JP2004284627A - 缶のガス置換装置及び置換方法 - Google Patents

缶のガス置換装置及び置換方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヘッドスペースが大きい缶の場合でも、該ヘッドスペース内の空気を十分に不活性ガスに置換させることができる缶のガス置換装置及び置換方法を提供すること。
【解決手段】内容物が充填された缶2のヘッドスペース内の空気を置換用ガスに置換するための缶のガス置換装置1において、内容物を収容して上部が開口状態の缶2を連続して缶シーマー部7に搬送するコンベヤ3と、コンベヤ3による搬送経路を覆うコンベヤカバー16で仕切られて置換用ガスの雰囲気とされたガス置換部4と、ガス置換部4の入口付近または入口より下流側に配置されて缶2の開口縁の側方から置換用ガスを噴射する噴射ノズル6とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内容物が充填された缶のヘッドスペース内の空気を置換用ガスに置換するための缶のガス置換装置及び置換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
清涼飲料やコーヒー飲料などの食品内容物の缶詰の製造において、若干の余裕を持ち内容物が収容されるため、内容物の上面と缶の上端との間にヘッドスペースとなる空間が設けられる。このヘッドスペース内の空気に含まれる酸素の影響による内容物の品質の劣化を防止するために、内容物が収容された後の缶のヘッドスペース内の空気が窒素ガスなどの不活性ガスに置換され、その後、缶蓋が巻き締められて密閉されることが広く行われている。
【0003】
このような缶詰製造における不活性ガスの置換は、缶蓋の巻き締め直前に液体窒素を缶のヘッドスペース内に供給する液体窒素充填缶詰の製造ラインにおいて、製造ラインをカバーで覆い半密閉空間とした上で、製造ラインに窒素ガスを供給し、さらに、缶のヘッドスペースに液体窒素を添加し、次いで缶シーマーで缶蓋をかぶせる直前にヘッドスペース内に窒素ガスを吹き込んで、このヘッドスペース内の空気を窒素ガスなどの不活性ガスに置換する方法が知られている。
【0004】
また、図7、8に示された、缶の不活性ガス置換装置50は、内容物が収容され上面が開口状態の缶51に、凹凸形状に形成された缶蓋58を巻き締める缶シーマー52と、缶シーマー52に缶51を搬送するコンベヤ53と、コンベヤ53を覆うように設置されたコンベヤカバー54と、液化不活性ガス添加装置57とを備えた構成とされている。
【0005】
缶シーマー52は、リフター59と、アンダーカバーガッシング装置60と、チャック61とを備え、全体が覆われて構成されている。アンダーカバーガッシング装置60は、チャンバー体64と缶蓋ホルダー62とを備えており、チャンバー体64にはガス吹き出し口63が設けられている。コンベヤカバー54は、その内側を不活性ガスGN2の雰囲気を維持するために、搬送経路上流側端部の上方に不活性ガスカーテン形成部65が設置され、搬送経路に沿って不活性ガス供給部56が複数箇所に設置されている。液化不活性ガス添加装置57は、搬送経路途中に、缶シーマー52と所定の間隔を置いて配置され、缶51のヘッドスペースに液化不活性ガスLN2を添加する。
【0006】
上述したような、缶の不活性ガス置換装置50において、缶51のヘッドスペース内の空気を不活性ガスGN2に置換するために、不活性ガスカーテン形成部65および不活性ガス供給部56から不活性ガスGN2が供給され、コンベヤカバー54に覆われて半密閉空間とされた搬送経路が、不活性ガスGN2の雰囲気に維持される。缶51は、コンベヤ53によって搬送経路上流側から搬送され、上述した搬送経路を通過する過程でヘッドスペース内の空気が不活性ガスGN2に置換される。さらに、液化不活性ガス添加装置57により液化不活性ガスLN2が添加され、液化不活性ガスLN2が蒸発し不活性ガスGN2化することで、不活性ガスGN2の置換率は向上される。
【0007】
