JP2004276798A - 車両盗難防止システム - Google Patents
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Abstract
【課題】その目的は、車両盗難を生じ難くすることができる車両盗難防止システムを提供する。
【解決手段】車両1のハンドルには運転者の指紋を採取する指紋センサ12,13が配設されている。指紋センサ12,13によって運転者の指紋が読み取られると、マイコン4は指紋センサ入力回路19を介して左右両方の指紋センサ12,13から指紋データDa1,Da2を入力し、これら2つの指紋データDa1,Da2と予めEEPROM11に記憶した指紋データDb1,Db2とを照合する。マイコン4は指紋照合が左右の親指の両方とも一致すればIGリレー6をオンしてIG電源の供給を開始する。
【選択図】 図1
【解決手段】車両1のハンドルには運転者の指紋を採取する指紋センサ12,13が配設されている。指紋センサ12,13によって運転者の指紋が読み取られると、マイコン4は指紋センサ入力回路19を介して左右両方の指紋センサ12,13から指紋データDa1,Da2を入力し、これら2つの指紋データDa1,Da2と予めEEPROM11に記憶した指紋データDb1,Db2とを照合する。マイコン4は指紋照合が左右の親指の両方とも一致すればIGリレー6をオンしてIG電源の供給を開始する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両盗難を防止するための車両盗難防止システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両盗難を防止するために種々の技術が開発され、この種の車両盗難防止システムとして車両のドアロック解錠を指紋識別によって行う技術が提案されている。その指紋識別を用いた車両盗難防止システムでは車両のドア等に指紋認識装置を設け、ドア操作を行う際に操作者の指紋を指紋認識装置によって読み取り、予め登録された指紋と一致した場合にドアロック解錠を許可している。
【0003】
指紋識別を用いた車両盗難防止システムの一例が特許文献1に開示されている。特許文献1では車両に指紋認識装置、車載コンピュータ、CCDカメラ及び携帯送信機を設け、乗込者がドアロック解除を行うときには指紋認識装置が乗込者の指等の指紋を読み取る。そして、車載コンピュータがその読取信号(検出信号)を取り込み、予め登録された指紋と一致したと判断すればドアロック解錠を許可する。
【0004】
一方、指紋認識によるドアロック解錠ができず、例えば車両キーやキーレスエントリーシステムによってドアロック解錠が行われたとする。このとき、車載コンピュータは所定時間の間、CCDカメラにより乗込者の撮影を行い、形態送信機を介して画像データをネットワークに転送する。この画像データは車両管理者側の携帯電話機を介してモバイルコンピュータに転送されて画像表示される。従って、この画像を見ることで車両管理者が乗込者を確認でき、車両盗難防止に効果がある。
【0005】
また、キーIDを用いてID照合を行って照合結果が正しければエンジン始動を許可する一例が特許文献2に開示されている。特許文献2に示す建設作業用の車両はカードホルダー、暗証番号入力機器、メイン基板、主作動コントロールリレー群等を備えている。この車両にエンジンをかけるとき、まずネームカードをカードホルダーに取り付けてネームカードのIDコードが読み取られ、そのIDコードに応じた格納暗証番号がメイン基板によって取り出される。
【0006】
次いで操作者が暗証番号入力機器に固有の暗証番号を入力し、メイン基板が暗証番号と格納暗証番号とを比較する。メイン基板はこれら番号が一致すれば主作動コントロールリレー群をオンし、走行モータ等の走行駆動機器、及びエンジンカットソレノイドやスタータモータ等の車両搭載機器への電源供給を行う。従って、盗難者が車両を盗難しようとしてもネームカードを所有して暗証番号を知っていなければエンジンを始動できず、車両盗難防止に効果がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−65212号(第3−7頁、第3図)
【特許文献2】
特開2000−38113号(第3−6頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1は不正に車両に乗り込んだ乗込者をCCDカメラで撮影し、その画像データを車両管理者に送信するシステムである。従って、車両管理者が乗込者を所有者か否か判断することは可能であるが、エンジン始動等に規制をかけるものではないので、車両が盗難されてしまう危険性が高い。また、乗込者が覆面等をしていた場合には人物の特定ができず、盗難車両が手元に戻ってくる可能性も低くなる。
【0009】
また、特許文献2は手入力した暗証番号とIDコードに基づく格納暗証番号とが一致しなければ、走行駆動機器及び車両搭載機器への電源供給を停止するシステムである。しかし、IDコードの傍受によるIDの解析コピー、暗証番号の不正入手がなされると走行駆動機器や車両搭載機器の始動が許可されるので、必ずしも車両盗難の防止効果が高いものではない。以上のことから、車両盗難の防止効果を一層高めたい要望があった。
【0010】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、車両盗難を生じ難くすることができる車両盗難防止システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明では、車両に乗り込んだ乗込者の身体情報を認識する認識手段と、前記車両の所有者が有する固有の身体情報を記憶した記憶手段と、前記認識手段により入力した前記身体情報と、前記記憶手段に予め記憶された身体情報とを比較する照合手段と、前記照合手段の照合結果により2つの前記身体情報が一致したときに、前記車両の走行を許可する制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0012】
この発明によれば、車両に乗り込んだ乗込者の身体情報が認識手段によって認識されると、その身体情報と記憶手段に記憶された身体情報とが照合手段によって比較され、これら身体情報が一致すれば制御手段によって車両の走行が許可される。ところで、身体情報を用いた個人認証は複製や傍受等による盗難がし難い。従って、身体情報による個人認証に基づき車両の走行が許可されるので、盗難者によって車両が動かされずに済み、車両盗難の防止効果が高くなる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記制御手段は前記車両の走行許可として、前記車両を動かすために必要なイグニッション電源の供給を開始又は許可することを要旨とする。
【0014】
この発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、2つの身体情報が一致すれば制御手段によってイグニッション電源の供給が開始又は許可される。従って、身体情報による個人認証に基づきイグニッション電源の供給を開始又は許可するので、盗難者によってエンジンがかけられてしまう虞が生じ難くなり、車両盗難の防止効果が高くなる。
【0015】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記認識手段は前記車両のドア開閉を検出するドア開閉検出手段の検出信号に基づき電源が供給されて、前記身体情報の認識が可能な状態となることを要旨とする。
【0016】
この発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、ドア開閉検出手段からドア開状態を示す検出信号を入力したとき、認識手段が起動して身体情報を認識可能な状態となる。従って、認識手段はドア閉状態のとき電源が供給されない待機状態となり、無駄な電力消費が抑えられる。
【0017】
請求項4に記載の発明では、請求項2又は3に記載の発明において、イグニッション電源が前記車両に供給された状態か否かを判断する判断手段と、前記照合手段の照合結果に基づき2つの前記身体情報が不一致であり、且つ前記判断手段の判断結果に基づきイグニッション電源が供給状態のときに車両動作を制限する制限手段とを備えたことを要旨とする。
【0018】
この発明によれば、請求項2又は3に記載の発明の作用に加え、身体情報の照合が不一致と判断された後に、バッテリを直結することでイグニッション電源が供給されても、この条件下では制限手段によって車両動作が制限されるので、車両盗難の防止効果が一層高くなる。
【0019】
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記車両はオートマチック車であり、その自動変速機は変速機のギヤ位置を切り換えるための油圧回路がアクチュエータによって非接触で行えあれるリンクレス構造であって、前記制限手段は前記車両動作を制限する処理として、前記自動変速機の前記油圧回路を停止位置のままの状態で維持することを要旨とする。
【0020】
この発明によれば、請求項4に記載の発明の作用に加え、身体情報の照合が不一致と判断された後に、バッテリを直結することでイグニッション電源が供給されても、この条件下では制限手段によって自動変速機の油圧回路が停止位置のままの状態で維持される。従って、エンジンが始動するものの車両が動かせないことから、車両盗難の防止効果が一層高くなる。
【0021】
請求項6に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記車両はオートマチック車であり、シフト位置が停止位置の場合にブレーキペダルを踏まなければシフト操作ができないように作動するシフトロックを有する構成であって、前記制限手段は前記車両動作を制限する処理として、前記シフトロックをロック状態に維持して前記シフト位置を停止位置のままとすることを要旨とする。
【0022】
この発明によれば、請求項4に記載の発明の作用に加え、身体情報の照合が不一致と判断された後に、バッテリを直結することでイグニッション電源が供給されても、この条件下では制限手段によってシフトロックがロック状態に維持される。従って、エンジンが始動するもののシフト操作ができず、車両盗難の防止効果が一層高くなる。
【0023】
請求項7に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記車両のブレーキ機構は電気力を用いてブレーキ圧を発生させて車輪にブレーキ力を付与する構成であって、前記制限手段は前記車両動作を制限する処理として、前記ブレーキ機構によって前記車輪にブレーキ力が付与された状態を維持することを要旨とする。
【0024】
この発明によれば、請求項4に記載の発明の作用に加え、身体情報の照合が不一致と判断された後に、バッテリを直結することでイグニッション電源が供給されても、この条件下では制限手段によってブレーキ機構が作動して車輪にブレーキ力が付与される。従って、エンジンが始動するものの車輪にブレーキが付与されて車両が動かせないことから、車両盗難の防止効果が一層高くなる。
【0025】
請求項8に記載の発明では、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の発明において、前記認識手段は指の指紋を採取して指紋データを出力する指紋センサであり、前記指紋センサは乗込者が前記車両のハンドルを両手で握ったときに、左右の手の指で指紋を各々採取可能となるように2つ配置された構成であって、前記照合手段は2つの前記指紋センサの指紋データと予め前記記憶手段に記憶された指紋データとを比較し、前記制御手段は前記照合手段の照合結果に基づき、前記指紋データが両手とも一致したときに前記車両の走行を許可することを要旨とする。
【0026】
この発明によれば、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、左右の手の指で指紋を各々採取可能となるように指紋センサが2つ配置され、これら指紋センサから採取された指紋が両方一致したときに車両の走行が許可される。従って、左右両方の手の指の指紋を用いるので、より一層正しく個人認証が行え、これに伴って車両盗難の防止効果も一層高まる。
【0027】
