JP2004262129A - 湿式プレス装置 - Google Patents

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Yoichi Murakami
陽一 村上
Hiroyuki Ukai
宏之 鵜飼
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

【課題】セラミックスラリーから成形密度が均一な成形体を作製する。
【解決手段】ダイ102、上パンチ103、下パンチ104、ベース105および濾材106とから構成され、ベース105がダイ102の上方端面107よりも低い部分に位置し、貫通孔109、上パンチ103のパンチ面および下パンチ104のパンチ面に排水溝が形成されず、かつ、貫通孔109、上パンチ103のパンチ面および下パンチ104のパンチ面からなる成形空間に通じる排水孔が設けられていない湿式プレス装置により成形体を作製する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スラリーをプレスして成形体を形成する湿式プレス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図16は従来の湿式プレス装置を示す概略断面図である。
【0003】
図16に示すように、湿式プレス装置801は上パンチ803に排水孔818が形成された湿式プレス装置である。上パンチ803とキャビティ810とから形成される成形空間において成形体を形成し、成形体から水分が排出される。排水は、例えば真空ポンプ吸引により、キャビティ810を被覆するように配置された濾材806および排水板811を介して、排水孔818を通じて外部へ排出される(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
図17は従来の別の湿式プレス装置を示す概略断面図である。
【0005】
図17に示すように、湿式プレス装置901は、下型904に形成された凹部910の底面に排水孔918が形成された湿式プレス装置である。上型903とキャビティ910とから形成される成形空間において成形体を形成し、成形体から水分が排出される。排水は下型904の底面に載置された濾材906、金網911aおよび排水板911bを介して、排水孔918を通じて外部へ排出される(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
実開昭61−70007号公報(第4頁、第1図)
【特許文献2】
特公平6−104323号公報(第2頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図16のように真空ポンプなどの吸引による強制排水機構を用いて排水を行うと、排水孔818近傍のスラリーから排出される水分の流速が早くなる。その結果、排水孔818近傍においては、ケーキ層の形成が周囲よりも早くなり、成形密度の不均一の原因となる。また、排水の流速が速すぎると、ケーキ層に排水跡が残りやすくなり、その結果成形密度が不均一となる。成形密度が均一でないと、焼成時の割れや歪みの原因となる。さらに、強制排水機構を備える必要があるため、機構が複雑になりコストも高くなるという問題があった。
【0008】
また、図17のように下型904の底面に排水孔918がある場合は、ケーキ層の形成は排水孔918直上から起こるため、その部位のケーキ層の形成が周囲よりも早くなり、その結果成形密度の不均一が生じ、焼成時の割れや歪みの原因となるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、成形体の成形密度を均一とすることができ、さらにコストの低い湿式プレス装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる発明は、上方端面と下方端面とを有し、前記上方端面から前記下方端面に貫通孔が形成されたダイと、前記ダイの上方に上下動可能に配置され、前記貫通孔の上方端面を被覆するパンチ面を有する上パンチと、前記貫通孔内部に上下動可能に配置された下パンチと、前記ダイの上方端面より低い位置に配置され、前記ダイを支持するベースと、前記貫通孔と、前記下パンチのパンチ面と、により形成されたキャビティを被覆するように、前記ダイの上方端面の上に載置された濾材と、を備え、前記貫通孔の側面、前記上パンチのパンチ面および下パンチのパンチ面に、成形体から排出された水分を排出するための排水孔が形成されていないことを特徴としている。
