JP2004296461A - 酸化物半導体発光素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】n型ZnO単結晶基板101上には、ノンドープ量子井戸活性層105を形成している。量子井戸活性層105上には、リッジ107aを含むp型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層107を形成している。p型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層107のリッジ107aの両側にはn型Mg0.3Zn0.7O電流ブロック層109を形成している。n型Mg0.3Zn0.7O電流ブロック層109内にはn型Cd0.15Zn0.85O光吸収層110を形成している。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体レーザ素子などの酸化物半導体発光素子に関し、更に詳しくは、単一横モード発振の安定性に優れた酸化物半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化亜鉛(ZnO)は、約3.4eVのバンドギャップエネルギを有する直接遷移型半導体で、励起子結合エネルギが60meVと極めて高く、また原材料が安価、環境や人体に無害で成膜手法が簡便であるなどの特徴を有し、高効率・低消費電力で環境性に優れた発光デバイスを実現出来る可能性がある。
【0003】
ところで、半導体レーザ素子においては、導波路内を伝播する発振光が単峰性を有すること、すなわち単一横モードであることが重要である。
【0004】
上記半導体レーザ素子は、活性層をクラッド層で挟持したダブルヘテロ構造を形成するのが一般的であり、垂直方向の光は活性層とクラッド層の屈折率差に対応して活性層へ閉じ込められる。この活性層の厚さは発振閾値電流を低減するために通常0.1μmかそれ以下に設定されるため、層厚方向の電磁界分布は高次モードがカットオフとなり単一横モードが実現されている。
【0005】
これに対し、水平方向では屈折率差を大きくとることが難しいので、リッジやチャネルで構成される電流狭窄幅を狭くした狭ストライプ構造によって利得分布を生ぜしめ、単一横モードの安定性を補うのが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−299770号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者の検討によると、ZnO系半導体を用いて青色〜紫外光すなわち400nm前後の半導体レーザ素子を実現する場合、水平方向で安定な単一横モードを実現するには、リッジの幅をより狭くする必要がある。しかし、微細なリッジ構造を再現性よく作製することは困難で、リッジ形状の微妙な非対称性によってキンクが発生する。その他にも電気抵抗が高くなって動作電圧が増大し、また発振閾値電流もばらつきを生じやすい。したがって、上記リッジ幅をより狭くすることができず、水平方向で安定な単一横モードを実現するのは困難であるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明の課題は、単一横モード発振の安定性に優れた酸化物半導体発光素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、高い製造歩留まりを維持しながら、単一横モードを安定化させるための手段について鋭意検討した結果、素子構造内に光吸収層を形成することによって上記課題を解決できることを見い出し、本発明に至った。
【0010】
本発明の酸化物半導体発光素子は、基板上に形成された発光層と、この発光層上に形成され、リッジを含む上クラッド層とを備え、上記発光層および上記クラッド層がZnO系半導体からなる酸化物半導体発光素子において、上記リッジの両側の領域の一部、または、上記領域の上方には、上記活性層のバンドギャップよりも小さなバンドギャップを有する第1の光吸収層が形成されていることを特徴としている。
【0011】
本明細書において、ZnO系半導体とは、ZnOおよびこれを母体としたMgZnOまたはCdZnOなどで表される混晶を含めるものとする。
【0012】
上記構成の酸化物半導体発光素子によれば、上記リッジの両側の領域の一部、または、その領域の上方には、活性層のバンドギャップよりも小さなバンドギャップを有する第1の光吸収層が形成されているので、発振光がリッジ外で吸収される。したがって、上記第1の光吸収層によって、リッジとリッジ以外の部分との実効屈折率差を微細に制御出来る。その結果、単一横モード発振の安定性を高めることが出来る。
【0013】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記発光層の一部を含む導波路を備え、上記導波路の直上に配置され、上記活性層のバンドギャップよりも小さなバンドギャップを有する第2の光吸収層を備え、上記第2の光吸収層と上記上クラッド層とが積層されている。
【0014】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記第2の光吸収層が導波路の直上に配置されているので、発振光の上クラッド側の裾(縁)が第2の光吸収層で吸収される。したがって、上記第2の光吸収層によって、発振光の放射角を制御することが出来る。
【0015】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記活性層は、上記上クラッドと、上記上クラッドの導電型とは異なる導電型の下クラッドとにより挟持されている。
【0016】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記活性層は、上クラッドと、上クラッドの導電型とは異なる導電型の下クラッドとにより挟持されているので、励起子発光強度を増大させることが出来る。
【0017】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記発光層の一部を含む導波路を備え、上記導波路の直下に配置され、上記活性層のバンドギャップよりも小さなバンドギャップを有する第3の光吸収層を備え、上記第3の光吸収層と上記下クラッド層とが積層されている。
