JP2004213236A - 医療機関における原価計算方法および原価計算結果の帳票ならびに原価計算プログラムおよび帳票の出力方法 - Google Patents

医療機関における原価計算方法および原価計算結果の帳票ならびに原価計算プログラムおよび帳票の出力方法 Download PDF

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Abstract

【課題】病院全体としての収支状況を把握した上で、具体的な経営改善策の実施へとつなげていくことが困難であった。
【解決手段】部門別単価設定処理40で直接部門の収入と、直接部門が直接に費やした費用(直接費)とを取得し、その直接部門の収入に対する各診療行為件数当たりの直接費の比率を算出する。また、管理部門設定処理50で間接部門の費用を診療科および診療技術部門に対して割り当てる比率を算出する。これらの情報と実際の収入などから原価換算処理60で患者疾患収支情報32を作成し、原価計算結果出力処理70で患者別原価計算表80、医師別原価計算表81、疾患別原価計算表82の少なくとも一つを出力するようにした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療機関における原価計算方法および原価計算結果の帳票ならびに原価計算プログラムおよび帳票の出力方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、病院を始めとする医療機関における収支計算としては、財務会計の一環として病院単位での損益計算が行われたり、管理会計の一環として診療科別あるいは部門別の原価計算が行われていた。
例えば、医療における部門別、診療科別などの所望の管理指標別の損益管理をコンピュータで行うシステムとしては、特許文献1に開示されている技術があげられる。特許文献1の技術によれば、部門別の賦課損益(自部門費用)データおよび部門別の配賦損益(他部門費)データを部門別の表に出力する。この表の行は、収益、変動原価における材料費と経費とからなる自部門費用および他部門費用と、これらの収益と変動原価とから表計算された限界利益などが一行ずつ割り当てられる。表の列には、目標値、病名別損益、診療行為別損益、患者別損益および医師別損益が割り当てられている。なお、医師別損益であれば、医師別の損益データを取得して、医師別に、部門別賦課損益データと、部門別配賦損益データとをそれぞれ分類し、表を作成する。
【0003】
【特許文献1】
特許第3035235号公報(段落番号0006、0049、図7)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術のように病院単位での損益計算や診療科別あるいは部門別の原価計算を行う場合においては、その結果として病院全体・診療科単位・部門単位などの原価計算情報を得ることができる。しかし、そこで得られる情報は病院内の部署単位という粗い損益情報であるため、他の医療機関の情報と比較して自分の医療機関の状況を把握することには利用できるが、医療機関の経営者がその結果を活用して具体的な経営改善策の実施を行うことは困難である。このため、目標値、病名別の損益、診療行為別の損益、患者別の損益および医師別の損益を配列して表示するよりも、各損益について、もっと詳細な情報をわかりやすく出力させたいという要望がある。さらに、このような情報を得ようとする場合に、一定期間(例えば毎月)ごとにすべてのデータを集計して計算することは大きな負担となる。よって、本発明はこのような課題を解決して、病院全体としての収支状況を把握した上で、具体的な経営改善策の実施へとつなげていくことができる情報を提供できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する手段の1つとして、本発明は疾患別・医師別・患者別の少なくとも1つを指標として詳細な収入、費用(原価)、収支を算出し、それぞれの情報を確認しやすいように出力することにした。また、費用や収支の計算を行うにあたっては、一定期間ごとにすべてのデータを集計することは手間がかかるので、収入のデータのみを少なくとも取得し、費用は前もって設定した比率を用いて計算することにした。これらを具体的例示すると以下のようになる。
【0006】
まず、原価算出方法の一部をなす方法であって、収入、費用、収支を算出する方法としては、前記した一定の期間である第一の期間について直接部門が直接に計上する収入と直接費との比である原価換算率と、第一の期間に発生した間接部門の費用であって直接部門に割り当てるべき額の割合である一般費率とを用いて、第一の期間とは異なる期間である第二の期間について直接部門が計上した収入と診療行為の内容とから、直接部門の費用として割り当てるべき額を算出する方法があげられる。なお、原価換算率と、一般費率とはどちらか一方のみを他の期間から算出し、登録した値を用い、他方はその都度計算しても良い。
【0007】
また、算出結果を出力する方法としては、例えば、部門別の原価計算を行い、その結果を疾患別、患者別、医師別の少なくとも1つを指標として抽出した帳票として出力するようにし、その際に帳票の別を選択するステップと、指標の内容を特定する情報を入力するステップと、期間を特定する情報を入力するステップと、診療科を特定する情報を入力するステップと、指標の内容を含む表示と、期間の表示と、診療行為別の原価計算結果を患者ごとに配列させた表とを有する帳票を出力させるステップとを含むようにするものがあげられる。ここで出力とは、画面表示をする場合と、紙や磁気記録媒体に出力する場合と、それらの両方を含むものとする。
【0008】
このようにして出力される帳票としては、医師別、疾患別の帳票として、患者を特定する数値もしくは記号からなる表示と、レセプトやカルテなどに記載される疾患名と、それに対応して診療行為ごとに割り当てられた収入および費用ならびに収支を含むレコードを配列させた表を有するものがあげられる。患者別の帳票は、疾患別に作成し、該当する期間内の診療実日数を示す表示を有すると共に、診療実日数の収入および費用ならびに収支の合計値を診療行為ごとに割り当てた表示を含む表を備えることが望ましい。
【0009】
前記の処理は、コンピュータに原価計算プログラムをインストールし、起動させることにより実現させることが可能である。原価計算プログラムはコンピュータに読み込み可能に磁気記録媒体に記録された状態であっても良いし、通信網を介してコンピュータにダウンロード可能な状態であっても良い。
また、前記のような帳票を出力するには、種々の条件を設定する必要があるが、コンピュータの表示装置に表示させる画面で、このような条件を入力できるようにすると、簡単に出力作業を行えるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態は、病院などの医療機関が日々の業務自体を管理して病院単位で収入などを管理するシステムに連動させて、医療機関の経営状態を詳細に把握するためのツールを提供するものであり、疾患別、患者別、医師別の少なくとも1つを指標として収入と、その収入を得るためにかかる費用(直接費および間接費)と、収支とをわかりやすく表にまとめて出力できるようにするものである。また、そのような処理を行う際に、実際のデータ(実データ)からすべての集計処理を行うと手間がかかるので、一部の処理を、他の期間で実データを用いて算出した比率を用いて行うことで代用するものである。例えば、第一の期間の実データで収入に対する費用の比率を算出しておき、第二の期間では収入の実データに第一の期間で算出した比率をかけて、得られる値をその期間の費用とみなす。
【0011】
