JP2004331859A - 樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】分散性、加工性に優れる比重4以上の樹脂組成物及びこれを用いて成る比重2以上の成形品を提供すること。
【解決手段】熱可塑性樹脂(A)5〜40重量%と、平均粒子径10μm以下かつ比重4以上の無機金属または無機金属酸化物60〜95重量%からなる樹脂組成物。また、熱可塑性樹脂(A)がポリ乳酸、ポリカプロラクトン、脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールを主原料として得られる樹脂、微生物または植物より合成されたポリエステル樹脂、澱粉、変性澱粉からなる群から選択される少なくとも1種の微生物崩壊性樹脂である樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】熱可塑性樹脂(A)5〜40重量%と、平均粒子径10μm以下かつ比重4以上の無機金属または無機金属酸化物60〜95重量%からなる樹脂組成物。また、熱可塑性樹脂(A)がポリ乳酸、ポリカプロラクトン、脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールを主原料として得られる樹脂、微生物または植物より合成されたポリエステル樹脂、澱粉、変性澱粉からなる群から選択される少なくとも1種の微生物崩壊性樹脂である樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高比重である樹脂組成物及びその成形品に関する。更に詳しくは、柔軟性及び溶融流動性に優れる、樹脂組成物及びこれを用いて成る比重2以上の成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂は、耐蝕性に優れ、比較的安価で軽量、良好な加工性を有している事から、今日では機械部品、精密部品、電気・電子機器部品、日用雑貨類、工業部品、繊維など、その用途展開は多岐に渡っている。
【0003】
しかしながら、高比重を必要とする用途への展開においては、熱可塑性樹脂の大きな特徴の一つである軽量という特性を補うべく、特許文献1に開示されているように高比重の芯層と低比重の鞘層を製造した後に両者複合させる方法を用いていた。
【0004】
ところで、近年、従来の熱可塑性樹脂の特徴であった耐蝕性に優れる特性に対し、微生物によって最終的に水と二酸化炭素に分解される微生物崩壊性樹脂が広く市場に展開されてきている。微生物崩壊性樹脂は、自然界に廃棄されても自然界の微生物により最終的に水と二酸化炭素にまで分解される事から、従来の人工的に化学合成された高分子樹脂に対し、循環型の素材である。この特性は環境負荷軽減の観点から非常に意義のある特性でありその需要は今後益々の増加が見込まれている。
【0005】
非石化資源を原料とする代表的な樹脂であるポリ乳酸は、優れた透明性や加工性でフィルムや繊維等でその用途を拡大している。また、石化資源を原料とする代表的な樹脂であるポリカプロラクトンや脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールを主原料として得られるポリエステル樹脂は、柔軟性が重要となる用途に展開が図られている。一方、加工特性に優れ、成形品に加工された後も柔軟性を有し、廃棄されても環境負荷の少ない高比重材は未だ提案されていない。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−139301号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、加工特性に優れた高比重樹脂組成物、更に廃棄されても環境負荷の少ない高比重樹脂組成物を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記した様な課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到ったものである。即ち、本発明の第1の発明は、熱可塑性樹脂(A)5〜40重量%と、平均粒子径10μm以下かつ比重4以上の無機金属または無機金属酸化物60〜95重量%からなる樹脂組成物である。
【0009】
第2の発明は、熱可塑性樹脂(A)がポリ乳酸、ポリカプロラクトン、脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールを主原料として得られる樹脂、微生物または植物より合成されたポリエステル樹脂、澱粉、変性澱粉からなる群から選択される少なくとも1種の微生物崩壊性樹脂である第1の発明に記載の樹脂組成物である。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明に記載の樹脂組成物100重量部に脂肪酸アミド化合物または脂肪酸エステル化合物を0.1〜10重量部配合する樹脂組成物である。
【0011】
第4の発明は、第1〜第3の発明いずれかに記載の樹脂組成物からなる比重2以上の成形品である。
【0012】
第5の発明は、第1〜第3の発明いずれかに記載の樹脂組成物と熱可塑性樹脂(B)からなる比重2以上の成形品である。
【0013】
