JP2004511272A - 先端部保護デバイス - Google Patents
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Abstract
本発明は、血管形成術やアテローム切除術といった血管治療に用いる先端部保護デバイスである。供給部材の先端部に位置するフィルター組立体は、手術の最中及び直後に剥離した塞栓を捕獲すべく、治療される血管部位の先端側で展開する。そしてフィルターは、捕獲した塞栓を抱え込んだまま引っ込められ、患者の体外に取り出される。
Description
【0001】
本出願は、出願日を1999年8月3日とする米国特許出願番号09/366,391であって発明の名称が「先端部保護デバイス」の一部継続出願で、その内容はここに参照により援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は概要的には、粒子を捕獲するための血管内デバイスに関する。より具体的には、本発明は血管手術の最中に血管内の塞栓を捕獲し、手術完了後に、捕獲した塞栓を患者から除去する供給部材の先端部に位置するフィルター組立体に関する。
【0003】
発明の背景
血管内のアテローム性プラーク(athersclerotic plaque)の圧縮又は除去には、さまざまな治療法が存在する。血管形成用バルーンカテーテルの使用は、狭窄した血管、或いは病変した血管を拡張するのに、侵襲のレベルが最も低い治療として業界では一般的な技術である。この治療は経皮的血管形成術(PTA)として知られる。PTAのプラス効果を持続させる目的で、治療後の血管に半径方向の支持を提供するために、手術に合わせてステントを移植することもある。
【0004】
狭窄或いは病変した血管を拡張するため、血栓の全部又は相当部分を除去するのは、PTA手術でなくても実現しうる。血栓摘出術やアテローム切除術(atherectomy)は、血管の病変部の狭窄を機械的に切除又は削り取る侵襲の最も少ない手術として、よく知られている。そのほか、切除療法の場合にはレーザーや高周波信号(RF信号)を使い、血管内の血栓を焼灼又は蒸散させる。こうした手術の間に、解離した塞栓はカテーテルを通じて患者から除去される。
【0005】
これらの手術はいずれもその間に、この手術によって解離した塞栓が、循環系の中で移動し、凝血して血塊や発作を引き起こすリスクがある。それゆえ手術担当者は、閉塞デバイス、フィルター、溶解技術や吸引技術を活用し、血栓遊離の防止に取り組んできた。アテローム切除術では、切除されたものや剥離されたものをカテーテル内の吸引ルーメンを通じて吸引するか、治療部位の先端側に配置したフィルターや閉塞デバイスの中に解離塞栓を捕獲することで、切除又は削り取った物質を取り出すのが一般的である。
【0006】
従来技術によるフィルターや閉塞デバイスは、カテーテルか或いはガイドワイヤーと共に使用され、治療される部位の先端側に配置される。従来技術の1つの場合には、折り畳み可能なフィルターデバイスで、カテーテル先端部にある膨張バルーンのバルーン先端側に配置されたフィルターを含む。フィルターは、弾力性に富んだ骨組み(リブ)に取り付けたフィルター材から成る。このリブは、カテーテルの先端部に取り付けられる。フィルターバルーンは、カテーテル外面とリブの間に位置する。フィルターバルーンが膨らむと、リブが外側に向かって血管全体に広がり、これが膨張したバルーンによって解離した破片の回収装置となる。フィルターバルーンがしぼむと、弾力性のあるリブがカテーテルに向けて閉じられ、カテーテルが引き出される間、このリブが破片を抱きかかえる。
【0007】
別の従来技術のフィルター装置は、可撓性の細長い管の全長に沿って、相互に間隔を開けて装着された複数のフィルター素子を含む。これは口の開いた管状の靴下のような装置を形成し、中に塞栓を取り込む。その後フィルターは、螺旋状に巻きつけられるようにして閉じられて、可撓性の細長い部材の周りに巻き付けられる。
【0008】
更に別の従来技術のフィルターの場合には、中空のガイドワイヤーや中空のチューブの先端部に装着されたフィルターが含まれる。コアワイヤーがフィルターの開閉に用いられる。フィルターは、コアワイヤーにより形成された基端部に、開くことができる外縁(リム)を持つ。フィルターは、先端部でガイドワイヤーに固定される。
【0009】
もう1つの従来技術のデバイスの場合には、形状記憶素材でできたフィルターがある。このデバイスは、フィルターの基端部を先端部に向けて動かすことで用いられる。シース(sheath)をフィルターの上にかぶせるようにして動かすことにより、デバイスを折り畳み、引き出すようにしてシースとフィルターを取り去る。
【0010】
更に別の従来技術のフィルターデバイスの場合には、ガイドワイヤーを通じて挿入されるシャフトに取り付けた、圧縮可能な高分子発泡フィルターが開示されている。フィルターはハウジング内に折り畳まれて挿入され、部位に着くとハウジングが外れてフィルターが配置される。フィルターは、シャフトとフィルターに対して内腔の大きなカテーテルをかぶせて格納し、その後シャフト、フィルター、カテーテルを一緒に取り出す。
【0011】
別の従来技術のフィルター装置の場合は、基端部のフレームワークに取り付けられた先端フィルター素材で構成されるフィルターを持つ。基端部材がシャフトに沿って先端方向にスライドすると、フィルターが傘のように開き、基端側にスライドするとフィルターが閉じる。別の大きなフィルターシースをシャフトにかぶせることができ、このときにフィルターはシャフト内に引っ込められて、患者の体外に引き出される。
【0012】
他に知られた従来技術のフィルターは、管状のシャフトによってガイドワイヤーの先端部に取り付けられる。停止部材(以下、ストッパー)がガイドワイヤーの基端部とフィルターの先端部に付けられ、フィルターはガイドワイヤーとは無関係に軸に沿って移動したり、引き出したりできる。フィルターを開いたり閉めたりするときにはシースが使われる。
【0013】
既知のフィルター装置にまつわる一つの問題は、塞栓がフィルター内に完全に格納できるとは限らないことだ。フィルター組立体のフレーム部分を含めて、フィルターのわずかに先端側のエリア内に、塞栓がたまることがある。フィルターが閉じたとき、フィルター内に完全に取り込まれなかった塞栓は、フィルターの周囲をうまく逃げて循環系に入り、生命の危険につながりかねない発作を引き起こし得る。手術の間に閉塞デバイスが用いられるときには、血流は遮断されるが、閉塞デバイスが治療部位から引き離されると、塞栓は格納されることなく逃げることができる。
【0014】
それゆえ必要なのは、フィルター組立体の中に完全に収まりきれなかったり、閉塞デバイスによって完全には捕獲されなかった塞栓の問題に対処するフィルター装置である。更に、標準的なPTAバルーンやステント供給カテーテルによる供給に適合したフィルター組立体の必要性もある。加えて、供給部材の先端部と基端部に登載することで確保されたフィルター組立体であって、使用中にフィルターを適切な位置に配置することや、塞栓を捕獲した後でフィルターと捕獲した塞栓を取り出すことが確実にできるようなフィルター組立体の必要性もある。
【0015】
発明の要約
本発明は、血管内手術に用いられる先端部保護デバイスだ。先端部保護デバイスは、手術に用いられる供給部材の先端部に近接したフィルター組立体を含む。フィルター組立体の基端部と先端部は、供給部材に固定され、両端が供給部材に沿って縦に移動することはできないが、供給部材のコアから独立して回転できる。フィルター組立体は拡張できるフレームを含み、先端部が塞栓フィルターとして機能する。塞栓フィルターは拡張し、目指す治療部位よりわずかに末梢側にある血管の横断部をカバーするのに十分な大きさである。
【0016】
フィルター組立体は、多様な形態を取ることができる。ある実施態様では、フレームはフィルター組立体の中枢部のみを構成し、末梢側はフィルター材のみで形成する。フレームは、撚り合わせた形態を取ることも、フィルター材に近接した洞様環素子(sinusoidal ring element)と洞様環から供給部材へと伸びる螺旋部で構成することもできる。他の実施態様では、フレームがバスケット装置を形成し、バスケットの末梢側半分にフィルター材を含んでいる。そのようなフレームは、より目の詰まった捩れを末梢側に配置することで、フィルター素材の必要性を省くことができる。
