JP2004211124A - ダマシン鍍金方法及びこれに用いる鍍金装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パッケージ用プリント基板等のBVHを空洞部なくスピーディに鍍金充填するダマシン鍍金方法を提供する。
【解決手段】鍍金槽1に配置した多数の鍍金液吐出管4により,陽極3間の被鍍金平板2に鍍金液を所定偏向角に高速吐出してその表面に形成される勾玉状連続波の超微細波動を付与しながら通電鍍金を行なう。これによって被鍍金平板2にレーザー加工したブラインド微孔をなすBVH内に浸入した鍍金液が揺動し,その粘性と相俟って該鍍金液が反転循環するように交替することにより,BVH内の金属イオン濃度を鍍金層1の鍍金液における設定濃度と同等に維持して,BVHを鍍金充填するための金属イオンを継続的且つ充分に供給する結果,完全且つ表面平滑なダマシン鍍金が可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】鍍金槽1に配置した多数の鍍金液吐出管4により,陽極3間の被鍍金平板2に鍍金液を所定偏向角に高速吐出してその表面に形成される勾玉状連続波の超微細波動を付与しながら通電鍍金を行なう。これによって被鍍金平板2にレーザー加工したブラインド微孔をなすBVH内に浸入した鍍金液が揺動し,その粘性と相俟って該鍍金液が反転循環するように交替することにより,BVH内の金属イオン濃度を鍍金層1の鍍金液における設定濃度と同等に維持して,BVHを鍍金充填するための金属イオンを継続的且つ充分に供給する結果,完全且つ表面平滑なダマシン鍍金が可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気鍍金に関し,特に半導体ウエハーや半導体パッケージ基板の多層化の層間配線用のBVH(ブラインド・ビア・ホール)の充填を行なうダマシン鍍金方法及びその鍍金装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハーやパッケージ基板の電気鍍金は,金のワイヤーを用いるボンディングのためのニッケル−金鍍金,両面Ball Grid Alley基板用の銅スルーホール鍍金が一般に使用される一方,BVHのダマシン鍍金にはダマシン用の鍍金剤を添加して,高金属イオン,低酸濃度液,染料系添加剤を含むようにした鍍金浴を用いるものとされるが,ダマシン用の鍍金剤を用いても,BVHの開口縁部に金属析出が発達し易くなるために該開口縁部の金属析出を除去して鍍金を繰り返すことが必要となり,鍍金作業が煩雑にして長時間を要することになり,またこの場合,BVHの鍍金充填が不充分となり易く,特にBVH内部に空洞部(Void)が残存形成される傾向を招き易く,空洞部が残存すると,例えば絶縁基板の樹脂硬化のために施す加熱工程によって鍍金部分が破壊される可能性を残しておりその歩留まりの低下を免れない。また上記空洞部の発生を防ぐためにスルーホール用の鍍金剤を使用することがあるが,この場合でも同様に開口部表面の厚い金属析出を除去しながら4〜5回程度の鍍金を繰り返す煩雑な工程を必要とするとともに,同じく空洞部が残存形成される傾向を残すものであった。一方鍍金剤を添加した鍍金浴を用いると,その理由は必ずしも明らかではないが,鍍金中に突然に鍍金作用を喪失するというトラブル招くことがあり,このようなトラブルが発生すると可能な限り様々な措置を施しても鍍金浴を再度使用可能の状態に回復することはできず,従って新たに建浴することによって鍍金浴を交換する以外に方法がない。
【0003】
一方関連の鍍金方法として,本発明者は下記特許文献1を提案しており,これによれば,鍍金浴を建浴した鍍金槽における網陽極片側位置に微細多数のスルーホール(以下THということがある)を具備した被鍍金平板を縣吊配置し,該被鍍金平板の表面に対して直角乃至略直角に鍍金液流を発生させるとともに被鍍金平板の表面近傍で該鍍金液流の方向を急激に反転させるようにし,被鍍金平板表面に反転した鍍金液流を近接形成することによって表面のイオン勾配層を除去してそのイオン濃度を確保し,THに対して充分な金属イオンを供給しつつ被鍍金平板に鍍金を施すようにしたものとされる。この場合TH内に好ましい鍍金を行なうことが可能となるが,この鍍金方法を上記のBVHを具備した被鍍金平板に適用しても,BVH内部にある程度の金属析出が見られるとしても,BVHを鍍金充填することは同様に現実には不可能であり,従って上記特許文献1の方法によってもBVHのダマシン鍍金を実用化し得ない状況にある。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−130895号公報([0008]欄,図3等参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
半導体ウエハーや半導体パッケージ基板等の高密度化とその需要の拡大によって,可及的にスピーディにして確実にBVHのダマシン鍍金を行なうことが望まれているが,上記のとおり鍍金剤を使用するものには各種問題点が残されるとともに,本発明者の特許文献1の鍍金液の反転流形成下で鍍金を施すもこれを解決し得ない現状にある。
【0006】
本発明は係る事情に鑑みてなされたもので,その解決課題とするところは,第1に,可及的簡易且つスピーディにしてBVHを確実に鍍金充填し得るダマシン鍍金方法を提供するにあり,第2に該ダマシン鍍金方法に好適に使用し得る鍍金装置を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記第1の課題に添って,上記特許文献1の鍍金方法を適用してもBVHを鍍金充填することができない理由を探求したところ,THの場合は,上記鍍金液流を反転するといった比較的振幅の大きな波動を付与しても,THが被鍍金平板を貫通しているために,該貫通する透孔の一方を正圧とし他方を負圧とするような不規則な短い流れが形成された状態で鍍金を施せば,TH内に金属イオンが充分に供給される結果,その鍍金が可能となるが,BVHは被鍍金平板の片側表面を開口するも被鍍金平板の厚さ方向,即ちBVHの深さ方向を閉塞した行止りのブラインド孔(盲孔)をなし,またそれはミクロンオーダーといった微細の径と深さを持ったブラインド微孔であるから,鍍金浴に被鍍金平板を浸漬することによって鍍金液がBVH内に浸入するも,そのまま該ブラインド微孔であるBVH内に滞留する結果,上記被鍍金平板表面の上記イオン勾配層除去等によっては,金属イオンが析出することによって消耗され極端に金属イオンが不足した状態のBVHに対して新たな金属イオンを継続供給することができないため,BVH内の金属イオン濃度が極端に低下し,析出すべき金属イオンが消耗不足することに起因するものと見られ,また上記BVH開口縁部の析出が発達するのは,BVHが被鍍金平板表面に開口しているために鍍金液の所定イオン濃度によって金属イオンが比較的豊富に供給されるからであると見られる。
【0008】
そこで本発明者は,BVH内の鍍金液滞留とこれによる金属イオン消耗の不足状態を解消すべく鋭意研究を重ねた結果,鍍金液をBVH内で反転循環するごとくに外部の鍍金液と交替し得るようにすれば,BVH内の金属イオン濃度を鍍金液と同等に維持し,BVHに金属イオンを継続的且つ充分に供給し得る結果,微細多数のBVH内を空洞なく完全に鍍金充填するダマシン鍍金が可能となるとの事実,この場合,上記浸漬することによってBVH内に鍍金液が浸入した被鍍金平板の表面に対して微細波動を付与するようにすれば,BVH内に浸入した鍍金液が外部から物理的な運動エネルギーを受けるとともに,該運動エネルギーが鍍金液が有する液粘度によってBVH内で反転循環する物理的運動を助長促進し,その結果,微細多数にしてブラインド微孔たるBVH内においてその鍍金液を確実に揺動交替して,その金属イオン濃度を鍍金槽の設定濃度と同等とし得るとの事実を見出すに至った。
【0009】
