JP2004261756A - エポキシ化触媒、及びこれを使用するエポキシ化合物の製造方法 - Google Patents

エポキシ化触媒、及びこれを使用するエポキシ化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】含有する置換基種によらず不飽和化合物を原料としてエポキシ化合物を高選択率及び高収率で製造できるエポキシ化触媒、及びその触媒を用いるエポキシ化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】マグネシウムを含む金属酸化物を担体とし酸化モリブデンを担持することを特徴とする有機ハイドロパーオキサイド存在下における不飽和化合物のエポキシ化触媒。マグネシウムを含む金属酸化物を担体とし酸化モリブデンが担持された触媒の存在下に不飽和化合物と有機ハイドロパーオキサイドとを反応させることを特徴とするエポキシ化合物の製造方法。有機ハイドロパーオキサイドが、t−ブチルハイドロパーオキサイドであるエポキシ化合物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ化触媒及び、エポキシ化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ化合物の製造方法として、金属触媒類と酸素を用いる酸素酸化法、有機ハイドロパーオキサイドによる金属触媒を用いたハルコン法、過酸や過酸化水素による酸化法、塩素とアルカリによるクロロヒドリン法や、エピクロロヒドリンを原料としてグリシジルエステルやグリシジルエーテルを得るエポキシ化合物の製造方法が知られている(例えば、非特許文献1、2)。
これらの中で酸素による酸化反応は、銀触媒によるエチレンのエポキシ化反応以外では、プロピレン以上の不飽和化合物に対して低活性であったり、カルボニル化や炭素鎖の切断等の副反応を生じるという問題があった。また、塩素や塩素化合物を原料に用いているクロロヒドリン法やエピクロロヒドリンを経由した反応は、エネルギー消費量の高い製造プロセスになるのみならず、大量の塩酸や無機塩を排出するため環境負荷が多く、さらに設備の材質でも問題のある製造法となっている。さらに、エピクロロヒドリンを用いた反応では副反応によって有機塩素化合物も含まれることが多く、分離精製しても完全に除去するのが困難であった。
また、プロピレンを原料とし、アリルクロライドを経由してエピクロロヒドリンが製造されることがあるが、さらにジクロロプロパノールを経由する方法では次亜塩素酸やアルカリを多量に用いるので問題があった。
【0003】
前述のような問題を回避する方法として過酸や過酸化水素によって不飽和化合物をエポキシ化する法があるが、この方法では酸や水により生成したエポキシ化合物やその誘導体がさらに反応してしまうことがあり欠点であった。その点、有機ハイドロパーオキサイドを用いたエポキシ化法は適用性の広い方法であり、例えば、バナジウム、モリブデン、タングステン、チタン、ニオブ、ジルコニウム、テルル及びウランの各化合物の中から選ばれた触媒の存在下、有機ハイドロパーオキサイドとオレフィン系化合物とから相当するエポキシ化合物を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【非特許文献1】
Chemtech、1979年、第9巻、第10号、p.602
【非特許文献2】
Synthesis、1986年、第12巻、p.1019
【特許文献1】
米国特許第3350422号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述の金属触媒を用いた有機金属ハイドロパーオキサイドによるエポキシ化の方法は、エポキシ化の対象化合物がいずれも電子供与性置換基を有する不飽和化合物、例えば通常のオレフィン類などの場合のみに適用されている。しかしながら、電子吸引性置換基を有する不飽和化合物に対する有機ハイドロパーオキサイド類のエポキシ化反応は、それに比べ著しく反応性が劣るため、反応速度及びエポキシ化合物の選択率が著しく低下する性質を有している。
例えば、アリルクロライド類、アリルエステル類及びアリルエーテル類のような電子吸引性置換基を有する不飽和化合物は二重結合の反応性が著しく低下しているだけでなく、相当するエポキシ化合物の反応性も高くなって、副反応を起こし易いため、高選択率及び高収率で目的とするエポキシ化合物を得ることは非常に難しい。
本発明の目的は、含有する置換基種によらず不飽和化合物を原料としてエポキシ化合物を高選択率及び高収率で製造できるエポキシ化触媒、及びその触媒を用いるエポキシ化合物の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明を以下に記す。
