィス(20、25)と長方形の調節フラップ(21)が、ハウジング壁面と上記仕切り板（17）との間で流れ方向に相互に離れて配置されている、
ことを特徴とする実験室局所排気装置用の排気体積流量調節装置。
Description
【技術分野】
【０００１】
本発明は、実験室局所排気装置用の排気体積流量調節装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
実験室の局所排気装置は、法定の体積流量規制値を厳格に遵守するものでなければならない。しかしながら、スペース的な事情から、大抵は正確に排気体積流量を測定し表示させることはできない。その理由としては、局所排気装置前方及びその内部における流れの状態が乱れていることや、構造的にも局所排気装置設置後に適当な測定領域を設けることができるようなスペースはほとんどないことが挙げられる。それゆえに、局所排気装置を使用する場合に、排気体積流量を測定し、法定の規制値に調節することは、非常に問題があった。
【０００３】
独国特許出願公開第１９５２８７８０号明細書は、既に、局所排気装置を通過する排気の体積流量を測定する測定装置について記載しており、この装置を用いることで排気流速を非常に高精度で測定することができる。この測定装置はハウジングを備え、これは、局所排気装置に装着することができ、さらに、該局所排気装置の内部に接続可能な流入装置と、排気システムに接続可能な排出装置とを備えている。上記ハウジング内部は、仕切り板によって局所排気装置側の区域と排出装置側の区域とに仕切られており、これらの２つの区域の間には排気の流れを方向転換する領域がある。ハウジング内部の排出装置側の区域内には配管が備え付けられ、その配管内部には排気の体積流量測定用のオリフィスが設けられている。
【０００４】
この公知の装置は、排気の体積流量測定に専ら用いられるものであり、その流量を調節することはできない。この排気の流れは、上記ハウジング内、即ち局所排気装置側の区域から排出装置側の区域に、またその区域から上記配管に、またその配管から排出装置側のダクトにといった具合に繰り返し方向転換を受け、その結果非常に大きな圧力低下が生じる。
【０００５】
独国特許出願公開第１９５４５９４８号明細書は、局所排気装置中の排気の体積流量の測定調節装置を開示しているが、この装置の調節装置の上流側に安定化域を設ける必要があり、このことが本装置を大型化するという欠点がある。
【０００６】
更に、独国特許出願公開第１９６００２９１号明細書は、ガス流における圧力差を測定する装置であって、２つの異なる測定方法を切り替えて対比測定することを可能にすることによって、これらの測定方法によってかかる形式の相互監視を行えるようにした装置を開示している。しかしながら、静圧の測定と有効圧力の測定とを切り替えるこの方法には、静圧の測定が局所排気装置の設置位置、スライド開閉式の窓の位置や同様のパラメータに依存するという欠点がある。
【０００７】
【特許文献１】
独国特許出願公開第１９５２８７８０号明細書
【特許文献２】
独国特許出願公開第１９５４５９４８号明細書
【特許文献３】
独国特許出願公開第１９６００２９１号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明の目的は、実験室局所排気装置用の排気の体積流量の調節装置であって、局所排気装置の種類や該局所排気装置を含んだ流入装置及び排出装置の配置にかかわらず、排気の体積流量を測定監視するのみならず調節することができる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明の装置は、特に可能な限り最短の測定距離において上記局所排気装置を通過する排気流量を測定し調節することを可能にするものである。
上記目的は、請求項第１項の特徴によって達成される。
本発明の装置の特に好ましい実施の形態及び変形例は請求項第２項ないし第７項に規定されている。
【００１０】
排気の体積流量測定位置をもう一つ別に特に設けることにより、設置位置に無関係に、また局所排気装置の位置に無関係に、第三者による排気の体積流量の監視が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
次に、本発明の特に好ましい実施例を各々の図面に基づいてより詳細に説明する。
【００１２】
図１及び図２に示すように、通常の実験室の局所排気装置1は、スライド開閉式の窓4を有しており、その窓の隙間を通して実験室局所排気装置1の内部に空気が流れ込む。この空気は、通常いくつかのスリット5を通して実験室局所排気装置１の作業領域から該実験室局所排気装置1内にある中間の捕集領域または低圧区域3に流れる。
【００１３】
