JP2004255258A - 超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】浸漬式の洗浄槽において、被洗浄材に超音波を効率的に印加する安価な超音波洗浄装置及び方法を提供する。
【解決手段】被洗浄材が洗浄液に浸漬される洗浄槽を備えた洗浄装置において、洗浄槽の側面に複数の超音波振動子を洗浄槽の深さ方向に設置したことを特徴とする超音波洗浄装置。複数の超音波振動子を洗浄槽の側面に長さ方向に設置しても良く、両側の側面に設置することが好ましい。少なくともひとつの超音波振動子を洗浄槽の底面に設置しても良い。更に、超音波振動子の振動面の法線が被洗浄材の存在する領域を通るように設置することが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】被洗浄材が洗浄液に浸漬される洗浄槽を備えた洗浄装置において、洗浄槽の側面に複数の超音波振動子を洗浄槽の深さ方向に設置したことを特徴とする超音波洗浄装置。複数の超音波振動子を洗浄槽の側面に長さ方向に設置しても良く、両側の側面に設置することが好ましい。少なくともひとつの超音波振動子を洗浄槽の底面に設置しても良い。更に、超音波振動子の振動面の法線が被洗浄材の存在する領域を通るように設置することが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄槽を満たした洗浄液中を走行する被洗浄材に超音波を集中印加させる浸漬式の超音波酸洗装置及び超音波洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、酸洗浴中で走行させた金属帯板に超音波を印加させる超音波酸洗が提案されている。特許文献1には、超音波の反射板を設けて複数個の区画を形成し、各区画毎に超音波振動子を設けて、超音波振動を鋼板エッジ部に集中的に作用させた超音波酸洗装置が開示されている。しかし、この方法は、超音波の反射板や複数個の区画を形成する設備を耐酸材料で作る必要があり、膨大なコストがかかるため実現が困難であった。
【0003】
また、特許文献2〜4には、熱延鋼板表面上の幅方向全域に収束させた超音波を放射する、熱延鋼板の酸洗方法が開示されている。しかし、これらの方法では、焦点を幅方向に線状に収束させるため酸洗ムラが生じ易く、これを回避するために焦点を広い面積にするには膨大な個数の超音波振動子を設置することが必要となるため、コストがかかり、実現は困難であった。
さらに、特許文献5には、超音波振動子列を熱延鋼板の搬送方向と垂直に設置する超音波酸洗装置が開示されている。しかし、この方法は、超音波振動子を熱延鋼板に近接させるため、サポートロールの設置が好ましく、サポートロールの無い浸漬式の酸洗装置に適用する場合は、設備の大幅な改造が必要であった。
【0004】
【特許文献1】
特開平1−111890号公報
【特許文献2】
特開平4−341588号公報
【特許文献3】
特開平4−341589号公報
【特許文献4】
特開平4−341590号公報
【特許文献5】
特開2000−256886公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、浸漬式の洗浄槽において、被洗浄材に超音波を効率的に印加する超音波洗浄装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1) 被洗浄材が洗浄液に浸漬される洗浄槽を備えた洗浄装置において、複数の超音波振動子を洗浄槽の側面に深さ方向に設置したことを特徴とする超音波洗浄装置。
(2) 複数の超音波振動子の振動面の法線が被洗浄材の存在する領域を通るように設置することを特徴とする(1)記載の超音波洗浄装置。
(3) 複数の超音波振動子を洗浄槽の側面に長さ方向に設置したことを特徴とする(1)又は(2)記載の超音波洗浄装置。
(4) 複数の超音波振動子を洗浄槽の両側の側面に設置することを特徴とする(1)〜(3)の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
(5) 少なくともひとつの超音波振動子を洗浄槽の底面に設置することを特徴とする(1)〜(4)の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
(6) 被洗浄材の存在する範囲の音圧分布を計測する手段と、被洗浄材の存在する範囲の音圧分布を表示する手段と、超音波振動子の振動面の角度と設置位置を調整する手段を洗浄槽内に備えたことを特徴とする(1)〜(5)の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
(7) 超音波振動子近傍の音圧を計測する手段と、超音波振動子近傍の音圧を表示する手段を洗浄槽内に備えたことを特徴とする(6)記載の超音波洗浄装置。
(8) 洗浄槽内の洗浄液が酸であること特徴とする(1)〜(7)の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
