以下、本発明を光磁気ディスク又は光ディスクを記録媒体に用いる記録及び/又は再生装置に適用した例を挙げて説明する。
以下、本発明を以下の順序で説明する。
[1]ディスクカートリッジの構成
[2]記録及び/又は再生装置の構成
(2−1)メインフレーム及びメカシャーシの構成
(2−2)カートリッジホルダの構成
(2−3)移動操作機構の構成
[3]記録及び/又は再生装置の動作
(3−1)初期状態
(3−2)ディスクカートリッジの挿入操作
(3−3)ディスクカートリッジの搬入動作
(3−4)ディスクカートリッジのチャッキング動作
(3−5)ディスクカートリッジのチャッキング解除動作
(3−6)ディスクカートリッジの排出動作
[1]ディスクカートリッジの構成
本発明に係る記録及び/又は再生装置の記録媒体として用いられる光磁気ディスクは、直径を64mm程度とするポリカーボネイトの如き透明合成樹脂材料よりなるディスク基板に、磁性材料からなる信号記録層が被着形成されて構成されている。この信号記録層は、集光されたレーザビームの照射手段により局所的にいわゆるキュリー温度以上に加熱され、この加熱された部分に外部磁界が印加されることにより、情報信号の書き込みが行われる。このように書き込まれた情報信号は、信号記録層にレーザビームの如き光ビームを照射し、この光ビームの反射光を検出することにより読み出される。
また、光ディスクは、光磁気ディスクのディスク基板と同様のディスク基板に、アルミニウムの如き金属材料よりなる反射層が被着形成されてている。この光ディスクのディスク基板には、射出成形等の手段により、情報信号に対応した微細なピット列が形成されている。この光ディスクに書き込まれている情報信号は、ピット列にレーザビームの如き光ビームを照射し、この光ビームの反射光を検出することにより読み出される。
そして、光磁気ディスク及び光ディスクは、図1及至図4に示すように、カートリッジ205,216に回転可能に収納されて、ディスクカートリッジを構成している。光磁気ディスクを収納した記録再生型のディスクカートリッジ220を構成するカートリッジ205は、一辺の長さが光磁気ディスクの直径にほぼ対応した矩形状の主面部を有する薄い筐体状に構成されている。このカートリッジ205は、図1に示すように、上面側に、光磁気ディスクの信号記録面の一部を外方に臨ませるための磁気ヘッド用開口部223が設けられている。このカートリッジ205は、図3に示すように、下面側の磁気ヘッド用開口部223に対向する位置に光学ピックアップ用開口部222が設けられている。また、下面側のほぼ中央部分にチャッキング用開口部213が設けられている。この記録及び再生型のディスクカートリッジ220は、記録及び/又は再生装置に対して、図1及び図3中矢印C方向に挿入されて装着される。
記録再生型のディスクカートリッジ220に設けられた磁気ヘッド用開口部223及び光学ピックアップ用開口部222は、シャッタ部材206によって開閉可能とされている。シャッタ部材206は、これら開口部223,222に対応した互いに平行に相対向されたシャッタ部と、これらシャッタ部の一端側を連結する連結部とを有し、合成樹脂材料又はは金属材料により一体的に構成されている。このシャッタ部材206は、連結部を、カートリッジ205の一側部に形成された支持溝部207に、図1及び図3中矢印Z方向に摺動可能に支持されている。すなわち、シャッタ部材206は、カートリッジ205の一側部に沿って後方にスライドされることにより各開口部223,222を開放し、後方側より前方にスライドされて初期位置に復帰されると各シャッタ部により各開口部223,222を閉塞する。
そして、光ディスクを収納して再生専用型のディスクカートリッジ221を構成するカートリッジ216は、一辺の長さが光ディスクの直径にほぼ対応した矩形状の主面部を有する薄い筐体状に構成されている。このカートリッジ216は、図2に示すように、上面側の主面部には開口部が設けられていない。このカートリッジ216は、図4に示すように、下面側に光学ピックアップ用開口部222が設けられ、この下面側のほぼ中央部分にチャッキング用開口部213が設けられている。この再生専用型のディスクカートリッジ221は、記録及び/又は再生装置に対して、図2及び図4中矢印C方向に挿入されて装着される。
再生専用型のディスクカートリッジ221に設けられた光学ピックアップ用開口部222は、シャッタ部材217によって開閉される。このシャッタ部材217は、光学ピックアップ用開口部222に対応したシャッタ部と、このシャッタ部の一端側に設けられた支持部とを有し、合成樹脂材料又は金属材料により、一体的に構成されている。このシャッタ部材217は、支持部を、カートリッジ216の一側部に形成された支持溝部207に、図2及び図4中矢印Z方向に摺動可能に支持されている。すなわち、シャッタ部材217は、カートリッジ216の一側部に沿って後方にスライドされることにより光学ピックアップ用開口部222を開放し、後方側より前方にスライドされて初期位置に復帰されるとシャッタ部により光学ピックアップ用開口部222を閉塞する。
各シャッタ部材206,217には、連結部又は支持部のほぼ中央位置に、側方側に向けて、シャッタ閉蓋孔208が開設されている。このシャッタ閉蓋孔208は、記録及び/又は再生装置において各シャッタ部材206,217を閉蓋操作するための部材が係合するためのものである。
光磁気ディスク及び光ディスクの中心部には、円形のチャッキング孔204が開設されている。このチャッキング孔204は、上面側より、チャッキングプレート202により閉塞されている。このチャッキングプレート202は、鉄やステンレスの如き、磁性を有する金属材料により、チャッキング孔204にほぼ対応した直径の円盤状に形成されている。これらチャッキング孔204及びチャッキングプレート202は、チャッキング用開口部213を介して、各カートリッジ205,216の外方に臨んでいる。
そして、各カートリッジ205,216の下面には、対をなす前方側及び後方側位置決め穴209,210が形成されている。前方側位置決め穴209は、光学ピックアップ用開口部222の前方側の縁部近傍に位置し、長径方向が前後方向となされた長円形に形成されている。また、後方側位置決め穴210は、光学ピックアップ用開口部222の後方側の縁部近傍に位置して円形に形成されている。
また、各カートリッジ205,216の下面の後方側の他側縁近傍には、複数の識別用穴224が形成されている。これら識別用穴224は、これらカートリッジ205,216が収納しているディスクの種別や状態、例えば情報信号の記録が可能か否かを識別するためのものである。記録再生型のディスクカートリッジ220のカートリッジ205内には、識別用穴224に対応して、後側面部にセーブノッチ214が設けられている。このセーブノッチ214は、移動操作されることにより、識別用穴224のうちの一の内部に進退し、この識別用穴224の深さを変えて、情報信号の記録可否の識別状態を切り換える。
