JP2004359554A - 老化防止剤及び皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】皮膚のシワを減少させたり皮膚のハリを改善したり皮膚の弛みを減少させたりすることができる老化防止剤を提供する。
【解決手段】親水性有機溶媒と水との混合液によるスピルリナからの抽出物を含有する。スピルリナの抽出物により皮膚繊維芽細胞を賦活することができる。
【選択図】 なし
【解決手段】親水性有機溶媒と水との混合液によるスピルリナからの抽出物を含有する。スピルリナの抽出物により皮膚繊維芽細胞を賦活することができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚(肌)のシワを減少させたり皮膚のハリを改善したり皮膚の弛みを減少させたりするための老化防止剤及び皮膚外用剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、藻類であるクロレラの水抽出物や有機溶媒抽出物に関して、細胞賦活作用や細胞芽細胞増殖作用があることが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
しかしながら、同じ藻類であるスピルリナは化粧料に利用することが知られているに過ぎない。例えば、特許文献3にはスピルリナに含有されているアミノ酸あるいはペプチド、蛋白質等を有効成分とする美容パック剤が記載されている。また、特許文献4にはスピルリナからの抽出物を含有する皮膚栄養剤が、特許文献5にはスピルリナからの抽出物を含有する養毛剤がそれぞれ開示されている。
【0004】
そこで、本発明者らはスピルリナのより高度な利用方法について開発を行い、親水性有機溶媒と水の混合液によるスピルリナの抽出物に皮膚繊維芽細胞を賦活する作用があることを見出し、本発明に至ったものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−40523号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】
特開平11−335293号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献3】
特開昭52−31836号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献4】
特開昭54−37835号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献5】
特開昭54−35223号公報(特許請求の範囲等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、皮膚のシワを減少させたり皮膚のハリを改善したり皮膚の弛みを減少させたりすることができる老化防止剤及び皮膚外用剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る老化防止剤は、親水性有機溶媒と水との混合液によるスピルリナからの抽出物を含有して成ることを特徴とするものである。本発明によれば、スピルリナの抽出物により皮膚繊維芽細胞を賦活することができ、皮膚のシワを減少させたり皮膚のハリを改善したり皮膚の弛みを減少させたりすることができる。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る老化防止剤は、請求項1に加えて、親水性有機溶媒で抽出される部分を除いた後のスピルリナから親水性有機溶媒と水との混合液による抽出物を得るのが好ましい。この場合は、親水性有機溶媒と水との混合液でスピルリナから抽出する前に、クロロフィルなどの着色物質をスピルリナから除去することができ、得られる老化防止剤の色が薄くなって各種の用途に使用しやすくなり応用範囲を広げることができる。
【0009】
また、本発明の請求項3に係る老化防止剤は、請求項1又は2に加えて、親水性有機溶媒と水との混合液が、容量比で親水性有機溶媒:水=65:35〜85:15であるのが好ましい。この場合は、皮膚繊維芽細胞を賦活化する成分をスピルリナの抽出物に多く含ませることができ、抽出効率を高くすることができる。
【0010】
また、本発明の請求項4に係る老化防止剤は、請求項1乃至3のいずれかに加えて、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体から選ばれる少なくとも一つを含有するのが好ましい。この場合は、アスコルビン酸等を含有しない場合に比べて、皮膚のシワを減少させたり皮膚のハリを改善したり皮膚の弛みを減少させたりする効果を向上させることができる。
【0011】
本発明の請求項5に係る皮膚外用剤は、請求項1乃至4のいずれかに記載の老化防止剤を含有するものである。この場合、老化防止剤を直接皮膚に塗布して作用させることができ、経口の場合に比べて、スピルリナの抽出物による皮膚繊維芽細胞の賦活化を効率よく行うことができるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
本発明の老化防止剤は、親水性有機溶媒と水との混合液によるスピルリナからの抽出物を含有するものである。親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、ブタノールあるいはグリセリン、1,3ブチレングリコール、プロピレングリコールなどの多価アルコールなどを例示することができる。本発明ではこれらを単独で用いたり二種類以上併用したりすることができる。また、上記の親水性有機溶媒の中でも取扱いが容易なメタノールやエタノールを用いるのが好ましい。