(9) 洗浄槽内の洗浄液がアルカリであること特徴とする(1)〜(7)の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
(10) 洗浄槽内の洗浄液が水であること特徴とする(1)〜(7)の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
(11) 洗浄槽内の洗浄液が溶剤であること特徴とする(1)〜(7)の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
(12) 洗浄槽内に電解装置を設置したことを特徴とする(8)又は(9)記載の超音波洗浄装置。
(13) (6)〜(12)の何れか1項記載の超音波洗浄装置を用いて、被洗浄材の存在する範囲の音圧分布が、被洗浄材の存在しない範囲の音圧分布よりも高くなるように超音波振動子の振動面の角度を調節することを特徴とする超音波洗浄方法。
(14) (6)〜(12)の何れか1項記載の超音波洗浄装置に加えて、被洗浄材の板幅方向のエッジ部の音圧分布を計測する手段と、前記エッジ部の音圧分布を表示する手段を備えた装置を用いて、板幅方向のエッジ部の音圧分布を板幅方向の中央部よりも高くするように調整することを特徴とする超音波洗浄方法。
(15) 超音波振動子の角度を操業中に調整することを特徴とする(13)又は(14)記載の超音波洗浄方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の超音波洗浄装置の通板方向断面図及び側面図を、模式的にそれぞれ図1及び2に示す。図1及び2において、複数の超音波振動子4a、4b、4cは、洗浄液2を満たした洗浄槽1の側面に洗浄槽の深さ方向に設置され、超音波振動面の法線5a、5b、5cが被洗浄材3の存在する領域を通るように向けられている。これにより図1及び2に示したように、複数の超音波振動子の法線が重なり、超音波の音圧が高くなった領域(焦点領域という)6の長軸が、被洗浄材3の板幅に沿って被洗浄材の存在する領域と、ほぼ一致させることができる。なお、音圧とは、超音波が音圧測定装置などのセンサー表面に照射された際に、センサーの圧電素子が振動する振幅を圧力に換算したものである。音圧は、中村き良著、「超音波」、コロナ社、2001年8月30日発行、p.80に記載されているハイドロフォンを用いて測定することができる。
【0008】
また、図3に示すように、洗浄槽1の両側の側面に複数の超音波振動子4a、4b、4c、4a′、4b′、4c′の振動面からの法線5a、5b、5c、5a′、5b′、5c′が被洗浄材3の存在する領域を通るように向けて設置することで、焦点領域6が被洗浄材3の幅方向を覆うように形成され、被洗浄材3の幅方向の全面での洗浄促進能力を向上させることができる。
【0009】
これに対し、図4に示す従来の超音波振動子の設置例では、焦点領域6の長軸が被洗浄材の板幅と直交するため被洗浄材の幅方向の全面を覆うように、焦点領域6を形成することが困難であり、洗浄ムラを生じる。
【0010】
また、本発明の超音波洗浄装置において、超音波振動子の配置は、複数の超音波振動子を洗浄槽の側面に長さ方向に、即ち、通板方向に沿って設置しても良い。さらに、音圧を大きくして洗浄の効率を向上させるためには、洗浄槽の両側の側面だけでなく、底面にも超音波振動子を設け、振動面からの法線が被洗浄材の存在する領域を通るように向けて設置することが好ましい。
【0011】
次に、操業の変化に対応する手法について説明する。
被洗浄材の板幅は、操業によって変化するが、特に洗浄液を酸とする酸洗においては、被酸洗材の端部の酸洗を促進するように、焦点領域を板幅に応じて変化させることが好ましい。これは、熱延後、酸洗までの間に、熱延コイルの端部の酸化が進み、板幅方向のエッジ部において板表層に厚い酸化膜が形成されるためである。そのため、超音波を被酸洗材の端部に集音することが更に好ましい。この集音とは、被酸洗材の端部における超音波の音圧を、被酸洗材の中央部及び被酸洗材の存在しない範囲における超音波の音圧よりも高くすることを意味する。
【0012】
このような被酸洗材の端部の酸洗促進を実行するための、各超音波振動子角度の設定方法について図8を用いて説明する。被酸洗材3の板幅が変化する場合、板表層の厚い酸化膜を持つ板幅方向のエッジ部15の音圧分布を計測する手段7と、音圧分布を表示する手段8と、超音波振動子の振動面の角度と設置位置を調整する手段11を備え、板表層の厚い酸化膜を持つ板幅方向のエッジ部15の音圧分布を酸洗促進に必要な音圧以上にするように、超音波振動子の振動面の角度を調節することが好ましい。
【0013】
音圧分布を計測する手段7は、移動式の水中音圧測定装置、たとえばピエゾ式ハイドロフォンあるいは光ファイバー式ハイドロフォンで良い。被酸洗材3の板幅に沿った音圧分布は、操業時には被酸洗材3の近くの音圧を測定して評価すれば良い。また、音圧分布を表示する手段8は、オシロスコープ、ペンレコーダやデータロガ―で良い。超音波振動子の振動面の角度の調整は、超音波振動子を回転させれば良く、回転させる手段として電動モータ、油圧シリンダー又はエアシリンダーを使用すれば良い。
