JP2004274165A - 光モジュール及びその製造方法並びに電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】光モジュールの高信頼性化、小型化及び高集積化を図ることにある。
【解決手段】光モジュールは、配線パターン40が形成され、透光部を含む第1の基板30と、電極24及び光学的部分12を有し、電極24を介して配線パターン40に電気的に接続されるとともに、光学的部分12が透光部を向くように、第1の基板30の第1の面32に搭載された光学チップ10と、第1の基板30の第1の面32とは反対の第2の面34に搭載され、光学的部分12に対応する位置にレンズ72を保持するとともに、少なくとも光学的部分12を囲む形状をなす筐体70と、光学チップ10における第1の基板30とは反対側に設けられ、光学チップ10の少なくとも一部に平面的に重ねられた第2の基板50と、を含む。
【選択図】 図1
【解決手段】光モジュールは、配線パターン40が形成され、透光部を含む第1の基板30と、電極24及び光学的部分12を有し、電極24を介して配線パターン40に電気的に接続されるとともに、光学的部分12が透光部を向くように、第1の基板30の第1の面32に搭載された光学チップ10と、第1の基板30の第1の面32とは反対の第2の面34に搭載され、光学的部分12に対応する位置にレンズ72を保持するとともに、少なくとも光学的部分12を囲む形状をなす筐体70と、光学チップ10における第1の基板30とは反対側に設けられ、光学チップ10の少なくとも一部に平面的に重ねられた第2の基板50と、を含む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光モジュール及びその製造方法並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】
特開2000−147346号公報
【0004】
【発明の背景】
CCDやCMOSセンサなどの撮像系の光モジュールでは、光学チップ及び筐体が基板に設けられている。光学チップの表面には、光及び電気信号の相互変換を可能にする光学的部分が形成されている。筐体は、光学的部分に対応する位置にレンズを保持する。また、筐体は、光学チップを囲むように設けられ、これによって、光学的部分に入射する不要な光をカットすることができる。
【0005】
しかしながら、筐体は光学チップの表面側のみに設けられるので、光学チップの裏面から不要な光が入射する場合があった。詳しくは、撮像系の光モジュールの場合、画像が認識できなくなり、その信頼性が低下することがあった。一方、カメラ付き携帯電話をはじめとして、近年の撮像系の光モジュールを含む電子機器では、小型化・高集積化が望まれている。
【0006】
本発明の目的は、光モジュールの高信頼性化、小型化及び高集積化を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る光モジュールは、配線パターンが形成され、透光部を含む第1の基板と、
電極及び光学的部分を有し、前記電極を介して前記配線パターンに電気的に接続されるとともに、前記光学的部分が前記透光部を向くように、前記第1の基板の第1の面に搭載された光学チップと、
前記第1の基板の前記第1の面とは反対の第2の面に搭載され、前記光学的部分に対応する位置にレンズを保持するとともに、少なくとも前記光学的部分を囲む形状をなす筐体と、
前記光学チップにおける前記第1の基板とは反対側に設けられ、前記光学チップの少なくとも一部に平面的に重ねられた第2の基板と、
を含む。本発明によれば、光学チップにおける光学的部分が形成された面とは反対の面側に、第2の基板が設けられている。これによって、光学チップの裏面への不要な光の入射をカットし、光モジュールの信頼性を高めることができる。また、光モジュールの全体の厚みは、光学的部分とレンズとの両者間の距離によってほぼ決定されるが、第1の基板は光学的部分とレンズとの間に介在するので、第1の基板の厚みを省略でき、光モジュールの薄型化を図ることができる。
(2)この光モジュールにおいて、
前記第2の基板は、接着材料を介して、前記光学チップにおける前記第1の基板とは反対の面に接着されていてもよい。
(3)この光モジュールにおいて、
前記第2の基板は、前記光学チップよりも大きい外形を有し、前記光学チップの全体に平面的に重ねられていてもよい。これによって、より一層、光学チップの遮光性を高めることができる。
(4)この光モジュールにおいて、
前記第2の基板は、集積回路チップであり、
前記集積回路チップは、前記第1の基板の前記配線パターンに電気的に接続されていてもよい。これによって、光モジュールの高集積化を図ることができる。
(5)この光モジュールにおいて、
前記集積回路チップは、ワイヤを介して、前記第1の基板の前記配線パターンに電気的に接続されていてもよい。
(6)この光モジュールにおいて、
前記第1の基板の前記配線パターンは、第1の配線パターンであり、
前記第2の基板には、前記第1の配線パターンに電気的に接続された第2の配線パターンが形成されていてもよい。
(7)この光モジュールにおいて、
前記第1及び第2の配線パターンは、ワイヤを介して電気的に接続されていてもよい。
(8)この光モジュールにおいて、
前記第2の配線パターンに電気的に接続するとともに、前記第2の基板に搭載された集積回路チップをさらに含んでもよい。これによって、光モジュールの高集積化を図ることができる。
(9)この光モジュールにおいて、
前記集積回路チップは、前記第2の基板の、前記光学チップの少なくとも一部に平面的に重なる領域に搭載されていてもよい。これによって、より一層、光学チップの遮光性を高めることができる。
(10)この光モジュールにおいて、
前記集積回路チップは、前記第2の基板における前記光学チップとは反対の面に搭載されていてもよい。
(11)この光モジュールにおいて、
積層構造をなす複数の前記集積回路チップが前記第2の基板に搭載され、
複数の前記集積回路チップのうち、第1の集積回路チップは、前記第2の基板にフェースダウン実装され、
第2の集積回路チップは、前記第1の集積回路チップにフェースアップ実装されていてもよい。
(12)この光モジュールにおいて、
前記第1の基板は、全体が前記透光部となる透光基板であってもよい。
(13)この光モジュールにおいて、
前記第1の基板には、開口部が形成され、
前記透光部は、前記開口部であってもよい。
(14)この光モジュールにおいて、
前記第1の基板上には、電気的な接続部を封止する封止材が設けられていてもよい。
(15)本発明に係る電子機器は、上記光モジュールを含む。
(16)本発明に係る光モジュールの製造方法は、(a)配線パターンが形成され透光部を含む第1の基板に、電極及び光学的部分を有する光学チップを、前記電極を介して前記配線パターンに電気的に接続するとともに、前記光学的部分が前記透光部を向くように前記第1の基板の第1の面に搭載すること、
(b)前記光学チップにおける前記第1の基板とは反対側に、前記光学チップの少なくとも一部に平面的に重なるように第2の基板を設けること、