【0014】
親水性有機溶媒としてメタノールを用いる場合、容量比でメタノール:水=70:30〜85:15の割合でメタノールと水とを混合することにより、混合液を調製することが好ましい。また、親水性有機溶媒としてエタノールを用いる場合、容量比でエタノール:水=65:35〜85:15の割合でエタノールと水とを混合することにより、混合液を調製することが好ましい。このような混合割合の混合液を用いてスピルリナからの抽出物を得ることによって、皮膚繊維芽細胞を賦活する成分(物質)をスピルリナからの抽出物中に多く含ませることができ、抽出効率を高くすることができるものである。尚、親水性有機溶媒としてメタノールとエタノール以外のものを使用する場合は、メタノールやエタノールと水との混合液で抽出される物質の割合を参考にして、親水性有機溶媒と水との混合割合を決定することができるが、概ね、容量比で親水性有機溶媒:水=65:35〜85:15であるのが好ましい。
【0015】
そして、粉砕等により細かくされたスピルリナの粉末を上記の混合液に浸漬することによって、混合液中にスピルリナから皮膚繊維芽細胞を賦活する成分を抽出することができる。この時、スピルリナ100gに対して親水性有機溶媒と水との混合液を500ミリリットル〜10リットル配合することによって抽出を行うことができるが、この条件はスピルリナの粉砕の状態や攪拌条件によって異なるものである。また、抽出温度、抽出時間、攪拌条件は、スピルリナの状態(粉砕の状態や浸漬量)、用途、抽出溶媒の種類等によって変わるが、例えば、抽出温度は室温〜50℃、抽出時間は10分間〜5日間で、撹拌は連続的、間欠的のいずれであってもよい。撹拌は手動でも攪拌機を用いても良い。
【0016】
上記のようにしてスピルリナから皮膚繊維芽細胞を賦活する成分を混合液中に抽出した後、スピルリナの残渣などの不溶物を混合液から除去することによって、皮膚繊維芽細胞を賦活する成分を溶解して含有する混合液を得ることができ、この混合液を本発明の老化防止剤としてそのまま用いることができる。尚、不溶物を混合液から除去するにあたっては、デカンテーション、遠心分離、ろ過などの公知の方法を採用することができる。
【0017】
また、皮膚繊維芽細胞を賦活する成分を含有する混合液を精製して本発明の老化防止剤としてもよく、この場合、皮膚繊維芽細胞の賦活を指標として、イオン交換、順相、逆相、分子ふるい、アフィニティ、薄層等のクロマトグラフィー、向流分配、溶媒抽出等の公知の方法を単独或いは組み合わせて用いることができる。
【0018】
また、皮膚繊維芽細胞を賦活する成分を含有する混合液から親水性有機溶媒と水の一方あるいは両方を除去することによって本発明の老化防止剤としてもよく、この場合、除去の方法は乾燥、減圧濃縮、凍結乾燥等の公知の方法を単独或いは組み合わせて用いることができる。尚、親水性有機溶媒と水は必要に応じて全部あるいは一部を除去することができる。
【0019】
上記のような本発明の老化防止剤はそのまま人体に適用する他に、他の配合物質とともに製剤化して人体に適用してもよい。また、本発明の老化防止剤において人体への適用方法としては、経口や経皮などを例示することができる。本発明の老化防止剤を経口により人体に摂取する場合は、上記の老化防止剤と必要な既知の材料とを配合することにより、液剤、ペースト剤、粉剤、顆粒、カプセル剤、錠剤等に製剤化したり、あるいは菓子類、パン類、穀物調製加工品類、乳製品類、油脂加工品類、清涼飲料類、粉末飲料類、調味料類などの普通一般の飲食物や嗜好品に本発明の老化防止剤を配合したりすることができる。
【0020】
また、本発明の老化防止剤を経皮により人体に摂取する場合は皮膚への塗布や付着などを行いやすいように皮膚外用剤とするのが好ましい。すなわち、本発明の皮膚外用剤は上記のような本発明の老化防止剤と必要な既知の材料とを配合することにより、パップ剤、プラスター剤、化粧水、クリーム、軟膏、エアゾール剤、乳剤、ローション、乳液、エッセンス、パック、ゲル剤、パウダー、ファンデーション、サンケア、浴用剤などとして製剤化したものである。
【0021】
そして、本発明の老化防止剤は、親水性有機溶媒と水との混合液によるスピルリナからの抽出物を含有するので、この抽出物中に含まれている皮膚繊維芽細胞を賦活化する成分の作用により皮膚繊維芽細胞を賦活化することができる。皮膚繊維芽細胞は皮膚の三次元的構造の維持に重要な役割を持っており、加齢や紫外線などの影響により皮膚繊維芽細胞の機能が低下し、シワや弛みなどという皮膚上に現れる老化現象を引き起こす。すなわち、皮膚の老化を抑えるには皮膚繊維芽細胞の賦活化が有効であり、本発明ではこの皮膚繊維芽細胞の賦活化するものである。本発明者らは本発明の老化防止剤として用いる抽出物中に含まれている成分がビオプテリングリコシドであることを見出したが、このビオプテリングリコシドが皮膚繊維芽細胞を賦活する成分としてと考えられる。尚、ビオプテリングリコシドは化粧品等に利用されているが、この場合、紫外線吸収やチロシナーゼ活性阻害の作用を利用したものであり、本発明の作用とは大きく異なるものである。
【0022】