缶シーマー52内に搬送された缶51は、リフター59により支持され、アンダーカバーガッシング装置60に搬送される。缶蓋ホルダー62に支持された缶蓋58が巻き締められる直前に、チャンバー体64のガス吹き出し口63からヘッドスペース内に不活性ガスGN2が供給される。そして、チャック61により、缶51に缶蓋58が巻き締められる。これにより、缶51のヘッドスペース内の空気は、不活性ガスGN2に置換され、密封される。(例えば、特許文献1参照。)
【0008】
【特許文献1】
特開2001−58609号公報(第1,8図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えばアルミ製2ピース缶のような強度の低い缶の場合、缶内圧の安定化を図るといった目的とともに、内容物がこぼれてしまうのを防止するといった目的からヘッドスペースは大きく設けられている。そのため、ヘッドスペースに存在する酸素量も必然的に多くなり、従来のような缶の不活性ガス置換装置及び置換方法では、該ヘッドスペース内のガス置換を十分に行うことができず、例えばコーヒー飲料や果汁飲料或いは茶系飲料など酸素の影響による劣化を受け易い内容物には、十分に対応することができないという問題があった。また、このようなヘッドスペース内の酸素量を低減させるために様々な置換手段が提案されているが、より高効率な置換手段が求められていた。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ヘッドスペースが大きい缶の場合でも、該ヘッドスペース内の空気を十分に不活性ガスに置換させることができる缶のガス置換装置及び置換方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、内容物が充填された缶のヘッドスペース内の空気を置換用ガスに置換するための缶のガス置換装置において、内容物を収容して上部が開口状態の缶を連続して缶シーマー部に搬送するコンベヤと、該コンベヤによる搬送経路を覆うコンベヤカバーで仕切られて置換用ガスの雰囲気とされたガス置換部と、該ガス置換部の入口付近または入口より下流側に配置されて前記缶の開口縁の側方から置換用ガスを噴射する噴射ノズルとを備えたことを特徴とする。
【0012】
この缶のガス置換装置によれば、コンベヤカバーにより覆われて半密閉空間とされた缶の搬送経路に置換用ガスが供給されることで、搬送経路が置換用ガスの雰囲気に維持されたガス置換部とされ、このガス置換部の入口付近または入口より下流側に噴射ノズルが配置されている。そして、内容物を収容して上部を開口状態とされてコンベヤによって搬送されている缶の開口縁の側方から、噴射ノズルによって置換用ガスが噴射される。このように、置換用ガスを噴射することで缶のヘッドスペース内の空気が一掃されるとともに、ヘッドスペース内に空気または置換用ガスによる対流が発生するので、ヘッドスペース内の空気を置換用ガスに置換する置換効率が向上する。つまり、噴射による勢いで空気を押し流すだけでなく、ヘッドスペース内の対流によってガス置換部で置換用ガスをヘッドスペース内に巻き込む効果が得られるのである。
【0013】
また、ガス置換部の入口付近に噴射ノズルを配置してもガス置換を向上させる効果は得られるが、とくに、ガス置換部の入口より下流側に噴射ノズルを配置することにより、対流によって空気を巻き込むことがなくなるので、より良好な効果を得ることができる。このように、噴射ノズルを設けることによって置換用ガスの置換効率を向上させることができるので、従来より短いガス置換部でも十分なガス置換を行うことができ、置換用ガスの使用量を低減させることができる。これにより、ヘッドスペース内の酸素量を低減させることができ、内容物の酸素による劣化を防止することができる。このとき、置換用ガスは不活性ガス又は炭酸ガスである。
【0014】
さらに、前記噴射ノズルの噴射方向が前記缶の軸線に対して略垂直方向とされ、前記噴射ノズルの下面が前記缶の開口縁と略同一高さとされて、前記噴射ノズルが配置されていることを特徴とする。