(c)レンズを保持し、少なくとも前記光学的部分を囲む形状をなす筐体を、前記第1の基板の前記第1の面とは反対の第2の面に搭載すること、
を含む。本発明によれば、光学チップにおける光学的部分が形成された面とは反対の面側に、第2の基板を設ける。これによって、光学チップの裏面への不要な光の入射をカットし、光モジュールの信頼性を高めることができる。また、光モジュールの全体の厚みは、光学的部分とレンズとの両者間の距離によってほぼ決定されるが、第1の基板は光学的部分とレンズとの間に介在するので、第1の基板の厚みを省略でき、薄型化の光モジュールを製造することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態に係る光モジュールを説明する図である。図1は光モジュールの断面図であり、図2は光学チップの断面図である。図3は、本実施の形態の変形例を示す図であり、光モジュールの断面図である。本実施の形態に係る光モジュールは、光学チップ10と、第1の基板30と、第2の基板(本実施の形態では集積回路チップ50)と、を含む。
【0010】
光学チップ10の形状は、直方体であることが多い。光学チップ10は、半導体チップであってもよい。図2に示すように、光学チップ10は、光学的部分12を有する。光学的部分12は、光が入射又は出射する部分である。また、光学的部分12は、光エネルギーと他のエネルギー(例えば電気)を変換する。すなわち、光学的部分12は、複数のエネルギー変換素子(受光素子・発光素子)14を有する。本実施の形態では、光学的部分12は受光部である。この場合、光学チップ10は、受光チップ(例えば撮像チップ)である。複数のエネルギー変換素子(受光素子又はイメージセンサ素子)14は、二次元的に並べられて、画像センシングを行えるようになっている。すなわち、本実施の形態では、光モジュールは、イメージセンサ(例えばCCD、CMOSセンサ)である。エネルギー変換素子14は、パッシベーション膜16で覆われている。パッシベーション膜16は、光透過性を有する。光学チップ10を、半導体基板(例えば半導体ウエハ)から製造する場合、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜などでパッシベーション膜16が形成されてもよい。
【0011】
光学的部分12は、カラーフィルタ18を有していてもよい。カラーフィルタ18は、パッシベーション膜16上に形成されている。また、カラーフィルタ18上に平坦化層20が設けられ、その上にマイクロレンズアレイ22が設けられていてもよい。
【0012】
光学チップ10には、複数の電極24が形成されている。電極24は、光学的部分12に電気的に接続されている。電極24は、パッド上に形成されたバンプを有するが、パッドのみであってもよい。電極24は、光学的部分12の外側に形成されている。光学チップ10の複数辺(例えば対向する2辺又は4辺)又は1辺に沿って電極24を配置してもよい。
【0013】
第1の基板30は、少なくとも一部(光学的部分12に対応する部分)に透光部を含む。第1の基板30は、透光基板であってもよい。その場合、第1の基板30の全体が透光部となる。透光基板として、光学ガラス基板を使用してもよい。透光部は、光が透過するものであれば損失の大きさは問わないし、特定の波長の光のみを透過するものであってもよい。例えば、透光部は、可視光を通過させるが赤外線領域の光を通過させないものであってもよい。透光部は、可視光に対して損失が小さく、赤外線領域の光に対して損失が大きくてもよい。第1の基板30は、光学チップ10よりも大きい外形を有する。
【0014】
図1に示すように、第1の基板30には、光学機能膜が形成されてもよい。詳しくは、光学機能膜は、透光部に形成される。光学機能膜は、第1の基板30の表面に形成されてもよい。光学機能膜は、反射防止膜(ARコート)、赤外線遮蔽膜(IRコート)などであってもよい。光学機能膜を第1の基板30に形成することで、このような光学機能を有する装置を設けなくてもよいので、製品の小型化を図ることができる。
【0015】
第1の基板30には、第1の配線パターン40が形成されている。第1の配線パターン40は、第1の基板30の一方の面(図1では第1の面32)に形成されてもよい。第1の配線パターン40は、複数の配線から構成されている。第1の配線パターン40は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)などのように光透過性を有してよい。こうすることで、光学的部分12の上方(透光部)にも第1の配線パターン40を形成することができる。あるいは、図1に示すように、光学的部分12の上方を避けていれば、第1の配線パターン40は、光透過性を有していなくてもよく、例えば金属で形成してもよい。第1の配線パターン40は、電気的な接続部となる複数の端子(第1及び第2の端子42,44)を有する。第1及び第2の端子42,44は、相互に電気的に接続している。第1及び第2の端子42,44は、ランドであってもよい。
【0016】
光学チップ10は、第1の基板30の第1の面32に搭載されている。光学チップ10における光学的部分12及び電極24の形成された面は、第1の基板30を向いている。透光部が第1の基板30の一部である場合、光学的部分12は透光部に平面的に重なる。第1の基板30によって、光学的部分12を覆うことができるので、光学的部分12にゴミが入り込むのを防止することができる。光学チップ10は、電極24を介して、第1の配線パターン40(詳しくは第1の端子42)に電気的に接続されている。両者間の電気的接続は、異方性導電膜(ACF)や異方性導電ペースト(ACP)等の異方性導電材料26を使用して、導電粒子を電極24と第1の端子42の間に介在させてもよい。その場合、異方性導電材料によって、光学的部分12を覆わないようにする。あるいは、両者間の電気的接続を、Au−Au、Au−Sn、ハンダなどによる金属接合によって達成してもよい。電気的な接続部は、アンダーフィル材によって封止することが好ましい。この場合もアンダーフィル材によって、光学的部分12を覆わないようにする。上述の異方性導電材料26又はアンダーフィル材を、光学的部分12を囲むように一体的(枠状)に形成することで、光学的部分12を封止すれば、より確実に、光学的部分12にゴミが入り込むのを防止でき、光モジュールの信頼性を向上させることができる。
【0017】
集積回路チップ(例えば半導体チップ)50は、光学チップ10に電気的に接続され、光学チップ10における第1の基板30とは反対側に設けられている。集積回路チップ50とは、基材(チップ)に集積回路が形成されたものである。集積回路チップ50は、マイクロプロセッサであってもよい。集積回路チップ50は、光学チップ10の少なくとも一部に平面的に重ねられている。これによれば、集積回路チップ50が光学チップ10の裏面を覆うので、光学チップ10の裏面への光の入射をカットすることができる。特に、集積回路チップ50は、光学チップ10の全体に平面的に重なっていれば、より一層、遮光性を高めることができる。集積回路チップ50は、光学チップ10の外側にオーバーハングしてもよい。こうすることで、斜め方向からの光の入射もカットすることができる。
