JP2004247609A - 基板の製造方法 - Google Patents

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正孝 伊藤
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Abstract

【課題】エピタキシャル層を形成した基板と他の基板とのはり合わせ基板の品質を向上させる。
【解決手段】基板表面に分離層の多孔質層12を形成しその上ににエピタキシャル層13を形成する。この時エピタキシャル層13の表面に局所的な異常成長による凸状欠陥14が形成し、当該表面を酸化してこの凸状欠陥14を凸状欠陥酸化物14’に変える。エッチングにより凸状欠陥酸化物14’の高さを低下させ凸状欠陥14”にしてから他の基板と貼り合わせる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は基板の製造方法に係わり、特に、基板にエピタキシャル層を形成した後に他の基板とはり合わせて、はり合わせ基板を作製することに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、絶縁物に単結晶Si半導体層を形成する技術は、SOI(Silicon On Insulator)技術として知られている。SOI技術を利用したデバイスは、通常の半導体集積回路を作成するバルクSi基板では到達しえない、数々の優位点を有するため、多くの研究がなされてきた。
【0003】
良質なSOI層を得る方法としては、例えば、Si単結晶基板を陽極化成して化成層を形成し、この化成層上に単結晶層をエピタキシャル成長させた基板を、熱酸化膜が形成されたシリコン基板等の支持基板にはり合わせた後に、選択的に化成層のみを除去する方法(以下「ELTRAN法」という。)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、はり合わせ法によるSOI製造方法においては、はり合わせ界面にボイド(空隙)欠陥が生じうるため、これを回避又は軽減する方法が検討されている。特に、はり合わせ面がエピタキシャル成長した面である場合には、エピタキシャル成長時の異常成長によって生じる凸状欠陥がボイド欠陥の原因となりうる。
【0005】
エピタキシャル成長時の凸状欠陥の形成については、例えば、M. Iwabuchi等による“Dependence of Epitaxial Layer Defect Morphology on Substrate Particle Contamination of Si Epitaxial Wafer”, Journal of The Electrochemical Society, 147 (3)1199−1203 (2000)に開示されている。
【0006】
ボイド欠陥の問題について、ELTRAN法の場合を例にとって、図6を用いて説明する。図6に示すように、陽極化成等によって多孔質層12を第1の基板11上に形成し(図6(a)参照)、次いで、例えば厚さ100nm以下(例えば、80nm程度)のエピタキシャル層13を多孔質層12上に形成する(図6(b)参照)。この際、エピタキシャル層13の成長面上の微小なパーティクル等の影響によって、凸状欠陥14が形成される場合がある。次に、エピタキシャル層13の表面を熱酸化して、例えば厚さ50nm程度の酸化膜15を形成し(図6(c)参照)する。この際、凸状欠陥14は、酸化物としての凸状欠陥14’に変える。次に、第1の基板11を酸化膜17を有する第2の基板16とはり合わせる(図6(d)参照)。最後に、第1の基板11を多孔質層12で分離して、酸化膜上に厚さ約55nmのエピタキシャル層を有するSOI構造が得られる(図6(e)参照)。この場合、凸状欠陥14の周囲の部分では、正常にはり合わせることができないため、ボイド欠陥18が生じる。
【0007】
ボイド欠陥の問題を解決するための技術は、例えば、特許文献2に開示されている。特許文献2は、研磨等の平坦化処理によって、エピタキシャル層の表面の凹凸を除去することができる。
【特許文献1】
特開平5−21338号公報
【特許文献2】
特開平7−326719号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年では、厚さ20nm程度の極薄膜SOI層を形成することが要求されており、その際に成長するエピタキシャル層の厚さは、例えば50nm程度と非常に薄いものであるため、膜厚が極めて薄いエピタキシャル層の表面を研磨すると、エピタキシャル層全体にダメージが生じたり、研磨量のばらつきによってエピタキシャル層の厚さが大きくばらついたりする、といった問題がある。
【0009】
