JP2004254036A - デジタルカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】編集処理が施されたファイルを容易に検索することが可能なデジタルカメラを提供する。
【解決手段】このデジタルカメラは、撮影画像等の撮影ファイルに対して、各種の編集処理(たとえば、静止画像に対する回転処理、明るさ変換処理、および色変換処理、ならびに動画像に対する抽出処理など)を行うことができる。そして、このデジタルカメラにおいては、編集処理が施された撮影ファイルのうち、お気に入りのファイルをアルバム登録することが可能である。編集済みファイルがアルバム登録されると、その編集済みファイルに対応するアルバムファイルが作成される。作成されたアルバムファイルは、元の撮影ファイルとは互いに異なるフォルダに格納されるため、検索が容易である。
【選択図】 図11
【解決手段】このデジタルカメラは、撮影画像等の撮影ファイルに対して、各種の編集処理(たとえば、静止画像に対する回転処理、明るさ変換処理、および色変換処理、ならびに動画像に対する抽出処理など)を行うことができる。そして、このデジタルカメラにおいては、編集処理が施された撮影ファイルのうち、お気に入りのファイルをアルバム登録することが可能である。編集済みファイルがアルバム登録されると、その編集済みファイルに対応するアルバムファイルが作成される。作成されたアルバムファイルは、元の撮影ファイルとは互いに異なるフォルダに格納されるため、検索が容易である。
【選択図】 図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、撮影画像に対して画像編集処理を施すことが可能なデジタルカメラが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
デジタルカメラにおいて、画像編集が施された画像データは、元の撮影画像ファイルとは別個に新たなファイルとして作成されて保存されるか、或いはその撮影画像ファイルに上書きして保存される。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−262169号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなデジタルカメラにおいては、編集処理後の画像ファイル(以下、編集済画像ファイルとも称する)は、編集処理前の撮影画像ファイルと同等に扱われて、メモリカード内に保存される。具体的には、メモリカード内の撮影画像記録用のフォルダ内に、撮影画像ファイルとともにその編集済画像ファイルも保存される。
【0006】
そのため、せっかく苦労して編集し保存しておいた編集済画像ファイルを閲覧する際には、撮影画像ファイルおよび編集済画像ファイルの両方を含む複数の画像ファイルの中から、所望の編集済画像ファイルを探すこととなり、非常に手間がかかってしまうという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、編集処理が施されたファイルを容易に検索することが可能なデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、デジタルカメラであって、画像データおよび/または音声データを含むデータファイルを、撮影および/または録音する手段と、前記データファイルとは互いに異なるフォルダに格納されるアルバムファイルを、前記データファイルに基づいて作成する制御手段と、前記データファイルに対する編集処理を行う編集手段と、を備え、前記制御手段は、前記編集処理が施された前記データファイルに対応するアルバムファイルを作成することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記データファイルは、動画像ファイルであり、前記制御手段は、前記編集処理後の動画像ファイルに対応するアルバムファイルとして、当該動画像ファイルの特定のフレーム画像を作成することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記制御手段は、前記編集処理が施された前記データファイルに対応するアルバムファイルが作成された場合において、当該作成されたアルバムファイルに対する編集処理を禁止することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記制御手段は、プロテクトがかけられたアルバムファイルに対する編集処理を禁止することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項3の発明に係るデジタルカメラにおいて、アルバムファイルに関する各種の処理を行うためのメニュー画面を表示する表示手段、をさらに備え、前記メニュー画面において、前記アルバムファイルに対する編集処理を実行すべき旨の選択肢が非表示であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
<構成概要>
図1および図2は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1の外観構成を示す図である。図1は正面側からみた概略斜視図であり、図2は背面側からみた概略斜視図である。
【0015】
図1および図2に示すように、デジタルカメラ1は、薄型の略直方体形状を有している。
【0016】
図1に示すように、デジタルカメラ1は、その正面側に撮影レンズ2と光学ファインダー4とフラッシュ6とを備えており、その上面側に電源ボタン3とシャッタボタン(レリーズボタン)9とマイク12とを備えている。また、図2に示すように、デジタルカメラ1は、その背面側に液晶表示部(以下、LCDという。)5とボタン群7,8とクイックレビューボタン(以下、QVボタンとも称する)11とスピーカ13とを備えている。ボタン群7は十字カーソルボタン(ないしカーソルキー)7a〜7dを有しており、ボタン群8は実行ボタン8aとメニューボタン8bとフラッシュモードボタン8cと液晶モニターボタン8dとを有している。さらに、図1および図2に示すように、デジタルカメラ1は、その側方の面に蓋14とDC入力端子15とUSB端子16とAV出力端子17とを備えている。
【0017】
後述するように、デジタルカメラ1は、撮影レンズ2からの被写体像をCCD(撮像素子)20(図3)によって光電変換することなどによって、被写体に関する画像データを取得する。
【0018】
また、電源ボタン3は、電源のオン操作およびオフ操作を受け付けるために用いられる。具体的には、電源ボタン3を押下するごとにオン状態への移行とオフ状態への移行とが交互に繰り返される。
【0019】
シャッタボタン9はユーザ(操作者)による半押し状態(以下、状態S1とも称する)と全押し状態(以下、状態S2とも称する)とを区別して検出可能な2段階押し込みスイッチとなっており、半押し状態S1のときに自動合焦制御を開始し、全押し状態S2のときに記録用画像を撮影するための本撮影動作を開始する。
【0020】
LCD5は、本撮影動作前のプレビュー表示(ライブビュー表示とも称する)及び記録画像の再生表示等を行う。このLCD5は、所定数(ここでは320×240)の表示画素を有しており、カラー画像を表示することができる。
【0021】
操作者は、LCD5におけるライブビュー表示によって撮影画像における被写体の位置および大きさ等を知覚し、フレーミング動作を行うことができる。なお、LCD5を用いることなく光学ファインダー4のみを用いてフレーミング動作を行うことも可能である。
【0022】
また、QVボタン11は、デジタルカメラ1における複数の動作モード、具体的には、撮影モードと再生モードとアルバム再生モード(後述)と切り替える機能を有している。後述するように、原則としてQVボタン11が押下されるごとに、これら3つのモードが順次に且つ循環的に(サイクリックに)選択される。なお、後述するように、動作モードの変更に伴ってLCD5における表示画像も切り替わることから、QVボタン11は、LCD5における表示画像を切り替える切替ボタンであるとも表現できる。
【0023】
メニューボタン8bは、LCD5へのメニューの表示および非表示を切り替える機能を有している。たとえば、各動作モードの初期画面においてメニューボタン8bが押下されるごとに、メニュー画面と非メニュー画面(ライブビューあるいは再生画像等の表示画面)とが交互にLCD5に表示される。また、LCD5に表示されたメニュー画面における表示カーソルは、十字カーソルボタン7a〜7dを用いて4方向に移動させることができる。さらに、所望の選択肢が選択された状態で実行ボタン8aを押下することによって、その選択肢に対応する設定動作等が実行される。このような操作によって、各種撮影パラメータの設定、アルバム登録(後述)等を行うことが可能である。
【0024】
フラッシュモードボタン8cは、フラッシュ6のモードを決定するためのボタンである。フラッシュモードボタン8cが押下されるごとに、自動発光、強制発光、発光禁止の順序でフラッシュモードが切り替わる。
【0025】
液晶モニターボタン8dは、液晶モニターの表示・非表示を切り替えるためのボタンである。液晶モニターボタン8dが押下されるごとに、液晶モニターに画像等が表示された状態(表示状態)と表示されない状態(非表示状態)とが交互に切り替わる。非表示状態にしておけば消費電力を低減できる。
【0026】
また、マイク12は、動画撮影、ボイスメモ、ボイスレコーディング、アフターレコーディング(アフレコ)時において、音声データを取得する(録音する)ために用いられる。
【0027】
スピーカ13は、音声を出力する機能を有しており、音声データあるいは音声付き画像データ(静止画、動画)を再生するときなどに用いられる。
【0028】
さらに、蓋14は、電池室およびメモリカード装着部を覆う部分に設けられている。言い換えれば、蓋14の内部側には、電源電池BTを収容する電池室と着脱自在な記録媒体(可搬性記録媒体)であるメモリカードを装着するメモリカード装着部とが設けられている。電源電池BTおよびメモリカード90は、それぞれ、電池室およびメモリカード装着部に対して着脱自在に装着される。本撮影によって得られる画像データおよび後述するアルバム画像データ等は、この挿入装着部にセットされるメモリカード90に記録される。また、デジタルカメラ1は、電源電池BTからの電力供給を受けることもできるし、DC入力端子15を用いてACアダプタ(不図示)等からの電力供給を受けることもできる。
【0029】
USB端子16は、パーソナルコンピュータ(パソコンとも略称する)等とのデータ通信を行うための端子である。USB端子16にUSB規格のケーブル等を接続することによって外部機器(パソコン等)とのデータ通信を行うことができる。
【0030】
AV出力端子17は、テレビなどの外部映像音響機器(AV機器)に接続するための端子である。所定のAVコードをこのAV出力端子17と外部映像音響機器側の入力端子とを接続することによって、その外部映像音響機器に画像および/または音声を出力することができる。
【0031】
次に、図3を参照しつつ、デジタルカメラ1の内部構成について説明する。図3は、デジタルカメラ1の内部機能を示すブロック図である。
【0032】
CCD(撮像素子)20は被写体像を撮影して電子的な画像信号を生成する撮像手段として機能するものであり、例えば1600×1200個の画素を有し、撮影レンズ2によって結像された被写体の光像を、画素毎にR(赤),G(緑),B(青)の色成分の画像信号(各画素で受光された画素信号の信号列からなる信号)に光電変換して出力する。
【0033】
CCD20から得られる画像信号はアナログ信号処理回路21に与えられ、アナログ信号処理回路21において画像信号(アナログ信号)に対して所定のアナログ信号処理が施される。アナログ信号処理回路21は相関二重サンプリング回路(CDS)とオートゲインコントロール回路(AGC)とを有しており、相関二重サンプリング回路により画像信号のノイズ低減処理を行い、オートゲインコントロール回路でゲインを調整することにより画像信号のレベル調整を行う。
【0034】
A/D変換器22は、画像信号の各画素信号を12ビットのデジタル信号に変換するものである。変換後のデジタル信号は、画像データとして一時的にRAM50a内のバッファメモリ54に格納される。そして、バッファメモリ54に保存された画像データに対して、次述する画像処理部51による、WB(ホワイトバランス)処理、γ補正処理、および色補正処理等が施された後、圧縮/伸張部52による圧縮処理等が施される。
【0035】
また、マイク12から得られる音声信号は、アナログ信号処理回路21に与えられた後、A/D変換器22に転送される。A/D変換器22は、転送された音声信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するものである。変換後のデジタル信号は、音声データとして一時的にバッファメモリ54に格納される。そして、バッファメモリ54に保存された音声データに対して、音声処理部53による各種の処理が施される。
【0036】
操作部30は、上述した電源ボタン3、ボタン群7,8、シャッタボタン9、QVボタン11等を含む操作部であり、ユーザがデジタルカメラ1の設定状態を変更操作する際や撮影操作を行う際等に用いられる。
【0037】
電源40は、デジタルカメラ1に対する電力供給源である。デジタルカメラ1は、リチウムイオン電池などの二次電池を電源電池BTとして用いて駆動される。
【0038】
全体制御部50は、内部にRAM50a及びROM50bを備えたマイクロコンピュータによって構成され、マイクロコンピュータが所定のプログラムを実行することにより、上記各部を統括的に制御する制御手段として機能する。全体制御部50は、たとえば、ライブビュー表示処理、およびメモリカードへの記録処理などをも制御する。なお、RAM50aは、高速アクセス可能な半導体メモリ(たとえばDRAM)であり、ROM50bは電気的にデータの書き換えが可能な不揮発性の半導体メモリ(たとえばフラッシュROM)として構成される。また、RAM50a内における一部の領域は、一時記憶用のバッファエリアとして機能する。ここでは、このバッファエリアをバッファメモリ54と称するものとする。バッファメモリ54は、画像データおよび音声データを一時的に記憶する。
【0039】
全体制御部50は、画像処理部51、圧縮/伸張部52、音声処理部53を有している。これらの各処理部51,52,53は、マイクロコンピュータが所定のプログラムを実行することにより実現される機能部である。
【0040】
画像処理部51は、WB処理、γ補正処理等の各種のデジタル画像処理を施す処理部である。WB処理は、R,G,Bの各色成分のレベル変換を行い、カラーバランスを調整する処理であり、γ補正処理は、画素データの階調を補正する処理である。圧縮/伸張部52は、画像データの圧縮処理および伸張処理を行う処理部である。圧縮方式としては、例えばJPEG方式などが採用される。音声処理部53は、音声データに対する各種のデジタル処理を施す処理部である。
【0041】
また、カードインタフェース(カードI/F)60は、デジタルカメラ1側面の挿入装着部に対して装着されるメモリカード90への画像データの書込み及び読出しを行うためのインタフェースである。
【0042】
メモリカード90に対する画像データの読み書き時には、圧縮/伸張部52において例えばJPEG方式で画像データの圧縮処理又は伸張処理が行われ、カードインタフェース60を介して画像データがバッファメモリ54とメモリカード90との間で送受信される。また、音声データの読み書き時においてもカードインタフェース60を介して音声データがバッファメモリ54とメモリカード90との間で送受信される。
【0043】
さらに、デジタルカメラ1は、このカードインタフェース60を用いて、画像および音声等のデータを送受信するだけでなく、デジタルカメラ1で動作するプログラムを取り込むことも可能である。たとえば、メモリカード90に記録される制御プログラムを、全体制御部50のRAM50a又はROM50b内に取り込むことができる。これにより、制御プログラムを更新することなどが可能である。
【0044】
また、USB端子16などを介した外部機器(外部コンピュータなど)との通信によっても、画像あるいは音声などの各種のデータ、および制御プログラムなどを送受信することが可能である。たとえば、外部コンピュータの読取装置(光学ドライブ装置等)にセットされた記録媒体(CD−R/RW、CD−ROMなど)に記録された各種のデータおよびプログラム等を、USB端子16を介して取得することが可能である。
【0045】
<撮影画像およびアルバム画像>
つぎに、撮影画像およびアルバム画像について説明する。
【0046】
図4はメモリカード90内のフォルダ構成を概念的に示す図である。図4に示すように、撮影画像のファイルは、DCF(Design rule for Camera File system)の形式にしたがって作成されて記録される。ここでは、各撮影画像ファイルは、フォルダ「100MLT09」の中に格納される。フォルダ「100MLT09」は、フォルダ「DCIM」の下に作成されるフォルダであり、フォルダ「DCIM」は、ルートフォルダの下に作成されるフォルダである。以下、このフォルダ「100MLT09」を「撮影画像フォルダ」(ないし「記録フォルダ」)とも称する。
【0047】
各撮影画像ファイルの名称は、「Pict0005.jpg」などのように、先頭の8文字(Pict0005)とそれに続くピリオド(.)と3文字の拡張子(jpg)とで構成されている。先頭の8文字のうち、前半の4つのアルファベットは、種別(撮影画像等の撮影ファイル(後述)であること)を表しており、後半の4つの数字は撮影画像(撮影ファイル)の作成順に連続的に付与されるシリアル番号である。
【0048】
したがって、デジタルカメラ1による撮影動作を繰り返すことによって、メモリカード90内には、「Pict0001.jpg」,「Pict0002jpg」,「Pict0003.jpg」,「Pict0004.jpg」,「Pict0005.jpg」,「Pict0006jpg」,...という名称のファイルがこの順序で作成されて格納される。
【0049】
さて、このデジタルカメラ1においては、撮影画像のうち操作者が気に入った画像を、撮影画像と区別して登録しておくことができる。この明細書においては、このような機能を「アルバム登録」機能と称するものとし、また、アルバム登録によって、撮影画像ファイル等の元のファイルに対応して新規に作成される画像を「アルバム画像」と称するものとする。また、各アルバム画像は、撮影画像とは異なるフォルダ(具体的には、フォルダ「ALBUM」)に、撮影画像とは別個の画像として格納される。アルバム画像の格納用のフォルダ(以下、「アルバムフォルダ」とも称する)「ALBUM」は、ルートフォルダの下に作成されるフォルダである。
【0050】
また、各アルバム画像のファイルの名称は、撮影画像と同様のルールに基づいて付与される。ただし、ファイル名の先頭の8文字のうち、前半の4つのアルファベット(Albm)は、種別(アルバム登録されたものであること)を表しており、後半の4つの数字はアルバム画像等の作成順に連続的に付与されるシリアル番号である。
【0051】
図4に示すように、たとえば、操作者が「Pict0006jpg」という名称のファイルをお気に入りの画像としてアルバム登録すると、「Albm0003.jpg」という名称のアルバム画像のファイル(アルバム画像ファイル)が生成される。ここでは、3番目のアルバム画像が生成される場合を想定しているので、生成されたアルバム画像ファイルのシリアル番号が「0003」になっている。
【0052】
また、アルバムフォルダは、アルバム画像ファイル等の他に、アルバム登録された複数のファイルに関する基本情報を記録したファイル(以下、「アルバム情報ファイル」とも称する)を有している。このアルバム情報ファイルは、図4において「Album.inf」という名称のファイルとして示されており、図6のような構成を有している。なお、このアルバム情報ファイルの内容については後述する。
【0053】
このようなアルバム登録機能によれば、操作者は撮影画像のうち気に入った画像をアルバム画像として登録しておくことができる。
【0054】
アルバム画像は撮影画像とは区別して扱われるので、撮影画像をパソコンなどの外部機器に移動させてメモリカード90内からは消去した後であっても、アルバム登録された画像はメモリカード90内に残存することになる。そのため、操作者は、撮影画像はメモリカード90から消去された後であっても、アルバム登録されている気に入った画像を、メモリカード90内から読み出してLCD5に表示させることなどができる。すなわち、気軽に閲覧することができる。特に、メモリカード90の容量は内蔵メモリに比べて大きいため、内蔵メモリにアルバム画像を格納しておく場合に比べて、さらに多くの画像を格納しておくことが可能である。
【0055】
また、メモリカード90内に残存しているアルバム画像を用いて、印刷を行うこともできる。これによれば、気に入った画像を気軽に印刷することができる。特に、ダイレクトプリント対応のプリンタにメモリカード90を直接挿入してダイレクトプリントを行えば、気に入った画像を非常に簡易に印刷することが可能になる。
【0056】
図5は各ファイルの構成を概念的に示す図である。図5では、撮影画像ファイルの構成を示しているが、アルバム画像ファイルも同様の構成を有している。
【0057】
図5に示すように、各撮影画像ファイルは、所定形式(ここではExif形式)のファイルとして作成される。具体的には、各撮影画像のファイルは、タグ情報TGと、JPEG形式で圧縮された高解像度の画像データ(ここでは、1600×1200画素の画像信号)DPと、サムネイル表示用の画像データ(ここでは、80×60画素の画像信号)DMとを有している。このうち、タグ情報TGには、「ファイル名」、「撮影日時」、「撮影に使用されたカメラのシリアルナンバー」、「関連する音声ファイル」、および「アルバム登録の有無」などの情報が含まれている。
【0058】
また、各アルバム画像ファイルも、同様の形式(ここではExif形式)のファイルとして作成される。各アルバム画像のファイルは、同様に、タグ情報TGと、JPEG形式で圧縮された高解像度の画像データDPと、サムネイル表示用の画像データDMとを有している。ただし、データ量を低減するため、高解像度の画像データDPとしては、撮影画像の解像度よりも低い解像度の画像信号に変換されたデータを格納しておくものとする。具体的には、このアルバム画像の画像データDPは、圧縮された状態でメモリカード90に格納されている1600×1200画素のサイズの撮影画像の画像データDPを圧縮/伸張部52により一旦伸張し、画像処理部51などによる解像度変換処理によって640×480画素のサイズに変換した後、さらに圧縮/伸張部52によりJPEG形式で再圧縮することによって生成される。また、上記において例示した撮影画像ファイルのタグ情報TGのうち、「アルバム登録の有無」は不要であるが、「撮影日時」、「撮影に使用されたカメラのシリアルナンバー」、および「関連する音声ファイル」などの情報はそのままアルバム画像ファイルのタグ情報TGとして引き継がれる。
【0059】
また、各ファイルには、その属性ATが定められている。具体的には、「読み取り専用属性(R)」、「アーカイブ属性(A)」、「システムファイル属性(S)」、および「隠しファイル属性(H)」の4つの属性のいずれかが各ファイルに対して決定される。撮影画像に対しては、通常、「アーカイブ属性(A)」および「読み取り専用属性(R)」のいずれかが付与される。「アーカイブ属性」が与えられたファイルに対しては、読出動作および書込動作の両方が許可されるが、「読み取り専用属性」が与えられたファイルに対しては、読出動作のみが許可され、書込動作が禁止される。
【0060】
撮影画像ファイルには、撮影時点において「アーカイブ属性(A)」が付与される。一方、アルバム画像ファイルには、登録時点において「読み取り専用属性(R)」が付与される。このように、アルバム画像ファイルに対しては「読み取り専用属性(R)」が初期的に付与されるため、気に入った画像として登録された大事なアルバム画像を誤操作で消去してしまうことを回避することができる。
【0061】
なお、このデジタルカメラ1では静止画像の撮影だけでなく、動画の撮影および音声の録音等を行うことも可能である。この明細書では、このような撮影動作等によって得られるデータファイルを「撮影ファイル(ないし記録ファイル)」と総称するものとする。撮影ファイルは、画像データおよび/または音声データを含むファイルであるとも表現される。
【0062】
また、アルバム登録の対象は静止画像に限定されず、動画像、音声などの撮影ファイルもまたアルバム登録の対象となる。この明細書では、撮影ファイルに対応して新規に作成されてアルバム登録されたファイルを「アルバム登録ファイル(ないしアルバム登録オブジェクト)」あるいは単に「アルバムファイル」と称するものとする。アルバムファイルは、全体制御部50の制御下において、登録元の撮影ファイル(データファイル)に基づいて作成され、登録元の撮影ファイルとは互いに異なるフォルダに格納される。
【0063】
以下では、画像(特に静止画像)を中心にそのアルバム登録動作等について説明する。
【0064】
<デジタルカメラにおける状態遷移の概略>
図7は、デジタルカメラ1における状態遷移図であり、LCD5における表示状態を中心に示す図である。図7の角丸四角の中には、LCD5における表示画面が示されている。アルバム登録動作の詳細について説明する前に、図7を参照しながらデジタルカメラ1における状態遷移の概要について説明する。
【0065】
まず、電源ボタン3の押下に応答して電源がオン状態にされると、デジタルカメラ1は状態ST10に移行する。状態ST10においては、デジタルカメラ1は「撮影モード」に設定され、撮影のためのプレビュー画像であるライブビュー画像がLCD5に表示される。「撮影モード」は画像(動画、静止画)あるいは音声を、撮影あるいは録音するモードである。
【0066】
また、デジタルカメラ1は、上述したように、「撮影モード」の他に、「再生モード」および「アルバム再生モード」を有している。「再生モード」は撮影画像(および録音音声等)のファイルを再生するモードであり、「アルバム再生モード」はアルバムファイルを再生するモードである。
【0067】
これらのモードの切替には、QVボタン11が用いられる。原則として、QVボタン11が押下されるごとに、デジタルカメラ1は3つのモードに対して順次に且つ循環的に(サイクリックに)移行する。ただし、例外的に、撮影ファイルがメモリカード90内に存在しないときには「再生モード」には移行せず、アルバムファイルがメモリカード90内に存在しないときには「アルバム再生モード」には移行しない。
【0068】
以下では、このモード切替についてさらに詳細に説明する。
【0069】
状態ST10においてQVボタン11が一度押下されると、メモリカード90内に撮影ファイルが保存(格納)されているか否かが判定される(状態ST41)。
【0070】
そして、メモリカード90内に撮影ファイルが1つでも記録されていれば状態ST20に移行する。状態ST20は、デジタルカメラ1が「再生モード」に設定され、LCD5に撮影画像等の再生画像が表示されている状態である。状態ST20に移行すると、直近に撮影された撮影画像等に関する再生画像がLCD5に最初に表示される。また、左右方向のキー7cまたは7dを押下するごとに、LCD5での表示対象ファイルがその撮影順序での前方向あるいは後方向に順次に変更される。
【0071】
一方、メモリカード90内に撮影ファイルが1つも記録されていない場合には状態ST42に移行する。
【0072】
また、状態ST20においてQVボタン11がもう一度押下されたときにも、状態ST42に移行する。
【0073】
状態ST42においては、メモリカード90内にアルバムファイルが格納(保存)されているか否かが判定される。
【0074】
そして、メモリカード90内にアルバムファイルが1つでも記録されていれば状態ST30に移行する。状態ST30は、デジタルカメラ1が「アルバム再生モード」に設定され、LCD5にアルバム画像が表示されている状態である。状態ST30に移行すると、最初に、直近に登録されたアルバムファイルに関するアルバム画像がLCD5に表示される。また、左右方向のキー7cまたは7dを押下するごとに、LCD5での表示対象ファイルがその登録順序での前方向あるいは後方向に順次に変更される。
【0075】
一方、メモリカード90内にアルバムファイルが1つも記録されていない場合には状態ST43に移行し、メモリカード90内に撮影ファイルが1つも記録されていないか否かが判定される。そして、メモリカード90内に撮影ファイルもアルバムファイルも全く記録されていないと判定される場合には状態ST44に移行し、「メモリカードに画像がありません」という文字を表示して状態ST10に戻る。メモリカード90内に撮影ファイルは記録されていると判定される場合には、状態ST41に移行することなくそのまま状態ST10に復帰する。
【0076】
また、状態ST30においてQVボタン11がもう一度押下されたときにも、状態ST10に再び移行する。
【0077】