【0018】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記第3の光吸収層が導波路の直下に配置されているので、発振光の下クラッド側の裾(縁)が第3の光吸収層で吸収される。したがって、上記第2の光吸収層によって、発振光の放射角を制御することが出来る。
【0019】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記上クラッド層上には、上記上クラッドと同じ導電型のコンタクト層が形成されている。
【0020】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記上クラッド層上には、上クラッドと同じ導電型のコンタクト層が形成されているので、コンタクト層を介してキャリアをクラッド層に注入して、キャリアの注入効率を向上させることが出来る。
【0021】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記第1の光吸収層と上記第2の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、II−VI族化合物半導体またはIII−V族化合物半導体を含む。
【0022】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記第1の光吸収層と第2の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、II−VI族化合物半導体またはIII−V化合物半導体であれば、ZnO系半導体との親和性が高い光吸収層材料を選択して、上記第1の光吸収層と第2の光吸収層とのうちの少なくとも一方をエピタキシャル成長で形成出来る。
【0023】
上記光吸収材料としては、ZnOよりもバンドギャップエネルギが小さく、ZnOと混晶化が可能であるか、ウルツ鉱型結晶構造を有するものが好ましい。
【0024】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記第1の光吸収層と上記第2の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、ZnO、CdO、ZnS、ZnSeおよびZnTeから選択された少なくとも1つを含む、または、ZnO、CdO、ZnS、ZnSeおよびZnTeから選択された少なくとも2つから成る混晶を含む。
【0025】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記ZnO、CdO、ZnS、ZnSeおよびZnTeは、II−VI族酸化物またはII−VI族亜鉛化合物であり、ZnO系半導体との親和性が高く、特にZnOとの親和性が高い。したがって、上記第1の光吸収層と第2の光吸収層とのうちの少なくとも一方を良好な結晶性で形成出来る。
【0026】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記第1の光吸収層と上記第3の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、II−VI族化合物半導体またはIII−V族化合物半導体を含む。
【0027】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記第1の光吸収層と第3の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、II−VI族化合物半導体またはIII−V化合物半導体であれば、ZnO系半導体との親和性が高い光吸収層材料を選択して、上記第1の光吸収層と第3の光吸収層とのうちの少なくとも一方をエピタキシャル成長で形成出来る。
【0028】
上記光吸収材料としては、ZnOよりもバンドギャップエネルギが小さく、ZnOと混晶化が可能であるか、ウルツ鉱型結晶構造を有するものが好ましい。
【0029】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記第1の光吸収層と上記第3の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、ZnO、CdO、ZnS、ZnSeおよびZnTeから選択された少なくとも1つを含む、または、ZnO、CdO、ZnS、ZnSeおよびZnTeから選択された少なくとも2つから成る混晶を含む。
【0030】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記ZnO、CdO、ZnS、ZnSeおよびZnTeは、II−VI族酸化物またはII−VI族亜鉛化合物であり、ZnO系半導体との親和性が高く、特にZnOとの親和性が高い。したがって、上記第1の光吸収層と第3の光吸収層とのうちの少なくとも一方を良好な結晶性で形成出来る。
【0031】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記第1の光吸収層と上記第2の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、バンドギャップエネルギの異なる2層以上の層を含む。
【0032】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記第1の光吸収層と第2の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、バンドギャップエネルギの異なる2層以上の層を含むので、第1の光吸収層と第2の光吸収層とのうちの少なくとも一方の光吸収量や吸収係数を精密に制御することが出来る。
【0033】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記第1の光吸収層と上記第2の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、量子井戸構造を有する。
