JP2004361437A - 光学モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】CCD等の撮像素子の光軸方向での位置がずれた場合でも簡単な構成で対処できるようにした光学モジュールを提供する。
【解決手段】レンズを保持したレンズホルダと、該レンズホルダに外接し、該レンズホルダを光軸方向に摺動自在に保持する鏡筒と、前記レンズホルダの光軸方向での位置を変更する位置変更手段と、該位置変更手段の下部に敷設した位置調整用部材とを備えている光学モジュールである。本光学モジュールは、位置変更手段の光軸方向での位置を位置調整用部材により変更できる。よって、基板上の撮像素子の位置がずれていた場合でも、予め設計したレンズホルダと位置変更手段との関係を維持しつつ、撮像素子の位置ずれに対処できる。
【選択図】 図1
【解決手段】レンズを保持したレンズホルダと、該レンズホルダに外接し、該レンズホルダを光軸方向に摺動自在に保持する鏡筒と、前記レンズホルダの光軸方向での位置を変更する位置変更手段と、該位置変更手段の下部に敷設した位置調整用部材とを備えている光学モジュールである。本光学モジュールは、位置変更手段の光軸方向での位置を位置調整用部材により変更できる。よって、基板上の撮像素子の位置がずれていた場合でも、予め設計したレンズホルダと位置変更手段との関係を維持しつつ、撮像素子の位置ずれに対処できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCD等の撮像素子を用いた小型カメラに含まれる光学モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、微小なカメラを搭載した携帯電話やノート型パソコン等の電子機器が広く提供されるようになっている。これらの電子機器は小型化及び軽量化の要請が大きく、これに内蔵するカメラをより小型軽量化することが求められる。よって、カメラの光学系部品である光学モジュールについてもより一層の小型軽量化を図る必要がある。さらに光学モジュールは鮮明な画像を得るためには特に光軸方向での寸法精度が要求される。
【0003】
小型カメラのレンズ駆動装置に関しては、例えば特許文献1に開示がある。この特許文献1では、図8に示すように、板カム110を用いることによりセンサ類や信号処理装置を削減して小型化および構成の簡素化を図ったレンズ駆動装置100を開示している。マクロ撮影やズーム撮影の際には光学モジュール内のレンズ位置が移動される。特許文献1で開示するレンズ駆動装置100の場合には、板カム110が回動軸111周り回動することでレンズ位置が変更される。具体的には、玉枠(レンズホルダ)105、106各々にはカムフォロアとしてのピン107、108が設けられている。これらのピン107、108は板カム110に形成した、カム溝112、113に係合している。この板カム110を回動することにより、レンズホルダ105、106を所定位置に設定できる。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−189165号 公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにレンズを移動する際には、ピントや倍率も合わせる必要がある。図8で開示するレンズ駆動装置100ではこの点を考慮してカム溝112、113の形状(カム曲線)が規定される。このカム曲線により、レンズとCCDとが最適距離となるように調整されている。光学モジュールは所定の寸法精度を持って作製されている。しかしながら、実際の製造工程では基板上に配置する撮像素子の光軸方向での相対位置が微妙に変化する場合がある。
【0006】
このように撮像素子の位置が予定位置からずれた場合には、撮像素子にピントが合うように位置調整が必要となる。しかし特許文献1で示す装置の様に板カムを用いていると、カム溝112、113のカム曲線を変更する、或いは回動軸111の位置を変更する等の対処が必要となる。実際の製造工程を考えると、回動軸を変更しての対処というのは現実的ではない。よって、カム曲線の異なるカム板110を複数準備しておき、カム板を適宜変更してピントを合わせる作業を行うことになる。しかし、このような作業は煩雑であるばかりでなく、カム曲線を変更すると設計されたバックフォーカス値を変えることにもなり、光学装置としての性能が劣化してしまう場合もある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決し、CCD等の撮像素子の光軸方向での位置がずれた場合でも簡単な構成でこれに対処できるようにした光学モジュールを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、レンズを保持したレンズホルダと、該レンズホルダに外接し、該レンズホルダを光軸方向に摺動自在に保持する鏡筒と、前記レンズホルダの光軸方向での位置を変更する位置変更手段と、該位置変更手段の下部に敷設した位置調整用部材とを備えている光学モジュールによって達成できる。本発明によると、位置変更手段の光軸方向での位置を位置調整用部材により変更できる。よって、基板上の撮像素子の位置がずれていた場合でも、予め設計したレンズホルダと位置変更手段との関係を維持しつつ、撮像素子の位置ずれに対処できる。従来においてはカム板を用いた場合にはカム曲線の変更等の煩わしい作業が必要であったが、本発明では位置変更手段の下に位置調整用部材を敷設するという簡単な構成で画像素子の位置ずれに対処できる。特に、前記位置調整用部材は、該位置調整用部材の厚みを変化させることにより前記位置変更手段の光軸方向での相対位置を調整することができる。位置調整用部材の厚みを変化させるという簡単な工夫で撮像素子の位置ずれを修正できる。
【0009】
また、前記位置変更手段は前記鏡筒の外周に配置した円筒カムであり、前記位置調整用部材は前記円筒カムの下に敷設した環状又はC字状のスペーサを含むことができる。円筒カムは鏡筒の外周に沿うように配置すればよいのでスペース増加の問題を生じることなくレンズホルダ位置を変更できる構造を実現する。そして、環状又はC字状のスペーサを円筒カムの下に敷設することで円筒カムの光軸方向での位置を変更できる。なお、前記位置調整用部材は前記円筒カムの下に不連続に敷設したスペーサでもよい。
【0010】