この缶のガス置換装置によれば、噴射ノズルは、缶の軸線に対して略垂直方向に向けて噴射方向が向けられ、缶の開口縁と略同一高さに噴射ノズルの下面が位置するように配置されているので、噴射された置換用ガスの勢いによって缶の内容物が噴き出されることが防止されるとともに、確実にヘッドスペース内に対流が形成される。これにより、内容物が噴き出てしまった場合に考えられる悪影響を抑制することができるとともに、置換用ガスの置換効率を向上させることができる。
【0015】
さらに、前記ガス置換部に置換用ガスを供給する置換用ガス供給部と前記缶の開口縁との間を仕切るフィルタ部が設置されていることを特徴とする。
この缶のガス置換装置によれば、置換用ガス供給部と缶の開口縁との間にフィルタ部が設置されており、フィルタ部を通過することで置換用ガス供給部からガス置換部に供給される置換用ガスの流速が低下するので、均一に拡散されて置換用ガスがガス置換部に供給される。このように、ガス置換部が均一な置換用ガスの雰囲気とされているので、上述したような置換用ガスの噴射によって生じる対流により、効率良く置換用ガスをヘッドスペース内に巻き込むことができる。また、フィルタ部が設置されていることで缶の上方の空間が狭くなり、置換用ガスの噴射による効果をさらに向上させることができる。
【0016】
また、上記の缶のガス置換装置であって、缶シーマー部に缶蓋を供給する蓋ターレットを備えた缶蓋供給装置と、該缶蓋供給装置による缶蓋搬送経路の少なくとも一部を覆うターレットカバーと、該ターレットカバー内に置換用ガスを供給する缶蓋側置換用ガス供給部とを備えたことを特徴とする。
この缶のガス置換装置によれば、凹凸状に形成された缶蓋が、缶蓋供給装置の蓋ターレットに搭載されて缶シーマー部に供給される工程において、缶蓋搬送経路を覆うように備えられたターレットカバー内に連続的に置換用ガスが供給されているので、缶蓋に形成されている凹部の空気を置換用ガスに置換することができる。そして、この缶蓋が上記缶に巻き締められることで、密封後の缶においてヘッドスペース内の酸素量を低減させることができる。このとき、置換用ガスは不活性ガス又は炭酸ガスである。
【0017】
また、内容物が充填された缶のヘッドスペース内の空気を置換用ガスに置換するための缶のガス置換方法において、内容物を収容して上部が開口状態の缶を搬送する搬送経路を置換用ガスの雰囲気とし、この置換用ガスの雰囲気とされたガス置換部の入口付近または入口より下流側で前記缶の開口縁の側方から置換用ガスを噴射することを特徴とする。
【0018】
この缶のガス置換方法によれば、内容物を収容して上部が開口状態の缶を搬送する搬送経路が置換用ガスの雰囲気とされたガス置換部とされ、ガス置換部の入口付近または入口より下流側で前記缶の開口縁の側方から置換用ガスを噴射するので、噴射された置換用ガスによってヘッドスペース内の空気が効率良く置換用ガスに置換される。これにより、ヘッドスペース内の酸素量を低減させることができ、内容物の酸素による劣化を防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態による缶のガス置換装置及び置換方法について説明する。本実施の形態では、置換用ガスを不活性ガスとし、コンベヤカバーに覆われ半密閉空間とされた搬送経路と缶シーマー部は、従来の不活性ガス置換装置と変わることがないので、詳細な説明は省略する。
図1に、本発明の缶のガス置換装置の第1の実施形態の構成を示す。不活性ガス置換装置(ガス置換装置)1は、上部が開口状態の缶2を搬送するためのコンベヤ3と、このコンベヤ3の長手方向に沿って設置されて不活性ガス(置換用ガス)GN2の雰囲気とされたガス置換部4と、液化不活性ガス(液化置換用ガス)LN2を供給するための液化不活性ガス供給部5と、ガス置換部4の入口に設けられた噴射ノズル6と、缶シーマー部7に設けられたシーマーガス供給部8と、缶蓋9を缶シーマー部6に供給する缶蓋供給装置10とを備えている。
【0020】