(1)マグネシウムを含む金属酸化物を担体とし酸化モリブデンを担持することを特徴とする有機ハイドロパーオキサイド存在下における不飽和化合物のエポキシ化触媒。
(2)マグネシウムを含む金属酸化物を担体とし酸化モリブデンが担持された触媒の存在下に不飽和化合物と有機ハイドロパーオキサイドとを反応させることを特徴とするエポキシ化合物の製造方法。
【0007】
(3)有機ハイドロパーオキサイドが、t−ブチルハイドロパーオキサイドである前記(2)のエポキシ化合物の製造方法。
(4)不飽和化合物が、炭素数3以上の不飽和結合を有する有機化合物である前記(2)又は(3)のエポキシ化合物の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明のエポキシ化触媒は、マグネシウムを含む金属酸化物を担体とし酸化モリブデンを担持した触媒である。
本発明において、担体はマグネシウムを含む金属酸化物であるが、酸化マグネシウムを単独で使用でき、その他にも任意の無機化合物との併用となる金属酸化物が使用できる。例えば、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、チタニア、ゼオライトが使用できる。担体の表面積は0.5〜200m/gが好ましい。0.5m/g未満の場合は担体の調製が難しく、200m/gを超えるとエポキシ化反応時の選択率が顕著に低下する。
【0009】
触媒として担持される金属酸化物は酸化モリブデンであるが、酸化モリブデン含有酸化物であってもかまわない。ここで、酸化モリブデン含有酸化物とは酸化モリブデン以外に酸化チタン、酸化ジルコニア、酸化クロム、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステン等が共存した酸化物である。
酸化モリブデン又は酸化モリブデン含有金属酸化物の担持量は、担体に対して0.3〜30重量%が好ましい。さらに好ましくは、1〜20重量%である。担持量が30重量%を超えると生成エポキシ化物の収量への利点はほとんど認められない。また、0.3重量%未満の場合は生成するエポキシ化物の収量が低下する。
【0010】
本発明の触媒は、マグネシウムを含む金属酸化物の担体に、先ずモリブデンの酸化物又は塩、必要に応じてその他の前記金属の酸化物又は塩との混合物を用いて担持処理を行い、焼成を行うことにより製造される触媒である。触媒の担持には通常の含浸法を用いて調製するが、担体の種類によってはイオン交換法等も用いてもかまわない。具体的な製造方法の例としては、モリブデン化合物を溶解又は分散させた溶液に担体を含浸し、80〜100℃で12〜24時間の乾燥処理を行い、空気中もしくは酸素雰囲気下500〜1000℃で1〜3時間の焼成を行うことで触媒が得られる。含浸溶媒としては、触媒の原料である金属塩を溶解させうる任意の溶剤を使用できる。一般に、水溶液が好ましいが有機溶媒例えばアルコールも使用できる。主触媒の出発原料としては、好ましくは目的の金属の硝酸塩、アンモニウム塩等の水溶性の金属塩が用いられる。
【0011】
本発明において、前述のエポキシ化触媒存在下に、不飽和化合物と有機ハイドロパーオキサイドとを反応させることによりエポキシ化合物を製造できる。
本発明に用いられる不飽和化合物は、通常の炭素数3以上のオレフィン類に加え、ハロゲン基、エステル基、アルコキシ基、カルボニル基などの官能基を有する不飽和化合物である。
具体的には、プロピレン、ブテンなどのオレフィン;アリルクロライド、アリルブロマイドなどのアリルハライド;アリルエチルエーテル、アリルプロピルエーテル、アリルブチルエーテル、アリルグリシジルエーテル、アリルフェニルエーテル、ジアリルエーテル、ジエチレングリコールビスアリルエーテルなどのアリルエーテル;アリルアセテート、アリルブチラート、アリルヘキサノエート、アリルカプロエート、アリルクロルアセテート、アリルメタクリレート、ジアリルマレート、ジアリルスクシネート、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルトリメレテート、1,3,5−トリアリルベンゼンカルボン酸などのカルボン酸のアリルエステル;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどのシアヌル酸又はイソシアヌル酸のアリルエステル;アリルメチルカーボネート、ジアリルカーボネートなどのアリルカーボネートなどが挙げられる。これらの官能基を近傍に有する不飽和化合物は、エポキシ化の反応性は低下しており、一方で生成するエポキシ化合物は反応性が比較的高くなるので副反応を起こし易い。
【0012】
本発明によって製造されるエポキシ化合物とは、オレフィンのエポキシ化合物に加え、ハロゲン基、エステル基、アルコキシ基、カルボニル基などの官能基を有するエポキシ化合物である。
