JP2004512040A - Mapタンパク質に対するモノクローナル抗体、および感染を処置または予防することにおける使用方法 - Google Patents
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Abstract
Description
発明の分野
本発明は、概してMAPタンパク質、すなわちStaphylococcus aureusの実質的に全ての株によって発現される表面局在タンパク質に対して生成された抗体に関し、そして特にMap10タンパク質に対するモノクローナル抗体およびS.aureus感染の処置および保護におけるそれらの使用に関する。
【0002】
発明の背景
Staphylococcus aureusは、広範囲な宿主組織にコロニー形成し(colonizing)、さらに皮膚損傷(創傷感染、インペチゴ、およびフランケルのような)から生命を脅かす状態(肺炎、敗血性関節炎(septic arthritis)、敗血症、心内膜炎、および生体材料に関連する感染を含む)までの範囲に渡る範囲の感染を引き起こし得る細菌性病原体である。宿主の首尾よいコロニー形成は、ほとんどの微生物(S.aureusを含む)が動物またはヒトにおいて感染を引き起こすのに必要とされるプロセスである。微生物の接着は、最終的に疾患を引き起こし得る一連の出来事における最初の重要な段階である。病原性微生物は、細菌の表面上に存在する特定の付着因子(adhesins)を介して、カテーテル、人工関節、および脈管移植片のような宿主組織または血清の準備され埋入された生体材料に結合することによって、その宿主にコロニー形成する。MSCRAMMTMs(Microbial Surface Components Recognizing Adhesive Matrix Molecules)は、宿主の細胞外マトリックスにおける異なる成分を認識し且つ特異的に結合する細胞表面付着因子のファミリーである。一旦細菌が接着に成功し、そして宿主組織にコロニー形成すると、それらの生理機能が劇的に改変され、そして有害な成分(トキシンおよび加水分解酵素のような)が分泌される。さらに接着性細菌は、しばしば、バイオフィルムを産生し、そして素早くほとんどの抗生物質の殺傷効果に対してより耐性になる。
【0003】
このようにS.aureusは、特定の宿主組織成分への細菌接着を促進するように、個別に、または協力的に働き得る異なるMSCRAMMTMsのレパートリーを発現することが知られている。MAPタンパク質(実質的に全てのS.aureus株によって発現される表面局在タンパク質)として知られる1つのこのようなタンパク質は、例えば、McGavinら、Infect.Immun.p2479−2485(1993)において記載される。しかしながら、異なるMSCRAMMTMsの結合特性および細菌感染の感染力および蔓延におけるそれらの役割における多様性ゆえに、MAPタンパク質のようなS.aureusからのMSCRAMMTMsに関する情報を明らかにし且つ利用するという問題が依然として残っている。従って、広く多様なブドウ球菌(staph)感染を予防することだけでなく、ブドウ球菌生物の感染宿主からの迅速または強力な除去を促進することにおいて成果のある組成物を開発するという感染疾患の分野において大いに所望される目的が残されている。
【0004】
発明の要旨
従って、S.aureus MAPタンパク質に対する抗体を提供し、ブドウ球菌感染を防ぐことが本発明の目的である。
【0005】
S.aureus MAPタンパク質(Map10タンパク質を含む)の結合サブドメインに対する抗体を提供し、ブドウ球菌感染に対し保護することもまた、本発明の目的である。
【0006】
ブドウ球菌細菌の接着を防ぐことにおいて、およびオプソニン食作用性殺傷(opsonophagocytic killing)を介して、感染宿主からのこのような微生物の迅速な除去を促進することにおいて有用なMap10タンパク質に対するモノクローナル抗体を提供することもまた、本発明の目的である。
【0007】
MAPタンパク質を認識し得、それゆえブドウ球菌感染を同定および診断する方法において有用であり得る抗体および抗血清を提供することも、本発明のさらなる目的である。
【0008】
本発明のモノクローナル抗体の可変軽鎖配列および可変重鎖配列をコードするアミノ酸配列および核酸配列を提供することも、本発明のさらなる目的である。
【0009】
ブドウ球菌感染の予防および処置を目的とするMAPタンパク質および/またはその結合ドメイン(タンパク質Map10を含む)に対するモノクローナル抗体の単離および使用を含む本発明によって、これらおよびその他の目的が提供される。本発明に従う抗−MAP抗体の発見および単離は、従って、これらの抗体が、最初に微生物接着を予防し、そして次にオプソニン食作用殺傷を介する宿主からの感染生物の迅速な除去を促進するので、細菌に対する両刃(double−edged)の攻撃に使用され得る。単離MAPタンパク質およびそれらに惹起される抗体に基づく適切な組成物およびワクチン、ならびにそれらの使用のための方法がまた、本発明によって企図される。
【0010】
この開示される発明の精神および範囲を越えないこれらの実施形態ならびにその他の改変および改良は、本明細書および/または本明細書中に記載される参考文献(その全てが参考として援用される)を読むことによって、当業者に容易に明らかになるであろう。
【0011】
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明に従って、本発明者らによって単離および精製され、且つS.aureus感染に対して保護することが示されたS.aureusのMAPタンパク質に結合し得るモノクローナル抗体が提供される。MAPタンパク質は、実質的に全てのS.aureus株によって発現される表面局在タンパク質である。McGavinら[(McGavinら、1993,Infect.Immun.p2479−2485)は、様々な宿主タンパク質(BSP、フィブリノーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、およびトロンボスポンジンを含む)に結合する72kDa表面タンパク質(S.aureus株 FDA 574由来)を同定した。Mapと称されるその遺伝子はクローン化され、そして配列決定された(米国特許第5,648,240(本明細書中で参考として援用される))。map遺伝子は6つの繰り返しユニットを含み、各サブドメイン(おおよそ約100−140アミノ酸を含む)は、哺乳類動物種からのMHCクラスII DRβ分子のペプチド結合溝に類似性を示す。従って、MAPタンパク質は、それぞれ約100−140アミノ酸の範囲にある6つの分離したサブドメインを有すると考えられ、そしてその各々は約35残基の保存アミノ酸を含んでいると考えられる。当初は、Map結合がレクチン様活性を伴うことが提唱されたが(McGavinら、1993,Infect.Immun.p2479−2485)、その後の研究によって、Mapとその標的タンパク質との間の相互作用がタンパク質−タンパク質相互作用を伴うことが実証された(Jonssonら、J.Biol.Chem.1995,p.21457−21460)。サザンブロットおよびPCR技術を用いて、2つ目のmap遺伝子クラスもまた、S.aureus分離株において発見された。map遺伝子の2つ目のクラスによってコードされるタンパク質は、多数の繰り返し単位の有無を反映するようなサイズに関して異種性を示した。本発明に従って、本発明者らは、S.aureusのMap10タンパク質(配列番号2として以下に記載される配列を参照のこと)が、全MAPタンパク質の最小結合領域であるようであり、そしてそれゆえに、S.aureusのようなブドウ球菌属細菌の真核細胞への結合を予防することにおいて有用であり得、それゆえヒトおよび動物におけるS.aureus型感染を処置または予防し得るモノクローナルおよび他の型の抗体を単離および獲得するために使用され得ることを決定づけた。