請求項9に記載の発明では、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の発明において、前記認識手段は指の指紋を採取して指紋データを出力する指紋センサであり、前記指紋センサは乗込者が前記車両のハンドルを両手で握ったときに、左右の手の指で指紋を各々採取可能となるように2つ配置された構成であって、前記照合手段は2つの前記指紋センサの指紋データと予め前記記憶手段に記憶された指紋データとを比較し、前記制御手段は前記照合手段の照合結果に基づき、両手のうちいずれか一方の手の指の指紋データが一致すれば前記車両の走行を許可することを要旨とする。
【0028】
この発明によれば、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、左右の手の指で指紋を各々採取可能となるように指紋センサが2つ配置され、これら指紋センサから採取された指紋のうち一方が一致したときに車両の走行が許可される。従って、左右の親指のうち一方を怪我した場合でも指紋照合で照合一致が得られ、指先に怪我を負った場合でも対応が図れる。
【0029】
請求項10に記載の発明では、請求項2〜9のうちいずれか一項に記載の発明において、イグニッション電源が前記車両に供給された状態か否かを判断する判断手段と、前記照合手段による前記身体情報の照合が実施されず、前記判断手段の判断結果に基づきイグニッション電源が供給状態のときに車両動作を制限する第2制限手段とを備えたことを要旨とする。
【0030】
この発明によれば、請求項2〜9のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、身体情報による個人認証を行わずバッテリを直結することでイグニッション電源を供給して車両を盗難する場合があるが、この場合には第2制限手段によって車両動作が規制される。従って、個人認証を行わずバッテリ直結によってイグニッション電源を供給して車両のエンジンを作動させても、車両動作が規制されることから、車両盗難の防止効果が一層高くなる。
【0031】
請求項11に記載の発明では、請求項2〜10のうちいずれか一項に記載の発明において、前記車両に乗員が存在するか否かを検知する乗員検知手段と、前記車両のドア開閉を検出するドア開閉検出手段とを備え、前記制御手段は2つの前記身体情報が一致してイグニッション電源の供給を開始又は許可した後に、前記乗員検知手段の検知信号に基づき車内に乗員が存在せず、かつ前記ドア開閉検出手段の検出信号に基づきドアが閉じられたと判断されたとき、イグニッション電源の供給を遮断することを要旨とする。
【0032】
この発明によれば、請求項2〜10のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、身体情報による個人認証の照合結果が一致してイグニッション電源の供給が開始された後、車内に乗員が存在せず、かつドアが閉じられた場合にはイグニッション電源の供給が遮断される。従って、車両所有者が車両に乗り込んでイグニッション電源が供給された状態となっても、車両から降りれば直ぐにイグニッション電源が遮断されるので、無駄な電力を消費せずに済む。
【0033】
請求項12に記載の発明では、請求項1〜11のうちいずれか一項に記載の発明において、所定の車載機器を制御する第2制御手段と相互通信可能であり、前記第2制御手段との間で互いに確認信号を出力し合うことで互いの存在を確認し、前記確認信号に基づき前記第2制御手段との間で一方が他方を正規の通信相手ではないと判断したとき、その判断した側が車両動作を制限することを要旨とする。
【0034】
この発明によれば、請求項1〜11のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、車両盗難防止システムと第2制御手段とは通信によって互いの存在を確認し合い、相手がいないと判断したきにはその判断した側が車両動作を制限する。従って、車両盗難を目的として例えば車両盗難防止システム及び第2制御手段のうち一方が外されても他方が車両動作を制限するので、車両盗難が発生し難くなる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した車両盗難防止システムの一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
【0036】
図1は、車両1の内部構成を電気的に示すブロック図である。車両1はバッテリ2の電源を車載機器に供給するか否かを制御する電源管理システム3を備えている。電源管理システム3はマイコン4、ACCリレー5、IGリレー6を備え、ACCリレー5及びIGリレー6のコイル部5a,6aがマイコン4に、スイッチ部5b,6bがバッテリ2の+端子に接続されている。なお、マイコン4が照合手段、制御手段、判断手段、制限手段及び第2制限手段を構成する。
【0037】
マイコン4はACCリレー5及びIGリレー6のリレー状態を制御し、コイル部5a,6aを励磁することでスイッチ部5b,6bの接点を接触状態にして各リレー5,6をオンする。ACCリレー5がオン状態では車載されたラジオ7に電源が供給される。また、IGリレー6がオン状態でIGスイッチ(エンジンスタートスイッチ)が押されると、供給されるIG電源(イグニッション電源)によるエンジンが始動した状態となる。
【0038】
マイコン4はCPU8、ROM9、RAM10、記憶手段としてのEEPROM11のデバイスからなり、電源管理システム3のメイン制御を司る。ROM9には指紋照合によって車両盗難を防止するための指紋照合プログラムが記憶されている。CPU8は電源投入時に指紋照合プログラムを常時実行し、指紋照合を行って車両1の盗難防止を図っている。また、EEPROM11には車両所有者の左右それぞれの手の指(例えば親指)の指紋データDb1,Db2が記憶されている。
【0039】
車両1には運転者の指紋を採取する2つの指紋センサ12,13が配設されている。図3に示すようにハンドル14はステアリング部15とハンドル軸16とを連結する複数のスポーク部17を備えている。スポーク部17はハンドル軸16の両側に2つずつ設けられ、これら2つは同図の上下方向に並んで配置されている。指紋センサ12,13はこれら上下方向に並んだ2つのスポーク部17a,17bのうち上側のスポーク部17aに各々配置されている。
【0040】
指紋センサ12,13はハンドル軸16を挟んだ両側のスポーク部17に各々設けられることで左右両側に配置されている。指紋センサ12,13はステアリング部15を握った握り状態のとき、左右それぞれの指(例えば親指)が位置する部位に配置されている。指紋センサ12,13は運転者の左右の指紋を各々読み取り、その指紋データDa1,Da2を出力するセンサであり、例えば光学式、感圧式、半導体静電容量タイプ等が用いられる。
【0041】
また、電源管理システム3はセンサ電源回路18及び指紋センサ入力回路19を備えている。センサ電源回路18は入力側がバッテリ2に、出力側が指紋センサ12,13に接続されている。センサ電源回路18は信号線20を介してマイコン4に接続され、マイコン4から信号線20を介して電源供給を開始する旨のセンサ作動信号Saを受信すると、バッテリ2の電力を指紋センサ12,13に供給する。
【0042】
指紋センサ入力回路19は入力側が指紋センサ12,13に、出力側がマイコン4に接続されている。指紋センサ12,13は起動時において指がセンサ面12a,13a(図3参照)に触れると、指紋の読み取りを開始してその指紋データDa1,Da2を出力する。マイコン4は指紋センサ入力回路19を介して指紋データDa1,Da2を入力し、EEPROM11の指紋データDb1,Db2と比較する。マイコン4はその比較結果に基づきACCリレー5及びIGリレー6のリレー状態を制御する。
【0043】
電源管理システム3は乗員検知入力回路21、ドアSW入力回路22及びホーン駆動回路23を備えている。乗員検知センサ24は運転者の有無を検知するために車載されたセンサであり、例えば赤外線センサや超音波センサ、座席に埋め込まれた荷重センサ等が用いられる。マイコン4は乗員検知センサ24から出力される検知信号を乗員検知入力回路21を介し、運転席における運転者の有無を判断する。なお、乗員検知入力回路21及び乗員検知センサ24が乗員検知手段を構成する。
【0044】
ドアSW入力回路22が入力側が車載されたドアSW25に、出力側がマイコン4に接続されている。ドアSW25はドア(図示省略)の開閉を検出するスイッチであり、例えばドア開時にオンしドア閉時にオフする。マイコン4はドアSW25のオンオフ状態に応じた検出信号をドアSW入力回路22から入力し、ドアの開閉状態を判断する。また、マイコン4はホーン駆動回路23を介して車載されたホーン26を駆動制御する。なお、ドアSW入力回路22及びドアSW25がドア開閉検出手段を構成する。
【0045】
IGリレー6の出力側には、車載された自動変速機27のATコンピュータ28が接続されている。ATコンピュータ28は自動変速機27のギヤ変換を行うもので、マイコン4によるIGリレー6のリレー状態に基づき供給されるIG電源に基づいて動作して自動変速機27を制御する。即ち、ATコンピュータ28はIGリレー6がオンであれば図示しないシフトレバーの操作位置に応じて自動変速機27の作動を許可する。一方、ATコンピュータ28はIGリレー6がオフであればIG電源が供給されないため動作しない。従って、自動変速機27のギア状態は変更されない。
【0046】
電源管理システム3はマイコン4とATコンピュータ28とを接続する通信回路29を備えている。マイコン4は通信回路29を介して相互通信が可能である電源管理システム3とATコンピュータ28は、相互通信により互いの存在を確認する。また、ATコンピュータ28にはマイコン4側と機能的に同じであるホーン30が接続されている。
【0047】
電源管理システム3はマイコン4とATコンピュータ28との間にIG電源モニタ回路31を備えている。マイコン4はIG電源モニタ回路31を介してIG電源をモニタし、ATコンピュータ28がバッテリ2に直結されているか否かを判断する。例えば、マイコン4はIGリレー6をオンしていないにも拘らずIG電源の供給がある(指紋照合が不一致にも拘らずIG電源が供給されている)と判断したとき、ATコンピュータ28に自動変速機27の作動を許可しない。例えば、マイコン4は所定の制限信号Rを出力し、ATコンピュータ28はその制限信号Rに応答して自動変速機27を非作動にする。
【0048】
自動変速機27はアクチュエータとしてのモータ32、油圧回路33及び変速機34が搭載されている。本例の車両1では油圧回路33を機械的に切り換えるためのシフトケーブルがなく、モータ32によってケーブルレスで油圧回路33の回路切り換えを行うシフトバイワイヤ形式の自動変速機27を用いている。自動変速機27は運転席の横に配置されたシフトレバー(図示省略)を操作することでギヤ変換が行われる。
【0049】
油圧回路33は変速機34のクラッチ、ブレーキを作動させる回路である。モータ32はラインプレッシャの切換を行うバルブ(図示省略)を駆動するためのものである。油圧回路33の電磁バルブ35は変速機34のクラッチ、ブレーキを制御するバルブである。ATコンピュータ28は図示しない運転席のシフトレバーの操作に応じてモータ32を駆動制御し、前進位置、停止位置(P位置)及び後進位置(R位置)の基本となる油路を切り換える。更に、ATコンピュータ28は車両の状態(発進等)において電磁バルブ35を制御して変速機34のギヤ位置の変更を行う。
【0050】
マイコン4の指紋照合プログラム実行時の動作を以下に説明すると、マイコン4はドアSW25のオンオフに基づきドアの開閉動作をトリガとして指紋識別モードとなり、センサ電源回路18を介して指紋センサ12,13を起動状態とする。そして、指紋センサ12,13によって運転者の指紋が読み取られると、マイコン4は指紋センサ入力回路19を介して指紋センサ12,13から指紋データDa1,Da2を入力し、これら2つの指紋データDa1,Da2と予めEEPROM11に記憶した指紋データDb1,Db2とを照合する。
【0051】
マイコン4は指紋照合が左右の親指の両方とも一致すればACCリレー5及びIGリレー6をオンしてACC電源及びIG電源の供給を開始する。このため、マイコン4は車両1に対して盗難を防止する特別な規制をかけず、エンジン始動を許可した状態となる。従って、車両所有者によって指紋照合がなされて指紋照合が一致すれば、キー操作やイグニッションスイッチ操作等によりスタータが作動してエンジンが始動する。なお、マイコン4は指紋照合が一致したとき、マイコン4内のフラグ用レジスタ36に指紋照合OKフラグをセットする。