【0018】
集積回路チップ50は、光学チップ10における裏面(第1の基板30とは反対の面)に、接着材料56を介して接着されている。接着材料56として、光を透過しにくい材料(例えば銀ペースト)を使用することで、光学チップ10への遮光性をより高めることができる。また、図1に示す例によれば、光学チップ10及び集積回路チップ50の一体化が図れるので、平面形状の拡大を防止することができ、光モジュールの高集積化及び小型化が図れる。
【0019】
集積回路チップ50は、電極52を介して、第1の配線パターン40(詳しくは第2の端子44)に電気的に接続されている。集積回路チップ50における電極52の形成された面は、光学チップ10とは反対側を向いてもよい。すなわち、集積回路チップ50は、光学チップ10に対して、フェースアップ実装されてもよい。電極52及び第2の端子44は、ワイヤ54を介して電気的に接続されている。
【0020】
第1の基板30上(詳しくは第1の面32上)には、電気的な接続部(第1の配線パターン40、ワイヤ54及び電極24,52など)を封止する封止材60が設けられてもよい。封止材60は、ポッティングによって材料を滴下してもよいし、型を使用して材料をモールドしてもよい。封止材60は、光学的部分12を覆わないように設ける。図1に示すように、異方性導電材料26(又はアンダーフィル材でもよい)が枠状に形成されていれば、それがダムとして機能し、封止材60が光学的部分12を覆うのを防止することができる。
【0021】
図1に示すように、光モジュールは、筐体70を含む。筐体70は、光学チップ10のケースであってもよく、筒状の鏡筒であってもよい。図1に示す例では、筐体70は、第1の基板30の第2の面34に搭載されている。筐体70は、第2の面34に接着固定されてもよい。筐体70は、光を透過しない又は透過しにくい材料で形成されることが好ましい。筐体70は、レンズ72を保持している。筐体70及びレンズ72が撮像のために使用される場合、それらを撮像光学系と呼ぶことができる。レンズ72は、光学チップ10の光学的部分12に対応する位置に配置される。
【0022】
筐体70は、レンズホルダ74と、配線基板30との取付部76と、を有する。レンズホルダ74には、レンズ72が取り付けられている。レンズホルダ74には、第1の開口部78が形成され、第1の開口部78内にレンズ72が取り付けられている。レンズ72は、レンズホルダ74の内側に形成されたねじ(図示せず)を用いて第1の開口部78の軸に沿った方向に移動させることができる押さえ具を含む押え構造(図示せず)により、第1の開口部78内に固定されていてもよい。レンズ72は、光学チップ10の光学的部分12から間隔をあけて保持されている。
【0023】
取付部76には第2の開口部80が形成されている。第1及び第2の開口部78,80は、連通している。第2の開口部80は、第1の開口部78よりも径(幅)が大きくなっている。レンズホルダ74の外側と取付部76の第2の開口部80の内側には、第1及び第2のねじ82,84が形成されており、これらによって、レンズホルダ74及び取付部76は結合されている。したがって、第1及び第2のねじ82,84によって、レンズホルダ74は、第2の開口部80の軸に沿った方向に移動する。これにより、レンズ72の焦点を調整することができる。
【0024】
筐体70は、光学チップ10の光学的部分12を囲む形状をなす。図1に示す例では、筐体70は、第1の基板30の第2の面34の平面視において、光学チップ10を囲む平面形状をなしている。こうすることで、横又は斜め方向からの、レンズ72を介在しない不要な光の入射をカットすることができる。
【0025】
なお、第1の基板30には、他の電子部品(図示しない)が搭載されてもよい。電子部品として、能動部品(集積回路を内蔵した半導体チップ等)、受動部品(抵抗器、コンデンサ等)、機能部品(フィルタ等の入力信号特性を変化させる部品)、接続部品(フレキシブル基板、コネクタ、スイッチ等)、変換部品(センサ等の入力信号を異なるエネルギー系に変換する部品)等がある。
【0026】
本実施の形態に係る光モジュールによれば、光学チップ10における光学的部分12が形成された面とは反対の面側に、集積回路チップ50(第2の基板)が設けられている。これによって、光学チップ10の裏面への不要な光の入射をカットし、光モジュールの信頼性を高めることができる。また、光モジュールの全体の厚みは、光学的部分12とレンズ72との両者間の距離によってほぼ決定されるが、第1の基板30は光学的部分12とレンズ72との間に介在するので、第1の基板30の厚みを省略でき、光モジュールの薄型化を図ることができる。
【0027】
本実施の形態に係る光モジュールの製造方法は、第1の基板30の第1の面32に光学チップ10を搭載すること、及び、光学チップ10の少なくとも一部に平面的に重なるように集積回路チップ50(第2の基板)を設けることを含む。筐体70は、光学チップ10及び集積回路チップ50の実装後に、第1の基板30の第2の面34に搭載してもよい。なお、その他の事項及び効果は、上述の光モジュールにおいて説明した内容から導くことができるので省略する。
【0028】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び結果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0029】
図3の変形例に示すように、第1の基板90は、開口部92を有してもよい。すなわち、開口部92が光学的部分12の上方に配置され、第1の基板30の透光部となっていてもよい。その場合、第1の基板90は、樹脂で形成されてもよく、リジッド基板又はフレキシブル基板のいずれであってもよい。図3に示す例では、開口部92は、光学的部分12よりも大きい外形を有し、かつ、光学チップ10よりも小さい外形を有する。そして、光学チップ10の外周端部(図3では電極24の領域)は、第1の基板30における開口部92の外側に平面的に重なっている。なお、開口部92を覆うように、第1の基板30に透光基板94が取り付けられていてもよい。透光基板94には、上述の光学機能を有していてもよい。その他の事項は、上述の形態で説明した内容が該当する。
【0030】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る光モジュールの断面図であり、図5は、その製造方法を説明する図である。本実施の形態では、第2の基板100の形態が上述と異なる。
【0031】
本実施の形態では、第2の基板100には、第2の配線パターン102が形成されている。すなわち、第2の基板100は、配線基板である。第2の基板100は、半導体装置のインターポーザ用の基板であってもよく、その材料及び構成は限定されない。第2の基板100の光学チップ10に対する相対的位置は、上述の集積回路チップ50の光学チップ10に対する相対的位置を説明した内容を適用することができる。第2の基板100は、光学チップ10に接着材料56で接着してもよい。この詳細も上述した通りである。
【0032】
