JP2004505402A - 磁気記録媒体およびコーティング方法 - Google Patents

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Abstract

1つ以上の流体層を基材上にコーティングして、磁気テープおよびディスケットなどの磁気記録媒体を製造する方法を提供する。本発明の方法は、特定のレオロジーを有する流体コーティング配合物を使用することで、コーティング速度を増加させながら減少した厚さで1つ以上の磁気層をコーティングできる。適切なレオロジーを有する場合、増加した速度で移動する基材上に1つ以上の層をコーティングしながら、所望のコーティング厚さを維持できる。

Description

【0001】
技術分野
本発明はコーティング方法に関し、より詳細には、磁気テープおよびディスケットなどの磁気記録媒体を製造するために移動ウェブ上に流体層をコーティングする方法に関する。
【0002】
背景
磁気テープおよびディスケットなどのデータ記録媒体は、1つ以上の磁気層を基材上にコーティングし、次に得られたコーティングを乾燥させてフィルムを形成されることによって製造されるのが一般的である。製造上の理由から、通常は基材は移動ウェブの形態をとり、全体的に固定されたコーティング装置に対して移動する。
【0003】
記憶される情報量を増加させる試みでは、磁気記録媒体の密度をより高くすることが望ましい。より高い記憶密度は、磁気層中の磁性粒子量の増加、別の磁気層の追加、より薄い層の使用、またはデータ記憶密度を増加させることができる磁性粒子の提供などによって実現可能である。
【0004】
基材には、通常は基材と磁気記録層の間にある下塗り層を設けることができる。下塗り層は、媒体が1つ以上の磁気記録層を含有してもしなくても、基材と磁気記録層の間の接着を促進することができる。したがって、磁気記録媒体は、下塗り層と、その上の1つ以上の磁気記録層とを有して、多層構造体になってもよい。
【0005】
通常、多層構造体を有する磁気記録媒体の製造では、連続的なコーティングおよび乾燥工程を伴い、各コーティングの適用によって1つの層が加えられる。既存のコーティング技術としては、例えば、ロールコーティング、グラビアコーティング、押出コーティング、およびそれらのが挙げられる。これらの種類のコーティング方法は、多層構造体の製造で1つの工程ですべての層をコーティングすることが望ましい場合には一般に不適当である。
【0006】
多層コーティング技術は存在するが、磁気層組成物の性質のために問題が生じる。特に、通常の磁気コーティング組成物は比較的高粘度であり、磁性粒子が磁気コーティング組成物中で凝集する可能性もあるため、既存の多層コーティング技術の有効性が損なわれる場合がある。コーティングが困難であるため、ウェブ速度の増加、磁気層厚さの減少、またはその両方の場合に、コーティングの問題はより顕著になりうる。
【0007】
概要
本発明は、磁気テープおよびディスケットなどの磁気記録媒体、ならびに磁気コーティング媒体を製造するためのコーティング方法を目的としている。コーティング方法は、より薄い1つ以上の磁気層をコーティングでき、同時にコーティング速度を増加させることができる特定のレオロジーを有する流体コーティング配合物を利用する。適切なレオロジーを有する場合には、所望のコーティング厚さおよび品質を維持しながら、より高速で移動する基材上に1つ以上の層をコーティングすることができる。
【0008】
本発明の方法は、拡大されたコーティングウィンドウを提供することでコーティング速度を増加させることができ、さらに層の厚さを減少させて乾燥する材料を減少させることができる。特に、本発明の方法は、厚さの減少した複数の層を同時にコーティングするために使用することができ、そのため製造処理能力が増大し、磁気記録性能が向上する。
【0009】
さらに別の実施態様では、本発明の方法は、厚さが減少しコーティング均一性も向上した複数の層を形成することができ、そのため記録性能が向上し、記録密度を増加させることができる。特にコーティング中間層の表面均一性が増加すると、変調を減少させ記録性能を向上させることができる。
【0010】
コーティング厚さが減少することによって、短波磁気記録技術が使用される場合に厚さ増加の関数として起こる いわゆる厚さ損失を軽減することもできる。所望のコーティング厚さを得るために、蒸着ではなく、バインダー系中の磁性粒子分散液を使用する場合でも厚さ損失を避けることができる。
【0011】
さらに、スライドコーティングなどの流体コーティング技術を使用することによって、基材への負荷が減少し、そのためより薄い基材を使用することができる。より薄い基材は、厚さ損失の軽減にも寄与する。さらに、磁気テープの場合には、層および基材の厚さが減少することによって、テープ厚さの減少が容易になるため、所与のテープパック体積でより多くのテープを収容でき、その結果、記憶容量を大きくすることができる。
【0012】
本発明による方法は、複数の層を同時に基材に供給するためにスライドコーティング法を使用することが好ましいが、その他のコーティング技術も有用となりうる。スライドコーティングは多層コーティングのための方法であり、すなわち、複数の流体層を基材上に同時にコーティングすることを含む。傾斜した面上で開いた複数のスロットから複数の層を形成する異なる種類の流体が流出する。これらの流体は、コーティング間隙を通って面を流れ落ち、上方に移動する基材上に到達する。一般に流体は、コーティング間隙を通って面上、またはウェブ上では混合せず、そのため最終コーティングは、別々の層が重なった状態となる。
【0013】
本発明によりコーティング配合物のレオロジーを注意深く選択することによって、拡大されたコーティングウィンドウを有する、すなわち、より広範囲のコーティング速度および厚さを有するスライドコーティング法が得られる。コーティングビードなどの高剪断速度領域の粘度は、コーティング性を決定し、最大コーティング速度が画定する。スライドコーター上などの中間剪断速度領域の粘度は、コーティング組成物がスライド面を流下するときの層厚さを決定する。基材上にコーティングが適用された後などの低剪断速度領域の粘度は、コーティングの流動性、および乾燥ゾーンにおける欠陥に対する抵抗性を決定する。
【0014】
コーティング配合物のレオロジーが適切であれば、高速で非常に薄い皮膜のコーティングを得ることができ、完成磁気媒体製品のコーティング欠陥を最小限にすることができる。一般に速度が増加すると、コーティングウィンドウ内にとどまるためにコーティング厚さが増加する必要がある。しかしながら臨界点を超えて速度が増加すると、より高速でコーティング厚さを実際に減少させることが可能なことが分かった。特に、速度が増加すると、慣性が他の力に対して支配的となり始め、そのためコーティング厚さが減少することが分かった。
【0015】
コーティングシステムにおいてコーティング厚さが減少するために乾燥する材料が減少することで、より速いウェブ速度が実現でき、より小さくより費用のかからない乾燥オーブンを使用できる。希望するなら、複数のコーティング層を1回で適用することができ、コーティング製品中に複数種の機能層を容易に組み込むことができ、例えば、磁気記録、ヘッドクリーニング、帯電防止、潤滑性などのための複数種の層を容易に組み込むことができる。コーティング性能をさらに向上させるために、基材のコーティングに使用される蒸発性の高い溶剤の早期乾燥を防止するために1つ以上の飽和技術を使用することができる。一例として、コーティング間隙の近傍に飽和環境を形成するために境界層サチュレーターを設けることができる。飽和環境が形成されることで、移動する基材によってコーティング間隙に運び込まれる空気の境界層によって生じる乾燥が軽減される。
【0016】
別の例としては、コーティング間隙と隣接するコーターの先端面に飽和環境を形成するためにスライドコーティング面サチュレーターを設けて、その面に集まる分散液の乾燥を軽減することができる。さらに、スライド面サチュレーターを設けて、スライド傾斜面のコーティング溶液の乾燥を軽減することができる。それぞれのサチュレーターでは、該当する領域に溶剤蒸気を導入することによって飽和環境を得ることができる。
【0017】
溶剤蒸気は、加圧供給装置、蒸発皿などの種々の導入装置を使用して導入することができる。実施態様の1つでは、毛細管力すなわち表面張力を利用する吸い上げ材料または毛細管材料を使用して、溶剤をコーティング領域に引き込み、溶剤を材料表面に移動させることで溶剤蒸気を導入することができる。吸い上げ材料の表面では、溶剤はコーティング領域に向かって蒸発する。毛細管材料を使用すると、溶剤蒸気の導入によるコーティングされた基材の表面の破壊が少ないため好都合となりうる。特に、加圧供給装置はコーティング表面を破壊する流れを発生して、コーティングされた基材の欠陥となりうるパターンを形成する場合があるが、毛細管材料から蒸発した溶剤では欠陥が生じにくい。
【0018】
複数の図面における同様の参照番号および名称は同様の要素を示している。
【0019】
詳細な説明
図1は、本発明によるコーティング方法の実施に好適なスライドコーティング装置10の概略図である。図2は、スライドコーティング装置10の部分上面図である。スライドコーティング装置10は、スライドコーター12を有する。ウェブの形態のコーティングされる基材16を支持するため、スライドコーター12と近接してバックアップローラー14を配置することができる。基材16は、供給ロールおよび巻き取りロール(図1には示されていない)の間でスライドコーター12に対して移動させることができる。スライドコーター10は、基材16上に積み重ねられた配置で2つ以上の流体層を同時にコーティングすることができる。コーティングの後、層は乾燥される。
【0020】
既存のスライドコーティング方法は、Mercierらに付与された米国特許第2,761,419号、Bhaveらに付与された米国特許第5,861,195号、およびModern Coating and Drying Technology,E.D.Cohen and E.B.Gutoff,VCH Publishers,1992に全般的に記載されている。本発明によると、適切なレオロジーを有するコーティング流体を使用すれば、スライドコーティング装置10は、既存のスライドコーティング方法よりも薄い厚さおよびより速いコーティング速度で流体層をコーティングするように適合させることができる。その結果、スライドコーティング装置10では、磁気特性が向上した磁気記録媒体の高処理能力での製造が容易となりうる。
【0021】
図1に示されるように、スライドコーター12は、前述のBhaveらの特許に記載されるものなどの既存のスライドコーターに実質的に適合させることができる。例えば、スライドコーター12は、複数のスライドブロック18、20、22、24を有することができる。図1の実施態様では、スライドコーター12は、3つの層をコーティングするための4つのスライドブロックを有する。別の実施態様では、スライドコーター12は、1つのスライドブロックを有する場合もあるし、5つ上のスライドブロックを有する場合もあり、これは基材16上にコーティングされる流体の数に依存する。例えば、ある実施態様では、製造される記録媒体は1つの記録層のみを有する場合がある。
【0022】
スライドブロック18、20、22、24はそれぞれ流体スロット26、28、30を画定し、これらが一体となってスライド面32を画定している。図1をさらに参照すると、第1のスライドブロック18はバックアップローラー14と隣接しており、一方スライドブロック20、22、24は第1のスライドブロック18の上方にある。スライドブロック18、20、22は、コーティング流体が流動する連続的なスライド面を画定する。負圧レベルを調節するための真空箱34を、スライドコーティング装置10と隣接させて設けることができる。特に、真空箱34は、スライド面32と基材16の間のコーティングビードにかかる差圧を維持する働きをし、それによってコーティングビードが安定化される。真空箱34は真空源36と接続され、コーティング領域から回収された材料の出口38を有してもよい。フード(図1には示されていない)を使用して、スライドコーター12の上部を囲み、スライドブロック18、20、22のスライド面を覆ってもよい。
【0023】