なお、本実施形態において、収入とは、患者に医療サービスを提供することで受けられる対価のことを指し、収益と同義のものとする。費用は、医療サービスを提供するために費やされる広義の支出である。収支は、収入から費用を差し引いたもので、会計学上の収益から費用を差し引いた利益と同義のものとする。また、直接費とは、特定の部門が、収入を得るために直接に費やす費用のことで、例えば、診療科の医師の人件費や、薬品、診療材料などの費用である。間接費とは、特定の部門が収入を得られるようにサポートする部門が、そのサポートのために費やす費用であり、管理部門の人件費などがあげられる。
【0012】
図1は、本実施形態の医療機関における原価計算を行うシステムを実現するためにコンピュータに起動させるプログラムの構成例である。病院総合原価計算プログラム1は、医療機関において日々行われる診療行為の結果として得られる情報(結果情報)を蓄えて、診療情報を計上するモジュールである診療情報計上モジュール2と、診療情報計上モジュール2の情報と日々の診療行為を行う際に発生した医業費用情報に基づいて診療科別や部門別の原価計算を行う診療科別部門別原価計算モジュール3と、診療情報計上モジュール2の情報と診療科別部門別原価計算モジュール3の情報に基づいて疾患別や医師別、患者別の原価計算を行う疾患別医師別患者別原価計算モジュール4とから構成される。ここで、部門とは医療機関の組織体系に応じて定められる単位で、本実施形態では直接に収入を計上することができる収益部門(直接部門)である診療部門および診療技術部門と、収益部門をサポートすることを主な目的とする非収益部門(間接部門)である管理部門とがあげられる。診療部門および診療技術部門は、収入を得る部門であるので収益部門といえるが、原価管理の観点からは原価管理をしようとする部門、つまり原価管理部門ともいえる。また、病院総合原価計算プログラム1は、後に説明する画面であって、ユーザの操作を容易にするための種々の画面をコンピュータの表示装置に表示させる際の表示制御手段としても機能する。
【0013】
図2に前記した病院総合原価計算プログラム1を実現するためのシステム概念図を示す。診療情報計上モジュール2では、日々行われる診療行為の結果として、患者の疾患に対する収入の情報(患者疾患収入情報10)と、患者数の情報(患者数情報11)と、診療行為の情報(診療行為情報12)とが記録・蓄積される。また、診療科別部門別原価計算モジュール3においては、診療情報計上モジュール2の情報と会計課などで管理している医業費用情報に基づいて、後に説明する診療科別部門別原価計算で算出された原価計算結果情報20と、診療科別部門別原価計算の算出過程で登録される配賦比率情報21とが記憶される。そして、疾患別医師別患者別原価計算モジュール4は、診療情報計上モジュール2と、診療科別部門別原価計算モジュール3とから情報を取得し、患者別原価計算表80と、医師別原価計算表81と、疾患別原価計算表82との少なくとも1つを作成するための処理を行う。
【0014】
各モジュール2,3,4の詳細な説明、およびこれにより実現される処理、ならびに結果として得られる情報について順番に説明する。
まず、診療情報計上モジュール2の患者疾患収入情報10としては図3に示す患者疾患収入情報データテーブル10aがあげられる。このデータテーブルには患者ごとの疾患名、医師名、診療行為名、および収入額の情報が格納される。患者数情報11としては図4に示すように診療科ごとの患者数の情報が格納される患者数情報データテーブル11aがあげられる。診療行為情報12として図5に例示される診療行為情報データテーブル12aは診療科ごとおよび診療技術部門ごとの診療行為内容、診療行為件数、および収入額の情報が格納される。
【0015】
次に、診療科別部門別原価計算モジュール3について説明する。
診療科別部門別原価計算モジュール3の原価計算結果情報20としては、図6に示す原価計算結果情報データテーブル20aがあげられる。このデータテーブルには診療科ごとおよび診療技術部門ごとの科目名および医業費用額の情報が格納される。配賦比率情報21として図7に例示される配賦比率情報データテーブル21aは診療科別部門別原価計算を実施する際に設定する比率名および比率の値が格納される。
【0016】
診療科別部門別原価計算モジュール3で診療科別部門別原価計算を行い原価計算結果情報20と配賦比率情報21とが得られるまでの処理について図8のフローチャート、図9の診療科別部門別原価計算用テンプレートなどを参照して説明する。ここでの処理は、図9の診療科別部門別原価計算用テンプレートの作成と、縦軸の項目および横軸の項目で特定されるセルに適切な金額を計上させることとし、その過程および結果として原価計算結果情報20と、配賦比率情報21とが得られる。
【0017】
ちなみに、図9の診療科別部門別原価計算テンプレート5は、横軸に診療部門と、診療技術部門と、管理部門が設定され、診療部門は合計(科別)と、外来(科別)と、入院(科別)と、入院(病棟)とからなり、診療技術部門は検査と、放射線と、手術室と、薬剤と、給食とからなる。管理部門は事務と医事課と、前記の各部門に所属しない費用をまとめて計上する項目である共有とかならなる。診療部門は科別、病棟別に分割できるので、実際にはそれぞれが複数の項目から構成されることになる。入院(科別)と入院(病棟)とは、診療を行う科目別(前者)とベッドのある病棟別(後者)の違いであり、収入の合計や原価の合計を計算すると両者は同じ値になる。そして、合計(科別)は、外来(科別)と入院(科別)との合計の金額を表示するための項目である。なお、表示は一例であり、診療技術部門には、この他にも処置室、透析室、理学療法室など、病院が原価部門として設定したい部門を設定することができる。また、管理部門についても、この他に、病歴室、洗濯室、医局など、病院が管理部門として設定したい部門を設定することができる。
【0018】
また、縦軸の収入は、入院診療収入、外来診療収入、その他医業収入、・・・、などと、それらの合計からなる。原価において、直接原価の項目(一次的に配賦される項目)は、直接的に発生する費用として最初に各部門に配賦されるもので、人件費、材料費、・・・、などとそれらの合計からなる。間接原価(二次的な配賦)は、管理部門から配賦される間接原価と、診療技術部門から配賦される間接原価とからなる。管理部門から配賦される間接原価とは、管理部門の直接原価を診療部門や診療技術部門に割り当てるもので、事務と、医事課と、共有とからなる。診療技術部門から配賦される間接原価は、検査と、放射線と、手術室と、薬剤と、給食とからなる。間接原価の項目には、これらの他に管理部門および診療技術部門の各項目の合計欄が用意されている。さらに、原価には、直接原価の合計と、間接原価の合計との合算値である原価合計の欄が用意されている。
【0019】
まず、図8のステップS1で、病院基本情報の収集を行う。病院基本情報とは、その医療機関における組織体系を把握し、経営管理の基礎となる情報で、例えば、各診療科、病棟、部門についての職員数、延べ面積、所有設備、機器などについての情報があげられる。
【0020】
ステップS2では、病院基本情報に基づいて原価部門を設定する。このような部門としては、医業収入が直接に計上される診療部門と、各診療科の指示でサービスを提供する診療技術部門と、収入が直接に発生するわけでないが病院経営に不可欠な管理部門とがあげられる。
【0021】
ステップS3では、病院会計準則の勘定科目を参考にするなどして集計科目を設定する。集計科目は、例えば各部門についての収入と、原価とがあげられる。原価は、前記したように、各部門で実際に発生する人件費、材料費などの費用(直接原価)と、管理部門の人件費などを診療部門および診療技術部門に割り付けた費用(管理部門から配賦される間接原価)と、診療技術部門の人件費などを診療部門に割り付けた費用(診療技術部門から配賦される間接原価)とに分類しておくことが望ましい。
