JP2004359006A - 建設機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャノピを構成するルーフとキャブを構成するルーフとを共通化し、その製造コストを低減する。
【解決手段】キャブ仕様のホイールローダ1のキャブ11を、運転席7を収容するキャブ本体12と、キャブ本体12を上方から覆うルーフ部材14とにより構成する。一方、キャノピ仕様のホイールローダ21のキャノピ22を、支柱23と、該支柱23の上端側に取付けられ運転席7を上方から覆うルーフ部材14とにより構成する。このように、キャブ仕様のホイールローダ1に用いるルーフ部材14と、キャノピ仕様のホイールローダ21に用いるルーフ部材14とを共通化することにより、キャブ用のルーフとキャノピ用のルーフとをそれぞれ別個に製造する必要がなくなり、ルーフの製造コストを低減することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】キャブ仕様のホイールローダ1のキャブ11を、運転席7を収容するキャブ本体12と、キャブ本体12を上方から覆うルーフ部材14とにより構成する。一方、キャノピ仕様のホイールローダ21のキャノピ22を、支柱23と、該支柱23の上端側に取付けられ運転席7を上方から覆うルーフ部材14とにより構成する。このように、キャブ仕様のホイールローダ1に用いるルーフ部材14と、キャノピ仕様のホイールローダ21に用いるルーフ部材14とを共通化することにより、キャブ用のルーフとキャノピ用のルーフとをそれぞれ別個に製造する必要がなくなり、ルーフの製造コストを低減することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばホイールローダ、油圧ショベル等の車体に運転席が設けられた建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ホイールローダ、油圧ショベル等の建設機械は、自走可能な車体と、該車体に設けられた作業装置とにより大略構成され、車体にはオペレータが着席する運転席が設けられている。そして、この種の建設機械として、運転席を上方から覆うキャノピを備えたキャノピ仕様の建設機械が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
実開平6−87025号公報
【0004】
ここで、従来技術によるキャノピは、通常、運転席の近傍に位置して車体に立設された支柱と、該支柱の上部側に設けられたルーフとにより大略構成されている。そして、このルーフによって運転席の上方を覆うことにより、運転席に着席したオペレータに雨水等が降りかかるのを抑えることができる構成となっている。
【0005】
一方、運転席を収容するキャブを備えたキャブ仕様の建設機械においては、運転席の上方のみならず該運転席の周囲をもキャブによって覆うことができるので、運転席に着席したオペレータに雨水等が降りかかるのを確実に抑えることができる。
【0006】
ここで、この種の従来技術によるキャブとして、前面板、後面板、左側面板、右側面板および上面板等によって取囲まれ内部に運転席を収容する箱状のキャブ本体と、該キャブ本体の上方に設けられ該キャブ本体を上方から覆うルーフとにより構成されたルーフ付きのキャブが知られている。
【0007】
そして、キャブ本体の上方にルーフが設けられたキャブにおいては、例えば作業時の落石等が、キャブ本体の前面板等に取付けられた窓に衝突するのをルーフによって防止することができ、作業の安全性を高めることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術による建設機械では、キャノピを構成するキャノピ用のルーフと、キャブを構成するキャブ用のルーフとが、互いに形状の異なる別部材によって形成されている。
【0009】
このため、これらキャノピ用のルーフと、キャブ用のルーフとをそれぞれ樹脂成形によって製造する場合には、キャノピ用のルーフを成形するための型とキャブ用のルーフを成形するための型とがそれぞれ別個に必要となり、ルーフの製造コストが嵩んでしまうという問題がある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、キャノピを構成するルーフとキャブを構成するルーフとを共通化し、その製造コストを低減することができるようにした建設機械を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために本発明は、自走可能な車体と、該車体に設けられた運転席と、該運転席を覆うために車体に選択的に設けられるキャブとキャノピとを備えてなる建設機械に適用される。
【0012】
そして、請求項1の発明の特徴は、キャブの天井を構成するルーフとキャノピの天井を構成するルーフとは共通なルーフ部材により構成したことにある。
【0013】
このように構成したことにより、同一のルーフ部材を、キャブ用のルーフおよびキャノピ用のルーフとして利用することができるので、キャノピ用のルーフとキャブ用のルーフとを別個に形成する必要がなくなり、ルーフの製造コストを低減することができる。
【0014】
請求項2の発明は、ルーフ部材には、当該ルーフ部材をキャブを構成するキャブ本体の上部側またはキャノピを構成する支柱の上部側に取付けるための取付部を設ける構成としたことにある。
【0015】
このように構成したことにより、キャブを構成するキャブ本体、およびキャノピを構成する支柱のいずれに対しても、ルーフ部材に設けた取付部を介して該ルーフ部材を取付けることができる。
【0016】
請求項3の発明は、ルーフ部材の上面には、雨水を集めて流下させる集水孔を設ける構成としたことにある。このように構成したことにより、ルーフ部材上に落下した雨水を集水孔によって集め、該集水孔を通じて下方へと流下させることができる。
【0017】