【0014】
また操業前に予め、被酸洗材3の幅方向の端部の音圧が酸洗促進に必要な音圧以上となる各超音波振動子の角度を数値シミュレーションによって求め、操業時に微調整すると効率的である。音圧を数値シミュレーションによって求めるには、超音波便覧編集委員会編「超音波便覧」、丸善、平成11年8月30日発行、p.28、p.39に記載されている音圧の積分式を3次元に適用すれば良い。
【0015】
なお、上記は本発明の超音波洗浄装置及び方法において、洗浄液を酸洗液とした例であるが、洗浄液として、塩酸、硫酸、硝酸、硝弗酸、リン酸などの酸を40℃から90℃で用いることが好ましい。
また、本発明の超音波洗浄装置及び方法において、洗浄液としてアルカリ、水、溶剤を用いても良く、電解を施しても良い。
【0016】
アルカリを洗浄液として用いる際には、洗浄液は水酸化ナトリウム溶液、炭酸ナトリウム溶液、ケイ酸ナトリウム溶液、リン酸ナトリウム溶液、シアン化ナトリウム溶液を40℃から90℃で用いている。また、酸洗やアルカリ洗浄の溶液を製品から落とすために、リンス工程として、20℃から70℃の水を用いる。
油などの汚れを取る洗浄では、アルコール、アセトン、ベンゼン、トルエン、四塩化炭素、フロン、エチレンなどの有機溶媒を溶剤として、常温で使用している。
【0017】
なお、塩酸、硫酸などの酸を用いる場合、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ溶液を用いる場合には、電解装置を設置して、電解洗浄しても良い。電解洗浄の概念図を図9に示す。洗浄槽1内に電極13を設置し、電極13と被洗浄材3の間に直流電源14から電気を流し、被洗浄材3に発生する気体の物理的作用により汚れを取る洗浄方法である。被洗浄材3をマイナスにした場合は水素が発生し、プラスにした場合は酸素が発生する。電極13の材料としてはカーボンを使用することが好ましい。
以上のように、本発明の超音波洗浄は、洗浄液に依存しないため、酸洗、アルカリ洗浄、リンス、電解洗浄、溶剤による洗浄へ適用可能である。
【0018】
【実施例】
本発明の実施例を、酸洗装置を一例として、以下に示す。
酸液が満たされた長さ10m、幅3m、深さ1mの酸洗槽内に、板幅1mの帯鋼を槽の中央で深さ0.5mとなるように通板した。耐酸性及び耐熱性を有する高さ270mm、幅330mm、厚み90mmの超音波振動子を酸洗槽内に、図3に模式的に示したように、酸洗槽の側面に縦にそれぞれ3個設置し、それらの超音波振動子の振動面の法線が被酸洗材の存在する領域を通るように向けた。なお、中の超音波振動子4b及び4b′は、側壁から200mm離して設置し、上の超音波振動子4a及び4a′並びに下の超音波振動子4c及び4c′は、超音波振動子の高さ方向の中央部と側壁との距離が200mmになるように設置した。
【0019】
酸洗槽の両側の側面に計6個の超音波振動子を設置することで、焦点領域を被洗浄材の全幅を覆うように形成できた。さらに、超音波振動子の配置を、酸洗槽の両側の側面の長さ方向に5組づつ、計30個設置した。その結果、超音波を被酸洗材の端部に集音することができ、被酸洗材の全面にわたりスケールが均一に除去された。
【0020】
また、操業による被酸洗材の板幅の変化に対応するため、超音波振動子の振動面からの法線が被酸洗材の存在する領域を通るような振動面の角度を、数値シミュレーションによって求めた。まず、被酸洗材の板幅を1mとして数値シミュレーションを行った。超音波振動子の振動面からの法線5a、5b、5cと被酸洗材上面の法線16とのなす角度θa、θb、θcは、θa=110°、b=90°、θc=70°としている。超音波音圧分布シミュレーション方法は超音波便覧編集委員会編「超音波便覧」、丸善、平成11年8月30日発行、p.28、p.39に記載の音圧の積分式を3次元に適用する方法である。
【0021】
結果を図5に示すが、図5において、黒い部分が音圧の高い領域(10〜100kPa)を示し、濃いほど音圧が高いことを示す。焦点領域6の長軸が被酸洗材の板幅に沿って形成され、細長い焦点領域と被洗浄材の存在する領域がほぼ一致するようにできることがわかった。
図6には、板幅が1.5m、上の超音波振動子の振動面からの法線5aと被酸洗材上面の法線16とのなす角度θa=115°、中の超音波振動子の振動面からの法線5bと被酸洗材上面の法線16とのなす角度θb=90°、下の超音波振動子の振動面からの法線5cと被酸洗材上面の法線16とのなす角度θc=65°のときのシミュレーション結果を示す。図5よりも被酸洗材3の幅が広いものの、焦点領域6の長軸が被酸洗材の板幅に沿って形成され、図5と同様に細長い焦点領域と被洗浄材の存在する領域がほぼ一致している。
【0022】
