JP2004232915A - ヒートポンプ式給湯装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒートポンプ熱源により、給湯用水が給湯用熱交換器で充分な熱交換量を得、適温出湯が可能となるまでの間、電磁誘導加熱手段により給湯用水を瞬時に適温に加熱でき、ヒートポンプ熱源の加熱による適温出湯までのタイムラグを短縮することでタンクを廃止する。
【解決手段】圧縮機5を備えたヒートポンプ熱源2と、前記ヒートポンプ熱源2により給湯用水を加熱するための加熱通路3と、前記加熱通路3内の給湯用水を瞬時に加熱するために電磁誘導加熱手段17を備えたヒートポンプ式給湯装置とすることにより、タンクを廃止することができ、省スペース化、軽量化を図れ、建築設計上の負荷を低減できる。
【選択図】 図1
【解決手段】圧縮機5を備えたヒートポンプ熱源2と、前記ヒートポンプ熱源2により給湯用水を加熱するための加熱通路3と、前記加熱通路3内の給湯用水を瞬時に加熱するために電磁誘導加熱手段17を備えたヒートポンプ式給湯装置とすることにより、タンクを廃止することができ、省スペース化、軽量化を図れ、建築設計上の負荷を低減できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプ式給湯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フロンガスであるR22などの冷媒を使用したヒートポンプサイクルを熱源とする給湯装置の一例としては特許文献1に示されているものがある。
【0003】
この種の給湯装置としては、図3に示すように、給湯用水を貯留するタンク1、給湯用水の加熱手段であるヒートポンプ熱源2、タンク1とヒートポンプ熱源2とを接続する加熱通路3、この加熱通路3に給湯用水を循環させるポンプ4等より構成される。
【0004】
ヒートポンプ熱源2は、運転周波数に基づいて能力可変とされた圧縮機5、給湯用熱交換器6、膨張弁7、室外熱交換器8を順次冷媒配管9により接続して構成され、冷媒が充填されている。給湯用熱交換器6は、圧縮機5より吐出された高圧のガス冷媒と給湯用水とを熱交換するもので、冷媒が流れる冷媒通路6aと、給湯用水が流れる給湯用水通路6bとを有している。加熱通路3は、給湯用熱交換器6の給湯用水通路6bに接続される冷水管3aと温水管3bとで構成され、冷水管3aの上流端がタンク1の底面に接続され、温水管3bの下流端がタンク1の天面に接続されている。11は圧縮機の運転周波数を変更することによりヒートポンプ熱源の加熱能力を大小させる回転数制御手段である。
【0005】
次に、動作について説明する。回転数制御手段11は給湯用に水を加熱するために圧縮機5を駆動する。また、ポンプ4に通電されて回転することにより、タンク1内の給湯用水を加熱通路3に流通させる。なお、給湯用水の流通方向は、図に矢印で示すように、タンク1内の下部→冷水管3a→給湯用熱交換器6の給湯用水通路6bと流れ、ここで圧縮機5より吐出された高圧のガス冷媒により加熱されて温水となり、給湯用水通路6b→温水管3b→タンク1内の上部へと流れてタンク1に貯められる。また、冷媒通路6aを出た冷媒は、膨張弁7の弁開度に応じて減圧された後、室外熱交換器8においてファン10により送風される外気との熱交換によって蒸発して圧縮機5に戻る。
【0006】
このサイクルを繰り返してタンク1に多量の湯を蓄える。湯を利用する際には蓄えられた湯を使用することになり、例えば、ガラン13により出湯して利用することになる。
【0007】
そして、出湯することにより減少した湯は給水源12より給湯用水が補給され先に述べた様にヒートポンプ熱源2にて加熱されることになる。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−235953号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の構成では、湯を利用する際ヒートポンプ熱源2が起動して給湯用水が給湯用熱交換器6で充分な熱交換量を得、出湯温度が適温となるまで相当時間のタイムラグがある。そのため、タンク1に予め供給用水を加熱して湯を蓄え、利用時にタンク1より出湯することにより出湯するまでタイムラグを短縮する必要があった。一方、タンク1では多量の湯を蓄積しているため、大きな設置スペースを必要とし、さらにタンク1及びその中に蓄えられた湯の重量が大きなことから、ヒートポンプ式給湯装置の導入に当たって特別の設置構造や耐荷重などを勘案しなければならず建築設計上大きな負荷となると言う問題点があった。
