JP2004309033A - 廃タイヤ処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】、金属分による燃焼阻害を抑制し、廃タイヤをより簡便に処理することが可能な廃タイヤ処理方法を提供する。
【解決手段】廃タイヤホッパ1に貯留された廃タイヤを粗裁断装置2、細裁断装置3で細断してタイヤチップ化し、磁選装置4でタイヤチップ中のビードワイヤや鋼線からなるベルト層を含むワイヤリッチチップを除去し、ワイヤ残留比率の少ないタイヤチップのみを流動層式のボイラ5へと供給して燃料として燃焼させることで、得られた蒸気エネルギーを利用する。
【選択図】 図1
【解決手段】廃タイヤホッパ1に貯留された廃タイヤを粗裁断装置2、細裁断装置3で細断してタイヤチップ化し、磁選装置4でタイヤチップ中のビードワイヤや鋼線からなるベルト層を含むワイヤリッチチップを除去し、ワイヤ残留比率の少ないタイヤチップのみを流動層式のボイラ5へと供給して燃料として燃焼させることで、得られた蒸気エネルギーを利用する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃タイヤの処理方法に関し、特に、廃タイヤをボイラー燃料として焼却処理する際の前処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃車処理やタイヤの交換などによって生ずる廃タイヤの処理が近年問題となっている。廃タイヤには内部にビードワイヤと呼ばれる鉄線が含まれているほか、ゴム部分にも硫黄分を多く含み、また燃焼によって黒煙が発生するため、燃焼処理が困難とされ、埋め立て処理が主流とされてきたが、容積が大きい、経費がかかる、等の理由から埋め立て処分にも難点が多く、野積みや不法投棄等も多発し、環境問題を引き起こしている。
【0003】
こうした廃タイヤ処理における問題解決のため、特許文献1、特許文献2に示されるような技術が開発されてきている。特許文献1の技術は、廃タイヤを石灰石とともに流動層燃焼炉で焼却処理し、燃料生成物のうち未燃分をサイクロンで分離して粉塵とともに回収・固化させることで、燃料としての再利用を図るものである。また、特許文献2の技術は焼却処理やリサイクルの前提として廃棄タイヤのビードワイヤを抜き取る技術である。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−217851号公報(段落0011〜0013、図4)
【0005】
【特許文献2】
特許第3031894号公報(段落0010〜0019、図1〜図6)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、タイヤにはビードワイヤのほかにもスチールコードと呼ばれる鋼線からなる補強部材が織り込まれており、特許文献2の技術によってもタイヤから金属分を完全に除去することは難しい。特許文献1の技術では、こうした金属分が大量に存在すると、流動層燃焼炉内で燃焼を阻害する要因となるため、これを除去する必要があり、連続運転ができないという問題があった。
【0007】
本発明では、金属分による燃焼阻害を抑制し、廃タイヤをより簡便に処理することが可能な廃タイヤ処理方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明にかかる廃タイヤ処理方法は、廃タイヤを丸ごと粗裁断する工程と、粗裁断により生成されたタイヤチップをさらに細裁断する工程と、細裁断されたタイヤチップから磁選処理によってワイヤ比率の多いタイヤチップを選別して除去する工程と、磁選処理を通過したワイヤ比率の少ないタイヤチップを循環流動層式ボイラの燃料として燃焼させる工程と、を備えているものである。
【0009】
タイヤ中のワイヤは、ベルト部とビード部とに偏在している。したがって、廃タイヤを細裁断すると、ベルト部とビード部由来のワイヤ比率の比較的多いタイヤチップと、それ以外のゴム層由来のワイヤ比率の比較的少ないタイヤチップが得られる。前者は通常の磁選処理によって簡単に後者から選別して除去することができ、その結果、選別後のワイヤ比率の少ないタイヤチップ中のワイヤ残留率を廃タイヤ自体に比べて低減することができる。また、含まれるワイヤ自体も短いため、これを燃料として焼却した場合に、炉内でワイヤ同士が絡み合うことがなく、燃焼阻害を抑制できる。
【0010】
