JP2004278834A - 換気暖房装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気口グリルのフィルタが塵埃で目詰まりすると、循環送風装置を空気が逆流してヒータの出口側に塵埃が目詰まりし、暖房運転時に充分に暖気を送り込むことができなくなる。
【解決手段】換気運転の開始からの動作時間が所定時間経過する毎に(S30,S31)、所定の短時間だけ換気用ファンモータを停止する一方、循環用ファンモータを回転駆動する(S32,S33)。循環用ファンの回転によりヒータを通して吹出口から浴室内へと空気が送られるので、ヒータの出口側に付着している塵埃は吹き飛ばされ、目詰まりが解消される。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室等の室内を換気する機能と同室内を暖房・乾燥させる機能とを併せ持つ換気暖房装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、浴室の天井や壁面に設置され、浴室内の換気を行う換気ユニットとその浴室内に温風を送給する暖房・乾燥ユニットとを一体化した浴室換気暖房乾燥装置が知られている。例えば特許文献1に記載の換気暖房装置では、浴室内に開口して吸気口グリルと温風の吹出口とが設けられ、浴室内の空気を吸気口グリルを通して吸い込み、屋外へ連通する排気ダクトへと吐出するための吸気用ファンを含む換気送風部と、同じく浴室内の空気を吸気口グリルを通して吸い込み、ヒータで加熱して吹出口から浴室内へと吐出するための循環送風部とを同一筐体内に備える。
【0003】
こうした換気暖房装置では、浴室内に浮遊している塵埃が筐体内に多量に吸い込まれると、ファンやその回転軸などにその塵埃が付着して故障の原因となり易い。また、循環送風部においてヒータに塵埃が付着すると熱交換効率が低下して、浴室内が暖まりにくくなるとともに電力の無駄が生じる。そこで、通常、吸気口グリルには防塵用の目の細かなフィルタが着脱可能に取り付けられており、このフィルタで塵埃の吸い込みを防止するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−286271号公報(図1、段落0030〜0033)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
こうした換気暖房装置を使用するに伴ってフィルタには塵埃やその他の汚れが溜まってきて通気性が悪くなるため、使用者は定期的又は適宜のときにフィルタの掃除を行って塵埃を除去するか或いはフィルタ自体を交換する必要がある。しかしながら、換気暖房装置は室内の高い位置に設置されていることが殆どであるため、フィルタのメインテナンスは使用者にとって面倒な作業であり、実際にはフィルタの掃除があまり行われていないような場合も多く見受けられる。そうした場合、フィルタが塵埃で目詰まりし、該フィルタを通した空気の吸い込み風量が極端に低下する。
【0006】
上記のような従来の換気暖房装置においては、最も使用頻度の高い換気運転中、つまり換気送風部の換気用ファンのみが駆動されている状態でフィルタを通した吸気風量が大幅に低下すると、空気を吸い込み易い(つまり相対的に流路抵抗が小さい)他の箇所からの吸気で上記吸気口グリルからの吸気風量の減少分を補おうとする。そのため、循環送風部において、本来、吸気口グリルから空気を吸い込んでヒータへと向けて送り出すという循環送風の空気流の方向とは逆向きに空気流が生じ、その結果、温風の吐出箇所である吹出口を通して浴室内の空気が筐体内に吸い込まれ、ヒータ→循環用ファン→換気用ファン→排気ダクトと流れることになる。
【0007】
このとき浴室内の空気に含まれる塵埃の多くは、ヒータの出口側(下流側)に付着し、熱交換効率を高めるために微小な空隙を多数形成した形状のヒータでは空隙に塵埃が目詰まりする。こうした目詰まりが酷くなると、暖房運転や乾燥運転のために循環用ファン及びヒータを作動させたときに熱交換効率が低下するとともに風量自体も減少し、浴室内に温風が充分に供給されなくなるという問題が生じる。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みて成されたものであり、その主たる目的とするところは、上述したような循環送風部のヒータ出口側における塵埃の付着に起因する暖房・乾燥性能の低下を防止することができる換気暖房装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段、及び効果】
上記課題を解決するために成された第1発明は、室内の空気を吸気口を通して吸い込んで排気口へと送るための換気用ファンを含む換気送風部と、前記室内の空気を前記吸気口を通して吸い込み、ヒータで加熱した後に吹出口から前記室内へと送り出すための循環用ファンを含む循環送風部とを、同一の筐体内に配置した換気暖房装置において、
前記換気用ファンによる換気動作時に前記循環送風部から前記換気送風部側への空気の流入を防止するべく、前記吸気口から前記換気用ファンに至る換気流入風路と、該吸気口から前記循環用ファンに至る循環流入風路とを分離する風路分離手段を配設したことを特徴としている。
【0010】
この第1発明に係る換気暖房装置において、筐体に空気を吸い込むための吸気口は浴室等の室内に向けて広く開口しているが、その吸気口の内側の筐体内では、換気用ファンに至る換気流入風路と循環用ファンに至る循環流入風路とが風路分離手段によりほぼ完全に分離される。従って、吸気口にあって換気用ファンに至る換気流入風路に面した範囲に塵埃等が溜まって吸気が行いにくくなり、その結果、換気用ファンの上流側(つまり換気流入風路内)で大きな負圧が発生した場合でも、筐体内部での循環送風部から換気送風部への空気の流入を遮断することができる。それにより、循環送風部において空気の逆流が生じず、吹出口を通して室内の空気が筐体内に吸い込まれることを防止でき、その結果、ヒータの出口側に塵埃が付着して目詰まりすることを回避することができる。
