JP2004352670A - ベンゾオキサジン化合物、プリプレグ、積層板及びプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベンゾオキサジン化合物、プリプレグ、積層板及びプリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板は、繊維基材に熱硬化性樹脂組成物のワニスを含浸乾燥したプリプレグを所要枚数重ねた構成体を加熱加圧成形して積層板を作成し、この積層板を基板として、その表面に回路を形成して製造される。
通常、積層板を製造するときに銅箔などを同時に重ねて銅張り積層板とし、この銅箔をエッチングして回路を形成している。
【0003】
そして、このようなプリント配線板は、発熱を伴う電気・電子部品を搭載するものであるから、樹脂成分としてエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の耐熱性に優れた熱硬化性樹脂が用いられており、絶縁性、誘電特性等の電気的特性や、熱膨張率、吸湿性、加工性等の要求される特性に応じて使い分けされている。
【0004】
ところが、上記の従来知られている熱硬化性樹脂は、十分な難燃性を有するものではなく、種々の難燃剤が添加されているのが現状である。
例えば、代表的なハロゲン系難燃剤として知られている臭素系難燃剤は、優れた難燃効果を有しているので広く使用されているが、燃焼時に有害な臭化水素を発生し、また、猛毒物質のダイオキシンの類縁体である臭素化ダイオキシンの生成が懸念されているところから、その使用が制限されつつある。
【0005】
そこで、代替の難燃剤として、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、無機系難燃剤等を使用することが検討されているが、一般的にこれらの難燃剤は、ハロゲン系難燃剤に比べて難燃効果が劣るため、多量に用いたり、これらの難燃剤を組み合わせて使用する必要がある。この結果、樹脂のコストが高くなり、また、プリント回路板用の樹脂に求められる難燃性以外の特性が損なわれる虞もあった。
【0006】
このような状況において、従来の熱硬化性性樹脂に比べて、比較的難燃性が優れているとされるベンゾオキサジン化合物を使用することが検討されている。
例えば、特許文献1には、メタノール中で、70℃以下の反応温度で、フェノール、パラホルム、4,4´−ジアミノジフェニルメタンを反応させ、反応液を得た後、難燃剤であるリン酸エステル類を配合し更に反応させて得られるベンゾオキサジン化合物の製造方法が開示されている。
そして、前記ベンゾオキサジン化合物を加熱硬化させて得られた樹脂板の難燃性が、UL−94の試験法でV−0を示した点が、また、リン酸エステル類を添加しない場合には、V−1を示した点が記載されているとおり、難燃剤を添加しないベンゾオキサジン化合物の難燃性は未だ不十分なものであった。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−106466号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、難燃性に優れたベンゾオキサジン化合物、該ベンゾオキサジン化合物を含有するワニスを使用して作成されるプリプレグ、積層板及びプリント配線板を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、このような事情に鑑み、ベンゾオキサジン化合物の合成条件の検討を行った結果、特定の溶媒及び反応温度を採用した場合において、優れた難燃性を有するベンゾオキサジン化合物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、請求項1に記載の発明は、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、ホルマリン及びフェノールを、n−ブタノールを溶媒とし、90℃以上の温度で反応させたことを特徴とするベンゾオキサジン化合物に関するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のベンゾオキサジン化合物を含有するワニスを含浸乾燥させたことを特徴とするプリプレグに関するものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載のプリプレグを加熱加圧成形したものであって、UL−94難燃試験においてV−0レベルの難燃性を有することを特徴とする積層板に関するものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の積層板を用いて作成したことを特徴とするプリント配線板に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のベンゾオキサジン化合物は、n−ブタノール中、90℃以上の温度で、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、ホルマリン及びフェノールを脱水縮合反応させることにより合成されるものであり、化1の構造式で示される。