磁選処理では、ワイヤ比率の少ない側のタイヤチップのワイヤ残留率を5〜7%程度となるよう選別を行うことが好ましい。通常の廃タイヤ中のワイヤ残留率は15%程度であるが、発明者らの知見によれば、ワイヤ残留率を7%以下まで低減させると、流動層燃焼炉等において焼却処理を行う際に、ワイヤが燃焼阻害の要因とならずにすむ。一方、廃タイヤ中のワイヤ残留率を5%未満に低減しようとすると、磁選処理の選別精度をさらに向上させる必要があり、タイヤチップの裁断サイズを細かくしたり磁選処理の磁力を増強しなければならず、選別コストが増大し、現実的ではなくなるからである。
【0011】
この粗裁断では、500mm以下に裁断を行うことが好ましく、細裁断では10〜50mmのタイヤチップへの裁断を行うことが好ましい。粗裁断をこのサイズで行うことで、細裁断が容易になる。また、細裁断をこのサイズで行うことで、細裁断の裁断コストを抑制し、かつ、選別精度を確保し、燃焼阻害を抑制するタイヤチップサイズを確保できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
【0013】
図1は、本発明に係る廃タイヤ処理を好適に行うことが可能な処理プラントを示す概略構成図である。この処理プラントは、廃タイヤを収容する廃タイヤホッパと、廃タイヤを粗裁断する粗裁断装置2と、粗裁断された廃タイヤをさらに細裁断する細裁断装置3と、細裁断されたタイヤチップを磁力によって選別する磁選装置4と、磁選装置でワイヤリッチ(ワイヤを多く含む)チップが除去されたタイヤチップを焼却処理するボイラ5からなる。
【0014】
粗裁断装置2には、例えば、2軸ないし3軸以上の多軸式またはスクリュー式の低速回転式破砕機を用いることができる。これは、並行して設けられた回転軸により切断刃を回転させ、剪断力や引き裂き力を相互作用させて被破砕物(ここでは、廃タイヤ)の剪断、引き裂きを行う。細裁断装置3には、高速回転式破砕機(シュレッダ)を用いることができる。シュレッダは横型、竪型のいずれでもよく、ハンマ式、リンググラインダ式のいずれの形式も用いることが可能である。磁選装置4は、永久磁石または電磁石の磁力によって、鉄分を多く含むタイヤチップを吸着させて選別するものであり、プーリ式、ドラム式、つり下げ式等の各種の磁選装置を用いることができる。ボイラ5としては、循環流動層式(CFB=Circulating Fluidized Bed)ボイラが好適である。
【0015】
ここで、本プラントの処理対象であるタイヤの構成について簡単に説明する。図2は、タイヤの一般的な構成を示す断面図である。現在、自動車用のタイヤとしては、一般にチューブレスタイプのスチールラジアルタイヤが用いられている。この種のタイヤ9は、外側にゴム層91が形成されており、特に路面に接する部分の厚いゴム層91をトレッド部91aと称する。そして、トレッド部91aから車輪のリム8側へ順にゴム層が薄くなり、ショルダー部91b、サイド部91c、ビード部91dを形成している。トレッド部91aの内側には、鋼線を編んで作られたベルト層92があり、その下にある繊維を編んで作られたカーカス93を補強する役割を有する。車輪のリム8に接する側のビード部91bには太い鋼線からなるビードワイヤ94が埋め込まれており、タイヤ9をリムに密着させる。カーカス93の内側には薄いゴム層であるインナーライナー95が形成され、バルブ80からタイヤ9内に充填される空気の漏れを防止する。
【0016】
続いて、本発明に係る廃タイヤ処理方法を具体的に説明する。収集された廃タイヤ9は、廃タイヤホッパ1に貯留される。貯留された廃タイヤ9は、ベルトコンベヤー等で粗裁断装置2へと送られ、剪断、引き裂きによって500mm以下に破砕される。粗裁断装置2での破砕サイズを500mm以下とすることで、次の細裁断装置3での細裁断が容易になるほか、粗裁断サイズが廃タイヤサイズに比べて比較的大きいため、粗裁断装置2の裁断負荷が小さく、粗裁断装置2の裁断用の刃の損傷、劣化を抑制できる。
【0017】
こうして裁断された廃タイヤ9は、ベルトコンベヤ等によって細裁断装置3へと投入され、破砕、剪断等によって10〜50mm角まで裁断される。粗裁断装置2で500mm程度に裁断されているため、細裁断装置3で10〜50mm角まで裁断するのは容易であり、細裁断装置3の裁断負荷も小さく、裁断部分の損傷、劣化を抑制することができる。タイヤチップを10〜50mm角に裁断することで、後述する磁選処理と、ボイラでの焼却処理を確実に行える。10mm未満まで裁断すると、細裁断装置2の負荷は大きくなるが、裁断サイズをこれより小さくしてもその後の磁選処理に要するエネルギーが高くなる一方、ボイラでの焼却処理の効率はあまり変化せず、全体のプラント効率が低下してしまうため好ましくない。一方、タイヤチップのサイズが50mm角を超えると、燃焼に阻害を与えてしまう。裁断サイズは1インチ(25mm)角程度とすることが最も好適である。
