JP2004303950A - 電子部品装着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】種々の装着対象物に対して精度良く電子部品の装着を行う。
【解決手段】電子部品の装着が行われる装着対象物をその上面に載置する載置台20と、電子部品を上下方向に搬送する電子部品保持手段30と、保持された電子部品Tを下方から撮像する撮像手段11と、電子部品保持手段30と載置台20とを相対的に位置決めする位置決め手段40と、載置台20を上下方向に沿って移動させる載置高さ調節手段50と、を備え、撮像により電子部品保持手段30に保持された電子部品Tのズレ量を求め位置修正すると共に、載置高さ調節手段50により、撮像手段11に対する電子部品底面の撮像高さに,載置された装着対象物Sの電子部品装着部の高さを等しくして電子部品装着を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】電子部品の装着が行われる装着対象物をその上面に載置する載置台20と、電子部品を上下方向に搬送する電子部品保持手段30と、保持された電子部品Tを下方から撮像する撮像手段11と、電子部品保持手段30と載置台20とを相対的に位置決めする位置決め手段40と、載置台20を上下方向に沿って移動させる載置高さ調節手段50と、を備え、撮像により電子部品保持手段30に保持された電子部品Tのズレ量を求め位置修正すると共に、載置高さ調節手段50により、撮像手段11に対する電子部品底面の撮像高さに,載置された装着対象物Sの電子部品装着部の高さを等しくして電子部品装着を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品装着装置に係り、特に、装着前に電子部品の位置修正を行う電子部品装着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子部品装着装置は、チップ電子部品を保持して上下動するボンディングツールと、基板を載置する基板ステージと、ボンディングツールと基板ステージを水平面内で相対移動させる移動機構と、ボンディングツールに保持されたチップ電子部品を下方から撮像するカメラとを備え、カメラが基板ステージに載置された基板の上面と同じ高さでその焦点が合うように設置されると共にボンディングツールに保持されたチップ電子部品の底面をその高さで撮像し、ボンディングツールに対するチップ電子部品の位置ズレを求めると共に装着時の位置修正によりそのズレの修正を図っていた(特許文献1,2参照)。
【0003】
電子部品装着装置は、ボンディングツールが有するノズルの先端部にチップ電子部品を吸着保持し、移動機構により基板ステージ上の基板の装着位置にチップ電子部品を位置決めし、ノズルを下降させてチップ電子部品の装着を行う。しかし、吸着時においてノズルに対するチップ電子部品の位置ズレやノズル中心線に対するねじれを生ずる場合があり、これに対処しないと、そのまま装着が行われ、装着不良を生じることになる。そこで、上記従来例では、予め撮像を行い、その撮像画像から規定位置からのズレ量を算出し、装着における規定位置からズレ量分修正した位置に位置決めして装着を行っている。
そして、撮像を行う場合、ノズルの中心線とカメラの光学系の光軸とが一致していないと、チップの高さによって位置変動を生じ、正確に位置ズレを求めることができなくなるため、従来の電子部品装着装置では、撮像高さをチップ電子部品装着時の高さと一致させることで上下動による位置変動の解消を図っている。
【0004】
【特許文献1】
特許2840410号公報(第4図)
【特許文献2】
特開2002−198398号公報(第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各特許文献1,2に記載の電子部品装着装置では、カメラの焦点距離は一定であると共に精度良く撮像を行うカメラは特にその被写界深度が浅いことから、一度カメラを設置すると、その撮像は常に一定の高さで行わねばならず、このため、厚さが異なる基板に電子部品装着を行う場合は、撮像高さと装着高さとを一致させることができないという不都合があった。
従って、これらの高さの不一致により、ボンディングツールの上下動により電子部品に位置変動を生じる場合には、撮像により求めた電子部品の位置ズレ量が装着時に生じる位置ズレ量と一致せず、異なる厚さの基板に対しては電子部品を基板に精度良く装着できないという不都合が生じていた。
【0006】
本発明は、電子部品の装着位置精度の向上を図ることを、その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、電子部品の装着が行われる装着対象物をその上面に載置する載置台と、電子部品を保持して上下方向に搬送する電子部品保持手段と、電子部品保持手段に保持された電子部品を下方から撮像する撮像手段と、電子部品保持手段と載置台とを相対的に位置決めする位置決め手段と、載置台を上下方向に沿って移動させる載置高さ調節手段と、を備え、撮像により電子部品保持手段に保持された電子部品のズレ量を求め位置修正すると共に、載置高さ調節手段により、撮像手段に対する電子部品底面の撮像高さに,載置された装着対象物の電子部品装着部の高さを等しくして電子部品装着を行う、という構成を採っている。
【0008】
上記構成では、電子部品保持手段が電子部品を保持した状態で、撮像手段の上方において電子部品の撮像が行われる。これにより、規定位置に対する電子部品の位置ズレや規定の姿勢に対する回転角度ズレが求められる。
一方、載置台上には装着対象物が載置され、その電子部品装着部の高さは載置高さ調節手段により電子部品底面の撮像時における高さと同一となるように調節される。
そして、装着対象物,電子部品又はこれら双方に対して、撮像により求められた電子部品の位置ズレや回転角度ズレを位置決め手段により修正し、装着対象物に対する電子部品の装着が行われる。
【0009】
請求項2記載の発明は、電子部品の装着が行われる装着対象物をその上面に載置する載置台と、電子部品を保持して上下方向に搬送する電子部品保持手段と、電子部品保持手段に保持された電子部品を下方から撮像する撮像手段と、電子部品保持手段と載置台とを相対的に位置決めする位置決め手段と、撮像手段を上下方向に沿って移動させる撮像高さ調節手段と、を備え、載置された装着対象物の電子部品装着部の高さに撮像手段に対する電子部品底面の撮像高さを等しくして撮像可能な高さに撮像手段を位置決めして撮像すると共に、撮像により電子部品保持手段に保持された電子部品のズレ量を求め位置修正して電子部品装着を行う、という構成を採っている。
【0010】
上記構成では、撮像高さ調節手段により、撮像手段をその焦点距離に応じて載置台に載置された装着対象物の電子部品装着部の高さにおいて撮像可能な高さに位置決めする。
そして、電子部品保持手段が電子部品を保持し、撮像手段に対する電子部品底面の撮像高さが載置台に載置された装着対象物の電子部品装着部の高さと等しくなるように位置決めして撮像が行われる。これにより、規定位置に対する電子部品の位置ズレや規定の姿勢に対する回転角度ズレが求められる。
そして、装着対象物,電子部品又はこれら双方に対して、撮像により求められた電子部品の位置ズレや回転角度ズレを位置決め手段により修正し、装着対象物に対する電子部品の装着が行われる。
【0011】
請求項3記載の発明は、電子部品の装着が行われる装着対象物をその上面に載置する載置台と、電子部品を保持して上下方向に搬送する電子部品保持手段と、電子部品保持手段に保持された電子部品を下方から撮像する撮像手段と、電子部品を少なくとも異なる二以上の高さで撮像すると共にその電子部品の位置変化から当該電子部品の高さによる位置変化傾向を求め記憶する傾向記憶手段とを備え、傾向記憶手段に記憶された位置変化傾向を参照して求まる電子部品保持手段に保持された電子部品のズレ量と撮像により求まるズレ量とに応じて位置修正して電子部品装着を行う、という構成を採っている。
【0012】
上記構成では、撮像高さを変えて二回以上撮像を行うことから、上下動により電子部品に生じる位置ズレについて位置変化傾向を求めることができる。このため、この位置変化傾向に基づいて、電子部品がいずれの高さにあっても上下動による位置ズレがどの程度生じるかを認識することが可能となる。従って、電子部品の撮像高さを装着対象物の上面の高さに一致させなくとも、撮像により得られる位置ズレ量と位置変化傾向により得られる位置ズレ量の合計から、装着時の電子部品に生じる位置ズレ量を求めることができる。
このため、一度位置変化傾向が求められると、それ以後の電子部品の装着にあたっては、高さについて制限なく撮像を行うことができ、撮像により得られる位置ズレ量と位置変化傾向により得られる位置ズレ量の計算結果から位置修正して電子部品を装着対象物に装着することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
[第一の実施形態]
本発明の第一の実施の形態を図1乃至図3に基づいて説明する。図1は本実施形態たるダイボンディング装置10の概略構成を示すブロック図である。電子部品装着装置としてのダイボンディング装置10は、電子部品としての半導体チップTを装着対象物としてのサブマウントSに対してダイボンディングするための装置である。そして、かかる半導体チップTは例えば、GaAlAs系の半導体レーザチップであって、一例としてその寸法は縦400[μm],横250[μm],厚さ80〜130[μm]である。また、サブマウントSは、窒化アルミニウム又はシリコンからなり、一例としてその寸法は縦2[mm],横1.2[mm],厚さ220[μm]である。なお、ダイボンディングの対象としては、上述した素材や寸法の半導体チップT及びサブマウントSについて限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態の全体構成)
ダイボンディング装置10は、ダイボンディングを行うためにサブマウントSをその上面に載置する載置台としての接合ステージ20と、半導体チップTを保持して上下方向に搬送する電子部品保持手段としてのチップヘッド30と、電子部品保持手段に保持された電子部品を下方から撮像する撮像手段としてのカメラ11と、チップヘッド30と接合ステージ20とを相対的に位置決めする位置決め手段40と、接合ステージ20を上下方向に沿って移動させる載置高さ調節手段としてのZ軸テーブル50と、半導体チップTとサブマウントSの加熱時に不活性ガスを供給するガス供給手段(図示略)と、加熱終了後,半導体チップT及びサブマウントSを冷却する冷却手段(図示略)と、上記各部の動作制御を行う動作制御手段60(図2参照)とを備えている。
以下、各部を詳説する。
【0015】
(チップヘッド)
チップヘッド30は、その先端部で外気吸引により半導体チップTを吸着保持する吸着ノズルを備え、垂直上下方向に移動して半導体チップTを高さ方向について位置決めを行うことができる。また、チップヘッド30は、後述する位置決め手段40の図示しないヘッド搬送機構に支持されており、かかるヘッド搬送機構により水平面に沿った一の方向(X軸方向とする)に沿って搬送が行われる。そして、かかる搬送により、チップヘッド30は、カメラ11の上方である撮像位置と接合ステージ20の上方である装着位置への搬送に加えて、まだ未装着の半導体チップを受け取る図示しないチップトレーや、ダイボンディングにより一体化された半導体チップ及びマウントを格納する受け渡しトレーに搬送される。