【0017】
このフィルター組立体は更に、塞栓フィルターを拡張ポジションと格納ポジションの間に配置する可動式のシースを含む。シースはフレーム上を前進し、フィルター組立体のフレームとフィルターはシースに引き込まれる際に折り畳まれる。同様に、フレームとフィルターがシースから出てくると、それらは散開し、フィルターは治療部位の血管先端部の横断面をカバーする。
【0018】
フィルター組立体の他の実施態様では、シースから伸びる吸引ルーメンや射出ルーメンを含むこともある。これにより、フィルターを畳み、患者の体外に取り出す前に、大型の塞栓を溶解したり吸引できるようになる。
【0019】
フィルター組立体の他の代替的な実施態様は、供給部材に対してフィルターの基端部を縦に固定し、フィルターの先端部は管にスライドするように装着する。シースは挿入及び引き出しの際、フィルターを圧してフィルターの上を通り過ぎる。このときフィルターの先端部は、供給部材上で末梢方向にスライドし、フィルターの長さが伸びる。この実施態様のフィルターもまた、端から端まで密集して撚り合わさり、細かい孔を持つバスケットを形成するフレームを含むことができる。このフィルターはまた、撚り合わせの後ろに中枢側に形成される大型の導入口を持っている。このフィルターの実施態様を配置したときの形態は、総じて流線形をしており、基端部は総じて鈍角な円錐、先端部は総じて鋭角な円錐となる。シリンダー型の筒が、中枢側と末梢側の円錐間のフィルター本体の形を決める。
【0020】
シースは、当業者に知られたとおり、ラピッドエクスチェンジ型(rapid exchange)の装置もしくはオーバーザワイヤー型(over−the−wire)の装置とともに用いられるように設定されている。
【0021】
好適実施態様の詳細な説明
本発明は、図1の10に示された先端部保護デバイスであって、例えば術者が手術の間に解離した物質の捕獲を望むような血管手術やその他の手術といった、侵襲の最も少ない手術に用いる。先端部保護デバイス10は、供給部材16の先端部14の近くに配置されたフィルター組立体12を含む。この好ましい実施態様では、供給部材16は、調整されたガイドワイヤー組立体にすることができるが、以下、このガイドワイヤー組立体は「供給部材」「ガイドワイヤー」「コアワイヤー」のいずれかで呼ぶこととする。フィルター組立体12の外側をスライドするように構成されたシース18により、フィルター組立体12は供給、展開、引き込みが行われる。先端部保護デバイス10が閉められた状態にあるときは、フィルター組立体12は図2に示されるように、シース18の中に畳み込まれている。フィルター組立体12が展開するとき、シース18は引き戻され、図1に示されるようにフィルター組立体12を放出する。
【0022】
フィルター組立体12は、フィルター20とフレーム22を含み、先端部24と基端部26において、供給部材16に固定されている。フィルター組立体の24端と26端が縦一列に固定され、その縦一列の配置を保ちつつ、ガイドワイヤー軸17に関係なく回転できれば好ましい。フィルター20は、十分な灌流を確保しつつ、血液から塞栓を濾過するような、適切なメッシュ又は多孔性の素材で形成される。例えば多孔性のフィルターは、ウレタン素材に塩、砂糖などの粗い粒子を添加して成型したウレタン材料から作ることができる。切断及び養生の後で、当業者に公知のように、これらの粗い粒子は溶解し多孔性のウレタンフィルターが出来上がる。他の適切なフィルター素材には、ナイロン、ePTFE、テフロン(登録商標)、ケブラーなど、フィルターを通る血液から塞栓を濾過する適切な多孔構造を持つものが含まれる。
【0023】
フィルター組立体12は、供給部材16と同心に配置されている。フィルター20は、図1のように完全に展開したときに、基端エッジ28が血管壁30の内膜に接するような大きさの構成となっている。塞栓がフィルター20を通って逃げ出さないようにするため、内膜への接触が横断面全体で保たれるのが望ましい。フィルター20は、基端エッジ28においてフレーム22に、先端部32において供給部材16に、それぞれ固定されるのが望ましい。
【0024】
フィルター組立体12のフレーム22は、例えばニチノール、適当なポリマー、ステンレススチール、その他の適切な素材など、形状記憶素材から作られた拡張可能なフレームである。数本の支柱(まとめて34で示す)は、図1及び図2に見られるとおり、基端側連結部26で供給部材16から伸びて、フィルター20の基端エッジ28に至り、フレーム22を形成する。
【0025】
或いは図3に示されるように、支柱38はフィルター40の周囲まで伸び、少なくともバスケットフレーム42の先端部44において、フィルター40とともにバスケットフレーム42を形成することもできる。そのような装置の場合、バスケットフレーム42は、基端部46と先端部48で、ガイドワイヤー50に固定されるのが望ましい。図1の実施態様に関しては、バスケットフレーム42は、ガイドワイヤー50と関係なく回転動作ができるように、ガイドワイヤーへの取り付けを縦一列に行うのが望ましい。フィルター40は、基端部52でバスケットフレーム42に、先端部54でバスケットフレーム42に、それぞれ固定される。フィルター40は、バスケットフレーム42の先端部44で、支柱38に取り付けることもできる。或いは、ウレタンなどの適切な素材で、バスケットフレーム42の選択した部分をディップコーティングし、望ましい多孔性の構造を先端部44に形成処理することで、フィルター40をバスケットフレーム42上に作ることもできる。
【0026】
図1に示した撚り合わせ形状を含めて、適切な形状の支柱はいろいろある。図4に示されたフィルター組立体バスケット58の支柱56は、先端部61に目の詰まった撚り合わせを備え、基端部63にかけて、より目の粗い撚り合わせに変化している。フィルター材は先端部61に配置することもできる。その場合、別にフィルター材を取り付けるか、図3に示された実施態様に関する上記説明の通り、バスケット58の選択した部分にディップコーティングを施す。或いは先端部61において、支柱56の撚り合わせを十分に目の詰まったものにして、多孔性のフィルターとして機能させることで、バスケット58に別のフィルター材を用意したり、選択的なディップコーティングを施す必要を省くこともできる。フィルター組立体バスケット58は、基端部66及び先端部68にてガイドワイヤー65に固定される。同じく、フィルター組立体バスケット58も、ガイドワイヤー軸に関係なく回転動作ができるように、長手方向に縦一列でガイドワイヤー65に固定するのが望ましい。シース70は、フィルター組立体バスケット58を展開するのに用いられる。
【0027】
図5に示されたフィルター組立体80は、図1のフィルター装置に似ている。フレーム82は、正弦曲線を描く素子でできた先端リング84で成り立っている。螺旋状部材90がリング84からガイドワイヤー86にかけて伸びる。フィルター92の先端部96は、ガイドワイヤー86に固定される。
【0028】
シース98は、吸引用内腔(以下、吸引ルーメン)100と、溶解用内腔(以下、溶解ルーメン)102を内蔵する。2つのルーメンが示されているが、当業者に知られたとおり、シース98に組み込めるのは、吸引ルーメンか溶解ルーメンのいずれか1つである。シース18とシース98のいずれかにおいて好ましい構造は、図4に示されるとおり、なるべく放射線不透過性の先端部67をシャフトに組み込むことである。先端部67がシースの他部分に比べて放射線不透過となるのは、そこにより多くの放射線不透過剤が含まれるからだ。シースは、30%のビスマス・サブカーボネイト(bismuth subcarbonate)を含むのが望ましく、先端部67はタングステン粉を80%含んでいる。シースにするのに好ましいポリマー素材は、Elf Atochem North America社(米ペンシルベニア州フィラデルフィア)のPEBAX(登録商標)など、55Dポリエーテルブロックアミドである。先端部67は、当業者に知られたとおり、突合せ継ぎ手の技法でシース18の他の部分に単純に接合することもできる。先端部67はシースの他の部分に比べて、量的に多く、密度も高い状態で放射線不透過剤を含むため、先端部67は同時に、シースの他の部分より堅くなっている。
【0029】