本発明はかかる知見に基づいてなされたもので,即ち請求項1に記載の発明を,鍍金浴を建浴した鍍金槽における陽極バスケットを2列配置した陽極列間中間位置,網陽極を配置した該網陽極片側位置等の陽極近傍に微細多数のBVHを単独又はスルーホールと混在して具備した被鍍金平板を縣吊配置し,該被鍍金平板に微細波動を付与し該微細波動によって被鍍金平板のBVH内鍍金液を揺動交替しつつ鍍金を施すことを特徴とするダマシン鍍金方法としたものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は,流速の異なる同方向の流れの接触界面において微細な渦流群が発生するとともに該渦流群がエネルギーを得ることによって勾玉状の連続波動が発生するに至るとの流体力学的見地に立脚するとともに鍍金浴中でこのような勾玉状連続波動を形成するには,被鍍金平板に対して所定の偏向角度で鍍金液を高速吐出するようにすればよいことから,上記微細波動をダマシン鍍金に好適にして簡易且つ確実に形成し得るように,これを,上記鍍金液流による微細波動の付与を,被鍍金平板に偏向角度で供給する吐出鍍金液により被鍍金平板の表面と高速層流間の微小空間に形成される微小無数の渦流群と上記吐出鍍金液の偏向流とを複合加速することによって勾玉状連続波を被鍍金平板表面に形成して行なうことを特徴とする請求項1に記載のダマシン鍍金方法としたものである。
【0011】
請求項3及び4に記載の発明は,上記第2の課題に添って,上記勾玉状連続波による微細波動を確実に形成して上記ダマシン鍍金方法に好適に使用してBVH鍍金充填を簡易且つ確実になし得る鍍金装置を提供するように,請求項3に記載の発明を,鍍金浴を建浴した鍍金槽における陽極バスケットを2列配置した陽極列間中間位置に微細多数のBVHを単独又はスルーホールと混在して具備した被鍍金平板を縣吊配置して該被鍍金平板を鍍金する鍍金装置において,各陽極列の陽極バスケットの中間背後に鍍金液吐出管を配置するとともに該鍍金液吐出管から高速吐出する鍍金液を該陽極バスケットに非接触状態で被鍍金平板に誘導する吐出方向制御体を配置し且つ該制御体による吐出方向を一定角に偏向してなることを特徴とするダマシン鍍金用の鍍金装置とし,請求項4に記載の発明を,鍍金浴を建浴した鍍金槽における網陽極片側位置に微細多数のBVHを具備した被鍍金平板を縣吊配置して該被鍍金平板を鍍金する鍍金装置において,網陽極の背後に鍍金液吐出管を配置するとともに該鍍金液吐出管から高速吐出する鍍金液を該網陽極を通過して被鍍金平板側に誘導する吐出方向制御体を配置し且つ該制御体による吐出方向を一定角に偏向してなることを特徴とするダマシン鍍金用の鍍金装置としたものである。
【0012】
請求項5に記載の発明は,上記吐出方向制御板の偏向角度を被鍍金平板や鍍金条件に応じて選択可能とするとともにその偏向角度の設定を可及的容易になし得るものとするように,これを,上記鍍金液吐出管を鍍金液配管に又は上記吐出方向制御体を鍍金液吐出管に着脱自在とするとともに該鍍金液吐出管又は吐出方向制御体を偏向角の異なる液吐出部を有するように複数具備することによってこれらを相互に互換選択的に着脱自在としてなることを特徴とする請求項3又は4に記載のダマシン鍍金用の鍍金装置としたものである。
【0013】
請求項6に記載の発明は,吐出鍍金液が被鍍金平板で反射することによる流速減衰を防止し得るものとするように,また上記陽極バスケットを使用するものにあっては更に鍍金液の流通を促進して銅ボール表面に酸化銅を形成するとともにその溶解によって鍍金浴の硫酸銅濃度を可及的に維持確保し,鍍金装置として高金属イオン濃度と低硫酸濃度の双方を同時に満足し得るものとするように,これを,上記鍍金液吐出管と千鳥配置となるように該鍍金液吐出管間の近傍背面に平行界面流速抵抗をなす被鍍金平板の反射流を吸引する鍍金液吸引管を配置してなることを特徴とする請求項3,4又は5に記載のダマシン鍍金用の鍍金装置としたものである。
【0014】
請求項7に記載の発明は,鍍金液が鍍金槽の壁面に衝接することによって鍍金槽外に溢流や飛散するのを防止するとともに鍍金液の流れを整流して鍍金への影響を防止し得るものとするように,これを,上記鍍金液吐出管又は鍍金液吸引管の背面に上記鍍金槽内壁面への鍍金液衝接を防止し該鍍金液の流れを整流する整流壁を配置してなることを特徴とする請求項3,4,5又は6に記載のダマシン鍍金用の鍍金装置としたものである。
【0015】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として,上記第1又は第2の課題解決の手段としたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面の例によって本発明を更に具体的に説明すれば,図1においてAは鍍金装置であり,該鍍金装置Aは,鍍金浴を建浴した鍍金槽1における陽極バスケット3を2列配置した陽極列間中間位置に微細多数のBVHを単独又はスルーホールと混在して具備した被鍍金平板2を縣吊配置して該被鍍金平板2を鍍金するものであり,このとき該鍍金装置Aによって,被鍍金平板2に鍍金液流による微細波動を付与し該微細波動によって被鍍金平板2のBVH内鍍金液を揺動交替しつつ鍍金を施すことによって,これをBVH用のダマシン鍍金用のものとしてある。
【0017】
即ち鍍金装置Aは,例えば高濃度の金属イオンと低濃度の硫酸浴からなる鍍金浴を建浴した鍍金槽1に陽極バスケットを2列配置して陽極3とし,該陽極列間の中間位置,特に中央位置に,例えばパッケージ用プリント基板による被鍍金平板2を陰極として図示省略の通電ラックを介して縣吊配置し,例えば数十乃至100μm程度の径を有して表面に開口しその深さ方向を閉塞した行止りのブラインド微孔をなし,数万といった数による微細多数のBVHを,析出金属によってその内部に空洞部を残存することなく可及的完全且つ平滑に鍍金充填するようにしてある。
【0018】
本例にあって鍍金装置Aは,各陽極列の陽極バスケット3の中間背後に鍍金液吐出管4を配置するとともに該鍍金液吐出管4から高速吐出する鍍金液を該陽極バスケット3に非接触状態で被鍍金平板2に誘導する吐出方向制御体4´を配置し且つ該制御体4´による吐出方向を一定角に偏向したものとしてあり,このとき本例の制御体4´は,後述のように,これを鍍金液吐出管4の長手方向に添って一対長尺の誘導板を対向配置した制御板によるものとし,その上記吐出方向偏向は,該制御体4´の先端にこれを所定角度に屈曲した液吐出部6を配置することによって行うようにしてあり,これら鍍金液吐出管4及び先端側の液吐出部6を所定角度に偏向した吐出方向制御体4´を備えることによって,上記微細波動を被鍍金平板2に付与するとともに 上記鍍金液流による微細波動の付与を,被鍍金平板2に偏向角度で供給する吐出鍍金液により被鍍金平板2の表面と高速層流間の微小空間に形成される微小無数の渦流群と上記鍍金液の偏向流とを複合加速することによって勾玉状をなす連続波を被鍍金平板2表面に形成するものとしてあり,該勾玉状連続波の形成下で鍍金を施すことによって上記微細多数のBVHの鍍金充填,即ちダマシン鍍金を可能としてある。
【0019】
即ち鍍金槽1に被鍍金平板2を浸漬することによって鍍金浴をなす鍍金液がBVH内に浸入してこれを充填するところ,BVHが上記のように微細多数のものであるに止まらず深さ方向が閉塞したブラインド微孔であることによって,一般にBVH内に浸入した鍍金液は,鍍金槽1の鍍金液と交替することなく,そのままBVH内に滞留した状態となるところ,BVHの開口近傍において微細波動,好ましくは,例えば百数十μm以下といったようにBVHの径に合せて超微細とした微細波動を付与するようにすれば,BVH内に浸入の鍍金液が物理的な運動エネルギーを受けるとともにその運動エネルギーが鍍金液の液粘度によってBVH内の鍍金液の物理的運動を助長し,鍍金液がBVH内で,例えば反転循環するようになってその交替が促進される結果,BVH内の鍍金液は滞留することなくBVH外に排出されるとともに鍍金浴から金属イオンを豊富に含む新たな鍍金液が間断なく浸入することによってその交替がスムーズになされ,BVH内の金属イオン濃度を鍍金槽1の鍍金液における設定濃度と同等に維持して,鍍金充填のために必要且つ充分な金属イオンが供給され,金属イオンの継続的析出とこれによる鍍金充填が可能となる。
【0020】
このとき,例えば単に被鍍金平板2に振動を与えたり,鍍金液を撹拌したりするといった比較的振幅の大きい波動の類いではBVHへの影響やその鍍金液の交替を全く期待し得ず,現実にこのような振動や撹拌によって金属析出を成長させることは不可能であり,このため微細波動を付与することが必要となるが,この微細波動を鍍金槽1における鍍金液流をコントロールして発生させるようにし,特に上記渦流群と鍍金液の偏向流とを複合した勾玉状連続波として,該勾玉状連続波を常時発生した状態で付与するのが簡易且つ確実な鍍金充填を行なうに好適であり,BVHに空洞部を残存しない鍍金充填を,一般に1〜2時間程度の短時間にして可及的完全且つ表面平滑に行なうことが可能となる。