第6の発明は、熱可塑性樹脂(B)がポリ乳酸、ポリカプロラクトン、脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールを主原料として得られる樹脂、微生物または植物より合成されたポリエステル樹脂、多糖類、澱粉、変性澱粉からなる群から選択される少なくとも1種の微生物崩壊性樹脂である第5の発明に記載の成形品である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に就き詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物で用いられる熱可塑性樹脂(A)としては、ジオールとジカルボン酸から縮重合によって得られる熱可塑性ポリエステル樹脂のうち、JIS K−6950、JIS K−6951、JIS K−6953の何れかの試験により60%以上の生分解度を持つ樹脂が挙げられる。
【0015】
ジオールとしてはエチレングリコール、トリメリレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、また、ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。
【0016】
具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等を使用することができる。
【0017】
これらのポリエステル樹脂はホモポリエステルでもコポリエステルでもよく、共重合成分としては、例えばジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のグリコール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分を用いることができる。
【0018】
また、本発明の樹脂組成物において用いられる熱可塑性樹脂(A)として、微生物崩壊性樹脂も挙げられる。具体的にはポリ乳酸、ポリカプロラクトン、または脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールを原料として得られる脂肪族ポリエステル系樹脂の他、芳香族ポリエステル、微生物または植物より合成されたポリエステル樹脂、澱粉、変性澱粉等が挙げられる。
【0019】
澱粉または澱粉の変性物としては、とうもろこし、米、芋、馬鈴薯、麦等から得られる澱粉、またはその澱粉に天然油脂等を共重合させたもの、あるいは澱粉を主成分としてラクトース、グルコース等の糖類、糖蜜、カゼイン等の微生物の摂取し好適な有機物質で修飾されたものが挙げられる。
【0020】
具体的には、市販または試作されている微生物崩壊性樹脂が挙げられる。例えば昭和高分子社製や日本触媒社製のポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、三井化学社製、カーギル社製や島津製作所社製のポリ乳酸、ダイセル化学社製のポリカプロラクトン、モンサント社製のポリ(3−ヒドロキシ酪酸−CO−3−ヒドロキシ吉草酸)(P(3HB−3HV))やポリ(3−ヒドロキシ酪酸−CO−4−ヒドロキシ酪酸)(P(3HB−4HB))やポリ(3−ヒドロキシ酪酸−CO−3−ヒドロキシプロピオネート)(P(3HB−3HP))、三菱ガス化学社製のユーペック(ポリエステルポリカーボネート)、日本コーンポール社製変性澱粉樹脂等が挙げられる。
【0021】
熱可塑性樹脂(A)は、上記樹脂や前述の熱可塑性ポリエステル樹脂を1種、または2種以上混合したものが用いられる。
【0022】
本発明の樹脂組成物で用いられる無機金属または無機金属酸化物は比重4以上である。具体的にはクロム、銅、錫、亜鉛、タングステン、クロムと鉄からなるステンレス、クロムとニッケルと鉄からなるステンレス、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化鉄、三酸化アンチモン、チタン酸バリウムやチタン酸ストロンチウム等の金属酸化物、チタン、アンチモン、クロムからなる複合酸化物、鉄、亜鉛、クロムからなる複合酸化物、銅、クロム、マンガンからなる複合酸化物、銅、クロムからなる複合酸化物、コバルト、アルミクロムからなる複合酸化物、チタン、ニッケル、コバルト、亜鉛からなる複合酸化物等が挙げられる。これらは1種、または2種以上組み合わせて用いることができる。環境へ廃棄された時の影響を考慮すると二酸化チタンまたは酸化鉄が特に好ましい。
【0023】
上記無機金属または無機金属酸化物の平均粒子径は10μm以下である。好ましくは5μm以下、より好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.7μm〜0.2μmの範囲である。平均粒子径が大きいと成形性を損ねるので本発明では使用されない。平均粒子径が0.2μm未満の場合は良好な分散性が得られない場合がある。
【0024】
本発明の樹脂組成物において、熱可塑性樹脂(A)は5〜40重量%、平均粒子径10μm以下かつ比重4以上の無機金属または無機金属酸化物は60〜95重量%である。
無機金属または無機金属酸化物の配合量が上記範囲外では、成形品としたときに高比重が得られないおそれや、または樹脂組成物の溶融流動性が悪く無機金属または無機金属酸化物の分散性不良や成形性不良のおそれがある。
【0025】
本発明の樹脂組成物において用いられる脂肪酸アミド化合物としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。また、脂肪酸エステル化合物としては水添ひまし油、モノグリセリド、1.2−ジグリセリド、トリグリセリド、ポリグリセリンエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル社製変性澱粉樹脂等が挙げられる。これらは1種、または2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0026】