図6は、5番目のフィルター組立体の実施態様で、シース18やシース98などの展開・再格納カテーテルとともに用いることができる。シース18、シース98のいずれも、図6に示された展開形状と、図2のフィルター組立体12に似た折り畳み形状の間で、フィルター組立体112を変形させるのに使うことができる。
【0030】
フィルター組立体112はフィルター120を有し、フィルター120はシリンダー型中央筒132、先端円錐134、基端面130を持つように構成されている。中央筒132のシリンダー形状は、より大きな表面部分が血管壁に接触できるように構成されている。接触部分が広がることで、フィルター組立体112は治療中、血管壁に対してより安定的に取り付けられることになる。シリンダー型筒132は更に、塞栓をためる上でより大きな容積を与えている。
【0031】
このような先端部保護デバイスのフィルターは、脈管構造の治療部位の下流側、すなわち先端側に置くことを意図しているため、フィルターはできる限り短いのが望ましい。フィルターの全長を短くすると、血管(例えば冠状動脈)の中部、或いは先端部においてさえも、治療を可能にし、その一方で治療部位の下流側にフィルターを置く余地を十分に残す。基端面130は平らな面で、シリンダー型中央筒132と垂直になっている。基端面130の平らな形状により、フィルター120の全長はほとんど変わらず、特に図4のフィルター組立体バスケット58の基端部66と比較しても長さはほとんど変わらない。他の実施態様に示されるように、基端面130を円錐とみなすと、内側の角度は180度である。
【0032】
フィルター組立体112では、フィルター120は供給部材(すなわちガイドワイヤー116)の先端部114の近くに取り付けられる。先端部114では、細シャフト117の周囲にバネコイル119を巻き付けておくのが望ましい。バネコイル119は、フィルター120の基端部まで伸ばしておくのが望ましい。フィルター120の基端部166と先端部168は、ガイドワイヤー116に固定される。基端部166は、はんだ、真鍮、或いは接着剤を用いてガイドワイヤー116に固定するのが望ましい。別の方法としては、図10に示されるとおり、ガイドワイヤー116とフィルター120の間で多少回転できるように、基端部266をガイドワイヤー116に取り付けることもできる。螺旋状部材140は、ガイドワイヤー116に緩く巻きつき、基端部と先端部はそこに取り付けられていて、フィルター基端部266の基端部側と先端部側に亘って延在する。基端部266は、部材140の基端部と先端部の間に取り付けられるが、下部のガイドワイヤー116には固定されず、そのことにより部材140(両端を除く)の全体にわたって、ガイドワイヤー116に対して、ある程度回転できるようになっている。
【0033】
先端部168は、管状スライダー170に取り付けられるのが望ましい。スライダー170は、ガイドワイヤー116の先端部114の外側をスライドできるように取り付けられている。スライダー170は、適当なプラスチック又は金属素材で作ることができるが、薄肉のポリイミド熱硬化ポリマーが望ましい。先端部168とスライダー170の固定は、接着剤を使うのが望ましい。基端部と先端部の放射線不透過マーカーバンド176と178はそれぞれ、基端部166及び先端部168を取り囲むようにして配置される。弾頭型チップ150は、スライダー170、先端部168、マーカーバンド178を取り囲むように形成される。チップ150は、成型部材と接着剤の組み合わせで良く、人体の体腔の中でスムーズに動けるように、先端側に行く程先細りにしておく。チップ150の外径は、シース18又は98の外径とほぼ同じに構成して、いずれかのシースがスライドしながらフィルター112の上に来たときに、シそのシースがチップ150の基端側と合致するようにする。或いは図10に示すように、3番目の放射線不透過マーカーバンド174をガイドワイヤー116に組み込むこともできる。医療手術の間に蛍光透視鏡で見て、バンド178と174が同軸に配置された状態であれば、フィルター220が完全に開いていることを示す。フィルター220が畳み込まれている場合には、フィルター220は蛍光透視鏡で見るとバンド178がバンド174の先端側に現れるように引き伸ばされている。
【0034】
止め具172は、フィルター端166と168の間でガイドワイヤーに固定された、短い管状の部材である。止め具172はスライドを停止させたり、追加的に連結しておいて、基端部166とガイドワイヤー116の接着不良により、フィルター120がガイドワイヤー116から外れるのを防ぐ。シース18がフィルター120又は220に向かって進み、フィルターを圧縮すると、基端側円錐130又は230が、フィルター内に向かって裏返しになる傾向になる。この裏返りを防ぐため、図11に示したように長細い止め具172が、先端部268又はスライダー170にほとんど接触するところまで来る。基端側の円錐が裏返しになること、言い換えればフィルター220を短くし過ぎることは、先端部268と基端部266とが最低限の距離を保つことで、製品112をあれこれ操作する間防がれる。
【0035】
別の実施態様では、止め具172は、図12が示すようにバネコイルで作られる。止め具172には、コアワイヤー116に取り付けられた基端部と、先端部266に取り付けられた先端部がある。展開された状態では、止め具172のコイルが互いに重なり、フィルター220がそれ以上短くならなくなる。フィルター220を圧縮して畳み込んでいる間は、端部266と端部268が離れて止め具172が伸びるが、このときコイルが離れて、張力が増す。この張力は、ステント220がシース18又はシース98から放出した際に有益だ。止め具172により内側への展開力が得られることで、NiTi(ニチノール)などの形状記憶合金とは異なる素材で、フィルター220を形成することが容易になる。なぜなら、フィルター220は、それ自体に展開力を持たせる必要がないからだ。
【0036】
フィルター組立体112は、目が細かく編まれた構造を使うことにより、支柱56が単独でフィルターバスケットになる点で、図4に示したフィルター組立体バスケット58に似ている。フィルター120は、ほぼ一定のピッチの撚り合わせで作られ、更なるフィルター材を必要としなくなるように、約75ミクロンから125ミクロンの均一の孔径にするのが望ましい。
【0037】
基端面130は図7に示すように、導入口190を含む。導入口190は、フィルター120を撚り合わせた後、基端面に金属製の形作り用心棒を基端面に挿入し、フィルター120の撚り合わせに熱処理を施すことで、形成される。導入口190は、フィルター組立体112の基端部側から見たとき、最もよく説明できる。なぜならこの位置から見ると、本発明の6番目の実施態様(以下で説明)のように、例え基端面が平らでなくても、導入口190を形成した心棒の形状が明らかになるからである。導入口190は、フィルターへの取り込み口となるため、フィルター120の孔より実質的に大きい。導入口190は、丸みを帯びた対称形なら好ましい形はいろいろあるが、どの場合でも、シリンダー型中央筒132の半径と同じ面内にある軸192を伴う。粒状物質を効果的に集めるため、フィルター120の構造の完全さを犠牲にしない程度に、導入口190は基端面130を可能な限り広く見えるようにするべきだ。そのような導入口190は、例えば中央筒132の半径と基端部166の半径との差の約90%にするなど、軸192をなるべく長く取るようにする。図7は、5番目のフィルター実施態様の基端面130の中に形成された2つの大きな腎臓形の導入口を示している。別の場合の構造として、より小型の導入口190を多数含み、シリンダー筒132を基端部166に結ぶための撚り合わせられた材料の量を多くすることもできる。
【0038】
図8、9、10には、6番目の実施態様が示されている。シース18又は98は、図8に示されたほぼなみだのような形状の展開後の状態と、図2に示されたようなフィルター20に似た、折り畳まれた状態との間で、フィルター220を変形させるのに用いることができる。フィルター220は、シリンダー型中央筒132、先端円錐234、基端面230、基端部266及び先端部268をそれぞれ持つように形作られている。フィルター220はフィルター120に似ているが、基端面230が平らではなく円錐形になっている点が異なり、丸みを帯びた肩部231は、基端面230からシリンダー型中央筒232にかけての移行部を形成する。基端部から見ると、4つの円形の導入口290が、基端面230の全体に亘って等間隔で配置されている。各導入口は、シリンダー型中央筒232の半径と同じ面内にある軸292を持っている。基端面230の内側の円錐の角度は、90°より大きいのが望ましく、100°前後が最も望ましい。円錐状の基端面230と丸みを帯びた肩部231を組み合わせることで、血管壁を引っ掻く可能性を軽減し、粒子収集の効率も高める。