【0052】
一方、マイコン4は左右の親指のどちらか一方でも指紋照合が不一致の場合、指紋照合OKフラグをクリアしたままの状態にしてIG電源の供給に規制をかける。即ち、マイコン4は指紋照合が不一致であればキー操作やイグニッションスイッチ操作がなされても、少なくともIGリレー6をオフのままにしてエンジン始動を許可しない状態にする。従って、盗難者によって指紋照合がなされてその照合結果が不一致であれば、キー操作やイグニッションスイッチ操作がなされてもスタータが作動せずエンジンが始動しない。
【0053】
また、マイコン4は左右の親指のどちらか一方でも指紋照合が不一致であれば、指紋照合NGをマイコン4内の照合NG用レジスタ37に記憶する。ここで、指紋照合が不一致と判定された後に盗難者がバッテリ2を直結することで、IG電源が供給された状態なる場合がある。このとき、マイコン4は指紋照合NGに基づき通信回路29を介して自動変速機27に制限をかける旨の制限信号RをATコンピュータ28に出力する。
【0054】
ATコンピュータ28はマイコン4からの制限信号Rに基づきモータ32を非通電にし、シフトレバーが操作されても油圧回路33を車両停止のときの状態から切り換えず、油圧回路33の油路を切り換えない。従って、指紋照合が不一致と判定された後にIG電源をバッテリ2に直結してエンジンを始動しても、自動変速機27がP位置から動かず、車両1が発進できない状態となる。
【0055】
電源管理システム3及びATコンピュータ28は定期的に相互通信を行い、互いの存在を確認し合っている。この通信形式としてはATコンピュータ28が確認信号Sbを、電源管理システム3が確認信号Scを交互に出し合って、相手が正しいか否かを判断している。そして、通信相手が取り替えられた場合や取り外された場合、電源管理システム3はホーン26を鳴らして、一方のATコンピュータ28はホーン30を鳴らして警報を報知する。
【0056】
次に、マイコン4がROM9内の指紋照合プログラムに基づきIG電源の供給を規制するときの動作を図2に示すフローチャートに従って説明する。なお、このフローチャートはマイコン4の動作中に所定サイクルで常時実行される。
【0057】
ステップ100では、IG電源が供給されているか否かを判断する。ここでは、IG電源モニタ回路31を介してIG電源供給の有無を判断し、IG電源が供給されていなければステップ101に、IG電源が供給されていればステップ109に移行する。
【0058】
ステップ101では、フラグ用レジスタ36の指紋照合OKフラグをクリアする。
ステップ102では、ドアSW25のオンオフに基づきドアが開閉されたか否かを判断する。ここで、例えばドアが開閉されればステップ103に、ドアが閉じたままであればステップ100に戻る。
【0059】
ステップ103では、センサ電源回路18を介して指紋センサ12,13を通電し、指紋センサ13を起動状態にする。
ステップ104では、指紋照合が一致するか否かを判断する。即ち、2つの指紋センサ12,13から各々入力した指紋データDa1,Da2と予めEEPROM11に記憶された指紋データDb1,Db2とが比較され、その指紋照合が一致するか否かが判断される。そして、両方の指の指紋照合が一致すればステップ105に、両方のうち少なくとも一方で指紋照合が不一致であればステップ108に移行する。
【0060】
ステップ105では、IG電源の供給を開始する。従って、スタータが作動可能なエンジン始動許可状態となり、キー操作やイグニッションスイッチ操作によってスタータが作動してエンジンが始動する。
【0061】
ステップ106では、指紋照合OKフラグをフラグ用レジスタ36にセットする。
ステップ107では、センサ電源回路18を介して指紋センサ13を非通電とし、これに伴って指紋センサ13が非作動状態となる。
【0062】
ステップ108では、指紋照合NGを照合NG用レジスタ37に記憶する。即ち、ステップ104で指紋照合が不一致と判断された後に、ステップ108で指紋照合NGが照合NG用レジスタ37に記憶され、その記憶処理後にはステップ107に移行して指紋センサ13が非通電状態となる。
【0063】
ステップ109では、指紋照合NGが照合NG用レジスタ37に記憶されているか否かを判断する。即ち、ステップ100でIG電源の供給が開始されていると判断された後に、ステップ109で指紋照合NGが照合NG用レジスタ37に記憶されているか否かが判断され、指紋照合NGが記憶されていればステップ110に、記憶されていなければステップ111に移行する。
【0064】
ステップ110では、モータ32を非通電にして車両停止時の状態から油圧回路33を切り換えずP位置に固定する。従って、IG電源の供給が開始されていることからスタータが回されればエンジンが始動するものの、油圧回路33がP位置に固定されることによってシフト位置がD位置又はR位置にシフトできず車両1を動かせない。
【0065】
ステップ111では、指紋照合OKフラグがフラグ用レジスタ36にセットされているか否かを判断する。指紋照合OKフラグがセットされていなければステップ110に移行してモータ32を非通電にし、指紋照合OKフラグがセットされていればステップ112に移行する。
【0066】
ステップ112では、乗員検知センサ24からの検出信号に基づき運転席に乗員がいるか否かを判断する。ここで、乗員がいればステップ100に戻り、乗員がいなければステップ113に移行する。
【0067】
ステップ113では、ドアSW25のオンオフに基づきドアが閉状態が否かを判断する。ここで、ドアが閉状態でなければステップ100に戻り、ドアが閉状態であればステップ114に移行する。
【0068】
ステップ114では、IGリレー6をオフ状態にしてIG電源を遮断する。従って、エンジン始動が不許可となり、エンジンが始動しない状態となる。
次に、前記のように構成された車両盗難防止システムの作用を説明する。
【0069】
まず、車両1のドアが開閉されると、これをトリガとしてマイコン4が指紋センサ12,13を通電状態にして指紋認識モードとなる。そして、乗込者が左右の親指で指紋センサ12,13に触れてマイコン4が指紋データDa1,Da2を入力すると指紋照合が開始され、左右両方の親指の指紋データDa1,Da2と、EEPROM11に記憶された指紋データDb1,Db2との指紋照合が実施される。
【0070】
そして、指紋照合が両方とも一致すれば乗込者が車両所有者と判断され、IG電源の供給が開始されてエンジン始動が許可された状態となり、ON位置へのキー操作やイグニッションスイッチ操作によってエンジンが始動される。このとき、ATコンピュータ28にもIG電源が供給され、エンジン始動後にシフトレバーの操作がなされれば、そのレバー操作に応じてATコンピュータ28によりモータ32や油圧回路33が制御される。
【0071】
一方、指紋センサ12,13のうち少なくとも一方の指紋照合が不一致であれば乗込者が盗難者であると判断され、IG電源の供給が開始されず、指紋照合NGが照合NG用レジスタ37に記憶される。従って、指紋照合が不一致のときにはIG電源の供給が開始されないので、ON位置へのキー操作やイグニッションスイッチ操作を行ってもスタータが作動せずエンジンが始動せず、ATコンピュータ28も作動しない。このため、盗難者によるエンジン始動が行われず、車両1の盗難防止が図れる。
【0072】
ところで、個人認証の一般的な方法はIDコードやパスワード等を利用する方法であるが、この方法では基本的に個人が記憶する情報、或いは予め決められた範囲の中での数字パターンをIDコードやパスワードとして用いることから、これら情報を他人に移転することが比較的容易である。また、これら情報は通信傍受によるコード解析などによって入手することも可能であり、必ずしも高いセキュリティを有する方法ではない。
【0073】
しかし、本例のような指紋センサ12,13を用いた個人認証は個人特有の身体情報を用いて認証を行う構成であるので、指紋を盗んで照合結果を一致させることは非常に難しく、高いセキュリティを有する個人認証方法といえる。従って、本例では個人認証の方法として個人特有の身体情報である指紋を用い、指紋照合が一致すればIG電源の供給を開始し、指紋照合が不一致であればIG電源の供給を開始しない構成としている。このため、各個人をほぼ正確に認識することが可能であり、車両盗難防止効果の向上が図れる。
【0074】
また、指紋照合が不一致と判断された後に、盗難者がバッテリ2を直結してIG電源を供給することでエンジンを不正に始動させる場合もある。しかし、指紋照合が不一致と判断された時点で指紋照合NGが照合NG用レジスタ37に記憶され、IG電源が供給されても指紋照合NGに基づき自動変速機27のモータ32が非通電にされ、油圧回路33が切り換えられずP位置に固定される。従って、指紋照合が不一致と判断された後にバッテリ2の直結によりIG電源を供給してエンジンを始動させても車両1が動かせず、このような条件下であっても車両盗難の防止が図れる。
【0075】
マイコン4は指紋照合が一致してIG電源の供給が開始された後に、乗員検知センサ24からの検出信号とドアSW25のオンオフとに基づき、電源供給状態のIG電源を遮断するか否か判断している。そして、指紋照合が一致してIG電源の供給が開始された後に、車両所有者が車両1から降りてドアが閉められるとIG電源が遮断される。従って、車両所有者が車両1から降りた場合にはIG電源が直ぐに遮断されるので、無駄な電力を消費せずに済む。
【0076】
また、指紋照合を行わずにバッテリ2の直結によってIG電源を供給して車両盗難が行われる場合もある。このとき、指紋照合OKフラグがフラグ用レジスタ36にセットされておらず、これによってモータ32が非通電のままの状態に維持され、油圧回路33が切り換えられずP位置に固定される。従って、指紋照合を行わずバッテリ2を直結することでIG電源を供給して車両1を盗難しようとしても、自動変速機27の作動が許可されない。このため、指紋照合を行わずバッテリ2を直結しても、車両1を動かせず車両盗難の防止が図れる。
【0077】
従って、この実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)個人認証の方法として個人特有の身体情報である指紋を用い、指紋照合が一致すればIG電源の供給を開始し、指紋照合が不一致であればIG電源の供給を開始しない構成としている。このため、指紋センサ13を用いることによって各個人をほぼ正確に認識することが可能であり、車両盗難防止効果を向上することができる。
【0078】
(2)指紋照合が不一致と判断された後にバッテリ2を直結してIG電源を供給状態にしてエンジンを始動させた場合には、自動変速機27のモータ32が非通電になって油圧回路33が切り換えられずP位置に固定される。従って、指紋照合不一致後にバッテリ2を直結してIG電源を供給してエンジンを作動させても車両1が動かせず、車両盗難の防止が図れる。
【0079】
(3)ドアが開閉されたときに指紋センサ12,13が起動するので、その前段階では指紋センサ12,13が待機状態となり、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0080】
(4)指紋センサ12,13を左右の手の親指用にそれぞれ設け、これら指紋センサ12,13から採取される指紋データが両方一致したときにIG電源が供給される。従って、左右両方の親指の指紋を用いるので、より一層正しく個人認証を行うことができ、車両盗難の防止効果を一層高めることができる。
【0081】
(5)指紋センサ12,13は運転者はハンドル14を握った握り状態のとき、その親指が位置する部位に配置されているので、ハンドル14を握ると同時に指紋照合も行え、指紋照合を行うときの動作が面倒にならない。
【0082】
(6)指紋照合を行わずバッテリ2を直結することでIG電源を供給して車両1を盗難しようとしても、自動変速機27のモータ32が非通電状態になって油圧回路33が切り換えられず、油圧回路33がP位置に固定されてD位置やR位置に動かなくなる。従って、指紋照合を行わずバッテリ2を直結した場合、エンジンが始動するものの車両1を動かせず、車両盗難の防止が図れる。
【0083】