【0012】
従って、本発明はMAPタンパク質またはその結合サブドメイン(Map10タンパク質を含む)に結合し得、またそれゆえブドウ球菌感染を予防または処置するのに有効な量で使用される場合、このような感染を予防および処置する方法において有用であり得るモノクローナル抗体を単離および/または精製することに関する。これらのモノクローナル抗体は、例えば、KohlerおよびMilstein,Nature 256:495−497(1975)の方法または当該分野で公知の他の適切な方法を使用して産生され得、さらに当該分野において周知である方法でキメラ、ヒト化、またはヒトモノクローナル抗体として調製され得る。さらになお、モノクローナル抗体は、単鎖(軽または重鎖のような)から調製され得、さらに全抗体の結合特性を保持する抗体の活性フラグメントから調製され得る。活性フラグメントによって、MAPタンパク質に結合する完全な抗体と同じ結合特異性を有する抗体フラグメントが意味され、また本明細書中において使用される用語「抗体(antibody)」は、上記フラグメントを含むことを意味される。さらに、本発明に従うモノクローナルまたはポリクローナル抗体を用いて調製される抗血清もまた企図され、そして当業者によって認識されるような数多くの適切な方法によって調製され得る。
【0013】
上記に示したように、MAPタンパク質に対する抗体は、当該分野において周知である数多くの適切な方法(MAPタンパク質に対するモノクローナル抗体を生成するために利用され得る上記の十分に確立されたKohlerおよびMilstein法のような)において調製され得る。1つのこのような方法において、マウスは、1週間に1回、長期間、精製組換えMAPタンパク質を用いて腹腔内注射され、その後この免疫されたマウスから得られた血液の試験を行い、精製MAPタンパク質に対する反応性を測定する。MAPに対して反応性であるマウスの同定に続いて、マウス脾臓から単離されるリンパ球がマウス骨髄腫細胞へ融合され、MAPに対する抗体に対して陽性なハイブリドーマ(これは、その後単離および培養され、その後精製およびアイソタイピングを行われる)が生産される。
【0014】
本発明に従うモノクローナル抗体を生成するためには、これらが、当該分野において周知の慣用的な方法を用いて組換的に調製されたMAPまたはMap10タンパク質を用いて生成されることが好ましい。例えば、1つのこのような方法は、組換えタンパク質およびペプチドをクローニングおよび発現させるための発現ベクターとして、E.coli発現ベクターpQE−30の使用を採用する。DNAの調製、精製、制限消化、アガロースゲル電気泳動およびライゲーションは、標準的な方法を用いて行われ得、そして生じる組換えMAPセグメントが単離および精製され、次いで上記の方法でモノクローナル抗体を生成するために使用され得る。
【0015】
PCRを用いる好ましい方法において、mapの最初のサブドメインがS.aureus FDA 574ゲノムDNAなどから増幅され、そしてE.coli発現ベクターPQE−30(Qiagen)(これは、6つのヒスチジン残基を含む組換え融合タンパク質の発現を可能にする)へサブクローニングされ得る。このベクターは、続いて、適切なE.coli株へ形質転換され、適切な光学密度(例えば、OD600)になるまで発酵槽の中で増殖され、さらに適切な化合物(0.2mM イソプロピル−1−ベータ−D ガラクトシド(IPTG)のような)で誘導され得る。次いでこの細胞は、中空糸アセンブリー(hollow−fiber assembly)(例えば、孔サイズ0.45μm)を使用して回収され得、そしてその細胞ペーストは凍結され、その後、適切な圧力(例えば、French Press @ 1100psiを通して2通過)で破砕される。次いで、破砕された細胞はスピンダウンされ、細胞破片が取り除かれ、キレート化カラムおよび適切な洗浄および溶出のような適した方法を用いて、適切なMAPタンパク質(またはMap10のような適切なサブドメイン)が単離される。MAPタンパク質はまた、エンドトキシン除去プロトコールを受ける。この産物をさらに精製することが必要とされる場合、さらなる工程が行われ得、そしてこの精製MAP抗体に対して生成される抗体は、さらに以下に記載される通りである。この方法を介して単離される1つのこのようなMap10タンパク質は、配列番号2に記載される様な配列を有し、そして配列番号1に記載される様な配列を有する核酸(またはその縮重体)によってコードされる。
【0016】
本発明に従って、MAPタンパク質に対するモノクローナル抗体が、数多くの適切な方法によって産生され得る。1つの好ましい方法において、この精製Map10サブドメインが使用され、マウスモノクローナル抗体のパネルが作製された。この好ましい方法において、Balb/Cマウスのグループに、溶液状態か、または皮下フロイント完全または不完全アジュバントのようなアジュバントと混合された135μgのMap10の一連の皮下免疫を行った。アジュバントの最後のブーストの3日後に、脾臓を取り出し、単一な細胞懸濁液へ細かく切り(teased)、そしてリンパ球を回収した。次いでこのリンパ球はSP2/0−Ag14骨髄腫細胞系(ATCC#1581)へ融合された。細胞融合、続くプレーティングおよびフィーディングは、Current Protocols in Immunology(Chapter2,Unit2)からのthe Production of Monoclonal Antibodies protocolに従って行われた。
【0017】
次いでこの融合体から生成された任意のクローンが、特異的抗−Map.10抗体産生について、標準的なELISAアッセイを用いてスクリーニングされた。陽性クローンが増殖され(expanded)、さらに試験され、そして抗−Map.10抗体を生成した単一細胞クローンを生産するクローンが同定された。
【0018】
次いで、ハイブリドーマ細胞は、RPMI/DMEM(2mM ピルビン酸ナトリウム、4mM L−グルタミンおよび2×ペニシリン−ストレプトマイシンを含み2−3リットル培養体積になる1×Nutridoma−SP培地)中で増殖された。次いでハイブリドーマの上清は、遠心分離によって回収された。上清は0.45μMフィルターを通して濾過され、そしてこのIgGは、Gタンパク質クロマトグラフィーを用いてアフィニティー精製された。このモノクローナル抗体は、0.1Mグリシン(pH2.7)を用いて溶出され、そして直ぐに10分の1体積の2M Tris(pH 8.0)で中和された。次いで精製IgGは、1×D−リン酸緩衝生理食塩水(pH 7.4)に対して透析された。必要ならば、この精製抗体を濃縮し、そしてアリコートを凍結させた。本発明に従って作製されるモノクローナル抗体としては、配列番号4(配列番号3の配列を有する核酸、またはそれらの縮重体によってコードされる)に示されるような可変軽鎖配列、および配列番号6(配列番号5の配列を有する核酸、またはそれらの縮重体によってコードされる)に示されるような可変重鎖配列を有する抗体が挙げられる。