【0021】
これら勾玉状連続波の発生は,いずれも流体の運動速度と固体表面の摩擦の関係によるものであるから,必要且つ充分な液速度が鍍金槽1内に確保されれば,被鍍金平板2の表面において上記勾玉状連続波による微細な波動現象を生じるところ,本例にあっては上記渦流群と偏向流とを複合してこれらを高速状態となるように複合加速することによってこれを形成し得るため,鍍金液吐出の偏向角度とその流速確保の加圧力を管理すればよく,微細波動の形成手段としても極めて簡単な構造で確実な作用を確保することができる。
【0022】
本例にあって上記鍍金液吐出管4は,所定ピッチで鍍金槽1の左右方向に並列するように多数配置し,断面円形にして上下方向に長尺の被鍍金平板2側面に長手方向に一連又は断続多数のスリットを形成し,該スリットを介して被鍍金平板2に対して鍍金液を加圧して吐出供給するようにしてあり,このとき上記勾玉状連続波形成の流速を減衰することなく被鍍金平板2に対して確保するため,陽極バスケット3に高速吐出した鍍金液が接触することによる抵抗を解消するものとしてあり,このため上記吐出方向制御体4´を配置し且つその先端において吐出方向を一定角に偏向するものとしてあるが,本例の制御体4´は,例えば制御板,制御管等のうちから,上記鍍金液吐出管4における上記側面のスリット両端から鍍金液の吐出溝を形成するように左右方向に対向して突出配置した一対の誘導壁による制御板によって構成してあり,このときその吐出方向の偏向は,本例にあって上記一対のうち一方の誘導壁の先端を被鍍金平板2側に延設するとともに該延設部を吐出方向に向けて所定角度に屈曲した屈曲板による吐出部6を上記誘導壁に備えるようにしてこれを行なうものとしてあり,これによって加圧されて鍍金液吐出管4に至った鍍金液を,上記陽極バスケット3の抵抗なく,被鍍金平板2に向けて直接に噴射するように放出し,該噴射放出によって被鍍金平板2に上記渦流群を発生させるとともに鍍金槽1の鍍金浴内に鍍金液の偏向流を形成して上記勾玉状の連続波による微細波動を形成し得るようにしてある。
【0023】
このとき本例にあって上記鍍金液吐出管4を鍍金液配管に又は上記吐出方向制御体4´を鍍金液吐出管4に着脱自在とするとともに該鍍金液吐出管4又は吐出方向制御体4´を偏向角の異なる液吐出部6を有して複数具備することによってこれらを相互に互換選択的に着脱自在としてあり,これによって被鍍金平板2や鍍金条件に応じて最適な偏向角度の液吐出部6を選択して互換的に使用し,短時間に容易に交換し得るものとして,鍍金処理の段取り時間を可及的に減少し得るようにしてある。本例にあって該互換選択的な着脱は,偏向角を違えることによって吐出方向を異ならしめた液吐出部6を有する複数の制御体4´,本例にあっては制御板を具備し,該複数の制御体4´を鍍金液吐出管4に対して着脱自在とすることによってその互換的使用をなし得るようにしてある。
【0024】
以上の基本構成を持つ図1の例にあって,更に5は,上記鍍金液吐出管4と千鳥配置となるように該鍍金液吐出管4間の近傍背面に配置した平行界面流速抵抗をなす被鍍金平板2の反射流を吸引する鍍金液吸引管であり,本例にあって鍍金液吸引管5は,上記陽極バスケット3の背面に並列多数の鍍金液吐出管4と千鳥配置をなすように該鍍金液吐出管4の背面側で同じく所定ピッチで鍍金槽1の左右方向に並列するように多数配置してあり,このとき該吸引管5は断面円形の上下方向に長尺にして,その陽極バスケット3側にスリットを形成したものとし,本例にあっては更に陽極バスケット3側に拡開して鍍金液の吸引を有効になし得るようにしたスリット端部からハ字状をなす吸引壁を備えたものとしてあり,上記鍍金液吐出管4から吐出し,勾玉状連続波による微細波動を形成して被鍍金平板2に反射した鍍金液を上記陽極バスケット3を介して及び陽極バスケット3間から吸引し,上記反射した鍍金液が並列する他の鍍金液吐出管4から吐出した鍍金液に対して平行界面流速抵抗となるのを防止し,これによって各鍍金液吐出管4から鍍金液に付与した吐出流速の抵抗を可及的に解消するとともに上記陽極バスケット3を介して吸引することによって該陽極バスケット3中に配置した図示省略の銅ボールの酸化を促進し,表面に形成される酸化銅を鍍金浴中の硫酸で溶解し,鍍金液交換が困難な陽極バスケット3内における能率低下を防止し,ダマシン鍍金を有効に行なう鍍金装置としての高金属イオン濃度と低硫酸濃度の双方を可及的に同時に維持し得るようにしてある。
【0025】
また7は,上記鍍金液吐出管4又は鍍金液吸引管5の背面に配置した上記鍍金槽1内壁面への鍍金液衝接を防止し該鍍金液の流れを整流する整流壁であり,本例にあって整流壁7は,これを管列の背面,即ち上記鍍金液吸引管5を被鍍金平板2側の鍍金液吐出管4と千鳥状に配置した本例では,該鍍金液吸引管5の背面に対向して設置した,上下方向及び左右方向に幅広壁面をなし,その左右方向両端にそれぞれ屈曲壁7´を備えて鍍金槽1内の略全体に亘るように配置した平板状パネルによるものとしてあり,上記屈曲壁7´を左右方向一方の端部で幅広壁面から上記鍍金液吐出管4に至り,鍍金液吸引管5と鍍金液吐出管4を抱持するように左右方向外側に向けて屈曲することによって鍍金液の流れ方向に防壁をなし,また左右方向他方の端部で鍍金槽1に濾過した鍍金液を供給する濾過液吐出管12からの濾過鍍金液が,被鍍金平板2側に傾斜供給するのを妨げないように左右方向内側に向けて屈曲することにより該濾過鍍金液の流れを案内するガイドをなすものとしてあり,該整流壁7を配置することによって,鍍金槽1の一方向の流れが形成される鍍金液が鍍金槽1の内壁面に所定の流速をもって衝接して槽外に溢流し,飛散するのを防止するとともに鍍金液の整流によって上記微細波動,特に本例において形成される勾玉状の連続波を乱すことなく,その微細波動をBVH内に浸入した鍍金液に与えることができるようにしてある。
【0026】
本例の鍍金装置Aによるダマシン鍍金は,鍍金槽1の陽極バスケット3間中間,特に中央位置に,例えばレーザードリルによって形成した無数のBVHを単独で或いはTHと混在して形成したパッケージ用プリント基板の被鍍金平板2を陰極として縣吊し,被鍍金平板2の両側の鍍金液吐出管4から鍍金液を噴射状に吐出し,被鍍金平板2の表面と高速層流間の微小空間に微小無数の渦流群を発生させ,鍍金液の偏向流と複合することによって勾玉状連続波を被鍍金平板2表面に形成するとともに鍍金液吸引管5等を作動し上記連続波を形成しつつ通電して被鍍金平板2に対して鍍金を施し,その無数のBVH内に金属を析出するようにすればよく,これによってBVH内に浸入した鍍金液が反転循環するように自動的に揺動交替し,BVH内の金属イオン濃度を鍍金槽の鍍金液におけると同等に維持してその金属イオンを所定濃度に確保して空洞部のない鍍金充填によるダマシン鍍金を簡易且つ確実に行うことができる。
【0027】
図2は他の例に係る鍍金装置Aを示し,該鍍金装置Aは,鍍金浴を建浴した鍍金槽1における網陽極片側位置に微細多数のBVHを具備した被鍍金平板2を縣吊配置して該被鍍金平板2を鍍金するものとしてあり,このとき網陽極3の背後に鍍金液吐出管4を配置するとともに該鍍金液吐出管4から高速吐出する鍍金液を該網陽極3を通過して被鍍金平板2側に誘導する吐出方向制御体4´を配置し且つ該制御体4´による吐出方向を一定角に偏向したものとしてあり,該鍍金装置Aは,不溶性の網陽極3を使用し,その片側に半導体ウエハーのBVHを単独に具備した被鍍金平板2を配置し,同様に微細波動を付与して被鍍金平板2の浸漬によってBVH内に浸入した鍍金液を揺動交替しつつ上記と同様にダマシン鍍金を行なうものとしてある。
【0028】
