JP2004217398A

JP2004217398A - スリッターの巻取装置ならびに巻取方法

Info

Publication number: JP2004217398A
Application number: JP2003009287A
Authority: JP
Inventors: Minoru Kamiyama; 實上山; Yoshiteru Kosuge; 祥照小菅
Original assignee: Fuji Iron Works Co Ltd
Current assignee: Fuji Univance Corp
Priority date: 2003-01-17
Filing date: 2003-01-17
Publication date: 2004-08-05

Abstract

【課題】原反ロールの１８０°反転の必要をなくして容易に上巻取りと下巻取りの切替えを可能とし、切替用スペースの排除ならびに切替時の反転操作の簡易化とコストの低減をはかる。
【解決手段】広巾のウエブＷをその長手方向に複数条の狭巾に裁断し、該裁断した狭巾のウエブを前後又は上下に分離して前後又は上下に配設された各個別の巻取軸に巻き取るスリッターにおいて、分離後の各個別の巻取軸への案内ロール８，９及び１０，１１の近傍にウエブの巻取方向として上面上巻を上面下巻に又はその逆に上面下巻を上面上巻に切替えを可能ならしめる切替用ロール１３を付設せしめた。
【選択図】図４

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はスリッターにおいて、前後又は上下に分離されたウエブを各個別の巻取軸に巻取るに際し、原反ロールを反転することなく、ウエブの上面と下面の反転ができる巻取装置ならびに巻取方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来のスリッターでは図１に示すようにシャフトＳに保持された原反ロールＲからウエブＷが巻出され、広巾のウエブを長手方向に複数条の狭巾に裁断して前後又は上下に分離して配設された各個別の巻取軸に巻取られるが、この際、原反ロールＲからの巻出しには上巻出しと下巻出しの２つの態様があり、下巻出しの場合は図１（イ）に示すようにウエブＷは裏側ｂが上面として巻出され、上巻出しの場合は図１（ロ）に示すように表側（ａ）がウエブ上面として巻出されて、狭巾に裁断された後、前者ではウエブ上面が表巻として、一方、後者ではウエブ上面は内巻として巻取られる。
【０００３】
そして、従来、このウエブの巻取方向は一方向に決められたロールの配置になっているため、一方向の巻取りしか行うことができない。
唯、原反ロールのウエブを上巻出し方向から下巻出し方向に切り替えた場合、あるいはその逆の場合には巻取軸での巻取方向が一定であっても原反ロールをスリッターの巻出装置に取り付ける前に１８０°反転させることにより、ウエブの上面と下面とは切り替えることが可能である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、原反ロールの上巻出しと下巻出しを切り替えるために原反ロールを巻出装置に取り付ける前に１８０°反転させることは広巾の原反ロールが６ｍ〜８ｍの巾を有するため、１８０°反転させるためのスペースが必要であり、難しい場合が多いと共に、反転できるとしてもその重量が３トン〜１０トンにもなる原反ロールを反転するための装置費用が高くなり、苦慮することが多い。
【０００５】
本発明は上述の如き実状に鑑み、これを改善すべく、巻取軸に入るウエブの一部のコースを変えるだけでウエブの上面と下面の反転がなされる簡便な方法を見出すことにより、原反ロールの反転をなくして容易に上巻取りと下巻取りの切替を可能とし、切替用スペースの排除ならびに切替の簡易化，費用の低減を良好ならしめることを目的とするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的に適合し、これを達成する本発明は、広巾のウエブをその長手方向に複数条の狭巾に裁断し、該裁断した狭巾のウエブを前後又は上下に分離して前後又は上下に配設された各個別の巻取軸に巻き取るスリッターにおいて、分離後の各個別の巻取軸への案内ロール近傍にウエブの巻取方向として上面上巻を上面下巻に又はその逆に上面下巻を上面上巻に切替えを可能ならしめる切替用ロールを付設せしめたことを特徴とする。
【０００７】
また、本発明は上記巻取装置を使用し、分離後の巻取軸に入るウエブを切替用ロールを通して一部のコースを変更し、ウエブの上面と下面を反転して巻取る方法も特徴としている。
【０００８】
【作用】
上記本発明により広巾のウエブを長手方向に複数条裁断し、狭巾のウエブとして前後又は上下に分離して前後又は上下に夫々、個別に設けられた巻取軸に巻取るに際し、下巻出し，下巻取りのときは従来のスリッターの巻取りと同様であり、上巻出し，下巻取りのときは原反ロールを１８０°反転して配設することにより、従来と同様に巻取りがなされるが、この場合、上記従来の下巻出しにおいて分離後に付設した案内ロールを利用することにより、ウエブの一部のコースを変えるだけで原反ロールの１８０°反転の必要なく、巻取軸の回転方向を逆にし、下巻取りを上巻取りに切替が可能となる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、更に添付図面を参照し、本発明の具体的な態様を説明する。