(7)車両所有者が車両1に乗り込み、指紋照合が一致してIG電源の供給が開始された後に車両1から降りてドアが閉められるとIG電源が遮断される。従って、車両所有者が車両1から降りた場合にはIG電源が直ぐに遮断されるので、無駄な電力を消費せずに済む。
【0084】
(8)電源管理システム3及びATコンピュータ28は相互通信を行って互いの存在を確認し合い、一方が取り外されて存在が確認できなくなった場合、他方がホーン26(30)を鳴らして警告が報知される。従って、車両盗難を目的として電源管理システム3やATコンピュータ28が取り外されても、その旨を周りに知らせることができ、車両盗難の防止効果を向上できる。
【0085】
なお、実施形態は前記に限定されず、例えば次の態様に変更してもよい。
・ 指紋照合が不一致の後にバッテリ2の直結等によってIG電源が供給されたとき、車両1の動作を制限する処理としては油圧回路33の切り換えを行わずP位置に固定することに限定されない。例えば図4に示すように、シフトレバーがP位置のとき、ブレーキペダル40を踏まなければシフトレバーがP位置から動かないシフトロック41を備えた場合、そのシフトロック41を解除しない構成でもよい。
【0086】
・ 指紋照合が不一致の後のIG電源供給時に、車両1の動作を制限する処理としては油圧回路33のP位置固定や、シフトロック41の非解除に限定されない。例えば図5に示すように、EHB(電気油圧式ブレーキシステム)やEMB(電磁力式ブレーキシステム)等の電気を用いて車輪45にブレーキ圧を発生させるブレーキ装置46を設ける。そして、指紋照合が不一致の後にバッテリ2の直結等によってIG電源が供給されたとき、ブレーキECU47によって全輪にブレーキを付与する構成でもよい。なお、ブレーキ装置46及びブレーキECU47がブレーキ機構を構成する。
【0087】
・ 指紋照合が不一致の後のIG電源供給時に、車両1の動作を制限する処理としては、エンジンの始動禁止、エンジンへの燃料の供給禁止、ヘッドライトの点滅、ウィンカーの点滅、車内灯の点滅、ホーン26,30による警報の発鳴、車外の基地局への盗難の通達等を採用してもよい。
【0088】
・ ハンドル14のスポーク部17の形状(本数)は、ハンドル軸16を挟んだ両側に2つずつ配置された構成に限定されない。例えば図6(a)に示すように、ハンドル軸16を挟んだ左右方向の両側に1本ずつスポーク部17cを配置し、上下方向の下側にスポーク部17dを1本配置する。そして、スポーク部17cに指紋センサ12,13を、スポーク部17dにホーン26,30を配置した構成でもよい。また、図6(b)に示すようにスポーク部17cに指紋センサ12,13及びホーン26,30を配置した構成でもよい。
【0089】
・ 指紋センサ12,13の位置はハンドル14のスポーク部17に限定されない。例えば、ハンドルのステアリング部15や車内のインストルメントパネル等に配置してもよく、その配置箇所は車内であれば特に限定されない。
【0090】
・ 身体情報は指紋に限らず、例えば掌紋、声紋、網膜パターン、筆跡、キータイプの際の癖を用いてもよい。
・ シフトバイワイヤ形式の自動変速機27を使用する場合、シフトレバーによってシフト位置を変換する構成に限らず、例えばハンドル14にシフト切換スイッチを設けて、そのスイッチ操作によってシフト位置を切り換える構成としてもよい。この場合、ハンドル14のステアリング操作とシフト切り換え操作とが同時に行える。
【0091】
・ 指紋照合が不一致と判断された時点での処理はIG電源の供給を開始しない構成に限定されない。例えば、指紋照合不一致と判断された時点でエンジンの始動禁止、エンジンへの燃料の供給禁止、ヘッドライトの点滅、ウィンカーの点滅、車内灯の点滅、ホーン26,30による警報の発鳴、車外の基地局への盗難の通達等を実施してもよい。
【0092】
・ 指紋照合が一致した場合はIG電源の供給を開始する構成に限らず、例えばACCリレー5をオンしてACC電源の供給を開始する構成や、スタータの接点をオン状態にする構成としてもよい。
【0093】
・ 指紋照合が一致した場合はIG電源の供給を開始することに限らず、IG電源の供給を許可する構成としてもよい。この場合、指紋照合が一致すればキー操作によってキーがIG位置に位置したとき、IGリレー6がオン状態となってIG電源の供給が開始される構成となる。
【0094】
・ 指紋センサ12,13の起動が開始されるトリガはドアの開閉を検知するドアSW25のオンオフに限定されない。例えば、ドアノブに感圧センサを設置し、そのセンサが人体を検知したときに指紋センサ12,13が起動する構成としてもよい。
【0095】
・ キーから無線通信を介して車両に発信されるIDコードと、車両1に登録されたIDコードとを比較し、これらIDコードが一致した場合に車両1のドアロック解錠(エンジン始動)を行うキーレスエントリーシステム(スマートキーシステム)を設ける。そして、このID照合のときにキーレスエントリーシステムから出力されるID照合一致信号やドアロック解錠信号に基づき指紋センサ12,13を起動させてもよい。
【0096】
・ 指紋照合の一致は指紋センサ12,13の指紋データDa1,Da2が、両方とも一致することを条件としない。例えば、左右の指紋センサ12,13のうちどちらか一方が一致すれば、IG電源の供給を開始する構成としてもよい。この場合、左右の親指のうち一方を怪我した場合でも指紋照合で照合一致が得られ、指先に怪我を負った場合でも対応が図れる。
【0097】
・ 第2制御手段はATコンピュータに限らず、例えば図5に示すブレーキECU、エンジンを制御するエンジンECU、エアバックを制御するエアバックECU、スマートキーシステムを制御するスマートECU、イモビライザーを制御するイモビECU等でもよい。
【0098】
・ アクチュエータはモータ32に限らず、例えばシリンダでもよい。
・ 電源管理システム3とATコンピュータ28とが相互通信により互いの存在を確認し合う場合、相手の存在が確認できないときに実施される処理はホーン26(30)による報知に限定されない。例えば、油圧回路33のP位置固定、シフトロック解除の禁止、車輪へのブレーキ力付与でもよい。
【0099】
・ ACCリレー5及びIGリレー6はコイル部5a,6a及びスイッチ部5b,6bからなるメカリレーに限らず、トランジスタを用いた半導体リレーでもよい。
【0100】
・ 車両1は自動車に限らず、産業車両等の各種車両を採用してもよい。
前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(1)請求項1〜12において、前記認識手段は前記車両に配置された感圧検知手段からの検知信号に基づき、前記身体情報の認識を開始する。
【0101】
(2)請求項1〜12において、前記車両はキーから無線通信を介して車両に発信されるIDコードと、前記車両に登録されたIDコードとを比較し、これらIDコードが一致した場合に前記車両のドアロック解錠及びエンジン始動の許可のうち少なくとも一方を実行するキーレスエントリーシステムを備えた構成であって、前記認識手段は2つのIDコードが一致したときに前記キーレスエントリーシステムが出力する照合一致信号に基づき電源が供給されて、前記身体情報の認識が可能な状態となる。
【0102】
(3)請求項1〜12において、前記車両はキーから無線通信を介して車両に発信されるIDコードと、前記車両に登録されたIDコードとを比較し、これらIDコードが一致した場合に前記車両のドアロック解錠及びエンジン始動の許可のうち少なくとも一方を実行するキーレスエントリーシステムを備えた構成であって、前記認識手段は2つのIDコードが一致したときに前記キーレスエントリーシステムがドアロック解錠を許可する旨の信号として出力するドアロック解錠信号に基づき電源が供給されて、前記身体情報の認識が可能な状態となる。
【0103】
(4)請求項10において、前記車両はオートマチック車であり、その自動変速機は変速機のギヤ位置を切り換えるための油圧回路がアクチュエータによって非接触で行えあれるリンクレス構造であって、前記第2制限手段は前記車両動作を制限する処理として、前記自動変速機の前記油圧回路を停止位置のままの状態で維持する。
【0104】
(5)請求項10において、前記車両はオートマチック車であり、シフト位置が停止位置の場合にブレーキペダルを踏まなければシフト操作ができないように作動するシフトロックを有する構成であって、前記第2制限手段は前記車両動作を制限する処理として、前記シフトロックをロック状態に維持して前記シフト位置を停止位置のままとする。
【0105】
(6)請求項10において、前記車両のブレーキ機構は電気力を用いてブレーキ圧を発生させて車輪にブレーキ力を付与する構成であって、前記制限手段は前記車両動作を制限する処理として、前記ブレーキ機構によって前記車輪にブレーキ力が付与された状態を維持する。
【0106】
(7)請求項12において、警報を報知可能な報知手段を備え、前記第2制御手段との間で互いに確認信号を出力し合うことで互いの存在を確認し、前記確認信号に基づき前記第2制御手段との間で一方が他方を正規の通信相手ではないと判断したとき、その判断した側が前記報知手段によってその旨を報知させる。
【0107】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、車両の走行許可に対する判断に身体情報を用いるので、車両盗難を生じ難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の車両の内部構成を電気的に示すブロック図。
【図2】IG電源の供給を規制するときに処理されるフローチャート。
【図3】ハンドルの平面図。
【図4】別例の車両の内部構成を電気的に示すブロック図。
【図5】他の別例の車両の内部構成を電気的に示すブロック図。
【図6】(a),(b)は他の別例のハンドルの平面図。
【符号の説明】
1…車両、4…照合手段、制御手段、判断手段、制限手段及び第2制限手段を構成するマイコン、11…記憶手段としてのEEPROM、12,13…認識手段としての指紋センサ、14…ハンドル、21…乗員検知手段を構成する乗員検知入力回路、22…ドア開閉手段を構成するドアSW入力回路、25…ドア開閉検出手段を構成するドアSW、24…乗員検知手段を構成する乗員検知センサ、27…車載機器としての自動変速機、28…第2制御手段としてのATコンピュータ、32…アクチュエータとしてのモータ、33…油圧回路、34…変速機、40…ブレーキペダル、41…シフトロック、45…車輪、46…ブレーキ機構を構成するブレーキ装置、47…ブレーキ機構を構成するブレーキECU、Da1,Da2,Db1,Db2…身体情報としての指紋データ、Sb,Sc…確認信号。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両盗難を防止するための車両盗難防止システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両盗難を防止するために種々の技術が開発され、この種の車両盗難防止システムとして車両のドアロック解錠を指紋識別によって行う技術が提案されている。その指紋識別を用いた車両盗難防止システムでは車両のドア等に指紋認識装置を設け、ドア操作を行う際に操作者の指紋を指紋認識装置によって読み取り、予め登録された指紋と一致した場合にドアロック解錠を許可している。
【0003】
指紋識別を用いた車両盗難防止システムの一例が特許文献1に開示されている。特許文献1では車両に指紋認識装置、車載コンピュータ、CCDカメラ及び携帯送信機を設け、乗込者がドアロック解除を行うときには指紋認識装置が乗込者の指等の指紋を読み取る。そして、車載コンピュータがその読取信号(検出信号)を取り込み、予め登録された指紋と一致したと判断すればドアロック解錠を許可する。
【0004】
一方、指紋認識によるドアロック解錠ができず、例えば車両キーやキーレスエントリーシステムによってドアロック解錠が行われたとする。このとき、車載コンピュータは所定時間の間、CCDカメラにより乗込者の撮影を行い、形態送信機を介して画像データをネットワークに転送する。この画像データは車両管理者側の携帯電話機を介してモバイルコンピュータに転送されて画像表示される。従って、この画像を見ることで車両管理者が乗込者を確認でき、車両盗難防止に効果がある。
【0005】