また、本発明の老化防止剤にはアスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体から選ばれる少なくとも一つを含有するのが好ましい。アスコルビン酸塩及びアスコルビン酸誘導体としては、アスコルビン酸硫酸エステル及びその塩、アスコルビン酸リン酸エステル及びその塩、アスコルビン酸ジパルミテート、アスコルビン酸モノステアレート、アスコルビン酸グリコシドなどを例示することができるが、これに限定されるものではない。また、本発明では上記のアスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体を一つ或いは複数組み合わせて用いることができる。また、本発明の老化防止剤においてアスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体の配合量は、種類、剤形、用途等によって異なるが、スピルリナの抽出物に対して0.1〜30重量%にすることができる。そして、本発明の老化防止剤はアスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体を配合することによって、配合しない場合に比べて、老化防止効果を向上させることができるものである。
【0023】
また、本発明の老化防止剤において、上記のように親水性有機溶媒と水との混合液によりスピルリナから抽出物を得る前に、予め、スピルリナから親水性有機溶媒で抽出される部分を除くようにするのが好ましい。すなわち、スピルリナを親水性有機溶媒のみに浸漬し、これにより抽出される部分を除いた後、このスピルリナを上記のように親水性有機溶媒と水との混合液により抽出して抽出物を得て老化防止剤とするものである。この場合は、親水性有機溶媒としては上記と同様のものを使用することができる。また、親水性有機溶媒のみで抽出される物質は、クロロフィルなどの着色物質を含むものである。そして、このようにして得られる老化防止剤はスピルリナから着色物質を除去することができるので、色が薄くなって各種の用途に使用しやすくなる。
【0024】
尚、本発明の老化防止剤の人体への摂取量は適量でよいが、経口の場合は1日当たり体重1kgに対して0.1mg〜1g摂取するのが好ましく、経皮の場合は1日当たり皮膚1cm2に対して0.001〜10mg摂取するのが好ましい。
【0025】
【実施例】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0026】
以下、実施例によって、具体的に説明するが、本発明は、実施例によって、限定されるものではないことは云うまでもない。なお、実施例は各製品の製造における常法によって作成したので、配合量のみを示した。また、特に指定のない場合、「%」は重量%を表している。
【0027】
(実施例1)
スピルリナの粉末の100gに80%(V/V)エタノールを2リットル加え、2時間攪拌を行った後、濾過した(使用濾紙はNo.5C)。次に、濾過時の残留物を取り出した後、これに上記と同様にエタノールを加え、2時間攪拌を行った後、濾過した。この2回の濾過で得られた濾液を減圧乾燥することによって、スピルリナの抽出物(乾燥後の残留物)を得た。尚、80%(V/V)エタノールは、容量比でエタノール:水=80:20の混合液である。
【0028】
(実施例2)
スピルリナの粉末の100gにメタノールを2リットル加え、2時間攪拌を行った後、濾過した(使用濾紙はNo.5C)。次に、濾過時の残留物を取り出した後、これに上記と同様にメタノールを加え、2時間攪拌を行った後、濾過した。さらに、濾過時の残留物を取り出した後、これに上記と同様にメタノールを加え、2時間攪拌を行った後、濾過した。
【0029】
次に、濾過時の残留物を取り出した後、これに80%(V/V)エタノールを2リットル加え、2時間攪拌を行った後、濾過した。次に、濾過時の残留物を取り出した後、これに上記と同様にエタノールを加え、2時間攪拌を行った後、濾過した。そして、上記のエタノールによる2回の濾過で得られた濾液を減圧乾燥することによって、スピルリナの抽出物(乾燥後の残留物)を得た。
【0030】
(実施例3)錠剤の第1例
乳糖 70.0%
実施例2 10.0%
ステアリン酸マグネシウム 20.0%
この配合量により1個あたりの重量が500mgの錠剤を製造した。
【0031】
(実施例4)錠剤の第2例
乳糖の配合量を65.0%、アスコルビン酸の配合量を5.0%とした以外は実施例3と同様に配合して上記と同様の錠剤を製造した。
【0032】
(実施例5)キャンディーの第1例
グラニュー糖 50.0%
水飴 44.3%
クエン酸 0.5%
香料 0.1%
色素 0.1%
実施例1 5.0%
この配合量により1個あたりの重量が1gのキャンディーを製造した。
【0033】
(実施例6)キャンディーの第2例
グラニュー糖の配合量を45.0%、アスコルビン酸の配合量を5.0%とした以外は実施例5と同様に配合して上記と同様のキャンディーを製造した。
【0034】
(実施例8)クリームの第2例
精製水の配合量を34.7%、アスコルビン酸リン酸マグネシウムの配合量を2.0%とした以外は実施例7と同様に配合してクリームを製造した。
【0035】
(実施例9)美容液の第1例
ヒアルロン酸ナトリウム 1.0%
コンドロイチン硫酸ナトリウム 0.5%
乳酸菌発酵代謝物 0.1%
グリセリン 5.0%
ソルビトール 2.0%
トレハロース 1.0%
1,2−ペンタンジオール 1.0%
フェノキシエタノール 0.3%
実施例2 1.0%
精製水 88.1%
(実施例10)美容液の第2例
精製水の配合量を86.1%、アスコルビン酸リン酸マグネシウムの配合量を2.0%とした以外は実施例9と同様に配合して美容液を製造した。