【0018】
このようにして廃タイヤ9を裁断することで生成されたタイヤチップは、磁選装置4へと送られる。廃タイヤ9は上述した構造を有しているため、これを10〜50mm角程度まで裁断した場合、ビード部91dやトレッド部91a由来のタイヤチップのうち、ビードワイヤ94やベルト層92を含むタイヤチップはワイヤ残留率が高いワイヤリッチのタイヤチップとなる。これに対して、ショルダー部91bやサイド部91c由来のタイヤチップやビード部91dやトレッド部91a由来のタイヤチップでもゴム層91、カーカス93、インナーライナー95主体のタイヤチップはワイヤ残留率の低い、あるいは、ほとんどワイヤを含まないタイヤチップとなる。磁選装置4では、ワイヤリッチチップが磁石に吸着されるため、タイヤチップ中からワイヤリッチチップを選別して除去することができる。これによりワイヤリッチチップを取り除いて得られるタイヤチップのワイヤ残留率は5〜7%程度となる。ここで、ビードワイヤ94やベルト層92を含むワイヤリッチチップとそれ以外のタイヤチップとでは、チップ内のワイヤ残留率が大きく異なるため、磁選による分別を容易かつ確実に行える。また、ワイヤ比率の高いチップのみを選別すれば良いため、磁選装置4の選別用磁石の磁力を、ワイヤを少しでも含むチップまでを選別する場合のように強力にする必要がなく、選別コストを低減することができる。
【0019】
このタイヤチップをベルトコンベヤ等によりボイラ5に投入して焼却処理する。発明者らは、CFBボイラにおいて、このようなサイズ、ワイヤ残留率のタイヤチップを燃焼させた場合、チップサイズが小さいため、残留するワイヤも短く、燃焼時に炉内で絡み合うことがないことを見出した。また、CFBボイラでは、石灰石を炉内に投入することによって、炉内脱硫が可能なため、排ガス処理設備が簡略化できる利点もある。廃タイヤ9を構成するゴム層91、カーカス93等は高熱量であり、これを燃焼させることで発生した熱量は、蒸気エネルギーとして回収される。この蒸気エネルギーを利用して図示していないタービンを回転させて、これに接続された発電機を回転させ、電気エネルギーに変換してもよい。また、蒸気エネルギー自体を直接利用したり、冷暖房、給湯等の熱源として利用することもできる。
【0020】
一方、ワイヤリッチチップは、図示していない再処理施設へと送られ、ワイヤがリサイクルされる。
【0021】
なお、ボイラ5はタイヤチップ専燃でなくともよく、他の燃料、石炭、重油、ガスやその他の廃棄物等を混燃してもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、廃タイヤを粗裁断した後、細裁断することで、裁断装置の裁断負荷を抑制しつつ、タイヤチップ化し、このタイヤチップからワイヤリッチチップを選別除去して、残るタイヤチップをCFBボイラで燃料として燃焼させる。この燃料タイヤチップ中に含まれるワイヤの量は十分に少なく、かつ、細断されているため、ボイラの炉内で絡まることがなく、燃焼阻害の要因とならず、従来に比べて、燃料としての使用が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる廃タイヤ処理方法を実施するプラントの概略構成図である。
【図2】図1のプラントが処理対象とするタイヤの一般的な構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1…廃タイヤホッパ、2…粗裁断装置、3…細裁断装置、4…磁選装置、5…ボイラ、8…リム、9…タイヤ(廃タイヤ)、91…ゴム層、92…ベルト層、93…カーカス、94…ビードワイヤ、95…インナーライナー。
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃タイヤの処理方法に関し、特に、廃タイヤをボイラー燃料として焼却処理する際の前処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃車処理やタイヤの交換などによって生ずる廃タイヤの処理が近年問題となっている。廃タイヤには内部にビードワイヤと呼ばれる鉄線が含まれているほか、ゴム部分にも硫黄分を多く含み、また燃焼によって黒煙が発生するため、燃焼処理が困難とされ、埋め立て処理が主流とされてきたが、容積が大きい、経費がかかる、等の理由から埋め立て処分にも難点が多く、野積みや不法投棄等も多発し、環境問題を引き起こしている。
【0003】