このとき該微細波動の付与を吐出鍍金液による上記微小無数の渦流群と偏向流の複合による勾玉状の連続波を形成することによって行なうこと,そのために同様に偏向角を違えた吐出方向を互換的に選択し得るように液吐出部6を着脱自在とした複数の制御体4´を備えた鍍金液吐出管4,該鍍金液吐出管4と千鳥状の鍍金液吸引管5,整流壁7等を備えたものとしてあり,本例にあって,網陽極3の抵抗が少ないことから鍍金液吸引管5に上記拡開したハ字状の吸引壁の設置を省略したこと,整流壁7左右両端の壁面を直交の屈曲壁7´とし,その平面形状をコ字状としたこと等一部に相違があるが,上記図1のものとその基本構成を共通にしたものとしてあるので該図1と同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0029】
この場合も上記と同様に鍍金槽1の網陽極の片側位置に同じく上記半導体ウエハーの被鍍金平板2を陰極として縣吊し,同様に勾玉状連続波を被鍍金平板2表面に形成し,鍍金液吸引管5作動の連続波形成状態で通電して鍍金を施せば,その無数のBVH内に浸入した鍍金液が揺動交替して空洞部のない鍍金充填によるダマシン鍍金を簡易確実にして可及的完全且つ表面平滑に行うことができる。
【0030】
図中8は鍍金槽1外側のオーバーフロー室,9は鍍金液濾過系の濾過用ポンプ,10はラインフィルター,11は鍍金液の誘導板,13はオーバーフロー液の流下口,14は還流路,15はメインポンプ,16は補助鍍金層,17は空気撹拌及び熱交換器用機器を示す。
【0031】
図示した例は以上のとおりとしたが,本発明の鍍金方法をその陽極形態に応じてBVHを単独に具備した被鍍金平板,BVHをTHと混在して具備した被鍍金平板に適宜に適用するようにすること,鍍金液の吐出方向制御体を,上記制御板に代えて,多数の制御管を用いて同様にその先端乃至先端壁を屈曲するようにすること,鍍金液吐出の偏向角の選択使用を可能とする吐出部材の着脱自在を,鍍金液吐出管を鍍金液配管に着脱自在とすることによって行なうように該鍍金液吐出管を偏向角の異なる先端液吐出部を有する複数具備したものとすること等を含めて,本発明の実施に当って,鍍金槽,陽極,被鍍金平板,そのBVH,鍍金液吐出管,吐出方向制御板,必要に応じて使用する鍍金液吸引管,整流板等の具体的形状,構造,材質,これらの関係,これらに対する付加,鍍金条件,鍍金に際して被鍍金平板に付与する微細波動,その好ましい勾玉状連続波等の具体的方法等の具体的形成手段乃至方法等は,上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
【0032】
【実施例】
【実施例1】
無電解銅鍍金処理を施した厚さ0.6mm,大きさ255mm×410mmのFCBGA10枚にそれぞれその両面に直径60μm,深さ50μmのBVHを47,000個加工して,図1の鍍金装置を用いて下記条件で鍍金処理を行なった。鍍金処理後にそれぞれ中心部の同一パターン部位のBVH部分を切取り金属顕微鏡でBVH上面の凹みをクロスセクションで測定した結果,凹みは最大約2μmであり,上記鍍金処理によってほぼ平滑で空隙部のないダマシン鍍金がなされた。
鍍金浴組成
硫酸銅:200g/L
硫酸銅:200g/L
硫 酸:100g/L
塩 素: 50ppm
添加剤:市販鍍金剤A(添付量はカタログ推奨値)
浴 温:23℃
陰極電流密度:2A/dm2
通 電 時 間 :55分
【0033】
【実施例2】
FCBGAを4枚として鍍金条件を変更して下記のものとした以外,実施例1と同様に鍍金処理を行なった。同様に測定した結果,均一に3μm程度凹んだ皿状のようになり,同じくほぼ平滑にして空隙部のないダマシン鍍金がなされた。
鍍金浴組成
硫酸銅:200g/L
硫 酸: 50g/L
塩 素: 50ppm
添加剤:市販鍍金剤B(添付量はカタログ推奨値)
浴 温:23℃
陰極電流密度:1A/dm2
通 電 時 間 :100分
【0034】
【実施例3】
同様に厚さ1.0mm,大きさ400mm×495mm,BVHの直径155μm,深さ100μm,BVH数両面で228,480個のFCBGA1枚を下記条件で表面鍍金膜厚計算値40μmの鍍金処理を行なった。その結果,凹みのない完全に平滑にして空隙部のないダマシン鍍金がなされた。
鍍金浴組成
硫酸銅:200g/L
硫 酸:100g/L
塩 素: 50ppm
添加剤:市販鍍金剤A(添付量はカタログ推奨値)
浴 温:23℃
陰極電流密度:2A/dm2
通 電 時 間 : 95分
【0035】
【実施例4】
同様に厚さ0.8mm,大きさ408mm×510mm,BVHの直径60μm,深さ40μm,BVH数両面で50,000個の銅張り積層板18枚を実施例3と同一条件で表面鍍金膜厚計算値40μmの鍍金処理を行なった。その結果,クロスセクション評価によって表面の完全な平滑性と空隙部のないダマシン鍍金がなされた。
【0036】
【実施例5】
無電解銅鍍金処理を施した厚さ0.8mm,大きさ125mm×155mmの銅張り積層板1枚の片面に直径200μm,深さ140μmのBVHを約500個加工して,図2の鍍金装置を用いて下記条件で表面鍍金膜厚計算値25μmの鍍金処理を行なった。その結果,同じくクロスセクション評価によって表面の完全な平滑性と空隙部のないダマシン鍍金がなされた。
鍍金浴組成
硫酸銅:200g/L
硫 酸:100g/L
塩 素: 50ppm
添加剤:ゼラチン 10ppm
浴 温:25℃
陰極電流密度:2A/dm2
通 電 時 間 :63分
【0037】
【実施例6】
図1の陽極バスケットに代えて陽極を網陽極とした類似の鍍金装置に,市販の半導体用金鍍金液を用いて,BVHの直径30,40,50μm,深さはいずれも40μm,BVH数数百個のGa−Asウエハーに,浴温65℃,Dk0.5A,通電時間60分の条件で鍍金処理を行なった。その結果,BVHは同心円状にそれぞれ86μm,106μm,116μmの円形に鍍金レジスト皮膜が除去され,その断面はT字状をなすものであった。このT字状の部分を金属顕微鏡で拡大して寸法を測定したところ,いずれのBVHも全て完全に充填されており,その中心を垂直に測定したところ,それぞれ46μm,48μm,42μmであり,ウエハー表面をそれぞれ6μm,8μm,2μm超えたものであった。
【0038】
【発明の効果】
本発明は以上のとおりに構成したから,請求項1に記載の発明は,鍍金槽に浸漬してブラインド微孔をなすBVH内に鍍金液が浸入した被鍍金平板の表面に鍍金液流による微細波動を付与することによってBVH内の鍍金液を反転循環するごとくに揺動交替し,BVH内の金属イオン濃度を鍍金層の鍍金液における設定濃度と同等に維持し,BVH内に充填用の金属イオンを継続的且つ充分に供給して,BVH内の金属析出による充填を確実に行うことによって,ダマシン鍍金を可及的簡易且つスピーディになし得るようにしたダマシン鍍金方法を提供することができる。
【0039】
請求項2に記載の発明は,上記微細波動をダマシン鍍金に好適にして簡易且つ確実に形成し得る鍍金方法とすることができる。
【0040】
請求項3及び4に記載の発明は,上記勾玉状連続波による微細波動を確実に形成して上記ダマシン鍍金方法に好適に使用してBVH鍍金充填を簡易且つ確実になし得る鍍金装置を提供することができる。
【0041】
請求項5に記載の発明は,上記吐出方向制御板の偏向角度を被鍍金平板や鍍金条件に応じて選択可能とするとともにその偏向角度の設定を可及的容易になし得るようにした鍍金装置とすることができる。
【0042】
請求項6に記載の発明は,吐出鍍金液が被鍍金平板で反射することによる流速減衰を防止し得る鍍金装置とすることができる。
【0043】
請求項7に記載の発明は,鍍金液が鍍金槽の壁面に衝接することによって鍍金槽外に溢流や飛散するのを防止するとともに鍍金液の流れを整流して鍍金への影響を防止し得る鍍金装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダマシン鍍金装置の平面図である。
【図2】他の例に係るダマシン鍍金装置の平面図である。
【符号の説明】
A ダマシン鍍金装置
1 鍍金槽
2 被鍍金平板
3 陽極
4 鍍金液吐出管
4´ 吐出方向制御板
5 鍍金液吸引管
6 液吐出部
7 整流板
7´ 屈曲部
【発明の属する技術分野】