本発明の樹脂組成物100重量部に対し、脂肪酸アミド化合物または脂肪酸エステル化合物を0.1〜10重量部配合することが好ましい。
【0027】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて添加剤等を加えることが出来る。添加剤の例として、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、難燃剤等通常プラスチックの加工の際に常用されている添加剤を用いることができる。着色剤の種類に特に制限はないが、例えばカーボンブラック、フタロシアニン、アゾ、ジスアゾ、キナクリドン、アントラキノン、フラバントロン、ペリレン、ジオキサジン、縮合アゾ、アゾメチン、又はメチン系等の各種有機顔料等が挙げられる。また、所望する色相とする為に比重4以下のコバルトとアルミニウムの複合酸化物無機顔料を用いることができる。
【0028】
これらの添加剤は、本発明の樹脂組成物を製造する際に、粉末のまま又はコンパウンドやマスターバッチの形態で添加することができる。また、本発明の成形品製造の際に添加しても良い。
【0029】
本発明の樹脂組成物は、エクストルーダー、ニーダー、ロールミル、バンバリミキサー等の混練機を用いて均一に混合、ペレット化することにより得られる。本発明の樹脂組成物は成形品と同じ組成であり、成形品の製造の際にそのままの組成で成形されるコンパウンドでも良いし、または無機金属または無機金属酸化物成分が比較的高濃度であり、成形品製造の際に成形樹脂で希釈されるマスターバッチでも良い。
【0030】
また、本発明の樹脂組成物は高い比重を特徴としているので、コンパウンドの場合はそれ自体の比重が4以上であることが必要である。また、マスターバッチの場合は、それ自体の比重が4以上であり、成形品としたときの比重が2以上であることが必要である。尚、本発明における比重とは、水中置換法で測定した値である。
【0031】
本発明の樹脂組成物がマスターバッチの場合は、成形品製造の際に成形樹脂として熱可塑性樹脂(B)が用いられる、熱可塑性樹脂(B)は熱可塑性樹脂(A)と相溶性がある樹脂であることが必要であり、熱可塑性樹脂(A)と同じ樹脂でも良い。
【0032】
本発明の成形品は、その成形品の形態に応じて射出成形、押し出し成形、中空成形、回転成形、粉末成形、真空成形等それ自体公知の方法で成形される。
本発明の成形品としては機械部品、精密部品、電気・電子機器部品、日用雑貨類、工業部品、繊維、容器、キャップ、フィルム、テープ、糸等が挙げられる。これらは積層構造を有していても良い。更に具体的には導電加熱接着性テープや、指針、バランサーウェイト、玩具用弾、釣り糸、魚網等の高比重の特徴を生かした成形品が挙げられる。
【0033】
【実施例】
次に、実施例に依って本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。以下、%は重量%、部は重量部とする。比重は水中置換法で測定した。各実施例、比較例の配合条件、評価等は表1に示す。
【0034】
[実施例1]
ポリ乳酸(三井化学社製 レイシア)25%、タングステンメタルパウダー(KOREA TUNGSTEN製、比重19.14、平均粒径 約8μm)75%を予めブレンドした後、押出機にて混練造粒し、ペレット状の樹脂組成物を得た。
その後、得られた樹脂組成物を用い射出成形にて平均比重4.23のプレートを得た。プレートの表面は平滑で外観も良好であった。
また、樹脂組成物を用い、エクストルーダー型紡糸装置にて径が約1.6mmの糸を得た。
【0035】
ペレット加工性、プレート加工性、紡糸加工性について以下の基準で評価を行った。
◎:極めて良好
○:良好
△:加工困難
×:加工不可能
【0036】
[実施例2]
微生物崩壊性樹脂ポリブチレンアジペート/テレフタレート樹脂(BASF社製 エコフレックス)25%、タングステンメタルパウダー(KOREA TUNGSTEN製、 平均粒径 約8μm)75%を予めブレンドした後、押出機にて混練造粒し、ペレット状の樹脂組成物を得た。
その後、樹脂組成物を用い実施例1と同様にしてプレート(平均比重4.23)を得た。プレートの表面は平滑で外観も良好であった。
また、樹脂組成物を用いて実施例と同様に未延伸の糸を製造した。
【0037】
[実施例3]
ポリブチレンサクシネート/アジペート樹脂(昭和高分子社製 ビオノ―レ3001)25%、タングステンメタルパウダー(KOREA TUNGSTEN製、 平均粒径 約8μm)75%を予めブレンドした後、押出機にて混練造粒し、ペレット状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用い実施例1と同様にしてプレート(平均比重4.23)を得た。プレートの表面は平滑で外観も良好であった。
また、樹脂組成物を用いて実施例と同様に未延伸の糸を製造した。
【0038】
[実施例4]
ポリ乳酸(三井化学社製 レイシア)35%、二酸化チタン(石原産業製、比重4.2、平均粒径 約0.25μm)65%を予めブレンドした後、押出機にて混練造粒し、ペレット状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用い実施例1と同様にしてプレート(平均比重2.31)を得た。プレートの表面は平滑で外観も良好であった。
また、樹脂組成物を用いて実施例と同様に未延伸の糸を製造した。糸はしなやかで外観良好であった。
【0039】
[実施例5]