【0011】
こうした換気暖房装置では、外観上の見栄えを良くするために、吸気口には主として合成樹脂製で格子状やスリット状の開口部(グリル部)が形成された化粧パネルが装着される。そのため、上記換気流入風路と循環流入風路との分離性を高めるためには、風路分離手段と化粧パネル内面との気密性が高いことが望ましい。一方で、化粧パネルが合成樹脂製である場合には、あまり大きな機械的なストレスを化粧パネルに掛けると破損し易いから、適度な押圧力で以て化粧パネルとの密着性を高める必要がある。
【0012】
そこで、こうした目的を達成するために、第1発明に係る換気暖房装置の一態様として、前記風路分離手段は少なくとも前記吸気口側に面して適度な弾性及び柔軟性を有する封止部を備える構成とすることが好ましい。ここで封止部としては、例えばゴム、ウレタンフォームなど様々なものを利用することができる。
【0013】
また、第1発明に係る換気暖房装置の別の態様として、前記風路分離手段は蛇腹状の筒状体としても上記と同様の目的を達成し得る。
【0014】
さらに別の態様として、前記風路分離手段は少なくとも前記吸気口側の当接面が広く形成された部材としてもよい。この構成では、広い面積で以て化粧パネルの裏面に当接するので、化粧パネルに与える押圧力が広い範囲に分散し、化粧パネルの破損を起きにくくすることができる。
【0015】
また、上記課題を解決するために成された第2発明は、室内の空気を吸気口を通して吸い込んで排気口へと送るための換気用ファンを含む換気送風部と、前記室内の空気を前記吸気口を通して吸い込み、ヒータで加熱した後に吹出口から前記室内へと送り出すための循環用ファンを含む循環送風部とを、同一の筐体内に配置した換気暖房装置において、
前記換気用ファンによる換気動作時に、前記循環送風部から前記換気送風部側への空気の流入を防止するべく、前記ヒータによる加熱を行うことなく前記循環用ファンを所定回転速度で所定時間だけ回転駆動させる運転制御手段を備えることを特徴としている。
【0016】
この第2発明に係る換気暖房装置では、暖房運転や乾燥運転でない換気運転のみの状態においても、運転制御手段は循環用ファンを所定回転速度で所定時間だけ回転駆動させる。これにより、仮に吸気口に塵埃等が溜まって吸気が行いにくくなり、その結果、換気用ファンの上流側で大きな負圧が発生した場合でも、循環用ファンの上流側も同様に負圧となるので、吸気口内側近傍における換気送風部側と循環送風部側との圧力差が解消され、筐体内部での循環送風部から換気送風部への空気の逆流の発生を防止することができる。それによって、上記第1発明に係る換気暖房装置と同様に、循環送風部を空気が逆流することがなく、ヒータの出口側に塵埃が付着することを回避することができる。
【0017】
また、上記課題を解決するために成された第3発明は、室内の空気を吸気口を通して吸い込んで排気口へと送るための換気用ファンを含む換気送風部と、前記室内の空気を前記吸気口を通して吸い込み、ヒータで加熱した後に吹出口から前記室内へと送り出すための循環用ファンを含む循環送風部とを、同一の筐体内に配置した換気暖房装置において、
前記循環送風部による暖房運転又は乾燥運転中でないとき、定期的又は非定期的に、前記ヒータによる加熱を行うことなく前記循環用ファンを回転駆動させる塵埃除去運転を所定時間実行する運転制御手段を備えることを特徴としている。
【0018】
この第3発明に係る換気暖房装置において、運転制御手段は、暖房運転又は乾燥運転中でないときに(但し、換気運転は実行中でも停止中でもよい)、塵埃除去運転として、循環用ファンを回転駆動させることにより吸気口から吸い込んだ空気をヒータに通過させ、吹出口から室内へと吐出させる。これにより、仮にヒータの出口側に塵埃が付着している場合であっても、空気流の勢いによってこれを吹き飛ばすことができ、暖房運転や乾燥運転時に温風の送給が滞ることを防止することができる。
【0019】
なお、上記のような塵埃除去運転はヒータへの塵埃のこびり付きが酷くなった状態ではあまり意味がないから、定期的又は非定期的のいずれであっても、あまり長い時間間隔を空けずに実行することが望ましい。また、ヒータに付着している塵埃の吹き飛ばしをより確実に行うために、塵埃除去運転では通常の暖房運転や乾燥運転時よりも循環用ファンの回転速度を高く設定して、吹き出し風量を大きくするようにしてもよい。
【0020】
上記第3発明に係る換気暖房装置の一態様として、前記運転制御手段は、前記換気用ファンの回転駆動による換気運転の終了時に前記塵埃除去運転を実行する構成とすることができる。
【0021】
この構成によれば、それ以前に換気用ファンが回転駆動されていた状態から引き続いて循環用ファンが回転駆動されるので、循環用ファンが動作していることが使用者に気付かれにくい。また、たとえ使用者が循環用ファンの動作に気付いたとしても、通常は、換気の停止等の操作を行った後であるので、何らの操作を行わないにも拘わらず循環用ファンが動作した場合に比べると違和感が少ない。
【0022】
また、第3発明に係る換気暖房装置の別の態様として、前記運転制御手段は、前記換気用ファンの動作時間の累積が所定時間に達する毎に前記塵埃除去運転を実行する構成とすることができる。
【0023】
この構成によれば、例えば換気運転が長時間連続的に行われた場合であっても、その運転の途中の適宜の時点で塵埃除去運転が行われるので、ヒータの出口側への塵埃の付着が酷くなる以前に塵埃を吹き飛ばすようにし、確実にヒータの通過風量を確保するようにすることができる。但し、途中で暖房運転や乾燥運転のために循環用ファンが回転駆動された場合には、あえて塵埃除去運転を実行する必要はないため、上記のような動作時間の累積をリセットして再度累積を開始するようにしてもよい。
【0024】
上記別の態様の構成においては、前記運転制御手段は、前記塵埃除去運転を行う期間中、換気用ファンの動作を一時的に停止させることが好ましい。
【0025】