さらに、各カートリッジ205,216の下面の前方側の両側縁部には、一対の被係合凹部212,212が形成されている。また、カートリッジ205,216の他側には、支持溝部207に対向するようにして、挿入ガイド溝225が形成されている。
記録再生型のディスクカートリッジ220のカートリッジ205には、下面の前方側縁部に、光磁気ディスク識別凹部211が形成されている。また、再生専用型のディスクカートリッジ221のカートリッジ216には、下面の前方側縁部に、光ディスクディスク識別凹部218が形成されている。これら光磁気ディスク識別凹部211と光ディスク識別凹部218とは、互いに下面よりの深さが異なっており、この深さの違いにより、収納されているディスクが光磁気ディスクか光ディスクかが識別される。
[2]記録及び/又は再生装置の構成の他の例
上述したようなディスクカートリッジ220,221を記録媒体に用いる本発明に係る記録及び/又は再生装置を図面を参照して説明する。
(2−1)メインフレーム及びメカシャーシの構成
本発明に係る記録及び/又は再生装置は、図5及び図6に示すように、フレームを構成するメインフレーム2を備えている。このメインフレーム2は、金属板の如き材料により、底板部及びこの底板部の両側より立ち上がるように折り曲げられて形成され左右一対の側壁部37,38とを有している。
メインフレーム2には、各側壁部37,38の上縁部間に渡されて、このメインフレーム2とともにフレームを構成する天板3が取り付けられている。この天板3は、平板状に形成され、各コーナ部にネジ孔123,123,123,123が形成されている。天板3は、各ネジ孔123,123,123,123に挿通された止めネジ122,122,122,122が各側壁部37,38の上縁部に設けられたネジ止め片39,40,41,42のネジ孔に螺合されることにより、メインフレーム2に取り付けられる。各ネジ止め用片39,40,41,42は、各側壁部37,38の上縁部に設けられた突片が互いに対向する内側にほぼ水平となるように折り曲げて形成されている。
天板部には、後述するカートリッジホルダ4が係合するための係合部である係合切り欠き部301が設けられている。また、天板部3には、後述するスライダ74が係合するための係合ピン302が、メインシャーシ2側に向けて垂下するように突設されている。
そして、メインフレーム2の各側壁部37,38間には、メカシャーシ1が配設されている。このメカシャーシ1は、ほぼ平板状に形成され、左側縁部に、側方に向かって突設された前後一対の支軸15,16を有し、右側縁部のほぼ中央に側方に向かって突設された前後一対の支軸17,17を有している。これら支軸15,16,17,17には、振動吸収部材であるダンパ部材18,19、20,20が嵌装されている。これらダンパ部材18,19,20,20は、ブチルゴムの如き可撓性を有する材料により、ほぼ円筒状に形成されている。これらダンパ部材18,19,20,20は、側壁部37,38に形成された切り欠き部34,35,36,36に対応して嵌合されている。これら切り欠き部34,35,36,36は、上方側に開放されており、天板3の両側縁部より垂下された舌片部125,125,125,125により、それぞれ上方側が閉塞されている。すなわち、各ダンパ部材18,19,20,20は、各切り欠き部34,35,36,36の内縁部及び各舌片部125,125,125,125の下端部によって、外周面部を保持されている。
メカシャーシ1は、各ダンパ部材18,19,20,20を介して、メインフレーム2に対し、いわゆるフローティング支持されている。メカシャーシ1は、フローティング支持されることにより、メインフレーム2に外方より加えられる振動や衝撃が伝達されないようにされている。
メカシャーシ1上には、光磁気ディスク又は光ディスクよりの情報信号の読み出しを行う再生部が配設されている。この再生部は、ディスクテーブル12及び光学ピックアップ装置13を備えている。
ディスクテーブル12は、メカシャーシ1の下面部に取り付けられたスピンドルモータの該メカシャーシ1の上面側に突出された駆動軸に取り付けられている。このディスクテーブル12は、ほぼ円盤状に形成されており、チャッキング用開口部213を介して各カートリッジ205,216内に進入して、各ディスクのチャッキング孔204に嵌入し得るようになされている。このディスクテーブル12は、チャッキング孔204に嵌入されると、ディスクを位置決めして保持するようになされている。
光学ピックアップ装置13は、半導体レーザの如き光源、この光源の発する光ビームを導いてディスク上に集光させるための光学デバイス、及びディスクから反射される反射光ビームを検出するための光検出器等を有し、ディスクテーブル12に保持されたディスクよりの情報信号の読み出しを行う。この光学ピックアップ装置13は、メカシャーシ1上を、ディスクテーブル12に対し接離方向に移動操作される。
また、メカシャーシ1上には、一対の位置決めピン8,9及び一対の高さ決め突起10,11が突設されている。各位置決めピン8,9は、上端側がテーパ状に縮径されたピンであって、カートリッジ205,216の前方側及び後方側位置決め穴209,210に対応して嵌入して、該カートリッジ205,216のメカシャーシ1に対する位置決めを行う。各高さ決め突起10,11は、カートリッジ205,216の下面部に先端部を当接させて、該カートリッジ205,216のメカシャーシ1に対する高さ位置を決定する。
この再生部には、カートリッジ205,216が各位置決めピン8,9及び各高さ決め突起10,11により位置決めされ、光磁気ディスク又は光ディスクがディスクテーブル12に保持され、カートリッジ205,216内において回転操作される。そして、光学ピックアップ装置13は、カートリッジ205,216内で回転操作されるディスクに記録された情報信号の読み出しを行う。
(2−2)カートリッジホルダの構成