第1の流体供給装置42および第1のマニホールド44によって、第1のスロット26に第1の流体40を送ることができる。第2の流体供給装置48および第2のマニホールド50によって、第2のスロット28に第2の流体46を送ることができる。任意に、第3の流体供給装置54および第3の流体マニホールド56によって、第3の流体スロット30に第3の流体52を送ることができ。したがって、図1に示される実施態様では、スライドコーター12は、第1の流体40を含有する第1の流体層60と、第2の流体46を含有する第2の流体層62と、第3の流体52を含有する第3の流体層64とを有する3層流体構造体58をコーティングすることができる。
【0024】
別の実施態様では、2つの流体層60、62で十分となりうる。第1の流体層60を基材16上にコーティングし、第2の流体層62を第1の流体層の上にコーティングし、第3の流体層64を第2の流体層の上にコーティングすることができる。この配置では、バックアップローラー14は、基材16の移動する方向に回転する。ある実施態様では、第1の流体層60の前にプライマー層が形成されてもよく、これは第1の流体層のコーティング前に基材16に適用されるか、あるいは第1の流体層60、第2の流体層62、および第3の流体層64を有する多層コーティング工程の一部として適用される。
【0025】
第1の流体層60は、第2および第3の流体層62、64のキャリアまたは「下塗り」層として機能することがある。この場合、基材16上の第1の流体層60の未乾燥厚さは、第2および第3の流体層62、64のそれぞれの未乾燥厚さよりも実質的に厚くてもよい。各層60、62、64の未乾燥厚さは、コーティングビードから実質的にはずれた位置であるが、乾燥の大部分が進行しないのには十分な位置におけるコーティング基材18上の横断方向に平均基材厚さである。図1では、コーティングビードは参照番号65で示されている。
【0026】
図2に示されるように、流体層60、62、64が流動する方向を横断する方向の流体スロット26、28、30の幅は、基材16の幅と実質的に等しくてもよい。スライドブロック18、20、22は、流体スロット26、28、30よりも幅がわずかに広くてもよい。ある実施態様では、基材16の幅は、6〜30インチ(15.24cm〜76.2cm)程度であってよい。好ましくは、製造処理量を増加させるために、基材16の幅は約12インチ(30.5cm)以上である。
【0027】
磁気テープ媒体を製造する場合、データカートリッジに搭載する連続的な長さの記録テープを製造するために、基材16は、例えば、幅1/4インチ(0.64cm)のスリット状の長さの複数のストリップであってもよい。磁気ディスク媒体を製造する場合、フロッピーディスケットハウジングに搭載するために、例えば直径3.5インチ(90mm)の「クッキー」として基材16からディスクを切り取るまたは打ち抜くことができる。いずれの場合も、各流体層60、62、64は、基材16の側面まで幅方向に延在することが好ましい。
【0028】
ある実施態様では、第2の流体46は磁気材料を含有する。この場合、乾燥すると、第2の流体層62は基材16上の磁気記録層を形成する。別の実施態様では、第1の流体層60中、または流体構造体58の複数の流体層60、62、64中に磁気材料を使用することができる。例えば、流体構造体58中の複数の層が複数の磁気記録層を形成してもよい。あるいは、個々の磁気層が一体となって複合多層記録フィルムとして機能するように配列させることもできる。しかしながら例示的な実施態様では、第2の流体層62は磁気材料を含有し、1つの磁気記録層として機能する。磁気材料は、金属磁気記録粒子の形態であってもよい。
【0029】
任意の第3の流体層64の第3の流体52は、完成磁気記録媒体の機能的性質に寄与する多種多様な物質を含んでもよい。言い換えると、乾燥後に、第3の流体層64は、磁気記録媒体の機能層となってもよい。例えば、第3の流体52は、帯電防止材料、使用中に記録ヘッドのクリーニングを促進する研磨材料、磁気記録ヘッドと磁気記録媒体表面の間の摩擦を軽減する潤滑材料、あるいはそれらの組合せを含むことができる。
【0030】
媒体性能、コーティングの容易さ、または生産性のために望ましいのであれば、追加の流体層を導入するために追加のスライドブロックをスライドコーター12に加えることができる。例えば、このような機能性材料は、別々の流体層に混入させることができる。あるいは1種類以上の機能性材料を1つの流体に混入して、乾燥させて、得られる磁気記録媒体で多重機能層を形成することもできる。流体層60、62、64の代表的な処方は後に詳述する。
【0031】
図3は、図1に示されるスライドコーター12の部分側断面図である。流体マニホールド44、50、56は、流体スロット26、28、30からそれぞれ流出する流体40、46、52が均一な幅で分布するように設計することができる。マニホールド44、50、56の設計は、図2に示されるスロット26、28、30のスロット高さの選択によって決まる。当技術分野で公知のように、機械加工の制限のための不均一や、ダイスロット中の圧力が高すぎるためのバーのたわみの不適切な問題が生じずに、スロット内の圧力低下がマニホールドの圧力低下よりもはるかに大きくするために、スロット高さHは十分小さくされる。これによって、スロット内で流体が実質的に均一に分散する。
【0032】
各流体マニホールド44、50、56の設計は、流体と関連する材料の性質を考慮して、運搬される流体のレオロジーに基づいて行うこともできる。流体供給装置は、それぞれの流体マニホールド44、50、56の末端(末端供給設計の場合)に配置される場合もあるし、あるいは流体マニホールドの中心(中心供給設計の場合)に配置される場合もある。マニホールドおよびスロットの設計の原則は文献で公知である。例えば、Gutoff,「Simplified Design of Coating Die Internals」,Journal of Imaging Science and Technology,1993,37(6),615〜627ページを参照されたい。このような設計の原則は、スライドコーティング、押出コーティング、およびカーテンコーティングなどの種々のダイ供給コーティング法に使用することができる。スライドコーティングが好ましいが、本発明によるコーティング法で得られるコーティング性の利点が、その他のコーティング方法で得られることもある。
【0033】
マニホールド44、50、56内の圧力を最小限にし、機械加工の制限による不均一性の問題を克服するために、スライドブロック18、20、22、24は、図3に示される特定のスロット高さHを有するように構成することができる。したがって、スロット26、28、30は、所望の未乾燥厚さ(あるいはさらには所望の乾燥厚さ)を有する所望の流体層を得るために適切なスロット高さを有することができる。4つ以上のスライドブロックが使用される場合は、他のスロットの高さは、基材16上の対応する層の所望の厚さに応じて決定することができる。
【0034】
実施態様の1つでは、第1のスロット26に使用される高さは、所与の第1の流体40のレオロジーおよびマニホールド44の性質で、約400フィート/分(約120m/分)以上の所与の基材速度において、平均未乾燥厚さが約25μm未満、ある実施態様では約10〜25μmである第1の流体層を得るために十分な高さであってよい。本発明によると、このような未乾燥厚さは、600〜850フィート/分(約180〜260m/分)程度の基材速度で容易に達成可能であり、場合によってはさらなる高速でも可能である。
【0035】
第2のスロット28の高さは、所与の第2の流体46のレオロジーおよびマニホールド50の性質で、約600〜850フィート/分(183〜260m/分)の所与の基材速度において、平均乾燥厚さが約0.04〜0.4μmの第2の流体層62を得るために十分な高さであってよい。第2の流体層62は未乾燥厚さが約0.5〜5μmの範囲内であってもよい。第2および第3の流体層62、64の未乾燥厚さは、一般に第1の流体層60のよりも未乾燥厚さ薄くてもよい。したがって、全体の多層コーティング配合物の平均未乾燥厚さは、第1の流体層60の平均未乾燥厚さ程度、すなわち、約10〜25μmであってよい。ある実施態様では、図1〜3に記載の3層配合物58の代わりに単層または2重層コーティング配合物を使用することができる。この婆、コーティング性を向上させるために、単層または2重層は、全体の平均未完層コーティング厚さが約10〜25μmとなるように選択することができる。
【0036】
スライドブロック18、20、22、24は、高さにずれが生じぬように配列することもでき、それによって図3に記載されるスロット段差Tが生じる。段差Tは、媒体に縞やその他の欠陥が生じる原因となりうる流れの分離および流体再循環領域の可能性を最小限にすることによって、スライド面に落ちる流体の流れを均一にするために有用となりうる。スライド面上の流れの分離を最小限する別の方法は、図3に示されるように流体スロットの下流に面取り部Cを加工することによる。
【0037】
スライドブロック18、20、22、24を加工する場合、バックアップローラー14と近接する第1のスライドブロック18の前端のように、流体スロット26、28、30の端部を形成するブロック端部の仕上げは重要である。これらの端部に切れ目、バリ、またはその他の欠陥が存在すると、完成品に縞状の欠陥が生じる原因となりうる。このような欠陥を回避するために、端部を8マイクロインチ(0.02μm)未何の仕上げに研磨することができる。ダイ端部の仕上げ手順に関する詳細は、Bhaveらに付与された米国特許第5,861,195号に開示されている。
【0038】
図3は、位置角P、迎え角A、およびスライド角Sを含む、バックアップローラー14に対するスライドコーター12の方向を示している。スライド角Sは、位置角Pと迎え角Aの合計である。バックアップローラー上の巻き付きを増加させ、コーティング作業の安定性を向上させるために、位置角Pは負であることが好ましい。しかしながら、本発明の方法は、0または正の位置角で使用することもできる。
【0039】
スライド角Sは、傾斜したスライド面を流下する流体流の安定性を決定する。スライド角Sが大きいと、表面波の不安定性が増加してコーティングに欠陥が生じることがある。最近接点におけるスライドコーター12とバックアップローラー14の間の距離は、間隙として知られている。
【0040】
図3は、層60、62、64の未乾燥厚さWも示している。この場合も、未乾燥厚さは、コーティングビード65よりは実質的に離れているが、十分な乾燥が起こるほどは離れていないコーティング基材16表面上のコーティングの厚さを意味する。層60、62、64中の溶剤が蒸発し始めると、コーティング厚さはさらに減少する。大部分の溶剤は乾燥ゾーンで除去されるが、この時点の後でコーティング厚さは、未乾燥厚さよりも実質的に薄い乾燥厚さを示す。
【0041】
乾燥中、流体層60、62、64は、1つ以上の層中にある磁性粒子を所望の方向に配列するために磁界をかけることができる。未乾燥厚さが約10〜25μmの場合、本発明により得られるコーティング配合物は、乾燥厚さが約3μm未満となることができ、特に約1〜3μmとなりうる。乾燥厚さは、基材16が乾燥ゾーンを通過したが、基材がカレンダー加工に掛けられる前、すなわちコーティングを圧縮する表面の加圧ニップ処理の前の、複数の層60、62、64の基材断面方向の平均厚さを意味する。
【0042】
さらに図2を参照すると、スライドブロック18、20、22、24によって画定されるスライド面を流下する流体流は、スライドコーター12の各端部12でエッジガイド66、68を使用することで補助することができる。エッジガイド66、68は、溶液をスライド面に制限する機能を果たし、そのため基材16上のコーティング幅が固定され、端部における流体の流れも安定化する。各エッジガイド66、68は直線状であって、スライド面上のスロット26、28、30に対してまっすぐ垂直に向かっていることが好ましい。代表的なエッジガイドは前述のBhaveらに付与された米国特許第5,861,195号およびYapelらに付与された米国特許第5,837,324号に記載されている。エッジガイド66、68は、鋼、アルミニウムなどの金属材料、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、ポリメチレンオキシド、またはポリアセタールなどのポリマー材料、あるいは木材、セラミックなどから作製することができる。あるいは、エッジガイド66、68は、ポリマー、例えば、ポリテトラフルオロエチレンでコーティングした鋼などの2種類以上の材料から作製することもできる。エッジガイド66、68とともに、カバーまたはシュラウド(図示していない)をスライドコーター12の上に配置することができる。