また、前記円筒カムは、前記レンズホルダの側面から延びる突起部材に摺接するカム面を備え、該カム面は前記レンズホルダを光軸上の所定位置に規定する形状を有していることが好ましい。このような構成を備えることにより、円筒カムを回動して、レンズホルダを光軸上の所定位置に移動できる。
【0011】
さらに、前記レンズホルダは第1のガイド部を有し、前記鏡筒は前記第1のガイド部に係合する第2のガイド部を有し、前記第1及び第2のガイド部は前記レンズホルダを前記鏡筒内で摺動自在に保持するのがより好ましい。このようなガイド構造も含めば、撮像素子の位置ずれに対応が可能であり、かつレンズホルダを光軸方向へ円滑に移動できるより好ましい光学モジュールとして提供できる。なお、前記レンズホルダは、第1のレンズホルダ及び第2のレンズホルダを含んで形成してもよい。
【0012】
さらに、レンズを保持した第1レンズホルダと、該第1レンズホルダに外接し、該第1レンズホルダを光軸方向に摺動自在に保持する鏡筒と、前記第1レンズホルダの光軸方向での位置を変更する位置変更手段と、前記位置変更手段の上部に設けられるレンズを保持した第2レンズホルダと、該第2レンズホルダと前記位置変更手段との間に敷設した位置調整用部材とを備えている光学モジュールによっても上記目的を達成できる。本発明の場合は、位置変更手段上で固定状態にある第2レンズホルダの光軸方向での位置が位置調整用部材により変更される。よって、基板上の撮像素子の位置がずれていた場合でも、予め設計した第1レンズホルダと位置変更手段との関係を維持しつつ、撮像素子の位置ずれに対処できる。なお、前記位置調整用部材は、該位置調整用部材の厚みを変化させることにより前記第2レンズホルダに保持したレンズの光軸方向での相対位置を調整できる。また、前記第1レンズホルダは、複数のレンズホルダを含んで構成してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る一実施形態を図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る光学モジュールの内部が確認できるように示した分解斜視図である。なお、図1では特徴的な構成が理解し易くなるように途中に介在するフィルタや絞り等を省略して示している。所定の配線パターンが形成された基板1上に撮像素子としてのCCD2が固定されている。基板1としては、例えばフレキシブル配線基板(FPC基板)を採用することができる。この基板1に配置されたCCD2上に撮影画像が結像するように光学系ユニット3が配置される。なお、本明細書でいう光学モジュールとは、レンズ及びこれを光軸方向(図1の紙面では上下方向)に駆動する光学系ユニット3であってもよいし、CCD2、さらには基板1までも含んだ構造と理解してもよい。
【0014】
光学系ユニット3は、基板1側から、鏡筒11、スペーサ12、円筒カム13、第3レンズ14、第3レンズホルダ15、第2レンズ16、第2レンズホルダ17、第1レンズ18及び第1レンズホルダ19を含んでいる。鏡筒11は略円筒状を成し、基板1に固定されたCCD2を中心にして囲むように配置している。この鏡筒11の内面には複数のガイド溝11A〜11Fが形成されている。これらガイド溝中で2つのガイド溝11Aと11Dとは、鏡筒11の側部で光軸方向に延びる長溝状に形成されている。これらガイド溝11A〜11Fについては後に詳述する。
【0015】
スペーサ12は、リング状を成しており上記鏡筒11の外周に嵌まる大きさに形成されている。先に従来技術で指摘したよう、基板1上に配置されるCCD2の位置が、製造工程で光軸方向においてずれてしまう場合がある。このように基板1上に取り付けられるCCD2の光軸方向での相対位置が変化すると、設計した焦点がずれることになる。このずれを調整するために、本光学モジュールでは、位置調整用部材としてスペーサ12が採用されている。このスペーサ12の厚みを変更することによりCCD2上に焦点が確実に位置するように調整できる。このスペーサ12上には後述するように円筒カム13が載置される。この円筒カム13は第3レンズ14及び第2レンズ16を予め設計した位置に移動させるようにカム面が形成されている。本光学モジュールでは、円筒カム13の下にスペーサ12を敷設するという簡単な工夫で、従来のようにカム曲線の変更等を行なうことなく基板1上でのCCD2の位置ずれに対処する。
【0016】
上記スペーサ12は、種々の厚さを有するものを予め準備しておき、最適な厚みの物を適宜選択して使用することが好ましい。また、図1で例示したスペーサ12はリング状であるが、ハッチングを付して示すようにその一部121を切り欠いたC字状等でもよい。このように一部を切り欠いた形状とした場合には、横方向からの着脱が可能となるので、製造段階での組付性等を向上させることができる。また、スペーサ12は必ずしも一体形状である必要はなく分割物の集合体であってもよく、円筒カム13の下部に不連続に配置してもよい。また、このスペーサ12は一層であることは必須ではなく、複数のスペーサを積層状態に形成してもよい。
【0017】
上記スペーサ12上には円筒カム13が載置される。この円筒カム13の上部面にはこのカム面131が形成されている。後述する第3レンズホルダ15から半径方向に突出する突起部材として係合ピン151及び同様に第2レンズホルダ17から半径方向に突出する係合ピン171がカムフォロアとなり、これらが所定軌跡で移動するようにカム面131の形状が規定されている。このカム面131と係合ピン151及び係合ピン171との関係については後に詳しく説明する。
【0018】
第3レンズ14は、基板1に最も近いレンズであり、第3レンズホルダ15により保持されている。第2レンズ16は中間に位置するレンズであり、第2レンズホルダ17により保持されている。第1レンズ18は被写体側に位置するレンズであり、第1レンズホルダ19により保持されている。第3レンズホルダ15の周部には、3つのガイド棒152−1〜152−3が等間隔で形成されている。これらガイド棒152−1〜152−3は、鏡筒11の内部に形成したガイド溝11A、11C、11Eと摺動するように形成されている。この内の1つのガイド棒152−1からは、前述した係合ピン151が半径方向に突出している。また、この第3レンズホルダ15の周部には3つの受溝153−1〜153−3が、上記ガイド棒152の間に位置するように形成されている。これら受溝153−1〜153−3は、同様の構造を有する第2レンズホルダ17のガイド棒172−1〜172−3を受入れるように形成されている。
