【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電所で使用される原子力発電設備用中性子測定装置に係り、特に、外来ノイズの混入を抑制する技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、原子力発電所で使用される原子力発電設備用中性子測定装置には、起動領域モニタ用中性子測定装置及び出力領域モニタ用中性子測定装置がある。
図５に、起動領域モニタ用中性子測定装置のシステムを示す。図５の起動領域モニタシステムは、原子炉圧力容器内に設置された中性子検出器１と、この中性子検出器１の中性子検出信号を中央制御室装置２に設置した信号処理回路２ａまで伝送する信号ケーブル３、４と、この信号ケーブル３及び４間に挿入された前置増幅器５とを備えている。つまり、中性子検出器１は、格納容器を通過して配線された検出器側の信号ケーブル３を介して原子炉建屋内の前置増幅器５に接続され、この前置増幅器５が信号ケーブル４を介して中央制御室装置２の信号処理回路２ａに接続される。両方の信号ケーブル３、４は、各々芯線３ａ、４ａとアース用の外被３ｂ，４ｂとを有する。アース回路は、信号処理回路２ａにて接地される１点接地構造になっている。
この起動領域モニタシステムでは、原子炉の起動領域で発生する熱中性子に応じて中性子検出器１により電気パルス信号が検出される。この検出信号の強度は微弱であるので、前置増幅器５で増幅された後、信号処理回路２ａで所定の信号処理に付される。
また、本システムでは、中性子検出器１に直流電圧を印加して電気パルス信号を取り出すための高圧電源１１が中央制御室装置２２に設けられ、さらには高圧電源１１の直流電圧が前置増幅器５に加わらないようにし、なおかつ電気パルス信号が高圧電源１１に流れることなく、前置増幅器５に流れるようにするための抵抗１２、直流電圧遮断用コンデンサ１３、電気パルス遮断用インダクタンス１４が図５に示すような構成で設けられている。
【０００３】
また、図６に、出力領域モニタ用中性子測定装置のシステムを示す。図６の出力領域モニタシステムは、原子炉圧力容器内に設置された中性子検出器１と、この中性子検出器１の中性子検出信号を中央制御室装置２の信号処理回路２ａまで伝送する信号ケーブル３を備えている。つまり、中性子検出器１は、格納容器を通過して配線された検出器側の信号ケーブル３を介して信号処理回路２ａに接続される。信号ケーブル３は、各々芯線３ａとアース用の外被３ｂを有する。アース回路は、中性子検出器１及び信号処理回路２ａにて接地される２点接地構造になっている。
この出力領域モニタシステムでは、原子炉の出力運転領域で発生する熱中性子に応じて中性子検出器１により直流電流信号が検出される。この検出信号は信号処理回路２ａで所定の信号処理に付される。
また、本システムでは、中性子検出器１に直流電圧を印加して電気パルス信号を取り出すための高圧電源１１が図６に示すような構成で設けられている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来構成の起動領域モニタシステムでは、中性子検出器１と前置増幅器５との間を接続する信号ケーブル３には同軸ケーブルを使用している。このため、この同軸ケーブルに中性子検出器１からの信号レベルよりも大きな外来ノイズが伝搬してきた場合、その大きな外来ノイズに因って微弱な検出信号のＳ／Ｎ比が著しく低下してしまうという問題があり、大きな外来ノイズに対して脆弱な構造であった。
また、従来構成の出力領域モニタシステムでも、中性子検出器１と信号処理回路２ａの間を接続する信号ケーブル３には同軸ケーブルを使用しているため、この同軸ケーブルに中性子検出器１からの信号レベルよりも大きな外来ノイズが伝搬してきた場合、その外来ノイズに対して同様に脆弱な構造であった。
このような中性子検出器１からの信号レベルよりも大きな外来ノイズによる問題を図７を用いて説明する。今、前置増幅器５の入力側同軸ケーブル３に外来ノイズが加わる時、そのノイズ電流は主に同軸ケーブル３の外側にある外皮３ｂに流れ、それが前置増幅器５の共通電位ライン８に加わる。このようなノイズをコモンモードノイズという。共通電位ライン８に加わったノイズ電流は、前置増幅器５を通過して出力側同軸ケーブル４の外皮４ｂに流れ、最終的には信号処理回路２ａの接地線を通して大地に流れる。
ところで、前置増幅器５は複数の内部増幅器６から構成されており、各々の内部増幅器６は共通電位ライン８に接続されるが、実際にはこの共通電位ライン８には高調波インピーダンス９が存在する。このような高調波インピーダンス９があると、共通電位ライン８に加えられたコモンモードノイズにより共通電位ライン８自身に電位変動が生じる。この電位変動が中性子検出器１からの信号入力の際の電位変動よりも小さければ、前置増幅器５の出力はノイズの影響は受けない。