【0011】
【化1】
【0012】
前記原料の仕込み割合は、化学量論的に決定されるが、4,4´−ジアミノジフェニルメタンに対するホルマリンの仕込み割合は4倍モルであり、同様にフェノールの仕込み割合は2倍モルである。
ホルマリン源としては、ホルマリン水溶液またはパラホルムアルデヒドが挙げられるが、パラホルムアルデヒドを用いる場合は、純度92%以上のものを用いることが好ましい。
【0013】
前記原料の仕込み方法は、一般的にはホルマリン水溶液中に、4,4´−ジアミノジフェニルメタン及びフェノールを、各々単独または両者の混合物を投入すればよいが、これら3つの原料の投入順序は特に限定されず、任意の順番に投入しても差し支えない。
【0014】
前記の反応系においては、ホルマリン水溶液中の水が溶媒として作用しているが、良好な作業性とするためには、適宜な有機溶媒を用いることが好ましい。
使用し得る溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶媒の他、ベンゼン、トルエン、ジオキサン等を単独または前記アルコール系溶媒と併用して使用することもできる。
【0015】
前記の溶媒としては、反応系内の水と共沸するものが好ましく、共沸点が90℃以上のものがより好ましい。共沸点が90℃より低い溶媒、例えばメタノールやエタノールを使用した場合には、反応液中に生成するオリゴマー分が多くなり、反応液の粘度が上昇し、生成物を取り出し難くなる等の難点がある。
また、沸点が130℃を超える溶媒を使用した場合には、溶媒を反応液から留去し難く、溶媒の留去に要する温度が高温となり、また、溶媒の留去に要する時間が長時間となる。
これらの観点から、反応に用いる溶媒としては、n−ブタノールが好適である。
【0016】
本発明に使用するワニスは、前記ベンゾオキサジン化合物を有機溶剤に溶解させて調製することができる。代表的な有機溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジオキサン等が挙げられ、これらから選ばれる1種または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記の有機溶剤を使用して調製したワニスに含まれるベンゾオキサジン化合物の濃度は、50〜80重量%が好ましい。
【0017】
前記のワニスを繊維基材に塗布または含浸させ、乾燥機中で80〜200℃の範囲で3〜10分間程度乾燥することにより、半硬化状態(Bステージ状態)のプリプレグとすることができる。
【0018】
繊維基材としては、ガラスクロス、ガラスペーパー、ガラスマット等のガラス繊維基材、有機系のアラミド繊維、カーボン繊維、ポリエステル繊維等やアラミド、芳香族ポリエステル不織布、または紙等が挙げられる。
【0019】
前記のプリプレグを所要枚数重ねて、金属箔と共に150〜200℃、1.0〜8.0MPa程度の範囲で加熱加圧して金属箔張積層板とすることができる。この場合の金属箔としては、銅、アルミニウム、ステンレス等の適宜なものが使用される。
得られた積層板は、ドリルによって穴あけを行い、スルーホールメッキ処理を経て、パターニングを行い、プリント配線板とすることができる。
また、金属箔張積層板を回路形成した内層基材と、金属箔の間に、プリプレグを所定枚数配し、加熱加圧して多層プリント配線板とすることもできる。
【0020】
上記以外の方法として、ワニスをキャリアフィルムに塗布した後、60〜150℃の範囲で溶剤を除去し、熱硬化させて、絶縁樹脂シートを作成し、該樹脂シートを、回路加工した両面配線板の両面に配して積層し、その後、加熱、加圧することにより、多層プリント配線板を製造することも可能である。
なお、ワニスをキャリアフィルムに塗布する方法は、特に限定されない。また、キャリアフィルムとは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)等の乾燥温度に耐える有機フィルムや銅箔であり、それらを単独で、又は組み合わせて用いることができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
〔実施例1〕
環流器および攪拌機を備えたフラスコに、4,4´−ジアミノジフェニルメタン99g(0.50モル)、フェノール94g(1.00モル)及び溶媒としてn−ブタノール120mlを入れ、攪拌を行いながら液温を60℃まで上昇させ均一な溶液とした。次いで、50%ホルマリン溶液128g(2.00モル)を5分間かけて滴下し、その後反応液の温度を上昇させ2.5時間に渡って、常圧環流を行いながら反応を継続した(反応温度91℃)。
その後、ディーンスターク冷却器を用いて系内の水を除去しながら、更に反応液の温度が110℃になるまで環流を継続した。引き続き、溶媒を減圧留去して、生成物であるベンゾオキサジン化合物を219g(0.51モル)得た(収率101%)。