次に、被酸洗材の板幅に応じた超音波振動子の振動面の角度の調整について、数値シミュレーションによる予測と実機との差を明らかにするため、以下の検討を行った。まず、数値シミュレーションで、被酸洗材の板幅と、適正な超音波振動子の振動面からの法線5a、5b、5cと被酸洗材上面の法線16とのなす角度θa、θb、θcの関係を求め、図7に実線で示した。この結果を用いて、実機の酸洗装置において、被酸洗材3の板幅と超音波振動子の振動面の法線5a、5b、5cと被酸洗材上面の法線16とのなす角度θa、θb、θcを、図7の実線のように設定した。
【0023】
操業を停止している間に、音圧分布を計測しながら、被酸洗材の板幅方向の端部から5cmの位置での音圧が10kPa以上となるように、上下の超音波振動子の振動面からの法線5a、5cと被酸洗材上面の法線16のなす角度θa、θcを調整した。中の超音波振動子の振動面からの法線5bと被酸洗材上面の法線16とのなす角度がθbは90°で一定とした。被酸洗材3の存在する範囲の音圧分布は、ハイドロフォンを用いて、板幅方向に移動させながら測定し、オシロスコープによって表示させた。超音波振動子の振動面の角度と設置位置の調整は、エアシリンダーによって行った。結果を図7の点線に示す。
【0024】
図7に示したように、被酸洗材3の板幅に応じた超音波振動子の振動面の法線5a、5cと被酸洗材上面の法線16とのなす角度θa、θcの最適値は、数値シミュレーションにより、ある程度予測することが可能であるが、実機とは若干の差があることがわかった。
なお、中の超音波振動子の振動面からの法線5bと被酸洗材上面の法線16とのなす角度θbが90°である場合は、実機での微調整の必要がなかったが、θbが90°でない場合は、数値シミュレーションの結果を初期設定とし、微調整を行うことが好ましい。
【0025】
以上のような検討の結果を基に、図8に示したように、実操業時に音圧分布を測定しながら、被酸洗材3の板幅方向の端部から5cmの領域での音圧が10kPa以上となるように調節した。その結果、被酸洗材の全面にわたりスケールが除去され、スケールの除去に要する時間が従来よりも10%短縮された。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、被酸洗材の存在する領域と超音波振動子からの音圧の焦点領域がほぼ一致するように制御することが可能であり、効率的に洗浄を行う安価な超音波洗浄装置及び方法を提供することができ、産業上の貢献が極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波洗浄装置の通板方向に垂直な断面図である。
【図2】本発明の超音波洗浄装置の通板方向に平行な側面図である。
【図3】洗浄槽の両側の側面に複数の超音波振動子を設置した本発明の超音波洗浄装置の通板方向に垂直な断面図である。
【図4】従来の超音波洗浄装置における超音波振動子の配置図である。
【図5】板幅が1mのときの音圧分布のシミュレーション結果である。
【図6】板幅が1.5mのときの音圧分布のシミュレーション結果である。
【図7】板幅方向の端部に集音する際の各超音波振動子角度のシミュレーションでの予想値と微調整後の設定値を示した図である。
【図8】槽内部に設置した超音波センサーの音圧値をもとに、各超音波振動子の角度を微調整する方法の模式図である。
【図9】本発明の超音波洗浄装置を電解洗浄に適用した図である。
【符号の説明】
1:洗浄槽
2:洗浄液
3:被洗浄材の帯板
4、4a、4b、4c、4a′、4b′、4c′:超音波振動子
5、5a、5b、5c、5a′、5b′、5c′:超音波振動子の振動面からの法線
6:超音波の焦点領域
7:洗浄槽内の被洗浄材の存在する範囲の音圧分布を計測する手段
8:洗浄槽内の被洗浄材の存在する範囲の音圧分布を表示する手段
11:超音波振動子の振動面の角度と設置位置を調整する手段
12:移動式の水中音圧測定装置
13:電極
14:直流電源
15:被洗浄材の板幅方向のエッジ部
16:被洗浄材上面の法線
θa、θb、θc:超音波振動子の振動面からの法線5a、5b、5cと被酸洗材上面の法線16とのなす角度
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄槽を満たした洗浄液中を走行する被洗浄材に超音波を集中印加させる浸漬式の超音波酸洗装置及び超音波洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、酸洗浴中で走行させた金属帯板に超音波を印加させる超音波酸洗が提案されている。特許文献1には、超音波の反射板を設けて複数個の区画を形成し、各区画毎に超音波振動子を設けて、超音波振動を鋼板エッジ部に集中的に作用させた超音波酸洗装置が開示されている。しかし、この方法は、超音波の反射板や複数個の区画を形成する設備を耐酸材料で作る必要があり、膨大なコストがかかるため実現が困難であった。
【0003】
また、特許文献2〜4には、熱延鋼板表面上の幅方向全域に収束させた超音波を放射する、熱延鋼板の酸洗方法が開示されている。しかし、これらの方法では、焦点を幅方向に線状に収束させるため酸洗ムラが生じ易く、これを回避するために焦点を広い面積にするには膨大な個数の超音波振動子を設置することが必要となるため、コストがかかり、実現は困難であった。
