JP2004260922A - 圧電発電方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】共鳴振動体を利用して、1度の衝撃を加えただけでも、共振による連続した振動力によって圧電セラミックス体に連続的に歪変形を与えることで、発電効率を飛躍的に増加させることができ、特に、携帯電話等の携帯機器の電源として実現レベルを達成することができる圧電発電方法及びその装置を提供する。
【解決手段】略U字状に形成された共鳴振動体の自由端部に圧電発電装置を固定し、該圧電発電装置は、板状に形成された圧電セラミックス体に歪み変形を供与することで発電するように構成した圧電発電方法及びその装置であり、該圧電セラミックス体は、上記共鳴振動体を共振させることで移動する殴打体によって歪変形させられて上記発電作用が連続的に行われるように構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】略U字状に形成された共鳴振動体の自由端部に圧電発電装置を固定し、該圧電発電装置は、板状に形成された圧電セラミックス体に歪み変形を供与することで発電するように構成した圧電発電方法及びその装置であり、該圧電セラミックス体は、上記共鳴振動体を共振させることで移動する殴打体によって歪変形させられて上記発電作用が連続的に行われるように構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧電セラミックス素子を用いた圧電発電装置における発電作用を1度の衝撃供与で連続して行うことができる圧電発電方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電材料は機械的エネルギと電気的エネルギとの間の変換素子用として多彩な応用面をもっている。圧電効果を示す物質は無機・有機ともに多くの材料が知られているが、現在実用レベルにある材料としてセラミックスのPZT系(piezoelectric ceramics)等の材料がある。
【0003】
圧電セラミックス素子は、多結晶体に、直流高電圧を印加し残留分極を発生させて圧電性をもたせた素子であり、組成によりかなり自由に基本圧電定数を変化させることができるので、その用途は広い。特に、チタンジルコン酸亜鉛系の圧電セラミックス素子は、組成比や添加物の選択幅が広く適用範囲は多彩である。
【0004】
ところで、従来の圧電発電装置は、アクリル材等の基板に圧電セラミックス素子板を接合し、基板の両端部を金属等の硬質材からなるホルダで固定したものである。そして、セラミックス素子板の上から鋼製の球を落下させて、圧電素子板に衝突による機械的衝撃エネルギを印加し、基板を含めた圧電セラミックス素子板にたわみ振動を励起して電気エネルギを取出すものである。
【0005】
上記従来のPZT系の圧電セラミックス素子は、実用性が期待されているものの、発電量が少ないため、圧電発電装置としては実用性に欠けるという問題があった。また、圧電セラミックス素子を用いた圧電発電装置にあっては、圧電セラミックス素子の固有振動をできる限り長く継続させる必要が不可欠であるが、従来のこの種の圧電発電装置では、圧電セラミックス素子に連続的な衝撃を加えることができなかった。
【0006】
【従来技術の課題】
このような課題を解決する従来技術としては、例えば、特開平10−2973号公報に示す音叉を利用した発電機が提案されている。
【0007】
【特許文献】
特開平10−2973号
【0008】
しかしながら、上記文献の図3に記載の発電機は、圧電素子を音叉振動体の内側に固着し、共鳴振動体の固有振動数によって歪を与える構成であるため、歪変形量が非常に小さく、また、圧電素子の厚さを音叉振動体の共振を妨げない厚さに設定しなければならず、この調整が非常に複雑であり、これは各音叉振動体の共振点が微妙に異なることから、圧電素子の厚さを夫々の音叉振動体の共振と合致させなければならず、現実的には量産ができない、という課題を有していた。
【0009】
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、バネ材等で形成された共鳴振動体を利用して、1度の衝撃を加えただけでも、共振による連続した振動力によって圧電セラミックス体に連続的に歪変形を与えることで、発電効率を飛躍的に増加させることができ、特に、携帯電話等の携帯機器の電源として実現レベルを達成することができる圧電発電方法及びその装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る圧電発電方法は、請求項1に記載したように、略U字状に形成された共鳴振動体の自由端部に圧電発電装置を固定し、該圧電発電装置は、板状に形成された圧電セラミックス体に歪み変形を供与することで発電するように構成されており、該圧電セラミックス体は、上記共鳴振動体を共振させることで移動する殴打体によって歪変形させられて上記発電作用が連続的に行われるように構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明に係る圧電発電方法は、上記目的を達成する他の方法として、請求項2に記載したように、略U字状に形成された共鳴振動体の自由端部に殴打体を連結体を介して連結すると共に、該殴打体の振幅範囲に板状に形成された圧電セラミックス体を配設し、上記共鳴振動体の振幅よりも上記殴打体の振幅を遅らせることで、圧電セラミックス体への衝撃供与タイミングを最適範囲に設定調整可能としたことを特徴とするものである。
【0012】
また、上記目的を達成するため、この発明にあっては、圧電発電装置を、請求項4に記載したように、略U字状に形成された共鳴振動体と、該共鳴振動体の自由端部に固定された圧電発電装置と、を有して構成し、上記圧電発電装置は、板状に形成された圧電セラミックス体に歪み変形を供与することで発電するように構成すると共に、該圧電セラミックス体は、上記共鳴振動体を共振させることで移動する殴打体によって歪変形させられて上記発電作用が連続的に行われるように構成されていることを特徴とするものである。
【0013】