以上の動作によれば、撮影ファイルおよびアルバムファイルの双方がともにメモリカード90内に記録されているときには、QVボタン11が押下されるごとに、これら3つのモード(「撮影モード」、「再生モード」、「アルバム再生モード」)が順次に且つ循環的に(サイクリックに)選択される。そして、QVボタン11の押下に応答して、撮影モードにおけるライブビュー画像と、再生モードにおけるデータファイルに関する再生画像と、アルバム再生モードにおけるアルバムファイルに関するアルバム画像との間で表示画像が変更される。したがって、ボタンの押下のみでアルバム画像等を表示できるので、アルバム画像を容易に閲覧することが可能である。
【0078】
また、メモリカード90内に撮影ファイルが記録されているもののアルバムファイルが記録されていないときには、QVボタン11の押下に応答して、「撮影モード」と「再生モード」とが順次に且つ循環的に選択される。言い換えれば、メモリカード90がアルバムファイルを有しているときにのみ、QVボタン11の押下に応答してアルバム画像が表示する状態に変更される。このように、アルバムファイルがメモリカード90内に存在しないときには、アルバムファイルを表示する画面に切り替わらない。したがって、無用な切り替えをなくすことができる。
【0079】
さらに、メモリカード90内にアルバムファイルが記録されているものの撮影ファイルが記録されていないときには、QVボタン11の押下に応答して、「撮影モード」と「アルバム再生モード」とが順次に且つ循環的に選択される。言い換えれば、メモリカード90が撮影ファイルを有していないときには、QVボタン11の押下に応答して、ライブビュー画像とアルバム画像との間でのみ、表示画像が変更される。すなわち、撮影ファイルがメモリカード90内に存在しないときには、撮影ファイルを表示する画面には切り替わらない。したがって、無用な切り替えをなくすことができる。
【0080】
また、メモリカード90内にアルバムファイルも撮影ファイルも記録されていないときには、「撮影モード」のみしか選択できない。このとき、QVボタン11の押下に応答して、「メモリカードに画像がありません」という文字がLCD5に表示されるので、操作者はモード変更が不可能であることを認識できる。
【0081】
つぎに、状態ST10,ST20,ST30からの更なる状態遷移について説明する。
【0082】
状態ST10においてメニューボタン8bを押下すると状態ST11へと移行し、再びメニューボタン8bを押下すると状態ST10に戻る。状態ST11は、撮影モード内のサブモードへの変更等を行うことが可能な状態であり、撮影種類等を設定するための「撮影メニュー」がLCD5に表示される。状態ST11においては、ライブビュー画像が背景画像として表示されたまま、撮影メニュー画面の各項目がオーバーレイ表示される。
【0083】
また、状態ST20においてメニューボタン8bを押下すると状態ST21へと移行し、再びメニューボタン8bを押下すると状態ST20に戻る。状態ST21は、再生モードでの各種の設定を行うことが可能な状態であり、各種の設定動作を行うためのメニュー画面である「再生メニュー」がLCD5に表示される。状態ST21においては、撮影画像(再生画像)が背景画像として表示されたまま、再生メニュー画面の各項目がオーバーレイ表示される。
【0084】
さらに、状態ST30においてメニューボタン8bを押下すると状態ST31へと移行し、再びメニューボタン8bを押下すると状態ST30に戻る。状態ST31は、アルバム再生モードでの各種の設定を行うことが可能な状態であり、各種の設定動作を行うためのメニュー画面である「アルバム再生メニュー」がLCD5に表示される。状態ST31においては、アルバム画像が背景画像として表示されたまま、アルバム再生メニュー画面の各項目がオーバーレイ表示される。
【0085】
また、図8、図9、および図10は、それぞれ、状態ST11、状態ST21、状態ST22でのLCD5に表示されるメニュー画面G11,G21,G31を示す図である。
【0086】
図8は、状態ST11における撮影メニュー画面G11の一例を示す図である。この撮影メニュー画面G11などを用いた各種の設定操作によれば、撮影の種類を変更することなどが可能である。具体的には、メニュー画面G11の中から「単写」又は「連写」を選択すれば静止画像の撮影が可能であり、「動画」を選択すれば動画の撮影が可能である。また、音声の録音動作を行うことも可能である。たとえば、「ボイスメモ」を選択すれば、1枚の静止画像の撮影後の一定期間にわたって音声を記録することができる。また、「ボイスレコード」を選択すれば、静止画像の記録を伴うことなく、音声のみを録音することができる。
【0087】
図9は、状態ST21における再生メニュー画面G21の一例を示す図であり、図10は、状態ST31におけるアルバム再生メニュー画面G31の一例を示す図である。メニュー画面G21,G31などを用いた各種の操作によれば、撮影画像等に対する様々な設定動作を行うことが可能である。
【0088】
図9と図10とを比較すると判るように、再生メニュー画面G21とアルバム再生メニュー画面G31とは類似の構成を有している。具体的には、「プロテクト」、「削除」、「スライドショー」、「プリント指定」、「カメラのセットアップ」の各項目は、いずれのメニューにおいても存在している。すなわち、両メニュー画面G21,G22の項目は、部分的に一致している。
【0089】
言い換えれば、再生モードおよびアルバム再生モードの両モードにおけるメニュー画面はいずれも階層構造を有しており、両モードにおける同一階層のメニュー画面(たとえば、両モードの各初期画面G20,G30の次に最初に表示される第1の階層の各メニュー画面G21,G31)は、互いに一致する項目(「プロテクト」、「削除」、「スライドショー」、「プリント指定」、「カメラのセットアップ」の各項目)を有している。
【0090】
したがって、再生モードおよびアルバム再生モードのいずれのモードにおいても、「プロテクト」、「削除」、「スライドショー」、「プリント指定」、「カメラのセットアップ」の各項目に関する設定動作を、同様のメニュー画面G21,G31等を用いた類似の操作で実現することができる。これにより、操作における統一感が増大する。言い換えれば、操作者は共通操作で同様の設定動作を行うことができるので、操作性が高い。
【0091】
また、その一方で、再生モードにおけるメニュー画面G21には「再生メニュー」であることが文字を用いて明示され、アルバム再生モードにおけるメニュー画面G31には「アルバム再生メニュー」であることが文字を用いて明示される。すなわち、再生モードおよびアルバム再生モードおける各メニュー画面G21,G31は、それぞれ、再生モードおよびアルバム再生モードのいずれのモードのメニュー画面であるかを示す「識別部分」を有している。したがって、操作者は、LCD5に表示されているメニュー画面が、再生モードにおけるメニュー画面G21であるのか、あるいは、アルバム再生モードにおけるメニュー画面G31であるのかを、確実に認識することが可能である。
【0092】
特に、この実施形態においては、QVボタン11の押下に応答して再生モード(状態ST20)とアルバム再生モード(状態ST30)とが容易に切り替えられる。また、更なる操作(具体的には、メニューボタン8bの押下)に応答して、状態ST20から状態ST21へと容易に移行することもでき、同様に状態ST30から状態ST31へと容易に移行することもできる。そして、モードの移行操作等が容易であるが故に、操作者は状態ST21、ST31でのメニュー画面がいずれのモードにおけるメニュー画面であるかを誤認する事態になることが想定される。
【0093】
しかしながら、このような場合においても、各状態ST21,31における各メニュー画面G21,G31に表示されている上述の識別部分によって、表示画面が再生モードおよびアルバム再生モードのいずれのモードのメニュー画面であるかを容易に認識することができる。したがって、モードの誤認に起因する誤操作を防止できる。なお、ここでは文字を用いて識別部分を構成しているが、所定の図形等を用いて識別部分を構成するようにしてもよい。
【0094】
また、メニュー画面の各項目の左端には、3つの種類の記号(具体的には、白い菱形、黒い菱形、×印)のいずれかが表示される。×印は選択不可能な項目であることを意味し、菱形の記号は選択可能な項目であることを意味している。また、黒い菱形は現在選択されている項目を意味している。操作者が、上下方向ののキー7aまたは7bを用いて選択項目を変更し、所望の選択項目の記号が黒い菱形に変更された状態で、実行ボタン8aを押下すると、その選択項目に対する動作(具体的には、更なるサブメニュー画面の表示)が実行される。
【0095】
<アルバム登録>
つぎに、アルバム登録動作について詳細に説明する。
【0096】
図11〜図13は、登録手順について説明するための図である。図11は、再生モードにおける状態遷移図を示している。図12は登録動作の全体の流れを示すフローチャートであり、図13はその一部の流れを示すフローチャートである。
【0097】
まず、図11に示すように、状態ST20においてメニューボタン8bを押下すると状態ST21に移行する。そして、状態ST21でLCD5に表示される再生メニュー画面G21において「アルバムに追加登録」という項目をキー7を用いて選択して実行ボタン8aを押下すると、状態ST22に移行する。なお、状態ST22において、メニューボタン8bを押下すれば状態ST21に戻ることができる。
【0098】
状態ST22においては、追加登録のためのメニュー画面G22が表示される。状態ST22のメニュー画面G22においては、再生中の撮影画像が背景画像として表示されたままで、メニュー項目がオーバーレイ表示される。
【0099】
このメニュー画面G22においては、「この画像」および「一括」の2つの項目が表示されている。前者の項目「この画像」は、撮影画像を1枚ずつ登録することを指示するためのコマンドであり、後者の項目「一括」は、撮影画像フォルダ(「100MLT09」(図4参照))内の複数(ここでは全て)の撮影画像を一括して登録することを指示するためのコマンドである。
【0100】
このメニュー画面G22で、いずれかの項目が選択された後に実行ボタン8aが押下されると、全体制御部50は、一括登録の指示入力を受け付けたものと判定して、アルバム登録動作を実行する。
【0101】
このアルバム登録動作について、図12を参照しつつ説明する。
【0102】
まず、ステップSP50において、一括登録の指示が与えられているのか否かが判定される。一括登録の指示が与えられている場合には、ステップSP51に進み、そうでない場合(すなわち画像を1つずつ登録する旨の指示が与えられている場合)には、ステップSP61に進む。
【0103】
ステップSP51においては、メモリカード90の空き容量が確認される。そして、一括登録に必要な容量(言い換えれば、撮影画像フォルダ内の全ファイルをアルバム登録するために必要な容量)とメモリカード90内の空き容量(未使用領域の容量)とが比較される。一括登録に必要な容量がメモリカード90内に残存していないと判定されると、メモリカードが容量不足であることを示す文字等がLCD5に一定期間(例えば数秒間)にわたって表示され(ステップSP59)、状態ST21(図11)に戻る。一方、一括登録に必要な容量がメモリカード90内に残存していると判定されると、ステップSP52に進む。
【0104】
ステップSP52においては、撮影画像フォルダ内の最初のファイル(シリアル番号が最も小さなファイル)が、登録処理の対象ファイル(登録対象ファイル)として指定される。
【0105】
ステップSP53においては、登録対象のデータファイルに対応するアルバムファイルが既に作成されているか否か、言い換えれば、登録対象ファイルが既にアルバム登録されているファイルであるか否かが判定される。すなわち、重複登録がチェックされる。
【0106】
登録処理の対象ファイルが既にアルバム登録されていることが検出された場合には、ステップSP55に進み、重複登録の警告が出力される。例えば、登録対象ファイルと同一の撮影画像ファイルが既にアルバム登録されている旨を示す文字等が、警告としてLCD5に表示される。そして、重複登録を回避するため、登録対象ファイルのアルバム登録が禁止され、登録対象ファイルをアルバム登録することなく、ステップSP56に進む。これにより、同一の撮影画像ファイル(データファイル)を重複してアルバム登録することを回避できる。
【0107】
一方、登録対象ファイルが未だアルバム登録されていない場合には、ステップSP54のアルバムファイル作成処理に進む。
【0108】
図13は、ステップSP54,SP64におけるアルバムファイル作成処理の詳細動作(ステップSP70)を示すフローチャートである。ここでは、登録処理の対象ファイルが静止画像ファイルであることを前提に説明を行う。
【0109】
まず、ステップSP71において、対象の撮影画像ファイルの高解像度(1600×1200画素)の画像データを伸張し、その画像データをステップSP72においてVGAサイズ(640×480画素)にリサイズして再圧縮する。
【0110】
ステップSP73においては、新規のアルバム画像ファイルのファイル名が決定される。特に、新規ファイル名のシリアル番号が決定される。具体的には、デジタルカメラ1は、アルバム情報ファイル(「Album.inf」(図6参照))を参照し、既登録ファイルのシリアル番号のうち最も大きな番号(即ち最も新しく登録されたファイルのシリアル番号)を1つインクリメントした番号を、新規ファイルのシリアル番号として決定する。たとえば、図6に示すように、最後の登録ファイルが「Albm0094.jpg」である場合には、新規ファイルのシリアル番号は「0095」になる。このとき、新規のアルバム画像ファイルの名称は、「Albm0095.jpg」に決定される。この名称は、アルバムファイルであることを示す「Albm」とそのシリアル番号とデータ内容の種類が静止画像であることを示す拡張子「jpg」とを合成して生成される。
【0111】
ステップSP74においては、リサイズしたVGAサイズのデータを用いて、この名称「Albm0095.jpg」を有するアルバム画像ファイルを作成する。そして、ステップSP75において、さらにこの新規ファイルの属性を読み取り専用(リードオンリー)に設定する。これにより、この新規ファイルにプロテクトがかかることになる。
【0112】
その後、ステップSP76において、アルバム情報ファイル(「Album.inf」)にファイル「Albm0095.jpg」の情報を追記して、アルバム情報ファイルを更新する。
【0113】
再び、図12を参照する。
【0114】
次のステップSP56において、全ての撮影画像についてアルバム登録が終了したか否かが判定される。
【0115】
未処理の撮影画像が撮影画像フォルダ内に存在する場合には、次のファイルを登録対象ファイルとして指定(ステップSP57)した後、進行状況表示を行い(ステップSP58)、再びステップSP53以降の処理を繰り返す。進行状況表示には、アルバム登録中であること、および処理中のファイルが何番目のものであるかが示される。たとえば、「アルバム登録しています。...2/10」という表示によって、全10個のファイルのうち2番目のファイルを処理中であることを示すことができる。
【0116】
一方、撮影画像フォルダ内の全ての撮影画像についてのアルバム登録処理が完了している場合には、このルーチンを終了し、状態ST21に復帰する。このようにして、状態ST22(図11)において「一括」を選択して実行ボタン8aを1回押下すること(すなわち、一括登録の指示入力)に応答して、複数のアルバムファイルが作成される。登録対象画像指定のためのボタン操作および登録開始のための実行ボタン8aの押下操作という一連の操作を繰り返す必要がないので、一括登録時の操作が容易である。また、特に、撮影画像フォルダ内の「全て」の撮影画像についてのアルバム登録処理は、操作者による操作頻度が高く、そのような登録操作を容易化することが可能である。
【0117】
また、ステップSP50からステップSP61に進んだ場合(個別登録の指示が与えられた場合)にも同様の処理が行われる。ステップSP61,SP63,SP64,SP65は、それぞれ、ステップSP51,SP53,SP54,SP55と同様の処理である。ただし、ステップSP61においては、1つのファイルのアルバム登録に必要な容量がメモリカード90内に残存しているか否かが判定される。
【0118】
ところで、上記のステップSP53における重複登録チェックにおいては、アルバム情報ファイル「Album.inf」の情報が用いられる。
【0119】
アルバム情報ファイルには、図6に示すように、登録された複数のアルバムファイルのそれぞれに関する情報が含まれている。具体的には、アルバム情報ファイルには、アルバムフォルダ内に含まれる各アルバムファイルに関するファイル名およびファイル属性に加えて、各アルバムファイルの登録元の撮影画像ファイルのファイル名、その撮影画像ファイルの撮影に使用したデジタルカメラのシリアル番号、およびその撮影画像ファイルの撮影日時の情報が記述されている。
【0120】
たとえば、アルバムファイル「Albm0003.jpg」に関しては、そのファイル属性が読み取り専用(リードオンリー)であり、対応するアルバム登録時の元画像は「Pict0006.jpg」であり、その元画像の撮影日時は2002年12月01日12時34分56秒であり、その元画像の撮影に使用されたデジタルカメラの製品シリアル番号(カメラの識別番号)は「01234567」であることが記述されている。なお、製品シリアル番号は、各デジタルカメラ1のROM50bなどに格納されており、撮影時に読み出され撮影画像ファイルのタグ情報TGに記述されている。また、撮影日時もタグ情報TGに記述されている。そのため、デジタルカメラ1は、各登録対象ファイルのタグ情報TGの情報を読み出して、各種の情報をアルバム情報ファイルに記録することができる。
【0121】
上記のステップSP53においては、アルバム登録における元画像のファイル名とデジタルカメラのシリアル番号と撮影日時との3つの条件(3つの情報)が、登録対象の撮影画像ファイルと登録済みの撮影画像ファイルとの間で全て一致するか否かによって、登録対象の撮影画像ファイルが既にアルバム登録されたものか否かを判定する。元画像のファイル名だけでなく、デジタルカメラのシリアル番号および撮影日時もが一致しているか否かを考慮しているので、重複登録をより正確に判定することができる。
【0122】
なお、これに限定されず、3つの条件のうち、いずれか1つまたは2つが一致しているか否かによって重複登録を判定しても良い。たとえば、アルバム登録における元画像のファイル名とデジタルカメラのシリアル番号との2つの条件が、登録対象の撮影画像ファイルと登録済みの撮影画像ファイルとの間で全て一致するか否かによって、登録対象の撮影画像ファイルが既にアルバム登録されたものか否かを判定してもよい。元画像のファイル名だけでなく、デジタルカメラのシリアル番号もが一致しているか否かを考慮しているので、重複登録をより正確に判定することができる。たとえば、これによれば、異なるデジタルカメラで撮影され撮影日時が偶然に一致し且つファイル名も偶然に一致した2つのファイルが、本来は異なる撮影画像であることを正確に判定できる。
【0123】
また、上記実施形態においては、状態ST22において「一括」を選択して実行ボタン8aを押下するだけで、撮影画像フォルダ内の全てのファイルを一括してアルバム登録することができるので、操作が容易である。
【0124】
また、一括登録の場合には、新規登録されたアルバムファイルのシリアル番号は登録元の撮影ファイルのシリアル番号の昇順に付与されるので、両者の対応関係において、その順序が入れ替わることがない。したがって、元の撮影ファイルとアルバムファイルとの間の関係を把握しやすい。
【0125】
さらに、撮影画像の再生時には、その撮影画像が既にアルバム登録の対象となっているか否かを判定し、その撮影画像が既にアルバム登録の対象となっている場合には、登録済みを示すマークを撮影画像に重ねてLCD5に表示する。
【0126】
図14は、アルバム登録後再び状態ST20に戻ったときのLCD5での表示画面を示す図である。図14に示すように、この画面においては、撮影画像が表示されるとともに、画面内の右下側にマークMK1が撮影画像に重ねて表示されている。このマークMK1は、登録済みであることを示すものである。操作者は、このマークMK1によって、既にアルバム登録された画像であるか否かを容易に判別することが可能になる。また、状態ST20の画面だけでなく、状態ST21,ST22の画面においても、同様のマークMK1を表示を行う。これにより、いずれの状態でも同様の効果を得ることができる。
【0127】
また、上記においては、重複登録の警告を出力するとともに、同一のデータファイル(撮影画像ファイル)に基づく複数のアルバムファイル(アルバム画像ファイル)の作成を禁止する場合を例示したが、これに限定されない。
【0128】
たとえば、重複登録の警告を出力することなく、同一のデータファイルに基づく複数のアルバムファイルの作成を禁止するようにしてもよい。言い換えれば、対応するアルバムファイルが既に作成されているデータファイルについては、当該データファイルに基づくアルバムファイルの再作成を禁止するようにしてもよい。
【0129】
より詳細には、ステップSP53(図12)で重複登録が検出されたときには、ステップSP55の重複登録の警告画面を表示することなく、ステップSP54のアルバムファイルの作成処理を行わないようにしてもよい。
【0130】
あるいは、上記のように、状態ST21(図11)から状態ST22に移行した後のステップSP53,SP63における判定動作によって重複登録を回避するのではなく、状態ST21において図15に示すような画面をLCD5に表示し状態ST22に移行させないようにして重複登録を回避するようにしてもよい。図15においては、「アルバムに追加登録」の選択肢の左側の記号が×印になっており、操作者のキー操作によっても選択できない状態となっている。したがって、状態ST21から、登録操作を行う次の状態ST22(図11)に進めないため、重複登録を回避できる。このように、再生モードでの各撮影画像ファイル(データファイル)についてのメニュー画面において、アルバム登録のための選択肢を選択できないようにすることなどによって、アルバム登録済みの撮影画像ファイルに対してはアルバム登録操作を禁止するようにしてもよい。
【0131】
また、逆に、重複登録の警告を出力する場合であっても、一定の条件の下でアルバムファイルの再作成を許可するようにしてもよい。具体的には、ステップSP55の警告表示画面において、重複登録の警告を発するとともに、アルバム登録を強行するか否かを問い合わせ、強行すべき旨の指示を受け付けたときのみ、アルバム登録処理を行うようにしてもよい。この場合、ユーザによる判断の機会が得られるので、重複登録を回避することが可能である。
【0132】
<静止画像ファイル以外のアルバム登録>
図16は、デジタルカメラ1における撮影動作等によって、メモリカード90内の撮影画像フォルダ内に格納されたファイル群の一例を示す図である。
【0133】
このデジタルカメラ1においては、図16に示すような、静止画像ファイル(例えば「Pict0010.jpg」)以外のファイル、具体的には、動画像および音声に関するデータファイルもアルバム登録の対象とすることができる。より詳細には、「ボイスメモ」による音声ファイル(例えば「Pict0011.wav」)、「ボイスレコード」による音声ファイル(例えば「Pict0012.wav」)、「アフターレコーディング(アフレコとも略称する)」による音声ファイル(例えば「Pict0032.wav」)、「動画」に関する動画像ファイル(例えば「Pict0013.avi」)のそれぞれもアルバム登録の対象とすることが可能である。
【0134】
このような各種のデータファイルのアルバム登録作業の説明に先立って、各データファイルの概要について説明する。
【0135】
「ボイスメモ」、「ボイスレコード」、「動画」による各ファイルは、撮影メニュー画面G11などを用いた所定の操作によって取得される。
【0136】
例えば、撮影モードが「ボイスメモ」に設定された後にシャッタボタン9が押下されると、静止画像の撮影とともに一定時間の音声の録音が行われる。図16では、撮影動作による静止画像ファイル「Pict0011.jpg」が、ボイスメモとして録音された音声ファイル「Pict0011.wav」とともに取得される場合が示されている。両ファイルは、その拡張子が異なっているが、ファイル番号は同一である。ファイル番号を同一とすることによって、両ファイルが互いに関連付けされていることを容易に判別できる。
【0137】
また、撮影モードが「ボイスレコード」に設定された後に、シャッタボタン9が押下されると音声の録音が開始されシャッタボタン9が再度押下されると音声の録音が終了する。この録音動作によって、「ボイスレコード」による音声ファイル(たとえば「Pict0012.wav」)のみが生成される。この撮影画像フォルダ内には同一番号のファイルが存在しないため、この音声データには撮影画像が関連付けられていないことを判別できる。
【0138】
さらに、撮影モードが「動画ファイル」に設定された後に、シャッタボタン9が押下されると動画の記録動作が開始されシャッタボタン9が再度押下されると動画の記録動作が終了する。この記録動作(撮影動作)によって、動画像ファイル(たとえば「Pict0013.avi」)のみが生成される。
【0139】
また、「アフターレコーディング」による音声データは、図17に示すような状態遷移を辿ることによって取得される。具体的には、まず、状態ST21(図7も参照)でLCD5に表示される再生メニューの選択肢の中から「画像編集」の項目を選択して実行ボタン8aを押下することによって、状態ST26に移行する。そして、状態ST26でLCD5に表示されるメニュー画面(「画像編集」のサブメニュー)G26の中から「アフターレコーディング」という項目を選んで実行ボタン8aを押下すると、状態ST27に移行する。状態ST27では、マイク12による録音が実行され、LCD5においては、最大録音可能時間に対する録音済み時間の割合がプログレスバーによって表示される。その後、最大録音可能時間が経過した時、あるいは、実行ボタン8aが再度押下された時に、アフレコが終了する。そして、音声ファイルが生成されるとともに、その音声ファイルの静止画像ファイルに対する関連付けが行われる。
【0140】
たとえば、静止画像ファイル「Pict0031.jpg」の撮影の後に、静止画像ファイル「Pict0021.jpg」に対してアフレコ操作を行ったときには、音声ファイル「Pict0032.wav」が静止画像ファイル「Pict0021.jpg」に関連付けられた状態で生成される。この関連付け情報は、静止画像ファイル「Pict0021.jpg」のタグ情報TG内にデジタルカメラ1によって記録される。具体的には、関連ファイルの名称として「Pict0032.wav」が記述されることによって、両ファイルの関連付けが行われる。
【0141】
なお、アフレコによる音声ファイルとボイスメモによる音声ファイルとは次の点で相違する。すなわち、前者が撮影画像の再生時点で生成されるのに対して、後者が画像の撮影時点で生成される点で相違する。
【0142】
また、再生モードの表示画面(より詳細には状態ST21,ST22(図11参照)などでの表示画面)においては、各種のファイルは図18に示すような状態で、再生画像として表示される。図18は、各種ファイルの再生時の画面を示す図である。なお、アルバム再生モードにおいても、各ファイルの種類に応じて、図18と同様の表示画面が、アルバム画像として表示される。
【0143】
具体的には、音声ファイルと関連付けられていない静止画像ファイルは、音声との関連付けを示すマークが付与されることなくLCD5においてそのまま表示される。
【0144】
また、音声ファイルと関連付けられている静止画像ファイル(たとえば、「アフレコ」が施された静止画像ファイル、あるいは「ボイスメモ」のモードで撮影された静止画像ファイル)は、音声データであることを想起させるマークMK2がその静止画像に付与された状態でLCD5に表示される。これにより、音声に関連付けられた画像であることが明示される。なお、その後の実行ボタン8aの押下に応答して音声データの再生動作が開始される。
【0145】
さらに、他の画像ファイルに関連付けられていない音声ファイル(たとえば、「ボイスレコーディング」のモードで録音された音声ファイル)については、画像を伴うことなく、撮影画像に関連付けられていない音声データであることを明示するマークMK3がLCD5に表示される。なお、実行ボタン8aの押下に応答して音声データの再生動作が開始される。
【0146】
また、動画像ファイルについては、最初はその先頭フレームが表示される。そして、実行ボタン8aの押下に応答して動画像の再生動作が開始される。
【0147】
以上がデータファイルの概要である。
【0148】
つぎに、各種のデータファイルのアルバム登録作業について説明する。全体の流れは、図12を参照して上述した通りである。再生モードの状態ST22において、撮影画像フォルダ内の少なくとも1つの種類の少なくとも1つのファイルがアルバム登録の対象ファイルとして指定されると、上述したような流れでアルバム登録動作が実行される。
【0149】
ただし、上記においては、図13を参照しつつ、登録処理の対象ファイルが静止画像ファイルであることを前提に説明を行ったが、ここでは、より一般的なアルバムファイル作成処理(ステップSP54,SP64)について、図19および図20を参照しつつ説明する。図19および図20のアルバムファイル作成処理は、静止画像以外のファイル、具体的には図18に示すような複数の種類のファイルのそれぞれに対しても適用可能である。