【0016】
(接合ステージ)
接合ステージ20は、後述する位置決め手段40のX軸,Y軸テーブル41,42とZ軸テーブル50の上に搭載されており、かかる搭載状態においてその上面は水平状態となっている。
さらに、接合ステージ20の上部には加熱手段としての図示しないセラミックヒータが内蔵されている。このセラミックヒータの加熱により、上面に載置されたサブマウントSと半導体チップTの間に介挿されたロウ材(ボンディングインサート材)を溶融させる。
また、接合ステージ20の上面におけるマウント載置位置には低圧源に連通された吸着孔が形成され、かかる吸着孔から外気吸引を行うことでサブマウントSを吸着保持する。
【0017】
(Z軸テーブル)
Z軸テーブル50は接合ステージ20を載置した状態で保持すると共に、自らは位置決め手段40のX軸,Y軸テーブル41,42に載置され保持されている。そして、Z軸テーブル50は、接合ステージ20を上下方向に移動させることで、その上面に保持されたサブマウントSの電子部品装着部における高さ調節を行う。
【0018】
(位置決め手段)
位置決め手段40は、Z軸テーブル50を載置した状態で保持するX軸,Y軸テーブル41,42と、チップヘッド30を保持してX軸方向に沿って搬送するヘッド搬送機構と、吸着ノズルに保持された半導体チップTをノズルの中心線を中心として回転させる図示しない角度調節手段とを有している。
X軸テーブル41は、その上面に設置されたZ軸テーブル50を介して接合ステージ20並びにサブマウントSのX軸方向の位置決めを行う。
Y軸テーブル42は、その上面に設置されたX軸テーブル41,Z軸テーブル50を介して接合ステージ20並びにサブマウントSのY軸方向の位置決めを行う。なお、ここで、Y軸方向とは、水平面に沿った方向であってX軸方向に直交する方向をいう。
【0019】
ヘッド搬送機構は、X軸方向に沿ったガイドを備え、当該ガイドに沿ってチップヘッド30を搬送する。なお、このヘッド搬送機構は、半導体チップTをカメラ11,接合ステージ20等に搬送することに専ら用いられ、ダイボンディングにおけるサブマウントSと半導体チップTのX軸方向における相対的な位置調節についてはX軸テーブル41により行われる。
但し、ダイボンディング装置10の構成からX軸テーブル41を除き、ヘッド搬送機構によりX軸方向における位置調節を行っても良い。
角度調節手段は、チップヘッド30に装備され、吸着ノズルをその中心線を基準に回転駆動する駆動手段を備えている。かかる駆動手段は、例えば、ステッピングモータ等のように外部指令に従って回転角度量を任意に決定可能である。
【0020】
(カメラ)
カメラ11は、ヘッド搬送機構によるチップヘッド30の搬送領域内に固定装備されている。かかるカメラ11は、その撮像視野が上方に向けられて設置されており、チップヘッド30に保持された半導体チップTの底面側を撮像する。
また、このカメラ11は、その光軸が垂直上下方向となるように設置されており、その被写界深度は70[μm]と非常に狭い範囲に設定されている。従って、カメラ11により半導体チップTの底面を撮像する場合の撮像高さは、当該半導体チップTの底面がカメラの被写界深度の範囲内となる高さに設定される。
【0021】
(ガス供給手段及び冷却手段)
ガス供給手段は、不活性ガスである窒素ガスの供給源と接合ステージ20のサブマウント保持位置に向けられたガス用ノズルとを有しており、サブマウントSに半導体チップTをボンディングする際にこれらに窒素ガスの吹きつけを行う。
また、冷却手段は、冷却エアの供給源と接合ステージ20のサブマウント保持位置に向けられた吹き出しノズルとを有しており、サブマウントSに半導体チップTをボンディングした後にその加熱された状態を冷却エアの吹きつけにより冷却する。
【0022】
(動作制御手段)
図2は、ダイボンディング装置10の制御系を示すブロック図である。図2に示すように、動作制御手段60は、所定のプログラムに従い各種の動作制御を行うCPU61と、各種の制御を行うためのプログラムや後述する各種設定データが記憶されるROM62と、各種の処理において一時的にデータ等を格納する作業領域となるRAM63と、カメラ11,接合ステージのセラミックヒータ,X軸テーブル41,Y軸テーブル42,ヘッド搬送機構,角度調節手段,Z軸テーブル50及びチップヘッド30との接続を図る各種のインターフェース(図示略)とを備えている。また、この動作制御手段60は、各種設定データの設定変更等を入力するための入力手段12が併設されている。
【0023】
動作制御手段60のRAM63には、撮像時においてチップヘッド30を位置決めすべき撮像高さデータと、装着時においてチップヘッド30を位置決めすべき装着高さデータと、撮像時においてヘッド搬送機構を位置決めすべきX軸方向における撮像位置データと、装着時においてヘッド搬送機構を位置決めすべきX軸方向における装着位置データと、装着時においてZ軸テーブル50を位置決めすべき装着高さデータとが記憶されている。
【0024】
上記チップヘッド30の撮像高さデータは、吸着ノズルの先端部がカメラ11の焦点位置よりも半導体チップTの厚さ分(高さ分)だけ上方となる位置に設定される。従って、動作制御手段60のCPU61は、入力手段12により半導体チップTの厚さが入力されると、これに基づいてチップヘッド30の撮像高さを算出し、撮像高さデータとしてRAM63に記録する処理を行う。
上記チップヘッド30の装着高さデータは、撮像高さデータの示す高さと同じ高さに設定される。これにより、撮像時と装着時とで半導体チップTの底面高さが均一に揃えることができる。このようにすることで、チップヘッド30による上下動によりその高さに応じて位置ズレを生じるような場合でも、その位置ズレの影響を解消することができる。
【0025】
ヘッド搬送機構の撮像位置データは、チップヘッド30の吸着ノズルの中心線がカメラ11の光軸と一致する位置に設定される。
ヘッド搬送機構の装着位置データは、チップヘッド30の吸着ノズルの中心線が接合ステージ20上のサブマウントSのチップ装着位置に一致する位置に設定される。
【0026】
Z軸テーブル50の装着高さデータは、接合ステージ20の上面高さがカメラ11の焦点位置よりもサブマウントSの厚さ分(高さ分)だけ下方となる位置に設定される。従って、動作制御手段60のCPU61は、入力手段12によりサブマウントSの厚さが入力されると、これに基づいてZ軸テーブル50の撮像高さを算出し、装着高さデータとしてRAM63に記録する処理を行う。
【0027】
また、撮像が行われると、動作制御手段60では、その撮像データをRAM63に記憶する。そして、CPU61は、公知の画像処理手法により予め設定された適正な半導体チップTの位置からのズレ量及びねじれによる姿勢のズレ量の算出を行う。画像処理の手法は一般に用いられるいずれの方法であっても良いが、一例としては、撮像データから半導体チップTの複数のエッジ(角部)を抽出し、各エッジの頂点位置を特定すると共に予め用意された各エッジの位置データと比較してその位置ズレ量及び回転角度ズレ量を算出する処理が挙げられる。
そして、これらのズレ量を示すズレ量データはRAM63に記憶される。
【0028】
さらに、CPU61は、算出されたズレ量に基づいて当該ズレをうち消すようにX軸テーブル41,Y軸テーブル42及び角度調節手段を駆動してサブマウントSの位置を修正する動作制御を行う。
【0029】
(電子部品装着装置の動作)
次に、ダイボンディング装置10の動作説明を行う。
予め、半導体チップTの厚さ及びサブマウントSの厚さが入力手段12により入力されると、動作制御手段60のCPU61は、チップヘッド30の撮像高さデータ及び装着高さデータとZ軸テーブル50の装着高さデータを算出する。
そして、Z軸テーブル50を駆動し、装着高さデータに基づく高さに接合ステージ20を位置決めする。また、接合ステージ20の上面の所定位置にサブマウントSが載置される。この時、低圧源により吸着孔は外気吸引状態にあり、サブマウントSは接合ステージ20上に吸着保持される。
【0030】
また、チップヘッド30は、チップトレーから半導体チップTを吸着すると共予め決められた搬送高さまで半導体チップTを上昇させる。そして、チップヘッド30はヘッド搬送機構に搬送されて撮像位置データに従い位置決めされる。さらに、チップヘッド30は、半導体チップTを下降して撮像高さデータに基づく高さに位置決めし、カメラ11により半導体チップTを下方から撮像する。
そして、CPU61は、得られた撮像データから半導体チップTの規定位置に対するズレ量を算出する。
【0031】
次に、チップヘッド30は、半導体チップTを搬送高さに上昇させた状態で、ヘッド搬送機構に搬送されて装着位置データに従い位置決めされる。そして、算出されたズレ量データに従ってX軸テーブル41,Y軸テーブル42及び角度調節手段を駆動してサブマウントSの位置修正及び半導体チップTの角度修正を行う。
さらに、チップヘッド30は、装着高さデータに従い半導体チップTを下降させる。これにより、半導体チップTはサブマウントSの装着位置に載置される。
【0032】
そして、ガス供給手段のガス用ノズルから窒素ガスの吹き付けを行いつつ、接合ステージ20のセラミックヒータを昇温させてボンディングインサート材を溶融させる。そして、所定時間の加熱を行うと、セラミックヒータ及びガス供給手段の駆動を停止し、冷却手段を駆動して冷却エアの吹き付けを行う。これにより、サブマウントSと半導体チップTの間のボンディングインサート材は凝固し、半導体チップTはサブマウントS上に装着される。その後、チップヘッド30により一体化した半導体チップT及びサブマウントSを吸着保持し、ヘッド搬送機構により受け渡しトレーに搬送する。
【0033】
(第一の実施形態の効果)
上記ダイボンディング装置10は、接合ステージ20に載置されたサブマウントSの上面と撮像時の半導体チップTの底面の高さを一致させることから、撮像時において装着時に生じるであろう半導体チップTの位置や方向のズレを忠実に修正することが可能となる。従って、チップヘッド30に半導体チップTを吸着する場合生じるズレに加えてチップヘッド30の上下動により生じる位置や姿勢のズレをも修正することが可能となる。
【0034】
また、Z軸テーブル50を有することから得られる効果について図3に基づいて説明する。図3は、厚さの異なる二種類のサブマウントSについて接合ステージ20上で各々の装着高さに位置決めした場合の状態を比較するための説明図である。
図3に示すように、厚さが異なるサブマウントSに対して半導体チップTの装着を行う場合であっても、Z軸テーブル50により各々についてサブマウントSの上面高さをカメラの焦点位置に合わせることが可能となり、これにより、種々のサブマウントSについて撮像高さと装着高さとを一致させることが可能であることが分かる。
その結果、撮像により求めた電子部品の位置ズレ量と装着時に生じる位置ズレ量とをいつも一致させることができ、これを予め修正することにより、種々のサブマウントSに対して半導体チップTを精度良く装着することが可能となる。
また、これにより、被写界深度の浅い高精度のカメラ11についても種々のサブマウントSの装着高さを焦点位置に合わせることが可能である。