なお、ゲルパーミッションクロマトグラフィーから求めたベンゾオキサジン化合物中に含まれるモノマー分は約60%であった。
【0023】
〔実施例2〕
実施例1で得られたベンゾオキサジン化合物120gを、メチルエチルケトン80gに溶解させ、濃度60%のワニスを調製した。該ワニスを、厚さ0.2mm、重量210g/m2のガラス布に、成型厚さ0.2mm(樹脂分50%)になるように塗布し、続いて100℃で10分間乾燥し、プリプレグを作成した。
このプリプレグを8枚重ね、180℃、3MPaで2時間加熱した後、200℃、3Mpaで3時間加熱加圧して、厚さ1.5mmの積層板を作成した。
この積層板について、ULサブジェクト94(アンダーライター・ラボラトリーズインコーポレーテッド)の「機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験」に規定された垂直燃焼試験に準拠して難燃性を評価したところ、V−0の難燃性を示した。
【0024】
【発明の効果】
本発明のベンゾオキサジン化合物は、溶媒としてn−ブタノールを使用して、90℃以上の反応温度で生成させたものであるので、優れた難燃性を有する。即ち、難燃剤を使用せず、このベンゾキサジン化合物のみから調製したワニスを使用して作成した積層板は、UL−94/V−0の難燃性を有するものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベンゾオキサジン化合物、プリプレグ、積層板及びプリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板は、繊維基材に熱硬化性樹脂組成物のワニスを含浸乾燥したプリプレグを所要枚数重ねた構成体を加熱加圧成形して積層板を作成し、この積層板を基板として、その表面に回路を形成して製造される。
通常、積層板を製造するときに銅箔などを同時に重ねて銅張り積層板とし、この銅箔をエッチングして回路を形成している。
【0003】
そして、このようなプリント配線板は、発熱を伴う電気・電子部品を搭載するものであるから、樹脂成分としてエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の耐熱性に優れた熱硬化性樹脂が用いられており、絶縁性、誘電特性等の電気的特性や、熱膨張率、吸湿性、加工性等の要求される特性に応じて使い分けされている。
【0004】
ところが、上記の従来知られている熱硬化性樹脂は、十分な難燃性を有するものではなく、種々の難燃剤が添加されているのが現状である。
例えば、代表的なハロゲン系難燃剤として知られている臭素系難燃剤は、優れた難燃効果を有しているので広く使用されているが、燃焼時に有害な臭化水素を発生し、また、猛毒物質のダイオキシンの類縁体である臭素化ダイオキシンの生成が懸念されているところから、その使用が制限されつつある。
【0005】
そこで、代替の難燃剤として、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、無機系難燃剤等を使用することが検討されているが、一般的にこれらの難燃剤は、ハロゲン系難燃剤に比べて難燃効果が劣るため、多量に用いたり、これらの難燃剤を組み合わせて使用する必要がある。この結果、樹脂のコストが高くなり、また、プリント回路板用の樹脂に求められる難燃性以外の特性が損なわれる虞もあった。
【0006】
このような状況において、従来の熱硬化性性樹脂に比べて、比較的難燃性が優れているとされるベンゾオキサジン化合物を使用することが検討されている。
例えば、特許文献1には、メタノール中で、70℃以下の反応温度で、フェノール、パラホルム、4,4´−ジアミノジフェニルメタンを反応させ、反応液を得た後、難燃剤であるリン酸エステル類を配合し更に反応させて得られるベンゾオキサジン化合物の製造方法が開示されている。
そして、前記ベンゾオキサジン化合物を加熱硬化させて得られた樹脂板の難燃性が、UL−94の試験法でV−0を示した点が、また、リン酸エステル類を添加しない場合には、V−1を示した点が記載されているとおり、難燃剤を添加しないベンゾオキサジン化合物の難燃性は未だ不十分なものであった。