【0150】
まず、ステップSP81においては、アルバム登録対象のファイルが動画像ファイル(単に動画ファイルとも称する)であるか否かが判定される。登録対象ファイルが動画ファイルである場合にはステップSP101に進み、登録対象ファイルが動画ファイルでない場合(詳細には、登録対象ファイルが静止画像ファイルまたは音声ファイルの場合)にはステップSP82に進む。
【0151】
ステップSP82に進むと、さらに登録対象が音声のみのファイルであるか否かが判定される。登録対象が音声のみのファイルである場合(すなわち、「ボイスレコーディング」による音声ファイルの場合)にはステップSP96に進み、登録対象が音声のみのファイルでない場合(すなわち、音声データに関連付けられた静止画像データである場合)にはステップSP83に進む。
【0152】
登録対象の撮影画像ファイルが単なる静止画像ファイルの場合には、ステップSP83,SP84,SP85を経た後、その撮影画像に関連付けられた音声が存在しないとステップSP86で判定されて、さらにステップSP87,SP88を経てステップSP89に進む。
【0153】
ここで、ステップSP83,SP84,SP85,SP87,SP88の各処理は、それぞれ、上述のステップSP71,SP72,SP73,SP74,SP75の各処理と同様である。また、ステップSP89では、アルバム情報ファイル(「Album.inf」)が更新される。
【0154】
一方、登録対象の撮影画像ファイルが、関連する音声ファイルを有する場合には、ステップSP83,SP84,SP85を経た後、その撮影画像に関連付けられた音声が存在するとステップSP86で判定され、さらにステップSP91,SP92,SP93,SP94,SP95を経て撮影画像ファイルおよび音声ファイルの双方をアルバム登録した後に、ステップSP89に進む。ステップSP89では、アルバム情報ファイル(「Album.inf」)が更新される。
【0155】
たとえば、「アフレコ」作業を行った静止画像ファイル「Pict0021.jpg」をアルバム登録する場合について説明する。なお、この静止画像ファイル「Pict0021.jpg」には、「アフレコ」作業によって音声ファイル「Pict0032.wav」が関連付けられている(図16参照)。また、図21はステップSP89における更新後のアルバム情報ファイルの内容を示す図である。
【0156】
この場合、まずステップSP91において、新規アルバム音声ファイルのファイル名が決定される。より詳細には、新規アルバム音声ファイルに対して、ステップSP85で決定された新規アルバム画像ファイルの名称と同一の名称(ただし拡張子部分を除く)が付与されることが決定される。たとえば、静止画像ファイル「Pict0021.jpg」のアルバム登録ファイルに対して「Albm0101.jpg」という名称が付与される場合には、音声ファイル「Pict0032.wav」のアルバム登録ファイルに対して「Albm0101.wav」という名称が付与される。このように、新規アルバム画像ファイルと新規アルバム音声ファイルとは、先頭の8文字(最初の「Albm」の4文字およびそれに続くシリアル番号を示す4文字)は同一である。したがって、関連性を識別しやすい。
【0157】
次のステップSP92においては、新規アルバム画像ファイルのタグ情報として、当該新規アルバム画像ファイルに関連する新規アルバム音声ファイル名を記録する。たとえば、新規アルバム画像ファイル「Albm0101.jpg」のタグ情報に、新規アルバム音声ファイル「Albm0101.wav」に対する関連付け情報が記述される。この関連付け情報によっても、両ファイルの関連性を認識できる。
【0158】
そして、ステップSP93においては、実際にアルバム画像ファイルがアルバムフォルダ内に新規に作成され、その新規のアルバム画像ファイルに読み取り専用の属性が付与される。また、ステップSP94では、実際にアルバム音声ファイルをアルバムフォルダ内に新規に作成する。新規のアルバム音声ファイルは、ファイル「Albm0101.wav」をコピー(複製)して作成され、そのファイル名称として、ステップSP91で決定された名称が付与される。そして、ステップSP95においては、アルバム音声ファイルに対しても読み取り専用属性が付与される。
【0159】
また、登録対象のファイルが、「ボイスレコーディング」により得られた音声データである場合には、ステップSP82からステップSP96に進み、ステップSP94,SP95を経て「ボイスレコーディング」による音声ファイルが単独でアルバム登録される。また、アルバム登録における登録内容は、アルバム情報ファイル(「Album.inf」)に記述される(ステップSP89)。
【0160】
具体的には、ステップSP96においては、新規アルバム音声ファイルの名称が決定される。具体的には、アルバムファイルであることを示す4文字「Albm」の後に、4文字のシリアル番号を付加することによって決定される。シリアル番号は、アルバム情報ファイルに記載されたアルバムファイルの最後尾のシリアル番号に1を足した値として決定される。また、ファイルの拡張子としては、音声ファイルであることを示す「wav」が付与される。その後、ステップSP96で決定された名称新規のアルバム音声ファイルがアルバムフォルダ内に実際に作成され(ステップSP94)、そのアルバム音声ファイルに対して読み取り専用属性が付与される(ステップSP95)。その後、ステップSP89で、アルバム情報ファイル(「Album.inf」)が例えば図22のように更新される。図22は、音声ファイル「Pict0012.wav」のコピーファイルが、アルバム音声ファイル「Albm0101.wav」としてアルバムフォルダ内に作成されたときのアルバム情報ファイルの一部を示している。
【0161】
また、登録対象のファイルが動画像である場合には、ステップSP81からステップSP101に進む。ステップSP101では、アルバム登録ファイルとして、動画像の先頭フレームのみをアルバム登録する旨と動画像の全フレームをアルバム登録する旨とのうちのいずれの選択肢が選択されているかが判定される。
【0162】
デジタルカメラ1においては、このような設定に関する選択操作を、図23に示すような画面を用いてあらかじめ行っておくことが可能である。この画面は、状態ST11,ST21,ST31で項目「カメラのセットアップ」を選択して表示されるメニュー画面において、さらに「動画ファイルのアルバム登録」という項目を選択することによってLCD5に表示される。そして、この画面内の「先頭フレームのみ」および「全フレーム」のうちの所望の選択肢を上下方向のキー7a,7bおよび実行ボタン8aを用いて選択することによって、所望の設定状態とすることができる。
【0163】
ステップSP101において、動画像の先頭フレームのみをアルバム登録する旨が設定されていると判定される場合には、動画像の先頭フレームのみを切り出して(ステップSP102)、さらにステップSP84に進む。その後、ステップSP85,SP86,SP87,SP88を経由して、動画像の先頭フレームである静止画像が、アルバムフォルダ内にアルバムファイルとして登録される。その後、ステップSP89で、アルバム情報ファイル(「Album.inf」)が例えば図24のように更新される。図24は、動画像ファイル「Pict0013.avi」の先頭フレームの静止画像のコピーファイルが、アルバム画像ファイル「Albm0101.jpg」としてアルバムフォルダ内に作成されたときのアルバム情報ファイルの一部を示す図である。
【0164】
一方、ステップSP101において、動画像の全フレームをアルバム登録する旨が設定されていると判定される場合には、動画像ファイル自体をアルバム登録する。
【0165】
具体的には、デジタルカメラ1は、新規アルバムファイルのファイル名を決定する(ステップSP103)。詳細には、アルバム情報ファイルを参照して、既存のアルバムファイルのシリアル番号のうち最も大きな番号を1つインクリメントした値をシリアル番号とするファイル名を決定する。そして、登録対象の動画像ファイルをアルバムフォルダ内にコピーしてアルバム動画ファイルを作成する(ステップSP104)。新規のアルバム動画ファイルには、ステップSP103で決定された名称が付与される。そして、そのアルバム動画ファイルのファイル属性が読み取り専用に設定される(ステップSP105)。その後、ステップSP89で、アルバム情報ファイル(「Album.inf」)が例えば図25のように更新される。
【0166】
図25は、動画像ファイル「Pict0013.avi」自体のコピーファイルが、アルバム動画ファイル 「Albm0101.avi」としてアルバムフォルダ内に作成されたときのアルバム情報ファイルの一部を示す図である。
【0167】
このように、様々な種類のファイルをアルバム登録することが可能である。
【0168】
以上のように、デジタルカメラ1は、撮影によって得られる撮影画像を撮影動作に伴って撮影画像フォルダに格納するように構成される。そして、操作者が気に入った撮影画像を保存しておくために所定の操作を行った場合には、撮影画像フォルダに格納された撮影ファイルに対応するアルバムファイルが、撮影画像フォルダとは異なる領域のアルバムフォルダに格納されるようになっている。
【0169】
また、アルバムフォルダへの登録時においてアルバムファイルのファイル属性が読み取り専用に設定されるので、各アルバムファイルにはプロテクトがかけられることとなり、誤操作等によるデータ改変や削除が防止される。なお、アルバムファイルに設定されたプロテクトは、後述するように解除することが可能である。
【0170】
そしてアルバムファイルにプロテクトがかけられている場合、アルバム再生モード時には、当該ファイルに対し、データの削除及び改変が禁止された状態(プロテクトされた状態)にあることを明示するように画面表示が行われる。例えば、図26に示すように、アルバム再生モード時の状態ST30において、アルバム画像等が表示されるとともに、画面内の右上側にマークMK4がアルバム画像等に重ねて表示される。このマークMK4は、再生対象となっているアルバムファイルがプロテクトされた状態であることを示すものである。操作者は、このマークMK4によって、LCD5に表示されている画像等のアルバムファイルが削除等を禁止された状態であることを容易に判別することが可能である。また、状態ST30の画面だけでなく、状態ST31等の画面においても、同様のマークMK4を表示を行う。これにより、いずれの状態でも同様の効果を得ることができる。
【0171】
また、この実施形態においては、音声ファイルに関連付けられた画像ファイル(例えば、「ボイスメモ」で撮影された画像ファイル)を、アルバム登録の対象として指定すると、その画像ファイルだけでなく、その画像ファイルに関連付けられた音声ファイルもアルバムファイルとして登録される。したがって、音声ファイルを別個に登録する操作を要することなく、画像ファイルおよび音声ファイルの両ファイルをアルバム登録することが可能である。すなわち、操作が簡易である。このように、他のファイルに関連付けがなされているファイル(例えばボイスメモの画像ファイル)が一括登録の対象とされているときには、当該他のファイル(例えばボイスメモの音声ファイル)に基づくファイルもアルバムファイルとして作成されるので、アルバム登録操作が簡易である。
【0172】
また、一括登録時においても、画像ファイルに基づくアルバムファイルが作成されるだけでなく、その画像にファイルに関連付けられた音声データ等のファイルに基づくアルバムファイルも作成される。したがって、関連付けがなされているファイルをも含め漏れなく確実にアルバム登録することができる。特に、上記のような一括登録操作によって所定フォルダ内の全てのファイルをアルバム登録する場合には、関連付けられたデータファイルをも含め、所定フォルダ内の全てのファイルを簡易にアルバム登録することが可能である。
【0173】
さらに、アルバムファイルの関連付け情報は、アルバム情報ファイルで一括管理されている。具体的には、アルバム情報ファイルは、互いに関連付けがなされたファイルに対応するアルバムファイル相互間の関連付け情報を有しており、全体制御部50は、このアルバム情報ファイルを用いて、関連付け情報を管理している。このように、アルバムファイル相互間の関連付け情報はアルバム情報ファイルを用いて一括管理されているので、関連付け情報をアルバムファイル単位のみで管理する場合に比べて一覧性が高く管理が容易である。
【0174】
また、図23において動画像の先頭フレームのみをアルバム登録する旨が選択されている場合には、その動画像ファイルの特定のフレーム(ここでは先頭フレーム)に対応する静止画像ファイルが、その動画像ファイルに対応するアルバムファイルとして作成される。この場合、当該動画像ファイルの全体がアルバムファイルとしてアルバム登録される場合に比べて、ファイル容量(データサイズ)を抑制することができる。
【0175】
<撮影画像フォルダに格納されたデータのプロテクト>
つぎに、撮影画像フォルダに格納された撮影ファイルのプロテクトについて説明する。
【0176】
上述のように、撮影又は録音によって得られる画像データ若しくは音声データは、撮影又は録音に伴い、アーカイブ属性が与えられた撮影ファイルとして撮影画像フォルダに格納される。言い換えれば、撮影又は録音によって得られる撮影ファイルは、データ改変や削除が許可された状態で撮影画像フォルダに格納される。そのため誤操作等によって撮影ファイルが簡単に削除されてしまう可能性がある。
【0177】
それを防止するため、デジタルカメラ1は、操作者によるプロテクト設定操作に基づいて、撮影画像フォルダに格納された撮影ファイルに対してもプロテクトをかけることができるようになっている。
【0178】
図27はデジタルカメラ1における状態遷移図であり、撮影ファイルに対してプロテクトをかける場合の状態遷移を、LCD5における表示状態の変化を中心に示した図である。図27に示すように、再生モードにおいて撮影画像等がLCD5に表示されている状態ST20において、操作者がメニューボタン8bを押下すると、再生メニュー画面が表示され、状態ST21に移行する。このとき操作者が、LCD5に表示される再生メニューの選択肢の中から「プロテクト」の項目を選択して実行ボタン8aを押下することによって、状態ST23に移行する。
【0179】
状態ST23に示すプロテクト操作画面では、選択項目として「この画像」,「一括」,「この画像のプロテクト解除」および「一括プロテクト解除」の4項目が表示される。「この画像」は、再生対象となっている画像等であって、その時点で画面背景に表示されている画像等に対してプロテクト設定を行うための選択項目である。また「一括」は、撮影画像フォルダに格納されている全ての撮影ファイルに対して一括的にプロテクト設定を行うための選択項目である。また「この画像のプロテクト解除」は、再生対象となっている画像等であって、その時点で画面背景に表示されている画像等に対して設定されているプロテクト設定を解除するための選択項目である。さらに「一括プロテクト解除」は、撮影画像フォルダに格納されている全ての撮影ファイルに対して一括的にプロテクト解除を行うための選択項目である。
【0180】
上記の選択項目のうち、操作者が一の選択項目を選択して実行ボタン8aを押下することにより、指定された撮影ファイルのファイル属性ATが変更され、状態ST21に戻る。例えば、プロテクトの設定操作が選択された場合には、選択された撮影ファイルのファイル属性が、「アーカイブ属性」から「読み取り専用属性」に変更される。そして撮影画像ファイルに対してプロテクト設定が行われると、再生対象となっている画像等がプロテクトされた状態であることを明示するために、画面上の一部にマークMK5が表示される(図27参照)。このマークMK5の表示により、操作者は、LCD5に表示されている画像等の撮影ファイルが削除等を禁止された状態であることを容易に判別することが可能である。
【0181】
<アルバム登録されたデータの削除>
つぎに、アルバムフォルダに登録されたアルバムファイルを削除する場合について説明する。
【0182】
既述のように、撮影又は録音によって撮影画像フォルダに格納されたファイルが、アルバム登録操作によってアルバムフォルダに登録されると、その時点でアルバムファイルにプロテクトがかけられており、そのままではアルバムフォルダに格納されたアルバムファイルを削除することができない状態になっている。
【0183】
そのためアルバムファイルを削除する場合には、まずアルバムファイルに設定されたプロテクトを解除する処理が必要になる。プロテクトの解除は、操作者がプロテクトの解除操作を行うことによって実行される。
【0184】
図28は、デジタルカメラ1における状態遷移図であり、アルバムファイルに対してプロテクトの設定状態を変更する場合の状態遷移を、LCD5における表示状態の変化を中心に示した図である。図28に示すように、アルバム再生モードにおいてアルバム画像等がLCD5に表示されている状態ST30において、操作者がメニューボタン8bを押下すると、アルバム再生メニュー画面が表示され、状態ST31に移行する。
【0185】
状態ST31では、アルバムファイルのプロテクト設定が解除されていない場合、アルバム再生メニュー画面における「削除」の項目が選択不可能な状態で表示され(図28では×マークが付与)、再生対象となっているアルバムファイルの削除が選択されることを禁止している。このとき操作者が、LCD5に表示される再生メニューの選択肢の中から「プロテクト」の項目を選択して実行ボタン8aを押下することによって、状態ST33に移行する。
【0186】
状態ST33に示すプロテクト操作画面では、選択項目として撮影ファイルに対する項目(図27の状態ST23参照)と同様の項目が表示される。すなわち、「この画像」,「一括」,「この画像のプロテクト解除」および「一括プロテクト解除」の4項目が表示される。各項目は撮影ファイルに対してプロテクト設定を行う場合と同様の選択項目である。したがって、操作者は、LCD5に背景画像等として表示される1つのアルバムファイルのプロテクトを解除したい場合には「この画像のプロテクト解除」を選択し、アルバムフォルダに格納された全てのアルバムファイルのプロテクトを一括的に解除したい場合には「一括プロテクト解除」を選択する。そして実行ボタン8aを押下することにより、選択されたアルバムファイルのファイル属性ATが、「読み取り専用属性」から「アーカイブ属性」に変更される。また、このときアルバムフォルダに格納されるアルバム情報ファイル(「Album.inf」)が書き換えられる。
【0187】
図29はアルバム情報ファイルの書き換えの例を示す図である。アルバムフォルダに格納されたアルバムファイル(Albm0003.jpg)のプロテクト解除に伴い、アルバムファイル(Albm0003.jpg)のファイル属性ATがアーカイブ属性に変更されるとともに、図29に示すように、アルバム情報ファイル(「Album.inf」)に示されるファイル属性も、「読み取り専用属性(ReadOnly)」から「アーカイブ属性(Archive)」に変更される。
【0188】
そしてファイル属性を変更した後、状態ST31に戻る。このとき、LCD5の画面一部に表示されていたマークMK4は非表示に切り換えられ、表示対象となっているアルバムファイルに設定されていたプロテクトが解除されたことを視覚的に把握できるようになっている。
【0189】
以上の動作でアルバムファイルのプロテクト設定が解除され、プロテクトが解除されたアルバムファイルは削除可能な状態になる。なお、一旦プロテクトが解除されたアルバムファイルに対して再度プロテクト設定を行う場合には、上述した撮影ファイルに対するプロテクト設定操作と同様の操作を行えばよい。
【0190】
図30は、デジタルカメラ1における状態遷移図であり、プロテクトが解除されたアルバムファイルを削除する場合の状態遷移を、LCD5における表示状態の変化を中心に示した図である。
【0191】
図30に示すように、アルバム再生モードにおいてアルバム画像等がLCD5に表示されている状態ST30において、操作者がメニューボタン8bを押下すると、アルバム再生メニュー画面が表示され、状態ST31に移行する。状態ST31では、アルバムファイルのプロテクト設定が解除されている場合、アルバム再生メニュー画面における「削除」の項目が選択可能な状態で表示される。このとき操作者が、LCD5に表示される再生メニューの選択肢の中から「削除」の項目を選択して実行ボタン8aを押下することによって、状態ST34に移行する。
【0192】
状態ST34では、「アルバム画像の削除」という画面タイトルが付された削除操作画面が表示される。これにより、削除対象がアルバムフォルダに格納されたアルバム画像等であることが把握できる。また、この削除操作画面では、選択項目として「この画像」および「一括」の2項目が表示される。「この画像」は、再生対象となっている画像等であって、その時点で画面背景に表示されている画像等をアルバムフォルダから削除するための選択項目である。また「一括」は、アルバムフォルダに格納されている全てのアルバムファイルを一括的に削除するための選択項目である。
【0193】
上記の選択項目のうち、操作者が一の選択項目を選択して実行ボタン8aを押下することにより、指定されたアルバムファイルが削除対象として決定される。そして状態ST34aに移行する。
【0194】
状態ST34aでは、操作者がアルバムファイルを削除しようとしていることを示す警告表示がLCD5に表示される。この警告表示が行われているときに、操作者がメニューボタン8bを押下すれば、選択されたアルバムファイルは削除されることなく、状態ST31に戻る。これに対し、警告表示が行われているときに、操作者が実行ボタン8aを押下すれば、状態ST35に移行し、選択されたアルバムファイルの削除処理が実行される。状態ST34aの警告表示は、誤操作等によるアルバムファイルの削除を防止するために行われるものであり、この警告表示において操作者にさらなる入力操作を促すことにより、アルバムファイルが誤って削除されてしまうことを防止している。
【0195】
状態ST35では、LCD5にアルバムファイルを削除中である旨の表示が行われ、指定されたアルバムファイルがアルバムフォルダから削除される。このとき、全体制御部50は、アルバム情報ファイルを参照することにより、削除対象となったアルバムファイルの登録元の撮影ファイルを特定し、撮影画像フォルダに登録元となった撮影ファイルが存在するか否かを判定する。そして登録元となった撮影ファイルが存在する場合には、登録元の撮影ファイルのタグ情報TGの書き換えが行われる(状態ST35a)。具体的には、タグ情報TGの「アルバム登録の有無」に関する情報が「有」から「無」に書き換えられる。そしてアルバム情報ファイル(「Album.inf」)から削除対象となったアルバムファイルに関する情報が削除され(状態ST35b)、状態31に戻る。
【0196】
以上の動作で、登録動作に伴ってアルバムフォルダに格納されたアルバムファイルの削除が完了する。
【0197】
つぎに、撮影フォルダに格納された撮影ファイルを削除する場合について説明する。撮影フォルダに格納される撮影ファイルには、原則的にアーカイブ属性が付与される。操作者によって撮影ファイルにプロテクト設定が行われている場合には、削除操作に先立ってアルバムファイルの場合と同様に、プロテクトを解除する操作が行われる。そしてプロテクトが解除された後、削除可能な状態になる。
【0198】
図31は、デジタルカメラ1における状態遷移図であり、プロテクト設定が行われていない撮影ファイルを削除する場合の状態遷移を、LCD5における表示状態の変化を中心に示した図である。図31に示すように、再生モードにおいて撮影画像等がLCD5に表示されている状態ST20において、操作者がメニューボタン8bを押下すると、アルバム再生メニュー画面が表示され、状態ST21に移行する。状態ST21では、撮影ファイルにプロテクト設定が行われていない場合、再生メニュー画面における「削除」の項目が選択可能な状態で表示される。このとき操作者が、LCD5に表示される再生メニューの選択肢の中から「削除」の項目を選択して実行ボタン8aを押下することによって、状態ST24に移行する。
【0199】
状態ST24では「撮影画像の削除」という画面タイトルが付された削除操作画面が表示される。これにより、削除対象が撮影画像フォルダに格納された撮影画像等であることが把握できる。また、この削除操作画面では、選択項目として「この画像」および「一括」の2項目が表示される。これらの項目は、アルバムファイルを削除する場合の項目と同様である(図30の状態ST34参照)。これら選択項目のうち、操作者が一の選択項目を選択して実行ボタン8aを押下することにより、指定された撮影ファイルが削除対象として決定される。そして状態ST25に移行し、LCD5に撮影ファイルを削除中である旨の表示が行われ、指定された撮影ファイルが撮影画像フォルダから削除される。そして削除処理が完了すると、状態21に戻る。
【0200】
以上の動作で、撮影動作や録音動作に伴って撮影画像フォルダに格納された撮影ファイルの削除が完了する。
【0201】
上記のようにデジタルカメラ1は、メモリカード90に格納されたファイルを削除する際、削除対象となるファイルが、撮影ファイルおよびアルバムファイルのいずれであるかを明確に区別できるようにタイトルを付した画面表示を行うので、アルバムファイルが誤って削除される可能性を低減することができるようになっている。
【0202】
また特に、アルバムファイルに対して削除指示が与えられた場合には、撮影ファイルの場合には表示されない警告表示(例えば、図30の状態ST34a)を行うので、警告表示の段階で削除対象がアルバムファイルであることを認識しやすくなっており、操作者の誤操作等によってアルバムファイルが削除されることを防止できる。すなわち、削除対象ファイルが撮影ファイルである場合とアルバムファイルである場合とで同一の画面表示形態を採用すると、操作者は撮影ファイルを削除しようとして誤ってアルバムファイルを削除する可能性があるのに対し、上記のようにアルバムファイルを削除する場合には撮影ファイルを削除する場合と異なる表示を行うように構成することで、アルバムファイルが不意に削除されてしまうことを防止できる。
【0203】
また、アルバムファイルは、登録時にプロテクトがかけられた状態となっており、アルバムファイルを削除又は変更する際には、まずプロテクトを解除する操作が必要になっていることからも、アルバムファイルが不意に削除されたり、変更されることを防止できるようになっている。
【0204】
なお、アルバムファイルの削除処理が実行されると、アルバムフォルダから選択されたアルバムファイルが削除されることになるが、アルバムフォルダから削除されたアルバムファイルを他のフォルダ(例えば、ゴミ箱フォルダのような特定フォルダ)に移動させるようにしてもよい。削除されたファイルを他の特定フォルダに保存しておくことにより、誤操作等によって削除されたファイルを復活させることができるので、ファイル保護の点で有益である。また、撮影ファイルを削除した際にも特定フォルダにファイルを移動させるようにしてもよい。
【0205】
<画像編集等>
このデジタルカメラ1においては、所定の操作によって撮影ファイルに対する編集処理が可能である。
【0206】
つぎに、この編集処理について説明する。編集処理としては、たとえば画像編集処理が存在する。また、画像編集処理としては、画像自体を加工する画像加工処理、および画像に音声を付加するアフレコ処理などが存在する。画像加工処理としては、たとえば、静止画像に対する回転、明るさ変換、色変換の各処理、および動画像に対する指定範囲抽出処理を行うことが可能である。これらの編集処理は、全体制御部50の制御下において行われる。
【0207】
なお、撮影ファイルに対する編集作業は、これに限定されず、音声データの編集作業(圧縮処理など)であってもよい。
【0208】
以下では、まず、静止画像に対する回転処理を中心に説明する。
【0209】
図32は、画像の回転処理における状態遷移を示す図である。図32に示すように、状態ST21でLCD5に表示される再生メニュー画面G21(図9)において「画像編集」という項目を選択して実行ボタン8aを押下すると、状態ST26に移行する。そして、状態ST26でLCD5に表示されるメニュー画面G26において「回転」という項目を選択して、実行ボタン8aを押下すると、状態ST28に移行する。
【0210】
状態ST28においては、回転の種類を選択するための選択肢が示されている。具体的には、+90度の回転処理、−90度の回転処理のいずれかが選択可能である。状態ST28の画面G28には、これら2種類の回転処理のシミュレーション結果を示す画像が選択肢として表示されている。そして、操作者が、左右方向のキー7c,7dを用いて所望の画像を選択し実行ボタン8aを押下すると、次の状態ST29に移行する。
【0211】
状態ST29では、編集処理後の画像を編集処理前の画像に上書きするかあるいは新規ファイルとして作成するか、を決定するためのダイアログが表示される。操作者が、そのダイアログの選択肢のうち所望の選択肢を選択し実行ボタン8aを押下して「新規作成指示」あるいは「上書き指示」を入力すると、編集処理(回転処理)等が開始される。
【0212】