【0019】
第2レンズホルダ17は、上記第3レンズホルダ15と同様の構造を有している。すなわち、第2レンズホルダ17の周部には、3つのガイド棒172−1〜172−3が形成されている。これらガイド棒172−1〜172−3は、鏡筒11の内部に形成した残りのガイド溝11B、11D、11Fと摺動するように形成されている。この内の1つのガイド棒172−1からはピン171が半径方向に突出している。また、第2レンズホルダ17の周部には受溝173−1〜173−3が形成されている。これら受溝173−1〜173−3は、第3レンズホルダ15のガイド棒152−1〜152−3を受入れるように形成されている。
【0020】
上記第3レンズホルダ15と第2レンズホルダ17とは、互いのガイド棒と受溝とを係合させて互いにスライド可能な状態である。そして、この状態のレンズホルダ15、17の各ガイド棒(152と172)が、鏡筒11の内面に形成したガイド溝11A〜11Fに係合することで、摺動自在に収納される。すなわち、本光学モジュールでは、レンズホルダ15、17の各ガイド棒(152と172)が第1のガイド部材、鏡筒11の摺動面に形成したガイド溝11A〜11Fが第2のガイド部となり、レンズホルダ15、17を前記鏡筒内で摺動自在に保持する従来にはないガイド構造を実現している。
【0021】
図2(A)は第3レンズホルダ15と第2レンズホルダ17とを係合させた様子を示した図であり、図2(B)は鏡筒11内にこの状態のレンズホルダを収納した様子を示した図である。第2レンズホルダ17の受溝173−1〜173−3は、第3レンズホルダ15のガイド棒152−1〜152−3を受入れている。同様に、第3レンズホルダ15の受溝153−1〜153−3は、第2レンズホルダ17のガイド棒172−1〜172−3を受入れている。よって、第2レンズホルダ17と第3レンズホルダ15とは、お互いに干渉することなく光軸方向で相対移動が可能な構造を実現している。
【0022】
図2(B)は、図2(A)に示した状態の第2レンズホルダ17及び第3レンズホルダ15を、鏡筒11に収納した状態を示している。なお、図2(B)では半径方向に突出する係合ピン151及び係合ピン171の図示は省略している。前述したように鏡筒11には、6個のガイド溝11A〜11Fが形成されている。この6個のガイド溝に、第2レンズホルダ17及び第3レンズホルダ15が有する各々3つずつのガイド棒152、172が収納される。よって、第2レンズホルダ17及び第3レンズホルダ15は互いに相対位置を変更できると共に、両レンズホルダ15、17は共に鏡筒11の内面を摺動自在となる。よって、従来のように別体でガイドピン等を設ける必要がないので、部品点数を削減した構造が実現される。なお、この図2(B)では、ガイド棒152−2のみが確認できる状態で示されている。
【0023】
図3は、図2(B)に関連した図であり、第2レンズホルダ17及び第3レンズホルダ15を収納した状態の鏡筒11を上から見た図である。図3(A)は全体図、図3(B)は(A)のα部分を拡大して示した図、図3(C)は(A)のβ部分を拡大して示した図である。これらの図から確認できるように、第2レンズホルダ17のガイド棒172−1〜172−3及び第3レンズホルダ15のガイド棒152−1〜152−3は、それぞれが略正3角形を成すように交互に配置されている。また、図3(B)、(C)で拡大して2つの箇所を例示しているが、各ガイド棒と鏡筒11内面のガイド溝11A〜11Fとは近似した曲率を有する曲面同士で接触しており、無駄な遊びが無く接触面積が少なくなるように設計されている。すなわち、各レンズホルダ15、17は鏡筒11の内面に3箇所で支持され、また、筐体11の内面との接触が小さくなるように設計されている。よって、各レンズホルダ15、17は、ガタが無い状態で光軸方向に円滑に移動できる。また、各レンズホルダ15、17は、ほぼ点対称に配置した3個のガイド棒によって支持された状態となるので、応力集中を抑制でき落下の衝撃等にも強い構造が実現されている。さらに、前述したように、各レンズホルダ15、17は相手方のガイド棒を受ける受溝を互いに備えている。よって、ガイド棒を他方のレンズホルダに干渉させることなくガイド棒を長めに設定できる。このようにガイド棒を長めに取った構造することにより、レンズホルダ15、17の傾き防止と安定した摺動動作を実現できる。
【0024】
以下では、図4から図6を参照して、本光学モジュールが備えている第2レンズホルダ17及び第3レンズホルダ15を移動させる構成について説明する。図4は、基板1上に光学ユニット3を組付けた状態を示している。この図4では、基板1上にステッピングモータ30が配置されている。このステッピングモータ30の駆動軸(図示せず)には歯車32が固定されている。この歯車32は円筒カム13の外周に接触するように配置されている。よって、歯車32が矢印RU方向に回動するとその駆動力を受けて、円筒カム13が鏡筒11の外側で回動する。円筒カム13の上面は第3レンズホルダ15から延びる係合ピン151及び第2レンズホルダ17から延びる係合ピン171(図4では隠れている)を案内するカム面131になっているので、これらレンズホルダ15、17を光軸方向での所定位置に設定できる。また、円筒カム13の外周にはバネ材38が配置されており、このバネ材38によって係合ピン151は下向きに付勢されている。よって、係合ピン151がカム面131に沿って確実に移動する。なお、図示されない係合ピン171についても同様である。レンズホルダ15、17の移動軌跡については更に以下で説明する。
【0025】
本光学モジュールでは鏡筒11は導電性材料で形成されおり、この鏡筒11にはアース配線35がネジ36によりネジ止めされ基板1の背面側に引出されグランド接続されている。鏡筒11内でレンズホルダ15、17が摺動することにより、静電気が発生する場合がある。このような静電気を放置すると、先に指摘したように鏡筒11とレンズホルダ15、17の張付きや埃の堆積による動作不良が誘発される。本光学モジュールでは上記構成により発生した静電気を除去することができるので、このような問題の発生を防止する。鏡筒11を形成するための導電性材料としては、例えばカーボンファイバ入り材料を好適に使用できる。
【0026】
