JP2004318561A - 不審船舶監視システム - Google Patents
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Abstract
【課題】安価でありながら、密漁船舶等の不審船舶を確実に発見し特定できる不審船舶監視システムを提供する。
【解決手段】レーダ情報に基づき領域S1内に船舶が侵入したことを検出すると、監視センタ1は領域S1内での操業を許可された船舶2に対してID確認信号を無線送信する。このID確認信号の受信に応答して、操業を許可された船舶2ではGPS測位データを生成し、これと共に自船舶に割り当てられたIDを無線返送する。これらを受けて、監視センタ1はレーダ情報から得られた船位データ及び受信されたGPS測位データに基づき不審船舶を発見し、発見した不審船舶に関する位置情報をディスプレイ上に出力する。また、不審船舶が発見された後に、監視センタ1は領域S1内に存在する全船舶に対してポーリングをかけ、ポーリングに対する応答信号の受信結果も参照して不審船舶2′を確定する。
【選択図】 図1
【解決手段】レーダ情報に基づき領域S1内に船舶が侵入したことを検出すると、監視センタ1は領域S1内での操業を許可された船舶2に対してID確認信号を無線送信する。このID確認信号の受信に応答して、操業を許可された船舶2ではGPS測位データを生成し、これと共に自船舶に割り当てられたIDを無線返送する。これらを受けて、監視センタ1はレーダ情報から得られた船位データ及び受信されたGPS測位データに基づき不審船舶を発見し、発見した不審船舶に関する位置情報をディスプレイ上に出力する。また、不審船舶が発見された後に、監視センタ1は領域S1内に存在する全船舶に対してポーリングをかけ、ポーリングに対する応答信号の受信結果も参照して不審船舶2′を確定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、海上において予め定められた領域内に違法侵入した不審船舶を監視するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、違法に海上において予め定められた漁場に侵入してあわび漁等を行う密漁が横行している。従来、このような密漁を防止するために、主に、レーダ装置を用いて、定められた領域内を監視センタが監視するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の監視システムでは、上記領域内での操業を正規に許可された船舶と密漁船舶とを正確に識別することが容易ではなかった。例えば、密漁船舶は、比較的、小型であることを利用して、正規に許可された大型船舶に近接して侵入することが多く、そうすると、2隻の船舶の識別がつきづらく、監視センタでは密漁船舶の違法侵入を見逃してしまうことがあった。
【0004】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、安価でありながら、密漁船舶等の不審船舶を確実に発見し特定できる不審船舶監視システムを提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の不審船舶監視システムは、図1の基本構成図に示すように、海上において予め定められた領域内に違法侵入した不審船舶を監視するシステムであって、前記領域内に存在する船舶を監視する監視センタ1には、発射した電波を対象物にあてその反射波を受信して対象物を認識するレーダ装置109Aから得られるレーダ情報に基づき、前記領域内に新たに侵入してきた侵入船舶を検出する侵入船舶検出手段1Aと、前記侵入船舶の検出に応答して、前記領域内での操業を許可された船舶2に対して、そのID確認のためのID確認信号を無線送信するID確認信号送信手段1Bと、前記船舶からこの船舶に予め割り当てられたIDと共に送信されてくるGPS測位データを受信するGPS測位データ受信手段1Cと、前記レーダ情報から得られた前記領域内に存在する船舶の船位データ及び受信された前記GPS測位データに基づいて、前記不審船舶を発見する不審船舶発見手段1Dと、少なくとも、前記発見した不審船舶に関する位置情報を出力する出力手段1Eと、が装備され、前記領域内での操業を許可された船舶2には、前記ID確認信号を無線受信するID確認信号受信手段2Aと、前記ID確認信号の受信に応答して、GPS信号を利用して自船舶の現在位置を測位し、前記GPS測位データを生成するGPS測位データ生成手段2Bと、自船舶に割り当てられたIDと共に前記GPS測位データを無線送信するGPS測位データ送信手段2Cと、が装備される、ことを特徴とする。
【0006】
請求項1記載の発明によれば、レーダ情報に基づき海上における予め定められた領域内に船舶が侵入したことが検出すると、監視センタ側は、領域内での操業を許可された船舶2に対してID確認信号を無線送信する。このID確認信号の受信に応答して、操業を許可された船舶2では、GPS測位データを生成し、これと共に自船舶に割り当てられたIDを無線返送する。これらを受けて、監視センタ側は、レーダ情報から得られた船位データ及び受信されたGPS測位データに基づき不審船舶を発見し、発見した不審船舶に関する位置情報を出力する。補足すると、不審船舶からはGPS測位データが返送されてくることはないので、これが不審船舶の発見に利用される。
【0007】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の不審船舶監視システムは、図1の基本構成図に示すように、請求項1記載の不審船舶監視システムにおいて、前記出力手段1Eは、前記レーダ情報から得られた船位データ及び前記受信されたGPS測位データに基づいて、前記領域内に存在する前記操業を許可された船舶2の位置情報も出力する、ことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、領域内に存在する操業を許可された船舶2の位置情報も出力されるので、許可船舶と識別しつつ不審船舶をより確実に発見できる。
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の不審船舶監視システムは、図1の基本構成図に示すように、請求項2記載の不審船舶監視システムにおいて、前記出力手段1Eは、前記領域内に存在する前記不審船舶2′及び前記操業を許可された船舶2を電子マップ上にプロット表示すると共に、これら船舶のそれぞれの緯度経度を数値表示する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、領域内に存在する不審船舶2′及び操業を許可された船舶2を電子マップ上にプロット表示されると共に、これら船舶のそれぞれの緯度経度が数値表示されるので、領域内に存在する不審船舶を含む全船舶を正確に把握できる。
【0011】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の不審船舶監視システムは、図1の基本構成図に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の不審船舶監視システムにおいて、前記監視センタ1には、前記不審船舶の発見に応答して、前記船舶2に対して無線周波数を介してポーリングをかけるポーリング手段1Fと、前記船舶2から前記IDと共に送信されてくる前記ポーリングに対する応答信号を受信する応答信号受信手段1Gと、前記船位データ及び前記GPS測位データと共に、前記応答信号の受信結果に基づき、前記不審船舶を確定する不審船舶確定手段と、が更に装備され、前記船舶2には、前記ポーリングを無線受信するポーリング受信手段2Dと、前記ポーリングの受信に応答して、前記IDと共に前記応答信号を送信する応答信号送信手段2Eと、が更に装備され、前記出力手段1Eは、前記確定した不審船舶に関する情報も出力する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、不審船舶が発見された後に、監視センタ側は、領域内に存在する船舶に対してポーリングをかけ、ポーリングに対する応答信号の受信結果も参照して不審船舶を確定する。