【0036】
(実施例12)乳液の第2例
精製水の配合量を50.4%、アスコルビン酸グリコシドの配合量を2.0%とした以外は実施例11と同様に配合して乳液を製造した。
【0037】
(実施例13)入浴剤
硫酸ナトリウム 48.8%
炭酸水素ナトリウム 48.0%
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0%
実施例1 2.0%
色素 0.1%
香料 0.1%
(比較例1)
実施例2を配合しなかった以外は実施例3と同様にした。
【0038】
(比較例2)
実施例1を配合しなかった以外は実施例5と同様にした。
【0039】
(比較例3)
実施例2を配合しなかった以外は実施例7と同様にした。
【0040】
(比較例4)
実施例2を配合しなかった以外は実施例9と同様にした。
【0041】
(比較例5)
実施例2を配合しなかった以外は実施例11と同様にした。
【0042】
以下に示すように、本発明の効果を確認するための実験を行った。
【0043】
(実験1)皮膚繊維芽細胞の賦活試験
10%牛胎児血清含有イーグルMEM培地に懸濁したヒト皮膚由来正常繊維芽細胞を24穴マイクロプレートに1穴当たり10000個になるように分注し、37℃、5%CO2−95%air下で48時間培養し、培地を無血清イーグルMEM培地に交換して同条件下48時間培養した。次に、培地を、所定の濃度に実施例2(以下、被験物質という)を添加した0.5%牛胎児血清含有イーグルMEM培地に交換し、さらに5日間同条件で培養した。
【0044】
MTT[3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム ブロマイド]溶液(5mg/mlリン酸緩衝液)0.1mlを加えて4時間培養後、20%ドデシル硫酸ナトリウム0.01モル/リットル塩酸溶液1mlを加えて色素を溶解し、570nmの吸光度を測定した。対照として被験物質を入れないもの(コントロール)も同様に試験した。
【0045】
結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
表1から明らかなように、被験物質を加えたものは被験物質を加えてないものに比べて吸光度が大きくなり、ヒト皮膚由来正常繊維芽細胞を賦活化したと考えられる。
【0048】
(実験2)使用試験
シワの気になる女性(41〜62歳)80名を第1群〜第8群に分け(1群当たり10名)、各群の女性に対して顔面を左右にAとBに区分して表2に示す組み合わせで実施例及び比較例を6ヶ月間使用した。尚、錠剤及びキャンディは1日3錠(個)とし、乳液、クリーム、美容液については適量(通常通り)使用した。
【0049】
そして、各女性に6ヶ月後に評価を聞き取り調査し、以下の基準で評点をつけ、その平均値を算出した。結果を表3に示す。
Aの方が非常によい +5
Aの方がよい +3
Aの方がややよい +1
A、Bの差がない 0
Bの方がややよい −1
Bの方がよい −3
Bの方が非常によい −5
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
表3から明らかなように、スピルリナからの抽出物を含有する実施例3〜11は、スピルリナからの抽出物を含有しない比較例1〜5と対比して、皮膚の老化現象を低減することができた。
【0053】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1の発明は、親水性有機溶媒と水との混合液によるスピルリナからの抽出物を含有するので、スピルリナの抽出物により皮膚繊維芽細胞を賦活することができ、皮膚のシワを減少させたり皮膚のハリを改善したり皮膚の弛みを減少させたりすることができるものである。
【0054】
また、本発明の請求項2の発明は、親水性有機溶媒で抽出される部分を除いた後のスピルリナから親水性有機溶媒と水との混合液による抽出物を得るので、親水性有機溶媒と水との混合液でスピルリナから抽出する前に、クロロフィルなどの着色物質をスピルリナから除去することができ、得られる老化防止剤の色が薄くなって各種の用途に使用しやすくなり応用範囲を広げることができるものである。
【0055】
また、本発明の請求項3の発明は、親水性有機溶媒と水との混合液が、容量比で親水性有機溶媒:水=65:35〜85:15であるので、皮膚繊維芽細胞を賦活化する成分をスピルリナの抽出物に多く含ませることができ、抽出効率を高くすることができるものである。
【0056】
また、本発明の請求項4の発明は、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体から選ばれる少なくとも一つを含有するので、上記のアスコルビン酸等とスピルリナの抽出物との相乗効果により、アスコルビン酸等を含有しない場合に比べて、皮膚のシワを減少させたり皮膚のハリを改善したり皮膚の弛みを減少させたりする効果を向上させることができるものである。
【0057】
本発明の請求項5に係る皮膚外用剤は、請求項1乃至4のいずれかに記載の老化防止剤を含有するので、老化防止剤を直接皮膚に塗布して作用させることができ、経口の場合に比べて、スピルリナの抽出物による皮膚繊維芽細胞の賦活化を効率よく行うことができるものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚(肌)のシワを減少させたり皮膚のハリを改善したり皮膚の弛みを減少させたりするための老化防止剤及び皮膚外用剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、藻類であるクロレラの水抽出物や有機溶媒抽出物に関して、細胞賦活作用や細胞芽細胞増殖作用があることが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
