JP2004204777A - 内燃機関の運動方向変換構造 - Google Patents

内燃機関の運動方向変換構造 Download PDF

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Abstract

【課題】ピストンの上死点が2度発生したり、有効に作動する機関回転速度が限られたりすることなく、機関の燃焼圧力をトルクとして有効に取出す。
【解決手段】運動方向変換構造19は中間軸22,23、入力側傘歯車24,25、出力側傘歯車26,27を備える。中間軸22,23には、ピストン14,15の連結部材33,34に連結されるリンク31,32と入力側傘歯車24,25とが設けられる。出力側傘歯車26,27は出力軸17にワンウェイクラッチ29,30を介して相対回転可能に設けられ、かつ両入力側傘歯車24,25に噛合わされる。運動方向変換構造19では、ピストン14,15の下降に伴うリンク31,32の揺動を通じて同ピストンの運動が出力軸17の回転運動に変換され、リンク31,32の揺動によりピストン15,14が上昇される。出力側傘歯車26,27がピストン14,15の上昇時に出力軸17に対して相対回転する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関におけるピストンの運動を出力軸の回転運動に変換する内燃機関の運動方向変換構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関には、ピストンの運動を出力軸であるクランクシャフトの回転運動に変換するための運動方向変換構造が採用されている。この運動方向変換構造としては、ピストンとクランクシャフトをリンク(コネクティングロッド)によって連結する、いわゆるクランク構造が一般的である。このクランク構造では、コネクティングロッドとクランクシャフトの連結点(クランクピン)が、クランクシャフトの回転中心から偏心した箇所に設けられていて、ピストンが1往復する間にクランクシャフトが1回転する。そして、ピストンが上死点付近へ移動して、燃料及び空気の混合気が燃焼されるときに、コネクティングロッドの軸線、クランクシャフトの回転中心及びクランクピンが略同一直線上に位置する。このため、燃焼に伴う燃焼圧力をクランクシャフトの回転力(トルク)として有効に取出すことが困難である。これは、一般にトルクは力(この場合、燃焼圧力)とモーメントアーム長との積で表されるところ、上死点ではモーメントアーム長が「0」となるからである。
【0003】
そこで、クランクシャフトの回転中心をシリンダの中心線から離れた箇所に設ける(偏心させる)技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この偏心のために、特許文献1では、コネクティングロッドの上端部をフリーリンクを介してピストンに連結している。また、フリーリンク及びコネクティングロッドの連結点とクランクケースとをクロスリンクによって連結している。この技術によれば、ピストン上死点でクランクシャフトの回転中心、クランクピンが略同一直線上に位置しないようにすることができる。上死点付近のモーメントアーム長を、前述した一般的なクランク構造のモーメントアーム長よりも長くし、もって、前記燃焼圧力をクランクシャフトのトルクとして取出すことが可能となる。
【0004】
また、上記のようにクランクシャフトを偏心させることに加えて、コネクティングロッドにばね機構を追加し、クランクシャフト及びピストンを連結したり切り離したりする技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−50362号公報
【特許文献2】
特表2001−500944号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、クランクシャフトのトルクを大きくするには、そのクランクシャフトの回転中心の偏心量を大きく設定して、上死点付近のモーメントアーム長を長くすることが有効である。しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ピストンとクランクシャフトとがフリーリンク及びコネクティングロッドによって連結されている。このため、偏心量を過度に大きくすると、クランクシャフトの回転やピストンの往復動が滑らかに行われなくなるおそれがある。また、ピストンが1往復する間に上死点が2度発生して燃焼に悪影響を及ぼすおそれもある。従って、偏心量を大きく設定するにも限度があり、結果として燃焼圧力をトルクとして有効に取出すには十分でない。
【0007】
また、特許文献2に記載された技術では、前述したようにばね機構によりクランクシャフト及びピストンを連結したり切り離したりする。このため、偏心量を大きくしても、ピストンを滑らかに往復動させることが可能となり、また、ピストンが1往復する間に上死点が2度発生する不具合を回避することが可能となる。反面、ばね機構の追加に伴う新たな問題が発生する。それは、ばね機構にはばねに加わる慣性質量により固有共振周波数が存在することから、その周波数での共振を回避しようとすると、有効に作動する機関回転速度域が限られることである。従って、広範囲な機関回転速度域において、ばね機構を確実に作動させることが困難である。