【0013】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の不審船舶監視システムは、図1の基本構成図に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の不審船舶監視システムにおいて、前記侵入船舶検出手段1Aは、前記レーダ装置109A自体が持つ、前記領域内に新たに侵入してきた侵入船舶の感知機能を利用して前記侵入船舶を検出する、ことを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明によれば、レーダ装置109A自体が持つ、領域内に新たに侵入してきた侵入船舶の感知機能が利用されるので、監視センタ側の処理手順の簡素化に役立つ。
【0015】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の不審船舶監視システムは、図1の基本構成図に示すように、請求項1〜5のいずれか一項に記載の不審船舶監視システムにおいて、前記ID確認信号受信手段2A及び前記GPS測位データ送信手段2Cは、少なくとも音声周波数信号入力端子を備えた汎用無線機に含まれ、前記GPS測位データ生成手段2Bは、前記GPS測位データを音声周波数信号に変換して前記音声周波数信号入力端子に出力する機能を備えたGPS端末装置に含まれる、ことを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明によれば、GPS測位データが音声周波数信号に変換され、音声周波数信号入力端子を備えた汎用無線機に供給される。したがって、汎用無線機も本システムの一部として利用可能になり、システム構築費用及び運用費用が安価になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係るシステム構成を示す図である。図2に示すように、監視センタ1は、海上Sにおいて予め定められた領域S1の沿岸等の陸上に立地する。監視センタ1は、この領域S1内で合法的に操業する船舶2や違法に侵入した可能性のある不審船舶2′等を監視する。領域S1は、予め登録された船舶2に対してのみ、あわび3漁等を行うことが許可された領域である。監視センタ1は、レーダ装置が装備されるレーダ棟1a、無線装置や制御用コンピュータが装備される監視棟1bを有する。勿論、レーダ棟1a及び監視棟1bを一つの建物内に装備してもよい。監視センタ1の詳細については、図3を用いて後述する。
【0018】
海上Sにおいて予め定められた領域S1には、この領域S1にてあわび3漁等の操業が許可された複数の船舶2や、この領域S1を通過することを許可された船舶(不図示)が存在するものとする。各船舶2には、GPS(Global Positioning Systems)アンテナ22が接続されたGPS端末21及びこの端末21に接続コード24にて接続された汎用無線機23が搭載されている。GPS端末21は、監視センタ1からの要求に基づき、GPS衛星4から得られるGPS信号を利用して自船舶の現在位置を測位し、これを自船舶に割り当てられたID(Identification)と共に監視センタ1に無線で返送する。これらGPS端末21等の詳細については、図4を用いて後述する。
【0019】
このような構成において、レーダ装置から出力されるレーダ情報に基づき領域S1内に船舶が侵入したことを検出すると、監視センタ1は、領域S1内での操業を許可された船舶2に対してID確認信号を無線送信する。このID確認信号の受信に応答して、操業を許可された船舶2では、GPS測位データを生成し、これと共に自船舶に割り当てられたIDを無線返送する。これらを受けて、監視センタ1は、レーダ情報から得られた船位データ(船舶の現在位置を示すデータ)及び受信されたGPS測位データに基づき不審船舶を発見し、発見した不審船舶に関する位置情報をディスプレイ上に出力する。また、不審船舶が発見された後に、監視センタ1は、領域S1内に存在する全船舶に対してポーリングをかけ、ポーリングに対する応答信号の受信結果も参照して不審船舶2′を確定する。なお、本明細書中、領域内に存在するとは、領域内に侵入すること、領域内を通過すること、領域内で操業すること、領域内に停泊すること等も含まれる。
【0020】
次に、図3を用いて、監視センタ側における構成について説明する。図3は、監視センタに装備される装置類を示すブロック図である。監視センタ1には、図3で示すような、制御用コンピュータ101、画像表示用ディスプレイ102、GPS基地局ユニット103、無線装置104、マイク105、レーダ画像信号変換器106、警報信号変換器107、無線アンテナ108、レーダ表示装置109及びレーダアンテナ110が装備されている。そして、各装置間はそれぞれの入出力ポートを介して、接続コードL1〜L19で接続されている。
【0021】
制御用コンピュータ101及び画像表示用ディスプレイ102は、例えば、周知のデスクトップコンピュータ装置で具現化される。制御用コンピュータ101には、基本的に演算部及び記憶部を含んで構成され、演算部は記憶部に予め記憶されている制御プログラムにしたがって本発明に係る処理を含む各種処理を実行する。記憶部には、また、上記領域内での操業が許可された各船舶に関する情報、特に、各船舶がそれぞれ搭載するGPS端末の端末IDが予め記憶されている。
【0022】
GPS基地局ユニット103及び無線装置104は、無線アンテナ108を介して、各船舶に搭載されるGPS端末21との送受信機能を有する。マイク105は、ポーリング時等に各船舶に搭載される無線機と交信する際に利用される。
【0023】
レーダ表示装置109は、レーダアンテナ110を介して発射した電波を対象物にあてその反射波を受信して対象物を認識し、その情報を表示する。特に、本発明において、レーダ表示装置109は、上記領域内に新たに侵入してきた侵入船舶を感知する機能を有する。この侵入船舶が感知されると、レーダ表示装置109は、警報信号変換器107を介して、警報信号を制御用コンピュータ101に出力する。また、レーダ表示装置109から出力されるレーダ画像情報は、レーダ画像信号変換器106にて、制御用コンピュータ101にて処理可能な信号形式に変換されて、制御用コンピュータ101に出力される。これらレーダ表示装置109、レーダアンテナ110、警報信号変換器107及びレーダ画像信号変換器106は、請求項中のレーダ装置に対応する。
【0024】
次に、図4を用いて、船舶側おける構成について説明する。図4は、正規の船舶に搭載される装置類を示すブロック図である。各船舶には、図4で示すような、GPSアンテナ22が接続されたGPS端末21及びこの端末21に接続コード24にて接続された汎用無線機23が搭載されている。これら各装置は、漁業共同組合等の指定団体に所属する各船舶、すなわち、上記領域内での操業が許可された各船舶に搭載される。
【0025】
GPS端末21は、GPS受信部210、制御部211、記憶部212、LED213、スイッチ214、AFSK(Audio frequency shift keying)モデム部215、電池216、入出力端子217及びアンテナ端子218を含んで構成される。
【0026】
GPS受信部210は、アンテナ端子218に接続されるGPSアンテナ22を介して、GPSを構成する複数のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信して現在位置を測定して制御部211に供給する。
【0027】
制御部211は、基本的にCPU、ROM、及びRAMから構成され、CPUはROMに記憶されている制御プログラムにしたがって本発明に係る処理を含む各種処理を実行する。RAMには、CPUが各種の処理を実行するうえにおいて必要なデータ、プログラム等が適宜記憶される。
【0028】
この制御部211に接続される記憶部212には、少なくともこのGPS端末21を特定する端末ID212aが格納されている。GPS端末21は、各船舶に一台づつ搭載されているので、端末ID212aは船舶を特定するIDとして利用可能である。この意味で、端末ID212aは請求項のIDに相当する。