さらに、この発明にあっては、上記目的を達成する他の手段として、圧電発電装置を、請求項5に記載したように、略U字状に形成された共鳴振動体と、該共鳴振動体の自由端部に連結体を介して連結された殴打体と、該殴打体の振幅範囲に配設された板状に形成された圧電セラミックス体と、を有して構成し、上記共鳴振動体の振幅よりも上記殴打体の振幅を遅らせることで、圧電セラミックス体への衝撃供与タイミングを最適範囲に設定調整可能に構成したことを特徴とするものである。これは、共鳴振動体の固有振動数と殴打体との移動速度とが一致しない場合、上記連結体の材質や長さを調整することで、殴打体による圧電セラミックス体への殴打タイミングを共鳴振動体の固有振動数と適合させて最適なタイミングで殴打することができるようにして効率的な発電を実現できるようにするためである。また、このように殴打体と圧電セラミックス体とを別個に配置することで、発電ユニットを小型化することができ、比較的電力が必要な携帯電話等の携帯機器にも搭載可能となる。勿論、この発明が適用されるものは携帯機器に限定されるものではなく、他の電源として用いることもできる。
【0014】
このような圧電発電方法及び圧電発電装置に用いられる共鳴振動体は、金属製の公知の共鳴型振動体を用いることができるが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、例えば、請求項3又は請求項6に記載された発明のように、電磁共鳴方式を採用することもできる。この場合、電磁石を励磁する電流は、予めチャージしておき、共鳴振動体が作動して発電した後は、その一部の電流を電磁石励磁用電源としてチャージするように構成するのが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態例に基づき、この発明を詳細に説明する。
【0016】
図1は、この発明の実施の第1形態例に係る圧電発電装置の概略的構成を示しており、該圧電発電装置は、バネ材で略U字状に形成された共鳴振動体20と、この共鳴振動体20の二股の各自由端部21,21に固定された圧電発電ユニットUと、から構成されている。勿論、この発明では、上記圧電発電ユニットUは、共鳴振動体20のいずれか一方の自由端部に固定してもよい。また、この発明において共鳴振動体は、公知の構成から成る音叉も含む。
【0017】
上記共鳴振動体20は、バネ材等の公知の材質で構成されており、その固有振動数に対応させて後記する圧電発電ユニットUの殴打体4の移動距離が設定される。
【0018】
一方、上記圧電発電ユニットUは、この形態例では、両端が閉塞された筒状のハウジングの両端側に圧電セラミックス体10を配置し、これら圧電セラミックス体10を鋼球4の殴打により歪変形させて発電するように構成されている。
【0019】
即ち、この形態例では、圧電発電ユニットUのハウジングの一方の側面にクッション部材3を接着材6で接着し、このクッション部材3の中央部のみに、接着材5を用いて圧電セラミックス体10を接着する。圧電発電ユニットUのハウジングの他方の側面にも、同様にして圧電セラミックス体10を接着し、両者を向かい合せる。
【0020】
そして、これら両圧電セラミックス体10の向かい合う面の中央部にプロテクタ板2を固着する。また、両圧電セラミックス体10間に、パイプ7を配置し、このパイプ7内に転動自在な鋼球4を設ける。
【0021】
尚、この発明にあっては、圧電セラミックス体10を、その中央部のみだけではなく、その両端部をクッション部材3で保持し、或は、中央部と両端部をクッション材3で保持し、また、その支持部位も圧電セラミックス体10の両面に配置して保持するように構成してもよい。
【0022】
そして、この形態例では、上記圧電セラミックス体10は、同一形態(同一材質、同一形状、同一厚さ)の2枚の板状の圧電セラミックス素子10a,10bを、各セラミックス素子10a,10bの分極の極性を同一方向にし、かつ、該圧電セラミックス素子10a,10b間に、りん青銅や真鍮等の導電性金属で10μm〜50μmの厚さに形成された極薄の金属電極11を配置し、これら圧電セラミックス素子10a,10bと金属電極11を接合して構成されている。
【0023】
金属電極11を上記極薄の厚さとすることで、該金属電極11による機械的な抵抗をごく僅かに抑えることができ、2つのセラミックス素子10a,10bと金属電極11の接合面を中心(伸縮しない部位)にたわみ振動が発生したとしても、該たわみ振動の金属電極11による減衰を可及的に小さく抑えることができる。尚、この形態例の構成では、一方の側のセラミックス素子10aが伸長すれば他方の側のセラミックス素子10bは収縮し、かつ出力電圧の電極は逆方向となり、両圧電セラミックス素子10a,10bは並列に接続された発電構成となる。
【0024】
また、この形態例では、上記たわみ振動が行われると、一方の圧電セラミックス素子10a(又は10b)で伸長と収縮との両方の作用が行われて、分極が打ち消されるということがなく効率的に発電が行われる。発電された電気エネルギとしての電流は、金属電極11の両端部に導電接続されたリード線9を用いて取り出される。
【0025】
また、ここでは2枚の圧電セラミックス素子10a,10bを金属電極11を介装して積層した場合を例にとり説明したが、各圧電セラミックス素子10a(10b)自体を、それぞれ積層構造とすることができる。この積層構造では、複数枚の圧電セラミックス素子を接合(この場合は分極の極性も同一方向に)して、一方の圧電セラミックス素子10a(又は10b)を形成する。
【0026】
このように、圧電セラミックス素子10a(又は10b)自体を積層構造とし、これを例えば弾性特性を有する接着材により接合した場合には、この弾性効果により、材質的に強度に欠ける圧電セラミックス体10の曲がりが容易になって曲げ強度が維持することができる。尚、この発明において、圧電セラミックス体10の外形形状は特に限られるものではなく、円形、楕円形、三角形、四角形或いは多角形等、利用形態に対応させて適宜の形状のものを用いることができる。
【0027】
また、この発明に用いられる上記クッション部材3は、合成樹脂材、ゴム材、或はこれらをスポンジ状にした軟質の材料で構成されている。このようなクッション部材3を用い、しかも、このクッション部材3の中央部のみ或いは両端部を接着材6を用いて圧電セラミックス体10を固着したのは、圧電セラミックス体10の振動を減衰させないためである。圧電セラミックス体10が振動する場合、この圧電セラミックス体10を支持する部材は圧電セラミックス体10の振動を減衰させる要因になり、この減衰要因を取り除くために、クッション部材3を用いて極力圧電セラミックス体10を自由な状態におく。
