JP2004230662A - 射出成形用金型 - Google Patents

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盛一 家中
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Abstract

【課題】射出成形によりアンダーカツ卜部を有する成形品を成形する。
【解決手段】成形品1の外面側を形成する固定金型2と、金型開閉方向の進退移動により固定金型2に対して型締めおよび型開き可能にされ、成形品1の内面側を形成する移動金型3とを有している。移動金型3は、アンダーカット部1aが形成される側壁内面に対向され、前進側端から後退側端にかけて側壁内面に近づくように傾斜された傾斜面4aと、金型開閉方向に対して平行な溝部4bとを備えた芯型4と、芯型4の傾斜面4aに沿って進退移動可能に設けられ、側壁内面の成形に用いられるスライド金型5と、スライド金型5に金型開閉方向に対して垂直方向に移動自在に貫設されると共に後端部が溝部4bに移動自在に嵌合されることによって、スライド金型5の前進時に先端部をスライド金型5から突出させる入れ子6とを有している。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形によりアンダーカツ卜部を有する成形品を成形する射出成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、側壁内面にアンダーカット部を射出成形により成形される箱形成形品で、セルフタップ型のピン形状や偏肉部の肉盗み形状等のアンダーカツ卜部を有するものは、移動コア金型に設けられた傾斜面に沿って傾斜スライドするスライド金型によってアンダーカツ卜部を成形する。そして、そのアンダーカツ卜部のアンダーカツト量が大きい場合は、スライド金型がスライドする移動コア金型のストロークを長くしたり、傾斜面の傾斜角度を大きくしたりして、アンダーカツ卜部を成形している(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
特実昭61− 192821号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のように、移動コア金型のストロークを大きく取る構成では、一般的な射出成形機の最大突き出しストロークが200mmを超えると油圧シリンダの設置やバーリンク等の特別な方法を取らねばならないため、多大な費用と設置期間が必要であるという問題がある。また、スライド金型が傾斜する傾斜面の傾斜角度を大きくする構成では、その傾斜面を傾斜するスライド金型の作動に多大な負荷がかかるため、破損する危険性があるという問題がある。
った。
【0005】
従って、本発明は、金型の大型化や負荷の大幅な増加を回避しながら成形品を離型することができる射出成形用金型を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、側壁内面にアンダーカット部を有した成形品を成形する射出成形用金型であって、前記成形品の外面側を形成する固定金型と、金型開閉方向の進退移動により前記固定金型に対して型締めおよび型開き可能にされ、前記成形品の内面側を形成する移動金型とを有し、前記移動金型は、前記アンダーカット部が形成される前記側壁内面に対向され、前進側端から後退側端にかけて前記側壁内面に近づくように傾斜された傾斜面と、前記金型開閉方向に対して平行な溝部とを備えた芯型と、前記芯型の傾斜面に沿って進退移動可能に設けられ、前記側壁内面の成形に用いられるスライド金型と、前記スライド金型に前記金型開閉方向に対して垂直方向に移動自在に貫設されると共に後端部が前記溝部に移動自在に嵌合されることによって、前記スライド金型の前進時に先端部を前記スライド金型から突出させる入れ子とを有することを特徴としている。
【0007】
上記の構成によれば、移動金型から成形品を離型させるときに、スライド金型を芯型の傾斜面に沿って前進させると、スライド金型が成形品の側壁内面から離れていくことになる。このとき、スライド金型に貫設された入れ子は、スライド金型と共に移動することになるが、後端部が金型開閉方向に対して平行な溝部に移動自在に嵌合されているため、この入れ子と芯型および成形品の側壁内面との位置関係は、スライド開始前と同一の状態を維持する。従って、スライド金型の前進によりスライド金型が成形品の側壁内面から離れたときに、入れ子の先端部がスライド金型から突出して成形品の側壁内面に当接し、この側壁内面を支持することによって、側壁内面のアンダーカット部をスライド金型から強制的に引き離すことができる。これにより、例えばスライド金型のスライド量を大きくしたり、芯型の傾斜面の傾斜角度を大きくすることに起因する金型の大型化や負荷の大幅な増加を防止しながら成形品を離型することができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の射出成形用金型であって、前記入れ子は、スライド金型を芯型に対して型締め可能な状態まで後退させたときに、先端面がスライド金型の外面に一致するように形成されていることを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、入れ子の先端面がスライド金型の外面の一部を構成するため、成形品の側壁内面の凹凸を防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1ないし図6に基づいて以下に説明する。
本実施の形態に係る射出成形用金型は、図2に示すように、側壁内面にアンダーカット部1aを有した成形品1を成形するように構成されており、成形品1の外面側を形成する固定金型2と、金型開閉方向の進退移動により固定金型に対して型締めおよび型開き可能にされ、成形品1の内面側を形成する移動金型3とを有している。固定金型2は、成形品1の外面側に対応した形状に穿設されたキャビティ部2aと、射出成形機のノズルの先端面に面状に当接するように凹形状に形成された接合部2bと、接合部2bの底部から移動金型3方向に開口径を拡大させながらキャビティ部2aの底面にまで貫通されたスプルー2cとを備えている。