【0029】
LED(Light Emitting Diode)213は、制御部211に指令されて、GPS端末21の動作状態やオンオフ状態を、例えば、点灯、早い点滅、遅い点滅等によって区別して表示する。スイッチ214は、電源投入や各種指令入力のためのものである。
【0030】
AFSKモデム部215は、基本的に、GPS信号を利用して生成した測位データを音声周波数信号に変換する機能を有する。このAFSKモデム部215としては、上記制御部211としてのCPUが一体化された既存のAFSKモデムボードが利用可能である。
【0031】
電池216は、この端末21に電源を供給するためのもので、周知の単4形アルカリ乾電池を利用することが可能である。入出力端子217は、漁業無線機等の汎用無線機23のマイク端子231に接続可能な形状をしている。すなわち、入出力端子217は、音声周波数信号に変換されたGPS測位データを、汎用無線機23のマイク端子231に出力するためのものである。
【0032】
また、GPSアンテナ22は、アンテナエレメント221、上記アンテナ端子218に結合可能なコネクタ部222、エレメント221及びコネクタ部222を結ぶアンテナケーブル223から構成される。
【0033】
また、汎用無線機23は、少なくとも、マイク端子231を備え、この端子に入力された音声周波数信号を無線送信する機能を備えるものである。例えば、漁業無線機、MCA(Multi−Channel Access)無線機、簡易無線機等が利用可能である。或いは、汎用無線機23としては、携帯電話であってもよい。
【0034】
汎用無線機23のマイク端子231とGPS端末21の入出力端子217とは、接続コード24を用いて接続される。接続コード24は、コネクタ部241、242及びこれらを結ぶコード243から構成される。コネクタ部241は、GPS端末21の入出力端子217と電気的、機械的に接続可能であり、コネクタ部242は、汎用無線機23のマイク端子231と電気的、機械的に接続可能である。また、GPS端末21と汎用無線機23との間のゲイン調整、インピーダンス整合もとる。
【0035】
このような構成において、GPS信号を利用して生成された測位データ及び端末ID212aが、音声周波数信号に変換され、この信号が入出力端子217を介して汎用無線機23のマイク端子231に出力される。そして、測位データ及び端末ID212aが、無線機23にて通常の音声と同様に変調されて、所望の通信先に無線送信される。このようなGPS端末21を用いることにより、既成の汎用無線機23が本システムの一部として利用可能になり、システム構築費用及び運用費用が安価になる。
【0036】
更に、上述のような構成の監視センタ及び船舶にて行われる本不審船舶監視システムに係る処理手順及び両者間で行われる通信シーケンス、並びに監視センタでの表示例について、図5〜7を用いて説明する。図5は、監視センタ及び船舶にて行われる本不審船舶監視システムに係る処理手順及び両者間で行われる通信シーケンスを示すフローチャートである。図6は、レーダ表示装置に表示されるレーダ画像の一例を示す図である。図7は、監視センタの画像表示用ディスプレイ上の表示例を示す図である。なお、現実的には、船舶側は複数であるが、各船舶は同様の処理手順を有するので、図5においては、代表してひとつの船舶の処理手順のみを示す。
【0037】
図5に示す監視センタ側処理のステップS101においては、侵入船舶の検出が行われており(ステップS101のN)、侵入船舶が検出されるとステップS102に進む(ステップS101のY)。すなわち、レーダ表示装置109の監視機能により、図6の矢印で示すように、予め定められた領域S1内に侵入した船舶2′が自動感知され、この旨を示す警報信号が警報信号変換器107を経由して制御用コンピュータ101に出力される。なお、ステップS101は、請求項中の侵入船舶検出手段に対応する。
【0038】
次に、ステップS102においては、警報信号を受け取った制御用コンピュータ101が、領域S1内での操業を許可された全船舶2に対して、そのID確認のためのID確認信号を、GPS基地局ユニット103及び無線装置104を介して、各船舶2に無線送信する。なお、ステップS102は、請求項中のID確認信号送信手段に対応する。
【0039】
船舶側処理のステップS201においては、監視センタ1からのID確認信号が受信待機されており(ステップS201のN)、ID確認信号が受信されると(ステップS201のY)ステップS202に進んで自船舶が測位されると共に端末IDが読み出され、更にステップS203に進んでGPS測位データと端末IDが、監視センタ1に返送される。
【0040】
すなわち、上記ID確認信号を受信すると、GPS端末21は、GPS信号を利用して自船舶の現在位置を測位して緯度経度を含むGPS測位データを生成すると共に記憶部212から端末ID212aを読み出す。そして、GPS測位データ及び端末ID212aを音声周波数信号に変換して、これらを無線機23を介して監視センタ1に返送する。なお、GPS測位データには、測位データと共にGPS信号から取得可能な時刻情報が含まれていてもよい。上記ステップS201、ステップS202及びステップS203はそれぞれ、請求項中のID確認信号受信手段、GPS測位データ生成手段及びGPS測位データ送信手段に対応する。
【0041】
監視センタ側処理のステップS103においては、各船舶からのGPS測位データ及び端末IDが受信待機されており(ステップS103のN)、GPS測位データ及び端末IDが受信されるとステップS104に進む(ステップS103のY)。すなわち、各船舶から返送されてきたGPS測位データ及び端末IDは、無線装置104及びGPS基地局ユニット103を介して、制御用コンピュータ101に入力される。なお、ステップS103は、請求項中のGPS測位データ受信手段に対応する。
【0042】
次に、ステップS104においては、レーダ画像情報の取込が行われる。すなわち、レーダ表示装置109から出力されるレーダ画像情報は、レーダ画像信号変換器106にて、制御用コンピュータ101にて処理可能な信号形式に変換されて、制御用コンピュータ101に入力される。
【0043】
次に、ステップS105においては、領域S1内に存在する全船舶に対して、制御用コンピュータ101にて取り込まれたレーダ画像情報に基づいて取得された緯度及び経度である船位データと、受信されたGPS測位データとが比較される。そして、この比較結果に基づいて、ステップS106において不審船舶が発見される。すなわち、不審船舶からはGPS測位データが返送されてくることはないので、上記船位データがあるにも拘わらずGPS測位データがない船舶を、不審船舶とみなすことができる。なお、ステップS105及びステップS106は、請求項中の不審船舶発見手段に対応する。
【0044】
ステップS106において、不審船舶が発見されなければ(ステップS106のN)監視センタ側の一連の処理は終了する(或いは、ステップS101に戻る)が、不審船舶が発見されれば(ステップS106のY)ステップS107に進む。
【0045】
ステップS107においては電子マップ上に発見された不審船舶を含む全船舶がプロット表示され、ステップS108おいてはレーダ画像が表示され、ステップS109においては船舶データが表示される。すなわち、図7に示すように、画像表示用ディスプレイ102には、102Aで示すように電子マップ上に不審船舶を含む全船舶が、102Bで示すようにレーダ画像が、102Cで示すように船舶データが表示される。
【0046】
電子マップ102Aは、予め制御用コンピュータ101にインストールされている関連地域の地図ソフトやインターネットを経由して取得可能な地図データ等を利用して描画される。電子マップ102上には、取り込まれたレーダ画像情報に基づいて、各船舶2a〜2e、不審船舶2′がプロット表示される。この際、不審船舶2′は、一目で正規の船舶2a〜2eと識別可能なように、色を変えたり、点滅表示させるようにすることが好ましい。なお、船舶2a〜2eのプロット表示には、受信したGPS測位データを利用してもよい。
【0047】