メカシャーシ1の上方側には、ディスクホルダであるカートリッジホルダ4が配設されている。このカートリッジホルダ4は、カートリッジ205,216の主面部の大きさにほぼ対応したほぼ平板状に形成され、メカシャーシ1に対して、チャッキングアームであるチャッキングアーム7を介して支持されている。このチャッキングアーム7は、金属板の如き材料により、一対の平行なアーム部58,59と、これらアーム部58,59の後端部間を連結させこのチャッキングアーム7の他端側の後板部60とを有し、ほぼコ字状に一体的に形成されている。各アーム部58,59は、それぞれほぼ中途部を、メカシャーシ1の両側の後方部に側方に向けて突設された一対の回動支軸24,25を介して回動可能に支持されている。これらアーム部58,59の一端側である前端側には、支持凹部54,55が形成されている。これら支持凹部54,55には、カートリッジホルダ4の両側のほぼ中央に側方に向けて突設された支持突起98,99が嵌合されている。すなわち、チャッキングアーム7は、各支軸24,25を中心に回動されることにより、カートリッジホルダ4を、メカシャーシ1に対して接離する上下方向に移動操作する。
この記録及び/又は再生装置においては、チャッキングアーム7がカートリッジホルダ4をメカシャーシ1より離間する方向の図10中矢印P方向に移動させたときには、図10に示すように、カートリッジホルダ4が天板3に当接し、また、チャッキングアーム7の後板部60下縁の当接部151がメインフレーム2の底面部の後縁側に設けられた当接支持部43に当接する。このとき、メカシャーシ1は、メインフレーム2に対する接離方向、すなわち、上下方向に各ダンパ部材18,19,20が変形することによりメインフレーム2に対する移動を阻止している。
そして、本発明に係る記録及び/又は再生装置は、チャッキングアーム7がカートリッジホルダ4をメカシャーシ1に接近する図11中矢印S方向に移動したときには、図11に示すように、カートリッジホルダ4が天板3より離間し、また、チャッキングアーム7の当接部151が当接支持部43より離間する。このとき、メカシャーシ1は、各ダンパ部材18,19,20が変形することによるメインフレーム2に対する接離方向への移動が可能となる。
カートリッジホルダ4は、両側部分が、下方側に鈎状に屈曲形成されて、カートリッジ保持部89,90とされている。このカートリッジ保持部89,90は、図5中矢印C方向の前方側よりディスクカートリッジ220,221がこれらカートリッジ保持部89,90間に挿入されると、このディスクカートリッジ220,221の両側部分を保持する。このとき、ディスクカートリッジ220,221は、カートリッジホルダ4に対して、前後方向に移動可能に保持されている。
カートリッジホルダ4は、このカートリッジホルダ4の天板部とディスクカートリッジ220,221の主面とが重なる位置まで挿入され、チャッキングアーム7によりメカシャーシ1側に移動操作されると、このディスクカートリッジ220,221をメカシャーシ1上の再生部に装着する。このカートリッジホルダ4は、天板部の各コーナ部に、下方側に突出された押さえ突起94,95,96,97が設けられている。カートリッジホルダ4は、各押さえ突起94,95,96,97をカートリッジ205,216の各コーナ部に当接させて、ディスクカートリッジ220,221をメカシャーシ1側に支持する。
また、カートリッジホルダ4には、ディスクカートリッジ220,221のシャッタ部材206,217の開閉を行う機構が設けられている。すなわち、カートリッジ保持部90内には、シャッタ開蓋爪105が内方側に向けて突設されている。このシャッタ開蓋爪105は、このカートリッジホルダ4に対してディスクカートリッジ220,221が挿入操作されると、支持溝部207内にカートリッジ205,216の前端側より進入し、シャッタ部材206,217の前端部に当接して、このシャッタ部材206,217のカートリッジホルダ4に対する移動を停止させることにより、ディスクカートリッジ220,221の挿入に伴ってシャッタ部材206,217を開蓋させる。
そして、カートリッジホルダ4の外側面部には、シャッタ閉蓋バネ100が、止めビス104,104により、取り付けられている。このシャッタ閉蓋バネ100は、一端側がカートリッジホルダ4の内側側に湾曲された係合部102となっている。この係合部102は、カートリッジホルダ4の側部に設けられた開口部103を介して、カートリッジホルダ4内に進入している。この係合部102は、このカートリッジホルダ4に対してディスクカートリッジ220,221が挿入操作されると、シャッタ部材206,217のシャッタ閉蓋孔208に係合する。この係合部102は、ディスクカートリッジ220,221がカートリッジホルダ4の前方側に排出されるとき、シャッタ部材206,217のカートリッジホルダ4に対する移動を停止させることにより、ディスクカートリッジ220,221の排出に伴って該シャッタ部材206,217を閉蓋させる。
そして、カートリッジホルダ4の下面部には、カートリッジ移動板5が前後方向に移動可能に取り付けられている。すなわち、このカートリッジ移動板5は、カートリッジホルダ4の幅とほぼ同様の幅の横長のほぼ平板状に形成されており、上面部に係合棒108,109,110を有している。このカートリッジ移動板5は、各係合棒108,109,110をカートリッジホルダ4に形成された一対の係合スリット91,92に対応させて挿通係合させて、このカートリッジホルダ4に対して前後方向に移動可能に支持されている。一対の係合スリット91,92は、互いに平行に前後方向に亘って形成されており、一方の係合スリット91に1本の係合棒108が挿通係合され、他方の係合スリット92に2本の係合ピン109,110が挿通係合される。このカートリッジ移動板5は、カートリッジホルダ4にディスクカートリッジ220,221が挿入操作されるとき、カートリッジホルダ4の天板部とディスクカートリッジ220,221との間に位置することとなる。
カートリッジ移動板5の後縁部は、下方側に折り曲げられて後壁部139を形成するとともに、さらに後方側に鈎状に折り曲げられて被係合溝部111を形成している。後壁部139は、カートリッジホルダ4にディスクカートリッジ220,221が挿入操作されたとき、このディスクカートリッジ220,221の前端部が当接されて、このディスクカートリッジ220,221の位置決めを行うものである。被係合溝部111は、後述するローディングアーム83の係合部87が接離可能に挿入係合する部分である。
そして、カートリッジ移動板5とカートリッジホルダ4とに係合して、トグルバネ107が設けられている。すなわち、このトグルバネ107は、一方のアーム部をカートリッジホルダ4の上面部に係合スリット92のほぼ中央部の近傍に位置して突設されたバネ係止片93に係止され、他方のアーム部をカートリッジ移動板5の上面部に突設されて係合スリット92を介して上方側に突出されたバネ係止片144に係止されている。このトグルバネ107は、各バネ係止片93,144間を離間させる方向の弾性力を有している。したがって、トグルバネ107は、カートリッジ移動板5が、各バネ係止片93,144間が最も接近することとなるカートリッジホルダ4のほぼ中央位置よりも前方側に位置しているときには、カートリッジ移動板5を、図5及び図6中矢印A方向の前方方向に移動付勢する。このトグルバネ107は、カートリッジ移動板5が、カートリッジホルダ4のほぼ中央位置よりも後方側に位置しているときには、カートリッジ移動板5を後方方向ぼ図5及び図8中矢印B方向に移動付勢する。