本発明は電気鍍金に関し,特に半導体ウエハーや半導体パッケージ基板の多層化の層間配線用のBVH(ブラインド・ビア・ホール)の充填を行なうダマシン鍍金方法及びその鍍金装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハーやパッケージ基板の電気鍍金は,金のワイヤーを用いるボンディングのためのニッケル−金鍍金,両面Ball Grid Alley基板用の銅スルーホール鍍金が一般に使用される一方,BVHのダマシン鍍金にはダマシン用の鍍金剤を添加して,高金属イオン,低酸濃度液,染料系添加剤を含むようにした鍍金浴を用いるものとされるが,ダマシン用の鍍金剤を用いても,BVHの開口縁部に金属析出が発達し易くなるために該開口縁部の金属析出を除去して鍍金を繰り返すことが必要となり,鍍金作業が煩雑にして長時間を要することになり,またこの場合,BVHの鍍金充填が不充分となり易く,特にBVH内部に空洞部(Void)が残存形成される傾向を招き易く,空洞部が残存すると,例えば絶縁基板の樹脂硬化のために施す加熱工程によって鍍金部分が破壊される可能性を残しておりその歩留まりの低下を免れない。また上記空洞部の発生を防ぐためにスルーホール用の鍍金剤を使用することがあるが,この場合でも同様に開口部表面の厚い金属析出を除去しながら4〜5回程度の鍍金を繰り返す煩雑な工程を必要とするとともに,同じく空洞部が残存形成される傾向を残すものであった。一方鍍金剤を添加した鍍金浴を用いると,その理由は必ずしも明らかではないが,鍍金中に突然に鍍金作用を喪失するというトラブル招くことがあり,このようなトラブルが発生すると可能な限り様々な措置を施しても鍍金浴を再度使用可能の状態に回復することはできず,従って新たに建浴することによって鍍金浴を交換する以外に方法がない。
【0003】
一方関連の鍍金方法として,本発明者は下記特許文献1を提案しており,これによれば,鍍金浴を建浴した鍍金槽における網陽極片側位置に微細多数のスルーホール(以下THということがある)を具備した被鍍金平板を縣吊配置し,該被鍍金平板の表面に対して直角乃至略直角に鍍金液流を発生させるとともに被鍍金平板の表面近傍で該鍍金液流の方向を急激に反転させるようにし,被鍍金平板表面に反転した鍍金液流を近接形成することによって表面のイオン勾配層を除去してそのイオン濃度を確保し,THに対して充分な金属イオンを供給しつつ被鍍金平板に鍍金を施すようにしたものとされる。この場合TH内に好ましい鍍金を行なうことが可能となるが,この鍍金方法を上記のBVHを具備した被鍍金平板に適用しても,BVH内部にある程度の金属析出が見られるとしても,BVHを鍍金充填することは同様に現実には不可能であり,従って上記特許文献1の方法によってもBVHのダマシン鍍金を実用化し得ない状況にある。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−130895号公報([0008]欄,図3等参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
半導体ウエハーや半導体パッケージ基板等の高密度化とその需要の拡大によって,可及的にスピーディにして確実にBVHのダマシン鍍金を行なうことが望まれているが,上記のとおり鍍金剤を使用するものには各種問題点が残されるとともに,本発明者の特許文献1の鍍金液の反転流形成下で鍍金を施すもこれを解決し得ない現状にある。
【0006】
本発明は係る事情に鑑みてなされたもので,その解決課題とするところは,第1に,可及的簡易且つスピーディにしてBVHを確実に鍍金充填し得るダマシン鍍金方法を提供するにあり,第2に該ダマシン鍍金方法に好適に使用し得る鍍金装置を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記第1の課題に添って,上記特許文献1の鍍金方法を適用してもBVHを鍍金充填することができない理由を探求したところ,THの場合は,上記鍍金液流を反転するといった比較的振幅の大きな波動を付与しても,THが被鍍金平板を貫通しているために,該貫通する透孔の一方を正圧とし他方を負圧とするような不規則な短い流れが形成された状態で鍍金を施せば,TH内に金属イオンが充分に供給される結果,その鍍金が可能となるが,BVHは被鍍金平板の片側表面を開口するも被鍍金平板の厚さ方向,即ちBVHの深さ方向を閉塞した行止りのブラインド孔(盲孔)をなし,またそれはミクロンオーダーといった微細の径と深さを持ったブラインド微孔であるから,鍍金浴に被鍍金平板を浸漬することによって鍍金液がBVH内に浸入するも,そのまま該ブラインド微孔であるBVH内に滞留する結果,上記被鍍金平板表面の上記イオン勾配層除去等によっては,金属イオンが析出することによって消耗され極端に金属イオンが不足した状態のBVHに対して新たな金属イオンを継続供給することができないため,BVH内の金属イオン濃度が極端に低下し,析出すべき金属イオンが消耗不足することに起因するものと見られ,また上記BVH開口縁部の析出が発達するのは,BVHが被鍍金平板表面に開口しているために鍍金液の所定イオン濃度によって金属イオンが比較的豊富に供給されるからであると見られる。
【0008】
そこで本発明者は,BVH内の鍍金液滞留とこれによる金属イオン消耗の不足状態を解消すべく鋭意研究を重ねた結果,鍍金液をBVH内で反転循環するごとくに外部の鍍金液と交替し得るようにすれば,BVH内の金属イオン濃度を鍍金液と同等に維持し,BVHに金属イオンを継続的且つ充分に供給し得る結果,微細多数のBVH内を空洞なく完全に鍍金充填するダマシン鍍金が可能となるとの事実,この場合,上記浸漬することによってBVH内に鍍金液が浸入した被鍍金平板の表面に対して微細波動を付与するようにすれば,BVH内に浸入した鍍金液が外部から物理的な運動エネルギーを受けるとともに,該運動エネルギーが鍍金液が有する液粘度によってBVH内で反転循環する物理的運動を助長促進し,その結果,微細多数にしてブラインド微孔たるBVH内においてその鍍金液を確実に揺動交替して,その金属イオン濃度を鍍金槽の設定濃度と同等とし得るとの事実を見出すに至った。
【0009】
本発明はかかる知見に基づいてなされたもので,即ち請求項1に記載の発明を,鍍金浴を建浴した鍍金槽における陽極バスケットを2列配置した陽極列間中間位置,網陽極を配置した該網陽極片側位置等の陽極近傍に微細多数のBVHを単独又はスルーホールと混在して具備した被鍍金平板を縣吊配置し,該被鍍金平板に微細波動を付与し該微細波動によって被鍍金平板のBVH内鍍金液を揺動交替しつつ鍍金を施すことを特徴とするダマシン鍍金方法としたものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は,流速の異なる同方向の流れの接触界面において微細な渦流群が発生するとともに該渦流群がエネルギーを得ることによって勾玉状の連続波動が発生するに至るとの流体力学的見地に立脚するとともに鍍金浴中でこのような勾玉状連続波動を形成するには,被鍍金平板に対して所定の偏向角度で鍍金液を高速吐出するようにすればよいことから,上記微細波動をダマシン鍍金に好適にして簡易且つ確実に形成し得るように,これを,上記鍍金液流による微細波動の付与を,被鍍金平板に偏向角度で供給する吐出鍍金液により被鍍金平板の表面と高速層流間の微小空間に形成される微小無数の渦流群と上記吐出鍍金液の偏向流とを複合加速することによって勾玉状連続波を被鍍金平板表面に形成して行なうことを特徴とする請求項1に記載のダマシン鍍金方法としたものである。
【0011】
請求項3及び4に記載の発明は,上記第2の課題に添って,上記勾玉状連続波による微細波動を確実に形成して上記ダマシン鍍金方法に好適に使用してBVH鍍金充填を簡易且つ確実になし得る鍍金装置を提供するように,請求項3に記載の発明を,鍍金浴を建浴した鍍金槽における陽極バスケットを2列配置した陽極列間中間位置に微細多数のBVHを単独又はスルーホールと混在して具備した被鍍金平板を縣吊配置して該被鍍金平板を鍍金する鍍金装置において,各陽極列の陽極バスケットの中間背後に鍍金液吐出管を配置するとともに該鍍金液吐出管から高速吐出する鍍金液を該陽極バスケットに非接触状態で被鍍金平板に誘導する吐出方向制御体を配置し且つ該制御体による吐出方向を一定角に偏向してなることを特徴とするダマシン鍍金用の鍍金装置とし,請求項4に記載の発明を,鍍金浴を建浴した鍍金槽における網陽極片側位置に微細多数のBVHを具備した被鍍金平板を縣吊配置して該被鍍金平板を鍍金する鍍金装置において,網陽極の背後に鍍金液吐出管を配置するとともに該鍍金液吐出管から高速吐出する鍍金液を該網陽極を通過して被鍍金平板側に誘導する吐出方向制御体を配置し且つ該制御体による吐出方向を一定角に偏向してなることを特徴とするダマシン鍍金用の鍍金装置としたものである。