レーダ画像102Bは、図6で示した、レーダ表示装置109に表示されるレーダ画像を、制御用コンピュータ101にて取り込まれたレーダ画像情報に基づいて画像表示用ディスプレイ102上に復元したものである。
【0048】
船舶データ102Cは、プロットされた各船舶2a〜2e、2′に割り当てられた船舶番号201、受信された装置IDに相当する船舶ID(装置ID自体でもよい)202、制御用コンピュータ101にて取り込まれたレーダ画像情報に基づいて算出された緯度203a及び経度203bである。この際、不審船舶2′に相当する船舶番号は、一目で正規の船舶2a〜2eと識別可能なように、色を変えたり、丸で囲んだりすることが好ましい。なお、船舶番号1〜5で示される船舶2a〜2eの緯度203a及び経度203bは、受信したGPS測位データを利用して表示してもよい。
【0049】
上記電子マップ102A、レーダ画像102B及び船舶データ102Cは、図7に示すように、一画面に同時に表示するようにしてもよいし、それぞれ分離して別画面で表示するようにしてもよいし、電子マップ102A、画像102B及びデータ102Cのいずれか2つを同時に表示するようにしてもよい。また、レーダ表示装置109が、画像表示用ディスプレイ102に隣設されている場合等には、レーダ画像102Bは必ずしも表示する必要はない。このような表示により、領域S1内に存在する不審船舶を含む全船舶を正確に把握できる。
【0050】
なお、上記実施形態では、不審船舶が発見された場合に、不審船舶を含む電子マップ102A、レーダ画像102B及び船舶データ102Cを表示する例を示しているが、不審船舶が発見されなかった場合にも、同様の表示を行うようにしてもよい。なお、ステップS107〜ステップS109は、請求項中の出力手段に対応する。
【0051】
次に、ステップS110においては、上記領域内に存在する不審船舶を含む全船舶に対して、予め定められた共通周波数でポーリングをかける。なお、このポーリングは、マイク105及び無線装置104を介して行われる。なお、ステップS110は、請求項中のポーリング手段に対応する。
【0052】
船舶側処理のステップS204においては、監視センタ1からのポーリングが待機されており(ステップS204のN)、ポーリングがあると(ステップS204のY)ステップS205に進んで、ポーリングに対する応答信号と共に端末IDが監視センタ1に返送される。この応答信号は、各船舶に搭載される無線機23から発信される。なお、ステップS204及びステップS205はそれぞれ、請求項中のポーリング受信手段及び応答信号送信手段に対応する。
【0053】
監視センタ側処理のステップS111においては、各船舶からの応答信号及び端末IDが受信待機されており(ステップS111のN)、応答信号及び端末IDが受信されるとステップS112に進む(ステップS111のY)。すなわち、各船舶から返送されてきた応答信号及び端末IDは、無線装置104及びGPS基地局ユニット103を介して、制御用コンピュータ101に入力される。なお、ステップS110は、請求項中の応答信号受信手段に対応する。
【0054】
ステップS112においては、不審船舶の確定表示が行われる。すなわち、監視センタ側に、GPS測位データも応答信号も送信してこない船舶は、明らかに不審船舶であると判断できるので、上述の発見した不審船舶が真の不審船舶であることを最終確定することができる。この最終確定された不審船舶は、例えば、図7の電子マップ102Aや船舶データ102Cの「*」で示すように、その旨が明示される。なお、ステップS112は、請求項中の不審船舶確定手段に対応する。
【0055】
このように本実施形態によれば、レーダ情報のみならず、GPS測位データも不審船舶の監視に利用することにより、安価でありながら、不審船舶を確実に発見できるシステムを提供できる。
【0056】
なお、上記実施形態で例示した表示例は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはいうまでもない。また、監視センタ側及び船舶側の構成も、本発明と同等の機能を有するものであれば、適宜変更可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、レーダ情報に基づき海上における予め定められた領域内に船舶が侵入したことが検出すると、監視センタ側は、領域内での操業を許可された船舶2に対してID確認信号を無線送信する。このID確認信号の受信に応答して、操業を許可された船舶2では、GPS測位データを生成し、これと共に自船舶に割り当てられたIDを無線返送する。これらを受けて、監視センタ側は、レーダ情報から得られた船位データ及び受信されたGPS測位データに基づき不審船舶を発見し、発見した不審船舶に関する位置情報を出力する。このように、レーダ情報のみならず、GPS測位データも不審船舶の監視に利用することにより、安価でありながら、不審船舶を確実に発見できる。
【0058】
請求項2記載の発明によれば、領域内に存在する操業を許可された船舶2の位置情報も出力されるので、許可船舶と識別しつつ不審船舶をより確実に発見できる。
【0059】
請求項3記載の発明によれば、領域内に存在する不審船舶2′及び操業を許可された船舶2を電子マップ上にプロット表示されると共に、これら船舶のそれぞれの緯度経度が数値表示されるので、領域内に存在する不審船舶を含む全船舶を正確に把握できる。
【0060】
請求項4記載の発明によれば、不審船舶が発見された後に、監視センタ側は、領域内に存在する船舶に対してポーリングをかけ、ポーリングに対する応答信号の受信結果も参照して不審船舶を確定する。したがって、発見した不審船舶が不審船舶であることを確定することができる。
【0061】
請求項5記載の発明によれば、レーダ装置109A自体が持つ、領域内に新たに侵入してきた侵入船舶の感知機能が利用されるので、監視センタ側の処理手順の簡素化に役立つ。
【0062】
請求項6記載の発明によれば、GPS測位データが音声周波数信号に変換され、音声周波数信号入力端子を備えた汎用無線機に供給される。したがって、汎用無線機も本システムの一部として利用可能になり、システム構築費用及び運用費用が安価になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るシステム構成を示す図である。
【図3】監視センタに装備される装置類を示すブロック図である。
【図4】正規の船舶に搭載される装置類を示すブロック図である。
【図5】監視センタ及び船舶にて行われる本不審船舶監視システムに係る処理手順及び両者間で行われる通信シーケンスを示すフローチャートである。
【図6】レーダ表示装置に表示されるレーダ画像の一例を示す図である。
【図7】監視センタの画像表示用ディスプレイ上の表示例を示す図である。
【符号の説明】
1 監視センタ
2 船舶
2′ 不審船舶
3 あわび
4 GPS衛星
21 GPS端末
101 制御用コンピュータ
102 画像表示用ディスプレイ
109 レーダ表示装置
S 海上
S1 領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、海上において予め定められた領域内に違法侵入した不審船舶を監視するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、違法に海上において予め定められた漁場に侵入してあわび漁等を行う密漁が横行している。従来、このような密漁を防止するために、主に、レーダ装置を用いて、定められた領域内を監視センタが監視するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の監視システムでは、上記領域内での操業を正規に許可された船舶と密漁船舶とを正確に識別することが容易ではなかった。例えば、密漁船舶は、比較的、小型であることを利用して、正規に許可された大型船舶に近接して侵入することが多く、そうすると、2隻の船舶の識別がつきづらく、監視センタでは密漁船舶の違法侵入を見逃してしまうことがあった。