【0022】
ここまでの処理で図9に示す診療科別部門別原価計算テンプレート5の縦軸および横軸の各項目が設定される。この段階で原価計算テンプレート5をコンピュータ画面などに出力させて作業者が確認することが望ましい。
【0023】
ステップS4では、配賦比率の設定を行う。前記したように間接原価の配賦を行って、管理部門の直接原価を診療部門および診療技術部門に割り付けたり(管理部門の直接原価の配賦:図9の矢印A1に相当)、診療技術部門の費用(自部門の直接原価および、自部門に割り付けられた管理部門の直接原価)を診療部門に割り付けたり(診療技術部門の費用の配賦:図9の矢印A2に相当)するためには、それぞれの配賦比率を設定する必要がある。この設定は、図示しない入力画面などから数値を入力したり、利用部門の床面積や、手術などの件数、職員数や患者数の比、材料の貸し出し件数、薬品消費量、洗濯件数などから算出される比率を用いたりすることができる。ここで各項目ごとに設定された配賦比率は配賦比率情報21として記憶される。
【0024】
なお、図示しない入力画面の例としては、管理部門の名称など、配賦比率を設定する項目を選択可能に配列した一覧表と、配賦比率を選択できるボックスとを備えた画面がある。選択できる配賦比率としては、患者数や、診療行為が行われた件数に応じて配賦する配賦比率や、病院の職員数に応じて配賦する配賦比率、医師数もしくはその人件費に応じて配賦する配賦比率、があげられる。複数の配賦比率を選択した場合に、それぞれの配賦比率で配賦したときの診療科ごとなどの配賦結果が比較可能に配列表示されるようにすると、配賦比率の設定が容易になる。このように比較しながら決定された配賦比率は、項目ごとに登録される。前記一覧表には、配賦比率を設定したものと、配賦比率を未設定のものとで、表示を切り替える表示欄を設けることが望ましい。
【0025】
ステップS5では、収集したデータの入力を行う。収集されたデータのうち、収入の額は、収益部門である診療部門ごと、および診療技術部門ごとに、縦軸の収入の該当する項目に入力される。費用の額は、診療部門ごと、および診療技術部門ごと、ならびに管理部門ごとに、縦軸の直接原価の該当する項目に入力される。なお、手動で入力する場合には画面に原価計算テンプレート5を表示させ、特定のセルをクリックして、該当する金額を入力するようにすると、確認しながら入力することが可能になるので便利である。
【0026】
収入と直接原価とがそれぞれ入力されると、ステップS6で入力データの配賦処理が行われる。最初に、ステップS4で設定された配賦比率に従って、管理部門の直接原価の項目に入力されたデータが、横軸の合計(科別)を除く診療部門および診療技術部門と、縦軸の間接原価の管理部門の各項目とで特定される領域に割り当てられる(図9の矢印A1)。続いて、診療技術部門についての直接原価および割り当てられた管理部門の間接原価の各項目の金額が、ステップS4で設定された配賦比率に基づいて、横軸の合計(科別)を除く診療部門と、縦軸の間接原価の診療技術部門の各項目とで特定される領域に割り当てられる(図9の矢印A2)。そして、外来(科別)と入院(科別)とを足し合わせると合計(科別)が求まる。なお、入院(科別)と入院(病棟)とは、本質的に同じものであるので、合計(科別)の計算には入院(科別)のみを用いる。
【0027】
ここまでで、診療科別部門別原価計算の処理が終了する。各部門についての収入のデータおよび費用のデータは、原価計算結果情報20として記憶される。なお、診療部門の合計(科別)の列を検証すると、直接原価の収支や、間接原価を含めた収支など、医業収支の評価が行える。
【0028】
疾患別医師別患者別原価計算モジュール4について説明する。
疾患別医師別患者別原価計算モジュール4は、部門別単価設定処理40と、管理部門費設定処理50と、原価換算処理60と、原価計算結果出力処理70と、必要なデータの記憶や、ユーザが操作を行うための画面制御とを行う。
【0029】
部門別単価設定処理40は、患者数情報11、診療行為情報12、および原価計算結果情報20から収益部門の収入と収益部門が直接に費やした費用(直接費)とを取得し、その収益部門の収入に対する各診療行為件数当たりの直接費の比率を算出する。算出された結果は原価換算率情報30として記憶される。
管理部門費設定処理50は、患者数情報11、診療行為情報12、原価計算結果情報20、および配賦比率情報21に基づいて、管理部門の費用を診療科などの収益部門に割り当てる際に、収益部門の直接費と、割り当てた費用との比を算出する。算出された結果は一般費率情報31として記憶される。
原価換算処理60は、患者疾患収入情報10、原価換算率情報30、一般費率情報31に基づいて患者疾患収支情報32を作成する。
原価計算結果出力処理70は、患者疾患収支情報32に基づいて患者別原価計算表80、医師別原価計算表81、疾患別原価計算表82といった原価計算結果の帳票の出力を行う。ここにおいて出力とは紙媒体や磁気記録媒体に出力することや、ディスプレイに出力することを含む。
【0030】
疾患別医師別患者別原価計算モジュール4の処理を図10のフローチャートなどに示す。
図10に示すように、疾患別医師別患者別原価計算処理は、部門別単価設定処理40、管理部門費設定処理50、原価換算処理60、原価計算結果出力処理70をこの順に行い、原価計算結果出力処理70で患者別原価計算表80、医師別原価計算表81、疾患別原価計算表82の少なくとも1つの原価計算結果帳票が出力される。各処理においては、診療情報計上モジュール2においてあらかじめ記憶されている患者疾患収入情報10と、患者数情報11と、診療行為情報12と、診療科別部門別原価計算モジュール3においてあらかじめ記憶されている原価計算結果情報20と、配賦比率情報21とが参照される。
【0031】
ここにおいて疾患別医師別部門別原価計算モジュール4は図11に例示するメニュー画面111を表示させることによりユーザの操作を支援する。このメニュー画面111は、タイトル112の下に「1.初期設定処理」のボタン113と、「2.原価設定処理」のボタン114と、「3.原価換算処理」のボタン115と、「4.帳票出力処理」のボタン116とが配列され、この処理を終了させるための終了ボタン117も有している。「1.初期設定処理」のボタン113をキーボードの矢印キーと確定キー、あるいはマウスでクリックするなどして選択する(以下、単に「選択する」とする)と、収入をどの部門に割り当てるかなどの初期設定が行える。「2.原価設定処理」のボタン114を選択すると部門別単価設定処理40および管理部門費設定処理50が実行される。「3.原価換算処理」のボタン115を選択すると原価換算処理60が実行される。「4.帳票出力処理」のボタン116を選択すると原価計算結果出力処理70が実行される。
【0032】
「1.初期設定処理」のボタン113が選択された場合の初期設定について、最初に初期設定を行う必要性から説明する。病院の運営において診療報酬を計算する医療事務システムは、患者がいつ、どの診療科にかかって、どのような診療行為を受け、いくら支払ったか、などの情報が蓄積されている。このため、医療事務システムの情報を取得すれば、診療科ごとの医業収益(収入)を把握することができる。しかしながら、患者が受けた診療行為は診療科だけではなく、診療技術部門との協働の元に実施されることも多く、本実施形態の目的の一つとする詳細な原価管理を行うためには、診療技術部門にも寄与に応じて収益を割り当てる必要がある。そこで、診療行為を患者が受けたときに、その診療行為を、どの診療科や、診療技術部門に計上するかを前もって設定しておく必要があり、そのような割り付けを行うことを初期設定という。
【0033】
そして、初期設定、すなわち本システムに適用できるように項目の割り付けを行う処理および操作の概念を図12の初期設定用画面121を参照しながら説明する。