また、特許文献2では、平坦化処理の別の手段として熱酸化を用いている。しかしながら、特許文献2に開示されているように、熱酸化は、凹部を平坦化して、RMS=0.10〜0.50nm(150μm□)の表面荒さ(凹凸)を改善するには有効であるが、本発明が解決しようとしている凸状欠陥の平坦化には有効とはいえない。
【0010】
さらに、特許文献2では、平坦化の別の手段として、基板を800℃以上の高温でH2雰囲気中に晒すことによって、基板表面の原子等をマイグレーションさせることにより、平滑性を向上させているが、この場合も熱酸化の場合と同様に、表面荒さ(凹凸)の改善には有効であるが、本発明が解決しようとしている凸状欠陥の平坦化には有効とはいえない。
【0011】
このように、従来技術では、特に、膜厚が極めて薄い、例えば厚さ100nm以下のエピタキシャル層の表面における凸状欠陥を除去又は軽減し、はり合わせ基板に生じる微小なボイド欠陥の発生を防止する方法は示されていない。
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、例えば、はり合わせ基板の品質を向上させることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面は、基板の製造方法に係り、基板を酸化する酸化工程と、前記酸化された基板をエッチングするエッチング工程と、前記基板のうちエッチングされた面をはり合わせ面として他の基板とはり合わせる工程と、を含み、前記酸化工程では、エピタキシャル層を有し該エピタキシャル層の上に凸状欠陥を有する基板を酸化させて、その際に該凸状欠陥を酸化物に変え、前記エッチング工程では、前記凸状欠陥の酸化物の高さを低下させることを特徴とする。
【0014】
本発明の第2の側面は、基板の製造方法に係り、エピタキシャル層を有し該エピタキシャル層の上に凸状欠陥を有する基板をエッチングするエッチング工程と、前記基板のうちエッチングされた面をはり合わせ面として他の基板とはり合わせる工程と、を含み、前記エッチング工程では、前記凸状欠陥の高さを低下させることを特徴とする。
【0015】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記エッチング工程では、前記基板を回転させながらエッチングを行うスピンエッチング工程を含むことが好ましい。
【0016】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記スピンエッチング工程では、前記基板を所定雰囲気下で回転させて、前記回転する基板上にエッチング溶液を供給することが好ましい。
【0017】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記スピンエッチング工程では、前記基板の回転数を100rpm以上とすることが好ましい。
【0018】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記スピンエッチング工程では、前記エッチング工程でエッチングする厚さを1nm以上とすることが好ましい。
【0019】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記エピタキシャル層の厚さは、1nm以上100nm以下であることが好ましい。
【0020】
本発明の好適な実施の形態によれば、はり合わせられた前記基板と前記他の基板とを分離する工程を含むことが好ましい。
【0021】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記エッチング溶液は、オゾン水とフッ化水素酸溶液とを含むことが好ましい。
【0022】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記エッチング溶液は、アンモニアと過酸化水素との混合液を含むことが好ましい。
【0023】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記エッチング溶液は、有機アルカリ系溶液、及びフッ化水素酸と硝酸との混合液を含むことが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0025】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施の形態に係る基板の製造方法について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本発明の好適な第1の実施形態に係る基板の製造方法を示すフローチャートであり、図2は、本発明の好適な第1の実施形態に係る基板の製造工程中における基板の構造を示す図である。
【0026】