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−106466号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、難燃性に優れたベンゾオキサジン化合物、該ベンゾオキサジン化合物を含有するワニスを使用して作成されるプリプレグ、積層板及びプリント配線板を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、このような事情に鑑み、ベンゾオキサジン化合物の合成条件の検討を行った結果、特定の溶媒及び反応温度を採用した場合において、優れた難燃性を有するベンゾオキサジン化合物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、請求項1に記載の発明は、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、ホルマリン及びフェノールを、n−ブタノールを溶媒とし、90℃以上の温度で反応させたことを特徴とするベンゾオキサジン化合物に関するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のベンゾオキサジン化合物を含有するワニスを含浸乾燥させたことを特徴とするプリプレグに関するものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載のプリプレグを加熱加圧成形したものであって、UL−94難燃試験においてV−0レベルの難燃性を有することを特徴とする積層板に関するものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の積層板を用いて作成したことを特徴とするプリント配線板に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のベンゾオキサジン化合物は、n−ブタノール中、90℃以上の温度で、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、ホルマリン及びフェノールを脱水縮合反応させることにより合成されるものであり、化1の構造式で示される。
【0011】
【化1】
【0012】
前記原料の仕込み割合は、化学量論的に決定されるが、4,4´−ジアミノジフェニルメタンに対するホルマリンの仕込み割合は4倍モルであり、同様にフェノールの仕込み割合は2倍モルである。
ホルマリン源としては、ホルマリン水溶液またはパラホルムアルデヒドが挙げられるが、パラホルムアルデヒドを用いる場合は、純度92%以上のものを用いることが好ましい。
【0013】
前記原料の仕込み方法は、一般的にはホルマリン水溶液中に、4,4´−ジアミノジフェニルメタン及びフェノールを、各々単独または両者の混合物を投入すればよいが、これら3つの原料の投入順序は特に限定されず、任意の順番に投入しても差し支えない。
【0014】
前記の反応系においては、ホルマリン水溶液中の水が溶媒として作用しているが、良好な作業性とするためには、適宜な有機溶媒を用いることが好ましい。
使用し得る溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶媒の他、ベンゼン、トルエン、ジオキサン等を単独または前記アルコール系溶媒と併用して使用することもできる。
【0015】
前記の溶媒としては、反応系内の水と共沸するものが好ましく、共沸点が90℃以上のものがより好ましい。共沸点が90℃より低い溶媒、例えばメタノールやエタノールを使用した場合には、反応液中に生成するオリゴマー分が多くなり、反応液の粘度が上昇し、生成物を取り出し難くなる等の難点がある。
また、沸点が130℃を超える溶媒を使用した場合には、溶媒を反応液から留去し難く、溶媒の留去に要する温度が高温となり、また、溶媒の留去に要する時間が長時間となる。
これらの観点から、反応に用いる溶媒としては、n−ブタノールが好適である。
【0016】
本発明に使用するワニスは、前記ベンゾオキサジン化合物を有機溶剤に溶解させて調製することができる。代表的な有機溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジオキサン等が挙げられ、これらから選ばれる1種または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記の有機溶剤を使用して調製したワニスに含まれるベンゾオキサジン化合物の濃度は、50〜80重量%が好ましい。
【0017】
前記のワニスを繊維基材に塗布または含浸させ、乾燥機中で80〜200℃の範囲で3〜10分間程度乾燥することにより、半硬化状態(Bステージ状態)のプリプレグとすることができる。
【0018】
繊維基材としては、ガラスクロス、ガラスペーパー、ガラスマット等のガラス繊維基材、有機系のアラミド繊維、カーボン繊維、ポリエステル繊維等やアラミド、芳香族ポリエステル不織布、または紙等が挙げられる。
【0019】
前記のプリプレグを所要枚数重ねて、金属箔と共に150〜200℃、1.0〜8.0MPa程度の範囲で加熱加圧して金属箔張積層板とすることができる。この場合の金属箔としては、銅、アルミニウム、ステンレス等の適宜なものが使用される。
得られた積層板は、ドリルによって穴あけを行い、スルーホールメッキ処理を経て、パターニングを行い、プリント配線板とすることができる。
また、金属箔張積層板を回路形成した内層基材と、金属箔の間に、プリプレグを所定枚数配し、加熱加圧して多層プリント配線板とすることもできる。
【0020】