図5は、図4におけるX−X矢視での断面を示した図である。また、図6は円筒カム13が回動したときの第1〜第3レンズ及びCCD2の位置関係を模式的に示した図である。図4も参照しながら説明する。円筒カム13のカム面131は2つの領域に分割されている。すなわち、カム面131には、第3レンズホルダ15から延びる係合ピン151が摺接する表側のカム面131−Fと、第2レンズホルダ17から延びる係合ピン171が摺接する裏側のカム面131−Bとが形成されている。
【0027】
この裏表のカム面131−F、131−Bは図6に示すように、第2レンズ16、第3レンズ14を相対移動させてワイド(WIDE)、ミドル(MIDDLE)、テレ(TELE)の画像が得られるように形状が設計されている。円筒カム13の回動を制御すると溝11A,11D内の係合ピン151、171を介して、第2レンズホルダ17及び第3レンズホルダ15を光軸方向での所定位置に移動させることができる。その結果として第2レンズ16、第3レンズ14を図6に示した軌跡を描いて移動させることができる。
【0028】
以上説明したように、本光学モジュールでは、レンズホルダの光軸方向での移動に円筒カム13が使用され、この下にスペーサ12を敷設してCCD2の光軸方向での相対位置が調整される。そのため、本光学モジュールでは円筒カム13に形成したカム面131(カム曲線)は変更されることない。よって、従来において板カムを用いた場合のようにカム曲線が異なるカム板を複数準備し、ピント合わせをするといった煩雑な作業を行なう必要がなくなる。そして、本光学モジュールでは上記のように円筒カム13のカム面131が変更されることがないので、カム曲線の変更による装置性能の劣化という問題も生じない。
【0029】
なお、CCD2の光軸方向での位置ずれの状況については、基板1側に下がる場合と、レンズ側に上がる場合とが想定される。この両方に対処するためには、本光学モジュールに所定厚さの基準スペーサを予め介在させた状態を基準構造とする。そして、この基準スペーサより厚いも、薄いものを複数準備しておき、これらを適宜使用すればCCD2の位置がどちらにずれても対処できる。なお、本実施形態では鏡筒11内で摺動される第2レンズホルダ17及び第3レンズホルダ15が、それぞれ第1のレンズホルダ、第2のレンズホルダに相当している。
【0030】
図7は、第2の実施形態に係る光学モジュールの内部が確認できるように示した分解斜視図である。この図7は第1の実施形態について示した図1と同様に示している。第1の実施形態で示した光学モジュールと同一の部分には同符号を付して、重複した説明を省略する。本実施形態では、円筒カム13が天地を逆にして配置されカム面131が下面に形成されている。第3レンズホルダ15及び第2レンズホルダ17は下側からこのカム面131に摺接する構造に変更されている。このように逆転した構造でも前述したと同様に第3レンズホルダ15及び第2レンズホルダ17を鏡筒11内で光軸方向に移動できる。
【0031】
そして、本実施形態ではスペーサ125が反転した円筒カム131の上面に配置され、この上に第1レンズ18を保持する第1レンズホルダ191が載置される。この第1レンズホルダ191は固定状態であるがスペーサ125を介在させることにより光軸方向に移動される。なお、このレンズホルダ191は第1の実施形態で示した第1レンズホルダ19よりも外径が大きく変更され、スペーサ125上に乗るように変更されている。本実施形態の場合には、第1レンズホルダ191を光軸方向に移動することでCCD2上に焦点が確実に位置するように調整する。上記スペーサ125の厚みを適宜、変更してCCD2上に焦点が確実に位置するように調整できる点は第1の実施形態と同様である。なお、本実施形態では鏡筒11内で摺動される第3レンズホルダ15及び第2レンズホルダ17が第1レンズホルダに相当し、スペーサ125により移動される第1レンズホルダ191が第2レンズホルダに相当している。
【0032】
以上本発明の好ましい一実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、位置調整用部材により位置変更手段又は固定状態のレンズホルダの光軸方向での相対位置が変更される。よって、基板上の撮像素子の位置がずれていた場合でも、予め設計したレンズホルダと位置変更手段との関係を維持しつつ、簡単な構成で撮像素子の位置ずれに対処できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る光学モジュールの内部が確認できるように示した分解斜視図である。
【図2】(A)は第3レンズホルダと第2レンズホルダとを係合させた様子を示した図であり、(B)は鏡筒内にレンズホルダを収納した様子を示した図である。
【図3】第2レンズホルダ及び第3レンズホルダを収納した状態の鏡筒を上から見た図である。
【図4】基板上に光学ユニットを組付けた状態を示した図である。
【図5】図4におけるX−X矢視での断面を示した図である。
【図6】円筒カムが回動したときの第1〜第3レンズ及びCCDの位置関係を模式的に示した図である。
【図7】第2の実施形態に係る光学モジュールの内部が確認できるように示した分解斜視図である。
【図8】従来の小型カメラのレンズ駆動装置について示した図である。
【符号の説明】
1 基板
2 CCD
3 光学系ユニット
11 鏡筒
11A〜F ガイド溝
11A,11D 溝
12 スペーサ
13 円筒カム
131 カム面
15 第3レンズホルダ
152 ガイド棒
153 受溝
151 係合ピン
17 第2レンズホルダ
172 ガイド棒
173 受溝
171 係合ピン
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCD等の撮像素子を用いた小型カメラに含まれる光学モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、微小なカメラを搭載した携帯電話やノート型パソコン等の電子機器が広く提供されるようになっている。これらの電子機器は小型化及び軽量化の要請が大きく、これに内蔵するカメラをより小型軽量化することが求められる。よって、カメラの光学系部品である光学モジュールについてもより一層の小型軽量化を図る必要がある。さらに光学モジュールは鮮明な画像を得るためには特に光軸方向での寸法精度が要求される。
【0003】