【0028】
この発明のように、圧電セラミックス体10の歪みは、圧電セラミックス自体が持つ固有振動となって暫くの間、継続する。この固有振動を長く継続させるためには、この固有振動を圧電セラミックス体10以外の他の構造体に伝えないことが重要である。圧電セラミックス体10の固有振動は、電気エネルギとして変換されるが、その他の構造体の振動は全て機械的な抵抗となって固有振動エネルギを吸収してしまい、電気エネルギとして取り出すことができない。このため、この形態例では、圧電セラミックス体10と他の構造体との間で上記固有振動が伝達しないような柔らかな接触を実現するための手段として上記クッション板3を用いることで、圧電セラミックス体10の固有振動が長く継続させることができ、発電効率が良くなる。勿論、このクッション材3は圧電セラミックス体10に加えられる衝撃を緩和する作用をも有する。尚、上記プロテクタ板2は、金属製或いは合成樹脂製等で形成されており、鋼球4の殴打から圧電セラミックス体10を保護する。
【0029】
また、上記殴打体として、本形態例では、上記鋼球4をパイプ7内に配置して圧電セラミックス体10を殴打する形態としたが、この殴打体の材質、形状は鋼製の球に限られるものではなく、他に円柱状、卵状等の重量物であってもよい。また、パイプ7に限らず、殴打体が自在に移動できるものであれば、殴打体がレールに沿って移動するような形態であってもよい。
【0030】
この形態例のように構成されてなる上記圧電発電ユニットUは、共鳴振動体20に加えられた衝撃による共振振動によって各圧電発電ユニットUを、図1左右方向に激しく揺動させるので、該ユニットU内の鋼球4はパイプ7内を左右に激しく往復転動して左右の圧電セラミックス体10を連続的に殴打するため、該圧電セラミックス体10では連続的な歪変形が発生し、従って、該圧電セラミックス体10の伸長及び収縮が連続的にくり返されて交流電気が連続的に発電される。この発電量は、携帯電話等の携帯機器を連続作動させるに十分な出力電流を得ることができる。
【0031】
図3は、上記圧電発電装置の一の圧電セラミックス体10が発電した電気を充電する充電装置の回路例を示したものである。勿論、この形態例では、圧電セラミックス体10が向かい合わせで2個対設されて構成されているので、当該充電回路が並列に、或は直列に導電接続されて構成される。また、図示の並列回路は、使用目的に対応させて適宜増加させて構成してもよい。
【0032】
即ち、この充電回路は、2つの圧電セラミックス体10として2枚の圧電セラミックス素子10a,10b、金属電極11、整流用ダイオードD1〜D6、電気を蓄電するコンデンサC、スイッチSW及び発光ダイオードL1〜L3を有する。圧電セラミックス素子10aで発電した電気は、ダイオードD1〜D3により全波整流され、また圧電セラミックス素子10bで発電した電気は、ダイオードD4〜D6により全波整流される。これら全波整流された電気は、コンデンサCに充電される。このコンデンサCは、当該並列回路では1個とすることもできる。そして、スイッチSWの操作により、コンデンサCは放電して発光ダイオードL1〜L3を点灯する。勿論、この発光ダイオードL1〜L3に供給される電流を携帯機器の電源として用いてもよい。
【0033】
尚、上記形態例では、圧電セラミックス体10を並列型に構成した場合を例にとり説明したが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、例えば、第2形態例として、本出願人が先に提案した図4に示す直列型の圧電発電装置(特願平11−322280号)を用いてもよい。
【0034】
即ち、図4に示す圧電発電ユニットUの各圧電セラミックス板1は、同一形態(同一材質、同一形状、同一厚さ)の2枚の板状の圧電セラミックス素子1a,1bを、各セラミックス素子1a,1bの分極の極性を逆にして接合したものである。この同一形態のセラミックス素子1a,1bを接合したことにより、2つのセラミックス素子1a,1bは、接合面を中心(伸縮しない部位)にたわみ振動が行われる。この場合、一方の側のセラミックス素子1aが伸長すれば他方の側のセラミックス素子1bは収縮し、かつ出力電圧の電極は同一方向となり、両圧電セラミックス素子1a,1bは直列に接続された発電構成となる他は、他の構成は第1形態例の圧電発電ユニットUと同様に構成されているので、図面には第1形態例と同一の符号を付して、その詳細な説明をここでは省略する。
【0035】
図5は、この発明の第3形態例に係る圧電発電装置を示しており、この形態例に係る圧電発電装置では、共鳴振動体20の二股端部間に電磁石22を配置し、この電磁石22への電流をON・OFF制御することで、共鳴振動体20を必要なだけ振動させることができる電磁共鳴方式を採用した他は、第1形態例と同様の構成部分には第1形態例と同一の符号を付して、その詳細な説明をここでは省略する。
【0036】
即ち、この第3形態例に係る圧電発電装置にあっては、共鳴振動体20の二股端部21A,21B間に電磁石22と、各二股端部21A,21Bの外側に配置されたねじ23,25と、このねじ23,25を進退調整可能に保持する保持部材24,26と、から構成されており、上記一方のねじ23の先端部は一方の二股端部21Aに接しないように保持部材24に保持され、また、他方のねじ25の先端部は、電磁石22の非作動時には他方の二股端部21Bに接し、かつ、電磁石22の作動時には上記端部21Bから離間するように保持部材26に保持されて構成されている。尚、上記二股端部21A,21Bの電磁石側面部には、白金板(図示せず)が固着されている。
【0037】
そして、上記ねじ23には接続子27が接続されており、該接続子27にはリレーr ,接続子28,抵抗29,電流計30及び直流電源31が導電接続され、かつ、この直流電源31には、接続子32, リレーr,接続子33を介して共鳴振動体20に螺着されたねじ34が導電接続されている。尚、直流電源31から供給される電流は、上記ねじ34から共鳴振動体20へと供給され、共鳴供給体20に供給された電流は、ワイヤーwを介して電磁石22及びねじ23,25へと供給されるよう導電接続されている。尚、この形態例では、電磁石22を励磁するために必要な電流は、予めコンデンサC1にチャージされており、共鳴振動体20が作動して圧電発電ユニットUが発電した後は、その一部の電流は電磁石励磁用電源として上記コンデンサC1に常にチャージされるように構成されている。