【0043】
図4は、別のスライドブロック70の部分側断面図である。スライドブロック70は、図1〜3に示される第1のスライドブロック18と実質的に一致してもよい。しかしながら図4の実施態様では、スライドブロック70の前端72は、前縁の幅全体にわたって延在する低表面エネルギー部材74を有することができる。低表面エネルギー部材74は、乾燥したコーティング材料の付着を防止する表面エネルギー特性を与える。前縁74は、このような材料の付着の影響を特に受けやすい。低表面エネルギー部材74はコーティング材料を実質的にはじくため、コーティング材料はスライドブロック70上で乾燥せずに、コーティングビード65に残るかあるいは真空箱34(図1に示される)に落下する。好適な低表面エネルギー材料の製造方法に関する詳細はMilbournらに付与された米国特許第5,998,549号に開示されている。Milbournらの特許には、例えば、ペンダントフルオロ脂肪族基、ペンダント有機可溶性基、およびエポキシシランと反応するペンダント基を有するフルオロケミカルオリゴマーを有するポリマー化合物の使用が記載されている。
【0044】
Milbournらの特許に記載されるように配合された材料は、低表面エネルギー部材74の製造に有用となりうる。しかしながらより好ましくは、Milbournらの特許に記載のような低表面エネルギー材料をコーティングしたガラス材料で低表面エネルギー部材74が作製される。特に、ガラス材料は好ましくはシリカ系であり、ポリマーでないことが好ましいが、一部の用途ではPTFE材料が有用となりうる。ガラス材料は板状インサートに切断することができ、これをスライドブロック70の前端72のくぼみに低表面エネルギー部材74としてはめ込んだり他の方法で取り付けたりすることができる。好都合には、低表面エネルギー材料は摩耗したり、他の原因で有効性が減少したりするため、低表面エネルギー部材74を形成するガラスインサートは交換可能である。あるいは、低表面エネルギー材料をガラス部材74に再適用して、より均一なレベルまで低表面エネルギー特性を回復させることもできる。例えば、より低い表面エネルギーの材料をガラス部材74上に、吹き付け、塗りつけ、ロールコーティング、または他の方法で付着させることができ、それによってコーティングの均一性と有効性が回復する。この方法によって、前端72上でコーティング材料が乾燥するために発生する縞やその他の欠陥を回避でき、同時により長いコーティング寿命を定期的に回復させることができる。
【0045】
図5は、さらに別のスライドブロック76の部分側断面図である。スライドブロック76は、図1〜3に示される任意のスライドブロック18、20、22、24と実質的に一致してもよい。しかしながらスライドブロック76は、スライドブロックの上部前縁80と隣接する低表面エネルギー部材78をさらに有することができる。ある実施態様では、端部80に低表面エネルギー部材78を配置することが望ましいこともある。図4を参照して説明した低表面エネルギー部材74と同様に、低表面エネルギー部材78も、スライドブロック76のくぼみに配置される板状インサートとして製造された非ポリマーのシリカガラスシートの形態であってもよい。低表面エネルギー部材74と同様に、部材78も、スライドブロック76の上部前縁80における乾燥コーティング材料の付着を防止することができ、それによってコーティング均一性および品質が維持される。
【0046】
図6は、本発明による多層コーティング法で製造された磁気記録媒体82の断面図である。図6に示されるように、磁気記録媒体82は、基材16、バッキング層84、乾燥した第1の流体層60で形成される下塗り層86、乾燥した第2の流体層62で形成される記録層88、および乾燥した第3の流体層64で形成される機能層90を含むことができる。機能層90は、例えば、ヘッドクリーニング材料、帯電防止材料、潤滑材料、および同様の機能を果たす他の材料であってよい。スライドコーティング装置10を使用すると、基材ウェブが1回通過する間に基材16上に多層コーティング配合物58を適用することによって、層86、88、90が同時に形成することができる。流体層60、62、64の適用のためのコーティングを実施する前に、バッキング層84を基材16に適用してもよい。
【0047】
本発明によると、流体層60、62、64、および得られる磁気記録媒体82の層86、88、90は、流体組成物のレオロジーを注意深く制御することによって非常に薄くすることができる。同時に、このレオロジーは、コーティング速度をより速くするために利用することができる。例えば、本明細書に記載のレオロジーを有すると、約400フィート/分(120m/分)を超える基材速度で非常に薄いコーティングを得ることができる。ある用途では、約600〜850フィート/分(183〜260m/分)の範囲の速度を実現しながら、所望のコーティング層厚さを維持することができる。
【0048】
図7は、図1に示すスライドコーティング装置10によって形成されるコーティングビード65の拡大断面図である。コーティングビード65において、流体層60、62、64は第1のスライドブロック18と基材16の間の小さな間隙を飛び越え、そして急激に方向を変え、基材の移動によって上方に運ばれる。流体層60、62、64が運搬されて第1のスライドブロック18から離れると、それらは基材16上に流れ落ち、コーティングビード65でずり減粘を経験する。特に第1の流体層60のレオロジーが適切であれば、基材16がより高速で移動しながら、流体層60、62、64の薄いコーティングが可能となる。
【0049】
一般に、第1の流体層60はより速い剪断速度で低い未乾燥粘度を示し、中程度の剪断速度で中程度の未乾燥粘度を示し、より低い剪断速度でより高い未乾燥粘度を示すことが望ましい。コーティングビード65の高剪断領域では、第1の流体層60と基材16の付着を促進するためにより低い粘度が望ましく、それによって第1のスライドブロック18と基材の間の間隙を越えるコーティングビードの形成が維持される。例えば、スライドコーター12上および隣接するコーティングビード65などの中程度の剪断領域では中程度の粘度が、層間の分離とコーティングビードの完全性を促進するために望ましい。
【0050】
基材16上などの低剪断領域では、乾燥工程で生じうるモアレ、回転むら、およびまだらなどのモビリティの欠陥に対して多層コーティング配合物が抵抗性となるために、より抗温度であることが望ましい。モビリティは、一般に未乾燥層コーティング厚さの2乗に比例し、粘度に反比例する。したがって、より低い粘度およびより厚い未乾燥層によって、このような結果が生じる可能性があり、特に、容易に変形しコーティングに対して高い伝熱率を示しうる非常に薄い基材が特徴であるデータ記憶テープ製品のコーティングの場合に起こりうる。本発明による乾燥工程での欠陥を軽減可能な特定の範囲の未乾燥粘度対剪断速度については後述する。
【0051】
第1の流体層60のレオロジーは、所望のコーティングウィンドウを得るために最も重要である。第1の流体層60は第2および第3の流体層62、64のキャリア層として作用し、多層コーティング配合物58の全体の流体特性に大きな影響を与える。コーティング配合物は、異なる工程中に広範囲の剪断速度を経験する。一般に、本発明の方法は、流体調製および送出、コーティング、および固化の3つの工程に分けることができる。流体の調製および送出では、コーティング配合物にはより高い剪断速度がかかる。また、動的コーティングラインでは、より高い剪断速度がコーティング配合物に加わる。乾燥中、流体コーティング配合物は固化し、移動基材上で比較的低い剪断速度がかかる。
【0052】
したがって、コーティング溶液レオロジーは3つの異なる領域を特徴とすることができる。第1の高剪断速度領域では、剪断速度は10,000sec−1以上程度である。この大きさの剪断速度は、コーティングビード、すなわち、動的ぬれライン、および分散配合物中の多くの流れ、ならびに送出システム、例えば、ミル、微細流動化装置、およびポンプと関連がある。大体においてこの領域では、溶液のコーティング性が決定され、コーティング間隙ならびに使用可能な減圧に関してコーティングウィンドウが画定され、最大コーティング速度が決定される。
【0053】
第2の中程度の剪断速度領域では、剪断速度は5〜10,000sec−1程度である。この領域では、剪断速度は、コーティングダイマニホールド内部、またはスライドコーターの傾斜面に沿ったコーティング配合物の流動と関連がある。さらに、このような剪断速度は、溶液配合物の多くの流れおよび送出システムとも関連しうる。この領域によって、ダイ設計および構造が決定される。スライドコーティングでは、例えば、この領域は、マニホールドの形状および寸法、スロット高さ、スロット長さ、およびステップ高さ、ならびに傾いたスライド面からコーティングビードに流下する溶液の被膜の厚さに影響する。ダウンウェブ方向またはクロスウェブ方向のいずれかで厚さが不均一であれば、得られる磁気記録製品は、変調および出力などのテープ性能に関する厳正な製品規格に合格しないであろう。
【0054】
第3の低剪断速度領域では、剪断速度は0〜5sec−1程度である。この涼気では、この大きさの剪断速度は、移動基材16に付着した後のコーティング溶液の大部分と関連がある。言い換えると、この領域の剪断速度は未乾燥液体被膜と関連がある。溶液粘度は、未乾燥被膜厚さ、乾燥空気速度の転換、基材速度、基材経路、基材の支持および操作、ならびに基材の性質の関数である臨界値よりも大きくなるべきである。モビリティは、溶液粘度および未乾燥被膜厚さの関数であり、空気の動き、ローラー表面、基材の不完全性、および静電気などによる妨害に液体被膜がどの程度影響されやすいを決定する。
【0055】
磁気媒体のコーティングの場合、低剪断速度領域における粘度が特に重要である。通常、テープなどの磁気媒体には、非常に薄い基材が使用される。基材の厚さを減少させることは、所与の磁気粒子で記憶容量を増加させる方法の1つである。基材厚さが薄くなるほど、モビリティにより生じるコーティング配合物の欠陥はより大きな問題となる。例えば、薄いフィルムは張力によってより折れ曲がりやすくなり、速度および張力の変化、ならびに周囲の流れ、密閉された流れ、乾燥オーブンの対流などの空気の動きによって容易にばたつく。さらに、薄いフィルムは、アイドラーロール、真空ロール、およびエアターンなどの支持および案内装置と接触することによって容易に変形する。コーティング配合物の粘度が不十分であれば、磁気記録用途に使用される非常に薄いフィルムが変形してモビリティが原因の欠陥が生じうる。本発明によると、これから説明するように8μm未満程度のより薄い基材を使用可能である。
【0056】
したがって、上記の3つの大まかな剪断速度領域のそれぞれで粘度特性は、コーティング性およびコーティング品質を得るために重要である。本発明によると、第1の流体層60は、剪断速度約9,000〜11,000sec−1、すなわち比較的高い剪断速度領域では未乾燥粘度が約4〜10cpとなることができ、剪断速度約75〜100sec−1、すなわち比較的中程度の剪断速度領域では約20〜150cpとなることができる。高剪断速度領域94の例を図7に示す。中程度の剪断速度領域を図7の参照番号96で示す。より低い剪断速度領域、例えば、図7の参照番号98で示される領域では、第1のコーティング配合物は、剪断速度約3〜5sec−1で未乾燥粘度が約50cp以上であってもよい。
【0057】
特定の実施態様では、第1の流体層60は、剪断速度が約9000〜11000sec−1で未乾燥粘度が約5〜8cpであってよく、剪断速度が約75〜100sec−1で約20〜60cpであってよく、さらに剪断速度が約3〜5sec−1で未乾燥粘度が約200cp以上であってよい。より詳細には、第1のコーティング配合物は、剪断速度が約9000〜11000sec−1で未乾燥粘度が約6〜7cpであってよく、剪断速度が約75〜100sec−1で約30〜60cpであってよく、さらに剪断速度が約3〜5sec−1で未乾燥粘度が約400cp以上であってよい。それぞれの場合で、第1のコーティング配合物の未乾燥粘度は、速いウェブ速度で薄い流体層のコーティングが促進されるように選択される。
【0058】