【0011】
請求項2にかかる発明は、上方端面と下方端面とを有し、前記上方端面から前記下方端面に貫通孔が形成されたダイと、前記ダイの上方に上下動可能に配置され、前記貫通孔の上方端面を被覆するパンチ面を有する上パンチと、前記貫通孔内部に上下動可能に配置された下パンチと、前記ダイの上方端面より低い位置に配置され、前記ダイを支持するベースと、前記貫通孔と、前記下パンチのパンチ面と、により形成されたキャビティを被覆するように、前記ダイの上方端面の上に載置された濾材と、を備え、前記濾材の端面が前記ダイの上方端面と同じ高さを有する面の外側に突出した状態で載置されることを特徴としている。
【0012】
請求項3にかかる発明は、上方端面と下方端面とを有し、前記上方端面から前記下方端面に貫通孔が形成されたダイと、前記ダイの上方に上下動可能に配置され、前記貫通孔の上方端面を被覆するパンチ面を有する上パンチと、前記貫通孔内部に上下動可能に配置された下パンチと、前記貫通孔と、前記下パンチのパンチ面と、により形成されたキャビティを被覆するように、前記ダイの上方端面の上に載置された濾材と、を備え、前記ダイの内部に排水孔が形成され、前記排水孔は前記ダイの前記上方端面に一方の開口部を有し、前記ダイの前記上方端面を除く外表面に他方の開口部を有するものであることを特徴としている。
【0013】
請求項4にかかる発明は、請求項3に記載の湿式プレス装置において、前記濾材の端面が、前記ダイに形成された排水孔の一部または全部を覆う状態で載置されていることを特徴としている。
【0014】
請求項5にかかる発明は、上方端面と下方端面とを有し、前記上方端面から前記下方端面に貫通孔が形成されたダイと、前記ダイの上方に上下動可能に配置され、前記貫通孔の上方端面を被覆するパンチ面を有する上パンチと、前記貫通孔内部に上下動可能に配置された下パンチと、前記貫通孔と、前記下パンチのパンチ面と、により形成されたキャビティを被覆するように、前記ダイの上方端面の上に載置された濾材と、を備え、前記ダイには切り欠かれた部分が形成され、前記切り欠かれた部分は前記上方端面から前記ダイの外側側面にかけて形成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項6にかかる発明は、請求項5に記載の湿式プレス装置において、前記濾材の端面が、前記ダイの前記上方端面の外側に突出した状態で載置されることを特徴としている。
【0016】
請求項7にかかる発明は、上方端面と下方端面とを有し、前記上方端面から前記下方端面に貫通孔が形成されたダイと、前記ダイの上方に上下動可能に配置され、前記貫通孔の上方端面を被覆するパンチ面を有する上パンチと、前記貫通孔内部に上下動可能に配置された下パンチと、前記貫通孔と、前記下パンチのパンチ面と、により形成されたキャビティを被覆するように、前記ダイの上方端面の上に載置された濾材と、を備え、前記ダイの上方端面に溝が形成され、前記上パンチが上昇し、かつ前記濾材が前記ダイの上方端面から除かれた状態で、前記ダイの上方端面上を移動して前記溝にたまった排水を除去する機構を備えることを特徴としている。
【0017】
請求項8にかかる発明は、請求項7に記載の湿式プレス装置において、前記濾材の端面が、前記ダイに形成された前記溝の一部または全部を覆う状態で載置されていることを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1は、本実施形態で用いられる湿式プレス装置の概略断面図である。
図1に示すように、湿式プレス装置101には、ダイ102、上パンチ103、下パンチ104、ベース105および濾材106が備えられている。
【0019】
ダイ102は上方端面107と下方端面108とを有し、上方端面107から下方端面108に、成形体の形状に合わせて形成された貫通孔109が形成されている。貫通孔109は複数形成されていてもよい。
上パンチ103はダイ102の上方に上下動可能に配置され、貫通孔109を被覆するパンチ面を有する。