【0039】
フィルター組立体12の展開を説明するが、説明する手順は、ここに述べたフィルター組立体実施態様のいずれにも、等しく適用できる。展開のメカニズムは、供給部材16の上を移動し、図2に示されたようにフィルター組立体12を収容する大きさのシース18を含む。シース18は、吸引用内腔60と組み合わせることができる。加えて、シース18は洗浄用内腔62(図1)と組み合わせて、手術者が手術前又は手術の最中に、支柱に付着した塞栓を除去するために溶解剤と一緒にフィルターを流し出すことができる。シースは、図1でシース18とともに示されたオーバーザワイヤー型のシステムか、図5のシース98とともに示された高速エクスチェンジ形のシステムのいずれかで、使用できる。
【0040】
施術においては、図2に示されたようにフィルター組立体12を完全に覆うところまで、供給部材16の上でシース18を伸ばす。そして、シース18、フィルター組立体12、供給部材16が患者に挿入され、図1の64に示されたように治療部位まで送り込まれる。フィルター組立体12とシース18は、治療部位64を通り過ぎたところに配置する。シース18はそこで引き戻され、フィルター組立体12の支柱34を放出する。支柱34が自由な位置に来ると、フィルター20は拡大し、血管の横断面全体がそれでカバーされる。シース18は、供給部材16より完全に引き戻され、治療カテーテルなど適切な二次デバイスが、供給部材16を介して治療部位に送り込まれる。
【0041】
例えば血管形成術、アテローム切除術、或いは同様の手術の治療中・治療後に、塞栓が剥離することがある。塞栓は下流に移動し、フィルター20に捕獲される。治療カテーテルは、この手術後に取り出され、シース18が供給部材16上に搭載され、治療部位64に送られる。フィルター組立体12を折り畳む前に、術者はフィルター20が十分捕獲しきれなかった可能性のある解離塞栓を取り除くため、手術部分を吸引することができる。例えば、塞栓はフィルター20の基端部側にある支柱34の上に留まっていることもある。フィルター20が畳まれたときに、こうした塞栓が血流中に逃げることもある。従って、粒子は除去されなければならない。更に術者は、溶解剤で手術部分を洗い流し、フィルターを再格納する前に、フィルター20や支柱34の中の塞栓を小さくしておくことを選ぶこともできる。
【0042】
術者は次に、フィルター組立体12の上にシース18を伸ばし、シース18の中でフィルター20と捕獲した塞栓をシース18の中に取り込む。そこで、シース18、フィルター組立体12、供給部材16を患者から引き抜くことができる。シース18をフィルター120又は220に向けて前進して、これらを圧縮したときは、基端面130又は230がフィルター内部に向かって裏返しになる傾向が出てくる可能性がある。この裏返しを防ぐには、図10に示したとおり、スライダー170を基端部168からフィルター220の内側へと伸ばす策を取ることもできる。フィルターが圧縮されている間に短くなる傾向があれば、スライダー170が基端部266や安全止め具172などの他の部材に突き当たるようになって、短縮することを制限し、基端面の裏返りを防止する。
【0043】
上述の実施態様及び例は例示であって、ここに発表される請求項の範囲を制限する意図では決してない。例えばフィルター材は、貫通させた穴をいくつも持つナイロンフィルムでもPETフィルムでも構わない。フィルターは、カテーテルなどの供給部材に登載したり、狭窄の進んだ部位に送り込むために膨張バルーンと一体化されたものとなることもある。こうした変形タイプやその他のタイプは本発明の範囲内に入る。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明の先端部保護デバイスを装着したカテーテルと供給部材の側面図。先端部保護デバイスは、血管内に配置された形で示されている。
【図2】
図2は、本発明の先端部保護デバイスを装着したカテーテルと供給部材の先端側の側面図。先端部保護デバイスはカテーテル内に押し込められた状態で示されている。カテーテルは断面図で示されている。
【図3】
図3は、本発明の2番目のフィルター装置で、展開された状態を示した側面図。
【図4】
図4は、本発明の3番目のフィルター装置で、展開された状態を示した側面図。
【図5】
図5は、高速エクスチェンジ型の挿入シース及び本発明の4番目のフィルター組立体の側面図。
【図6】
図6は、本発明の5番目のフィルター装置の側面図で、フィルターは縦断面で示されている。
【図7】
図7は、図6に示された5番目のフィルター装置の基端側から見た図。
【図8】
図8は、本発明の6番目のフィルターの側面図。
【図9】
図9は、図8に示された6番目のフィルターの基端側から見た図。
【図10】
図10は、本発明の7番目のフィルター装置を分解した縦断面。
【図11】
図11は、本発明の8番目のフィルター装置を分解した縦断面。
【図12】
図12は、本発明の9番目のフィルター装置を分解した縦断面。
本出願は、出願日を1999年8月3日とする米国特許出願番号09/366,391であって発明の名称が「先端部保護デバイス」の一部継続出願で、その内容はここに参照により援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は概要的には、粒子を捕獲するための血管内デバイスに関する。より具体的には、本発明は血管手術の最中に血管内の塞栓を捕獲し、手術完了後に、捕獲した塞栓を患者から除去する供給部材の先端部に位置するフィルター組立体に関する。
【0003】
発明の背景
血管内のアテローム性プラーク(athersclerotic plaque)の圧縮又は除去には、さまざまな治療法が存在する。血管形成用バルーンカテーテルの使用は、狭窄した血管、或いは病変した血管を拡張するのに、侵襲のレベルが最も低い治療として業界では一般的な技術である。この治療は経皮的血管形成術(PTA)として知られる。PTAのプラス効果を持続させる目的で、治療後の血管に半径方向の支持を提供するために、手術に合わせてステントを移植することもある。
【0004】
狭窄或いは病変した血管を拡張するため、血栓の全部又は相当部分を除去するのは、PTA手術でなくても実現しうる。血栓摘出術やアテローム切除術(atherectomy)は、血管の病変部の狭窄を機械的に切除又は削り取る侵襲の最も少ない手術として、よく知られている。そのほか、切除療法の場合にはレーザーや高周波信号(RF信号)を使い、血管内の血栓を焼灼又は蒸散させる。こうした手術の間に、解離した塞栓はカテーテルを通じて患者から除去される。
【0005】
これらの手術はいずれもその間に、この手術によって解離した塞栓が、循環系の中で移動し、凝血して血塊や発作を引き起こすリスクがある。それゆえ手術担当者は、閉塞デバイス、フィルター、溶解技術や吸引技術を活用し、血栓遊離の防止に取り組んできた。アテローム切除術では、切除されたものや剥離されたものをカテーテル内の吸引ルーメンを通じて吸引するか、治療部位の先端側に配置したフィルターや閉塞デバイスの中に解離塞栓を捕獲することで、切除又は削り取った物質を取り出すのが一般的である。
【0006】
従来技術によるフィルターや閉塞デバイスは、カテーテルか或いはガイドワイヤーと共に使用され、治療される部位の先端側に配置される。従来技術の1つの場合には、折り畳み可能なフィルターデバイスで、カテーテル先端部にある膨張バルーンのバルーン先端側に配置されたフィルターを含む。フィルターは、弾力性に富んだ骨組み(リブ)に取り付けたフィルター材から成る。このリブは、カテーテルの先端部に取り付けられる。フィルターバルーンは、カテーテル外面とリブの間に位置する。フィルターバルーンが膨らむと、リブが外側に向かって血管全体に広がり、これが膨張したバルーンによって解離した破片の回収装置となる。フィルターバルーンがしぼむと、弾力性のあるリブがカテーテルに向けて閉じられ、カテーテルが引き出される間、このリブが破片を抱きかかえる。