しかしながら、コモンモードノイズによる共通電位ライン８自身の電位変動が中性子検出器１からの信号入力の際の電位変動と同程度かそれよりも大きな場合には、内部増幅器６はノイズの影響を受けた出力を次段の内部増幅器に与え、最終的には前置増幅器５はノイズ波形を出力することになる。
【０００５】
このような問題を解決するため、例えば特許文献１（原子力発電設備用起動領域モニタシステム）では、その図１にあるように、同軸ケーブルのシールド被覆体を多重化してシールド被覆体同士の接続を前置増幅器側でのみで行い、検出器側ではシールド被覆体同士の接続を行わないという方式や、その図４にあるように、等価的にインダクタンスを芯線やシールド被覆体に挿入する方式によるノイズ低減策が示されている。
しかしながら、その図１の方式では、外側のシールド被覆体はノイズアースラインを通して外皮に接続されており、結局は、外来ノイズは前置増幅器のラインに流入してその共通電位ラインを変動させ、前置増幅器５の動作に影響を与える、という問題がある。また、その図４にあるような方式では、インダクタンスＬ１とＬ２の間の相互インダクタンスには周波数依存性があり、このために、このようなインダクタンスの使用によるノイズ低減能力には周波数特性があるということになるので、広帯域のノイズに対しては必ずしも有効ではない、という問題がある。
【０００６】
【特許文献１】
特開平５−２８１３６３号公報
【０００７】
本発明の課題は、上記問題に鑑み、信号ケーブルのノイズ耐性をより確実に向上させ、中性子検出信号を正しく処理するに好適な原子力発電設備用中性子測定装置を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、原子炉内に配置された中性子検出器と、検出信号を炉外部に引き出す第１の信号ケーブルと、前置増幅回路と、信号処理回路と、両回路を接続する第２の信号ケーブルを備える原子力発電設備用起動領域モニタ中性子測定装置において、第１，第２の信号ケーブルは、シールド被覆体によって覆い、シールド被覆体の内部に２本の芯線から成る縒り線を有する平衡ケーブルとし、前置増幅回路は、その信号の入力段及び出力段を差動型とし、第１，第２の信号ケーブルの２本の芯線を前置増幅回路の差動入力及び差動出力に接続し、シールド被覆体を前置増幅回路の共通電位ラインに接続する。
ここで、信号処理回路の入力段を差動型とし、当該入力段に第２の信号ケーブルの２本の芯線を介して前置増幅回路の出力段を接続し、シールド被覆体を信号処理回路の共通電位ラインに接続する。
また、原子炉内に配置された中性子検出器と、検出信号を炉外部に引き出す信号ケーブルと、検出信号を処理する信号処理回路を備える原子力発電設備用出力領域モニタ中性子測定装置において、信号ケーブルは、シールド被覆体によって覆い、シールド被覆体の内部に２本の芯線から成る縒り線を有する平衡ケーブルとし、信号処理回路は、その信号入力段を差動型とし、信号ケーブルの２本の芯線を信号処理回路の差動入力に接続し、信号ケーブルのシールド被覆体を信号処理回路の共通電位ラインに接続する。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図１は、本発明の原子力発電設備用中性子測定装置第１の実施形態を示す。ここで、前述した従来のシステムと同一又は同等の構成要素には同一符号を付す。
図１に記載の原子力発電設備用起動領域モニタシステムは、原子炉圧力容器内に設置されている炉内で非接地の中性子検出器１と、この中性子検出器１の中性子検出信号を中央制御室装置２に設置した信号処理回路２ａまで原子炉建屋を抜けて伝送する第１，第２の信号ケーブル３，４と、この第１および第２の信号ケーブル３及び４間に挿入された前置増幅器５とを備えると共に、第１，第２の信号ケーブル３，４に被せられたシールド被覆体としてのシールド１０を備えている。つまり、中性子検出器１は、格納容器を通過して配線された検出器側の第１の信号ケーブル３を介して原子炉建屋内の前置増幅器５に接続され、この前置増幅器５は第２の信号ケーブル４を介して信号処理回路２ａに接続される。
【００１０】
前置増幅器５は、増幅用の差動アンプ（前置増幅回路）５ａ、抵抗１２、直流電圧遮断用コンデンサ１３、電気パルス遮断用インダクタンス１４を有している。検出器１には直流電圧を印加する必要があるため、信号処理装置２側に置かれた高圧電源１１が前置増幅回路５ａの入力側に接続される。前置増幅回路５ａの２つの入力側に高圧電源１１の直流電圧が直接加わることのないように、さらに中性子検出器１からの電気信号が高圧電源１１には流れずに前置増幅回路５ａに流入するように、前置増幅回路５ａの入力端にはコンデンサ１３を挿入し、また、高圧電源１１側に分岐したところで抵抗１２及びインダクタンス１４を図１に示す位置に入れている。また、前置増幅回路５ａは差動入力型であり、さらに入力側信号ケーブル３も平衡型ケーブルであるため、このケーブルの芯線３ａ，３ｃに接続の各々のインピーダンスは同一とする必要があり、これらの抵抗、コンデンサ、インダクタンスの値は同一とする。