上記のようなレオロジーを有すると、層厚さとコーティング速度の両方に関してより広いコーティング性ウィンドウで流体層60、62、64をコーティング可能である。高剪断速度領域、例えば、コーティングビードにおける未乾燥粘度はコーティング性に関して重要な因子であり、最大コーティング速度を画定するのに役立つ。中間剪断速度領域、例えば、スライドコーター12の粘度は、コーティング組成物がスライド面を流下するときの層厚さを決定する。低剪断速度領域、例えば、多層コーティング配合物58を基材16上に適用した後の領域の粘度は、コーティングのモビリティおよび乾燥ゾーンでの欠陥に対する抵抗性を決定する。高剪断速度領域、例えば、コーティングビードでは、実質的に4cp未満の未乾燥粘度ではコーティングビードの維持が困難となる可能性があり、一方未乾燥粘度が実質的に10cpを越えるとコーティングの下に空気が取り込まれることがあり、そのためコーティングが著しく不均一となる。同時に、中間剪断領域、例えば、マニホールドまたはスロット内では、実質的に60cpを越える未乾燥粘度ではろ過の問題が生じうる。適切なコーティング性を得るためには、流体層60のレオロジーのバランスに気を付けるべきである。
【0059】
基材速度が増加すると、一般に流体層60mの厚さはある点まで増加する。しかしながら基材速度が増加すると、適切なコーティング配合物レオロジーのために高速でもコーティング厚さが減少する。特に、速度が増加すると、コーティング配合物のレオロジーのために、コーティングビード65で他の力よりも慣性が支配的となりはじめ、そのためコーティング厚さが減少する。特に、本明細書で記載されるような適切なレオロジーを有すると、流体層60のコーティング性を粘弾性に依存する必要が無く、真のニュートンコーティング流体となることができる。したがって、適切なレオロジーを有するのであれば、従来の磁性粒子およびバインダー系を使用することができる。
【0060】
基材16は、ウェブとして広範囲のウェブ速度で給送することができる。しかしながら処理能力を増大させるため、基材16は約400フィート/分(約120m/分)を超える速度、より好ましくは約600フィート/分(約180m/分)を超える速度で給送されることが好ましい。特に、適切な流体レオロジーを有する場合、約600〜850フィート/分(約180〜260m/分)の範囲内の速度が、本明細書に記載の未乾燥流体厚さのために意図される。流体層60、62、64の未乾燥厚さのため、乾燥させる材料が減少し、多くの基材を既存の乾燥装置で使用することができる。同時に、流体層60、62、64の粘度のために、基材16が急送され流体層が乾燥するときに、対流およびモビリティが原因の欠陥に対して抵抗性となる。
【0061】
また、スライドコーティングなどのコーティング技術を使用すると、基材16の厚さを減少させることができる。流体ダイコーティングやグラビアコーティングなどの他のコーティング技術と比較すると、スライドコーター12は基材16への負荷が非常に小さい。特に、通常のスライドコーター12は基材16に対して加わる荷重が0.05psi(0.034bar)以下である。さらに、スライドコーティング工程では、基材16はロール14によって支持されるため、変形が起こりにくい。その結果、スライドコーター12は、基材16の変形をはるかに少なくすることができ、より薄い基材を使用することができる。基材16は好ましくは厚さが約8μm以下である。ある実施態様では、基材16の厚さは約2〜8μmとなりうる。
【0062】
基材がより薄いと、短波磁気記録技術で厚さ損失を減少させることができる。さらに、磁気テープの場合、基材厚さが減少すると、全体のテープの厚さを有意に減少させることができる。全体の厚さが減少すると、所与のテープパック体積でテープ量をより多くすることができ、その結果、所与のデータテープカートリッジの記憶容量をより大きくすることができる。基材16の構造体の代表的な材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリスルホン、アラミド、ポリオレフィン、三酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、およびポリカーボネートが挙げられる。流体層60、62、64がコーティングされる面とは反対側の基材16の面は、バッキング層で予備処理することができる。さらに、流体層60、62、64がコーティングされる基材16の面はプライマー層で予備処理することもできる。
【0063】
磁気記録性能別の重要な特徴は、テープの変調特性である。本発明によるコーティング方法および材料は、より均一な磁気層が得られ内部層粗さが軽減されるため、変調を減少させ、より均一な磁気特性を得るために有用である。特に、本明細書に記載される材料のスライドコーティングは、中間層粗さが減少し、非常に薄いコーティング層を得ることができる。ある実施態様では、例えば、第2の流体コート層は乾燥後の乾燥厚さを約0.4μm未満にすることができる。
【0064】
第2の流体層62としての使用に好適なコーティング配合物は、後述の処方および性質を有することができる。特に、磁気記録媒体は、バインダーと、バインダー中に分散した複数の磁性粒子とを含む磁気コーティング組成物で形成された少なくとも1つの層を含むことが好ましい。第2の流体層62によって形成された少なくとも1つの磁気層以外に、本発明による磁気記録媒体は、バインダーと、任意にその中に分散した非磁性粒子とを含む非磁気コーティング組成物による第1の流体層60から形成される非磁気層、および第3の流体層62から形成される非磁気層も含むことができる。
【0065】
前述したように、第2の流体層62の配合物に好適な磁気コーティング組成物、ならびに第1の流体層60の配合物に好適な非磁気コーティング組成物はバインダーを含む。磁気層コーティング組成物に使用することができる好適なバインダーとしては、例えば、塩化ビニル酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコールコポリマー、塩化ビニル酢酸ビニルマレイン酸ポリマー、塩化ビニル塩化ビニリデンコポリマー、塩化ビニルアクリロニトリルコポリマー、アクリル酸エステルアクリロニトリルコポリマー、アクリル酸エステル塩化ビニリデンコポリマー、メタクリル酸エステル塩化ビニリデンコポリマー、メタクリル酸エステルスチレンコポリマー、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデンアクリロニトリルコポリマー、ブタジエンアクリロニトリルコポリマー、アクリロニトリルブタジエンアクリル酸コポリマー、アクリロニトリルブタジエンメタクリル酸コポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、セルロース誘導体、スチレンブタジエンコポリマー、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキル樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。
【0066】
バインダーは、塩化メチレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、ブチルアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、およびそれらの混合物などの好適な非水性溶剤中で提供することができる。
【0067】
好ましいバインダーとしては、ポリウレタン、非ハロゲン化ビニルコポリマー、ハロゲン化ビニルコポリマー、およびそれらの組合せが挙げられる。本明細書で使用される場合、用語「非ハロゲン化」は、コポリマーが、共有結合したハロゲン原子を含有しないことを意味する。したがって、用語「非ハロゲン化」は、コポリマーのモノマー成分としては塩化ビニルや塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニルモノマーを除外しているが、用語「非ハロゲン化」は塩素原子として塩素が存在する(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロリドなどのモノマー成分は除外していない。本明細書で使用される場合、接頭語「(メタ)アクリル−」は「メタクリル−」または「アクリル−」を意味する。ポリマー材料に関する用語「ビニル」は、ビニルモノマーから誘導される繰り返し単位を含む材料を意味する。ビニルモノマーに関して使用される場合、用語「ビニル」は、フリーラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を有する部分をモノマーが含有することを意味する。このような部分を有するモノマーは、これらの炭素−炭素二重結合を介して互いに共重合することができる。
【0068】
本発明において、有用なポリウレタンの1つは、米国特許第5,759,666号(Carlsonら)に記載されるようなカルボキシルポリウレタンポリマーである。通常、カルボキシルポリウレタンポリマーは、(i)1種類以上のポリイソシアネート、(ii)カルボン酸官能性ポリオール、および(iii)任意に、前出のカルボン酸官能性ポリオールは除外して規定される1種類以上のポリオールを含む混合物の反応生成物を含み、ここで反応前の混合物中に存在するイソシアネート反応性基の数は、イソシアネート基の数を超え、少なくとも約0.2meqのカルボン酸基が、1gのカルボキシルポリウレタンポリマー当たりのカルボキシルポリウレタンポリマー中に存在する。通常、反応生成物の数平均分子量は約2000〜約50,000であり、好ましくは約5000〜約30,000である。
【0069】
本明細書で使用される場合、用語「ポリオール」は、平均で1つ以上のヒドロキシル基を含有する多価アルコールを意味し、1価アルコール、ジオール、トリオール、テトロールなどが含まれる。好ましいポリオールはジオールであり、低分子量(すなわち、数平均分子量が約500未満)、および通常は数平均分子量が約500〜約5000であるオリゴマージオールの両方が挙げられる。低分子量ジオールの代表例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、極性官能基を有するジオール、エチレン系不飽和を有するジオール(例えば、3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオール、(メタ)アクリル酸1−グリセリルなど)、および官能化ジオールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。オリゴマージオールの代表例としては、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリエーテルトリオール、およびポリエステルトリオールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0070】
用語「ポリイソシアネート」は、1つの分子に2つ以上の反応性イソシアネート(すなわち、−NCO)基を有し、脂肪族、脂環式、芳香族、およびそれらの組合せであってよい任意の有機化合物を意味し、ジイソシアネート、トリイソシアネート、テトライソシアネートなど、およびそれらの組合せが含まれる。好ましくは、ジイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、およびそれらの組合せが挙げられ、これらが使用される。
【0071】
別の有用なポリウレタンはホスホン化ポリウレタンであり、例えば米国特許第5,501,903号(Erkkilaら)に記載されている。好ましくは、ホスホン化ポリウレタンは、ポリマー主鎖の窒素形成部分、1重結合または2価の架橋性基(好ましくは線状に最大4個の炭素原子を有する)、およびアルキル基、シクロアルキル基、アリール基の群から独立に選択されるか、あるいは合わせたものが環を形成するのに必要な炭素原子を含む2つのペンダント基を有する。ホスホン化ポリウレタンは、ヒドロキシル基が可撓性の鎖によって分離されるソフトセグメントジオール(通常は分子量が300を超え、例えばポリカプロラクトンジオールが挙げられる)と、ヒドロキシル基が比較的非可撓性の鎖で分離されるハードセグメントジオール(通常は分子量が300未満であり、例えばネオペンチルグリコールが挙げられる)、トリオール(例えば、ポリカプロラクトントリオール)、ジイソシアネート(例えば、トルエンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、およびイソホレンジイソシアネート)、およびホスホン酸ジアルキル(例えば、ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホン酸ジエチル)の反応によって生成されることが好ましい。