【0008】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ピストンの上死点が2度発生したり、有効に作動する機関回転速度が限られたりすることなく、機関の燃焼圧力をトルクとして有効に取出すことのできる内燃機関の運動方向変換構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、シリンダ内に収容されたピストンの運動を出力軸の回転運動に変換する内燃機関の運動方向変換構造において、前記ピストンの連結部材に連結されるリンクが設けられる中間軸と、前記中間軸に設けられる入力側傘歯車と、前記出力軸にワンウェイクラッチを介して相対回転可能に設けられ、かつ前記入力側傘歯車に噛合わされる出力側傘歯車とを備え、前記ピストンの下降に伴う前記リンクの揺動を通じて前記ピストンの運動を前記出力軸の回転運動に変換するとともに、前記リンクの揺動により前記ピストンを上昇させ、前記出力側傘歯車は、前記ピストンを上昇させるときに前記出力軸に対して相対回転するものとする。
【0010】
上記の構成によれば、内燃機関での燃焼に伴う圧力(燃焼圧力)によりピストンが下降すると、その運動が連結部材を介してリンクに伝達され、同リンクが中間軸を支点として揺動する。この揺動に伴い入力側傘歯車が中間軸を中心として回転する。この回転は、入力側傘歯車に噛合わされた出力側傘歯車にも伝達される。そして、出力側傘歯車の回転によりワンウェイクラッチが係合し、出力軸がワンウェイクラッチ及び出力側傘歯車と一体となって回転する。このように、ピストンの下降に伴うリンクの揺動を通じて、ピストンの運動が出力軸の回転運動に変換される。
【0011】
また、リンクの中間軸を支点とした揺動により、連結部材及びピストンが上昇する。このときには、入力側傘歯車が前述したピストン下降時とは逆方向へ回転する。そして、ワンウェイクラッチが非係合状態となり、出力側傘歯車の回転が出力軸に伝達されず、同出力側傘歯車が出力軸に対して相対回転する。
【0012】
ここで、請求項1に記載の発明では、ピストンに対し連結部材を介してリンクを設け、ピストンの下降に伴うリンクの揺動により出力軸を回転させるようにしている。このことから、ピストンが上死点に位置するとき(燃焼圧力が最大となるとき)、リンクの軸線はシリンダの中心線に交差する。そのため、上死点付近であってもモーメントアーム長が「0」とならず、燃焼圧力が中間軸の回転力(トルク)として取出される。この回転力は、入力側傘歯車、出力側傘歯車及びワンウェイクラッチを介して出力軸に伝達されるため、結果として、燃焼圧力を出力軸のトルクとして取出すことができる。また、例えばリンクとして長いものを用いることにより、シリンダの中心線に対する中間軸の偏心量を大きく設定し、モーメントアーム長を長くして、燃焼圧力を中間軸ひいては出力軸からトルクとして有効に取出すことができる。
【0013】
加えて、中間軸の回転のためにリンクを回転させなくてもよいため、前記のように偏心量を大きく設定しても、ピストンの滑らかな往復動が損なわれるおそれがなく、また、ピストンが1往復する間に上死点が2度発生するおそれもない。さらに、ばね機構を用いていないため、ばねを用いることによる不具合、すなわち共振を回避するために有効に作動する機関回転速度が限定される不具合の心配もない。
【0014】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、下降及び上昇について互いに逆の動きをする第1ピストン及び第2ピストンが前記ピストンとして前記シリンダ内にそれぞれ収容され、前記第1ピストンの連結部材に連結されるリンクが設けられる第1中間軸、及び前記第2ピストンの連結部材に連結されるリンクが設けられる第2中間軸を前記中間軸として備え、前記第1中間軸に設けられる第1入力側傘歯車、及び前記第2中間軸に設けられる第2入力側傘歯車を前記入力側傘歯車として備え、前記出力軸に第1ワンウェイクラッチを介して相対回転可能に設けられ、かつ前記第1入力側傘歯車に噛合わされる第1出力側傘歯車、及び前記出力軸に第2ワンウェイクラッチを介して相対回転可能に設けられ、かつ前記第2入力側傘歯車に噛合わされる第2出力側傘歯車を前記出力側傘歯車として備え、前記第1入力側傘歯車には前記第2出力側傘歯車が噛合わされる一方、前記第2入力側傘歯車には前記第1出力側傘歯車が噛合わされるものとする。
【0015】
上記の構成によれば、燃焼圧力により第1ピストンが下降すると、その下降が連結部材を介してリンクに伝達され、同リンクが第1中間軸を支点として揺動する。この揺動に伴い第1入力側傘歯車が第1中間軸を中心として回転する。この回転は、第1出力側傘歯車及び第2出力側傘歯車を介して第2入力側傘歯車に伝達され、同第2入力側傘歯車が第2中間軸を中心として第1入力側傘歯車とは逆方向へ回転する。この回転に伴い第2ピストン側のリンクが第2中間軸を支点として揺動する。この揺動が連結部材を介して第2ピストンに伝達され、同第2ピストンが第1ピストンとは逆の動き(上昇)をする。
【0016】
また、第2ピストンの下降に伴うリンクの揺動を通じて、第2入力側傘歯車が前記第1ピストン下降時の第1入力側傘歯車の回転方向と同一方向へ回転すると、その回転が第1出力側傘歯車及び第2出力側傘歯車を介して第1入力側傘歯車に伝達され、同第1入力側傘歯車が第2入力側傘歯車とは逆方向へ回転する。この回転に伴うリンクの揺動を通じて第1ピストンが第2ピストンとは逆の動き(上昇)をする。
【0017】
このように、第1ピストン又は第2ピストンが下降するときには、その下降に伴う両リンクの揺動により他方のピストンが上昇されるため、下降したピストンを上昇させるための機構を別途設けなくてもすむ。
【0018】