【0034】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記第1の光吸収層と第2の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、量子井戸構造を有するので、第1の光吸収層と第2の光吸収層とのうちの少なくとも一方の光吸収量や吸収係数を更に精密に制御出来る。
【0035】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記第1の光吸収層と上記第3の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、バンドギャップエネルギの異なる2層以上の層を含む。
【0036】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記第1の光吸収層と第3の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、バンドギャップエネルギの異なる2層以上の層を含むので、第1の光吸収層と第3の光吸収層とのうちの少なくとも一方の光吸収量や吸収係数を精密に制御することが出来る。
【0037】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記第1の光吸収層と上記第3の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、量子井戸構造を有する。
【0038】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記第1の光吸収層と第3の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、量子井戸構造を有するので、第1の光吸収層と第3の光吸収層とのうちの少なくとも一方の光吸収量や吸収係数を更に精密に制御出来る。
【0039】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記量子井戸構造が単一量子井戸構造である。
【0040】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記量子井戸構造が単一量子井戸構造であるので、特に微分吸収係数を大きく出来ると共に、損失を低減出来る。
【0041】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記リッジの両側の領域には、電流狭窄のための電流ブロック層が形成されていて、上記電流ブロック層が上記第1の光吸収層を含んでいる。
【0042】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記電流ブロック層が第1の光吸収層を含んでいるので、リッジとリッジ以外の部分との実効屈折率差を確実に大きく出来る。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の酸化物半導体発光素子を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0044】
(実施形態1)
図1に、本発明の第1実施形態のZnO系半導体レーザ素子の概略斜視図を示す。
【0045】
上記半導体レーザ素子は、亜鉛面を成長主面としたn型ZnO単結晶基板101上に、Gaドーピング濃度が3×1018cm−3で厚さ0.1μmのn型ZnOバッファ層102、Gaドーピング濃度が1×1018cm−3で厚さ1.0μmのn型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層103、Gaドーピング濃度が5×1017cm−3で厚さ30nmのn型ZnO光ガイド層104、ノンドープ量子井戸活性層105、Nドーピング濃度が5×1018cm−3で厚さ30nmのp型ZnO光ガイド層106、N(窒素)ドーピング濃度が5×1019cm−3で厚さ1.2μmのp型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層107、Nドーピング濃度が1×1020cm−3で厚さ0.5μmのp型ZnOコンタクト層108がこの順で積層されている。
【0046】
ここでは、上記n型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層103が下クラッド層の一例に、上記量子井戸活性層105が発光層の一例に、上記p型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層107が上クラッド層の一例に、上記p型ZnOコンタクト層108がコンタクト層の一例にそれぞれ相当している。
【0047】
上記量子井戸活性層105は、厚さ5nmのZnO障壁層と、厚さ6nmのCd0.1Zn0.9O井戸層とが交互に積層されている。上記ZnO障壁層は2層ある一方、Cd0.1Zn0.9O井戸層は3層ある。
【0048】
上記p型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層107は、エッチング加工でリッジストライプ状に形成されたリッジ107aを有している。上記リッジ上107aには、リッジストライプ状のp型ZnOコンタクト層108が形成されている。これらのリッジ107aおよびp型ZnOコンタクト層108の幅は2μmに設定されている。また、上記リッジ107aおよびp型ZnOコンタクト層108の側面は、電流狭窄のための電流ブロック層の一例としてのn型Mg0.3Zn0.7O電流ブロック層109によって埋め込まれている。このn型Mg0.3Zn0.7O電流ブロック層109にはGaが1×1018cm−3の濃度でドーピングされている。
【0049】
また、上記n型Mg0.3Zn0.7O電流ブロック層109の層厚方向のほぼ中央には、第1の光吸収層の一例としての厚さ10nmのn型Cd0.15Zn0.85O光吸収層110が形成されている。より詳しくは、上記n型Cd0.15Zn0.85O光吸収層110はリッジ107aの両側に形成されている。そして、上記n型Cd0.15Zn0.85O光吸収層110にはGaが1×1018cm−3の濃度でドーピングされている。