請求項4の発明は、キャノピを構成する支柱には、ルーフ部材の集水孔から流下した雨水を排水する排水通路を設ける構成としたことにある。このように構成したことにより、ルーフ部材の集水孔から流下した雨水を、キャノピの支柱に設けた排水通路に沿って外部に排出することができるので、車体にキャノピを設けた場合に、運転席に着席したオペレータに向けて雨水が飛散するのを抑えることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る建設機械の実施の形態をホイールローダに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図9を参照しつつ詳細に説明する。
【0019】
まず、図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態を示し、この第1の実施の形態では、運転席を収容するキャブ本体を備えたキャブ仕様のホイールローダを例示している。
【0020】
図中、1は本実施の形態によるキャブ仕様のホイールローダで、該ホイールローダ1は、自走可能な車体2と、該車体2の前部側に俯仰動可能に取付けられた作業装置3とにより大略構成されている。そして、車体2は、後部車体2Aと、該後部車体2Aの前側に左,右方向に揺動可能に連結された前部車体2Bとにより構成されている。
【0021】
ここで、後部車体2Aには、左,右の後輪4(左側のみ図示)が設けられ、前部車体2Bには、左,右の前輪5(左側のみ図示)が設けられている。そして、これら左,右の後輪4と左,右の前輪5とが同時に回転駆動(四輪駆動)されることにより、車体2が走行する構成となっている。
【0022】
また、作業装置3は、前部車体2Bに俯仰動可能に取付けられたアーム3Aと、該アーム3Aの先端部に回動可能に取付けられたローダバケット3Bとにより大略構成されている。そして、作業装置3は、ローダバケット3Aによって土砂等の運搬作業を行うものである。
【0023】
6は後部車体2Aの前側に設けられた床板、7は床板6上に配設された運転席で、該運転席7はオペレータが着席するものである。そして、運転席7の前側にはステアリングホイール8、走行ペダル、操作レバー(図示せず)等が設けられ、運転席7に着席したオペレータは、ステアリングホイール8を操舵して前部車体2Bを左,右方向に揺動させることにより、車体2の走行方向を制御し、操作レバーを操作することにより、作業装置3を用いた土砂等の運搬作業を行う構成となっている。
【0024】
9は後部車体3Aの後側に設けられた外装カバーで、この外装カバー9は、後部車体3Aに搭載されたエンジン、油圧ポンプ(いずれも図示せず)等を収容するものである。
【0025】
11は後部車体2Aの床板6上に配設されたキャブで、該キャブ11は運転室を画成するものである。そして、キャブ11は、後述のキャブ本体12と、ルーフ部材14とにより大略構成されている。
【0026】
12はルーフ部材14と共にキャブ11を構成するキャブ本体で、該キャブ本体12は、図2ないし図4に示すように、左,右両側が斜め後方に傾斜した前面部12Aと、該前面部12Aと前,後方向で対面する後面部12Bと、左,右方向で対面する左側面部12Cおよび右側面部12Dと、これら前面部12A、後面部12B、左,右の側面部12C,12Dの上端部を施蓋する上面部12Eとによって囲まれた強固な箱状に形成されている。また、キャブ本体12の左側面部12Cには、乗降用のドア12Fが開,閉可能に取付けられている。
【0027】
そして、キャブ本体12は、マウント部材等(図示せず)を介して後部車体2Aの床板6上に取付けられ、その内部に上述の運転席7、ステアリングホイール8、操作機器(図示せず)等を収容するものである。ここで、図3ないし図5に示すように、キャブ本体12の上面部12Eには、後述のルーフ部材14を取付けるための4個のねじ座13が、溶接等の手段を用いて固着されている。
【0028】
14はキャブ11の天井を構成するキャブ用ルーフとしてのルーフ部材で、該ルーフ部材14は、例えば樹脂成形によって一体形成され、キャブ本体12全体を上方から覆うものである。
【0029】
ここで、ルーフ部材14は、図3ないし図5に示すように、キャブ本体12の上面部12Eよりも一回り大きな四角形状をなし、上面部12Eと上,下方向で対面しつつ水平方向に延びる水平板部14Aと、該水平板部14Aの後端縁および左,右の側端縁から下方に垂下し、キャブ本体12の後面部12Bおよび各側面部12C,12Dの上端側を取囲む外周縁部14Bと、水平板部14Aの左,右の前角隅部から突出し後述の作業灯19が取付けられる左,右の作業灯取付部14C,14Cとにより大略構成されている。
【0030】
15,15,…はルーフ部材14に設けられた取付部としての4個のボルト挿通孔で、これら各ボルト挿通孔15は、キャブ本体12の上面部12Eに固着した各ねじ座13と対応する位置に穿設されている。そして、図3等に示すように、各ボルト挿通孔15にボルト16を挿通し、このボルト16の先端側をキャブ本体12の各ねじ座13に螺着することにより、キャブ本体12の上面部12E上にルーフ部材14が取付けられる構成となっている。
【0031】
17,17はルーフ部材14の上面側に設けられた左,右の窪み部で、これら各窪み部17は、ルーフ部材14の水平板部14Aを上面側から下向きに凹ませることにより、その周囲を外周縁部14Bによって取囲まれた長方形状の窪みとして形成されている。そして、窪み部17は、ルーフ部材14上に落下した雨水、洗浄水等を内部に導入することにより、これら雨水等が、ルーフ部材14の外周縁部14Bに沿って下方に流下するのを抑えるものである。
【0032】
18,18は各窪み部17内に設けられた左,右の集水孔で、これら各集水孔18は、窪み部17の後側角隅部に開口し、窪み部17内に導入された雨水等を集めて下方に流下させるものである。この場合、各集水孔18は、例えば図4に示すように、キャブ本体12の左,右の後側角隅部に対応した位置に配置されている。これにより、集水孔18から流下した雨水等が、キャブ本体12の前面部12A等に飛散するのを抑え、運転席7に着席したオペレータの前方視界を確保することができる構成となっている。
【0033】
19,19はルーフ部材14の各作業灯取付部14Cに取付けられた左,右の作業灯で、これら各作業灯19は、例えば夜間作業時に作業装置3の周囲を照らすものである。そして、各作業灯19は、ルーフ部材14の作業灯取付部14Cによって上方および側方から覆われている。
【0034】