小型カメラのレンズ駆動装置に関しては、例えば特許文献1に開示がある。この特許文献1では、図8に示すように、板カム110を用いることによりセンサ類や信号処理装置を削減して小型化および構成の簡素化を図ったレンズ駆動装置100を開示している。マクロ撮影やズーム撮影の際には光学モジュール内のレンズ位置が移動される。特許文献1で開示するレンズ駆動装置100の場合には、板カム110が回動軸111周り回動することでレンズ位置が変更される。具体的には、玉枠(レンズホルダ)105、106各々にはカムフォロアとしてのピン107、108が設けられている。これらのピン107、108は板カム110に形成した、カム溝112、113に係合している。この板カム110を回動することにより、レンズホルダ105、106を所定位置に設定できる。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−189165号 公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにレンズを移動する際には、ピントや倍率も合わせる必要がある。図8で開示するレンズ駆動装置100ではこの点を考慮してカム溝112、113の形状(カム曲線)が規定される。このカム曲線により、レンズとCCDとが最適距離となるように調整されている。光学モジュールは所定の寸法精度を持って作製されている。しかしながら、実際の製造工程では基板上に配置する撮像素子の光軸方向での相対位置が微妙に変化する場合がある。
【0006】
このように撮像素子の位置が予定位置からずれた場合には、撮像素子にピントが合うように位置調整が必要となる。しかし特許文献1で示す装置の様に板カムを用いていると、カム溝112、113のカム曲線を変更する、或いは回動軸111の位置を変更する等の対処が必要となる。実際の製造工程を考えると、回動軸を変更しての対処というのは現実的ではない。よって、カム曲線の異なるカム板110を複数準備しておき、カム板を適宜変更してピントを合わせる作業を行うことになる。しかし、このような作業は煩雑であるばかりでなく、カム曲線を変更すると設計されたバックフォーカス値を変えることにもなり、光学装置としての性能が劣化してしまう場合もある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決し、CCD等の撮像素子の光軸方向での位置がずれた場合でも簡単な構成でこれに対処できるようにした光学モジュールを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、レンズを保持したレンズホルダと、該レンズホルダに外接し、該レンズホルダを光軸方向に摺動自在に保持する鏡筒と、前記レンズホルダの光軸方向での位置を変更する位置変更手段と、該位置変更手段の下部に敷設した位置調整用部材とを備えている光学モジュールによって達成できる。本発明によると、位置変更手段の光軸方向での位置を位置調整用部材により変更できる。よって、基板上の撮像素子の位置がずれていた場合でも、予め設計したレンズホルダと位置変更手段との関係を維持しつつ、撮像素子の位置ずれに対処できる。従来においてはカム板を用いた場合にはカム曲線の変更等の煩わしい作業が必要であったが、本発明では位置変更手段の下に位置調整用部材を敷設するという簡単な構成で画像素子の位置ずれに対処できる。特に、前記位置調整用部材は、該位置調整用部材の厚みを変化させることにより前記位置変更手段の光軸方向での相対位置を調整することができる。位置調整用部材の厚みを変化させるという簡単な工夫で撮像素子の位置ずれを修正できる。
【0009】
また、前記位置変更手段は前記鏡筒の外周に配置した円筒カムであり、前記位置調整用部材は前記円筒カムの下に敷設した環状又はC字状のスペーサを含むことができる。円筒カムは鏡筒の外周に沿うように配置すればよいのでスペース増加の問題を生じることなくレンズホルダ位置を変更できる構造を実現する。そして、環状又はC字状のスペーサを円筒カムの下に敷設することで円筒カムの光軸方向での位置を変更できる。なお、前記位置調整用部材は前記円筒カムの下に不連続に敷設したスペーサでもよい。
【0010】
また、前記円筒カムは、前記レンズホルダの側面から延びる突起部材に摺接するカム面を備え、該カム面は前記レンズホルダを光軸上の所定位置に規定する形状を有していることが好ましい。このような構成を備えることにより、円筒カムを回動して、レンズホルダを光軸上の所定位置に移動できる。
【0011】
さらに、前記レンズホルダは第1のガイド部を有し、前記鏡筒は前記第1のガイド部に係合する第2のガイド部を有し、前記第1及び第2のガイド部は前記レンズホルダを前記鏡筒内で摺動自在に保持するのがより好ましい。このようなガイド構造も含めば、撮像素子の位置ずれに対応が可能であり、かつレンズホルダを光軸方向へ円滑に移動できるより好ましい光学モジュールとして提供できる。なお、前記レンズホルダは、第1のレンズホルダ及び第2のレンズホルダを含んで形成してもよい。
【0012】
さらに、レンズを保持した第1レンズホルダと、該第1レンズホルダに外接し、該第1レンズホルダを光軸方向に摺動自在に保持する鏡筒と、前記第1レンズホルダの光軸方向での位置を変更する位置変更手段と、前記位置変更手段の上部に設けられるレンズを保持した第2レンズホルダと、該第2レンズホルダと前記位置変更手段との間に敷設した位置調整用部材とを備えている光学モジュールによっても上記目的を達成できる。本発明の場合は、位置変更手段上で固定状態にある第2レンズホルダの光軸方向での位置が位置調整用部材により変更される。よって、基板上の撮像素子の位置がずれていた場合でも、予め設計した第1レンズホルダと位置変更手段との関係を維持しつつ、撮像素子の位置ずれに対処できる。なお、前記位置調整用部材は、該位置調整用部材の厚みを変化させることにより前記第2レンズホルダに保持したレンズの光軸方向での相対位置を調整できる。また、前記第1レンズホルダは、複数のレンズホルダを含んで構成してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る一実施形態を図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る光学モジュールの内部が確認できるように示した分解斜視図である。なお、図1では特徴的な構成が理解し易くなるように途中に介在するフィルタや絞り等を省略して示している。所定の配線パターンが形成された基板1上に撮像素子としてのCCD2が固定されている。基板1としては、例えばフレキシブル配線基板(FPC基板)を採用することができる。この基板1に配置されたCCD2上に撮影画像が結像するように光学系ユニット3が配置される。なお、本明細書でいう光学モジュールとは、レンズ及びこれを光軸方向(図1の紙面では上下方向)に駆動する光学系ユニット3であってもよいし、CCD2、さらには基板1までも含んだ構造と理解してもよい。