下パンチ104は上パンチ103に対向して貫通孔109内部に上下動可能に配置されている。
【0020】
ダイ102、上パンチ103および下パンチ104を構成する素材としては、ステンレス鋼、鋼、鉄、鉄系合金、焼結金属、カーボン、樹脂系材料、セラミックなどを用いることができる。
ベース105は、ダイ102の上方端面107より低い位置に配置され、ダイ102を支持する。ベース105を構成する素材としては、ダイに用いることのできる素材と同様のものを用いることができる。
【0021】
濾材106は、ダイ102の上方端面107の上に載置されている。濾材106は、貫通孔109と下パンチ104のパンチ面とにより形成されたキャビティ110を被覆している。濾材106としては、スラリー中の粒子の一部を捉えることができるものを用いる。例えば、濾紙、布、ビニル系材料からなるミクロフィルターなどを用いることができる。また、例えば高分子ポリエチレン、あるいはフェライトなどの同種材料セラミック成形体からなる多孔質板を用いることもできる。さらには、濾材106はスラリーの流し込まれたキャビティ110の蓋となり、スラリーから水分と原料とを分離し、ケーキ層を肉着させる。
【0022】
金網111は濾材106上に載置され、濾材106と金網111の形成する空間を通じて排水が水平方向に移動する。濾材106が金網111と同等の強度を有する場合は、濾材106内部の空洞を通じて排水が水平方向に移動することができるため、金網111を用いなくてもよい。また、濾材106と金網111の端面がダイ102の上方端面107の外側に突出した状態で載置されることにより、排水が濾材106と金網111の形成する空間を通じて、ダイ102の上方端面107からベース105方向へ流れ落ちやすくなる。
【0023】
湿式プレス装置101の、貫通孔109の側面、上パンチ103のパンチ面および下パンチ104のパンチ面には、成形体から排出された水分を排出するための排水孔は形成されていない。
【0024】
上パンチ103は、上シリンダー112のロッド113が伸縮することにより上下動し、下パンチ104は、下シリンダー114のロッド115が伸縮することにより上下動する。上パンチ103が金網に接するまで降下し、下パンチ104が上昇することにより、上パンチ103とキャビティ110とより成形空間が形成される。キャビティ110にはセラミックスラリーが充填され、上パンチ103および下パンチ104により加圧されて、成形空間において成形体が形成される。成形体から排出された水分は、濾材106および金網111が作る空間を通ってダイ102よりも低い位置に形成されたベース105方向へ流れ落ちる。
【0025】
本実施形態によると、濾材と金網の端面がダイの上方端面の外側に突出した状態で載置されているため、成形体から排出された水分は成形空間から溢れ出て、濾材と金網が形成する空間を通って、ベース方向へ流れ落ちる。したがって、排水の逆流を防いで脱水成形を行なうことができる。強制排水機構が不要であることから、湿式プレス装置の機構を単純化でき、コストを下げることができる。
【0026】
また、貫通孔の側面、上パンチのパンチ面および下パンチのパンチ面に排水孔が設けられておらず、成形体に排水孔が接しないため、均一の圧力を成形体にかけることができ、成形密度の均一な成形体を作製することができる。
【0027】
(実施形態2)
図2は、本実施形態で用いられる湿式プレス装置の一部概略断面図である。ダイ202は、上方端面207と下方端面208とを有し、上方端面207から下方端面208に貫通孔209が形成されている。また、本実施形態においては、ダイ202の外側側面216の一部は露出しているが、ダイ202の上方端面207とベース205は同じ高さに形成されていてもよい。図2に記載されていない部分については、実施形態1で用いられる図1の湿式プレス装置101と同様の機構からなる。
【0028】
図3は、本実施形態で用いられる湿式プレス装置の一部概略図、および断面線X1−X1における一部概略断面図である。本実施形態で用いられる湿式プレス装置のダイ302は、図2のダイ202に、排水孔が設けられたものである。
【0029】