【0019】
モノクローナル抗体に加えて、本発明はまた、MAPまたはそのサブドメイン(Map10のような)からのポリクローナル抗体を生成することを企図する。このようなポリクローナル抗体は、当該分野において公知の多数の適切な方法(精製MAPまたはMap10タンパク質ペプチドの適切な動物宿主への導入、続く宿主動物において産生された生成抗体の単離および精製のような)のいずれかにおいて生成され得る。
【0020】
MAPまたはMapタンパク質の組換え型を用いる抗体の産生が好ましいけれども、抗体は、天然の単離および精製MAPタンパク質またはペプチドからも生成され得、また上記と同様の方法において天然MAPタンパク質を用いて、モノクローナルまたはポリクローナル抗体が生成され、このような抗体が得られ得る。なお他の慣用的な方法も、当業者によって認識されるように、組換えまたは天然精製MAPタンパク質を用いて本発明のMAP抗体を生成するのに使用可能である。
【0021】
当業者によって認識されるように、本発明の抗体はまた、ブドウ球菌属細菌によって引き起こされる感染を処置または予防するためのヒトまたは動物患者への投与のための適切な薬学的組成物中へ形成され得る。本発明の抗体(またはその有効フラグメント)を含む薬学的組成物は、当該分野において一般的に使用され得る適切な薬学的ビヒクル、賦形剤(excipient)または担体(生理食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、他の治療化合物、およびそれらの組み合わせなどを含む)と共に処方され得る。当業者が認識するように、使用される特定のビヒクル、賦形剤または担体は、患者および患者の状態に依存して異なり、また当業者によって認識されるように、種々の投与形態が本発明の組成物に適する。本出願に開示される任意の薬学的組成物の投与の適切な方法としては、局所、経口、肛門、膣、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、鼻腔内および皮内投与が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
局所投与のために、該組成物は、軟膏、クリーム、ゲル、ローション、滴剤(点眼剤および点耳剤のような)、または液剤(マウスウォッシュのような)の形態で処方される。創傷または外科用包帯、縫合糸およびエアロゾルは、この組成物で含浸され得る。この組成物は、慣用的な添加剤(保存剤、浸透を促進させるための溶媒、皮膚緩和薬(emollients)のような)を含み得る。局所製剤はまた、慣用的な担体(クリームまたは軟膏基剤、エタノール、あるいはオレイルアルコールのような)を含み得る。
【0023】
抗体組成物のさらなる形態、および組成物に関する他の情報、他のMSCRAMMTMsに関する情報についての方法および適用はまた、MAP MSCRAMMTMに対する抗体を含む本発明にも応用され、また例えば米国特許第6,288,214(Hookら)(本明細書中で参考として援用される)に開示される。
【0024】
MAPタンパク質またはそのサブドメイン(Map10のような)に対して生成される本発明の抗体組成物はまた、この複合体に対する免疫原性応答を促進するのに有効な量の適切なアジュバントを用いて投与され得る。例えば、適切なアジュバントとしては、ミョウバン(リン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム)(これは、ヒトにおいて広く使用される)、および他のアジュバント(サポニンおよびその精製成分Quil A、フロイント完全アジュバント、および研究および獣医学の適用において使用される他のアジュバントのような)が挙げられ得る。さらに他の化学的に定義される調製物(ムラミルジペプチド、モノホスホリル脂質A、リン脂質複合体(Goodman−Snitkoffら、J.Immunol.147:410−415(1991)によって記載され且つ本明細書中で参考として援用されるもののような)、プロテオリポソーム内での複合体のカプセル化(Millerら、J. Exp. Med. 176:1739−1744 (1992)によって記載され且つ本明細書中で参考として援用されるような)、および脂質小胞(NovasomeTM脂質小胞(Micro Vescular Systems,Inc.,Nashua,NH)のような)におけるタンパク質のカプセル化もまた、有用であり得る。
【0025】
とにかく、本発明の抗体組成物は、このように、ブドウ球菌細菌と宿主細胞上のMAPタンパク質との間の結合相互作用を妨げ、調節し、阻害するために、あるいは宿主細胞上のMAPへ結合されるようになるブドウ球菌細菌を追放することにおいて、有用であろう。従って、本発明は、ブドウ球菌感染を予防または処置する組成物および方法を開発することにおいて、ならびにブドウ球菌細菌の真核細胞への結合を阻害することにおいて、特別な適用を有するであろう。
【0026】
本発明に従って、ブドウ球菌感染を予防または処置するための方法(これは、この感染を処置または予防するために有効な量で、上記のようなMAPタンパク質またはMap10タンパク質に対する有効量の抗体を投与することを包含する)が提供される。上にも示したように、本発明に従うMap10抗体は、細菌の接着を防ぐことだけでなく、生物の殺傷の増大および宿主からの感染の迅速な除去を導くオプソニン食作用活性を増大させることも観察されてきたという点において、二重に効果的である。従って、本発明に従って、上記の慣用的な方法(例えば、局所、非経口(parenteral)、筋肉内など)のいずれかにおける本発明の抗体の投与は、ヒトまたは動物患者におけるブドウ球菌感染を処置または予防する特に有用な方法を提供するであろう。有効量によって、細菌の接着を防ぐのに(宿主細胞へのブドウ球菌細菌の結合を阻害するのに)十分な抗体力価(titer)のレベルが、あるいは事前の感染(prior infection)の場合、感染を処置するためにオプソニン食作用殺傷を促進し且つ細菌の宿主細胞からの除去を促進するのに十分であろう量が意味される。当業者によって認識されるように、ブドウ球菌感染を処置または予防するのに効果的であるために必要とされる抗体力価のレベルは、患者の性質(nature)および状態、および/または予め存在する(pre−existing)ブドウ球菌感染の重大度(severity)に依存して異なるであろう。