具体的には、プロピレンオキサイド、ブテンオキサイドなどのオレフィンのエポキシ化合物;エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンなどのハロゲン化ヒドリン類;グリシジルエチルエーテル、グリシジルプロピルエーテル、グリシジルブチルエーテル、ジグリシジルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、ジエチレングリコールビスグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類;グリシジルアセテート、グリシジルブチラート、グリシジルヘキサノエート、グリシジルカプロエート、グリシジルクロルアセテート、グリシジルメタクリレート、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルテレフタレート、ジグリシジルイソフタレート、トリグリシジルトリメリテート、1,3,5−トリグリシジルベンゼンカルボン酸などのカルボン酸のグリシジルエステル;トリグリシジルシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレートなどのシアヌル酸又はイソシアヌル酸のグリシジルエステル類;グリシジルメチルカーボネート、ジグリシジルカーボネートなどのグリシジルカーボネート類などが挙げられる。
【0013】
本発明に用いられる有機ハイドロパーオキサイドは、ROOHで表される化合物である。ここで、Rはアルキル基又はアラルキル基であり、炭素数1〜12、好ましくは2〜10である。
具体的には、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−アミルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、エチルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンモノハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。
【0014】
これらの中で好ましい有機ハイドロパーオキサイドは、相当するアルコールの沸点が低く、エポキシ化反応後の分離精製が容易な点から、t―ブチルハイドロパーオキサイドである。t−ブチルハイドロパーオキサイドを用いた場合、エポキシ化反応により比較的沸点の低いt−ブタノールが副生する。従って、反応生成物からの蒸留等の精製においても、残留t−ブチルハイドロパーオキサイドの安定性あるいはt−ブタノール留出除去の容易な点からt−ブチルハイドロパーオキサイドが好ましい有機ハイドロパーオキサイドである。
これらの有機ハイドロパーオキサイドは、オレフィン類又は第三級アルコール類の過酸化水素酸化、又は第二級水素及び第三級水素の少なくとも1種を有する炭化水素類の酸素酸化によって製造される。
【0015】
本発明において、有機ハイドロパーオキサイドには製造時に原料として用いられるオレフィン類、第三級アルコール類、炭化水素類及び有機ハイドロパーオキサイドから副生するアルコール類が含まれてもよい。例えば、t−ブタノール及びイソブタンを含むt−ブチルハイドロパーオキサイド、クミルアルコール及びクメンを含むクメンハイドロパーオキサイド、α−フェニルエチルアルコール及びエチルベンゼンを含むエチルベンゼンハイドロパーオキサイド等が利用できる。さらに、これを公知の濃縮方法や精製方法によって処理したものである高純度の有機ハイドロパーオキサイドであってもかまわない。
【0016】
本発明において、不飽和化合物の使用量は特に限定されないが、有機ハイドロパーオキサイドに対して通常0.8〜60モル倍量使用される。好ましくは、0.5〜10モル倍量である。不飽和化合物の使用量が、有機ハイドロパーオキサイドに対して0.8モル倍量未満の場合、エポキシ化合物の収率が著しく低くなる傾向がある。また、60モル倍量を超えて使用してもエポキシ化合物の収率への影響はほとんど認められないが、有機ハイドロパーオキサイドの有効性が損なわれる傾向にある。
本発明において、触媒の使用量は、不飽和化合物と有機ハイドロパーオキサイドの仕込み比により異なるが、通常は有機ハイドロパーオキサイドに対して0.1〜70重量%である。好ましくは、0.5〜20重量%である。0.1重量%未満では反応が遅くなるため、長時間反応させるので副反応が増え、エポキシ化合物の収率が下がり、そして70重量%を超えると副反応が増加し選択率が低下する傾向にある。
【0017】