噴射ノズル6は、上面視して缶2の進行方向に対して直交する方向に不活性ガスGN2を噴射するように、ガス置換部4の入口に、つまりガス置換部4の上流側に隣接して配置されている。図2に示すように、噴射ノズル6は側面視して薄く形成されており、噴射ノズル6による噴射方向が缶2の軸線Oに直交して、かつ噴射ノズル6の下面6aが缶2の開口縁2aとぼぼ同じ高さとなるように設置されている。また、図3に示すように、噴射ノズル6は上面視して幅の広いガス噴出口11が形成されており、ガス供給口12からガス噴出口11へ向けて漸次拡幅する拡経路13が設けられている。
【0021】
また、噴射ノズル6には缶2の開口縁2aを覆うように、噴射ノズル6の下面6aに取り付けられてガス噴出口11から下方へ垂下するノズルカバー14と、噴射ノズル6の上面6bに取り付けられて缶2の開口縁2aの上方を通過した後に下方へ垂下するノズルカバー15とが装着されている。また、ノズルカバー15の垂直カバー15aと缶2との間隔がノズルカバー14の垂直カバー14aと缶2との間隔より広くなり、ノズルカバー15の上方カバー15bと缶2の開口縁2aとの間隔が噴射ノズル6の厚みtと略同寸法となるように設定されている。また、ガス噴出口11の幅Wは、缶2の開口縁2aの直径(開口径)Dより狭く設定されており、ノズルカバー14,15の幅寸法は幅Wと同寸法となるように設定されている。たとえば、開口径Dが約58mmの缶2に対して、幅Wが約50mmとなるようにガス噴出口11が設定され、噴射ノズル6の厚みtは5〜10mmに設定されている。
【0022】
ガス置換部4は、コンベヤ3を長手方向に沿って覆うコンベヤカバー16と、コンベヤカバー16によって仕切られた半密閉空間に不活性ガスGN2を供給する不活性ガス供給部(置換用ガス供給部)17とを備えて構成されている。図4に示すように、コンベヤカバー16は、不活性ガス供給部17から下方に向かって漸次間隔が広がり、フィルタ18が設置される範囲で間隔が平行とされ、フィルタ18より下方に向かって若干間隔が狭まって缶2の側方に垂下するスカート部16aを有しており、コンベヤ3の付近で下方に向けて開口するような形状となっている。フィルタ18は、不活性ガス供給部17と缶2との間を仕切るように複数(図では2枚)配置されており、2〜10μmのメッシュのものが使用されている。
【0023】
缶蓋供給装置10は、缶蓋9を1枚ずつ回転運搬する蓋ターレット20と、蓋ターレット20の一部を覆うターレットカバーとしてのオーバーカバー21およびアンダーカバー22と、缶蓋側置換用ガス供給部23とを備えた構成とされている。缶蓋供給装置10には、多数の缶蓋が中心線に沿って列状に並んだ状態で搬入され、そこから1枚ずつ缶蓋9が、缶蓋供給装置10の缶蓋搭載部24において蓋ターレット20に搭載される。
【0024】
図5に示すように、蓋ターレット17による缶蓋搬送経路は、上方がオーバーカバー21に覆われ、下方がアンダーカバー22に覆われた半密閉空間とされており、複数箇所に缶蓋側置換用ガス供給部23が設けられている。缶蓋側置換用ガス供給部23は、アンダーカバー22に設けられたガス供給口25とフィルタ部26とを有する構成とされ、フィルタ部26は搬送される缶蓋9とガス供給口25との間に設けられている。つまり、缶蓋供給装置10は、ガス供給口25から供給された不活性ガスGN2がフィルタ部26を通過することで、均一に拡散されて缶蓋搬送経路に供給され、缶蓋搬送経路が不活性ガスGN2の雰囲気に維持される構成とされる。
【0025】
このとき、フィルタ部26は、2〜10μmのメッシュで形成された焼結フィルタが用いられ、フィルタ部26を通過した不活性ガスGN2は0.5m/sec以下の流速で缶蓋搬送経路に供給されるようになっている。また、オーバーカバー21およびアンダーカバー22と蓋ターレット17との間の隙間は、ゴムシートなどにより隙間が生じない、もしくは隙間が小さくなるように構成されている。
【0026】
この不活性ガス置換装置1において、缶2のヘッドスペース2cの空気を不活性ガスGN2に置換させるためには、先ず内容物充填機(図示せず)によって缶2の開口部から内容物2bが収容される。このとき、内容物2bがこぼれるのを防止するためや、或いは密封後の缶2の内圧を安定化させるために、若干余裕を持たせて内容物2bが収容される。このとき、内容物2bの上面と缶2の上端との間にはヘッドスペース2cが形成される。