実験室局所排気装置１には、実験室局所排気装置１内を流れる排気の体積流量を調節する装置が取り付けられる。この装置は、長方形の箱型のハウジング6を備え、該ハウジングは１つまたはそれ以上の接続部7によって上記局所排気装置１内の低圧区域3に接続されている。実験室局所排気装置１の設計形式により、上記接続部7は、１つ又はそれ以上のパイプ若しくはスリットの入った接続用導管とすることができる。上記流量調節装置は、また排気の流れを方向転換させる装置及び排出用導管8を有しており、この導管８を介して上記排気はこの装置から流出して、設置場所における排気システムに流れ込み、排気される。
【００１４】
ハウジング6の流入装置は、実験室局所排気装置１の設計次第で種々に設計することができる。実験室局所排気装置は、しばしば円形のパイプ片9を備えており、これは直接このハウジング6に接続することができる。別の実験室局所排気装置では、２つの接続部10及び11を有しているものがあり、これらもパイプ片9と同様にハウジング6に引き込むことができる。また、上記ハウジング6の円形の開口の代わりに長方形のスロットとすることもできる。
【００１５】
上記ハウジング6は、通常、排出装置として円形の接続用片8を備えており、それを通してハウジング6を換気できるようになっている。しかしながら、この接続用片は長方形の形状にすることもできる。必要とあれば、上記排出装置は、別の位置に設けてもよく、即ち、ハウジング6の上部ではなく、例えば右側面に設けることもできる。この場合、長方形の排出用接続片13が設けられる。また同様に、長方形の接続用片14又は15を介してハウジング6の前面から又は背面から延びる出口を設けることもできる。そのため、本装置には、種々の流入装置を取り付けて、個々の実験室の局所排気装置に適合させることができ、かくして、本装置は種々の方向に、即ち上方、前方、右方又は後方へ排気することもできる。
【００１６】
図３及び図４、特に図５に示すように、箱型のハウジング6は、1枚の仕切り板17で２つの区域、即ち排気の流入及び安定化区域16及びその上部区域19に仕切られ、これらの区域は、排気を方向転換させる領域18によってつながっている。
【００１７】
上部区域19には、長方形の測定用オリフィス20が設けられており、このオリフィス20は仕切り板17とハウジング6の上部壁内面との間に配置され、長方形の部材から構成されている。排気の体積流量測定は、この測定用オリフィス20によって行われる。上部区域19において、上記測定用オリフィス20の下流には、長方形の排気体積流量調節用の調節フラップ21が設けられている。この長方形の流量調節用調節フラップもまた、ハウジング6の上部壁内面と仕切り板17との間に取り付けられている。圧力センサー29が、上記測定用オリフィス21の上流の排気の有効圧力28と下流の排気の有効圧力22を測定するように配置されており、これにより上記測定用オリフィス20前後の有効圧力差が得られる。この有効圧力差から排気の体積流量を正確に測定することができる。
【００１８】
図５に示した特に好ましい実施の形態では、更に調節弁21の下流、即ち位置23においても有効圧力が測定される。有効圧力24は、有効圧力22及び23の組み合わせから得ることができる。この流路に連続して配置された測定点における有効圧力差を組み合わせて測定することにより、非常に広範な測定範囲にわたって排気の体積流量を測定することができる。
【００１９】
また図5に示すように、別の測定用オリフィス25を流れ方向に同じ高さで設けるような設計とすることもでき、位置26及び27において、例えばこれらの位置に接続された配管を用いることにより、適正な測定を行える。その結果、排気の体積流量は、排出空気及び流入空気の流れの状態とは無関係に測定、監視される。
【００２０】
本装置には、調節フラップ21の駆動用に調節駆動系を設けても良い。
【００２１】
局所排気装置のスライド開閉式の窓31に取り付けられたセンサー（不図示）に上記調節装置を接続することができる。
【００２２】
上記した本発明の装置を用いることにより、排気の体積流量、即ち排気流速を測定することができるとともに、排気の体積流量を一定レベルに調節したり、上記スライド開閉式の窓31の開閉位置に応じて該スライド開閉式の窓に取り付けられたセンサーによって排気の体積流量を変化させたりすることができる。追加の測定点25は、上記調節プロセスの監視に使用される。これは、独国特許出願公開第１９６０２９９号明細書による公知の方法で監視することができるが、本発明の装置の動作は上記追加の測定点25における測定を通して随時チェックすることができる。
【００２３】
本発明の装置は、局所排気装置の幅の大半を占めるように設計することができる。それゆえに、本発明の装置は、排気を捕集する導管を追加する必要なしに直接実験室局所排気装置1に取り付けることができる。必要とされる排気捕集導管は、本装置内に組み込まれている。
【００２４】
本装置は上記のような幅を備えているため、仕切り板17の排気方向転換領域側の端と測定用オリフィス20との間の距離32が十分長くなるので、測定用オリフィス20及び／又は測定用オリフィス群20、25に排気が十分に流入するようになる。上記測定用オリフィス20と調節フラップ21との間の距離が十分に長い場合には、結果として空気流の優れた流入距離が得られ、高い精度で測定値を得ることができる。圧力センサーの測定位置や調節弁を常時チェックすることができるように点検口を本装置の正面部34に設けることができる。