ポリブチレンアジペート/テレフタレート樹脂(BASF社製 エコフレックス)25%、二酸化チタン(石原産業製、 平均粒径 約0.25μm)75%を予めブレンドした後、押出機にて混練造粒し、ペレット状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用い実施例1と同様にしてプレート(平均比重2.66)を得た。プレートの表面は平滑で外観も良好であった。
また、樹脂組成物を用いて実施例と同様に未延伸の糸を製造した。糸はしなやかで外観良好であった。糸はしなやかで容易に屈曲でき、外観も良好であった。
【0040】
[実施例6]
ポリブチレンサクシネート/アジペート樹脂(昭和高分子社製 ビオノ―レ3001)30%、二酸化チタン(石原産業製、 平均粒径 約0.25μm)70%を予めブレンドした後、押出機にて混練造粒し、ペレット状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用い実施例1と同様にしてプレート(平均比重2.47)を得た。プレートの表面は平滑で外観も良好であった。
また、樹脂組成物を用いて実施例と同様に未延伸の糸を製造した。糸はしなやかで外観良好であった。糸はしなやかで容易に屈曲でき、外観も良好であった。
【0041】
[実施例7]
ポリ乳酸(三井化学社製 レイシア)25%、タングステンメタルパウダー(KOREA TUNGSTEN製、 平均粒径 約8μm)75%を予めブレンドした後、ブレンド物100部に対して、エチレンビスステアリン酸アミド(ライオン社製アーモワックスEBS−P)を0.5部加えた後、押出機にて混練造粒しペレット状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用い実施例1と同様にしてプレート(平均比重4.22)を得た。プレートの表面は平滑で外観も非常に良好であった。
また、樹脂組成物を用いて実施例と同様に未延伸の糸を製造した。糸はしなやかで非常に外観良好であった。
【0042】
[実施例8]
ポリ乳酸(三井化学社製 レイシア)25%、タングステンメタルパウダー(KOREA TUNGSTEN製、 平均粒径 約8μm)75%を予めブレンドした後、ブレンド物100部に対して、水添ひまし油(川研ファインケミカル社製 K−3ワックス)を0.5部加えた後、押出機にて混練造粒しペレット状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用い実施例1と同様にしてプレート(平均比重4.22)を得た。プレートの表面は平滑で外観も非常に良好であった。
また、樹脂組成物を用いて実施例と同様に未延伸の糸を製造した。糸はしなやかで非常に外観良好であった。
【0043】
[実施例9]
ポリ乳酸(三井化学社製 レイシア)25%、タングステンメタルパウダー(KOREA TUNGSTEN製、 平均粒径 約8μm)75%を予めブレンドした後、押出機にて混練造粒し、ペレット状の樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。
樹脂組成物60部と、上記と同じポリ乳酸(三井化学社製 レイシア)40部を配合して、実施例1と同様にしてプレート(平均比重2.18)を得た。プレートの表面は平滑で外観も良好であった。
また、得られた樹脂組成物を用いて実施例と同様に未延伸の糸を製造した。
【0044】
[比較例1]
ポリ乳酸(三井化学社製 レイシア)25%、タングステンメタルパウダー(KOREA TUNGSTEN製、比重19.14、平均粒径 約25μm)75%を予めブレンドした後、押出機にて混練造粒を試みたが、加工性が著しく不良でペレット化できなかった。
【0045】
[比較例2]
ポリ乳酸(三井化学社製 レイシア)60%、二酸化チタン(石原産業製、 平均粒径 約0.25μm)40%を予めブレンドした後、押出機にて混練造粒し、ペレット状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用い実施例1と同様にしてプレート(平均比重1.75)を得た。プレートの表面は平滑で外観も良好であった。
また、得られた樹脂組成物を用いて実施例と同様に未延伸の糸を製造した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
表1から明らかなように、本発明の樹脂組成物は、無機金属または無機金属酸化物の配合量が高く、熱可塑性樹脂(A)の配合量が低いにも関わらず、脂肪酸アミド化合物または脂肪酸エステル化合物を配合すると、樹脂組成物中に無機金属または無機金属酸化物が特に良好に均一分散されるので、樹脂組成物自体の成形性や、これを用いて得られる成形品の成形性が良好になる。
そして、本発明の樹脂組成物は比重が4以上であるため、比重が2以上の高比重を特性とした樹脂成形品を得ることができる。また、本発明の樹脂組成物は、高度な分散が必要とされる紡糸が可能である。
【0048】
本発明により得られる高比重樹脂組成物は環境に与える負荷が少なく、また成形性が良好であり、自然界に廃棄あるいは放置される可能性のある用途にも積極的に展開を図ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は高比重である樹脂組成物及びその成形品に関する。更に詳しくは、柔軟性及び溶融流動性に優れる、樹脂組成物及びこれを用いて成る比重2以上の成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂は、耐蝕性に優れ、比較的安価で軽量、良好な加工性を有している事から、今日では機械部品、精密部品、電気・電子機器部品、日用雑貨類、工業部品、繊維など、その用途展開は多岐に渡っている。