【0027】
そして、内容物2bが収容された缶2は、コンベヤ3に載せられて下流側に搬送され、噴射ノズル6を通過する際に不活性ガスGN2が噴射されてガス置換部4に搬送される。噴射された不活性ガスGN2はヘッドスペース2cの空気を一掃するとともに、図2に示すようにヘッドスペース2cの内部で対流を形成する。このとき、上述したようにノズルカバー14,15が装着されているのでヘッドスペース2cの空気がスムーズに排出されるとともに、確実に対流が形成される。このときの不活性ガスGN2の噴射速度は、ガス噴出口11で60〜130m/secとされている。
【0028】
また、ガス置換部4では、不活性ガス供給部17から供給された不活性ガスGN2がフィルタ18を通過することで、均一に拡散された不活性ガスGN2の雰囲気とされているので、上述したようなヘッドスペース2cの内部の対流によって不活性ガスGN2がヘッドスペース2cに巻き込まれ、さらに空気が不活性ガスGN2に置換される。このような、不活性ガスGN2を噴射することによる作用によって、従来より少ない不活性ガスGN2の使用量であっても、十分にヘッドスペース2cの空気が不活性ガスGN2に置換される。
【0029】
また、缶蓋9は、密封された時に缶の内側になる面が下面となるように蓋ターレット20に搭載され、缶蓋搬送経路を通過し缶シーマー部8に供給される。このとき、ガス供給口25から供給された不活性ガスGN2がフィルタ部26を通過し、均一に拡散されて缶蓋搬送経路に送り込まれており、缶蓋搬送経路は不活性ガスGN2の雰囲気とされている。そして、缶蓋9が不活性ガスGN2の雰囲気の中を通過するので、缶蓋9の凹部9aの空気が不活性ガスGN2に置換させられ、特に、下方から不活性ガスGN2が供給されるので、缶蓋9の下面の凹部9aの空気は、効率良く置換させられる。
【0030】
このように、缶2のヘッドスペース2cと缶蓋9の凹部9aの空気は不活性ガスGN2に置換させられ、缶シーマー部8に搬送され、さらにシーマーガス供給部8で不活性ガスGN2が供給された後に、缶2と缶蓋9が巻き締められる。
【0031】
上述したように、本実施の形態による缶のガス置換装置1および置換方法によれば、噴射ノズル6によって不活性ガスGN2を噴射することにより、ガス置換効率を向上させることができるので、従来よりガス置換部4を短く設計しても十分なガス置換効果が得られるとともに、不活性ガスGN2の使用量を低減させることもできる。たとえば、ガス置換装置1と他の装置との配置関係によりガス置換部4を長く設計することができない場合でも、ヘッドスペース2cの内部の空気を不活性ガスGN2に確実に置換することができる。また、噴射ノズル6が上述したような向きおよび位置で設置されているので、噴射された不活性ガスGN2の勢いによって缶2の内容物2bが噴き出ることを防止することができるとともに、確実にヘッドスペース2cの内部に不活性ガスGN2を巻き込む対流を形成することができる。また、ガス置換部4にフィルタ18を設けることにより、均一な不活性ガスGN2の雰囲気とすることができ、効率良く不活性ガスGN2に置換することができる。また、缶蓋側置換用ガス供給部23を設けることにより、缶蓋9の凹部9aの空気も不活性ガスGN2に置換することができる。
これにより、従来よりガス置換効率を向上させることができるので、ヘッドスペース2cの内部の酸素量を確実に低減させることができ、内容物2bの酸素による劣化を防止することができる。
【0032】
また、図6に、第2の実施形態のガス置換装置1Aの構成が示されており、第1の実施形態のガス置換装置1と共通する構成部分には同一の符号が付されている。ガス置換装置1Aは、缶2が搬送される上流側から、不活性ガスカーテン形成部4a、ガス置換部4、噴射ノズル6、およびガス置換部4が設けられている。つまり、空気の進入を防止するための不活性ガスによるカーテンを形成する不活性ガスカーテン形成部4aがガス置換部4の入口に設けられており、ガス置換部4の入口より下流側に噴射ノズル6が設けられている構成となっているのである。このような構成にすることによって、ガス置換装置1と比較して、缶2が通過するガス置換部4の全長が長くなることと、噴射ノズル6の噴射時に空気の巻き込みが防止されることとによって、さらにガス置換効率を向上させることができる。