【0014】
光学系ユニット3は、基板1側から、鏡筒11、スペーサ12、円筒カム13、第3レンズ14、第3レンズホルダ15、第2レンズ16、第2レンズホルダ17、第1レンズ18及び第1レンズホルダ19を含んでいる。鏡筒11は略円筒状を成し、基板1に固定されたCCD2を中心にして囲むように配置している。この鏡筒11の内面には複数のガイド溝11A〜11Fが形成されている。これらガイド溝中で2つのガイド溝11Aと11Dとは、鏡筒11の側部で光軸方向に延びる長溝状に形成されている。これらガイド溝11A〜11Fについては後に詳述する。
【0015】
スペーサ12は、リング状を成しており上記鏡筒11の外周に嵌まる大きさに形成されている。先に従来技術で指摘したよう、基板1上に配置されるCCD2の位置が、製造工程で光軸方向においてずれてしまう場合がある。このように基板1上に取り付けられるCCD2の光軸方向での相対位置が変化すると、設計した焦点がずれることになる。このずれを調整するために、本光学モジュールでは、位置調整用部材としてスペーサ12が採用されている。このスペーサ12の厚みを変更することによりCCD2上に焦点が確実に位置するように調整できる。このスペーサ12上には後述するように円筒カム13が載置される。この円筒カム13は第3レンズ14及び第2レンズ16を予め設計した位置に移動させるようにカム面が形成されている。本光学モジュールでは、円筒カム13の下にスペーサ12を敷設するという簡単な工夫で、従来のようにカム曲線の変更等を行なうことなく基板1上でのCCD2の位置ずれに対処する。
【0016】
上記スペーサ12は、種々の厚さを有するものを予め準備しておき、最適な厚みの物を適宜選択して使用することが好ましい。また、図1で例示したスペーサ12はリング状であるが、ハッチングを付して示すようにその一部121を切り欠いたC字状等でもよい。このように一部を切り欠いた形状とした場合には、横方向からの着脱が可能となるので、製造段階での組付性等を向上させることができる。また、スペーサ12は必ずしも一体形状である必要はなく分割物の集合体であってもよく、円筒カム13の下部に不連続に配置してもよい。また、このスペーサ12は一層であることは必須ではなく、複数のスペーサを積層状態に形成してもよい。
【0017】
上記スペーサ12上には円筒カム13が載置される。この円筒カム13の上部面にはこのカム面131が形成されている。後述する第3レンズホルダ15から半径方向に突出する突起部材として係合ピン151及び同様に第2レンズホルダ17から半径方向に突出する係合ピン171がカムフォロアとなり、これらが所定軌跡で移動するようにカム面131の形状が規定されている。このカム面131と係合ピン151及び係合ピン171との関係については後に詳しく説明する。
【0018】
第3レンズ14は、基板1に最も近いレンズであり、第3レンズホルダ15により保持されている。第2レンズ16は中間に位置するレンズであり、第2レンズホルダ17により保持されている。第1レンズ18は被写体側に位置するレンズであり、第1レンズホルダ19により保持されている。第3レンズホルダ15の周部には、3つのガイド棒152−1〜152−3が等間隔で形成されている。これらガイド棒152−1〜152−3は、鏡筒11の内部に形成したガイド溝11A、11C、11Eと摺動するように形成されている。この内の1つのガイド棒152−1からは、前述した係合ピン151が半径方向に突出している。また、この第3レンズホルダ15の周部には3つの受溝153−1〜153−3が、上記ガイド棒152の間に位置するように形成されている。これら受溝153−1〜153−3は、同様の構造を有する第2レンズホルダ17のガイド棒172−1〜172−3を受入れるように形成されている。
【0019】
第2レンズホルダ17は、上記第3レンズホルダ15と同様の構造を有している。すなわち、第2レンズホルダ17の周部には、3つのガイド棒172−1〜172−3が形成されている。これらガイド棒172−1〜172−3は、鏡筒11の内部に形成した残りのガイド溝11B、11D、11Fと摺動するように形成されている。この内の1つのガイド棒172−1からはピン171が半径方向に突出している。また、第2レンズホルダ17の周部には受溝173−1〜173−3が形成されている。これら受溝173−1〜173−3は、第3レンズホルダ15のガイド棒152−1〜152−3を受入れるように形成されている。
【0020】
上記第3レンズホルダ15と第2レンズホルダ17とは、互いのガイド棒と受溝とを係合させて互いにスライド可能な状態である。そして、この状態のレンズホルダ15、17の各ガイド棒(152と172)が、鏡筒11の内面に形成したガイド溝11A〜11Fに係合することで、摺動自在に収納される。すなわち、本光学モジュールでは、レンズホルダ15、17の各ガイド棒(152と172)が第1のガイド部材、鏡筒11の摺動面に形成したガイド溝11A〜11Fが第2のガイド部となり、レンズホルダ15、17を前記鏡筒内で摺動自在に保持する従来にはないガイド構造を実現している。
【0021】
図2(A)は第3レンズホルダ15と第2レンズホルダ17とを係合させた様子を示した図であり、図2(B)は鏡筒11内にこの状態のレンズホルダを収納した様子を示した図である。第2レンズホルダ17の受溝173−1〜173−3は、第3レンズホルダ15のガイド棒152−1〜152−3を受入れている。同様に、第3レンズホルダ15の受溝153−1〜153−3は、第2レンズホルダ17のガイド棒172−1〜172−3を受入れている。よって、第2レンズホルダ17と第3レンズホルダ15とは、お互いに干渉することなく光軸方向で相対移動が可能な構造を実現している。
【0022】