本実施の形態によるキャブ仕様のホイールローダ1は、キャブ本体12とルーフ部材14とからなるキャブ11を備えるもので、該キャブ11を組立てる場合には、まず、後部車体2Aの床板6上にキャブ本体12を取付ける。
【0035】
そして、図3に示すように、ルーフ部材14を用意し、このルーフ部材14の各ボルト挿通孔15に挿通したボルト16を、キャブ本体12の上面部12Eに固着した各ねじ座13に螺着する。
【0036】
これにより、キャブ本体12の上側に、各ボルト16を用いてルーフ部材14を強固に取付けることができ、該ルーフ部材14を天井としてキャブ本体12を上方から覆ったキャブ11を組立てることができる。
【0037】
次に、上述の如きキャブ11を備えたホイールローダ1の作動について説明する。まず、キャブ11(キャブ本体12)内に乗込んだオペレータは、運転席7に着席し、走行ペダル等を操作しつつステアリングホイール8を操舵することにより、車体2を走行させる。
【0038】
また、オペレータは、操作レバー等を操作することにより、例えば作業装置3のアーム3Aを俯仰動させつつローダバケット3Bを回動させ、該ローダバケット3Bに土砂等を積込む。そして、ローダバケット3Bに土砂等を積込んだ状態で車体2を走行させることにより、ホイールローダ1を用いて土砂等の運搬作業を行うことができる。
【0039】
ここで、例えば雨天での作業時には、雨水はルーフ部材14上に落下する。そして、ルーフ部材14上に落下した雨水は、ルーフ部材14に設けた窪み部17内に導入された後、該窪み部17に穿設した集水孔18によって集められ、該集水孔18を通じて下方に流下する。
【0040】
このように、キャブ本体12上に設けたルーフ部材14によって雨水等を受けることができるので、雨水等がキャブ本体12の前面部12A、左,右の側面部12C,12D等に雨だれとなって付着するのを抑えることができ、キャブ本体12内のオペレータの視界を良好に確保することができる。
【0041】
また、ルーフ部材14の上面側に窪み部17を設けることにより、ルーフ部材14上に落下した雨水をこの窪み部17内に導入することができる。これにより、ルーフ部材14に落下した雨水等が、ルーフ部材14の外周縁部14Bに沿って下方に流下し、キャブ本体12の前面部12A、左,右の側面部12C,12Dに付着するのを抑えることができる。
【0042】
さらに、窪み部17内には、該窪み部17内に導入された雨水を集めて下方に流下させる集水孔18を設けたので、該集水孔18によって、キャブ本体12内のオペレータの前方視界を妨げない位置に雨水を排出することができ、雨天時におけるオペレータの視界を高めることができる。
【0043】
次に、図6ないし図8は本発明の第2の実施の形態を示し、この第2の実施の形態では、運転席を上方から覆うキャノピを備えたキャノピ仕様のホイールローダを例示している。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0044】
図中、21は本実施の形態によるキャノピ仕様のホイールローダで、このホイールローダ21は、第1の実施の形態によるホイールローダ1とほぼ同様に、後部車体2Aと前部車体2Bとからなる自走可能な車体2と、該車体2に設けられた作業装置3とにより大略構成されている。しかし、本実施の形態によるホイールローダ21は、後部車体2Aの床板6上に後述のキャノピ22が設けられている点で、第1の実施の形態によるホイールローダ1とは異なっている。
【0045】
22は第1の実施の形態によるキャブ11に代えて本実施の形態に用いたキャノピで、該キャノピ22は、後部車体2Aの床板6上に設けられ運転席7を上方から覆うものである。ここで、キャノピ22は、図7および図8に示すように、後述の支柱23と、ルーフ部材14とによって構成されている。
【0046】
23はルーフ部材14を支持する支柱で、該支柱23は、図8に示すように、運転席7を左,右方向から挟む状態で床板6上に立設された左,右の縦柱24,24と、これら左,右の縦柱24の上部側(上端)に固着して設けられ、ルーフ部材14が取付けられるルーフ取付枠25とにより構成されている。
【0047】
ここで、各縦柱24は、例えば断面四角形状の角筒体を用いて形成されている。そして、各縦柱24の内周側は、ルーフ部材14の集水孔18から流下する雨水等を下方へと排出する排水通路24Aとなっている。
【0048】
一方、ルーフ取付枠25は、ルーフ部材14と上,下方向で対面する四角形状の底面25Aと、該底面25Aの四辺(周囲)から上向きに立上がる外周壁25Bとにより、上部側が開口した有底箱状に形成されている。そして、ルーフ取付枠25の底面25Aは、左,右の縦柱24の上端部に固着されている。
【0049】
ここで、ルーフ取付枠25の底面25Aのうち各縦柱24の上端部に対応する部位には、縦柱24の排水通路24Aに連通する上排水孔25Cが穿設されている。また、床板6のうち各縦柱24の下端部に対応する部位には、縦柱24の排水通路24Aに連通する下排水孔6Aが穿設されている。
【0050】
これにより、ルーフ部材14の集水孔18を通じて下方に流下した雨水等は、ルーフ取付枠25の底面25A上に落下した後、ルーフ取付枠25の上排水孔25C、縦柱24の排水通路24A、床板6の下排水孔6Aを通じて、床板6の下方へと排出される構成となっている。
【0051】
また、ルーフ取付枠25を構成する底面25Aには、4個のねじ座26が溶接等の手段を用いて固着され、これら各ねじ座26は、ルーフ部材14の各ボルト挿通孔15と対応する位置に配置されている。そして、ルーフ部材14は、各ボルト挿通孔15に挿通したボルト16をルーフ取付枠25の各ねじ座26に螺着することにより、支柱23に取付けられる構成となっている。
【0052】
本実施の形態によるキャノピ仕様のホイールローダ21は、上述の如く支柱23、ルーフ部材14等からなるキャノピ22を備えるもので、該キャノピ22を組立てる場合には、まず、各縦柱24の上部側にルーフ取付枠25が固着された支柱23を用意し、この支柱23の各縦柱24を後部車体2Aの床板6上に立設する。
【0053】
そして、図8に示すように、ルーフ部材14の各ボルト挿通孔15にボルト16を挿通し、このボルト16の先端部を、ルーフ取付枠25の底面25Aに固着した各ねじ座26に螺着する。
【0054】
