JP2004225861A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ニュートラルレンジからリバースレンジにいたる範囲で連続してマニュアルバルブ65から副変速シフトバルブ120に作動圧を供給し、該副変速シフトバルブ120を低速用摩擦要素46への作動圧供給状態に保持するシフトバルブ保持用作動圧供給手段を設けた。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等に搭載される自動変速機の制御装置、特に主変速機構と副変速機構とを有する自動変速機の制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等に搭載される自動変速機は、トルクコンバータと変速歯車機構とを組み合わせ、この変速歯車機構の動力伝達経路をクラッチやブレーキ等の複数の摩擦要素の選択的作動により切り換えて、所定の変速段に自動的に変速するものであり、この自動変速機として、エンジンの出力が入力される主変速機構と、該主変速機構の出力が入力される副変速機構とを備えたものがある。
【0003】
上記副変速機構として、切換用ソレノイドバルブのON,OFFによって作動する副変速シフトバルブからの作動圧により選択的に締結される高速用摩擦要素と低速用摩擦要素とを備え、後退速を除く所定の変速段で前者の高速用摩擦要素を締結させたときには主変速機構からの入力を減速することなく出力し、一方、後退速を含む所定の変速段で後者の低速用摩擦要素を締結させたときには主変速機構からの入力を減速して出力するように構成したものが知られている。このような自動変速機では、低速用摩擦要素と高速用摩擦要素との掛替えが行われる場合、その掛替えのタイミングがうまく合わないとインターロックやエンジンの吹き上がりの問題が生じて好ましくないので、低速用摩擦要素の開放が先行しても高速用摩擦要素の締結まではロック状態となり、高速用摩擦要素の締結後はフリー状態となるワンウェイクラッチを設けて上記問題を解決することが通例である。
【0004】
ところが、例えば上記切換用ソレノイドバルブが故障して、副変速シフトバルブが作動しなくなり、その結果、低速用摩擦要素が開放され、高速用摩擦要素が締結される状態に固着すると、特に後退速を得ようとしてレンジをリバースレンジに切り換えたときに次のような不具合が起こる。すなわち、後退時には前進時とは逆方向の回転が副変速機構に入力されるから、高速用摩擦要素の締結時に上記ワンウェイクラッチがロック状態となる。したがって、これらのワンウェイクラッチと高速用摩擦要素とが同時に締結状態となってインターロック状態となり、ショックやエンジンストール発生等の問題が生じる。
【0005】
この問題に対処する発明として特許文献1に記載の発明がある。すなわち、この発明では、運転者のシフト操作に伴い油圧制御装置に備えられたマニュアルバルブがリバース位置に操作されると、該マニュアルバルブから、主変速機構に設けられた後退速実現用の摩擦要素に作動圧が供給される。そこで、この作動圧(後退速用油圧)をフェールセーフ用の作動圧(フェールセーフ用油圧)として上記副変速機構側の副変速シフトバルブに導いて、レンジがリバースレンジに切り換えられたときには、たとえ切換用ソレノイドバルブが故障していても、上記副変速シフトバルブが作動して、低速用摩擦要素が確実に締結され、高速用摩擦要素が確実に開放されるようにしているのである。
【0006】
【特許文献1】
特開平2−304255号公報(第4図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、主変速機構の後退速実現用摩擦要素に供給する後退速用油圧を借りて、副変速機構へのインターロック防止用のフェールセーフ用油圧としているから、次のような問題が生じる。すなわち、マニュアルバルブがリバース位置に操作されたときに初めて上記後退速用油圧及び(兼)フェールセーフ用油圧が立ち上がるので、マニュアルバルブがリバース位置に操作されたときから、フェールセーフ油路への作動油の充填が開始され、後退速実現用摩擦要素への後退速用油圧の供給が遅れることになる。この後退速実現用摩擦要素への後退速用油圧の供給の遅れは、フェールセーフ用油圧の消費量や作動油の流動性等に応じて変化する。しかも、その変化は、ニュートラルレンジの経由時間や作動油の温度等、状況に応じてばらつき、その結果、後退速実現用摩擦要素への後退速用油圧の供給のタイミングがばらつく。よって、後退速実現用摩擦要素の締結制御をしようにもそれが困難となり、後進段達成時の変速ショックの抑制性能が狙いのものにならない場合がある。
【0008】
また、上記後退速実現用摩擦要素への後退速用油圧のタイミングのばらつきは、特にマニュアルバルブから副変速シフトバルブに至るフェールセーフ用油路が長くなるとなおさら顕著になる。