【0011】
一方、上記の固定金型2に対向配置された移動金型3は、固定金型2のキャビティ部2aに挿入される芯型4を備えている。芯型4は、アンダーカット部1aが形成される成形品1の側壁内面に対向され、前進側端(図中左側端)から後退側端(図中右側端)にかけて側壁内面に近づくように傾斜された傾斜面4aと、金型開閉方向に対して平行な溝部4bとを有している。
【0012】
また、移動金型3は、芯型4の傾斜面4aに沿って進退移動可能に設けられ、側壁内面の成形に用いられるスライド金型5を備えている。スライド金型5は、図1に示すように、傾斜面4aの金型開閉方向に対する傾斜角θがスライド金型5のストローク量をYとし、突き出しストロークをXとしたとき、Y=X×tanθで求められるストローク量Yがアンダーカット部1aのアンダーカット量よりも大きくなる関係に設定されている。
【0013】
また、スライド金型5には、挿通穴5aが金型開閉方向に対して直交方向に形成されている。挿通穴5aには、入れ子6が挿通されている。入れ子6は、棒状の突出部6aと、突出部6aの底部に形成された基部6bとを有している。基部6bは、突出部6aの径よりも大きな径に設定されている。これにより、入れ子6は、スライド金型5に金型開閉方向に対して垂直方向に移動自在に貫設された状態にされていると共に、後端部の基部6bが溝部4bに移動自在に嵌合されることによって、スライド金型5の前進時に先端部をスライド金型5から突出させるようになっている。また、入れ子6は、スライド金型5を芯型4に対して型締め可能な状態まで後退させたときに、先端面がスライド金型5の外面に一致してこの外面の一部を構成するように形成されている。
【0014】
さらに、上記の挿通穴5aには、バネ部材11が設けられている。バネ部材11は、一端面がスライド金型5に当接され、他端面が基部6bに当接されている。そして、バネ部材11は、スライド金型5が前進および後退したときに、スライド金型5の自重により基部6bを芯型4の溝部4bに押し付けることによって、入れ子6の溝部4bからの浮き上がりを防止している。
【0015】
また、移動金型3は、芯型4が連結されると共にスライド金型5が挿通された金型本体7と、成形品1の剥離に使用されるエジェクターピン8と、金型本体7の移動方向を金型開閉方向に規正するリターンピン9と、プレート部材10とを有している。エジェクターピン8およびリターンピン9は、金型本体7に貫設されており、後端部がプレート部材10に連結されている。また、プレート部材10には、上述のスライド金型5の後端部も連結されている。そして、プレート部材10は、スライド金型5、エジェクターピン8およびリターンピン9を進退移動させるようになっている。
【0016】
上記の構成において、射出成形用金型の動作について説明する。
先ず、図2示すように、固定金型2と移動金型3とを型締めし、両金型2・3内にキャビティを形成する。そして、このキャビティに成形品の素材となる材料を図示しない射出成形機より注入する。これにより、キャビティ内で材料が硬化され、アンダーカット部1aを有する成形品1が成形される。
【0017】
次いで、図3に示すように、移動金型3を矢符方向(型開き方向)に前進させて型開きを行うことによって、成形品1を固定金型2から離型させる。この後、図4に示すように、プレート部材10を進出させることによって、スライド金型とエジェクターピン8とリターンピン9とを型締め方向に移動させる。これにより、スライド金型5は、芯型4の傾斜面4aに沿って移動しながら、先端部で成形品1の底面内側を押圧する。また、エジェクターピン8は、金型本体7内を移動しながら、先端部で成形品1の底面内側を押圧する。この結果、成形品1が芯型4から剥離されることになる。
【0018】
また、上記のようにスライド金型5が傾斜面4aに沿って前進すると、スライド金型5に移動自在に貫設された入れ子6は、スライド金型5と共に前進することになるが、後端部の基部6bが金型開閉方向に対して平行な溝部4bに移動自在に嵌合されているため、この入れ子6と芯型4および成形品1の側壁内面との位置関係は、スライド開始前と同一の状態を維持する。従って、スライド金型5の前進によりスライド金型5が成形品1の側壁内面から離れたときに、入れ子6の先端部がスライド金型5から突出して成形品1の側壁内面に当接して支持する。
【0019】
この結果、図5に示すように、成形品1の側壁内面のアンダーカット部1aがスライド金型から強制的に引き離される。これにより、図6に示すように、上述のY=X×tanθで求められるストローク量Yが、アンダーカット部1aのアンダーカット量に対して最小範囲で大きくなる関係に設定されていても、確実に成形品1を移動金型3から分離させることができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、スライド金型の前進によりスライド金型が成形品の側壁内面から離れたときに、入れ子の先端部がスライド金型から突出して成形品の側壁内面に当接および支持することによって、側壁内面のアンダーカット部をスライド金型から強制的に引き離すことができる。これにより、例えばスライド金型のスライド量を大きくしたり、芯型の傾斜面の傾斜角度を大きくすることに起因する金型の大型化や負荷の大幅な増加を防止しながら成形品を離型することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】射出成形用金型の要部を示す説明図である。
【図2】射出成形用金型による成形品の製造過程を示す説明図である。
【図3】射出成形用金型による成形品の製造過程を示す説明図である。
【図4】射出成形用金型による成形品の製造過程を示す説明図である。
【図5】射出成形用金型による成形品の製造過程を示す説明図である。
【図6】射出成形用金型による成形品の製造過程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 成形品
1a アンダーカット部
2 固定金型
3 移動金型
4 芯型
4a 傾斜面
4b 溝部
5 スライド金型
6 入れ子
7 金型本体
8 エジェクターピン
9 リターンピン
10 プレート部材
11 バネ部材