【0038】
それ故、この形態例に係る圧電発電装置にあっては、電磁石22に電流が供給されると、該電磁石22に二股端部21A,21Bが吸い寄せられて内側に変形するので、上記一方の端部21Bとねじ25の先端部との接触状態が解除されて回路が遮断され、従って、電磁石22への電流供給は遮断されるので、二股端部21A,21Bは常態に復動して上記一方の端部21Bはねじ25の先端部と再び接し回路が形成されるので、電磁石22に電流が再び供給され、以後、同動作を繰り返すので、上記二股端部21A,21Bの先端部に配設された圧電発電ユニットUは連続して発電することができるので、携帯機器のような連続した使用が前提となる電源として、特に有効な電源を供給することができ、しかも、バッテリーが不要となるので、携帯機器をさらに小型化・軽量化することができる。
【0039】
図6は、この発明の実施の第4形態例に係る圧電発電装置の要部原理図を示しており、この形態例では、略U字状に形成された共鳴振動体20と、該共鳴振動体20の自由端部に連結体40を介して連結された殴打体4と、該殴打体4の振幅範囲に配設された板状に形成された圧電セラミックス装置U1と、を有して構成されており、上記共鳴振動体20の二股端部21A,21Bの振幅よりも上記殴打体4の振幅を遅らせることで、圧電セラミックス装置U1への衝撃供与タイミングを最適範囲に設定調整可能に構成した他は、他の構成は第1形態例と同様であるので、図面には第1形態例と同一の符号を付して、その詳細な説明をここでは省略する。また、圧電セラミックス装置U1は、第1形態例における圧電発電ユニットUの圧電セラミックス体10、プロテクタ板2、クッション部材3、接着材5,6で構成したものである。
【0040】
尚、この形態例では、圧電セラミックス体10を、殴打体4の振幅範囲の両端部に配置した場合を例にとり説明したが、一端部にのみ配置してもよい。また、連結体40の材質はバネ鋼材や鋼材等、公知の各種部材を用いることができ、また、その長さも、共鳴振動体20の固有振動数で共振する殴打体4による圧電セラミックス体10への殴打タイミングを、共鳴振動体20の固有振動数と適合させて最適な殴打タイミングとなる長さに調整される。
【0041】
これは、共鳴振動体の固有振動数と殴打体との移動速度とが一致しない場合、上記連結体の材質や長さを調整することで、最も効率的な発電を実現できるようにするためである。
【0042】
この形態例に係る圧電発電装置は、上記効果に加え、殴打体4と圧電セラミックス体10とを別個に配置することができるので、発電ユニットを小型化することができ、比較的電力が必要な携帯電話等の携帯機器にも搭載可能となる。勿論、この発明が適用されるものは携帯機器に限定されるものではなく、他の電源として用いることもできる。また、この形態例に係る共鳴振動体20を、第3形態例に示す電磁共鳴方式とすることもできることは勿論である。
【0043】
【発明の効果】
請求項1及び請求項4に記載の発明によれば、圧電セラミックス体への殴打変形による発電を、共鳴振動体を介して連続的に行うことができるので、共鳴振動体への1度の振動供与によって大量の発電量を容易に得ることができ、特に、携帯機器に用いることが可能となる。勿論、この発明が適用されるものは携帯機器に限定されるものではなく、他の電源として用いることもできる。
【0044】
また、請求項2及び請求項5に記載の発明によれば、共鳴振動体の振幅よりも殴打体の振幅を遅らせることで、圧電セラミックス体への衝撃供与タイミングを最適範囲に設定調整可能に構成したので、共鳴振動体の固有振動数と殴打体との移動速度とが一致しない場合、上記連結体の材質や長さを調整することができ、殴打体による圧電セラミックス体への殴打タイミングを共鳴振動体の固有振動数と適合させて最適なタイミングで殴打することができるので、最も効率的な発電を実現できると共に、殴打体と圧電セラミックス体とを別個に配置したので、発電ユニットを小型化することができ、比較的電力が必要な携帯電話等の携帯機器にも搭載可能となる。
【0045】
また、請求項3及び請求項6に記載の発明によれば、共鳴振動体を電磁共鳴方式としたので、少ない初期起動電流により連続的に圧電発電を行うことができるので、1度のスイッチング操作によって携帯機器等を連続使用することができる等、幾多の優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の第1形態例に係る圧電発電装置の概略的な構成原理を示す説明図である。
【図2】同圧電発電装置の構成説明図である。
【図3】同圧電発電装置の回路図である。
【図4】この発明の実施の第2形態例に係る圧電発電装置の構成説明図である。
【図5】この発明の実施の第3形態例に係る圧電発電装置の概略的な構成原理を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の第4形態例に係る圧電発電装置の概略的な構成原理を示す説明図である。
【符号の説明】
U 圧電発電ユニット
U1 圧電セラミックス装置
1,10 圧電セラミックス体
1a,1b,10a,10b 圧電セラミックス素子
3 クッション材(クッション部材)
4 殴打体(鋼球)
11 極薄の金属電極
20 共鳴振動体
21 二股端部(自由端部)
22 電磁石
40 連結体
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧電セラミックス素子を用いた圧電発電装置における発電作用を1度の衝撃供与で連続して行うことができる圧電発電方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電材料は機械的エネルギと電気的エネルギとの間の変換素子用として多彩な応用面をもっている。圧電効果を示す物質は無機・有機ともに多くの材料が知られているが、現在実用レベルにある材料としてセラミックスのPZT系(piezoelectric ceramics)等の材料がある。
【0003】