カートリッジ移動板5の下面側には、図5及び図12に示すように、このカートリッジ移動板5に対して回動可能となされたホールド板6が取り付けられている。このホールド板6は、カートリッジ移動板5とほぼ同様の大きさを有するほぼ平板状に形成されており、後縁側部分を118,121を介してカートリッジ移動板の後縁側部分に対して回動可能に支持されている。このホールド板6は、初期状態においてカートリッジ移動板5に対してディスクカートリッジ220,221の厚みに対応する距離を隔てており、図13及び図14に示すように、カートリッジホルダ4にディスクカートリッジ220,221が挿入操作されたとき、このディスクカートリッジ220,221の下方側に位置するようになされている。このホールド板6は、カートリッジ移動板5より離間する下方方向に回動可能であるとともに、捻りコイルバネ115により、カートリッジ移動板5に接近する方向の図12中矢印D方向に回動付勢されて初期位置に位置決めされる。
ホールド板6は、両端側部分の上面部に、一対の保持突起117,117が形成されている。これら保持突起117,117は、ホールド板6と上にディスクカートリッジ220,221が挿入操作されると、図14に示すように、カートリッジ205,216の下側主面部に形成された一対の被係合凹部212,212に係合する。ホールド板6は、このように、各保持突起117,117を各被係合凹部212,212に係合させたときには、ほぼ初期位置に復帰しており、ディスクカートリッジ220,221を保持している。
カートリッジ移動板5及びホールド板6は、カートリッジホルダ4の前方側に位置している状態で、ディスクカートリッジ220,221を保持し、このカートリッジホルダ4の後方側に移動されることにより、保持しているディスクカートリッジ220,221を該カートリッジホルダ4内に、すなわち、メカシャーシ1上となる位置に搬入する。また、カートリッジ移動板5及びホールド板6は、カートリッジホルダ4の後方側でディスクカートリッジ220,221を保持しているときに、このカートリッジホルダ4の前方側に移動されることにより、ディスクカートリッジ220,221をカートリッジホルダ4より排出する。
そして、カートリッジホルダ4は、チャッキングアーム7によりメカシャーシ1より離間する方向に移動され保持しているディスクカートリッジ220,221を再生部より離脱させたときには、天板3に係合する。すなわち、カートリッジ移動板5をカートリッジホルダ4に係合させるための係合棒108は、カートリッジホルダ4の上方側に突出され、上端部分がフランジ状に拡径されている。そして、この係合棒108は、カートリッジホルダ4が上方側に移動されて天板部3に当接されているときに、カートリッジ移動板5がカートリッジホルダ4の前方側に移動操作されると、図6に示すように、天板3に設けられた係合切り欠き部301に嵌入係合する。この係合切り欠き部301は、カートリッジ移動板5の移動に伴うトグルバネ107の移動範囲に対応して天板3に形成された透孔124の前方側の内縁部に、後方側に向けて解放された切り欠き部として形成されている。
カートリッジホルダ4は、係合棒108を係合切り欠き部301に係合させてフレームに係合したときには、メカシャーシ1に対する接離方向について、フレームに対する移動を阻止される。すなわち、この係合棒108は、係合切り欠き部301に係合したとき、上端側の拡径部を天板3の上面側に位置させている。また、カートリッジホルダ4は、係合棒108を係合切り欠き部301に係合させてフレームに係合したときには、このカートリッジホルダ4に対するディスクカートリッジ220,221の挿入方向及びメカシャーシ1に対する接離方向に直交する方向、すなわち、左右方向について、該フレームに対する移動を阻止される。
ホールド板6には、支軸118より後方側に位置して、誤挿入阻止爪119が設けられている。この後挿入阻止爪119は、後端部の上縁側が鋭角の角部を有する当接部140となされている。この当接部140は、カートリッジ移動板5がカートリッジホルダ4の前方側に位置しているときに、このカートリッジホルダ4の天板部に形成された当接用透孔106に対応する位置となされている。この誤挿入阻止爪119は、ホールド板6が初期位置にあるときには、図14中に矢印Wで示すように、カートリッジホルダ4の天板部に接触することなく、当接用透孔106の下方を通過する。
そして、誤挿入阻止爪119は、図15に示すように、ホールド板6が、ディスクカートリッジ220,221のいわゆる誤挿入により、図15中矢印U方向の下方側に回動されているときには、当接部140を当接用透孔106内に進入させる。このように当接部140が当接用透孔106内に進入しているときには、カートリッジ移動板5を後方側に移動させようとしても、当接部140が当接用透孔106の後縁部に当接するため、カートリッジ移動板5の後方側への移動が規制される。
なお、ディスクカートリッジ220,221の誤挿入とは、図15に示すように、各被係合凹部212,212の設けられた下面を上方側に位置させて挿入してしまうことや、カートリッジ205,216の側面や後面を挿入端側として挿入してしまうことである。
そして、メカシャーシ1の両側部には、チャッキングアーム7の各アーム部58,59の前端部の前方側に位置して、一対のロックアーム44,44が回動可能に取り付けられている。すなわち、これらロックアーム44,44は、ほぼ中央部に支持孔45,45を有し、この支持孔45,45にメカシャーシ1の両側部より側方に向けて突設された一対の支軸21,22を挿通させている。これらロックアーム44,44は、後端側に係合孔46,46を有しており、この係合孔46,46をカートリッジホルダ4の支持突起98,99に係合させている。
このロックアーム44は、前端側部分に、係合部となる係合溝部309が形成されている。この係合溝部309は、ロックアーム44の側部に対して解放された切り欠きであって、ロックアーム44の前端側がメカシャーシ1の前方側に向けられたときに、解放部分を下方に向けるように形成されている。
各ロックアーム44,44は、チャッキングアーム7がカートリッジホルダ4をメカシャーシ1側に移動させてこのカートリッジホルダ4が保持しているディスクカートリッジ220,221を再生部に装着させたときには、図11に示すように、係合溝部309をフレームより離間させる。