即ち、換気用ファンが動作していると換気用ファンの上流側が負圧になり、循環用ファンを回転駆動させても吸気口から室内の空気を吸い込みにくい状態となるが、換気用ファンの動作を一時的に停止させることにより換気送風部側の負圧が解除され、循環送風部での空気の流通がより順調に行える。それによって、ヒータに強い勢いの空気流を送ることができ、ヒータに付着している塵埃をより確実に吹き飛ばすことができる。
【0026】
また、上記課題を解決するために成された第4発明は、室内の空気を吸気口を通して吸い込んで排気口へと送るための換気用ファンを含む換気送風部と、前記室内の空気を前記吸気口を通して吸い込み、ヒータで加熱した後に吹出口から前記室内へと送り出すための循環用ファンを含む循環送風部とを、同一の筐体内に配置した換気暖房装置において、
前記ヒータはPTC(Positive Temperature Coefficient)素子を用いたヒータであって、該ヒータに流れる電流に基づいて該ヒータの出口側の塵埃の付着状態を検出する塵埃付着検出手段を備えることを特徴としている。
【0027】
この第4発明に係る換気暖房装置では、ヒータを通過する風量が減少すると、ヒータ自体の抵抗が増加して電流が流れにくくなる。従って、循環用ファンの回転速度一定の条件の下でヒータ電流が減少した場合には、風量が減少していると推測することができ、その主要因であるヒータ自体の目詰まり(塵埃の付着)の可能性が高いと判断することができる。これにより、前述したように例えば吸気口を覆うフィルタが目詰まりしたことによって換気運転時に循環送風部で空気が逆流し、ヒータ出口側に塵埃が目詰まりしたとき、その目詰まりの発生を高い確度で検出することができ、その後、適切な処理を行うようにすることができる。
【0028】
上記PTC素子を用いたヒータにおいて、ヒータ電流は雰囲気温度の影響を受ける。そのため、上述したようにヒータ電流の値に基づいて目詰まりを推定する場合には、雰囲気温度の影響を考慮することが望ましい。そこで、上記第4発明に係る換気暖房装置の一態様として、雰囲気温度を検出する温度検出手段を備え、前記塵埃付着検出手段は、雰囲気温度とヒータに流れるヒータ電流との関係を表すデータを予め保持しておく記憶手段と、該記憶手段の保持データを参照して前記温度検出手段により検出した雰囲気温度からヒータ電流の検出閾値を決定する閾値決定手段と、該決定された検出閾値を用いて実際のヒータ電流の判定を行う判定手段と、を有する構成とすることができる。これによれば、周囲の雰囲気温度の影響を受けずにヒータの目詰まりを一層正確に検出することが可能となる。
【0029】
また、上記課題を解決するために成された第5発明は、室内の空気を吸気口を通して吸い込んで排気口へと送るための換気用ファンを含む換気送風部と、前記室内の空気を前記吸気口を通して吸い込み、ヒータで加熱した後に吹出口から前記室内へと送り出すための循環用ファンを含む循環送風部とを、同一の筐体内に配置した換気暖房装置において、
前記ヒータの出口側の塵埃詰まりを検出する塵埃詰まり検出手段と、
該塵埃詰まり検出手段により塵埃詰まりが検出されたときに、前記ヒータによる加熱を行うことなく前記循環用ファンを回転駆動させる塵埃除去運転を所定時間実行する運転制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0030】
この第5発明に係る換気暖房装置によれば、塵埃詰まり検出手段によりヒータ出口側に目詰まりが生じていることが検出されると、運転制御手段は、上記塵埃除去運転として、循環用ファンを回転駆動させることによりヒータを通過した空気を吹出口から吐出させる。これにより、ヒータの出口側に付着している塵埃を吹き飛ばすことができる。なお、既にヒータに目詰まりが発生している場合には、通常の暖房運転や乾燥運転と同様の風量では必ずしも充分に塵埃を吹き飛ばせないこともあり得る。従って、循環用ファンの回転速度を通常の暖房・乾燥運転時よりも高く設定し、ヒータを通過する風量を増加させるようにするとよい。
【0031】
【発明の実施の形態】
[第1実施例]
以下、本発明の第1実施例による浴室換気暖房乾燥装置について、図1、図2を参照しながら説明する。図1は第1実施例の浴室換気暖房乾燥装置の装置本体1の構成を示す概略断面図、図2(a)はこの装置本体1における換気吸込口付近の拡大図である。
【0032】
この装置本体1は浴室Bの天面Cにその大部分が埋設するように取り付けられ、下面には浴室B内へ暖気を吹き出すための吹出口16と、換気及び循環時に吸気を行うための吸気口グリル27とが形成された化粧パネル26が着脱可能に装着されている。吸気口グリル27の内側には、浴室B内の塵埃が装置本体1内に入り込むのを防止するために塵埃捕集用のフィルタ28が装填されている。
【0033】
装置本体1の箱状のハウジング10の内側は、その略中央を上下方向に延在して仕切る隔壁11によってほぼ左右に分離されている。図1において、この隔壁11の左側領域は、循環用ファンケーシング12と、循環用ファン13と、循環用ファンモータ14と、PTCセラミックヒータ15を備える循環送風装置2であり、隔壁11の右側領域は、換気用ファンケーシング20と、換気用ファン21と、換気用ファンモータ22とを備える換気送風装置3である。
【0034】
循環用ファンケーシング12には、隔壁11に対面して側部開口12aが、底面側に底部開口12bが形成されており、側部開口12aに臨んで循環用ファン13が設置される一方、底部開口12bに面してヒータ15が設置されている。換気用ファンケーシング20にも同様に隔壁11に対面して側部開口20aが設けられ、この側部開口20aに臨んで換気用ファン21が設置されている。また、換気用ファンケーシング20は図示しないものの側方(図1では紙面の手前方向)に延伸する管路を有しており、その管路はハウジング10において屋外へと連通する排気ダクトが連結される排気吐出口25となっている。
【0035】