【0072】
有用な第4級アンモニウム含有ポリウレタンの例は、米国特許第5,759,666号(Carlsonら)に記載されるポリマー第4級アンモニウム化合物である。特に、ポリマー第4級アンモニウム化合物は、数平均分子量が約500を超えることが好ましく、好ましくは 第4級アンモニウム ポリウレタン、第4級アンモニウム 官能性非ハロゲン化ビニル コポリマー、およびそれらの組合せの群より選択される。
【0073】
本発明では、好適なバインダーは第4級アンモニウム官能性を有することができる。本明細書で使用される場合、用語「第4級アンモニウム官能性」は式
【化1】
Figure 2004505402
の部分を意味する。
【0074】
上式において、アステリスクで表される結合はポリマーバインダー樹脂 の主鎖に直接または2官能性架橋基を介して結合しており、各Rは独立に任意の好適な部分または環構造の共通部分であってよく、好ましくはHまたは1〜10個の炭素原子のアルキル基、例えば−CHであり、Mは任意の好適な対陰イオン、例えばCl、Brなどである。用語「第4級アンモニウム官能性」は、スルホベタイン(例えば、−N(CH(CHCHCHSO ))も包含する。
【0075】
実施態様の1つでは、第4級アンモニウム官能性ポリマーは、比較的高いガラス転移温度(T)を有するいわゆる「硬質樹脂」成分としてポリマーバインダーに混入される非ハロゲン化ビニルコポリマーである。
【0076】
別の実施態様では、非ハロゲン化ビニルコポリマーは、複数のペンダント第4級アンモニウム基、OH基または炭素−炭素二重結合を有する部分などの複数のペンダント架橋性部分、および複数のペンダントニトリル基を含む種類のものである。理論によって束縛しようと望むものではないが、ニトリル基はこれらのビニルコポリマーとポリウレタンの相溶性を向上させると考えられている。ビニルコポリマーのペンダントヒドロキシル基は磁性顔料のポリマーバインダーへの分散を促進するだけでなく、溶解性、硬化性、および他のポリマーとの相溶性も向上させると考えられている。ビニルコポリマー第4級アンモニウム基は、磁性顔料のポリマーバインダーへの分散を促進する。
【0077】
さらに別の実施態様では、第4級アンモニウム官能性ポリマーは、ポリウレタン鎖からぶら下がる少なくとも1つの第4級アンモニウム基を有し分子量が約500を超える第4級アンモニウムポリウレタンである。
【0078】
別の有用な非ハロゲン化ビニルコポリマーは、複数のペンダントニトリル基、複数のペンダントヒドロキシル基、および少なくとも1つのペンダント分散性基を有するコポリマーであって、例えば、米国特許第5,501,903号(Erkkilaら)および第5,510,187号(Kumarら)に記載されている。複数のペンダントニトリル基、複数のペンダントヒドロキシル基、および少なくとも1つのペンダント分散性基を有する非ハロゲン化ビニルコポリマーは好ましくは、モノマーが5〜40重量部、好ましくは15〜40重量部(メタ)アクリロニトリル、30〜80重量部の1種類以上の非ハロゲン化非分散性ビニルモノマー、1〜30重量部の非ハロゲン化ヒドロキシル官能性ビニルモノマー、および0.25〜10重量部の分散性基含有非ハロゲン化ビニルモノマーである非ハロゲン化ビニルコポリマーである。分散性基は第4級アンモニウム、カルボン酸またはその塩、リン酸またはホスホン酸あるいはそれらの塩、硫酸またはスルホン酸あるいはそれらの塩、またはそれらの混合物から選択することができる。分散性基が第4級アンモニウムである場合、分散性基を有するビニルモノマーが(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドであることが好ましい。
【0079】
好ましくは、非ハロゲン化非分散性ビニルモノマーは、スチレン、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル(アルキルエステルのアルキル基は1〜20個の炭素原子を有する)、およびスチレンとそのようなアルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、より好ましくはメタクリル酸メチル)を含む混合物(スチレンとアルキルエステルの重量比は10:90〜90:10である)から選択される。
【0080】
特に、ハロゲン化ビニルコポリマーも有用であり、本発明によるスライドコーティングに使用できる。このようなものとしては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、およびそれらの組合せが挙げられ、例えば米国特許第5,763,046号(Ejiriら)に記載のものが挙げられる。好ましくは、これらの樹脂には1つ以上の極性基が結合している。好ましい極性基としては、SO、COOM、OSO、P=O(OM)OM、−OP=O(OM)OM、−NRX、OH、NR、N(式中Rは炭化水素基である)、エポキシ基、SH、およびCNが挙げられる。塩化ビニル樹脂のより有用な種類の1つは、エポキシ基を含有する塩化ビニルコポリマーであり、例えば、塩化ビニル繰り返し単位、エポキシ含有繰り返し単位、および希望するのであれば極性基含有単位(例えば、−SOM、−OSOM、−COOM、および−PO(OM)、式中のMは水素またはアルカリ金属である)を含有するコポリマーが挙げられる。これらの中で、繰り返しエポキシ基と、−SONaを含有する繰り返し単位とを含有するコポリマーが特に有用である。
【0081】
上記のポリマーは、限定するものではないが、バルク重合法、溶液重合法、乳化重合法、および懸濁フリーラジカル重合法などの当技術分野で公知の重合方法で調製することができる。例えば、溶液重合法によると、コポリマーは、所望のモノマーを適切な溶媒に溶解し、連鎖移動剤、フリーラジカル重合開始剤、および等技術分野で公知の他の添加剤を加え、窒素やアルゴンなどの不活性雰囲気中に溶液を封入し、開始剤を活性化させるのに十分な温度で混合物を撹拌することによって調製される。
【0082】
当業者に公知の種々の添加剤を本明細書に記載の分散液およびコーティングに混入することができる。分散液およびコーティングは、架橋剤、ヘッドクリーニング剤、潤滑剤、カーボンブラック、分散剤、および湿潤剤からなる群より選択される添加剤をさらに含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0083】
例えば、希望するなら、バインダー組成物は架橋剤も含むことができる。架橋剤の好ましい種類の1つは、磁気記録媒体分野で公知のポリイソシアネート架橋剤であり、これは約100℃を超えるガラス転移温度で硬化し、高いガラス転移温度および高い硬度の層を形成するために使用することができる。特に有用な種類のポリイソシアネート架橋剤は、過剰のジイソシアネートと低数平均分子量(約200未満)のジオールおよびトリオールの反応生成物である。一般的で広く使用されている硬化剤としては、例えば、トルエンジイソシアネートと、トリメチロールプロパンおよびブタンジオールまたはジエチレングリコールなどのジオールとの混合部物の付加体が挙げられる。この種の好ましい材料はBayer Corporationより商品名MONDUR CB−55Nで入手可能である。他の有用な高Tg架橋剤は、商品名MONDUR CB−601、MONDUR CB−701、MONDUR MRS、およびDESMODUR L (すべてBayer Corporationより入手可能) およびCORONATE L(Nippon Polyurethaneより入手可能)が入手可能である。さらに別のイソシアネートか教材米国特許第4,731,292号(Sasakiら)に記載されている。
【0084】
硬化によって脆性ではなく靭性および可撓性のフィルムが得られる強化ポリイソシアネート架橋剤も望ましい場合がある。有用な強化ポリイソシアネート架橋剤は、米国特許第5,759,666号(Carlsonら)に記載されており、過剰のポリイソシアネートと、強化セグメントとして作用する10〜80重量%のオリゴマーポリオールを含むポリオールの反応生成物として得られる。強化ポリイソシアネート硬化剤の製造に有用なオリゴマーポリオールは数平均分子量が約500〜約5000であり、ガラス転移温度が約0℃未満であり、好ましくは約−20℃未満である。オリゴマーポリオールは好ましくは、ポリエステルジオール、ポリエステルトリオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテルトリオール、ポリカーボネートジオールポリカーボネートポリオール、およびそれらの混合物からなる群より選択される。
【0085】
好ましい強化ポリイソシアネート架橋剤の1つは、CB−55N(前述した)と45重量%の数平均分子量1300のポリカプロラクトンジオールの反応生成物から得られる。CB−55Nをこのように改質することで、より速く硬化しより靭性の高いコーティングが得られる。本発明の分散液およびコーティングの配合物には、粒子を除いた配合物の全固形分重量を基準にして、好ましくは約20〜約60重量%、最も好ましくは約30〜約50重量%の強化ポリイソシアネート硬化剤が使用される。
【0086】
前述したように、その他の添加剤としては、ヘッドクリーニング剤、潤滑剤、カーボンブラック、分散剤、および湿潤剤が挙げられる。米国特許第4,731,292号(Sasakiら)、第4,784,907号(Matsufujiら)、および第5,763,076号(Ejiriら)に開示されるような潤滑剤は、所望の摩擦特性および加工性を得るために加えることができると思われる。有用な潤滑剤の例としては、限定するものではないが、C10〜C22脂肪酸、脂肪酸のC〜C18アルキルエステル、およびそれらの組合せからなる群より選択されるものが挙げられる。有用な潤滑剤の別の例としては、シリコーン油などのシリコーン化合物、フルオロケミカル潤滑剤、フルオロシリコーン、無機または可塑性材料の粉末などの粒子状潤滑剤からなる群より選択されるものが挙げられる。好ましい潤滑剤としては、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸、ならびにそれらのブチルエステルおよびアミルエステルからなる群より選択されるものが挙げられる。通常、潤滑剤の混合物が使用され、特に脂肪酸と脂肪酸エステルの混合物が使用される。
【0087】
分散液は、磁性粒子の重量を基準にして約1〜約10重量%の湿潤剤をさらに含むことができる。好適な湿潤剤としては、限定するものではないが、グリセロールのモノリン酸化プロピレンオキシド付加体、例えば、10〜11モルのプロピレンオキシドと1モルのグリセリンの反応生物と、1モルのオキシ塩化リンとの反応生成物などのリン酸エステルからなる群より選択されるものが挙げられる。
【0088】
有用なヘッドクリーニング剤の例としては、限定するものではないが、米国特許第4,784,914号(Matsufujiら)および第4,731,292号(Sasakiら)に開示されるものが挙げられる。このようなヘッドクリーニング剤の例としては、限定するものではないが、アルミナ、二酸化クロム、α酸化鉄、および二酸化チタンの粒子からなる群より選択されるものが挙げられ、粒子の粒径は約2μm未満、好ましくは0.5μm未満でありモース硬度が約5を超え、磁性粒子100部当たり約0.2から約20部の範囲の量で加えられる。
【0089】
前述したように、磁気層は複数の磁性粒子を含有する。好ましくは、磁性粒子は円形または針状の磁性粒子である。これらの粒子の長軸に沿った平均長さは、好ましくは約0.3μm未満であり、より好ましくは約0.2μm未満である。好ましくは粒子は軸比、すなわち長さ対直径厚さの比が最大約5または6:1.である。好ましい粒子は比表面積が少なくとも約30m/gであり、より好ましくは少なくとも約40m/gである。この種の代表的な針状粒子としては、例えば、鉄または強磁性酸化鉄の粒子、例えばγ−酸化第二鉄(γ−Fe)、鉄およびコバルトの錯体酸化物、種々のフェライトおよび金属鉄粒子が挙げられる。あるいは、バリウムフェライトなどの小さく平らな粒子も使用することができる。粒子は、チタン、スズ、コバルト、ニッケル、亜鉛、マンガン、クロム、または当技術分野で公知のものなどの多価金属の1種類以上のイオンをドープすることができる。磁性粒子、分散鋭気中に約50%〜約90重量%の量で存在でき、好ましくは約60%〜約80重量%の量で存在できる。