【0035】
また、ダイボンディング装置10は、半導体チップTの厚さに応じてチップヘッド30による撮像高さ位置調節が行われることから、種々の半導体チップTについて、例え被写界深度の浅い高精度のカメラ11に対してもその焦点位置に位置決めすることができ、種々の半導体チップTに対する高精度の位置修正を図ることが可能となると共にサブマウントSに対して精度良く装着することが可能となる。
【0036】
[第二の実施形態]
本発明の第二の実施の形態を図4に基づいて説明する。図4は本実施形態たる電子部品装着装置としてのダイボンディング装置10Aの概略構成を示すブロック図である。なお、かかるダイボンディング装置10Aについて、前述したダイボンディング装置10と同一の構成については同符号を付して、重複する説明は省略するものとする。
【0037】
(実施の形態の全体構成)
ダイボンディング装置10Aは、ダイボンディング装置10と比べて、そのZ軸テーブル50に替えてカメラ11を上下方向に沿って移動させる撮像高さ調節手段50Aを備える点と、かかる差異による動作制御手段60が行う動作制御とが主に異なる点である。
以下、これら異なる点を中心に説明する。
【0038】
(撮像高さ調節手段)
撮像高さ調節手段50Aは、垂直上下方向にカメラ11を移動可能に保持するスライダ機構と、その上下動の駆動源とを備えている。そして、その駆動源の駆動量は、動作制御手段60により制御可能であり、これにより、カメラ11を任意の高さに調節することを可能としている。
【0039】
(動作制御手段による制御)
動作制御手段60のRAM63には、撮像時においてチップヘッド30を位置決めすべき撮像高さデータと、装着時においてチップヘッド30を位置決めすべき装着高さデータと、撮像時においてヘッド搬送機構を位置決めすべきX軸方向における撮像位置データと、装着時においてヘッド搬送機構を位置決めすべきX軸方向における装着位置データと、撮像時において撮像高さ調節手段50Aによりカメラ11を位置決めすべき撮像高さデータとが記憶されている。
【0040】
上記チップヘッド30の撮像高さデータは、吸着ノズルの先端部が接合ステージ20の上面よりもサブマウントの厚さ(高さ)と半導体チップTの厚さ(高さ)との合計分だけ上方となる位置に設定される。従って、動作制御手段60のCPU61は、入力手段12により半導体チップT及びサブマウントSの厚さが入力されると、これに基づいてチップヘッド30の撮像高さを算出し、撮像高さデータとしてRAM63に記録する処理を行う。
上記チップヘッド30の装着高さデータは、撮像高さデータの示す高さと同じ高さに設定される。これにより、撮像時と装着時とで半導体チップTの底面高さが均一に揃えることができる。
【0041】
ヘッド搬送機構の撮像位置データは、チップヘッド30の吸着ノズルの中心線がカメラ11の光軸と一致する位置に設定される。
ヘッド搬送機構の装着位置データは、チップヘッド30の吸着ノズルの中心線が接合ステージ20上のサブマウントSのチップ装着位置に一致する位置に設定される。
【0042】
撮像高さ調節手段50Aによるカメラ11の撮像高さデータは、カメラ11の焦点位置が接合ステージ20の上面高さがよりもサブマウントSの厚さ分(高さ分)だけ上方となる位置に設定される。従って、動作制御手段60のCPU61は、入力手段12によりサブマウントSの厚さが入力されると、これに基づいて撮像高さ調節手段50Aによるカメラ11の撮像高さを算出し、撮像高さデータとしてRAM63に記録する処理を行う。
【0043】
また、撮像が行われると、動作制御手段60が、撮像データから適正な半導体チップTの位置からのズレ量及びねじれによる姿勢のズレ量の算出を行い、RAM63に記憶する点と、算出されたズレ量に基づいてX軸テーブル41,Y軸テーブル42及び角度調節手段を駆動してサブマウントSの位置を修正する点はダイボンディング装置10と同様である。
【0044】
(電子部品装着装置の動作)
次に、ダイボンディング装置10Aの動作説明を行う。
予め、半導体チップTの厚さ及びサブマウントSの厚さが入力手段12により入力されると、動作制御手段60のCPU61は、前述した各種のデータを算出する。
そして、撮像高さ調節手段50Aを駆動し、装着高さデータに基づく高さにカメラ11を位置決めする。また、接合ステージ20の上面の所定位置にサブマウントSが載置される。この時、低圧源により吸着孔は外気吸引状態にあり、サブマウントSは接合ステージ20上に吸着保持される。
【0045】
また、チップヘッド30は、チップトレーから半導体チップTを吸着すると共に予め決められた搬送高さまで半導体チップTを上昇させる。そして、チップヘッド30はヘッド搬送機構に搬送されて撮像位置データに従い位置決めされる。さらに、チップヘッド30は、半導体チップTを下降して撮像高さデータに基づく高さに位置決めし、カメラ11により半導体チップTを下方から撮像する。
そして、CPU61は、得られた撮像データから半導体チップTの規定位置に対するズレ量を算出する。
【0046】
次に、チップヘッド30は、半導体チップTを搬送高さに上昇させた状態で、ヘッド搬送機構に搬送されて装着位置データに従い位置決めされる。そして、算出されたズレ量データに従ってX軸テーブル41,Y軸テーブル42及び角度調節手段を駆動してサブマウントSの位置修正及び半導体チップTの角度修正を行う。
さらに、チップヘッド30は、装着高さデータに従い半導体チップTを下降させる。これにより、半導体チップTはサブマウントSの装着位置に載置される。
【0047】
そして、ガス供給手段のガス用ノズルから窒素ガスの吹き付けを行いつつ、接合ステージ20のセラミックヒータを昇温させてボンディングインサート材を溶融させる。そして、所定時間の加熱を行うと、セラミックヒータ及びガス供給手段の駆動を停止し、冷却手段を駆動して冷却エアの吹き付けを行う。これにより、サブマウントSと半導体チップTの間のボンディングインサート材は凝固し、半導体チップTはサブマウントS上に装着される。その後、チップヘッド30により一体化した半導体チップT及びサブマウントSを吸着保持し、ヘッド搬送機構により受け渡しトレーに搬送する。
【0048】
(第二の実施形態の効果)
上記ダイボンディング装置10Aは、接合ステージ20に載置されたサブマウントSの上面と撮像時の半導体チップTの底面の高さを一致させることから、ダイボンディング装置10と同様の効果を得ることができる。
【0049】
さらに、撮像高さ調節手段50Aを有することから、厚さが異なるサブマウントSに対して半導体チップTの装着を行う場合であっても、撮像高さ調節手段50Aにより種々のサブマウントSの上面高さにカメラの焦点位置を合わせることが可能となり、これにより、種々のサブマウントSについて撮像高さと装着高さとを一致させることが可能となる。
このため、撮像により求めた電子部品の位置ズレ量と装着時に生じる位置ズレ量とをいつも一致させることができ、これを予め修正することにより、種々のサブマウントSに対して半導体チップTを精度良く装着することが可能となる。
また、これにより、被写界深度の浅い高精度のカメラ11についても種々のサブマウントSの装着高さを焦点位置に合わせることが可能である。
【0050】
また、ダイボンディング装置10Aも、半導体チップTの厚さに応じてチップヘッド30による撮像高さ位置調節が行われることから、ダイボンディング装置10と同様の効果を得ることが可能となる。
【0051】
[第三の実施形態]
本発明の第三の実施の形態を図5に基づいて説明する。図5は本実施形態たる電子部品装着装置としてのダイボンディング装置10Bの概略構成を示すブロック図である。なお、かかるダイボンディング装置10Bは、ダイボンディング装置10Aと同一の構成だが、動作制御手段60が行う動作制御が異なっている。
以下、この異なる点を中心に説明する。
【0052】
(動作制御手段による制御)
動作制御手段60のCPU61は、高さの異なる二つの位置でチップヘッド30に保持された半導体チップTの撮像を行い、それらの撮像データから二つの高さでの半導体チップTの位置変化量を算出し、これにより、高さ変化に対する位置変化の割合を算出すると共にこれを位置変化傾向データとしてRAM63に記憶する。なお、上記二つの撮像高さは、特に限定はないが、一方をチップヘッド30による搬送高さのままとすることが望ましく、また、もう一方を半導体チップTの底面高さと接合ステージ20上のサブマウントSの上面とが同一となる高さとすることが望ましい。
【0053】
より具体的な例を挙げると、ある高さでの半導体チップTの位置データを(X1,Y1)とし、ここから下降した高さでの半導体チップTの位置データを(X2,Y2)とし、各撮像位置の高低差をh0とすると、その位置変化傾向は、(X2−X1,Y2―Y1)/h0となる。従って、かかる位置変化傾向を利用すると、(X1,Y1)の位置から下方へ距離h移動した場合の半導体チップTの位置データ(X,Y)=((X2−X1)・h/h0+X1,(Y2−Y1)・h/h0+Y1)により求められる。
【0054】
従って、かかる位置変化傾向を一度取得すると、それ以降の他の半導体チップTの装着前に行う撮像に際して半導体チップTの底面を接合ステージ20上のサブマウントS上面高さに揃える必要がなくなり、いずれの高さで撮像しても装着時(半導体チップTがサブマウントSに載置状態となる場合)に生じる位置ズレを求めることが可能となる。
このため、位置変化傾向を取得した後には、撮像時にチップヘッド30の搬送高さからサブマウントSの上面高さまで半導体チップTの底面を下降させる必要がなくなり、半導体チップTの装着作業の迅速化を図ることが可能となる。
なお、位置変化傾向の取得以降の半導体チップTの撮像高さは、チップヘッド30の通常の搬送高さより近いことが望ましく、チップヘッド30の搬送高さと撮像高さとを一致させることがより望ましい。
【0055】
なお、位置変化傾向に基づいて求めることができるのは、吸着ノズルの上下動により半導体チップTに生じる位置ズレのみなので、半導体チップTのノズル吸着時に生じる位置ズレ及び回転角度ズレは撮像データから算出し、かかる撮像データに基づくズレ量と位置変化傾向に基づくズレ量との合計のズレ量に基づいて装着時の位置修正を行う必要がある。
このため、動作制御手段60のCPU61は、位置変化傾向取得後の半導体チップTの装着に際して、撮像データに基づくズレ量と位置変化傾向に基づくズレ量との合計ズレ量を算出すると共に、当該ズレ量に基づいてX軸テーブル41,Y軸テーブル42及び角度調節手段により半導体チップTの位置修正を図る動作制御を行う。
【0056】
動作制御手段60のRAM63には、撮像時においてチップヘッド30を位置決めすべき二つの撮像高さデータと、装着時においてチップヘッド30を位置決めすべき装着高さデータと、撮像時においてヘッド搬送機構を位置決めすべきX軸方向における撮像位置データと、装着時においてヘッド搬送機構を位置決めすべきX軸方向における装着位置データと、撮像時において撮像高さ調節手段50Aによりカメラ11を位置決めすべき二つの撮像高さデータとが記憶されている。
【0057】