【0007】
別の従来技術のフィルター装置は、可撓性の細長い管の全長に沿って、相互に間隔を開けて装着された複数のフィルター素子を含む。これは口の開いた管状の靴下のような装置を形成し、中に塞栓を取り込む。その後フィルターは、螺旋状に巻きつけられるようにして閉じられて、可撓性の細長い部材の周りに巻き付けられる。
【0008】
更に別の従来技術のフィルターの場合には、中空のガイドワイヤーや中空のチューブの先端部に装着されたフィルターが含まれる。コアワイヤーがフィルターの開閉に用いられる。フィルターは、コアワイヤーにより形成された基端部に、開くことができる外縁(リム)を持つ。フィルターは、先端部でガイドワイヤーに固定される。
【0009】
もう1つの従来技術のデバイスの場合には、形状記憶素材でできたフィルターがある。このデバイスは、フィルターの基端部を先端部に向けて動かすことで用いられる。シース(sheath)をフィルターの上にかぶせるようにして動かすことにより、デバイスを折り畳み、引き出すようにしてシースとフィルターを取り去る。
【0010】
更に別の従来技術のフィルターデバイスの場合には、ガイドワイヤーを通じて挿入されるシャフトに取り付けた、圧縮可能な高分子発泡フィルターが開示されている。フィルターはハウジング内に折り畳まれて挿入され、部位に着くとハウジングが外れてフィルターが配置される。フィルターは、シャフトとフィルターに対して内腔の大きなカテーテルをかぶせて格納し、その後シャフト、フィルター、カテーテルを一緒に取り出す。
【0011】
別の従来技術のフィルター装置の場合は、基端部のフレームワークに取り付けられた先端フィルター素材で構成されるフィルターを持つ。基端部材がシャフトに沿って先端方向にスライドすると、フィルターが傘のように開き、基端側にスライドするとフィルターが閉じる。別の大きなフィルターシースをシャフトにかぶせることができ、このときにフィルターはシャフト内に引っ込められて、患者の体外に引き出される。
【0012】
他に知られた従来技術のフィルターは、管状のシャフトによってガイドワイヤーの先端部に取り付けられる。停止部材(以下、ストッパー)がガイドワイヤーの基端部とフィルターの先端部に付けられ、フィルターはガイドワイヤーとは無関係に軸に沿って移動したり、引き出したりできる。フィルターを開いたり閉めたりするときにはシースが使われる。
【0013】
既知のフィルター装置にまつわる一つの問題は、塞栓がフィルター内に完全に格納できるとは限らないことだ。フィルター組立体のフレーム部分を含めて、フィルターのわずかに先端側のエリア内に、塞栓がたまることがある。フィルターが閉じたとき、フィルター内に完全に取り込まれなかった塞栓は、フィルターの周囲をうまく逃げて循環系に入り、生命の危険につながりかねない発作を引き起こし得る。手術の間に閉塞デバイスが用いられるときには、血流は遮断されるが、閉塞デバイスが治療部位から引き離されると、塞栓は格納されることなく逃げることができる。
【0014】
それゆえ必要なのは、フィルター組立体の中に完全に収まりきれなかったり、閉塞デバイスによって完全には捕獲されなかった塞栓の問題に対処するフィルター装置である。更に、標準的なPTAバルーンやステント供給カテーテルによる供給に適合したフィルター組立体の必要性もある。加えて、供給部材の先端部と基端部に登載することで確保されたフィルター組立体であって、使用中にフィルターを適切な位置に配置することや、塞栓を捕獲した後でフィルターと捕獲した塞栓を取り出すことが確実にできるようなフィルター組立体の必要性もある。
【0015】
発明の要約
本発明は、血管内手術に用いられる先端部保護デバイスだ。先端部保護デバイスは、手術に用いられる供給部材の先端部に近接したフィルター組立体を含む。フィルター組立体の基端部と先端部は、供給部材に固定され、両端が供給部材に沿って縦に移動することはできないが、供給部材のコアから独立して回転できる。フィルター組立体は拡張できるフレームを含み、先端部が塞栓フィルターとして機能する。塞栓フィルターは拡張し、目指す治療部位よりわずかに末梢側にある血管の横断部をカバーするのに十分な大きさである。
【0016】
フィルター組立体は、多様な形態を取ることができる。ある実施態様では、フレームはフィルター組立体の中枢部のみを構成し、末梢側はフィルター材のみで形成する。フレームは、撚り合わせた形態を取ることも、フィルター材に近接した洞様環素子(sinusoidal ring element)と洞様環から供給部材へと伸びる螺旋部で構成することもできる。他の実施態様では、フレームがバスケット装置を形成し、バスケットの末梢側半分にフィルター材を含んでいる。そのようなフレームは、より目の詰まった捩れを末梢側に配置することで、フィルター素材の必要性を省くことができる。
【0017】
このフィルター組立体は更に、塞栓フィルターを拡張ポジションと格納ポジションの間に配置する可動式のシースを含む。シースはフレーム上を前進し、フィルター組立体のフレームとフィルターはシースに引き込まれる際に折り畳まれる。同様に、フレームとフィルターがシースから出てくると、それらは散開し、フィルターは治療部位の血管先端部の横断面をカバーする。
【0018】
フィルター組立体の他の実施態様では、シースから伸びる吸引ルーメンや射出ルーメンを含むこともある。これにより、フィルターを畳み、患者の体外に取り出す前に、大型の塞栓を溶解したり吸引できるようになる。
【0019】
フィルター組立体の他の代替的な実施態様は、供給部材に対してフィルターの基端部を縦に固定し、フィルターの先端部は管にスライドするように装着する。シースは挿入及び引き出しの際、フィルターを圧してフィルターの上を通り過ぎる。このときフィルターの先端部は、供給部材上で末梢方向にスライドし、フィルターの長さが伸びる。この実施態様のフィルターもまた、端から端まで密集して撚り合わさり、細かい孔を持つバスケットを形成するフレームを含むことができる。このフィルターはまた、撚り合わせの後ろに中枢側に形成される大型の導入口を持っている。このフィルターの実施態様を配置したときの形態は、総じて流線形をしており、基端部は総じて鈍角な円錐、先端部は総じて鋭角な円錐となる。シリンダー型の筒が、中枢側と末梢側の円錐間のフィルター本体の形を決める。
【0020】
シースは、当業者に知られたとおり、ラピッドエクスチェンジ型(rapid exchange)の装置もしくはオーバーザワイヤー型(over−the−wire)の装置とともに用いられるように設定されている。
【0021】
好適実施態様の詳細な説明
本発明は、図1の10に示された先端部保護デバイスであって、例えば術者が手術の間に解離した物質の捕獲を望むような血管手術やその他の手術といった、侵襲の最も少ない手術に用いる。先端部保護デバイス10は、供給部材16の先端部14の近くに配置されたフィルター組立体12を含む。この好ましい実施態様では、供給部材16は、調整されたガイドワイヤー組立体にすることができるが、以下、このガイドワイヤー組立体は「供給部材」「ガイドワイヤー」「コアワイヤー」のいずれかで呼ぶこととする。フィルター組立体12の外側をスライドするように構成されたシース18により、フィルター組立体12は供給、展開、引き込みが行われる。先端部保護デバイス10が閉められた状態にあるときは、フィルター組立体12は図2に示されるように、シース18の中に畳み込まれている。フィルター組立体12が展開するとき、シース18は引き戻され、図1に示されるようにフィルター組立体12を放出する。
【0022】
フィルター組立体12は、フィルター20とフレーム22を含み、先端部24と基端部26において、供給部材16に固定されている。フィルター組立体の24端と26端が縦一列に固定され、その縦一列の配置を保ちつつ、ガイドワイヤー軸17に関係なく回転できれば好ましい。フィルター20は、十分な灌流を確保しつつ、血液から塞栓を濾過するような、適切なメッシュ又は多孔性の素材で形成される。例えば多孔性のフィルターは、ウレタン素材に塩、砂糖などの粗い粒子を添加して成型したウレタン材料から作ることができる。切断及び養生の後で、当業者に公知のように、これらの粗い粒子は溶解し多孔性のウレタンフィルターが出来上がる。他の適切なフィルター素材には、ナイロン、ePTFE、テフロン(登録商標)、ケブラーなど、フィルターを通る血液から塞栓を濾過する適切な多孔構造を持つものが含まれる。