図3に示すように、ダイ302の内部に排水孔319が形成されている。排水孔319は、ダイ302の上方端面307に一方の開口部317を有し、ダイ302の上方端面307を除く外表面である外側側面316に他方の開口部318を有している。排水孔319の断面は、角柱型、角錐型、半円型などの形状とすることができる。なお、ダイ302の上方端面307とベース305とが同じ高さに形成されている湿式プレス装置において、ダイ302の上方端面307に一方の開口317を有し、ダイ302の外側側面316に他方の開口部317を有する排水孔319、および排水孔319に接続され、ベース305の内部を貫通するように形成された排水孔が形成されてもよい。
排水孔319の底面は水の流れを考慮して、傾斜、あるいは凹凸構造としてもよい。
【0030】
また、上パンチが濾材を圧搾して排水を排水孔に流し込むのを補助するために、濾材と上パンチとの間に金網を載置してもよい。金網の代わりに、例えばパンチングプレートを用いることができる。また、例えば高分子ポリエチレンからなる多孔質板でもよい。さらに、例えばエッチング加工、機械加工などにより、金属板の表面が粗面とされているもの、または溝が形成されたものでもよい。これらの粗面、溝がスラリーから排出された水分の通る通路となる。また、金網の代わりに、濾材の圧搾を補助するために、スペーサ、突起などの機構を持たせてもよい。
【0031】
なお、図3に示すように、濾材306と金網311の端面が少なくとも排水孔319にかかる状態で載置されていると、濾材306と金網311の形成する空間を通って、排水がダイの上方端面307から排水孔319に流れ込みやすくなるため好ましい。
【0032】
本実施形態によると、濾材と金網の端面が排水孔にかかる状態で載置されているため、成形体から排出された水分は成形空間から溢れ出て、濾材と金網が形成する空間を通って、排水孔などへ流れ込み、ベース方向へ流れ落ちる。したがって、排水の逆流を防いで脱水成形を行なうことができる。成形体に近い部分に排水孔などが形成されているため、排水孔などが形成されていない場合と比較して、成形体への排水の逆流がより生じにくい。
(実施形態3)
図4は、本実施形態で用いられる湿式プレス装置の一部外略図、および断面線X2−X2における一部概略断面図である。本実施形態で用いられる湿式プレス装置のダイ402は、図2のダイ202に、排水孔が設けられたものである。
【0033】
図4に示すように、ダイ402の内部に排水孔419が形成されている。排水孔419は、ダイ402の上方端面407に一方の開口部417を有し、ダイ402の上方端面407を除く外表面である下方端面408に他方の開口部418を有している。
【0034】
なお、濾材406と金網411の端面が少なくとも排水孔419にかかる状態で載置されていると、濾材406と金網411の形成する空間を通って、排水がダイの上方端面407から排水孔419に流れ込みやすくなるため好ましい。
【0035】
本実施形態によると、濾材と金網の端面が排水孔にかかる状態で載置されているため、成形体から排出された水分は成形空間から溢れ出て、濾材と金網が形成する空間を通って、排水孔へ流れ込み、ベース方向へ流れ落ちる。したがって、排水の逆流を防いで脱水成形を行なうことができる。成形体に近い部分に排水孔が形成されているため、排水孔などが形成されていない場合と比較して、成形体への排水の逆流がより生じにくい。
【0036】
(実施形態4)
図5および図6は、本実施形態で用いられる湿式プレス装置の一部概略図、および断面線X3−X3、X4−X4における一部概略断面図である。本実施形態で用いられる湿式プレス装置のダイ502、602は、図2のダイ202に、排水を排出するための加工が施されたものである。
【0037】
図5では、ダイ502に、ダイ502が切り欠かれた部分である切り欠き部519が形成されている。切り欠き部519は、ダイ502の上方端面507からダイ502の外側側面516にかけて形成されている。
また、図6では、ダイ602に、ダイ602の上方端面607を放射線状に除去してなる複数の溝619が形成されている。
切り欠き部519、溝619の底面は水の流れを考慮して、傾斜、あるいは凹凸構造としてもよい。
【0038】
なお、図5に示すように、濾材506と金網511の端面が少なくとも切り欠き部519にかかる状態で載置されていると、濾材506と金網511の形成する空間を通って、排水がダイの上方端面507から切り欠き部519に流れ込みやすくなるため好ましい。この点については、図6についても同様である。