【0003】
しかしながら、高比重を必要とする用途への展開においては、熱可塑性樹脂の大きな特徴の一つである軽量という特性を補うべく、特許文献1に開示されているように高比重の芯層と低比重の鞘層を製造した後に両者複合させる方法を用いていた。
【0004】
ところで、近年、従来の熱可塑性樹脂の特徴であった耐蝕性に優れる特性に対し、微生物によって最終的に水と二酸化炭素に分解される微生物崩壊性樹脂が広く市場に展開されてきている。微生物崩壊性樹脂は、自然界に廃棄されても自然界の微生物により最終的に水と二酸化炭素にまで分解される事から、従来の人工的に化学合成された高分子樹脂に対し、循環型の素材である。この特性は環境負荷軽減の観点から非常に意義のある特性でありその需要は今後益々の増加が見込まれている。
【0005】
非石化資源を原料とする代表的な樹脂であるポリ乳酸は、優れた透明性や加工性でフィルムや繊維等でその用途を拡大している。また、石化資源を原料とする代表的な樹脂であるポリカプロラクトンや脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールを主原料として得られるポリエステル樹脂は、柔軟性が重要となる用途に展開が図られている。一方、加工特性に優れ、成形品に加工された後も柔軟性を有し、廃棄されても環境負荷の少ない高比重材は未だ提案されていない。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−139301号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、加工特性に優れた高比重樹脂組成物、更に廃棄されても環境負荷の少ない高比重樹脂組成物を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記した様な課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到ったものである。即ち、本発明の第1の発明は、熱可塑性樹脂(A)5〜40重量%と、平均粒子径10μm以下かつ比重4以上の無機金属または無機金属酸化物60〜95重量%からなる樹脂組成物である。
【0009】
第2の発明は、熱可塑性樹脂(A)がポリ乳酸、ポリカプロラクトン、脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールを主原料として得られる樹脂、微生物または植物より合成されたポリエステル樹脂、澱粉、変性澱粉からなる群から選択される少なくとも1種の微生物崩壊性樹脂である第1の発明に記載の樹脂組成物である。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明に記載の樹脂組成物100重量部に脂肪酸アミド化合物または脂肪酸エステル化合物を0.1〜10重量部配合する樹脂組成物である。
【0011】
第4の発明は、第1〜第3の発明いずれかに記載の樹脂組成物からなる比重2以上の成形品である。
【0012】
第5の発明は、第1〜第3の発明いずれかに記載の樹脂組成物と熱可塑性樹脂(B)からなる比重2以上の成形品である。
【0013】
第6の発明は、熱可塑性樹脂(B)がポリ乳酸、ポリカプロラクトン、脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールを主原料として得られる樹脂、微生物または植物より合成されたポリエステル樹脂、多糖類、澱粉、変性澱粉からなる群から選択される少なくとも1種の微生物崩壊性樹脂である第5の発明に記載の成形品である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に就き詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物で用いられる熱可塑性樹脂(A)としては、ジオールとジカルボン酸から縮重合によって得られる熱可塑性ポリエステル樹脂のうち、JIS K−6950、JIS K−6951、JIS K−6953の何れかの試験により60%以上の生分解度を持つ樹脂が挙げられる。
【0015】
ジオールとしてはエチレングリコール、トリメリレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、また、ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。
【0016】
具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等を使用することができる。
【0017】
これらのポリエステル樹脂はホモポリエステルでもコポリエステルでもよく、共重合成分としては、例えばジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のグリコール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分を用いることができる。
【0018】
また、本発明の樹脂組成物において用いられる熱可塑性樹脂(A)として、微生物崩壊性樹脂も挙げられる。具体的にはポリ乳酸、ポリカプロラクトン、または脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールを原料として得られる脂肪族ポリエステル系樹脂の他、芳香族ポリエステル、微生物または植物より合成されたポリエステル樹脂、澱粉、変性澱粉等が挙げられる。
【0019】