さらに、特許文献5には、超音波振動子列を熱延鋼板の搬送方向と垂直に設置する超音波酸洗装置が開示されている。しかし、この方法は、超音波振動子を熱延鋼板に近接させるため、サポートロールの設置が好ましく、サポートロールの無い浸漬式の酸洗装置に適用する場合は、設備の大幅な改造が必要であった。
【0004】
【特許文献1】
特開平1−111890号公報
【特許文献2】
特開平4−341588号公報
【特許文献3】
特開平4−341589号公報
【特許文献4】
特開平4−341590号公報
【特許文献5】
特開2000−256886公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、浸漬式の洗浄槽において、被洗浄材に超音波を効率的に印加する超音波洗浄装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1) 被洗浄材が洗浄液に浸漬される洗浄槽を備えた洗浄装置において、複数の超音波振動子を洗浄槽の側面に深さ方向に設置したことを特徴とする超音波洗浄装置。
(2) 複数の超音波振動子の振動面の法線が被洗浄材の存在する領域を通るように設置することを特徴とする(1)記載の超音波洗浄装置。
(3) 複数の超音波振動子を洗浄槽の側面に長さ方向に設置したことを特徴とする(1)又は(2)記載の超音波洗浄装置。
(4) 複数の超音波振動子を洗浄槽の両側の側面に設置することを特徴とする(1)〜(3)の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
(5) 少なくともひとつの超音波振動子を洗浄槽の底面に設置することを特徴とする(1)〜(4)の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
(6) 被洗浄材の存在する範囲の音圧分布を計測する手段と、被洗浄材の存在する範囲の音圧分布を表示する手段と、超音波振動子の振動面の角度と設置位置を調整する手段を洗浄槽内に備えたことを特徴とする(1)〜(5)の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
(7) 超音波振動子近傍の音圧を計測する手段と、超音波振動子近傍の音圧を表示する手段を洗浄槽内に備えたことを特徴とする(6)記載の超音波洗浄装置。
(8) 洗浄槽内の洗浄液が酸であること特徴とする(1)〜(7)の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
(9) 洗浄槽内の洗浄液がアルカリであること特徴とする(1)〜(7)の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
(10) 洗浄槽内の洗浄液が水であること特徴とする(1)〜(7)の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
(11) 洗浄槽内の洗浄液が溶剤であること特徴とする(1)〜(7)の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
(12) 洗浄槽内に電解装置を設置したことを特徴とする(8)又は(9)記載の超音波洗浄装置。
(13) (6)〜(12)の何れか1項記載の超音波洗浄装置を用いて、被洗浄材の存在する範囲の音圧分布が、被洗浄材の存在しない範囲の音圧分布よりも高くなるように超音波振動子の振動面の角度を調節することを特徴とする超音波洗浄方法。
(14) (6)〜(12)の何れか1項記載の超音波洗浄装置に加えて、被洗浄材の板幅方向のエッジ部の音圧分布を計測する手段と、前記エッジ部の音圧分布を表示する手段を備えた装置を用いて、板幅方向のエッジ部の音圧分布を板幅方向の中央部よりも高くするように調整することを特徴とする超音波洗浄方法。
(15) 超音波振動子の角度を操業中に調整することを特徴とする(13)又は(14)記載の超音波洗浄方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の超音波洗浄装置の通板方向断面図及び側面図を、模式的にそれぞれ図1及び2に示す。図1及び2において、複数の超音波振動子4a、4b、4cは、洗浄液2を満たした洗浄槽1の側面に洗浄槽の深さ方向に設置され、超音波振動面の法線5a、5b、5cが被洗浄材3の存在する領域を通るように向けられている。これにより図1及び2に示したように、複数の超音波振動子の法線が重なり、超音波の音圧が高くなった領域(焦点領域という)6の長軸が、被洗浄材3の板幅に沿って被洗浄材の存在する領域と、ほぼ一致させることができる。なお、音圧とは、超音波が音圧測定装置などのセンサー表面に照射された際に、センサーの圧電素子が振動する振幅を圧力に換算したものである。音圧は、中村き良著、「超音波」、コロナ社、2001年8月30日発行、p.80に記載されているハイドロフォンを用いて測定することができる。