隔壁11は図1の表面から見て略L字形状を呈しており、その底壁面には吸気口グリル27を介して換気送風装置3と浴室B内とを連通する換気用吸込口23が形成されており、換気用吸込口23よりも内側で且つ換気用ファンケーシング20の外側において、ハウジング10の裏面にはトイレ等の他の部屋からの吸気を行う吸気ダクトが連結される副室吸込口24が開口している。隔壁11と循環用ファンケーシング12との間には、吸気口グリル27を介して循環送風装置2と浴室B内とを連通する循環用吸込口17が形成されている。この循環用吸込口17と換気用吸込口23とは並んで吸気口グリル27と対面しているが、吸気口グリル27と隔壁11の底面部との間には、換気用吸込口23を囲繞するように後述する扁平筒状の仕切部材181が風路分離手段として設置されており、これにより換気用吸込口23と循環用吸込口17とは分離されている。なお、隔壁11より右側領域であって循環用ファンケーシング12の外側には、循環用吸込口17を介して吸引された浴室B内の空気の温度を測定するための温度センサ33が設けられている。
【0036】
図3は本実施例の浴室換気暖房乾燥装置の電気系ブロック構成図である。制御の中心にはCPU、ROM、RAM、タイマなどを含むマイクロコンピュータから成る制御部30が据えられ、この制御部30には装置本体1とは離れた位置に設置されるリモコンに設けられた操作部31から操作信号が入力されるとともに、温度センサ33から温度検出信号が入力される。制御部30はこうした各種の信号を受けつつROMに格納されている制御プログラムに従って各種の運転制御を実行し、それによってモータ駆動部34を介して換気用ファンモータ22及び循環用ファンモータ14の回転動作を制御し、ヒータ駆動部35を介してヒータ15に流す加熱電流を制御し、さらに操作や運転状況などを示す表示信号を表示部32へ送出する。
【0037】
而して、本実施例による浴室換気暖房乾燥装置において、換気運転を行う際には、制御部30はモータ駆動部34を介して換気用ファンモータ22を駆動し、それによって換気用ファン21を所定方向に回転させる。すると、換気用ファン21は前方即ち側部開口20aを通して空気を吸引し、その空気を側方つまり排気吐出口25へと送り出す。それによって隔壁11と換気用ファンケーシング20との間の空間は負圧になり、副室吸込口24と換気用吸込口23を経て換気送風装置3に空気が吸い込まれ、さらに浴室B内の空気は吸気口グリル27及びフィルタ28を通過して換気用吸込口23の方向に吸い込まれる。
【0038】
また、暖房運転を行う際には、制御部30はモータ駆動部34を介して循環用ファンモータ14を駆動し、それによって循環用ファン13を所定方向に回転させ、またヒータ駆動部35を介してヒータ15に通電を行う。すると、循環用ファン13は前方即ち側部開口12aを通して空気を吸引し、その空気を底面部即ち底部開口12bへと送り出す。底部開口12bを経た空気はヒータ15を通過する際に加熱され、吹出口16から浴室B内に吐き出される。一方、隔壁11と循環用ファンケーシング12との間の空間は負圧になり、循環用吸込口17を経て循環送風装置2に空気が吸い込まれ、浴室B内の空気は吸気口グリル28及びフィルタ27を通過して循環用吸込口17の方向に吸い込まれる。
【0039】
上記のような換気運転時にフィルタ28が塵埃によって目詰まりして空気の流通が悪くなった場合、吸気口グリル27を通しての空気の吸い込みによって、隔壁11と換気用ファンケーシング20との間の空間の負圧を補うことが困難になり、他の部位から空気を吸い込もうとする作用が働く。その場合でも、この実施例では、吸気口グリル27の内側において換気用吸込口23と循環用吸込口17とが仕切部材181によりほぼ完全に遮蔽されているので、循環用吸込口17を通して循環送風装置2から空気が逆流してくることがない。
【0040】
図2(a)に示すように、この仕切部材181は、気密性を良好にするため、及び樹脂成型品である化粧パネル26に対する機械的なストレスを軽減するために、剛性を有する本体部181aの底面側端部(化粧パネル26の内面に接触する部分)にゴム等の柔軟性を有する緩衝部181bを設けている。これにより、化粧パネル26の内側において換気用吸込口23と循環用吸込口17との連通がほぼ完全に無くなる。その結果、仮にフィルタ28が塵埃などで目詰まりし、該フィルタ28を通した換気用吸込口23からの吸気風量が減少して負圧になった場合でも、循環送風装置2側から換気用吸込口23への空気の逆流は殆ど無くなり、ヒータ15の出口側に塵埃が付着することがなくなる。
【0041】
[第1実施例の変形例]
図2(b)及び(c)は仕切部材の構造の変形例を示す図である。図2(b)の例による仕切部材182は、それ自体が伸縮自在で弾性を有する蛇腹状の筒状体である。化粧パネル26を装着すると仕切部材182の蛇腹が適当に収縮し、その弾性による適度な力で以て内側から化粧パネル26を押圧する。それよって高い気密性が確保される。一方、図2(c)の仕切部材183は、筒状体183aの底面側端縁部から外周に延展してフランジ部183bを設けたものである。
これにより、化粧パネル26に対する接触面積が広くなるため、その押圧力が分散して化粧パネル26に対する無理なストレスが掛からない。
【0042】
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例による浴室換気暖房乾燥装置について図4、図5を参照しつつ説明する。この装置は上記第1実施例の装置とは異なる方法、具体的には後述するような制御によって、フィルタ28が塵埃で目詰まりした場合でも循環送風装置2から換気送風装置3への空気の逆流を防止するようにしたものである。なお、この第2実施例及び以下の実施例の基本的な構成は、上記実施例1の図1において仕切部材181を除去したものであり、電気的なブロック構成は上記第1実施例の図3と同じである(但し、その制御プログラムは後述するように相違する)。
【0043】
図4は第2実施例の浴室換気暖房乾燥装置における特徴的な制御のフローチャート、図5は図4に示す制御を実行する際のタイミングチャートである。