【0010】
本発明は上記問題を解決するもので、出湯するまでタイムラグを短縮し、タンク1を廃止することで省スペース化、軽量化を図り、建築設計上の負荷を低減できるヒートポンプ式給湯装置を提供すること目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明では、加熱通路内の給湯用水を加熱するために電磁誘導加熱手段を備えた。
【0012】
この電磁誘導加熱手段により、給湯開始時に瞬時に給湯用水を加熱して、湯を供給できるので、ヒートポンプ熱源により、給湯用水が給湯用熱交換器で充分な熱交換量を得、出湯温度が適温となるまでのタイムラグを短縮できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、圧縮機を備えたヒートポンプ熱源と、前記ヒートポンプ熱源により給湯用水を加熱するための加熱通路と、前記加熱通路内の給湯用水を加熱するために電磁誘導加熱手段を備えた。
【0014】
この発明によれば、ヒートポンプ熱源により、給湯用水が給湯用熱交換器で充分な熱交換量を得、適温出湯が可能となるまでの間、電磁誘導加熱手段により給湯用水を瞬時に適温に加熱でき、ヒートポンプ熱源の加熱による適温出湯までのタイムラグを短縮できるので、タンクを廃止することができ、省スペース化、軽量化を図れ、建築設計上の負荷を低減できる。
【0015】
本発明の請求項2に記載の発明は、電磁誘導加熱手段をヒートポンプ熱源の下流側に設置した。
【0016】
この発明によれば、ヒートポンプ熱源での加熱能力の立ち上がりは外気温度や水温に左右されるため、出湯までの時間は季節により異なる。電源の入力条件により加熱能力がほぼ決定される電磁誘導加熱手段をヒートポンプ熱源の下流側に設置したことで、季節によるヒートポンプ熱源の加熱能力のばらつきの補正を行い易く、出湯までのタイムラグを短縮できると共に、出湯までの時間をほぼ一定にできる。
【0017】
本発明の請求項3に記載の発明は、電磁誘導加熱手段とヒートポンプ熱源とを並列に設置した。
【0018】
この発明によれば、起動時にヒートポンプ熱源側への水量を低減できる、即ち、ヒートポンプ熱源側からの吸熱量を低減できるので、圧縮機の吐出温度の上昇が速くなり、ヒートポンプ熱源が給湯用水の加熱を開始するまでの時間をさらに短縮できる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明による冷暖房給湯装置の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1おけるヒートポンプ式給湯装置の回路図である。尚、従来と同一構成については同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0021】
図1において、外周部に高周波磁界を発生する加熱コイル14と、内部に加熱コイル14が発生する高周波磁界を受けて発熱する発熱体15を備えた筒状の加熱管16は本実施例では樹脂で構成しているが、電磁誘導加熱されない金属によって構成しても支障はないものである。
【0022】
発熱体15は筒状の金属によって構成しており、温水管3bから流入した水が通過する多数の孔を有している。なお本実施例では発熱体15は給湯用水が流通する多数の孔を有する円筒状の金属としているが、発熱体15を編目状の孔を有する磁性体または非磁性体としても、パイプ状、球状あるいは粒状の磁性体または非磁性体としても、金属板を単体あるいは複数組み合わせた磁性体または非磁性体であっても誘導加熱されるものであればよい。
【0023】
またこれら、発熱体15,加熱コイル14及び加熱管16で電磁誘導加熱手段17を構成している。
【0024】
さらに、22は加熱管16に流入する給湯用水の水温を検知する流入側温度検知手段、23は加熱管16から流出する給湯用水の水温を検知する流出側温度検知手段である。
【0025】