また、キーIDを用いてID照合を行って照合結果が正しければエンジン始動を許可する一例が特許文献2に開示されている。特許文献2に示す建設作業用の車両はカードホルダー、暗証番号入力機器、メイン基板、主作動コントロールリレー群等を備えている。この車両にエンジンをかけるとき、まずネームカードをカードホルダーに取り付けてネームカードのIDコードが読み取られ、そのIDコードに応じた格納暗証番号がメイン基板によって取り出される。
【0006】
次いで操作者が暗証番号入力機器に固有の暗証番号を入力し、メイン基板が暗証番号と格納暗証番号とを比較する。メイン基板はこれら番号が一致すれば主作動コントロールリレー群をオンし、走行モータ等の走行駆動機器、及びエンジンカットソレノイドやスタータモータ等の車両搭載機器への電源供給を行う。従って、盗難者が車両を盗難しようとしてもネームカードを所有して暗証番号を知っていなければエンジンを始動できず、車両盗難防止に効果がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−65212号(第3−7頁、第3図)
【特許文献2】
特開2000−38113号(第3−6頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1は不正に車両に乗り込んだ乗込者をCCDカメラで撮影し、その画像データを車両管理者に送信するシステムである。従って、車両管理者が乗込者を所有者か否か判断することは可能であるが、エンジン始動等に規制をかけるものではないので、車両が盗難されてしまう危険性が高い。また、乗込者が覆面等をしていた場合には人物の特定ができず、盗難車両が手元に戻ってくる可能性も低くなる。
【0009】
また、特許文献2は手入力した暗証番号とIDコードに基づく格納暗証番号とが一致しなければ、走行駆動機器及び車両搭載機器への電源供給を停止するシステムである。しかし、IDコードの傍受によるIDの解析コピー、暗証番号の不正入手がなされると走行駆動機器や車両搭載機器の始動が許可されるので、必ずしも車両盗難の防止効果が高いものではない。以上のことから、車両盗難の防止効果を一層高めたい要望があった。
【0010】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、車両盗難を生じ難くすることができる車両盗難防止システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明では、車両に乗り込んだ乗込者の身体情報を認識する認識手段と、前記車両の所有者が有する固有の身体情報を記憶した記憶手段と、前記認識手段により入力した前記身体情報と、前記記憶手段に予め記憶された身体情報とを比較する照合手段と、前記照合手段の照合結果により2つの前記身体情報が一致したときに、前記車両の走行を許可する制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0012】
この発明によれば、車両に乗り込んだ乗込者の身体情報が認識手段によって認識されると、その身体情報と記憶手段に記憶された身体情報とが照合手段によって比較され、これら身体情報が一致すれば制御手段によって車両の走行が許可される。ところで、身体情報を用いた個人認証は複製や傍受等による盗難がし難い。従って、身体情報による個人認証に基づき車両の走行が許可されるので、盗難者によって車両が動かされずに済み、車両盗難の防止効果が高くなる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記制御手段は前記車両の走行許可として、前記車両を動かすために必要なイグニッション電源の供給を開始又は許可することを要旨とする。
【0014】
この発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、2つの身体情報が一致すれば制御手段によってイグニッション電源の供給が開始又は許可される。従って、身体情報による個人認証に基づきイグニッション電源の供給を開始又は許可するので、盗難者によってエンジンがかけられてしまう虞が生じ難くなり、車両盗難の防止効果が高くなる。
【0015】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記認識手段は前記車両のドア開閉を検出するドア開閉検出手段の検出信号に基づき電源が供給されて、前記身体情報の認識が可能な状態となることを要旨とする。
【0016】
この発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、ドア開閉検出手段からドア開状態を示す検出信号を入力したとき、認識手段が起動して身体情報を認識可能な状態となる。従って、認識手段はドア閉状態のとき電源が供給されない待機状態となり、無駄な電力消費が抑えられる。
【0017】
請求項4に記載の発明では、請求項2又は3に記載の発明において、イグニッション電源が前記車両に供給された状態か否かを判断する判断手段と、前記照合手段の照合結果に基づき2つの前記身体情報が不一致であり、且つ前記判断手段の判断結果に基づきイグニッション電源が供給状態のときに車両動作を制限する制限手段とを備えたことを要旨とする。
【0018】
この発明によれば、請求項2又は3に記載の発明の作用に加え、身体情報の照合が不一致と判断された後に、バッテリを直結することでイグニッション電源が供給されても、この条件下では制限手段によって車両動作が制限されるので、車両盗難の防止効果が一層高くなる。
【0019】
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記車両はオートマチック車であり、その自動変速機は変速機のギヤ位置を切り換えるための油圧回路がアクチュエータによって非接触で行えあれるリンクレス構造であって、前記制限手段は前記車両動作を制限する処理として、前記自動変速機の前記油圧回路を停止位置のままの状態で維持することを要旨とする。
【0020】
この発明によれば、請求項4に記載の発明の作用に加え、身体情報の照合が不一致と判断された後に、バッテリを直結することでイグニッション電源が供給されても、この条件下では制限手段によって自動変速機の油圧回路が停止位置のままの状態で維持される。従って、エンジンが始動するものの車両が動かせないことから、車両盗難の防止効果が一層高くなる。
【0021】
請求項6に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記車両はオートマチック車であり、シフト位置が停止位置の場合にブレーキペダルを踏まなければシフト操作ができないように作動するシフトロックを有する構成であって、前記制限手段は前記車両動作を制限する処理として、前記シフトロックをロック状態に維持して前記シフト位置を停止位置のままとすることを要旨とする。
【0022】
この発明によれば、請求項4に記載の発明の作用に加え、身体情報の照合が不一致と判断された後に、バッテリを直結することでイグニッション電源が供給されても、この条件下では制限手段によってシフトロックがロック状態に維持される。従って、エンジンが始動するもののシフト操作ができず、車両盗難の防止効果が一層高くなる。
【0023】
請求項7に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記車両のブレーキ機構は電気力を用いてブレーキ圧を発生させて車輪にブレーキ力を付与する構成であって、前記制限手段は前記車両動作を制限する処理として、前記ブレーキ機構によって前記車輪にブレーキ力が付与された状態を維持することを要旨とする。
【0024】
この発明によれば、請求項4に記載の発明の作用に加え、身体情報の照合が不一致と判断された後に、バッテリを直結することでイグニッション電源が供給されても、この条件下では制限手段によってブレーキ機構が作動して車輪にブレーキ力が付与される。従って、エンジンが始動するものの車輪にブレーキが付与されて車両が動かせないことから、車両盗難の防止効果が一層高くなる。
【0025】
請求項8に記載の発明では、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の発明において、前記認識手段は指の指紋を採取して指紋データを出力する指紋センサであり、前記指紋センサは乗込者が前記車両のハンドルを両手で握ったときに、左右の手の指で指紋を各々採取可能となるように2つ配置された構成であって、前記照合手段は2つの前記指紋センサの指紋データと予め前記記憶手段に記憶された指紋データとを比較し、前記制御手段は前記照合手段の照合結果に基づき、前記指紋データが両手とも一致したときに前記車両の走行を許可することを要旨とする。
【0026】
この発明によれば、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、左右の手の指で指紋を各々採取可能となるように指紋センサが2つ配置され、これら指紋センサから採取された指紋が両方一致したときに車両の走行が許可される。従って、左右両方の手の指の指紋を用いるので、より一層正しく個人認証が行え、これに伴って車両盗難の防止効果も一層高まる。
【0027】
請求項9に記載の発明では、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の発明において、前記認識手段は指の指紋を採取して指紋データを出力する指紋センサであり、前記指紋センサは乗込者が前記車両のハンドルを両手で握ったときに、左右の手の指で指紋を各々採取可能となるように2つ配置された構成であって、前記照合手段は2つの前記指紋センサの指紋データと予め前記記憶手段に記憶された指紋データとを比較し、前記制御手段は前記照合手段の照合結果に基づき、両手のうちいずれか一方の手の指の指紋データが一致すれば前記車両の走行を許可することを要旨とする。
【0028】
この発明によれば、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、左右の手の指で指紋を各々採取可能となるように指紋センサが2つ配置され、これら指紋センサから採取された指紋のうち一方が一致したときに車両の走行が許可される。従って、左右の親指のうち一方を怪我した場合でも指紋照合で照合一致が得られ、指先に怪我を負った場合でも対応が図れる。
【0029】
請求項10に記載の発明では、請求項2〜9のうちいずれか一項に記載の発明において、イグニッション電源が前記車両に供給された状態か否かを判断する判断手段と、前記照合手段による前記身体情報の照合が実施されず、前記判断手段の判断結果に基づきイグニッション電源が供給状態のときに車両動作を制限する第2制限手段とを備えたことを要旨とする。
【0030】
この発明によれば、請求項2〜9のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、身体情報による個人認証を行わずバッテリを直結することでイグニッション電源を供給して車両を盗難する場合があるが、この場合には第2制限手段によって車両動作が規制される。従って、個人認証を行わずバッテリ直結によってイグニッション電源を供給して車両のエンジンを作動させても、車両動作が規制されることから、車両盗難の防止効果が一層高くなる。
【0031】
請求項11に記載の発明では、請求項2〜10のうちいずれか一項に記載の発明において、前記車両に乗員が存在するか否かを検知する乗員検知手段と、前記車両のドア開閉を検出するドア開閉検出手段とを備え、前記制御手段は2つの前記身体情報が一致してイグニッション電源の供給を開始又は許可した後に、前記乗員検知手段の検知信号に基づき車内に乗員が存在せず、かつ前記ドア開閉検出手段の検出信号に基づきドアが閉じられたと判断されたとき、イグニッション電源の供給を遮断することを要旨とする。
【0032】
この発明によれば、請求項2〜10のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、身体情報による個人認証の照合結果が一致してイグニッション電源の供給が開始された後、車内に乗員が存在せず、かつドアが閉じられた場合にはイグニッション電源の供給が遮断される。従って、車両所有者が車両に乗り込んでイグニッション電源が供給された状態となっても、車両から降りれば直ぐにイグニッション電源が遮断されるので、無駄な電力を消費せずに済む。
【0033】