【0004】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、安価でありながら、密漁船舶等の不審船舶を確実に発見し特定できる不審船舶監視システムを提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の不審船舶監視システムは、図1の基本構成図に示すように、海上において予め定められた領域内に違法侵入した不審船舶を監視するシステムであって、前記領域内に存在する船舶を監視する監視センタ1には、発射した電波を対象物にあてその反射波を受信して対象物を認識するレーダ装置109Aから得られるレーダ情報に基づき、前記領域内に新たに侵入してきた侵入船舶を検出する侵入船舶検出手段1Aと、前記侵入船舶の検出に応答して、前記領域内での操業を許可された船舶2に対して、そのID確認のためのID確認信号を無線送信するID確認信号送信手段1Bと、前記船舶からこの船舶に予め割り当てられたIDと共に送信されてくるGPS測位データを受信するGPS測位データ受信手段1Cと、前記レーダ情報から得られた前記領域内に存在する船舶の船位データ及び受信された前記GPS測位データに基づいて、前記不審船舶を発見する不審船舶発見手段1Dと、少なくとも、前記発見した不審船舶に関する位置情報を出力する出力手段1Eと、が装備され、前記領域内での操業を許可された船舶2には、前記ID確認信号を無線受信するID確認信号受信手段2Aと、前記ID確認信号の受信に応答して、GPS信号を利用して自船舶の現在位置を測位し、前記GPS測位データを生成するGPS測位データ生成手段2Bと、自船舶に割り当てられたIDと共に前記GPS測位データを無線送信するGPS測位データ送信手段2Cと、が装備される、ことを特徴とする。
【0006】
請求項1記載の発明によれば、レーダ情報に基づき海上における予め定められた領域内に船舶が侵入したことが検出すると、監視センタ側は、領域内での操業を許可された船舶2に対してID確認信号を無線送信する。このID確認信号の受信に応答して、操業を許可された船舶2では、GPS測位データを生成し、これと共に自船舶に割り当てられたIDを無線返送する。これらを受けて、監視センタ側は、レーダ情報から得られた船位データ及び受信されたGPS測位データに基づき不審船舶を発見し、発見した不審船舶に関する位置情報を出力する。補足すると、不審船舶からはGPS測位データが返送されてくることはないので、これが不審船舶の発見に利用される。
【0007】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の不審船舶監視システムは、図1の基本構成図に示すように、請求項1記載の不審船舶監視システムにおいて、前記出力手段1Eは、前記レーダ情報から得られた船位データ及び前記受信されたGPS測位データに基づいて、前記領域内に存在する前記操業を許可された船舶2の位置情報も出力する、ことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、領域内に存在する操業を許可された船舶2の位置情報も出力されるので、許可船舶と識別しつつ不審船舶をより確実に発見できる。
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の不審船舶監視システムは、図1の基本構成図に示すように、請求項2記載の不審船舶監視システムにおいて、前記出力手段1Eは、前記領域内に存在する前記不審船舶2′及び前記操業を許可された船舶2を電子マップ上にプロット表示すると共に、これら船舶のそれぞれの緯度経度を数値表示する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、領域内に存在する不審船舶2′及び操業を許可された船舶2を電子マップ上にプロット表示されると共に、これら船舶のそれぞれの緯度経度が数値表示されるので、領域内に存在する不審船舶を含む全船舶を正確に把握できる。
【0011】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の不審船舶監視システムは、図1の基本構成図に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の不審船舶監視システムにおいて、前記監視センタ1には、前記不審船舶の発見に応答して、前記船舶2に対して無線周波数を介してポーリングをかけるポーリング手段1Fと、前記船舶2から前記IDと共に送信されてくる前記ポーリングに対する応答信号を受信する応答信号受信手段1Gと、前記船位データ及び前記GPS測位データと共に、前記応答信号の受信結果に基づき、前記不審船舶を確定する不審船舶確定手段と、が更に装備され、前記船舶2には、前記ポーリングを無線受信するポーリング受信手段2Dと、前記ポーリングの受信に応答して、前記IDと共に前記応答信号を送信する応答信号送信手段2Eと、が更に装備され、前記出力手段1Eは、前記確定した不審船舶に関する情報も出力する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、不審船舶が発見された後に、監視センタ側は、領域内に存在する船舶に対してポーリングをかけ、ポーリングに対する応答信号の受信結果も参照して不審船舶を確定する。
【0013】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の不審船舶監視システムは、図1の基本構成図に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の不審船舶監視システムにおいて、前記侵入船舶検出手段1Aは、前記レーダ装置109A自体が持つ、前記領域内に新たに侵入してきた侵入船舶の感知機能を利用して前記侵入船舶を検出する、ことを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明によれば、レーダ装置109A自体が持つ、領域内に新たに侵入してきた侵入船舶の感知機能が利用されるので、監視センタ側の処理手順の簡素化に役立つ。
【0015】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の不審船舶監視システムは、図1の基本構成図に示すように、請求項1〜5のいずれか一項に記載の不審船舶監視システムにおいて、前記ID確認信号受信手段2A及び前記GPS測位データ送信手段2Cは、少なくとも音声周波数信号入力端子を備えた汎用無線機に含まれ、前記GPS測位データ生成手段2Bは、前記GPS測位データを音声周波数信号に変換して前記音声周波数信号入力端子に出力する機能を備えたGPS端末装置に含まれる、ことを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明によれば、GPS測位データが音声周波数信号に変換され、音声周波数信号入力端子を備えた汎用無線機に供給される。したがって、汎用無線機も本システムの一部として利用可能になり、システム構築費用及び運用費用が安価になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係るシステム構成を示す図である。図2に示すように、監視センタ1は、海上Sにおいて予め定められた領域S1の沿岸等の陸上に立地する。監視センタ1は、この領域S1内で合法的に操業する船舶2や違法に侵入した可能性のある不審船舶2′等を監視する。領域S1は、予め登録された船舶2に対してのみ、あわび3漁等を行うことが許可された領域である。監視センタ1は、レーダ装置が装備されるレーダ棟1a、無線装置や制御用コンピュータが装備される監視棟1bを有する。勿論、レーダ棟1a及び監視棟1bを一つの建物内に装備してもよい。監視センタ1の詳細については、図3を用いて後述する。
【0018】
海上Sにおいて予め定められた領域S1には、この領域S1にてあわび3漁等の操業が許可された複数の船舶2や、この領域S1を通過することを許可された船舶(不図示)が存在するものとする。各船舶2には、GPS(Global Positioning Systems)アンテナ22が接続されたGPS端末21及びこの端末21に接続コード24にて接続された汎用無線機23が搭載されている。GPS端末21は、監視センタ1からの要求に基づき、GPS衛星4から得られるGPS信号を利用して自船舶の現在位置を測位し、これを自船舶に割り当てられたID(Identification)と共に監視センタ1に無線で返送する。これらGPS端末21等の詳細については、図4を用いて後述する。