しかしながら、同じ藻類であるスピルリナは化粧料に利用することが知られているに過ぎない。例えば、特許文献3にはスピルリナに含有されているアミノ酸あるいはペプチド、蛋白質等を有効成分とする美容パック剤が記載されている。また、特許文献4にはスピルリナからの抽出物を含有する皮膚栄養剤が、特許文献5にはスピルリナからの抽出物を含有する養毛剤がそれぞれ開示されている。
【0004】
そこで、本発明者らはスピルリナのより高度な利用方法について開発を行い、親水性有機溶媒と水の混合液によるスピルリナの抽出物に皮膚繊維芽細胞を賦活する作用があることを見出し、本発明に至ったものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−40523号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】
特開平11−335293号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献3】
特開昭52−31836号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献4】
特開昭54−37835号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献5】
特開昭54−35223号公報(特許請求の範囲等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、皮膚のシワを減少させたり皮膚のハリを改善したり皮膚の弛みを減少させたりすることができる老化防止剤及び皮膚外用剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る老化防止剤は、親水性有機溶媒と水との混合液によるスピルリナからの抽出物を含有して成ることを特徴とするものである。本発明によれば、スピルリナの抽出物により皮膚繊維芽細胞を賦活することができ、皮膚のシワを減少させたり皮膚のハリを改善したり皮膚の弛みを減少させたりすることができる。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る老化防止剤は、請求項1に加えて、親水性有機溶媒で抽出される部分を除いた後のスピルリナから親水性有機溶媒と水との混合液による抽出物を得るのが好ましい。この場合は、親水性有機溶媒と水との混合液でスピルリナから抽出する前に、クロロフィルなどの着色物質をスピルリナから除去することができ、得られる老化防止剤の色が薄くなって各種の用途に使用しやすくなり応用範囲を広げることができる。
【0009】
また、本発明の請求項3に係る老化防止剤は、請求項1又は2に加えて、親水性有機溶媒と水との混合液が、容量比で親水性有機溶媒:水=65:35〜85:15であるのが好ましい。この場合は、皮膚繊維芽細胞を賦活化する成分をスピルリナの抽出物に多く含ませることができ、抽出効率を高くすることができる。
【0010】
また、本発明の請求項4に係る老化防止剤は、請求項1乃至3のいずれかに加えて、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体から選ばれる少なくとも一つを含有するのが好ましい。この場合は、アスコルビン酸等を含有しない場合に比べて、皮膚のシワを減少させたり皮膚のハリを改善したり皮膚の弛みを減少させたりする効果を向上させることができる。
【0011】
本発明の請求項5に係る皮膚外用剤は、請求項1乃至4のいずれかに記載の老化防止剤を含有するものである。この場合、老化防止剤を直接皮膚に塗布して作用させることができ、経口の場合に比べて、スピルリナの抽出物による皮膚繊維芽細胞の賦活化を効率よく行うことができるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
本発明の老化防止剤は、親水性有機溶媒と水との混合液によるスピルリナからの抽出物を含有するものである。親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、ブタノールあるいはグリセリン、1,3ブチレングリコール、プロピレングリコールなどの多価アルコールなどを例示することができる。本発明ではこれらを単独で用いたり二種類以上併用したりすることができる。また、上記の親水性有機溶媒の中でも取扱いが容易なメタノールやエタノールを用いるのが好ましい。
【0014】
親水性有機溶媒としてメタノールを用いる場合、容量比でメタノール:水=70:30〜85:15の割合でメタノールと水とを混合することにより、混合液を調製することが好ましい。また、親水性有機溶媒としてエタノールを用いる場合、容量比でエタノール:水=65:35〜85:15の割合でエタノールと水とを混合することにより、混合液を調製することが好ましい。このような混合割合の混合液を用いてスピルリナからの抽出物を得ることによって、皮膚繊維芽細胞を賦活する成分(物質)をスピルリナからの抽出物中に多く含ませることができ、抽出効率を高くすることができるものである。尚、親水性有機溶媒としてメタノールとエタノール以外のものを使用する場合は、メタノールやエタノールと水との混合液で抽出される物質の割合を参考にして、親水性有機溶媒と水との混合割合を決定することができるが、概ね、容量比で親水性有機溶媒:水=65:35〜85:15であるのが好ましい。