上記のようなS.aureus感染を処置または予防するための方法におけるMAPタンパク質への抗体の使用に加え、本発明は、患者においてか、または感染されるかも知れない医療器具において、ブドウ球菌感染を診断するためのS.aureusの存在の検出を含む様々な方法におけるこれらの抗体の使用を企図する。本発明に従って、ブドウ球菌感染の存在を検出する好ましい方法は、1つ以上のブドウ球菌細菌種または株によって感染された疑いのあるサンプル(個体から(例えば、個体の血液、唾液、組織、骨、筋肉、軟骨または皮膚から)採取されたサンプルのような)を得る工程を包含する。次いで、この細胞は溶解され、そしてそのDNAが抽出され、沈殿され、さらに増幅され得る。このサンプルの単離後、本発明のMap10抗体を利用する診断アッセイが行われ、S.aureusの存在を検出し得、そしてサンプル中のこのような存在を決定するためのこのようなアッセイ技術は、当業者に公知であり、且つラジオイムノアッセイ、ウェスタンブロット分析、およびELISAアッセイのような方法を含む。概して、本発明に従って、S.aureus感染を診断する方法が企図され、ここでS.aureus感染に感染していると疑われているサンプルが本発明に従うMAPタンパク質抗体へ添加され、またS.aureusがそのサンプル中のMAPタンパク質に結合する抗体によって表示される。
【0027】
従って、本発明に従う抗体は、ブドウ球菌mapタンパク質の特異的検出のために、ブドウ球菌細菌からの感染の予防のために、進行中の感染症の処置のために、または研究道具としての使用のために、使用され得る。本明細書中において使用されるような用語「抗体(antibodies)」としては、モノクローナル、ポリクローナル、キメラ、単鎖、二重特異性、サル化(simianized)、およびヒト化または霊長類化(primatized)抗体、ならびにFabフラグメント(MAPまたはMap10タンパク質に対するその抗体の結合特異性を維持するそれらのフラグメント(Fabイムノグロブリン発現ライブラリーの産物を含む)のような)が挙げられる。これらの型の抗体または抗体フラグメントのいずれの生成も当業者に周知である。本発明の場合、MAPタンパク質に対するモノクローナル抗体は、生成および単離され、そしてブドウ球菌感染に対して保護することが示された。
【0028】
上記抗体のいずれも、ブドウ球菌細菌の同定および定量化のための検出可能な標識を用いて直接的に標識され得る。イムノアッセイにおける使用のための標識は、一般的に当業者に公知であり、そして酵素、放射性同位体、ならびに蛍光、発光、および発色物質(コロイダルゴールドおよびラテックスビーズのような着色粒子を含む)を含む。適切なイムノアッセイとしては、酵素−結合イムノソルベント検定法(ELISA)が挙げられる。
【0029】
あるいは、この抗体は、イムノグロブリンに対する親和性を有する標識物質との反応によって間接的に標識され得る。この抗体は、二次物質と複合体化され、そして抗体に複合体化される二次物質に対する親和性を有する標識三次物質を用いて検出され得る。例えば、この抗体はビオチンへ複合体化され、そしてその抗体−ビオチン複合体は、標識アビジンまたはストレプトアビジンを用いて検出され得る。同様に、この抗体は、ハプテンへ複合体化され、そしてこの抗体−ハプテン複合体は、標識抗−ハプテン抗体を用いて検出され得る。抗体およびアッセイ複合体を標識化するこれらおよび他の方法が当業者に周知である。
【0030】
MAPタンパク質に対する抗体はまた、製造施設または研究室において使用され、例えば、アフィニティークロマトグラフィーによりさらなる量のタンパク質を単離し得る。例えば、本発明の抗体はまた、さらなる量のMAPタンパク質を単離するために利用され得る。
【0031】
本発明の単離抗体、またはその活性フラグメントはまた、ブドウ球菌感染に対する受動免疫のためのワクチンの開発において利用され得る。さらに、薬学的組成物として創傷に投与されるか、あるいは医療用デバイスまたはin vitroおよびin vivoにおける重合性生体材料をコーティングするために使用される場合、本発明の抗体は、細菌のオプソニン食作用性殺傷を増強するこの抗体の能力ゆえに、ブドウ球菌感染が既に存在するこれらの場合において有用である。さらに、この抗体は必要に応じて改変され得、そのため、ある場合において、それが投与される患者においてより低い免疫原性である。例えば、もし患者がヒトであるならば、抗体は、ハイブリドーマ−由来抗体の相補的決定領域をヒトモノクローナル抗体へ移植する(transplanting)ことによって「ヒト化」され得る(例えば、Jonesら、Nature 321:522−525(1986)またはTempestら、Biotechnology 9:266−273(1991)によって記載される)。
【0032】
本明細書中に記載される抗体、タンパク質または活性フラグメントでコーティングされるであろう医療デバイスまたは重合性生体材料としては、ステープル(staple)、縫合糸、代替心臓弁(replacement heart valves)、心臓補助装置(cardiac assist device)、ハードおよびソフトコンタクトレンズ、眼内レンズインプラント(intraocular lens implant)(前眼房または後眼房)、角膜インレー(corneal inlays)、角膜−プロテーゼ(kerato−prostheses)、血管ステント(vascular stents)、エピケラトファリア(epikeratophalia)デバイス、緑内障シャント(glucoma shunts)、網膜ステープル(retinal staples)、強膜バックル(scleral buckles)、歯科プロテーゼ、甲状軟骨形成術用デバイス、喉頭形成術用(thyroplastic)デバイス、血管移植片、軟部および硬部組織プロテアーゼ(ポンプを含むがこれに限定されない)、電気デバイス(刺激器および記録器を含む)、聴覚プロテーゼ、ペースメーカー、人工喉頭、歯科インプラント、乳房インプラント、陰茎インプラント、頭蓋/顔面の腱(cranio/facial tendons)、人工関節、腱、靱帯、半月および盤(discs)、人工骨、人工臓器(人工膵臓、人工心臓、人工四肢、および心臓弁;ステント、ワイヤー、ガイドワイヤー、静脈内および中心静脈カテーテル、レーザーおよびバルーン血管形成術用デバイス、血管および心臓デバイス(チューブ、カテーテル、バルーン)、心室補助材、血液透析コンポーネント、血液酸素供給器、尿道/尿管/泌尿器デバイス(フォーリーカテーテル、ステント、チューブおよびバルーン)、気道カテーテル(気管内および気管開口チューブおよびカフ)、経腸栄養チューブ(経鼻胃、胃内および空腸チューブを含む)、創傷ドレーナッジチューブ(体腔(胸膜、腹膜、頭蓋、および心膜の腔のような)を除液する(drain)ために使用されるチューブ)、血液バッグ、試験管、血液採取管、ヴァキュテーナー(vacutainers)、シリンジ、ニードル、ピペット、ピペットチップ、および血液チュービングが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書中で使用される場合、用語「コーティングされた」または「コーティング」が、抗体または活性フラグメント、またはそれに由来する薬学的組成物をデバイスの表面(好ましくはブドウ球菌細菌感染に曝される外表面)へ塗布することを意味することは、当業者によって理解されるであろう。デバイスの表面は、このタンパク質、抗体または活性フラグメントによって完全に覆われなくてもよい。
【0034】