これにより、後部車体2Aの床板6上に、支柱23、ルーフ部材14等からなるキャノピ22を組立てることができ、このキャノピ22のルーフ部材14によって運転席7を上方から覆うことができる。
【0055】
ここで、例えば雨天での作業時において、雨水がルーフ部材14上に落下した場合には、この雨水はルーフ部材14に設けた窪み部17内に導入され、該窪み部17に穿設した集水孔18によって集められた後、該集水孔18を通じて下方に流下する。
【0056】
そして、ルーフ部材14の集水孔18から流下した雨水は、ルーフ取付枠25の底面25Aに穿設された上排水孔25Cから縦柱24の排水通路24A内に導入され、該排水通路24Aに沿って流下した後、床板6の下排水孔6Aを通じて該床板6の下方へと排出される。
【0057】
このように、ルーフ部材14上に落下した雨水を、縦柱24の排水通路24A等に沿って床板6の下方へと排出することにより、運転席7に着席したオペレータ、床板6等に向けて雨水が飛散するのを抑えることができる。
【0058】
ここで、本発明によれば、第1の実施の形態によるキャブ仕様のホイールローダ1に用いるルーフ部材14と、第2の実施の形態によるキャノピ仕様のホイールローダ21に用いるルーフ部材14とを共通化している。
【0059】
これにより、同一のルーフ部材14を、キャブ仕様時のルーフまたはキャノピ仕様時のルーフとして共用できるので、キャブ用のルーフとキャノピ用のルーフとをそれぞれ別個に製造する必要がなくなり、ルーフの製造コストを低減することができる。
【0060】
なお、上述した第2の実施の形態では、キャノピ22を構成する支柱23を、左,右の縦柱24と、これら各縦柱24の上部側に固着されたルーフ取付枠25とにより構成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図9に示す変形例のような骨組み構造をなす支柱31を用いてもよい。
【0061】
即ち、支柱31は、下端部が床板6に固着され上,下方向に延びた中空な左,右の縦柱32,32と、これら各縦柱32の上部側に固着され前,後方向に延びた中空な左,右の横柱33,33と、左,右方向に延びて各横柱33間を連結する前,後の連結部材34,34とにより構成されている。そして、各連結部材34には、ルーフ部材14のボルト挿通孔15と対応する位置にねじ座26が固着され、このねじ座26に螺着されるボルト16によってルーフ部材14を取付けることができる。
【0062】
この場合、各横柱33の後部側に、ルーフ部材14の集水孔18に接続される上排水孔33Aを設けることにより、ルーフ部材14の集水孔18から流下した雨水を、横柱33および縦柱32の内周側を通じて床板6の下方に排出することができる。
【0063】
また、上述した第2の実施の形態では、ルーフ部材14を支持するために2本の縦柱24を用いた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図7中に二点鎖線で示す如く、運転席7の右前側に1本の縦柱24を追加した合計3本の縦柱を有する3柱式のキャノピとして構成してもよい。また、4本以上の縦柱を有するキャノピとして構成してもよい。
【0064】
さらに、上述した各実施の形態では、建設機械としてホイールローダを例に挙げている。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば油圧ショベル等の、キャブ仕様とキャノピ仕様とを有する他の建設機械に広く適用することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1の発明によれば、車体にキャブまたはキャノピを選択的に設ける場合に、キャブの天井を構成するルーフとキャノピの天井を構成するルーフとを、共通なルーフ部材によって構成している。これにより、同一のルーフ部材を、キャブ仕様時のルーフまたはキャノピ仕様時のルーフとして共用できるので、キャブ用のルーフとキャノピ用のルーフとをそれぞれ別個に製造する必要がなくなり、ルーフの製造コストを低減することができる。
【0066】
また、請求項2の発明によれば、ルーフ部材には、キャブを構成するキャブ本体の上部側またはキャノピを構成する支柱の上部側にルーフ部材を取付けるための取付部を設ける構成としている。これにより、キャブを構成するキャブ本体、およびキャノピを構成する支柱のいずれに対しても、ルーフ部材に設けた取付部を介して該ルーフ部材を確実に取付けることができる。
【0067】
また、請求項3の発明によれば、ルーフ部材の上面に、雨水を集めて流下させる集水孔を設ける構成としたので、ルーフ部材上に落下した雨水を集水孔によって集めた状態で、該集水孔を通じて下方へと流下させることができる。このため、ルーフ部材をキャブ用のルーフまたはキャノピ用のルーフのいずれに利用した場合でも、運転席に着席したオペレータに向けて雨水が飛散するのを抑えることができる。
【0068】
さらに、請求項4の発明によれば、キャノピを構成する支柱に、ルーフ部材の集水孔から流下した雨水を排水する排水通路を設ける構成としたので、ルーフ部材の集水孔から流下した雨水を、キャノピの支柱に設けた排水通路に沿って流下させ、車体の外部に排出することができる。これにより、車体にキャノピを設けた場合に、運転席に着席したオペレータや運転席が設けられる床板に向けて雨水が飛散するのを確実に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるキャブ仕様のホイールローダを示す正面図である。
【図2】図1中のキャブ本体、ルーフ部材を示す斜視図である。
【図3】キャブ本体、ルーフ部材を示す分解斜視図である。
【図4】キャブ本体、ルーフ部材を上方からみた平面図である。
【図5】ルーフ部材の窪み部等を図4中の矢示V−V方向からみた拡大断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるキャノピ仕様のホイールローダを示す正面図である。
【図7】図6中の床板、運転席、支柱、ルーフ部材等を示す斜視図である。
【図8】床板、運転席、支柱柱、ルーフ部材等を示す分解斜視図である。
【図9】ルーフ部材を支持する支柱の変形例を示す図8と同様な分解斜視図である。
【符号の説明】
1,21 ホイールローダ