また、24は加熱通路3に通水する給水源12からの給湯用水の通水量を調整するための流量調整手段であり、25は加熱通路3内の通水量を検知する流量検知手段、26は流入側温度検知手段22、流出側温度検知手段23の検知温度、及び流量検知手段25に基づき、電磁誘導加熱手段17の加熱出力、加熱通路3への通水量を調整するため流量調整手段24及びヒートポンプ熱源2を制御する誘導加熱制御手段である。
【0026】
以上の様に構成されたヒートポンプ式給湯装置について、本発明の特徴である出湯開始直後の動作を説明する。
【0027】
ガラン13が開かれて通水が開始されると、流量検知手段25は通水開始を検知すると同時に、流出側温度検知手段23により出湯温度が検知される。
【0028】
出湯開始直後は通常、適温より低いため、流量調整手段24で通水量を調整すると共に、電磁誘導加熱手段17の出力を高出力として出湯温度を適温に制御すると共に、ヒートポンプ熱源2を動作させるが、起動直後はヒートポンプ熱源2による給湯熱交換器6での給湯用水の熱交換量は小さい。
【0029】
また、誘導加熱制御手段18が流量調整手段24を制御して適当な流量の給湯用水を、加熱通路3を通して加熱管16内に導入する。同時に誘導加熱制御手段18は、商用電源を高周波に変換して、加熱コイル14に高周波電流を供給する。加熱コイル14はこの高周波電流を受けて高周波磁界を発生する。この高周波磁界は加熱管16内の給湯用水の流路中に設けている発熱体15と鎖交する。発熱体15は磁性体によって構成しているため、この高周波磁界を受けると誘導加熱されて高温に発熱する。発熱体15は給湯用水が流通する多数の孔を有しており、温水管3bから発熱体15に導入された給湯用水は、発熱体15によって加熱される。
【0030】
さらに、電熱変換効率の良いヒートポンプ熱源2により給湯用熱交換器6での熱交換量が徐々に増加すると、流量調整手段24で通水量を調整しながら電磁誘導加熱手段17の出力を徐々に低下させていき、最終的に電磁誘導加熱手段17の出力を停止する。
【0031】
この間、電磁誘導加熱制御手段18は、温度条件と、温水管3bから流れ込む給湯用水の流量と、加熱コイル14に供給する電力の関係を予めプログラムされており、加熱管16を出た湯はヒートポンプ熱源2加熱能力に関わらず、適温となっており、使用者はガラン13からの湯を利用できるものである。
【0032】
また、電磁誘導加熱手段17を補助熱源として有していることから、冬期、室外熱交換器8が着霜しヒートポンプ熱源17の運転が不可能なときにも給湯できる。
【0033】
さらに、電磁誘導加熱手段17は制御性が良く、短時間の内にヒートポンプ熱源17の運転変動があり出湯温度に変動があったとしても、電磁誘導加熱手段17は温度変動を補正でき、出湯温度精度の向上を図れる。
【0034】
また、さらに、常時、電磁誘導加熱手段17を補助熱源としてヒートポンプ熱源2と併用することで、ヒートポンプ熱源2の加熱容量を小さく設計することができる。
【0035】
(実施例2)
図2は本発明の実施例2おけるヒートポンプ式給湯装置の回路図である。尚、従来と同一構成については同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0036】
図2において、19は混合弁、20はヒートポンプ出口温度検知手段、21は出湯温度検知手段であり、26は給湯機の制御を行う熱源制御手段である。
【0037】
以上の様に構成されたヒートポンプ式給湯装置について、本発明の特徴である出湯開始直後の動作を説明する。
【0038】
ガラン13が開かれて通水が開始されると、ヒートポンプ熱源2の運転を開始すると共に、電磁誘導加熱手段17の出力を徐々高くしていく。
【0039】
そして、熱源制御手段26はヒートポンプ出口温度検知手段20により検知した温度が低く、出湯温度検知手段21で検知した給湯温度が所定温度より低く、ヒートポンプ熱源2の運転状態が起動直後であることを検知すると、混合弁19を制御して給湯用熱交換器6の給湯用水路6bへの通水量を減少させ、加熱管16への通水量を増加せせる。
【0040】
さらに、電磁誘導加熱手段17の出力を高出力として、出湯温度検知手段21で検知した給湯温度が所定温度となるよう、混合弁19により給湯用熱交換器6の給湯用水路6bへの通水量と加熱管16への通水量を制御する。
【0041】