【0012】
請求項5に記載の発明は,上記吐出方向制御板の偏向角度を被鍍金平板や鍍金条件に応じて選択可能とするとともにその偏向角度の設定を可及的容易になし得るものとするように,これを,上記鍍金液吐出管を鍍金液配管に又は上記吐出方向制御体を鍍金液吐出管に着脱自在とするとともに該鍍金液吐出管又は吐出方向制御体を偏向角の異なる液吐出部を有するように複数具備することによってこれらを相互に互換選択的に着脱自在としてなることを特徴とする請求項3又は4に記載のダマシン鍍金用の鍍金装置としたものである。
【0013】
請求項6に記載の発明は,吐出鍍金液が被鍍金平板で反射することによる流速減衰を防止し得るものとするように,また上記陽極バスケットを使用するものにあっては更に鍍金液の流通を促進して銅ボール表面に酸化銅を形成するとともにその溶解によって鍍金浴の硫酸銅濃度を可及的に維持確保し,鍍金装置として高金属イオン濃度と低硫酸濃度の双方を同時に満足し得るものとするように,これを,上記鍍金液吐出管と千鳥配置となるように該鍍金液吐出管間の近傍背面に平行界面流速抵抗をなす被鍍金平板の反射流を吸引する鍍金液吸引管を配置してなることを特徴とする請求項3,4又は5に記載のダマシン鍍金用の鍍金装置としたものである。
【0014】
請求項7に記載の発明は,鍍金液が鍍金槽の壁面に衝接することによって鍍金槽外に溢流や飛散するのを防止するとともに鍍金液の流れを整流して鍍金への影響を防止し得るものとするように,これを,上記鍍金液吐出管又は鍍金液吸引管の背面に上記鍍金槽内壁面への鍍金液衝接を防止し該鍍金液の流れを整流する整流壁を配置してなることを特徴とする請求項3,4,5又は6に記載のダマシン鍍金用の鍍金装置としたものである。
【0015】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として,上記第1又は第2の課題解決の手段としたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面の例によって本発明を更に具体的に説明すれば,図1においてAは鍍金装置であり,該鍍金装置Aは,鍍金浴を建浴した鍍金槽1における陽極バスケット3を2列配置した陽極列間中間位置に微細多数のBVHを単独又はスルーホールと混在して具備した被鍍金平板2を縣吊配置して該被鍍金平板2を鍍金するものであり,このとき該鍍金装置Aによって,被鍍金平板2に鍍金液流による微細波動を付与し該微細波動によって被鍍金平板2のBVH内鍍金液を揺動交替しつつ鍍金を施すことによって,これをBVH用のダマシン鍍金用のものとしてある。
【0017】
即ち鍍金装置Aは,例えば高濃度の金属イオンと低濃度の硫酸浴からなる鍍金浴を建浴した鍍金槽1に陽極バスケットを2列配置して陽極3とし,該陽極列間の中間位置,特に中央位置に,例えばパッケージ用プリント基板による被鍍金平板2を陰極として図示省略の通電ラックを介して縣吊配置し,例えば数十乃至100μm程度の径を有して表面に開口しその深さ方向を閉塞した行止りのブラインド微孔をなし,数万といった数による微細多数のBVHを,析出金属によってその内部に空洞部を残存することなく可及的完全且つ平滑に鍍金充填するようにしてある。
【0018】
本例にあって鍍金装置Aは,各陽極列の陽極バスケット3の中間背後に鍍金液吐出管4を配置するとともに該鍍金液吐出管4から高速吐出する鍍金液を該陽極バスケット3に非接触状態で被鍍金平板2に誘導する吐出方向制御体4´を配置し且つ該制御体4´による吐出方向を一定角に偏向したものとしてあり,このとき本例の制御体4´は,後述のように,これを鍍金液吐出管4の長手方向に添って一対長尺の誘導板を対向配置した制御板によるものとし,その上記吐出方向偏向は,該制御体4´の先端にこれを所定角度に屈曲した液吐出部6を配置することによって行うようにしてあり,これら鍍金液吐出管4及び先端側の液吐出部6を所定角度に偏向した吐出方向制御体4´を備えることによって,上記微細波動を被鍍金平板2に付与するとともに 上記鍍金液流による微細波動の付与を,被鍍金平板2に偏向角度で供給する吐出鍍金液により被鍍金平板2の表面と高速層流間の微小空間に形成される微小無数の渦流群と上記鍍金液の偏向流とを複合加速することによって勾玉状をなす連続波を被鍍金平板2表面に形成するものとしてあり,該勾玉状連続波の形成下で鍍金を施すことによって上記微細多数のBVHの鍍金充填,即ちダマシン鍍金を可能としてある。
【0019】
即ち鍍金槽1に被鍍金平板2を浸漬することによって鍍金浴をなす鍍金液がBVH内に浸入してこれを充填するところ,BVHが上記のように微細多数のものであるに止まらず深さ方向が閉塞したブラインド微孔であることによって,一般にBVH内に浸入した鍍金液は,鍍金槽1の鍍金液と交替することなく,そのままBVH内に滞留した状態となるところ,BVHの開口近傍において微細波動,好ましくは,例えば百数十μm以下といったようにBVHの径に合せて超微細とした微細波動を付与するようにすれば,BVH内に浸入の鍍金液が物理的な運動エネルギーを受けるとともにその運動エネルギーが鍍金液の液粘度によってBVH内の鍍金液の物理的運動を助長し,鍍金液がBVH内で,例えば反転循環するようになってその交替が促進される結果,BVH内の鍍金液は滞留することなくBVH外に排出されるとともに鍍金浴から金属イオンを豊富に含む新たな鍍金液が間断なく浸入することによってその交替がスムーズになされ,BVH内の金属イオン濃度を鍍金槽1の鍍金液における設定濃度と同等に維持して,鍍金充填のために必要且つ充分な金属イオンが供給され,金属イオンの継続的析出とこれによる鍍金充填が可能となる。
【0020】
このとき,例えば単に被鍍金平板2に振動を与えたり,鍍金液を撹拌したりするといった比較的振幅の大きい波動の類いではBVHへの影響やその鍍金液の交替を全く期待し得ず,現実にこのような振動や撹拌によって金属析出を成長させることは不可能であり,このため微細波動を付与することが必要となるが,この微細波動を鍍金槽1における鍍金液流をコントロールして発生させるようにし,特に上記渦流群と鍍金液の偏向流とを複合した勾玉状連続波として,該勾玉状連続波を常時発生した状態で付与するのが簡易且つ確実な鍍金充填を行なうに好適であり,BVHに空洞部を残存しない鍍金充填を,一般に1〜2時間程度の短時間にして可及的完全且つ表面平滑に行なうことが可能となる。
【0021】
これら勾玉状連続波の発生は,いずれも流体の運動速度と固体表面の摩擦の関係によるものであるから,必要且つ充分な液速度が鍍金槽1内に確保されれば,被鍍金平板2の表面において上記勾玉状連続波による微細な波動現象を生じるところ,本例にあっては上記渦流群と偏向流とを複合してこれらを高速状態となるように複合加速することによってこれを形成し得るため,鍍金液吐出の偏向角度とその流速確保の加圧力を管理すればよく,微細波動の形成手段としても極めて簡単な構造で確実な作用を確保することができる。
【0022】
本例にあって上記鍍金液吐出管4は,所定ピッチで鍍金槽1の左右方向に並列するように多数配置し,断面円形にして上下方向に長尺の被鍍金平板2側面に長手方向に一連又は断続多数のスリットを形成し,該スリットを介して被鍍金平板2に対して鍍金液を加圧して吐出供給するようにしてあり,このとき上記勾玉状連続波形成の流速を減衰することなく被鍍金平板2に対して確保するため,陽極バスケット3に高速吐出した鍍金液が接触することによる抵抗を解消するものとしてあり,このため上記吐出方向制御体4´を配置し且つその先端において吐出方向を一定角に偏向するものとしてあるが,本例の制御体4´は,例えば制御板,制御管等のうちから,上記鍍金液吐出管4における上記側面のスリット両端から鍍金液の吐出溝を形成するように左右方向に対向して突出配置した一対の誘導壁による制御板によって構成してあり,このときその吐出方向の偏向は,本例にあって上記一対のうち一方の誘導壁の先端を被鍍金平板2側に延設するとともに該延設部を吐出方向に向けて所定角度に屈曲した屈曲板による吐出部6を上記誘導壁に備えるようにしてこれを行なうものとしてあり,これによって加圧されて鍍金液吐出管4に至った鍍金液を,上記陽極バスケット3の抵抗なく,被鍍金平板2に向けて直接に噴射するように放出し,該噴射放出によって被鍍金平板2に上記渦流群を発生させるとともに鍍金槽1の鍍金浴内に鍍金液の偏向流を形成して上記勾玉状の連続波による微細波動を形成し得るようにしてある。