【0015】
そして、粉砕等により細かくされたスピルリナの粉末を上記の混合液に浸漬することによって、混合液中にスピルリナから皮膚繊維芽細胞を賦活する成分を抽出することができる。この時、スピルリナ100gに対して親水性有機溶媒と水との混合液を500ミリリットル〜10リットル配合することによって抽出を行うことができるが、この条件はスピルリナの粉砕の状態や攪拌条件によって異なるものである。また、抽出温度、抽出時間、攪拌条件は、スピルリナの状態(粉砕の状態や浸漬量)、用途、抽出溶媒の種類等によって変わるが、例えば、抽出温度は室温〜50℃、抽出時間は10分間〜5日間で、撹拌は連続的、間欠的のいずれであってもよい。撹拌は手動でも攪拌機を用いても良い。
【0016】
上記のようにしてスピルリナから皮膚繊維芽細胞を賦活する成分を混合液中に抽出した後、スピルリナの残渣などの不溶物を混合液から除去することによって、皮膚繊維芽細胞を賦活する成分を溶解して含有する混合液を得ることができ、この混合液を本発明の老化防止剤としてそのまま用いることができる。尚、不溶物を混合液から除去するにあたっては、デカンテーション、遠心分離、ろ過などの公知の方法を採用することができる。
【0017】
また、皮膚繊維芽細胞を賦活する成分を含有する混合液を精製して本発明の老化防止剤としてもよく、この場合、皮膚繊維芽細胞の賦活を指標として、イオン交換、順相、逆相、分子ふるい、アフィニティ、薄層等のクロマトグラフィー、向流分配、溶媒抽出等の公知の方法を単独或いは組み合わせて用いることができる。
【0018】
また、皮膚繊維芽細胞を賦活する成分を含有する混合液から親水性有機溶媒と水の一方あるいは両方を除去することによって本発明の老化防止剤としてもよく、この場合、除去の方法は乾燥、減圧濃縮、凍結乾燥等の公知の方法を単独或いは組み合わせて用いることができる。尚、親水性有機溶媒と水は必要に応じて全部あるいは一部を除去することができる。
【0019】
上記のような本発明の老化防止剤はそのまま人体に適用する他に、他の配合物質とともに製剤化して人体に適用してもよい。また、本発明の老化防止剤において人体への適用方法としては、経口や経皮などを例示することができる。本発明の老化防止剤を経口により人体に摂取する場合は、上記の老化防止剤と必要な既知の材料とを配合することにより、液剤、ペースト剤、粉剤、顆粒、カプセル剤、錠剤等に製剤化したり、あるいは菓子類、パン類、穀物調製加工品類、乳製品類、油脂加工品類、清涼飲料類、粉末飲料類、調味料類などの普通一般の飲食物や嗜好品に本発明の老化防止剤を配合したりすることができる。
【0020】
また、本発明の老化防止剤を経皮により人体に摂取する場合は皮膚への塗布や付着などを行いやすいように皮膚外用剤とするのが好ましい。すなわち、本発明の皮膚外用剤は上記のような本発明の老化防止剤と必要な既知の材料とを配合することにより、パップ剤、プラスター剤、化粧水、クリーム、軟膏、エアゾール剤、乳剤、ローション、乳液、エッセンス、パック、ゲル剤、パウダー、ファンデーション、サンケア、浴用剤などとして製剤化したものである。
【0021】
そして、本発明の老化防止剤は、親水性有機溶媒と水との混合液によるスピルリナからの抽出物を含有するので、この抽出物中に含まれている皮膚繊維芽細胞を賦活化する成分の作用により皮膚繊維芽細胞を賦活化することができる。皮膚繊維芽細胞は皮膚の三次元的構造の維持に重要な役割を持っており、加齢や紫外線などの影響により皮膚繊維芽細胞の機能が低下し、シワや弛みなどという皮膚上に現れる老化現象を引き起こす。すなわち、皮膚の老化を抑えるには皮膚繊維芽細胞の賦活化が有効であり、本発明ではこの皮膚繊維芽細胞の賦活化するものである。本発明者らは本発明の老化防止剤として用いる抽出物中に含まれている成分がビオプテリングリコシドであることを見出したが、このビオプテリングリコシドが皮膚繊維芽細胞を賦活する成分としてと考えられる。尚、ビオプテリングリコシドは化粧品等に利用されているが、この場合、紫外線吸収やチロシナーゼ活性阻害の作用を利用したものであり、本発明の作用とは大きく異なるものである。
【0022】
また、本発明の老化防止剤にはアスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体から選ばれる少なくとも一つを含有するのが好ましい。アスコルビン酸塩及びアスコルビン酸誘導体としては、アスコルビン酸硫酸エステル及びその塩、アスコルビン酸リン酸エステル及びその塩、アスコルビン酸ジパルミテート、アスコルビン酸モノステアレート、アスコルビン酸グリコシドなどを例示することができるが、これに限定されるものではない。また、本発明では上記のアスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体を一つ或いは複数組み合わせて用いることができる。また、本発明の老化防止剤においてアスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体の配合量は、種類、剤形、用途等によって異なるが、スピルリナの抽出物に対して0.1〜30重量%にすることができる。そして、本発明の老化防止剤はアスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体を配合することによって、配合しない場合に比べて、老化防止効果を向上させることができるものである。