澱粉または澱粉の変性物としては、とうもろこし、米、芋、馬鈴薯、麦等から得られる澱粉、またはその澱粉に天然油脂等を共重合させたもの、あるいは澱粉を主成分としてラクトース、グルコース等の糖類、糖蜜、カゼイン等の微生物の摂取し好適な有機物質で修飾されたものが挙げられる。
【0020】
具体的には、市販または試作されている微生物崩壊性樹脂が挙げられる。例えば昭和高分子社製や日本触媒社製のポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、三井化学社製、カーギル社製や島津製作所社製のポリ乳酸、ダイセル化学社製のポリカプロラクトン、モンサント社製のポリ(3−ヒドロキシ酪酸−CO−3−ヒドロキシ吉草酸)(P(3HB−3HV))やポリ(3−ヒドロキシ酪酸−CO−4−ヒドロキシ酪酸)(P(3HB−4HB))やポリ(3−ヒドロキシ酪酸−CO−3−ヒドロキシプロピオネート)(P(3HB−3HP))、三菱ガス化学社製のユーペック(ポリエステルポリカーボネート)、日本コーンポール社製変性澱粉樹脂等が挙げられる。
【0021】
熱可塑性樹脂(A)は、上記樹脂や前述の熱可塑性ポリエステル樹脂を1種、または2種以上混合したものが用いられる。
【0022】
本発明の樹脂組成物で用いられる無機金属または無機金属酸化物は比重4以上である。具体的にはクロム、銅、錫、亜鉛、タングステン、クロムと鉄からなるステンレス、クロムとニッケルと鉄からなるステンレス、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化鉄、三酸化アンチモン、チタン酸バリウムやチタン酸ストロンチウム等の金属酸化物、チタン、アンチモン、クロムからなる複合酸化物、鉄、亜鉛、クロムからなる複合酸化物、銅、クロム、マンガンからなる複合酸化物、銅、クロムからなる複合酸化物、コバルト、アルミクロムからなる複合酸化物、チタン、ニッケル、コバルト、亜鉛からなる複合酸化物等が挙げられる。これらは1種、または2種以上組み合わせて用いることができる。環境へ廃棄された時の影響を考慮すると二酸化チタンまたは酸化鉄が特に好ましい。
【0023】
上記無機金属または無機金属酸化物の平均粒子径は10μm以下である。好ましくは5μm以下、より好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.7μm〜0.2μmの範囲である。平均粒子径が大きいと成形性を損ねるので本発明では使用されない。平均粒子径が0.2μm未満の場合は良好な分散性が得られない場合がある。
【0024】
本発明の樹脂組成物において、熱可塑性樹脂(A)は5〜40重量%、平均粒子径10μm以下かつ比重4以上の無機金属または無機金属酸化物は60〜95重量%である。
無機金属または無機金属酸化物の配合量が上記範囲外では、成形品としたときに高比重が得られないおそれや、または樹脂組成物の溶融流動性が悪く無機金属または無機金属酸化物の分散性不良や成形性不良のおそれがある。
【0025】
本発明の樹脂組成物において用いられる脂肪酸アミド化合物としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。また、脂肪酸エステル化合物としては水添ひまし油、モノグリセリド、1.2−ジグリセリド、トリグリセリド、ポリグリセリンエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル社製変性澱粉樹脂等が挙げられる。これらは1種、または2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0026】
本発明の樹脂組成物100重量部に対し、脂肪酸アミド化合物または脂肪酸エステル化合物を0.1〜10重量部配合することが好ましい。
【0027】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて添加剤等を加えることが出来る。添加剤の例として、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、難燃剤等通常プラスチックの加工の際に常用されている添加剤を用いることができる。着色剤の種類に特に制限はないが、例えばカーボンブラック、フタロシアニン、アゾ、ジスアゾ、キナクリドン、アントラキノン、フラバントロン、ペリレン、ジオキサジン、縮合アゾ、アゾメチン、又はメチン系等の各種有機顔料等が挙げられる。また、所望する色相とする為に比重4以下のコバルトとアルミニウムの複合酸化物無機顔料を用いることができる。
【0028】
これらの添加剤は、本発明の樹脂組成物を製造する際に、粉末のまま又はコンパウンドやマスターバッチの形態で添加することができる。また、本発明の成形品製造の際に添加しても良い。
【0029】
本発明の樹脂組成物は、エクストルーダー、ニーダー、ロールミル、バンバリミキサー等の混練機を用いて均一に混合、ペレット化することにより得られる。本発明の樹脂組成物は成形品と同じ組成であり、成形品の製造の際にそのままの組成で成形されるコンパウンドでも良いし、または無機金属または無機金属酸化物成分が比較的高濃度であり、成形品製造の際に成形樹脂で希釈されるマスターバッチでも良い。
【0030】
また、本発明の樹脂組成物は高い比重を特徴としているので、コンパウンドの場合はそれ自体の比重が4以上であることが必要である。また、マスターバッチの場合は、それ自体の比重が4以上であり、成形品としたときの比重が2以上であることが必要である。尚、本発明における比重とは、水中置換法で測定した値である。
【0031】