【0044】
制御部40は例えば換気運転スイッチ311等のオン操作による換気用ファン21の運転開始の命令が有るか否かを判定し(ステップS10)、運転開始命令が無い場合にはそのまま処理を終了する。換気用ファン21の運転開始の命令が有る場合には、モータ駆動部34を介して換気用ファンモータ22を駆動し、換気用ファン21の回転を開始する(ステップS11)。そして、引き続いて循環用ファンモータ14を所定の低速回転速度で駆動する(ステップS12)。
【0045】
換気用ファン21が回転すると、上述したように副室吸込口24及び吸気口グリル28を通して空気が換気用ファンケーシング20内に吸い込まれ、排気吐出口25へと吐出される。このとき、フィルタ28が塵埃で目詰まりしていると、吸気口グリル27と換気用吸込口23との間の空間が負圧になり、より空気圧が高い部分から空気を吸い込もうとする。しかしながら、循環用ファン13が回転することで、循環用ファンケーシング12と隔壁11との間の空間も負圧になっており、循環用吸込口17を経て空気が循環用ファンケーシング12内に吸引されるような空気流が形成されるため、循環用吸込口17を経て循環送風装置2から換気送風装置3へ空気が逆流するのを防止することができる。循環用ファン13の回転はこうした空気の逆流を防止することが目的であるから、例えば暖房運転時のように強い空気流を発生させる必要はなく、適宜の低速回転で充分である。
【0046】
そして、制御部40は換気用ファン21の運転停止の命令が有るまでその状態を維持し、運転停止の命令が有ったならば(S13で「Yes」)、換気用ファンモータ22を停止するとともに(ステップS14)循環用ファンモータ14も停止させ(ステップS15)、処理を終了する。
【0047】
上述したようにこの第2実施例による浴室換気暖房乾燥装置では、暖房運転や乾燥運転でない場合でも換気運転中に低速で循環風が送給されるので、仮にフィルタ28が目詰まりして換気側の空気の流通が悪くなったとしても、循環送風装置2において空気が逆流せず、それ故にヒータ15の底面(出口)側に塵埃が溜まることを防止することができる。
【0048】
[第3実施例]
次に、本発明の第3実施例による浴室換気暖房乾燥装置について、図6、図7を参照しつつ説明する。上記第1及び第2実施例による浴室換気暖房乾燥装置では、フィルタ28が塵埃等で目詰まりした場合でも循環送風装置2に通常とは逆方向の空気流が発生することを防止することによって、当初からヒータ15の底面側に塵埃が付着することを防止している。それに対し、或る程度、ヒータ15の底面側に塵埃が付着することを許容しつつ、ヒータ15自体が目詰まりするほど塵埃が堆積することを防止するようにしたものである。
【0049】
図6は第3実施例の浴室換気暖房乾燥装置における特徴的な制御のフローチャート、図7は図6に示す制御を実行する際のタイミングチャートである。
【0050】
制御部40は例えば換気運転スイッチ311等のオン操作による換気用ファン21の運転開始の命令が有ると、モータ駆動部34を介して換気用ファンモータ22を駆動し、換気用ファン21の回転を開始する(ステップS20)。換気用ファン21が回転すると、上述したように副室吸込口24及び吸気口グリル28を通して空気が換気用ファンケーシング20内に吸い込まれ、排気吐出口25へと吐出される。このとき、フィルタ28が塵埃で目詰まりしていると、吸気口グリル27と換気用吸込口23との間の空間が負圧になり、循環送風装置2側から空気が吸い込まれる。そのため、吹出口16を通して浴室B内の空気が循環用ファンケーシング12内に吸い込まれ、その際にヒータ15の底面側に塵埃が付着する。
【0051】
制御部40は換気用ファン21の運転停止の命令が有るまでその状態(換気運転)を維持し、運転停止の命令が有ったならば(S21で「Yes」)、換気用ファンモータ22を停止する(ステップS22)。それと同時又はそれよりも若干遅れて、塵埃除去運転として循環用ファンモータ14を所定時間(図7では(t2−t1)時間)だけ作動させ(ステップS23)、処理を終了する。循環用ファンモータ14が駆動されて循環用ファン13が所定方向に回転すると、循環用ファン13からヒータ15を経て、吹出口16から浴室B内へと空気を吐き出すような空気流が形成される。このとき、ヒータ15では上から下へと空気が抜けるから、その空気流によってヒータ15の底面に付着している塵埃は浴室B内へと吹き飛ばされる。なお、循環用ファン13の作動時間(上記(t2−t1))は適宜に決めることができるが、例えば多くの場合は数秒程度で充分である。
【0052】
このように換気運転を停止する毎に循環用ファン13を所定の短時間だけ作動させることで、ヒータ15の底面側に付着している塵埃を除去してやれば、そうした塵埃の堆積が酷くなってヒータ15が目詰まりすることを防止することができる。また、この方法では使用者が例えば換気運転スイッチ311のオフ操作を行い、換気用ファン21の停止に引き続いて循環用ファン13が短時間作動するので、後述のように使用者の意図とは無関係に循環用ファン13が自動的に作動する場合に比べて、循環用ファン13の動作が使用者に気付かれにくく、また気付かれた場合でも違和感が少ないという利点がある。
【0053】
[第4実施例]
次に、本発明の第4実施例による浴室換気暖房乾燥装置について、図8、図9を参照しつつ説明する。この第4実施例による装置は基本的には第3実施例による装置と同様に、循環用ファン13の作動によってヒータ15に付着している塵埃を吹き飛ばすものであるが、循環用ファン13の作動タイミングが相違している。即ち、いわゆる24時間換気と呼ばれる常時換気運転を行う場合には、昼夜を問わず1日中換気運転が連続的に行われるため、上記第3実施例のように換気停止のタイミングで循環用ファン21の作動を行うようにしておくと、長時間に亘って循環用ファン21が作動しない事態が生じる可能性がある。この第4実施例による装置は特にそうした場合を考慮したものである。