【0008】
また、図3に示すように、洗浄槽1の両側の側面に複数の超音波振動子4a、4b、4c、4a′、4b′、4c′の振動面からの法線5a、5b、5c、5a′、5b′、5c′が被洗浄材3の存在する領域を通るように向けて設置することで、焦点領域6が被洗浄材3の幅方向を覆うように形成され、被洗浄材3の幅方向の全面での洗浄促進能力を向上させることができる。
【0009】
これに対し、図4に示す従来の超音波振動子の設置例では、焦点領域6の長軸が被洗浄材の板幅と直交するため被洗浄材の幅方向の全面を覆うように、焦点領域6を形成することが困難であり、洗浄ムラを生じる。
【0010】
また、本発明の超音波洗浄装置において、超音波振動子の配置は、複数の超音波振動子を洗浄槽の側面に長さ方向に、即ち、通板方向に沿って設置しても良い。さらに、音圧を大きくして洗浄の効率を向上させるためには、洗浄槽の両側の側面だけでなく、底面にも超音波振動子を設け、振動面からの法線が被洗浄材の存在する領域を通るように向けて設置することが好ましい。
【0011】
次に、操業の変化に対応する手法について説明する。
被洗浄材の板幅は、操業によって変化するが、特に洗浄液を酸とする酸洗においては、被酸洗材の端部の酸洗を促進するように、焦点領域を板幅に応じて変化させることが好ましい。これは、熱延後、酸洗までの間に、熱延コイルの端部の酸化が進み、板幅方向のエッジ部において板表層に厚い酸化膜が形成されるためである。そのため、超音波を被酸洗材の端部に集音することが更に好ましい。この集音とは、被酸洗材の端部における超音波の音圧を、被酸洗材の中央部及び被酸洗材の存在しない範囲における超音波の音圧よりも高くすることを意味する。
【0012】
このような被酸洗材の端部の酸洗促進を実行するための、各超音波振動子角度の設定方法について図8を用いて説明する。被酸洗材3の板幅が変化する場合、板表層の厚い酸化膜を持つ板幅方向のエッジ部15の音圧分布を計測する手段7と、音圧分布を表示する手段8と、超音波振動子の振動面の角度と設置位置を調整する手段11を備え、板表層の厚い酸化膜を持つ板幅方向のエッジ部15の音圧分布を酸洗促進に必要な音圧以上にするように、超音波振動子の振動面の角度を調節することが好ましい。
【0013】
音圧分布を計測する手段7は、移動式の水中音圧測定装置、たとえばピエゾ式ハイドロフォンあるいは光ファイバー式ハイドロフォンで良い。被酸洗材3の板幅に沿った音圧分布は、操業時には被酸洗材3の近くの音圧を測定して評価すれば良い。また、音圧分布を表示する手段8は、オシロスコープ、ペンレコーダやデータロガ―で良い。超音波振動子の振動面の角度の調整は、超音波振動子を回転させれば良く、回転させる手段として電動モータ、油圧シリンダー又はエアシリンダーを使用すれば良い。
【0014】
また操業前に予め、被酸洗材3の幅方向の端部の音圧が酸洗促進に必要な音圧以上となる各超音波振動子の角度を数値シミュレーションによって求め、操業時に微調整すると効率的である。音圧を数値シミュレーションによって求めるには、超音波便覧編集委員会編「超音波便覧」、丸善、平成11年8月30日発行、p.28、p.39に記載されている音圧の積分式を3次元に適用すれば良い。
【0015】
なお、上記は本発明の超音波洗浄装置及び方法において、洗浄液を酸洗液とした例であるが、洗浄液として、塩酸、硫酸、硝酸、硝弗酸、リン酸などの酸を40℃から90℃で用いることが好ましい。
また、本発明の超音波洗浄装置及び方法において、洗浄液としてアルカリ、水、溶剤を用いても良く、電解を施しても良い。
【0016】
アルカリを洗浄液として用いる際には、洗浄液は水酸化ナトリウム溶液、炭酸ナトリウム溶液、ケイ酸ナトリウム溶液、リン酸ナトリウム溶液、シアン化ナトリウム溶液を40℃から90℃で用いている。また、酸洗やアルカリ洗浄の溶液を製品から落とすために、リンス工程として、20℃から70℃の水を用いる。
油などの汚れを取る洗浄では、アルコール、アセトン、ベンゼン、トルエン、四塩化炭素、フロン、エチレンなどの有機溶媒を溶剤として、常温で使用している。
【0017】
なお、塩酸、硫酸などの酸を用いる場合、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ溶液を用いる場合には、電解装置を設置して、電解洗浄しても良い。電解洗浄の概念図を図9に示す。洗浄槽1内に電極13を設置し、電極13と被洗浄材3の間に直流電源14から電気を流し、被洗浄材3に発生する気体の物理的作用により汚れを取る洗浄方法である。被洗浄材3をマイナスにした場合は水素が発生し、プラスにした場合は酸素が発生する。電極13の材料としてはカーボンを使用することが好ましい。
以上のように、本発明の超音波洗浄は、洗浄液に依存しないため、酸洗、アルカリ洗浄、リンス、電解洗浄、溶剤による洗浄へ適用可能である。
【0018】
【実施例】
本発明の実施例を、酸洗装置を一例として、以下に示す。