この時、給湯用熱交換器6の給湯用水路6bへの通水量は通常の運転状態に比べて少ないため、給湯用熱交換器6での冷媒の水への放熱量は少ないため圧縮機5の吐出温度の上昇が速い。
【0042】
さらに、電熱変換効率の良いヒートポンプ熱源2により給湯用熱交換器6での熱交換量が徐々に増加すると、混合弁19で通水量を調整しながら電磁誘導加熱手段17の出力を徐々に低下させていき、最終的に電磁誘導加熱手段17の出力を停止する。
【0043】
この間、熱源制御手段26は、温度条件と、給湯用熱交換器6の給湯用水路6bへの通水量と、加熱管16への通水量、及び加熱コイル14に供給する電力の関係を予めプログラムされており、加熱管16を出た湯と給湯用水路6bを出た湯は混合弁19にて適温にされ、使用者はガラン13からの湯を利用できるものである。
【0044】
また、ヒートポンプ熱源2を利用した供給水の加熱への切り替えをはやくできることから効率のよりよい運転が可能となる。
【0045】
【発明の効果】
ヒートポンプ熱源により、給湯用水が給湯用熱交換器で充分な熱交換量を得、適温出湯が可能となるまでの間、電磁誘導加熱手段により給湯用水を適温に加熱でき、ヒートポンプ熱源の加熱による適温出湯までのタイムラグを短縮できるので、タンクを廃止することができ、省スペース化、軽量化を図れ、建築設計上の負荷を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるヒートポンプ式給湯装置の実施例1における回路図
【図2】本発明によるヒートポンプ式給湯装置の実施例2における回路図
【図3】従来のヒートポンプ式給湯装置における回路図
【符号の説明】
2 ヒートポンプ熱源
3 加熱通路
5 圧縮機
17 電磁誘導加熱手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプ式給湯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フロンガスであるR22などの冷媒を使用したヒートポンプサイクルを熱源とする給湯装置の一例としては特許文献1に示されているものがある。
【0003】
この種の給湯装置としては、図3に示すように、給湯用水を貯留するタンク1、給湯用水の加熱手段であるヒートポンプ熱源2、タンク1とヒートポンプ熱源2とを接続する加熱通路3、この加熱通路3に給湯用水を循環させるポンプ4等より構成される。
【0004】
ヒートポンプ熱源2は、運転周波数に基づいて能力可変とされた圧縮機5、給湯用熱交換器6、膨張弁7、室外熱交換器8を順次冷媒配管9により接続して構成され、冷媒が充填されている。給湯用熱交換器6は、圧縮機5より吐出された高圧のガス冷媒と給湯用水とを熱交換するもので、冷媒が流れる冷媒通路6aと、給湯用水が流れる給湯用水通路6bとを有している。加熱通路3は、給湯用熱交換器6の給湯用水通路6bに接続される冷水管3aと温水管3bとで構成され、冷水管3aの上流端がタンク1の底面に接続され、温水管3bの下流端がタンク1の天面に接続されている。11は圧縮機の運転周波数を変更することによりヒートポンプ熱源の加熱能力を大小させる回転数制御手段である。
【0005】
次に、動作について説明する。回転数制御手段11は給湯用に水を加熱するために圧縮機5を駆動する。また、ポンプ4に通電されて回転することにより、タンク1内の給湯用水を加熱通路3に流通させる。なお、給湯用水の流通方向は、図に矢印で示すように、タンク1内の下部→冷水管3a→給湯用熱交換器6の給湯用水通路6bと流れ、ここで圧縮機5より吐出された高圧のガス冷媒により加熱されて温水となり、給湯用水通路6b→温水管3b→タンク1内の上部へと流れてタンク1に貯められる。また、冷媒通路6aを出た冷媒は、膨張弁7の弁開度に応じて減圧された後、室外熱交換器8においてファン10により送風される外気との熱交換によって蒸発して圧縮機5に戻る。
【0006】
このサイクルを繰り返してタンク1に多量の湯を蓄える。湯を利用する際には蓄えられた湯を使用することになり、例えば、ガラン13により出湯して利用することになる。
【0007】