また、第1ピストンの下降に伴い第1出力側傘歯車が回転して第1ワンウェイクラッチが係合すると、出力軸が第1ワンウェイクラッチ及び第1出力側傘歯車と一体となって回転する。このようにして、第1ピストンの下降に伴うリンクの揺動を通じて同第1ピストンの運動が出力軸の回転運動に変換される。このときには、第2出力側傘歯車の回転方向が第2ワンウェイクラッチの係合方向と逆になり、同第2ワンウェイクラッチが非係合状態となる。このことから、第2出力側傘歯車の回転が出力軸に伝達されず、同第2出力側傘歯車が出力軸に対して相対回転する。従って、第2出力側傘歯車の回転が出力軸の回転の妨げとなることはない。
【0019】
前記とは逆に、第2ピストンの下降に伴い第2出力側傘歯車が回転して第2ワンウェイクラッチが係合すると、出力軸が第2ワンウェイクラッチ及び第2出力側傘歯車と一体となって回転する。このようにして、第2ピストンの下降に伴うリンクの揺動を通じて同第2ピストンの運動が出力軸の回転運動に変換される。このときには、第1出力側傘歯車の回転方向が第1ワンウェイクラッチの係合方向と逆になり、同第1ワンウェイクラッチが非係合状態となる。このことから、第1出力側傘歯車の回転が出力軸に伝達されず、同第1出力側傘歯車が出力軸に対して相対回転する。従って、第1出力側傘歯車の回転が出力軸の回転の妨げとなることはない。
【0020】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、下降及び上昇について、前記第1ピストンと同じ動きをする第3ピストン及び前記第2ピストンと同じ動きをする第4ピストンが前記ピストンとして前記シリンダ内にそれぞれ収容され、前記第1中間軸に設けられるリンクには、前記第1ピストン及び前記第3ピストンの各連結部材が前記第1中間軸について点対称となる箇所にそれぞれ連結される一方、前記第2中間軸に設けられるリンクには、前記第2ピストン及び前記第4ピストンの各連結部材が前記第2中間軸について点対称となる箇所にそれぞれ連結されるものとする。
【0021】
上記の構成によれば、第1ピストン又は第3ピストンが下降すると、その運動が同ピストン側の連結部材を介してリンクに伝達され、同リンクが第1中間軸を支点として揺動する。この揺動に伴う第1中間軸の回転により、他方のピストン側のリンクが揺動する。この揺動は連結部材を介して他方のピストンに伝達される。ここで、第1ピストン及び第3ピストンの各連結部材が第1中間軸について点対称の関係にあることから、両ピストンはともに下降する。
【0022】
また、第2ピストン又は第4ピストンが下降すると、その運動が同ピストン側の連結部材を介してリンクに伝達され、同リンクが第2中間軸を支点として揺動する。この揺動に伴う第2中間軸の回転により、他方のピストン側のリンクが揺動する。この揺動は連結部材を介して他方のピストンに伝達される。ここで、第2ピストン及び第4ピストンの各連結部材が第2中間軸について点対称の関係にあることから、両ピストンはともに下降する。
【0023】
従って、第3ピストンが下降する場合には、請求項2に記載の発明において第1ピストンが下降する場合と同様の作用がなされる。すなわち、第3ピストンの下降に伴うリンクの揺動を通じて同第3ピストンの運動が出力軸の回転運動に変換される。また、リンクの揺動により第2ピストン及び第4ピストンが上昇される。この上昇の際には、第2出力側傘歯車は出力軸に対して相対回転する。一方、第4ピストンが下降する場合には、請求項2に記載の発明において第2ピストンが下降する場合と同様の作用がなされる。すなわち、第4ピストンの下降に伴うリンクの揺動を通じて同第4ピストンの運動が出力軸の回転運動に変換される。また、リンクの揺動により第1ピストン及び第3ピストンが上昇される。この上昇の際には、第1出力側傘歯車が出力軸に対して相対回転する。
【0024】
このように、請求項3に記載の発明では、第1中間軸及び第1入力側傘歯車が、第1ピストン及び第3ピストンについて、共通の中間軸及び共通の入力側傘歯車として機能する、また、第2中間軸及び第2入力側傘歯車が、第2ピストン及び第4ピストンについて、共通の中間軸及び共通の入力側傘歯車として機能する。従って、請求項2に記載の発明の構成を単に2組設けて、4つのピストンについてピストン毎に中間軸及び入力側傘歯車を用いる場合に比べ、部品点数の削減を図ることが可能となる。
【0025】
請求項4に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、下降及び上昇について、前記第1ピストンと同じ動きをする第3ピストン及び前記第2ピストンと同じ動きをする第4ピストンが前記ピストンとして前記シリンダ内にそれぞれ収容され、前記第3ピストンの連結部材に連結されるリンクが設けられる第3中間軸、及び前記第4ピストンの連結部材に連結されるリンクが設けられる第4中間軸を前記中間軸として備え、前記第3中間軸に設けられる第3入力側傘歯車及び前記第4中間軸に設けられる第4入力側傘歯車を前記入力側傘歯車として備え、前記第2出力側傘歯車に結合され、かつ前記第3入力側傘歯車及び前記第4入力側傘歯車に噛合わされる第3出力側傘歯車を前記出力側傘歯車として備えるものとする。
【0026】
上記の構成によれば、第1ピストン又は第2ピストンの下降に伴い第2出力側傘歯車が回転すると、同傘歯車に結合された第3出力側傘歯車も一体となって同方向へ回転する。この第3出力側傘歯車の回転に伴い、同傘歯車に噛合わされた第3入力側傘歯車及び第4入力側傘歯車が互いに逆方向に回転する。第3入力側傘歯車の回転方向は第1入力側傘歯車の回転方向と逆であり、第4入力側傘歯車の回転方向は第2入力側傘歯車の回転方向と逆である。そして、第3入力側傘歯車の回転に伴い、第3中間軸を支点としてリンクが第1ピストン側のリンクと逆方向へ揺動し、第3ピストンが第1ピストンと同様に下降する。また、第4入力側傘歯車の回転に伴い、第4中間軸を支点としてリンクが第2ピストン側のリンクと逆方向へ揺動し、第4ピストンが第2ピストンと同様に下降する。