こうした廃タイヤ処理における問題解決のため、特許文献1、特許文献2に示されるような技術が開発されてきている。特許文献1の技術は、廃タイヤを石灰石とともに流動層燃焼炉で焼却処理し、燃料生成物のうち未燃分をサイクロンで分離して粉塵とともに回収・固化させることで、燃料としての再利用を図るものである。また、特許文献2の技術は焼却処理やリサイクルの前提として廃棄タイヤのビードワイヤを抜き取る技術である。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−217851号公報(段落0011〜0013、図4)
【0005】
【特許文献2】
特許第3031894号公報(段落0010〜0019、図1〜図6)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、タイヤにはビードワイヤのほかにもスチールコードと呼ばれる鋼線からなる補強部材が織り込まれており、特許文献2の技術によってもタイヤから金属分を完全に除去することは難しい。特許文献1の技術では、こうした金属分が大量に存在すると、流動層燃焼炉内で燃焼を阻害する要因となるため、これを除去する必要があり、連続運転ができないという問題があった。
【0007】
本発明では、金属分による燃焼阻害を抑制し、廃タイヤをより簡便に処理することが可能な廃タイヤ処理方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明にかかる廃タイヤ処理方法は、廃タイヤを丸ごと粗裁断する工程と、粗裁断により生成されたタイヤチップをさらに細裁断する工程と、細裁断されたタイヤチップから磁選処理によってワイヤ比率の多いタイヤチップを選別して除去する工程と、磁選処理を通過したワイヤ比率の少ないタイヤチップを循環流動層式ボイラの燃料として燃焼させる工程と、を備えているものである。
【0009】
タイヤ中のワイヤは、ベルト部とビード部とに偏在している。したがって、廃タイヤを細裁断すると、ベルト部とビード部由来のワイヤ比率の比較的多いタイヤチップと、それ以外のゴム層由来のワイヤ比率の比較的少ないタイヤチップが得られる。前者は通常の磁選処理によって簡単に後者から選別して除去することができ、その結果、選別後のワイヤ比率の少ないタイヤチップ中のワイヤ残留率を廃タイヤ自体に比べて低減することができる。また、含まれるワイヤ自体も短いため、これを燃料として焼却した場合に、炉内でワイヤ同士が絡み合うことがなく、燃焼阻害を抑制できる。
【0010】
磁選処理では、ワイヤ比率の少ない側のタイヤチップのワイヤ残留率を5〜7%程度となるよう選別を行うことが好ましい。通常の廃タイヤ中のワイヤ残留率は15%程度であるが、発明者らの知見によれば、ワイヤ残留率を7%以下まで低減させると、流動層燃焼炉等において焼却処理を行う際に、ワイヤが燃焼阻害の要因とならずにすむ。一方、廃タイヤ中のワイヤ残留率を5%未満に低減しようとすると、磁選処理の選別精度をさらに向上させる必要があり、タイヤチップの裁断サイズを細かくしたり磁選処理の磁力を増強しなければならず、選別コストが増大し、現実的ではなくなるからである。
【0011】
この粗裁断では、500mm以下に裁断を行うことが好ましく、細裁断では10〜50mmのタイヤチップへの裁断を行うことが好ましい。粗裁断をこのサイズで行うことで、細裁断が容易になる。また、細裁断をこのサイズで行うことで、細裁断の裁断コストを抑制し、かつ、選別精度を確保し、燃焼阻害を抑制するタイヤチップサイズを確保できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
【0013】
図1は、本発明に係る廃タイヤ処理を好適に行うことが可能な処理プラントを示す概略構成図である。この処理プラントは、廃タイヤを収容する廃タイヤホッパと、廃タイヤを粗裁断する粗裁断装置2と、粗裁断された廃タイヤをさらに細裁断する細裁断装置3と、細裁断されたタイヤチップを磁力によって選別する磁選装置4と、磁選装置でワイヤリッチ(ワイヤを多く含む)チップが除去されたタイヤチップを焼却処理するボイラ5からなる。
【0014】
粗裁断装置2には、例えば、2軸ないし3軸以上の多軸式またはスクリュー式の低速回転式破砕機を用いることができる。これは、並行して設けられた回転軸により切断刃を回転させ、剪断力や引き裂き力を相互作用させて被破砕物(ここでは、廃タイヤ)の剪断、引き裂きを行う。細裁断装置3には、高速回転式破砕機(シュレッダ)を用いることができる。シュレッダは横型、竪型のいずれでもよく、ハンマ式、リンググラインダ式のいずれの形式も用いることが可能である。磁選装置4は、永久磁石または電磁石の磁力によって、鉄分を多く含むタイヤチップを吸着させて選別するものであり、プーリ式、ドラム式、つり下げ式等の各種の磁選装置を用いることができる。ボイラ5としては、循環流動層式(CFB=Circulating Fluidized Bed)ボイラが好適である。