2 車体
2A 後部車体
2B 前部車体
6 床板
7 運転席
11 キャブ
12 キャブ本体
14 ルーフ部材
15 ボルト挿通孔
18 集水孔
22 キャノピ
23,31 支柱
24 縦柱
24A 排水通路
25 ルーフ取付枠
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばホイールローダ、油圧ショベル等の車体に運転席が設けられた建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ホイールローダ、油圧ショベル等の建設機械は、自走可能な車体と、該車体に設けられた作業装置とにより大略構成され、車体にはオペレータが着席する運転席が設けられている。そして、この種の建設機械として、運転席を上方から覆うキャノピを備えたキャノピ仕様の建設機械が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
実開平6−87025号公報
【0004】
ここで、従来技術によるキャノピは、通常、運転席の近傍に位置して車体に立設された支柱と、該支柱の上部側に設けられたルーフとにより大略構成されている。そして、このルーフによって運転席の上方を覆うことにより、運転席に着席したオペレータに雨水等が降りかかるのを抑えることができる構成となっている。
【0005】
一方、運転席を収容するキャブを備えたキャブ仕様の建設機械においては、運転席の上方のみならず該運転席の周囲をもキャブによって覆うことができるので、運転席に着席したオペレータに雨水等が降りかかるのを確実に抑えることができる。
【0006】
ここで、この種の従来技術によるキャブとして、前面板、後面板、左側面板、右側面板および上面板等によって取囲まれ内部に運転席を収容する箱状のキャブ本体と、該キャブ本体の上方に設けられ該キャブ本体を上方から覆うルーフとにより構成されたルーフ付きのキャブが知られている。
【0007】
そして、キャブ本体の上方にルーフが設けられたキャブにおいては、例えば作業時の落石等が、キャブ本体の前面板等に取付けられた窓に衝突するのをルーフによって防止することができ、作業の安全性を高めることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術による建設機械では、キャノピを構成するキャノピ用のルーフと、キャブを構成するキャブ用のルーフとが、互いに形状の異なる別部材によって形成されている。
【0009】
このため、これらキャノピ用のルーフと、キャブ用のルーフとをそれぞれ樹脂成形によって製造する場合には、キャノピ用のルーフを成形するための型とキャブ用のルーフを成形するための型とがそれぞれ別個に必要となり、ルーフの製造コストが嵩んでしまうという問題がある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、キャノピを構成するルーフとキャブを構成するルーフとを共通化し、その製造コストを低減することができるようにした建設機械を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために本発明は、自走可能な車体と、該車体に設けられた運転席と、該運転席を覆うために車体に選択的に設けられるキャブとキャノピとを備えてなる建設機械に適用される。
【0012】
そして、請求項1の発明の特徴は、キャブの天井を構成するルーフとキャノピの天井を構成するルーフとは共通なルーフ部材により構成したことにある。
【0013】
このように構成したことにより、同一のルーフ部材を、キャブ用のルーフおよびキャノピ用のルーフとして利用することができるので、キャノピ用のルーフとキャブ用のルーフとを別個に形成する必要がなくなり、ルーフの製造コストを低減することができる。
【0014】
請求項2の発明は、ルーフ部材には、当該ルーフ部材をキャブを構成するキャブ本体の上部側またはキャノピを構成する支柱の上部側に取付けるための取付部を設ける構成としたことにある。
【0015】
このように構成したことにより、キャブを構成するキャブ本体、およびキャノピを構成する支柱のいずれに対しても、ルーフ部材に設けた取付部を介して該ルーフ部材を取付けることができる。
【0016】
請求項3の発明は、ルーフ部材の上面には、雨水を集めて流下させる集水孔を設ける構成としたことにある。このように構成したことにより、ルーフ部材上に落下した雨水を集水孔によって集め、該集水孔を通じて下方へと流下させることができる。
【0017】
請求項4の発明は、キャノピを構成する支柱には、ルーフ部材の集水孔から流下した雨水を排水する排水通路を設ける構成としたことにある。このように構成したことにより、ルーフ部材の集水孔から流下した雨水を、キャノピの支柱に設けた排水通路に沿って外部に排出することができるので、車体にキャノピを設けた場合に、運転席に着席したオペレータに向けて雨水が飛散するのを抑えることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る建設機械の実施の形態をホイールローダに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図9を参照しつつ詳細に説明する。
【0019】
まず、図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態を示し、この第1の実施の形態では、運転席を収容するキャブ本体を備えたキャブ仕様のホイールローダを例示している。
【0020】
図中、1は本実施の形態によるキャブ仕様のホイールローダで、該ホイールローダ1は、自走可能な車体2と、該車体2の前部側に俯仰動可能に取付けられた作業装置3とにより大略構成されている。そして、車体2は、後部車体2Aと、該後部車体2Aの前側に左,右方向に揺動可能に連結された前部車体2Bとにより構成されている。
【0021】
ここで、後部車体2Aには、左,右の後輪4(左側のみ図示)が設けられ、前部車体2Bには、左,右の前輪5(左側のみ図示)が設けられている。そして、これら左,右の後輪4と左,右の前輪5とが同時に回転駆動(四輪駆動)されることにより、車体2が走行する構成となっている。
【0022】