【0019】
このような構成において、レーダ装置から出力されるレーダ情報に基づき領域S1内に船舶が侵入したことを検出すると、監視センタ1は、領域S1内での操業を許可された船舶2に対してID確認信号を無線送信する。このID確認信号の受信に応答して、操業を許可された船舶2では、GPS測位データを生成し、これと共に自船舶に割り当てられたIDを無線返送する。これらを受けて、監視センタ1は、レーダ情報から得られた船位データ(船舶の現在位置を示すデータ)及び受信されたGPS測位データに基づき不審船舶を発見し、発見した不審船舶に関する位置情報をディスプレイ上に出力する。また、不審船舶が発見された後に、監視センタ1は、領域S1内に存在する全船舶に対してポーリングをかけ、ポーリングに対する応答信号の受信結果も参照して不審船舶2′を確定する。なお、本明細書中、領域内に存在するとは、領域内に侵入すること、領域内を通過すること、領域内で操業すること、領域内に停泊すること等も含まれる。
【0020】
次に、図3を用いて、監視センタ側における構成について説明する。図3は、監視センタに装備される装置類を示すブロック図である。監視センタ1には、図3で示すような、制御用コンピュータ101、画像表示用ディスプレイ102、GPS基地局ユニット103、無線装置104、マイク105、レーダ画像信号変換器106、警報信号変換器107、無線アンテナ108、レーダ表示装置109及びレーダアンテナ110が装備されている。そして、各装置間はそれぞれの入出力ポートを介して、接続コードL1〜L19で接続されている。
【0021】
制御用コンピュータ101及び画像表示用ディスプレイ102は、例えば、周知のデスクトップコンピュータ装置で具現化される。制御用コンピュータ101には、基本的に演算部及び記憶部を含んで構成され、演算部は記憶部に予め記憶されている制御プログラムにしたがって本発明に係る処理を含む各種処理を実行する。記憶部には、また、上記領域内での操業が許可された各船舶に関する情報、特に、各船舶がそれぞれ搭載するGPS端末の端末IDが予め記憶されている。
【0022】
GPS基地局ユニット103及び無線装置104は、無線アンテナ108を介して、各船舶に搭載されるGPS端末21との送受信機能を有する。マイク105は、ポーリング時等に各船舶に搭載される無線機と交信する際に利用される。
【0023】
レーダ表示装置109は、レーダアンテナ110を介して発射した電波を対象物にあてその反射波を受信して対象物を認識し、その情報を表示する。特に、本発明において、レーダ表示装置109は、上記領域内に新たに侵入してきた侵入船舶を感知する機能を有する。この侵入船舶が感知されると、レーダ表示装置109は、警報信号変換器107を介して、警報信号を制御用コンピュータ101に出力する。また、レーダ表示装置109から出力されるレーダ画像情報は、レーダ画像信号変換器106にて、制御用コンピュータ101にて処理可能な信号形式に変換されて、制御用コンピュータ101に出力される。これらレーダ表示装置109、レーダアンテナ110、警報信号変換器107及びレーダ画像信号変換器106は、請求項中のレーダ装置に対応する。
【0024】
次に、図4を用いて、船舶側おける構成について説明する。図4は、正規の船舶に搭載される装置類を示すブロック図である。各船舶には、図4で示すような、GPSアンテナ22が接続されたGPS端末21及びこの端末21に接続コード24にて接続された汎用無線機23が搭載されている。これら各装置は、漁業共同組合等の指定団体に所属する各船舶、すなわち、上記領域内での操業が許可された各船舶に搭載される。
【0025】
GPS端末21は、GPS受信部210、制御部211、記憶部212、LED213、スイッチ214、AFSK(Audio frequency shift keying)モデム部215、電池216、入出力端子217及びアンテナ端子218を含んで構成される。
【0026】
GPS受信部210は、アンテナ端子218に接続されるGPSアンテナ22を介して、GPSを構成する複数のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信して現在位置を測定して制御部211に供給する。
【0027】
制御部211は、基本的にCPU、ROM、及びRAMから構成され、CPUはROMに記憶されている制御プログラムにしたがって本発明に係る処理を含む各種処理を実行する。RAMには、CPUが各種の処理を実行するうえにおいて必要なデータ、プログラム等が適宜記憶される。
【0028】
この制御部211に接続される記憶部212には、少なくともこのGPS端末21を特定する端末ID212aが格納されている。GPS端末21は、各船舶に一台づつ搭載されているので、端末ID212aは船舶を特定するIDとして利用可能である。この意味で、端末ID212aは請求項のIDに相当する。
【0029】
LED(Light Emitting Diode)213は、制御部211に指令されて、GPS端末21の動作状態やオンオフ状態を、例えば、点灯、早い点滅、遅い点滅等によって区別して表示する。スイッチ214は、電源投入や各種指令入力のためのものである。
【0030】
AFSKモデム部215は、基本的に、GPS信号を利用して生成した測位データを音声周波数信号に変換する機能を有する。このAFSKモデム部215としては、上記制御部211としてのCPUが一体化された既存のAFSKモデムボードが利用可能である。
【0031】
電池216は、この端末21に電源を供給するためのもので、周知の単4形アルカリ乾電池を利用することが可能である。入出力端子217は、漁業無線機等の汎用無線機23のマイク端子231に接続可能な形状をしている。すなわち、入出力端子217は、音声周波数信号に変換されたGPS測位データを、汎用無線機23のマイク端子231に出力するためのものである。
【0032】
また、GPSアンテナ22は、アンテナエレメント221、上記アンテナ端子218に結合可能なコネクタ部222、エレメント221及びコネクタ部222を結ぶアンテナケーブル223から構成される。
【0033】
また、汎用無線機23は、少なくとも、マイク端子231を備え、この端子に入力された音声周波数信号を無線送信する機能を備えるものである。例えば、漁業無線機、MCA(Multi−Channel Access)無線機、簡易無線機等が利用可能である。或いは、汎用無線機23としては、携帯電話であってもよい。
【0034】
汎用無線機23のマイク端子231とGPS端末21の入出力端子217とは、接続コード24を用いて接続される。接続コード24は、コネクタ部241、242及びこれらを結ぶコード243から構成される。コネクタ部241は、GPS端末21の入出力端子217と電気的、機械的に接続可能であり、コネクタ部242は、汎用無線機23のマイク端子231と電気的、機械的に接続可能である。また、GPS端末21と汎用無線機23との間のゲイン調整、インピーダンス整合もとる。
【0035】
このような構成において、GPS信号を利用して生成された測位データ及び端末ID212aが、音声周波数信号に変換され、この信号が入出力端子217を介して汎用無線機23のマイク端子231に出力される。そして、測位データ及び端末ID212aが、無線機23にて通常の音声と同様に変調されて、所望の通信先に無線送信される。このようなGPS端末21を用いることにより、既成の汎用無線機23が本システムの一部として利用可能になり、システム構築費用及び運用費用が安価になる。
【0036】