上記チップヘッド30の二つの撮像高さデータは、一方はチップヘッド30の搬送高さと等しい高さとされ、他方は吸着ノズルの先端部が接合ステージ20の上面よりもサブマウントの厚さ(高さ)と半導体チップTの厚さ(高さ)との合計分だけ上方となる位置に設定される。従って、動作制御手段60のCPU61は、入力手段12により半導体チップT及びサブマウントSの厚さが入力されると、これに基づいてチップヘッド30の二つの撮像高さを算出し、それぞれ撮像高さデータとしてRAM63に記録する処理を行う。
【0058】
ヘッド搬送機構の撮像位置データは、チップヘッド30の吸着ノズルの中心線がカメラ11の光軸と一致する位置に設定される。
ヘッド搬送機構の装着位置データは、チップヘッド30の吸着ノズルの中心線が接合ステージ20上のサブマウントSのチップ装着位置に一致する位置に設定される。
【0059】
撮像高さ調節手段50Aによるカメラ11の二つの撮像高さデータは、カメラ11の焦点位置が前述したチップヘッド30の二つの撮像高さデータのそれぞれに基づく吸着ノズル先端高さから半導体チップTの厚さ分(高さ分)だけ下方となる位置に設定される。従って、動作制御手段60のCPU61は、入力手段12により半導体チップTの厚さが入力されると、これに基づいて撮像高さ調節手段50Aによるカメラ11の各撮像高さを算出し、二つの撮像高さデータとしてRAM63に記録する処理を行う。
【0060】
なお、上記ダイボンディング装置10Bでは、撮像回数は二回とするが、より多くとも良い。三回以上の撮像を行う場合は、各高さ区間ごとに位置変化傾向を求めても良いし、各高さ区間ごとに求めた位置変化傾向を平均しても良い。
【0061】
(電子部品装着装置の動作)
次に、ダイボンディング装置10Bの動作説明を行う。
予め、半導体チップTの厚さ及びサブマウントSの厚さが入力手段12により入力されると、動作制御手段60のCPU61は、前述した各種のデータを算出する。
そして、撮像高さ調節手段50Aを駆動し、一方(高位置の方)の装着高さデータに基づく高さにカメラ11を位置決めする。
また、接合ステージ20の上面の所定位置にサブマウントSが載置される。この時、低圧源により吸着孔は外気吸引状態にあり、サブマウントSは接合ステージ20上に吸着保持される。
【0062】
また、チップヘッド30は、チップトレーから半導体チップTを吸着すると共予め決められた搬送高さまで半導体チップTを上昇させる。そして、チップヘッド30はヘッド搬送機構に搬送されて撮像位置データに従い位置決めされる。一方の撮像高さと搬送高さとは一致するので、チップヘッド30による半導体チップTの下降は行われず、カメラ11により半導体チップTは下方から撮像される。
次に、撮像高さ調節手段50Aを駆動し、他方(低位置の方)の装着高さデータに基づく高さにカメラ11を位置決めする。また、チップヘッド30により半導体チップTを他方の撮像高さデータに基づく高さに下降させてカメラ11により半導体チップTを下方から撮像する。
【0063】
そして、CPU61は、得られた二つの撮像データから半導体チップTの規定位置に対するズレ量を算出する。
また、二つの撮像データから相互間の半導体チップの位置変化量を算出するとと共に撮像高低差から位置変化傾向を算出する。
【0064】
次に、チップヘッド30は、半導体チップTを搬送高さに上昇させた状態で、ヘッド搬送機構に搬送されて装着位置データに従い位置決めされる。そして、撮像データに基づくズレ量と位置変化傾向に基づくズレ量とに従ってX軸テーブル41,Y軸テーブル42及び角度調節手段を駆動してサブマウントSの位置修正と半導体チップTの角度修正を行う。
さらに、チップヘッド30は、装着高さデータに従い半導体チップTを下降させる。これにより、半導体チップTはサブマウントSの装着位置に載置される。
【0065】
そして、ガス供給手段のガス用ノズルから窒素ガスの吹き付けを行いつつ、接合ステージ20のセラミックヒータを昇温させてボンディングインサート材を溶融させる。そして、所定時間の加熱を行うと、セラミックヒータ及びガス供給手段の駆動を停止し、冷却手段を駆動して冷却エアの吹き付けを行う。これにより、サブマウントSと半導体チップTの間のボンディングインサート材は凝固し、半導体チップTはサブマウントS上に装着される。その後、チップヘッド30により一体化した半導体チップT及びサブマウントSを吸着保持し、ヘッド搬送機構により受け渡しトレーに搬送する。
【0066】
(第三の実施形態の効果)
上記ダイボンディング装置10Bは、二回の撮像により半導体チップTの高さによる位置変化傾向を求め、これにより半導体チップTの上下動により生じる位置ズレについて修正を図るので、当該位置ズレの影響を排除し、高い精度で半導体チップTをサブマウントSに装着することが可能となる。
さらに、上下動による半導体チップの位置ズレの影響を排除可能となることから、一度位置変化傾向を取得すれば、それ以後のダイボンディングにおいて、撮像高さをサブマウントSの上面と一致させる必要がなくなり、いずれの高さでも撮像可能となるので、半導体チップTの上下動を行う時間を効果的に短縮することが可能となり、動作の迅速化を図ることが可能となる。
【0067】
さらに、ダイボンディング装置10Bは、位置変化傾向により上下動の位置修正を図るので、サブマウントSの厚さが既知である限り、それに応じた位置ズレを解消することが可能となり、種々のサブマウントSに対して半導体チップTを精度良く装着することが可能となる。
また、これにより、被写界深度の浅い高精度のカメラ11についても種々のサブマウントSの装着高さを焦点位置に合わせることが可能である。
【0068】
[その他]
なお、上述した各実施形態では、サブマウントSに対して半導体チップTをダイボンディングする場合を例示したが、装着の対象物はこれらに限定されるものではなく、また装着の手法もダイボンディングに限定されるものではない。一方の装着対象物の上方から電子部品を位置決めして装着する全ての場合について上記撮像により位置修正して装着を行う発明を適用することが可能である。
【0069】
また、上述した各実施形態では、位置決め手段40のX軸,Y軸テーブル41,42が接合ステージ20の移動調節を行っているが、チップヘッド30を保持し各方向について移動調節する構成としても良い。
また、位置決め手段40の角度調節手段は、ノズルを介して半導体チップTに対して回転角度調節を行っているが、接合ステージ20に対して回転角度調節を行う構成としても良い。
【0070】
【発明の効果】
請求項1記載の発明では、載置台に載置された装着対象物の上面と撮像時の電子部品の底面の高さを一致させることから、撮像時において装着時に生じるであろう電子部品の位置や方向のズレを中実に修正することが可能となる。従って、電子部品保持手段が電子部品を保持する場合生じるズレに加えて電子部品保持手段の上下動により生じる位置や姿勢のズレをも修正することが可能となる。
【0071】
さらに、載置高さ調節手段を有すること、厚さが異なる種々の装着対象物に対して電子部品の装着を行う場合であっても、載置高さ調節手段により各々について装着対象物の電子部品装着部の上面高さを撮像手段の焦点位置に合わせることが可能となり、これにより、種々の装着対象物について撮像高さと装着高さとを一致させることが可能となる。このため、種々の装着対象物に対して電子部品を精度良く装着することが可能となる。
特に、被写界深度の浅い高精度の撮像手段を用いる場合であっても、種々の装着対象物の装着高さを焦点位置に合わせることが可能であり、かかる面からも種々の装着対象物に対する電子部品装着精度の向上が図られる。
【0072】
請求項2記載の発明では、載置台に載置された装着対象物の上面と撮像時の電子部品の底面の高さを一致させることから、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができる
さらに、撮像高さ調節手段を有すること、厚さが異なる種々の装着対象物に対して電子部品の装着を行う場合であっても、撮像高さ調節手段により種々の装着対象物の電子部品装着部の上面高さに撮像手段の焦点位置を合わせることができ、種々の装着対象物について撮像高さと装着高さとを一致させることが可能となる。このため、種々の装着対象物に対して電子部品を精度良く装着することが可能となる。
従って、請求項1記載の発明と同様に、被写界深度の浅い高精度の撮像手段にも好適に対応し、かかる面からも種々の装着対象物に対する電子部品装着精度の向上が図られる。
【0073】
請求項3記載の発明は、二回の撮像により電子部品の高さによる位置変化傾向を求め、これにより電子部品の上下動により生じる位置ズレについて修正を図るので、当該位置ズレの影響を排除し、高い精度で電子部品を装着対象物に装着することが可能となる。
さらに、上下動による電子部品の位置ズレの影響を排除可能となることから、一度位置変化傾向を取得すれば、それ以後の装着作業において、撮像高さを装着対象物の上面と一致させる必要がなくなり、いずれの高さでも撮像可能となるので、電子部品の上下動を行う時間を効果的に短縮することが可能となり、動作の迅速化を図ることが可能となる。
【0074】
さらに、位置変化傾向により上下動の位置修正を図るので、装着対象物の厚さが既知である限り、それに応じた位置ズレを解消することが可能となり、種々の装着対象物に対して電子部品を精度良く装着することが可能となる。
また、これにより、被写界深度の浅い高精度の撮像手段についても種々の装着対象物の装着高さを焦点位置に合わせることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態たる電子部品装着装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した電子部品装着装置の制御系を示すブロック図である。
【図3】厚さの異なる二種類のサブマウントについて接合ステージ上で各々の装着高さに位置決めした場合の状態を比較するための説明図である。
【図4】本発明の第二の実施形態たる電子部品装着装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第三の実施形態たる電子部品装着装置の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10,10A,10B ダイボンディング装置(電子部品装着装置)
11 カメラ(撮像手段)
20 接合ステージ(載置台)
30 チップヘッド(電子部品保持手段)
40 位置決め手段
50 Z軸テーブル(載置高さ調節手段)
50A 撮像高さ調節手段
63 RAM(一時記憶手段)
S サブマウント(装着対象物)
T 半導体チップ(電子部品)
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品装着装置に係り、特に、装着前に電子部品の位置修正を行う電子部品装着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子部品装着装置は、チップ電子部品を保持して上下動するボンディングツールと、基板を載置する基板ステージと、ボンディングツールと基板ステージを水平面内で相対移動させる移動機構と、ボンディングツールに保持されたチップ電子部品を下方から撮像するカメラとを備え、カメラが基板ステージに載置された基板の上面と同じ高さでその焦点が合うように設置されると共にボンディングツールに保持されたチップ電子部品の底面をその高さで撮像し、ボンディングツールに対するチップ電子部品の位置ズレを求めると共に装着時の位置修正によりそのズレの修正を図っていた(特許文献1,2参照)。