【0033】
このような不活性ガスGN2の置換工程後における、1缶のヘッドスペース2cあたりの酸素量を計測した実験結果を表1に示す。実験は、第1実施例として図1に示した構成のガス置換装置1を使用し、第2実施例として図6に示した構成のガス置換装置1Aを使用した。また、従来例の図7に示したようなコンベヤカバー54を3箇所に設けたガス置換装置50によるガス置換例を第1比較例とし、アンダーカバーガッシング装置60のみから不活性ガスGN2を供給するガス置換例を第2比較例とし、ガス置換を行わなかった場合を第3比較例とした。また、各実施例および第1比較例においてコンベヤカバー16,54の長さは0.5mとし、液化不活性ガスLN2が同じ条件で供給された。また、ガス置換部などにおける使用ガス量と、シーマー部(シーマーガス供給部8またはアンダーカバーガッシング装置60)における使用ガス量とは、表に示す使用ガス量とされた。
【0034】
【表1】
Figure 2004284627
【0035】
表1より、第1実施例および第2実施例を第3比較例と比較すると、ガス置換を行うことにより格段にヘッドスペースの酸素量が減していることが分かり、第1実施例および第2実施例を第2比較例と比較すると、シーマー部のみで不活性ガスGN2を供給する場合より酸素量が減していることが分かる。また、第1実施例および第2実施例を第1比較例と比較すると、第1比較例より少ない使用ガス量で第1比較例よりも酸素量を低減させることができている。そして、第2実施例において最も酸素量が低減していることが分かる。
これより、噴射ノズル6を設けることによって、少ない使用ガス量で効率良くヘッドスペースの空気を不活性ガスGN2に置換することができ、従来より酸素量を確実に低減させることができる。
【0036】
なお、本実施の形態においては、図3に示すようにガス噴出口11の幅Wは缶2の開口径Dより狭く設定されているが、幅Wが開口径Dより広く設定されていてもよく、この場合、置換効率をより向上させることができると考えられる。また、コンベヤカバー16と独立して噴射ノズル6にノズルカバー14,15が装着された形態を示しているが、コンベヤカバー16の側方からガス置換部4の内部に向けて不活性ガスGN2を噴射するように噴射ノズル6を設けてもよく、この場合、図4に示す2点鎖線27で示された高さ位置となるように噴射ノズル6が装着される。また、従来例で示したようなコンベヤカバーを3箇所に設けたガス置換装置に噴射ノズル6を装着したり、複数箇所に噴射ノズル6を装着したりしてもよく、この場合、使用ガス量は増加するが、さらに酸素量を低減させることができると考えられる。また、2ピース缶を用いてガス置換の説明を行ったが、2ピース缶以外の缶、例えばボトル缶について本発明を用いてもよい。また、密封後のヘッドスペース2cの圧力は陽圧であっても、陰圧であってもよい。また、置換用ガスを不活性ガスとしているが、炭酸ガスであってもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の缶のガス置換装置によれば、ガス置換部の入口付近または入口より下流側に噴射ノズルが備えられており、噴射ノズルから置換用ガスを噴射することによって、缶のヘッドスペース内の空気を一掃することができるとともに、ガス置換部においてヘッドスペース内に置換用ガスを巻き込む対流を発生させることができるので、ガス置換効率を向上させることができる。
また、噴射ノズルは、噴射方向が缶の軸線に対して略垂直方向で、缶の開口縁と略同一高さとなるように設置されているので、噴射された置換用ガスの勢いによって缶の内容物が噴き出されることを防止することができるとともに、確実にヘッドスペース内に対流を形成することができる。