そして、各ロックアーム44,44は、チャッキングアーム7がカートリッジホルダ4をメカシャーシ1より離間する方向に移動させてこのカートリッジホルダ4が保持しているディスクカートリッジ220,221を該再生部より離脱させたときには、図10に示すように、係合溝部309をフレームに係合させる。すなわち、フレームを構成する各側壁部37,38には、各係合溝309,309が係合する被係合部となる左右一対の係合杆312,312が、互いに対向する内方側に向けて突設されている。
各係合杆312,312は、それぞれ、メインシャーシ2の外側となる基端側が、テーパ状に拡径されている。したがって、各ロックアーム44は、係合溝部309を係合杆312に係合させたときには、カートリッジホルダ4に対するディスクカートリッジ220,221の挿入方向及びこのカートリッジホルダ4のメカシャーシ1に対する移動可能んs方向に直交する方向にメカシャーシ1がフレームに対し移動することを阻止する。
また、各ロックアーム44,44の後端部には、それぞれ位置決め突起308が突出形成されている。これら位置決め突起308,308は、チャッキングアーム7がカートリッジホルダ4をメカシャーシ1より離間する方向に移動させてこのカートリッジホルダ4が保持しているディスクカートリッジ220,221を該再生部より離脱させたときには、天板部3の両側側部分に形成された左右一対の係合孔303,304に対応して挿入係合され、メカシャーシ1のフレームに対する位置決めを行う。
そして、付勢手段となる左右一対のトグルバネ310,310が、一方のアーム部をメカシャーシ1の左右両側部に突設された係合片307,307に係合させ、他方のアーム部を各ロックアーム44,44の後端側に突設された係合片317,317に係合させて配設されている。
このトグルバネ310による付勢力は、ロックアーム44を介して、チャッキングアーム7に伝達される。すなわち、これらトグルバネ310,310は、チャッキングアーム7がメカシャーシ1に対する移動可能範囲のほぼ中間位置よりもカートリッジホルダ4を該メカシャーシ1に接近させる側にあるときには、このチャッキングアーム7を、カートリッジホルダ4がメカシャーシ1に接近する方向に回動付勢する。
これらトグルバネ310,310は、チャッキングアーム7がメカシャーシ1に対する移動可能範囲のほぼ中間位置よりもカートリッジホルダ4をメカシャーシ1より離間させる側にあるときには、このチャッキングアーム7を、カートリッジホルダ4がメカシャーシ1より離間する方向に付勢する。したがって、チャッキングアーム7は、カートリッジホルダ4をメカシャーシ1側に移動させたときには、各トグルバネ310,310の付勢力により、このカートリッジホルダ4が保持しているディスクカートリッジ220,221を再生部に対し押圧支持して装着させる。また、チャッキングアーム7は、カートリッジホルダ4をメカシャーシ1より離間する方向に移動させたときには、各トグルバネ310,310の付勢力により、このカートリッジホルダ4が保持しているディスクカートリッジ220,221を再生部より離脱させるとともに、このカートリッジホルダ4を天板部3に対して押圧支持する。
カートリッジホルダ4は、チャッキングアーム7を介して、各トグルバネ310,310の付勢力により押圧されることで、メカシャーシ1に近接した位置及び天板部3に当接した位置のいずれにおいても、正確に位置決めされる。
(2−3)移動操作機構の構成
そして、メカシャーシ1の後方側部分には、ディスクカートリッジ220,221のメカシャーシ1上への搬送及びディスクカートリッジ220,221のメカシャーシ1上からの排出を行う、すなわち、カートリッジ移動板5を移動操作するための移動操作機構が配設されている。
この移動操作機構は、図5、図6及び図16に示すように、メカシャーシ1の後方部に配設されたモータ64を備えている。このモータ64の駆動軸には、ウォームギヤ65が取り付けられている。このウォームギヤ65は、メカシャーシ1に植設された支軸30により回転可能に支持されたウォームホイール69に噛合している。このウォームホイール69には、平ギヤである第1の伝達ギヤ70が同軸状に一体的に形成されている。この第1の伝達ギヤ70は、メカシャーシ1に植設された支軸29により回転可能に支持された平ギヤである第2の伝達ギヤ71に噛合している。
第2の伝達ギヤ71を支持する支軸29には、図17に示すように、回動アーム136の基端側部分が回動可能に取り付けられている。すなわち、この回動アーム136は、基端側に設けられた支持孔138に支軸29を挿通させている。この回動アーム136と第2の伝達ギヤ71との間には、摩擦部材137が介在配設されている。すなわち、回動アーム136は、第2の伝達ギヤ71の回転方向に追従する方向に回動操作される。第2の伝達ギヤ71が図16及び図17中矢印X1方向の一方向に回転すると、回動アーム136は、図16及び図17中矢印X2方向の一方向側に回動される。また、第2の伝達ギヤ71が図16及び図17中矢印Y1方向の他方向に回転すると、回動アーム136は、図16及び図17中矢印Y2方向の他方向側に回動される。
回動アーム136の先端側には、支軸73を介して、第3の伝達ギヤ72が回転可能に取り付けられている。この第3の伝達ギヤ72は、第2の伝達ギヤ71に噛合している。
そして、メカシャーシ1上には、このメカシャーシ1に植設された支軸27を介して、ローディング動作伝達部材となるカムギヤ61が回転可能に取り付けられている。このカムギヤ61は、図18に示すように、支軸27が嵌合される支持孔129に対して同軸にギヤ部127及びフランジ部131が一体に形成されている。ギヤ部127は、所定の角度範囲に亘る第1の欠歯部130を有している。また、フランジ部131は、所定角度範囲に亘る欠損部を有している。フランジ部131のギヤ部127に臨む下面部には、第1の係合溝部128が形成されている。この第1の係合溝部128は、支持孔129回りの円弧状に形成され、欠損部の一方側の部分がこの欠損部に向けて開放され、欠損部の他方側の部分が閉塞端となされている。カムギヤ61のギヤ部127には、カムシャーシ1に植設された支軸28を介して、第4の伝達ギヤ63が噛合している。この第4の伝達ギヤ63には、回動アーム136が図16、図19、図22及至図25中矢印Y2方向の他方向側に回動されたときに、第3の伝達ギヤ72が噛合する。第3の伝達ギヤ72が第4の伝達ギヤ63に噛合している状態においては、第1の係合溝部128には、図16、図19、図22及至図25に示すように、第3の伝達ギヤ72を支持している支軸73の先端側が係合する。