本発明において、エポキシ化の反応は無溶媒でも実施できるが、ベンゼン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素溶剤;オクタン、デカンのような脂肪族炭化水素溶剤;アルコール類、エーテル類のような不活性な公知の溶媒で希釈し実施してもよい。
エポキシ化反応時の温度は、通常50〜120℃であり、より好ましくは80〜110℃である。50℃未満では反応速度が遅いため反応時間が長くなり、そして120℃を超えると有機ハイドロパーオキサイド自身の分解が生じ、また、エポキシ基の開環反応などの副反応によりエポキシ化合物の選択性が低下する傾向にある。
エポキシ化反応の時間については、有機ハイドロパーオキサイド及び不飽和化合物の濃度、反応温度、担持触媒の使用量によって最適条件は変化するが、通常は0.5〜20時間、好ましくは2〜10時間である。
【0018】
反応方法は、回分式の反応、複数の反応釜を有する多段式の連続反応や固定床連続反応など任意の公知の形式によって行うことができる。このようにして得られた反応液には、エポキシ化合物及び未反応不飽和化合物、使用した反応溶媒、未反応有機ハイドロパーオキサイド及び相当するアルコール、エポキシ化触媒として用いた担持触媒、並びに副反応生成物が含まれているが、触媒の分別や生成物の蒸留精製などの公知の手法によって目的のエポキシ化合物を得ることができる。
【0019】
本発明においてエポキシ化反応工程は、ハロゲン系の原料を用いないため、エネルギー消費量や環境に対する影響の少ないプロセスとなる。さらに得られるエポキシ化合物は、塩素系溶剤の安定剤、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の希釈剤、ポリエーテル及びグリコールなどの各種化学品の原料又は中間体として有用な化合物であり、特に、エポキシ化反応の際に有機塩素を含む副生成物が生成しないため、電気・電子分野用途に好ましい。
【0020】
【発明の効果】
本発明のエポキシ化触媒を用いると、不飽和化合物を原料として高選択率及び高収率で、エポキシ化合物を製造することができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例、比較例及び参考例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例等に限定されるものではない。なお、例中、TBHPは、t−ブチルハイドロパーオキサイドの略記号である。
また、TBHPの転化率、エポキシ化合物の選択率及び収率は、内部標準物質を用いたガスクロマトグラフィー(以下GCと略記)法を使用し、下記の式に基づいて求めた。
TBHP転化率(%)=(消費されたTBHPのモル数)÷(仕込みTBHPのモル数)×100…式(1)
選択率(%)=(生成したエポキシ化合物のモル数)÷(消費されたTBHPのモル数)×100…式(2)
収率=(生成したエポキシ化合物のモル数)÷(仕込みのTBHPのモル数)×100…式(3)
【0022】
実施例1
酸化マグネシウム(ナカライテスク(株)製、比表面積8.6m/g)10gを、酸化マグネシウムに対する酸化モリブデン量が7重量%になるように調整したモリブデン酸アンモニウム4水和物の水溶液200mlに含浸させ、同様に攪拌しながらエバポレーターを用いて蒸発乾固を行った後、空気中において80℃で24時間乾燥した。乾燥後、空気中において550℃で3時間焼成して触媒を得た。
得られた触媒1.0g(TBHPに対して66.5重量%)、アリルアセテート93.0g(0.9289モル、TBHPに対して55.6倍モル)及びTBHP/ベンゼン溶液(TBHP50重量%、ベンゼン50重量%)3.0gを、攪拌装置を備えた500mlのステンレス製オートクレーブに秤りいれた。その後、当該オートクレーブを110℃のオイルバスに漬けて3時間かけてエポキシ化反応を行った後、冷却して反応を止めた。反応液のGC分析からもとめたTBHP転化率は80%、グリシジルアセテート選択率は69%、グリシジルアセテート収率は55%であった。
【0023】
実施例2
実施例1にて得られた触媒1.0g、不飽和化合物として1−ブテン41g(TBHPに対して1.4倍モル)及びTBHP/t−ブチルアルコール溶液(TBHP50重量%)を用いて、反応温度90℃、反応時間3時間で前述のオートクレーブによってエポキシ化反応を行なった。反応液のGC分析からもとめたTBHP転化率は95%、1,2−ブテンオキサイド選択率は80%、1,2−ブテンオキサイド収率は76%であった。
【0024】
実施例3
酸化マグネシウムに対する酸化モリブテン量が15重量%になるようにし、他は実施例1と同様にして触媒を調製した。得られた触媒を用いて実施例1と同様にアリルアセテ−トのエポキシ化反応を行なった。その結果、反応液のGC分析からもとめたTBHP転化率84%、グリシジルアセテート選択率64%、グリシジルアセテート収率54%であった。