【0003】
電子部品装着装置は、ボンディングツールが有するノズルの先端部にチップ電子部品を吸着保持し、移動機構により基板ステージ上の基板の装着位置にチップ電子部品を位置決めし、ノズルを下降させてチップ電子部品の装着を行う。しかし、吸着時においてノズルに対するチップ電子部品の位置ズレやノズル中心線に対するねじれを生ずる場合があり、これに対処しないと、そのまま装着が行われ、装着不良を生じることになる。そこで、上記従来例では、予め撮像を行い、その撮像画像から規定位置からのズレ量を算出し、装着における規定位置からズレ量分修正した位置に位置決めして装着を行っている。
そして、撮像を行う場合、ノズルの中心線とカメラの光学系の光軸とが一致していないと、チップの高さによって位置変動を生じ、正確に位置ズレを求めることができなくなるため、従来の電子部品装着装置では、撮像高さをチップ電子部品装着時の高さと一致させることで上下動による位置変動の解消を図っている。
【0004】
【特許文献1】
特許2840410号公報(第4図)
【特許文献2】
特開2002−198398号公報(第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各特許文献1,2に記載の電子部品装着装置では、カメラの焦点距離は一定であると共に精度良く撮像を行うカメラは特にその被写界深度が浅いことから、一度カメラを設置すると、その撮像は常に一定の高さで行わねばならず、このため、厚さが異なる基板に電子部品装着を行う場合は、撮像高さと装着高さとを一致させることができないという不都合があった。
従って、これらの高さの不一致により、ボンディングツールの上下動により電子部品に位置変動を生じる場合には、撮像により求めた電子部品の位置ズレ量が装着時に生じる位置ズレ量と一致せず、異なる厚さの基板に対しては電子部品を基板に精度良く装着できないという不都合が生じていた。
【0006】
本発明は、電子部品の装着位置精度の向上を図ることを、その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、電子部品の装着が行われる装着対象物をその上面に載置する載置台と、電子部品を保持して上下方向に搬送する電子部品保持手段と、電子部品保持手段に保持された電子部品を下方から撮像する撮像手段と、電子部品保持手段と載置台とを相対的に位置決めする位置決め手段と、載置台を上下方向に沿って移動させる載置高さ調節手段と、を備え、撮像により電子部品保持手段に保持された電子部品のズレ量を求め位置修正すると共に、載置高さ調節手段により、撮像手段に対する電子部品底面の撮像高さに,載置された装着対象物の電子部品装着部の高さを等しくして電子部品装着を行う、という構成を採っている。
【0008】
上記構成では、電子部品保持手段が電子部品を保持した状態で、撮像手段の上方において電子部品の撮像が行われる。これにより、規定位置に対する電子部品の位置ズレや規定の姿勢に対する回転角度ズレが求められる。
一方、載置台上には装着対象物が載置され、その電子部品装着部の高さは載置高さ調節手段により電子部品底面の撮像時における高さと同一となるように調節される。
そして、装着対象物,電子部品又はこれら双方に対して、撮像により求められた電子部品の位置ズレや回転角度ズレを位置決め手段により修正し、装着対象物に対する電子部品の装着が行われる。
【0009】
請求項2記載の発明は、電子部品の装着が行われる装着対象物をその上面に載置する載置台と、電子部品を保持して上下方向に搬送する電子部品保持手段と、電子部品保持手段に保持された電子部品を下方から撮像する撮像手段と、電子部品保持手段と載置台とを相対的に位置決めする位置決め手段と、撮像手段を上下方向に沿って移動させる撮像高さ調節手段と、を備え、載置された装着対象物の電子部品装着部の高さに撮像手段に対する電子部品底面の撮像高さを等しくして撮像可能な高さに撮像手段を位置決めして撮像すると共に、撮像により電子部品保持手段に保持された電子部品のズレ量を求め位置修正して電子部品装着を行う、という構成を採っている。
【0010】
上記構成では、撮像高さ調節手段により、撮像手段をその焦点距離に応じて載置台に載置された装着対象物の電子部品装着部の高さにおいて撮像可能な高さに位置決めする。
そして、電子部品保持手段が電子部品を保持し、撮像手段に対する電子部品底面の撮像高さが載置台に載置された装着対象物の電子部品装着部の高さと等しくなるように位置決めして撮像が行われる。これにより、規定位置に対する電子部品の位置ズレや規定の姿勢に対する回転角度ズレが求められる。
そして、装着対象物,電子部品又はこれら双方に対して、撮像により求められた電子部品の位置ズレや回転角度ズレを位置決め手段により修正し、装着対象物に対する電子部品の装着が行われる。
【0011】
請求項3記載の発明は、電子部品の装着が行われる装着対象物をその上面に載置する載置台と、電子部品を保持して上下方向に搬送する電子部品保持手段と、電子部品保持手段に保持された電子部品を下方から撮像する撮像手段と、電子部品を少なくとも異なる二以上の高さで撮像すると共にその電子部品の位置変化から当該電子部品の高さによる位置変化傾向を求め記憶する傾向記憶手段とを備え、傾向記憶手段に記憶された位置変化傾向を参照して求まる電子部品保持手段に保持された電子部品のズレ量と撮像により求まるズレ量とに応じて位置修正して電子部品装着を行う、という構成を採っている。
【0012】
上記構成では、撮像高さを変えて二回以上撮像を行うことから、上下動により電子部品に生じる位置ズレについて位置変化傾向を求めることができる。このため、この位置変化傾向に基づいて、電子部品がいずれの高さにあっても上下動による位置ズレがどの程度生じるかを認識することが可能となる。従って、電子部品の撮像高さを装着対象物の上面の高さに一致させなくとも、撮像により得られる位置ズレ量と位置変化傾向により得られる位置ズレ量の合計から、装着時の電子部品に生じる位置ズレ量を求めることができる。
このため、一度位置変化傾向が求められると、それ以後の電子部品の装着にあたっては、高さについて制限なく撮像を行うことができ、撮像により得られる位置ズレ量と位置変化傾向により得られる位置ズレ量の計算結果から位置修正して電子部品を装着対象物に装着することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
[第一の実施形態]
本発明の第一の実施の形態を図1乃至図3に基づいて説明する。図1は本実施形態たるダイボンディング装置10の概略構成を示すブロック図である。電子部品装着装置としてのダイボンディング装置10は、電子部品としての半導体チップTを装着対象物としてのサブマウントSに対してダイボンディングするための装置である。そして、かかる半導体チップTは例えば、GaAlAs系の半導体レーザチップであって、一例としてその寸法は縦400[μm],横250[μm],厚さ80〜130[μm]である。また、サブマウントSは、窒化アルミニウム又はシリコンからなり、一例としてその寸法は縦2[mm],横1.2[mm],厚さ220[μm]である。なお、ダイボンディングの対象としては、上述した素材や寸法の半導体チップT及びサブマウントSについて限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態の全体構成)
ダイボンディング装置10は、ダイボンディングを行うためにサブマウントSをその上面に載置する載置台としての接合ステージ20と、半導体チップTを保持して上下方向に搬送する電子部品保持手段としてのチップヘッド30と、電子部品保持手段に保持された電子部品を下方から撮像する撮像手段としてのカメラ11と、チップヘッド30と接合ステージ20とを相対的に位置決めする位置決め手段40と、接合ステージ20を上下方向に沿って移動させる載置高さ調節手段としてのZ軸テーブル50と、半導体チップTとサブマウントSの加熱時に不活性ガスを供給するガス供給手段(図示略)と、加熱終了後,半導体チップT及びサブマウントSを冷却する冷却手段(図示略)と、上記各部の動作制御を行う動作制御手段60(図2参照)とを備えている。
以下、各部を詳説する。
【0015】
(チップヘッド)
チップヘッド30は、その先端部で外気吸引により半導体チップTを吸着保持する吸着ノズルを備え、垂直上下方向に移動して半導体チップTを高さ方向について位置決めを行うことができる。また、チップヘッド30は、後述する位置決め手段40の図示しないヘッド搬送機構に支持されており、かかるヘッド搬送機構により水平面に沿った一の方向(X軸方向とする)に沿って搬送が行われる。そして、かかる搬送により、チップヘッド30は、カメラ11の上方である撮像位置と接合ステージ20の上方である装着位置への搬送に加えて、まだ未装着の半導体チップを受け取る図示しないチップトレーや、ダイボンディングにより一体化された半導体チップ及びマウントを格納する受け渡しトレーに搬送される。
【0016】
(接合ステージ)
接合ステージ20は、後述する位置決め手段40のX軸,Y軸テーブル41,42とZ軸テーブル50の上に搭載されており、かかる搭載状態においてその上面は水平状態となっている。
さらに、接合ステージ20の上部には加熱手段としての図示しないセラミックヒータが内蔵されている。このセラミックヒータの加熱により、上面に載置されたサブマウントSと半導体チップTの間に介挿されたロウ材(ボンディングインサート材)を溶融させる。
また、接合ステージ20の上面におけるマウント載置位置には低圧源に連通された吸着孔が形成され、かかる吸着孔から外気吸引を行うことでサブマウントSを吸着保持する。
【0017】
(Z軸テーブル)
Z軸テーブル50は接合ステージ20を載置した状態で保持すると共に、自らは位置決め手段40のX軸,Y軸テーブル41,42に載置され保持されている。そして、Z軸テーブル50は、接合ステージ20を上下方向に移動させることで、その上面に保持されたサブマウントSの電子部品装着部における高さ調節を行う。
【0018】
(位置決め手段)
位置決め手段40は、Z軸テーブル50を載置した状態で保持するX軸,Y軸テーブル41,42と、チップヘッド30を保持してX軸方向に沿って搬送するヘッド搬送機構と、吸着ノズルに保持された半導体チップTをノズルの中心線を中心として回転させる図示しない角度調節手段とを有している。
X軸テーブル41は、その上面に設置されたZ軸テーブル50を介して接合ステージ20並びにサブマウントSのX軸方向の位置決めを行う。
Y軸テーブル42は、その上面に設置されたX軸テーブル41,Z軸テーブル50を介して接合ステージ20並びにサブマウントSのY軸方向の位置決めを行う。なお、ここで、Y軸方向とは、水平面に沿った方向であってX軸方向に直交する方向をいう。
【0019】
ヘッド搬送機構は、X軸方向に沿ったガイドを備え、当該ガイドに沿ってチップヘッド30を搬送する。なお、このヘッド搬送機構は、半導体チップTをカメラ11,接合ステージ20等に搬送することに専ら用いられ、ダイボンディングにおけるサブマウントSと半導体チップTのX軸方向における相対的な位置調節についてはX軸テーブル41により行われる。