【0009】
そこで、本発明は、マニュアルバルブをリバース位置に操作した際のインターロックを確実に防止すると共に、ニュートラルレンジからリバースレンジへの操作時の後退速実現用摩擦要素への後退速用油圧の供給タイミングのばらつきを防止した自動変速機の制御装置の提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では次のように構成したことを特徴とする。
【0011】
まず、請求項1に記載の発明は、エンジン出力が入力される主変速機構と、該主変速機構の出力が入力される副変速機構とを有し、上記主変速機構には、マニュアルバルブのリバースレンジへの操作によって供給される作動圧により締結されて後退速を実現する摩擦要素が備えられ、上記副変速機構には、ソレノイドバルブのON,OFFによって作動する副変速シフトバルブからの作動圧により後退速を除く所定の変速段で締結される高速用摩擦要素と、同じく副変速シフトバルブからの作動圧により後退速を含む所定の変速段で締結される低速用摩擦要素と、高速用摩擦要素の締結時に逆回転入力によってロックするワンウェイクラッチとが備えられている自動変速機の制御装置であって、ニュートラルレンジからリバースレンジにいたる範囲で連続してマニュアルバルブから上記副変速シフトバルブに作動圧を供給し、該副変速シフトバルブを低速用摩擦要素への作動圧供給状態に保持するシフトバルブ保持用作動圧供給手段が設けられていることを特徴とする。
【0012】
この発明によると、マニュアルバルブをニュートラルレンジからリバースレンジに操作する場合に、ニュートラルレンジからリバースレンジの間連続的に途切れることなく、マニュアルバルブからフェールセーフ用油圧を立ち上げておくことで、リバースレンジに操作したときにフェールセーフ用油路に消費される油量が可及的にゼロになる。その結果、マニュアルバルブがリバースレンジに操作されたときに、後退速実現用摩擦要素への後退速用油圧の供給の遅れが殆んどなくなり、よってその供給のタイミングのばらつきも殆んどなくなるので、後退速実現用摩擦要素への締結油圧の乱れがなくなり、変速ショックの抑制性能を改善することができる。
【0013】
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、主変速機構の摩擦要素の作動を制御する主油圧制御装置と、副変速機構の摩擦要素の作動を制御する副油圧制御装置とが備えられ、マニュアルバルブは主油圧制御装置に、副変速シフトバルブは副油圧制御装置に、それぞれ設置されていることを特徴とする。
【0014】
この発明によると、既存の変速機(主変速機)に副変速機構を追加することによって容易に多段化派生(例えば4ATから5AT)することができる。すなわち、マニュアルバルブを含む油圧制御装置に副変速シフトバルブを含む副油圧制御装置を追加するだけで、多段化派生が可能となる。
【0015】
次に、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、主油圧制御装置は主変速機構の近傍に、副油圧制御装置は副変速機構の近傍に、それぞれ配置されていることを特徴とする。
【0016】
この発明によると、主変速制御装置に設けられたマニュアルバルブは主変速機構の近傍に配置され、副変速制御装置に設けられた副変速シフトバルブは副変速機構の近傍に配置されるので、上記マニュアルバルブとシフトバルブとを連結するフェールセーフ用の油路が長くなり、後退速用作動油がフェールセーフ用作動油に消費される油量が増える傾向となる。それゆえ、後退速実現用摩擦要素への後退速用油圧の供給の遅れがさらに大きくなるばかりでなく、その供給のタイミングのばらつき度合いもまた大きくなる。ゆえに、ニュートラルレンジからリバースレンジに亘って途切れることなく連続してフェールセーフ用油圧を立てておいてリバースレンジになってからの上記消費油量を可及的にゼロにする、という請求項1に記載の発明の効果がより一層発揮されることとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、本実施の形態に係る車両のパワートレイン1は、エンジン2、トルクコンバータ3、2つの遊星歯車機構4,5を有する主変速機構6及びこれらの軸線と平行な軸線上に配置されて遊星歯車機構7を有する副変速機構8を備える。トルクコンバータ3はエンジン2の出力をエンジン出力軸(トルクコンバータ3の入力軸)9を介して入力し、タービン軸(トルクコンバータ3の出力軸)10を介して主変速機構6に出力する。トルクコンバータ3の反エンジン側に配置されたオイルポンプ11はコンバータケース12及びポンプ13を介してエンジン出力軸9により駆動される。
【0018】