請求項12に記載の発明では、請求項1〜11のうちいずれか一項に記載の発明において、所定の車載機器を制御する第2制御手段と相互通信可能であり、前記第2制御手段との間で互いに確認信号を出力し合うことで互いの存在を確認し、前記確認信号に基づき前記第2制御手段との間で一方が他方を正規の通信相手ではないと判断したとき、その判断した側が車両動作を制限することを要旨とする。
【0034】
この発明によれば、請求項1〜11のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、車両盗難防止システムと第2制御手段とは通信によって互いの存在を確認し合い、相手がいないと判断したきにはその判断した側が車両動作を制限する。従って、車両盗難を目的として例えば車両盗難防止システム及び第2制御手段のうち一方が外されても他方が車両動作を制限するので、車両盗難が発生し難くなる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した車両盗難防止システムの一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
【0036】
図1は、車両1の内部構成を電気的に示すブロック図である。車両1はバッテリ2の電源を車載機器に供給するか否かを制御する電源管理システム3を備えている。電源管理システム3はマイコン4、ACCリレー5、IGリレー6を備え、ACCリレー5及びIGリレー6のコイル部5a,6aがマイコン4に、スイッチ部5b,6bがバッテリ2の+端子に接続されている。なお、マイコン4が照合手段、制御手段、判断手段、制限手段及び第2制限手段を構成する。
【0037】
マイコン4はACCリレー5及びIGリレー6のリレー状態を制御し、コイル部5a,6aを励磁することでスイッチ部5b,6bの接点を接触状態にして各リレー5,6をオンする。ACCリレー5がオン状態では車載されたラジオ7に電源が供給される。また、IGリレー6がオン状態でIGスイッチ(エンジンスタートスイッチ)が押されると、供給されるIG電源(イグニッション電源)によるエンジンが始動した状態となる。
【0038】
マイコン4はCPU8、ROM9、RAM10、記憶手段としてのEEPROM11のデバイスからなり、電源管理システム3のメイン制御を司る。ROM9には指紋照合によって車両盗難を防止するための指紋照合プログラムが記憶されている。CPU8は電源投入時に指紋照合プログラムを常時実行し、指紋照合を行って車両1の盗難防止を図っている。また、EEPROM11には車両所有者の左右それぞれの手の指(例えば親指)の指紋データDb1,Db2が記憶されている。
【0039】
車両1には運転者の指紋を採取する2つの指紋センサ12,13が配設されている。図3に示すようにハンドル14はステアリング部15とハンドル軸16とを連結する複数のスポーク部17を備えている。スポーク部17はハンドル軸16の両側に2つずつ設けられ、これら2つは同図の上下方向に並んで配置されている。指紋センサ12,13はこれら上下方向に並んだ2つのスポーク部17a,17bのうち上側のスポーク部17aに各々配置されている。
【0040】
指紋センサ12,13はハンドル軸16を挟んだ両側のスポーク部17に各々設けられることで左右両側に配置されている。指紋センサ12,13はステアリング部15を握った握り状態のとき、左右それぞれの指(例えば親指)が位置する部位に配置されている。指紋センサ12,13は運転者の左右の指紋を各々読み取り、その指紋データDa1,Da2を出力するセンサであり、例えば光学式、感圧式、半導体静電容量タイプ等が用いられる。
【0041】
また、電源管理システム3はセンサ電源回路18及び指紋センサ入力回路19を備えている。センサ電源回路18は入力側がバッテリ2に、出力側が指紋センサ12,13に接続されている。センサ電源回路18は信号線20を介してマイコン4に接続され、マイコン4から信号線20を介して電源供給を開始する旨のセンサ作動信号Saを受信すると、バッテリ2の電力を指紋センサ12,13に供給する。
【0042】
指紋センサ入力回路19は入力側が指紋センサ12,13に、出力側がマイコン4に接続されている。指紋センサ12,13は起動時において指がセンサ面12a,13a(図3参照)に触れると、指紋の読み取りを開始してその指紋データDa1,Da2を出力する。マイコン4は指紋センサ入力回路19を介して指紋データDa1,Da2を入力し、EEPROM11の指紋データDb1,Db2と比較する。マイコン4はその比較結果に基づきACCリレー5及びIGリレー6のリレー状態を制御する。
【0043】
電源管理システム3は乗員検知入力回路21、ドアSW入力回路22及びホーン駆動回路23を備えている。乗員検知センサ24は運転者の有無を検知するために車載されたセンサであり、例えば赤外線センサや超音波センサ、座席に埋め込まれた荷重センサ等が用いられる。マイコン4は乗員検知センサ24から出力される検知信号を乗員検知入力回路21を介し、運転席における運転者の有無を判断する。なお、乗員検知入力回路21及び乗員検知センサ24が乗員検知手段を構成する。
【0044】
ドアSW入力回路22が入力側が車載されたドアSW25に、出力側がマイコン4に接続されている。ドアSW25はドア(図示省略)の開閉を検出するスイッチであり、例えばドア開時にオンしドア閉時にオフする。マイコン4はドアSW25のオンオフ状態に応じた検出信号をドアSW入力回路22から入力し、ドアの開閉状態を判断する。また、マイコン4はホーン駆動回路23を介して車載されたホーン26を駆動制御する。なお、ドアSW入力回路22及びドアSW25がドア開閉検出手段を構成する。
【0045】
IGリレー6の出力側には、車載された自動変速機27のATコンピュータ28が接続されている。ATコンピュータ28は自動変速機27のギヤ変換を行うもので、マイコン4によるIGリレー6のリレー状態に基づき供給されるIG電源に基づいて動作して自動変速機27を制御する。即ち、ATコンピュータ28はIGリレー6がオンであれば図示しないシフトレバーの操作位置に応じて自動変速機27の作動を許可する。一方、ATコンピュータ28はIGリレー6がオフであればIG電源が供給されないため動作しない。従って、自動変速機27のギア状態は変更されない。
【0046】
電源管理システム3はマイコン4とATコンピュータ28とを接続する通信回路29を備えている。マイコン4は通信回路29を介して相互通信が可能である電源管理システム3とATコンピュータ28は、相互通信により互いの存在を確認する。また、ATコンピュータ28にはマイコン4側と機能的に同じであるホーン30が接続されている。
【0047】
電源管理システム3はマイコン4とATコンピュータ28との間にIG電源モニタ回路31を備えている。マイコン4はIG電源モニタ回路31を介してIG電源をモニタし、ATコンピュータ28がバッテリ2に直結されているか否かを判断する。例えば、マイコン4はIGリレー6をオンしていないにも拘らずIG電源の供給がある(指紋照合が不一致にも拘らずIG電源が供給されている)と判断したとき、ATコンピュータ28に自動変速機27の作動を許可しない。例えば、マイコン4は所定の制限信号Rを出力し、ATコンピュータ28はその制限信号Rに応答して自動変速機27を非作動にする。
【0048】
自動変速機27はアクチュエータとしてのモータ32、油圧回路33及び変速機34が搭載されている。本例の車両1では油圧回路33を機械的に切り換えるためのシフトケーブルがなく、モータ32によってケーブルレスで油圧回路33の回路切り換えを行うシフトバイワイヤ形式の自動変速機27を用いている。自動変速機27は運転席の横に配置されたシフトレバー(図示省略)を操作することでギヤ変換が行われる。
【0049】
油圧回路33は変速機34のクラッチ、ブレーキを作動させる回路である。モータ32はラインプレッシャの切換を行うバルブ(図示省略)を駆動するためのものである。油圧回路33の電磁バルブ35は変速機34のクラッチ、ブレーキを制御するバルブである。ATコンピュータ28は図示しない運転席のシフトレバーの操作に応じてモータ32を駆動制御し、前進位置、停止位置(P位置)及び後進位置(R位置)の基本となる油路を切り換える。更に、ATコンピュータ28は車両の状態(発進等)において電磁バルブ35を制御して変速機34のギヤ位置の変更を行う。
【0050】
マイコン4の指紋照合プログラム実行時の動作を以下に説明すると、マイコン4はドアSW25のオンオフに基づきドアの開閉動作をトリガとして指紋識別モードとなり、センサ電源回路18を介して指紋センサ12,13を起動状態とする。そして、指紋センサ12,13によって運転者の指紋が読み取られると、マイコン4は指紋センサ入力回路19を介して指紋センサ12,13から指紋データDa1,Da2を入力し、これら2つの指紋データDa1,Da2と予めEEPROM11に記憶した指紋データDb1,Db2とを照合する。
【0051】
マイコン4は指紋照合が左右の親指の両方とも一致すればACCリレー5及びIGリレー6をオンしてACC電源及びIG電源の供給を開始する。このため、マイコン4は車両1に対して盗難を防止する特別な規制をかけず、エンジン始動を許可した状態となる。従って、車両所有者によって指紋照合がなされて指紋照合が一致すれば、キー操作やイグニッションスイッチ操作等によりスタータが作動してエンジンが始動する。なお、マイコン4は指紋照合が一致したとき、マイコン4内のフラグ用レジスタ36に指紋照合OKフラグをセットする。
【0052】
一方、マイコン4は左右の親指のどちらか一方でも指紋照合が不一致の場合、指紋照合OKフラグをクリアしたままの状態にしてIG電源の供給に規制をかける。即ち、マイコン4は指紋照合が不一致であればキー操作やイグニッションスイッチ操作がなされても、少なくともIGリレー6をオフのままにしてエンジン始動を許可しない状態にする。従って、盗難者によって指紋照合がなされてその照合結果が不一致であれば、キー操作やイグニッションスイッチ操作がなされてもスタータが作動せずエンジンが始動しない。
【0053】
また、マイコン4は左右の親指のどちらか一方でも指紋照合が不一致であれば、指紋照合NGをマイコン4内の照合NG用レジスタ37に記憶する。ここで、指紋照合が不一致と判定された後に盗難者がバッテリ2を直結することで、IG電源が供給された状態なる場合がある。このとき、マイコン4は指紋照合NGに基づき通信回路29を介して自動変速機27に制限をかける旨の制限信号RをATコンピュータ28に出力する。
【0054】
ATコンピュータ28はマイコン4からの制限信号Rに基づきモータ32を非通電にし、シフトレバーが操作されても油圧回路33を車両停止のときの状態から切り換えず、油圧回路33の油路を切り換えない。従って、指紋照合が不一致と判定された後にIG電源をバッテリ2に直結してエンジンを始動しても、自動変速機27がP位置から動かず、車両1が発進できない状態となる。
【0055】
電源管理システム3及びATコンピュータ28は定期的に相互通信を行い、互いの存在を確認し合っている。この通信形式としてはATコンピュータ28が確認信号Sbを、電源管理システム3が確認信号Scを交互に出し合って、相手が正しいか否かを判断している。そして、通信相手が取り替えられた場合や取り外された場合、電源管理システム3はホーン26を鳴らして、一方のATコンピュータ28はホーン30を鳴らして警報を報知する。
【0056】
次に、マイコン4がROM9内の指紋照合プログラムに基づきIG電源の供給を規制するときの動作を図2に示すフローチャートに従って説明する。なお、このフローチャートはマイコン4の動作中に所定サイクルで常時実行される。
【0057】
ステップ100では、IG電源が供給されているか否かを判断する。ここでは、IG電源モニタ回路31を介してIG電源供給の有無を判断し、IG電源が供給されていなければステップ101に、IG電源が供給されていればステップ109に移行する。
【0058】
ステップ101では、フラグ用レジスタ36の指紋照合OKフラグをクリアする。
ステップ102では、ドアSW25のオンオフに基づきドアが開閉されたか否かを判断する。ここで、例えばドアが開閉されればステップ103に、ドアが閉じたままであればステップ100に戻る。
【0059】
ステップ103では、センサ電源回路18を介して指紋センサ12,13を通電し、指紋センサ13を起動状態にする。
ステップ104では、指紋照合が一致するか否かを判断する。即ち、2つの指紋センサ12,13から各々入力した指紋データDa1,Da2と予めEEPROM11に記憶された指紋データDb1,Db2とが比較され、その指紋照合が一致するか否かが判断される。そして、両方の指の指紋照合が一致すればステップ105に、両方のうち少なくとも一方で指紋照合が不一致であればステップ108に移行する。
