JP2004316178A - 軽量構造物用免震基礎構造及びその免震方法 - Google Patents

軽量構造物用免震基礎構造及びその免震方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ころがり・すべり支持を採る低層建物用の免震基礎において、風荷重あるいは地震動により生じる転倒モーメントに有効に対応できること。
【解決手段】基礎地盤上に定置される上面が水平をなす基台部;該基台部上に鉛直に立設される支柱;該支柱の回りに対称を保って配され、基台部の上面に移動可能に載置され、かつ建物に連結される可動台;可動台間に水平に架け渡される受梁;前記支柱と前記可動台との間に介装されるばね材を主体とする復帰装置;を備え、前記基台部に直接に設置された拘束部材、もしくは前記支柱間に架け渡されて固設される剛性の拘束梁により前記受梁を水平移動のみ可能に拘束してなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、地盤と建物等の上部構造との間に介装され、上部構造の荷重を支持するとともに地震動等の強制振動に対して上部構造の揺れを低減し免震作用を発揮する免震基礎に関し、特には、低層建物すなわち住宅に適用されて好適な免震基礎に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、住宅等の低層建物にも免震基礎を施すことが普及しつつあるが、低層建物の軽量性に鑑み、当該免震基礎には迅速な応答特性が求められる。更には、低層建物は強風並びに地震動による転倒の要因も加わり、転倒に対する対策も求められる。このため、ゴム免震支承では転倒性に付いては比較的安定しているが、応答性に付いては問題がある。また、ころがり・すべり支持による免震支承は応答性に優れているが、従来のこの種免震支承においては、転倒に対して有効な措置が採られておらず、普及における隘路となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、ころがり・すべり支持を採るこの種の低層建物用の免震基礎において、地震動により生じる転倒モーメントに有効に対応できる新規な構造の免震基礎構造並びにその免震方法を提供することを目的とする。
本発明はこのため、地盤に連動する基台上を自由に変位する可動台を設け、この可動台相互を連結梁(受梁)で連結して可動系を構成し、この連結梁を上揚力を封ずる拘束手段を固定系とするという新規な着想のもとにこの目的を達成したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、軽量構造物と基礎地盤との間に介装され、該軽量構造物の荷重を支持するとともに地震動等の強制振動に対して該軽量構造物の揺れを低減し免震作用を発揮する免震基礎構造であって、
前記基礎地盤上に定置され、所定の広がりと厚さを有するとともに上面が水平をなす基台部;
前記基台部上に鉛直に立設される剛性を保持する1又は複数の支柱;
前記支柱の回りに対称を保って配され、前記基台部の上面に低摩擦性移動機構を介して水平の全方向に移動可能に載置され、かつ前記軽量構造物を直接もしくは間接的に支持する可動台;
前記支柱と前記可動台との間に介装されるばね材を主体とする復帰装置;
を備え、
前記可動台間に剛性を保持する受梁が水平に架け渡され、
前記基台部に直接に設置された剛性の拘束部材、もしくは前記支柱間に架け渡されて固設される剛性の拘束梁により前記受梁を水平方向のみ移動可能に拘束してなる、
ことを特徴とする。
上記において、
▲1▼「軽量構造物」は比較的軽量な構造物すなわち住宅用建物・中層コンクリート建物を主とするが、床構造を除外するものではない。
▲2▼「低摩擦性移動機構」はころがり、すべり支持機構及び、それと同等の作用を奏する機構の態様を含む。
▲3▼拘束部材、拘束梁は以下の「実施の形態」で具体的に示されるが、それと同等の作用を有するものを除外するものではない。
上記構成において、
▲1▼構造物は可動台に土台を介して又は介さずして直接的に取り付けられること、
▲2▼構造物は可動台に鉛直防振機構を介して、土台を介して又は介さずして直接的に取り付けられること、