カムギヤ61は、第1の付勢部材となる捻りコイルバネ153により、第1の係合溝部128に係合している支軸73がこの第1の係合溝部128の欠損部への開放端部より抜け出す方向の図5、図6及び図16中矢印G方向に回動付勢されている。捻りコイルバネ153は、図18に示すように、カムギヤ61の下面部に形成された円環状の溝部154内に配設されている。
カムギヤ61は、上面側の主面に、操作ピン62が設けられている。この操作ピン62は、メカシャーシ1上に回動可能に支持された第1のアーム部材である扇形状板79に設けられたカムスリット81に挿通係合している。この扇形状板79は、扇の要に相当する位置に支持孔80を有し、この支持孔80に、上記メカシャーシ1上に植設された支柱20の先端側の支軸部26を挿通させて、回動可能に支持されている。カムスリット81は、支持孔80の近傍部より、扇の周縁の近傍部に亘って、ほぼ直線状に形成されている。また、この扇形状板79は、ガイドスリット82を有している。このガイドスリット82は、支持孔80回りの円弧状に形成されている。この扇形状板79は、カムギヤ61が回動することにより、上記操作ピン62を介して回動操作される。
また、支軸部26には、第2のアーム部材となるローディングアーム83の基端側が回動可能に取り付けられている。このローディングアーム83の基端側には、支軸部26が挿通係合される支持孔84が形成されている。このローディングアーム83の中途部には、扇形状板79のガイドスリット82に挿通係合されるガイドピン86が設けられている。このローディングアーム83は、扇形状板79に対して、支持孔80回りのガイドスリット82の角度範囲に亘って回動可能である。このローディングアーム83の先端側には、被係合溝部111に接離可能に係合する係合部87が設けられている。ローディングアーム83は、このローディングアーム83と扇形状板79とに各アーム部を係止させた捻りコイルバネであるリミッタバネ88により、扇形状板79に対して係合部87を前方側に振り出す方向の図5及び図6中矢印F方向に回動付勢されている。
ローディングアーム83の基端側には、メカシャーシ1上に配設された第1の検出スイッチ77を操作するためのスイッチ操作突起85が設けられている。このスイッチ操作突起85は、ローディングアーム83が、図7中矢印J方向及び図8中矢印L方向の係合部87を後方に回動したときに、第1の検出スイッチ77を操作する。
そして、メカシャーシ1上には、チャッキング動作伝達部材となるスライダ74が配設されている。このスライダ74は、図20及び図21に示すように、ほぼ棒状の部材として形成されており、一対の支持スリット75,76を有している。このスライダ74は、各支持スリット75,76に、メカシャーシ1上に植設された一対の支軸31,32を挿通係合させることにより、横方向に移動可能となっている。このスライダ74は、上記回動アーム136が図16、図19、図22及至図25中矢印X2方向の一方向側に回動されたときに上記第3の伝達ギヤ72が噛合するラックギヤ部134を有している。このスライダ74は、ラックギヤ部134の延長上に、第2の欠歯部135を有している。さらに、スライダ74は、ラックギヤ部134に沿う庇部を有し、この庇部のラックギヤ部134に臨む下面部には、第2の係合溝部133が形成されている。この第2の係合溝部133は、ラックギヤ部134に平行な直線状に形成され、カムギヤ61に臨む一方側が開放され、他方側が閉塞端となされている。
第3の伝達ギヤ72がラックギヤ部134に噛合している状態においては、第2の係合溝部133には、図23及至図25に示すように、第3の伝達ギヤ72を支持している支軸73の先端側が係合する。
スライダ74は、このスライダ74に設けられたバネ係止部132とメカシャーシ1上に突設されたバネ係止部33との間に張架された引っ張りコイルバネ126により、図5、図6及び図16中矢印H方向の第2の係合溝部133に係合している支軸73がこの第2の係合溝部133の開放端部より抜け出す方向、すなわち、ラックギヤ部134を第2の欠歯部135の側に移動させる方向に移動付勢されている。
そして、このスライダ74は、チャッキングアーム7に係合する第1の係合部となる一対の水平なカム突状145,146と、フレームに係合する第2の係合部となる係合凹部305とを有している。
スライダ74は、後面部を、チャッキングアーム7の後板部60の前面部に対向させている。このスライダ74の後面部には、一対の水平なカム突状145,146が設けられている。これらカム突状145,146は、スライダ74が引っ張りコイルバネ126の付勢力により移動された初期状態においては、後板部60の前面部に植設された一対の倣いピン56,57の上方に位置してこれら倣いピン56,57を下方側に押し下げている。すなわち、上記スライダ74は、初期位置においては、チャッキングアーム7を後板部60がメカシャーシ1側に移動する方向の図10中矢印O方向に回動させている。
各カム突状145,146は、スライダ74が引っ張りコイルバネ126の付勢力に抗して図9中矢印N方向の一方側に移動操作されると、各倣いピン56,57に摺接しつつ、これら倣いピン56,57の上方位置より退避する。すると、チャッキングアーム7は、一対の引っ張りコイルバネ52,53の付勢力により、後板部60をメカシャーシ1より離間させカートリッジホルダ4をメカシャーシ1側に移動させる図11中矢印R方向に回動させる。
また、スライダ74が引っ張りコイルバネ126の付勢力に抗して一方側に移動操作されると、図9に示すように、メカシャーシ1上に配設された第2の検出スイッチ78が、このスライダ74により操作される。
そして、スライダ74が引っ張りコイルバネ126の付勢力に抗して一方側に移動操作されたとき、各カム突状145,146は、ラックギヤ部134に対する第2の欠歯部135側に相当する側である他方側の端部を、各倣いピン56,57に対向させている。これらカム突状145,146は、他方側の端部が、下方側に臨んだテーパ部147,148とされている。したがって、スライダ74が他方側に移動されて初期位置に復帰されるときには、各カム突状145,146は、各倣いピン56,57に各テーパ部147,148を摺接させつつ、これら倣いピン56,57の上方側に進入して、これら倣いピン56,57を下方側に移動させる。そして、第2の係合部となる係合凹部305は、図20に示すように、スライダ74の上面部に形成されている。この係合凹部305は、スライダ74が引っ張りコイルバネ126により付勢されている方向に向けて解放された溝部となされている。
係合凹部305の底面部は、この係合凹部305の解放された側に向けて徐々に下方側となる傾斜面部318に連続されている。また、係合凹部305の両側の内側壁面部は、この係合凹部305の解放された側に向けて徐々に拡幅された一対の導入壁部319に連続されている。