圧電セラミックス素子は、多結晶体に、直流高電圧を印加し残留分極を発生させて圧電性をもたせた素子であり、組成によりかなり自由に基本圧電定数を変化させることができるので、その用途は広い。特に、チタンジルコン酸亜鉛系の圧電セラミックス素子は、組成比や添加物の選択幅が広く適用範囲は多彩である。
【0004】
ところで、従来の圧電発電装置は、アクリル材等の基板に圧電セラミックス素子板を接合し、基板の両端部を金属等の硬質材からなるホルダで固定したものである。そして、セラミックス素子板の上から鋼製の球を落下させて、圧電素子板に衝突による機械的衝撃エネルギを印加し、基板を含めた圧電セラミックス素子板にたわみ振動を励起して電気エネルギを取出すものである。
【0005】
上記従来のPZT系の圧電セラミックス素子は、実用性が期待されているものの、発電量が少ないため、圧電発電装置としては実用性に欠けるという問題があった。また、圧電セラミックス素子を用いた圧電発電装置にあっては、圧電セラミックス素子の固有振動をできる限り長く継続させる必要が不可欠であるが、従来のこの種の圧電発電装置では、圧電セラミックス素子に連続的な衝撃を加えることができなかった。
【0006】
【従来技術の課題】
このような課題を解決する従来技術としては、例えば、特開平10−2973号公報に示す音叉を利用した発電機が提案されている。
【0007】
【特許文献】
特開平10−2973号
【0008】
しかしながら、上記文献の図3に記載の発電機は、圧電素子を音叉振動体の内側に固着し、共鳴振動体の固有振動数によって歪を与える構成であるため、歪変形量が非常に小さく、また、圧電素子の厚さを音叉振動体の共振を妨げない厚さに設定しなければならず、この調整が非常に複雑であり、これは各音叉振動体の共振点が微妙に異なることから、圧電素子の厚さを夫々の音叉振動体の共振と合致させなければならず、現実的には量産ができない、という課題を有していた。
【0009】
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、バネ材等で形成された共鳴振動体を利用して、1度の衝撃を加えただけでも、共振による連続した振動力によって圧電セラミックス体に連続的に歪変形を与えることで、発電効率を飛躍的に増加させることができ、特に、携帯電話等の携帯機器の電源として実現レベルを達成することができる圧電発電方法及びその装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る圧電発電方法は、請求項1に記載したように、略U字状に形成された共鳴振動体の自由端部に圧電発電装置を固定し、該圧電発電装置は、板状に形成された圧電セラミックス体に歪み変形を供与することで発電するように構成されており、該圧電セラミックス体は、上記共鳴振動体を共振させることで移動する殴打体によって歪変形させられて上記発電作用が連続的に行われるように構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明に係る圧電発電方法は、上記目的を達成する他の方法として、請求項2に記載したように、略U字状に形成された共鳴振動体の自由端部に殴打体を連結体を介して連結すると共に、該殴打体の振幅範囲に板状に形成された圧電セラミックス体を配設し、上記共鳴振動体の振幅よりも上記殴打体の振幅を遅らせることで、圧電セラミックス体への衝撃供与タイミングを最適範囲に設定調整可能としたことを特徴とするものである。
【0012】
また、上記目的を達成するため、この発明にあっては、圧電発電装置を、請求項4に記載したように、略U字状に形成された共鳴振動体と、該共鳴振動体の自由端部に固定された圧電発電装置と、を有して構成し、上記圧電発電装置は、板状に形成された圧電セラミックス体に歪み変形を供与することで発電するように構成すると共に、該圧電セラミックス体は、上記共鳴振動体を共振させることで移動する殴打体によって歪変形させられて上記発電作用が連続的に行われるように構成されていることを特徴とするものである。
【0013】
さらに、この発明にあっては、上記目的を達成する他の手段として、圧電発電装置を、請求項5に記載したように、略U字状に形成された共鳴振動体と、該共鳴振動体の自由端部に連結体を介して連結された殴打体と、該殴打体の振幅範囲に配設された板状に形成された圧電セラミックス体と、を有して構成し、上記共鳴振動体の振幅よりも上記殴打体の振幅を遅らせることで、圧電セラミックス体への衝撃供与タイミングを最適範囲に設定調整可能に構成したことを特徴とするものである。これは、共鳴振動体の固有振動数と殴打体との移動速度とが一致しない場合、上記連結体の材質や長さを調整することで、殴打体による圧電セラミックス体への殴打タイミングを共鳴振動体の固有振動数と適合させて最適なタイミングで殴打することができるようにして効率的な発電を実現できるようにするためである。また、このように殴打体と圧電セラミックス体とを別個に配置することで、発電ユニットを小型化することができ、比較的電力が必要な携帯電話等の携帯機器にも搭載可能となる。勿論、この発明が適用されるものは携帯機器に限定されるものではなく、他の電源として用いることもできる。
【0014】
このような圧電発電方法及び圧電発電装置に用いられる共鳴振動体は、金属製の公知の共鳴型振動体を用いることができるが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、例えば、請求項3又は請求項6に記載された発明のように、電磁共鳴方式を採用することもできる。この場合、電磁石を励磁する電流は、予めチャージしておき、共鳴振動体が作動して発電した後は、その一部の電流を電磁石励磁用電源としてチャージするように構成するのが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態例に基づき、この発明を詳細に説明する。
【0016】
図1は、この発明の実施の第1形態例に係る圧電発電装置の概略的構成を示しており、該圧電発電装置は、バネ材で略U字状に形成された共鳴振動体20と、この共鳴振動体20の二股の各自由端部21,21に固定された圧電発電ユニットUと、から構成されている。勿論、この発明では、上記圧電発電ユニットUは、共鳴振動体20のいずれか一方の自由端部に固定してもよい。また、この発明において共鳴振動体は、公知の構成から成る音叉も含む。
【0017】