主変速機構6について説明すると、タービン軸10と第1遊星歯車機構4のサンギヤ20との間にフォワードクラッチ21が、タービン軸10と第2遊星歯車機構5のサンギヤ22との間にリバースクラッチ23が、タービン軸10と第2遊星歯車機構5のピニオンキャリヤ24との間に3−4クラッチ25がそれぞれ備えられている。2−4ブレーキ26は第2遊星歯車機構5のサンギヤ22を固定する。第1遊星歯車機構4のリングギヤ27と第2遊星歯車機構5のピニオンキャリヤ24とが連結され、これらと変速機ケース28との間にローリバースブレーキ29と主変速ワンウェイクラッチ30とが並列に配置されている。第1遊星歯車機構4のピニオンキャリヤ31と第2遊星歯車機構5のリングギヤ32とが連結され、これらに出力ギヤ33が接続されている。
【0019】
次に副変速機構8について説明すると、該機構8は単一の第3遊星歯車機構7を有し、上記主変速機構6の出力ギヤ33に常時噛み合った入力ギヤ40が該第3遊星歯車機構7のリングギヤ41に連結されていると共に、サンギヤ42とピニオンキャリア43の間に直結クラッチ44が備えられている。また、サンギヤ42と変速機ケース28との間には、副変速ワンウェイクラッチ45と減速ブレーキ46とが並列に配置されている。そして、第3遊星歯車機構7のピニオンキャリヤ43が軸47に連結され、該軸47に備えられた出力ギヤ48により、副変速機構8の出力回転数が該ギヤ48からデファレンシャル装置49の入力ギヤ50を介して左右の駆動軸51,52に伝達される。
【0020】
表1に示すように、上記主変速機構6及び副変速機構8の各摩擦要素21,23,25,26,29,30,44,46,45を選択的に作動させることにより前進5速、後退1速が得られる。
【0021】
【表1】
【0022】
ここで、副変速ワンウェイクラッチ45は主に4速から5速への変速を円滑に行うために設けられている。すなわち、4−5シフトアップ変速においては、副変速機構8の減速ブレーキ46が開放されて直結クラッチ44が締結される。そのときに、減速ブレーキ46が先に開放されても直結クラッチ44が締結されるまでは、ワンウェイクラッチ45がロック状態となってエンジン2の吹き上がりが防止される。
【0023】
図2は本実施の形態に係る自動変速機ATの側面図である。主変速機構6の油圧制御回路を構成する主油圧制御装置(主変速バルブボディ)60は、当該自動変速機ATにおける主変速機構6の下方に配置されたオイルパン61内に配置されており、また、副変速機構8の油圧制御回路を構成する副油圧制御装置(副変速バルブボディ)62は、副変速機構8の主変速機構6から遠いほうの背面側に配置されている。また、主油圧制御装置60と副油圧制御装置62の間には、メインライン63及びフェールセーフライン64が配設されている。メインライン63は、副油圧制御装置62に備えられた、後述する調圧用デューティソレノイドバルブ102及び切換用オンオフソレノイドバルブ103にライン圧を供給する。フェールセーフライン64は、同じく副油圧制御装置62に備えられた、後述する副変速シフトバルブ120にフェールセーフ用油圧を供給する。これらの油路63,64は変速機ケース28の内部を通過している。
【0024】
次に、上記油圧制御回路について説明する。図3に示すように、主油圧制御装置60には、まず、オイルポンプ11から吐出される作動圧の圧力を所定のライン圧に調整するレギュレータバルブ101が備えられ、該バルブ101によって調整されたライン圧が、メインライン63を介して、運転者によって操作されるマニュアルバルブ65に供給される。マニュアルバルブ65がリバースレンジに操作された後退速においては、該マニュアルバルブ65の出力ポート66からライン圧がリバースクラッチライン105を介してリバースクラッチ23に供給されて、該リバースクラッチ23が締結される(表1参照)。なお、このリバースレンジでは、上記リバースクラッチライン105上に設けられたローリバースシフトバルブ106のスプール106aが図面上左に移動して、上記リバースクラッチライン105を開通している。
【0025】
一方、副油圧制御装置62には、切換用オンオフソレノイドバルブ103、調圧用デューティソレノイドバルブ102及び副変速シフトバルブ120が設けられている。オンオフソレノイドバルブ103及びデューティソレノイドバルブ102には、2つに分岐したメインライン63から、それぞれライン圧が作動圧供給源として供給される。オンオフソレノイドバルブ103は、ONで切換圧ライン104に作動圧を供給せず、OFFで切換圧ライン104に作動圧をライン圧のままを供給して、副変速シフトバルブ120のスプール120aを図3における左側に移動させる。また、デューティソレノイドバルブ102はライン圧を調圧して、該調圧されたライン圧を調圧ライン107に供給する。調圧された作動圧は副変速シフトバルブ120に至り、ここで上記オンオフソレノイドバルブ103がONで副変速シフトバルブ120のスプール120aが右側に位置する場合は調圧ライン107と直結クラッチライン108とが連通して、直結クラッチ44が締結される。一方、オンオフソレノイドバルブ103がOFFで副変速シフトバルブ120のスプール120aが左側に位置する場合は調圧ライン107と減速ブレーキライン109とが連通し、減速ブレーキ46が締結される。ここで、リバースレンジでは、オンオフソレノイドバルブ103がOFFとされて、減速ブレーキ46が締結される(表1参照)。