【0050】
また、上記n型ZnO基板101の下にはn型オーミック電極111が形成され、p型ZnOコンタクト層108の上にはp型オーミック電極112が形成されている。
【0051】
上記構成の積層構造を作製後、ZnO基板101を劈開して端面ミラーを形成し、保護膜をその端面ミラーに真空蒸着した後、ZnO基板101を300μmに素子分離した。
【0052】
上記半導体レーザ素子に電流を流したところ、端面から波長400nmの青色発振光が得られ、光出力30mWまでキンクは発生しなかった。
【0053】
比較例1として、光吸収層110を形成しない他は本実施形態1と同様にして半導体レーザ素子を作製した。この比較例1の半導体レーザ素子は、図2に示すように光出力7mWでキンクが発生し、また、図3に示すように水平方向の発振光の遠視野像にゆらぎが生じた。
【0054】
比較例2として、p型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層107のリッジ107a幅を1μmとし、光吸収層110を形成しない他は本実施形態1と同様にして半導体レーザ素子を作製した。この比較例2の半導体レーザ素子は、キンクは抑制されて本実施形態1と同じになったが、発振閾値電流に大きなばらつきが生じると共に、動作電圧が倍以上に増大した。また、上記比較例2の半導体レーザ素子に対して60℃、30mWで寿命試験を行ったが、比較例2の半導体レーザ素子は、100個のうち70個が実用レベルの寿命(1,000時間以上動作電流が変化しない)に達しなかった。
【0055】
本実施形態1の半導体レーザ素子は、リッジ107aの両側に、量子井戸活性層105のバンドギャップよりも小さいバンドギャップの光吸収層110を形成しているので、光吸収層110が発振光を吸収して、導波路内外における実効屈折率差が増大する。その結果、単一横モード発振の安定性が高くなる。
【0056】
また、上記単一横モード発振の安定性が優れているので、キンクレベル(キンクが生じる光出力)が高く、遠視野像にゆらぎが生じていない(図2,3参照)。
【0057】
ところで、上記光吸収層110を用いずに、電流ブロック層109とは組成が異なるn型電流ブロック層で発振光を吸収した場合、n型電流ブロック層は厚いので、n型電流ブロック層による光吸収が大きく、発振閾値電流が増大してしまう。
【0058】
これに対して、本実施形態1の半導体レーザ素子は、クラッド層107や電流ブロック層109よりも層厚が薄い光吸収層110で発振光を吸収するので、微小な光吸収量を制御出来きる。したがって、過剰損失によって発振閾値電流が増大することが無い。
【0059】
上記実施形態1では、厚さ10nmのn型Cd0.15Zn0.85O光吸収層110をn型Mg0.3Zn0.7O電流ブロック層109で挟持した量子井戸構造としたが、光吸収層110のバンドギャップエネルギを大きくし、かつ、光吸収層110の層厚を厚くしても本発明の効果は得られる。しかし、MgZnO混晶とCdZnO混晶では蒸気圧差など形成条件の違いが大きいので、光吸収層110を厚膜で形成するよりも、電流ブロック層109と光吸収層110との量子井戸構造とした方が信頼性の点で好ましい。
【0060】
また、上記電流ブロック層109と光吸収層110とで構成する構造は、多重量子井戸構造を構成しても良いが、量子効果が大きくなるよう井戸幅を薄くして単一量子井戸構造にした方が、吸収係数の変化率が大きくなると共に、可飽和吸収を生じやすくなり損失が軽減するのでより好ましい。
【0061】
以上より、上記光吸収層110の層厚は適度な吸収量を有する1nm以上100nm以下が好ましい。
【0062】
また、上記光吸収層110を形成する位置は、クラッド層107との界面を含む電流ブロック層109のどこでもよいが、活性層に近い方が吸収量が多くなりキンクレベルが向上する反面、発振閾値電流が増大する。よって半導体レーザ素子の用途やその他の特性との兼ね合いで適切な位置に形成すればよい。
【0063】
また、上記光吸収層110の代わりに、バンドギャップエネルギの異なる2層以上の層を含む光吸収層、または、量子井戸構造を有する光吸収層を用いても良い。この場合は、上記光吸収層の光吸収量や吸収係数を精密に制御することが出来るので好ましい。また、上記量井戸構造が単一量井戸構造である場合は、特に微分吸収係数を大きく出来ると共に、損失を低減出来る。
【0064】
また、上記光吸収層110は、電流ブロック層109内に形成していたが、電流ブロック層109の上方に形成しても良い。
【0065】
また、上記光吸収層110の代わりに、II−VI族化合物半導体またはIII−V族化合物半導体を含む光吸収層を用いても良い。
【0066】
また、上記光吸収層110の代わりに、ZnO、CdO、ZnS、ZnSeおよびZnTeから選択された少なくとも1つを含む光吸収層、または、ZnO、CdO、ZnS、ZnSeおよびZnTeから選択された少なくとも2つから成る混晶を含む光吸収層を用いても良い。
【0067】
以下、本実施形態1において本発明の効果を最大限に得るための他の構成について説明するが、その他の実施形態においてその構成を任意に用いてもよい。
【0068】
本実施形態1の半導体レーザ素子は、固体または気体原料を用いた分子線エピタキシー(MBE)法、レーザ分子線エピタキシー(レーザMBE)法、有機金属気相成長(MOCVD)法などの結晶成長手法で作製することが出来るが、レーザMBE法は、原料ターゲットと薄膜の組成ずれが小さく、またZnGa2O4などの意図しない副生成物の生成を抑えることが出来るので特に好ましい。
【0069】
本実施形態1の半導体レーザ素子は、p型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層107上に直接p型オーミック電極112を形成せず、p型ZnOコンタクト層108を設けて接触抵抗を低減しキャリア注入を均一化して、発振閾値電流を低減させているので好ましい。コンタクト層材料には、結晶性に優れキャリア濃度を高く出来るZnOを用いることが好ましい。p型ZnOコンタクト層108に過剰にアクセプタ不純物ドーピングすると結晶性劣化が顕著となり、本発明の効果が減少するので、p型ZnOコンタクト層108へのドーピングは5×1016〜5×1019cm−3のキャリア濃度範囲となるように行われることが好ましい。