図2(B)は、図2(A)に示した状態の第2レンズホルダ17及び第3レンズホルダ15を、鏡筒11に収納した状態を示している。なお、図2(B)では半径方向に突出する係合ピン151及び係合ピン171の図示は省略している。前述したように鏡筒11には、6個のガイド溝11A〜11Fが形成されている。この6個のガイド溝に、第2レンズホルダ17及び第3レンズホルダ15が有する各々3つずつのガイド棒152、172が収納される。よって、第2レンズホルダ17及び第3レンズホルダ15は互いに相対位置を変更できると共に、両レンズホルダ15、17は共に鏡筒11の内面を摺動自在となる。よって、従来のように別体でガイドピン等を設ける必要がないので、部品点数を削減した構造が実現される。なお、この図2(B)では、ガイド棒152−2のみが確認できる状態で示されている。
【0023】
図3は、図2(B)に関連した図であり、第2レンズホルダ17及び第3レンズホルダ15を収納した状態の鏡筒11を上から見た図である。図3(A)は全体図、図3(B)は(A)のα部分を拡大して示した図、図3(C)は(A)のβ部分を拡大して示した図である。これらの図から確認できるように、第2レンズホルダ17のガイド棒172−1〜172−3及び第3レンズホルダ15のガイド棒152−1〜152−3は、それぞれが略正3角形を成すように交互に配置されている。また、図3(B)、(C)で拡大して2つの箇所を例示しているが、各ガイド棒と鏡筒11内面のガイド溝11A〜11Fとは近似した曲率を有する曲面同士で接触しており、無駄な遊びが無く接触面積が少なくなるように設計されている。すなわち、各レンズホルダ15、17は鏡筒11の内面に3箇所で支持され、また、筐体11の内面との接触が小さくなるように設計されている。よって、各レンズホルダ15、17は、ガタが無い状態で光軸方向に円滑に移動できる。また、各レンズホルダ15、17は、ほぼ点対称に配置した3個のガイド棒によって支持された状態となるので、応力集中を抑制でき落下の衝撃等にも強い構造が実現されている。さらに、前述したように、各レンズホルダ15、17は相手方のガイド棒を受ける受溝を互いに備えている。よって、ガイド棒を他方のレンズホルダに干渉させることなくガイド棒を長めに設定できる。このようにガイド棒を長めに取った構造することにより、レンズホルダ15、17の傾き防止と安定した摺動動作を実現できる。
【0024】
以下では、図4から図6を参照して、本光学モジュールが備えている第2レンズホルダ17及び第3レンズホルダ15を移動させる構成について説明する。図4は、基板1上に光学ユニット3を組付けた状態を示している。この図4では、基板1上にステッピングモータ30が配置されている。このステッピングモータ30の駆動軸(図示せず)には歯車32が固定されている。この歯車32は円筒カム13の外周に接触するように配置されている。よって、歯車32が矢印RU方向に回動するとその駆動力を受けて、円筒カム13が鏡筒11の外側で回動する。円筒カム13の上面は第3レンズホルダ15から延びる係合ピン151及び第2レンズホルダ17から延びる係合ピン171(図4では隠れている)を案内するカム面131になっているので、これらレンズホルダ15、17を光軸方向での所定位置に設定できる。また、円筒カム13の外周にはバネ材38が配置されており、このバネ材38によって係合ピン151は下向きに付勢されている。よって、係合ピン151がカム面131に沿って確実に移動する。なお、図示されない係合ピン171についても同様である。レンズホルダ15、17の移動軌跡については更に以下で説明する。
【0025】
本光学モジュールでは鏡筒11は導電性材料で形成されおり、この鏡筒11にはアース配線35がネジ36によりネジ止めされ基板1の背面側に引出されグランド接続されている。鏡筒11内でレンズホルダ15、17が摺動することにより、静電気が発生する場合がある。このような静電気を放置すると、先に指摘したように鏡筒11とレンズホルダ15、17の張付きや埃の堆積による動作不良が誘発される。本光学モジュールでは上記構成により発生した静電気を除去することができるので、このような問題の発生を防止する。鏡筒11を形成するための導電性材料としては、例えばカーボンファイバ入り材料を好適に使用できる。
【0026】
図5は、図4におけるX−X矢視での断面を示した図である。また、図6は円筒カム13が回動したときの第1〜第3レンズ及びCCD2の位置関係を模式的に示した図である。図4も参照しながら説明する。円筒カム13のカム面131は2つの領域に分割されている。すなわち、カム面131には、第3レンズホルダ15から延びる係合ピン151が摺接する表側のカム面131−Fと、第2レンズホルダ17から延びる係合ピン171が摺接する裏側のカム面131−Bとが形成されている。
【0027】
この裏表のカム面131−F、131−Bは図6に示すように、第2レンズ16、第3レンズ14を相対移動させてワイド(WIDE)、ミドル(MIDDLE)、テレ(TELE)の画像が得られるように形状が設計されている。円筒カム13の回動を制御すると溝11A,11D内の係合ピン151、171を介して、第2レンズホルダ17及び第3レンズホルダ15を光軸方向での所定位置に移動させることができる。その結果として第2レンズ16、第3レンズ14を図6に示した軌跡を描いて移動させることができる。
【0028】
以上説明したように、本光学モジュールでは、レンズホルダの光軸方向での移動に円筒カム13が使用され、この下にスペーサ12を敷設してCCD2の光軸方向での相対位置が調整される。そのため、本光学モジュールでは円筒カム13に形成したカム面131(カム曲線)は変更されることない。よって、従来において板カムを用いた場合のようにカム曲線が異なるカム板を複数準備し、ピント合わせをするといった煩雑な作業を行なう必要がなくなる。そして、本光学モジュールでは上記のように円筒カム13のカム面131が変更されることがないので、カム曲線の変更による装置性能の劣化という問題も生じない。
【0029】
なお、CCD2の光軸方向での位置ずれの状況については、基板1側に下がる場合と、レンズ側に上がる場合とが想定される。この両方に対処するためには、本光学モジュールに所定厚さの基準スペーサを予め介在させた状態を基準構造とする。そして、この基準スペーサより厚いも、薄いものを複数準備しておき、これらを適宜使用すればCCD2の位置がどちらにずれても対処できる。なお、本実施形態では鏡筒11内で摺動される第2レンズホルダ17及び第3レンズホルダ15が、それぞれ第1のレンズホルダ、第2のレンズホルダに相当している。