分離層形成工程21では、図2(a)に示すように、第1の基板11に分離層としての多孔質層12を形成する。分離層形成工程21としては、例えば、陽極化成工程を用いるのが好適である。陽極化成工程は、例えば、フッ化水素酸を含む電解液中に陽極及び陰極を配置し、それらの電極の間に第1の基板11を配置し、それらの電極間に電流を流すことによって実施することができる。陽極化成工程で用いられる電解液としては、例えば、弗化水素を含む溶液、弗化水素及びエタノールを含む溶液、弗化水素及びイソプロピルアルコールを含む溶液等が好適である。より具体的な例を挙げると、電解液としては、例えば、HF水溶液(HF濃度=49wt%)とエタノールを体積比2:1で混合した混合液が好適である。
【0027】
また、多孔質層12は、互いに多孔度が異なる2以上の層で構成されてもよい。例えば、多層構造の多孔質層は、第1の基板11に印加する電流の電流密度を変化することによって形成される。すなわち、低電流密度で第1の基板11の表面から1層目の分離層(多孔質層)を形成した後、電流密度を増大させて2層目の分離層(多孔質層)を形成することができる。このような多層構造を採用することにより、後のエピタキシャル層13の形成工程において、第1の多孔質層上に、欠陥等の少ないエピタキシャル層13を形成することができると共に、後の分離工程において、所望の位置ではり合わせ基板(結合基板)を分離することができる。ここで、第1の多孔度としては、10%〜30%が好ましく、15%〜25%が更に好ましい。また、第2の多孔度としては、35%〜70%が好ましく、40%〜60%が更に好ましい。
【0028】
なお、本実施形態において、分離層は、単層又は多層の多孔質シリコン、或いは、格子定数の異なる単結晶層を積層した層等のいずれであってもよい。また、第1の基板11は、例えば、Si、SiGe、GaAs、SiC、C等で形成されうる。
【0029】
エピタキシャル工程22では、図2(b)に示すように、多孔質層12上にエピタキシャル層13を形成する。エピタキシャル工程22としては、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)工程を実施するのが望ましい。ここで、エピタキシャル層13の局所的な異常成長によって、前述のように凸状欠陥14が形成されうる。
【0030】
なお、エピタキシャル層13としては、特に限定しないが、単結晶Si層、Ge層、SiGe層、SiC層、C層、GaAs層、GaN層、AlGaAs層、InGaAs層、InP層、InAs層等が好適である。
【0031】
酸化工程23では、図2(c)に示すように、酸化膜15を形成する。酸化工程23としては、例えば、酸素雰囲気または水蒸気雰囲気中で加熱処理を行うことによる熱酸化工程を用いるのが望ましいが、本実施形態に係る酸化工程23は、熱酸化法に限られない。例えば、酸化工程23では、プラズマ酸化法等を用いてもよい。また、酸化工程の代わりに、他の絶縁材料を形成する工程を用いてもよい。なお、酸化工程23では、エピタキシャル層13に形成された凸状欠陥14を、凸状欠陥14’の酸化物に変える。
【0032】
続いて、エッチング工程24では、酸化膜15をエッチング溶液でエッチングすることによって、凸状欠陥14’の高さを2分の1以下に低下させる。エッチング工程24としては、例えば、酸化膜15をエッチングする効果のあるエッチング溶液を用いるのが好適である。エッチング溶液としては、例えば、フッ化水素酸溶液を用いることが望ましい。フッ化水素酸溶液等の薬液を用いることによって、酸化膜15や酸化工程後に第1の基板11上に残ったエピタキシャル層13’に、ダメージを与えることなく、エッチング工程24を実施することができる。
【0033】
このようにして、エッチング工程24では、酸化膜15をエッチング溶液でエッチングすることによって、少なくとも凸状欠陥14’の頂部の鋭角部が滑らかな形状となって凸状欠陥14’を軽減し、好適には凸状欠陥14’が除去されるという効果が得られる。なお、フッ化水素酸溶液によるエッチングは、等方的に進行するので、酸化膜15の凸状欠陥14’のみならず、凸状欠陥14’以外の平坦部においてもエッチングは進行する。
【0034】
次に、はり合わせ工程25では、図2(d)に示すように、エッチング工程24の終了後、第1の基板11を、酸化膜17を有する第2の基板16とはり合わせる。エッチング工程24によって、凸状欠陥14’は除去されているか、或いは、その高さが軽減された凸状欠陥14’’となっているため、はり合わせ界面にボイド欠陥が生じることがない。従って、高品質なはり合わせ基板を得ることができる。なお、第2の基板16としては、典型的には、単結晶シリコン基板又はその表面に絶縁膜(例えば、酸化膜等)を形成した基板を採用することができるが、それ以外の基板、例えば、絶縁性基板(例えば、ガラス基板等)であってもよい。
【0035】