上記共鳴振動体20は、バネ材等の公知の材質で構成されており、その固有振動数に対応させて後記する圧電発電ユニットUの殴打体4の移動距離が設定される。
【0018】
一方、上記圧電発電ユニットUは、この形態例では、両端が閉塞された筒状のハウジングの両端側に圧電セラミックス体10を配置し、これら圧電セラミックス体10を鋼球4の殴打により歪変形させて発電するように構成されている。
【0019】
即ち、この形態例では、圧電発電ユニットUのハウジングの一方の側面にクッション部材3を接着材6で接着し、このクッション部材3の中央部のみに、接着材5を用いて圧電セラミックス体10を接着する。圧電発電ユニットUのハウジングの他方の側面にも、同様にして圧電セラミックス体10を接着し、両者を向かい合せる。
【0020】
そして、これら両圧電セラミックス体10の向かい合う面の中央部にプロテクタ板2を固着する。また、両圧電セラミックス体10間に、パイプ7を配置し、このパイプ7内に転動自在な鋼球4を設ける。
【0021】
尚、この発明にあっては、圧電セラミックス体10を、その中央部のみだけではなく、その両端部をクッション部材3で保持し、或は、中央部と両端部をクッション材3で保持し、また、その支持部位も圧電セラミックス体10の両面に配置して保持するように構成してもよい。
【0022】
そして、この形態例では、上記圧電セラミックス体10は、同一形態(同一材質、同一形状、同一厚さ)の2枚の板状の圧電セラミックス素子10a,10bを、各セラミックス素子10a,10bの分極の極性を同一方向にし、かつ、該圧電セラミックス素子10a,10b間に、りん青銅や真鍮等の導電性金属で10μm〜50μmの厚さに形成された極薄の金属電極11を配置し、これら圧電セラミックス素子10a,10bと金属電極11を接合して構成されている。
【0023】
金属電極11を上記極薄の厚さとすることで、該金属電極11による機械的な抵抗をごく僅かに抑えることができ、2つのセラミックス素子10a,10bと金属電極11の接合面を中心(伸縮しない部位)にたわみ振動が発生したとしても、該たわみ振動の金属電極11による減衰を可及的に小さく抑えることができる。尚、この形態例の構成では、一方の側のセラミックス素子10aが伸長すれば他方の側のセラミックス素子10bは収縮し、かつ出力電圧の電極は逆方向となり、両圧電セラミックス素子10a,10bは並列に接続された発電構成となる。
【0024】
また、この形態例では、上記たわみ振動が行われると、一方の圧電セラミックス素子10a(又は10b)で伸長と収縮との両方の作用が行われて、分極が打ち消されるということがなく効率的に発電が行われる。発電された電気エネルギとしての電流は、金属電極11の両端部に導電接続されたリード線9を用いて取り出される。
【0025】
また、ここでは2枚の圧電セラミックス素子10a,10bを金属電極11を介装して積層した場合を例にとり説明したが、各圧電セラミックス素子10a(10b)自体を、それぞれ積層構造とすることができる。この積層構造では、複数枚の圧電セラミックス素子を接合(この場合は分極の極性も同一方向に)して、一方の圧電セラミックス素子10a(又は10b)を形成する。
【0026】
このように、圧電セラミックス素子10a(又は10b)自体を積層構造とし、これを例えば弾性特性を有する接着材により接合した場合には、この弾性効果により、材質的に強度に欠ける圧電セラミックス体10の曲がりが容易になって曲げ強度が維持することができる。尚、この発明において、圧電セラミックス体10の外形形状は特に限られるものではなく、円形、楕円形、三角形、四角形或いは多角形等、利用形態に対応させて適宜の形状のものを用いることができる。
【0027】
また、この発明に用いられる上記クッション部材3は、合成樹脂材、ゴム材、或はこれらをスポンジ状にした軟質の材料で構成されている。このようなクッション部材3を用い、しかも、このクッション部材3の中央部のみ或いは両端部を接着材6を用いて圧電セラミックス体10を固着したのは、圧電セラミックス体10の振動を減衰させないためである。圧電セラミックス体10が振動する場合、この圧電セラミックス体10を支持する部材は圧電セラミックス体10の振動を減衰させる要因になり、この減衰要因を取り除くために、クッション部材3を用いて極力圧電セラミックス体10を自由な状態におく。
【0028】
この発明のように、圧電セラミックス体10の歪みは、圧電セラミックス自体が持つ固有振動となって暫くの間、継続する。この固有振動を長く継続させるためには、この固有振動を圧電セラミックス体10以外の他の構造体に伝えないことが重要である。圧電セラミックス体10の固有振動は、電気エネルギとして変換されるが、その他の構造体の振動は全て機械的な抵抗となって固有振動エネルギを吸収してしまい、電気エネルギとして取り出すことができない。このため、この形態例では、圧電セラミックス体10と他の構造体との間で上記固有振動が伝達しないような柔らかな接触を実現するための手段として上記クッション板3を用いることで、圧電セラミックス体10の固有振動が長く継続させることができ、発電効率が良くなる。勿論、このクッション材3は圧電セラミックス体10に加えられる衝撃を緩和する作用をも有する。尚、上記プロテクタ板2は、金属製或いは合成樹脂製等で形成されており、鋼球4の殴打から圧電セラミックス体10を保護する。
【0029】
また、上記殴打体として、本形態例では、上記鋼球4をパイプ7内に配置して圧電セラミックス体10を殴打する形態としたが、この殴打体の材質、形状は鋼製の球に限られるものではなく、他に円柱状、卵状等の重量物であってもよい。また、パイプ7に限らず、殴打体が自在に移動できるものであれば、殴打体がレールに沿って移動するような形態であってもよい。
【0030】
この形態例のように構成されてなる上記圧電発電ユニットUは、共鳴振動体20に加えられた衝撃による共振振動によって各圧電発電ユニットUを、図1左右方向に激しく揺動させるので、該ユニットU内の鋼球4はパイプ7内を左右に激しく往復転動して左右の圧電セラミックス体10を連続的に殴打するため、該圧電セラミックス体10では連続的な歪変形が発生し、従って、該圧電セラミックス体10の伸長及び収縮が連続的にくり返されて交流電気が連続的に発電される。この発電量は、携帯電話等の携帯機器を連続作動させるに十分な出力電流を得ることができる。
【0031】