【００１１】
この前置増幅回路５ａの前後段側に位置する第１，第２の信号ケーブル３，４は、各々第１の芯線３ａ，４ａと第２の芯線３ｃ，４ｃとを有している。この第１の芯線３ａ，４ａは、前置増幅回路５ａ、信号処理回路２ａの各々のプラス側入出力端子に接続され、第２の芯線３ｃ，４ｃはこれらの回路のマイナス側入出力端子に接続されている。
ここで、中性子検出器１と前置増幅回路５ａとを繋ぐ第１の信号ケーブル３、及び、前置増幅回路５ａと信号処理回路２ａとを繋ぐ第２の信号ケーブル４は、ともにシールド被覆体１０により覆われ、このシールド被覆体１０の内部に２本の芯線から成る縒り線を有した平衡ケーブルを形成する。図４に、第１の信号ケーブル３について、平衡型信号ケーブルの内部構造を示す。
なお、シールド被覆体１０は、導電性の部材で形成され、前置増幅回路５ａの共通電位ライン８に接続され、さらに、このシステム全体としては、信号ケーブル３，４を介した共通のアースラインが信号処理回路２ａにてのみ接地されることにより、１点接地構造になっている。
【００１２】
第１の実施形態では、従来と同様に、原子炉の起動領域で生じる熱中性子に応じた電気パルス信号が中性子検出器１により検出される。この検出信号の強度は微弱であるが、前置増幅器回路５ａで増幅された後、信号処理回路２ａで所定の信号処理に付される。
ところで、前置増幅回路５ａの前段に位置する第１の信号ケーブル３に外来ノイズが混入した場合、この信号ケーブル３の外被内のノイズ電流は、シールド被覆体１０を通って前置増幅回路５ａの共通電位ライン８に流入する。しかしながら、前置増幅回路５ａの入力段及び出力段は差動型であるため、そこでの共通電位ライン８が変動したとしても差動信号としての信号レベルは、この変動の影響を受けない。したがって、ノイズ電流が前置増幅回路５ａの共通電位ライン８に流入しても前置増幅回路５ａの差動出力信号は影響を受けない。
また、前置増幅回路５ａの出力の相手先である信号処理回路２ａについても同様であり、前置増幅回路５ａの出力段を差動型として、信号処理回路２ａの入力段も差動型、また、その間の信号ケーブル４をシールド被覆体１０と２本の芯線４ａ，４ｃから成る縒り線からなる平衡型ケーブルで形成し、そのシールド被覆体１０を信号処理回路２ａの共通電位ライン８に接続することにより、この信号ケーブル４のシールド被覆体１０から流れ込むノイズ電流のために信号処理回路２ａでの差動入力段の共通電位ライン８の変動があっても、差動信号としての中性子束信号は影響を受けない。
【００１３】
以上の回路構成とすることにより、第１の実施形態は、原子力発電設備用起動領域モニタシステムにおいては、レベルの大きな外来ノイズが前置増幅器回路５ａもしくは信号処理回路２ａにおける中性子検出信号処理に悪影響を及ぼすことは殆どなく、外来ノイズに因ってＳ／Ｎ比が低下するということもほぼ完全に防止することができる。このため、信号処理回路２ａに第１の信号ケーブル３の部分から侵入した外来ノイズ除去のための特別の処理回路の付加や、ノイズ除去のための信号処理の演算負荷の付加が不要であり、容易にノイズ防止を可能とすることができる。
【００１４】
図２は、本発明の第２の実施形態を示す。ここで、図１の第１の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一符号を用いてその説明を省略又は簡略化する。
図２に記載の原子力発電設備用出力領域モニタシステムは、図１に示す前置増幅器５はなく、中性子検出器１からの直流電流信号は、信号ケーブル３を介して直接信号処理回路２ａに伝送される。また、中性子検出器１に直流電圧を供給するための高圧電源１１は、信号処理回路２ａのプラス極側に直列に挿入され、中性子信号は、この高圧電源１１及び信号処理回路２ａを流れることになる。このため、図１に示すような抵抗、コンデンサ、インダクタンスは不要である。したがって、信号ケーブル３の芯線３ａ，３ｃは、各々信号処理回路２ａの差動入力の＋側及び−側に接続される構成となる。
このような回路構成において、信号処理回路２ａの前段に位置する信号ケーブル３に外来ノイズが混入した場合、この信号ケーブル３の外被内のノイズ電流は、シールド被覆体１０を通ってコモンモードノイズとして共通電位ライン８に流れても、信号処理回路２ａの入力は差動型であるため、ここでの差動信号処理は外来ノイズの影響を受けない。このため、信号処理回路２ａでの中性子束信号処理動作に影響を与えない。