まず原価管理部門として診療科と診療技術部門の設定を行う。ここで設定する診療科や診療技術部門は対象となる医療機関によって異なるが、より正確な原価計算を行うためには、医業費用が収集可能な範囲でできるだけ細かく設定することが望ましい。
【0034】
次に、設定した原価部門ごとに収入として計上する診療行為項目を設定する。例えば、患者から得られる収入である初診料や再診料といった基本料は、患者が診療を受けた診療科(図12のA科や、B科など)に計上するので、図12の初期設定画面121の、対応する診療科のボックス(セル)を選択して○印のチェックマークを付けたり、テキスト入力したりする。検査による収入など、その種類により診療室で行ったり、他の部門で行ったりする場合は、例えば、診療室で行う検査Aは診療科Aに計上し、検査室で行う検査Bは検査科に計上するので、前記と同様にして初期設定画面121を利用して設定する。この図では割り付けるべき科を選択する場合のみが図示されているが、配賦する比率の数値を入力することも可能である。
【0035】
「2.原価設定処理」を選択すると、図13に示す原価設定処理画面131が出力される。ここではタイトル132と、「1.部門原価設定処理」のボタン133と、「2.一般費設定処理」のボタン134と、「3.個別原価設定処理」のボタン135とが配列されており、それぞれの処理が選択可能になっている。また、前記したメニュー画面111に戻るための「メニュー戻り」のボタン136も配置されている。
【0036】
この図において「1.部門原価設定処理」のボタン133を選択すると、図10に示す部門別単価設定処理40が実行される。この処理においては図14のフローチャートに示すように、診療行為情報12から前記の初期設定処理で設定された部門における診療行為の件数と収入を取得し(ステップS101)、さらに診療科別部門別の原価計算結果情報20を取得する(ステップS102)。ここで原価計算結果情報20においては、その計算過程において、あらかじめ原価部門として設定された診療科と診療技術部門において直接消費される直接費が求められているので、原価部門として設定した診療科や診療技術部門の直接費と診療行為収入の比率を原価換算率として算出し(ステップS103)、その結果を原価換算率情報30として書き込みを行う(ステップS104)。このようにして算出し、登録する原価換算率は、次回以降において原価計算を行う際にその一部の処理(直接費を集計する処理)を省略するために用いることができる。
【0037】
そして、原価部門として設定された部門のすべてについて同様の手順を繰り返し行う(ステップS105)ことによって、図15に示す原価換算率情報30が記録される。原価換算率情報30としては、科や、部門の名称と、換算率とからなる原価換算率情報テーブル30aが例示されている。
【0038】
ステップS103からステップS105までの処理を実行するために用いられる画面としては、図16や図17に例示する部門別原価設定処理画面があげられる。
図16の部門別原価設定処理画面161は、診療部門の原価設定処理を行うための画面で、人件費、材料費、経費などの費用の項目(費目)162aと、その補助科目162b(例えば、医師給与、法定福利費、医薬品費など)と、対応する費用162cと、処理区分162dとを関連付けると共に、費用の項目162aごと、ならびに全体の費用の合計額とが表示される一覧表163と、収入額および行為件数の表示欄164と、これらに表示される情報に基づいて算出される原価換算率、および一件当たりの費用の単価、ならびに一件当たりの収入の単価を表示する表示欄165とを有している。この図で一覧表163はスクロール表示させることができるようになっており、その合計額として表示されている費用合計額3475255円と、表示欄に表示されている収入額49920988円とから、収入に対する原価の比率として原価換算率7.0%が得られている。
【0039】
原価換算率および一件当たりの費用単価ならびに一件当たりの収入単価の算出は下部に配置された「算出/登録」のボタン166を選択することで実行され、このときの処理が前記ステップS103に相当する。また、一覧表163の上部の領域には診療部門の表示167aと、診療技術部門への画面切り替えのボタン167bとが互いに離れて配置されている。診療部門の表示167aはプルダウンメニューになっており、他の診療部門の原価設定処理を行う場合にはここから該当する診療部門を選択して原価換算率の算出/登録を行わせることができる。画面切り替えのボタン167bを選択すると、図17に示す診療技術部門の部門原価設定処理画面171に切り替わる。図16の診療部門の表示167aから他の診療部門を選択することや、画面切り替えのボタン167bを選択して、そこから必要な診療技術部門を選択することが、ステップS105のNOと判定される場合に相当する。一方、「メニュー戻り」のボタン168を選択して前記したメニュー画面131に戻るときは前記ステップS105でYESと判定される場合に相当する。
【0040】
ちなみに、図17に示す診療技術部門の部門原価設定処理画面171は、プルダウンメニュー形式で診療技術部門を選択できる表示177aと、診療部門の部門原価設定処理画面に切り替えるボタン177bと、その診療技術部門についての一覧表173と、収入額と行為件数の表示174と、原価換算率および一件当たりの単価ならびに一件当たりの収入単価の表示175と、「算出/登録」のボタン176と、「メニュー戻り」のボタン178とを有している。一覧表173は前記したように費目172aおよびその補助科目172bと、対応する費用172cと、処理区分172dとを有し、各項目の合計額と、全体の合計額が表示されるが、費用および各合計額は、その部門を構成する科ごと(この図の例では放射線部門の一般X線検査科、CT(Computed tomography)検査科など)に表示できるようになっている。診療技術部門は複数の小分類に分けることが可能で、収入や原価もそのような小分類ごとに計上することが可能だからである。各科ごとの費用などを表示させるためには「配賦」のボタン179を選択する。これにより、初期設定処理(図12参照)で前もって設定された項目に計上される費用が対応する科の費用として割り当てられて合計が算出される。また、費用の配賦と共に収入額および行為件数も配賦することができるので、原価換算率と、一件当たりの費用単価および収入単価も科ごとに算出でき、その結果を表示できる。なお、配賦をせずに部門としての費用および各合計のみを表示させて、原価換算率なども部門として1つの値を算出しても良い。
【0041】
本実施形態において直接費として扱った医業費用については、診療行為によって費用が変動しないと考えられる人件費や経費、減価償却費のような固定費と、診療行為によって費用が変動する材料費のような変動費に分け、固定費については診療行為収入との比率を算出し、変動費については該当する材料費とその材料の使用によって得られる薬剤料などの収入額との比率を算出し、それらを合せて原価換算率として使用しても良い。
【0042】
図13の「2.一般費設定処理」を選択すると、一般費設定処理が行われる。この処理は図2、図10の管理部門費設定処理50に相当するもので、その詳細は図18のフローチャートに示すようになっている。