【0070】
基板材料としては、本実施形態1で用いたZnO基板以外にも、サファイアやスピネルまたはLiGaO2などの絶縁性基板、SiCやGaNなどの導電性基板を用いることが出来る。
【0071】
上記絶縁性基板を用いる場合は、成長層の一部をエッチングしてn型ZnOバッファ層102を露出させ、その上にn型オーミック電極111を形成すればよい。この場合、上記n型ZnOバッファ層102は、コンタクト層を兼ねるので低電気抵抗であることが好ましく、ドナー不純物のドーピング濃度が1×1018〜1×1021cm−3の範囲が好ましく、更には5×1019〜5×1020cm−3の範囲で調整されることが好ましい。また、上記n型ZnOバッファ層102の膜厚は、0.001〜1μm、好ましくは0.005〜0.5μm、更に好ましくは0.01〜0.1μmの範囲に調整されることが好ましい。
【0072】
また、可視領域における発光効率を最大限に得るためには下記(1)〜(3)の条件を満たすことが好ましい。
(1) ZnOとの面内格子定数差が3%以内であり、非発光中心となる欠陥を低減出来る。
(2) 発光波長に対応する吸収係数が低い。
(3) 導電性基板であり、裏面に電極を形成出来る。
【0073】
本実施形態1で基板101として用いたZnO単結晶は、上記(1)〜(3)の条件を全て満し、最も好ましい。また、上記基板101は成長主面として亜鉛面を用いるので、p型層のキャリア活性化率が向上し、電気抵抗の低いp型層が得られやすくなるので好ましい。
【0074】
本実施形態1のように高品質なZnO基板を用いる場合は、n型ZnOバッファ層102は形成しなくてもよいが、導電性基板であっても格子不整合の存在する異種基板を用いる場合などは、結晶性の良好な成長層を得るために形成した方が好ましい。
【0075】
p型ZnO系半導体層にドーピングするアクセプタ不純物としては、I族元素のLi、CuおよびAgや、V族元素のN、AsおよびPなどを用いることが出来るが、本発明の効果を最大限に得るためには、活性化率が高いN、LiとAgが特に好ましく、更にNはN2をプラズマ化し結晶成長中に照射する手法によって、結晶性を良好に保って高濃度ドーピングが行えるので好ましい。
【0076】
n型ZnO系半導体層にドーピングするドナー不純物として、III族元素のB、Al、GaおよびInなどを用いることが出来るが、ZnO系半導体中での活性化率が高いGaまたはAlが好ましい。
【0077】
p型オーミック電極112には、Ni、Pt、PdおよびAuなどを用いることが出来るが、それらの中でも低電気抵抗で密着性の良いNiが好ましい。また、上記p型オーミック電極112として、Ni、Pt、PdおよびAuの少なくとも2つを合金化させたものを用いてもよい。また、上記p型オーミック電極112上にパッド電極を設けてもよい。この場合は、リードフレームへの実装プロセスが容易になるので好ましい。上記パッド電極の材料としてはボンディングが容易でZnO中へ拡散してもドナー不純物とならないAuが好ましい。
【0078】
p型電極形成後にアニール処理を行うと、密着性が向上すると共に、接触抵抗が低減するので好ましい。ZnO結晶に欠陥を生じずにアニール効果を得るには、温度は300〜400℃が好ましい。また、アニール処理における雰囲気はO2または大気雰囲気中が好ましく、N2では逆に電気抵抗が増大する。
【0079】
上記n型オーミック電極111にはTi、CrおよびAlなどを用いることが出来る。Ti、CrおよびAlなどの中でも低電気抵抗でコストが低いAlまたは密着性の良いTiが好ましい。また、上記n型オーミック電極111としては、Ti、CrおよびAlのうちの少なくと2つを合金化してものを用いてもよい。
【0080】
その他の構成は任意であり、本実施形態1によって限定されるものではない。
【0081】
(実施形態2)
図4(a)に、上記実施形態1の光吸収層110近傍のバンドダイヤグラムを示し、図4(b)に、本実施形態2の光吸収層110近傍のバンドダイヤグラムを示す。
【0082】
本発明の実施形態2の半導体レーザ素子は、図4(b)に示すように、電流ブロック層109内に形成した光吸収層110の上側に、光吸収量を調整するために厚さ30nmのn型Cd0.05Zn0.95O光吸収緩衝層113を形成した他は実施形態1と同様にして作製する。
【0083】
本実施形態2の半導体レーザ素子に電流を流したところ、端面から波長400nmの青色発振光が得られ、光出力30mWまでの評価でキンクは発生しなかった。また、発振閾値電流が5mA低減した。
【0084】
上記光吸収層110での光吸収量を減らすには、光吸収層110のバンドギャップエネルギを大きくしてもよいが、光吸収層110が量子井戸層である場合には、本実施形態2のように光吸収層110に接する緩衝層を設けることで量子準位が変化し、精密に吸収量を制御出来るので好ましい。
【0085】
また、上記光吸収緩衝層113を形成する位置は光吸収層110の上下どちらでもよい。つまり、上記光吸収緩衝層113は、光吸収層110の量子井戸活性層105側に配置してもよいし、光吸収層110の量子井戸活性層105とは反対側に配置してもよい。また、上記光吸収層110の上下両側に光吸収緩衝層を設けてもよい。つまり、上記光吸収層110を光吸収緩衝層で挟むようにしてもよい。
【0086】
(実施形態3)
本発明の実施形態3の半導体レーザ素子は、光吸収層110を厚さ10nmのIn0.2Ga0.8Nで構成した他は実施形態1と同様にして作製する。
【0087】
III族窒化物半導体はZnO系半導体と同じウルツ鉱結晶構造を有し、格子定数や熱膨張係数がZnOに極めて近いので、結晶性を損うこと無くZnO系半導体中に形成することが出来る。つまり、In0.2Ga0.8Nで構成した光吸収層は結晶性を失うことなくn型Mg0.3Zn0.7O電流ブロック層109内に設けることが出来る。