【0023】
このとき本例にあって上記鍍金液吐出管4を鍍金液配管に又は上記吐出方向制御体4´を鍍金液吐出管4に着脱自在とするとともに該鍍金液吐出管4又は吐出方向制御体4´を偏向角の異なる液吐出部6を有して複数具備することによってこれらを相互に互換選択的に着脱自在としてあり,これによって被鍍金平板2や鍍金条件に応じて最適な偏向角度の液吐出部6を選択して互換的に使用し,短時間に容易に交換し得るものとして,鍍金処理の段取り時間を可及的に減少し得るようにしてある。本例にあって該互換選択的な着脱は,偏向角を違えることによって吐出方向を異ならしめた液吐出部6を有する複数の制御体4´,本例にあっては制御板を具備し,該複数の制御体4´を鍍金液吐出管4に対して着脱自在とすることによってその互換的使用をなし得るようにしてある。
【0024】
以上の基本構成を持つ図1の例にあって,更に5は,上記鍍金液吐出管4と千鳥配置となるように該鍍金液吐出管4間の近傍背面に配置した平行界面流速抵抗をなす被鍍金平板2の反射流を吸引する鍍金液吸引管であり,本例にあって鍍金液吸引管5は,上記陽極バスケット3の背面に並列多数の鍍金液吐出管4と千鳥配置をなすように該鍍金液吐出管4の背面側で同じく所定ピッチで鍍金槽1の左右方向に並列するように多数配置してあり,このとき該吸引管5は断面円形の上下方向に長尺にして,その陽極バスケット3側にスリットを形成したものとし,本例にあっては更に陽極バスケット3側に拡開して鍍金液の吸引を有効になし得るようにしたスリット端部からハ字状をなす吸引壁を備えたものとしてあり,上記鍍金液吐出管4から吐出し,勾玉状連続波による微細波動を形成して被鍍金平板2に反射した鍍金液を上記陽極バスケット3を介して及び陽極バスケット3間から吸引し,上記反射した鍍金液が並列する他の鍍金液吐出管4から吐出した鍍金液に対して平行界面流速抵抗となるのを防止し,これによって各鍍金液吐出管4から鍍金液に付与した吐出流速の抵抗を可及的に解消するとともに上記陽極バスケット3を介して吸引することによって該陽極バスケット3中に配置した図示省略の銅ボールの酸化を促進し,表面に形成される酸化銅を鍍金浴中の硫酸で溶解し,鍍金液交換が困難な陽極バスケット3内における能率低下を防止し,ダマシン鍍金を有効に行なう鍍金装置としての高金属イオン濃度と低硫酸濃度の双方を可及的に同時に維持し得るようにしてある。
【0025】
また7は,上記鍍金液吐出管4又は鍍金液吸引管5の背面に配置した上記鍍金槽1内壁面への鍍金液衝接を防止し該鍍金液の流れを整流する整流壁であり,本例にあって整流壁7は,これを管列の背面,即ち上記鍍金液吸引管5を被鍍金平板2側の鍍金液吐出管4と千鳥状に配置した本例では,該鍍金液吸引管5の背面に対向して設置した,上下方向及び左右方向に幅広壁面をなし,その左右方向両端にそれぞれ屈曲壁7´を備えて鍍金槽1内の略全体に亘るように配置した平板状パネルによるものとしてあり,上記屈曲壁7´を左右方向一方の端部で幅広壁面から上記鍍金液吐出管4に至り,鍍金液吸引管5と鍍金液吐出管4を抱持するように左右方向外側に向けて屈曲することによって鍍金液の流れ方向に防壁をなし,また左右方向他方の端部で鍍金槽1に濾過した鍍金液を供給する濾過液吐出管12からの濾過鍍金液が,被鍍金平板2側に傾斜供給するのを妨げないように左右方向内側に向けて屈曲することにより該濾過鍍金液の流れを案内するガイドをなすものとしてあり,該整流壁7を配置することによって,鍍金槽1の一方向の流れが形成される鍍金液が鍍金槽1の内壁面に所定の流速をもって衝接して槽外に溢流し,飛散するのを防止するとともに鍍金液の整流によって上記微細波動,特に本例において形成される勾玉状の連続波を乱すことなく,その微細波動をBVH内に浸入した鍍金液に与えることができるようにしてある。
【0026】
本例の鍍金装置Aによるダマシン鍍金は,鍍金槽1の陽極バスケット3間中間,特に中央位置に,例えばレーザードリルによって形成した無数のBVHを単独で或いはTHと混在して形成したパッケージ用プリント基板の被鍍金平板2を陰極として縣吊し,被鍍金平板2の両側の鍍金液吐出管4から鍍金液を噴射状に吐出し,被鍍金平板2の表面と高速層流間の微小空間に微小無数の渦流群を発生させ,鍍金液の偏向流と複合することによって勾玉状連続波を被鍍金平板2表面に形成するとともに鍍金液吸引管5等を作動し上記連続波を形成しつつ通電して被鍍金平板2に対して鍍金を施し,その無数のBVH内に金属を析出するようにすればよく,これによってBVH内に浸入した鍍金液が反転循環するように自動的に揺動交替し,BVH内の金属イオン濃度を鍍金槽の鍍金液におけると同等に維持してその金属イオンを所定濃度に確保して空洞部のない鍍金充填によるダマシン鍍金を簡易且つ確実に行うことができる。
【0027】
図2は他の例に係る鍍金装置Aを示し,該鍍金装置Aは,鍍金浴を建浴した鍍金槽1における網陽極片側位置に微細多数のBVHを具備した被鍍金平板2を縣吊配置して該被鍍金平板2を鍍金するものとしてあり,このとき網陽極3の背後に鍍金液吐出管4を配置するとともに該鍍金液吐出管4から高速吐出する鍍金液を該網陽極3を通過して被鍍金平板2側に誘導する吐出方向制御体4´を配置し且つ該制御体4´による吐出方向を一定角に偏向したものとしてあり,該鍍金装置Aは,不溶性の網陽極3を使用し,その片側に半導体ウエハーのBVHを単独に具備した被鍍金平板2を配置し,同様に微細波動を付与して被鍍金平板2の浸漬によってBVH内に浸入した鍍金液を揺動交替しつつ上記と同様にダマシン鍍金を行なうものとしてある。
【0028】
このとき該微細波動の付与を吐出鍍金液による上記微小無数の渦流群と偏向流の複合による勾玉状の連続波を形成することによって行なうこと,そのために同様に偏向角を違えた吐出方向を互換的に選択し得るように液吐出部6を着脱自在とした複数の制御体4´を備えた鍍金液吐出管4,該鍍金液吐出管4と千鳥状の鍍金液吸引管5,整流壁7等を備えたものとしてあり,本例にあって,網陽極3の抵抗が少ないことから鍍金液吸引管5に上記拡開したハ字状の吸引壁の設置を省略したこと,整流壁7左右両端の壁面を直交の屈曲壁7´とし,その平面形状をコ字状としたこと等一部に相違があるが,上記図1のものとその基本構成を共通にしたものとしてあるので該図1と同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0029】
この場合も上記と同様に鍍金槽1の網陽極の片側位置に同じく上記半導体ウエハーの被鍍金平板2を陰極として縣吊し,同様に勾玉状連続波を被鍍金平板2表面に形成し,鍍金液吸引管5作動の連続波形成状態で通電して鍍金を施せば,その無数のBVH内に浸入した鍍金液が揺動交替して空洞部のない鍍金充填によるダマシン鍍金を簡易確実にして可及的完全且つ表面平滑に行うことができる。
【0030】
図中8は鍍金槽1外側のオーバーフロー室,9は鍍金液濾過系の濾過用ポンプ,10はラインフィルター,11は鍍金液の誘導板,13はオーバーフロー液の流下口,14は還流路,15はメインポンプ,16は補助鍍金層,17は空気撹拌及び熱交換器用機器を示す。
【0031】
図示した例は以上のとおりとしたが,本発明の鍍金方法をその陽極形態に応じてBVHを単独に具備した被鍍金平板,BVHをTHと混在して具備した被鍍金平板に適宜に適用するようにすること,鍍金液の吐出方向制御体を,上記制御板に代えて,多数の制御管を用いて同様にその先端乃至先端壁を屈曲するようにすること,鍍金液吐出の偏向角の選択使用を可能とする吐出部材の着脱自在を,鍍金液吐出管を鍍金液配管に着脱自在とすることによって行なうように該鍍金液吐出管を偏向角の異なる先端液吐出部を有する複数具備したものとすること等を含めて,本発明の実施に当って,鍍金槽,陽極,被鍍金平板,そのBVH,鍍金液吐出管,吐出方向制御板,必要に応じて使用する鍍金液吸引管,整流板等の具体的形状,構造,材質,これらの関係,これらに対する付加,鍍金条件,鍍金に際して被鍍金平板に付与する微細波動,その好ましい勾玉状連続波等の具体的方法等の具体的形成手段乃至方法等は,上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