【0054】
図8は第4実施例の浴室換気暖房乾燥装置における特徴的な制御のフローチャート、図9は図8に示す制御を実行する際のタイミングチャートである。
【0055】
制御部40は例えば換気運転スイッチ311等のオン操作による換気用ファン21の運転開始の命令が有ると、モータ駆動部34を介して換気用ファンモータ22を駆動し、換気用ファン21の回転を開始する(ステップS30)。換気用ファン21が回転すると、上述したように副室吸込口24及び吸気口グリル28を通して空気が換気用ファンケーシング20内に吸い込まれ、排気吐出口25へと吐出される。このとき、フィルタ28が塵埃で目詰まりしていると、吸気口グリル27と換気用吸込口23との間の空間が負圧になり、循環送風装置2側から空気が吸い込まれる。そのため、吹出口16を通して浴室B内の空気が循環用ファンケーシング12内に吸い込まれ、その際にヒータ15の底面側に塵埃が付着する。
【0056】
制御部40は換気用ファン21の始動からの動作時間が所定時間を経過したか否かを判定し(ステップS31)、未だ所定時間が経過していなければその状態(換気運転)を維持する。ここで、所定時間は例えば12時間、24時間等としておけばよい。ステップS31で所定時間経過したと判定されると、制御部40は換気用ファンモータ22を一時的に停止する(ステップS32)一方、塵埃除去運転として循環用ファンモータ14を所定時間(図9では(t2−t1)時間)だけ作動させる(ステップS33)。これにより、換気運転は一時的に停止され、循環用ファン13の回転によって上述したように吹出口16から浴室B内へと空気を吐き出すような空気流が形成されるから、その空気流によってヒータ15の底面に付着している塵埃を浴室B内へと吹き飛ばすことができる。
【0057】
その後、ステップS30へと戻り、換気用ファンモータ21を再び作動させて換気運転を再開する。そして、常時換気の運転の停止命令が有るまで、ステップS30〜S33の処理を繰り返す。従って、常時換気運転中は定期的、例えば12時間又は24時間経過毎に自動的に循環用ファン13が作動し、それまでの期間中にヒータ15に付着している塵埃を吹き飛ばす。これによって、フィルタ28が目詰まりしている場合でも、これによってヒータ15に付着した塵埃を確実に除去することができる。
【0058】
なお、定期的に循環用ファンモータ14を作動させる際に、必ずしも換気用ファンモータ22の動作を停止させる必要はない。しかしながら、換気用ファンモータ22を停止させることによって、換気用ファン21の動作による循環送風装置2側の負圧状態が解消されるので、循環用ファン13の動作による空気流の勢いを確保し易く、ヒータ15に付着している塵埃をより効率良く吹き飛ばすことができる。
【0059】
また、実際には、換気用ファン21の動作時間を積算し、上記ステップS31ではその積算値が所定時間を経過したか否かを判定するようにするとよい。そして、所定時間が経過して塵埃除去運転を実行したならば、その動作時間の積算値をリセットし、再び動作時間の積算を開始する。これにより、換気運転が長時間連続的に行われる場合でなくとも、換気運転が所定時間実行される毎に塵埃除去運転を行うことができる。
【0060】
[第5実施例]
次に、本発明の第5実施例による浴室換気暖房乾燥装置について、図10〜図13を参照しつつ説明する。上記第3及び第4実施例による装置は、ヒータ15に塵埃が付着しているか否かに拘わらず、所定のタイミングで以て循環用ファン13を作動させるようにしている。それに対し、この第5実施例による浴室換気暖房乾燥装置では、まずフィルタ28の目詰まり又はヒータ15の目詰まりを検出し、そうした目詰まりが発生している場合に適宜の処理を行うものである。
【0061】
図10は第5実施例の浴室換気暖房乾燥装置における特徴的な制御のフローチャート、図11は図10中のフィルタ目詰まり検出処理の一例を示す制御フローチャートである。
【0062】
制御部40は例えば換気運転スイッチ311等のオン操作による換気用ファン21の運転開始の命令が有ると、モータ駆動部34を介して換気用ファンモータ22を駆動し、換気用ファン21の回転を開始する(ステップS40)。換気用ファン21が回転すると、上述したように副室吸込口24及び吸気口グリル28を通して空気が換気用ファンケーシング20内に吸い込まれ、排気吐出口25へと吐出される。このとき、フィルタ28が塵埃で目詰まりしていると、吸気口グリル27と換気用吸込口23との間の空間が負圧になり、循環送風装置2側から空気が吸い込まれる。そのため、吹出口16を通して浴室B内の空気が循環用ファンケーシング12内に吸い込まれ、その際にヒータ15の底面側に塵埃が付着する。
【0063】
上記のような換気運転が開始されると、制御部40はフィルタ28の目詰まり検出処理を実行し(ステップS41)、その検出結果に基づいて目詰まりの有無を判定する(ステップS42)。この目詰まり検出処理については後で詳細に説明する。目詰まりがないと判定された場合にはステップS40へと戻り、引き続き換気運転を続行する。従って、換気運転の期間中、定期的に或いは適宜のタイミングで繰り返し目詰まりの有無が判定されることになる。
【0064】
ステップS42で目詰まりが有ると判定された場合には、上記ステップS32、S33と同様のステップS43、S44の処理を実行し、循環用ファン13の回転により吹出口16から浴室B内へ空気流を吹き出すことによってヒータ15に付着している塵埃を吹き飛ばす。但し、これによりヒータ15に付着している塵埃は除去されるが、ヒータ15への塵埃の付着の原因となったフィルタ28の目詰まりは解消されない。そこで、表示部32においてフィルタ目詰まりサインの表示を行うことにより、使用者の注意を喚起する(ステップS45)。そして、ステップS40へと戻り、換気用ファン21の回転を再開させる。このときフィルタ目詰まりサインは表示されたままとなるので、換気運転続行中でもフィルタ28が目詰まりしていることを使用者が容易に知ることができる。