第2の配線パターン102は、図4に示すように第2の基板100の一方の面に形成されてもよいし、両面に形成されてもよい。図示しないスルーホールによって両面の導通を図ってもよい。第2の配線パターン102は、複数の配線から構成され、電気的な接続部となる複数の端子(図4に示す例では第1〜第3の端子104,106,108)を含む。いずれかの端子同士が相互に電気的に接続され、端子はランドであってもよい。
【0033】
第2の基板100には、少なくとも1つの集積回路チップ(図4では第1及び第2の集積回路チップ110,120)が搭載されている。集積回路チップは、第2の配線パターン102に電気的に接続されている。集積回路チップは、第2の基板のいずれの面に搭載されてもよく、光学チップ10の少なくとも一部(全体でもよい)に平面的に重なっている。こうすることで、第2の基板100及び集積回路チップの両方によって、光学チップ10の遮光性をより高めることができる。図2に示すように、光学チップ10及び集積回路チップとの間に第2の基板100が介在してもよいし、光学チップ10及び第2の基板100の間に集積回路チップが介在してもよい。
【0034】
図4に示す例では、第1及び第2の集積回路チップ110.120は、積層構造をなしている。こうすることで、第1及び第2の集積回路チップ100,120の一体化が図れるので光モジュールの小型化が図れる。第1の集積回路チップ110は、第2の基板100にフェースダウン実装されている。詳しくは、第1の集積回路チップ110の電極112を有する面は、第2の基板100を向いており、電極112は第1の端子104に電気的に接続されている。第1の集積回路チップ110と第2の基板100の間には、アンダーフル材114が設けられることが好ましい。そして、第2の集積回路チップ120は、第1の集積回路チップ110にフェースアップ実装されている。詳しくは、第2の集積回路チップ120の電極122を有する面は、第2の基板100とは反対側を向いており、電極122は第2の端子106に例えばワイヤ124によって電気的に接続されている。第1の配線パターン40(詳しくは第2の端子44)及び第2の配線パターン102(詳しくは第3の端子108)は、相互に電気的に接続され、第1及び第2の集積回路チップ110,120は、光学チップ10に電気的に接続されている。例えば、ワイヤ130によって両方の配線パターンを電気的に接続してもよい。なお、第1の基板30の第1の面32上の電気的な接続部を封止する封止材60は、図4に示すように一体的に設けてもよいし、複数の部分に分けて設けてもよい。その他の事項は、上述の第1の実施の形態で説明した内容が該当する。
【0035】
図5に示すように、本実施の形態に係る光モジュールの製造方法は、一例として、まず、第1の基板30に光学チップ10を実装して、第1のモジュール140を形成する。一方、第2の基板100に第1及び第2の集積回路チップ110,120を実装して、第2のモジュール142を形成する。そして、第1及び第2のモジュール140,142を、相互に実装する。その後、筐体70の取り付け工程を行う。これによれば、第1又は第2モジュール140,142の製造完成時点で不良の有無を認識することができ、光モジュールの製造完成時点で発生する不良品の数を少なくすることができる。したがって、無駄な労力を省略でき、生産効率を高めることができる。
【0036】
本発明の実施の形態に係る電子機器として、図6に示すノート型パーソナルコンピュータ1000は、光モジュールが組み込まれたカメラ1100を有する。また、図7に示すデジタルカメラ2000は光モジュールを有する。さらに、図8(A)及び図8(B)に示す携帯電話3000は、光モジュールが組み込まれたカメラ3100を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光モジュールを示す図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態に係る光モジュールの光学チップを示す図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る光モジュールを示す図である。
【図4】図4は、本発明の第2の実施の形態に係る光モジュールを示す図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施の形態に係る光モジュールの製造方法を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【図8】図8(A)及び図8(B)は、本発明の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【符号の説明】
10 光学チップ、12 光学的部分、24 電極、30 第1の基板、
32 第1の面、34 第2の面、40 第1の配線パターン、
50 集積回路チップ(第2の基板)、60 封止材、70 筐体、
72 レンズ、90 第1の基板、92 開口部、100 第2の基板、
102 第2の配線パターン、110 第1の集積回路チップ、
112 第2の集積回路チップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光モジュール及びその製造方法並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】
特開2000−147346号公報
【0004】
【発明の背景】
CCDやCMOSセンサなどの撮像系の光モジュールでは、光学チップ及び筐体が基板に設けられている。光学チップの表面には、光及び電気信号の相互変換を可能にする光学的部分が形成されている。筐体は、光学的部分に対応する位置にレンズを保持する。また、筐体は、光学チップを囲むように設けられ、これによって、光学的部分に入射する不要な光をカットすることができる。
【0005】
しかしながら、筐体は光学チップの表面側のみに設けられるので、光学チップの裏面から不要な光が入射する場合があった。詳しくは、撮像系の光モジュールの場合、画像が認識できなくなり、その信頼性が低下することがあった。一方、カメラ付き携帯電話をはじめとして、近年の撮像系の光モジュールを含む電子機器では、小型化・高集積化が望まれている。
【0006】
本発明の目的は、光モジュールの高信頼性化、小型化及び高集積化を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る光モジュールは、配線パターンが形成され、透光部を含む第1の基板と、
電極及び光学的部分を有し、前記電極を介して前記配線パターンに電気的に接続されるとともに、前記光学的部分が前記透光部を向くように、前記第1の基板の第1の面に搭載された光学チップと、
前記第1の基板の前記第1の面とは反対の第2の面に搭載され、前記光学的部分に対応する位置にレンズを保持するとともに、少なくとも前記光学的部分を囲む形状をなす筐体と、
前記光学チップにおける前記第1の基板とは反対側に設けられ、前記光学チップの少なくとも一部に平面的に重ねられた第2の基板と、