【0088】
また、光吸収層の材料をInGaN混晶とすることにより、その光吸収層のバンドギャップエネルギを量子井戸活性層105のバンドギャップエネルギよりも小さくすることが出来る。したがって、上記光吸収層を光吸収層110の代わりに用いて、上記実施形態1と同様の効果を得ることが出来る。つまり、上記光吸収層のバンドギャップエネルギを、量子井戸活性層105の発振光を吸収するように小さくできれば、上記実施形態1と同様の効果を得られる。
【0089】
具体的には、本実施形態3の半導体レーザ素子に電流を流したところ、端面から波長400nmの青色発振光が得られ、光出力30mWまでの評価でキンクは発生しなかった。また、発振閾値電流は実施形態1とほぼ同じであった。
【0090】
(実施形態4)
本発明の実施形態4の半導体レーザ素子は、光吸収層110を厚さ10nmのZn0.995Te0.005Oで構成した他は実施形態1と同様にして作製する。
【0091】
ZnOとZnTeの混晶であるZnTeOは、バンドギャップボウイングによってZnOよりもバンドギャップエネルギが小さくなる。したがって、ZnTeOで構成した光吸収層を光吸収層110の代わりに用いて、上記実施形態1と同様の効果を得ることが出来る。
【0092】
具体的には、本実施形態4の半導体レーザ素子に電流を流したところ、端面から波長400nmの青色発振光が得られ、光出力30mWまでの評価でキンクは発生しなかった。また、発振閾値電流は実施形態1とほぼ同じであった。
【0093】
また、Te組成が数%程度であれば、相分離せずにZnOと同じウルツ鉱結晶構造を維持し、結晶性を損うこと無くZnO系半導体中に形成することが出来る。つまり、Te組成が数%程度のZnTeOで構成した光吸収層は結晶性を損なうことなくn型Mg0.3Zn0.7O電流ブロック層109内に設けることが出来る。
【0094】
ZnTeOのようなバンドギャップボウイング効果は、ZnTeとZnOとの混晶以外にも、ZnSとZnOとの混晶、または、ZnSeとZnOとの混晶によっても実現することが出来る。したがって、それらの混晶で構成した光吸収層を光吸収層110の代わりに用いて、上記実施形態1と同様の効果を得ることが出来る。
【0095】
(実施形態5)
図5に、本発明の実施形態5のZnO系半導体レーザ素子の概略斜視図を示す。尚、図5において、図1で示した構成部と同一構成図には、図1の構成部と同一の参照番号を付して説明は省略する。
【0096】
上記半導体レーザ素子は、実施形態1と同様にn型Mg0.3Zn0.7O電流ブロック層109内にCd0.15Zn0.85O光吸収層110を第1の光吸収層の一例として形成したのに加え、上クラッド層の一例としてのp型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層207内に厚さ3nmのCd0.15Zn0.85O光吸収層114を第2の光吸収層の一例として形成し、その他は上記実施形態1と同様にして作製する。
【0097】
上記p型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層207は、エッチング加工でリッジストライプ状に形成されたリッジ207aを有している。このリッジ207aの下方に、量子井戸活性層105の一部を含む導波路105aが位置している。
【0098】
上記Cd0.15Zn0.85O光吸収層114の一部は、p型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層207内に形成され、量子井戸活性層105の導波路105aの直上に位置している。また、上記Cd0.15Zn0.85O光吸収層114において上記一部以外の部分は、n型Mg0.3Zn0.7O電流ブロック層109とp型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層207との間に形成されている。また、上記Cd0.15Zn0.85O光吸収層114の層厚は、Cd0.15Zn0.85O光吸収層114の全体にわたって均一になっている。
【0099】
本実施形態5の半導体レーザ素子に電流を流したところ、端面から波長400nmの青色発振光が得られた。光吸収層を2箇所に形成したため、発振閾値電流は実施形態1より3mA増大したが、キンクレベルは光出力50mWまで改善された。
【0100】
また、上記Cd0.15Zn0.85O光吸収層114が導波路内で発振光を吸収したので垂直方向の放射角が1.5°狭くなった。
【0101】
本実施形態5の半導体レーザ素子をディジタル光記録に用いる場合、垂直放射角は15°前後に制御されるが、その他の特性との兼ね合いから精密な制御を行うことが難しい。そこで、上記Cd0.15Zn0.85O光吸収層110,Cd0.15Zn0.85O光吸収層114を形成することにより、安定な単一横モード発振を得ると共に、垂直放射角を微細に調整することが出来る。
【0102】
上記実施形態5では、光吸収層114を第2の光吸収層の一例として用いていたが、光吸収層114の代わりに、バンドギャップエネルギの異なる2層以上の層を含む光吸収層を第2の光吸収層の一例として用いても良い。あるいは、上記光吸収層114の代わりに、量子井戸構造を有する光吸収層を第2の光吸収層の一例として用いてもよい。これらの場合は、上記光吸収層の光吸収量や吸収係数を精密に制御することが出来るので好ましい。また、上記量井戸構造が単一量井戸構造である場合は、特に微分吸収係数を大きく出来ると共に、損失を低減出来る。
【0103】
また、上記光吸収層114の代わりに、II−VI族化合物半導体またはIII−V族化合物半導体を含む光吸収層を用いても良い。
【0104】
また、上記光吸収層114の代わりに、ZnO、CdO、ZnS、ZnSeおよびZnTeから選択された少なくとも1つを含む光吸収層、または、ZnO、CdO、ZnS、ZnSeおよびZnTeから選択された少なくとも2つから成る混晶を含む光吸収層を用いても良い。
【0105】
また、上記Cd0.15Zn0.85O光吸収層114は、p型ZnO光ガイド層106とp型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層207との間に形成しても良い。