分離工程26では、第1の基板11を多孔質層12で分離する。分離工程26は、例えば、流体を使って行うことができる。流体を使う方法としては、例えば、流体(液体又は気体)の噴流を形成してこれを分離層としての多孔質層12に打ち込む方法や、流体の静圧を利用する方法等が好適である。前者の方法において、流体として水を利用する方法は、ウォータージェット法と呼ばれる。更に、上記の分割は、例えば、第1の基板11と第2の基板16とのはり合わせ基板に熱処理を施すことによっても実施することができる。このような熱処理による分離は、分離層としてイオン注入層を形成した場合に特に有効である。更に、上記の分離は、例えば、固体の楔等の部材を分離層に挿入することによっても実施することができる。図2(e)は、分離後の基板(第2の基板16に酸化膜17’、エピタキシャル層13’、及び多孔質層12’残りの部分が形成されたもの)を示す図である。
【0036】
分離層除去・平坦化工程27では、図2(f)に示すように、第2の基板16上に残った多孔質層12’を除去・平坦化することによって、SOI基板が得られる。分離層除去・平坦化工程27としては、例えば、エッチング溶液等を使ったエッチング工程が用いられる。その後、水素アニール工程、研磨工程等の平坦化工程を実施して基板表面を平坦化するのが望ましい。
【0037】
このようにして作製されたSOI基板は、はり合わせ前に凸状欠陥14を除去または軽減することができるので、はり合わせ後に、はり合わせ界面にボイド欠陥が生じないという特徴を有する。また、凸状欠陥14を完全に除去できない場合であっても、エッチング工程24によって凸状欠陥14の高さが低くなるか、或いは、凸状欠陥14の形状がなめらかになるので、凸状欠陥14の痕跡である局所的な微小凸部が生じる可能性はあっても、ボイド欠陥の生成を抑制することができる。また、本実施形態に係るエッチング工程24では、スピンエッチング工程を追加することによって、より高い効果が得られる。
【0038】
このスピンエッチング工程では、例えば、図3に示す装置を用いることができる。図3では、エッチング対象としての第1の基板11は、不図示の搬送機構によって、回転機構32上のウエハチャック(不図示)に配置される。エッチング溶液供給装置34及び純水供給装置35は、それぞれ供給ノズル37、38を通して、薬液や純水等の液体を第1の基板11上に供給する。これらの機構及び装置は、予め定められたプログラム(処理レシピ)で動作する。
【0039】
以下、図3の装置を用いたスピンエッチング工程における具体的なエッチングの手順について述べる。
【0040】
まず、所定雰囲気(例えば、大気、クリーンルーム雰囲気、ガス雰囲気等)の下で、第1の基板11を回転機構32上に配置して、矢符Aで示す方向に回転させる。次に、エッチング溶液供給装置34がエッチング溶液供給ノズル37を通して、第1の基板11上にエッチング溶液(例えば、フッ化水素酸等の薬液)を供給する。次に、所定時間、第1の基板11をエッチングした後に、エッチング溶液の供給を停止する。次に、エッチング溶液を除去するために、純水供給装置3が第1の基板11上の純水供給ノズル38を通して純水を供給し、第1の基板11を水洗する。水洗が終わると、純水供給装置3はエッチング溶液の供給を停止する。最後に、回転機構32が回転速度を上昇させて第1の基板11をスピン乾燥させる。
【0041】
このようにして、スピンエッチング工程を実施した場合には、エッチング溶液の第1の基板11表面に対する相対的な流速が大きくなる。その結果、エッチング溶液の粘性によって、酸化膜15の平坦部表面近傍の流速と凸状欠陥14’の頂部近傍での流速との間に差が生じる。すなわち、酸化膜15の平坦部表面近傍の流速は遅く、凸状欠陥14’の頂部近傍の流速は速くなる。その結果、単位時間あたりでは、凸状欠陥14’にはより多くのエッチング溶液が供給され、エッチングがより速く進行し、凸状欠陥14’の平坦化効果が高くなるという顕著な効果を奏する。
【0042】
このようにして、スピンエッチング工程を実施した場合には、エッチングがより速く進行するため、凸状欠陥14を効果的に除去することが可能である。なお、上記の流速の差による効果を得るためには、スピンエッチング時の回転速度を100rpm以上とすることが好適である。
【0043】
また、所定雰囲気(例えば、大気、クリーンルーム雰囲気、ガス雰囲気等)の下で、第1の基板11にエッチング液を供給することができるため、第1の基板11をエッチング溶液に浸してエッチングする場合に比べて、エッチング液の使用量を抑えられるという利点もある。
【0044】
なお、本実施形態では、図3に示す回転機構32を備えた装置を示したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、保持具上に複数の基板を配置して薬液に浸液するバッチ式の処理装置を用いた場合でも、十分に流速の大きな層流を実現させることによって、図3に示す装置と同様な効果が得られる。