を含む。本発明によれば、光学チップにおける光学的部分が形成された面とは反対の面側に、第2の基板が設けられている。これによって、光学チップの裏面への不要な光の入射をカットし、光モジュールの信頼性を高めることができる。また、光モジュールの全体の厚みは、光学的部分とレンズとの両者間の距離によってほぼ決定されるが、第1の基板は光学的部分とレンズとの間に介在するので、第1の基板の厚みを省略でき、光モジュールの薄型化を図ることができる。
(2)この光モジュールにおいて、
前記第2の基板は、接着材料を介して、前記光学チップにおける前記第1の基板とは反対の面に接着されていてもよい。
(3)この光モジュールにおいて、
前記第2の基板は、前記光学チップよりも大きい外形を有し、前記光学チップの全体に平面的に重ねられていてもよい。これによって、より一層、光学チップの遮光性を高めることができる。
(4)この光モジュールにおいて、
前記第2の基板は、集積回路チップであり、
前記集積回路チップは、前記第1の基板の前記配線パターンに電気的に接続されていてもよい。これによって、光モジュールの高集積化を図ることができる。
(5)この光モジュールにおいて、
前記集積回路チップは、ワイヤを介して、前記第1の基板の前記配線パターンに電気的に接続されていてもよい。
(6)この光モジュールにおいて、
前記第1の基板の前記配線パターンは、第1の配線パターンであり、
前記第2の基板には、前記第1の配線パターンに電気的に接続された第2の配線パターンが形成されていてもよい。
(7)この光モジュールにおいて、
前記第1及び第2の配線パターンは、ワイヤを介して電気的に接続されていてもよい。
(8)この光モジュールにおいて、
前記第2の配線パターンに電気的に接続するとともに、前記第2の基板に搭載された集積回路チップをさらに含んでもよい。これによって、光モジュールの高集積化を図ることができる。
(9)この光モジュールにおいて、
前記集積回路チップは、前記第2の基板の、前記光学チップの少なくとも一部に平面的に重なる領域に搭載されていてもよい。これによって、より一層、光学チップの遮光性を高めることができる。
(10)この光モジュールにおいて、
前記集積回路チップは、前記第2の基板における前記光学チップとは反対の面に搭載されていてもよい。
(11)この光モジュールにおいて、
積層構造をなす複数の前記集積回路チップが前記第2の基板に搭載され、
複数の前記集積回路チップのうち、第1の集積回路チップは、前記第2の基板にフェースダウン実装され、
第2の集積回路チップは、前記第1の集積回路チップにフェースアップ実装されていてもよい。
(12)この光モジュールにおいて、
前記第1の基板は、全体が前記透光部となる透光基板であってもよい。
(13)この光モジュールにおいて、
前記第1の基板には、開口部が形成され、
前記透光部は、前記開口部であってもよい。
(14)この光モジュールにおいて、
前記第1の基板上には、電気的な接続部を封止する封止材が設けられていてもよい。
(15)本発明に係る電子機器は、上記光モジュールを含む。
(16)本発明に係る光モジュールの製造方法は、(a)配線パターンが形成され透光部を含む第1の基板に、電極及び光学的部分を有する光学チップを、前記電極を介して前記配線パターンに電気的に接続するとともに、前記光学的部分が前記透光部を向くように前記第1の基板の第1の面に搭載すること、
(b)前記光学チップにおける前記第1の基板とは反対側に、前記光学チップの少なくとも一部に平面的に重なるように第2の基板を設けること、
(c)レンズを保持し、少なくとも前記光学的部分を囲む形状をなす筐体を、前記第1の基板の前記第1の面とは反対の第2の面に搭載すること、
を含む。本発明によれば、光学チップにおける光学的部分が形成された面とは反対の面側に、第2の基板を設ける。これによって、光学チップの裏面への不要な光の入射をカットし、光モジュールの信頼性を高めることができる。また、光モジュールの全体の厚みは、光学的部分とレンズとの両者間の距離によってほぼ決定されるが、第1の基板は光学的部分とレンズとの間に介在するので、第1の基板の厚みを省略でき、薄型化の光モジュールを製造することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態に係る光モジュールを説明する図である。図1は光モジュールの断面図であり、図2は光学チップの断面図である。図3は、本実施の形態の変形例を示す図であり、光モジュールの断面図である。本実施の形態に係る光モジュールは、光学チップ10と、第1の基板30と、第2の基板(本実施の形態では集積回路チップ50)と、を含む。
【0010】
光学チップ10の形状は、直方体であることが多い。光学チップ10は、半導体チップであってもよい。図2に示すように、光学チップ10は、光学的部分12を有する。光学的部分12は、光が入射又は出射する部分である。また、光学的部分12は、光エネルギーと他のエネルギー(例えば電気)を変換する。すなわち、光学的部分12は、複数のエネルギー変換素子(受光素子・発光素子)14を有する。本実施の形態では、光学的部分12は受光部である。この場合、光学チップ10は、受光チップ(例えば撮像チップ)である。複数のエネルギー変換素子(受光素子又はイメージセンサ素子)14は、二次元的に並べられて、画像センシングを行えるようになっている。すなわち、本実施の形態では、光モジュールは、イメージセンサ(例えばCCD、CMOSセンサ)である。エネルギー変換素子14は、パッシベーション膜16で覆われている。パッシベーション膜16は、光透過性を有する。光学チップ10を、半導体基板(例えば半導体ウエハ)から製造する場合、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜などでパッシベーション膜16が形成されてもよい。
【0011】
光学的部分12は、カラーフィルタ18を有していてもよい。カラーフィルタ18は、パッシベーション膜16上に形成されている。また、カラーフィルタ18上に平坦化層20が設けられ、その上にマイクロレンズアレイ22が設けられていてもよい。
【0012】
光学チップ10には、複数の電極24が形成されている。電極24は、光学的部分12に電気的に接続されている。電極24は、パッド上に形成されたバンプを有するが、パッドのみであってもよい。電極24は、光学的部分12の外側に形成されている。光学チップ10の複数辺(例えば対向する2辺又は4辺)又は1辺に沿って電極24を配置してもよい。
【0013】
第1の基板30は、少なくとも一部(光学的部分12に対応する部分)に透光部を含む。第1の基板30は、透光基板であってもよい。その場合、第1の基板30の全体が透光部となる。透光基板として、光学ガラス基板を使用してもよい。透光部は、光が透過するものであれば損失の大きさは問わないし、特定の波長の光のみを透過するものであってもよい。例えば、透光部は、可視光を通過させるが赤外線領域の光を通過させないものであってもよい。透光部は、可視光に対して損失が小さく、赤外線領域の光に対して損失が大きくてもよい。第1の基板30は、光学チップ10よりも大きい外形を有する。
【0014】