したがって、この第２の実施形態によれば、図１の第１の実施形態と同等のノイズ防止効果が得られ、ノイズ耐性を向上させることができる。
【００１５】
図３は、本発明の第３の実施形態を示す。ここで、図３に示す原子力発電設備用出力領域モニタシステムにあっては、図２に示す回路構成を基本としつつ、中性子検出器１に直流電圧を供給するための高圧電源１１は、信号処理回路２ａのマイナス極側に直列に挿入される。また、この場合の信号処理回路２ａでの共通電位ライン８は、信号処理回路２ａ自身のマイナス極側の入力端子（高圧電源１１のプラス極）を用い、さらに信号処理回路２ａの出力は、入力側と電気的に絶縁されている。この信号処理回路２ａの出力側の回路の共通電位ライン８は、信号ケーブル３（３ａ，３ｃ）のシールド被覆体１０に接続される。
このような回路構成において、信号処理回路２ａの前段に位置する信号ケーブル３に外来ノイズが混入した場合、この信号ケーブル３の外被内のノイズ電流は、シールド被覆体１０を通ってコモンモードノイズとして共通電位ライン８に流れても、信号処理回路２ａの入力は差動型であるため、ここでの差動信号処理は外来ノイズの影響を受けない。このため、信号処理回路２ａでの中性子束信号処理動作に影響を与えない。
したがって、この第３の実施形態によっても、図２の第２の実施形態と同等のノイズ防止効果が得られ、ノイズ耐性を向上させることができる。
【００１６】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、中性子検出信号を伝送する信号ケーブルをシールド被覆体により覆い、このシールド被覆体の内部に２本の芯線から成る縒り線を有した平衡ケーブルとし、また、前置増幅回路及び信号処理回路を差動型とし、また、信号ケーブルの２本の芯線を各々の差動入力端子に接続し、さらに、シールド被覆体を前置増幅回路及び信号処理回路の共通電位ラインに接続することにより、信号ケーブルのシールド部分に到来する外来ノイズの影響を適確に排除することができ、検出信号のＳ／Ｎ比の低下を排除することができる。したがって、信号ケーブルの敷設長が長くなって外来ノイズの影響を受けやすいシステムでも、そのノイズ耐性を従来よりも格段に向上させ、検出信号の処理を容易に且つ精度良く行うことができる。
また、外来ノイズ除去のための特別の処理回路の付加や、ノイズ除去のための信号処理の演算負荷の付加が不要であり、容易にノイズ防止を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施形態を示す原子力発電設備用起動領域モニタシステムのブロック図
【図２】本発明の第２実施形態を示す原子力発電設備用出力領域モニタシステムのブロック図
【図３】本発明の第３の実施形態を示す原子力発電設備用出力領域モニタシステムのブロック図
【図４】本発明の平衡型信号ケーブルの内部構造を示す模式図
【図５】従来例に係る原子力発電設備用起動領域モニタシステムを示すブロック図
【図６】図８の従来例に係るシステムにおいて外来ノイズ到来時の前置増幅器での動作の影響を説明するブロック図
【図７】従来例に係る原子力発電設備用出力領域モニタシステムを示すブロック図
【符号の説明】
１…中性子検出器、２…中央制御室装置、２ａ…信号処理回路、３…第１の同軸ケーブル、３ａ…第１の芯線、３ｂ…第２の芯線、４…第２の同軸ケーブル、４ａ…第１の芯線、４ｂ…第２の芯線、、５…前置増幅器、５ａ…前置増幅回路（差動型）、６…前置増幅器内部増幅器、８…共通電位ライン、９…前置増幅器内部共通電位ライン高調波インピーダンス、１０…シールドケーブル（シールド被覆体）、１１…高圧電源、１２…抵抗、１３…直流電圧遮断用コンデンサ、１４…電気パルス遮断用インダクタンス[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a neutron measurement device for a nuclear power plant used in a nuclear power plant, and more particularly to a technique for suppressing the mixing of external noise.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, a neutron measuring device for a nuclear power plant used in a nuclear power plant includes a neutron measuring device for monitoring an activation region and a neutron measuring device for monitoring an output region.