また、作業装置3は、前部車体2Bに俯仰動可能に取付けられたアーム3Aと、該アーム3Aの先端部に回動可能に取付けられたローダバケット3Bとにより大略構成されている。そして、作業装置3は、ローダバケット3Aによって土砂等の運搬作業を行うものである。
【0023】
6は後部車体2Aの前側に設けられた床板、7は床板6上に配設された運転席で、該運転席7はオペレータが着席するものである。そして、運転席7の前側にはステアリングホイール8、走行ペダル、操作レバー(図示せず)等が設けられ、運転席7に着席したオペレータは、ステアリングホイール8を操舵して前部車体2Bを左,右方向に揺動させることにより、車体2の走行方向を制御し、操作レバーを操作することにより、作業装置3を用いた土砂等の運搬作業を行う構成となっている。
【0024】
9は後部車体3Aの後側に設けられた外装カバーで、この外装カバー9は、後部車体3Aに搭載されたエンジン、油圧ポンプ(いずれも図示せず)等を収容するものである。
【0025】
11は後部車体2Aの床板6上に配設されたキャブで、該キャブ11は運転室を画成するものである。そして、キャブ11は、後述のキャブ本体12と、ルーフ部材14とにより大略構成されている。
【0026】
12はルーフ部材14と共にキャブ11を構成するキャブ本体で、該キャブ本体12は、図2ないし図4に示すように、左,右両側が斜め後方に傾斜した前面部12Aと、該前面部12Aと前,後方向で対面する後面部12Bと、左,右方向で対面する左側面部12Cおよび右側面部12Dと、これら前面部12A、後面部12B、左,右の側面部12C,12Dの上端部を施蓋する上面部12Eとによって囲まれた強固な箱状に形成されている。また、キャブ本体12の左側面部12Cには、乗降用のドア12Fが開,閉可能に取付けられている。
【0027】
そして、キャブ本体12は、マウント部材等(図示せず)を介して後部車体2Aの床板6上に取付けられ、その内部に上述の運転席7、ステアリングホイール8、操作機器(図示せず)等を収容するものである。ここで、図3ないし図5に示すように、キャブ本体12の上面部12Eには、後述のルーフ部材14を取付けるための4個のねじ座13が、溶接等の手段を用いて固着されている。
【0028】
14はキャブ11の天井を構成するキャブ用ルーフとしてのルーフ部材で、該ルーフ部材14は、例えば樹脂成形によって一体形成され、キャブ本体12全体を上方から覆うものである。
【0029】
ここで、ルーフ部材14は、図3ないし図5に示すように、キャブ本体12の上面部12Eよりも一回り大きな四角形状をなし、上面部12Eと上,下方向で対面しつつ水平方向に延びる水平板部14Aと、該水平板部14Aの後端縁および左,右の側端縁から下方に垂下し、キャブ本体12の後面部12Bおよび各側面部12C,12Dの上端側を取囲む外周縁部14Bと、水平板部14Aの左,右の前角隅部から突出し後述の作業灯19が取付けられる左,右の作業灯取付部14C,14Cとにより大略構成されている。
【0030】
15,15,…はルーフ部材14に設けられた取付部としての4個のボルト挿通孔で、これら各ボルト挿通孔15は、キャブ本体12の上面部12Eに固着した各ねじ座13と対応する位置に穿設されている。そして、図3等に示すように、各ボルト挿通孔15にボルト16を挿通し、このボルト16の先端側をキャブ本体12の各ねじ座13に螺着することにより、キャブ本体12の上面部12E上にルーフ部材14が取付けられる構成となっている。
【0031】
17,17はルーフ部材14の上面側に設けられた左,右の窪み部で、これら各窪み部17は、ルーフ部材14の水平板部14Aを上面側から下向きに凹ませることにより、その周囲を外周縁部14Bによって取囲まれた長方形状の窪みとして形成されている。そして、窪み部17は、ルーフ部材14上に落下した雨水、洗浄水等を内部に導入することにより、これら雨水等が、ルーフ部材14の外周縁部14Bに沿って下方に流下するのを抑えるものである。
【0032】
18,18は各窪み部17内に設けられた左,右の集水孔で、これら各集水孔18は、窪み部17の後側角隅部に開口し、窪み部17内に導入された雨水等を集めて下方に流下させるものである。この場合、各集水孔18は、例えば図4に示すように、キャブ本体12の左,右の後側角隅部に対応した位置に配置されている。これにより、集水孔18から流下した雨水等が、キャブ本体12の前面部12A等に飛散するのを抑え、運転席7に着席したオペレータの前方視界を確保することができる構成となっている。
【0033】
19,19はルーフ部材14の各作業灯取付部14Cに取付けられた左,右の作業灯で、これら各作業灯19は、例えば夜間作業時に作業装置3の周囲を照らすものである。そして、各作業灯19は、ルーフ部材14の作業灯取付部14Cによって上方および側方から覆われている。
【0034】
本実施の形態によるキャブ仕様のホイールローダ1は、キャブ本体12とルーフ部材14とからなるキャブ11を備えるもので、該キャブ11を組立てる場合には、まず、後部車体2Aの床板6上にキャブ本体12を取付ける。
【0035】
そして、図3に示すように、ルーフ部材14を用意し、このルーフ部材14の各ボルト挿通孔15に挿通したボルト16を、キャブ本体12の上面部12Eに固着した各ねじ座13に螺着する。
【0036】
これにより、キャブ本体12の上側に、各ボルト16を用いてルーフ部材14を強固に取付けることができ、該ルーフ部材14を天井としてキャブ本体12を上方から覆ったキャブ11を組立てることができる。
【0037】
次に、上述の如きキャブ11を備えたホイールローダ1の作動について説明する。まず、キャブ11(キャブ本体12)内に乗込んだオペレータは、運転席7に着席し、走行ペダル等を操作しつつステアリングホイール8を操舵することにより、車体2を走行させる。
【0038】
また、オペレータは、操作レバー等を操作することにより、例えば作業装置3のアーム3Aを俯仰動させつつローダバケット3Bを回動させ、該ローダバケット3Bに土砂等を積込む。そして、ローダバケット3Bに土砂等を積込んだ状態で車体2を走行させることにより、ホイールローダ1を用いて土砂等の運搬作業を行うことができる。
【0039】