但し、ダイボンディング装置10の構成からX軸テーブル41を除き、ヘッド搬送機構によりX軸方向における位置調節を行っても良い。
角度調節手段は、チップヘッド30に装備され、吸着ノズルをその中心線を基準に回転駆動する駆動手段を備えている。かかる駆動手段は、例えば、ステッピングモータ等のように外部指令に従って回転角度量を任意に決定可能である。
【0020】
(カメラ)
カメラ11は、ヘッド搬送機構によるチップヘッド30の搬送領域内に固定装備されている。かかるカメラ11は、その撮像視野が上方に向けられて設置されており、チップヘッド30に保持された半導体チップTの底面側を撮像する。
また、このカメラ11は、その光軸が垂直上下方向となるように設置されており、その被写界深度は70[μm]と非常に狭い範囲に設定されている。従って、カメラ11により半導体チップTの底面を撮像する場合の撮像高さは、当該半導体チップTの底面がカメラの被写界深度の範囲内となる高さに設定される。
【0021】
(ガス供給手段及び冷却手段)
ガス供給手段は、不活性ガスである窒素ガスの供給源と接合ステージ20のサブマウント保持位置に向けられたガス用ノズルとを有しており、サブマウントSに半導体チップTをボンディングする際にこれらに窒素ガスの吹きつけを行う。
また、冷却手段は、冷却エアの供給源と接合ステージ20のサブマウント保持位置に向けられた吹き出しノズルとを有しており、サブマウントSに半導体チップTをボンディングした後にその加熱された状態を冷却エアの吹きつけにより冷却する。
【0022】
(動作制御手段)
図2は、ダイボンディング装置10の制御系を示すブロック図である。図2に示すように、動作制御手段60は、所定のプログラムに従い各種の動作制御を行うCPU61と、各種の制御を行うためのプログラムや後述する各種設定データが記憶されるROM62と、各種の処理において一時的にデータ等を格納する作業領域となるRAM63と、カメラ11,接合ステージのセラミックヒータ,X軸テーブル41,Y軸テーブル42,ヘッド搬送機構,角度調節手段,Z軸テーブル50及びチップヘッド30との接続を図る各種のインターフェース(図示略)とを備えている。また、この動作制御手段60は、各種設定データの設定変更等を入力するための入力手段12が併設されている。
【0023】
動作制御手段60のRAM63には、撮像時においてチップヘッド30を位置決めすべき撮像高さデータと、装着時においてチップヘッド30を位置決めすべき装着高さデータと、撮像時においてヘッド搬送機構を位置決めすべきX軸方向における撮像位置データと、装着時においてヘッド搬送機構を位置決めすべきX軸方向における装着位置データと、装着時においてZ軸テーブル50を位置決めすべき装着高さデータとが記憶されている。
【0024】
上記チップヘッド30の撮像高さデータは、吸着ノズルの先端部がカメラ11の焦点位置よりも半導体チップTの厚さ分(高さ分)だけ上方となる位置に設定される。従って、動作制御手段60のCPU61は、入力手段12により半導体チップTの厚さが入力されると、これに基づいてチップヘッド30の撮像高さを算出し、撮像高さデータとしてRAM63に記録する処理を行う。
上記チップヘッド30の装着高さデータは、撮像高さデータの示す高さと同じ高さに設定される。これにより、撮像時と装着時とで半導体チップTの底面高さが均一に揃えることができる。このようにすることで、チップヘッド30による上下動によりその高さに応じて位置ズレを生じるような場合でも、その位置ズレの影響を解消することができる。
【0025】
ヘッド搬送機構の撮像位置データは、チップヘッド30の吸着ノズルの中心線がカメラ11の光軸と一致する位置に設定される。
ヘッド搬送機構の装着位置データは、チップヘッド30の吸着ノズルの中心線が接合ステージ20上のサブマウントSのチップ装着位置に一致する位置に設定される。
【0026】
Z軸テーブル50の装着高さデータは、接合ステージ20の上面高さがカメラ11の焦点位置よりもサブマウントSの厚さ分(高さ分)だけ下方となる位置に設定される。従って、動作制御手段60のCPU61は、入力手段12によりサブマウントSの厚さが入力されると、これに基づいてZ軸テーブル50の撮像高さを算出し、装着高さデータとしてRAM63に記録する処理を行う。
【0027】
また、撮像が行われると、動作制御手段60では、その撮像データをRAM63に記憶する。そして、CPU61は、公知の画像処理手法により予め設定された適正な半導体チップTの位置からのズレ量及びねじれによる姿勢のズレ量の算出を行う。画像処理の手法は一般に用いられるいずれの方法であっても良いが、一例としては、撮像データから半導体チップTの複数のエッジ(角部)を抽出し、各エッジの頂点位置を特定すると共に予め用意された各エッジの位置データと比較してその位置ズレ量及び回転角度ズレ量を算出する処理が挙げられる。
そして、これらのズレ量を示すズレ量データはRAM63に記憶される。
【0028】
さらに、CPU61は、算出されたズレ量に基づいて当該ズレをうち消すようにX軸テーブル41,Y軸テーブル42及び角度調節手段を駆動してサブマウントSの位置を修正する動作制御を行う。
【0029】
(電子部品装着装置の動作)
次に、ダイボンディング装置10の動作説明を行う。
予め、半導体チップTの厚さ及びサブマウントSの厚さが入力手段12により入力されると、動作制御手段60のCPU61は、チップヘッド30の撮像高さデータ及び装着高さデータとZ軸テーブル50の装着高さデータを算出する。
そして、Z軸テーブル50を駆動し、装着高さデータに基づく高さに接合ステージ20を位置決めする。また、接合ステージ20の上面の所定位置にサブマウントSが載置される。この時、低圧源により吸着孔は外気吸引状態にあり、サブマウントSは接合ステージ20上に吸着保持される。
【0030】
また、チップヘッド30は、チップトレーから半導体チップTを吸着すると共予め決められた搬送高さまで半導体チップTを上昇させる。そして、チップヘッド30はヘッド搬送機構に搬送されて撮像位置データに従い位置決めされる。さらに、チップヘッド30は、半導体チップTを下降して撮像高さデータに基づく高さに位置決めし、カメラ11により半導体チップTを下方から撮像する。
そして、CPU61は、得られた撮像データから半導体チップTの規定位置に対するズレ量を算出する。
【0031】
次に、チップヘッド30は、半導体チップTを搬送高さに上昇させた状態で、ヘッド搬送機構に搬送されて装着位置データに従い位置決めされる。そして、算出されたズレ量データに従ってX軸テーブル41,Y軸テーブル42及び角度調節手段を駆動してサブマウントSの位置修正及び半導体チップTの角度修正を行う。
さらに、チップヘッド30は、装着高さデータに従い半導体チップTを下降させる。これにより、半導体チップTはサブマウントSの装着位置に載置される。
【0032】
そして、ガス供給手段のガス用ノズルから窒素ガスの吹き付けを行いつつ、接合ステージ20のセラミックヒータを昇温させてボンディングインサート材を溶融させる。そして、所定時間の加熱を行うと、セラミックヒータ及びガス供給手段の駆動を停止し、冷却手段を駆動して冷却エアの吹き付けを行う。これにより、サブマウントSと半導体チップTの間のボンディングインサート材は凝固し、半導体チップTはサブマウントS上に装着される。その後、チップヘッド30により一体化した半導体チップT及びサブマウントSを吸着保持し、ヘッド搬送機構により受け渡しトレーに搬送する。
【0033】
(第一の実施形態の効果)
上記ダイボンディング装置10は、接合ステージ20に載置されたサブマウントSの上面と撮像時の半導体チップTの底面の高さを一致させることから、撮像時において装着時に生じるであろう半導体チップTの位置や方向のズレを忠実に修正することが可能となる。従って、チップヘッド30に半導体チップTを吸着する場合生じるズレに加えてチップヘッド30の上下動により生じる位置や姿勢のズレをも修正することが可能となる。
【0034】
また、Z軸テーブル50を有することから得られる効果について図3に基づいて説明する。図3は、厚さの異なる二種類のサブマウントSについて接合ステージ20上で各々の装着高さに位置決めした場合の状態を比較するための説明図である。
図3に示すように、厚さが異なるサブマウントSに対して半導体チップTの装着を行う場合であっても、Z軸テーブル50により各々についてサブマウントSの上面高さをカメラの焦点位置に合わせることが可能となり、これにより、種々のサブマウントSについて撮像高さと装着高さとを一致させることが可能であることが分かる。
その結果、撮像により求めた電子部品の位置ズレ量と装着時に生じる位置ズレ量とをいつも一致させることができ、これを予め修正することにより、種々のサブマウントSに対して半導体チップTを精度良く装着することが可能となる。
また、これにより、被写界深度の浅い高精度のカメラ11についても種々のサブマウントSの装着高さを焦点位置に合わせることが可能である。
【0035】
また、ダイボンディング装置10は、半導体チップTの厚さに応じてチップヘッド30による撮像高さ位置調節が行われることから、種々の半導体チップTについて、例え被写界深度の浅い高精度のカメラ11に対してもその焦点位置に位置決めすることができ、種々の半導体チップTに対する高精度の位置修正を図ることが可能となると共にサブマウントSに対して精度良く装着することが可能となる。
【0036】
[第二の実施形態]
本発明の第二の実施の形態を図4に基づいて説明する。図4は本実施形態たる電子部品装着装置としてのダイボンディング装置10Aの概略構成を示すブロック図である。なお、かかるダイボンディング装置10Aについて、前述したダイボンディング装置10と同一の構成については同符号を付して、重複する説明は省略するものとする。
【0037】
(実施の形態の全体構成)
ダイボンディング装置10Aは、ダイボンディング装置10と比べて、そのZ軸テーブル50に替えてカメラ11を上下方向に沿って移動させる撮像高さ調節手段50Aを備える点と、かかる差異による動作制御手段60が行う動作制御とが主に異なる点である。
以下、これら異なる点を中心に説明する。
【0038】
(撮像高さ調節手段)
撮像高さ調節手段50Aは、垂直上下方向にカメラ11を移動可能に保持するスライダ機構と、その上下動の駆動源とを備えている。そして、その駆動源の駆動量は、動作制御手段60により制御可能であり、これにより、カメラ11を任意の高さに調節することを可能としている。
【0039】
(動作制御手段による制御)
動作制御手段60のRAM63には、撮像時においてチップヘッド30を位置決めすべき撮像高さデータと、装着時においてチップヘッド30を位置決めすべき装着高さデータと、撮像時においてヘッド搬送機構を位置決めすべきX軸方向における撮像位置データと、装着時においてヘッド搬送機構を位置決めすべきX軸方向における装着位置データと、撮像時において撮像高さ調節手段50Aによりカメラ11を位置決めすべき撮像高さデータとが記憶されている。
【0040】
上記チップヘッド30の撮像高さデータは、吸着ノズルの先端部が接合ステージ20の上面よりもサブマウントの厚さ(高さ)と半導体チップTの厚さ(高さ)との合計分だけ上方となる位置に設定される。従って、動作制御手段60のCPU61は、入力手段12により半導体チップT及びサブマウントSの厚さが入力されると、これに基づいてチップヘッド30の撮像高さを算出し、撮像高さデータとしてRAM63に記録する処理を行う。