【0030】
図7は、第2の実施形態に係る光学モジュールの内部が確認できるように示した分解斜視図である。この図7は第1の実施形態について示した図1と同様に示している。第1の実施形態で示した光学モジュールと同一の部分には同符号を付して、重複した説明を省略する。本実施形態では、円筒カム13が天地を逆にして配置されカム面131が下面に形成されている。第3レンズホルダ15及び第2レンズホルダ17は下側からこのカム面131に摺接する構造に変更されている。このように逆転した構造でも前述したと同様に第3レンズホルダ15及び第2レンズホルダ17を鏡筒11内で光軸方向に移動できる。
【0031】
そして、本実施形態ではスペーサ125が反転した円筒カム131の上面に配置され、この上に第1レンズ18を保持する第1レンズホルダ191が載置される。この第1レンズホルダ191は固定状態であるがスペーサ125を介在させることにより光軸方向に移動される。なお、このレンズホルダ191は第1の実施形態で示した第1レンズホルダ19よりも外径が大きく変更され、スペーサ125上に乗るように変更されている。本実施形態の場合には、第1レンズホルダ191を光軸方向に移動することでCCD2上に焦点が確実に位置するように調整する。上記スペーサ125の厚みを適宜、変更してCCD2上に焦点が確実に位置するように調整できる点は第1の実施形態と同様である。なお、本実施形態では鏡筒11内で摺動される第3レンズホルダ15及び第2レンズホルダ17が第1レンズホルダに相当し、スペーサ125により移動される第1レンズホルダ191が第2レンズホルダに相当している。
【0032】
以上本発明の好ましい一実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、位置調整用部材により位置変更手段又は固定状態のレンズホルダの光軸方向での相対位置が変更される。よって、基板上の撮像素子の位置がずれていた場合でも、予め設計したレンズホルダと位置変更手段との関係を維持しつつ、簡単な構成で撮像素子の位置ずれに対処できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る光学モジュールの内部が確認できるように示した分解斜視図である。
【図2】(A)は第3レンズホルダと第2レンズホルダとを係合させた様子を示した図であり、(B)は鏡筒内にレンズホルダを収納した様子を示した図である。
【図3】第2レンズホルダ及び第3レンズホルダを収納した状態の鏡筒を上から見た図である。
【図4】基板上に光学ユニットを組付けた状態を示した図である。
【図5】図4におけるX−X矢視での断面を示した図である。
【図6】円筒カムが回動したときの第1〜第3レンズ及びCCDの位置関係を模式的に示した図である。
【図7】第2の実施形態に係る光学モジュールの内部が確認できるように示した分解斜視図である。
【図8】従来の小型カメラのレンズ駆動装置について示した図である。
【符号の説明】
1 基板
2 CCD
3 光学系ユニット
11 鏡筒
11A〜F ガイド溝
11A,11D 溝
12 スペーサ
13 円筒カム
131 カム面
15 第3レンズホルダ
152 ガイド棒
153 受溝
151 係合ピン
17 第2レンズホルダ
172 ガイド棒
173 受溝
171 係合ピン
Claims (9)
- レンズを保持したレンズホルダと、該レンズホルダに外接し、該レンズホルダを光軸方向に摺動自在に保持する鏡筒と、前記レンズホルダの光軸方向での位置を変更する位置変更手段と、該位置変更手段の下部に敷設した位置調整用部材とを備えていることを特徴とする光学モジュール。
- 前記位置調整用部材は、該位置調整用部材の厚みを変化させることにより前記位置変更手段の光軸方向での相対位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の光学モジュール。
- 前記位置変更手段は前記鏡筒の外周に配置した円筒カムであり、前記位置調整用部材は前記円筒カムの下に敷設した環状又はC字状のスペーサを含むことを特徴とする請求項2に記載の光学モジュール。
- 前記円筒カムは、前記レンズホルダの側面から延びる突起部材に摺接するカム面を備え、該カム面は前記レンズホルダを光軸上の所定位置に規定する形状を有していることを特徴とする請求項3に記載の光学モジュール。
- 前記レンズホルダは第1のガイド部を有し、前記鏡筒は前記第1のガイド部に係合する第2のガイド部を有し、前記第1及び第2のガイド部は前記レンズホルダを前記鏡筒内で摺動自在に保持することを特徴とする請求項1に記載の光学モジュール。
- 前記レンズホルダは、第1のレンズホルダ及び第2のレンズホルダを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の光学モジュール。
- レンズを保持した第1レンズホルダと、該第1レンズホルダに外接し、該第1レンズホルダを光軸方向に摺動自在に保持する鏡筒と、前記第1レンズホルダの光軸方向での位置を変更する位置変更手段と、前記位置変更手段の上部に設けられるレンズを保持した第2レンズホルダと、該第2レンズホルダと前記位置変更手段との間に敷設した位置調整用部材とを備えていることを特徴とする光学モジュール。
- 前記位置調整用部材は、該位置調整用部材の厚みを変化させることにより前記第2レンズホルダに保持したレンズの光軸方向での相対位置を調整することを特徴とする請求項7に記載の光学モジュール。
- 前記第1レンズホルダは、複数のレンズホルダを含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の光学モジュール。
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JP2013029538A (ja) * | 2011-07-26 | 2013-02-07 | Kyocera Corp | 撮像装置 |
WO2022004751A1 (ja) * | 2020-07-02 | 2022-01-06 | 新光電子株式会社 | 撮像装置 |
-
2003
- 2003-05-30 JP JP2003156061A patent/JP2004361437A/ja active Pending
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