好ましい実施形態において、抗体はまた、ブドウ球菌感染を処置または予防するのに適切な抗体を提供する際に有用であろう受動ワクチンとして使用され得る。当業者によって認識されるように、数多くの適切な方法(例えば、非経口(すなわち筋肉内、皮内または皮下)投与または鼻咽頭(すなわち鼻腔内)投与による)における投与のためにパッケージ化され得る。1つのこのような形態では、ワクチンが筋肉内的に(例えば、三角筋へ)注射されるが、しかしながら投与の特定の形態は、取り扱われる細菌感染の性質および患者の状態に依存する。ワクチンは、好ましくは、投与を促進するための薬学的に許容される担体と組み合わせられ、そしてこの担体は通常、保存剤を含むまたは含まない水または緩衝生理食塩水である。このワクチンは、投与時の再懸濁に適するよう凍結乾燥され得、または溶液であり得る。
【0035】
本発明に従う抗体組成物の投与のための好ましい用量は、ブドウ球菌感染を予防するまたは処置するのに有効であろう量であり、そしてこの量が感染の性質および患者の状態に依存して非常に大きく変化するであろうことは容易に認識される。上記に示すように、本発明に従って使用される抗体または薬剤の「有効量」は、所望の予防または治療効果をもたらすような、薬剤の無害であるが十分な量を意味することを意図される。以下に指摘するであろうように、必要とされる抗体または特定の剤の正確な量は、被験体の種、年齢および全体的な状態、処置される状態の重篤度、使用される特定の担体またはアジュバントおよびその投与形態などに依存して、被験体ごとに異なる。従って、任意の特定の抗体組成物の「有効量」は、特定の環境に基づいて異なり、そして適切な有効量は、適用の各々の場合において、日常的に行われる実験のみを用いて当業者により決定され得る。その用量は、組成物が投与される個体に合わせて調整されるべきであり、また年齢、体重、および個体の代謝に伴って変化する。この組成物はさらに、(チメロサール(エチル(2−メルカプトベンゾエート−S)水銀ナトリウム塩)(Sigma Chemical Company, St. Louis, MO)のような薬学的に許容される保存剤または安定化剤を含み得る。
【0036】
適切な標識または他のふさわしい検出可能な生体分子または化学物質と共に使用される場合、本明細書中において記載されるモノクローナル抗体は、ブドウ球菌感染のin vivoおよびin vitro診断あるいはブドウ球菌属細菌の検出のような目的のために有用である。研究所の研究もまた、このような抗体の使用を通じて促進され得る。以下に示されるもののように、様々な型の標識およびこの標識を本発明の抗体へ複合体化させる方法は、当業者に周知である。
【0037】
例えば、抗体は、32P、3H、14C、35S、125I,または131I(これらに制限されない)のような放射性標識へ複合体化され得る。標識の検出は、シンチレーション計数、ガンマ線分光測定、またはオートラジオグラフィーのような方法によるものであり得る。生物発光標識(ホタルルシフェリンの誘導体ような)もまた、有用である。この生物発光物質は、従来法によってタンパク質へ共有結合され、そしてこの標識タンパク質は、酵素(ルシフェラーゼのような)が、生体発光分子に光の光子を放出させるATPを用いる反応を触媒する際に、検出される。発蛍光団(fluorogens)の例としては、フルオレセインおよび誘導体、フィコエリトリン、アロ−フィコシアニン、フィコシアニン、ローダミン、およびTexas Redが挙げられる。発蛍光団は一般的に、蛍光検出器によって検出される。
【0038】
細胞におけるリガンドの位置は、上記のように抗体を標識すること、および当業者に周知の方法(Warren and Nelson(Mol Cell. Biol, 7: 1326−1337, 1987)によって記載されるような方法を用いる免疫蛍光顕微鏡法のような)に従って標識を検出することによって、決定され得る。
【0039】
上に示されるように、本発明のモノクローナル抗体、あるいはその活性部分またはフラグメントは、哺乳類動物細胞外マトリックスタンパク質(MAPタンパク質のような)への細菌の接着のような感染の原因となるブドウ球菌病原体と哺乳類動物宿主との間の最初の物理的相互作用を妨害するために特に有用であり、そしてこの物理的相互作用の妨害は、患者を処置すること、および内在する医療デバイスへの細菌感染を予防および減少させ、それらを使用により安全にすることの両方において有用であり得る。
【0040】
本発明の別の実施形態において、単一容器内に凍結乾燥され、後にブドウ球菌細菌を含むと疑われる水性サンプルの添加によって活性になるような適切な形態で本発明の抗体を含む、ブドウ球菌属細菌および感染を単離および同定することにおいて有用であり得るキットが提供される。このようなキットは代表的に、本発明のMAP抗体へ結合する複合体の同定を可能にするであろう適切な免疫検出試薬と共に適切な形態において抗体を収容するための適切な容器を含み得る。例えば、免疫検出試薬は、ビオチンまたは検出可能な色を生成する酵素などのような、通常抗体へ結合され得るか、またはその抗体が抗原へ結合する際に検出可能な結果をもたらすような別の方法において利用され得る適切な検出可能なシグナルまたは標識を含み得る。
【0041】
簡単には、MAPタンパク質またはその活性フラグメントに結合する本発明の抗体は、このように、ヒトおよび動物患者におけるブドウ球菌感染を処置または予防することにおいて、ならびに医療用または他の内在デバイスにおいて格別に有用である。従って、本発明は、MAPタンパク質へ結合し得且つ細菌のオプソニン食作用性殺傷を伴うブドウ球菌感染の処置の方法において使用され得る抗体を同定するおよび単離する方法に関する。Mapタンパク質を結合し得、そしてブドウ球菌感染を予防または処置し得るMAP抗体のような、本発明の方法を用いて同定および/または単離される抗体はそれゆえ、本発明の一部である。
【0042】
【実施例】
本発明の好ましい実施態様の局面を例示する以下の実施例が提供される。当業者らは以下の実施例に開示される当該技術が、本発明の実施において有効に機能するように本発明者らによって発見された技術であり、またそれゆえに、その実施のための好ましい様式を構成すると考えられることを理解すべきである。しかしながら、本開示に鑑み、当業者は開示される特定の態様において多くの改変がなされ得ることを理解すべきであり、そしてまた本発明の精神および範囲から逸脱することなく、同様もしくは類似の結果を得る。
【0043】
実施例1. MAPタンパク質およびDNAの単離ならびにシーケンシング
PCRを使用して、S.aureus FDA574のゲノムDNAからmapの第一サブドメインを増幅し、そして6個のヒスチジン残基を含む組換え融合タンパク質の発現を可能にするE.coli発現ベクターPQE−30(Qiagen)のサブクローニングを行った。その後、このベクターをE.coli株ATCC 55151中に形質転換し、15−リットル発酵槽中で光学密度(OD600)0.7まで増殖させ、そして0.2mMのイソプロピル−1−ベータ−D−ガラクトシド(IPTG)と共に4時間誘導した。AGテクノロジーズ中空糸アッセンブリー(AG Technologies hollow−fiber assembly)(孔サイズ0.45μm)を使用して細胞を回収し、そしてこの細胞ペーストを−80℃で凍結した。French Press@1100psiによる2回の通過を使用して、細胞を1×PBS(10mLの緩衝液/1gの細胞ペースト)中で溶解した。溶解させた細胞を17,000rpmで30分間スピンダウンし、細胞片を除いた。0.1M NiCl2で荷電した5−mL HiTrap Chelating (Pharmacia)カラム上に、上清を通した。負荷後、5カラム容量の10mM Tris、pH8.0、100mM NaCl(Buffer A)を用いて、このカラムを洗浄した。30カラム容量以上の10mM Tris、pH8.0、100mM NaCl、200mM イミダゾール(Buffer B)の0−100%グラディエントを使用して、タンパク質を溶出した。Map10は〜13%Buffer B(〜26mMイミダゾール)にて溶出した。280nmにおける吸光度をモニターした。Map10を含む画分を1×PBS中で透析した。