更に、上述のような構成の監視センタ及び船舶にて行われる本不審船舶監視システムに係る処理手順及び両者間で行われる通信シーケンス、並びに監視センタでの表示例について、図5〜7を用いて説明する。図5は、監視センタ及び船舶にて行われる本不審船舶監視システムに係る処理手順及び両者間で行われる通信シーケンスを示すフローチャートである。図6は、レーダ表示装置に表示されるレーダ画像の一例を示す図である。図7は、監視センタの画像表示用ディスプレイ上の表示例を示す図である。なお、現実的には、船舶側は複数であるが、各船舶は同様の処理手順を有するので、図5においては、代表してひとつの船舶の処理手順のみを示す。
【0037】
図5に示す監視センタ側処理のステップS101においては、侵入船舶の検出が行われており(ステップS101のN)、侵入船舶が検出されるとステップS102に進む(ステップS101のY)。すなわち、レーダ表示装置109の監視機能により、図6の矢印で示すように、予め定められた領域S1内に侵入した船舶2′が自動感知され、この旨を示す警報信号が警報信号変換器107を経由して制御用コンピュータ101に出力される。なお、ステップS101は、請求項中の侵入船舶検出手段に対応する。
【0038】
次に、ステップS102においては、警報信号を受け取った制御用コンピュータ101が、領域S1内での操業を許可された全船舶2に対して、そのID確認のためのID確認信号を、GPS基地局ユニット103及び無線装置104を介して、各船舶2に無線送信する。なお、ステップS102は、請求項中のID確認信号送信手段に対応する。
【0039】
船舶側処理のステップS201においては、監視センタ1からのID確認信号が受信待機されており(ステップS201のN)、ID確認信号が受信されると(ステップS201のY)ステップS202に進んで自船舶が測位されると共に端末IDが読み出され、更にステップS203に進んでGPS測位データと端末IDが、監視センタ1に返送される。
【0040】
すなわち、上記ID確認信号を受信すると、GPS端末21は、GPS信号を利用して自船舶の現在位置を測位して緯度経度を含むGPS測位データを生成すると共に記憶部212から端末ID212aを読み出す。そして、GPS測位データ及び端末ID212aを音声周波数信号に変換して、これらを無線機23を介して監視センタ1に返送する。なお、GPS測位データには、測位データと共にGPS信号から取得可能な時刻情報が含まれていてもよい。上記ステップS201、ステップS202及びステップS203はそれぞれ、請求項中のID確認信号受信手段、GPS測位データ生成手段及びGPS測位データ送信手段に対応する。
【0041】
監視センタ側処理のステップS103においては、各船舶からのGPS測位データ及び端末IDが受信待機されており(ステップS103のN)、GPS測位データ及び端末IDが受信されるとステップS104に進む(ステップS103のY)。すなわち、各船舶から返送されてきたGPS測位データ及び端末IDは、無線装置104及びGPS基地局ユニット103を介して、制御用コンピュータ101に入力される。なお、ステップS103は、請求項中のGPS測位データ受信手段に対応する。
【0042】
次に、ステップS104においては、レーダ画像情報の取込が行われる。すなわち、レーダ表示装置109から出力されるレーダ画像情報は、レーダ画像信号変換器106にて、制御用コンピュータ101にて処理可能な信号形式に変換されて、制御用コンピュータ101に入力される。
【0043】
次に、ステップS105においては、領域S1内に存在する全船舶に対して、制御用コンピュータ101にて取り込まれたレーダ画像情報に基づいて取得された緯度及び経度である船位データと、受信されたGPS測位データとが比較される。そして、この比較結果に基づいて、ステップS106において不審船舶が発見される。すなわち、不審船舶からはGPS測位データが返送されてくることはないので、上記船位データがあるにも拘わらずGPS測位データがない船舶を、不審船舶とみなすことができる。なお、ステップS105及びステップS106は、請求項中の不審船舶発見手段に対応する。
【0044】
ステップS106において、不審船舶が発見されなければ(ステップS106のN)監視センタ側の一連の処理は終了する(或いは、ステップS101に戻る)が、不審船舶が発見されれば(ステップS106のY)ステップS107に進む。
【0045】
ステップS107においては電子マップ上に発見された不審船舶を含む全船舶がプロット表示され、ステップS108おいてはレーダ画像が表示され、ステップS109においては船舶データが表示される。すなわち、図7に示すように、画像表示用ディスプレイ102には、102Aで示すように電子マップ上に不審船舶を含む全船舶が、102Bで示すようにレーダ画像が、102Cで示すように船舶データが表示される。
【0046】
電子マップ102Aは、予め制御用コンピュータ101にインストールされている関連地域の地図ソフトやインターネットを経由して取得可能な地図データ等を利用して描画される。電子マップ102上には、取り込まれたレーダ画像情報に基づいて、各船舶2a〜2e、不審船舶2′がプロット表示される。この際、不審船舶2′は、一目で正規の船舶2a〜2eと識別可能なように、色を変えたり、点滅表示させるようにすることが好ましい。なお、船舶2a〜2eのプロット表示には、受信したGPS測位データを利用してもよい。
【0047】
レーダ画像102Bは、図6で示した、レーダ表示装置109に表示されるレーダ画像を、制御用コンピュータ101にて取り込まれたレーダ画像情報に基づいて画像表示用ディスプレイ102上に復元したものである。
【0048】
船舶データ102Cは、プロットされた各船舶2a〜2e、2′に割り当てられた船舶番号201、受信された装置IDに相当する船舶ID(装置ID自体でもよい)202、制御用コンピュータ101にて取り込まれたレーダ画像情報に基づいて算出された緯度203a及び経度203bである。この際、不審船舶2′に相当する船舶番号は、一目で正規の船舶2a〜2eと識別可能なように、色を変えたり、丸で囲んだりすることが好ましい。なお、船舶番号1〜5で示される船舶2a〜2eの緯度203a及び経度203bは、受信したGPS測位データを利用して表示してもよい。
【0049】
上記電子マップ102A、レーダ画像102B及び船舶データ102Cは、図7に示すように、一画面に同時に表示するようにしてもよいし、それぞれ分離して別画面で表示するようにしてもよいし、電子マップ102A、画像102B及びデータ102Cのいずれか2つを同時に表示するようにしてもよい。また、レーダ表示装置109が、画像表示用ディスプレイ102に隣設されている場合等には、レーダ画像102Bは必ずしも表示する必要はない。このような表示により、領域S1内に存在する不審船舶を含む全船舶を正確に把握できる。
【0050】
なお、上記実施形態では、不審船舶が発見された場合に、不審船舶を含む電子マップ102A、レーダ画像102B及び船舶データ102Cを表示する例を示しているが、不審船舶が発見されなかった場合にも、同様の表示を行うようにしてもよい。なお、ステップS107〜ステップS109は、請求項中の出力手段に対応する。
【0051】
次に、ステップS110においては、上記領域内に存在する不審船舶を含む全船舶に対して、予め定められた共通周波数でポーリングをかける。なお、このポーリングは、マイク105及び無線装置104を介して行われる。なお、ステップS110は、請求項中のポーリング手段に対応する。
【0052】
船舶側処理のステップS204においては、監視センタ1からのポーリングが待機されており(ステップS204のN)、ポーリングがあると(ステップS204のY)ステップS205に進んで、ポーリングに対する応答信号と共に端末IDが監視センタ1に返送される。この応答信号は、各船舶に搭載される無線機23から発信される。なお、ステップS204及びステップS205はそれぞれ、請求項中のポーリング受信手段及び応答信号送信手段に対応する。
【0053】
監視センタ側処理のステップS111においては、各船舶からの応答信号及び端末IDが受信待機されており(ステップS111のN)、応答信号及び端末IDが受信されるとステップS112に進む(ステップS111のY)。すなわち、各船舶から返送されてきた応答信号及び端末IDは、無線装置104及びGPS基地局ユニット103を介して、制御用コンピュータ101に入力される。なお、ステップS110は、請求項中の応答信号受信手段に対応する。