【００２５】
本装置は、排気の流れ方向を転換していることから実験室局所排気装置内部へ音を直接発生させることがない。そのため、本装置は、音の減衰効果を有するはめ込み式消音装置としても働く。
【００２６】
しかしながら、騒音レベルを更に下げる必要がある場合には、ハウジング6の内壁に吸音マット35、36を内張りすることができる。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】図１は、本発明の装置の実施態様を備えた排気システムの正面図である。
【図２】図２は、図１に示した排気システムの断面図である。
【図３】図３は、本発明の装置の実施態様の断面図である。
【図４】図４は、図３に示した実施態様の正面図である。
【図５】図５は、本発明の装置の実施態様の拡大断面図である。
【符号の説明】
【００２８】
1 実験室局所排気装置
6 ハウジング
8 排出装置
12 排出装置
13 排出装置（変形例）
17 仕切り板
18 排気方向転換領域
20 測定用オリフィス
21 調節フラップ
22 圧力測定装置
23 圧力測定装置
24 圧力測定装置
25 測定用オリフィス
28 圧力測定装置
29 圧力測定装置
34 点検口
【０００１】
本発明は、実験室局所排気装置用の排気体積流量調節装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
実験室の局所排気装置は、法定の体積流量規制値を厳格に遵守するものでなければならない。しかしながら、スペース的な事情から、大抵は正確に排気体積流量を測定し表示させることはできない。その理由としては、局所排気装置前方及びその内部における流れの状態が乱れていることや、構造的にも局所排気装置設置後に適当な測定領域を設けることができるようなスペースはほとんどないことが挙げられる。それゆえに、局所排気装置を使用する場合に、排気体積流量を測定し、法定の規制値に調節することは、非常に問題があった。
【０００３】
独国特許出願公開第１９５２８７８０号明細書は、既に、局所排気装置を通過する排気の体積流量を測定する測定装置について記載しており、この装置を用いることで排気流速を非常に高精度で測定することができる。この測定装置はハウジングを備え、これは、局所排気装置に装着することができ、さらに、該局所排気装置の内部に接続可能な流入装置と、排気システムに接続可能な排出装置とを備えている。上記ハウジング内部は、仕切り板によって局所排気装置側の区域と排出装置側の区域とに仕切られており、これらの２つの区域の間には排気の流れを方向転換する領域がある。ハウジング内部の排出装置側の区域内には配管が備え付けられ、その配管内部には排気の体積流量測定用のオリフィスが設けられている。
【０００４】
この公知の装置は、排気の体積流量測定に専ら用いられるものであり、その流量を調節することはできない。この排気の流れは、上記ハウジング内、即ち局所排気装置側の区域から排出装置側の区域に、またその区域から上記配管に、またその配管から排出装置側のダクトにといった具合に繰り返し方向転換を受け、その結果非常に大きな圧力低下が生じる。
【０００５】
独国特許出願公開第１９５４５９４８号明細書は、局所排気装置中の排気の体積流量の測定調節装置を開示しているが、この装置の調節装置の上流側に安定化域を設ける必要があり、このことが本装置を大型化するという欠点がある。
【０００６】
更に、独国特許出願公開第１９６００２９１号明細書は、ガス流における圧力差を測定する装置であって、２つの異なる測定方法を切り替えて対比測定することを可能にすることによって、これらの測定方法によってかかる形式の相互監視を行えるようにした装置を開示している。しかしながら、静圧の測定と有効圧力の測定とを切り替えるこの方法には、静圧の測定が局所排気装置の設置位置、スライド開閉式の窓の位置や同様のパラメータに依存するという欠点がある。
【０００７】
【特許文献１】
独国特許出願公開第１９５２８７８０号明細書
【特許文献２】
独国特許出願公開第１９５４５９４８号明細書
【特許文献３】
独国特許出願公開第１９６００２９１号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明の目的は、実験室局所排気装置用の排気の体積流量の調節装置であって、局所排気装置の種類や該局所排気装置を含んだ流入装置及び排出装置の配置にかかわらず、排気の体積流量を測定監視するのみならず調節することができる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明の装置は、特に可能な限り最短の測定距離において上記局所排気装置を通過する排気流量を測定し調節することを可能にするものである。
上記目的は、請求項第１項の特徴によって達成される。
本発明の装置の特に好ましい実施の形態及び変形例は請求項第２項ないし第７項に規定されている。