図1に示すように、第1の基板30には、光学機能膜が形成されてもよい。詳しくは、光学機能膜は、透光部に形成される。光学機能膜は、第1の基板30の表面に形成されてもよい。光学機能膜は、反射防止膜(ARコート)、赤外線遮蔽膜(IRコート)などであってもよい。光学機能膜を第1の基板30に形成することで、このような光学機能を有する装置を設けなくてもよいので、製品の小型化を図ることができる。
【0015】
第1の基板30には、第1の配線パターン40が形成されている。第1の配線パターン40は、第1の基板30の一方の面(図1では第1の面32)に形成されてもよい。第1の配線パターン40は、複数の配線から構成されている。第1の配線パターン40は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)などのように光透過性を有してよい。こうすることで、光学的部分12の上方(透光部)にも第1の配線パターン40を形成することができる。あるいは、図1に示すように、光学的部分12の上方を避けていれば、第1の配線パターン40は、光透過性を有していなくてもよく、例えば金属で形成してもよい。第1の配線パターン40は、電気的な接続部となる複数の端子(第1及び第2の端子42,44)を有する。第1及び第2の端子42,44は、相互に電気的に接続している。第1及び第2の端子42,44は、ランドであってもよい。
【0016】
光学チップ10は、第1の基板30の第1の面32に搭載されている。光学チップ10における光学的部分12及び電極24の形成された面は、第1の基板30を向いている。透光部が第1の基板30の一部である場合、光学的部分12は透光部に平面的に重なる。第1の基板30によって、光学的部分12を覆うことができるので、光学的部分12にゴミが入り込むのを防止することができる。光学チップ10は、電極24を介して、第1の配線パターン40(詳しくは第1の端子42)に電気的に接続されている。両者間の電気的接続は、異方性導電膜(ACF)や異方性導電ペースト(ACP)等の異方性導電材料26を使用して、導電粒子を電極24と第1の端子42の間に介在させてもよい。その場合、異方性導電材料によって、光学的部分12を覆わないようにする。あるいは、両者間の電気的接続を、Au−Au、Au−Sn、ハンダなどによる金属接合によって達成してもよい。電気的な接続部は、アンダーフィル材によって封止することが好ましい。この場合もアンダーフィル材によって、光学的部分12を覆わないようにする。上述の異方性導電材料26又はアンダーフィル材を、光学的部分12を囲むように一体的(枠状)に形成することで、光学的部分12を封止すれば、より確実に、光学的部分12にゴミが入り込むのを防止でき、光モジュールの信頼性を向上させることができる。
【0017】
集積回路チップ(例えば半導体チップ)50は、光学チップ10に電気的に接続され、光学チップ10における第1の基板30とは反対側に設けられている。集積回路チップ50とは、基材(チップ)に集積回路が形成されたものである。集積回路チップ50は、マイクロプロセッサであってもよい。集積回路チップ50は、光学チップ10の少なくとも一部に平面的に重ねられている。これによれば、集積回路チップ50が光学チップ10の裏面を覆うので、光学チップ10の裏面への光の入射をカットすることができる。特に、集積回路チップ50は、光学チップ10の全体に平面的に重なっていれば、より一層、遮光性を高めることができる。集積回路チップ50は、光学チップ10の外側にオーバーハングしてもよい。こうすることで、斜め方向からの光の入射もカットすることができる。
【0018】
集積回路チップ50は、光学チップ10における裏面(第1の基板30とは反対の面)に、接着材料56を介して接着されている。接着材料56として、光を透過しにくい材料(例えば銀ペースト)を使用することで、光学チップ10への遮光性をより高めることができる。また、図1に示す例によれば、光学チップ10及び集積回路チップ50の一体化が図れるので、平面形状の拡大を防止することができ、光モジュールの高集積化及び小型化が図れる。
【0019】
集積回路チップ50は、電極52を介して、第1の配線パターン40(詳しくは第2の端子44)に電気的に接続されている。集積回路チップ50における電極52の形成された面は、光学チップ10とは反対側を向いてもよい。すなわち、集積回路チップ50は、光学チップ10に対して、フェースアップ実装されてもよい。電極52及び第2の端子44は、ワイヤ54を介して電気的に接続されている。
【0020】
第1の基板30上(詳しくは第1の面32上)には、電気的な接続部(第1の配線パターン40、ワイヤ54及び電極24,52など)を封止する封止材60が設けられてもよい。封止材60は、ポッティングによって材料を滴下してもよいし、型を使用して材料をモールドしてもよい。封止材60は、光学的部分12を覆わないように設ける。図1に示すように、異方性導電材料26(又はアンダーフィル材でもよい)が枠状に形成されていれば、それがダムとして機能し、封止材60が光学的部分12を覆うのを防止することができる。
【0021】
図1に示すように、光モジュールは、筐体70を含む。筐体70は、光学チップ10のケースであってもよく、筒状の鏡筒であってもよい。図1に示す例では、筐体70は、第1の基板30の第2の面34に搭載されている。筐体70は、第2の面34に接着固定されてもよい。筐体70は、光を透過しない又は透過しにくい材料で形成されることが好ましい。筐体70は、レンズ72を保持している。筐体70及びレンズ72が撮像のために使用される場合、それらを撮像光学系と呼ぶことができる。レンズ72は、光学チップ10の光学的部分12に対応する位置に配置される。
【0022】
筐体70は、レンズホルダ74と、配線基板30との取付部76と、を有する。レンズホルダ74には、レンズ72が取り付けられている。レンズホルダ74には、第1の開口部78が形成され、第1の開口部78内にレンズ72が取り付けられている。レンズ72は、レンズホルダ74の内側に形成されたねじ(図示せず)を用いて第1の開口部78の軸に沿った方向に移動させることができる押さえ具を含む押え構造(図示せず)により、第1の開口部78内に固定されていてもよい。レンズ72は、光学チップ10の光学的部分12から間隔をあけて保持されている。
【0023】
取付部76には第2の開口部80が形成されている。第1及び第2の開口部78,80は、連通している。第2の開口部80は、第1の開口部78よりも径(幅)が大きくなっている。レンズホルダ74の外側と取付部76の第2の開口部80の内側には、第1及び第2のねじ82,84が形成されており、これらによって、レンズホルダ74及び取付部76は結合されている。したがって、第1及び第2のねじ82,84によって、レンズホルダ74は、第2の開口部80の軸に沿った方向に移動する。これにより、レンズ72の焦点を調整することができる。
【0024】
筐体70は、光学チップ10の光学的部分12を囲む形状をなす。図1に示す例では、筐体70は、第1の基板30の第2の面34の平面視において、光学チップ10を囲む平面形状をなしている。こうすることで、横又は斜め方向からの、レンズ72を介在しない不要な光の入射をカットすることができる。
【0025】