ここで、例えば雨天での作業時には、雨水はルーフ部材14上に落下する。そして、ルーフ部材14上に落下した雨水は、ルーフ部材14に設けた窪み部17内に導入された後、該窪み部17に穿設した集水孔18によって集められ、該集水孔18を通じて下方に流下する。
【0040】
このように、キャブ本体12上に設けたルーフ部材14によって雨水等を受けることができるので、雨水等がキャブ本体12の前面部12A、左,右の側面部12C,12D等に雨だれとなって付着するのを抑えることができ、キャブ本体12内のオペレータの視界を良好に確保することができる。
【0041】
また、ルーフ部材14の上面側に窪み部17を設けることにより、ルーフ部材14上に落下した雨水をこの窪み部17内に導入することができる。これにより、ルーフ部材14に落下した雨水等が、ルーフ部材14の外周縁部14Bに沿って下方に流下し、キャブ本体12の前面部12A、左,右の側面部12C,12Dに付着するのを抑えることができる。
【0042】
さらに、窪み部17内には、該窪み部17内に導入された雨水を集めて下方に流下させる集水孔18を設けたので、該集水孔18によって、キャブ本体12内のオペレータの前方視界を妨げない位置に雨水を排出することができ、雨天時におけるオペレータの視界を高めることができる。
【0043】
次に、図6ないし図8は本発明の第2の実施の形態を示し、この第2の実施の形態では、運転席を上方から覆うキャノピを備えたキャノピ仕様のホイールローダを例示している。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0044】
図中、21は本実施の形態によるキャノピ仕様のホイールローダで、このホイールローダ21は、第1の実施の形態によるホイールローダ1とほぼ同様に、後部車体2Aと前部車体2Bとからなる自走可能な車体2と、該車体2に設けられた作業装置3とにより大略構成されている。しかし、本実施の形態によるホイールローダ21は、後部車体2Aの床板6上に後述のキャノピ22が設けられている点で、第1の実施の形態によるホイールローダ1とは異なっている。
【0045】
22は第1の実施の形態によるキャブ11に代えて本実施の形態に用いたキャノピで、該キャノピ22は、後部車体2Aの床板6上に設けられ運転席7を上方から覆うものである。ここで、キャノピ22は、図7および図8に示すように、後述の支柱23と、ルーフ部材14とによって構成されている。
【0046】
23はルーフ部材14を支持する支柱で、該支柱23は、図8に示すように、運転席7を左,右方向から挟む状態で床板6上に立設された左,右の縦柱24,24と、これら左,右の縦柱24の上部側(上端)に固着して設けられ、ルーフ部材14が取付けられるルーフ取付枠25とにより構成されている。
【0047】
ここで、各縦柱24は、例えば断面四角形状の角筒体を用いて形成されている。そして、各縦柱24の内周側は、ルーフ部材14の集水孔18から流下する雨水等を下方へと排出する排水通路24Aとなっている。
【0048】
一方、ルーフ取付枠25は、ルーフ部材14と上,下方向で対面する四角形状の底面25Aと、該底面25Aの四辺(周囲)から上向きに立上がる外周壁25Bとにより、上部側が開口した有底箱状に形成されている。そして、ルーフ取付枠25の底面25Aは、左,右の縦柱24の上端部に固着されている。
【0049】
ここで、ルーフ取付枠25の底面25Aのうち各縦柱24の上端部に対応する部位には、縦柱24の排水通路24Aに連通する上排水孔25Cが穿設されている。また、床板6のうち各縦柱24の下端部に対応する部位には、縦柱24の排水通路24Aに連通する下排水孔6Aが穿設されている。
【0050】
これにより、ルーフ部材14の集水孔18を通じて下方に流下した雨水等は、ルーフ取付枠25の底面25A上に落下した後、ルーフ取付枠25の上排水孔25C、縦柱24の排水通路24A、床板6の下排水孔6Aを通じて、床板6の下方へと排出される構成となっている。
【0051】
また、ルーフ取付枠25を構成する底面25Aには、4個のねじ座26が溶接等の手段を用いて固着され、これら各ねじ座26は、ルーフ部材14の各ボルト挿通孔15と対応する位置に配置されている。そして、ルーフ部材14は、各ボルト挿通孔15に挿通したボルト16をルーフ取付枠25の各ねじ座26に螺着することにより、支柱23に取付けられる構成となっている。
【0052】
本実施の形態によるキャノピ仕様のホイールローダ21は、上述の如く支柱23、ルーフ部材14等からなるキャノピ22を備えるもので、該キャノピ22を組立てる場合には、まず、各縦柱24の上部側にルーフ取付枠25が固着された支柱23を用意し、この支柱23の各縦柱24を後部車体2Aの床板6上に立設する。
【0053】
そして、図8に示すように、ルーフ部材14の各ボルト挿通孔15にボルト16を挿通し、このボルト16の先端部を、ルーフ取付枠25の底面25Aに固着した各ねじ座26に螺着する。
【0054】
これにより、後部車体2Aの床板6上に、支柱23、ルーフ部材14等からなるキャノピ22を組立てることができ、このキャノピ22のルーフ部材14によって運転席7を上方から覆うことができる。
【0055】
ここで、例えば雨天での作業時において、雨水がルーフ部材14上に落下した場合には、この雨水はルーフ部材14に設けた窪み部17内に導入され、該窪み部17に穿設した集水孔18によって集められた後、該集水孔18を通じて下方に流下する。
【0056】
そして、ルーフ部材14の集水孔18から流下した雨水は、ルーフ取付枠25の底面25Aに穿設された上排水孔25Cから縦柱24の排水通路24A内に導入され、該排水通路24Aに沿って流下した後、床板6の下排水孔6Aを通じて該床板6の下方へと排出される。
【0057】
このように、ルーフ部材14上に落下した雨水を、縦柱24の排水通路24A等に沿って床板6の下方へと排出することにより、運転席7に着席したオペレータ、床板6等に向けて雨水が飛散するのを抑えることができる。
【0058】
ここで、本発明によれば、第1の実施の形態によるキャブ仕様のホイールローダ1に用いるルーフ部材14と、第2の実施の形態によるキャノピ仕様のホイールローダ21に用いるルーフ部材14とを共通化している。
【0059】