酸液が満たされた長さ10m、幅3m、深さ1mの酸洗槽内に、板幅1mの帯鋼を槽の中央で深さ0.5mとなるように通板した。耐酸性及び耐熱性を有する高さ270mm、幅330mm、厚み90mmの超音波振動子を酸洗槽内に、図3に模式的に示したように、酸洗槽の側面に縦にそれぞれ3個設置し、それらの超音波振動子の振動面の法線が被酸洗材の存在する領域を通るように向けた。なお、中の超音波振動子4b及び4b′は、側壁から200mm離して設置し、上の超音波振動子4a及び4a′並びに下の超音波振動子4c及び4c′は、超音波振動子の高さ方向の中央部と側壁との距離が200mmになるように設置した。
【0019】
酸洗槽の両側の側面に計6個の超音波振動子を設置することで、焦点領域を被洗浄材の全幅を覆うように形成できた。さらに、超音波振動子の配置を、酸洗槽の両側の側面の長さ方向に5組づつ、計30個設置した。その結果、超音波を被酸洗材の端部に集音することができ、被酸洗材の全面にわたりスケールが均一に除去された。
【0020】
また、操業による被酸洗材の板幅の変化に対応するため、超音波振動子の振動面からの法線が被酸洗材の存在する領域を通るような振動面の角度を、数値シミュレーションによって求めた。まず、被酸洗材の板幅を1mとして数値シミュレーションを行った。超音波振動子の振動面からの法線5a、5b、5cと被酸洗材上面の法線16とのなす角度θa、θb、θcは、θa=110°、b=90°、θc=70°としている。超音波音圧分布シミュレーション方法は超音波便覧編集委員会編「超音波便覧」、丸善、平成11年8月30日発行、p.28、p.39に記載の音圧の積分式を3次元に適用する方法である。
【0021】
結果を図5に示すが、図5において、黒い部分が音圧の高い領域(10〜100kPa)を示し、濃いほど音圧が高いことを示す。焦点領域6の長軸が被酸洗材の板幅に沿って形成され、細長い焦点領域と被洗浄材の存在する領域がほぼ一致するようにできることがわかった。
図6には、板幅が1.5m、上の超音波振動子の振動面からの法線5aと被酸洗材上面の法線16とのなす角度θa=115°、中の超音波振動子の振動面からの法線5bと被酸洗材上面の法線16とのなす角度θb=90°、下の超音波振動子の振動面からの法線5cと被酸洗材上面の法線16とのなす角度θc=65°のときのシミュレーション結果を示す。図5よりも被酸洗材3の幅が広いものの、焦点領域6の長軸が被酸洗材の板幅に沿って形成され、図5と同様に細長い焦点領域と被洗浄材の存在する領域がほぼ一致している。
【0022】
次に、被酸洗材の板幅に応じた超音波振動子の振動面の角度の調整について、数値シミュレーションによる予測と実機との差を明らかにするため、以下の検討を行った。まず、数値シミュレーションで、被酸洗材の板幅と、適正な超音波振動子の振動面からの法線5a、5b、5cと被酸洗材上面の法線16とのなす角度θa、θb、θcの関係を求め、図7に実線で示した。この結果を用いて、実機の酸洗装置において、被酸洗材3の板幅と超音波振動子の振動面の法線5a、5b、5cと被酸洗材上面の法線16とのなす角度θa、θb、θcを、図7の実線のように設定した。
【0023】
操業を停止している間に、音圧分布を計測しながら、被酸洗材の板幅方向の端部から5cmの位置での音圧が10kPa以上となるように、上下の超音波振動子の振動面からの法線5a、5cと被酸洗材上面の法線16のなす角度θa、θcを調整した。中の超音波振動子の振動面からの法線5bと被酸洗材上面の法線16とのなす角度がθbは90°で一定とした。被酸洗材3の存在する範囲の音圧分布は、ハイドロフォンを用いて、板幅方向に移動させながら測定し、オシロスコープによって表示させた。超音波振動子の振動面の角度と設置位置の調整は、エアシリンダーによって行った。結果を図7の点線に示す。
【0024】
図7に示したように、被酸洗材3の板幅に応じた超音波振動子の振動面の法線5a、5cと被酸洗材上面の法線16とのなす角度θa、θcの最適値は、数値シミュレーションにより、ある程度予測することが可能であるが、実機とは若干の差があることがわかった。
なお、中の超音波振動子の振動面からの法線5bと被酸洗材上面の法線16とのなす角度θbが90°である場合は、実機での微調整の必要がなかったが、θbが90°でない場合は、数値シミュレーションの結果を初期設定とし、微調整を行うことが好ましい。
【0025】
以上のような検討の結果を基に、図8に示したように、実操業時に音圧分布を測定しながら、被酸洗材3の板幅方向の端部から5cmの領域での音圧が10kPa以上となるように調節した。その結果、被酸洗材の全面にわたりスケールが除去され、スケールの除去に要する時間が従来よりも10%短縮された。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、被酸洗材の存在する領域と超音波振動子からの音圧の焦点領域がほぼ一致するように制御することが可能であり、効率的に洗浄を行う安価な超音波洗浄装置及び方法を提供することができ、産業上の貢献が極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波洗浄装置の通板方向に垂直な断面図である。