【0090】
好ましい粒子は、高い保磁力と高い飽和磁化を有する磁性合金粒子であり、好ましくは存在するFe量を基準にして約15〜45原子%、好ましくは20〜45原子%のCoを含む(すなわち、100×(Coの原子数/Feの原子数))。好ましくは、これらの合金粒子は保磁力が約1800エルステッド(Oe)を超え、より好ましくは約1800〜約2500Oeであり、さらにより好ましくは約2000〜約2400Oeである。合金粒子の飽和磁化は好ましくは130emu/g以上であり、より好ましくは135emu/gを超える。このような合金粒子は米国特許第5,735,969号(Lownら)に記載の方法によって調製することができ、Dowa Mining、Kanto Denka、およびToda Kogyo Corporationなどから市販されている。
【0091】
本発明で使用される磁性粒子は、磁性顔料の表面上に吸着するこが望ましい少なくとも1種類の第1の表面処理剤を含むことができる。表面処理剤は、 少なくとも1つの酸性基と、少なくとも1つの電子吸引基とを含む化合物である。好都合なことには、複数の官能基を有するこの種の表面処理剤を使用すると、第4級アンモニウム官能性を有するポリマーバインダー中での磁性顔料の分散性が向上する。その結果、酸基または電子吸引基の一方または両方が不足した表面処理剤よりも、対応する磁気記録媒体がより容易に製造され、選りすぐれた電磁的および機械的性能特性が得られる。
【0092】
多種多様な酸性基を本発明の表面処理剤の酸性基として使用して好都合な結果を得ることができる。好適な酸性基の代表例としては無水物基、−COOH基、スルホン酸基、ホスホン酸基、このような基の塩、これらの組合せなどが挙げられる。これらの中で、金属粒子磁性顔料と併用する場合には現在のところ−COOHが最も好ましい。本発明を実施する場合、酸性基の塩も本発明の範囲内の酸性基と見なされる。
【0093】
本明細書で使用される場合、用語「電子吸引」基は、カルボン酸の水素原子(酸性H以外)が置換されると、その酸のよりpKaの小さな酸が得られるような基であり、すなわちその官能基は、「Introduction to Organic Chemistry,」Andrew Streitwieser, Jr.and Clayton H.Heathcock,McMillan Publishing Co.,Inc.(NY,NY 1976)pp.947−949に記載されるHammett Substituent Constantが0.1を超える。電子吸引基の代表例としては、ニトロ、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、オキソ、パーフルオロアルキル(トリフルオロメチルなど)、パーフルオロアルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、これらの組合せなどが挙げられる。
【0094】
磁気層は本発明の磁気記録媒体の調製中に磁性顔料の凝集を防止し分散を容易にするために有効となる十分な量の表面処理剤を含むことが望ましい。表面処理剤の最適な量は、表面処理剤の酸価、表面処理される磁性顔料の比表面積、処理される磁性顔料のpHなどの多くの要因に依存する。
【0095】
好ましい実施態様の1つでは、表面処理剤は式
E−X−A
を有する化合物であり、式中、Eは電子吸引基であり、Aは酸性基であり、Xは芳香族部分を含む。好ましくは、Xは芳香環であり、EおよびAは互いに対して芳香環のメタ位またはパラ位の置換基である。より好ましくは、EおよびAは互いに対してパラ位にある。E基とA基の間の間隔がより大きいため、EおよびAが互いにオルト位にある表面処理剤と性能を比較すると、EとAが互いに対してメタ位またはパラ位にある方が表面処理剤ははるかに有効性が高い。
【0096】
好ましくは、複数の磁性粒子は、バインダーに加えられる前に濃縮磁性粒子分散液として最初に調製される。この濃縮磁性粒子分散液は、分散技術の当業者には公知の手順によって調製することができる。分散液は、高速インペラーミル、磨砕機、またはサンドミルなどの分散装置を使用して調製することができる。
【0097】
濃縮磁性粒子分散液は、好適な非水性有機溶剤で希釈して磁気コーティング組成物を得ることができる。通常、非水性有機溶剤は前述のようにバインダーを溶解または分散が行われる。濃縮磁性分散液の貴社kに有用な溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル酢酸イソプロピル、乳酸エチル、グリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロロベンゼンスチレンなどの芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレン、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、ジクロロベンゼンなどの塩素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアミド、およびヘキサンが挙げられる。
【0098】
本発明のある実施態様では、本明細書に記載されるバインダーを、磁気特性を必要としないコーティング組成物、例えばプライマー/接着促進層、活性化層、下塗り層(通常は磁気層と基材の間にある)、および表層に混入することが望ましい場合もある。例えば、第1の流体層60などの下塗り層の形成のためのコーティング組成物は、非磁化粒子、例えば、カーボンブラック、α−酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカゲル、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、およびそれらの混合物からなる群より選択される粒子を含むことがきる。
【0099】
前述したような種々の添加剤も、第3の流体層64などの非磁気層に混入することができる。好適な添加剤としては、ヘッドクリーニング剤、潤滑剤、カーボンブラック、分散剤、湿潤剤などを挙げることができる。
【0100】
流体層60、62、64が前述のようにして形成されると、スライドコーティング技術を使用して、全体未乾燥コーティング厚さが約25μm以下、基材厚さが約2〜8μm、基材速度400フィート/分(120m/分)以上で、基材16の上に多層構造体を形成することができる。ある実施態様では、基材速度は600〜850フィート/分(180〜260m/分)以上となり、多層未乾燥コーティング厚さは約12μm.に到達する。どちらの場合も、全体のコーティング構造体の乾燥厚さ約1〜3μmの範囲を取ることができる。基材厚さ約2〜8μm以下を合わせると、完成品の厚さは約3〜11μmとなる。さらに、複数の層を同時にコーティングできることで、特定の機能的性質を個々の層に維持しやすくなる。
【0101】
磁気記録性能は、層60、62、64の乾燥厚さと基材16の厚さを減少させることによって有意な効果が得られる。前述のように配合した流体層60、62、64を使用すると、例えば、得られる多層フィルムは、加工方向、すなわち、基材16の移動方向と平行に保磁力を示すと予測することができ、加工方向と直交する方向では、従来のDLTおよびSuperDLT磁気記録規格にしたがって十分使用できる。好ましくは、加工方向の保磁力が加工方向と直交する方向の保磁力とほぼ等しくなるような角形比を記録層が示す。
【0102】
有機溶剤が基材16のコーティングに使用される場合、蒸発しやすい溶剤が早期に乾燥することでコーティングが不均一となる欠陥が生じうる。コーティング溶液がコーティング装置の表面と接触しているうちに溶剤が乾燥することが、早期乾燥と見なされる。早期乾燥はコーティング不均一の欠陥の原因となることがあり、これによって縞、空隙、または帯が生じる。このような欠陥が存在すると、コーティングされた基材が使用しにくくなるため、このような欠陥はコーティング工程による生産量に大きな影響を与えうる。ダイコーティング環境では、全体のコーティング作業中に、コーティング溶液が比較的静止した状態となり、コーティング装置の表面と常に接触する位置が多数生じうる。接触する位置は静的接触ラインと呼ぶことができる。静的接触ラインの均一性は、コーティングの品質、および欠陥の存在を左右する大きな要因である。静的接触ラインでの早期乾燥を制御することが重要である。
【0103】
図8は、多数のサチュレーター装置を有するスライドコーティング装置の側断面図である。特に、種々のサチュレーター装置は、スライドコーティング環境だけではなく、ダイコーティング、カーテンコーティング、スロットコーティングなどの種々のコーティング方法でも有用である。したがって、スライドコーティングシステムでこのようなサチュレーター装置を説明しているのは例としてあげているのであって、限定を意味するものではない。
【0104】
図9は、境界層サチュレーター100またはスライドコーター面サチュレーター114として有用なサチュレーター装置の1つを示す斜視図である。図10は、基材16の境界層の除去に有用な削り取りブレード102を示している。図11は、スライド面サチュレーター118を示している。図8〜11を合わせると、コーティングビード近傍の領域の飽和環境の促進に有用な種々のサチュレーター装置を示しており、これらによって溶剤蒸発およびコーティング時間の延長によって生じうるコーティングの欠陥が減少する。特に、コーティング装置の清浄化の必要回数が減少しうる。
【0105】
サチュレーター装置100は境界層サチュレーターとして機能する。ある実施態様では、サチュレーター装置100は、リーディングエッジ104を有する境界層削り取りブレード102と併用することができる。加圧ニップローラー101はローラー14と向かい合って配置することとができ、基材16に圧力をかけることで、ロール14と隣接する基材の裏面からの空気の除去が促進される。加圧ニップローラー101は、基材16移動方向に関してサチュレーター装置100と削り取りブレード102の直前に配置することができる。
【0106】
削り取りブレード102は、基材16およびロール14の幅全体にわたって側方に延在するブレード型部材の形態をとることができる。削り取りブレード102は基材16と接触してもしなくてもよいが、基材16表面とリーディングエッジ104が近接することが好ましい。後述するように、サチュレーター装置100が、存在する境界層を破壊するのに十分な流体圧力と速度で溶剤蒸気を放出する実施態様では、削り取りブレード102は必ずしも必要ではない。ある実施態様では、削り取りブレード102の代用またはこれと併用してナイフ装置を使用することができる。
【0107】
多くの種類のサチュレーター構造を、サチュレーター装置100の機能を実現するために使用することができる。例えば、サチュレーター装置100は、基材16の幅に沿って側方に延在する分散マニホールドを供給する溶剤蒸気ラインの形態であってもよい。蒸気ラインは一端を溶剤蒸気源と接続し、他端を分散マニホールドと接続することができる。この場合、分散マニホールドは、基材16とローラー14の幅に沿って側方に延在する細長いスロットの形態をとることができる。
【0108】
しかしながら、図8および9の例では、サチュレーター装置100は同軸管配置をとっている。とくに図9を参照すると、熱水源は熱伝導性管106の長さ方向にエネルギーを供給、そのため管と近接する領域で様竿の蒸発が促進される。より大きな管108を管106の周囲に同心円状に配置して、溶剤の送出するための環状間隙110を形成することができる。
【0109】
管106の内部空間112を熱水が通って溶剤が加熱される。したがって、溶剤は環状間隙を通って加熱供給管によって蒸発することができる。より大きな管108のスロット113は、矢印115で示されるように、基材16の領域に溶剤が蒸発できるように形成することができる。装置全体はコーティング間隙の領域の前の、真空箱24の入口に配置されてもよい。
【0110】