【0039】
本実施形態によると、濾材と金網の端面が排水孔にかかる状態で載置されているため、成形体から排出された水分は成形空間から溢れ出て、濾材と金網が形成する空間を通って、排水孔などへ流れ込み、ベース方向へ流れ落ちる。したがって、排水の逆流を防いで脱水成形を行なうことができる。成形体に近い部分に排水孔などが形成されているため、排水孔などが形成されていない場合と比較して、成形体への排水の逆流がより生じにくい。
【0040】
(実施形態5)
図7は、本実施形態で用いられる湿式プレス装置の一部概略図、および断面線X5−X5における一部概略断面図である。
図7に示すように、図2と同様の機構からなる湿式プレス装置のダイ702の上方端面707には溝719が形成され、さらに水分除去機構720を備える。なお、湿式プレス装置は、図2と同様の機構からなるものである必要はなく、ダイの上方端面とベースとが同じ高さに形成されているものでもよい。
【0041】
水分除去機構720は、上パンチが上昇し、かつ濾材706および金網711がダイ702の上方端面707から除かれた状態で、ダイ702の上方端面707上を拭き取り部721、722が矢印X、Y方向に移動し、溝719にたまった排水を拭き取るものである。水分除去機構720の拭き取り部は、拭き取り部721のみからなるもの、あるいは、拭き取り部721、722が上下動可能となるものでもよい。拭き取り部721、722は、ゴムによるスキージ、吸水性がよい布などを巻きつけたもの、あるいはブラシなどが回転するものなどから構成される。
【0042】
なお、濾材706と金網711の端面が少なくとも溝719にかかる状態で載置されていると、濾材706と金網711の形成する空間を通って、排水がダイの上方端面707から溝719に流れ込みやすくなるため好ましい。
【0043】
本実施形態によると、排水はダイに形成された排水孔に流れ込み、水分除去機構により排水をダイ上から除去することができるため、強制排水機構を用いることなく脱水成形を行なうことができる。成形体に近い部分に排水孔が形成されているため、排水孔が形成されていない場合と比較して、成形体への排水の逆流がより生じにくい。
【0044】
【実施例】
実施例1は図2に示す湿式プレス装置を用いて、実施例2は図3に示す湿式プレス装置を用いて、比較例1は図8に示す湿式プレス装置を用いて、比較例2ないし比較例5は図2に示す湿式プレス装置を変形させたものを用いて、成形体を作製した。
(実施例1)
図2に示す湿式プレス装置201を用いて成形体を作製した。
湿式プレス装置201のダイ202には長さ90mm×幅90mmの貫通孔209が形成されている。貫通孔209と下パンチ204のパンチ面とにより形成されたキャビティ210に、水分量28重量%のフェライト系セラミックスラリーを充填する。
【0045】
次に、75MPaの圧力で加圧し、長さ90mm×幅90mm×高さ15mmの成形体を得る。成形体から排出された水分は濾材206および金網211が形成する高さ1mm程度の空間を通ってダイおよびベースを通って、外部に排出される。この時の状態についてシミュレーションを行い、スラリーから排出された水分が上パンチ側のスラリー上を流れるときの流速を、株式会社ソフトウェアクレイドル製の熱流体解析ソフト「STREAM」用いて解析した。図9はその解析結果である。
図9に示すように、本実施例においては流速の違いは見られなかった。
(実施例2)
図3に示す湿式プレス装置を用いて成形体を作製した。
本実施例において用いる湿式プレス装置は、ダイ以外の機構が、図2に示す湿式プレス装置201と同様の機構を備える。
【0046】
湿式プレス装置のダイ302上には、排水孔319が形成されている。すなわち、ダイ302の内部に形成され、ダイの上方端面307に一方の開口部317を有し、ベース305の上方端面307より高い部分に位置するダイ302の外側側面316に他方の開口部318を有する排水孔319が形成されている。
【0047】
キャビティ310に、実施例1で用いたものと同様のスラリーを充填する。