図33は、回転処理を示すフローチャートである。回転処理は、図33に示すように、操作者によって指定された回転角度(ここでは回転方向)に応じて分岐処理(ステップSP111)がなされた後、所定の座標変換を行うことにより実現される。具体的には、+90度の回転についての変換処理(ステップSP112)、あるいは、−90度の回転についての変換処理(ステップSP113)が行われる。
【0213】
その後、状態ST29での指定に応じて、編集処理後の画像が、新規ファイルとして、あるいは編集処理前と同一の名称のファイルとして、保存される。編集処理後の画像ファイルのタグ情報には、その画像が編集処理後のものであることなども追加して記録される。なお、新規ファイルとして保存される場合には、その名称に含まれるシリアル番号は、直近に撮影等されたファイルのシリアル番号を1つインクリメントした値となる。
【0214】
つぎに、静止画像に対する明るさ変換処理について説明する。操作者が、状態ST26でLCD5に表示されるメニュー画面G26(図32)において「明るさ」という項目を選択して実行ボタン8aを押下すると、「明るさ」の変更を行うための画面GBがLCD5に表示され、明るさ変換処理が実行される。
【0215】
図34は、画面GBを示す図である。画面GBにおいてはスライダSDが表示されている。操作者は、このスライダSD内の黒色部分の先頭を左右方向のキー7c,7dを用いて左側または右側に移動させることによって、明るさ変換のための係数(パラメータ)Kを変更することができる。
【0216】
係数Kは、各画素の各色成分値(R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー))の変換係数である。変換前の各色成分値に係数Kを乗じた値が、新たな各色成分値として算出される。ここでは、係数Kは、下限値0.5から上限値1.5までの0.1刻みの10段階の値のいずれかに変更される。具体的には、左右方向のキー7cまたは7dを1回押下するごとに、スライダSDの黒色部分の先頭が左側または右側に移動し、係数Kは−0.1または+0.1変更される。また、画面GBにおいては、その係数Kで明るさ変換が行われたときの変換後の画像が背景画像として表示される。これにより、操作者は変換結果をプレビューすることができる。
【0217】
図35は、明るさ変換処理を示すフローチャートである。
【0218】
まず、左右方向のキー7c,7dが押下されたか否かを判定し(ステップSP121)、キーの押下が検出されたときには係数Kの値を変更する(ステップSP122)。具体的には、左側のキー7cが押下されたときには、係数Kの値は直前の設定値から0.1を差し引いた値として設定され、右側のキー7dが押下されたときには、係数Kの値は直前の設定値に0.1を加えた値として設定される。
【0219】
その後、スライダSDの表示が更新され(ステップSP123)、画面GB内に背景画像として表示されるプレビュー画像の明るさを変換する(ステップSP124)。具体的には、プレビュー画像の各画素の各色成分値(R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー))に係数Kを乗じた値を、新たな各色成分値として算出することによって、プレビュー画像を更新する。
【0220】
同様の動作が繰り返された後、操作者によって実行ボタン8aが押下されたことが判定される(ステップSP125)と、明るさ変換における係数Kが決定されたものとして、ステップSP126に進み、今度は、記録用画像の実際の明るさ変換処理が行われる。具体的には、撮影画像の高解像度の画像データDPの各画素の各色成分値(R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー))に係数Kを乗じた値を、新たな各色成分値として算出することによって、撮影画像の画像データDPを作成する。
【0221】
その後、処理結果の保存に関する画面が表示される。操作者は、この画面で、編集処理後の画像を新規ファイルとして作成するかあるいは編集処理前のファイルに上書きするかなどについて所望の選択肢を選択して実行ボタン8aを押下する。この押下に応答して、編集処理後の画像が、新規ファイルとして、あるいは編集処理前と同一の名称のファイルとして保存される。保存に際しては、回転編集時と同様の処理が施される。
【0222】
以上により、明るさ変換処理が行われる。
【0223】
つぎに、静止画像に対する色変換処理について説明する。操作者が、状態ST26でLCD5に表示されるメニュー画面G26(図32)において「色変換」という項目を選択して実行ボタン8aを押下すると、「色変換」の変更を行うための画面GCがLCD5に表示され、色変換処理が実行される。
【0224】
図36は、画面GCを示す図である。画面GCにおいては各色成分ごとにスライダSDが表示されている。操作者は、まず、上下方向のキー7a,7bを用いてカーソルCRを移動させ変換対象の色成分を選択する。そして、選択した色成分について、上記と同様に、スライダSD内の黒色部分の先頭を、左右方向のキー7c,7dを用いて左側または右側に移動させることによって、色変換のための各係数(パラメータ)Kr,Kg,Kbを変更することができる。
【0225】
係数Kr,Kg,Kbは、それぞれ、画素の各色成分値(R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー))の変換係数である。変換前の各R成分値に係数Krを乗じた値が、新たなR成分値として算出される。また、変換前の各G成分値に係数Kgを乗じた値が、新たなG成分値として算出され、変換前の各B成分値に係数Kbを乗じた値が、新たなB成分値として算出される。
【0226】
ここでは、係数Kr,Kg,Kbは、それぞれ、下限値0.5から上限値1.5までの0.1刻みの10段階の値のいずれかに変更される。また、画面GCにおいては、その係数Kr,Kg,Kbで色変換が行われたときの変換後の画像が背景画像として表示される。これにより、操作者は変換結果をプレビューすることができる。
【0227】
図37は、色変換処理を示すフローチャートである。
【0228】
まず、変換対象色を決定する。変換対象色の変更は、上述したように、上下方向のキー7a,7bの押下によって受け付けられる。
【0229】
ステップSP131においては、現在選択されている変換対象色がいずれであるかが判定され、その判定結果に応じた分岐処理が行われる。
【0230】
変換対象色として、R(レッド)成分が選択された場合にはステップSP131からステップSP132に進み、G(グリーン)成分が選択された場合にはステップSP131からステップSP133に進み、B(ブルー)成分が選択された場合にはステップSP131からステップSP134に進む。各ステップSP132,SP133,SP134は、それぞれ同様の処理であり、ここでは、ステップSP132を中心に説明する。
【0231】
ステップSP132においては、まず、左右方向のキー7c,7dが押下されたか否かを判定し(ステップSP141)、キーの押下が検出されたときには係数Krの値を変更する(ステップSP142)。変更手法については上記の係数Kと同様である。
【0232】
その後、スライダSDの表示が更新され(ステップSP143)、画面GC内に背景画像として表示されるプレビュー画像の色を変換する(ステップSP144)。具体的には、プレビュー画像の各画素のR成分値に係数Krを乗じた値を、新たなR成分値として算出することによって、プレビュー画像を更新する。
【0233】
他のG成分およびB成分が変換対象色として選択された場合も同様であり、係数Kg,Kbの変更によりプレビュー画像が更新される。
【0234】
同様の動作が繰り返された後、操作者によって実行ボタン8aが押下されたことが判定される(ステップSP135)と、色変換における係数Kr,Kg,Kbが決定されたものとして、ステップSP136に進み、今度は、記録用画像の実際の色変換処理が行われる。具体的には、撮影画像の高解像度の画像データDPの各画素の各色成分値(R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー))に係数Kr,Kg,Kbをそれぞれ乗じた値を、新たな各色成分値として算出することによって、撮影画像の画像データDPを作成する。
【0235】
その後、処理結果の保存に関する設定画面が表示される。操作者は、この設定画面で、編集処理後の画像を新規ファイルとして作成するかあるいは編集処理前のファイルに上書きするかなどについて所望の選択肢を選択して実行ボタン8aを押下する。この押下に応答して、編集処理後の画像が、新規ファイルとして、あるいは編集処理前と同一の名称のファイルとして保存される。保存に際しては、回転編集時等と同様の処理が施される。
【0236】
以上により、色変換処理が行われる。
【0237】
つぎに、動画像に対する編集処理について説明する。操作者が、状態ST26でLCD5に表示されるメニュー画面G26(図32)において「動画編集」という項目を選択して実行ボタン8aを押下すると、図38に示すような、「動画編集」作業用の画面GD(GD1)がLCD5に表示される。なお、図32のメニュー画面G26においては、表示対象ファイルが静止画像ファイルであるため、項目「動画編集」が選択できないように示されているが、表示対象ファイルが動画像ファイルであるときには、項目「動画編集」を選択することが可能になる。
【0238】
図38に示すように、画面GDは、動画像データを構成する複数のフレーム画像の1つを表示するフレーム画像表示領域R1と、フレーム画像(以下、単にフレームとも称する)の動画像内での位置等を示すバー領域R2とを有している。操作者が左右方向のキー7cあるいは7dを押下するごとに、領域R1での表示対象となるフレームは1つずつ戻されあるいは進められる。なお、領域R1の右側には、表示対象のフレームのフレーム番号が表示されている。
【0239】
操作者は、領域R1に表示されるフレームをみながら、動画ファイルの抽出対象区間の先頭フレームFsと最終フレームFeとを決定する。両フレームFs,Feの決定には、実行ボタン8aが用いられる。具体的には、実行ボタン8aの1回目の押下によって先頭フレームFsが決定され、実行ボタン8aの2回目の押下によって最終フレームFeが決定される。実行ボタン8aの1回目および2回目の押下に先立って、操作者は所望のフレームを領域R1に表示させておく。
【0240】
バー領域R2には選択結果が表示される。なお、バー領域R2は、その全長を動画像全体の長さに対応させ、動画像全体における各フレームの位置などを図案化して示すものである。
【0241】
具体的には、実行ボタン8aが1回目に押下されると、バー領域R2においては、表示対象フレームの動画像全体内での位置Psよりも左側の部分は非選択領域(図の白色領域)として確定される。この時点では、位置Psよりも右側の部分が選択領域(図の斜線領域)として示されている。
【0242】
そして、実行ボタン8aが2回目に押下されると、バー領域R2においては、表示対象フレームの動画像全体内での位置Peよりも右側の部分は非選択領域として確定される。この結果、位置Psと位置Peとの間の領域が選択領域として決定される。また、図39においては、動画像全体において、先頭フレームFsから最終フレームFeまでの区間が選択領域SZとして決定された様子が示されている。
【0243】
図40は、この動画編集処理を示すフローチャートである。
【0244】
まず、左右方向のキー7c,7dが押下されたか否かを判定し(ステップSP151)、キーの押下が検出されたときには表示対象フレームを変更する(ステップSP152)。具体的には、左側のキー7cが押下されたときには表示対象フレームを一つ戻し、右側のキー7dが押下されたときには表示対象フレームを一つ進める。
【0245】
その後、実行ボタン8aが押下されるまではステップSP151,SP152の処理を繰り返し、実行ボタン8aボタンが押下されたときには、ステップSPからステップSP154に進む。
【0246】
ステップSP154では実行ボタン8aの押下が何回目かが判定される。
【0247】
実行ボタン8aの押下が1回目であるときには、未だ先頭フレームFsが決定されていないと判定して、ステップSP155に進み、実行ボタン8a押下時に表示対象として選択されているフレームを先頭フレームFsとして決定する。その後、再びステップSP151に戻り、表示対象フレームの変更動作が続行される。
【0248】
一方、実行ボタン8aの押下が2回目であるときには、既に先頭フレームFsが決定されていると判定して、ステップSP156に進み、実行ボタン8a押下時に表示対象として選択されているフレームを最終フレームFeとして決定する。
【0249】
その後、「動画ファイルを作成しますか?」という文字を有する確認用ダイアログがLCD5に表示される(ステップSP157)。このダイアログ(図示せず)には、「はい」と「いいえ」という2つの選択肢が存在する。操作者は、キー操作によっていずれかの選択肢を選択した後に、実行ボタン8aを押下する。
【0250】
実行ボタン8aが押下されたことが判定される(ステップSP158)とステップSP159に進み、「はい」および「いいえ」のいずれの選択肢が選択されていたかに応じて分岐処理が行われる。
【0251】
「いいえ」が選択されていた場合には、ステップSP160で、先頭フレームFsおよび最終フレームFeの選択をリセットして、状態ST26に戻る。
【0252】
一方、「はい」が選択されていた場合には、ステップSP161で、先頭フレームFsから最終フレームFeまでの区間の動画像を元の動画像から抽出して新たな動画像として作成する。
【0253】
以上のようにして、動画像の編集処理、より詳細には、動画像の指定範囲抽出処理が実行される。なお、動画像の編集処理において、先頭フレームFsと最終フレームFeとが同一となるように設定すれば、1枚の静止画像を抽出することが可能である。
【0254】
また、このデジタルカメラ1においては、編集後の各種データをアルバム登録することが可能である。具体的には、編集処理終了後に再び状態ST21に戻り、その状態ST21でLCD5に表示されるメニュー画面G21(図9)において、編集処理後の撮影ファイルが背景画像として表示された状態で「アルバムに追加登録」が選択されると、上述したようなアルバム登録処理が実行される。このようにして、編集処理後の撮影ファイルをアルバム登録することができる。
【0255】
このアルバム登録操作によって、編集処理が施された撮影ファイルに対応するファイルがアルバムファイルとして作成され、作成されたアルバムファイルは、撮影ファイルとは互いに異なるフォルダに格納される。このとき、編集処理が施されたファイル(アルバムファイル)は撮影ファイルと区別して格納されるので、編集処理が施されたファイル(アルバムファイル)の閲覧時等においては、所望のファイルを容易に検索することが可能である。
【0256】
また、図23において動画像の先頭フレームのみをアルバム登録する旨が選択されている場合には、編集処理後の動画像ファイルの特定のフレーム(ここでは先頭フレーム)に対応する静止画像ファイルが、その動画像ファイルに対応するアルバムファイルとして作成される。このように、編集処理後の動画像ファイルの特定フレームがアルバムファイルとしてアルバム登録される場合には、その動画像ファイルの全体がアルバムファイルとしてアルバム登録される場合に比べて、ファイル容量(データサイズ)を抑制することができる。
【0257】
さらに、このデジタルカメラ1においては、編集処理後の撮影ファイルに対応するアルバムファイルが作成された場合には、作成されたそのアルバムファイルに対する編集処理が禁止される。
【0258】
具体的には、撮影ファイルに関する各種の処理を行うためのメニュー画面G21(図9)においては、撮影ファイルに対する編集処理を実行すべき旨の選択肢「画像編集」が表示される一方で、アルバムファイルに関する各種の処理を行うためのメニュー画面G31(図10)においては、アルバムファイルに対する編集処理を実行すべき旨の選択肢「画像編集」が表示されない(非表示である)。したがって、アルバムファイルに対しては、操作者による画像編集作業が行われることがない。すなわち、アルバムファイルに対する編集処理が禁止された状態である。なお、図10のメニュー画面G31では、「画像編集」を非表示にしているが、これに限定されない。たとえば選択肢「画像編集」自体は表示するがその左側に×印を付し選択不可能であることを示すとともにカーソルをその選択肢上に移動できないようにするなどの各種の手法によって、当該選択肢「画像編集」を選択できないように(選択不可能となるように)してもよい。
【0259】
ところで、仮に、アルバムファイルに対する編集処理を許可すれば、操作者はそのアルバムファイルを編集した後に再度アルバム登録することが想定される。その場合、元の撮影ファイルとの対応関係を維持するためには、更なるデータ処理が必要となる。たとえば、アルバム登録の対象として指定されたアルバムファイルに対応する撮影ファイルがいずれの撮影ファイルであるかをまず判定し、その撮影ファイルを検索した後に、さらにその撮影ファイルの情報から必要な情報を抽出して、新たに作成するアルバムファイルとの関連付け情報を作成するなどのデータ処理が必要になる。すなわち、新規に作成されるアルバムファイルの関連付け情報の取得のために、そのアルバムファイルの1世代前のファイル(子ファイル)であるアルバムファイルの情報を検索するだけでなく、新規アルバムファイルの2世代前のファイル(孫ファイル)である撮影ファイルの情報を検索する必要がある。
【0260】
これに対して、この実施形態においては、編集済撮影ファイルに基づくアルバムファイルに対しては編集処理が禁止されるので、再アルバム登録も行われずに済むため、このような事態を回避することができるのである。すなわち、アルバムファイルの関連付け情報の取得のために、そのアルバムファイルの1世代前のファイル(子ファイル)である撮影ファイルの情報を検索するだけで済む。言い換えれば、アルバムファイルと撮影ファイルとの単純な1対1の関連情報を管理するだけで済む。したがって、元の撮影ファイルとアルバムファイルとの対応関係を維持しやすい。
【0261】
このように、編集処理後の撮影ファイルに対応するアルバムファイルが作成された場合には、当該作成されたアルバムファイルに対する編集処理が禁止されるので、編集処理後の撮影ファイルに対応するアルバムファイルに対して更にアルバム登録処理が行われることがなくなり、元の撮影ファイルとアルバムファイルとの対応関係を維持しやすい。
【0262】
なお、アルバムファイルに対して「画像編集」を許可し「アルバム登録」のみを禁止するということによっても、編集済みファイルの再アルバム登録を防止することが可能である。しかしながら、操作者は、その画像に対して編集作業を開始するときには、アルバム登録できることを期待しているという事情があるため、せっかく苦労して編集した画像を登録できないこととなれば、操作者の期待に沿うことができなくなる。すなわち、操作性が悪化する。
【0263】
これに対して、この実施形態のように、アルバムファイルに対する「画像編集」処理自体を禁止すれば、このような事態をより確実に回避することができる。
【0264】
また、この実施形態においては、全アルバムファイルに対して一律に編集処理を禁止する場合を例示しているが、これに限定されない。たとえば、プロテクトがかけられたアルバムファイルに対してのみ編集処理を禁止するようにしてもよい。具体的には、登録時に一斉にアルバムファイルに対してプロテクトをかける一方で、プロテクト解除操作によってプロテクトが解除されたアルバムファイルに対しては、アルバム登録を許可するようにしてもよい。これによれば、操作者の意志で選択したアルバムファイルについては再アルバム登録が可能となるので、操作者の意志をより尊重することが可能である。
【0265】
また、このデジタルカメラ1においては、編集処理前の撮影ファイルが既にアルバム登録されている場合でも、編集処理が施された撮影ファイル(アルバムファイルではない)を新たにアルバム登録することが可能である。
【0266】
具体的には、編集処理後の撮影ファイルが新規撮影ファイルとして撮影画像フォルダに格納された場合には、その新規撮影ファイルには新たなシリアル番号が付与され、その新規撮影ファイル(編集処理後の撮影ファイル)は、編集処理前の撮影ファイルとは異なるファイルとして取り扱われる。そのため、その後、ユーザによるアルバム登録操作が行われるときには、編集処理前の撮影ファイルに基づくアルバムファイルが既に作成されているか否かにかかわらず、編集処理後の撮影ファイルに対応するアルバムファイルが新規に作成される。
【0267】
また、編集処理後の撮影ファイルを編集処理前の撮影ファイルに上書きする場合には、編集処理後の撮影ファイルは、編集処理前の撮影ファイルと同一名称のファイルとなる。そのため、上記のような3つの情報の異同に応じてファイルの同一性を判定してアルバム登録する場合には、編集処理後の撮影ファイルはアルバム登録されないことがある。具体的には、編集処理前の撮影ファイルに対応するアルバムファイルが既に作成されている場合には、編集処理前の撮影ファイルと同一の名称の編集処理後の撮影ファイルはアルバム登録されないことになる。
【0268】
ただし、これに限定されず、同一名称の編集処理前の撮影ファイルが既にアルバム登録されているときであっても、編集処理後の撮影ファイルをさらにアルバム登録するようにしてもよい。
【0269】
具体的には、編集処理後の撮影ファイルのタグ情報には、編集済みファイルであることおよび編集日時が記載されている。そこで、編集処理後の画像に対するアルバム登録指示が出されたときには、このタグ情報を読み取ってファイルの同一性を判定するようにしてもよい。たとえば、アルバム登録における登録元のファイル名が同一であっても、「編集日時」が同一でなければ、再度のアルバム登録を許可するようにすればよい。このように、両ファイルが完全同一でないことが判定される場合には、編集処理後の撮影ファイルのアルバム登録を許可するようにしてもよい。
【0270】
あるいは、アルバム情報ファイル内の「撮影日時」のデータを編集処理後の編集日時で上書きするようにしてもよい。
【0271】
<その他>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0272】
たとえば、上記実施形態においては、図11などを参照しつつ、撮影画像フォルダ内の「全て」のファイルを一括登録する場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、撮影画像フォルダ内の全てのファイルのうち、操作者により指定された複数のファイルのみを一括してアルバム登録するようにしてもよい。
【0273】
具体的には、まず、LCD5にアルバム登録対象を指定するための画面(不図示)を表示させる。この画面には、撮影画像フォルダ内の各画像のサムネイル画像と、各サムネイル画像に対応するチェックボックスとが表示される。そして、登録対象画像に対応するチェックボックスにチェック印を付与することによってアルバム登録対象のファイルを指定する。その後、所定の一括登録指示入力(たとえば実行ボタン8aの押下)に応答して、指定された複数のファイルについての一括登録動作が実現される。この場合でも、各ファイルを個別に1つずつ指定し実行ボタン8a等を押下することを繰り返してアルバム登録する場合に比べれば、複数のファイルをより簡易にアルバム登録することができる。
【0274】
また、上記実施形態においては、アルバム画像はメモリカード90内に格納される場合を例示したが、これに限定されず、デジタルカメラの内蔵メモリに格納するようにしてもよい。
【0275】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が含まれている。
【0276】
(1)請求項3に記載のデジタルカメラにおいて、
アルバムファイルに関する各種の処理を行うためのメニュー画面を表示する表示手段、
をさらに備え、
前記メニュー画面において、前記アルバムファイルに対する編集処理を実行すべき旨の選択肢が選択不可能であることを特徴とするデジタルカメラ。
【0277】
【発明の効果】
以上のように、請求項1ないし請求項5に記載の発明によれば、編集処理が施されたデータファイルに対応するファイルがアルバムファイルとして作成され、作成されたアルバムファイルは、データファイルとは互いに異なるフォルダに格納される。したがって、編集処理が施されたファイル(アルバムファイル)はデータファイルと区別して格納されるので、編集処理が施されたファイル(アルバムファイル)を容易に検索することが可能である。
【0278】
特に、請求項2に記載の発明によれば、編集処理後の動画像ファイルに対応するアルバムファイルとして、当該動画像ファイルの特定のフレーム画像が作成されるので、ファイル容量を抑制することができる。
【0279】
また、請求項3に記載の発明によれば、編集処理が施されたデータファイルに対応するアルバムファイルが作成された場合において、当該作成されたアルバムファイルに対する編集処理が禁止されるので、元のデータファイルとアルバムファイルとの対応関係を維持しやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルカメラ1を正面側からみた概略斜視図である。
【図2】デジタルカメラ1を背面側からみた概略斜視図である。
【図3】デジタルカメラ1の内部構成を示す図である。
【図4】メモリカード90内のフォルダ構成を示す図である。
【図5】各画像ファイルの構成を概念的に示す図である。
【図6】アルバム情報ファイルの内容を示す図である。
【図7】デジタルカメラ1における状態遷移図である。
【図8】撮影メニュー画面を示す図である。
【図9】再生メニュー画面を示す図である。
【図10】アルバム再生メニュー画面を示す図である。
【図11】再生モードにおける状態遷移を示す図である。
【図12】アルバム登録動作の全体の流れを示すフローチャートである。
【図13】図12の一部の流れを示すフローチャートである。
【図14】アルバム登録済みマークMK1が付された再生画像を示す図である。
【図15】変形例に係る再生メニュー画面を示す図である。
【図16】メモリカード90内の撮影画像フォルダ内に格納されたファイル群の一例を示す図である。
【図17】「アフターレコーディング」動作における状態遷移を示す図である。
【図18】各種ファイルの再生時の画面を示す図である。
【図19】アルバム作成処理を示すフローチャートである。
【図20】アルバム作成処理を示すフローチャートである。
【図21】アフレコファイルをアルバム登録した後のアルバム情報ファイルの内容を示す図である。
【図22】ボイスレコーディングファイルをアルバム登録した後のアルバム情報ファイルの内容を示す図である。
【図23】動画像ファイルのアルバム登録に関する設定を行うためのメニュー画面を示す図である。
【図24】動画像ファイルの先頭フレームをアルバム登録した後のアルバム情報ファイルの内容を示す図である。
【図25】動画像ファイル全体をアルバム登録した後のアルバム情報ファイルの内容を示す図である。
【図26】アルバム再生モードにおいて再生対象となっているアルバム画像等がプロテクトされている状態の表示画面を示す図である。
【図27】撮影ファイルに対してプロテクトをかける場合の状態遷移を示す図である。
【図28】アルバムファイルに対してプロテクトの設定状態を変更する場合の状態遷移を示す図である。
【図29】プロテクト解除時におけるアルバム情報ファイルの書き換えの例を示す図である。
【図30】プロテクトが解除されたアルバムファイルを削除する場合の状態遷移を示す図である。
【図31】プロテクト設定が行われていない撮影ファイルを削除する場合の状態遷移を示す図である。
【図32】静止画像の回転処理における状態遷移を示す図である。
【図33】回転処理を示すフローチャートである。
【図34】明るさ変換処理を行うための画面を示す図である。
【図35】明るさ変換処理を示すフローチャートである。
【図36】色変換処理を行うための画面を示す図である。
【図37】色変換処理を示すフローチャートである。
【図38】動画編集作業用の画面を示す図である。
【図39】動画像ファイルの構成を示す図である。
【図40】動画編集処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
2 撮影レンズ
3 電源ボタン
4 光学ファインダー
5 LCD
6 フラッシュ
7a〜7d 十字カーソルボタン(キー)
8a 実行ボタン
8b メニューボタン
8c フラッシュモードボタン
8d 液晶モニターボタン
9 シャッタボタン
11 QVボタン
12 マイク
13 スピーカ
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、撮影画像に対して画像編集処理を施すことが可能なデジタルカメラが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
デジタルカメラにおいて、画像編集が施された画像データは、元の撮影画像ファイルとは別個に新たなファイルとして作成されて保存されるか、或いはその撮影画像ファイルに上書きして保存される。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−262169号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなデジタルカメラにおいては、編集処理後の画像ファイル(以下、編集済画像ファイルとも称する)は、編集処理前の撮影画像ファイルと同等に扱われて、メモリカード内に保存される。具体的には、メモリカード内の撮影画像記録用のフォルダ内に、撮影画像ファイルとともにその編集済画像ファイルも保存される。