▲3▼復帰装置のばね材に予圧縮力が導入されること、
は適宜採択される技術的事項である。
また、上記構成において、拘束部材及び拘束梁と受梁との当接態様は以下の「実施の形態」で示されるが、実施形態に限定されるものではなく、それと同等の作用を奏する態様を含む。
【0005】
本発明の第2は、軽量構造物と基礎地盤との間に介装され、該軽量構造物の荷重を支持するとともに地震動等の強制振動に対して該軽量構造物の揺れを低減し免震作用を発揮する免震基礎構造による免震方法であって、
前記基礎地盤上に定置され、所定の広がりと厚さを有するとともに上面が水平をなす基台部;前記基台部上に鉛直に立設される剛性を保持する1又は複数の支柱;前記支柱の回りに対称を保って配され、前記基台部の上面に低摩擦性移動機構を介して水平の全方向に移動可能に載置され、かつ前記軽量構造物を直接もしくは間接的に支持する可動台;前記可動台間に水平に架け渡される剛性を保持する受梁;前記支柱と前記可動台との間に介装されるばね材を主体とする復帰装置;を備え、
前記基台部に直接に設置された剛性の拘束部材、もしくは前記支柱間に架け渡されて固設される剛性の拘束梁により前記受梁を水平方向のみ移動可能に拘束してなる、
ことを特徴とする。
【0006】
(作用)
本軽量構造物用免震基礎構造は以下の作用を発揮する。
(A) 常時
常時において、建物の荷重は土台部を介して可動台から基台部へ、更には地盤に伝達され支持される。
可動台の相互は受梁を介して相互に連結され一体となり、かつ支柱からのコイルばねの付勢作用を受けて静止する。
この状態で強風が作用したとき、復帰装置のコイルばねには予圧力が導入されているので、この予圧力の範囲内で風荷重に対抗し、静止状態を保持する。
(B) 地震時
地震動により、地盤が強制振動力を受けると基台部は該地盤と一体に振動し、該基台部に固定される支柱・拘束梁の固定系も一体に振動する。一方、可動系すなわち可動台・受梁・土台更にはその上の建物は、その可動台が基台部上に低摩擦支持機構(ころがり機構)を介して横振動方向に付き絶縁されたものとなっているので、地震動の水平力は大きく低減されて入力され、建物と地盤との間に相対変位が生じる。建物はその固有周期で揺れることになる。
建物と地盤との相対変位は、水平面の全方向に生じるが、支柱回りに復帰装置のばね材が放射状に配されており、当該相対変位に対し、常に応力0の状態に復帰しようと働き、圧縮力と引張り力とが均等に作用し、いずれのばね材も初期位置に戻る作用を発揮する。この作用は各支柱を囲む可動台との間で一様に起こり、受梁で連結された枠体の併進性を保障する。
これにより、可動系は復帰機構のばね材の剛性に勝る弾性により速やかに元位置に戻る。ばね材はまた、減衰機能を発揮し、可動系の0点(初期)位置への復帰の迅速性に寄与する。
この変位において、建物に連動する可動台の相互を繋ぐ受梁は拘束梁との当接によりその上揚力は拘束され、建物に生じる転倒モーメントにより生じる可動台の上揚力を封じ、建物の転倒を阻止する。
更に、本免震基礎構造における拘束梁は中央部分に広く配されているので有効に上揚力を阻止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の軽量構造物用免震基礎構造及びその免震方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図8はその一実施形態(第1実施形態)の広がり免震基礎構造を示し、低層階建物用基礎への適用例を示す。すなわち、図1及び図2はその全体構成を示し、図3〜図7は各部分構成を示す。
本免震基礎構造Kは、地盤Eと上部構造としての低層階建物Hとの間に介装設置され、低層階建物Hの荷重を支持し、地盤Eに伝達するとともに地震等の強制振動力より生起される低層階建物Hの揺れに対して免震作用をなす。
【0008】
図1〜図7に示すように、本実施形態の免震基礎構造Kは、地盤Eに定着され上面が水平を保持する基台部1と、該基台部1上に所定関係を保って立設される複数(本実施形態では6)の支柱2と、該支柱2間に掛け渡され剛接される拘束梁3と、該基台部1上に移動自在に載置され前記支柱2に所定の関係位置を保って配される複数(本実施形態では12)の可動台4と、該可動台4間に掛け渡され前記拘束梁3に拘束される受梁5と、前記支柱2と前記可動台部4とに介装される復帰装置6と、を含む。