本発明の樹脂組成物がマスターバッチの場合は、成形品製造の際に成形樹脂として熱可塑性樹脂(B)が用いられる、熱可塑性樹脂(B)は熱可塑性樹脂(A)と相溶性がある樹脂であることが必要であり、熱可塑性樹脂(A)と同じ樹脂でも良い。
【0032】
本発明の成形品は、その成形品の形態に応じて射出成形、押し出し成形、中空成形、回転成形、粉末成形、真空成形等それ自体公知の方法で成形される。
本発明の成形品としては機械部品、精密部品、電気・電子機器部品、日用雑貨類、工業部品、繊維、容器、キャップ、フィルム、テープ、糸等が挙げられる。これらは積層構造を有していても良い。更に具体的には導電加熱接着性テープや、指針、バランサーウェイト、玩具用弾、釣り糸、魚網等の高比重の特徴を生かした成形品が挙げられる。
【0033】
【実施例】
次に、実施例に依って本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。以下、%は重量%、部は重量部とする。比重は水中置換法で測定した。各実施例、比較例の配合条件、評価等は表1に示す。
【0034】
[実施例1]
ポリ乳酸(三井化学社製 レイシア)25%、タングステンメタルパウダー(KOREA TUNGSTEN製、比重19.14、平均粒径 約8μm)75%を予めブレンドした後、押出機にて混練造粒し、ペレット状の樹脂組成物を得た。
その後、得られた樹脂組成物を用い射出成形にて平均比重4.23のプレートを得た。プレートの表面は平滑で外観も良好であった。
また、樹脂組成物を用い、エクストルーダー型紡糸装置にて径が約1.6mmの糸を得た。
【0035】
ペレット加工性、プレート加工性、紡糸加工性について以下の基準で評価を行った。
◎:極めて良好
○:良好
△:加工困難
×:加工不可能
【0036】
[実施例2]
微生物崩壊性樹脂ポリブチレンアジペート/テレフタレート樹脂(BASF社製 エコフレックス)25%、タングステンメタルパウダー(KOREA TUNGSTEN製、 平均粒径 約8μm)75%を予めブレンドした後、押出機にて混練造粒し、ペレット状の樹脂組成物を得た。
その後、樹脂組成物を用い実施例1と同様にしてプレート(平均比重4.23)を得た。プレートの表面は平滑で外観も良好であった。
また、樹脂組成物を用いて実施例と同様に未延伸の糸を製造した。
【0037】
[実施例3]
ポリブチレンサクシネート/アジペート樹脂(昭和高分子社製 ビオノ―レ3001)25%、タングステンメタルパウダー(KOREA TUNGSTEN製、 平均粒径 約8μm)75%を予めブレンドした後、押出機にて混練造粒し、ペレット状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用い実施例1と同様にしてプレート(平均比重4.23)を得た。プレートの表面は平滑で外観も良好であった。
また、樹脂組成物を用いて実施例と同様に未延伸の糸を製造した。
【0038】
[実施例4]
ポリ乳酸(三井化学社製 レイシア)35%、二酸化チタン(石原産業製、比重4.2、平均粒径 約0.25μm)65%を予めブレンドした後、押出機にて混練造粒し、ペレット状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用い実施例1と同様にしてプレート(平均比重2.31)を得た。プレートの表面は平滑で外観も良好であった。
また、樹脂組成物を用いて実施例と同様に未延伸の糸を製造した。糸はしなやかで外観良好であった。
【0039】
[実施例5]
ポリブチレンアジペート/テレフタレート樹脂(BASF社製 エコフレックス)25%、二酸化チタン(石原産業製、 平均粒径 約0.25μm)75%を予めブレンドした後、押出機にて混練造粒し、ペレット状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用い実施例1と同様にしてプレート(平均比重2.66)を得た。プレートの表面は平滑で外観も良好であった。
また、樹脂組成物を用いて実施例と同様に未延伸の糸を製造した。糸はしなやかで外観良好であった。糸はしなやかで容易に屈曲でき、外観も良好であった。
【0040】
[実施例6]
ポリブチレンサクシネート/アジペート樹脂(昭和高分子社製 ビオノ―レ3001)30%、二酸化チタン(石原産業製、 平均粒径 約0.25μm)70%を予めブレンドした後、押出機にて混練造粒し、ペレット状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用い実施例1と同様にしてプレート(平均比重2.47)を得た。プレートの表面は平滑で外観も良好であった。
また、樹脂組成物を用いて実施例と同様に未延伸の糸を製造した。糸はしなやかで外観良好であった。糸はしなやかで容易に屈曲でき、外観も良好であった。
【0041】
[実施例7]
ポリ乳酸(三井化学社製 レイシア)25%、タングステンメタルパウダー(KOREA TUNGSTEN製、 平均粒径 約8μm)75%を予めブレンドした後、ブレンド物100部に対して、エチレンビスステアリン酸アミド(ライオン社製アーモワックスEBS−P)を0.5部加えた後、押出機にて混練造粒しペレット状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用い実施例1と同様にしてプレート(平均比重4.22)を得た。プレートの表面は平滑で外観も非常に良好であった。
また、樹脂組成物を用いて実施例と同様に未延伸の糸を製造した。糸はしなやかで非常に外観良好であった。
【0042】
[実施例8]