【0006】
そのため、せっかく苦労して編集し保存しておいた編集済画像ファイルを閲覧する際には、撮影画像ファイルおよび編集済画像ファイルの両方を含む複数の画像ファイルの中から、所望の編集済画像ファイルを探すこととなり、非常に手間がかかってしまうという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、編集処理が施されたファイルを容易に検索することが可能なデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、デジタルカメラであって、画像データおよび/または音声データを含むデータファイルを、撮影および/または録音する手段と、前記データファイルとは互いに異なるフォルダに格納されるアルバムファイルを、前記データファイルに基づいて作成する制御手段と、前記データファイルに対する編集処理を行う編集手段と、を備え、前記制御手段は、前記編集処理が施された前記データファイルに対応するアルバムファイルを作成することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記データファイルは、動画像ファイルであり、前記制御手段は、前記編集処理後の動画像ファイルに対応するアルバムファイルとして、当該動画像ファイルの特定のフレーム画像を作成することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記制御手段は、前記編集処理が施された前記データファイルに対応するアルバムファイルが作成された場合において、当該作成されたアルバムファイルに対する編集処理を禁止することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記制御手段は、プロテクトがかけられたアルバムファイルに対する編集処理を禁止することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項3の発明に係るデジタルカメラにおいて、アルバムファイルに関する各種の処理を行うためのメニュー画面を表示する表示手段、をさらに備え、前記メニュー画面において、前記アルバムファイルに対する編集処理を実行すべき旨の選択肢が非表示であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
<構成概要>
図1および図2は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1の外観構成を示す図である。図1は正面側からみた概略斜視図であり、図2は背面側からみた概略斜視図である。
【0015】
図1および図2に示すように、デジタルカメラ1は、薄型の略直方体形状を有している。
【0016】
図1に示すように、デジタルカメラ1は、その正面側に撮影レンズ2と光学ファインダー4とフラッシュ6とを備えており、その上面側に電源ボタン3とシャッタボタン(レリーズボタン)9とマイク12とを備えている。また、図2に示すように、デジタルカメラ1は、その背面側に液晶表示部(以下、LCDという。)5とボタン群7,8とクイックレビューボタン(以下、QVボタンとも称する)11とスピーカ13とを備えている。ボタン群7は十字カーソルボタン(ないしカーソルキー)7a〜7dを有しており、ボタン群8は実行ボタン8aとメニューボタン8bとフラッシュモードボタン8cと液晶モニターボタン8dとを有している。さらに、図1および図2に示すように、デジタルカメラ1は、その側方の面に蓋14とDC入力端子15とUSB端子16とAV出力端子17とを備えている。
【0017】
後述するように、デジタルカメラ1は、撮影レンズ2からの被写体像をCCD(撮像素子)20(図3)によって光電変換することなどによって、被写体に関する画像データを取得する。
【0018】
また、電源ボタン3は、電源のオン操作およびオフ操作を受け付けるために用いられる。具体的には、電源ボタン3を押下するごとにオン状態への移行とオフ状態への移行とが交互に繰り返される。
【0019】
シャッタボタン9はユーザ(操作者)による半押し状態(以下、状態S1とも称する)と全押し状態(以下、状態S2とも称する)とを区別して検出可能な2段階押し込みスイッチとなっており、半押し状態S1のときに自動合焦制御を開始し、全押し状態S2のときに記録用画像を撮影するための本撮影動作を開始する。
【0020】
LCD5は、本撮影動作前のプレビュー表示(ライブビュー表示とも称する)及び記録画像の再生表示等を行う。このLCD5は、所定数(ここでは320×240)の表示画素を有しており、カラー画像を表示することができる。
【0021】
操作者は、LCD5におけるライブビュー表示によって撮影画像における被写体の位置および大きさ等を知覚し、フレーミング動作を行うことができる。なお、LCD5を用いることなく光学ファインダー4のみを用いてフレーミング動作を行うことも可能である。
【0022】
また、QVボタン11は、デジタルカメラ1における複数の動作モード、具体的には、撮影モードと再生モードとアルバム再生モード(後述)と切り替える機能を有している。後述するように、原則としてQVボタン11が押下されるごとに、これら3つのモードが順次に且つ循環的に(サイクリックに)選択される。なお、後述するように、動作モードの変更に伴ってLCD5における表示画像も切り替わることから、QVボタン11は、LCD5における表示画像を切り替える切替ボタンであるとも表現できる。
【0023】
メニューボタン8bは、LCD5へのメニューの表示および非表示を切り替える機能を有している。たとえば、各動作モードの初期画面においてメニューボタン8bが押下されるごとに、メニュー画面と非メニュー画面(ライブビューあるいは再生画像等の表示画面)とが交互にLCD5に表示される。また、LCD5に表示されたメニュー画面における表示カーソルは、十字カーソルボタン7a〜7dを用いて4方向に移動させることができる。さらに、所望の選択肢が選択された状態で実行ボタン8aを押下することによって、その選択肢に対応する設定動作等が実行される。このような操作によって、各種撮影パラメータの設定、アルバム登録(後述)等を行うことが可能である。
【0024】
フラッシュモードボタン8cは、フラッシュ6のモードを決定するためのボタンである。フラッシュモードボタン8cが押下されるごとに、自動発光、強制発光、発光禁止の順序でフラッシュモードが切り替わる。
【0025】
液晶モニターボタン8dは、液晶モニターの表示・非表示を切り替えるためのボタンである。液晶モニターボタン8dが押下されるごとに、液晶モニターに画像等が表示された状態(表示状態)と表示されない状態(非表示状態)とが交互に切り替わる。非表示状態にしておけば消費電力を低減できる。
【0026】
また、マイク12は、動画撮影、ボイスメモ、ボイスレコーディング、アフターレコーディング(アフレコ)時において、音声データを取得する(録音する)ために用いられる。
【0027】
スピーカ13は、音声を出力する機能を有しており、音声データあるいは音声付き画像データ(静止画、動画)を再生するときなどに用いられる。
【0028】
さらに、蓋14は、電池室およびメモリカード装着部を覆う部分に設けられている。言い換えれば、蓋14の内部側には、電源電池BTを収容する電池室と着脱自在な記録媒体(可搬性記録媒体)であるメモリカードを装着するメモリカード装着部とが設けられている。電源電池BTおよびメモリカード90は、それぞれ、電池室およびメモリカード装着部に対して着脱自在に装着される。本撮影によって得られる画像データおよび後述するアルバム画像データ等は、この挿入装着部にセットされるメモリカード90に記録される。また、デジタルカメラ1は、電源電池BTからの電力供給を受けることもできるし、DC入力端子15を用いてACアダプタ(不図示)等からの電力供給を受けることもできる。
【0029】
USB端子16は、パーソナルコンピュータ(パソコンとも略称する)等とのデータ通信を行うための端子である。USB端子16にUSB規格のケーブル等を接続することによって外部機器(パソコン等)とのデータ通信を行うことができる。
【0030】
AV出力端子17は、テレビなどの外部映像音響機器(AV機器)に接続するための端子である。所定のAVコードをこのAV出力端子17と外部映像音響機器側の入力端子とを接続することによって、その外部映像音響機器に画像および/または音声を出力することができる。
【0031】
次に、図3を参照しつつ、デジタルカメラ1の内部構成について説明する。図3は、デジタルカメラ1の内部機能を示すブロック図である。
【0032】
CCD(撮像素子)20は被写体像を撮影して電子的な画像信号を生成する撮像手段として機能するものであり、例えば1600×1200個の画素を有し、撮影レンズ2によって結像された被写体の光像を、画素毎にR(赤),G(緑),B(青)の色成分の画像信号(各画素で受光された画素信号の信号列からなる信号)に光電変換して出力する。
【0033】
CCD20から得られる画像信号はアナログ信号処理回路21に与えられ、アナログ信号処理回路21において画像信号(アナログ信号)に対して所定のアナログ信号処理が施される。アナログ信号処理回路21は相関二重サンプリング回路(CDS)とオートゲインコントロール回路(AGC)とを有しており、相関二重サンプリング回路により画像信号のノイズ低減処理を行い、オートゲインコントロール回路でゲインを調整することにより画像信号のレベル調整を行う。
【0034】
A/D変換器22は、画像信号の各画素信号を12ビットのデジタル信号に変換するものである。変換後のデジタル信号は、画像データとして一時的にRAM50a内のバッファメモリ54に格納される。そして、バッファメモリ54に保存された画像データに対して、次述する画像処理部51による、WB(ホワイトバランス)処理、γ補正処理、および色補正処理等が施された後、圧縮/伸張部52による圧縮処理等が施される。
【0035】
また、マイク12から得られる音声信号は、アナログ信号処理回路21に与えられた後、A/D変換器22に転送される。A/D変換器22は、転送された音声信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するものである。変換後のデジタル信号は、音声データとして一時的にバッファメモリ54に格納される。そして、バッファメモリ54に保存された音声データに対して、音声処理部53による各種の処理が施される。
【0036】
操作部30は、上述した電源ボタン3、ボタン群7,8、シャッタボタン9、QVボタン11等を含む操作部であり、ユーザがデジタルカメラ1の設定状態を変更操作する際や撮影操作を行う際等に用いられる。
【0037】
電源40は、デジタルカメラ1に対する電力供給源である。デジタルカメラ1は、リチウムイオン電池などの二次電池を電源電池BTとして用いて駆動される。
【0038】
全体制御部50は、内部にRAM50a及びROM50bを備えたマイクロコンピュータによって構成され、マイクロコンピュータが所定のプログラムを実行することにより、上記各部を統括的に制御する制御手段として機能する。全体制御部50は、たとえば、ライブビュー表示処理、およびメモリカードへの記録処理などをも制御する。なお、RAM50aは、高速アクセス可能な半導体メモリ(たとえばDRAM)であり、ROM50bは電気的にデータの書き換えが可能な不揮発性の半導体メモリ(たとえばフラッシュROM)として構成される。また、RAM50a内における一部の領域は、一時記憶用のバッファエリアとして機能する。ここでは、このバッファエリアをバッファメモリ54と称するものとする。バッファメモリ54は、画像データおよび音声データを一時的に記憶する。
【0039】
全体制御部50は、画像処理部51、圧縮/伸張部52、音声処理部53を有している。これらの各処理部51,52,53は、マイクロコンピュータが所定のプログラムを実行することにより実現される機能部である。
【0040】
画像処理部51は、WB処理、γ補正処理等の各種のデジタル画像処理を施す処理部である。WB処理は、R,G,Bの各色成分のレベル変換を行い、カラーバランスを調整する処理であり、γ補正処理は、画素データの階調を補正する処理である。圧縮/伸張部52は、画像データの圧縮処理および伸張処理を行う処理部である。圧縮方式としては、例えばJPEG方式などが採用される。音声処理部53は、音声データに対する各種のデジタル処理を施す処理部である。
【0041】
また、カードインタフェース(カードI/F)60は、デジタルカメラ1側面の挿入装着部に対して装着されるメモリカード90への画像データの書込み及び読出しを行うためのインタフェースである。
【0042】
メモリカード90に対する画像データの読み書き時には、圧縮/伸張部52において例えばJPEG方式で画像データの圧縮処理又は伸張処理が行われ、カードインタフェース60を介して画像データがバッファメモリ54とメモリカード90との間で送受信される。また、音声データの読み書き時においてもカードインタフェース60を介して音声データがバッファメモリ54とメモリカード90との間で送受信される。
【0043】
さらに、デジタルカメラ1は、このカードインタフェース60を用いて、画像および音声等のデータを送受信するだけでなく、デジタルカメラ1で動作するプログラムを取り込むことも可能である。たとえば、メモリカード90に記録される制御プログラムを、全体制御部50のRAM50a又はROM50b内に取り込むことができる。これにより、制御プログラムを更新することなどが可能である。
【0044】
また、USB端子16などを介した外部機器(外部コンピュータなど)との通信によっても、画像あるいは音声などの各種のデータ、および制御プログラムなどを送受信することが可能である。たとえば、外部コンピュータの読取装置(光学ドライブ装置等)にセットされた記録媒体(CD−R/RW、CD−ROMなど)に記録された各種のデータおよびプログラム等を、USB端子16を介して取得することが可能である。
【0045】
<撮影画像およびアルバム画像>
つぎに、撮影画像およびアルバム画像について説明する。
【0046】
図4はメモリカード90内のフォルダ構成を概念的に示す図である。図4に示すように、撮影画像のファイルは、DCF(Design rule for Camera File system)の形式にしたがって作成されて記録される。ここでは、各撮影画像ファイルは、フォルダ「100MLT09」の中に格納される。フォルダ「100MLT09」は、フォルダ「DCIM」の下に作成されるフォルダであり、フォルダ「DCIM」は、ルートフォルダの下に作成されるフォルダである。以下、このフォルダ「100MLT09」を「撮影画像フォルダ」(ないし「記録フォルダ」)とも称する。
【0047】
各撮影画像ファイルの名称は、「Pict0005.jpg」などのように、先頭の8文字(Pict0005)とそれに続くピリオド(.)と3文字の拡張子(jpg)とで構成されている。先頭の8文字のうち、前半の4つのアルファベットは、種別(撮影画像等の撮影ファイル(後述)であること)を表しており、後半の4つの数字は撮影画像(撮影ファイル)の作成順に連続的に付与されるシリアル番号である。
【0048】
したがって、デジタルカメラ1による撮影動作を繰り返すことによって、メモリカード90内には、「Pict0001.jpg」,「Pict0002jpg」,「Pict0003.jpg」,「Pict0004.jpg」,「Pict0005.jpg」,「Pict0006jpg」,...という名称のファイルがこの順序で作成されて格納される。
【0049】
さて、このデジタルカメラ1においては、撮影画像のうち操作者が気に入った画像を、撮影画像と区別して登録しておくことができる。この明細書においては、このような機能を「アルバム登録」機能と称するものとし、また、アルバム登録によって、撮影画像ファイル等の元のファイルに対応して新規に作成される画像を「アルバム画像」と称するものとする。また、各アルバム画像は、撮影画像とは異なるフォルダ(具体的には、フォルダ「ALBUM」)に、撮影画像とは別個の画像として格納される。アルバム画像の格納用のフォルダ(以下、「アルバムフォルダ」とも称する)「ALBUM」は、ルートフォルダの下に作成されるフォルダである。
【0050】
また、各アルバム画像のファイルの名称は、撮影画像と同様のルールに基づいて付与される。ただし、ファイル名の先頭の8文字のうち、前半の4つのアルファベット(Albm)は、種別(アルバム登録されたものであること)を表しており、後半の4つの数字はアルバム画像等の作成順に連続的に付与されるシリアル番号である。
【0051】
図4に示すように、たとえば、操作者が「Pict0006jpg」という名称のファイルをお気に入りの画像としてアルバム登録すると、「Albm0003.jpg」という名称のアルバム画像のファイル(アルバム画像ファイル)が生成される。ここでは、3番目のアルバム画像が生成される場合を想定しているので、生成されたアルバム画像ファイルのシリアル番号が「0003」になっている。
【0052】
また、アルバムフォルダは、アルバム画像ファイル等の他に、アルバム登録された複数のファイルに関する基本情報を記録したファイル(以下、「アルバム情報ファイル」とも称する)を有している。このアルバム情報ファイルは、図4において「Album.inf」という名称のファイルとして示されており、図6のような構成を有している。なお、このアルバム情報ファイルの内容については後述する。
【0053】
このようなアルバム登録機能によれば、操作者は撮影画像のうち気に入った画像をアルバム画像として登録しておくことができる。
【0054】
アルバム画像は撮影画像とは区別して扱われるので、撮影画像をパソコンなどの外部機器に移動させてメモリカード90内からは消去した後であっても、アルバム登録された画像はメモリカード90内に残存することになる。そのため、操作者は、撮影画像はメモリカード90から消去された後であっても、アルバム登録されている気に入った画像を、メモリカード90内から読み出してLCD5に表示させることなどができる。すなわち、気軽に閲覧することができる。特に、メモリカード90の容量は内蔵メモリに比べて大きいため、内蔵メモリにアルバム画像を格納しておく場合に比べて、さらに多くの画像を格納しておくことが可能である。
【0055】
また、メモリカード90内に残存しているアルバム画像を用いて、印刷を行うこともできる。これによれば、気に入った画像を気軽に印刷することができる。特に、ダイレクトプリント対応のプリンタにメモリカード90を直接挿入してダイレクトプリントを行えば、気に入った画像を非常に簡易に印刷することが可能になる。
【0056】
図5は各ファイルの構成を概念的に示す図である。図5では、撮影画像ファイルの構成を示しているが、アルバム画像ファイルも同様の構成を有している。
【0057】
図5に示すように、各撮影画像ファイルは、所定形式(ここではExif形式)のファイルとして作成される。具体的には、各撮影画像のファイルは、タグ情報TGと、JPEG形式で圧縮された高解像度の画像データ(ここでは、1600×1200画素の画像信号)DPと、サムネイル表示用の画像データ(ここでは、80×60画素の画像信号)DMとを有している。このうち、タグ情報TGには、「ファイル名」、「撮影日時」、「撮影に使用されたカメラのシリアルナンバー」、「関連する音声ファイル」、および「アルバム登録の有無」などの情報が含まれている。
【0058】
また、各アルバム画像ファイルも、同様の形式(ここではExif形式)のファイルとして作成される。各アルバム画像のファイルは、同様に、タグ情報TGと、JPEG形式で圧縮された高解像度の画像データDPと、サムネイル表示用の画像データDMとを有している。ただし、データ量を低減するため、高解像度の画像データDPとしては、撮影画像の解像度よりも低い解像度の画像信号に変換されたデータを格納しておくものとする。具体的には、このアルバム画像の画像データDPは、圧縮された状態でメモリカード90に格納されている1600×1200画素のサイズの撮影画像の画像データDPを圧縮/伸張部52により一旦伸張し、画像処理部51などによる解像度変換処理によって640×480画素のサイズに変換した後、さらに圧縮/伸張部52によりJPEG形式で再圧縮することによって生成される。また、上記において例示した撮影画像ファイルのタグ情報TGのうち、「アルバム登録の有無」は不要であるが、「撮影日時」、「撮影に使用されたカメラのシリアルナンバー」、および「関連する音声ファイル」などの情報はそのままアルバム画像ファイルのタグ情報TGとして引き継がれる。
【0059】
また、各ファイルには、その属性ATが定められている。具体的には、「読み取り専用属性(R)」、「アーカイブ属性(A)」、「システムファイル属性(S)」、および「隠しファイル属性(H)」の4つの属性のいずれかが各ファイルに対して決定される。撮影画像に対しては、通常、「アーカイブ属性(A)」および「読み取り専用属性(R)」のいずれかが付与される。「アーカイブ属性」が与えられたファイルに対しては、読出動作および書込動作の両方が許可されるが、「読み取り専用属性」が与えられたファイルに対しては、読出動作のみが許可され、書込動作が禁止される。
【0060】
撮影画像ファイルには、撮影時点において「アーカイブ属性(A)」が付与される。一方、アルバム画像ファイルには、登録時点において「読み取り専用属性(R)」が付与される。このように、アルバム画像ファイルに対しては「読み取り専用属性(R)」が初期的に付与されるため、気に入った画像として登録された大事なアルバム画像を誤操作で消去してしまうことを回避することができる。
【0061】
なお、このデジタルカメラ1では静止画像の撮影だけでなく、動画の撮影および音声の録音等を行うことも可能である。この明細書では、このような撮影動作等によって得られるデータファイルを「撮影ファイル(ないし記録ファイル)」と総称するものとする。撮影ファイルは、画像データおよび/または音声データを含むファイルであるとも表現される。
【0062】
また、アルバム登録の対象は静止画像に限定されず、動画像、音声などの撮影ファイルもまたアルバム登録の対象となる。この明細書では、撮影ファイルに対応して新規に作成されてアルバム登録されたファイルを「アルバム登録ファイル(ないしアルバム登録オブジェクト)」あるいは単に「アルバムファイル」と称するものとする。アルバムファイルは、全体制御部50の制御下において、登録元の撮影ファイル(データファイル)に基づいて作成され、登録元の撮影ファイルとは互いに異なるフォルダに格納される。
【0063】
以下では、画像(特に静止画像)を中心にそのアルバム登録動作等について説明する。
【0064】
<デジタルカメラにおける状態遷移の概略>
図7は、デジタルカメラ1における状態遷移図であり、LCD5における表示状態を中心に示す図である。図7の角丸四角の中には、LCD5における表示画面が示されている。アルバム登録動作の詳細について説明する前に、図7を参照しながらデジタルカメラ1における状態遷移の概要について説明する。
【0065】
まず、電源ボタン3の押下に応答して電源がオン状態にされると、デジタルカメラ1は状態ST10に移行する。状態ST10においては、デジタルカメラ1は「撮影モード」に設定され、撮影のためのプレビュー画像であるライブビュー画像がLCD5に表示される。「撮影モード」は画像(動画、静止画)あるいは音声を、撮影あるいは録音するモードである。
【0066】
また、デジタルカメラ1は、上述したように、「撮影モード」の他に、「再生モード」および「アルバム再生モード」を有している。「再生モード」は撮影画像(および録音音声等)のファイルを再生するモードであり、「アルバム再生モード」はアルバムファイルを再生するモードである。
【0067】
これらのモードの切替には、QVボタン11が用いられる。原則として、QVボタン11が押下されるごとに、デジタルカメラ1は3つのモードに対して順次に且つ循環的に(サイクリックに)移行する。ただし、例外的に、撮影ファイルがメモリカード90内に存在しないときには「再生モード」には移行せず、アルバムファイルがメモリカード90内に存在しないときには「アルバム再生モード」には移行しない。
【0068】
以下では、このモード切替についてさらに詳細に説明する。
【0069】
状態ST10においてQVボタン11が一度押下されると、メモリカード90内に撮影ファイルが保存(格納)されているか否かが判定される(状態ST41)。
【0070】
そして、メモリカード90内に撮影ファイルが1つでも記録されていれば状態ST20に移行する。状態ST20は、デジタルカメラ1が「再生モード」に設定され、LCD5に撮影画像等の再生画像が表示されている状態である。状態ST20に移行すると、直近に撮影された撮影画像等に関する再生画像がLCD5に最初に表示される。また、左右方向のキー7cまたは7dを押下するごとに、LCD5での表示対象ファイルがその撮影順序での前方向あるいは後方向に順次に変更される。
【0071】
一方、メモリカード90内に撮影ファイルが1つも記録されていない場合には状態ST42に移行する。
【0072】
また、状態ST20においてQVボタン11がもう一度押下されたときにも、状態ST42に移行する。
【0073】
状態ST42においては、メモリカード90内にアルバムファイルが格納(保存)されているか否かが判定される。
【0074】
そして、メモリカード90内にアルバムファイルが1つでも記録されていれば状態ST30に移行する。状態ST30は、デジタルカメラ1が「アルバム再生モード」に設定され、LCD5にアルバム画像が表示されている状態である。状態ST30に移行すると、最初に、直近に登録されたアルバムファイルに関するアルバム画像がLCD5に表示される。また、左右方向のキー7cまたは7dを押下するごとに、LCD5での表示対象ファイルがその登録順序での前方向あるいは後方向に順次に変更される。
【0075】
一方、メモリカード90内にアルバムファイルが1つも記録されていない場合には状態ST43に移行し、メモリカード90内に撮影ファイルが1つも記録されていないか否かが判定される。そして、メモリカード90内に撮影ファイルもアルバムファイルも全く記録されていないと判定される場合には状態ST44に移行し、「メモリカードに画像がありません」という文字を表示して状態ST10に戻る。メモリカード90内に撮影ファイルは記録されていると判定される場合には、状態ST41に移行することなくそのまま状態ST10に復帰する。
【0076】
また、状態ST30においてQVボタン11がもう一度押下されたときにも、状態ST10に再び移行する。
【0077】
以上の動作によれば、撮影ファイルおよびアルバムファイルの双方がともにメモリカード90内に記録されているときには、QVボタン11が押下されるごとに、これら3つのモード(「撮影モード」、「再生モード」、「アルバム再生モード」)が順次に且つ循環的に(サイクリックに)選択される。そして、QVボタン11の押下に応答して、撮影モードにおけるライブビュー画像と、再生モードにおけるデータファイルに関する再生画像と、アルバム再生モードにおけるアルバムファイルに関するアルバム画像との間で表示画像が変更される。したがって、ボタンの押下のみでアルバム画像等を表示できるので、アルバム画像を容易に閲覧することが可能である。
【0078】
また、メモリカード90内に撮影ファイルが記録されているもののアルバムファイルが記録されていないときには、QVボタン11の押下に応答して、「撮影モード」と「再生モード」とが順次に且つ循環的に選択される。言い換えれば、メモリカード90がアルバムファイルを有しているときにのみ、QVボタン11の押下に応答してアルバム画像が表示する状態に変更される。このように、アルバムファイルがメモリカード90内に存在しないときには、アルバムファイルを表示する画面に切り替わらない。したがって、無用な切り替えをなくすことができる。
【0079】
さらに、メモリカード90内にアルバムファイルが記録されているものの撮影ファイルが記録されていないときには、QVボタン11の押下に応答して、「撮影モード」と「アルバム再生モード」とが順次に且つ循環的に選択される。言い換えれば、メモリカード90が撮影ファイルを有していないときには、QVボタン11の押下に応答して、ライブビュー画像とアルバム画像との間でのみ、表示画像が変更される。すなわち、撮影ファイルがメモリカード90内に存在しないときには、撮影ファイルを表示する画面には切り替わらない。したがって、無用な切り替えをなくすことができる。
【0080】
また、メモリカード90内にアルバムファイルも撮影ファイルも記録されていないときには、「撮影モード」のみしか選択できない。このとき、QVボタン11の押下に応答して、「メモリカードに画像がありません」という文字がLCD5に表示されるので、操作者はモード変更が不可能であることを認識できる。
【0081】
つぎに、状態ST10,ST20,ST30からの更なる状態遷移について説明する。
【0082】