【0025】
実施例4
実施例3で調整した触媒を用いて実施例2と同様に1−ブテンのエポキシ化反応を行なった。その結果、反応液のGC分析からもとめたTBHP転化率は87%、1,2−ブテンオキサイド選択率は74%、1,2−ブテンオキサイド収率は65%であった。
【0026】
実施例5
酸化マグネシウムに対して酸化モリブデン量7.5重量%及び酸化バナジウム量7.5重量%になるように調製するため、モリブテン酸アンモニウム4水和物及びバナジン酸アンモニウムを使用した以外は実施例1と同様に触媒を調製した。得られた触媒を用いて実施例1と同様にアリルアセテ−トのエポキシ化反応を行なった。その結果、反応液のGC分析からもとめたTBHP転化率89%、グリシジルアセテート選択率60%、グリシジルアセテート収率53%であった。
【0027】
実施例6
実施例5で調整した触媒を用いて実施例2と同様に1−ブテンのエポキシ化反応を行なった。その結果、反応液のGC分析からもとめたTBHP転化率は91%、1,2−ブテンオキサイド選択率は71%、1,2−ブテンオキサイド収率は65%であった。
【0028】
比較例1
チタニア(アナターゼ型、和光純薬工業(株)製)に対する酸化モリブテンの量が8重量%になるように、チタニアを調整したモリブテン酸アンモニウム4水和物の水溶液200mlに含浸させ、実施例1と同様に攪拌しながら95℃で加熱による蒸発乾固を行った後、空気中において80℃で24時間乾燥した。乾燥後、空気中において550℃で3時間焼成して触媒(MoO/TiO触媒:8重量%)を得た。得られた触媒を用いて実施例1と同様にアリルアセテ−トのエポキシ化反応を行なった。その結果、反応液のGC分析からもとめたTBHP転化率22%、グリシジルアセテート選択率79%、グリシジルアセテート収率17%であった。
【0029】
比較例2
実施例3で調整した触媒を用いて実施例2と同様に1−ブテンのエポキシ化反応を行なった。その結果、反応液のGC分析からもとめたTBHP転化率は89%、1,2−ブテンオキサイド選択率は51%、1,2−ブテンオキサイド収率は45%であった。
【0030】
比較例3
アルミナ(α−アルミナ、和光純薬工業(株)製)に対する酸化モリブテンの量が8重量%になるように、アルミナを調整したモリブテン酸アンモニウム4水和物の水溶液200mlに含浸させ、実施例1と同様に攪拌しながら95℃で加熱による蒸発乾固を行った後、空気中において80℃で24時間乾燥した。乾燥後、空気中において550℃で3時間焼成して触媒(MoO/Al触媒:8重量%)を得た。得られた触媒を用いて実施例1と同様にアリルアセテ−トのエポキシ化反応を行なった。その結果、反応液のGC分析からもとめたTBHP転化率73%、グリシジルアセテート選択率16%、グリシジルアセテート収率35%であった。
【0031】
比較例4
比較例3で調整した触媒を用いて実施例2と同様に1−ブテンのエポキシ化反応を行なった。その結果、反応液のGC分析からもとめたTBHP転化率は93%、1,2−ブテンオキサイド選択率は38%、1,2−ブテンオキサイド収率は35%であった。
【0032】
本発明のエポキシ化触媒を用いると、オレフィン類を含め電子吸引性置換基を有する不飽和化合物と有機ハイドロパーオキサイドとを反応原料として高選択率及び高収率で、エポキシ化合物を製造することができることがわかる。
本発明の酸化マグネシウムに担持されている酸化モリブデン触媒は他の担体に担持された触媒と比較すると、選択率性び収率が高くなることがわかる。

Claims (4)

  1. マグネシウムを含む金属酸化物を担体とし酸化モリブデンを担持することを特徴とする有機ハイドロパーオキサイド存在下における不飽和化合物のエポキシ化触媒。
  2. マグネシウムを含む金属酸化物を担体とし酸化モリブデンが担持された触媒の存在下に不飽和化合物と有機ハイドロパーオキサイドとを反応させることを特徴とするエポキシ化合物の製造方法。
  3. 有機ハイドロパーオキサイドが、t−ブチルハイドロパーオキサイドである請求項2に記載のエポキシ化合物の製造方法。
  4. 不飽和化合物が、炭素数3以上の不飽和結合を有する有機化合物である請求項2又は3に記載のエポキシ化合物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007105690A (ja) * 2005-10-17 2007-04-26 National Institute Of Advanced Industrial & Technology エポキシ化合物製造用触媒およびこれを用いたエポキシ化合物の製造方法と製造装置

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