【００１０】
排気の体積流量測定位置をもう一つ別に特に設けることにより、設置位置に無関係に、また局所排気装置の位置に無関係に、第三者による排気の体積流量の監視が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
次に、本発明の特に好ましい実施例を各々の図面に基づいてより詳細に説明する。
【００１２】
図１及び図２に示すように、通常の実験室の局所排気装置1は、スライド開閉式の窓4を有しており、その窓の隙間を通して実験室局所排気装置1の内部に空気が流れ込む。この空気は、通常いくつかのスリット5を通して実験室局所排気装置１の作業領域から該実験室局所排気装置1内にある中間の捕集領域または低圧区域3に流れる。
【００１３】
実験室局所排気装置１には、実験室局所排気装置１内を流れる排気の体積流量を調節する装置が取り付けられる。この装置は、長方形の箱型のハウジング6を備え、該ハウジングは１つまたはそれ以上の接続部7によって上記局所排気装置１内の低圧区域3に接続されている。実験室局所排気装置１の設計形式により、上記接続部7は、１つ又はそれ以上のパイプ若しくはスリットの入った接続用導管とすることができる。上記流量調節装置は、また排気の流れを方向転換させる装置及び排出用導管8を有しており、この導管８を介して上記排気はこの装置から流出して、設置場所における排気システムに流れ込み、排気される。
【００１４】
ハウジング6の流入装置は、実験室局所排気装置１の設計次第で種々に設計することができる。実験室局所排気装置は、しばしば円形のパイプ片9を備えており、これは直接このハウジング6に接続することができる。別の実験室局所排気装置では、２つの接続部10及び11を有しているものがあり、これらもパイプ片9と同様にハウジング6に引き込むことができる。また、上記ハウジング6の円形の開口の代わりに長方形のスロットとすることもできる。
【００１５】
上記ハウジング6は、通常、排出装置として円形の接続用片8を備えており、それを通してハウジング6を換気できるようになっている。しかしながら、この接続用片は長方形の形状にすることもできる。必要とあれば、上記排出装置は、別の位置に設けてもよく、即ち、ハウジング6の上部ではなく、例えば右側面に設けることもできる。この場合、長方形の排出用接続片13が設けられる。また同様に、長方形の接続用片14又は15を介してハウジング6の前面から又は背面から延びる出口を設けることもできる。そのため、本装置には、種々の流入装置を取り付けて、個々の実験室の局所排気装置に適合させることができ、かくして、本装置は種々の方向に、即ち上方、前方、右方又は後方へ排気することもできる。
【００１６】
図３及び図４、特に図５に示すように、箱型のハウジング6は、1枚の仕切り板17で２つの区域、即ち排気の流入及び安定化区域16及びその上部区域19に仕切られ、これらの区域は、排気を方向転換させる領域18によってつながっている。
【００１７】
上部区域19には、長方形の測定用オリフィス20が設けられており、このオリフィス20は仕切り板17とハウジング6の上部壁内面との間に配置され、長方形の部材から構成されている。排気の体積流量測定は、この測定用オリフィス20によって行われる。上部区域19において、上記測定用オリフィス20の下流には、長方形の排気体積流量調節用の調節フラップ21が設けられている。この長方形の流量調節用調節フラップもまた、ハウジング6の上部壁内面と仕切り板17との間に取り付けられている。圧力センサー29が、上記測定用オリフィス21の上流の排気の有効圧力28と下流の排気の有効圧力22を測定するように配置されており、これにより上記測定用オリフィス20前後の有効圧力差が得られる。この有効圧力差から排気の体積流量を正確に測定することができる。
【００１８】
図５に示した特に好ましい実施の形態では、更に調節弁21の下流、即ち位置23においても有効圧力が測定される。有効圧力24は、有効圧力22及び23の組み合わせから得ることができる。この流路に連続して配置された測定点における有効圧力差を組み合わせて測定することにより、非常に広範な測定範囲にわたって排気の体積流量を測定することができる。
【００１９】
また図5に示すように、別の測定用オリフィス25を流れ方向に同じ高さで設けるような設計とすることもでき、位置26及び27において、例えばこれらの位置に接続された配管を用いることにより、適正な測定を行える。その結果、排気の体積流量は、排出空気及び流入空気の流れの状態とは無関係に測定、監視される。
【００２０】
本装置には、調節フラップ21の駆動用に調節駆動系を設けても良い。
【００２１】
局所排気装置のスライド開閉式の窓31に取り付けられたセンサー（不図示）に上記調節装置を接続することができる。
【００２２】