【0027】
一方、第3ピストン又は第4ピストンが下降すると、前記とは逆の動作が行われて第3出力側傘歯車が回転する。そして、この回転が、第2出力側傘歯車を介して第1入力側傘歯車、第2入力側傘歯車等に伝達され、運動方向の変換が行われる。すなわち、第3ピストンの下降に伴うリンクの揺動を通じて同第3ピストンの運動が出力軸の回転運動に変換される。また、第4ピストンの下降に伴うリンクの揺動を通じて同第4ピストンの運動が出力軸の回転運動に変換される。そして、第3出力側傘歯車は第4ピストンの上昇時に出力軸に対して相対回転する。
【0028】
このように、請求項4に記載の発明では、第4出力側傘歯車、第3ワンウェイクラッチ、第4ワンウェイクラッチにそれぞれ相当するものがなくても、前述したように第3ピストン及び第4ピストンがそれぞれ下降及び上昇する。従って、これらの部材を省略することにより、請求項2に記載の発明の構成を単に2組設けて、4つのピストンについてピストン毎に出力側傘歯車及びワンウェイクラッチを用いる場合に比べ、部品点数の削減を図ることが可能となる。
【0029】
請求項5に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、下降及び上昇について互いに逆の動きをする第1ピストン及び第2ピストンが前記ピストンとして前記シリンダ内にそれぞれ収容され、前記第1ピストン及び前記第2ピストンの各連結部材に連結されるリンクが設けられる第1共通中間軸を前記中間軸として備え、前記第1共通中間軸に設けられる第1共通入力側傘歯車を前記入力側傘歯車として備え、前記出力軸に第1ワンウェイクラッチを介して相対回転可能に設けられ、かつ前記第1共通入力側傘歯車に噛合わされる第1出力側傘歯車と、前記出力軸に第2ワンウェイクラッチを介して相対回転可能に設けられ、かつ前記第1共通入力側傘歯車に噛合わされる第2出力側傘歯車とを前記出力側傘歯車として備えるものとする。
【0030】
上記の構成によれば、第1ピストン又は第2ピストンが燃焼圧力によって下降すると、その運動が、同ピストンに対応する連結部材を介してリンクに伝達され、同リンクが第1共通中間軸を支点として揺動する。この際、第1共通中間軸が回転するが、その回転はリンク及び連結部材を介して他方のピストンに伝達され、同ピストンが上昇される。このように、一方のピストンが下降するときには、第1共通中間軸を支点とするリンクの揺動により他方のピストンが上昇されるため、下降したピストンを上昇させるための機構を別途設けなくてもすむ。
【0031】
また、前記ピストンの下降に伴う第1共通中間軸の回転は、第1共通入力側傘歯車に噛合わされた第1出力側傘歯車及び第2出力側傘歯車にそれぞれ伝達され、両出力側傘歯車が互いに逆方向へ回転する。
【0032】
第1ピストンの下降時には、その下降に伴う第1出力側傘歯車の回転により第1ワンウェイクラッチが係合し、出力軸が第1ワンウェイクラッチ及び第1出力側傘歯車と一体となって回転する。このときには、第2出力側傘歯車の回転方向が第2ワンウェイクラッチの係合方向に対し逆となり、同第2ワンウェイクラッチが非係合状態となる。このことから、第2出力側傘歯車の回転が出力軸に伝達されず、同傘歯車が出力軸に対して相対回転する。従って、第2出力側傘歯車の回転が出力軸の回転の妨げとなることはない。
【0033】
また、第2ピストンの下降時には、その下降に伴う第2出力側傘歯車の回転により第2ワンウェイクラッチが係合し、出力軸が第2ワンウェイクラッチ及び第2出力側傘歯車と一体となって回転する。このときには、第1出力側傘歯車の回転方向が第1ワンウェイクラッチの係合方向に対し逆となり、同第1ワンウェイクラッチが非係合状態となる。このことから、第1出力側傘歯車の回転が出力軸に伝達されず、同傘歯車が出力軸に対して相対回転する。従って、第1出力側傘歯車の回転が出力軸の回転の妨げとなることはない。
【0034】
このように、第1ピストン又は第2ピストンの下降に伴うリンクの揺動を通じて同ピストンの運動が出力軸の回転運動に変換される。
さらに、請求項5に記載の発明では、出力軸を挟んで第1共通中間軸及び第1共通入力側傘歯車とは反対側に、中間軸及び入力側傘歯車がなくても、前述したようにリンクが第1共通中間軸を支点として揺動し、第1ピストン及び第2ピストンが交互に上昇及び下降する。従って、ピストン毎に中間軸及び入力側傘歯車を用いた請求項2に記載の発明に比べ、部品点数の削減を図ることが可能となる。
【0035】
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の発明において、下降及び上昇について、前記第1ピストンと同じ動きをする第3ピストン及び前記第2ピストンと同じ動きをする第4ピストンが前記ピストンとして前記シリンダ内にそれぞれ収容され、前記第3ピストン及び前記第4ピストンの各連結部材に連結されるリンクが設けられる第2共通中間軸を前記中間軸として備え、前記第2共通中間軸に設けられる第2共通入力側傘歯車を前記入力側傘歯車として備え、前記第2共通入力側傘歯車には前記第1出力側傘歯車及び前記第2出力側傘歯車が噛合わされるものとする。
【0036】
上記の構成によれば、第1ピストン又は第2ピストンの下降に伴い第1出力側傘歯車及び第2出力側傘歯車が回転すると、それらの出力側傘歯車に噛合わされた第2共通入力側傘歯車が第1共通入力側傘歯車とは逆方向へ回転する。そして、第2共通入力側傘歯車の回転に伴い、第2共通中間軸を支点としてリンクが第1ピストン及び第2ピストン側のリンクとは逆方へ揺動する。その結果、第3ピストンが第1ピストンと同様に下降し、第4ピストンが第2ピストンと同様に下降する。