スライダ74は、チャッキングアーム7を介してカートリッジホルダ4をメカシャーシ1側に移動させこのカートリッジホルダ4が保持しているディスクカートリッジ220,221を再生部に装着させたときには、係合凹部305をフレームに対して係合させることがない。
このスライダ74は、チャッキングアーム7を介してカートリッジホルダ4をメカシャーシ1より離間する方向に移動させこのカートリッジホルダ4が保持しているディスクカートリッジ220,221を再生部より離脱させたときには、係合凹部305をフレームに係合させる。すなわち、カートリッジホルダ4がメカシャーシ1より離間する方向に移動操作されたとき、天板3より垂下された係合ピン302は、係合凹部305内に進入しており、下端部を係合凹部305の底面部に当接させている。
したがって、スライダ74は、係合凹部305をフレームの係合ピン302に係合させたときには、カートリッジホルダ4に対するディスクカートリッジ220,221の挿入方向、すなわち、前後方向に亘ってメカシャーシ1のフレームに対する移動を規制する。
また、スライダ74は、係合凹部305を係合ピン302に係合させたときには、チャッキングアーム7の他端側の当接部151をフレームの当接支持部43に当接させており、この当接部151と共働して、メインフレーム2に対する接離方向、すなわち、上下方向にメカシャーシ1がフレームに対い移動することを規制する。
[3]記録及び/又は再生装置の動作
(3−1)初期状態
上述のように構成された本発明に係る記録及び/又は再生装置においては、初期状態においては、図6、図10、図12及び図16に示すように、カートリッジホルダ4は、上方側に位置されて天板3に当接されている。チャッキングアーム7は、当接部151を当接支持部43に当接させている。各ロックアーム44,44は、係合溝309,309を各係合杆312,312に係合させている。カートリッジ移動板5は、カートリッジホルダ4の前方側に位置し、トグルバネ107により、図6中矢印A方向の前方側に付勢されている。係合棒108は、係合切り欠き部301に係合されている。
ホールド板6は、図12中矢印D方向の上方側に付勢され、カートリッジ移動板5との間の間隔をディスクカートリッジ220,221の厚みに相当する間隔としている。ローディングアーム83は、係合部87を被係合溝部111内に進入させている。扇形状板79は、カムギヤ61により前方側に回動されている。第1及び第2の検出スイッチ77,78は、操作されていない。
カムギヤ61は、捻りコイルバネ153により、図16中矢印G方向に回動付勢されて、第1の欠歯部130に臨むギヤ部127の端部を第4の伝達ギヤ63に圧接させている。支軸73は、第1の係合溝部128に係合しており、第3の伝達ギヤ72を第4の伝達ギヤ63に噛合させている。スライダ74は、引っ張りコイルバネ126により図16中矢印H方向に移動付勢されている。
スライダ74は、引っ張りコイルバネ126による付勢方向に移動されており、係合ピン302が係合凹部305に進入して係合している。
(3−2)ディスクカートリッジの挿入操作
カートリッジ移動板5とホールド板6との間にディスクカートリッジ220,221が挿入操作されると、図13に示すように、まず、ホールド板6が下方側に回動され、図14に示すように、ディスクカートリッジ220,221が前端部を後壁部139に当接させるまで挿入されると、各被係合凹部212,212に各保持突起117,117が嵌合してホールド板6が初期位置に復帰する。
そして、ディスクカートリッジ220,221が後方側に押圧操作されると、カートリッジ移動板5は、図7に示すように、トグルバネ107を変位させつつ後方側に移動され、リミッタバネ88を変位させつつローディングアーム83を回動させる。このとき、係合棒108は、係合切り欠き部301より後方側に抜け出し、この係合切り欠き部301に対する係合を解除する。ローディングアーム83の回動により、スイッチ操作突起85を介して第1の検出スイッチ77が操作される。
(3−3)ディスクカートリッジの搬入動作
第1の検出スイッチ77が操作されることにより、モータ64の回転駆動が開始され、カムギヤ61が捻りコイルバネ153により付勢されている図19中矢印X3方向に回転操作される。このとき、回動アーム136は、第3の伝達ギヤ72を第4の伝達ギヤ63より離間させる方向の図19中矢印X2方向に回動付勢されているが、支軸73が第1の係合溝部128に係合していることにより回動が規制されている。
ローディングアーム83は、扇形状板79を介して、カムギヤ61により後方側に回動操作され、カートリッジ移動板5を後方側に移動操作する。
このように、カートリッジ移動板5が後方側に移動操作されてディスクカートリッジ220,221が後方側に移送されるとき、シャッタ部材206,217は、前端部にシャッタ開蓋爪105が当接され、シャッタ閉蓋孔208にシャッタ閉蓋バネ100の係合部102が係合する。この状態でディスクカートリッジ220,221が後方側に移送されることにより、シャッタ部材206,217は、前端部にシャッタ開蓋爪105を当接させた位置で停止されているため開蓋操作される。
カートリッジ移動板5は、図8に示すように、カートリッジホルダ4の後方側位置まで移動操作されると、トグルバネ107により後方側の図8中矢印B方向に移動付勢されるとともに、ディスクカートリッジ220,221をメカシャーシ1上に位置させる。このように、カートリッジ移動板5がカートリッジホルダ4の後方位置に移動されたとき、カムギヤ61は、図22に示すように、支軸73の近傍に第1の係合溝部128の欠損部への開放端部を位置させている。
そして、カムギヤ61がさらに回転されると、回動アーム136は、図23に示すように、支軸73がカムギヤ61の欠損部に至り第1の係合溝部128より開放されるため、第2の伝達ギヤ71に追従して図23中矢印X2方向に回動され、第3の伝達ギヤ72をスライダ74のラックギヤ部134に噛合させる。
(3−4)ディスクカートリッジのチャッキング動作
モータ64は、カートリッジ移動板5が後方側に移動された後、さらに回転駆動し、スライダ74を、引っ張りコイルバネ126の付勢力に抗して図23及び図24中矢印X4方向に移動させる。このとき、支軸73は、第2の係合溝部133に係合されており、第3の伝達ギヤ72のラックギヤ部134よりの離間を規制している。