【0106】
(実施形態6)
図6に、本発明の実施形態6のZnO系半導体レーザ素子の概略斜視図を示す。尚、図6において、図5で示した構成部と同一構成図には、図5の構成部と同一の参照番号を付して説明は省略する。
【0107】
上記半導体レーザ素子は、実施形態5と同様の第1光吸収層および第2光吸収層に加え、n型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層203内に厚さ3nmのCd0.15Zn0.85O光吸収層115を第3の光吸収層の一例として形成し、その他は実施形態5と同様にして作製する。
【0108】
上記Cd0.15Zn0.85O光吸収層115の一部が、量子井戸活性層105の一部を含む導波路105aの直下に位置している。また、上記Cd0.15Zn0.85O光吸収層115は、n型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層203の層厚方向のほぼ中央に位置している。また、上記Cd0.15Zn0.85O光吸収層115の層厚は、Cd0.15Zn0.85O光吸収層115の全体にわたって均一になっている。
【0109】
本実施形態6の半導体レーザ素子に電流を流したところ、端面から波長400nmの青色発振光が得られた。光吸収層を3箇所に形成したため、発振閾値電流は実施形態1より5mA増大したが、キンクレベルは光出力70mWまで改善された。
【0110】
また、上記Cd0.15Zn0.85O光吸収層114およびCd0.15Zn0.85O光吸収層115が導波路内の発振光を吸収したので垂直方向の放射角が3°狭くなった。
【0111】
上記実施形態6では、光吸収層115を第3の光吸収層の一例として用いていたが、光吸収層115の代わりに、バンドギャップエネルギの異なる2層以上の層を含む光吸収層を第3の光吸収層の一例として用いても良い。あるいは、上記光吸収層115の代わりに、量子井戸構造を有する光吸収層を第3の光吸収層の一例として用いてもよい。これらの場合は、上記光吸収層の光吸収量や吸収係数を精密に制御することが出来るので好ましい。また、上記量井戸構造が単一量井戸構造である場合は、特に微分吸収係数を大きく出来ると共に、損失を低減出来る。
【0112】
また、上記光吸収層115の代わりに、II−VI族化合物半導体またはIII−V族化合物半導体を含む光吸収層を用いても良い。
【0113】
また、上記光吸収層115の代わりに、ZnO、CdO、ZnS、ZnSeおよびZnTeから選択された少なくとも1つを含む光吸収層、または、ZnO、CdO、ZnS、ZnSeおよびZnTeから選択された少なくとも2つから成る混晶を含む光吸収層を用いても良い。
【0114】
上記Cd0.15Zn0.85O光吸収層115は、n型ZnO光ガイド層104とn型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層203との間、または、n型ZnOバッファ層102とn型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層203との間に形成しても良い。
【0115】
上記実施形態1〜6では、基板上に、n型ZnO系半導体層、量子井戸活性層およびp型ZnO系半導体層をこの順で積層していたが、p型ZnO系半導体層、量子井戸活性層およびn型ZnO系半導体層をこの順で積層しても良い。
【0116】
上記実施形態1〜6では、量子井戸活性層105を発光層の一例として用いていたが、量子井戸構造を有さない発光層を発光層の一例として用いても良い。
【0117】
本発明は、ダブルへテロ構造の半導体レーザに適用できるのは勿論こと、シングルへテロ構造の半導体レーザにも適用することが出来る。
【0118】
【発明の効果】
以上より明らかなように、本発明の酸化物半導体発光素子は、上クラッド層のリッジの両側の領域の一部、または、その領域の上方には、活性層のバンドギャップよりも小さなバンドギャップを有する第1の光吸収層が形成されているので、リッジ内外の実効屈折率差を微細に制御出来る。したがって、レーザ発振時の横モードを安定化させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施形態のZnO系半導体レーザ素子の概略斜視図である。
【図2】図2は、上記実施形態1のZnO系半導体レーザ素子における電流―光出力特性と、比較例1のZnO系半導体レーザ素子における電流―光出力特性とを示すグラフである。
【図3】図3は、上記実施形態1のZnO系半導体レーザ素子における水平方向の遠視野像と、比較例1のZnO系半導体レーザ素子における水平方向の遠視野像とを示すグラフである。
【図4】図4(a)は上記実施形態1の光吸収層近傍のバンドダイヤグラムを示す図であり、図4(b)は本発明の実施形態2の光吸収層近傍のバンドダイヤグラムを示す図である。
【図5】図5は本発明の実施形態5のZnO系半導体レーザ素子の概略斜視図である。
【図6】図6は本発明の実施形態6のZnO系半導体レーザ素子の概略斜視図である。
【符号の説明】
101 n型ZnO単結晶基板
105 量子井戸活性層
107,207 p型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層
107a,207a リッジ
110 n型Cd0.15Zn0.85O光吸収層
Claims (15)
- 基板上に形成された発光層と、この発光層上に形成され、リッジを含む上クラッド層とを備え、上記発光層および上記クラッド層がZnO系半導体からなる酸化物半導体発光素子において、
上記リッジの両側の領域の一部、または、上記領域の上方には、上記活性層のバンドギャップよりも小さなバンドギャップを有する第1の光吸収層が形成されていることを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項1に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記発光層の一部を含む導波路を備え、