FIG. 5 shows a system of the neutron measuring device for monitoring the activation area. 5 is a signal for transmitting a neutron detector 1 installed in a reactor pressure vessel and a neutron detection signal of the neutron detector 1 to a signal processing circuit 2a installed in the central control room device 2. Cables 3 and 4 and a preamplifier 5 inserted between the signal cables 3 and 4 are provided. That is, the neutron detector 1 is connected to the preamplifier 5 in the reactor building via the detector-side signal cable 3 wired through the containment vessel, and the preamplifier 5 connects the signal cable 4. The signal is connected to the signal processing circuit 2a of the central control room device 2 via the control unit. Both signal cables 3, 4 have core wires 3a, 4a and jackets 3b, 4b for grounding, respectively. The ground circuit has a single-point ground structure that is grounded by the signal processing circuit 2a.
In this starting area monitoring system, an electric pulse signal is detected by the neutron detector 1 according to thermal neutrons generated in the starting area of the nuclear reactor. Since the intensity of this detection signal is weak, it is amplified by the preamplifier 5 and then subjected to predetermined signal processing by the signal processing circuit 2a.
In the present system, a high-voltage power supply 11 for applying a DC voltage to the neutron detector 1 to extract an electric pulse signal is provided in the central control room device 22. 5, and a resistor 12, a capacitor 13 for blocking DC voltage, and an inductance 14 for interrupting the electric pulse, which allow the electric pulse signal to flow to the preamplifier 5 without flowing to the high-voltage power supply 11, are shown in FIG. The configuration is provided as shown.
[0003]
FIG. 6 shows a system of a neutron measuring apparatus for monitoring an output area. 6 is a neutron detector 1 installed in a reactor pressure vessel, and a signal cable 3 for transmitting a neutron detection signal of the neutron detector 1 to a signal processing circuit 2a of the central control room device 2. It has. That is, the neutron detector 1 is connected to the signal processing circuit 2a via the signal cable 3 on the detector side wired through the storage container. The signal cables 3 each have a core wire 3a and a jacket 3b for grounding. The grounding circuit has a two-point grounding structure that is grounded by the neutron detector 1 and the signal processing circuit 2a.
In this output area monitoring system, a dc signal is detected by the neutron detector 1 according to thermal neutrons generated in an output operation area of the reactor. This detection signal is subjected to predetermined signal processing in the signal processing circuit 2a.
Further, in this system, a high-voltage power supply 11 for applying a DC voltage to the neutron detector 1 and extracting an electric pulse signal is provided in a configuration as shown in FIG.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the start-up area monitoring system of the conventional configuration, a coaxial cable is used as the signal cable 3 connecting between the neutron detector 1 and the preamplifier 5. For this reason, when external noise greater than the signal level from the neutron detector 1 propagates through this coaxial cable, the S / N ratio of a weak detection signal is significantly reduced due to the large external noise. There was a problem, and the structure was vulnerable to large external noise.
Also, in the conventional output area monitor system, since the signal cable 3 connecting the neutron detector 1 and the signal processing circuit 2a uses a coaxial cable, the signal from the neutron detector 1 is connected to the coaxial cable. When an external noise larger than the level propagates, the structure is similarly vulnerable to the external noise.
A problem due to such external noise that is larger than the signal level from the neutron detector 1 will be described with reference to FIG. Now, when external noise is applied to the input side coaxial cable 3 of the preamplifier 5, the noise current mainly flows to the outer jacket 3 b outside the coaxial cable 3, which is applied to the common potential line 8 of the preamplifier 5. . Such noise is called common mode noise. The noise current applied to the common potential line 8 passes through the preamplifier 5, flows to the outer cover 4b of the output side coaxial cable 4, and finally flows to the ground through the ground line of the signal processing circuit 2a.