【0026】
なお、調圧ライン107にはアキュムレータ111が設けられており、該アキュムレータ111はデューティソレノイドバルブ102の周期的ON,OFF動作に起因する油振を吸収するために設置されている。
【0027】
図4は、オンオフソレノイドバルブ103が故障(特にONに固定する故障)した場合で、マニュアルバルブ65がリバースレンジに位置するときの油圧回路を示す。オンオフソレノイドバルブ103がONに固定する故障をすると、切換ライン104に作動圧が供給されないので、リバースレンジにおいても、調圧ライン107と直結クラッチライン108とが連通したままになり、その結果、直結クラッチ44が締結したままリバースブレーキ23が締結すると、副変速ワンウェイクラッチ45との間でインターロックが起きる。そこで、この実施形態では、リバースクラッチライン105からフェールセーフライン64を分岐して設け、該フェールセーフライン64を副変速シフトバルブ120まで延設した。つまり、オンオフソレノイドバルブ103がたとえ故障でも、リバースクラッチライン105から副変速シフトバルブ120に連通する上記フェールセーフライン64で供給されるフェールセーフ用油圧によって、副変速シフトバルブ120のスプール120aを図4における左側に確実に移動させ、これにより、直結クラッチ44を開放させて、減速ブレーキ46を締結させるので、インターロックの問題が免れる。
【0028】
図5は、マニュアルバルブ65がニュートラルレンジに位置するときの油圧回路を示す。これによると、ニュートラルレンジでは、マニュアルバルブ65のスプール65aがリバースレンジのときと比べて図面上やや右方向に位置する。また、ローリバースシフトバルブ106のスプール106aは右側に位置する。したがって、リバースクラッチライン105がローリバースシフトバルブ106で遮断されるので、リバースクラッチ23に作動圧は供給されない。また、マニュアルバルブ65はニュートラルレンジからリバースレンジにわたってメインライン63とリバースクラッチライン105とを連通し続ける。これにより、リバースクラッチライン105ないしフェールセーフライン64には、ニュートラルレンジからリバースレンジに至る範囲で連続してライン圧が供給される。また、ニュートラルレンジではオンオフソレノイドバルブ103がONとなり副変速シフトバルブ120のスプール120aを右側に位置させることになるが、フェールセーフライン64から供給されるフェールセーフ用油圧によって副変速シフトバルブ120のスプール120aが左側に保持され、直結クラッチ44が開放され、減速ブレーキ46が締結される。したがって、ニュートラルレンジからリバースレンジの間は連続的に途切れることなくフェールセーフ用油圧が立つことになる。
【0029】
次に、本実施の形態の作用効果について説明すると、例えば、運転者が後退速を得ようとして、マニュアルバルブ65をニュートラルレンジからリバースレンジに操作したときに、ニュートラルレンジからリバースレンジの間連続的に途切れることなく、マニュアルバルブ65からフェールセーフ用油圧を立ち上げておくことで、リバースレンジに操作したときに、フェールセーフライン64に、リバースクラッチ圧用の油量が消費されることがなくなる。その結果、リバースクラッチ23のリバースクラッチ圧の応答遅れ及び立ち上がりのばらつきがなくなるので、リバースクラッチ23への締結油圧の乱れがなくなり、変速ショックの抑制性能を改善することができる。
【0030】
また、マニュアルバルブ65は主油圧制御装置60に、副変速シフトバルブ120は副油圧制御装置62に、それぞれ設置することで、既存の変速機(主変速機6)に副変速機構8を追加することによって容易に多段化派生(例えば4ATからこのように5AT)することができる。すなわち、マニュアルバルブ65を含む主油圧制御装置60に副変速シフトバルブ120等を含む副油圧制御装置62を追加するだけで、多段化派生が可能となる。
【0031】