【0044】
その後、このタンパク質をエンドトキシン除去プロトコールにかけた。このプロトコールの間使用された緩衝液は、5−mL Mono−Q セファロース(Pharmacia)カラム上を通過させることによって、エンドトキシンフリーにされた。タンパク質を4×15mL管の間で均等に分けた。BufferAを用いて、それぞれの管の容量を9mLにした。1mLの10% Triton X−114をそれぞれの管に加え、4℃で1時間、回転させながらインキュベーションした。相を分離するため、管を37℃の水浴中に置いた。管を2,000rpmで10分間スピンダウンし、そしてそれぞれの管の上部水相を回収し、さらに界面活性剤抽出を繰り返した。二度目の溶出からの水相を混合し、そして残留する界面活性剤を除くために、0.1M NiCl2で荷電した5−mL IDA chelating(Sigma)カラム上を通過させた。3カラム容量のBuffer Bでこのタンパク質を溶出する前に、このカラムを9カラム容量のBuffer Aで洗浄した。この溶出物は、5−mL Detoxigel(Sigma)カラム上を通され、そしてその通過液(flow−through)を回収し、そしてカラムに再アプライ(reapply)した。二度目の通過からの通過液を回収し、1×PBS中で透析した。マウスに投与する前に、この精製産物を濃度、純度、およびエンドトキシンレベルについて分析した。
Map10 DNA配列(6×His融合を含む)(配列番号:1):
【0045】
【化1】
【0046】
アミノ酸配列(配列番号:2):
【0047】
【化2】
【0048】
実施例2.MAPモノクローナル抗体の生産および単離
この精製されたMap10タンパク質を使用し、マウスモノクローナル抗体のパネル(panel)を生成した。簡潔には、Balb/Cマウスの群に、溶液中または以下に示すアジュバンドと混合される135μgのMap.10タンパク質の一連の皮下免疫を行った:
【0049】
【化3】
【0050】
最終ブーストの三日後、その脾臓を除き、細かく切って(teased)単一細胞懸濁液にし、そしてそのリンパ球を回収した。その後、そのリンパ球をSP2/0−Ag14骨髄腫細胞株(ATCC#1581)へ融合した。細胞融合、続くプレーティングおよび栄養補給(feeding)は、Current Protocols in Immunology (Chapter2,Unit2.)からのthe Production of Monoclonal Antibodies protocolに従って行った。
【0051】
その後、標準的なELISAアッセイを用いて、この融合から生成された全てのクローンを特異的抗―Map.10抗体産生についてスクリーンした。陽性のクローンを拡大し(expanded)、さらに試験した。当初は10個の陽性クローンを同定したが、結局4個が死滅し、限界希釈によって最終的に単一細胞クローン化された6個のみを残した。単一細胞クローンを活性について試験し、そしてもとの6クローンのうち4クローンのみが抗―Map.10抗体を生産する単一細胞クローンを産生した。
【0052】
抗体のスケールアップおよび精製
ハイブリドーマ細胞を、RPMI/DMEM(2−3リットル培養容量に対し2mM ピルビン酸ナトリウム、4mM L−グルタミンおよび2×ペニシリン−ストレプトマイシンを含む1×Nutridoma−SP培地)中で増殖した。その後、ハイブリドーマ上清を遠心分離によって回収した。この上清を0.45μMフィルターを介して濾過し、そしてプロテインGクロマトグラフィーを用いて、このIgGをアフィニティ精製した。0.1Mグリシン、pH2.7を使用してこのモノクローナル抗体を溶出し、直ちに10分の1容量の2M Tris、pH8.0で中和した。次いでこの精製IgGを、1×D−リン酸緩衝生理食塩水、pH7.4に対して透析した。必要であれば、この精製抗体を濃縮し、アリコートを凍結した。
【0053】
Staphylococcus.aureus株
S.aureus細胞は凍結グリセロールストックから取られ、そして一枚の血液寒天プレート上に植え付けられ、そして24時間、37℃で増殖させた。その後、単独コロニーを選択し、そして新たな血液寒天プレート上に植え付けた。これを最終凍結ストックの20ml毎に約30プレートについて繰り返した。その後、このプレートを24時間、37℃でインキュベーションした。インキュベーション後、この細菌をスクレイパー(scraper)から取り除くために穏やかにボルテックスしながら、このコロニーを各プレートの表面から50ml管(10mlの1×PBSを含む)へ掻き取った(10mlのPBSあたり20−30プレート)。次いで、細菌からの全ての寒天片の分離を容易にするため勢いよくボルテックスしながら、さらなる10mlの1×PBSを10mlの細菌懸濁液に加えた。この懸濁液を10分間、3500×g、4℃で遠心分離することによって、ペレット化した。この細菌をD−PBSで3回洗浄し、そして所望容量の培地に再び懸濁した。この細菌ストックは、エタノール/ドライバス(ethanol/dry bath)中で急速凍結することによって1mlのアリコート中に入れられ、そして−80℃の冷凍庫中に置いた。凍結ストックのCFU/ml濃度は、ストックの1mlを解凍し、10分間、3500×g、4℃で遠心分離し、管から上清をデカントし(decanting)、そしてペレットを1mlの1×PBSに再び懸濁することによって決定された。先の100μlの希釈液および900μlの1×PBSを使用して10−1から10−8までの一連の希釈液を作成し、50μlの10−4から10−8の希釈液を、血液寒天プレート上に二重に(in duplicate)プレーティングし、そして37℃で16−18時間インキュベーションした。10−1から10−2についての600nmにおける吸光度を測定および記録した。平均CFU/mlを決定するため、各希釈液についてCFU/mlを決定し(CFU/ml=(平均#コロニー×希釈ファクター)/0.005mls)、そして平均した。注射の日に、2つの1mlアリコートを解凍し、一つの管に混合し、そしてボルテックスした。注射後、10−5、10−6および10−7希釈のサンプル調製物を血液寒天プレート上にプレーティングし、注射したCFU/mlを決定した。注射した細菌の量は2.2×108CFU/ml S.aureus Barnettであった。
【0054】
動物、性別、種、数、年齢および供給源
Taconic Quality Laboratory Animals and Services for Research(Germantown,NY)より雌のBalb/Cマウス(5−6週齢)を購入した。動物は、処理開始前に少なくとも14日間の間、順応させた。到着してすぐに、マウスは検診され、吸湿性のある敷きわらを敷いたポリカーボネート靴箱型ケージ中でグループ飼育した(5/ケージ)。全てのマウスは、the NIH Guide for the care and Use of Laboratory Animalsに示される必要な管理基準の下、12時間の明暗周期に置かれた。