そして、出湯することにより減少した湯は給水源12より給湯用水が補給され先に述べた様にヒートポンプ熱源2にて加熱されることになる。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−235953号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の構成では、湯を利用する際ヒートポンプ熱源2が起動して給湯用水が給湯用熱交換器6で充分な熱交換量を得、出湯温度が適温となるまで相当時間のタイムラグがある。そのため、タンク1に予め供給用水を加熱して湯を蓄え、利用時にタンク1より出湯することにより出湯するまでタイムラグを短縮する必要があった。一方、タンク1では多量の湯を蓄積しているため、大きな設置スペースを必要とし、さらにタンク1及びその中に蓄えられた湯の重量が大きなことから、ヒートポンプ式給湯装置の導入に当たって特別の設置構造や耐荷重などを勘案しなければならず建築設計上大きな負荷となると言う問題点があった。
【0010】
本発明は上記問題を解決するもので、出湯するまでタイムラグを短縮し、タンク1を廃止することで省スペース化、軽量化を図り、建築設計上の負荷を低減できるヒートポンプ式給湯装置を提供すること目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明では、加熱通路内の給湯用水を加熱するために電磁誘導加熱手段を備えた。
【0012】
この電磁誘導加熱手段により、給湯開始時に瞬時に給湯用水を加熱して、湯を供給できるので、ヒートポンプ熱源により、給湯用水が給湯用熱交換器で充分な熱交換量を得、出湯温度が適温となるまでのタイムラグを短縮できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、圧縮機を備えたヒートポンプ熱源と、前記ヒートポンプ熱源により給湯用水を加熱するための加熱通路と、前記加熱通路内の給湯用水を加熱するために電磁誘導加熱手段を備えた。
【0014】
この発明によれば、ヒートポンプ熱源により、給湯用水が給湯用熱交換器で充分な熱交換量を得、適温出湯が可能となるまでの間、電磁誘導加熱手段により給湯用水を瞬時に適温に加熱でき、ヒートポンプ熱源の加熱による適温出湯までのタイムラグを短縮できるので、タンクを廃止することができ、省スペース化、軽量化を図れ、建築設計上の負荷を低減できる。
【0015】
本発明の請求項2に記載の発明は、電磁誘導加熱手段をヒートポンプ熱源の下流側に設置した。
【0016】
この発明によれば、ヒートポンプ熱源での加熱能力の立ち上がりは外気温度や水温に左右されるため、出湯までの時間は季節により異なる。電源の入力条件により加熱能力がほぼ決定される電磁誘導加熱手段をヒートポンプ熱源の下流側に設置したことで、季節によるヒートポンプ熱源の加熱能力のばらつきの補正を行い易く、出湯までのタイムラグを短縮できると共に、出湯までの時間をほぼ一定にできる。
【0017】
本発明の請求項3に記載の発明は、電磁誘導加熱手段とヒートポンプ熱源とを並列に設置した。
【0018】
この発明によれば、起動時にヒートポンプ熱源側への水量を低減できる、即ち、ヒートポンプ熱源側からの吸熱量を低減できるので、圧縮機の吐出温度の上昇が速くなり、ヒートポンプ熱源が給湯用水の加熱を開始するまでの時間をさらに短縮できる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明による冷暖房給湯装置の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1おけるヒートポンプ式給湯装置の回路図である。尚、従来と同一構成については同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0021】
図1において、外周部に高周波磁界を発生する加熱コイル14と、内部に加熱コイル14が発生する高周波磁界を受けて発熱する発熱体15を備えた筒状の加熱管16は本実施例では樹脂で構成しているが、電磁誘導加熱されない金属によって構成しても支障はないものである。
【0022】
発熱体15は筒状の金属によって構成しており、温水管3bから流入した水が通過する多数の孔を有している。なお本実施例では発熱体15は給湯用水が流通する多数の孔を有する円筒状の金属としているが、発熱体15を編目状の孔を有する磁性体または非磁性体としても、パイプ状、球状あるいは粒状の磁性体または非磁性体としても、金属板を単体あるいは複数組み合わせた磁性体または非磁性体であっても誘導加熱されるものであればよい。