図3は、上記圧電発電装置の一の圧電セラミックス体10が発電した電気を充電する充電装置の回路例を示したものである。勿論、この形態例では、圧電セラミックス体10が向かい合わせで2個対設されて構成されているので、当該充電回路が並列に、或は直列に導電接続されて構成される。また、図示の並列回路は、使用目的に対応させて適宜増加させて構成してもよい。
【0032】
即ち、この充電回路は、2つの圧電セラミックス体10として2枚の圧電セラミックス素子10a,10b、金属電極11、整流用ダイオードD1〜D6、電気を蓄電するコンデンサC、スイッチSW及び発光ダイオードL1〜L3を有する。圧電セラミックス素子10aで発電した電気は、ダイオードD1〜D3により全波整流され、また圧電セラミックス素子10bで発電した電気は、ダイオードD4〜D6により全波整流される。これら全波整流された電気は、コンデンサCに充電される。このコンデンサCは、当該並列回路では1個とすることもできる。そして、スイッチSWの操作により、コンデンサCは放電して発光ダイオードL1〜L3を点灯する。勿論、この発光ダイオードL1〜L3に供給される電流を携帯機器の電源として用いてもよい。
【0033】
尚、上記形態例では、圧電セラミックス体10を並列型に構成した場合を例にとり説明したが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、例えば、第2形態例として、本出願人が先に提案した図4に示す直列型の圧電発電装置(特願平11−322280号)を用いてもよい。
【0034】
即ち、図4に示す圧電発電ユニットUの各圧電セラミックス板1は、同一形態(同一材質、同一形状、同一厚さ)の2枚の板状の圧電セラミックス素子1a,1bを、各セラミックス素子1a,1bの分極の極性を逆にして接合したものである。この同一形態のセラミックス素子1a,1bを接合したことにより、2つのセラミックス素子1a,1bは、接合面を中心(伸縮しない部位)にたわみ振動が行われる。この場合、一方の側のセラミックス素子1aが伸長すれば他方の側のセラミックス素子1bは収縮し、かつ出力電圧の電極は同一方向となり、両圧電セラミックス素子1a,1bは直列に接続された発電構成となる他は、他の構成は第1形態例の圧電発電ユニットUと同様に構成されているので、図面には第1形態例と同一の符号を付して、その詳細な説明をここでは省略する。
【0035】
図5は、この発明の第3形態例に係る圧電発電装置を示しており、この形態例に係る圧電発電装置では、共鳴振動体20の二股端部間に電磁石22を配置し、この電磁石22への電流をON・OFF制御することで、共鳴振動体20を必要なだけ振動させることができる電磁共鳴方式を採用した他は、第1形態例と同様の構成部分には第1形態例と同一の符号を付して、その詳細な説明をここでは省略する。
【0036】
即ち、この第3形態例に係る圧電発電装置にあっては、共鳴振動体20の二股端部21A,21B間に電磁石22と、各二股端部21A,21Bの外側に配置されたねじ23,25と、このねじ23,25を進退調整可能に保持する保持部材24,26と、から構成されており、上記一方のねじ23の先端部は一方の二股端部21Aに接しないように保持部材24に保持され、また、他方のねじ25の先端部は、電磁石22の非作動時には他方の二股端部21Bに接し、かつ、電磁石22の作動時には上記端部21Bから離間するように保持部材26に保持されて構成されている。尚、上記二股端部21A,21Bの電磁石側面部には、白金板(図示せず)が固着されている。
【0037】
そして、上記ねじ23には接続子27が接続されており、該接続子27にはリレーr ,接続子28,抵抗29,電流計30及び直流電源31が導電接続され、かつ、この直流電源31には、接続子32, リレーr,接続子33を介して共鳴振動体20に螺着されたねじ34が導電接続されている。尚、直流電源31から供給される電流は、上記ねじ34から共鳴振動体20へと供給され、共鳴供給体20に供給された電流は、ワイヤーwを介して電磁石22及びねじ23,25へと供給されるよう導電接続されている。尚、この形態例では、電磁石22を励磁するために必要な電流は、予めコンデンサC1にチャージされており、共鳴振動体20が作動して圧電発電ユニットUが発電した後は、その一部の電流は電磁石励磁用電源として上記コンデンサC1に常にチャージされるように構成されている。
【0038】
それ故、この形態例に係る圧電発電装置にあっては、電磁石22に電流が供給されると、該電磁石22に二股端部21A,21Bが吸い寄せられて内側に変形するので、上記一方の端部21Bとねじ25の先端部との接触状態が解除されて回路が遮断され、従って、電磁石22への電流供給は遮断されるので、二股端部21A,21Bは常態に復動して上記一方の端部21Bはねじ25の先端部と再び接し回路が形成されるので、電磁石22に電流が再び供給され、以後、同動作を繰り返すので、上記二股端部21A,21Bの先端部に配設された圧電発電ユニットUは連続して発電することができるので、携帯機器のような連続した使用が前提となる電源として、特に有効な電源を供給することができ、しかも、バッテリーが不要となるので、携帯機器をさらに小型化・軽量化することができる。
【0039】
図6は、この発明の実施の第4形態例に係る圧電発電装置の要部原理図を示しており、この形態例では、略U字状に形成された共鳴振動体20と、該共鳴振動体20の自由端部に連結体40を介して連結された殴打体4と、該殴打体4の振幅範囲に配設された板状に形成された圧電セラミックス装置U1と、を有して構成されており、上記共鳴振動体20の二股端部21A,21Bの振幅よりも上記殴打体4の振幅を遅らせることで、圧電セラミックス装置U1への衝撃供与タイミングを最適範囲に設定調整可能に構成した他は、他の構成は第1形態例と同様であるので、図面には第1形態例と同一の符号を付して、その詳細な説明をここでは省略する。また、圧電セラミックス装置U1は、第1形態例における圧電発電ユニットUの圧電セラミックス体10、プロテクタ板2、クッション部材3、接着材5,6で構成したものである。
【0040】
尚、この形態例では、圧電セラミックス体10を、殴打体4の振幅範囲の両端部に配置した場合を例にとり説明したが、一端部にのみ配置してもよい。また、連結体40の材質はバネ鋼材や鋼材等、公知の各種部材を用いることができ、また、その長さも、共鳴振動体20の固有振動数で共振する殴打体4による圧電セラミックス体10への殴打タイミングを、共鳴振動体20の固有振動数と適合させて最適な殴打タイミングとなる長さに調整される。