まず診療科別部門別の原価計算結果情報20を取得する(ステップS201)。ここで原価計算結果情報20においては、その計算過程(図8および図9を用いて行う診療科別部門別原価計算)において、あらかじめ原価部門として設定された診療部門と診療技術部門で直接消費される直接費(直接原価)、および管理部門において消費された費用を間接的に負担する間接費(間接原価)が求められている。次に、設定した原価部門ごとに管理部門の費用を割り当てる比率である一般費率を設定するかどうかの判断を行う(ステップS202)。ここで設定した原価部門ごとに一般費率を設定する場合には、該当する部門における直接費情報と間接費情報を取得し(ステップS203、S204)、その比率を一般費率として算出し(ステップS205)、一般費率情報31として書き込みを行い(ステップS206)、すべての原価部門について一般費率の設定が終わるまで同様の動作を繰り返す(ステップS207)。ここで算出され、登録される一般費率は、次回以降に原価計算を行う際にその一部の処理(一般費つまり間接費を集計する処理)を省略するために用いることができる。
【0043】
一方、原価部門ごとに一般費率を設定せずに、一般費率を全部門一律に設定する場合には(ステップS202)、全部門の直接費の合計情報と間接費の合計情報を取得し(ステップS208、S209)、その比率を一般費率として算出し(ステップS210)、一般費率情報31として書き込みを行う(ステップS211)。これら管理部門費設定処理50を実施した結果として、図19に示す一般費率情報31が記録される。この図では部門の名称と、一般費額と、一般費率とが配列された一般費率情報テーブル31aとして記録されている例が示してある。
【0044】
ステップS203からステップS207までの処理を実行するために用いられる画面としては、図20や図21に例示する一般費設定処理画面があげられる。図20に示す一般費設定処理画面201は、プルダウンメニューで診療部門の名称を選択できる診療部門表示202aと、診療技術部門の一般費設定処理画面(図21参照)に表示を切り替えるためのボタン202bと、一般費および一般費率の一覧表203と、一般費率を算出し、登録するための「算出/登録」のボタン204と、メニュー画面131に戻る「メニュー戻り」のボタン205とを有している。ここでの一覧表203は、人件費などの費目206aと、その項目について管理部門で発生した間接費であって、選択された診療部門(図では小児科)に割り付けられた費用の額206bと、費用の合計額206cと、診療部門が直接使用した費用に対する管理部門から割り付けられる合計額の割合(一般費率の値206d)とが配列表示されたものである。「算出/登録」のボタン204を選択すると図18のステップS205の一般費率の算出、およびステップS206の一般費率情報の書き込みが行われる。診療部門の表示202aで他の診療部門を選択したり、画面切り替え202bを選択して、そこから必要な診療技術部門を選択したりして、他の部門の一般費設定処理画面(図21)を表示させることが、ステップS207におけるNOの判定に相当し、「メニュー戻り」のボタン205を選択することがステップS207でYESの判定に相当する。
【0045】
図21は診療技術部門についての一般費設定処理画面211であり、診療技術部門表示212aに示すように放射線部門についての一般費設定結果が表示されている。一覧表213は、人件費などの費目216aと、それについて管理部門で発生した間接費であって、選択された診療技術部門(図では放射線部門)に割り付けられた費用の額216bと、費用の合計額216cと、一般費率の値216dとが配列表示されているが、費用は部門を構成する小分類である科(この例では一般X線検査料、CT検査料、MRI(Magnetic Resonance Imaging)検査料)ごとに表示され、一般費率もこの科ごとに算出・表示されている。なお、画面切り替えのボタン212bと、「部門配賦」のボタン217と、「算出/登録」のボタン214と、「メニュー戻り」のボタン215は、それぞれ図17の対応するボタン177bと、ボタン179と、ボタン176と、ボタン178と同様の役割を担う。
【0046】
本実施形態では診療科別部門別原価計算の結果から一般費率を算出して設定を行ったが、対象となる医療機関における予算などによってあらかじめ一般費率が設定されている場合には、一般費率情報31のテーブル内に一般費率を直接に書き込んでも良い。
【0047】
次に、図11のメニュー画面において「3.原価換算処理」のボタン115が選択されると、図10の原価換算処理60が実行される。この処理の詳細を図22のフローチャートに示す。まず患者疾患収入情報10を読み込み(ステップS301)、この情報に含まれている患者の診療行為収入が診療部門に計上すべきものかどうかの判断を行う(ステップS302)。ここで診療部門に計上する収入の場合は、該当する診療科の原価換算率と収入を掛け合わせることで直接費を算出し(ステップS303)、さらに直接費と該当する診療科の一般費率を掛け合わせることで間接費を算出し(ステップS304)、直接費と間接費を足して診療行為原価を算出する(ステップS305)。また、前記ステップS302における判定で、診療行為収入が診療部門ではなく、診療技術部門に計上すべき収入の場合は、該当する診療技術部門の原価換算率と収入を掛け合わせることで直接費を算出し(ステップS306)、さらに直接費と該当する診療技術部門の一般費率を掛け合わせることで間接費を算出し(ステップS307)、直接費と間接費を足して診療行為原価を算出する(ステップS305)。同様にして該当する患者に関する全診療行為が終了するまで繰り返して処理を行った後(ステップS308)、患者疾患収支情報32にその結果の書き込みを行う(ステップS309)。この処理を患者疾患収入情報10が終了するまで繰り返し行い(ステップS310)、患者疾患収支情報32に書き込みを行っていく。これら原価換算処理60を実施した結果として、図23に示す患者疾患収支情報32が記録される。この図では患者疾患収支情報32の例として、患者ごとに、その疾患と、担当した医師と、診療行為の名称(行為)と、収入および費用とが配列された患者疾患収支情報テーブル32aが示されている。
【0048】
図11のメニュー画面において「4.帳票出力処理」のボタン116が選択されると、図10に示す原価計算結果出力処理70が実行される。この処理の詳細を図24のフローチャートに示す。原価計算結果出力処理70では、まず患者疾患収支情報32の読み込みを行う(ステップS401)。次に原価計算の結果を出力する際に出力キー(指標)となる項目の設定を行い(ステップS402)、設定した出力キーの判定を行う(ステップS403)。ここで出力キーとして患者が設定された場合は、患者疾患収支情報32を患者(第1のキー)、疾患(第2のキー)、医師(第3のキー)の順に並べ替えを行い(ステップS404)、並べ替えた結果を患者別原価計算表80として出力する(ステップS405)。
【0049】
設定した出力キーの判定を行った際に(ステップS403)、出力キーとして医師が設定された場合には、患者疾患収支情報32を医師(第1のキー)、患者(第2のキー)、疾患(第3のキー)の順に並べ替えを行い(ステップS406)、並べ替えた結果を医師別原価計算表81として出力する(ステップS407)。
【0050】
設定した出力キーの判定を行った際に(ステップS403)、出力キーとして疾患が設定された場合には、患者疾患収支情報32を疾患(第1のキー)、患者(第2のキー)、医師(第3のキー)の並べ替えを行い(ステップS408)、並べ替えた結果を疾患別原価計算表82として出力する(ステップS409)。これらの処理は原価計算表80〜82の出力を終了すると判断されるまで繰り返し行われる(ステップS410)。
【0051】