【００１０】
先ず、図２は従来方式の下巻出し、下巻取りの場合を示しており、原反ロールＲより下巻出しでウエブＷを巻出し、ガイドロール１〜６を通り、スリットナイフ１２を備えた分離ロール７を経て前後に分離し、夫々前後の案内ロール８，９又は１０，１１を介して巻取ロールＲ_１，Ｒ_２として巻取られている。
この場合の下巻出しは図１（イ）における如く裏側ｂがウエブ上面側として巻出され、該上面を内側とし、表側を上面として下巻取りで巻き取られる。
【００１１】
また、図３は図２に対し原反ロールＲを１８０°反転した場合で、原反ロールＲよりウエブＷを上巻出しで巻出す場合で、この場合は図１（ロ）に示す如く表側ａがウエブ上面となって、前記同様のガイドロール１〜６，分離ロール７，前後の案内ロール８，９又は１０，１１を通ってウエブ上面を内側として下巻取りで巻取られている。
【００１２】
以上の両巻取りは、従来行われている巻取りであるが、上記上巻出しと下巻出しを切り替え巻取られるウエブの上面と下面を切り替えるのに原反ロールを１８０°反転させることが必要とされる。
ところで、巻取軸の巻取りにおいて、上巻取りを下巻取りに、又は下巻取りを上巻取りに切り替え、ウエブの上面と下面を切り替えることはスリッター後の後構成の機械で、印刷とかウエブの一面にコーティングとかをする場合、後工程の機械に巻出し方向を合わせる必要があることから、極めて重要であるが、その都度、原反ロールの反転操作が求められる。
【００１３】
図４は上記の巻取りの切替を簡便に行ない得るようにした本発明装置の例を示し、原反ロールＲより分離し、各々の巻取軸に巻取ロールＲ_１，Ｒ_２（図では左右に分離した巻取ロールを各１個として示しているが、スリットナイフで複数に裁断，分離され巻取られる巻取数に応じた巻取ロールが配置されていることは勿論である。）として巻取られるが、本発明の場合、分離して巻取軸に巻取られる途中に切替用ロール１３が配設されて、分離されたウエブの一方を案内ロール８の下側を通す一方、他方を切替用ロール１３に巻いて他方の案内ロール１０の上側を通して巻取軸に巻取られるようになっており、このように紙通しを替えるだけで前記図２，図３における下巻取りを上巻取りに切替え、ウエブの上面と下面の反転を可能としている。
なお、裁断後のロールのレイアウトにより、切替用ロールはなくても巻取方向を替えることも可能であるが、切替用ロールを設けることがウエブの巻取品質において最適である。
かくして、従来、原反ロールを１８０°反転させなければできなかったウエブの上面と下面との切替えを切替用ロールを設け通すだけで原反ロールを反転することなしに簡単に行うことができる。
【００１４】
【発明の効果】
本発明は以上のように、広巾のウエブをその長手方向に複数条の狭巾に裁断し、該裁断した狭巾のウエブを前後又は上下に分離して、前後又は上下の各々に配設された各個別の巻取軸に巻かれるスリッターにおいて、ウエブの巻取方向、例えば上面上巻を上面下巻に、又は、その逆の上面下巻を上面上巻に切替えることが出来るロールを配設し、該ロールを利用して巻取軸に入るウエブの一部のコースを変えるだけでウエブの上面と下面の反転を行うようにしたものであり、ウエブの上面と下面の反転に広巾の原反ロールを一々、１８０°反転させる必要がないことから、反転に要求されるスペースの必要性がなく、反転作業が簡易化されると共に、単に切替用ロールを設置するだけでコストも少なくて済み、スリッター後の後工程との連携に頗る好適であり、低コストで高効率をもたらすスリッター装置の効用をより高める顕著な効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図１】スリッターにおける原反ロールの巻出しの態様を示す図で、（イ）は下巻出し、（ロ）上巻出しの場合である。
【図２】従来のスリッターの巻取り態様を示す概要図である。
【図３】原反ロールを１８０°反転した場合のスリッターの巻取態様を示す概要図である。
【図４】本発明に係るスリッターの巻取装置を用いた巻取態様を示す概要図である。
【符号の説明】
Ｒ原反ロール
Ｒ_１，Ｒ_２巻取ロール
１３切替用ロール

Claims

広巾のウエブをその長手方向に複数条の狭巾に裁断し、該裁断した狭巾のウエブを前後又は上下に分離して前後又は上下に配設された各個別の巻取軸に巻き取るスリッターにおいて、分離後の各個別の巻取軸への案内ロール近傍にウエブの巻取方向として上面上巻を上面下巻に又はその逆に上面下巻を上面上巻に切替えを可能ならしめる切替用ロールを付設せしめてなることを特徴とするスリッターの巻取装置。
請求項１記載の巻取装置を使用し、分離後の巻取軸に入るウエブを切替用ロールを通して一部のコースを変更し、ウエブの上面と下面とを反転して巻取ることを特徴とするスリッターの巻取方法。