【図2】本発明の超音波洗浄装置の通板方向に平行な側面図である。
【図3】洗浄槽の両側の側面に複数の超音波振動子を設置した本発明の超音波洗浄装置の通板方向に垂直な断面図である。
【図4】従来の超音波洗浄装置における超音波振動子の配置図である。
【図5】板幅が1mのときの音圧分布のシミュレーション結果である。
【図6】板幅が1.5mのときの音圧分布のシミュレーション結果である。
【図7】板幅方向の端部に集音する際の各超音波振動子角度のシミュレーションでの予想値と微調整後の設定値を示した図である。
【図8】槽内部に設置した超音波センサーの音圧値をもとに、各超音波振動子の角度を微調整する方法の模式図である。
【図9】本発明の超音波洗浄装置を電解洗浄に適用した図である。
【符号の説明】
1:洗浄槽
2:洗浄液
3:被洗浄材の帯板
4、4a、4b、4c、4a′、4b′、4c′:超音波振動子
5、5a、5b、5c、5a′、5b′、5c′:超音波振動子の振動面からの法線
6:超音波の焦点領域
7:洗浄槽内の被洗浄材の存在する範囲の音圧分布を計測する手段
8:洗浄槽内の被洗浄材の存在する範囲の音圧分布を表示する手段
11:超音波振動子の振動面の角度と設置位置を調整する手段
12:移動式の水中音圧測定装置
13:電極
14:直流電源
15:被洗浄材の板幅方向のエッジ部
16:被洗浄材上面の法線
θa、θb、θc:超音波振動子の振動面からの法線5a、5b、5cと被酸洗材上面の法線16とのなす角度
Claims (15)
- 被洗浄材が洗浄液に浸漬される洗浄槽を備えた洗浄装置において、複数の超音波振動子を洗浄槽の側面に深さ方向に設置したことを特徴とする超音波洗浄装置。
- 複数の超音波振動子を洗浄槽の側面に長さ方向に設置したことを特徴とする請求項1記載の超音波洗浄装置。
- 複数の超音波振動子を洗浄槽の両側の側面に設置することを特徴とする請求項1又は2記載の超音波洗浄装置。
- 少なくともひとつの超音波振動子を洗浄槽の底面に設置することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
- 超音波振動子の振動面の法線が被洗浄材の存在する領域を通るように設置することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
- 被洗浄材の存在する範囲の音圧分布を計測する手段と、被洗浄材の存在する範囲の音圧分布を表示する手段と、超音波振動子の振動面の角度と設置位置を調整する手段を洗浄槽内に備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
- 超音波振動子近傍の音圧を計測する手段と、超音波振動子近傍の音圧を表示する手段を洗浄槽内に備えたことを特徴とする請求項6記載の超音波洗浄装置。
- 洗浄槽内の洗浄液が酸であること特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
- 洗浄槽内の洗浄液がアルカリであること特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
- 洗浄槽内の洗浄液が水であること特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
- 洗浄槽内の洗浄液が溶剤であること特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の超音波洗浄装置。
- 洗浄槽内に電解装置を設置したことを特徴とする請求項8又は9記載の超音波洗浄装置。
- 請求項6〜12の何れか1項記載の超音波洗浄装置を用いて、被洗浄材の存在する範囲の音圧分布が、被洗浄材の存在しない範囲の音圧分布よりも高くなるように超音波振動子の振動面の角度を調節することを特徴とする超音波洗浄方法。
- 請求項6〜12の何れか1項記載の超音波洗浄装置に加えて、被洗浄材の板幅方向のエッジ部の音圧分布を計測する手段と、前記エッジ部の音圧分布を表示する手段を備えた装置を用いて、板幅方向のエッジ部の音圧分布を板幅方向の中央部よりも高くするように調整することを特徴とする超音波洗浄方法。
- 超音波振動子の角度を操業中に調整することを特徴とする請求項13又は14記載の超音波洗浄方法。
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JP2019153638A (ja) * | 2018-03-01 | 2019-09-12 | 株式会社国際電気セミコンダクターサービス | 超音波洗浄装置、洗浄方法および振動子 |
CN113818022A (zh) * | 2021-10-21 | 2021-12-21 | 西安赛特思迈钛业有限公司 | 一种微孔钛合金管材的清洗方法及系统 |
-
2003
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