上記チップヘッド30の装着高さデータは、撮像高さデータの示す高さと同じ高さに設定される。これにより、撮像時と装着時とで半導体チップTの底面高さが均一に揃えることができる。
【0041】
ヘッド搬送機構の撮像位置データは、チップヘッド30の吸着ノズルの中心線がカメラ11の光軸と一致する位置に設定される。
ヘッド搬送機構の装着位置データは、チップヘッド30の吸着ノズルの中心線が接合ステージ20上のサブマウントSのチップ装着位置に一致する位置に設定される。
【0042】
撮像高さ調節手段50Aによるカメラ11の撮像高さデータは、カメラ11の焦点位置が接合ステージ20の上面高さがよりもサブマウントSの厚さ分(高さ分)だけ上方となる位置に設定される。従って、動作制御手段60のCPU61は、入力手段12によりサブマウントSの厚さが入力されると、これに基づいて撮像高さ調節手段50Aによるカメラ11の撮像高さを算出し、撮像高さデータとしてRAM63に記録する処理を行う。
【0043】
また、撮像が行われると、動作制御手段60が、撮像データから適正な半導体チップTの位置からのズレ量及びねじれによる姿勢のズレ量の算出を行い、RAM63に記憶する点と、算出されたズレ量に基づいてX軸テーブル41,Y軸テーブル42及び角度調節手段を駆動してサブマウントSの位置を修正する点はダイボンディング装置10と同様である。
【0044】
(電子部品装着装置の動作)
次に、ダイボンディング装置10Aの動作説明を行う。
予め、半導体チップTの厚さ及びサブマウントSの厚さが入力手段12により入力されると、動作制御手段60のCPU61は、前述した各種のデータを算出する。
そして、撮像高さ調節手段50Aを駆動し、装着高さデータに基づく高さにカメラ11を位置決めする。また、接合ステージ20の上面の所定位置にサブマウントSが載置される。この時、低圧源により吸着孔は外気吸引状態にあり、サブマウントSは接合ステージ20上に吸着保持される。
【0045】
また、チップヘッド30は、チップトレーから半導体チップTを吸着すると共に予め決められた搬送高さまで半導体チップTを上昇させる。そして、チップヘッド30はヘッド搬送機構に搬送されて撮像位置データに従い位置決めされる。さらに、チップヘッド30は、半導体チップTを下降して撮像高さデータに基づく高さに位置決めし、カメラ11により半導体チップTを下方から撮像する。
そして、CPU61は、得られた撮像データから半導体チップTの規定位置に対するズレ量を算出する。
【0046】
次に、チップヘッド30は、半導体チップTを搬送高さに上昇させた状態で、ヘッド搬送機構に搬送されて装着位置データに従い位置決めされる。そして、算出されたズレ量データに従ってX軸テーブル41,Y軸テーブル42及び角度調節手段を駆動してサブマウントSの位置修正及び半導体チップTの角度修正を行う。
さらに、チップヘッド30は、装着高さデータに従い半導体チップTを下降させる。これにより、半導体チップTはサブマウントSの装着位置に載置される。
【0047】
そして、ガス供給手段のガス用ノズルから窒素ガスの吹き付けを行いつつ、接合ステージ20のセラミックヒータを昇温させてボンディングインサート材を溶融させる。そして、所定時間の加熱を行うと、セラミックヒータ及びガス供給手段の駆動を停止し、冷却手段を駆動して冷却エアの吹き付けを行う。これにより、サブマウントSと半導体チップTの間のボンディングインサート材は凝固し、半導体チップTはサブマウントS上に装着される。その後、チップヘッド30により一体化した半導体チップT及びサブマウントSを吸着保持し、ヘッド搬送機構により受け渡しトレーに搬送する。
【0048】
(第二の実施形態の効果)
上記ダイボンディング装置10Aは、接合ステージ20に載置されたサブマウントSの上面と撮像時の半導体チップTの底面の高さを一致させることから、ダイボンディング装置10と同様の効果を得ることができる。
【0049】
さらに、撮像高さ調節手段50Aを有することから、厚さが異なるサブマウントSに対して半導体チップTの装着を行う場合であっても、撮像高さ調節手段50Aにより種々のサブマウントSの上面高さにカメラの焦点位置を合わせることが可能となり、これにより、種々のサブマウントSについて撮像高さと装着高さとを一致させることが可能となる。
このため、撮像により求めた電子部品の位置ズレ量と装着時に生じる位置ズレ量とをいつも一致させることができ、これを予め修正することにより、種々のサブマウントSに対して半導体チップTを精度良く装着することが可能となる。
また、これにより、被写界深度の浅い高精度のカメラ11についても種々のサブマウントSの装着高さを焦点位置に合わせることが可能である。
【0050】
また、ダイボンディング装置10Aも、半導体チップTの厚さに応じてチップヘッド30による撮像高さ位置調節が行われることから、ダイボンディング装置10と同様の効果を得ることが可能となる。
【0051】
[第三の実施形態]
本発明の第三の実施の形態を図5に基づいて説明する。図5は本実施形態たる電子部品装着装置としてのダイボンディング装置10Bの概略構成を示すブロック図である。なお、かかるダイボンディング装置10Bは、ダイボンディング装置10Aと同一の構成だが、動作制御手段60が行う動作制御が異なっている。
以下、この異なる点を中心に説明する。
【0052】
(動作制御手段による制御)
動作制御手段60のCPU61は、高さの異なる二つの位置でチップヘッド30に保持された半導体チップTの撮像を行い、それらの撮像データから二つの高さでの半導体チップTの位置変化量を算出し、これにより、高さ変化に対する位置変化の割合を算出すると共にこれを位置変化傾向データとしてRAM63に記憶する。なお、上記二つの撮像高さは、特に限定はないが、一方をチップヘッド30による搬送高さのままとすることが望ましく、また、もう一方を半導体チップTの底面高さと接合ステージ20上のサブマウントSの上面とが同一となる高さとすることが望ましい。
【0053】
より具体的な例を挙げると、ある高さでの半導体チップTの位置データを(X1,Y1)とし、ここから下降した高さでの半導体チップTの位置データを(X2,Y2)とし、各撮像位置の高低差をh0とすると、その位置変化傾向は、(X2−X1,Y2―Y1)/h0となる。従って、かかる位置変化傾向を利用すると、(X1,Y1)の位置から下方へ距離h移動した場合の半導体チップTの位置データ(X,Y)=((X2−X1)・h/h0+X1,(Y2−Y1)・h/h0+Y1)により求められる。
【0054】
従って、かかる位置変化傾向を一度取得すると、それ以降の他の半導体チップTの装着前に行う撮像に際して半導体チップTの底面を接合ステージ20上のサブマウントS上面高さに揃える必要がなくなり、いずれの高さで撮像しても装着時(半導体チップTがサブマウントSに載置状態となる場合)に生じる位置ズレを求めることが可能となる。
このため、位置変化傾向を取得した後には、撮像時にチップヘッド30の搬送高さからサブマウントSの上面高さまで半導体チップTの底面を下降させる必要がなくなり、半導体チップTの装着作業の迅速化を図ることが可能となる。
なお、位置変化傾向の取得以降の半導体チップTの撮像高さは、チップヘッド30の通常の搬送高さより近いことが望ましく、チップヘッド30の搬送高さと撮像高さとを一致させることがより望ましい。
【0055】
なお、位置変化傾向に基づいて求めることができるのは、吸着ノズルの上下動により半導体チップTに生じる位置ズレのみなので、半導体チップTのノズル吸着時に生じる位置ズレ及び回転角度ズレは撮像データから算出し、かかる撮像データに基づくズレ量と位置変化傾向に基づくズレ量との合計のズレ量に基づいて装着時の位置修正を行う必要がある。
このため、動作制御手段60のCPU61は、位置変化傾向取得後の半導体チップTの装着に際して、撮像データに基づくズレ量と位置変化傾向に基づくズレ量との合計ズレ量を算出すると共に、当該ズレ量に基づいてX軸テーブル41,Y軸テーブル42及び角度調節手段により半導体チップTの位置修正を図る動作制御を行う。
【0056】
動作制御手段60のRAM63には、撮像時においてチップヘッド30を位置決めすべき二つの撮像高さデータと、装着時においてチップヘッド30を位置決めすべき装着高さデータと、撮像時においてヘッド搬送機構を位置決めすべきX軸方向における撮像位置データと、装着時においてヘッド搬送機構を位置決めすべきX軸方向における装着位置データと、撮像時において撮像高さ調節手段50Aによりカメラ11を位置決めすべき二つの撮像高さデータとが記憶されている。
【0057】
上記チップヘッド30の二つの撮像高さデータは、一方はチップヘッド30の搬送高さと等しい高さとされ、他方は吸着ノズルの先端部が接合ステージ20の上面よりもサブマウントの厚さ(高さ)と半導体チップTの厚さ(高さ)との合計分だけ上方となる位置に設定される。従って、動作制御手段60のCPU61は、入力手段12により半導体チップT及びサブマウントSの厚さが入力されると、これに基づいてチップヘッド30の二つの撮像高さを算出し、それぞれ撮像高さデータとしてRAM63に記録する処理を行う。
【0058】
ヘッド搬送機構の撮像位置データは、チップヘッド30の吸着ノズルの中心線がカメラ11の光軸と一致する位置に設定される。
ヘッド搬送機構の装着位置データは、チップヘッド30の吸着ノズルの中心線が接合ステージ20上のサブマウントSのチップ装着位置に一致する位置に設定される。
【0059】
撮像高さ調節手段50Aによるカメラ11の二つの撮像高さデータは、カメラ11の焦点位置が前述したチップヘッド30の二つの撮像高さデータのそれぞれに基づく吸着ノズル先端高さから半導体チップTの厚さ分(高さ分)だけ下方となる位置に設定される。従って、動作制御手段60のCPU61は、入力手段12により半導体チップTの厚さが入力されると、これに基づいて撮像高さ調節手段50Aによるカメラ11の各撮像高さを算出し、二つの撮像高さデータとしてRAM63に記録する処理を行う。
【0060】
なお、上記ダイボンディング装置10Bでは、撮像回数は二回とするが、より多くとも良い。三回以上の撮像を行う場合は、各高さ区間ごとに位置変化傾向を求めても良いし、各高さ区間ごとに求めた位置変化傾向を平均しても良い。
【0061】
(電子部品装着装置の動作)
次に、ダイボンディング装置10Bの動作説明を行う。
予め、半導体チップTの厚さ及びサブマウントSの厚さが入力手段12により入力されると、動作制御手段60のCPU61は、前述した各種のデータを算出する。
そして、撮像高さ調節手段50Aを駆動し、一方(高位置の方)の装着高さデータに基づく高さにカメラ11を位置決めする。
また、接合ステージ20の上面の所定位置にサブマウントSが載置される。この時、低圧源により吸着孔は外気吸引状態にあり、サブマウントSは接合ステージ20上に吸着保持される。
【0062】
また、チップヘッド30は、チップトレーから半導体チップTを吸着すると共予め決められた搬送高さまで半導体チップTを上昇させる。そして、チップヘッド30はヘッド搬送機構に搬送されて撮像位置データに従い位置決めされる。一方の撮像高さと搬送高さとは一致するので、チップヘッド30による半導体チップTの下降は行われず、カメラ11により半導体チップTは下方から撮像される。