【0023】
フィルター組立体12は、供給部材16と同心に配置されている。フィルター20は、図1のように完全に展開したときに、基端エッジ28が血管壁30の内膜に接するような大きさの構成となっている。塞栓がフィルター20を通って逃げ出さないようにするため、内膜への接触が横断面全体で保たれるのが望ましい。フィルター20は、基端エッジ28においてフレーム22に、先端部32において供給部材16に、それぞれ固定されるのが望ましい。
【0024】
フィルター組立体12のフレーム22は、例えばニチノール、適当なポリマー、ステンレススチール、その他の適切な素材など、形状記憶素材から作られた拡張可能なフレームである。数本の支柱(まとめて34で示す)は、図1及び図2に見られるとおり、基端側連結部26で供給部材16から伸びて、フィルター20の基端エッジ28に至り、フレーム22を形成する。
【0025】
或いは図3に示されるように、支柱38はフィルター40の周囲まで伸び、少なくともバスケットフレーム42の先端部44において、フィルター40とともにバスケットフレーム42を形成することもできる。そのような装置の場合、バスケットフレーム42は、基端部46と先端部48で、ガイドワイヤー50に固定されるのが望ましい。図1の実施態様に関しては、バスケットフレーム42は、ガイドワイヤー50と関係なく回転動作ができるように、ガイドワイヤーへの取り付けを縦一列に行うのが望ましい。フィルター40は、基端部52でバスケットフレーム42に、先端部54でバスケットフレーム42に、それぞれ固定される。フィルター40は、バスケットフレーム42の先端部44で、支柱38に取り付けることもできる。或いは、ウレタンなどの適切な素材で、バスケットフレーム42の選択した部分をディップコーティングし、望ましい多孔性の構造を先端部44に形成処理することで、フィルター40をバスケットフレーム42上に作ることもできる。
【0026】
図1に示した撚り合わせ形状を含めて、適切な形状の支柱はいろいろある。図4に示されたフィルター組立体バスケット58の支柱56は、先端部61に目の詰まった撚り合わせを備え、基端部63にかけて、より目の粗い撚り合わせに変化している。フィルター材は先端部61に配置することもできる。その場合、別にフィルター材を取り付けるか、図3に示された実施態様に関する上記説明の通り、バスケット58の選択した部分にディップコーティングを施す。或いは先端部61において、支柱56の撚り合わせを十分に目の詰まったものにして、多孔性のフィルターとして機能させることで、バスケット58に別のフィルター材を用意したり、選択的なディップコーティングを施す必要を省くこともできる。フィルター組立体バスケット58は、基端部66及び先端部68にてガイドワイヤー65に固定される。同じく、フィルター組立体バスケット58も、ガイドワイヤー軸に関係なく回転動作ができるように、長手方向に縦一列でガイドワイヤー65に固定するのが望ましい。シース70は、フィルター組立体バスケット58を展開するのに用いられる。
【0027】
図5に示されたフィルター組立体80は、図1のフィルター装置に似ている。フレーム82は、正弦曲線を描く素子でできた先端リング84で成り立っている。螺旋状部材90がリング84からガイドワイヤー86にかけて伸びる。フィルター92の先端部96は、ガイドワイヤー86に固定される。
【0028】
シース98は、吸引用内腔(以下、吸引ルーメン)100と、溶解用内腔(以下、溶解ルーメン)102を内蔵する。2つのルーメンが示されているが、当業者に知られたとおり、シース98に組み込めるのは、吸引ルーメンか溶解ルーメンのいずれか1つである。シース18とシース98のいずれかにおいて好ましい構造は、図4に示されるとおり、なるべく放射線不透過性の先端部67をシャフトに組み込むことである。先端部67がシースの他部分に比べて放射線不透過となるのは、そこにより多くの放射線不透過剤が含まれるからだ。シースは、30%のビスマス・サブカーボネイト(bismuth subcarbonate)を含むのが望ましく、先端部67はタングステン粉を80%含んでいる。シースにするのに好ましいポリマー素材は、Elf Atochem North America社(米ペンシルベニア州フィラデルフィア)のPEBAX(登録商標)など、55Dポリエーテルブロックアミドである。先端部67は、当業者に知られたとおり、突合せ継ぎ手の技法でシース18の他の部分に単純に接合することもできる。先端部67はシースの他の部分に比べて、量的に多く、密度も高い状態で放射線不透過剤を含むため、先端部67は同時に、シースの他の部分より堅くなっている。
【0029】
図6は、5番目のフィルター組立体の実施態様で、シース18やシース98などの展開・再格納カテーテルとともに用いることができる。シース18、シース98のいずれも、図6に示された展開形状と、図2のフィルター組立体12に似た折り畳み形状の間で、フィルター組立体112を変形させるのに使うことができる。
【0030】
フィルター組立体112はフィルター120を有し、フィルター120はシリンダー型中央筒132、先端円錐134、基端面130を持つように構成されている。中央筒132のシリンダー形状は、より大きな表面部分が血管壁に接触できるように構成されている。接触部分が広がることで、フィルター組立体112は治療中、血管壁に対してより安定的に取り付けられることになる。シリンダー型筒132は更に、塞栓をためる上でより大きな容積を与えている。
【0031】
このような先端部保護デバイスのフィルターは、脈管構造の治療部位の下流側、すなわち先端側に置くことを意図しているため、フィルターはできる限り短いのが望ましい。フィルターの全長を短くすると、血管(例えば冠状動脈)の中部、或いは先端部においてさえも、治療を可能にし、その一方で治療部位の下流側にフィルターを置く余地を十分に残す。基端面130は平らな面で、シリンダー型中央筒132と垂直になっている。基端面130の平らな形状により、フィルター120の全長はほとんど変わらず、特に図4のフィルター組立体バスケット58の基端部66と比較しても長さはほとんど変わらない。他の実施態様に示されるように、基端面130を円錐とみなすと、内側の角度は180度である。
【0032】
フィルター組立体112では、フィルター120は供給部材(すなわちガイドワイヤー116)の先端部114の近くに取り付けられる。先端部114では、細シャフト117の周囲にバネコイル119を巻き付けておくのが望ましい。バネコイル119は、フィルター120の基端部まで伸ばしておくのが望ましい。フィルター120の基端部166と先端部168は、ガイドワイヤー116に固定される。基端部166は、はんだ、真鍮、或いは接着剤を用いてガイドワイヤー116に固定するのが望ましい。別の方法としては、図10に示されるとおり、ガイドワイヤー116とフィルター120の間で多少回転できるように、基端部266をガイドワイヤー116に取り付けることもできる。螺旋状部材140は、ガイドワイヤー116に緩く巻きつき、基端部と先端部はそこに取り付けられていて、フィルター基端部266の基端部側と先端部側に亘って延在する。基端部266は、部材140の基端部と先端部の間に取り付けられるが、下部のガイドワイヤー116には固定されず、そのことにより部材140(両端を除く)の全体にわたって、ガイドワイヤー116に対して、ある程度回転できるようになっている。
【0033】
先端部168は、管状スライダー170に取り付けられるのが望ましい。スライダー170は、ガイドワイヤー116の先端部114の外側をスライドできるように取り付けられている。スライダー170は、適当なプラスチック又は金属素材で作ることができるが、薄肉のポリイミド熱硬化ポリマーが望ましい。先端部168とスライダー170の固定は、接着剤を使うのが望ましい。基端部と先端部の放射線不透過マーカーバンド176と178はそれぞれ、基端部166及び先端部168を取り囲むようにして配置される。弾頭型チップ150は、スライダー170、先端部168、マーカーバンド178を取り囲むように形成される。チップ150は、成型部材と接着剤の組み合わせで良く、人体の体腔の中でスムーズに動けるように、先端側に行く程先細りにしておく。チップ150の外径は、シース18又は98の外径とほぼ同じに構成して、いずれかのシースがスライドしながらフィルター112の上に来たときに、シそのシースがチップ150の基端側と合致するようにする。或いは図10に示すように、3番目の放射線不透過マーカーバンド174をガイドワイヤー116に組み込むこともできる。医療手術の間に蛍光透視鏡で見て、バンド178と174が同軸に配置された状態であれば、フィルター220が完全に開いていることを示す。フィルター220が畳み込まれている場合には、フィルター220は蛍光透視鏡で見るとバンド178がバンド174の先端側に現れるように引き伸ばされている。