【0065】
上記目詰まり検出処理に関し、検出方法としては様々が方法が考え得る。その1つは、換気用ファンモータ22に流れる電流値の変化から目詰まりを検出する方法であって、図11はその動作の制御フローチャートを示すものである。即ち、この浴室換気暖房乾燥装置では、制御部40は、排気吐出口25を通して屋外へ排出される排気総風量がほぼ一定に維持されるように換気用ファンモータ22の回転速度の制御を行う。そのため、例えばフィルタ28の目詰まり等によって浴室Bからの吸気流路の圧損(流路抵抗)が大きくなると、吸気風量を増加させようとして換気用ファンモータ22により大きな電流が流れるように制御を行う。
【0066】
そこで、制御部40は換気用ファンモータ22に実際に流れる電流Ifをモニタするとともに(ステップS60)、そのときに設定されている換気風量(排気吐出口からの総排気風量)に応じて検出閾値を定める(ステップS61)。これは、換気風量の目標値に応じてモータ電流Ifは変化するからである。そして、検出したモータ電流の値Ifが上記検出閾値以上であるか否かを判定し(ステップS62)、検出閾値以上である場合にはフィルタ28の目詰まりが発生したものと判断する(ステップS63)。もちろん、換気用ファンモータ22に流れる電流の増加は制御部40からの指令電圧の増加の結果であるから、この指令電圧が所定値を越えた場合に目詰まりが発生したと判断しても同様である。
【0067】
但し、換気用ファンモータ22に流れる電流値や制御部40による指令電圧はフィルタ28の目詰まり以外に様々な要因や条件によって変化する可能性がある。そのため、フィルタ28の目詰まり以外の要因で上記電流値や指令電圧が変化した場合に、これを目詰まりであると誤判定する可能性もある。そこで、より信頼性を高めるために、ヒータ15に流れる加熱電流(以下、単にヒータ電流と呼ぶ)の値に基づいてヒータ15の目詰まりを検出するようにしてもよい。
【0068】
まず、図12、図13によりヒータ電流に基づく目詰まり検出の原理を説明する。ここでヒータ15として使用されているPTCセラミックヒータは自己温度制御機能を有しており、奪われる熱量が減少して温度が上昇すると電気抵抗が増加し、それによってヒータ電流が減少し温度が低下する。本実施例における構成では、ヒータ15から奪われる熱量はヒータ15を通過する風量に依存している。従って、この風量とヒータ電流との関係は図12に示すようになる。風路の圧損が一定であるとすれば風量は循環用ファン14の回転速度で決まるから、必要風量を120m/hとすればヒータ電流は約12アンペアとなる筈である。ところが、例えばヒータ15の目詰まり等によって風路の圧損が増加すると風量が低下するから、それに伴ってヒータ電流も減少する。逆に言えば、循環用ファン14の回転速度を一定に保った状態でヒータ電流が減少した場合には風路の圧損が増加した、つまりヒータ15に目詰まりが発生したものとみることができる。従って、図12中に示したように、ヒータ電流に対して検出閾値を予め設定しておき、実際のヒータ電流がその検出閾値以下になったならばヒータ15の目詰まりの可能性が高いと判断することができる。
【0069】
但し、図13に示すように風量一定の条件下においてヒータ電流は周囲温度に依存している。そのため、上記のようなヒータ電流に対する検出閾値を一義的に決めることはできず、図13中に描出したようにそのときの周囲温度に応じて検出閾値を変更する。そこで、制御部40には予めこうした周囲温度と検出閾値との関係を表すようなデータをテーブル又は演算式として記憶させておくものとする。
【0070】
図14の制御フローチャートに従って、この目詰まり検出処理を説明する。制御部40はまず循環用ファンモータ13を作動させるとともにヒータ15に通電を開始する(ステップS50)。もちろん、暖房運転中や乾燥運転中である場合にはこのステップS50の処理は省略する。そして循環用ファン14の回転が安定した後に、電流検出部36によりヒータ15に流れるヒータ電流の値Ihを検出する(ステップS51)。次いで温度センサ33により周囲温度を測定し(ステップS52)、制御部40は測定した周囲温度に応じて例えば上述したように予め記憶されているデータに基づいて検出閾値を決定する(ステップS53)。
【0071】
そしてヒータ電流の値Ihが上記検出閾値以下であるか否かを判定し(ステップS54)、検出閾値以下であった場合にはヒータ15の目詰まり、つまりはフィルタ28の目詰まりが発生していると判断する(ステップS55)。循環送風装置2は換気送風装置3とは異なり、他の部屋(ここではトイレ)からの空気の吸い込みを行っていないので、ヒータ電流の低下の原因がヒータ15の目詰まりであるとの結論を下し易い。なお、この目詰まり検出処理では、目詰まりを検出するために循環用ファン14を作動させて吹出口16から暖気を吹き出すようにしているので、図10のフローチャートにおけるステップS43、S44の処理による、ヒータ15に付着した塵埃の除去を行う必要はないが、塵埃除去運転を行ってもよい。
【0072】
このように第5実施例による浴室換気暖房乾燥装置では、フィルタ28やヒータ15の目詰まりを検出して、目詰まりの可能性が高い場合に、循環送風装置2によりヒータ15底面に付着している塵埃を吹き飛ばすか、又はフィルタ目詰まりサインの表示を行うことができる。
なお、目詰まり検出処理の他の例としては、例えば、光学的にフィルタ28の光の透過率を検出することによって目詰まりを直接的に検出する方法なども考え得る。
【0073】
上記第1〜第5実施例やその変形例はいずれも本発明の単に一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜変更、修正、追加を行っても本発明に包含されることは当然である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例による浴室換気暖房乾燥装置の装置本体の構成を示す概略断面図。