状態ST10においてメニューボタン8bを押下すると状態ST11へと移行し、再びメニューボタン8bを押下すると状態ST10に戻る。状態ST11は、撮影モード内のサブモードへの変更等を行うことが可能な状態であり、撮影種類等を設定するための「撮影メニュー」がLCD5に表示される。状態ST11においては、ライブビュー画像が背景画像として表示されたまま、撮影メニュー画面の各項目がオーバーレイ表示される。
【0083】
また、状態ST20においてメニューボタン8bを押下すると状態ST21へと移行し、再びメニューボタン8bを押下すると状態ST20に戻る。状態ST21は、再生モードでの各種の設定を行うことが可能な状態であり、各種の設定動作を行うためのメニュー画面である「再生メニュー」がLCD5に表示される。状態ST21においては、撮影画像(再生画像)が背景画像として表示されたまま、再生メニュー画面の各項目がオーバーレイ表示される。
【0084】
さらに、状態ST30においてメニューボタン8bを押下すると状態ST31へと移行し、再びメニューボタン8bを押下すると状態ST30に戻る。状態ST31は、アルバム再生モードでの各種の設定を行うことが可能な状態であり、各種の設定動作を行うためのメニュー画面である「アルバム再生メニュー」がLCD5に表示される。状態ST31においては、アルバム画像が背景画像として表示されたまま、アルバム再生メニュー画面の各項目がオーバーレイ表示される。
【0085】
また、図8、図9、および図10は、それぞれ、状態ST11、状態ST21、状態ST22でのLCD5に表示されるメニュー画面G11,G21,G31を示す図である。
【0086】
図8は、状態ST11における撮影メニュー画面G11の一例を示す図である。この撮影メニュー画面G11などを用いた各種の設定操作によれば、撮影の種類を変更することなどが可能である。具体的には、メニュー画面G11の中から「単写」又は「連写」を選択すれば静止画像の撮影が可能であり、「動画」を選択すれば動画の撮影が可能である。また、音声の録音動作を行うことも可能である。たとえば、「ボイスメモ」を選択すれば、1枚の静止画像の撮影後の一定期間にわたって音声を記録することができる。また、「ボイスレコード」を選択すれば、静止画像の記録を伴うことなく、音声のみを録音することができる。
【0087】
図9は、状態ST21における再生メニュー画面G21の一例を示す図であり、図10は、状態ST31におけるアルバム再生メニュー画面G31の一例を示す図である。メニュー画面G21,G31などを用いた各種の操作によれば、撮影画像等に対する様々な設定動作を行うことが可能である。
【0088】
図9と図10とを比較すると判るように、再生メニュー画面G21とアルバム再生メニュー画面G31とは類似の構成を有している。具体的には、「プロテクト」、「削除」、「スライドショー」、「プリント指定」、「カメラのセットアップ」の各項目は、いずれのメニューにおいても存在している。すなわち、両メニュー画面G21,G22の項目は、部分的に一致している。
【0089】
言い換えれば、再生モードおよびアルバム再生モードの両モードにおけるメニュー画面はいずれも階層構造を有しており、両モードにおける同一階層のメニュー画面(たとえば、両モードの各初期画面G20,G30の次に最初に表示される第1の階層の各メニュー画面G21,G31)は、互いに一致する項目(「プロテクト」、「削除」、「スライドショー」、「プリント指定」、「カメラのセットアップ」の各項目)を有している。
【0090】
したがって、再生モードおよびアルバム再生モードのいずれのモードにおいても、「プロテクト」、「削除」、「スライドショー」、「プリント指定」、「カメラのセットアップ」の各項目に関する設定動作を、同様のメニュー画面G21,G31等を用いた類似の操作で実現することができる。これにより、操作における統一感が増大する。言い換えれば、操作者は共通操作で同様の設定動作を行うことができるので、操作性が高い。
【0091】
また、その一方で、再生モードにおけるメニュー画面G21には「再生メニュー」であることが文字を用いて明示され、アルバム再生モードにおけるメニュー画面G31には「アルバム再生メニュー」であることが文字を用いて明示される。すなわち、再生モードおよびアルバム再生モードおける各メニュー画面G21,G31は、それぞれ、再生モードおよびアルバム再生モードのいずれのモードのメニュー画面であるかを示す「識別部分」を有している。したがって、操作者は、LCD5に表示されているメニュー画面が、再生モードにおけるメニュー画面G21であるのか、あるいは、アルバム再生モードにおけるメニュー画面G31であるのかを、確実に認識することが可能である。
【0092】
特に、この実施形態においては、QVボタン11の押下に応答して再生モード(状態ST20)とアルバム再生モード(状態ST30)とが容易に切り替えられる。また、更なる操作(具体的には、メニューボタン8bの押下)に応答して、状態ST20から状態ST21へと容易に移行することもでき、同様に状態ST30から状態ST31へと容易に移行することもできる。そして、モードの移行操作等が容易であるが故に、操作者は状態ST21、ST31でのメニュー画面がいずれのモードにおけるメニュー画面であるかを誤認する事態になることが想定される。
【0093】
しかしながら、このような場合においても、各状態ST21,31における各メニュー画面G21,G31に表示されている上述の識別部分によって、表示画面が再生モードおよびアルバム再生モードのいずれのモードのメニュー画面であるかを容易に認識することができる。したがって、モードの誤認に起因する誤操作を防止できる。なお、ここでは文字を用いて識別部分を構成しているが、所定の図形等を用いて識別部分を構成するようにしてもよい。
【0094】
また、メニュー画面の各項目の左端には、3つの種類の記号(具体的には、白い菱形、黒い菱形、×印)のいずれかが表示される。×印は選択不可能な項目であることを意味し、菱形の記号は選択可能な項目であることを意味している。また、黒い菱形は現在選択されている項目を意味している。操作者が、上下方向ののキー7aまたは7bを用いて選択項目を変更し、所望の選択項目の記号が黒い菱形に変更された状態で、実行ボタン8aを押下すると、その選択項目に対する動作(具体的には、更なるサブメニュー画面の表示)が実行される。
【0095】
<アルバム登録>
つぎに、アルバム登録動作について詳細に説明する。
【0096】
図11〜図13は、登録手順について説明するための図である。図11は、再生モードにおける状態遷移図を示している。図12は登録動作の全体の流れを示すフローチャートであり、図13はその一部の流れを示すフローチャートである。
【0097】
まず、図11に示すように、状態ST20においてメニューボタン8bを押下すると状態ST21に移行する。そして、状態ST21でLCD5に表示される再生メニュー画面G21において「アルバムに追加登録」という項目をキー7を用いて選択して実行ボタン8aを押下すると、状態ST22に移行する。なお、状態ST22において、メニューボタン8bを押下すれば状態ST21に戻ることができる。
【0098】
状態ST22においては、追加登録のためのメニュー画面G22が表示される。状態ST22のメニュー画面G22においては、再生中の撮影画像が背景画像として表示されたままで、メニュー項目がオーバーレイ表示される。
【0099】
このメニュー画面G22においては、「この画像」および「一括」の2つの項目が表示されている。前者の項目「この画像」は、撮影画像を1枚ずつ登録することを指示するためのコマンドであり、後者の項目「一括」は、撮影画像フォルダ(「100MLT09」(図4参照))内の複数(ここでは全て)の撮影画像を一括して登録することを指示するためのコマンドである。
【0100】
このメニュー画面G22で、いずれかの項目が選択された後に実行ボタン8aが押下されると、全体制御部50は、一括登録の指示入力を受け付けたものと判定して、アルバム登録動作を実行する。
【0101】
このアルバム登録動作について、図12を参照しつつ説明する。
【0102】
まず、ステップSP50において、一括登録の指示が与えられているのか否かが判定される。一括登録の指示が与えられている場合には、ステップSP51に進み、そうでない場合(すなわち画像を1つずつ登録する旨の指示が与えられている場合)には、ステップSP61に進む。
【0103】
ステップSP51においては、メモリカード90の空き容量が確認される。そして、一括登録に必要な容量(言い換えれば、撮影画像フォルダ内の全ファイルをアルバム登録するために必要な容量)とメモリカード90内の空き容量(未使用領域の容量)とが比較される。一括登録に必要な容量がメモリカード90内に残存していないと判定されると、メモリカードが容量不足であることを示す文字等がLCD5に一定期間(例えば数秒間)にわたって表示され(ステップSP59)、状態ST21(図11)に戻る。一方、一括登録に必要な容量がメモリカード90内に残存していると判定されると、ステップSP52に進む。
【0104】
ステップSP52においては、撮影画像フォルダ内の最初のファイル(シリアル番号が最も小さなファイル)が、登録処理の対象ファイル(登録対象ファイル)として指定される。
【0105】
ステップSP53においては、登録対象のデータファイルに対応するアルバムファイルが既に作成されているか否か、言い換えれば、登録対象ファイルが既にアルバム登録されているファイルであるか否かが判定される。すなわち、重複登録がチェックされる。
【0106】
登録処理の対象ファイルが既にアルバム登録されていることが検出された場合には、ステップSP55に進み、重複登録の警告が出力される。例えば、登録対象ファイルと同一の撮影画像ファイルが既にアルバム登録されている旨を示す文字等が、警告としてLCD5に表示される。そして、重複登録を回避するため、登録対象ファイルのアルバム登録が禁止され、登録対象ファイルをアルバム登録することなく、ステップSP56に進む。これにより、同一の撮影画像ファイル(データファイル)を重複してアルバム登録することを回避できる。
【0107】
一方、登録対象ファイルが未だアルバム登録されていない場合には、ステップSP54のアルバムファイル作成処理に進む。
【0108】
図13は、ステップSP54,SP64におけるアルバムファイル作成処理の詳細動作(ステップSP70)を示すフローチャートである。ここでは、登録処理の対象ファイルが静止画像ファイルであることを前提に説明を行う。
【0109】
まず、ステップSP71において、対象の撮影画像ファイルの高解像度(1600×1200画素)の画像データを伸張し、その画像データをステップSP72においてVGAサイズ(640×480画素)にリサイズして再圧縮する。
【0110】
ステップSP73においては、新規のアルバム画像ファイルのファイル名が決定される。特に、新規ファイル名のシリアル番号が決定される。具体的には、デジタルカメラ1は、アルバム情報ファイル(「Album.inf」(図6参照))を参照し、既登録ファイルのシリアル番号のうち最も大きな番号(即ち最も新しく登録されたファイルのシリアル番号)を1つインクリメントした番号を、新規ファイルのシリアル番号として決定する。たとえば、図6に示すように、最後の登録ファイルが「Albm0094.jpg」である場合には、新規ファイルのシリアル番号は「0095」になる。このとき、新規のアルバム画像ファイルの名称は、「Albm0095.jpg」に決定される。この名称は、アルバムファイルであることを示す「Albm」とそのシリアル番号とデータ内容の種類が静止画像であることを示す拡張子「jpg」とを合成して生成される。
【0111】
ステップSP74においては、リサイズしたVGAサイズのデータを用いて、この名称「Albm0095.jpg」を有するアルバム画像ファイルを作成する。そして、ステップSP75において、さらにこの新規ファイルの属性を読み取り専用(リードオンリー)に設定する。これにより、この新規ファイルにプロテクトがかかることになる。
【0112】
その後、ステップSP76において、アルバム情報ファイル(「Album.inf」)にファイル「Albm0095.jpg」の情報を追記して、アルバム情報ファイルを更新する。
【0113】
再び、図12を参照する。
【0114】
次のステップSP56において、全ての撮影画像についてアルバム登録が終了したか否かが判定される。
【0115】
未処理の撮影画像が撮影画像フォルダ内に存在する場合には、次のファイルを登録対象ファイルとして指定(ステップSP57)した後、進行状況表示を行い(ステップSP58)、再びステップSP53以降の処理を繰り返す。進行状況表示には、アルバム登録中であること、および処理中のファイルが何番目のものであるかが示される。たとえば、「アルバム登録しています。...2/10」という表示によって、全10個のファイルのうち2番目のファイルを処理中であることを示すことができる。
【0116】
一方、撮影画像フォルダ内の全ての撮影画像についてのアルバム登録処理が完了している場合には、このルーチンを終了し、状態ST21に復帰する。このようにして、状態ST22(図11)において「一括」を選択して実行ボタン8aを1回押下すること(すなわち、一括登録の指示入力)に応答して、複数のアルバムファイルが作成される。登録対象画像指定のためのボタン操作および登録開始のための実行ボタン8aの押下操作という一連の操作を繰り返す必要がないので、一括登録時の操作が容易である。また、特に、撮影画像フォルダ内の「全て」の撮影画像についてのアルバム登録処理は、操作者による操作頻度が高く、そのような登録操作を容易化することが可能である。
【0117】
また、ステップSP50からステップSP61に進んだ場合(個別登録の指示が与えられた場合)にも同様の処理が行われる。ステップSP61,SP63,SP64,SP65は、それぞれ、ステップSP51,SP53,SP54,SP55と同様の処理である。ただし、ステップSP61においては、1つのファイルのアルバム登録に必要な容量がメモリカード90内に残存しているか否かが判定される。
【0118】
ところで、上記のステップSP53における重複登録チェックにおいては、アルバム情報ファイル「Album.inf」の情報が用いられる。
【0119】
アルバム情報ファイルには、図6に示すように、登録された複数のアルバムファイルのそれぞれに関する情報が含まれている。具体的には、アルバム情報ファイルには、アルバムフォルダ内に含まれる各アルバムファイルに関するファイル名およびファイル属性に加えて、各アルバムファイルの登録元の撮影画像ファイルのファイル名、その撮影画像ファイルの撮影に使用したデジタルカメラのシリアル番号、およびその撮影画像ファイルの撮影日時の情報が記述されている。
【0120】
たとえば、アルバムファイル「Albm0003.jpg」に関しては、そのファイル属性が読み取り専用(リードオンリー)であり、対応するアルバム登録時の元画像は「Pict0006.jpg」であり、その元画像の撮影日時は2002年12月01日12時34分56秒であり、その元画像の撮影に使用されたデジタルカメラの製品シリアル番号(カメラの識別番号)は「01234567」であることが記述されている。なお、製品シリアル番号は、各デジタルカメラ1のROM50bなどに格納されており、撮影時に読み出され撮影画像ファイルのタグ情報TGに記述されている。また、撮影日時もタグ情報TGに記述されている。そのため、デジタルカメラ1は、各登録対象ファイルのタグ情報TGの情報を読み出して、各種の情報をアルバム情報ファイルに記録することができる。
【0121】
上記のステップSP53においては、アルバム登録における元画像のファイル名とデジタルカメラのシリアル番号と撮影日時との3つの条件(3つの情報)が、登録対象の撮影画像ファイルと登録済みの撮影画像ファイルとの間で全て一致するか否かによって、登録対象の撮影画像ファイルが既にアルバム登録されたものか否かを判定する。元画像のファイル名だけでなく、デジタルカメラのシリアル番号および撮影日時もが一致しているか否かを考慮しているので、重複登録をより正確に判定することができる。
【0122】
なお、これに限定されず、3つの条件のうち、いずれか1つまたは2つが一致しているか否かによって重複登録を判定しても良い。たとえば、アルバム登録における元画像のファイル名とデジタルカメラのシリアル番号との2つの条件が、登録対象の撮影画像ファイルと登録済みの撮影画像ファイルとの間で全て一致するか否かによって、登録対象の撮影画像ファイルが既にアルバム登録されたものか否かを判定してもよい。元画像のファイル名だけでなく、デジタルカメラのシリアル番号もが一致しているか否かを考慮しているので、重複登録をより正確に判定することができる。たとえば、これによれば、異なるデジタルカメラで撮影され撮影日時が偶然に一致し且つファイル名も偶然に一致した2つのファイルが、本来は異なる撮影画像であることを正確に判定できる。
【0123】
また、上記実施形態においては、状態ST22において「一括」を選択して実行ボタン8aを押下するだけで、撮影画像フォルダ内の全てのファイルを一括してアルバム登録することができるので、操作が容易である。
【0124】
また、一括登録の場合には、新規登録されたアルバムファイルのシリアル番号は登録元の撮影ファイルのシリアル番号の昇順に付与されるので、両者の対応関係において、その順序が入れ替わることがない。したがって、元の撮影ファイルとアルバムファイルとの間の関係を把握しやすい。
【0125】
さらに、撮影画像の再生時には、その撮影画像が既にアルバム登録の対象となっているか否かを判定し、その撮影画像が既にアルバム登録の対象となっている場合には、登録済みを示すマークを撮影画像に重ねてLCD5に表示する。
【0126】
図14は、アルバム登録後再び状態ST20に戻ったときのLCD5での表示画面を示す図である。図14に示すように、この画面においては、撮影画像が表示されるとともに、画面内の右下側にマークMK1が撮影画像に重ねて表示されている。このマークMK1は、登録済みであることを示すものである。操作者は、このマークMK1によって、既にアルバム登録された画像であるか否かを容易に判別することが可能になる。また、状態ST20の画面だけでなく、状態ST21,ST22の画面においても、同様のマークMK1を表示を行う。これにより、いずれの状態でも同様の効果を得ることができる。
【0127】
また、上記においては、重複登録の警告を出力するとともに、同一のデータファイル(撮影画像ファイル)に基づく複数のアルバムファイル(アルバム画像ファイル)の作成を禁止する場合を例示したが、これに限定されない。
【0128】
たとえば、重複登録の警告を出力することなく、同一のデータファイルに基づく複数のアルバムファイルの作成を禁止するようにしてもよい。言い換えれば、対応するアルバムファイルが既に作成されているデータファイルについては、当該データファイルに基づくアルバムファイルの再作成を禁止するようにしてもよい。
【0129】
より詳細には、ステップSP53(図12)で重複登録が検出されたときには、ステップSP55の重複登録の警告画面を表示することなく、ステップSP54のアルバムファイルの作成処理を行わないようにしてもよい。
【0130】
あるいは、上記のように、状態ST21(図11)から状態ST22に移行した後のステップSP53,SP63における判定動作によって重複登録を回避するのではなく、状態ST21において図15に示すような画面をLCD5に表示し状態ST22に移行させないようにして重複登録を回避するようにしてもよい。図15においては、「アルバムに追加登録」の選択肢の左側の記号が×印になっており、操作者のキー操作によっても選択できない状態となっている。したがって、状態ST21から、登録操作を行う次の状態ST22(図11)に進めないため、重複登録を回避できる。このように、再生モードでの各撮影画像ファイル(データファイル)についてのメニュー画面において、アルバム登録のための選択肢を選択できないようにすることなどによって、アルバム登録済みの撮影画像ファイルに対してはアルバム登録操作を禁止するようにしてもよい。
【0131】
また、逆に、重複登録の警告を出力する場合であっても、一定の条件の下でアルバムファイルの再作成を許可するようにしてもよい。具体的には、ステップSP55の警告表示画面において、重複登録の警告を発するとともに、アルバム登録を強行するか否かを問い合わせ、強行すべき旨の指示を受け付けたときのみ、アルバム登録処理を行うようにしてもよい。この場合、ユーザによる判断の機会が得られるので、重複登録を回避することが可能である。
【0132】
<静止画像ファイル以外のアルバム登録>
図16は、デジタルカメラ1における撮影動作等によって、メモリカード90内の撮影画像フォルダ内に格納されたファイル群の一例を示す図である。
【0133】
このデジタルカメラ1においては、図16に示すような、静止画像ファイル(例えば「Pict0010.jpg」)以外のファイル、具体的には、動画像および音声に関するデータファイルもアルバム登録の対象とすることができる。より詳細には、「ボイスメモ」による音声ファイル(例えば「Pict0011.wav」)、「ボイスレコード」による音声ファイル(例えば「Pict0012.wav」)、「アフターレコーディング(アフレコとも略称する)」による音声ファイル(例えば「Pict0032.wav」)、「動画」に関する動画像ファイル(例えば「Pict0013.avi」)のそれぞれもアルバム登録の対象とすることが可能である。
【0134】
このような各種のデータファイルのアルバム登録作業の説明に先立って、各データファイルの概要について説明する。
【0135】
「ボイスメモ」、「ボイスレコード」、「動画」による各ファイルは、撮影メニュー画面G11などを用いた所定の操作によって取得される。
【0136】
例えば、撮影モードが「ボイスメモ」に設定された後にシャッタボタン9が押下されると、静止画像の撮影とともに一定時間の音声の録音が行われる。図16では、撮影動作による静止画像ファイル「Pict0011.jpg」が、ボイスメモとして録音された音声ファイル「Pict0011.wav」とともに取得される場合が示されている。両ファイルは、その拡張子が異なっているが、ファイル番号は同一である。ファイル番号を同一とすることによって、両ファイルが互いに関連付けされていることを容易に判別できる。
【0137】
また、撮影モードが「ボイスレコード」に設定された後に、シャッタボタン9が押下されると音声の録音が開始されシャッタボタン9が再度押下されると音声の録音が終了する。この録音動作によって、「ボイスレコード」による音声ファイル(たとえば「Pict0012.wav」)のみが生成される。この撮影画像フォルダ内には同一番号のファイルが存在しないため、この音声データには撮影画像が関連付けられていないことを判別できる。
【0138】
さらに、撮影モードが「動画ファイル」に設定された後に、シャッタボタン9が押下されると動画の記録動作が開始されシャッタボタン9が再度押下されると動画の記録動作が終了する。この記録動作(撮影動作)によって、動画像ファイル(たとえば「Pict0013.avi」)のみが生成される。
【0139】
また、「アフターレコーディング」による音声データは、図17に示すような状態遷移を辿ることによって取得される。具体的には、まず、状態ST21(図7も参照)でLCD5に表示される再生メニューの選択肢の中から「画像編集」の項目を選択して実行ボタン8aを押下することによって、状態ST26に移行する。そして、状態ST26でLCD5に表示されるメニュー画面(「画像編集」のサブメニュー)G26の中から「アフターレコーディング」という項目を選んで実行ボタン8aを押下すると、状態ST27に移行する。状態ST27では、マイク12による録音が実行され、LCD5においては、最大録音可能時間に対する録音済み時間の割合がプログレスバーによって表示される。その後、最大録音可能時間が経過した時、あるいは、実行ボタン8aが再度押下された時に、アフレコが終了する。そして、音声ファイルが生成されるとともに、その音声ファイルの静止画像ファイルに対する関連付けが行われる。
【0140】
たとえば、静止画像ファイル「Pict0031.jpg」の撮影の後に、静止画像ファイル「Pict0021.jpg」に対してアフレコ操作を行ったときには、音声ファイル「Pict0032.wav」が静止画像ファイル「Pict0021.jpg」に関連付けられた状態で生成される。この関連付け情報は、静止画像ファイル「Pict0021.jpg」のタグ情報TG内にデジタルカメラ1によって記録される。具体的には、関連ファイルの名称として「Pict0032.wav」が記述されることによって、両ファイルの関連付けが行われる。
【0141】
なお、アフレコによる音声ファイルとボイスメモによる音声ファイルとは次の点で相違する。すなわち、前者が撮影画像の再生時点で生成されるのに対して、後者が画像の撮影時点で生成される点で相違する。
【0142】
また、再生モードの表示画面(より詳細には状態ST21,ST22(図11参照)などでの表示画面)においては、各種のファイルは図18に示すような状態で、再生画像として表示される。図18は、各種ファイルの再生時の画面を示す図である。なお、アルバム再生モードにおいても、各ファイルの種類に応じて、図18と同様の表示画面が、アルバム画像として表示される。
【0143】
具体的には、音声ファイルと関連付けられていない静止画像ファイルは、音声との関連付けを示すマークが付与されることなくLCD5においてそのまま表示される。
【0144】
また、音声ファイルと関連付けられている静止画像ファイル(たとえば、「アフレコ」が施された静止画像ファイル、あるいは「ボイスメモ」のモードで撮影された静止画像ファイル)は、音声データであることを想起させるマークMK2がその静止画像に付与された状態でLCD5に表示される。これにより、音声に関連付けられた画像であることが明示される。なお、その後の実行ボタン8aの押下に応答して音声データの再生動作が開始される。
【0145】
さらに、他の画像ファイルに関連付けられていない音声ファイル(たとえば、「ボイスレコーディング」のモードで録音された音声ファイル)については、画像を伴うことなく、撮影画像に関連付けられていない音声データであることを明示するマークMK3がLCD5に表示される。なお、実行ボタン8aの押下に応答して音声データの再生動作が開始される。
【0146】
また、動画像ファイルについては、最初はその先頭フレームが表示される。そして、実行ボタン8aの押下に応答して動画像の再生動作が開始される。
【0147】
以上がデータファイルの概要である。
【0148】
つぎに、各種のデータファイルのアルバム登録作業について説明する。全体の流れは、図12を参照して上述した通りである。再生モードの状態ST22において、撮影画像フォルダ内の少なくとも1つの種類の少なくとも1つのファイルがアルバム登録の対象ファイルとして指定されると、上述したような流れでアルバム登録動作が実行される。
【0149】
ただし、上記においては、図13を参照しつつ、登録処理の対象ファイルが静止画像ファイルであることを前提に説明を行ったが、ここでは、より一般的なアルバムファイル作成処理(ステップSP54,SP64)について、図19および図20を参照しつつ説明する。図19および図20のアルバムファイル作成処理は、静止画像以外のファイル、具体的には図18に示すような複数の種類のファイルのそれぞれに対しても適用可能である。
【0150】
まず、ステップSP81においては、アルバム登録対象のファイルが動画像ファイル(単に動画ファイルとも称する)であるか否かが判定される。登録対象ファイルが動画ファイルである場合にはステップSP101に進み、登録対象ファイルが動画ファイルでない場合(詳細には、登録対象ファイルが静止画像ファイルまたは音声ファイルの場合)にはステップSP82に進む。
【0151】
ステップSP82に進むと、さらに登録対象が音声のみのファイルであるか否かが判定される。登録対象が音声のみのファイルである場合(すなわち、「ボイスレコーディング」による音声ファイルの場合)にはステップSP96に進み、登録対象が音声のみのファイルでない場合(すなわち、音声データに関連付けられた静止画像データである場合)にはステップSP83に進む。
【0152】
登録対象の撮影画像ファイルが単なる静止画像ファイルの場合には、ステップSP83,SP84,SP85を経た後、その撮影画像に関連付けられた音声が存在しないとステップSP86で判定されて、さらにステップSP87,SP88を経てステップSP89に進む。
【0153】
ここで、ステップSP83,SP84,SP85,SP87,SP88の各処理は、それぞれ、上述のステップSP71,SP72,SP73,SP74,SP75の各処理と同様である。また、ステップSP89では、アルバム情報ファイル(「Album.inf」)が更新される。
【0154】
一方、登録対象の撮影画像ファイルが、関連する音声ファイルを有する場合には、ステップSP83,SP84,SP85を経た後、その撮影画像に関連付けられた音声が存在するとステップSP86で判定され、さらにステップSP91,SP92,SP93,SP94,SP95を経て撮影画像ファイルおよび音声ファイルの双方をアルバム登録した後に、ステップSP89に進む。ステップSP89では、アルバム情報ファイル(「Album.inf」)が更新される。
【0155】