【0023】
またこれら、発熱体15,加熱コイル14及び加熱管16で電磁誘導加熱手段17を構成している。
【0024】
さらに、22は加熱管16に流入する給湯用水の水温を検知する流入側温度検知手段、23は加熱管16から流出する給湯用水の水温を検知する流出側温度検知手段である。
【0025】
また、24は加熱通路3に通水する給水源12からの給湯用水の通水量を調整するための流量調整手段であり、25は加熱通路3内の通水量を検知する流量検知手段、26は流入側温度検知手段22、流出側温度検知手段23の検知温度、及び流量検知手段25に基づき、電磁誘導加熱手段17の加熱出力、加熱通路3への通水量を調整するため流量調整手段24及びヒートポンプ熱源2を制御する誘導加熱制御手段である。
【0026】
以上の様に構成されたヒートポンプ式給湯装置について、本発明の特徴である出湯開始直後の動作を説明する。
【0027】
ガラン13が開かれて通水が開始されると、流量検知手段25は通水開始を検知すると同時に、流出側温度検知手段23により出湯温度が検知される。
【0028】
出湯開始直後は通常、適温より低いため、流量調整手段24で通水量を調整すると共に、電磁誘導加熱手段17の出力を高出力として出湯温度を適温に制御すると共に、ヒートポンプ熱源2を動作させるが、起動直後はヒートポンプ熱源2による給湯熱交換器6での給湯用水の熱交換量は小さい。
【0029】
また、誘導加熱制御手段18が流量調整手段24を制御して適当な流量の給湯用水を、加熱通路3を通して加熱管16内に導入する。同時に誘導加熱制御手段18は、商用電源を高周波に変換して、加熱コイル14に高周波電流を供給する。加熱コイル14はこの高周波電流を受けて高周波磁界を発生する。この高周波磁界は加熱管16内の給湯用水の流路中に設けている発熱体15と鎖交する。発熱体15は磁性体によって構成しているため、この高周波磁界を受けると誘導加熱されて高温に発熱する。発熱体15は給湯用水が流通する多数の孔を有しており、温水管3bから発熱体15に導入された給湯用水は、発熱体15によって加熱される。
【0030】
さらに、電熱変換効率の良いヒートポンプ熱源2により給湯用熱交換器6での熱交換量が徐々に増加すると、流量調整手段24で通水量を調整しながら電磁誘導加熱手段17の出力を徐々に低下させていき、最終的に電磁誘導加熱手段17の出力を停止する。
【0031】
この間、電磁誘導加熱制御手段18は、温度条件と、温水管3bから流れ込む給湯用水の流量と、加熱コイル14に供給する電力の関係を予めプログラムされており、加熱管16を出た湯はヒートポンプ熱源2加熱能力に関わらず、適温となっており、使用者はガラン13からの湯を利用できるものである。
【0032】
また、電磁誘導加熱手段17を補助熱源として有していることから、冬期、室外熱交換器8が着霜しヒートポンプ熱源17の運転が不可能なときにも給湯できる。
【0033】
さらに、電磁誘導加熱手段17は制御性が良く、短時間の内にヒートポンプ熱源17の運転変動があり出湯温度に変動があったとしても、電磁誘導加熱手段17は温度変動を補正でき、出湯温度精度の向上を図れる。
【0034】
また、さらに、常時、電磁誘導加熱手段17を補助熱源としてヒートポンプ熱源2と併用することで、ヒートポンプ熱源2の加熱容量を小さく設計することができる。
【0035】
(実施例2)
図2は本発明の実施例2おけるヒートポンプ式給湯装置の回路図である。尚、従来と同一構成については同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0036】
図2において、19は混合弁、20はヒートポンプ出口温度検知手段、21は出湯温度検知手段であり、26は給湯機の制御を行う熱源制御手段である。
【0037】
以上の様に構成されたヒートポンプ式給湯装置について、本発明の特徴である出湯開始直後の動作を説明する。
【0038】
ガラン13が開かれて通水が開始されると、ヒートポンプ熱源2の運転を開始すると共に、電磁誘導加熱手段17の出力を徐々高くしていく。
【0039】
そして、熱源制御手段26はヒートポンプ出口温度検知手段20により検知した温度が低く、出湯温度検知手段21で検知した給湯温度が所定温度より低く、ヒートポンプ熱源2の運転状態が起動直後であることを検知すると、混合弁19を制御して給湯用熱交換器6の給湯用水路6bへの通水量を減少させ、加熱管16への通水量を増加せせる。