【0060】
ステップ105では、IG電源の供給を開始する。従って、スタータが作動可能なエンジン始動許可状態となり、キー操作やイグニッションスイッチ操作によってスタータが作動してエンジンが始動する。
【0061】
ステップ106では、指紋照合OKフラグをフラグ用レジスタ36にセットする。
ステップ107では、センサ電源回路18を介して指紋センサ13を非通電とし、これに伴って指紋センサ13が非作動状態となる。
【0062】
ステップ108では、指紋照合NGを照合NG用レジスタ37に記憶する。即ち、ステップ104で指紋照合が不一致と判断された後に、ステップ108で指紋照合NGが照合NG用レジスタ37に記憶され、その記憶処理後にはステップ107に移行して指紋センサ13が非通電状態となる。
【0063】
ステップ109では、指紋照合NGが照合NG用レジスタ37に記憶されているか否かを判断する。即ち、ステップ100でIG電源の供給が開始されていると判断された後に、ステップ109で指紋照合NGが照合NG用レジスタ37に記憶されているか否かが判断され、指紋照合NGが記憶されていればステップ110に、記憶されていなければステップ111に移行する。
【0064】
ステップ110では、モータ32を非通電にして車両停止時の状態から油圧回路33を切り換えずP位置に固定する。従って、IG電源の供給が開始されていることからスタータが回されればエンジンが始動するものの、油圧回路33がP位置に固定されることによってシフト位置がD位置又はR位置にシフトできず車両1を動かせない。
【0065】
ステップ111では、指紋照合OKフラグがフラグ用レジスタ36にセットされているか否かを判断する。指紋照合OKフラグがセットされていなければステップ110に移行してモータ32を非通電にし、指紋照合OKフラグがセットされていればステップ112に移行する。
【0066】
ステップ112では、乗員検知センサ24からの検出信号に基づき運転席に乗員がいるか否かを判断する。ここで、乗員がいればステップ100に戻り、乗員がいなければステップ113に移行する。
【0067】
ステップ113では、ドアSW25のオンオフに基づきドアが閉状態が否かを判断する。ここで、ドアが閉状態でなければステップ100に戻り、ドアが閉状態であればステップ114に移行する。
【0068】
ステップ114では、IGリレー6をオフ状態にしてIG電源を遮断する。従って、エンジン始動が不許可となり、エンジンが始動しない状態となる。
次に、前記のように構成された車両盗難防止システムの作用を説明する。
【0069】
まず、車両1のドアが開閉されると、これをトリガとしてマイコン4が指紋センサ12,13を通電状態にして指紋認識モードとなる。そして、乗込者が左右の親指で指紋センサ12,13に触れてマイコン4が指紋データDa1,Da2を入力すると指紋照合が開始され、左右両方の親指の指紋データDa1,Da2と、EEPROM11に記憶された指紋データDb1,Db2との指紋照合が実施される。
【0070】
そして、指紋照合が両方とも一致すれば乗込者が車両所有者と判断され、IG電源の供給が開始されてエンジン始動が許可された状態となり、ON位置へのキー操作やイグニッションスイッチ操作によってエンジンが始動される。このとき、ATコンピュータ28にもIG電源が供給され、エンジン始動後にシフトレバーの操作がなされれば、そのレバー操作に応じてATコンピュータ28によりモータ32や油圧回路33が制御される。
【0071】
一方、指紋センサ12,13のうち少なくとも一方の指紋照合が不一致であれば乗込者が盗難者であると判断され、IG電源の供給が開始されず、指紋照合NGが照合NG用レジスタ37に記憶される。従って、指紋照合が不一致のときにはIG電源の供給が開始されないので、ON位置へのキー操作やイグニッションスイッチ操作を行ってもスタータが作動せずエンジンが始動せず、ATコンピュータ28も作動しない。このため、盗難者によるエンジン始動が行われず、車両1の盗難防止が図れる。
【0072】
ところで、個人認証の一般的な方法はIDコードやパスワード等を利用する方法であるが、この方法では基本的に個人が記憶する情報、或いは予め決められた範囲の中での数字パターンをIDコードやパスワードとして用いることから、これら情報を他人に移転することが比較的容易である。また、これら情報は通信傍受によるコード解析などによって入手することも可能であり、必ずしも高いセキュリティを有する方法ではない。
【0073】
しかし、本例のような指紋センサ12,13を用いた個人認証は個人特有の身体情報を用いて認証を行う構成であるので、指紋を盗んで照合結果を一致させることは非常に難しく、高いセキュリティを有する個人認証方法といえる。従って、本例では個人認証の方法として個人特有の身体情報である指紋を用い、指紋照合が一致すればIG電源の供給を開始し、指紋照合が不一致であればIG電源の供給を開始しない構成としている。このため、各個人をほぼ正確に認識することが可能であり、車両盗難防止効果の向上が図れる。
【0074】
また、指紋照合が不一致と判断された後に、盗難者がバッテリ2を直結してIG電源を供給することでエンジンを不正に始動させる場合もある。しかし、指紋照合が不一致と判断された時点で指紋照合NGが照合NG用レジスタ37に記憶され、IG電源が供給されても指紋照合NGに基づき自動変速機27のモータ32が非通電にされ、油圧回路33が切り換えられずP位置に固定される。従って、指紋照合が不一致と判断された後にバッテリ2の直結によりIG電源を供給してエンジンを始動させても車両1が動かせず、このような条件下であっても車両盗難の防止が図れる。
【0075】
マイコン4は指紋照合が一致してIG電源の供給が開始された後に、乗員検知センサ24からの検出信号とドアSW25のオンオフとに基づき、電源供給状態のIG電源を遮断するか否か判断している。そして、指紋照合が一致してIG電源の供給が開始された後に、車両所有者が車両1から降りてドアが閉められるとIG電源が遮断される。従って、車両所有者が車両1から降りた場合にはIG電源が直ぐに遮断されるので、無駄な電力を消費せずに済む。
【0076】
また、指紋照合を行わずにバッテリ2の直結によってIG電源を供給して車両盗難が行われる場合もある。このとき、指紋照合OKフラグがフラグ用レジスタ36にセットされておらず、これによってモータ32が非通電のままの状態に維持され、油圧回路33が切り換えられずP位置に固定される。従って、指紋照合を行わずバッテリ2を直結することでIG電源を供給して車両1を盗難しようとしても、自動変速機27の作動が許可されない。このため、指紋照合を行わずバッテリ2を直結しても、車両1を動かせず車両盗難の防止が図れる。
【0077】
従って、この実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)個人認証の方法として個人特有の身体情報である指紋を用い、指紋照合が一致すればIG電源の供給を開始し、指紋照合が不一致であればIG電源の供給を開始しない構成としている。このため、指紋センサ13を用いることによって各個人をほぼ正確に認識することが可能であり、車両盗難防止効果を向上することができる。
【0078】
(2)指紋照合が不一致と判断された後にバッテリ2を直結してIG電源を供給状態にしてエンジンを始動させた場合には、自動変速機27のモータ32が非通電になって油圧回路33が切り換えられずP位置に固定される。従って、指紋照合不一致後にバッテリ2を直結してIG電源を供給してエンジンを作動させても車両1が動かせず、車両盗難の防止が図れる。
【0079】
(3)ドアが開閉されたときに指紋センサ12,13が起動するので、その前段階では指紋センサ12,13が待機状態となり、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0080】
(4)指紋センサ12,13を左右の手の親指用にそれぞれ設け、これら指紋センサ12,13から採取される指紋データが両方一致したときにIG電源が供給される。従って、左右両方の親指の指紋を用いるので、より一層正しく個人認証を行うことができ、車両盗難の防止効果を一層高めることができる。
【0081】
(5)指紋センサ12,13は運転者はハンドル14を握った握り状態のとき、その親指が位置する部位に配置されているので、ハンドル14を握ると同時に指紋照合も行え、指紋照合を行うときの動作が面倒にならない。
【0082】
(6)指紋照合を行わずバッテリ2を直結することでIG電源を供給して車両1を盗難しようとしても、自動変速機27のモータ32が非通電状態になって油圧回路33が切り換えられず、油圧回路33がP位置に固定されてD位置やR位置に動かなくなる。従って、指紋照合を行わずバッテリ2を直結した場合、エンジンが始動するものの車両1を動かせず、車両盗難の防止が図れる。
【0083】
(7)車両所有者が車両1に乗り込み、指紋照合が一致してIG電源の供給が開始された後に車両1から降りてドアが閉められるとIG電源が遮断される。従って、車両所有者が車両1から降りた場合にはIG電源が直ぐに遮断されるので、無駄な電力を消費せずに済む。
【0084】
(8)電源管理システム3及びATコンピュータ28は相互通信を行って互いの存在を確認し合い、一方が取り外されて存在が確認できなくなった場合、他方がホーン26(30)を鳴らして警告が報知される。従って、車両盗難を目的として電源管理システム3やATコンピュータ28が取り外されても、その旨を周りに知らせることができ、車両盗難の防止効果を向上できる。
【0085】
なお、実施形態は前記に限定されず、例えば次の態様に変更してもよい。
・ 指紋照合が不一致の後にバッテリ2の直結等によってIG電源が供給されたとき、車両1の動作を制限する処理としては油圧回路33の切り換えを行わずP位置に固定することに限定されない。例えば図4に示すように、シフトレバーがP位置のとき、ブレーキペダル40を踏まなければシフトレバーがP位置から動かないシフトロック41を備えた場合、そのシフトロック41を解除しない構成でもよい。
【0086】
・ 指紋照合が不一致の後のIG電源供給時に、車両1の動作を制限する処理としては油圧回路33のP位置固定や、シフトロック41の非解除に限定されない。例えば図5に示すように、EHB(電気油圧式ブレーキシステム)やEMB(電磁力式ブレーキシステム)等の電気を用いて車輪45にブレーキ圧を発生させるブレーキ装置46を設ける。そして、指紋照合が不一致の後にバッテリ2の直結等によってIG電源が供給されたとき、ブレーキECU47によって全輪にブレーキを付与する構成でもよい。なお、ブレーキ装置46及びブレーキECU47がブレーキ機構を構成する。
【0087】
・ 指紋照合が不一致の後のIG電源供給時に、車両1の動作を制限する処理としては、エンジンの始動禁止、エンジンへの燃料の供給禁止、ヘッドライトの点滅、ウィンカーの点滅、車内灯の点滅、ホーン26,30による警報の発鳴、車外の基地局への盗難の通達等を採用してもよい。
【0088】
・ ハンドル14のスポーク部17の形状(本数)は、ハンドル軸16を挟んだ両側に2つずつ配置された構成に限定されない。例えば図6(a)に示すように、ハンドル軸16を挟んだ左右方向の両側に1本ずつスポーク部17cを配置し、上下方向の下側にスポーク部17dを1本配置する。そして、スポーク部17cに指紋センサ12,13を、スポーク部17dにホーン26,30を配置した構成でもよい。また、図6(b)に示すようにスポーク部17cに指紋センサ12,13及びホーン26,30を配置した構成でもよい。
【0089】
・ 指紋センサ12,13の位置はハンドル14のスポーク部17に限定されない。例えば、ハンドルのステアリング部15や車内のインストルメントパネル等に配置してもよく、その配置箇所は車内であれば特に限定されない。
【0090】
・ 身体情報は指紋に限らず、例えば掌紋、声紋、網膜パターン、筆跡、キータイプの際の癖を用いてもよい。
・ シフトバイワイヤ形式の自動変速機27を使用する場合、シフトレバーによってシフト位置を変換する構成に限らず、例えばハンドル14にシフト切換スイッチを設けて、そのスイッチ操作によってシフト位置を切り換える構成としてもよい。この場合、ハンドル14のステアリング操作とシフト切り換え操作とが同時に行える。