【0015】
ここで、本プラントの処理対象であるタイヤの構成について簡単に説明する。図2は、タイヤの一般的な構成を示す断面図である。現在、自動車用のタイヤとしては、一般にチューブレスタイプのスチールラジアルタイヤが用いられている。この種のタイヤ9は、外側にゴム層91が形成されており、特に路面に接する部分の厚いゴム層91をトレッド部91aと称する。そして、トレッド部91aから車輪のリム8側へ順にゴム層が薄くなり、ショルダー部91b、サイド部91c、ビード部91dを形成している。トレッド部91aの内側には、鋼線を編んで作られたベルト層92があり、その下にある繊維を編んで作られたカーカス93を補強する役割を有する。車輪のリム8に接する側のビード部91bには太い鋼線からなるビードワイヤ94が埋め込まれており、タイヤ9をリムに密着させる。カーカス93の内側には薄いゴム層であるインナーライナー95が形成され、バルブ80からタイヤ9内に充填される空気の漏れを防止する。
【0016】
続いて、本発明に係る廃タイヤ処理方法を具体的に説明する。収集された廃タイヤ9は、廃タイヤホッパ1に貯留される。貯留された廃タイヤ9は、ベルトコンベヤー等で粗裁断装置2へと送られ、剪断、引き裂きによって500mm以下に破砕される。粗裁断装置2での破砕サイズを500mm以下とすることで、次の細裁断装置3での細裁断が容易になるほか、粗裁断サイズが廃タイヤサイズに比べて比較的大きいため、粗裁断装置2の裁断負荷が小さく、粗裁断装置2の裁断用の刃の損傷、劣化を抑制できる。
【0017】
こうして裁断された廃タイヤ9は、ベルトコンベヤ等によって細裁断装置3へと投入され、破砕、剪断等によって10〜50mm角まで裁断される。粗裁断装置2で500mm程度に裁断されているため、細裁断装置3で10〜50mm角まで裁断するのは容易であり、細裁断装置3の裁断負荷も小さく、裁断部分の損傷、劣化を抑制することができる。タイヤチップを10〜50mm角に裁断することで、後述する磁選処理と、ボイラでの焼却処理を確実に行える。10mm未満まで裁断すると、細裁断装置2の負荷は大きくなるが、裁断サイズをこれより小さくしてもその後の磁選処理に要するエネルギーが高くなる一方、ボイラでの焼却処理の効率はあまり変化せず、全体のプラント効率が低下してしまうため好ましくない。一方、タイヤチップのサイズが50mm角を超えると、燃焼に阻害を与えてしまう。裁断サイズは1インチ(25mm)角程度とすることが最も好適である。
【0018】
このようにして廃タイヤ9を裁断することで生成されたタイヤチップは、磁選装置4へと送られる。廃タイヤ9は上述した構造を有しているため、これを10〜50mm角程度まで裁断した場合、ビード部91dやトレッド部91a由来のタイヤチップのうち、ビードワイヤ94やベルト層92を含むタイヤチップはワイヤ残留率が高いワイヤリッチのタイヤチップとなる。これに対して、ショルダー部91bやサイド部91c由来のタイヤチップやビード部91dやトレッド部91a由来のタイヤチップでもゴム層91、カーカス93、インナーライナー95主体のタイヤチップはワイヤ残留率の低い、あるいは、ほとんどワイヤを含まないタイヤチップとなる。磁選装置4では、ワイヤリッチチップが磁石に吸着されるため、タイヤチップ中からワイヤリッチチップを選別して除去することができる。これによりワイヤリッチチップを取り除いて得られるタイヤチップのワイヤ残留率は5〜7%程度となる。ここで、ビードワイヤ94やベルト層92を含むワイヤリッチチップとそれ以外のタイヤチップとでは、チップ内のワイヤ残留率が大きく異なるため、磁選による分別を容易かつ確実に行える。また、ワイヤ比率の高いチップのみを選別すれば良いため、磁選装置4の選別用磁石の磁力を、ワイヤを少しでも含むチップまでを選別する場合のように強力にする必要がなく、選別コストを低減することができる。
【0019】