【0041】
これは、共鳴振動体の固有振動数と殴打体との移動速度とが一致しない場合、上記連結体の材質や長さを調整することで、最も効率的な発電を実現できるようにするためである。
【0042】
この形態例に係る圧電発電装置は、上記効果に加え、殴打体4と圧電セラミックス体10とを別個に配置することができるので、発電ユニットを小型化することができ、比較的電力が必要な携帯電話等の携帯機器にも搭載可能となる。勿論、この発明が適用されるものは携帯機器に限定されるものではなく、他の電源として用いることもできる。また、この形態例に係る共鳴振動体20を、第3形態例に示す電磁共鳴方式とすることもできることは勿論である。
【0043】
【発明の効果】
請求項1及び請求項4に記載の発明によれば、圧電セラミックス体への殴打変形による発電を、共鳴振動体を介して連続的に行うことができるので、共鳴振動体への1度の振動供与によって大量の発電量を容易に得ることができ、特に、携帯機器に用いることが可能となる。勿論、この発明が適用されるものは携帯機器に限定されるものではなく、他の電源として用いることもできる。
【0044】
また、請求項2及び請求項5に記載の発明によれば、共鳴振動体の振幅よりも殴打体の振幅を遅らせることで、圧電セラミックス体への衝撃供与タイミングを最適範囲に設定調整可能に構成したので、共鳴振動体の固有振動数と殴打体との移動速度とが一致しない場合、上記連結体の材質や長さを調整することができ、殴打体による圧電セラミックス体への殴打タイミングを共鳴振動体の固有振動数と適合させて最適なタイミングで殴打することができるので、最も効率的な発電を実現できると共に、殴打体と圧電セラミックス体とを別個に配置したので、発電ユニットを小型化することができ、比較的電力が必要な携帯電話等の携帯機器にも搭載可能となる。
【0045】
また、請求項3及び請求項6に記載の発明によれば、共鳴振動体を電磁共鳴方式としたので、少ない初期起動電流により連続的に圧電発電を行うことができるので、1度のスイッチング操作によって携帯機器等を連続使用することができる等、幾多の優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の第1形態例に係る圧電発電装置の概略的な構成原理を示す説明図である。
【図2】同圧電発電装置の構成説明図である。
【図3】同圧電発電装置の回路図である。
【図4】この発明の実施の第2形態例に係る圧電発電装置の構成説明図である。
【図5】この発明の実施の第3形態例に係る圧電発電装置の概略的な構成原理を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の第4形態例に係る圧電発電装置の概略的な構成原理を示す説明図である。
【符号の説明】
U 圧電発電ユニット
U1 圧電セラミックス装置
1,10 圧電セラミックス体
1a,1b,10a,10b 圧電セラミックス素子
3 クッション材(クッション部材)
4 殴打体(鋼球)
11 極薄の金属電極
20 共鳴振動体
21 二股端部(自由端部)
22 電磁石
40 連結体
Claims (6)
- 略U字状に形成された共鳴振動体の自由端部に圧電発電装置を固定し、該圧電発電装置は、板状に形成された圧電セラミックス体に歪み変形を供与することで発電するように構成されており、該圧電セラミックス体は、上記共鳴振動体を共振させることで移動する殴打体によって歪変形させられて上記発電作用が連続的に行われるように構成されていることを特徴とする圧電発電方法。
- 略U字状に形成された共鳴振動体の自由端部に殴打体を連結体を介して連結すると共に、該殴打体の振幅範囲に板状に形成された圧電セラミックス体を配設し、上記共鳴振動体の振幅よりも上記殴打体の振幅を遅らせることで、圧電セラミックス体への衝撃供与タイミングを最適範囲に設定調整可能としたことを特徴とする圧電発電方法。
- 前記共鳴振動体は、電磁共鳴方式を採用していることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の圧電発電方法。
- 略U字状に形成された共鳴振動体と、該共鳴振動体の自由端部に固定された圧電発電装置と、を有して構成されてなり、該圧電発電装置は、板状に形成された圧電セラミックス体に歪み変形を供与することで発電するように構成されており、該圧電セラミックス体は、上記共鳴振動体を共振させることで移動する殴打体によって歪変形させられて上記発電作用が連続的に行われるように構成されていることを特徴とする圧電発電装置。
- 略U字状に形成された共鳴振動体と、該共鳴振動体の自由端部に連結体を介して連結された殴打体と、該殴打体の振幅範囲に配設された板状に形成された圧電セラミックス体と、を有して構成されてなり、上記共鳴振動体の振幅よりも上記殴打体の振幅を遅らせることで、圧電セラミックス体への衝撃供与タイミングを最適範囲に設定調整可能に構成したことを特徴とする圧電発電装置。
- 前記共鳴振動体は、電磁共鳴で構成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかに記載の圧電発電装置。
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JP2010183808A (ja) * | 2009-02-09 | 2010-08-19 | Toyota Industries Corp | 振動アクチュエータの支持機構 |
JP2012510788A (ja) * | 2008-12-03 | 2012-05-10 | タエチャンエヌイーティー カンパニー リミテッド | 音波共鳴発電機 |
JP2012097673A (ja) * | 2010-11-02 | 2012-05-24 | Oiles Corp | 発電装置および発電方法 |
-
2003
- 2003-02-26 JP JP2003048902A patent/JP2004260922A/ja active Pending
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