しかして、可動台4の上面には建物Hが土台部7を介して載置固定される。
【0009】
以下、各部の細部の構造に付いて、図3〜図 を参照して説明する。
(固定系)
固定系は基台部1と柱部材2と拘束梁3とから構成される。
基台部1(図1〜図3、図5参照)
基台部1は地盤Eに定着され上面1aが水平面を保持する。
該基台部1はコンクリート造をもって形成され、上面1aが平滑面にされ、所定厚さの矩形板状(正方形もしくは長方形)をなす。
本実施形態において該基台部1は後記する可動台の可動範囲を見込んで、該可動台よりも四方に広い面積を有する載置台10が形成されてなるものであるが、その広さにおいて格別限定されるものではなく、場合によっては基台部1の全表面が面一とされる。載置台10の表面部には可動台との支圧を保障するすべり板11が固設される。
該基台部1は、住宅平面に見合う広がり分に地表を掘り下げ、割り栗石12をもって敷き固め、その上に鉄筋を配し、所定厚さにコンクリートを打設する。
【0010】
支柱2(図1〜図3、図4参照)
支柱2は、該基台部1上に複数(本実施形態では6)が所定関係を保って立設される。
該支柱2は、鋼製もしくはコンクリート製の剛性素材をもって形成され、所定高さの円柱状をなし、基台部1の上面の6か所に立設される。6本の支柱2は互いに等間隔を保ち、2つの正方形の枠部を作る。支柱2が金属製(例えば鋼製)を採るとき、その基部にアンカー板14が固設され、該アンカー板14とともに基台部1のコンクリート中に埋設する。支柱2がコンクリート製を採るとき、基台部1の鉄筋(図示せず)に連結して柱用の鉄筋(図示せず)を立ち上げて該柱鉄筋回りにコンクリートを打設して構築する。
【0011】
拘束梁3(図1〜図4参照)
拘束梁3は、該支材2間に架け渡され該支柱2に剛結される。
拘束梁3は、矩形断面をなし、鋼製の剛性素材よりなり、支柱2の上部において該柱材2間に水平を保って架け渡される。3aは該拘束梁3の下面である。
拘束梁3の支柱2への結合は、支柱2の上部に被嵌される継手15を介して固定される。継手15は鋼製の円筒体よりなり、円柱状の支柱2の頭部に密着状に嵌合固定される。すなわち、支柱2が鋼製の場合には、該継手15は取付けボルト16をもって固定されるか、あるいは溶接により固定される。支柱2がコンクリート製の場合には、支柱2の頭部をインサート(図示せず)を埋設し、該インサートを介して継手15と取付けボルトをもって固定される。
以上の固定系に付いて留意されるべきことは、該固定系を構成する基台部1・柱材2・拘束梁3は剛性をもって一体に形成されるとともに一体に機能することである。
【0012】
(可動系)
可動系は可動台4と受梁5と復帰機構6とからなる。
可動台4(図5〜図7参照)
可動台4は、前記基台部1上に移動自在に載置され前記支柱2に所定の関係位置を保って複数(本実施形態では12)配される。
可動台4は円板状の台板18と該台板18上に立設される円柱部19とから本体が構成され、台板18の下部に配される可動(ころがり)機構20を介して基台部1の裁置台10に水平方向に移動自在に裁置される。台板18は一定厚を保持し、その上面の周縁部には受梁が固設される。
可動機構20は本実施形態ではころがり支持を採るが、すべり支持態様を除外するものではない。
本実施形態の可動機構20はころがり支持態様を採り、台板18と基台部1との間に多数の鋼製の球体20aが配されてなる。各球体20aは各独立して台板18の下面に配され、上方からの荷重を基台部1のすべり板11に伝達する。
球体20a は、リテーナ(保持枠)によって回転自在に保持される。
【0013】
受梁5(図5、図6参照)
受梁5は、相隣れる可動台4間に掛け渡され剛結され、かつ前記拘束梁3に拘束される。
該受梁5は矩形断面をなし、鋼製の剛性素材よりなり、相隣れる可動台4において該可動台4の台板18上に水準を保って架け渡され、取付けボルト22をもって、もしくは溶接により剛結される。これにより、可動台4は各受梁5を介して一体化され、全体として水平面を併進移動自在となる。