【0032】
【実施例】
【実施例1】
無電解銅鍍金処理を施した厚さ0.6mm,大きさ255mm×410mmのFCBGA10枚にそれぞれその両面に直径60μm,深さ50μmのBVHを47,000個加工して,図1の鍍金装置を用いて下記条件で鍍金処理を行なった。鍍金処理後にそれぞれ中心部の同一パターン部位のBVH部分を切取り金属顕微鏡でBVH上面の凹みをクロスセクションで測定した結果,凹みは最大約2μmであり,上記鍍金処理によってほぼ平滑で空隙部のないダマシン鍍金がなされた。
鍍金浴組成
硫酸銅:200g/L
硫酸銅:200g/L
硫 酸:100g/L
塩 素: 50ppm
添加剤:市販鍍金剤A(添付量はカタログ推奨値)
浴 温:23℃
陰極電流密度:2A/dm2
通 電 時 間 :55分
【0033】
【実施例2】
FCBGAを4枚として鍍金条件を変更して下記のものとした以外,実施例1と同様に鍍金処理を行なった。同様に測定した結果,均一に3μm程度凹んだ皿状のようになり,同じくほぼ平滑にして空隙部のないダマシン鍍金がなされた。
鍍金浴組成
硫酸銅:200g/L
硫 酸: 50g/L
塩 素: 50ppm
添加剤:市販鍍金剤B(添付量はカタログ推奨値)
浴 温:23℃
陰極電流密度:1A/dm2
通 電 時 間 :100分
【0034】
【実施例3】
同様に厚さ1.0mm,大きさ400mm×495mm,BVHの直径155μm,深さ100μm,BVH数両面で228,480個のFCBGA1枚を下記条件で表面鍍金膜厚計算値40μmの鍍金処理を行なった。その結果,凹みのない完全に平滑にして空隙部のないダマシン鍍金がなされた。
鍍金浴組成
硫酸銅:200g/L
硫 酸:100g/L
塩 素: 50ppm
添加剤:市販鍍金剤A(添付量はカタログ推奨値)
浴 温:23℃
陰極電流密度:2A/dm2
通 電 時 間 : 95分
【0035】
【実施例4】
同様に厚さ0.8mm,大きさ408mm×510mm,BVHの直径60μm,深さ40μm,BVH数両面で50,000個の銅張り積層板18枚を実施例3と同一条件で表面鍍金膜厚計算値40μmの鍍金処理を行なった。その結果,クロスセクション評価によって表面の完全な平滑性と空隙部のないダマシン鍍金がなされた。
【0036】
【実施例5】
無電解銅鍍金処理を施した厚さ0.8mm,大きさ125mm×155mmの銅張り積層板1枚の片面に直径200μm,深さ140μmのBVHを約500個加工して,図2の鍍金装置を用いて下記条件で表面鍍金膜厚計算値25μmの鍍金処理を行なった。その結果,同じくクロスセクション評価によって表面の完全な平滑性と空隙部のないダマシン鍍金がなされた。
鍍金浴組成
硫酸銅:200g/L
硫 酸:100g/L
塩 素: 50ppm
添加剤:ゼラチン 10ppm
浴 温:25℃
陰極電流密度:2A/dm2
通 電 時 間 :63分
【0037】
【実施例6】
図1の陽極バスケットに代えて陽極を網陽極とした類似の鍍金装置に,市販の半導体用金鍍金液を用いて,BVHの直径30,40,50μm,深さはいずれも40μm,BVH数数百個のGa−Asウエハーに,浴温65℃,Dk0.5A,通電時間60分の条件で鍍金処理を行なった。その結果,BVHは同心円状にそれぞれ86μm,106μm,116μmの円形に鍍金レジスト皮膜が除去され,その断面はT字状をなすものであった。このT字状の部分を金属顕微鏡で拡大して寸法を測定したところ,いずれのBVHも全て完全に充填されており,その中心を垂直に測定したところ,それぞれ46μm,48μm,42μmであり,ウエハー表面をそれぞれ6μm,8μm,2μm超えたものであった。
【0038】
【発明の効果】
本発明は以上のとおりに構成したから,請求項1に記載の発明は,鍍金槽に浸漬してブラインド微孔をなすBVH内に鍍金液が浸入した被鍍金平板の表面に鍍金液流による微細波動を付与することによってBVH内の鍍金液を反転循環するごとくに揺動交替し,BVH内の金属イオン濃度を鍍金層の鍍金液における設定濃度と同等に維持し,BVH内に充填用の金属イオンを継続的且つ充分に供給して,BVH内の金属析出による充填を確実に行うことによって,ダマシン鍍金を可及的簡易且つスピーディになし得るようにしたダマシン鍍金方法を提供することができる。
【0039】
請求項2に記載の発明は,上記微細波動をダマシン鍍金に好適にして簡易且つ確実に形成し得る鍍金方法とすることができる。
【0040】
請求項3及び4に記載の発明は,上記勾玉状連続波による微細波動を確実に形成して上記ダマシン鍍金方法に好適に使用してBVH鍍金充填を簡易且つ確実になし得る鍍金装置を提供することができる。
【0041】
請求項5に記載の発明は,上記吐出方向制御板の偏向角度を被鍍金平板や鍍金条件に応じて選択可能とするとともにその偏向角度の設定を可及的容易になし得るようにした鍍金装置とすることができる。
【0042】
請求項6に記載の発明は,吐出鍍金液が被鍍金平板で反射することによる流速減衰を防止し得る鍍金装置とすることができる。
【0043】
請求項7に記載の発明は,鍍金液が鍍金槽の壁面に衝接することによって鍍金槽外に溢流や飛散するのを防止するとともに鍍金液の流れを整流して鍍金への影響を防止し得る鍍金装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダマシン鍍金装置の平面図である。
【図2】他の例に係るダマシン鍍金装置の平面図である。
【符号の説明】
A ダマシン鍍金装置
1 鍍金槽
2 被鍍金平板
3 陽極
4 鍍金液吐出管
4´ 吐出方向制御板
5 鍍金液吸引管
6 液吐出部
7 整流板
7´ 屈曲部
Claims (7)
- 鍍金浴を建浴した鍍金槽における陽極バスケットを2列配置した陽極列間中間位置,網陽極を配置した該網陽極片側位置等の陽極近傍に微細多数のBVHを単独又はスルーホールと混在して具備した被鍍金平板を縣吊配置し,該被鍍金平板に微細波動を付与し該微細波動によって被鍍金平板のBVH内鍍金液を揺動交替しつつ鍍金を施すことを特徴とするダマシン鍍金方法。
- 上記鍍金液流による微細波動の付与を,被鍍金平板に偏向角度で供給する吐出鍍金液により被鍍金平板の表面と高速層流間の微小空間に形成される微小無数の渦流群と上記吐出鍍金液の偏向流とを複合加速することによって勾玉状連続波を被鍍金平板表面に形成して行なうことを特徴とする請求項1に記載のダマシン鍍金方法。
- 鍍金浴を建浴した鍍金槽における陽極バスケットを2列配置した陽極列間中間位置に微細多数のBVHを単独又はスルーホールと混在して具備した被鍍金平板を縣吊配置して該被鍍金平板を鍍金する鍍金装置において,各陽極列の陽極バスケットの中間背後に鍍金液吐出管を配置するとともに該鍍金液吐出管から高速吐出する鍍金液を該陽極バスケットに非接触状態で被鍍金平板に誘導する吐出方向制御体を配置し且つ該制御体による吐出方向を一定角に偏向してなることを特徴とするダマシン鍍金用の鍍金装置。
- 鍍金浴を建浴した鍍金槽における網陽極片側位置に微細多数のBVHを具備した被鍍金平板を縣吊配置して該被鍍金平板を鍍金する鍍金装置において,網陽極の背後に鍍金液吐出管を配置するとともに該鍍金液吐出管から高速吐出する鍍金液を該網陽極を通過して被鍍金平板側に誘導する吐出方向制御体を配置し且つ該制御体による吐出方向を一定角に偏向してなることを特徴とするダマシン鍍金用の鍍金装置。
- 上記鍍金液吐出管を鍍金液配管に又は上記吐出方向制御体を鍍金液吐出管に着脱自在とするとともに該鍍金液吐出管又は吐出方向制御体を偏向角の異なる液吐出部を有するように複数具備することによってこれらを相互に互換選択的に着脱自在としてなることを特徴とする請求項3又は4に記載のダマシン鍍金用の鍍金装置。
- 上記鍍金液吐出管と千鳥配置となるように該鍍金液吐出管間の近傍背面に平行界面流速抵抗をなす被鍍金平板の反射流を吸引する鍍金液吸引管を配置してなることを特徴とする請求項3,4又は5に記載のダマシン鍍金用の鍍金装置。
- 上記鍍金液吐出管又は鍍金液吸引管の背面に上記鍍金槽内壁面への鍍金液衝接を防止し該鍍金液の流れを整流する整流壁を配置してなることを特徴とする請求項3,4,5又は6に記載のダマシン鍍金用の鍍金装置。
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