これにより、同一のルーフ部材14を、キャブ仕様時のルーフまたはキャノピ仕様時のルーフとして共用できるので、キャブ用のルーフとキャノピ用のルーフとをそれぞれ別個に製造する必要がなくなり、ルーフの製造コストを低減することができる。
【0060】
なお、上述した第2の実施の形態では、キャノピ22を構成する支柱23を、左,右の縦柱24と、これら各縦柱24の上部側に固着されたルーフ取付枠25とにより構成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図9に示す変形例のような骨組み構造をなす支柱31を用いてもよい。
【0061】
即ち、支柱31は、下端部が床板6に固着され上,下方向に延びた中空な左,右の縦柱32,32と、これら各縦柱32の上部側に固着され前,後方向に延びた中空な左,右の横柱33,33と、左,右方向に延びて各横柱33間を連結する前,後の連結部材34,34とにより構成されている。そして、各連結部材34には、ルーフ部材14のボルト挿通孔15と対応する位置にねじ座26が固着され、このねじ座26に螺着されるボルト16によってルーフ部材14を取付けることができる。
【0062】
この場合、各横柱33の後部側に、ルーフ部材14の集水孔18に接続される上排水孔33Aを設けることにより、ルーフ部材14の集水孔18から流下した雨水を、横柱33および縦柱32の内周側を通じて床板6の下方に排出することができる。
【0063】
また、上述した第2の実施の形態では、ルーフ部材14を支持するために2本の縦柱24を用いた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図7中に二点鎖線で示す如く、運転席7の右前側に1本の縦柱24を追加した合計3本の縦柱を有する3柱式のキャノピとして構成してもよい。また、4本以上の縦柱を有するキャノピとして構成してもよい。
【0064】
さらに、上述した各実施の形態では、建設機械としてホイールローダを例に挙げている。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば油圧ショベル等の、キャブ仕様とキャノピ仕様とを有する他の建設機械に広く適用することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1の発明によれば、車体にキャブまたはキャノピを選択的に設ける場合に、キャブの天井を構成するルーフとキャノピの天井を構成するルーフとを、共通なルーフ部材によって構成している。これにより、同一のルーフ部材を、キャブ仕様時のルーフまたはキャノピ仕様時のルーフとして共用できるので、キャブ用のルーフとキャノピ用のルーフとをそれぞれ別個に製造する必要がなくなり、ルーフの製造コストを低減することができる。
【0066】
また、請求項2の発明によれば、ルーフ部材には、キャブを構成するキャブ本体の上部側またはキャノピを構成する支柱の上部側にルーフ部材を取付けるための取付部を設ける構成としている。これにより、キャブを構成するキャブ本体、およびキャノピを構成する支柱のいずれに対しても、ルーフ部材に設けた取付部を介して該ルーフ部材を確実に取付けることができる。
【0067】
また、請求項3の発明によれば、ルーフ部材の上面に、雨水を集めて流下させる集水孔を設ける構成としたので、ルーフ部材上に落下した雨水を集水孔によって集めた状態で、該集水孔を通じて下方へと流下させることができる。このため、ルーフ部材をキャブ用のルーフまたはキャノピ用のルーフのいずれに利用した場合でも、運転席に着席したオペレータに向けて雨水が飛散するのを抑えることができる。
【0068】
さらに、請求項4の発明によれば、キャノピを構成する支柱に、ルーフ部材の集水孔から流下した雨水を排水する排水通路を設ける構成としたので、ルーフ部材の集水孔から流下した雨水を、キャノピの支柱に設けた排水通路に沿って流下させ、車体の外部に排出することができる。これにより、車体にキャノピを設けた場合に、運転席に着席したオペレータや運転席が設けられる床板に向けて雨水が飛散するのを確実に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるキャブ仕様のホイールローダを示す正面図である。
【図2】図1中のキャブ本体、ルーフ部材を示す斜視図である。
【図3】キャブ本体、ルーフ部材を示す分解斜視図である。
【図4】キャブ本体、ルーフ部材を上方からみた平面図である。
【図5】ルーフ部材の窪み部等を図4中の矢示V−V方向からみた拡大断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるキャノピ仕様のホイールローダを示す正面図である。
【図7】図6中の床板、運転席、支柱、ルーフ部材等を示す斜視図である。
【図8】床板、運転席、支柱柱、ルーフ部材等を示す分解斜視図である。
【図9】ルーフ部材を支持する支柱の変形例を示す図8と同様な分解斜視図である。
【符号の説明】
1,21 ホイールローダ
2 車体
2A 後部車体
2B 前部車体
6 床板
7 運転席
11 キャブ
12 キャブ本体
14 ルーフ部材
15 ボルト挿通孔
18 集水孔
22 キャノピ
23,31 支柱
24 縦柱
24A 排水通路
25 ルーフ取付枠
Claims (4)
- 自走可能な車体と、該車体に設けられた運転席と、該運転席を覆うために前記車体に選択的に設けられるキャブとキャノピとを備えてなる建設機械において、
前記キャブの天井を構成するルーフと前記キャノピの天井を構成するルーフとは共通なルーフ部材により構成したことを特徴とする建設機械。 - 前記ルーフ部材には、当該ルーフ部材を前記キャブを構成するキャブ本体の上部側または前記キャノピを構成する支柱の上部側に取付けるための取付部を設ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
- 前記ルーフ部材の上面には、雨水を集めて流下させる集水孔を設ける構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械。
- 前記キャノピを構成する支柱には、前記ルーフ部材の集水孔から流下した雨水を排水する排水通路を設ける構成としてなる請求項3に記載の建設機械。
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