なお、第1の基板30には、他の電子部品(図示しない)が搭載されてもよい。電子部品として、能動部品(集積回路を内蔵した半導体チップ等)、受動部品(抵抗器、コンデンサ等)、機能部品(フィルタ等の入力信号特性を変化させる部品)、接続部品(フレキシブル基板、コネクタ、スイッチ等)、変換部品(センサ等の入力信号を異なるエネルギー系に変換する部品)等がある。
【0026】
本実施の形態に係る光モジュールによれば、光学チップ10における光学的部分12が形成された面とは反対の面側に、集積回路チップ50(第2の基板)が設けられている。これによって、光学チップ10の裏面への不要な光の入射をカットし、光モジュールの信頼性を高めることができる。また、光モジュールの全体の厚みは、光学的部分12とレンズ72との両者間の距離によってほぼ決定されるが、第1の基板30は光学的部分12とレンズ72との間に介在するので、第1の基板30の厚みを省略でき、光モジュールの薄型化を図ることができる。
【0027】
本実施の形態に係る光モジュールの製造方法は、第1の基板30の第1の面32に光学チップ10を搭載すること、及び、光学チップ10の少なくとも一部に平面的に重なるように集積回路チップ50(第2の基板)を設けることを含む。筐体70は、光学チップ10及び集積回路チップ50の実装後に、第1の基板30の第2の面34に搭載してもよい。なお、その他の事項及び効果は、上述の光モジュールにおいて説明した内容から導くことができるので省略する。
【0028】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び結果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0029】
図3の変形例に示すように、第1の基板90は、開口部92を有してもよい。すなわち、開口部92が光学的部分12の上方に配置され、第1の基板30の透光部となっていてもよい。その場合、第1の基板90は、樹脂で形成されてもよく、リジッド基板又はフレキシブル基板のいずれであってもよい。図3に示す例では、開口部92は、光学的部分12よりも大きい外形を有し、かつ、光学チップ10よりも小さい外形を有する。そして、光学チップ10の外周端部(図3では電極24の領域)は、第1の基板30における開口部92の外側に平面的に重なっている。なお、開口部92を覆うように、第1の基板30に透光基板94が取り付けられていてもよい。透光基板94には、上述の光学機能を有していてもよい。その他の事項は、上述の形態で説明した内容が該当する。
【0030】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る光モジュールの断面図であり、図5は、その製造方法を説明する図である。本実施の形態では、第2の基板100の形態が上述と異なる。
【0031】
本実施の形態では、第2の基板100には、第2の配線パターン102が形成されている。すなわち、第2の基板100は、配線基板である。第2の基板100は、半導体装置のインターポーザ用の基板であってもよく、その材料及び構成は限定されない。第2の基板100の光学チップ10に対する相対的位置は、上述の集積回路チップ50の光学チップ10に対する相対的位置を説明した内容を適用することができる。第2の基板100は、光学チップ10に接着材料56で接着してもよい。この詳細も上述した通りである。
【0032】
第2の配線パターン102は、図4に示すように第2の基板100の一方の面に形成されてもよいし、両面に形成されてもよい。図示しないスルーホールによって両面の導通を図ってもよい。第2の配線パターン102は、複数の配線から構成され、電気的な接続部となる複数の端子(図4に示す例では第1〜第3の端子104,106,108)を含む。いずれかの端子同士が相互に電気的に接続され、端子はランドであってもよい。
【0033】
第2の基板100には、少なくとも1つの集積回路チップ(図4では第1及び第2の集積回路チップ110,120)が搭載されている。集積回路チップは、第2の配線パターン102に電気的に接続されている。集積回路チップは、第2の基板のいずれの面に搭載されてもよく、光学チップ10の少なくとも一部(全体でもよい)に平面的に重なっている。こうすることで、第2の基板100及び集積回路チップの両方によって、光学チップ10の遮光性をより高めることができる。図2に示すように、光学チップ10及び集積回路チップとの間に第2の基板100が介在してもよいし、光学チップ10及び第2の基板100の間に集積回路チップが介在してもよい。
【0034】
図4に示す例では、第1及び第2の集積回路チップ110.120は、積層構造をなしている。こうすることで、第1及び第2の集積回路チップ100,120の一体化が図れるので光モジュールの小型化が図れる。第1の集積回路チップ110は、第2の基板100にフェースダウン実装されている。詳しくは、第1の集積回路チップ110の電極112を有する面は、第2の基板100を向いており、電極112は第1の端子104に電気的に接続されている。第1の集積回路チップ110と第2の基板100の間には、アンダーフル材114が設けられることが好ましい。そして、第2の集積回路チップ120は、第1の集積回路チップ110にフェースアップ実装されている。詳しくは、第2の集積回路チップ120の電極122を有する面は、第2の基板100とは反対側を向いており、電極122は第2の端子106に例えばワイヤ124によって電気的に接続されている。第1の配線パターン40(詳しくは第2の端子44)及び第2の配線パターン102(詳しくは第3の端子108)は、相互に電気的に接続され、第1及び第2の集積回路チップ110,120は、光学チップ10に電気的に接続されている。例えば、ワイヤ130によって両方の配線パターンを電気的に接続してもよい。なお、第1の基板30の第1の面32上の電気的な接続部を封止する封止材60は、図4に示すように一体的に設けてもよいし、複数の部分に分けて設けてもよい。その他の事項は、上述の第1の実施の形態で説明した内容が該当する。
【0035】
図5に示すように、本実施の形態に係る光モジュールの製造方法は、一例として、まず、第1の基板30に光学チップ10を実装して、第1のモジュール140を形成する。一方、第2の基板100に第1及び第2の集積回路チップ110,120を実装して、第2のモジュール142を形成する。そして、第1及び第2のモジュール140,142を、相互に実装する。その後、筐体70の取り付け工程を行う。これによれば、第1又は第2モジュール140,142の製造完成時点で不良の有無を認識することができ、光モジュールの製造完成時点で発生する不良品の数を少なくすることができる。したがって、無駄な労力を省略でき、生産効率を高めることができる。
【0036】