このタイヤチップをベルトコンベヤ等によりボイラ5に投入して焼却処理する。発明者らは、CFBボイラにおいて、このようなサイズ、ワイヤ残留率のタイヤチップを燃焼させた場合、チップサイズが小さいため、残留するワイヤも短く、燃焼時に炉内で絡み合うことがないことを見出した。また、CFBボイラでは、石灰石を炉内に投入することによって、炉内脱硫が可能なため、排ガス処理設備が簡略化できる利点もある。廃タイヤ9を構成するゴム層91、カーカス93等は高熱量であり、これを燃焼させることで発生した熱量は、蒸気エネルギーとして回収される。この蒸気エネルギーを利用して図示していないタービンを回転させて、これに接続された発電機を回転させ、電気エネルギーに変換してもよい。また、蒸気エネルギー自体を直接利用したり、冷暖房、給湯等の熱源として利用することもできる。
【0020】
一方、ワイヤリッチチップは、図示していない再処理施設へと送られ、ワイヤがリサイクルされる。
【0021】
なお、ボイラ5はタイヤチップ専燃でなくともよく、他の燃料、石炭、重油、ガスやその他の廃棄物等を混燃してもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、廃タイヤを粗裁断した後、細裁断することで、裁断装置の裁断負荷を抑制しつつ、タイヤチップ化し、このタイヤチップからワイヤリッチチップを選別除去して、残るタイヤチップをCFBボイラで燃料として燃焼させる。この燃料タイヤチップ中に含まれるワイヤの量は十分に少なく、かつ、細断されているため、ボイラの炉内で絡まることがなく、燃焼阻害の要因とならず、従来に比べて、燃料としての使用が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる廃タイヤ処理方法を実施するプラントの概略構成図である。
【図2】図1のプラントが処理対象とするタイヤの一般的な構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1…廃タイヤホッパ、2…粗裁断装置、3…細裁断装置、4…磁選装置、5…ボイラ、8…リム、9…タイヤ(廃タイヤ)、91…ゴム層、92…ベルト層、93…カーカス、94…ビードワイヤ、95…インナーライナー。
Claims (4)
- 廃タイヤを丸ごと粗裁断する工程と、
粗裁断により生成されたタイヤチップをさらに細裁断する工程と、
細裁断されたタイヤチップから磁選処理によってワイヤおよびワイヤ比率の多いタイヤチップを選別して除去する工程と、
磁選処理を通過したワイヤ比率の少ないタイヤチップを循環流動層式ボイラの燃料として燃焼させる工程と、
を備えている廃タイヤ処理方法。 - 前記磁選処理では、ワイヤ比率の少ない側のタイヤチップのワイヤ残留率を5〜7%程度となるよう選別を行う請求項1記載の廃タイヤ処理方法。
- 前記粗裁断では、500mm以下に裁断を行う請求項2記載の廃タイヤ処理方法。
- 前記細裁断では、10〜50mmのタイヤチップへの裁断を行う請求項3記載の廃タイヤ処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003104255A JP2004309033A (ja) | 2003-04-08 | 2003-04-08 | 廃タイヤ処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003104255A JP2004309033A (ja) | 2003-04-08 | 2003-04-08 | 廃タイヤ処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004309033A true JP2004309033A (ja) | 2004-11-04 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009034643A (ja) * | 2007-08-03 | 2009-02-19 | Kurimoto Mec Ltd | タイヤの金属ワイヤ回収装置 |
JP2010526213A (ja) * | 2007-05-07 | 2010-07-29 | ニューサウス・イノベーションズ・ピーティーワイ・リミテッド | フェロアロイの製造における改良 |
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2003
- 2003-04-08 JP JP2003104255A patent/JP2004309033A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010526213A (ja) * | 2007-05-07 | 2010-07-29 | ニューサウス・イノベーションズ・ピーティーワイ・リミテッド | フェロアロイの製造における改良 |
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