The preamplifier 5 is composed of a plurality of internal amplifiers 6 and each of the internal amplifiers 6 is connected to a common potential line 8. I do. When such a harmonic impedance 9 is present, a potential change occurs in the common potential line 8 itself due to the common mode noise applied to the common potential line 8. If this potential variation is smaller than the potential variation at the time of signal input from the neutron detector 1, the output of the preamplifier 5 is not affected by noise.
However, when the potential fluctuation of the common potential line 8 itself due to the common mode noise is equal to or larger than the potential fluctuation at the time of the signal input from the neutron detector 1, the internal amplifier 6 is affected by the noise. The output is given to the next internal amplifier, and the preamplifier 5 finally outputs a noise waveform.
[0005]
In order to solve such a problem, for example, in Patent Document 1 (starting area monitoring system for nuclear power generation equipment), as shown in FIG. 1, a shield coating of a coaxial cable is multiplexed to connect the shield coatings. Noise is generated only by the preamplifier side and not connected between the shield coatings on the detector side, or by equivalently inserting an inductance into the core wire or the shield coating as shown in FIG. Reduction measures are indicated.
However, in the scheme of FIG. 1, the outer shield coating is connected to the outer skin through a noise ground line, and eventually, the external noise flows into the preamplifier line and fluctuates its common potential line. There is a problem that the operation of the preamplifier 5 is affected. Further, in the method as shown in FIG. 4, the mutual inductance between the inductances L1 and L2 has frequency dependency, and therefore, the noise reduction ability by using such an inductance has a frequency characteristic. Therefore, there is a problem that it is not always effective for broadband noise.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-5-281363
In view of the above problems, an object of the present invention is to provide a neutron measuring apparatus for a nuclear power generation facility, which is capable of more reliably improving the noise resistance of a signal cable and correctly processing a neutron detection signal.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, a neutron detector disposed in a reactor, a first signal cable for extracting a detection signal to the outside of the reactor, a preamplifier circuit, a signal processing circuit, and a second circuit for connecting the two circuits are provided. In the start-up area monitor neutron measuring device for a nuclear power plant equipped with two signal cables, the first and second signal cables are covered with a shield covering, and have a stranded wire composed of two core wires inside the shield covering. The preamplifier circuit is a balanced cable, the input stage and the output stage of the signal are of a differential type, and the two core wires of the first and second signal cables are connected to the differential input and the differential output of the preamplifier circuit. , And the shield cover is connected to the common potential line of the preamplifier circuit.
Here, the input stage of the signal processing circuit is of a differential type, the output stage of the preamplifier circuit is connected to the input stage via two core wires of the second signal cable, and the shield cover is connected to the signal processing circuit. Connected to the common potential line.
Further, in a neutron detector arranged in the reactor, a signal cable for extracting a detection signal to the outside of the reactor, and an output area monitor neutron measurement device for a nuclear power plant equipped with a signal processing circuit for processing the detection signal, the signal cable is A balanced cable having a twisted wire consisting of two core wires covered with a shield coating, and a signal processing circuit having a signal input stage of a differential type. It is connected to the differential input of the signal processing circuit, and the shield covering of the signal cable is connected to the common potential line of the signal processing circuit.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 shows a first embodiment of a neutron measuring apparatus for a nuclear power plant according to the present invention. Here, the same or equivalent components as those of the above-described conventional system are denoted by the same reference numerals.
The starting area monitoring system for a nuclear power plant shown in FIG. 1 includes a neutron detector 1 that is not grounded in a reactor installed in a reactor pressure vessel and a neutron detection signal of the neutron detector 1 in a central control room. First and second signal cables 3 and 4 for transmitting through a reactor building to a signal processing circuit 2a installed in the apparatus 2, and a front part inserted between the first and second signal cables 3 and 4 An amplifier 5 and a shield 10 as a shield covering over the first and second signal cables 3 and 4 are provided. That is, the neutron detector 1 is connected to the preamplifier 5 in the reactor building via the first signal cable 3 on the detector side wired through the containment vessel. 2 is connected to the signal processing circuit 2a via the signal cable 4.