【0037】
一方、第3ピストン又は第4ピストンが下降すると、その運動が、同ピストンに対応する連結部材を介してリンクに伝達され、同リンクが第2共通中間軸を支点として揺動する。この際、第2共通中間軸が回転するが、その回転はリンク及び連結部材を介して他方のピストンに伝達され、同ピストンが上昇される。このように、一方のピストンが下降するときには、第2共通中間軸を共通の支点としたリンクの揺動により他方のピストンが上昇されるため、下降したピストンを上昇させるための機構を別途設けなくてもすむ。
【0038】
また、前記ピストンの下降に伴う第2共通中間軸の回転は、第2共通入力側傘歯車を介して第1出力側傘歯車、第2出力側傘歯車等に伝達され、運動方向の変換が行われる。すなわち、第3ピストンの下降に伴うリンクの揺動を通じて同第3ピストンの運動が出力軸の回転運動に変換される。また、第4ピストンの下降に伴うリンクの揺動を通じて第4ピストンの運動が出力軸の回転運動に変換される。そして、第1出力側傘歯車は、第3ピストンの上昇時に出力軸に対して相対回転する。また、第2出力側傘歯車は、第4ピストンの上昇時に出力軸に対して相対回転する。
【0039】
ここで、第1ワンウェイクラッチ及び第2ワンウェイクラッチは第1共通入力側傘歯車の回転を出力軸に伝達又は遮断するだけでなく、第2共通入力側傘歯車の回転を出力軸に伝達又は遮断する。従って、2つの出力側傘歯車及び2つのワンウェイクラッチを省略することにより、請求項5に記載の発明の構成を単に2組設ける場合に比べて、部品点数の削減を図ることが可能となる。
【0040】
請求項7に記載の発明では、請求項5に記載の発明において、下降及び上昇について、前記第1ピストンと同じ動きをする第3ピストン及び前記第2ピストンと同じ動きをする第4ピストンが前記ピストンとして前記シリンダ内にそれぞれ収容され、前記第1共通中間軸に設けられるリンクには、前記第1ピストン及び前記第3ピストンの各連結部材が前記第1共通中間軸について点対称となる箇所にそれぞれ連結されるとともに、前記第2ピストン及び前記第4ピストンの各連結部材が前記第1共通中間軸について点対称となる箇所にそれぞれ連結されるものとする。
【0041】
上記の構成によれば、第1ピストン又は第2ピストンの下降により、それらに対応したリンクが揺動して第1共通中間軸が回転すると、その回転は、第1共通中間軸を共通の中間軸とするリンク及び連結部材を介して第3ピストン及び第4ピストンに伝達される。ここで、第1ピストン及び第3ピストンの各連結部材は、第1共通中間軸について点対称となる箇所にそれぞれ配置されている。また、第2ピストン及び第4ピストンの各連結部材は、第1共通中間軸について点対称となる箇所にそれぞれ配置されている。このことから、前記第1共通中間軸の回転の第3ピストン及び第4ピストンへの伝達により、第3ピストンが第1ピストンと同様に下降し、第4ピストンが第2ピストンと同様に下降する。
【0042】
また、第3ピストン又は第4ピストンが燃焼圧力によって下降すると、その運動が、同ピストンに対応する連結部材を介してリンクに伝達され、同リンクが第1共通中間軸を支点として揺動する。この際、第1共通中間軸が回転するが、その回転はリンク及び連結部材を介して他方のピストンに伝達され、同ピストンが上昇される。このように、一方のピストンが下降するときには、第1共通中間軸を共通の中間軸とするリンクの揺動により他方のピストンが上昇されるため、下降したピストンを上昇させるための機構を別途設けなくてもすむ。
【0043】
また、第3ピストン又は第4ピストンの下降に伴う第1共通中間軸の回転は、第1共通入力側傘歯車を介して第1出力側傘歯車、第2出力側傘歯車等に伝達され、運動方向の変換が行われる。すなわち、第3ピストンの下降に伴うリンクの揺動を通じて同第3ピストンの運動が出力軸の回転運動に変換される。また、第4ピストンの下降に伴うリンクの揺動を通じて同第4ピストンの運動が出力軸の回転運動に変換される。そして、第1出力側傘歯車は、第3ピストンの上昇時に出力軸に対して相対回転する。また、第2出力側傘歯車は、第4ピストンの上昇時に出力軸に対して相対回転する。
【0044】
さらに、請求項7に記載の発明では、第1共通中間軸、第1共通入力側傘歯車、第1出力側傘歯車及び第2出力側傘歯車からなる傘歯車機構が、第1ピストン及び第2ピストンだけでなく、第3ピストン及び第4ピストン用の傘歯車機構を兼ねている。従って、請求項5に記載の発明の構成を単に2組設ける場合に比べて、部品点数の削減を図ることが可能となる。
【0045】
また、一般的なクランク構造を用いた内燃機関では、ピストンの往復行程長(ストローク)が、クランクピンのクランク軸中心からのオフセット量によって決定される。このことから、ピストンのストロークが大きくなる程、クランクピンのオフセット量、すなわちクランク軸の回転半径が大きくなる。これに伴い、内燃機関においてクランク軸の周囲の箇所は、クランク軸との干渉を避けるためにクランク軸の径方向に大きくなって、内燃機関の幅が大きくなってしまう。
【0046】