たとえば、「アフレコ」作業を行った静止画像ファイル「Pict0021.jpg」をアルバム登録する場合について説明する。なお、この静止画像ファイル「Pict0021.jpg」には、「アフレコ」作業によって音声ファイル「Pict0032.wav」が関連付けられている(図16参照)。また、図21はステップSP89における更新後のアルバム情報ファイルの内容を示す図である。
【0156】
この場合、まずステップSP91において、新規アルバム音声ファイルのファイル名が決定される。より詳細には、新規アルバム音声ファイルに対して、ステップSP85で決定された新規アルバム画像ファイルの名称と同一の名称(ただし拡張子部分を除く)が付与されることが決定される。たとえば、静止画像ファイル「Pict0021.jpg」のアルバム登録ファイルに対して「Albm0101.jpg」という名称が付与される場合には、音声ファイル「Pict0032.wav」のアルバム登録ファイルに対して「Albm0101.wav」という名称が付与される。このように、新規アルバム画像ファイルと新規アルバム音声ファイルとは、先頭の8文字(最初の「Albm」の4文字およびそれに続くシリアル番号を示す4文字)は同一である。したがって、関連性を識別しやすい。
【0157】
次のステップSP92においては、新規アルバム画像ファイルのタグ情報として、当該新規アルバム画像ファイルに関連する新規アルバム音声ファイル名を記録する。たとえば、新規アルバム画像ファイル「Albm0101.jpg」のタグ情報に、新規アルバム音声ファイル「Albm0101.wav」に対する関連付け情報が記述される。この関連付け情報によっても、両ファイルの関連性を認識できる。
【0158】
そして、ステップSP93においては、実際にアルバム画像ファイルがアルバムフォルダ内に新規に作成され、その新規のアルバム画像ファイルに読み取り専用の属性が付与される。また、ステップSP94では、実際にアルバム音声ファイルをアルバムフォルダ内に新規に作成する。新規のアルバム音声ファイルは、ファイル「Albm0101.wav」をコピー(複製)して作成され、そのファイル名称として、ステップSP91で決定された名称が付与される。そして、ステップSP95においては、アルバム音声ファイルに対しても読み取り専用属性が付与される。
【0159】
また、登録対象のファイルが、「ボイスレコーディング」により得られた音声データである場合には、ステップSP82からステップSP96に進み、ステップSP94,SP95を経て「ボイスレコーディング」による音声ファイルが単独でアルバム登録される。また、アルバム登録における登録内容は、アルバム情報ファイル(「Album.inf」)に記述される(ステップSP89)。
【0160】
具体的には、ステップSP96においては、新規アルバム音声ファイルの名称が決定される。具体的には、アルバムファイルであることを示す4文字「Albm」の後に、4文字のシリアル番号を付加することによって決定される。シリアル番号は、アルバム情報ファイルに記載されたアルバムファイルの最後尾のシリアル番号に1を足した値として決定される。また、ファイルの拡張子としては、音声ファイルであることを示す「wav」が付与される。その後、ステップSP96で決定された名称新規のアルバム音声ファイルがアルバムフォルダ内に実際に作成され(ステップSP94)、そのアルバム音声ファイルに対して読み取り専用属性が付与される(ステップSP95)。その後、ステップSP89で、アルバム情報ファイル(「Album.inf」)が例えば図22のように更新される。図22は、音声ファイル「Pict0012.wav」のコピーファイルが、アルバム音声ファイル「Albm0101.wav」としてアルバムフォルダ内に作成されたときのアルバム情報ファイルの一部を示している。
【0161】
また、登録対象のファイルが動画像である場合には、ステップSP81からステップSP101に進む。ステップSP101では、アルバム登録ファイルとして、動画像の先頭フレームのみをアルバム登録する旨と動画像の全フレームをアルバム登録する旨とのうちのいずれの選択肢が選択されているかが判定される。
【0162】
デジタルカメラ1においては、このような設定に関する選択操作を、図23に示すような画面を用いてあらかじめ行っておくことが可能である。この画面は、状態ST11,ST21,ST31で項目「カメラのセットアップ」を選択して表示されるメニュー画面において、さらに「動画ファイルのアルバム登録」という項目を選択することによってLCD5に表示される。そして、この画面内の「先頭フレームのみ」および「全フレーム」のうちの所望の選択肢を上下方向のキー7a,7bおよび実行ボタン8aを用いて選択することによって、所望の設定状態とすることができる。
【0163】
ステップSP101において、動画像の先頭フレームのみをアルバム登録する旨が設定されていると判定される場合には、動画像の先頭フレームのみを切り出して(ステップSP102)、さらにステップSP84に進む。その後、ステップSP85,SP86,SP87,SP88を経由して、動画像の先頭フレームである静止画像が、アルバムフォルダ内にアルバムファイルとして登録される。その後、ステップSP89で、アルバム情報ファイル(「Album.inf」)が例えば図24のように更新される。図24は、動画像ファイル「Pict0013.avi」の先頭フレームの静止画像のコピーファイルが、アルバム画像ファイル「Albm0101.jpg」としてアルバムフォルダ内に作成されたときのアルバム情報ファイルの一部を示す図である。
【0164】
一方、ステップSP101において、動画像の全フレームをアルバム登録する旨が設定されていると判定される場合には、動画像ファイル自体をアルバム登録する。
【0165】
具体的には、デジタルカメラ1は、新規アルバムファイルのファイル名を決定する(ステップSP103)。詳細には、アルバム情報ファイルを参照して、既存のアルバムファイルのシリアル番号のうち最も大きな番号を1つインクリメントした値をシリアル番号とするファイル名を決定する。そして、登録対象の動画像ファイルをアルバムフォルダ内にコピーしてアルバム動画ファイルを作成する(ステップSP104)。新規のアルバム動画ファイルには、ステップSP103で決定された名称が付与される。そして、そのアルバム動画ファイルのファイル属性が読み取り専用に設定される(ステップSP105)。その後、ステップSP89で、アルバム情報ファイル(「Album.inf」)が例えば図25のように更新される。
【0166】
図25は、動画像ファイル「Pict0013.avi」自体のコピーファイルが、アルバム動画ファイル 「Albm0101.avi」としてアルバムフォルダ内に作成されたときのアルバム情報ファイルの一部を示す図である。
【0167】
このように、様々な種類のファイルをアルバム登録することが可能である。
【0168】
以上のように、デジタルカメラ1は、撮影によって得られる撮影画像を撮影動作に伴って撮影画像フォルダに格納するように構成される。そして、操作者が気に入った撮影画像を保存しておくために所定の操作を行った場合には、撮影画像フォルダに格納された撮影ファイルに対応するアルバムファイルが、撮影画像フォルダとは異なる領域のアルバムフォルダに格納されるようになっている。
【0169】
また、アルバムフォルダへの登録時においてアルバムファイルのファイル属性が読み取り専用に設定されるので、各アルバムファイルにはプロテクトがかけられることとなり、誤操作等によるデータ改変や削除が防止される。なお、アルバムファイルに設定されたプロテクトは、後述するように解除することが可能である。
【0170】
そしてアルバムファイルにプロテクトがかけられている場合、アルバム再生モード時には、当該ファイルに対し、データの削除及び改変が禁止された状態(プロテクトされた状態)にあることを明示するように画面表示が行われる。例えば、図26に示すように、アルバム再生モード時の状態ST30において、アルバム画像等が表示されるとともに、画面内の右上側にマークMK4がアルバム画像等に重ねて表示される。このマークMK4は、再生対象となっているアルバムファイルがプロテクトされた状態であることを示すものである。操作者は、このマークMK4によって、LCD5に表示されている画像等のアルバムファイルが削除等を禁止された状態であることを容易に判別することが可能である。また、状態ST30の画面だけでなく、状態ST31等の画面においても、同様のマークMK4を表示を行う。これにより、いずれの状態でも同様の効果を得ることができる。
【0171】
また、この実施形態においては、音声ファイルに関連付けられた画像ファイル(例えば、「ボイスメモ」で撮影された画像ファイル)を、アルバム登録の対象として指定すると、その画像ファイルだけでなく、その画像ファイルに関連付けられた音声ファイルもアルバムファイルとして登録される。したがって、音声ファイルを別個に登録する操作を要することなく、画像ファイルおよび音声ファイルの両ファイルをアルバム登録することが可能である。すなわち、操作が簡易である。このように、他のファイルに関連付けがなされているファイル(例えばボイスメモの画像ファイル)が一括登録の対象とされているときには、当該他のファイル(例えばボイスメモの音声ファイル)に基づくファイルもアルバムファイルとして作成されるので、アルバム登録操作が簡易である。
【0172】
また、一括登録時においても、画像ファイルに基づくアルバムファイルが作成されるだけでなく、その画像にファイルに関連付けられた音声データ等のファイルに基づくアルバムファイルも作成される。したがって、関連付けがなされているファイルをも含め漏れなく確実にアルバム登録することができる。特に、上記のような一括登録操作によって所定フォルダ内の全てのファイルをアルバム登録する場合には、関連付けられたデータファイルをも含め、所定フォルダ内の全てのファイルを簡易にアルバム登録することが可能である。
【0173】
さらに、アルバムファイルの関連付け情報は、アルバム情報ファイルで一括管理されている。具体的には、アルバム情報ファイルは、互いに関連付けがなされたファイルに対応するアルバムファイル相互間の関連付け情報を有しており、全体制御部50は、このアルバム情報ファイルを用いて、関連付け情報を管理している。このように、アルバムファイル相互間の関連付け情報はアルバム情報ファイルを用いて一括管理されているので、関連付け情報をアルバムファイル単位のみで管理する場合に比べて一覧性が高く管理が容易である。
【0174】
また、図23において動画像の先頭フレームのみをアルバム登録する旨が選択されている場合には、その動画像ファイルの特定のフレーム(ここでは先頭フレーム)に対応する静止画像ファイルが、その動画像ファイルに対応するアルバムファイルとして作成される。この場合、当該動画像ファイルの全体がアルバムファイルとしてアルバム登録される場合に比べて、ファイル容量(データサイズ)を抑制することができる。
【0175】
<撮影画像フォルダに格納されたデータのプロテクト>
つぎに、撮影画像フォルダに格納された撮影ファイルのプロテクトについて説明する。
【0176】
上述のように、撮影又は録音によって得られる画像データ若しくは音声データは、撮影又は録音に伴い、アーカイブ属性が与えられた撮影ファイルとして撮影画像フォルダに格納される。言い換えれば、撮影又は録音によって得られる撮影ファイルは、データ改変や削除が許可された状態で撮影画像フォルダに格納される。そのため誤操作等によって撮影ファイルが簡単に削除されてしまう可能性がある。
【0177】
それを防止するため、デジタルカメラ1は、操作者によるプロテクト設定操作に基づいて、撮影画像フォルダに格納された撮影ファイルに対してもプロテクトをかけることができるようになっている。
【0178】
図27はデジタルカメラ1における状態遷移図であり、撮影ファイルに対してプロテクトをかける場合の状態遷移を、LCD5における表示状態の変化を中心に示した図である。図27に示すように、再生モードにおいて撮影画像等がLCD5に表示されている状態ST20において、操作者がメニューボタン8bを押下すると、再生メニュー画面が表示され、状態ST21に移行する。このとき操作者が、LCD5に表示される再生メニューの選択肢の中から「プロテクト」の項目を選択して実行ボタン8aを押下することによって、状態ST23に移行する。
【0179】
状態ST23に示すプロテクト操作画面では、選択項目として「この画像」,「一括」,「この画像のプロテクト解除」および「一括プロテクト解除」の4項目が表示される。「この画像」は、再生対象となっている画像等であって、その時点で画面背景に表示されている画像等に対してプロテクト設定を行うための選択項目である。また「一括」は、撮影画像フォルダに格納されている全ての撮影ファイルに対して一括的にプロテクト設定を行うための選択項目である。また「この画像のプロテクト解除」は、再生対象となっている画像等であって、その時点で画面背景に表示されている画像等に対して設定されているプロテクト設定を解除するための選択項目である。さらに「一括プロテクト解除」は、撮影画像フォルダに格納されている全ての撮影ファイルに対して一括的にプロテクト解除を行うための選択項目である。
【0180】
上記の選択項目のうち、操作者が一の選択項目を選択して実行ボタン8aを押下することにより、指定された撮影ファイルのファイル属性ATが変更され、状態ST21に戻る。例えば、プロテクトの設定操作が選択された場合には、選択された撮影ファイルのファイル属性が、「アーカイブ属性」から「読み取り専用属性」に変更される。そして撮影画像ファイルに対してプロテクト設定が行われると、再生対象となっている画像等がプロテクトされた状態であることを明示するために、画面上の一部にマークMK5が表示される(図27参照)。このマークMK5の表示により、操作者は、LCD5に表示されている画像等の撮影ファイルが削除等を禁止された状態であることを容易に判別することが可能である。
【0181】
<アルバム登録されたデータの削除>
つぎに、アルバムフォルダに登録されたアルバムファイルを削除する場合について説明する。
【0182】
既述のように、撮影又は録音によって撮影画像フォルダに格納されたファイルが、アルバム登録操作によってアルバムフォルダに登録されると、その時点でアルバムファイルにプロテクトがかけられており、そのままではアルバムフォルダに格納されたアルバムファイルを削除することができない状態になっている。
【0183】
そのためアルバムファイルを削除する場合には、まずアルバムファイルに設定されたプロテクトを解除する処理が必要になる。プロテクトの解除は、操作者がプロテクトの解除操作を行うことによって実行される。
【0184】
図28は、デジタルカメラ1における状態遷移図であり、アルバムファイルに対してプロテクトの設定状態を変更する場合の状態遷移を、LCD5における表示状態の変化を中心に示した図である。図28に示すように、アルバム再生モードにおいてアルバム画像等がLCD5に表示されている状態ST30において、操作者がメニューボタン8bを押下すると、アルバム再生メニュー画面が表示され、状態ST31に移行する。
【0185】
状態ST31では、アルバムファイルのプロテクト設定が解除されていない場合、アルバム再生メニュー画面における「削除」の項目が選択不可能な状態で表示され(図28では×マークが付与)、再生対象となっているアルバムファイルの削除が選択されることを禁止している。このとき操作者が、LCD5に表示される再生メニューの選択肢の中から「プロテクト」の項目を選択して実行ボタン8aを押下することによって、状態ST33に移行する。
【0186】
状態ST33に示すプロテクト操作画面では、選択項目として撮影ファイルに対する項目(図27の状態ST23参照)と同様の項目が表示される。すなわち、「この画像」,「一括」,「この画像のプロテクト解除」および「一括プロテクト解除」の4項目が表示される。各項目は撮影ファイルに対してプロテクト設定を行う場合と同様の選択項目である。したがって、操作者は、LCD5に背景画像等として表示される1つのアルバムファイルのプロテクトを解除したい場合には「この画像のプロテクト解除」を選択し、アルバムフォルダに格納された全てのアルバムファイルのプロテクトを一括的に解除したい場合には「一括プロテクト解除」を選択する。そして実行ボタン8aを押下することにより、選択されたアルバムファイルのファイル属性ATが、「読み取り専用属性」から「アーカイブ属性」に変更される。また、このときアルバムフォルダに格納されるアルバム情報ファイル(「Album.inf」)が書き換えられる。
【0187】
図29はアルバム情報ファイルの書き換えの例を示す図である。アルバムフォルダに格納されたアルバムファイル(Albm0003.jpg)のプロテクト解除に伴い、アルバムファイル(Albm0003.jpg)のファイル属性ATがアーカイブ属性に変更されるとともに、図29に示すように、アルバム情報ファイル(「Album.inf」)に示されるファイル属性も、「読み取り専用属性(ReadOnly)」から「アーカイブ属性(Archive)」に変更される。
【0188】
そしてファイル属性を変更した後、状態ST31に戻る。このとき、LCD5の画面一部に表示されていたマークMK4は非表示に切り換えられ、表示対象となっているアルバムファイルに設定されていたプロテクトが解除されたことを視覚的に把握できるようになっている。
【0189】
以上の動作でアルバムファイルのプロテクト設定が解除され、プロテクトが解除されたアルバムファイルは削除可能な状態になる。なお、一旦プロテクトが解除されたアルバムファイルに対して再度プロテクト設定を行う場合には、上述した撮影ファイルに対するプロテクト設定操作と同様の操作を行えばよい。
【0190】
図30は、デジタルカメラ1における状態遷移図であり、プロテクトが解除されたアルバムファイルを削除する場合の状態遷移を、LCD5における表示状態の変化を中心に示した図である。
【0191】
図30に示すように、アルバム再生モードにおいてアルバム画像等がLCD5に表示されている状態ST30において、操作者がメニューボタン8bを押下すると、アルバム再生メニュー画面が表示され、状態ST31に移行する。状態ST31では、アルバムファイルのプロテクト設定が解除されている場合、アルバム再生メニュー画面における「削除」の項目が選択可能な状態で表示される。このとき操作者が、LCD5に表示される再生メニューの選択肢の中から「削除」の項目を選択して実行ボタン8aを押下することによって、状態ST34に移行する。
【0192】
状態ST34では、「アルバム画像の削除」という画面タイトルが付された削除操作画面が表示される。これにより、削除対象がアルバムフォルダに格納されたアルバム画像等であることが把握できる。また、この削除操作画面では、選択項目として「この画像」および「一括」の2項目が表示される。「この画像」は、再生対象となっている画像等であって、その時点で画面背景に表示されている画像等をアルバムフォルダから削除するための選択項目である。また「一括」は、アルバムフォルダに格納されている全てのアルバムファイルを一括的に削除するための選択項目である。
【0193】
上記の選択項目のうち、操作者が一の選択項目を選択して実行ボタン8aを押下することにより、指定されたアルバムファイルが削除対象として決定される。そして状態ST34aに移行する。
【0194】
状態ST34aでは、操作者がアルバムファイルを削除しようとしていることを示す警告表示がLCD5に表示される。この警告表示が行われているときに、操作者がメニューボタン8bを押下すれば、選択されたアルバムファイルは削除されることなく、状態ST31に戻る。これに対し、警告表示が行われているときに、操作者が実行ボタン8aを押下すれば、状態ST35に移行し、選択されたアルバムファイルの削除処理が実行される。状態ST34aの警告表示は、誤操作等によるアルバムファイルの削除を防止するために行われるものであり、この警告表示において操作者にさらなる入力操作を促すことにより、アルバムファイルが誤って削除されてしまうことを防止している。
【0195】
状態ST35では、LCD5にアルバムファイルを削除中である旨の表示が行われ、指定されたアルバムファイルがアルバムフォルダから削除される。このとき、全体制御部50は、アルバム情報ファイルを参照することにより、削除対象となったアルバムファイルの登録元の撮影ファイルを特定し、撮影画像フォルダに登録元となった撮影ファイルが存在するか否かを判定する。そして登録元となった撮影ファイルが存在する場合には、登録元の撮影ファイルのタグ情報TGの書き換えが行われる(状態ST35a)。具体的には、タグ情報TGの「アルバム登録の有無」に関する情報が「有」から「無」に書き換えられる。そしてアルバム情報ファイル(「Album.inf」)から削除対象となったアルバムファイルに関する情報が削除され(状態ST35b)、状態31に戻る。
【0196】
以上の動作で、登録動作に伴ってアルバムフォルダに格納されたアルバムファイルの削除が完了する。
【0197】
つぎに、撮影フォルダに格納された撮影ファイルを削除する場合について説明する。撮影フォルダに格納される撮影ファイルには、原則的にアーカイブ属性が付与される。操作者によって撮影ファイルにプロテクト設定が行われている場合には、削除操作に先立ってアルバムファイルの場合と同様に、プロテクトを解除する操作が行われる。そしてプロテクトが解除された後、削除可能な状態になる。
【0198】
図31は、デジタルカメラ1における状態遷移図であり、プロテクト設定が行われていない撮影ファイルを削除する場合の状態遷移を、LCD5における表示状態の変化を中心に示した図である。図31に示すように、再生モードにおいて撮影画像等がLCD5に表示されている状態ST20において、操作者がメニューボタン8bを押下すると、アルバム再生メニュー画面が表示され、状態ST21に移行する。状態ST21では、撮影ファイルにプロテクト設定が行われていない場合、再生メニュー画面における「削除」の項目が選択可能な状態で表示される。このとき操作者が、LCD5に表示される再生メニューの選択肢の中から「削除」の項目を選択して実行ボタン8aを押下することによって、状態ST24に移行する。
【0199】
状態ST24では「撮影画像の削除」という画面タイトルが付された削除操作画面が表示される。これにより、削除対象が撮影画像フォルダに格納された撮影画像等であることが把握できる。また、この削除操作画面では、選択項目として「この画像」および「一括」の2項目が表示される。これらの項目は、アルバムファイルを削除する場合の項目と同様である(図30の状態ST34参照)。これら選択項目のうち、操作者が一の選択項目を選択して実行ボタン8aを押下することにより、指定された撮影ファイルが削除対象として決定される。そして状態ST25に移行し、LCD5に撮影ファイルを削除中である旨の表示が行われ、指定された撮影ファイルが撮影画像フォルダから削除される。そして削除処理が完了すると、状態21に戻る。
【0200】
以上の動作で、撮影動作や録音動作に伴って撮影画像フォルダに格納された撮影ファイルの削除が完了する。
【0201】
上記のようにデジタルカメラ1は、メモリカード90に格納されたファイルを削除する際、削除対象となるファイルが、撮影ファイルおよびアルバムファイルのいずれであるかを明確に区別できるようにタイトルを付した画面表示を行うので、アルバムファイルが誤って削除される可能性を低減することができるようになっている。
【0202】
また特に、アルバムファイルに対して削除指示が与えられた場合には、撮影ファイルの場合には表示されない警告表示(例えば、図30の状態ST34a)を行うので、警告表示の段階で削除対象がアルバムファイルであることを認識しやすくなっており、操作者の誤操作等によってアルバムファイルが削除されることを防止できる。すなわち、削除対象ファイルが撮影ファイルである場合とアルバムファイルである場合とで同一の画面表示形態を採用すると、操作者は撮影ファイルを削除しようとして誤ってアルバムファイルを削除する可能性があるのに対し、上記のようにアルバムファイルを削除する場合には撮影ファイルを削除する場合と異なる表示を行うように構成することで、アルバムファイルが不意に削除されてしまうことを防止できる。
【0203】
また、アルバムファイルは、登録時にプロテクトがかけられた状態となっており、アルバムファイルを削除又は変更する際には、まずプロテクトを解除する操作が必要になっていることからも、アルバムファイルが不意に削除されたり、変更されることを防止できるようになっている。
【0204】
なお、アルバムファイルの削除処理が実行されると、アルバムフォルダから選択されたアルバムファイルが削除されることになるが、アルバムフォルダから削除されたアルバムファイルを他のフォルダ(例えば、ゴミ箱フォルダのような特定フォルダ)に移動させるようにしてもよい。削除されたファイルを他の特定フォルダに保存しておくことにより、誤操作等によって削除されたファイルを復活させることができるので、ファイル保護の点で有益である。また、撮影ファイルを削除した際にも特定フォルダにファイルを移動させるようにしてもよい。
【0205】
<画像編集等>
このデジタルカメラ1においては、所定の操作によって撮影ファイルに対する編集処理が可能である。
【0206】
つぎに、この編集処理について説明する。編集処理としては、たとえば画像編集処理が存在する。また、画像編集処理としては、画像自体を加工する画像加工処理、および画像に音声を付加するアフレコ処理などが存在する。画像加工処理としては、たとえば、静止画像に対する回転、明るさ変換、色変換の各処理、および動画像に対する指定範囲抽出処理を行うことが可能である。これらの編集処理は、全体制御部50の制御下において行われる。
【0207】
なお、撮影ファイルに対する編集作業は、これに限定されず、音声データの編集作業(圧縮処理など)であってもよい。
【0208】
以下では、まず、静止画像に対する回転処理を中心に説明する。
【0209】
図32は、画像の回転処理における状態遷移を示す図である。図32に示すように、状態ST21でLCD5に表示される再生メニュー画面G21(図9)において「画像編集」という項目を選択して実行ボタン8aを押下すると、状態ST26に移行する。そして、状態ST26でLCD5に表示されるメニュー画面G26において「回転」という項目を選択して、実行ボタン8aを押下すると、状態ST28に移行する。
【0210】
状態ST28においては、回転の種類を選択するための選択肢が示されている。具体的には、+90度の回転処理、−90度の回転処理のいずれかが選択可能である。状態ST28の画面G28には、これら2種類の回転処理のシミュレーション結果を示す画像が選択肢として表示されている。そして、操作者が、左右方向のキー7c,7dを用いて所望の画像を選択し実行ボタン8aを押下すると、次の状態ST29に移行する。
【0211】
状態ST29では、編集処理後の画像を編集処理前の画像に上書きするかあるいは新規ファイルとして作成するか、を決定するためのダイアログが表示される。操作者が、そのダイアログの選択肢のうち所望の選択肢を選択し実行ボタン8aを押下して「新規作成指示」あるいは「上書き指示」を入力すると、編集処理(回転処理)等が開始される。
【0212】
図33は、回転処理を示すフローチャートである。回転処理は、図33に示すように、操作者によって指定された回転角度(ここでは回転方向)に応じて分岐処理(ステップSP111)がなされた後、所定の座標変換を行うことにより実現される。具体的には、+90度の回転についての変換処理(ステップSP112)、あるいは、−90度の回転についての変換処理(ステップSP113)が行われる。
【0213】
その後、状態ST29での指定に応じて、編集処理後の画像が、新規ファイルとして、あるいは編集処理前と同一の名称のファイルとして、保存される。編集処理後の画像ファイルのタグ情報には、その画像が編集処理後のものであることなども追加して記録される。なお、新規ファイルとして保存される場合には、その名称に含まれるシリアル番号は、直近に撮影等されたファイルのシリアル番号を1つインクリメントした値となる。
【0214】
つぎに、静止画像に対する明るさ変換処理について説明する。操作者が、状態ST26でLCD5に表示されるメニュー画面G26(図32)において「明るさ」という項目を選択して実行ボタン8aを押下すると、「明るさ」の変更を行うための画面GBがLCD5に表示され、明るさ変換処理が実行される。
【0215】
図34は、画面GBを示す図である。画面GBにおいてはスライダSDが表示されている。操作者は、このスライダSD内の黒色部分の先頭を左右方向のキー7c,7dを用いて左側または右側に移動させることによって、明るさ変換のための係数(パラメータ)Kを変更することができる。
【0216】
係数Kは、各画素の各色成分値(R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー))の変換係数である。変換前の各色成分値に係数Kを乗じた値が、新たな各色成分値として算出される。ここでは、係数Kは、下限値0.5から上限値1.5までの0.1刻みの10段階の値のいずれかに変更される。具体的には、左右方向のキー7cまたは7dを1回押下するごとに、スライダSDの黒色部分の先頭が左側または右側に移動し、係数Kは−0.1または+0.1変更される。また、画面GBにおいては、その係数Kで明るさ変換が行われたときの変換後の画像が背景画像として表示される。これにより、操作者は変換結果をプレビューすることができる。
【0217】
図35は、明るさ変換処理を示すフローチャートである。