上記以外の方法として、ワニスをキャリアフィルムに塗布した後、60〜150℃の範囲で溶剤を除去し、熱硬化させて、絶縁樹脂シートを作成し、該樹脂シートを、回路加工した両面配線板の両面に配して積層し、その後、加熱、加圧することにより、多層プリント配線板を製造することも可能である。
なお、ワニスをキャリアフィルムに塗布する方法は、特に限定されない。また、キャリアフィルムとは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)等の乾燥温度に耐える有機フィルムや銅箔であり、それらを単独で、又は組み合わせて用いることができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
〔実施例1〕
環流器および攪拌機を備えたフラスコに、4,4´−ジアミノジフェニルメタン99g(0.50モル)、フェノール94g(1.00モル)及び溶媒としてn−ブタノール120mlを入れ、攪拌を行いながら液温を60℃まで上昇させ均一な溶液とした。次いで、50%ホルマリン溶液128g(2.00モル)を5分間かけて滴下し、その後反応液の温度を上昇させ2.5時間に渡って、常圧環流を行いながら反応を継続した(反応温度91℃)。
その後、ディーンスターク冷却器を用いて系内の水を除去しながら、更に反応液の温度が110℃になるまで環流を継続した。引き続き、溶媒を減圧留去して、生成物であるベンゾオキサジン化合物を219g(0.51モル)得た(収率101%)。
なお、ゲルパーミッションクロマトグラフィーから求めたベンゾオキサジン化合物中に含まれるモノマー分は約60%であった。
【0023】
〔実施例2〕
実施例1で得られたベンゾオキサジン化合物120gを、メチルエチルケトン80gに溶解させ、濃度60%のワニスを調製した。該ワニスを、厚さ0.2mm、重量210g/m2のガラス布に、成型厚さ0.2mm(樹脂分50%)になるように塗布し、続いて100℃で10分間乾燥し、プリプレグを作成した。
このプリプレグを8枚重ね、180℃、3MPaで2時間加熱した後、200℃、3Mpaで3時間加熱加圧して、厚さ1.5mmの積層板を作成した。
この積層板について、ULサブジェクト94(アンダーライター・ラボラトリーズインコーポレーテッド)の「機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験」に規定された垂直燃焼試験に準拠して難燃性を評価したところ、V−0の難燃性を示した。
【0024】
【発明の効果】
本発明のベンゾオキサジン化合物は、溶媒としてn−ブタノールを使用して、90℃以上の反応温度で生成させたものであるので、優れた難燃性を有する。即ち、難燃剤を使用せず、このベンゾキサジン化合物のみから調製したワニスを使用して作成した積層板は、UL−94/V−0の難燃性を有するものである。
Claims (4)
- 4,4´−ジアミノジフェニルメタン、ホルマリン及びフェノールを、n−ブタノールを溶媒とし、90℃以上の温度で反応させたことを特徴とするベンゾオキサジン化合物。
- 請求項1記載のベンジオキサジン化合物を含有するワニスを含浸乾燥させたことを特徴とするプリプレグ。
- 請求項2記載のプリプレグを加熱加圧成形したものであって、UL−94難燃試験においてV−0レベルの難燃性を有することを特徴とする積層板。
- 請求項3記載の積層板を用いて作成したことを特徴とするプリント配線板。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003153449A JP2004352670A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | ベンゾオキサジン化合物、プリプレグ、積層板及びプリント配線板 |
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JP2003153449A JP2004352670A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | ベンゾオキサジン化合物、プリプレグ、積層板及びプリント配線板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004352670A true JP2004352670A (ja) | 2004-12-16 |
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ID=34048402
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JP2003153449A Pending JP2004352670A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | ベンゾオキサジン化合物、プリプレグ、積層板及びプリント配線板 |
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