次に、撮像高さ調節手段50Aを駆動し、他方(低位置の方)の装着高さデータに基づく高さにカメラ11を位置決めする。また、チップヘッド30により半導体チップTを他方の撮像高さデータに基づく高さに下降させてカメラ11により半導体チップTを下方から撮像する。
【0063】
そして、CPU61は、得られた二つの撮像データから半導体チップTの規定位置に対するズレ量を算出する。
また、二つの撮像データから相互間の半導体チップの位置変化量を算出するとと共に撮像高低差から位置変化傾向を算出する。
【0064】
次に、チップヘッド30は、半導体チップTを搬送高さに上昇させた状態で、ヘッド搬送機構に搬送されて装着位置データに従い位置決めされる。そして、撮像データに基づくズレ量と位置変化傾向に基づくズレ量とに従ってX軸テーブル41,Y軸テーブル42及び角度調節手段を駆動してサブマウントSの位置修正と半導体チップTの角度修正を行う。
さらに、チップヘッド30は、装着高さデータに従い半導体チップTを下降させる。これにより、半導体チップTはサブマウントSの装着位置に載置される。
【0065】
そして、ガス供給手段のガス用ノズルから窒素ガスの吹き付けを行いつつ、接合ステージ20のセラミックヒータを昇温させてボンディングインサート材を溶融させる。そして、所定時間の加熱を行うと、セラミックヒータ及びガス供給手段の駆動を停止し、冷却手段を駆動して冷却エアの吹き付けを行う。これにより、サブマウントSと半導体チップTの間のボンディングインサート材は凝固し、半導体チップTはサブマウントS上に装着される。その後、チップヘッド30により一体化した半導体チップT及びサブマウントSを吸着保持し、ヘッド搬送機構により受け渡しトレーに搬送する。
【0066】
(第三の実施形態の効果)
上記ダイボンディング装置10Bは、二回の撮像により半導体チップTの高さによる位置変化傾向を求め、これにより半導体チップTの上下動により生じる位置ズレについて修正を図るので、当該位置ズレの影響を排除し、高い精度で半導体チップTをサブマウントSに装着することが可能となる。
さらに、上下動による半導体チップの位置ズレの影響を排除可能となることから、一度位置変化傾向を取得すれば、それ以後のダイボンディングにおいて、撮像高さをサブマウントSの上面と一致させる必要がなくなり、いずれの高さでも撮像可能となるので、半導体チップTの上下動を行う時間を効果的に短縮することが可能となり、動作の迅速化を図ることが可能となる。
【0067】
さらに、ダイボンディング装置10Bは、位置変化傾向により上下動の位置修正を図るので、サブマウントSの厚さが既知である限り、それに応じた位置ズレを解消することが可能となり、種々のサブマウントSに対して半導体チップTを精度良く装着することが可能となる。
また、これにより、被写界深度の浅い高精度のカメラ11についても種々のサブマウントSの装着高さを焦点位置に合わせることが可能である。
【0068】
[その他]
なお、上述した各実施形態では、サブマウントSに対して半導体チップTをダイボンディングする場合を例示したが、装着の対象物はこれらに限定されるものではなく、また装着の手法もダイボンディングに限定されるものではない。一方の装着対象物の上方から電子部品を位置決めして装着する全ての場合について上記撮像により位置修正して装着を行う発明を適用することが可能である。
【0069】
また、上述した各実施形態では、位置決め手段40のX軸,Y軸テーブル41,42が接合ステージ20の移動調節を行っているが、チップヘッド30を保持し各方向について移動調節する構成としても良い。
また、位置決め手段40の角度調節手段は、ノズルを介して半導体チップTに対して回転角度調節を行っているが、接合ステージ20に対して回転角度調節を行う構成としても良い。
【0070】
【発明の効果】
請求項1記載の発明では、載置台に載置された装着対象物の上面と撮像時の電子部品の底面の高さを一致させることから、撮像時において装着時に生じるであろう電子部品の位置や方向のズレを中実に修正することが可能となる。従って、電子部品保持手段が電子部品を保持する場合生じるズレに加えて電子部品保持手段の上下動により生じる位置や姿勢のズレをも修正することが可能となる。
【0071】
さらに、載置高さ調節手段を有すること、厚さが異なる種々の装着対象物に対して電子部品の装着を行う場合であっても、載置高さ調節手段により各々について装着対象物の電子部品装着部の上面高さを撮像手段の焦点位置に合わせることが可能となり、これにより、種々の装着対象物について撮像高さと装着高さとを一致させることが可能となる。このため、種々の装着対象物に対して電子部品を精度良く装着することが可能となる。
特に、被写界深度の浅い高精度の撮像手段を用いる場合であっても、種々の装着対象物の装着高さを焦点位置に合わせることが可能であり、かかる面からも種々の装着対象物に対する電子部品装着精度の向上が図られる。
【0072】
請求項2記載の発明では、載置台に載置された装着対象物の上面と撮像時の電子部品の底面の高さを一致させることから、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができる
さらに、撮像高さ調節手段を有すること、厚さが異なる種々の装着対象物に対して電子部品の装着を行う場合であっても、撮像高さ調節手段により種々の装着対象物の電子部品装着部の上面高さに撮像手段の焦点位置を合わせることができ、種々の装着対象物について撮像高さと装着高さとを一致させることが可能となる。このため、種々の装着対象物に対して電子部品を精度良く装着することが可能となる。
従って、請求項1記載の発明と同様に、被写界深度の浅い高精度の撮像手段にも好適に対応し、かかる面からも種々の装着対象物に対する電子部品装着精度の向上が図られる。
【0073】
請求項3記載の発明は、二回の撮像により電子部品の高さによる位置変化傾向を求め、これにより電子部品の上下動により生じる位置ズレについて修正を図るので、当該位置ズレの影響を排除し、高い精度で電子部品を装着対象物に装着することが可能となる。
さらに、上下動による電子部品の位置ズレの影響を排除可能となることから、一度位置変化傾向を取得すれば、それ以後の装着作業において、撮像高さを装着対象物の上面と一致させる必要がなくなり、いずれの高さでも撮像可能となるので、電子部品の上下動を行う時間を効果的に短縮することが可能となり、動作の迅速化を図ることが可能となる。
【0074】
さらに、位置変化傾向により上下動の位置修正を図るので、装着対象物の厚さが既知である限り、それに応じた位置ズレを解消することが可能となり、種々の装着対象物に対して電子部品を精度良く装着することが可能となる。
また、これにより、被写界深度の浅い高精度の撮像手段についても種々の装着対象物の装着高さを焦点位置に合わせることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態たる電子部品装着装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した電子部品装着装置の制御系を示すブロック図である。
【図3】厚さの異なる二種類のサブマウントについて接合ステージ上で各々の装着高さに位置決めした場合の状態を比較するための説明図である。
【図4】本発明の第二の実施形態たる電子部品装着装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第三の実施形態たる電子部品装着装置の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10,10A,10B ダイボンディング装置(電子部品装着装置)
11 カメラ(撮像手段)
20 接合ステージ(載置台)
30 チップヘッド(電子部品保持手段)
40 位置決め手段
50 Z軸テーブル(載置高さ調節手段)
50A 撮像高さ調節手段
63 RAM(一時記憶手段)
S サブマウント(装着対象物)
T 半導体チップ(電子部品)
Claims (3)
- 電子部品の装着が行われる装着対象物をその上面に載置する載置台と、
前記電子部品を保持して上下方向に搬送する電子部品保持手段と、
前記電子部品保持手段に保持された電子部品を下方から撮像する撮像手段と、
前記電子部品保持手段と前記載置台とを相対的に位置決めする位置決め手段と、
前記載置台を上下方向に沿って移動させる載置高さ調節手段と、を備え、
前記撮像により前記電子部品保持手段に保持された電子部品のズレ量を求め位置修正すると共に、前記載置高さ調節手段により、前記撮像手段に対する前記電子部品底面の撮像高さに,前記載置された装着対象物の電子部品装着部の高さを等しくして電子部品装着を行うことを特徴とする電子部品装着装置。 - 電子部品の装着が行われる装着対象物をその上面に載置する載置台と、
前記電子部品を保持して上下方向に搬送する電子部品保持手段と、
前記電子部品保持手段に保持された電子部品を下方から撮像する撮像手段と、
前記電子部品保持手段と前記載置台とを相対的に位置決めする位置決め手段と、
前記撮像手段を上下方向に沿って移動させる撮像高さ調節手段と、を備え、
前記撮像高さ調節手段により、前記載置された装着対象物の電子部品装着部の高さに前記撮像手段に対する前記電子部品底面の撮像高さを等しくして撮像可能な高さに前記撮像手段を位置決めして撮像すると共に、前記撮像により前記電子部品保持手段に保持された電子部品のズレ量を求め位置修正して電子部品装着を行うことを特徴とする電子部品装着装置。 - 電子部品の装着が行われる装着対象物をその上面に載置する載置台と、
前記電子部品を保持して上下方向に搬送する電子部品保持手段と、
前記電子部品保持手段に保持された電子部品を下方から撮像する撮像手段と、
前記電子部品保持手段と前記載置台とを相対的に位置決めする位置決め手段と、
前記電子部品を少なくとも異なる二以上の高さで撮像すると共にその電子部品の位置変化から当該電子部品の高さによる位置変化傾向を求め記憶する傾向記憶手段とを備え、
前記傾向記憶手段に記憶された位置変化傾向を参照して求まる前記電子部品保持手段に保持された電子部品のズレ量と撮像により求まるズレ量とに応じて位置修正して電子部品装着を行うことを特徴とする電子部品装着装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007048922A (ja) * | 2005-08-10 | 2007-02-22 | Juki Corp | 部品の画像取得方法及び装置 |
JP2011066189A (ja) * | 2009-09-17 | 2011-03-31 | Panasonic Corp | 部品圧着装置 |
JP2015211188A (ja) * | 2014-04-30 | 2015-11-24 | 株式会社春日工作所 | 位置決め装置及び半導体検査装置 |
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2003
- 2003-03-31 JP JP2003095007A patent/JP2004303950A/ja active Pending
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