この点、請求項7に記載の発明では、第1共通中間軸について点対称となる箇所に第1及び第3の両ピストンの各連結部材が配置されるとともに、点対称となる箇所に第2及び第4の両ピストンの各連結部材が配置される。このことから、第1〜第4の4つのピストンが出力軸の軸心に沿って配列されることとなる。加えて、各ピストンの連結部材に連結されるリンクが出力軸に略平行に揺動する。一方、各ピストンのストロークは各リンクの揺動量によって決定される。このため、各ピストンのストロークを大きくしても、内燃機関の幅(出力軸の径方向の長さ)には影響しない。このように、請求項7に記載の発明では、ピストンの運動を出力軸の回転運動に変換する機能を確保しつつ内燃機関の薄型化を図ることができる。
【0047】
請求項8に記載の発明では、請求項5に記載の発明において、下降及び上昇について、前記第1ピストンと同じ動きをする第3ピストン及び前記第2ピストンと同じ動きをする第4ピストンが前記ピストンとして前記シリンダ内にそれぞれ収容され、前記第3ピストン及び前記第4ピストンの各連結部材に連結されるリンクが設けられる第2共通中間軸を前記中間軸として備え、前記第2共通中間軸に設けられる第2共通入力側傘歯車を前記入力側傘歯車として備え、前記第2出力側傘歯車に結合され、かつ前記第2共通入力側傘歯車に噛合わされる第3出力側傘歯車を前記出力側傘歯車として備えるものとする。
【0048】
上記の構成によれば、第1ピストン又は第2ピストンの下降に伴い第2出力側傘歯車が回転すると、同傘歯車に結合された第3出力側傘歯車も一体となって同方向へ回転する。この第3出力側傘歯車の回転に伴い、同傘歯車に噛合わされた第2共通入力側傘歯車が回転する。第2共通入力側傘歯車の回転方向は第1共通入力側傘歯車の回転方向と逆である。そして、第2共通入力側傘歯車の回転に伴い、第2共通中間軸を支点としてリンクが第1ピストン及び第2ピストン側のリンクとは逆方向へ揺動する。その結果、第3ピストンが第1ピストンと同様に下降し、第4ピストンが第2ピストンと同様に下降する。
【0049】
一方、第3ピストン又は第4ピストンが下降すると、その運動が、同ピストンに対応する連結部材を介してリンクに伝達され、同リンクが第2共通中間軸を支点として揺動する。この際、第2共通中間軸が回転するが、その回転はリンク及び連結部材を介して他方のピストンに伝達され、同ピストンが上昇される。このように、一方のピストンが下降するときにはリンクの揺動により他方のピストンが上昇されるため、下降したピストンを上昇させるための機構を別途設けなくてもすむ。
【0050】
また、第3ピストン又は第4ピストンの下降に伴い第2共通入力側傘歯車が回転され、その回転が第3出力側傘歯車、第2出力側傘歯車、第1共通入力側傘歯車、第1出力側傘歯車等に伝達され、運動方向の変換が行われる。すなわち、第3ピストンの下降に伴うリンクの揺動を通じて同第3ピストンの運動が出力軸の回転運動に変換される。また、第4ピストンの下降に伴うリンクの揺動を通じて同第4ピストンの運動が出力軸の回転運動に変換される。そして、第3出力側傘歯車は第4ピストンの上昇時に出力軸に対して相対回転する。
【0051】
また、請求項8に記載の発明では、第1及び第2の両共通入力側傘歯車を出力軸について同じ側に配置することが可能となる。この配置により、第1〜第4の4つのピストンが出力軸の軸心に沿って配列される。加えて、第1ピストン及び第2ピストンの各連結部材に連結されるリンクと、第3ピストン及び第4ピストンの各連結部材に連結されるリンクとが出力軸に略平行に揺動する。このため、各ピストンのストロークを大きくしても、内燃機関の幅には影響しない。このように、請求項8に記載の発明では、ピストンの運動を出力軸の回転運動に変換する機能を確保しつつ内燃機関の薄型化を図ることができる。
【0052】
請求項9に記載の発明では、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、さらに、前記リンクの揺動運動を規制する規制部材を含んで構成され、前記規制部材により規制される揺動運動領域を変更する可変機構を備えるものとする。
【0053】
上記の構成によれば、可変機構の規制部材によってリンクの揺動運動が規制されると、ピストンの上死点及び下死点が決定され、もってピストンの往復行程長及び往復行程位置が決定される。また、規制部材によって規制される揺動運動領域が可変機構によって変更されると、ピストンの上死点及び下死点が変化し、それに伴いピストンの往復行程長及び往復行程位置の少なくとも一方が変化する。従って、揺動運動領域を変更することで、圧縮比及び排気量の少なくとも一方を調整することが可能となる。
【0054】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を2気筒内燃機関に具体化した第1実施形態について、図1及び図2に従って説明する。
【0055】
内燃機関の機関本体11はシリンダ(気筒)12を2つ有しており、各シリンダ12内に第1ピストン14及び第2ピストン15がそれぞれ往復動可能に収容されている。各シリンダ12においてピストン14,15の頂部側(図1の上側)には、燃料及び空気の混合気を燃焼するための燃焼室16が設けられている。このように両燃焼室16は、ピストン14,15の往復動方向について互いに同じ側に位置する。
【0056】
ここでの内燃機関は、各ピストン14,15が1往復する間に燃焼サイクルを1回行うようにした、いわゆる2サイクル内燃機関である。この燃焼サイクルは、各ピストン14,15が上昇して混合気を圧縮する圧縮行程と、燃焼室16での燃焼に伴い発生する圧力(燃焼圧力)を受けた各ピストン14,15が下降して有効な仕事を取出す爆発(膨張)行程とからなる。前記燃焼サイクルには吸入と排気のための独立した行程がなく、混合気の吸入及び燃焼ガスの排気は圧縮行程及び膨張行程の一部で行われる。各シリンダ12においては、圧縮行程と膨張行程とが交互に行われ、さらに両シリンダ12については、互いに異なる行程が行われる。例えば、一方のシリンダ12で圧縮行程が行われるときには他方のシリンダ12で膨張行程が行われる。