次に、75MPaの圧力で加圧し、長さ90mm×幅90mm×高さ15mmの成形体を得る。この時の状態についてシミュレーションを行い、スラリーから排出された水分が上パンチ側のスラリー上を流れるときの流速を、株式会社ソフトウェアクレイドル製の熱流体解析ソフト「STREAM」用いて解析した。図10はその解析結果である。
図10に示すように、本実施例においては流速の違いは見られなかった。
【0048】
次に以下の条件における、比較例1ないし比較例5のシミュレーションの解析結果を示す。
各湿式プレス装置のキャビティに、実施例1で用いたものと同様のスラリーを充填する。
【0049】
次に、75MPaの圧力で加圧し、長さ90mm×幅90mm×高さ15mmの成形体を得る。この時の状態についてシミュレーションを行い、スラリーから排出された水分が上パンチ側のスラリー上を流れるときの流速を、株式会社ソフトウェアクレイドル製の熱流体解析ソフト「STREAM」用いて解析した。図11ないし図15はその解析結果である。なお、比較例2および比較例3については、水分が下パンチ側のスラリーの下を流れるときの流速に関するものである。
(比較例1)
図8に示す湿式プレス装置801を用いて成形体を作製した。
湿式プレス装置801は、ダイ802とベース805との位置関係を除いて、図2に示す湿式プレス装置802と同様の機構を備える。
【0050】
ベース805は、下パンチ804が上下動する貫通孔809aを有し、貫通孔809の形成されたダイ802を納めている。ベース805には、ベース805に形成された貫通孔809aとダイに形成された貫通孔809とが重なるように、ダイ802が納められている。ダイ802の上方端面807とベース805の上方端面の高さは同じである。
この湿式プレス装置801を用いて、加圧して成形体を作製した。
図11に示すように、本比較例においては流速の違いは見られなかった。
しかし、ダイの上方端面とベースの上方端面の高さは同じであるため、スラリーから排出された水分が逆流した。この結果、成形体の成形密度が不均一となった。
(比較例2)
下パンチ以外の機構が、図2に示す湿式プレス装置201と同様である、湿式プレス装置の、下パンチの底面に外部へ通じる5箇所の排水孔を設けた。湿式プレス装置の上パンチには排水孔は形成されていない。この湿式プレス装置を用いて、加圧し、排水孔に強制排水機構を接続して排水を吸引して、成形体を作製した。
図12に示すように、本比較例においては、最大0.100m/secの流速の違いが見られた。
(比較例3)
下パンチ以外の機構が、図2に示す湿式プレス装置201と同様である、湿式プレス装置の、下パンチの底面に外部へ通じる5箇所の排水孔を設けた。湿式プレス装置の上パンチには排水孔は形成されていない。この湿式プレス装置を用いて、加圧して、成形体を作製した。
図13に示すように、本比較例においては、最大0.005m/secの流速の違いが見られた。
(比較例4)
上パンチ以外の機構が、図2に示す湿式プレス装置201と同様である、湿式プレス装置の、上パンチのパンチ面に外部へ通じる5箇所の排水孔を設けた。湿式プレス装置の上パンチには排水孔は形成されていない。この湿式プレス装置を用いて、加圧し、排水孔に強制排水機構を接続して排水を吸引して、成形体を作製した。
図14に示すように、本比較例においては、最大0.100m/secの流速の違いが見られた。
(比較例5)
上パンチ以外の機構が、図2に示す湿式プレス装置201と同様である、湿式プレス装置の上パンチの、スラリーに接しない部分に16箇所の排水孔を設けた。湿式プレス装置の上パンチには排水孔は形成されていない。この湿式プレス装置を用いて、加圧し、排水孔に強制排水機構を接続して排水を吸引して、成形体を作製した。
図15に示すように、本比較例においては、最大0.100m/secの流速の違いが見られた。
【0051】
以上の解析結果から、実施例1のように濾材と金網の端面がダイの上方端面の外側に突出した状態で載置された湿式プレス装置を用いて成形体を作製するのがよい。スラリーから排出された水分は、濾材と金網が形成する空間を通ってベース方向へ流れ出るため、排水の逆流を防いで脱水成形を行なうことができるからである。
【0052】
また、実施例2のように、上パンチおよび下パンチに排水孔が形成されておらず、ダイに排水孔などが形成された湿式プレス装置を用いて、加圧を行なうのがよい。スラリー上で流速の違いがほとんど見られないため、ケーキ層の形成が均一に行なわれるからである。