上記した本発明の装置を用いることにより、排気の体積流量、即ち排気流速を測定することができるとともに、排気の体積流量を一定レベルに調節したり、上記スライド開閉式の窓31の開閉位置に応じて該スライド開閉式の窓に取り付けられたセンサーによって排気の体積流量を変化させたりすることができる。追加の測定点25は、上記調節プロセスの監視に使用される。これは、独国特許出願公開第１９６０２９９号明細書による公知の方法で監視することができるが、本発明の装置の動作は上記追加の測定点25における測定を通して随時チェックすることができる。
【００２３】
本発明の装置は、局所排気装置の幅の大半を占めるように設計することができる。それゆえに、本発明の装置は、排気を捕集する導管を追加する必要なしに直接実験室局所排気装置1に取り付けることができる。必要とされる排気捕集導管は、本装置内に組み込まれている。
【００２４】
本装置は上記のような幅を備えているため、仕切り板17の排気方向転換領域側の端と測定用オリフィス20との間の距離32が十分長くなるので、測定用オリフィス20及び／又は測定用オリフィス群20、25に排気が十分に流入するようになる。上記測定用オリフィス20と調節フラップ21との間の距離が十分に長い場合には、結果として空気流の優れた流入距離が得られ、高い精度で測定値を得ることができる。圧力センサーの測定位置や調節弁を常時チェックすることができるように点検口を本装置の正面部34に設けることができる。
【００２５】
本装置は、排気の流れ方向を転換していることから実験室局所排気装置内部へ音を直接発生させることがない。そのため、本装置は、音の減衰効果を有するはめ込み式消音装置としても働く。
【００２６】
しかしながら、騒音レベルを更に下げる必要がある場合には、ハウジング6の内壁に吸音マット35、36を内張りすることができる。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】図１は、本発明の装置の実施態様を備えた排気システムの正面図である。
【図２】図２は、図１に示した排気システムの断面図である。
【図３】図３は、本発明の装置の実施態様の断面図である。
【図４】図４は、図３に示した実施態様の正面図である。
【図５】図５は、本発明の装置の実施態様の拡大断面図である。
【符号の説明】
【００２８】
1 実験室局所排気装置
6 ハウジング
8 排出装置
12 排出装置
13 排出装置（変形例）
17 仕切り板
18 排気方向転換領域
20 測定用オリフィス
21 調節フラップ
22 圧力測定装置
23 圧力測定装置
24 圧力測定装置
25 測定用オリフィス
28 圧力測定装置
29 圧力測定装置
34 点検口
Claims (7)
- 長方形のハウジング(6)を備えた実験室局所排気装置用の排気体積流量調節装置であって、
上記長方形のハウジング(6)は、実験室局所排気装置に配置することができ、かつ、上記実験室局所排気装置の内部に接続可能な流入装置と、排気システムに接続可能な排出装置（8、12、13）とを備え、
上記ハウジング(6)の内部は、仕切り板(17)によって2つの区域、即ち局所排気装置側の排気流の安定化区域と排出装置側の測定調節区域とに仕切られ、これらの区域は排気を方向転換させる領域(18)によってつながっており、また
圧力測定装置(22、23、24、28、29)を有する少なくとも１つの長方形の測定用オリフィス(20、25)と長方形の調節フラップ(21)が、上記測定調節区域内にハウジング壁面と上記仕切り板（17）との間で流れ方向に相互に離れて順に配置されている、
ことを特徴とする実験室局所排気装置用の排気体積流量調節装置。 - ２つの測定用オリフィス(20、27)が設けられ、これらが上記測定調節区域において流れ方向に同一のレベルに配置されていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
- 上記圧力測定装置(22、23、24、28、29)は、上記少なくとも１つの測定用オリフィス(20)の上流側、上記少なくとも１つの測定用オリフィス（20）の下流側及び上記調節フラップ(21)の下流側の有効圧力を検知し、それらが上記調節フラップ(21)前後の有効圧力差を形成するように構成されている請求項１又は２に記載の装置。
- 上記ハウジング(6)に吸音材を内張りしたことを特徴とする請求項１〜３のいずれか1項に記載の装置。
- 上記の少なくとも1つの測定用オリフィス(20)及び調節フラップ(21)は、上記排気方向転換領域と上記少なくとも１つの測定用オリフィス（20）との間及び上記少なくとも１つの測定用オリフィス（20）と上記調節フラップ(21)との間に排気流の安定化域が形成されるように配置されていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の装置。
- 点検口(34)が、上記ハウジング(6)の正面に設けられていることを特徴とする請求項１〜５のいずれか1項に記載の装置。
- 上記ハウジングの奥行きがその高さよりも大きいことを特徴とする請求項１〜６のいずれか1項に記載の装置。
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