【0055】
同定および無作為化
全ての動物は、投与前に尾の入れ墨を使用することによって、独自に同定された。処理の開始前に、動物は個別に体重測定され、そしてそれらの健康状態が評価された。マウスを無作為化し、そして等級別に分けた体重を用いて処理群に割り当てた。
【0056】
MAP特異的モノクローナル抗体(Mab)、アイソタイプ:
H01 MAP.10 Mab,IgG1
H04 MAP.10 Mab,IgG1
H07 MAP.10 Mab,IgG1
H10 MAP.10 Mab,IgG1
【0057】
コントロール
コントロールは、Life Technologies, Inc.(Cat.No.10010−023;Lot No.1078749)より購入したリン酸緩衝生理食塩水、pH7.4(PBS)であった。
本実験のための実験計画は以下に示すとおりである:
実験計画
【0058】
【表1】
【0059】
データ
0.5mgのモノクローナルH01、H04、H07、H10またはPBSを用いる腹腔内(IP;0.5ml)注射により、マウスを処理した。IgG投与後18時間、そのマウスにS.aureus株Barnettを単一静脈注射でチャレンジ(challenged)した。その後、このマウスを7日間飼育し(Fig.1)、そして各群におけるマウスの生存データを、Mantel−Coxとして知られるログランク(logrank)テストによって解析した。この結果は表2に要約される。
【0060】
【表2】
【0061】
モノクローナルH07はマウス菌血症モデルにおいて最も高い防御効果を示した。モノクローナルH01は全く効果を示さなかったが、モノクローナルH04およびH10はコントロールに比べて有意な防御を引き起こした(しかし、H07と比較すると幾分効果が低かった)。ここに示される結果は、MAPに対するモノクローナル抗体がS.aureus感染に対して防御することを明白に表した。
【0062】
実施例3.いくつかのS.aureus株に対するMab H07およびMab10の比較
抗体のスケールアップおよび精製
ハイブリドーマ細胞をRPMI/DMEM(2−3リットルの培養容量に対し、2mM ピルビン酸ナトリウム、4mM L−グルタミンおよび2×ペニシリン−ストレプトマイシンを含む1×Nutridoma−SP培地)中で増殖した。その後、ハイブリドーマ上清を遠心分離によって回収した。この上清を0.45μMフィルターを介して濾過し、そしてプロテインGクロマトグラフィーを用いて、アフィニティ精製した。0.1Mグリシン、pH2.7を使用してこのモノクローナル抗体を溶出し、そして直ちに10分の1容量の2MTris、pH8.0によって中和した。次いでこの精製IgGを、1×D−リン酸緩衝生理食塩水、pH7.4に対して透析した。必要であれば、この精製抗体を濃縮し、アリコートを凍結した。
【0063】
Staphylococcus.aureus
S.aureus細胞は凍結グリセロールストックから取られ、一枚の血液寒天プレート上に植え付けられ、そして24時間、37℃で増殖させた。その後、単独コロニーを選択し、そして新たな血液寒天プレート上に植え付けた。これを最終凍結ストックの20ml毎に、約30プレートについて繰り返した。その後、このプレートを24時間、37℃でインキュベーションした。インキュベーション後、この細菌をスクレイパー(scraper)から取り除くために穏やかにボルテックスしながら、このコロニーを各プレートの表面から50ml管(10mlの1×PBSを含む)へ掻き取った(10mlのPBS当たり20−30プレート)。次いで、細菌からの全ての寒天片の分離を容易にするため勢いよくボルテックスしながら、さらなる10mlの1×PBSを10mlの細菌懸濁液に加えた。この懸濁液を10分間、3500×g、4℃で遠心分離することによって、ペレット化した。この細菌をD−PBSで3回洗浄し、所望容量の培地に再び懸濁した。細菌ストックは、エタノール/ドライバス(ethanol/dry bath)中で急速凍結することによって1mlアリコート中に入れられ、−80℃の冷凍庫中に置いた。凍結したストックのCFU/ml濃度は、ストックの1mlを解凍し、10分間、3500×g、4℃で遠心分離し、管から上清をデカントし、そしてペレットを1mlの1×PBSに再び懸濁することによって決定された。先の100μlの希釈液および900μlの1×PBSを使用して10−1から10−8までの一連の希釈液を作成し、50μlの10−4から10−8の希釈液を二重で血液寒天プレート上にプレーティングし、そして37℃で16−18時間インキュベーションした。10−1から10−2についての600nmにおける吸光度を測定および記録した。平均CFU/mlを決定するため、各希釈液についてのCFU/mlを決定し(CFU/ml=(平均#コロニー×希釈ファクター)/0.005mls)、そして平均した。注射の日に、2つの1mlアリコートを解凍し、一つの管に混合し、ボルテックスした。注射後、10−5、10−6および10−7希釈のサンプル調製物を血液寒天プレート上にプレーティングし、注射したCFU/mlを決定した。注射した細菌の量は1.4×109CFU/ml S.aureus Barnett、2.3×108CFU/ml S.aureus ATCC25923、4.9×107CFU/ml S.aureus ATCC49230であった。
【0064】
動物、性別、種、数、年齢および供給源
Taconic Quality Laboratory Animals and Services for Research (Germantown,NY)より雌のBalb/Cマウス(5−6週齢)を購入した。動物は、処理の開始前に少なくとも14日間の間、順応させた。到着してすぐに、マウスは検診され、吸湿性のある敷きわらを敷いたポリカーボネート靴箱型ケージ中でグループ飼育した(5/ケージ)。全てのマウスは、The NIH Guide for the Care and Use of Laboratory Animalsに示される、必要な管理基準の下、12時間の明暗周期に置かれた。
【0065】
同定および無作為化
全ての動物は、投与前に尾の入れ墨を使用することによって、独自に同定された。処理開始前に、動物は個別に体重測定され、そしてそれらの健康状態が評価された。マウスを無作為化し、そして等級別に分けた体重を用いて処理群に割り当てた。
【0066】
MAP特異的Mab
H07MAP.10Mab
H10MAP.10Mab
【0067】
コントロール
コントロールには、Life Technologies, Inc.(Cat.No.10010−023;Lot No.1078749)より購入したリン酸緩衝生理食塩水、pH7.4(PBS)であった。
本実験のための実験計画は以下に示すとおりである:
実験計画
【0068】
【表3】
【0069】
データ
0.5mgのモノクローナルH07、H10またはPBSを用いる腹腔内(IP;0.5ml)注射により、マウスを処理した。IgG投与後18時間、S.aureus株Barnettを単一静脈(IV)注射でチャレンジした。その後、このマウスを7日間飼育し、そして各群のマウスの生存データをMantel−Coxとして知られるログランク(logrank)テストによって解析した。この結果は表4に要約される。