【0034】
止め具172は、フィルター端166と168の間でガイドワイヤーに固定された、短い管状の部材である。止め具172はスライドを停止させたり、追加的に連結しておいて、基端部166とガイドワイヤー116の接着不良により、フィルター120がガイドワイヤー116から外れるのを防ぐ。シース18がフィルター120又は220に向かって進み、フィルターを圧縮すると、基端側円錐130又は230が、フィルター内に向かって裏返しになる傾向になる。この裏返りを防ぐため、図11に示したように長細い止め具172が、先端部268又はスライダー170にほとんど接触するところまで来る。基端側の円錐が裏返しになること、言い換えればフィルター220を短くし過ぎることは、先端部268と基端部266とが最低限の距離を保つことで、製品112をあれこれ操作する間防がれる。
【0035】
別の実施態様では、止め具172は、図12が示すようにバネコイルで作られる。止め具172には、コアワイヤー116に取り付けられた基端部と、先端部266に取り付けられた先端部がある。展開された状態では、止め具172のコイルが互いに重なり、フィルター220がそれ以上短くならなくなる。フィルター220を圧縮して畳み込んでいる間は、端部266と端部268が離れて止め具172が伸びるが、このときコイルが離れて、張力が増す。この張力は、ステント220がシース18又はシース98から放出した際に有益だ。止め具172により内側への展開力が得られることで、NiTi(ニチノール)などの形状記憶合金とは異なる素材で、フィルター220を形成することが容易になる。なぜなら、フィルター220は、それ自体に展開力を持たせる必要がないからだ。
【0036】
フィルター組立体112は、目が細かく編まれた構造を使うことにより、支柱56が単独でフィルターバスケットになる点で、図4に示したフィルター組立体バスケット58に似ている。フィルター120は、ほぼ一定のピッチの撚り合わせで作られ、更なるフィルター材を必要としなくなるように、約75ミクロンから125ミクロンの均一の孔径にするのが望ましい。
【0037】
基端面130は図7に示すように、導入口190を含む。導入口190は、フィルター120を撚り合わせた後、基端面に金属製の形作り用心棒を基端面に挿入し、フィルター120の撚り合わせに熱処理を施すことで、形成される。導入口190は、フィルター組立体112の基端部側から見たとき、最もよく説明できる。なぜならこの位置から見ると、本発明の6番目の実施態様(以下で説明)のように、例え基端面が平らでなくても、導入口190を形成した心棒の形状が明らかになるからである。導入口190は、フィルターへの取り込み口となるため、フィルター120の孔より実質的に大きい。導入口190は、丸みを帯びた対称形なら好ましい形はいろいろあるが、どの場合でも、シリンダー型中央筒132の半径と同じ面内にある軸192を伴う。粒状物質を効果的に集めるため、フィルター120の構造の完全さを犠牲にしない程度に、導入口190は基端面130を可能な限り広く見えるようにするべきだ。そのような導入口190は、例えば中央筒132の半径と基端部166の半径との差の約90%にするなど、軸192をなるべく長く取るようにする。図7は、5番目のフィルター実施態様の基端面130の中に形成された2つの大きな腎臓形の導入口を示している。別の場合の構造として、より小型の導入口190を多数含み、シリンダー筒132を基端部166に結ぶための撚り合わせられた材料の量を多くすることもできる。
【0038】
図8、9、10には、6番目の実施態様が示されている。シース18又は98は、図8に示されたほぼなみだのような形状の展開後の状態と、図2に示されたようなフィルター20に似た、折り畳まれた状態との間で、フィルター220を変形させるのに用いることができる。フィルター220は、シリンダー型中央筒132、先端円錐234、基端面230、基端部266及び先端部268をそれぞれ持つように形作られている。フィルター220はフィルター120に似ているが、基端面230が平らではなく円錐形になっている点が異なり、丸みを帯びた肩部231は、基端面230からシリンダー型中央筒232にかけての移行部を形成する。基端部から見ると、4つの円形の導入口290が、基端面230の全体に亘って等間隔で配置されている。各導入口は、シリンダー型中央筒232の半径と同じ面内にある軸292を持っている。基端面230の内側の円錐の角度は、90°より大きいのが望ましく、100°前後が最も望ましい。円錐状の基端面230と丸みを帯びた肩部231を組み合わせることで、血管壁を引っ掻く可能性を軽減し、粒子収集の効率も高める。
【0039】
フィルター組立体12の展開を説明するが、説明する手順は、ここに述べたフィルター組立体実施態様のいずれにも、等しく適用できる。展開のメカニズムは、供給部材16の上を移動し、図2に示されたようにフィルター組立体12を収容する大きさのシース18を含む。シース18は、吸引用内腔60と組み合わせることができる。加えて、シース18は洗浄用内腔62(図1)と組み合わせて、手術者が手術前又は手術の最中に、支柱に付着した塞栓を除去するために溶解剤と一緒にフィルターを流し出すことができる。シースは、図1でシース18とともに示されたオーバーザワイヤー型のシステムか、図5のシース98とともに示された高速エクスチェンジ形のシステムのいずれかで、使用できる。
【0040】
施術においては、図2に示されたようにフィルター組立体12を完全に覆うところまで、供給部材16の上でシース18を伸ばす。そして、シース18、フィルター組立体12、供給部材16が患者に挿入され、図1の64に示されたように治療部位まで送り込まれる。フィルター組立体12とシース18は、治療部位64を通り過ぎたところに配置する。シース18はそこで引き戻され、フィルター組立体12の支柱34を放出する。支柱34が自由な位置に来ると、フィルター20は拡大し、血管の横断面全体がそれでカバーされる。シース18は、供給部材16より完全に引き戻され、治療カテーテルなど適切な二次デバイスが、供給部材16を介して治療部位に送り込まれる。
【0041】
例えば血管形成術、アテローム切除術、或いは同様の手術の治療中・治療後に、塞栓が剥離することがある。塞栓は下流に移動し、フィルター20に捕獲される。治療カテーテルは、この手術後に取り出され、シース18が供給部材16上に搭載され、治療部位64に送られる。フィルター組立体12を折り畳む前に、術者はフィルター20が十分捕獲しきれなかった可能性のある解離塞栓を取り除くため、手術部分を吸引することができる。例えば、塞栓はフィルター20の基端部側にある支柱34の上に留まっていることもある。フィルター20が畳まれたときに、こうした塞栓が血流中に逃げることもある。従って、粒子は除去されなければならない。更に術者は、溶解剤で手術部分を洗い流し、フィルターを再格納する前に、フィルター20や支柱34の中の塞栓を小さくしておくことを選ぶこともできる。
【0042】
術者は次に、フィルター組立体12の上にシース18を伸ばし、シース18の中でフィルター20と捕獲した塞栓をシース18の中に取り込む。そこで、シース18、フィルター組立体12、供給部材16を患者から引き抜くことができる。シース18をフィルター120又は220に向けて前進して、これらを圧縮したときは、基端面130又は230がフィルター内部に向かって裏返しになる傾向が出てくる可能性がある。この裏返しを防ぐには、図10に示したとおり、スライダー170を基端部168からフィルター220の内側へと伸ばす策を取ることもできる。フィルターが圧縮されている間に短くなる傾向があれば、スライダー170が基端部266や安全止め具172などの他の部材に突き当たるようになって、短縮することを制限し、基端面の裏返りを防止する。
【0043】