【0023】
また、本発明の老化防止剤において、上記のように親水性有機溶媒と水との混合液によりスピルリナから抽出物を得る前に、予め、スピルリナから親水性有機溶媒で抽出される部分を除くようにするのが好ましい。すなわち、スピルリナを親水性有機溶媒のみに浸漬し、これにより抽出される部分を除いた後、このスピルリナを上記のように親水性有機溶媒と水との混合液により抽出して抽出物を得て老化防止剤とするものである。この場合は、親水性有機溶媒としては上記と同様のものを使用することができる。また、親水性有機溶媒のみで抽出される物質は、クロロフィルなどの着色物質を含むものである。そして、このようにして得られる老化防止剤はスピルリナから着色物質を除去することができるので、色が薄くなって各種の用途に使用しやすくなる。
【0024】
尚、本発明の老化防止剤の人体への摂取量は適量でよいが、経口の場合は1日当たり体重1kgに対して0.1mg〜1g摂取するのが好ましく、経皮の場合は1日当たり皮膚1cm2に対して0.001〜10mg摂取するのが好ましい。
【0025】
【実施例】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0026】
以下、実施例によって、具体的に説明するが、本発明は、実施例によって、限定されるものではないことは云うまでもない。なお、実施例は各製品の製造における常法によって作成したので、配合量のみを示した。また、特に指定のない場合、「%」は重量%を表している。
【0027】
(実施例1)
スピルリナの粉末の100gに80%(V/V)エタノールを2リットル加え、2時間攪拌を行った後、濾過した(使用濾紙はNo.5C)。次に、濾過時の残留物を取り出した後、これに上記と同様にエタノールを加え、2時間攪拌を行った後、濾過した。この2回の濾過で得られた濾液を減圧乾燥することによって、スピルリナの抽出物(乾燥後の残留物)を得た。尚、80%(V/V)エタノールは、容量比でエタノール:水=80:20の混合液である。
【0028】
(実施例2)
スピルリナの粉末の100gにメタノールを2リットル加え、2時間攪拌を行った後、濾過した(使用濾紙はNo.5C)。次に、濾過時の残留物を取り出した後、これに上記と同様にメタノールを加え、2時間攪拌を行った後、濾過した。さらに、濾過時の残留物を取り出した後、これに上記と同様にメタノールを加え、2時間攪拌を行った後、濾過した。
【0029】
次に、濾過時の残留物を取り出した後、これに80%(V/V)エタノールを2リットル加え、2時間攪拌を行った後、濾過した。次に、濾過時の残留物を取り出した後、これに上記と同様にエタノールを加え、2時間攪拌を行った後、濾過した。そして、上記のエタノールによる2回の濾過で得られた濾液を減圧乾燥することによって、スピルリナの抽出物(乾燥後の残留物)を得た。
【0030】
(実施例3)錠剤の第1例
乳糖 70.0%
実施例2 10.0%
ステアリン酸マグネシウム 20.0%
この配合量により1個あたりの重量が500mgの錠剤を製造した。
【0031】
(実施例4)錠剤の第2例
乳糖の配合量を65.0%、アスコルビン酸の配合量を5.0%とした以外は実施例3と同様に配合して上記と同様の錠剤を製造した。
【0032】
(実施例5)キャンディーの第1例
グラニュー糖 50.0%
水飴 44.3%
クエン酸 0.5%
香料 0.1%
色素 0.1%
実施例1 5.0%
この配合量により1個あたりの重量が1gのキャンディーを製造した。
【0033】
(実施例6)キャンディーの第2例
グラニュー糖の配合量を45.0%、アスコルビン酸の配合量を5.0%とした以外は実施例5と同様に配合して上記と同様のキャンディーを製造した。
【0034】
(実施例8)クリームの第2例
精製水の配合量を34.7%、アスコルビン酸リン酸マグネシウムの配合量を2.0%とした以外は実施例7と同様に配合してクリームを製造した。
【0035】
(実施例9)美容液の第1例
ヒアルロン酸ナトリウム 1.0%
コンドロイチン硫酸ナトリウム 0.5%
乳酸菌発酵代謝物 0.1%
グリセリン 5.0%
ソルビトール 2.0%
トレハロース 1.0%
1,2−ペンタンジオール 1.0%
フェノキシエタノール 0.3%
実施例2 1.0%
精製水 88.1%
(実施例10)美容液の第2例
精製水の配合量を86.1%、アスコルビン酸リン酸マグネシウムの配合量を2.0%とした以外は実施例9と同様に配合して美容液を製造した。
【0036】
(実施例12)乳液の第2例
精製水の配合量を50.4%、アスコルビン酸グリコシドの配合量を2.0%とした以外は実施例11と同様に配合して乳液を製造した。
【0037】
(実施例13)入浴剤
硫酸ナトリウム 48.8%
炭酸水素ナトリウム 48.0%
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0%
実施例1 2.0%
色素 0.1%
香料 0.1%
(比較例1)
実施例2を配合しなかった以外は実施例3と同様にした。
【0038】
(比較例2)
実施例1を配合しなかった以外は実施例5と同様にした。
【0039】
(比較例3)
実施例2を配合しなかった以外は実施例7と同様にした。
【0040】
(比較例4)
実施例2を配合しなかった以外は実施例9と同様にした。