また、今回の実施例においては原価計算の結果を出力する際に出力キーとなる項目の設定を行い(ステップS402)、設定した出力キーの判定を行う(ステップS403)という手順を示したが、原価計算の結果を出力する際の並べ替え順を図25に示す原価計算結果出力設定テーブル33としてあらかじめ設定しておき、設定コードを指定することで、患者疾患収支情報32の並び替えを行い、その結果を原価計算表として出力を行っても良い。なお、図25に示す原価計算結果出力設定テーブル33は、出力キーとして選択する項目の優先度が最も高いもの(優先度1)と、次に優先度が高いもの(優先度2)と、優先度の低いもの(優先度3)のそれぞれに患者、疾患、医師のいずれか1つが格納されると共に、これを読み出すための設定コードが付されることで1組のデータが定義され、このようなデータが複数配列された構成を有している。
【0052】
この処理を実行するために用いられる画面としては、図26と、図27と、図29とに例示される画面が用いられる。
図26に示す原価計算帳票出力画面261は、出力させる帳票の種類を疾患別と、患者別と、医師別とに選択させる画面である。それぞれに対応した「1.疾患別帳票出力」のボタン262と、「2.患者別帳票出力」のボタン263と、「3.医師別帳票出力」のボタン264と、前記のメニュー画面111に戻るためのボタン265とが配列されている。このボタン265は前記のステップS410の終了判定に用いられる。
【0053】
「1.疾患別帳票出力」のボタン262を選択すると、図27に示す疾患別帳票出力条件画面271が出力される。この画面は病名コードと、疾患大分類コードおよび疾患中分類コードならびに疾患詳細分類コードと、対象年月と、診療科と、入外区分とをそれぞれ入力することができるテキストボックス272,273a,273b,273c,274,275,276が配設され、さらにその下部に印刷を指示するボタン277と、図26のメニュー画面261に戻るためのボタン278とが設けられている。病名コードを入力できるテキストボックス272は、診療報酬明細書(レセプト)、病歴システム、診療録(カルテ)、退院時サマリなど、医療機関が患者や疾患に関する情報を管理する手段(以下、レセプトなどとする)に記載されるコードを入力できる。疾患大分類コード、疾患中分類コード、疾患詳細分類コードをそれぞれ入力できるテキストボックス273a、テキストボックス273b、テキストボックス273cは、帳票の作成対象となる疾患名が属する分類を大分類、中分類、詳細分類のそれぞれで特定することができる。対象年月のテキストボックス274は、帳票出力の対象となる診療行為が実施された年月を、特定の年月以降、または特定の年月以前、もしくはその両方で区切ることができる。診療科のテキストボックス275は、小児科などの診療科をテキスト入力できる。また、このテキストボックス275はプルダウンメニュー用のコンボボックスにもなっており、選択可能な診療科を一覧表示させて選択することもできる。入外区分のテキストボックス276は、入院、外来の別を選択できるコンボボックスにもなっており、テキスト入力またはプルダウンメニューからの選択が可能になっている。
【0054】
疾患別帳票出力条件画面で設定した条件に基づいて抽出されたデータを出力した疾患別原価計算表82としては、図28に示す疾患別原価計算帳票281のような帳票があげられる。
図28に示す疾患別原価計算帳票281は、タイトル282aおよび出力されている期間の表示282bと、複数の画面もしくは紙面にわたって出力される場合のページ表示282cと、疾患を特定するための疾患表示領域283と、医療機関側の情報が表示される医療機関表示領域284と、その疾患についての原価の計算結果が患者ごとに表示される算出結果表示領域285とを有する。
【0055】
疾患表示領域283は、疾患大分類283aおよび疾患中分類283bならびに詳細分類283cと、病名コード283dと、病名283eとからなる。
【0056】
医療機関表示領域284は、診療科の名称284aと入外区分284bとからなる。
【0057】
算出結果表示領域285は、行為区分285aと行為名称285bと金額の合計285cとが横方向に配列され、縦方向には患者番号286aごとに収入の額287aと、費用の額287bと、収支の額287cとが配列される。また、金額の合計285cに対応するセルには収入の合計288aと、費用の合計288bと、収支の合計288cとが配列されている。さらに、患者番号286aに付随させてレセプトなどに記載されている病名286bも表示される。これは病名コード283dで特定される病名とレセプトなどに記載する病名286bとが異なる場合に確認ができるようにするためである。例えば、レコードR1では、初診・再診と、指導と、在宅と、内服(投薬)とがそれぞれ実施され、各行為の収入および費用ならびに収支と、それらの合計額とを即座に確認することができる。なお、図中には一部省略されているが、行為名称285bとしては、初診・再診、指導、在宅、投薬(内服、屯服、外用、麻毒)、注射(皮下筋肉内、静脈内、その他)、処置、手術、検査、画像診断、その他、入院、食事などがあげられ、行為区分285aにはこれらに対応する番号が関連付けて配置される。
【0058】
この疾患別原価計算帳票281は、画面に出力された後に、図示しない操作ボタンなどにより、紙媒体や磁気記録媒体に出力されるようにすることが望ましい。画面に出力される際には、算出結果表示領域285の各レコードR1,R2,R3・・のすべてが画面に入りきらない場合には、行為区分285aや行為名称285bの見出しはそのままで、レコード部分をスクロール表示できるようにする。また、画面に出力する場合には横軸方向にスクロール表示させても良い。金額が表示されるセル(符号287a,287b,287c,288a,288b,288cで示すセル)に複数の行為の合計額が表示されている場合に、各金額をマウスで選択すると、その明細がポップアップ画面で表示されるようにすると良い。
【0059】
図26で「2.患者別帳票出力」のボタン263、もしくは「3.医師別帳票出力」のボタン264を選択すると、図29に示す患者別・医師別帳票出力条件画面291が出力される。ここでは、1つの画面として説明するが、患者別と、医師別とを別の画面にしても良い。
この画面は、帳票名として患者別または医師別の選択ができるプルダウンメニュー292と、抽出する患者もしくは医師にあらかじめ付されているID番号を入力する複数のテキストボックス293と、抽出の対象年月を入力するテキストボックス294と、診療科および入外区分の入力、もしくは選択をするテキストボックス(コンボボックス)295およびテキストボックス(コンボボックス)296とを配設し、こらの下部に印刷を指示するボタン297と、図26のメニュー画面261に戻るためのボタン298とが設けられている。なお、テキストボックス295から下方に延びるように表示されているプルダウンメニューは「01;内科」、「02;精神神経科」など、選択可能な複数の診療科の名称と、これに割り当てられた番号とが配列表示されている。このようなメニューはマウスなどで選択することも可能であるし、番号をキー入力して対応する診療科を選択することも可能である(本実施形態の他のプルダウンメニューについても同様の配列表示を行うことが可能である)。
【0060】
患者別・医師別帳票出力条件画面291を用いて抽出を行った結果である患者別原価計算表80の例として図30に患者別疾患別原価計算帳票301を、医師別原価計算表の例として図31に医師別疾患別原価計算帳票311を、それぞれ示す。各画面では、患者別もしくは医師別に、特定の疾患ごとに帳票表示を行った場合を示している。
【0061】
図30の患者別疾患別原価計算帳票301は、タイトル302aおよび対象年月の表示302bと、複数の画面もしくは紙面にわたって出力される場合のページ表示302cと、患者についての情報からなる患者表示領域303と、疾患表示領域304と、計算結果表示領域305とを有する。
【0062】
患者表示領域303は、患者番号303aと、患者氏名303bと、生年月日303cと、性別/年齢303dと、受診科のコードおよび名称303eと、入外区分の表示303fと、入院時の病棟番号303gおよび病室番号303hと、診療実日数303iと、医師番号303jとからなる。