【0053】
比較例1では、ベースの上方端面がとダイ上方端面とが同じ高さであるため、スラリーから排出された水分が逆流する。
比較例2では、排水孔に強制排水機構を接続して排水を吸引したことにより、排水孔付近では流速が早くなり、スラリー上で流速の違いがある。
比較例3では、スラリーに接する位置に排水孔を設けたことにより、比較例1と比較して流速の違いは小さいものの、排水孔付近では流速が早くなり、スラリー上で流速の違いがみられる。
比較例4では、排水孔に強制排水機構を接続して排水を吸引したことにより、排水孔付近では流速が早くなり、スラリー上で流速の違いがみられる。
比較例5では、直接スラリーに接する位置に排水孔が設けられていないため、スラリーに接する位置に排水孔を設けた比較例1または比較例3と比較すると、スラリーの面の中央部では流速分布は均一となり、流速の違いが生じる部分の面積は小さくなった。しかし、強制排水機構を用いて吸引を行なったことにより、排水孔に近いスラリーの面の端部において流速の違いがみられる。
【0054】
【発明の効果】
本発明にかかる湿式プレス装置によると、濾材と金網の端面がダイの上方端面の外側に突出した状態で載置されているため、成形体から排出された水分は成形空間から溢れ出て、濾材と金網が形成する空間を通って、ベース方向へ流れ落ちる。したがって、排水の逆流を防いで脱水成形を行なうことができる。また、ダイに排水孔、切り欠き部、あるいは溝が形成されたことにより、排水は排水孔、切り欠き部、あるいは溝へ流れ込むため、さらに逆流を防ぐことができる。そして、強制排水機構が不要であることから、湿式プレス装置の機構を単純化でき、コストを下げることができる。
【0055】
また、貫通孔の側面、上パンチのパンチ面および下パンチのパンチ面に排水孔が設けられておらず、成形体に排水孔が接しないため、均一の圧力を成形体にかけることができ、成形密度の均一な成形体を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1にかかる湿式プレス装置を示す概略断面図である。
【図2】実施形態2にかかる湿式プレス装置を示す概略断面図である。
【図3】実施形態2にかかる湿式プレス装置を示す一部該略図および一部概略断面図である。
【図4】実施形態3にかかる湿式プレス装置を示す一部該略図および一部概略断面図である。
【図5】実施形態4にかかる湿式プレス装置を示す一部該略図および一部概略断面図である。
【図6】実施形態4にかかる湿式プレス装置を示す一部該略図および一部概略断面図である。
【図7】実施形態5にかかる湿式プレス装置を示す一部該略図および一部概略断面図である。
【図8】比較例1にかかる湿式プレス装置を示す一部概概略図および一部概略断面図である。
【図9】実施例1において水分が上パンチ側のスラリー上を流れるときの流速を示す解析図である。
【図10】実施例2において水分が上パンチ側のスラリー上を流れるときの流速を示す解析図である。
【図11】比較例1において水分が上パンチ側のスラリー上を流れるときの流速を示す解析図である。
【図12】比較例2において水分が下パンチ側のスラリーの下を流れるときの流速を示す解析図である。
【図13】比較例3において水分が下パンチ側のスラリーの下を流れるときの流速を示す解析図である。
【図14】比較例4において水分が上パンチ側のスラリー上を流れるときの流速を示す解析図である。
【図15】比較例5において水分が上パンチ側のスラリー上を流れるときの流速を示す解析図である。
【図16】従来の湿式プレス装置を示す一部概略断面図である。
【図17】従来の湿式プレス装置を示す一部概略断面図である。
【符号の説明】
101 湿式プレス装置
102 ダイ
103 上パンチ
104 下パンチ
105 ベース
106 濾材
107 ダイの上方端面
108 ダイの下方端面
109 貫通孔
110 キャビティ
216 外側側面
317 一方の開口部
318 他方の開口部
319、419 排水孔
519 切り欠き部
619、719 溝

Claims (8)

  1. 上方端面と下方端面とを有し、前記上方端面から前記下方端面に貫通孔が形成されたダイと、