ポリ乳酸(三井化学社製 レイシア)25%、タングステンメタルパウダー(KOREA TUNGSTEN製、 平均粒径 約8μm)75%を予めブレンドした後、ブレンド物100部に対して、水添ひまし油(川研ファインケミカル社製 K−3ワックス)を0.5部加えた後、押出機にて混練造粒しペレット状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用い実施例1と同様にしてプレート(平均比重4.22)を得た。プレートの表面は平滑で外観も非常に良好であった。
また、樹脂組成物を用いて実施例と同様に未延伸の糸を製造した。糸はしなやかで非常に外観良好であった。
【0043】
[実施例9]
ポリ乳酸(三井化学社製 レイシア)25%、タングステンメタルパウダー(KOREA TUNGSTEN製、 平均粒径 約8μm)75%を予めブレンドした後、押出機にて混練造粒し、ペレット状の樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。
樹脂組成物60部と、上記と同じポリ乳酸(三井化学社製 レイシア)40部を配合して、実施例1と同様にしてプレート(平均比重2.18)を得た。プレートの表面は平滑で外観も良好であった。
また、得られた樹脂組成物を用いて実施例と同様に未延伸の糸を製造した。
【0044】
[比較例1]
ポリ乳酸(三井化学社製 レイシア)25%、タングステンメタルパウダー(KOREA TUNGSTEN製、比重19.14、平均粒径 約25μm)75%を予めブレンドした後、押出機にて混練造粒を試みたが、加工性が著しく不良でペレット化できなかった。
【0045】
[比較例2]
ポリ乳酸(三井化学社製 レイシア)60%、二酸化チタン(石原産業製、 平均粒径 約0.25μm)40%を予めブレンドした後、押出機にて混練造粒し、ペレット状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用い実施例1と同様にしてプレート(平均比重1.75)を得た。プレートの表面は平滑で外観も良好であった。
また、得られた樹脂組成物を用いて実施例と同様に未延伸の糸を製造した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
表1から明らかなように、本発明の樹脂組成物は、無機金属または無機金属酸化物の配合量が高く、熱可塑性樹脂(A)の配合量が低いにも関わらず、脂肪酸アミド化合物または脂肪酸エステル化合物を配合すると、樹脂組成物中に無機金属または無機金属酸化物が特に良好に均一分散されるので、樹脂組成物自体の成形性や、これを用いて得られる成形品の成形性が良好になる。
そして、本発明の樹脂組成物は比重が4以上であるため、比重が2以上の高比重を特性とした樹脂成形品を得ることができる。また、本発明の樹脂組成物は、高度な分散が必要とされる紡糸が可能である。
【0048】
本発明により得られる高比重樹脂組成物は環境に与える負荷が少なく、また成形性が良好であり、自然界に廃棄あるいは放置される可能性のある用途にも積極的に展開を図ることができる。
Claims (6)
- 熱可塑性樹脂(A)5〜40重量%と、平均粒子径10μm以下かつ比重4以上の無機金属または無機金属酸化物60〜95重量%からなる樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂(A)がポリ乳酸、ポリカプロラクトン、脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールを主原料として得られる樹脂、微生物または植物より合成されたポリエステル樹脂、澱粉、変性澱粉からなる群から選択される少なくとも1種の微生物崩壊性樹脂である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の樹脂組成物100重量部に脂肪酸アミド化合物または脂肪酸エステル化合物を0.1〜10重量部配合する樹脂組成物。
- 請求項1〜3いずれか記載の樹脂組成物からなる比重2以上の成形品。
- 請求項1〜3いずれか記載の樹脂組成物と熱可塑性樹脂(B)からなる比重2以上の成形品。
- 熱可塑性樹脂(B)がポリ乳酸、ポリカプロラクトン、脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールを主原料として得られる樹脂、微生物または植物より合成されたポリエステル樹脂、多糖類、澱粉、変性澱粉からなる群から選択される少なくとも1種の微生物崩壊性樹脂である請求項5に記載の成形品。
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JP2003131258A JP2004331859A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 樹脂組成物及び成形品 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007538133A (ja) * | 2004-05-19 | 2007-12-27 | コロツィテ ソチエタ ペル アツィオーニ | 非侵襲性組成物 |
JP2009536244A (ja) * | 2006-05-05 | 2009-10-08 | ホーランド カラーズ エヌ.ブイ. | ポリエステル物質のための酸化チタンに基づく着色用濃厚物 |
-
2003
- 2003-05-09 JP JP2003131258A patent/JP2004331859A/ja active Pending
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