上記導波路の直上に配置され、上記活性層のバンドギャップよりも小さなバンドギャップを有する第2の光吸収層を備え、
上記第2の光吸収層と上記上クラッド層とが積層されていることを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項1に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記活性層は、上記上クラッドと、上記上クラッドの導電型とは異なる導電型の下クラッドとにより挟持されていることを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項3に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記発光層の一部を含む導波路を備え、
上記導波路の直下に配置され、上記活性層のバンドギャップよりも小さなバンドギャップを有する第3の光吸収層を備え、
上記第3の光吸収層と上記下クラッド層とが積層されていることを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項1に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記上クラッド層上には、上記上クラッドと同じ導電型のコンタクト層が形成されていることを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項2に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記第1の光吸収層と上記第2の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、II−VI族化合物半導体またはIII−V族化合物半導体を含むことを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項6に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記第1の光吸収層と上記第2の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、ZnO、CdO、ZnS、ZnSeおよびZnTeから選択された少なくとも1つを含む、または、ZnO、CdO、ZnS、ZnSeおよびZnTeから選択された少なくとも2つから成る混晶を含むことを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項4に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記第1の光吸収層と上記第3の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、II−VI族化合物半導体またはIII−V族化合物半導体を含むことを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項8に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記第1の光吸収層と上記第3の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、ZnO、CdO、ZnS、ZnSeおよびZnTeから選択された少なくとも1つを含む、または、ZnO、CdO、ZnS、ZnSeおよびZnTeから選択された少なくとも2つから成る混晶を含むことを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項2に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記第1の光吸収層と上記第2の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、バンドギャップエネルギの異なる2層以上の層を含むことを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項2に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記第1の光吸収層と上記第2の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、量子井戸構造を有することを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項4に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記第1の光吸収層と上記第3の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、バンドギャップエネルギの異なる2層以上の層を含むことを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項4に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記第1の光吸収層と上記第3の光吸収層とのうちの少なくとも一方が、量子井戸構造を有することを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項11または13に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記量子井戸構造が単一量子井戸構造であることを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項1に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記リッジの両側の領域には、電流狭窄のための電流ブロック層が形成されていて、
上記電流ブロック層が上記第1の光吸収層を含んでいることを特徴とする酸化物半導体発光素子。
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