【0040】
さらに、電磁誘導加熱手段17の出力を高出力として、出湯温度検知手段21で検知した給湯温度が所定温度となるよう、混合弁19により給湯用熱交換器6の給湯用水路6bへの通水量と加熱管16への通水量を制御する。
【0041】
この時、給湯用熱交換器6の給湯用水路6bへの通水量は通常の運転状態に比べて少ないため、給湯用熱交換器6での冷媒の水への放熱量は少ないため圧縮機5の吐出温度の上昇が速い。
【0042】
さらに、電熱変換効率の良いヒートポンプ熱源2により給湯用熱交換器6での熱交換量が徐々に増加すると、混合弁19で通水量を調整しながら電磁誘導加熱手段17の出力を徐々に低下させていき、最終的に電磁誘導加熱手段17の出力を停止する。
【0043】
この間、熱源制御手段26は、温度条件と、給湯用熱交換器6の給湯用水路6bへの通水量と、加熱管16への通水量、及び加熱コイル14に供給する電力の関係を予めプログラムされており、加熱管16を出た湯と給湯用水路6bを出た湯は混合弁19にて適温にされ、使用者はガラン13からの湯を利用できるものである。
【0044】
また、ヒートポンプ熱源2を利用した供給水の加熱への切り替えをはやくできることから効率のよりよい運転が可能となる。
【0045】
【発明の効果】
ヒートポンプ熱源により、給湯用水が給湯用熱交換器で充分な熱交換量を得、適温出湯が可能となるまでの間、電磁誘導加熱手段により給湯用水を適温に加熱でき、ヒートポンプ熱源の加熱による適温出湯までのタイムラグを短縮できるので、タンクを廃止することができ、省スペース化、軽量化を図れ、建築設計上の負荷を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるヒートポンプ式給湯装置の実施例1における回路図
【図2】本発明によるヒートポンプ式給湯装置の実施例2における回路図
【図3】従来のヒートポンプ式給湯装置における回路図
【符号の説明】
2 ヒートポンプ熱源
3 加熱通路
5 圧縮機
17 電磁誘導加熱手段
Claims (3)
- 圧縮機を備えたヒートポンプ熱源と、前記ヒートポンプ熱源により給湯用水を加熱するための加熱通路と、前記加熱通路内の給湯用水を加熱するために電磁誘導加熱手段を備えたヒートポンプ式給湯装置。
- 電磁誘導加熱手段をヒートポンプ熱源の下流側に設置した請求項1記載のヒートポンプ式給湯装置。
- 電磁誘導加熱手段とヒートポンプ熱源とを並列に設置した請求項1記載のヒートポンプ式給湯装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003020021A JP2004232915A (ja) | 2003-01-29 | 2003-01-29 | ヒートポンプ式給湯装置 |
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JP2003020021A JP2004232915A (ja) | 2003-01-29 | 2003-01-29 | ヒートポンプ式給湯装置 |
Publications (1)
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ID=32949758
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2004232915A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102692008A (zh) * | 2012-04-20 | 2012-09-26 | 东莞市永淦节能科技有限公司 | 高温热泵磁热蒸汽发生器 |
JP2013535650A (ja) * | 2010-07-30 | 2013-09-12 | ジャンリャン チェン | ヒートポンプ即熱式温水ボイラ |
-
2003
- 2003-01-29 JP JP2003020021A patent/JP2004232915A/ja active Pending
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