【0054】
ステップS112においては、不審船舶の確定表示が行われる。すなわち、監視センタ側に、GPS測位データも応答信号も送信してこない船舶は、明らかに不審船舶であると判断できるので、上述の発見した不審船舶が真の不審船舶であることを最終確定することができる。この最終確定された不審船舶は、例えば、図7の電子マップ102Aや船舶データ102Cの「*」で示すように、その旨が明示される。なお、ステップS112は、請求項中の不審船舶確定手段に対応する。
【0055】
このように本実施形態によれば、レーダ情報のみならず、GPS測位データも不審船舶の監視に利用することにより、安価でありながら、不審船舶を確実に発見できるシステムを提供できる。
【0056】
なお、上記実施形態で例示した表示例は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはいうまでもない。また、監視センタ側及び船舶側の構成も、本発明と同等の機能を有するものであれば、適宜変更可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、レーダ情報に基づき海上における予め定められた領域内に船舶が侵入したことが検出すると、監視センタ側は、領域内での操業を許可された船舶2に対してID確認信号を無線送信する。このID確認信号の受信に応答して、操業を許可された船舶2では、GPS測位データを生成し、これと共に自船舶に割り当てられたIDを無線返送する。これらを受けて、監視センタ側は、レーダ情報から得られた船位データ及び受信されたGPS測位データに基づき不審船舶を発見し、発見した不審船舶に関する位置情報を出力する。このように、レーダ情報のみならず、GPS測位データも不審船舶の監視に利用することにより、安価でありながら、不審船舶を確実に発見できる。
【0058】
請求項2記載の発明によれば、領域内に存在する操業を許可された船舶2の位置情報も出力されるので、許可船舶と識別しつつ不審船舶をより確実に発見できる。
【0059】
請求項3記載の発明によれば、領域内に存在する不審船舶2′及び操業を許可された船舶2を電子マップ上にプロット表示されると共に、これら船舶のそれぞれの緯度経度が数値表示されるので、領域内に存在する不審船舶を含む全船舶を正確に把握できる。
【0060】
請求項4記載の発明によれば、不審船舶が発見された後に、監視センタ側は、領域内に存在する船舶に対してポーリングをかけ、ポーリングに対する応答信号の受信結果も参照して不審船舶を確定する。したがって、発見した不審船舶が不審船舶であることを確定することができる。
【0061】
請求項5記載の発明によれば、レーダ装置109A自体が持つ、領域内に新たに侵入してきた侵入船舶の感知機能が利用されるので、監視センタ側の処理手順の簡素化に役立つ。
【0062】
請求項6記載の発明によれば、GPS測位データが音声周波数信号に変換され、音声周波数信号入力端子を備えた汎用無線機に供給される。したがって、汎用無線機も本システムの一部として利用可能になり、システム構築費用及び運用費用が安価になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るシステム構成を示す図である。
【図3】監視センタに装備される装置類を示すブロック図である。
【図4】正規の船舶に搭載される装置類を示すブロック図である。
【図5】監視センタ及び船舶にて行われる本不審船舶監視システムに係る処理手順及び両者間で行われる通信シーケンスを示すフローチャートである。
【図6】レーダ表示装置に表示されるレーダ画像の一例を示す図である。
【図7】監視センタの画像表示用ディスプレイ上の表示例を示す図である。
【符号の説明】
1 監視センタ
2 船舶
2′ 不審船舶
3 あわび
4 GPS衛星
21 GPS端末
101 制御用コンピュータ
102 画像表示用ディスプレイ
109 レーダ表示装置
S 海上
S1 領域
Claims (6)
- 海上において予め定められた領域内に違法侵入した不審船舶を監視するシステムであって、
前記領域内に存在する船舶を監視する監視センタには、
発射した電波を対象物にあてその反射波を受信して対象物を認識するレーダ装置から得られるレーダ情報に基づき、前記領域内に新たに侵入してきた侵入船舶を検出する侵入船舶検出手段と、
前記侵入船舶の検出に応答して、前記領域内での操業を許可された船舶に対して、そのID確認のためのID確認信号を無線送信するID確認信号送信手段と、
前記船舶からこの船舶に予め割り当てられたIDと共に送信されてくるGPS測位データを受信するGPS測位データ受信手段と、
前記レーダ情報から得られた前記領域内に存在する船舶の船位データ及び受信された前記GPS測位データに基づいて、前記不審船舶を発見する不審船舶発見手段と、
少なくとも、前記発見した不審船舶に関する位置情報を出力する出力手段と、が装備され、
前記領域内での操業を許可された船舶には、
前記ID確認信号を無線受信するID確認信号受信手段と、
前記ID確認信号の受信に応答して、GPS信号を利用して自船舶の現在位置を測位し、前記GPS測位データを生成するGPS測位データ生成手段と、
自船舶に割り当てられたIDと共に前記GPS測位データを無線送信するGPS測位データ送信手段と、が装備される、
ことを特徴とする不審船舶監視システム。 - 請求項1記載の不審船舶監視システムにおいて、
前記出力手段は、
前記レーダ情報から得られた船位データ及び前記受信されたGPS測位データに基づいて、前記領域内に存在する前記操業を許可された船舶の位置情報も出力する、
ことを特徴とする不審船舶監視システム。 - 請求項2記載の不審船舶監視システムにおいて、
前記出力手段は、
前記領域内に存在する前記不審船舶及び前記操業を許可された船舶を電子マップ上にプロット表示すると共に、これら船舶のそれぞれの緯度経度を数値表示する、
ことを特徴とする不審船舶監視システム。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の不審船舶監視システムにおいて、
前記監視センタには、
前記不審船舶の発見に応答して、前記船舶に対して無線周波数を介してポーリングをかけるポーリング手段と、
前記船舶から前記IDと共に送信されてくる前記ポーリングに対する応答信号を受信する応答信号受信手段と、
前記船位データ及び前記GPS測位データと共に、前記応答信号の受信結果に基づき、前記不審船舶を確定する不審船舶確定手段と、が更に装備され、
前記船舶には、
前記ポーリングを無線受信するポーリング受信手段と、
前記ポーリングの受信に応答して、前記IDと共に前記応答信号を送信する応答信号送信手段と、が更に装備され、
前記出力手段は、前記確定した不審船舶に関する情報も出力する、
ことを特徴とする不審船舶監視システム。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の不審船舶監視システムにおいて、
前記侵入船舶検出手段は、前記レーダ装置自体が持つ、前記領域内に新たに侵入してきた侵入船舶の感知機能を利用して前記侵入船舶を検出する、
ことを特徴とする不審船舶監視システム。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の不審船舶監視システムにおいて、
前記ID確認信号受信手段及び前記GPS測位データ送信手段は、
少なくとも音声周波数信号入力端子を備えた汎用無線機に含まれ、
前記GPS測位データ生成手段は、
前記GPS測位データを音声周波数信号に変換して前記音声周波数信号入力端子に出力する機能を備えたGPS端末装置に含まれる、
ことを特徴とする不審船舶監視システム。
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- 2003-04-17 JP JP2003112565A patent/JP2004318561A/ja not_active Withdrawn
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