【0070】
【表4】
【0071】
これらのデータは、Map.10のモノクローナル抗体,H07およびH10の単一注入が、当該in vivoモデルにおけるS.aureusの多様な菌株に対して、菌血症媒介死を有意に防ぐことを明確に表している。この結果は、図2、3および4に示される。
【0072】
実施例4.可変領域配列の単離および配列決定
Fast Track 2.0 キット(invitrogen;Cat.No.K4500)を使用して、Map H07ハイブリドーマ細胞からメッセンジャーRNAを単離した。簡潔には、10%FBSを含むDMEM−10培地中で培養した1.4×108ハイブリドーマ細胞をPBSで洗浄し、遠心分離によってペレット化した(pelleted)後、Protein/RNase Degraderを含む界面活性剤中に溶解させた。オリゴ−dTセルロース上でのアフィニティ精製によって、PolyA+ mRNAを単離した。第一鎖(first strand)cDNA合成は、mRNA(5μg)、各可変重鎖および可変軽鎖に対する20pmolの3’オリゴヌクレオチド・マウス−特異的プライマー(Novagen;Cat.Nos.69796および69812)を含む、cDNA合成キット(Novagen;Cat.No.69001−3)中の逆転写酵素を使用することによって達成された。PCR Regent System(Life Technologies;Cat.No.10198−018)ならびにマウス可変重鎖および軽鎖特異的プライマーセット(Novagen;Cat.No.70081−3、各5pmol)を使用する30サイクル(94C ホットスタートの後、94C1分間、50C1分間、72C1分間サイクル)のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって、cDNAの一部(5から50ng)を増幅した。PCR産物を酢酸ナトリウム緩衝液中の1%超純粋アガロースゲル中で電気泳動的に分別し、エチジウムブロマイド染色によって可視化した。予想されたサイズに適合するPCR断片をそのゲルから切り出し、そしてpCR2.1−TOPO(Invitrogen)プラスミドへのライゲーションのためにBIO 101 Genecleanスピンカラム(Cat.No.1101−400)を使用して精製し、続いてコンピテントTOP10 E.coli(Invitrogen;Cat.No.K4500)への形質転換を行った。QIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN;Cat.No.27106)を使用してプラスミドDNAを単離した後、インサートを含む陽性クローンを制限エンドヌクレアーゼ消化およびアガロースゲル電気泳動によって同定し、続いてM13 フォワードおよびM13リバースプライマーを使用してABI自動シークエンサー上で配列決定した。
【0073】
配列決定の結果は以下のとおりである:
H07VLG−2(可変軽鎖配列)(配列番号:3および4)
【0074】
【化4】
【0075】
CDRを示すアミノ酸には下線が引かれる。
H07VHD−1(可変重鎖配列)(配列番号:5および6)
【0076】
【化5】
【0077】
CDRを示すアミノ酸には下線が引かれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明に従うモノクローナル抗体で注射されたマウスの生存データのグラフ図である。
【図2】
図2は、本発明に従うモノクローナル抗体で注射されたマウスの生存データのグラフ図である。
【図3】
図3は、本発明に従うモノクローナル抗体で注射されたマウスの生存データのグラフ図である。
【図4】
図4は、本発明に従うモノクローナル抗体で注射されたマウスの生存データのグラフ図である。
Claims (29)
- S.aureus由来のMap10タンパク質へ結合する単離抗体。
- 前記抗体がヒトまたは動物におけるS.aureus感染を予防する、請求項1に記載の抗体。
- 前記抗体がブドウ球菌属細菌の真核細胞への結合を阻害する、請求項1に記載の抗体。
- 前記抗体がヒトまたは動物における非経口、経口、鼻腔内、皮下、エアゾール化または静脈内投与に適する、請求項1に記載の抗体。
- 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項1に記載の抗体。
- 前記モノクローナル抗体がキメラ、ヒト化、およびヒトモノクローナル抗体からなる群より選択される型に属する、請求項5に記載の抗体。
- 前記抗体が単鎖モノクローナル抗体である、請求項5に記載の抗体。
- S.aureus MAPタンパク質へ結合する抗体と同一の結合特異性を有する抗体フラグメントを含む、請求項1に記載の抗体。
- 配列番号4に記載の可変軽鎖配列を有する、請求項1に記載の抗体。
- 配列番号3に記載の核酸配列またはその縮重体によってコードされる可変軽鎖配列を有する、請求項1に記載の抗体。
- 配列番号6に記載の可変重鎖配列を有する、請求項1に記載の抗体。
- 配列番号5に記載の核酸配列またはその縮重体によってコードされる可変軽鎖配列を有する、請求項1に記載の抗体。
- 前記抗体がポリクローナル抗体である、請求項1に記載の抗体。
- 請求項1に記載の抗体を含む単離抗血清。
- 請求項1に記載の抗体およびその抗体による結合を検出するための手段を含む診断キット。
- 前記結合を検出するための手段が前記抗体へ結合された検出可能な標識を含む、請求項15に記載の診断キット。
- 請求項1に記載の抗体をS.aureusに感染していると疑われるサンプルへ添加すること、および抗体が該サンプルへ結合したか否かを決定することを包含する、S.aureusの感染を診断する方法。
- 有効量の請求項1に記載の抗体および薬学的に許容されるビヒクル、担体または賦形剤を含む、S.aureusの感染を処置または予防するための薬学的組成物。
- ヒトまたは動物患者へ有効量の請求項1に記載の抗体を投与することを包含する、S.aureusの感染を処置または予防する方法。
- ヒトまたは動物へ単離されたS.aureus Map10タンパク質を投与することを包含する、免疫学的応答を誘導する方法。
- 抗−MAP抗体を含むと疑われるサンプルへ単離Mao10タンパク質を添加すること、および該抗体が添加されたMap10タンパク質へ結合したか否かを決定することを包含する、Map10タンパク質に対する抗体を同定する方法。
- S.aureus由来のMap10タンパク質へ結合する単離抗体。
- 配列番号2のアミノ酸配列へ結合する能力を有する、請求項1に記載の単離抗体。
- 配列番号1の核酸配列またはその縮重体によってコードされるアミノ酸配列へ結合する能力を有する請求項1に記載の単離抗体。
- 配列番号4に記載の可変軽鎖配列を有する単離抗体。
- 配列番号6に記載の可変重鎖配列を有する単離抗体。
- 単離されたS.aureus Map10タンパク質。
- 配列番号2に記載のアミノ酸配列を有する、請求項27に記載の単離タンパク質。
- 配列番号1に記載の核酸配列またはその縮重体によってコードされるアミノ酸配列を有する請求項27に記載の単離タンパク質。
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