[0010]
The preamplifier 5 includes an amplification differential amplifier (preamplifier circuit) 5a, a resistor 12, a DC voltage cutoff capacitor 13, and an electric pulse cutoff inductance 14. Since it is necessary to apply a DC voltage to the detector 1, the high-voltage power supply 11 provided on the signal processing device 2 side is connected to the input side of the preamplifier circuit 5a. In order that the DC voltage of the high voltage power supply 11 is not directly applied to the two input sides of the preamplifier circuit 5a, the electric signal from the neutron detector 1 is further supplied to the preamplifier circuit 5a without flowing to the high voltage power supply 11. A capacitor 13 is inserted into the input terminal of the preamplifier circuit 5a so as to flow in, and a resistor 12 and an inductance 14 are placed at the positions shown in FIG. Further, since the preamplifier circuit 5a is of a differential input type and the input signal cable 3 is also a balanced type cable, it is necessary that the impedance of each of the core wires 3a and 3c of this cable be the same. These resistors, capacitors, and inductances have the same value.
[0011]
The first and second signal cables 3 and 4 located on the front and rear sides of the preamplifier circuit 5a have first core wires 3a and 4a and second core wires 3c and 4c, respectively. The first core wires 3a, 4a are connected to the positive input / output terminals of the preamplifier circuit 5a and the signal processing circuit 2a, respectively, and the second core wires 3c, 4c are connected to the negative input / output terminals of these circuits. It is connected.
Here, the first signal cable 3 connecting the neutron detector 1 and the preamplifier circuit 5a and the second signal cable 4 connecting the preamplifier circuit 5a and the signal processing circuit 2a are both shielded coverings. The shielded cable 10 is covered with a shielded cable 10 to form a balanced cable having a stranded wire composed of two core wires. FIG. 4 shows the internal structure of the balanced signal cable for the first signal cable 3.
The shield coating 10 is formed of a conductive material, is connected to the common potential line 8 of the preamplifier circuit 5a, and furthermore, as a whole system, a common ground line via the signal cables 3 and 4. Are grounded only by the signal processing circuit 2a, thereby forming a one-point grounding structure.
[0012]
In the first embodiment, the neutron detector 1 detects an electric pulse signal corresponding to thermal neutrons generated in the start-up region of the nuclear reactor, as in the related art. Although the intensity of this detection signal is weak, it is amplified by the preamplifier circuit 5a and then subjected to predetermined signal processing by the signal processing circuit 2a.
When external noise is mixed in the first signal cable 3 located in the preceding stage of the preamplifier circuit 5a, the noise current in the jacket of the signal cable 3 passes through the shield covering 10 and the preamplifier circuit 5 a flows into the common potential line 8. However, since the input stage and the output stage of the preamplifier circuit 5a are of a differential type, even if the common potential line 8 fluctuates, the signal level as a differential signal is not affected by this fluctuation. Therefore, even if the noise current flows into the common potential line 8 of the preamplifier circuit 5a, the differential output signal of the preamplifier circuit 5a is not affected.
The same applies to the signal processing circuit 2a which is the destination of the output of the preamplifier circuit 5a. The output stage of the preamplifier circuit 5a is of a differential type, and the input stage of the signal processing circuit 2a is of a differential type. Further, the signal cable 4 therebetween is formed of a balanced cable composed of a shield covering 10 and a twisted wire composed of two core wires 4a and 4c, and the shield covering 10 is connected to the common potential line 8 of the signal processing circuit 2a. Accordingly, even if the common potential line 8 of the differential input stage in the signal processing circuit 2a fluctuates due to the noise current flowing from the shield coating 10 of the signal cable 4, the neutron flux signal as the differential signal Is not affected.
[0013]
With the above circuit configuration, in the first embodiment, in the start-up area monitoring system for a nuclear power plant, external noise having a large level adversely affects neutron detection signal processing in the preamplifier circuit 5a or the signal processing circuit 2a. And almost no reduction in the S / N ratio due to extraneous noise can be prevented. Therefore, it is not necessary to add a special processing circuit for removing extraneous noise that has entered the signal processing circuit 2a from the portion of the first signal cable 3 or to add a calculation load of signal processing for removing noise. Noise can be easily prevented.
[0014]
FIG. 2 shows a second embodiment of the present invention. Here, components that are the same as or equivalent to those of the first embodiment in FIG. 1 are denoted by the same reference numerals, and description thereof is omitted or simplified.