各受梁5は等長をなし、従って可動台4も互いに等距離を保ち、可動台4と受梁5とは本実施形態では6つの枠体を作るが、各枠体毎にその中心に支柱2が位置する。
受梁5の上面5aは拘束梁3の下面3aに当接し、上方への浮き上りが阻止される。
【0014】
復帰装置6(図6、図7参照)
復帰装置6は、コイルばね24を主体とし、可動台4と受梁5との作る枠体の各単位毎において、支柱2と該支柱2を囲む4つの可動台4の台板18とに介装される。すなわち、支柱2より放射状にコイルばね24が取り付けられる。具体的には、コイルばね24の一端は可動台4の台板18に取付け用リブ25を介して固定され、その他端は支柱2に中間部に固定される。
【0015】
土台部7
可動台4上に低層階建物Hとの接続を図る土台部7が配される。該土台部8は可動台4と建物Hとを剛結する。
【0016】
(本免震基礎構造Kの作用)
本実施形態の免震基礎構造Kは叙上の構成よりなり、低層階建物すなわち住宅用家屋Hと地盤Eとの間に介装され、建物Hの荷重を支持し地盤Eに該荷重を伝達するとともに、地震動に対する免震作用を発揮する。
(A) 常時
常時において、建物Hの荷重は、土台部7を介して可動台4から基台部1へ、更には地盤Eに伝達され支持される。
可動台4の相互は受梁5を介して相互に連結され一体となり、かつ支柱2からのコイルばね24の付勢作用を受けて静止する。
この状態で強風が作用したとき、復帰機構6のコイルばね24には予圧力が導入されているので、この予圧力の範囲内で風荷重に対抗し、静止状態を保持する。
【0017】
(B) 地震時
地震動により、地盤Eが強制振動力を受けると基台部1は該地盤Eと一体に振動し、該基台部1に固定される支柱2・拘束梁3の固定系も一体に振動する。一方、可動系すなわち可動台4・受梁5・土台部7更にはその上の建物Hは、その可動台4が基台部1上にころがり機構20を介して横振動方向に付き絶縁されたものとなっているので、地震動の水平力は大きく低減されて入力され、建物Hと地盤Eとの間に相対変位が生じる。すなわち、ころがり機構20の摩擦が0(ゼロ)であれば変位伝播を完全に阻止できるが、固定系(支柱2)と可動系(可動台4)とに介装されるコイルばね24の水平剛性により多少の水平力が伝わる。この結果、入力された水平力により建物Hに搖動力Fが生じ、建物Hはその固有周期で揺れることになる。
しかして、ころがり機構20の摩擦作用は極めて小さく、可動系(すなわち可動台4・受梁5・土台部7)の揺れは、固定系(すなわち可動部1・支柱2・拘束梁3)の揺れから大幅に隔絶されたものとなり、静止慣性を発揮し、静止状態を保持しようとする。
建物Hと地盤Eとの相対変位は、水平面の全方向に生じるが、支柱2回りのコイルばね24は放射状に均等(90°)に配されており、当該相対変位に対し、常に応力0の状態に復帰しようと働き、圧縮力と引張り力とが均等に作用し、いずれのコイルばね24も初期位置に戻る作用を発揮する。
本実施形態では、この作用は各支柱2を囲む可動台4との間で一様に起こり、受梁5で連結された枠体の総体に対する併進性を保障する。
これにより、可動系は復帰機構6のコイルばね24の剛性に勝る弾性により速やかに元位置に戻る。
コイルばね24はまた、減衰機能を発揮し、可動系の0点(初期)位置への復帰の迅速性に寄与する。
この変位において、建物Hに連動する可動台4の相互を繋ぐ受梁5は拘束梁3との当接によりその上揚力は拘束され、建物Hに生じる転倒モーメントにより生じる可動台4の上揚力を封じ、建物Hの転倒を阻止する。本実施形態の免震基礎構造Kにおける拘束梁3は中央部分に広く配されているので有効に上揚力を阻止することができる。
【0018】
(本免震基礎構造Kの効果)
本免震基礎構造Kによれば、建物Hを支持する可動台4は受梁5により互いに連結され、複数の可動台4により均等に基台部1に載荷されるので、軽量建物に適用される。
また、可動台4は基台部1上にころがり機構20を介して横振動方向に付き絶縁されたものとなっているので、地震動の水平力は大きく低減されて入力され、優れた免震性を発揮する。
特に留意すべきは、本免震基礎構造Kは地震動の変位中においても、建物Hに連動する可動台4はそれらを繋ぐ受梁5が拘束梁3により拘束され、該可動台4の上揚力を封じ、建物Hに生じる転倒モーメントを阻止し、免震機能とともに上揚力の阻止機能を共有する極めて有用なものとなっている。