【0057】
機関本体11において、両シリンダ12間の下方には出力軸17が配置されており、この出力軸17が軸受18により機関本体11に回転自在に支持されている。また、機関本体11には、両ピストン14,15の運動を出力軸17の矢印A方向への回転運動に変換するために、以下の傘歯車機構21を用いた運動方向変換構造19が設けられている。傘歯車機構21は、中間軸、入力側傘歯車及び出力側傘歯車を備えている。中間軸は、その軸心が出力軸17の軸心に対して交差するように配置された第1中間軸22及び第2中間軸23からなる。両中間軸22,23は、それぞれ軸受28により機関本体11に回転自在に支持されている。入力側傘歯車は、第1中間軸22に一体回転可能に設けられた第1入力側傘歯車24と、第2中間軸23に一体回転可能に設けられた第2入力側傘歯車25とからなる。
【0058】
出力側傘歯車は、第1出力側傘歯車26及び第2出力側傘歯車27からなる。第1出力側傘歯車26は、第1ワンウェイクラッチ29を介して出力軸17に相対回転可能に設けられており、前述した両入力側傘歯車24,25に噛合わされている。第2出力側傘歯車27は第1出力側傘歯車26に対向した状態で、第2ワンウェイクラッチ30を介して出力軸17に相対回転可能に設けられており、両入力側傘歯車24,25に噛合わされている。表現を変えると、4つの傘歯車24〜27は四角環状に配置され、隣合う傘歯車に噛合っている。なお、運動方向変換構造19の部分平面図である図2では、傘歯車24〜27におけるギヤの図示が省略されている(第2実施形態以降の実施形態における運動方向変換構造19の部分平面図についても同様)。
【0059】
各ワンウェイクラッチ29,30は、一定方向にのみ動力を伝達するクラッチであり、例えばスプラグ式、ローラ式、さらにエンゲージ式等と呼ばれる一般的なものを用いることができる。いずれのタイプでも、各ワンウェイクラッチ29,30は、インナレース、アウタレース及び係合部材を備えている。そして、インナレースが出力軸17に固定され、アウタレースが各出力側傘歯車26,27に固定されている。
【0060】
係合部材は、アウタレース及びインナレース間に配置されている。係合部材は、各出力側傘歯車26,27の回転が出力軸17に対する回転よりも速くなろうとする場合にのみインナレース及びアウタレースに噛合って係合(ロック)状態となり、各出力側傘歯車26,27の回転を出力軸17に伝達する。このときの各出力側傘歯車26,27の出力軸17に対する回転についての関係を、相対回転速度が正(プラス)側にあると表現する。また、係合部材は、各出力側傘歯車26,27の回転が出力軸17に対する回転よりも遅くなる場合に、インナレース及びアウタレースに噛合わなくなって非係合(フリー)状態となり、各出力側傘歯車26,27の回転を出力軸17に伝達しない。このときの各出力側傘歯車26,27の出力軸17に対する回転についての関係を、相対回転速度が負(マイナス)側にあると表現する。
【0061】
第1中間軸22には、リンク31の基端部(図1の右端部)が一体に設けられている。リンク31は、第1中間軸22を支点として図1の上下方向へ揺動可能である。リンク31及び第1ピストン14は連結部材33によって連結されている。連結部材33は、一般的なクランク構造におけるコネクティングロッドに相当するものであり、上端部においてピン35により第1ピストン14に連結され、下端部においてピン36によりリンク31の先端部(図1の左端部)に連結されている。
【0062】
同様に、第2中間軸23には、リンク32の基端部(図1の右端部)が一体に設けられており、第2中間軸23を支点としたリンク32の上下方向への揺動が可能である。リンク32及び第2ピストン15は連結部材34によって連結されている。連結部材34は、上端部においてピン35により第2ピストン15に連結され、下端部においてピン36によりリンク32の先端部(図1の左端部)に連結されている。
【0063】
ところで、前述した各入力側傘歯車24,25は、各ピストン14,15の位置(位相)関係が次の条件を満たすように、両出力側傘歯車26,27に噛合わせられている。上記条件は、両ピストン14,15が、下降及び上昇について互いに逆の動きをすることである。
【0064】
上記構成の第1実施形態によると、例えば図1に示すように第1ピストン14が上死点に位置し、第2ピストン15が下死点に位置する状態から、混合気の爆発・燃焼に伴う燃焼圧力が第1ピストン14に加わると、同第1ピストン14が下降する。この下降は、連結部材33を介してリンク31に伝達され、同リンク31が第1中間軸22を支点として下方へ揺動する。この揺動に伴い傘歯車機構21では、第1入力側傘歯車24が第1中間軸22を中心として反時計回り方向へ回転し、第1出力側傘歯車26が矢印A方向(出力軸17の回転と同一方向)へ回転する。第1出力側傘歯車26の回転が出力軸17に対する回転よりも速くなろうとすると、すなわち、第1出力側傘歯車26の出力軸17に対する相対回転速度が正(プラス)側になろうとすると、第1ワンウェイクラッチ29が係合する。この係合により、第1出力側傘歯車26の回転が出力軸17に伝達され、同出力軸17が第1出力側傘歯車26及び第1ワンウェイクラッチ29と一体となって回転する。こうして、第1ピストン14の下降に伴うリンク31の揺動を通じて、同第1ピストン14の運動が出力軸17の回転運動に変換される。
【0065】