The output area monitoring system for a nuclear power plant shown in FIG. 2 does not have the preamplifier 5 shown in FIG. 1, and the DC current signal from the neutron detector 1 is directly transmitted to the signal processing circuit 2a via the signal cable 3. Is done. Further, a high-voltage power supply 11 for supplying a DC voltage to the neutron detector 1 is inserted in series on the positive pole side of the signal processing circuit 2a, and a neutron signal flows through the high-voltage power supply 11 and the signal processing circuit 2a. Become. Therefore, the resistors, capacitors, and inductances as shown in FIG. 1 are unnecessary. Therefore, the core wires 3a and 3c of the signal cable 3 are connected to the positive and negative sides of the differential input of the signal processing circuit 2a, respectively.
In such a circuit configuration, when external noise is mixed in the signal cable 3 located in the preceding stage of the signal processing circuit 2a, the noise current in the jacket of the signal cable 3 passes through the shield coating 10 and the common mode noise. Even if the signal flows through the common potential line 8, the input of the signal processing circuit 2 a is of a differential type, so that the differential signal processing here is not affected by external noise. Therefore, it does not affect the neutron flux signal processing operation in the signal processing circuit 2a.
Therefore, according to the second embodiment, the same noise prevention effect as that of the first embodiment of FIG. 1 can be obtained, and the noise resistance can be improved.
[0015]
FIG. 3 shows a third embodiment of the present invention. Here, in the output area monitoring system for a nuclear power plant shown in FIG. 3, the high-voltage power supply 11 for supplying the DC voltage to the neutron detector 1 is based on the circuit configuration shown in FIG. It is inserted in series on the negative pole side of the circuit 2a. In this case, the common potential line 8 in the signal processing circuit 2a uses an input terminal (positive pole of the high voltage power supply 11) of the signal processing circuit 2a itself on the negative pole side. It is electrically insulated from the side. The common potential line 8 of the circuit on the output side of the signal processing circuit 2a is connected to the shield covering 10 of the signal cable 3 (3a, 3c).
In such a circuit configuration, when external noise is mixed in the signal cable 3 located in the preceding stage of the signal processing circuit 2a, the noise current in the jacket of the signal cable 3 passes through the shield coating 10 and the common mode noise. Even if the signal flows through the common potential line 8, the input of the signal processing circuit 2 a is of a differential type, so that the differential signal processing here is not affected by external noise. Therefore, it does not affect the neutron flux signal processing operation in the signal processing circuit 2a.
Therefore, according to the third embodiment, the same noise prevention effect as that of the second embodiment in FIG. 2 can be obtained, and the noise resistance can be improved.
[0016]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a signal cable for transmitting a neutron detection signal is covered with a shield covering, and a balanced cable having a stranded wire composed of two cores inside the shield covering, , The preamplifier circuit and the signal processing circuit are of a differential type, the two core wires of the signal cable are connected to the respective differential input terminals, and the shield cover is further connected to the preamplifier circuit and the signal processing circuit. By connecting to the common potential line, the influence of external noise arriving at the shield part of the signal cable can be properly eliminated, and a decrease in the S / N ratio of the detection signal can be eliminated. Therefore, even in a system in which the laying length of the signal cable is long and is easily affected by external noise, the noise resistance can be remarkably improved as compared with the conventional system, and the detection signal can be processed easily and accurately.
Further, it is not necessary to add a special processing circuit for removing extraneous noise or to add a calculation load for signal processing for removing noise, and noise can be easily prevented.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram of a start-up area monitor system for a nuclear power plant showing a first embodiment of the present invention; FIG. 2 is a block diagram of an output area monitor system for a nuclear power plant showing a second embodiment of the present invention; FIG. 3 is a block diagram of an output area monitoring system for a nuclear power plant showing a third embodiment of the present invention. FIG. 4 is a schematic diagram showing an internal structure of a balanced signal cable of the present invention. FIG. 6 is a block diagram illustrating a start-up area monitoring system for a nuclear power plant. FIG. 6 is a block diagram illustrating the influence of the operation of a preamplifier when external noise comes in the system according to the conventional example in FIG. Block diagram showing such an output area monitoring system for a nuclear power plant [Description of reference numerals]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Neutron detector, 2 ... Central control room apparatus, 2a ... Signal processing circuit, 3 ... 1st coaxial cable, 3a ... 1st core wire, 3b ... 2nd core wire, 4 ... 2nd coaxial cable, 4a 1st core wire, 4b 2nd core wire, 5 ... preamplifier, 5a ... preamplifier circuit (differential type), 6 ... preamplifier internal amplifier, 8 ... common potential line, 9 ... preamplifier Amplifier internal common potential line harmonic impedance, 10: shielded cable (shield coating), 11: high voltage power supply, 12: resistor, 13: DC voltage blocking capacitor, 14: electric pulse blocking inductance