特に、サチュレーター装置100は、基材16表面と実質的に平行な方向に蒸気を放出することができる。実施態様の1つでは、サチュレーター装置100は溶剤蒸気を放出するエアナイフの形態であってもよい。この場合、基材16によってコーティング間隙に移動する空気層を削り取るエアナイフとして作用するのに十分な圧力で溶剤蒸気を放出することができ、それによって空気層は溶剤蒸気で置き換えられる。この場合、サチュレーター装置100は、境界層を除去する削り取りブレード102の機能を実施することができ、そのため削り取りブレード102は不要である。あるいは、図9の実施態様のように溶剤蒸気をより低い圧力で放出して、基材16の表面によって運ばれる空気層と混合させることがきる。いずれの場合も、、飽和環境が形成されて、乾燥が防止でき、乾燥によるコーティングの縞などの欠陥の可能性を低下させるので、溶剤蒸気の導入は有用である。
【0111】
サチュレーター装置100は、移動する基材16と近接し、削り取りブレード102を併用すると基材表面より運ばれる空気の境界層を変化させるという意味で境界層サチュレーターである。空気境界層は、移動する基材16の表面に空気分子が付着する結果生じ、基材と同じ速度で移動する。基材表面から離れた空気分子は付着せず、周囲気流に対して比較的ほぼ停止した状態となる。これら2組の空気分子の間が境界層であり、これは周囲気流に対して動いており、基材16の移動方向に移動する。境界層の厚さは主に基材速度の関数となる。
【0112】
移動する基材16は、空気境界層をコーティング装置の静的接触ラインの領域まで給送する。空気境界層は溶剤蒸気濃度が低く、静的接触ラインで過度の乾燥を起こしうる速度で移動する。削り取りブレード102などの機械的装置を使用して空気境界層を一時的に取り除くことはできるが、機械的装置が通過した後すぐに再形成される。
【0113】
サチュレーター装置100は、不飽和空気境界層を溶剤飽和境界層で置換して、境界層 による静的接触ラインの乾燥を軽減する働きをする。特に、サチュレーター装置100は、削り取りブレード102の直後に配置することができる。この方法では削り取りブレード102が基材16の運ぶ境界層を除去または破壊し、続いてサチュレーター装置100によってその体積の空気が溶剤飽和境界層に置き換えられる。
【0114】
サチュレーター装置100は、境界層の領域を飽和ガスで満たし、境界層が再形成されても、溶剤飽和ガスで再形成される。サチュレーター装置100の放出する溶剤蒸気は、完全に飽和している必要はないが、蒸気濃度が高いほど乾燥抑制効果も高い。安全性の理由から、溶剤蒸気のキャリアとして窒素などの不活性ガスを選択することが望ましいこともある。
【0115】
別のサチュレーター装置114は、コーティング間隙と近接する真空箱24内に配置することができる。サチュレーター装置114は、サチュレーター装置100の構造と実質的に同じ構造であってよく、スライドブロック18の前面116を横切って側方に延在するように配置して、乾燥を遅延させる飽和溶剤環境を形成することができる。別の実施態様では、サチュレーター装置114は、スロットを有する分散マニホールドであってもよい。サチュレーター装置114は、スライドブロック18の近接面116で真空箱34に溶剤蒸気を放出するような方向を向いている。この方法では、サチュレーター装置114は飽和環境に近いため、スライドブロック18の面116上での溶剤の乾燥が防止される。
【0116】
スライドコーティングを開始する前に、通常はコーティングされる溶液の流れをコーティング装置のスライド面上に形成してから、コーターに基材16を組み込む。この結果、コーティング溶液の一部は先端からあふれて、前部スライドブロック18の面116を流下し、真空箱34の底部に置かれた回収皿で集められる。スライドコーティング装置が、ロール14および基材16に対してコーティング位置に移動すると、スライド面の溶液が、前部スライドバーの面から流下する溶液と分離し、移動する基材に移る。
【0117】
残念ながら、スライドコーターの面116を流れ落ちた溶液は乾燥しやすい状態となる。乾燥した溶液は低い位置の静的接触ラインと近接するが、静的接触ラインが不均一となる可能性が増加する。この種の不均一性は回転むらの原因となり、すなわち、コーティングの不均一な帯が形成される。図8を参照して説明したように、境界層サチュレーター100は、スライドコーターの面116に集まった溶液の乾燥を防止するためにつねに有効であるわけではなく、なぜなら境界層は非常に薄くコーティング間隙に非常に近い領域を除けばほとんど効果がないからである。このため、さらに別のサチュレーター装置を設置することが望ましい場合もある。面サチュレーター114は、前部スライドバーの面116の領域に飽和環境を形成し、溶液の感想を防止して回転むらの発生を防止する。
【0118】
サチュレーター装置100および114以外に、スライドブロック18、20、22のスライド面と近接する領域にサチュレーター装置118を組み込むことができる。図11は、サチュレーター装置118の斜視図である。図8および11の例では、サチュレーター装置118は毛細管材料の形態をとっており、コーティング間隙と隣接するスライドコーター装置のスライド面に溶剤で飽和した空気を給送するという意味でスライド面サチュレーターとして機能する。図8および11のサチュレーター装置118は、溶剤で飽和した空気をスライド面に送り、スライド面で発生する溶剤の乾燥を減少させる。
【0119】
毛細管材料の使用は、スライドコーターのスライド面に集まったコーティング溶液の表面の飽和ガスが移動することで発生しうる欠陥を防止するために望ましいと思われる。飽和蒸気の導入によって効率的に乾燥を減少させることができるが、スライド面を通過する飽和蒸気の移動によって基材16上のコーティング面を妨害して、コーティング製品の欠陥につながるパターンが形成される可能性がある。このため、溶剤給送の手段として毛細管材料を使用することで妨害を少なくすることができ、コーティング製品の欠陥を防止することができる。
【0120】
毛細管材料は、ベースプレート120で支持されるシート122の形態を取ることができる。毛細管材料のシート122は、溶剤源からスライドコーター表面近傍まで溶剤を吸い上げる小さなチャネル124を有することができる。あるいは、毛細管材料のシート122は、例えば、多孔質フォーム材料、または吸収性の布などの任意の多孔質材料の形態であってよい。それぞれの場合、毛細管力、すなわち、表面張力によって、溶剤が毛細管材料の外面に向かい、そこで溶剤が蒸発してスライドコーター表面の領域をより飽和した環境にする。サチュレーター118の多数の構造的実施態様を考えることができる。図8および11を参照すると、スライドコーティングブロック18、20、22を閉じこめるフード119の内面にベースプレート120を取り付けることができ、それによって上記毛細管材料のシート122をスライド面と近接するように向けることができる。
【0121】
ベースプレート120は、ねじ、固定具など、または接着剤によってフード119に取り付けることができる。ある実施態様では、毛細管材料はベースプレート120に取り外し可能なようにとりつけることができるし、フード119内面に接着剤などによって直接取り付けることもできる。また、ベースプレート120またはフード119がある領域を画定して、その中にエアフィルターのようにシート132を挿入することもできる。溶剤は毛細管材料のシート122のチャネル124に横方向に給送することができる(矢印126の通り)。毛細管材料のシート122の一端がある端部まで別のタンクから滴受けを使用して溶剤を送ることもできる。タンクは、コーティングビードから離れて配置されることが好ましい。この場合、毛細管材料のシート122はタンクからの溶剤を吸い上げ、これを直接コーティングビードに運ぶ。毛細管材料のシート122から溶剤が蒸発すると、スライド面上部の環境で飽和度が増加し、乾燥および関連のコーティングの欠陥を減らすことができる。
【0122】
ある実施態様では、毛細管材料の受け入れ端が下方に曲げられ、コーティングには使用されていないスライドコーティングランプ上の流体送出スロットに挿入することができる。図8の例では、2層のみがコーティングされ、流体送出スロット54がコーティングに使用されていないとすると、毛細管材料のシート122の一端をスロットに挿入することができる。溶剤量を制御して、流体送出スロット54に送り、その流体を毛細管材料のシート122に送ることができる。さらに、この場合、毛細管材料のシート122の一部は、フード119に取り付けるかわりに、スライドブロック22と関連する使用されていないスライド面に置くことができる。いずれの場合も、毛細管材料のシート122は溶剤をコーティング間隙まで吸い上げ、溶剤が蒸発することによって、スライド面付近の飽和環境が促進される。
【0123】
本明細書に記載の所望のレオロジーを示す代表的配合物について以下に説明する。この実施例で使用されるすべての材料は、他に明記しない限りは、標準的な供給元から容易に入手可能である。すべてのパーセント値は他に明記しない限りは重量を基準にしている。基材にコーティングされ磁気記録媒体が形成される第1の流体層と第2の流体層の両方のコーティング処方を示している。第1の流体層は、基材に適用される下塗り層として機能する。第2の流体層は下塗り層の上に適用され記録層を形成する。この実施例の 第1の流体層は以下の処方を有する。
【0124】
【表1】
Figure 2004505402
【0125】
α酸化鉄は、Toda Kogyo Corp.より粒径0.15μmのものを入手可能である。BP 2000 (Black Pearls 2000)はCabot Corporationより入手可能である。ミリスチン酸およびステアリン酸ブチルはどちらもHenkel Canada Ltd.より入手可能である。
【0126】
第2の流体層は 記録層として機能し、以下の処方を使用して調製した。
【0127】
【表2】
Figure 2004505402
【0128】
磁性顔料はDowa Mining Co.,Ltd.より入手可能である。4−ニトロ安息香酸はNordic Synthesis ABより入手可能である。アルミナはCeralox Division of Condea Vistaより入手可能である。
【0129】
この実施例では、2つの流体層を厚さ約.55ミル(14μm)および幅約6.5インチのポリエステル基材上にコーティングする。好適な基材の一例として、Toray Corporationより入手可能なフィルムタイプPET 6N3AJが挙げられる。
【0130】
2つの流体層のコーティングウィンドウの例を以下の表1に示す。粘度はHaake粘度系を使用し剪断速度約10,000sec−1で測定され、種々の固形分濃度で表1に示している。この実施例は速度約600フィート/分(183m/分)で実施したコーティング試験を表しており、スライドリップとローラー14の間の代表的コーティング間隙Gが約7ミル(178μm、真空箱間隙は約5ミル(127μm)、コーティングビードにおける真空レベルを表に示している。表1において、L1は下塗り層を意味し、L2は記録層を意味する。
【0131】
【表3】
表1
Figure 2004505402
【0132】
図12は、先行する実施例によるコーティング配合物のコーティングウィンドウを示すグラフである。図12に示されるコーティングウィンドウは下部曲線146と上部曲線148とによって画定され、基材速度約600フィート/分(183m/分)に対応している。下部曲線146と上部曲線148は粘度約4cpおよび10cpの間に延在しており表1と一致しており、スライドコーターの真空箱の減圧量で不適当なコーティング結果が生じ始める下限と上限も示している。
【0133】
例えば、約9.5cpでは、水約0.7インチ(1.8cm)〜1.1インチ(2.8cm)の間の真空レベルで許容できるコーティング結果が得られることが分かった。同様に、別の例として、約6cpでは、真空レベルが水約0.3インチ(0.76cm)〜0.7インチ(1.8cm)で、許容できる結果が得られることが分かった。しかしながら、対応する粘度で真空レベルが上部曲線148で規定される値を超えるか、あるいは下部曲線146で規定される値を下回ると、コーティング結果は許容できないものとなった。
【0134】
実施例1
この実施例の目的は、最小未乾燥層厚さとコーティング品質を%固形分およびウェブ速度の関数として分析することであった。上述の組成物を幅22.86cmおよび厚さ50.8μmのポリエチレンテレフタレート基材上にコーティングした。すべてのコーティング条件および処方に対するスライドコーターの設定は次に通りである。スライド角S=25°、位置角P=−7°(どちらも水平を基準にしている)。使用したスライド設定を以下の表2に示す。