【0063】
疾患表示領域304と計算結果表示領域305とは前記の疾患別原価計算帳票281の疾患表示領域283と計算結果表示領域285と同じものをそれぞれ用いることができる。ただし、図30の計算結果表示領域305は、列方向に費用および収入の項目306aを配列し、行方向に行為区分306bおよび対応する行為名称306cを配列した一覧表306になっている。列方向の項目306aとしては、収入額と、直接費と、一般費と、それらの費用合計額と、粗利益と、収支とがあげられ、最下欄には各々の合計額が表示される。
【0064】
この患者別疾患別原価計算帳票301は、画面に出力された後に、図示しない操作ボタンなどにより、紙媒体や磁気記録媒体に出力されるようにすることが望ましい。画面に出力される際には、算出結果表示領域305の一覧表306のすべてが画面に入りきらない場合には、スクロール表示させるか、上方に配置されているページ表示を切り替えて表示させる。また、複数の行為の合計額が記載されている場合に、各金額をマウスで選択すると、その明細がポップアップ画面で表示されるようにすると良い。例えば、図30の例では、患者表示領域303の診療実日数303iが7日であるために、各金額が7日分の総計になっているが、各診療日ごと金額の確認ができるようになる。なお、紙媒体に出力される場合には各ページが順番に出力される。
【0065】
図31の医師別疾患別原価計算帳票311は、タイトル312aおよび対象年月の表示312bと、複数の画面もしくは紙面にわたって出力される場合のページ表示312cと、医師についての情報からなる医師表示領域313と、計算結果表示領域314とを有する。
【0066】
医師表示領域313は、医師番号313aと、医師名313bと、その属する診療科のコード313cおよび名称313dと、入外区分313eとからなる。
【0067】
計算結果表示領域314は、行為区分314aおよび行為名称314bに対応する収入の額315a、費用の額315b、収支の額315c、およびそれぞれの合計額といった、費用明細が患者ごとに配列表示される。ここにおいて患者ごととは、患者番号316aごと、およびその疾患分類(大分類316b、中分類316c、詳細分類316d)および名称316eごとであり、そのような情報が表示欄316としてまとめて表示される。患者を特定するために患者の氏名を出力することも可能であるが、プライバシ保護の観点からは患者番号316aの表示に止めることが望ましい。
【0068】
この医師別疾患別原価計算帳票311は、画面に出力された後に、図示しない操作ボタンなどにより、紙媒体や磁気記録媒体に出力されるようにすることが望ましい。画面に出力される際には、算出結果表示領域314のすべてが画面に入りきらない場合にスクロール表示させるか、上方に配置されているページ表示を切り替えて表示させる。また、複数の行為の合計額が記載されている場合に、各金額をマウスで選択すると、その明細がポップアップ画面で表示されるようにすると良い。紙媒体に出力される場合にはすべてのページが順番に出力される。なお、この図において省略されている行為区分314aおよび行為名称314bとしては前記したものがあげられ、画面に出力する場合には横軸方向にスクロール表示させても良い。
【0069】
このように本実施形態は、診療科別、部門別の原価計算を行って病院全体の状況を捉えた上で、前記の各画面を利用するなどして、疾患、患者、医師の少なくとも1つを指標として、収入、費用、収支の表を含む帳票を出力するようにした。このように、特定の患者の診療行為ごとの収支などを一つの画面や帳票として出力することで、部門ごとに患者や医師についての収支を配列表示する場合に比べて詳細な情報を取得することが可能になる。例えば、特定の患者の診療実日数が多いとか、収支が悪いなどを判断することが可能になる。そして、人件費が高くつく疾患なども判明する。
【0070】
また、そのような帳票を出力するために行われる処理は、すべての実データをその都度集計するのでは、その処理自体に時間と労力とがかかる可能性があるが、原価換算率や一般費率を前もって設定しておくことで原価計算を迅速に行えるようになり、医療機関の経営者が具体的な経営改善策を迅速に実施することが可能になる。一般に、半年などの比較的短い時間範囲であれば同じ原価換算率や一般費率を使用しても大きな違いはないといえる。
【0071】
なお、本発明は前記の実施形態に限定されずに広く応用することが可能である。
例えば、一般費率は、直接費に対する間接費の比としたが、収入に対する間接費の比としても良い。また、一般費率もしくは原価換算率の一方のみを用い、他方から求めるべきデータを実データから集計しても良い。
また、図13に「3.個別原価設定処理」として示すように個別に原価設定を行う処理を設けても良い。このボタン135を選択して行われる処理は、材料費などの変動費を診療行為と対応できる場合に、材料の購入価格などを個別に複数設定することで診療行為情報から直ちに材料費を求めることができるようにする処理である。
【0072】
疾患、患者、医師のうちの1つの指標だけを用いて帳票を出力させても良い。特定の医師の動向のみや、特定の疾患に対する収入、費用、および収支の傾向の把握や、特定の患者についての収支の総計などを知りたい場合に活用することができる。
【0073】
病院総合原価計算プログラム1がインストールされるコンピュータは、記憶装置と、入力手段と、ディスプレイなどの出力手段と、CPUなどを有し画面制御などを行う制御装置とを備え、プリンタなどに接続できるような構成であることが望ましい。病院総合原価計算プログラム1は磁気記録媒体から読み出したり、コンピュータが通信網に接続できる場合にサーバからダウンロードしたりすることで実行される。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、原価計算結果を医師、患者、疾患の少なくとも1つを指標として抽出した帳票を作成し、医師ごと、患者ごと、疾患ごとの収入、費用といった詳細な情報を得ることが可能になる。また、このような処理を行う際に、前もって定めた比率を利用することで一部の処理を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】医療機関における原価計算を行うシステムを実現するためにコンピュータに起動させるプログラムの構成例である。
【図2】病院総合原価計算プログラムを実現するためのシステム概念図を示す。
【図3】患者疾患収入情報を示す図である。
【図4】患者数情報を示す図である。
【図5】診療行為情報を示す図である。
【図6】原価計算結果情報を示す図である。
【図7】配賦比率情報を示す図である。
【図8】診療科別部門別原価計算のフローチャートである。
【図9】診療科別部門別原価計算用テンプレートを示す図である。
【図10】疾患別医師別患者別原価計算処理のフローチャートである。
【図11】疾患別医師別患者別原価計算処理におけるメニュー画面である。
【図12】初期設定画面である。
【図13】原価設定処理画面である。
【図14】部門別単価設定処理のフローチャートである。
【図15】原価換算率情報を示す図である。
【図16】部門別原価設定処理画面である。
【図17】部門別原価設定処理画面である。
【図18】管理部門費設定処理のフローチャートである。
【図19】一般費率情報を示す図である。
【図20】一般費設定処理画面である。
【図21】一般費設定処理画面である。
【図22】原価換算処理のフローチャートである。
【図23】患者疾患収支情報を示す図である。
【図24】原価計算結果出力処理のフローチャートである。