【0045】
[第2の実施の形態]
以下、本発明の第2の実施の形態に係る基板の製造方法について説明する。本実施形態は、本発明に係る基板の製造方法をSmart Cut(登録商標)法に適用したものである。図4は、本発明の第2の実施の形態に係る基板の製造方法を示すフローチャートである。また、図7は、本発明の好適な第2の実施形態に係る基板の製造工程中における基板の構造を示す図である。本実施形態に係る基板の製造方法は、概略的には、第1の実施の形態に係る基板の製造方法の一部の工程を変更したものである。即ち、本実施形態に係る基板の製造方法は、分離層形成工程21を酸化工程23の後に行うように変更したものである。
【0046】
まず、エピタキシャル工程22では、図7(a)に示すように、第1の基板上11にエピタキシャル層13を形成する。エピタキシャル工程22としては、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)工程を実施するのが望ましい。この際、エピタキシャル層13の局所的な異常成長によって、前述のように凸状欠陥14が形成されうる。なお、エピタキシャル層13としては、特に限定しないが、単結晶Si層、Ge層、SiGe層、SiC層、C層、GaAs層、GaN層、AlGaAs層、InGaAs層、InP層、InAs層等が好適である。また、第1の基板11は、例えば、Si、SiGe、GaAs、SiC、C等で形成されうる。
【0047】
酸化工程23では、図7(b)に示すように、エピタキシャル層13に酸化膜を形成する。これらの工程は、第1の実施形態の場合と同様の方法で実施することができる。酸化工程23としては、例えば、酸素雰囲気または水蒸気雰囲気中で加熱処理を行うことによる熱酸化工程を用いるのが望ましいが、本実施形態に係る酸化工程23は、熱酸化法に限られない。例えば、酸化工程23では、プラズマ酸化法等を用いてもよい。また、酸化工程の代わりに、他の絶縁材料を形成する工程を用いてもよい。なお、エピタキシャル層13に形成された凸状欠陥14を、凸状欠陥14’の酸化物に変える。
【0048】
分離層形成工程21では、図7(c)に示すように、第1の基板11に分離層12を形成する。分離層形成工程21では、例えば、水素・He等を酸化膜15を介してイオン注入し、分離層としてのイオン注入層を形成する。
【0049】
エッチング工程24及びはり合わせ工程25は、図7(d)に示すようにして、第1の実施形態と同様に実施される。
【0050】
分離工程26では、はり合わせ工程25においてはり合わせた基板を加熱して、はり合わせ基板を分離する。図7(e)は、このようにして分離した後の基板(第2の基板16に酸化膜17’、エピタキシャル層13’、及び残りの分離層12’が形成されたもの)を示す図である。
【0051】
分離層除去・平坦化工程27では、第1の実施形態と同様の手段を用いて、分離層12’の除去・平坦化を行ってもよいし、タッチポリッシュ工程を代用してもよい。
【0052】
このようにして、第2の実施形態においても、第1の基板11と第2の基板16とをはり合わせた後に、はり合わせ界面にボイド欠陥が生じないという顕著な効果を奏する。
【0053】
本実施形態においては、エピタキシャル工程22、酸化工程23、エッチング工程24、はり合わせ工程25を、この順序で実施することが重要であり、その他の工程は、これらの工程の前後、或いは、これらの工程間で実施されてもよい。また、エピタキシャル工程22、酸化工程23、エッチング工程24、はり合わせ工程25以外の工程の順序が入れ替わってもよい。
【0054】
[第3の実施の形態]
以下、本発明の第3の実施の形態に係る基板の製造方法について説明する。図5は、本発明の第3の実施の形態に係る基板の製造方法を示すフローチャートである。本実施形態に係る基板の製造方法は、概略的には、第1の実施の形態に係る基板の製造方法の一部の工程を変更したものである。即ち、本実施形態に係る基板の製造方法は、酸化工程23とエッチング工程24との順番が入れ替えたものであり、他の工程は、第1の実施の形態と同様にして実施することができる。
【0055】
まず、エッチング工程24では、有機アルカリ系溶液(例えば、TMAH:テトラ・メチル・アンモニウム・ハイドロオキサイド)やフッ化水素酸、硝酸の混合液等のエッチング溶液を用いることができる。しかしながら、本実施形態では、エッチング工程24におけるエッチング量のばらつきがSOI層の厚さのばらつきに直接反映されるため、エッチング量の制御には格別の留意が必要である。そのため、エッチング量の精密な制御に優れたオゾン水とフッ化水素酸溶液とを順に用いるエッチング工程、或いは、アンモニア及び過酸化水素を含むエッチング溶液を用いたエッチング工程を適用するのが特に好適である。
【0056】