スライダ74の引っ張りコイルバネ126の付勢力に抗しての移動により、カートリッジホルダ4は、チャッキングアーム7を図11中矢印R方向に回動し、図11中矢印S方向に移動して天板3より離間される。このチャッキングアーム7は、当接部151を当接支持部43より離間させる。このとき、各ロックアーム44,44は、係合溝309,309の各係合杆312,312に対する係合を解除する。また、スライダ74は、係合凹部305に対する係合ピン302の係合を解除させる。
このとき、メカシャーシ1は、フロート支持された状態となる。また、このとき、ローディングアーム83の係合部87が被係合溝部111より抜け出され、ローディングアーム83とカートリッジ移動板5との係合が解除される。
そして、スライダ74は、図9及び図25に示すように、第2の欠歯部135を第3の伝達ギヤ72に対向させる位置に至ると、第2の検出スイッチ78を操作する。この第2の検出スイッチ78が操作されることにより、モータ64は停止される。スライダ74は、引っ張りコイルバネ126の付勢力により、第2の欠歯部135に臨むラックギヤ部134の端部を第3の伝達ギヤ72に圧接させている。このとき、カートリッジホルダ4に保持されたディスクカートリッジ220,221は、メカシャーシ1上に位置決めされて装着されており、ディスクテーブル12及び光学ピックアップ装置13を有する再生部により、情報信号の読み出しが可能な状態となる。
(3−5)ディスクカートリッジのチャッキング解除動作
上述のように、ディスクカートリッジ220,221が装着された状態において、イジェクト動作を指示する操作がなされると、モータ64は、上述したようなディスクローディング動作時の逆の方向に回転駆動する。スライダ74は、引っ張りコイルバネ126の付勢力により第2の欠歯部135に臨むラックギヤ部134の端部を第3の伝達ギヤ72に圧接させているので、この第3の伝達ギヤ72が回転操作されることにより、この第3の伝達ギヤ72に該ラックギヤ部134を噛合させて、引っ張りコイルバネ126の付勢力を受けて図25及び図24中矢印Y4方向に移動操作される。スライダ74は、移動操作されることにより、第2の検出スイッチ78に対する操作を解除する。このとき、支軸73は、第2の係合溝部133に係合されており、第3の伝達ギヤ72のラックギヤ部134よりの離間を阻止している。
そして、スライダ74が移動されると、カートリッジホルダ4は、チャッキングアーム7が図10中矢印O方向への回動により、図10中矢印P方向に移動して天板3に当接される。このチャッキングアーム7は、当接部151を当接支持部43に当接させる。各ロックアーム44,44は、係合溝309,309を各係合杆312,312に係合させる。また、スライダ74は、係合凹部305に係合ピン302を進入させてこの係合ピン302に係合している。
このとき、メカシャーシ1は、フロート支持による移動を阻止された状態となる。このとき、ローディングアーム83の係合部87が被係合溝部111に係合され、ローディングアーム83とカートリッジ移動板5とが係合される。
このように、カートリッジホルダ4が天板3に当接されたとき、支軸73は、図23に示すように、スライダ74が移動されることにより第2の係合溝部133の開放端部に位置する。すると、回動アーム136は、図22に示すように、第2の伝達ギヤ71に追従して、図22中矢印Y2方向に回動して第3の伝達ギヤ72を第4の伝達ギヤ63に噛合させる位置に至る。
(3−6)ディスクカートリッジの排出動作
第3の伝達ギヤ72が第4の伝達ギヤ63に噛合した状態でモータ64が回転駆動することにより、カムギヤ61は、支軸73を第1の係合溝部128内に進入させる方向の図22及び図19中矢印Y3方向に回転操作される。回動アーム136は、支軸73が第1の係合溝部128に係合していることにより回動が規制されている。
カムギヤ61の回転により、ローディングアーム83は、図6に示すように、扇形状板79が回動されることによって、係合部87を前方側となす方向に回動され、カートリッジ移動板5を前方側に移動させる。
このようにカートリッジ移動板5が前方側に移動操作されてディスクカートリッジ220,221が前方側に移送されるとき、シャッタ部材206,217は、シャッタ閉蓋孔208にシャッタ閉蓋バネ100の係合部102が係合されることにより、シャッタ閉蓋孔208に該係合部102を嵌入係合させた位置で停止されるため、閉蓋操作される。このシャッタ閉蓋バネ100の係合部102は、シャッタ部材206,217が閉蓋された後、さらに、ディスクカートリッジ220,221が前方側に移送されることにより、該シャッタ閉蓋バネ100の弾性変位によって、シャッタ閉蓋孔208より抜き取られる。
ローディングアーム83は、カートリッジ移動板5を、カートリッジホルダ4に対する前方側側まで移動させる。このとき、トグルバネ107は、カートリッジ移動板5を、図6中矢印A方向の前方側に移動させる。このとき、係合棒108は、図6に示すように、係合切り欠き部301に係合する。
なお、扇形状板79が回動されるときに、ディスクカートリッジ220,221の前方側への排出が外力により阻止されてローディングアーム83の回動が阻止された場合には、図7に示すように、リミッタバネ88が変位することにより、扇形状板79の回動が阻害されることを防止する。そして、ローディングアーム83が初期位置まで回動されることにより、スイッチ操作突起85による第1の検出スイッチ77に対する操作が解除される。
そして、カムギヤ61は、図16に示すように、捻りコイルバネ153の付勢力により第1の欠歯部130に臨むギヤ部127の端部を第4の伝達ギヤ63に圧接させた状態にて停止される。このとき、支軸73は、第1の係合溝部128に係合しており、第3の伝達ギヤ72を第4の伝達ギヤ63に噛合させている。スライダ74は、引っ張りコイルバネ126により図16中矢印H方向に移動付勢されている。
ディスクカートリッジ220,221は、図14に示すように、カートリッジ移動板5とホールド板6との間に、前端部を後壁部139に当接させるまで挿入されており、各被係合凹部212,212に各保持突起117,117を係合させている。そして、このディスクカートリッジ220,221を後方側に引き抜くと、図13に示すように、このディスクカートリッジ220,221は、ホールド板6が下方側に回動させつつ、カートリッジ移動板5とホールド板6との間より抜き取られる。
このようにして、イジェクト動作を完了した記録及び/又は再生装置は、初期状態に復帰する。
1 メカシャーシ、 2 メインフレーム、 3 天板、 4 カートリッジホルダ、 7 チャッキングアーム、 12 ディスクテーブル、 13 光学ピックアップ装置、 44 ロックアーム、 74 チャッキング動作伝達部材、 108 係合棒、 220 記録及び再生型のディスクカートリッジ、 221 再生専用型のディスクカートリッジ