【0218】
まず、左右方向のキー7c,7dが押下されたか否かを判定し(ステップSP121)、キーの押下が検出されたときには係数Kの値を変更する(ステップSP122)。具体的には、左側のキー7cが押下されたときには、係数Kの値は直前の設定値から0.1を差し引いた値として設定され、右側のキー7dが押下されたときには、係数Kの値は直前の設定値に0.1を加えた値として設定される。
【0219】
その後、スライダSDの表示が更新され(ステップSP123)、画面GB内に背景画像として表示されるプレビュー画像の明るさを変換する(ステップSP124)。具体的には、プレビュー画像の各画素の各色成分値(R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー))に係数Kを乗じた値を、新たな各色成分値として算出することによって、プレビュー画像を更新する。
【0220】
同様の動作が繰り返された後、操作者によって実行ボタン8aが押下されたことが判定される(ステップSP125)と、明るさ変換における係数Kが決定されたものとして、ステップSP126に進み、今度は、記録用画像の実際の明るさ変換処理が行われる。具体的には、撮影画像の高解像度の画像データDPの各画素の各色成分値(R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー))に係数Kを乗じた値を、新たな各色成分値として算出することによって、撮影画像の画像データDPを作成する。
【0221】
その後、処理結果の保存に関する画面が表示される。操作者は、この画面で、編集処理後の画像を新規ファイルとして作成するかあるいは編集処理前のファイルに上書きするかなどについて所望の選択肢を選択して実行ボタン8aを押下する。この押下に応答して、編集処理後の画像が、新規ファイルとして、あるいは編集処理前と同一の名称のファイルとして保存される。保存に際しては、回転編集時と同様の処理が施される。
【0222】
以上により、明るさ変換処理が行われる。
【0223】
つぎに、静止画像に対する色変換処理について説明する。操作者が、状態ST26でLCD5に表示されるメニュー画面G26(図32)において「色変換」という項目を選択して実行ボタン8aを押下すると、「色変換」の変更を行うための画面GCがLCD5に表示され、色変換処理が実行される。
【0224】
図36は、画面GCを示す図である。画面GCにおいては各色成分ごとにスライダSDが表示されている。操作者は、まず、上下方向のキー7a,7bを用いてカーソルCRを移動させ変換対象の色成分を選択する。そして、選択した色成分について、上記と同様に、スライダSD内の黒色部分の先頭を、左右方向のキー7c,7dを用いて左側または右側に移動させることによって、色変換のための各係数(パラメータ)Kr,Kg,Kbを変更することができる。
【0225】
係数Kr,Kg,Kbは、それぞれ、画素の各色成分値(R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー))の変換係数である。変換前の各R成分値に係数Krを乗じた値が、新たなR成分値として算出される。また、変換前の各G成分値に係数Kgを乗じた値が、新たなG成分値として算出され、変換前の各B成分値に係数Kbを乗じた値が、新たなB成分値として算出される。
【0226】
ここでは、係数Kr,Kg,Kbは、それぞれ、下限値0.5から上限値1.5までの0.1刻みの10段階の値のいずれかに変更される。また、画面GCにおいては、その係数Kr,Kg,Kbで色変換が行われたときの変換後の画像が背景画像として表示される。これにより、操作者は変換結果をプレビューすることができる。
【0227】
図37は、色変換処理を示すフローチャートである。
【0228】
まず、変換対象色を決定する。変換対象色の変更は、上述したように、上下方向のキー7a,7bの押下によって受け付けられる。
【0229】
ステップSP131においては、現在選択されている変換対象色がいずれであるかが判定され、その判定結果に応じた分岐処理が行われる。
【0230】
変換対象色として、R(レッド)成分が選択された場合にはステップSP131からステップSP132に進み、G(グリーン)成分が選択された場合にはステップSP131からステップSP133に進み、B(ブルー)成分が選択された場合にはステップSP131からステップSP134に進む。各ステップSP132,SP133,SP134は、それぞれ同様の処理であり、ここでは、ステップSP132を中心に説明する。
【0231】
ステップSP132においては、まず、左右方向のキー7c,7dが押下されたか否かを判定し(ステップSP141)、キーの押下が検出されたときには係数Krの値を変更する(ステップSP142)。変更手法については上記の係数Kと同様である。
【0232】
その後、スライダSDの表示が更新され(ステップSP143)、画面GC内に背景画像として表示されるプレビュー画像の色を変換する(ステップSP144)。具体的には、プレビュー画像の各画素のR成分値に係数Krを乗じた値を、新たなR成分値として算出することによって、プレビュー画像を更新する。
【0233】
他のG成分およびB成分が変換対象色として選択された場合も同様であり、係数Kg,Kbの変更によりプレビュー画像が更新される。
【0234】
同様の動作が繰り返された後、操作者によって実行ボタン8aが押下されたことが判定される(ステップSP135)と、色変換における係数Kr,Kg,Kbが決定されたものとして、ステップSP136に進み、今度は、記録用画像の実際の色変換処理が行われる。具体的には、撮影画像の高解像度の画像データDPの各画素の各色成分値(R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー))に係数Kr,Kg,Kbをそれぞれ乗じた値を、新たな各色成分値として算出することによって、撮影画像の画像データDPを作成する。
【0235】
その後、処理結果の保存に関する設定画面が表示される。操作者は、この設定画面で、編集処理後の画像を新規ファイルとして作成するかあるいは編集処理前のファイルに上書きするかなどについて所望の選択肢を選択して実行ボタン8aを押下する。この押下に応答して、編集処理後の画像が、新規ファイルとして、あるいは編集処理前と同一の名称のファイルとして保存される。保存に際しては、回転編集時等と同様の処理が施される。
【0236】
以上により、色変換処理が行われる。
【0237】
つぎに、動画像に対する編集処理について説明する。操作者が、状態ST26でLCD5に表示されるメニュー画面G26(図32)において「動画編集」という項目を選択して実行ボタン8aを押下すると、図38に示すような、「動画編集」作業用の画面GD(GD1)がLCD5に表示される。なお、図32のメニュー画面G26においては、表示対象ファイルが静止画像ファイルであるため、項目「動画編集」が選択できないように示されているが、表示対象ファイルが動画像ファイルであるときには、項目「動画編集」を選択することが可能になる。
【0238】
図38に示すように、画面GDは、動画像データを構成する複数のフレーム画像の1つを表示するフレーム画像表示領域R1と、フレーム画像(以下、単にフレームとも称する)の動画像内での位置等を示すバー領域R2とを有している。操作者が左右方向のキー7cあるいは7dを押下するごとに、領域R1での表示対象となるフレームは1つずつ戻されあるいは進められる。なお、領域R1の右側には、表示対象のフレームのフレーム番号が表示されている。
【0239】
操作者は、領域R1に表示されるフレームをみながら、動画ファイルの抽出対象区間の先頭フレームFsと最終フレームFeとを決定する。両フレームFs,Feの決定には、実行ボタン8aが用いられる。具体的には、実行ボタン8aの1回目の押下によって先頭フレームFsが決定され、実行ボタン8aの2回目の押下によって最終フレームFeが決定される。実行ボタン8aの1回目および2回目の押下に先立って、操作者は所望のフレームを領域R1に表示させておく。
【0240】
バー領域R2には選択結果が表示される。なお、バー領域R2は、その全長を動画像全体の長さに対応させ、動画像全体における各フレームの位置などを図案化して示すものである。
【0241】
具体的には、実行ボタン8aが1回目に押下されると、バー領域R2においては、表示対象フレームの動画像全体内での位置Psよりも左側の部分は非選択領域(図の白色領域)として確定される。この時点では、位置Psよりも右側の部分が選択領域(図の斜線領域)として示されている。
【0242】
そして、実行ボタン8aが2回目に押下されると、バー領域R2においては、表示対象フレームの動画像全体内での位置Peよりも右側の部分は非選択領域として確定される。この結果、位置Psと位置Peとの間の領域が選択領域として決定される。また、図39においては、動画像全体において、先頭フレームFsから最終フレームFeまでの区間が選択領域SZとして決定された様子が示されている。
【0243】
図40は、この動画編集処理を示すフローチャートである。
【0244】
まず、左右方向のキー7c,7dが押下されたか否かを判定し(ステップSP151)、キーの押下が検出されたときには表示対象フレームを変更する(ステップSP152)。具体的には、左側のキー7cが押下されたときには表示対象フレームを一つ戻し、右側のキー7dが押下されたときには表示対象フレームを一つ進める。
【0245】
その後、実行ボタン8aが押下されるまではステップSP151,SP152の処理を繰り返し、実行ボタン8aボタンが押下されたときには、ステップSPからステップSP154に進む。
【0246】
ステップSP154では実行ボタン8aの押下が何回目かが判定される。
【0247】
実行ボタン8aの押下が1回目であるときには、未だ先頭フレームFsが決定されていないと判定して、ステップSP155に進み、実行ボタン8a押下時に表示対象として選択されているフレームを先頭フレームFsとして決定する。その後、再びステップSP151に戻り、表示対象フレームの変更動作が続行される。
【0248】
一方、実行ボタン8aの押下が2回目であるときには、既に先頭フレームFsが決定されていると判定して、ステップSP156に進み、実行ボタン8a押下時に表示対象として選択されているフレームを最終フレームFeとして決定する。
【0249】
その後、「動画ファイルを作成しますか?」という文字を有する確認用ダイアログがLCD5に表示される(ステップSP157)。このダイアログ(図示せず)には、「はい」と「いいえ」という2つの選択肢が存在する。操作者は、キー操作によっていずれかの選択肢を選択した後に、実行ボタン8aを押下する。
【0250】
実行ボタン8aが押下されたことが判定される(ステップSP158)とステップSP159に進み、「はい」および「いいえ」のいずれの選択肢が選択されていたかに応じて分岐処理が行われる。
【0251】
「いいえ」が選択されていた場合には、ステップSP160で、先頭フレームFsおよび最終フレームFeの選択をリセットして、状態ST26に戻る。
【0252】
一方、「はい」が選択されていた場合には、ステップSP161で、先頭フレームFsから最終フレームFeまでの区間の動画像を元の動画像から抽出して新たな動画像として作成する。
【0253】
以上のようにして、動画像の編集処理、より詳細には、動画像の指定範囲抽出処理が実行される。なお、動画像の編集処理において、先頭フレームFsと最終フレームFeとが同一となるように設定すれば、1枚の静止画像を抽出することが可能である。
【0254】
また、このデジタルカメラ1においては、編集後の各種データをアルバム登録することが可能である。具体的には、編集処理終了後に再び状態ST21に戻り、その状態ST21でLCD5に表示されるメニュー画面G21(図9)において、編集処理後の撮影ファイルが背景画像として表示された状態で「アルバムに追加登録」が選択されると、上述したようなアルバム登録処理が実行される。このようにして、編集処理後の撮影ファイルをアルバム登録することができる。
【0255】
このアルバム登録操作によって、編集処理が施された撮影ファイルに対応するファイルがアルバムファイルとして作成され、作成されたアルバムファイルは、撮影ファイルとは互いに異なるフォルダに格納される。このとき、編集処理が施されたファイル(アルバムファイル)は撮影ファイルと区別して格納されるので、編集処理が施されたファイル(アルバムファイル)の閲覧時等においては、所望のファイルを容易に検索することが可能である。
【0256】
また、図23において動画像の先頭フレームのみをアルバム登録する旨が選択されている場合には、編集処理後の動画像ファイルの特定のフレーム(ここでは先頭フレーム)に対応する静止画像ファイルが、その動画像ファイルに対応するアルバムファイルとして作成される。このように、編集処理後の動画像ファイルの特定フレームがアルバムファイルとしてアルバム登録される場合には、その動画像ファイルの全体がアルバムファイルとしてアルバム登録される場合に比べて、ファイル容量(データサイズ)を抑制することができる。
【0257】
さらに、このデジタルカメラ1においては、編集処理後の撮影ファイルに対応するアルバムファイルが作成された場合には、作成されたそのアルバムファイルに対する編集処理が禁止される。
【0258】
具体的には、撮影ファイルに関する各種の処理を行うためのメニュー画面G21(図9)においては、撮影ファイルに対する編集処理を実行すべき旨の選択肢「画像編集」が表示される一方で、アルバムファイルに関する各種の処理を行うためのメニュー画面G31(図10)においては、アルバムファイルに対する編集処理を実行すべき旨の選択肢「画像編集」が表示されない(非表示である)。したがって、アルバムファイルに対しては、操作者による画像編集作業が行われることがない。すなわち、アルバムファイルに対する編集処理が禁止された状態である。なお、図10のメニュー画面G31では、「画像編集」を非表示にしているが、これに限定されない。たとえば選択肢「画像編集」自体は表示するがその左側に×印を付し選択不可能であることを示すとともにカーソルをその選択肢上に移動できないようにするなどの各種の手法によって、当該選択肢「画像編集」を選択できないように(選択不可能となるように)してもよい。
【0259】
ところで、仮に、アルバムファイルに対する編集処理を許可すれば、操作者はそのアルバムファイルを編集した後に再度アルバム登録することが想定される。その場合、元の撮影ファイルとの対応関係を維持するためには、更なるデータ処理が必要となる。たとえば、アルバム登録の対象として指定されたアルバムファイルに対応する撮影ファイルがいずれの撮影ファイルであるかをまず判定し、その撮影ファイルを検索した後に、さらにその撮影ファイルの情報から必要な情報を抽出して、新たに作成するアルバムファイルとの関連付け情報を作成するなどのデータ処理が必要になる。すなわち、新規に作成されるアルバムファイルの関連付け情報の取得のために、そのアルバムファイルの1世代前のファイル(子ファイル)であるアルバムファイルの情報を検索するだけでなく、新規アルバムファイルの2世代前のファイル(孫ファイル)である撮影ファイルの情報を検索する必要がある。
【0260】
これに対して、この実施形態においては、編集済撮影ファイルに基づくアルバムファイルに対しては編集処理が禁止されるので、再アルバム登録も行われずに済むため、このような事態を回避することができるのである。すなわち、アルバムファイルの関連付け情報の取得のために、そのアルバムファイルの1世代前のファイル(子ファイル)である撮影ファイルの情報を検索するだけで済む。言い換えれば、アルバムファイルと撮影ファイルとの単純な1対1の関連情報を管理するだけで済む。したがって、元の撮影ファイルとアルバムファイルとの対応関係を維持しやすい。
【0261】
このように、編集処理後の撮影ファイルに対応するアルバムファイルが作成された場合には、当該作成されたアルバムファイルに対する編集処理が禁止されるので、編集処理後の撮影ファイルに対応するアルバムファイルに対して更にアルバム登録処理が行われることがなくなり、元の撮影ファイルとアルバムファイルとの対応関係を維持しやすい。
【0262】
なお、アルバムファイルに対して「画像編集」を許可し「アルバム登録」のみを禁止するということによっても、編集済みファイルの再アルバム登録を防止することが可能である。しかしながら、操作者は、その画像に対して編集作業を開始するときには、アルバム登録できることを期待しているという事情があるため、せっかく苦労して編集した画像を登録できないこととなれば、操作者の期待に沿うことができなくなる。すなわち、操作性が悪化する。
【0263】
これに対して、この実施形態のように、アルバムファイルに対する「画像編集」処理自体を禁止すれば、このような事態をより確実に回避することができる。
【0264】
また、この実施形態においては、全アルバムファイルに対して一律に編集処理を禁止する場合を例示しているが、これに限定されない。たとえば、プロテクトがかけられたアルバムファイルに対してのみ編集処理を禁止するようにしてもよい。具体的には、登録時に一斉にアルバムファイルに対してプロテクトをかける一方で、プロテクト解除操作によってプロテクトが解除されたアルバムファイルに対しては、アルバム登録を許可するようにしてもよい。これによれば、操作者の意志で選択したアルバムファイルについては再アルバム登録が可能となるので、操作者の意志をより尊重することが可能である。
【0265】
また、このデジタルカメラ1においては、編集処理前の撮影ファイルが既にアルバム登録されている場合でも、編集処理が施された撮影ファイル(アルバムファイルではない)を新たにアルバム登録することが可能である。
【0266】
具体的には、編集処理後の撮影ファイルが新規撮影ファイルとして撮影画像フォルダに格納された場合には、その新規撮影ファイルには新たなシリアル番号が付与され、その新規撮影ファイル(編集処理後の撮影ファイル)は、編集処理前の撮影ファイルとは異なるファイルとして取り扱われる。そのため、その後、ユーザによるアルバム登録操作が行われるときには、編集処理前の撮影ファイルに基づくアルバムファイルが既に作成されているか否かにかかわらず、編集処理後の撮影ファイルに対応するアルバムファイルが新規に作成される。
【0267】
また、編集処理後の撮影ファイルを編集処理前の撮影ファイルに上書きする場合には、編集処理後の撮影ファイルは、編集処理前の撮影ファイルと同一名称のファイルとなる。そのため、上記のような3つの情報の異同に応じてファイルの同一性を判定してアルバム登録する場合には、編集処理後の撮影ファイルはアルバム登録されないことがある。具体的には、編集処理前の撮影ファイルに対応するアルバムファイルが既に作成されている場合には、編集処理前の撮影ファイルと同一の名称の編集処理後の撮影ファイルはアルバム登録されないことになる。
【0268】
ただし、これに限定されず、同一名称の編集処理前の撮影ファイルが既にアルバム登録されているときであっても、編集処理後の撮影ファイルをさらにアルバム登録するようにしてもよい。
【0269】
具体的には、編集処理後の撮影ファイルのタグ情報には、編集済みファイルであることおよび編集日時が記載されている。そこで、編集処理後の画像に対するアルバム登録指示が出されたときには、このタグ情報を読み取ってファイルの同一性を判定するようにしてもよい。たとえば、アルバム登録における登録元のファイル名が同一であっても、「編集日時」が同一でなければ、再度のアルバム登録を許可するようにすればよい。このように、両ファイルが完全同一でないことが判定される場合には、編集処理後の撮影ファイルのアルバム登録を許可するようにしてもよい。
【0270】
あるいは、アルバム情報ファイル内の「撮影日時」のデータを編集処理後の編集日時で上書きするようにしてもよい。
【0271】
<その他>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0272】
たとえば、上記実施形態においては、図11などを参照しつつ、撮影画像フォルダ内の「全て」のファイルを一括登録する場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、撮影画像フォルダ内の全てのファイルのうち、操作者により指定された複数のファイルのみを一括してアルバム登録するようにしてもよい。
【0273】
具体的には、まず、LCD5にアルバム登録対象を指定するための画面(不図示)を表示させる。この画面には、撮影画像フォルダ内の各画像のサムネイル画像と、各サムネイル画像に対応するチェックボックスとが表示される。そして、登録対象画像に対応するチェックボックスにチェック印を付与することによってアルバム登録対象のファイルを指定する。その後、所定の一括登録指示入力(たとえば実行ボタン8aの押下)に応答して、指定された複数のファイルについての一括登録動作が実現される。この場合でも、各ファイルを個別に1つずつ指定し実行ボタン8a等を押下することを繰り返してアルバム登録する場合に比べれば、複数のファイルをより簡易にアルバム登録することができる。
【0274】
また、上記実施形態においては、アルバム画像はメモリカード90内に格納される場合を例示したが、これに限定されず、デジタルカメラの内蔵メモリに格納するようにしてもよい。
【0275】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が含まれている。
【0276】
(1)請求項3に記載のデジタルカメラにおいて、
アルバムファイルに関する各種の処理を行うためのメニュー画面を表示する表示手段、
をさらに備え、
前記メニュー画面において、前記アルバムファイルに対する編集処理を実行すべき旨の選択肢が選択不可能であることを特徴とするデジタルカメラ。
【0277】
【発明の効果】
以上のように、請求項1ないし請求項5に記載の発明によれば、編集処理が施されたデータファイルに対応するファイルがアルバムファイルとして作成され、作成されたアルバムファイルは、データファイルとは互いに異なるフォルダに格納される。したがって、編集処理が施されたファイル(アルバムファイル)はデータファイルと区別して格納されるので、編集処理が施されたファイル(アルバムファイル)を容易に検索することが可能である。
【0278】
特に、請求項2に記載の発明によれば、編集処理後の動画像ファイルに対応するアルバムファイルとして、当該動画像ファイルの特定のフレーム画像が作成されるので、ファイル容量を抑制することができる。
【0279】
また、請求項3に記載の発明によれば、編集処理が施されたデータファイルに対応するアルバムファイルが作成された場合において、当該作成されたアルバムファイルに対する編集処理が禁止されるので、元のデータファイルとアルバムファイルとの対応関係を維持しやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルカメラ1を正面側からみた概略斜視図である。
【図2】デジタルカメラ1を背面側からみた概略斜視図である。
【図3】デジタルカメラ1の内部構成を示す図である。
【図4】メモリカード90内のフォルダ構成を示す図である。
【図5】各画像ファイルの構成を概念的に示す図である。
【図6】アルバム情報ファイルの内容を示す図である。
【図7】デジタルカメラ1における状態遷移図である。
【図8】撮影メニュー画面を示す図である。
【図9】再生メニュー画面を示す図である。
【図10】アルバム再生メニュー画面を示す図である。
【図11】再生モードにおける状態遷移を示す図である。
【図12】アルバム登録動作の全体の流れを示すフローチャートである。
【図13】図12の一部の流れを示すフローチャートである。
【図14】アルバム登録済みマークMK1が付された再生画像を示す図である。
【図15】変形例に係る再生メニュー画面を示す図である。
【図16】メモリカード90内の撮影画像フォルダ内に格納されたファイル群の一例を示す図である。
【図17】「アフターレコーディング」動作における状態遷移を示す図である。
【図18】各種ファイルの再生時の画面を示す図である。
【図19】アルバム作成処理を示すフローチャートである。
【図20】アルバム作成処理を示すフローチャートである。
【図21】アフレコファイルをアルバム登録した後のアルバム情報ファイルの内容を示す図である。
【図22】ボイスレコーディングファイルをアルバム登録した後のアルバム情報ファイルの内容を示す図である。
【図23】動画像ファイルのアルバム登録に関する設定を行うためのメニュー画面を示す図である。
【図24】動画像ファイルの先頭フレームをアルバム登録した後のアルバム情報ファイルの内容を示す図である。
【図25】動画像ファイル全体をアルバム登録した後のアルバム情報ファイルの内容を示す図である。
【図26】アルバム再生モードにおいて再生対象となっているアルバム画像等がプロテクトされている状態の表示画面を示す図である。
【図27】撮影ファイルに対してプロテクトをかける場合の状態遷移を示す図である。
【図28】アルバムファイルに対してプロテクトの設定状態を変更する場合の状態遷移を示す図である。
【図29】プロテクト解除時におけるアルバム情報ファイルの書き換えの例を示す図である。
【図30】プロテクトが解除されたアルバムファイルを削除する場合の状態遷移を示す図である。
【図31】プロテクト設定が行われていない撮影ファイルを削除する場合の状態遷移を示す図である。
【図32】静止画像の回転処理における状態遷移を示す図である。
【図33】回転処理を示すフローチャートである。
【図34】明るさ変換処理を行うための画面を示す図である。
【図35】明るさ変換処理を示すフローチャートである。
【図36】色変換処理を行うための画面を示す図である。
【図37】色変換処理を示すフローチャートである。
【図38】動画編集作業用の画面を示す図である。
【図39】動画像ファイルの構成を示す図である。
【図40】動画編集処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
2 撮影レンズ
3 電源ボタン
4 光学ファインダー
5 LCD
6 フラッシュ
7a〜7d 十字カーソルボタン(キー)
8a 実行ボタン
8b メニューボタン
8c フラッシュモードボタン
8d 液晶モニターボタン
9 シャッタボタン
11 QVボタン
12 マイク
13 スピーカ
Claims (5)
- デジタルカメラであって、
画像データおよび/または音声データを含むデータファイルを、撮影および/または録音する手段と、
前記データファイルとは互いに異なるフォルダに格納されるアルバムファイルを、前記データファイルに基づいて作成する制御手段と、
前記データファイルに対する編集処理を行う編集手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記編集処理が施された前記データファイルに対応するアルバムファイルを作成することを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記データファイルは、動画像ファイルであり、
前記制御手段は、前記編集処理後の動画像ファイルに対応するアルバムファイルとして、当該動画像ファイルの特定のフレーム画像を作成することを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記制御手段は、前記編集処理が施された前記データファイルに対応するアルバムファイルが作成された場合において、当該作成されたアルバムファイルに対する編集処理を禁止することを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項3に記載のデジタルカメラにおいて、
前記制御手段は、プロテクトがかけられたアルバムファイルに対する編集処理を禁止することを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項3に記載のデジタルカメラにおいて、
アルバムファイルに関する各種の処理を行うためのメニュー画面を表示する表示手段、
をさらに備え、
前記メニュー画面において、前記アルバムファイルに対する編集処理を実行すべき旨の選択肢が非表示であることを特徴とするデジタルカメラ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003041589A JP2004254036A (ja) | 2003-02-19 | 2003-02-19 | デジタルカメラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003041589A JP2004254036A (ja) | 2003-02-19 | 2003-02-19 | デジタルカメラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=33025128
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004254036A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-02-19 JP JP2003041589A patent/JP2004254036A/ja active Pending
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