【図25】原価計算結果出力設定テーブルを示す図である。
【図26】原価計算帳票出力画面の図である。
【図27】疾患別帳票出力条件画面である。
【図28】疾患別原価計算帳票の図である。
【図29】患者別・医師別帳票出力条件画面である。
【図30】患者別疾患別原価計算帳票の図である。
【図31】医師別疾患別原価計算帳票の図である。
【符号の説明】
1 病院総合原価計算プログラム
4 疾患別医師別患者別原価計算モジュール
30 原価換算率情報
31 一般費率情報
281 疾患別原価計算帳票
301 患者別疾患別原価計算帳票
311 医師別疾患別原価計算帳票

Claims (12)

  1. コンピュータを用いて医療機関で所定の期間内に行われた診療行為、収入、費用を含む情報から前記医療機関の組織体系に応じて分類される部門別の収入と費用とを計算し、その結果を疾患別、患者別、医師別の少なくとも1つを指標として抽出した帳票として出力する方法であって、
    前記帳票の別を選択するステップと、前記指標の内容を特定する情報を入力するステップと、前記期間を特定する情報を入力するステップと、診療科を特定する情報を入力するステップと、前記指標の内容を含む表示と前記期間の表示と診療行為別の原価計算結果を患者ごとに配列させた表とを有する前記帳票を出力させるステップとを含むことを特徴とする医療機関における原価算出方法。
  2. 請求項1に記載の医療機関における原価算出方法により出力される医師別または疾患別の前記帳票であって、前記表は、前記患者ごとに作成されるレコードを配列したものであり、前記レコードは、前記患者を特定する数値もしくは記号からなる表示と、疾患名と、それに対応して前記診療行為ごとに割り当てられた収入および費用ならびに収支を含むことを特徴とする原価算出結果の帳票。
  3. 請求項1に記載の医療機関における原価算出方法により出力される患者別の前記帳票であって、前記帳票は患者の疾患別に作成され、該当する前記期間内の診療実日数を示す表示を有すると共に、前記表は前記診療実日数の収入および費用ならびに収支の合計値を前記診療行為ごとに割り当てた表示を含むことを特徴とする原価算出結果の帳票。
  4. 前記コンピュータの画面に出力される前記表の前記収入および前記費用ならびに前記収支は、前記コンピュータに記憶されている原価算出結果と対応付けられており、前記患者が前記期間内の複数回にわたって診療行為を受けた合計である場合に、一回の前記診療行為ごとの明細を確認できるように構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の原価算出結果の帳票。
  5. コンピュータを用いて医療機関で所定の期間内に行われた診療行為、収入、費用を含む情報から前記医療機関の組織体系に応じて分類される部門の収入と費用とを計算し、その結果を疾患別、患者別、医師別の少なくとも一つを指標として抽出した帳票として出力するにあたり、前記期間の前記部門における収入に、前もって設定された収入に対する直接費の比である原価換算率をかけて前記期間の費用を算出するようにし、前記原価換算率は、他の期間について前記部門を特定して集計した収入と直接費との比を算出し、登録したものを用いることを特徴とする医療機関における原価計算方法。
  6. コンピュータを用いて医療機関で所定の期間内に行われた診療行為、収入、費用を含む情報から前記医療機関の組織体系に応じて分類される部門の収入と費用とを計算し、その結果を疾患別、患者別、医師別の少なくとも一つを指標として抽出した帳票として出力するにあたり、原価を管理しようとする直接部門の費用である直接費に一般費率をかけて、間接部門で発生する費用であって前記直接部門に割り当てる間接費を算出して前記直接部門における原価計算を行うようにし、前記一般費率は他の期間内に前記間接部門で発生した費用を、前記直接部門の前記間接費として割り当て、そのときの前記直接部門の前記直接費と前記間接費の比として算出される値を登録したものを用いることを特徴とする医療機関における原価計算方法。
  7. コンピュータを用いて医療機関で所定の期間内に行われた診療行為、収入、費用を含む情報から前記医療機関の組織体系に応じて分類される部門の収入と費用とを計算し、前記所定の期間であって第一の期間について前記部門のうちの直接部門の費用である直接費との比からなる原価換算率と、前記第一の期間について発生した間接部門の費用であって前記直接部門に間接費として割り当てるべき額と前記直接費の比である一般費率とを用いて、前記所定の期間であって第二の期間について前記直接部門が計上した収入と診療行為内容とから前記直接部門の前記直接費と前記間接費とを算出し、前記直接部門について疾患別、患者別、医師別の少なくとも1つを指標として収入および費用ならびに収支を抽出し、これらを原価計算結果として出力することを特徴とする医療機関における原価計算方法。
  8. 前記指標の内容を特定すると共に、前記期間を特定する情報を特定し、前記指標の内容を含む表示と前記期間の表示と診療行為別の原価計算結果を患者ごとに配列させた表とを有する前記帳票を出力させることをさらに含む請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の医療機関における原価算出方法。
  9. コンピュータを用いて医療機関で所定の期間内に行われた診療行為、収入、費用を含む情報から前記医療機関の組織体系に応じて分類される部門の原価計算を行い、その結果を帳票として出力するためにコンピュータを、前記帳票の別を選択させる手段、前記指標の内容を特定する情報を入力させる手段、前記期間を特定する情報を入力させる手段、診療科を特定する情報を入力させる手段、前記指標の内容を含む表示と前記期間の表示と診療行為別の原価計算結果を患者ごとに配列させた表とを有する前記帳票を出力させる手段、として機能させることを特徴とする医療機関における原価計算プログラム。
  10. コンピュータを所定の期間の直接部門が直接に計上する収入および費用である直接費から、収入に対する直接費の比率である原価換算率を算出する手段、同じ期間に間接部門で発生した費用を前記直接部門に間接費として割り付けた際の前記直接費と前記間接費との比である一般費率を算出する手段、前記原価換算率および前記一般費率と対象期間の前記直接部門の収入とから診療行為別の原価計算結果を算出する手段、としても機能させることを特徴とする請求項9に記載の医療機関における原価計算プログラム。
  11. コンピュータを用いて医療機関で所定の期間内に行われた診療行為、収入、費用を含む情報から前記医療機関の組織体系に応じて分類される部門別の収入と費用とを計算し、その結果を疾患別、患者別、医師別の少なくとも1つを指標として抽出した帳票として出力する方法であって、
    前記帳票として出力する疾患の特定と、前記疾患についての診療行為が行われた期間の特定と、前記部門の選択と、入院または外来の別の選択とを行う画面を表示装置に表示させ、入力または選択された各情報に基づいて前記帳票を出力することを特徴とする帳票の出力方法。
  12. コンピュータを用いて医療機関で所定の期間内に行われた診療行為、収入、費用を含む情報から前記医療機関の組織体系に応じて分類される部門別の収入と費用とを計算し、その結果を疾患別、患者別、医師別の少なくとも1つを指標として抽出した帳票として出力する方法であって
    前記指標の選択と、患者もしくは医師を特定する情報の入力と、前記疾患についての診療行為が行われた期間の特定と、前記部門の選択と、入院または外来の別の選択とを行う画面を表示装置に表示させ、入力または選択された各情報に基づいて前記帳票を出力することを特徴とする帳票の出力方法。
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