【0041】
(比較例5)
実施例2を配合しなかった以外は実施例11と同様にした。
【0042】
以下に示すように、本発明の効果を確認するための実験を行った。
【0043】
(実験1)皮膚繊維芽細胞の賦活試験
10%牛胎児血清含有イーグルMEM培地に懸濁したヒト皮膚由来正常繊維芽細胞を24穴マイクロプレートに1穴当たり10000個になるように分注し、37℃、5%CO2−95%air下で48時間培養し、培地を無血清イーグルMEM培地に交換して同条件下48時間培養した。次に、培地を、所定の濃度に実施例2(以下、被験物質という)を添加した0.5%牛胎児血清含有イーグルMEM培地に交換し、さらに5日間同条件で培養した。
【0044】
MTT[3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム ブロマイド]溶液(5mg/mlリン酸緩衝液)0.1mlを加えて4時間培養後、20%ドデシル硫酸ナトリウム0.01モル/リットル塩酸溶液1mlを加えて色素を溶解し、570nmの吸光度を測定した。対照として被験物質を入れないもの(コントロール)も同様に試験した。
【0045】
結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
表1から明らかなように、被験物質を加えたものは被験物質を加えてないものに比べて吸光度が大きくなり、ヒト皮膚由来正常繊維芽細胞を賦活化したと考えられる。
【0048】
(実験2)使用試験
シワの気になる女性(41〜62歳)80名を第1群〜第8群に分け(1群当たり10名)、各群の女性に対して顔面を左右にAとBに区分して表2に示す組み合わせで実施例及び比較例を6ヶ月間使用した。尚、錠剤及びキャンディは1日3錠(個)とし、乳液、クリーム、美容液については適量(通常通り)使用した。
【0049】
そして、各女性に6ヶ月後に評価を聞き取り調査し、以下の基準で評点をつけ、その平均値を算出した。結果を表3に示す。
Aの方が非常によい +5
Aの方がよい +3
Aの方がややよい +1
A、Bの差がない 0
Bの方がややよい −1
Bの方がよい −3
Bの方が非常によい −5
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
表3から明らかなように、スピルリナからの抽出物を含有する実施例3〜11は、スピルリナからの抽出物を含有しない比較例1〜5と対比して、皮膚の老化現象を低減することができた。
【0053】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1の発明は、親水性有機溶媒と水との混合液によるスピルリナからの抽出物を含有するので、スピルリナの抽出物により皮膚繊維芽細胞を賦活することができ、皮膚のシワを減少させたり皮膚のハリを改善したり皮膚の弛みを減少させたりすることができるものである。
【0054】
また、本発明の請求項2の発明は、親水性有機溶媒で抽出される部分を除いた後のスピルリナから親水性有機溶媒と水との混合液による抽出物を得るので、親水性有機溶媒と水との混合液でスピルリナから抽出する前に、クロロフィルなどの着色物質をスピルリナから除去することができ、得られる老化防止剤の色が薄くなって各種の用途に使用しやすくなり応用範囲を広げることができるものである。
【0055】
また、本発明の請求項3の発明は、親水性有機溶媒と水との混合液が、容量比で親水性有機溶媒:水=65:35〜85:15であるので、皮膚繊維芽細胞を賦活化する成分をスピルリナの抽出物に多く含ませることができ、抽出効率を高くすることができるものである。
【0056】
また、本発明の請求項4の発明は、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体から選ばれる少なくとも一つを含有するので、上記のアスコルビン酸等とスピルリナの抽出物との相乗効果により、アスコルビン酸等を含有しない場合に比べて、皮膚のシワを減少させたり皮膚のハリを改善したり皮膚の弛みを減少させたりする効果を向上させることができるものである。
【0057】
本発明の請求項5に係る皮膚外用剤は、請求項1乃至4のいずれかに記載の老化防止剤を含有するので、老化防止剤を直接皮膚に塗布して作用させることができ、経口の場合に比べて、スピルリナの抽出物による皮膚繊維芽細胞の賦活化を効率よく行うことができるものである。
Claims (5)
- 親水性有機溶媒と水との混合液によるスピルリナからの抽出物を含有して成ることを特徴とする老化防止剤。
- 親水性有機溶媒で抽出される部分を除いた後のスピルリナから親水性有機溶媒と水との混合液による抽出物を得ることを特徴とする請求項1に記載の老化防止剤。
- 親水性有機溶媒と水との混合液が、容量比で親水性有機溶媒:水=65:35〜85:15であることを特徴とする請求項1又は2に記載の老化防止剤。
- アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体から選ばれる少なくとも一つを含有して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の老化防止剤。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の老化防止剤を含有して成ることを特徴とする皮膚外用剤。
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