【図2】第1実施例及びその変形例による浴室換気暖房乾燥装置の装置本体における換気吸込口付近の拡大図。
【図3】第1実施例による浴室換気暖房乾燥装置の電気系のブロック構成図。
【図4】第2実施例による浴室換気暖房乾燥装置における特徴的な制御のフローチャート。
【図5】図4に示す制御を実行する際のタイミングチャート。
【図6】第3実施例による浴室換気暖房乾燥装置における特徴的な制御のフローチャート。
【図7】図6に示す制御を実行する際のタイミングチャート。
【図8】第4実施例による浴室換気暖房乾燥装置における特徴的な制御のフローチャート。
【図9】図8に示す制御を実行する際のタイミングチャート。
【図10】第5実施例による浴室換気暖房乾燥装置における特徴的な制御のフローチャート。
【図11】図10中のフィルタ目詰まり検出処理の一例を示す制御フローチャート。
【図12】ヒータ電流に基づく目詰まり検出の原理説明図。
【図13】ヒータ電流に基づく目詰まり検出の原理説明図。
【図14】ヒータ電流に基づく目詰まり検出処理の制御フローチャート。
【符号の説明】
1…装置本体
2…循環送風装置
3…換気送風装置
10…ハウジング
11…隔壁
12…循環用ファンケーシング
12a…側部開口
12b…底部開口
13…循環用ファン
14…循環用ファンモータ
15…ヒータ(PTCセラミックヒータ)
16…吹出口
17…循環用吸込口
181、182、183…仕切部材
181a…本体部
181b…緩衝部
183a…筒状体
183b…フランジ部
20…換気用ファンケーシング
20a…側部開口
21…換気用ファン
22…換気用ファンモータ
23…換気用吸込口
24…副室吸込口
25…排気吐出口
26…化粧パネル
27…吸気口グリル
28…フィルタ
30…制御部
31…操作部
311…換気運転スイッチ
32…表示部
33…温度センサ
34…モータ駆動部
35…ヒータ駆動部
36…電流検出部

Claims (9)

  1. 室内の空気を吸気口を通して吸い込んで排気口へと送るための換気用ファンを含む換気送風部と、前記室内の空気を前記吸気口を通して吸い込み、ヒータで加熱した後に吹出口から前記室内へと送り出すための循環用ファンを含む循環送風部とを、同一の筐体内に配置した換気暖房装置において、
    前記換気用ファンによる換気動作時に前記循環送風部から前記換気送風部側への空気の流入を防止するべく、前記吸気口から前記換気用ファンに至る換気流入風路と、該吸気口から前記循環用ファンに至る循環流入風路とを分離する風路分離手段を配設したことを特徴とする換気暖房装置。
  2. 室内の空気を吸気口を通して吸い込んで排気口へと送るための換気用ファンを含む換気送風部と、前記室内の空気を前記吸気口を通して吸い込み、ヒータで加熱した後に吹出口から前記室内へと送り出すための循環用ファンを含む循環送風部とを、同一の筐体内に配置した換気暖房装置において、
    前記換気用ファンによる換気動作時に、前記循環送風部から前記換気送風部側への空気の流入を防止するべく、前記ヒータによる加熱を行うことなく前記循環用ファンを所定回転速度で所定時間だけ回転駆動させる運転制御手段を備えることを特徴とする換気暖房装置。
  3. 室内の空気を吸気口を通して吸い込んで排気口へと送るための換気用ファンを含む換気送風部と、前記室内の空気を前記吸気口を通して吸い込み、ヒータで加熱した後に吹出口から前記室内へと送り出すための循環用ファンを含む循環送風部とを、同一の筐体内に配置した換気暖房装置において、
    前記循環送風部による暖房運転又は乾燥運転中でないとき、定期的又は非定期的に、前記ヒータによる加熱を行うことなく前記循環用ファンを回転駆動させる塵埃除去運転を所定時間実行する運転制御手段を備えることを特徴とする換気暖房装置。
  4. 前記運転制御手段は、前記換気用ファンの回転駆動による換気運転の終了時に前記塵埃除去運転を実行することを特徴とする請求項3に記載の換気暖房装置。
  5. 前記運転制御手段は、前記換気用ファンの動作時間の累積が所定時間に達する毎に前記塵埃除去運転を実行することを特徴とする請求項3に記載の換気暖房装置。
  6. 前記運転制御手段は、前記塵埃除去運転を行う期間中、前記換気用ファンの動作を一時的に停止させることを特徴とする請求項5に記載の換気暖房装置。
  7. 室内の空気を吸気口を通して吸い込んで排気口へと送るための換気用ファンを含む換気送風部と、前記室内の空気を前記吸気口を通して吸い込み、ヒータで加熱した後に吹出口から前記室内へと送り出すための循環用ファンを含む循環送風部とを、同一の筐体内に配置した換気暖房装置において、
    前記ヒータはPTC素子を用いたヒータであって、該ヒータに流れる電流に基づいて該ヒータの出口側の塵埃の付着状態を検出する塵埃付着検出手段を備えることを特徴とする換気暖房装置。
  8. 雰囲気温度を検出する温度検出手段を更に備え、前記塵埃付着検出手段は、雰囲気温度とヒータに流れるヒータ電流との関係を表すデータを予め保持しておく記憶手段と、該記憶手段の保持データを参照して前記温度検出手段により検出した雰囲気温度からヒータ電流の検出閾値を決定する閾値決定手段と、該決定された検出閾値を用いて実際のヒータ電流の判定を行う判定手段と、を有することを特徴とする請求項7に記載の換気暖房装置。
  9. 室内の空気を吸気口を通して吸い込んで排気口へと送るための換気用ファンを含む換気送風部と、前記室内の空気を前記吸気口を通して吸い込み、ヒータで加熱した後に吹出口から前記室内へと送り出すための循環用ファンを含む循環送風部とを、同一の筐体内に配置した換気暖房装置において、
    前記ヒータの出口側の塵埃詰まりを検出する塵埃詰まり検出手段と、
    該塵埃詰まり検出手段により塵埃詰まりが検出されたときに、前記ヒータによる加熱を行うことなく前記循環用ファンを回転駆動させる塵埃除去運転を所定時間実行する運転制御手段と、を備えることを特徴とする換気暖房装置。
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