    前記ダイの上方に上下動可能に配置され、前記貫通孔の上方端面を被覆するパンチ面を有する上パンチと、
    前記貫通孔内部に上下動可能に配置された下パンチと、
    前記ダイの上方端面より低い位置に配置され、前記ダイを支持するベースと、
    前記貫通孔と、前記下パンチのパンチ面と、により形成されたキャビティを被覆するように、前記ダイの上方端面の上に載置された濾材と、
    を備え、
    前記貫通孔の側面、前記上パンチのパンチ面および下パンチのパンチ面に、成形体から排出された水分を排出するための排水孔が形成されていないことを特徴とする湿式プレス装置。
  2. 上方端面と下方端面とを有し、前記上方端面から前記下方端面に貫通孔が形成されたダイと、
    前記ダイの上方に上下動可能に配置され、前記貫通孔の上方端面を被覆するパンチ面を有する上パンチと、
    前記貫通孔内部に上下動可能に配置された下パンチと、
    前記ダイの上方端面より低い位置に配置され、前記ダイを支持するベースと、
    前記貫通孔と、前記下パンチのパンチ面と、により形成されたキャビティを被覆するように、前記ダイの上方端面の上に載置された濾材と、
    を備え、
    前記濾材の端面が前記ダイの上方端面と同じ高さを有する面の外側に突出した状態で載置されることを特徴とする湿式プレス装置。
  3. 上方端面と下方端面とを有し、前記上方端面から前記下方端面に貫通孔が形成されたダイと、
    前記ダイの上方に上下動可能に配置され、前記貫通孔の上方端面を被覆するパンチ面を有する上パンチと、
    前記貫通孔内部に上下動可能に配置された下パンチと、
    前記貫通孔と、前記下パンチのパンチ面と、により形成されたキャビティを被覆するように、前記ダイの上方端面の上に載置された濾材と、
    を備え、
    前記ダイの内部に排水孔が形成され、前記排水孔は前記ダイの前記上方端面に一方の開口部を有し、前記ダイの前記上方端面を除く外表面に他方の開口部を有するものであることを特徴とする湿式プレス装置。
  4. 前記濾材の端面が、前記ダイに形成された排水孔の一部または全部を覆う状態で載置されていることを特徴とする請求項3に記載の湿式プレス装置。
  5. 上方端面と下方端面とを有し、前記上方端面から前記下方端面に貫通孔が形成されたダイと、
    前記ダイの上方に上下動可能に配置され、前記貫通孔の上方端面を被覆するパンチ面を有する上パンチと、
    前記貫通孔内部に上下動可能に配置された下パンチと、
    前記貫通孔と、前記下パンチのパンチ面と、により形成されたキャビティを被覆するように、前記ダイの上方端面の上に載置された濾材と、
    を備え、
    前記ダイには切り欠かれた部分が形成され、前記切り欠かれた部分は前記上方端面から前記ダイの外側側面にかけて形成されていることを特徴とする湿式プレス装置。
  6. 前記濾材の端面が、前記ダイの前記上方端面の外側に突出した状態で載置されることを特徴とする請求項5に記載の湿式プレス装置。
  7. 上方端面と下方端面とを有し、前記上方端面から前記下方端面に貫通孔が形成されたダイと、
    前記ダイの上方に上下動可能に配置され、前記貫通孔の上方端面を被覆するパンチ面を有する上パンチと、
    前記貫通孔内部に上下動可能に配置された下パンチと、
    前記貫通孔と、前記下パンチのパンチ面と、により形成されたキャビティを被覆するように、前記ダイの上方端面の上に載置された濾材と、
    を備え、
    前記ダイの上方端面に溝が形成され、
    前記上パンチが上昇し、かつ前記濾材が前記ダイの上方端面から除かれた状態で、前記ダイの上方端面上を移動して前記溝にたまった排水を除去する機構を備えることを特徴とする湿式プレス装置。
  8. 前記濾材の端面が、前記ダイに形成された前記溝の一部または全部を覆う状態で載置されていることを特徴とする請求項7に記載の湿式プレス装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104260402A (zh) * 2014-08-19 2015-01-07 佛山市金凯地过滤设备有限公司 一种高压强压滤机

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