また、本免震基礎構造Kの復帰装置6のコイルばね24によれば、減衰機能を発揮し、地震変位中においても速やかに初期位置に復帰することができるが、該コイルばね24に予圧縮力を導入することにより、容易にトリガー機能を持たせることができる。
更に、拘束梁3により転倒モーメントが有効に阻止されるので、本免震基礎構造Kの面積を小さく採れ、経済的工法を得ることができる。
【0019】
(他の態様)
以上、本実施形態では6本の支柱2及び該支柱2を囲む12個の可動台4よりなり6組の枠体より構成される免震基礎構造Kを示したが、当該免震基礎構造Kにおいて、1本の支柱2及び該支柱2を囲む等間隔に配される4個の可動台4からなる1組の枠体は本発明の最小単位の免震基礎構造K1を構成する。この場合、受梁5・復帰装置6を備え、拘束梁3は有しない。拘束梁3に替え、受梁5に対する後記する他の拘束手段8が採られる。
また、拘束梁3を有する態様として、4本の支柱2及び該支柱2を囲む9個の可動台4からなる4組の枠体は本発明の他の最小単位としての免震基礎構造K2を構成する。
本実施形態の免震基礎構造Kあるいは上記免震基礎構造K2において、その外枠の受梁5に他の拘束手段8を配することを妨げるものではない。
図8に上記の態様の免震基礎構造を模式的に示す。
図8(a) は基台部1に2つの免震基礎構造K1を配したものである。図において、8は拘束梁に替え、受梁5を拘束する他の拘束手段である。
図8(b) は免震基礎構造K2を示す。本例は、拘束梁3も他の拘束手段8も備える。
【0020】
本実施形態における更に他の態様を示す。
(1) 可動台4に付き
可動台4の支持機構20をころがり機構としたが、すべり機構態様とすることによっても同等の作用効果が得られる。
(2) 拘束梁3と受梁5とに付き
拘束梁3と受梁5との断面構造を矩形中実としたが、これらを共に矩形中空とすること、あるいはH型断面とすることを妨げない。通常においては、H型鋼が使用される。
(3) 拘束梁3と受梁5との配置態様に付き
受梁5の中間位置に幅広の窓部(図示せず)を開設し、該窓部に拘束梁3を上下に拘束して挿通すること。又は、その逆態様を採ること。
【0021】
(第2実施形態)
図9及び図10は本発明の免震基礎構造の他の実施形態(第2実施形態)を示す。
すなわち、図9はその免震基礎構造K3の全体の平面構成を示し、図10はその要部の縦断面構成を示す。図において、先の実施形態と同等の部材は同一の符号が附されている。
【0022】
本免震基礎構造K3において特徴的なことは、支柱2及び可動台4が長方形懸隔の不等距離間隔を保ち、従って拘束梁3も受梁5も不等辺長をなし、かつ、可動台4はすべり支持態様をなすとともに鉛直防振機構を備える。
更に本免震基礎構造K3において特徴とするところは、外枠に配される受梁5に拘束部材8が配されることである。その余の構成においては先の実施形態に準じる。
すなわち、拘束部材8は本体30が所定幅及び所定厚の鋼板が所定高さをもってコ字状(あるいは溝型状)に折り曲げられ、その両脚部31は基台部1に埋込みアンカーボルト32を介して定着される。本体30の天井面部30aは受梁5の上面に当接し、一定の摺動幅を保って受梁5の移動を拘束する。
可動台4の円柱部19の上部には、凹部35が形成され、コイルばね36を介して土台部7に連動される柱状部材37を弾性をもって支持する。これにより、本免震基礎構造K3は鉛直防振機能を備える。
可動台4の台板18の下面には適宜フッ素加工の施されたすべり板39が固設され、基台部1の上面1aのすべり板11と当接し、低摩擦のすべりを得る。
この免震基礎構造K3においては、免震機能において、水平成分の振動に加え、鉛直成分に付いても減衰作用を発揮する。
また、建物の転倒モーメントに対しても外枠の受梁5に配した拘束部材8により拘束され、これを有効に阻止する。
本免震基礎構造K3の特徴点は先の第1実施形態に適用できる。
【0023】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術思想の範囲内で種々設計変更が可能である。すなわち、以下の態様は本発明の技術的範囲内に包含されるものである。