本発明の実施の形態に係る電子機器として、図6に示すノート型パーソナルコンピュータ1000は、光モジュールが組み込まれたカメラ1100を有する。また、図7に示すデジタルカメラ2000は光モジュールを有する。さらに、図8(A)及び図8(B)に示す携帯電話3000は、光モジュールが組み込まれたカメラ3100を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光モジュールを示す図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態に係る光モジュールの光学チップを示す図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る光モジュールを示す図である。
【図4】図4は、本発明の第2の実施の形態に係る光モジュールを示す図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施の形態に係る光モジュールの製造方法を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【図8】図8(A)及び図8(B)は、本発明の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【符号の説明】
10 光学チップ、12 光学的部分、24 電極、30 第1の基板、
32 第1の面、34 第2の面、40 第1の配線パターン、
50 集積回路チップ(第2の基板)、60 封止材、70 筐体、
72 レンズ、90 第1の基板、92 開口部、100 第2の基板、
102 第2の配線パターン、110 第1の集積回路チップ、
112 第2の集積回路チップ
Claims (16)
- 配線パターンが形成され、透光部を含む第1の基板と、
電極及び光学的部分を有し、前記電極を介して前記配線パターンに電気的に接続されるとともに、前記光学的部分が前記透光部を向くように、前記第1の基板の第1の面に搭載された光学チップと、
前記第1の基板の前記第1の面とは反対の第2の面に搭載され、前記光学的部分に対応する位置にレンズを保持するとともに、少なくとも前記光学的部分を囲む形状をなす筐体と、
前記光学チップにおける前記第1の基板とは反対側に設けられ、前記光学チップの少なくとも一部に平面的に重ねられた第2の基板と、
を含む光モジュール。 - 請求項1記載の光モジュールにおいて、
前記第2の基板は、接着材料を介して、前記光学チップにおける前記第1の基板とは反対の面に接着されてなる光モジュール。 - 請求項1又は請求項2に記載の光モジュールにおいて、
前記第2の基板は、前記光学チップよりも大きい外形を有し、前記光学チップの全体に平面的に重ねられてなる光モジュール。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光モジュールにおいて、
前記第2の基板は、集積回路チップであり、
前記集積回路チップは、前記第1の基板の前記配線パターンに電気的に接続されてなる光モジュール。 - 請求項4記載の光モジュールにおいて、
前記集積回路チップは、ワイヤを介して、前記第1の基板の前記配線パターンに電気的に接続されてなる光モジュール。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光モジュールにおいて、
前記第1の基板の前記配線パターンは、第1の配線パターンであり、
前記第2の基板には、前記第1の配線パターンに電気的に接続された第2の配線パターンが形成されてなる光モジュール。 - 請求項6記載の光モジュールにおいて、
前記第1及び第2の配線パターンは、ワイヤを介して電気的に接続されてなる光モジュール。 - 請求項6又は請求項7に記載の光モジュールにおいて、
前記第2の配線パターンに電気的に接続するとともに、前記第2の基板に搭載された集積回路チップをさらに含む光モジュール。 - 請求項8記載の光モジュールにおいて、
前記集積回路チップは、前記第2の基板の、前記光学チップの少なくとも一部に平面的に重なる領域に搭載されてなる光モジュール。 - 請求項8又は請求項9に記載の光モジュールにおいて、
前記集積回路チップは、前記第2の基板における前記光学チップとは反対の面に搭載されてなる光モジュール。 - 請求項8から請求項10のいずれかに記載の光モジュールにおいて、
積層構造をなす複数の前記集積回路チップが前記第2の基板に搭載され、
複数の前記集積回路チップのうち、第1の集積回路チップは、前記第2の基板にフェースダウン実装され、
第2の集積回路チップは、前記第1の集積回路チップにフェースアップ実装されてなる光モジュール。 - 請求項1から請求項11のいずれかに記載の光モジュールにおいて、
前記第1の基板は、全体が前記透光部となる透光基板である光モジュール。 - 請求項1から請求項11のいずれかに記載の光モジュールにおいて、
前記第1の基板には、開口部が形成され、
前記透光部は、前記開口部である光モジュール。 - 請求項1から請求項13のいずれかに記載の光モジュールにおいて、
前記第1の基板上には、電気的な接続部を封止する封止材が設けられてなる光モジュール。 - 請求項1から請求項14のいずれかに記載の光モジュールを含む電子機器。
- (a)配線パターンが形成され透光部を含む第1の基板に、電極及び光学的部分を有する光学チップを、前記電極を介して前記配線パターンに電気的に接続するとともに、前記光学的部分が前記透光部を向くように前記第1の基板の第1の面に搭載すること、
(b)前記光学チップにおける前記第1の基板とは反対側に、前記光学チップの少なくとも一部に平面的に重なるように第2の基板を設けること、
(c)レンズを保持し、少なくとも前記光学的部分を囲む形状をなす筐体を、前記第1の基板の前記第1の面とは反対の第2の面に搭載すること、
を含む光モジュールの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2003058919A JP2004274165A (ja) | 2003-03-05 | 2003-03-05 | 光モジュール及びその製造方法並びに電子機器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006269784A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Konica Minolta Opto Inc | 撮像装置 |
JP2006329840A (ja) * | 2005-05-27 | 2006-12-07 | Toyama Prefecture | ハイブリッドセンサ部品 |
JP2007282195A (ja) * | 2006-04-11 | 2007-10-25 | Chicony Electronics Co Ltd | カメラレンズモジュールおよびその製造方法 |
JP2007288755A (ja) * | 2006-04-14 | 2007-11-01 | Optopac Co Ltd | カメラモジュール |
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2003
- 2003-03-05 JP JP2003058919A patent/JP2004274165A/ja not_active Withdrawn
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