【0135】
【表4】
表2
Figure 2004505402
【0136】
5つの異なる濃度(%固形分)でコーティングした。固形分の調製は、MEK、MIBK、およびTHFの種々の混合物を使用して行った。コーティング前に溶液をPPA−45で活性化させた。それぞれの溶液の性質を以下の表3に示す。
【0137】
【表5】
表3:コーティング溶液の物理的性質
Figure 2004505402
(A)比重ビンを使用して測定した
(B)剪断速度10,000sec−1でICI Viscometerを使用して測定
(C)剪断速度57.6sec−1でBrookfield DV III+とSpindle CPE−42を使用して測定
(D)剪断速度3.84sec−1でBrookfield DV III+とSpindle CPE−42を使用して測定
(*)装置の測定範囲外
【0138】
コーティング幅は15.24cmであった。コーティング条件および結果は以下の表3に示す。最小未乾燥層厚さ(twmin)、および最小乾燥層厚さ(tdmin)は、各条件の連続コーティングで達成可能な最小値である。コーティングはウェブを静止させて風乾した。
【0139】
【表6】
表4:コーティング条件および結果
Figure 2004505402
コーティングの欄の記号:O=満足できるコーティング、X=不満足なコーティング
(*)91m/分を超える速度で溶液の流速を実現できなかった。
【0140】
表4に示されるようにより高濃度のコーティング溶液、すなわち、20および25%固形分で満足できるコーティング作業が行われている。表4より、固形分濃度が増加すると最小層厚さが減少することが明らかである。表3および4から、コーティング粘度が高いと、溶液濃度も高いことも明らかである。コーティング品質は、%固形分が高い方から低い方に進むほど、例えば、固形分が25%から5%に進むほど悪くなった。
【0141】
実施例2
この実施例の目的は、2重層構造体の場合に最小未乾燥層厚さとコーティング品質を分析することであった。変数は2層構造体の個々の層の固形分のパーセント値とウェブ速度である。前出の組成物を、幅22.86cmおよび厚さ50.8μmのポリエチレンテレフタレート上にコーティングした。すべてのコーティング条件および処方においてスライドコーターの設定は次の通りであった。スライド角S=25°および位置角P=−7°(どちらも水平を基準にしている)。使用したスライド設定を以下の表1に示す。
【0142】
【表7】
表5:スライドコーター設定
Figure 2004505402
【0143】
4つの異なる濃度(%固形分)でコーティングを行った。固形分の調製は、MEK、MIBK、およびTHFの種々の混合物を使用して行った。コーティング前に溶液をPPA−45で活性化させた。それぞれの溶液の性質を以下の表6に示す。
【0144】
【表8】
表6:コーティング溶液の物理的性質
Figure 2004505402
(A)比重ビンを使用して測定した
(B)剪断速度10,000sec−1でICI Viscometerを使用して測定
(C)剪断速度57.6sec−1でBrookfield DV III+とSpindle CPE−42を使用して測定
(D)剪断速度3.84sec−1でBrookfield DV III+とSpindle CPE−42を使用して測定
(*)装置の測定範囲外
【0145】
コーティング速度は152m/分であった。コーティング幅は15.24cmであった。コーティング構造体および結果を以下の表7に示す。層1は最下層である。各コーティングにおいて、層1最小限であり、層2は所望の乾燥コーティング厚さ1.30μmが得られるようにあらかじめ設定した。コーティングは基材を停止させて風乾した。
【0146】
【表9】
表7:コーティング構造体および結果
Figure 2004505402
コーティングの欄の記号:O=満足できるコーティング、X=不満足なコーティング
【0147】
表7に示されるように、コーティング操作で満足できるコーティングは得られず、適切なレオロジー、特により速いコーティング速度の重要性を示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】スライドコーティング装置の側断面図である。
【図2】図1に示されるスライドコーターの部分上面図である。
【図3】図2に示されるスライドコーターのである部分側断面図。
【図4】図1に示されるスライドコーティング装置の別のスライドブロックの部分側断面図である。
【図5】図1に示されるスライドコーティング装置のさらに別のスライドブロックの部分側断面図である。
【図6】多層コーティング法によって製造された磁気記録媒体の断面図である。
【図7】図1に示されるスライドコーティング装置で製造されたコーティングビードの拡大断面図である。
【図8】サチュレーター装置が組み込まれたスライドコーティング装置の側断面図である。
【図9】図8に示される境界層サチュレーター装置の斜視図である。
【図10】図8に示される削り取りブレードの斜視図である。
【図11】図8に示されるスライド面サチュレーター装置の斜視図である。
【図12】本発明によるコーティング配合物のコーティングウィンドウの例を示すグラフである。
【符号の説明】
10 スライドコーティング装置
12 スライドコーター
14 バックアップローラー
16 基材
18 スライドブロック
20 スライドブロック
22 スライドブロック
24 スライドブロック
26 流体スロット
28 流体スロット
30 流体スロット
32 スライド面
34 真空箱
36 真空源
38 出口
40 第1の流体
42 第1の流体供給装置
44 第1のマニホールド
46 第2の流体
48 第2の流体供給装置
50 第2のマニホールド
52 第3の流体
54 第3の流体供給装置
56 第3の流体マニホールド
58 3層流体構造体
60 第1の流体層
62 第2の流体層
64  第3の流体層
65 コーティングビード
66 エッジガイド
68 エッジガイド
70 スライドブロック
72 前端
74 低表面エネルギー部材
76 スライドブロック
78 低表面エネルギー部材
80 上部前縁
82 磁気記録媒体
84 バッキング層
86 下塗り層
88 記録層
90 機能層
94 高剪断速度領域
96 中程度の剪断速度領域
98 低剪断速度領域
100 境界層サチュレーター
101 加圧ニップローラー
102 削り取りブレード
104 リーディングエッジ
106 管
108 管
110 環状間隙
112 内部空間
113 スロット
114 スライドコーター面サチュレーター
115 矢印
116 スライドブロック前面
118 スライド面サチュレーター
120 ベースプレート
122 シート
124 チャネル
126 矢印
146 下部曲線
148 上部曲線
H スロット高さ
T スロット段差
C 面取り部
P 位置角
A 迎え角
S スライド角
W 未乾燥厚さ

Claims (20)

  1. 第1の流体コーティング配合物をスライドコーターの第1のスライドコーティング面上に流す工程と、
    金属磁気記録粒子を含む第2の流体コーティング配合物を前記スライドコーターの第2のスライドコーティング面上に流し、前記第1のコーティング配合物の上に流し、前記第1および第2のコーティング配合物が多層コーティングを形成する工程と、
    前記多層コーティングを移動する基材上に流して、前記第1および第2のコーティング配合物を同時に前記基材に適用する工程と、を含み、
    前記第1のコーティング配合物の剪断速度約9000から11000sec−1における未乾燥粘度が約4〜10cpである、磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記第1のコーティング配合物の剪断速度約75〜100sec−1における未乾燥粘度が約20〜150cpであり、剪断速度約3〜5sec−1における未乾燥粘度が約50cp以上である請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1のコーティング配合物の剪断速度約9000〜11000sec−1における未乾燥粘度が約5〜8cpであり、剪断速度約75〜100sec−1で約20〜60cpであり、剪断速度約3〜5sec−1で約200cp以上である請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1のコーティング配合物の剪断速度約9000〜11000sec−1における未乾燥粘度が約6〜7cpであり、剪断速度約75〜100sec−1で約30〜60cpであり、剪断速度約3〜5sec−1で約400cp以上である請求項1に記載の方法。
  5. 前記第1のコーティング配合物の前記基材上の平均未乾燥厚さが約25μm未満である請求項1に記載の方法。
  6. 前記第2のコーティング配合物の前記基材上の平均未乾燥厚さが約5μm未満であり、前記多層コーティングの前記基材上の平均未乾燥厚さが約25μm未満である請求項1に記載の方法。
  7. 前記多層コーティングを前記基材の移動方向を横断する方向で約6インチ(15.2cm)以上の幅を有する領域にわたって前記基材上に流す工程と、前記第1のスライド面に対して約120m/分を超える速度で前記基材を移動させる工程とをさらに含む請求項1に記載の方法。
  8. 前記基材上の前記多層コーティングを乾燥させてフィルムを形成する工程をさらに含み、前記フィルムのカレンダー加工前の乾燥厚さが約3μm未満である請求項1に記載の方法。
  9. 前記第1および第2のコーティング配合物のぞれぞれが非水性溶剤系配合物である請求項1に記載の方法。
  10. 前記基材の厚さが約8μm未満である請求項1に記載の方法。
  11. 第3の流体コーティング配合物を第3のスライド面上に流し、前記第1および第2のコーティング配合物上に流して、前記第1、第2、および第3のコーティング配合物が多層コーティングを形成し、前記第1、第2、および第3のコーティング配合物のうちの1つが金属磁気記録粒子を含有する工程と、
    前記多層コーティングを前記基材に流して、前記第1、第2、および第3のコーティング配合物を同時に前記基材に適用する工程とをさらに含む請求項1に記載の方法。
  12. 第1の流体コーティング配合物をスライドコーターの第1のスライドコーティング面上に流す手段と、
    金属磁気記録粒子を含む第2の流体コーティング配合物を前記スライドコーターの第2のスライドコーティング面上に流し、前記第1のコーティング配合物の上に流し、前記第1および第2のコーティング配合物が多層コーティングを形成する手段と、
    前記多層コーティングを移動する基材上に流して、前記第1および第2のコーティング配合物を同時に前記基材に適用する手段と、
    を含む請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法により磁気記録媒体を製造するためのシステム。
  13. 基材と、
    前記基材上に形成された第1の流体コート層と、
    ウェット・オン・ウェット多層スライドコーティング方法を使用して前記第1の層の上に形成され、金属磁気記録粒子を含有する第2の流体コート層と、
    を含み、前記第1および第2の層が、組み合わせた平均未乾燥厚さが約25μm未満で前記基材上にコーティングされる磁気記録媒体。
  14. 前記第1および第2の層が、組み合わせた平均未乾燥厚さが約12〜25μmで前記基材上にコーティングされる請求項13に記載の磁気記録媒体。
  15. 前記第2の層が平均未乾燥厚さ約0.4μm未満でコーティングされる請求項13に記載の磁気記録媒体。
  16. 前記基材の厚さが約8μm未満である請求項13に記載の磁気記録媒体。
  17. 前記第1の層が磁気記録材料を実質的に含まない請求項13に記載の磁気記録媒体。
  18. 前記第1の層の厚さが約3μm未満である請求項13に記載の磁気記録媒体。
  19. 前記第2の層の平均中間層粗さが約10nm未満である請求項13に記載の磁気記録媒体。
  20. 前記基材、前記第1の層、前記第2の層を合わせた厚さが約11μm未満である請求項1に記載の磁気記録媒体。
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