▲1▼叙上の実施形態では住宅等の低層建物への適用例を述べたが、住宅に限らず、機械基礎等の他の構造物への適用も当然になされる。
▲2▼受梁によって作る枠体は正方形に限定されず、長方形であってもよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明の免震基礎構造によれば、建物を支持する可動台は受梁により互いに連結され、複数の可動台により均等に基台部に載荷されるので、基台部に過大な負荷をかけず、軽量建物に有用である。
また、可動台は基台部上にころがり機構を介して横振動方向に付き絶縁されたものとなっているので、地震動の水平力は大きく低減されて入力され、優れた免震性を発揮する。
そして、本免震基礎構造は地震動の変位中においても、建物に連動する可動台はそれらを繋ぐ受梁が拘束梁により拘束され、該可動台の上揚力を封じ、建物に生じる転倒モーメントを阻止し、免震機能とともに上揚力の阻止機能を共有する極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態(第1実施形態)の免震基礎構造の全体構成を示す一部側面一部垂直断面図(図2の1−1線側面・断面図)。
【図2】同じく本免震基礎構造の全体構成を示す平面図(図1の2−2線断面図)。
【図3】本免震基礎構造の支柱回りの構成を示す詳細図。
【図4】図3の4線矢視図。
【図5】本免震基礎構造の可動台回りの構成を示す詳細図。
【図6】図5の6−6線断面図。
【図7】免震構造の一単位の模式図。
【図8】本実施形態のほかの態様を示す図。
【図9】他の実施形態(第2実施形態)の免震基礎構造の平面図。
【図10】その要部の詳細図。
【符号の説明】
K,K1,K2,K3…免震基礎構造、1…基台部、2…支柱、3…拘束梁、4…可動台、5…受梁、6…復帰装置、7…土台部、8…拘束部材、20…ころがり機構、24…ばね材

Claims (2)

  1. 軽量構造物と基礎地盤との間に介装され、該軽量構造物の荷重を支持するとともに地震動等の強制振動に対して該軽量構造物の揺れを低減し免震作用を発揮する免震基礎構造であって、
    前記基礎地盤上に定置され、所定の広がりと厚さを有するとともに上面が水平をなす基台部;
    前記基台部上に鉛直に立設される剛性を保持する1又は複数の支柱;
    前記支柱の回りに対称を保って配され、前記基台部の上面に低摩擦性移動機構を介して水平の全方向に移動可能に載置され、かつ前記軽量構造物を直接もしくは間接的に支持する可動台;
    前記支柱と前記可動台との間に介装されるばね材を主体とする復帰装置;
    を備え、
    前記可動台間に剛性を保持する受梁が水平に架け渡され、
    前記基台部に直接に設置された剛性の拘束部材、もしくは前記支柱間に架け渡されて固設される剛性の拘束梁により前記受梁を水平方向のみ移動可能に拘束してなる、
    ことを特徴とする軽量構造物用免震基礎構造。
  2. 軽量構造物と基礎地盤との間に介装され、該軽量構造物の荷重を支持するとともに地震動等の強制振動に対して該軽量構造物の揺れを低減し免震作用を発揮する免震基礎構造による免震方法であって、
    前記基礎地盤上に定置され、所定の広がりと厚さを有するとともに上面が水平をなす基台部;前記基台部上に鉛直に立設される剛性を保持する1又は複数の支柱;前記支柱の回りに対称を保って配され、前記基台部の上面に低摩擦性移動機構を介して水平の全方向に移動可能に載置され、かつ前記軽量構造物を直接もしくは間接的に支持する可動台;前記可動台間に水平に架け渡される剛性を保持する受梁;前記支柱と前記可動台との間に介装されるばね材を主体とする復帰装置;を備え、
    前記基台部に直接に設置された剛性の拘束部材、もしくは前記支柱間に架け渡されて固設される剛性の拘束梁により前記受梁を水平方向のみ移動可能に拘束してなる、
    ことを特徴とする軽量構造物用免震基礎構造の免震方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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