これらの薬液は、基板表面を清浄化するための洗浄液として使用される場合もあり、その際にも基板表面のエッチング現象が生じる。しかしながら、そのエッチング量は通常1nm未満であり、凸状欠陥14の除去または軽減効果を得ることはできない。これに対して、本実施形態では、凸状欠陥14’の高さを2分の1以下に低下させて、凸状欠陥14の除去または軽減させる効果を得るために、エッチング量を1nm以上とする。
【0057】
このようにして、第3の実施形態においても、第1の基板11と第2の基板16とをはり合わせた後に、はり合わせ界面にボイド欠陥が生じないという顕著な効果を奏する。
【実施例】
本発明の実施例に係る基板の製造方法を図1に示す。図1は、第1の実施形態に係る基板の製造方法に対応する。本発明の好適な第1の実施形態に係る基板の製造方法をELTRAN法に適用して、膜厚55nmのSOI層を含むSOI基板を作製した。エッチング工程24では、図3に示す構成を有する装置を用いて、0.7%の濃度のフッ化水素酸溶液で40秒間エッチングした。この際の基板の回転速度は800rpmとした。比較のため、エッチング工程24を実施しない膜厚55nmのSOI層を含む従来のSOI基板も作製した。
【0058】
本発明の好適な実施の形態に係る基板の製造方法で作製したSOI基板及び従来技術で作製したSOI基板を、レーザー光散乱式異物検査装置を用いて評価し、粒径範囲が0.3μm(ポリスチレン標準粒子換算)以下の微小なLPD(Light Point Defect)数を基板1枚あたりの平均値で比較した。このLPD数には、本発明が着目する微小なボイド欠陥以外にも、表面欠陥等を含むが、厳密にボイド欠陥を確認するためには、すべてのLPDの断面観察が必要であり、実現困難であるためにLPD数で比較した。
【0059】
LPD数の計測結果を表1に示す。本発明の実施例に係る基板の製造方法によって、微小なボイド欠陥を含むLPDが従来技術に比べて約1/4に減少するという顕著な効果が得られた。
【0060】
【表1】
Figure 2004247609
【0061】
以上のように、本発明によって、エピタキシャル層の表面の凸状欠陥を除去または軽減し、はり合わせ基板に生じる微小なボイド欠陥の発生を防止する効果が得られた。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば、はり合わせ基板の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な第1の実施形態に係る基板の製造方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明の好適な第1の実施形態に係る基板の製造工程中における基板の構造を示す図である。
【図3】スピンエッチング装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の好適な第2の実施形態に係る基板の製造方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の好適な第3の実施形態に係る基板の製造方法を示すフローチャートである。
【図6】従来の基板の製造方法を示す図である。
【図7】本発明の好適な第2の実施形態に係る基板の製造工程中における基板の構造を示す図である。
【符号の説明】
11 第1の基板
12、12’ 多孔質層
13、13’ エピタキシャル層
14、14’、14’’ 凸状欠陥
15、15’ 酸化膜
16 第2の基板
17、17’ 酸化膜
18 ボイド欠陥
21 分離層形成工程
22 エピタキシャル工程
23 酸化工程
24 エッチング工程
25 はり合わせ工程
26 分離工程
27 分離層除去・エッチング工程
32 回転機構
34 エッチング溶液供給装置
35 純水供給装置
37 エッチング溶液供給ノズル
38 純水供給ノズル

Claims (2)

  1. 基板を酸化する酸化工程と、前記酸化された基板をエッチングするエッチング工程と、前記基板のうちエッチングされた面をはり合わせ面として他の基板とはり合わせる工程と、
    を含み、
    前記酸化工程では、エピタキシャル層を有し該エピタキシャル層の上に凸状欠陥を有する基板を酸化させて、その際に該凸状欠陥を酸化物に変え、
    前記エッチング工程では、前記凸状欠陥の酸化物の高さを低下させることを特徴とする基板の製造方法。
  2. エピタキシャル層を有し該エピタキシャル層の上に凸状欠陥を有する基板をエッチングするエッチング工程と、
    前記基板のうちエッチングされた面をはり合わせ面として他の基板とはり合わせる工程と、
    を含み、前記エッチング工程では、前記凸状欠陥の高さを低下させることを特徴とする基板の製造方法。
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