Claims (2)

  1. 側壁内面にアンダーカット部を有した成形品を成形する射出成形用金型であって、
    前記成形品の外面側を形成する固定金型と、
    金型開閉方向の進退移動により前記固定金型に対して型締めおよび型開き可能にされ、前記成形品の内面側を形成する移動金型とを有し、
    前記移動金型は、
    前記アンダーカット部が形成される前記側壁内面に対向され、前進側端から後退側端にかけて前記側壁内面に近づくように傾斜された傾斜面と、前記金型開閉方向に対して平行な溝部とを備えた芯型と、
    前記芯型の傾斜面に沿って進退移動可能に設けられ、前記側壁内面の成形に用いられるスライド金型と、
    前記スライド金型に前記金型開閉方向に対して垂直方向に移動自在に貫設されると共に後端部が前記溝部に移動自在に嵌合されることによって、前記スライド金型の前進時に先端部を前記スライド金型から突出させる入れ子と
    を有することを特徴とする射出成形用金型。
  2. 前記入れ子は、スライド金型を芯型に対して型締め可能な状態まで後退させたときに、先端面がスライド金型の外面に一致するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の射出成形用金型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103737867A (zh) * 2013-12-27 2014-04-23 浙江凯华模具有限公司 注塑模具斜顶脱模挡料装置

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