上述の実施態様及び例は例示であって、ここに発表される請求項の範囲を制限する意図では決してない。例えばフィルター材は、貫通させた穴をいくつも持つナイロンフィルムでもPETフィルムでも構わない。フィルターは、カテーテルなどの供給部材に登載したり、狭窄の進んだ部位に送り込むために膨張バルーンと一体化されたものとなることもある。こうした変形タイプやその他のタイプは本発明の範囲内に入る。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明の先端部保護デバイスを装着したカテーテルと供給部材の側面図。先端部保護デバイスは、血管内に配置された形で示されている。
【図2】
図2は、本発明の先端部保護デバイスを装着したカテーテルと供給部材の先端側の側面図。先端部保護デバイスはカテーテル内に押し込められた状態で示されている。カテーテルは断面図で示されている。
【図3】
図3は、本発明の2番目のフィルター装置で、展開された状態を示した側面図。
【図4】
図4は、本発明の3番目のフィルター装置で、展開された状態を示した側面図。
【図5】
図5は、高速エクスチェンジ型の挿入シース及び本発明の4番目のフィルター組立体の側面図。
【図6】
図6は、本発明の5番目のフィルター装置の側面図で、フィルターは縦断面で示されている。
【図7】
図7は、図6に示された5番目のフィルター装置の基端側から見た図。
【図8】
図8は、本発明の6番目のフィルターの側面図。
【図9】
図9は、図8に示された6番目のフィルターの基端側から見た図。
【図10】
図10は、本発明の7番目のフィルター装置を分解した縦断面。
【図11】
図11は、本発明の8番目のフィルター装置を分解した縦断面。
【図12】
図12は、本発明の9番目のフィルター装置を分解した縦断面。
Claims (27)
- 基端部と先端部を持つ供給部材と、
展開された形状と折り畳まれた形状との間で変形可能なフィルター組立体とを含む先端部保護デバイスであって、展開されたときにはシリンダー型の筒、先端円錐、基端円錐、筒から基端円錐への移行部分を含むことを特徴とし、該フィルター組立体は、複数の孔を持つ構造を有して基端円錐に導入口を複数を含むように構成されたことを特徴とし、導入口は前記孔より十分に大きく、上記フィルター組立体は上記供給部材の先端部近くに取り付けられることを特徴とする先端部保護デバイス。 - 上記フィルター組立体を展開された形状と折り畳まれた形状との間で変形させるため、上記供給部材の上で選択的に移動できるシースを更に含む、請求項1の先端部保護デバイス。
- ほぼ鈍角の内角を持つ基端円錐を更に含む、請求項1の先端部保護デバイス。
- 基端円錐の内角が180°である、請求項3の先端部保護デバイス。
- 移行部分は丸みを帯びた肩部から成る、請求項1の先端部保護デバイス。
- 先端円錐が鋭角を持つ、請求項1の先端部保護デバイス。
- 上記フィルター組立体の展開された形状がほぼなみだの形状となる、請求項1の先端部保護デバイス。
- 1以上の導入口が丸みを帯びた対称形を有し、筒の半径が形成する面内の軸を持つ形状を構成する、請求項1の先端部保護デバイス。
- 上記1以上の導入口は、上記フィルター組立体の基端部から見たときには円形であり、上記導入口の軸が上記円の直径となっていることを特徴とする請求項8の先端部保護デバイス。
- 上記1以上の導入口のそれぞれの軸の長さが、上記フィルター組立体の基端部側から見たときに、筒の半径と上記フィルター組立体の基端部の半径との差異の約90%であることを特徴とする、請求項8の先端部保護デバイス。
- 上記1以上の導入口のそれぞれが、上記導入口のそれぞれの軸の長さを最大にするようなサイズに構成されていることを特徴とする、請求項8の先端部保護デバイス。
- 中枢円錐が、そこに適した上記導入口の最大数を含む、請求項11の先端部保護デバイス。
- 基端部と先端部を持つコアワイヤーと、
上記コアワイヤーを取り囲むように配置されたフィルターとを含む血管フィルター装置であって、基端部と先端部と展開された形状と折り畳まれた形状を有し、展開された形状が、シリンダー型中央筒と先端円錐と基端円錐と中央筒から基端円錐への移行部分を持つことを特徴とし、基端円錐がほぼ鈍角の内角を持つことを特徴とし、上記フィルターが複数の孔を持つ構造で基端円錐に導入口を複数含むように構成されたことを特徴とし、導入口が孔より実質的に大きく、上記フィルターの先端部がその先端部の近くにおいてコアワイヤに取り付けられ、上記フィルターの基端部がコアワイヤに取り付けられていることを特徴とする血管フィルター装置。 - 基端部と先端部を更に含むシースであって、上記コアワイヤー上でスライド可能なように取り付けられた上記シースの先端部が上記フィルターが折り畳まれた形状の少なくとも基端部分を内包できる十分な直径のルーメンを持つことを特徴とする請求項13の血管フィルター装置。
- 先端部が、放射線不透過であるシースを含むことを特徴とする請求項14の血管フィルター装置。
- 基端部分よりも放射線不透過性が高い先端部分を有するシースを更に含むことを特徴とする請求項14の血管フィルター装置。
- 基端部分が第1の放射線不透過物質を含み、先端部分が第2の放射線不透過物質を含み、先端部分が基端部分よりも高い放射線不透過性を有することを特徴とする請求項14の血管フィルター。
- 上記フィルターの基端部が、第1の放射線不透過性バンドの近くで上記コアワイヤーに取り付けられ、そのフィルターの先端部が、二つ目の放射線不透過バンドの近くで上記コアワイヤーに取り付けられた、請求項13の血管フィルター装置。
- 上記コアワイヤに取り付けられた第3の放射線不透過性バンドを含み、上記フィルターが展開した形状のときに、第2のバンドが第3のバンドときれいに並ぶように構成されたことを特徴とする請求項18の血管フィルター装置。
- 基端部と先端部を持つコアワイヤーと、
上記コアワイヤーを取り囲むように配置したフィルターヲ含む血管フィルター装置であって、上記フィルターが基端部と先端部と展開された形状と折り畳まれた形状を有し、上記展開された形状が先端円錐と基端円錐と調節できる長さと展開時の長さを有し、上記フィルターの基端部がコアワイヤーに取り付けられていることを特徴とし、更に、調節できる長さが概ね展開時の長さより短くならないようにコアワイヤーに付けた管状部材とを含むことを特徴とする血管フィルター装置。 - 上記管状部材が先端部近くにおいて上記コアワイヤー上にスライドさせながら配置されていることを特徴とする請求項20の血管フィルター。
- 上記調節できる長さが概ね展開時の長さより短くならないように、上記管状部材が十分な長さまで上記フィルター内に伸びることを特徴とする請求項21の血管フィルター。
- 上記管状部材の少なくとも一つの端が、上記フィルターの基端部と先端部との間で、上記コアワイヤーに固定的に取り付けられていることを特徴とする請求項20の血管フィルター装置。
- 上記管状部材が基端側のボンドより大きいことを特徴とする請求項23の血管フィルター装置。
- 調節できる長さが概ね展開時の長さより短くならないように、上記管状部材が上記フィルターの中を通じて十分な長さまで伸張することを特徴とする請求項23の血管フィルター装置。
- 上記管状部材が先端部と基端部を持つ螺旋状のバネであって、このバネの基端部が上記コアワイヤーに取り付けられ、該バネの先端部が上記フィルターの先端部に取り付けられていることを特徴とする請求項23の血管フィルター装置。
- 基端部と先端部を持つコアワイヤーと、
上記コアワイヤーを取り囲むように配置したフィルターであって、基端部と先端部を有し、上記フィルターの先端部は上記コアワイヤーの先端部近くで上記コアワイヤーにスライド可能な状態で接合されていることを特徴とするフィルターと、更に、螺旋状部材であってその中を通じて収容される上記コアワイヤーに取り付けられた基端部と先端部を有することを特徴とし、上記フィルターの基端部が上記螺旋状部材の基端部と先端部の間に取り付けられており、上記コアワイヤーが上記フィルターに対して有る程度回転できるように構成されたことを特徴とする螺旋状部材を含む血管フィルター装置。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101214 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110628 |