また、置換用ガス供給部と缶の開口縁との間にフィルタ部が設置されているので、ガス置換部を均一な置換用ガスの雰囲気とすることができ、効率良くヘッドスペース内に置換用ガスを巻き込むことができる。
また、缶蓋側置換用ガス供給部が設けられているので、凹凸状に形成された缶蓋の凹部の空気を置換用ガスに置換することができ、缶蓋が巻き締められた密封後の缶の酸素量を低減させることができる。
本発明の缶のガス置換方法によれば、ガス置換部の入口付近または入口より下流側で缶の開口縁の側方から置換用ガスを噴射するので、ヘッドスペース内の空気を効率良く置換用ガスに置換することができ、内容物の酸素による劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における缶のガス置換装置の全体の構成を示す上面図である。
【図2】噴射ノズルを搬送経路に沿って見た側面図である。
【図3】噴射ノズルの上面図である。
【図4】ガス置換部を搬送経路に沿って見た側面図である
【図5】缶蓋搬送経路の缶蓋側置換用ガス供給部の概略断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における缶のガス置換装置の全体の構成を示す上面図である。
【図7】従来の缶のガス置換装置を説明する図である。
【図8】従来の缶のガス置換装置を説明する図である。
【符号の説明】
1 不活性ガス置換装置(ガス置換装置)
2 缶
2a 開口縁
2b 内容物
2c ヘッドスペース
3 コンベヤ
4 ガス置換部
6 噴射ノズル
7 缶シーマー部
9 缶蓋
10 缶蓋供給装置
16 コンベヤカバー
17 不活性ガス供給部(置換用ガス供給部)
18 フィルタ
20 蓋ターレット
21 ターレットカバー
GN2 不活性ガス
O 軸線

Claims (6)

  1. 内容物が充填された缶のヘッドスペース内の空気を置換用ガスに置換するための缶のガス置換装置において、
    内容物を収容して上部が開口状態の缶を連続して缶シーマー部に搬送するコンベヤと、
    該コンベヤによる搬送経路を覆うコンベヤカバーで仕切られて置換用ガスの雰囲気とされたガス置換部と、
    該ガス置換部の入口付近または入口より下流側に配置されて前記缶の開口縁の側方から置換用ガスを噴射する噴射ノズルとを備えたことを特徴とする缶のガス置換装置。
  2. 請求項1に記載の缶のガス置換装置であって、
    前記噴射ノズルの噴射方向が前記缶の軸線に対して略垂直方向とされ、前記噴射ノズルの下面が前記缶の開口縁と略同一高さとされて、前記噴射ノズルが配置されていることを特徴とする缶のガス置換装置。
  3. 請求項1または2に記載の缶のガス置換装置であって、
    前記ガス置換部に置換用ガスを供給する置換用ガス供給部と前記缶の開口縁との間を仕切るフィルタ部が設置されていることを特徴とする缶のガス置換装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の缶のガス置換装置であって、
    前記缶シーマー部に缶蓋を供給する蓋ターレットを備えた缶蓋供給装置と、
    該缶蓋供給装置による缶蓋搬送経路の少なくとも一部を覆うターレットカバーと、
    該ターレットカバー内に置換用ガスを供給する缶蓋側置換用ガス供給部とを備えたことを特徴とする缶のガス置換装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の缶のガス置換装置であって、
    前記置換用ガスは、不活性ガス又は炭酸ガスであることを特徴とする缶のガス置換装置。
  6. 内容物が充填された缶のヘッドスペース内の空気を置換用ガスに置換するための缶のガス置換方法において、
    内容物を収容して上部が開口状態の缶を搬送する搬送経路を置換用ガスの雰囲気とし、この置換用ガスの雰囲気とされたガス置換部の入口付近または入口より下流側で前記缶の開口縁の側方から置換用ガスを噴射することを特徴とする缶のガス置換方法。
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