また、図2に示したように、主変速制御装置60に設けられたマニュアルバルブ65は主変速機構6の近傍に配置され、副変速制御装置62に設けられた副変速シフトバルブ120は副変速機構8の近傍に配置されるので、上記マニュアルバルブ65と副変速シフトバルブ120とを連結するフェールセーフライン64が長くなり、後退速用作動油(リバースクラッチ圧)がフェールセーフ用作動油に消費される油量が増える傾向となる。それゆえ、リバースクラッチ23への締結用油圧の供給の遅れがさらに大きくなるばかりでなく、その供給のタイミングのばらつき度合いもまた大きくなる。ゆえに、ニュートラルレンジからリバースレンジに亘って途切れることなく連続してフェールセーフ用油圧を立てておいてリバースレンジになってからの上記消費油量を可及的にゼロにする、という前述の効果がより一層発揮されることとなる。
【0032】
次に、本発明における第2の実施の形態について図6に基づいて説明する。図6はニュートラルレンジにおける油圧回路を示している。これによると、フェールセーフライン64がマニュアルバルブ65に直接接続しており、リバースクラッチライン105とは別に制御されるという点が上記第1の実施の形態と異なり、他の構成は上記第1の実施の形態の構成と略同じである。
【0033】
このとき、リバースクラッチライン105にはリバースレンジに操作したときに初めて油圧が供給され、フェールセーフライン64はニュートラルレンジからリバースレンジにいたる範囲で連続的に油圧が供給される。フェールセーフライン64をリバースクラッチライン105とは別に設けたことによって、リバースクラッチ23の締結油圧がフェールセーフ用油圧の影響を受けずに済むので、これによってもまた締結油圧の応答遅れや応答のばらつきの問題が軽減される。
【0034】
【発明の効果】
マニュアルバルブをニュートラルレンジからリバースレンジに操作する場合に、ニュートラルレンジからリバースレンジの間連続的に途切れることなく、マニュアルバルブからフェールセーフ用油圧を立ち上げておくことで、リバースレンジに操作したときにフェールセーフ用油路に消費される油量が可及的にゼロになる。その結果、マニュアルバルブがリバースレンジに操作されたときに、後退速実現用摩擦要素への後退速用油圧の供給の遅れが殆んどなくなり、よってその供給のタイミングのばらつきも殆んどなくなるので、後退速実現用摩擦要素への締結油圧の乱れがなくなり、変速ショックの抑制性能を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両のパワートレインの骨子図である。
【図2】上記車両の自動変速機の側面図である。
【図3】油圧回路の要部部分図であって、Rレンジ(正常時)を表すものである。
【図4】同油圧回路の要部部分図であって、Rレンジ(故障時)を表すものである。
【図5】同油圧回路の要部部分図であって、Nレンジ(正常時)を表すものである。
【図6】第2の実施の形態に係る油圧回路の要部部分図であって、Rレンジ(正常時)を表すものである。
【符号の説明】
2 エンジン
6 主変速機構
8 副変速機構
23 後退速実現用摩擦要素(リバースクラッチ)
44 高速用摩擦要素(直結クラッチ)
45 ワンウェイクラッチ
46 低速用摩擦要素(減速ブレーキ)
60 主油圧制御装置
62 副油圧制御装置
64 フェールセーフライン
65 マニュアルバルブ
103 オンオフソレノイドバルブ
105 リバースクラッチライン
120 副変速シフトバルブ
AT 自動変速機
Claims (3)
- エンジン出力が入力される主変速機構と、該主変速機構の出力が入力される副変速機構とを有し、上記主変速機構には、マニュアルバルブのリバースレンジへの操作によって供給される作動圧により締結されて後退速を実現する摩擦要素が備えられ、上記副変速機構には、ソレノイドバルブのON,OFFによって作動する副変速シフトバルブからの作動圧により後退速を除く所定の変速段で締結される高速用摩擦要素と、同じく副変速シフトバルブからの作動圧により後退速を含む所定の変速段で締結される低速用摩擦要素と、高速用摩擦要素の締結時に逆回転入力によってロックするワンウェイクラッチとが備えられている自動変速機の制御装置であって、ニュートラルレンジからリバースレンジにいたる範囲で連続してマニュアルバルブから上記副変速シフトバルブに作動圧を供給し、該副変速シフトバルブを低速用摩擦要素への作動圧供給状態に保持するシフトバルブ保持用作動圧供給手段が設けられていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
- 主変速機構の摩擦要素の作動を制御する主油圧制御装置と、副変速機構の摩擦要素の作動を制御する副油圧制御装置とが備えられ、マニュアルバルブは主油圧制御装置に、副変速シフトバルブは副油圧制御装置に、それぞれ設置されていることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
- 主油圧制御装置は主変速機構の近傍に、副油圧制御装置は副変速機構の近傍に、それぞれ配置されていることを特徴とする請求項2に記載の自動変速機の制御装置。
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