【0091】
・ 指紋照合が不一致と判断された時点での処理はIG電源の供給を開始しない構成に限定されない。例えば、指紋照合不一致と判断された時点でエンジンの始動禁止、エンジンへの燃料の供給禁止、ヘッドライトの点滅、ウィンカーの点滅、車内灯の点滅、ホーン26,30による警報の発鳴、車外の基地局への盗難の通達等を実施してもよい。
【0092】
・ 指紋照合が一致した場合はIG電源の供給を開始する構成に限らず、例えばACCリレー5をオンしてACC電源の供給を開始する構成や、スタータの接点をオン状態にする構成としてもよい。
【0093】
・ 指紋照合が一致した場合はIG電源の供給を開始することに限らず、IG電源の供給を許可する構成としてもよい。この場合、指紋照合が一致すればキー操作によってキーがIG位置に位置したとき、IGリレー6がオン状態となってIG電源の供給が開始される構成となる。
【0094】
・ 指紋センサ12,13の起動が開始されるトリガはドアの開閉を検知するドアSW25のオンオフに限定されない。例えば、ドアノブに感圧センサを設置し、そのセンサが人体を検知したときに指紋センサ12,13が起動する構成としてもよい。
【0095】
・ キーから無線通信を介して車両に発信されるIDコードと、車両1に登録されたIDコードとを比較し、これらIDコードが一致した場合に車両1のドアロック解錠(エンジン始動)を行うキーレスエントリーシステム(スマートキーシステム)を設ける。そして、このID照合のときにキーレスエントリーシステムから出力されるID照合一致信号やドアロック解錠信号に基づき指紋センサ12,13を起動させてもよい。
【0096】
・ 指紋照合の一致は指紋センサ12,13の指紋データDa1,Da2が、両方とも一致することを条件としない。例えば、左右の指紋センサ12,13のうちどちらか一方が一致すれば、IG電源の供給を開始する構成としてもよい。この場合、左右の親指のうち一方を怪我した場合でも指紋照合で照合一致が得られ、指先に怪我を負った場合でも対応が図れる。
【0097】
・ 第2制御手段はATコンピュータに限らず、例えば図5に示すブレーキECU、エンジンを制御するエンジンECU、エアバックを制御するエアバックECU、スマートキーシステムを制御するスマートECU、イモビライザーを制御するイモビECU等でもよい。
【0098】
・ アクチュエータはモータ32に限らず、例えばシリンダでもよい。
・ 電源管理システム3とATコンピュータ28とが相互通信により互いの存在を確認し合う場合、相手の存在が確認できないときに実施される処理はホーン26(30)による報知に限定されない。例えば、油圧回路33のP位置固定、シフトロック解除の禁止、車輪へのブレーキ力付与でもよい。
【0099】
・ ACCリレー5及びIGリレー6はコイル部5a,6a及びスイッチ部5b,6bからなるメカリレーに限らず、トランジスタを用いた半導体リレーでもよい。
【0100】
・ 車両1は自動車に限らず、産業車両等の各種車両を採用してもよい。
前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(1)請求項1〜12において、前記認識手段は前記車両に配置された感圧検知手段からの検知信号に基づき、前記身体情報の認識を開始する。
【0101】
(2)請求項1〜12において、前記車両はキーから無線通信を介して車両に発信されるIDコードと、前記車両に登録されたIDコードとを比較し、これらIDコードが一致した場合に前記車両のドアロック解錠及びエンジン始動の許可のうち少なくとも一方を実行するキーレスエントリーシステムを備えた構成であって、前記認識手段は2つのIDコードが一致したときに前記キーレスエントリーシステムが出力する照合一致信号に基づき電源が供給されて、前記身体情報の認識が可能な状態となる。
【0102】
(3)請求項1〜12において、前記車両はキーから無線通信を介して車両に発信されるIDコードと、前記車両に登録されたIDコードとを比較し、これらIDコードが一致した場合に前記車両のドアロック解錠及びエンジン始動の許可のうち少なくとも一方を実行するキーレスエントリーシステムを備えた構成であって、前記認識手段は2つのIDコードが一致したときに前記キーレスエントリーシステムがドアロック解錠を許可する旨の信号として出力するドアロック解錠信号に基づき電源が供給されて、前記身体情報の認識が可能な状態となる。
【0103】
(4)請求項10において、前記車両はオートマチック車であり、その自動変速機は変速機のギヤ位置を切り換えるための油圧回路がアクチュエータによって非接触で行えあれるリンクレス構造であって、前記第2制限手段は前記車両動作を制限する処理として、前記自動変速機の前記油圧回路を停止位置のままの状態で維持する。
【0104】
(5)請求項10において、前記車両はオートマチック車であり、シフト位置が停止位置の場合にブレーキペダルを踏まなければシフト操作ができないように作動するシフトロックを有する構成であって、前記第2制限手段は前記車両動作を制限する処理として、前記シフトロックをロック状態に維持して前記シフト位置を停止位置のままとする。
【0105】
(6)請求項10において、前記車両のブレーキ機構は電気力を用いてブレーキ圧を発生させて車輪にブレーキ力を付与する構成であって、前記制限手段は前記車両動作を制限する処理として、前記ブレーキ機構によって前記車輪にブレーキ力が付与された状態を維持する。
【0106】
(7)請求項12において、警報を報知可能な報知手段を備え、前記第2制御手段との間で互いに確認信号を出力し合うことで互いの存在を確認し、前記確認信号に基づき前記第2制御手段との間で一方が他方を正規の通信相手ではないと判断したとき、その判断した側が前記報知手段によってその旨を報知させる。
【0107】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、車両の走行許可に対する判断に身体情報を用いるので、車両盗難を生じ難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の車両の内部構成を電気的に示すブロック図。
【図2】IG電源の供給を規制するときに処理されるフローチャート。
【図3】ハンドルの平面図。
【図4】別例の車両の内部構成を電気的に示すブロック図。
【図5】他の別例の車両の内部構成を電気的に示すブロック図。
【図6】(a),(b)は他の別例のハンドルの平面図。
【符号の説明】
1…車両、4…照合手段、制御手段、判断手段、制限手段及び第2制限手段を構成するマイコン、11…記憶手段としてのEEPROM、12,13…認識手段としての指紋センサ、14…ハンドル、21…乗員検知手段を構成する乗員検知入力回路、22…ドア開閉手段を構成するドアSW入力回路、25…ドア開閉検出手段を構成するドアSW、24…乗員検知手段を構成する乗員検知センサ、27…車載機器としての自動変速機、28…第2制御手段としてのATコンピュータ、32…アクチュエータとしてのモータ、33…油圧回路、34…変速機、40…ブレーキペダル、41…シフトロック、45…車輪、46…ブレーキ機構を構成するブレーキ装置、47…ブレーキ機構を構成するブレーキECU、Da1,Da2,Db1,Db2…身体情報としての指紋データ、Sb,Sc…確認信号。
Claims (12)
- 車両に乗り込んだ乗込者の身体情報を認識する認識手段と、
前記車両の所有者が有する固有の身体情報を記憶した記憶手段と、
前記認識手段により入力した前記身体情報と、前記記憶手段に予め記憶された身体情報とを比較する照合手段と、
前記照合手段の照合結果により2つの前記身体情報が一致したときに、前記車両の走行を許可する制御手段と
を備えたことを特徴とする車両盗難防止システム。 - 前記制御手段は前記車両の走行許可として、前記車両を動かすために必要なイグニッション電源の供給を開始又は許可することを特徴とする請求項1に記載の車両盗難防止システム。
- 前記認識手段は前記車両のドア開閉を検出するドア開閉検出手段の検出信号に基づき電源が供給されて、前記身体情報の認識が可能な状態となることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両盗難防止システム。
- イグニッション電源が前記車両に供給された状態か否かを判断する判断手段と、
前記照合手段の照合結果に基づき2つの前記身体情報が不一致であり、且つ前記判断手段の判断結果に基づきイグニッション電源が供給状態のときに車両動作を制限する制限手段と
を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両盗難防止システム。 - 前記車両はオートマチック車であり、その自動変速機は変速機のギヤ位置を切り換えるための油圧回路がアクチュエータによって非接触で行えあれるリンクレス構造であって、
前記制限手段は前記車両動作を制限する処理として、前記自動変速機の前記油圧回路を停止位置のままの状態で維持することを特徴とする請求項4に記載の車両盗難防止システム。 - 前記車両はオートマチック車であり、シフト位置が停止位置の場合にブレーキペダルを踏まなければシフト操作ができないように作動するシフトロックを有する構成であって、
前記制限手段は前記車両動作を制限する処理として、前記シフトロックをロック状態に維持して前記シフト位置を停止位置のままとすることを特徴とする請求項4に記載の車両盗難防止システム。 - 前記車両のブレーキ機構は電気力を用いてブレーキ圧を発生させて車輪にブレーキ力を付与する構成であって、
前記制限手段は前記車両動作を制限する処理として、前記ブレーキ機構によって前記車輪にブレーキ力が付与された状態を維持することを特徴とする請求項4に記載の車両盗難防止システム。 - 前記認識手段は指の指紋を採取して指紋データを出力する指紋センサであり、前記指紋センサは乗込者が前記車両のハンドルを両手で握ったときに、左右の手の指で指紋を各々採取可能となるように2つ配置された構成であって、
前記照合手段は2つの前記指紋センサの指紋データと予め前記記憶手段に記憶された指紋データとを比較し、前記制御手段は前記照合手段の照合結果に基づき、前記指紋データが両手とも一致したときに前記車両の走行を許可することを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の車両盗難防止システム。 - 前記認識手段は指の指紋を採取して指紋データを出力する指紋センサであり、前記指紋センサは乗込者が前記車両のハンドルを両手で握ったときに、左右の手の指で指紋を各々採取可能となるように2つ配置された構成であって、
前記照合手段は2つの前記指紋センサの指紋データと予め前記記憶手段に記憶された指紋データとを比較し、前記制御手段は前記照合手段の照合結果に基づき、両手のうちいずれか一方の手の指の指紋データが一致すれば前記車両の走行を許可することを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の車両盗難防止システム。 - イグニッション電源が前記車両に供給された状態か否かを判断する判断手段と、
前記照合手段による前記身体情報の照合が実施されず、前記判断手段の判断結果に基づきイグニッション電源が供給状態のときに車両動作を制限する第2制限手段と
を備えたことを特徴とする請求項2〜9のうちいずれか一項に記載の車両盗難防止システム。 - 前記車両に乗員が存在するか否かを検知する乗員検知手段と、前記車両のドア開閉を検出するドア開閉検出手段とを備え、
前記制御手段は2つの前記身体情報が一致してイグニッション電源の供給を開始又は許可した後に、前記乗員検知手段の検知信号に基づき車内に乗員が存在せず、かつ前記ドア開閉検出手段の検出信号に基づきドアが閉じられたと判断されたとき、イグニッション電源の供給を遮断することを特徴とする請求項2〜10のうちいずれか一項に記載の車両盗難防止システム。 - 所定の車載機器を制御する第2制御手段と相互通信可能であり、前記第2制御手段との間で互いに確認信号を出力し合うことで互いの存在を確認し、前記確認信号に基づき前記第2制御手段との間で一方が他方を正規の通信相手ではないと判断したとき、その判断した側が車両動作を制限することを特徴とする請求項1〜11のうちいずれか一項に記載の車両盗難防止システム。
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