また、第1入力側傘歯車24の前記回転に伴い第2出力側傘歯車27が反矢印A方向(出力軸17の回転とは逆方向)へ回転する。このとき、第2出力側傘歯車27の出力軸17に対する相対回転速度が負(マイナス)側となる。従って、第2ワンウェイクラッチ30は非係合(フリー)状態となって、第2出力側傘歯車27の回転が出力軸17に伝達されず、同第2出力側傘歯車27は出力軸17に対して相対回転する。このため、第2出力側傘歯車27の回転が出力軸17の回転の妨げとなることはない。
【0066】
両出力側傘歯車26,27の回転により、第2入力側傘歯車25及び第2中間軸23が第1入力側傘歯車24及び第1中間軸22とは逆方向(時計回り方向)へ回転する。この回転に伴いリンク32が第2中間軸23を支点として上方へ揺動する。この揺動が連結部材34を介して第2ピストン15に伝達され、同第2ピストン15が第1ピストン14とは逆の動き(上昇)をする。
【0067】
前記とは逆に、第2ピストン15が上死点に位置し、第1ピストン14が下死点に位置する状態から、燃焼圧力が第2ピストン15に加わると、同第2ピストン15が下降する。この下降は、連結部材34を介してリンク32に伝達され、同リンク32が第2中間軸23を支点として下方へ揺動する。この揺動に伴い傘歯車機構21では、第2入力側傘歯車25が第2中間軸23を中心として反時計回り方向へ回転し、第2出力側傘歯車27が矢印A方向(出力軸17の回転と同一方向)へ回転する。この回転に伴い第2出力側傘歯車27の回転が出力軸17に対する回転よりも速くなろうとすると、すなわち、第2出力側傘歯車27の出力軸17に対する相対回転速度が正(プラス)側になろうとすると、第2ワンウェイクラッチ30が係合する。この係合により、第2出力側傘歯車27の回転が出力軸17に伝達され、同出力軸17が第2出力側傘歯車27及び第2ワンウェイクラッチ30と一体となって回転する。こうして、第2ピストン15の下降に伴うリンク32の揺動を通じて、同第2ピストン15の運動が出力軸17の回転運動に変換される。
【0068】
また、第2入力側傘歯車25の前記回転に伴い第1出力側傘歯車26が反矢印A方向(出力軸17の回転と逆方向)へ回転する。このとき、第1出力側傘歯車26の出力軸17に対する相対回転速度が負(マイナス)側となる。従って、第1ワンウェイクラッチ29は非係合(フリー)状態となって、第1出力側傘歯車26の回転は出力軸17に伝達されず、同第1出力側傘歯車26は出力軸17に対して相対回転する。このため、第1出力側傘歯車26の回転が出力軸17の回転の妨げとなることはない。
【0069】
前記両出力側傘歯車26,27の回転により、第1入力側傘歯車24及び第1中間軸22が第2入力側傘歯車25とは逆方向(時計回り方向)へ回転する。この回転に伴いリンク31が第1中間軸22を支点として上方へ揺動する。この揺動が連結部材33を介して第1ピストン14に伝達され、同第1ピストン14が第2ピストン15とは逆の動き(上昇)をする。
【0070】
このように、一方のシリンダ12での燃焼により発生するエネルギーが、第1ピストン14又は第2ピストン15の下降動作に伴うリンク31,32の揺動により、他方のシリンダ12での第2ピストン15又は第1ピストン14の上昇用エネルギーとして利用される。
【0071】
そして、前述した第1出力側傘歯車26から出力軸17への回転伝達、第2出力側傘歯車27から出力軸17への回転伝達により、出力軸17は各ピストン14,15が1往復する間に矢印A方向へ所定角度(360度未満)ずつ回転する。このようにして、燃焼に伴う燃焼圧力が出力軸17の回転力(トルク)として取出される。このトルクは、一般には力(この場合、燃焼圧力)とモーメントアーム長との積で表される。モーメントアーム長は、出力軸17(ここでは中間軸22,23)に入力される力の方向に対し直交する腕の長さであり、例えば図1においてはMAで表される。
【0072】
上記第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)ピストン14,15に対し連結部材33,34を介してリンク31,32を設け、ピストン14,15の下降に伴うリンク31,32の揺動により出力軸17を回転させるようにしている。このことから、ピストン14,15が上死点に位置するとき、すなわち燃焼圧力が最大となるとき、リンク31,32の軸線L1はシリンダ12の中心線CLに交差する(図1参照)。そのため、上死点付近であってもモーメントアーム長MAが「0」とならず、燃焼圧力が中間軸22,23の回転力(トルク)として取出される。この回転力は、入力側傘歯車24,25、出力側傘歯車26,27及びワンウェイクラッチ29,30を介して出力軸17に伝達されるため、結果として、燃焼圧力を出力軸17のトルクとして取出すことができる。
【0073】
(2)上記(1)に関連するが、リンク31,32として長いものを用いることにより、シリンダ12の中心線CLに対する中間軸22,23の偏心量を大きく設定し、モーメントアーム長MAを長くして、燃焼圧力を中間軸22,23ひいては出力軸17からトルクとして有効に取出すことができる。
【0074】
(3)出力軸17の回転のために、リンク31,32を回転させるのではなく揺動させている。このため、前記のように偏心量を大きく設定しても、特許文献1とは異なり両ピストン14,15の滑らかな往復動が損なわれるおそれがない。また、特許文献1とは異なり、両ピストン14,15が1往復する間に上死点が2度発生するおそれもない。さらに、特許文献2とは異なりばね機構を用いていないため、ばねを用いることによる不具合、すなわち共振を回避するために有効に作動する機関回転速度が限定される不具合の心配もない。
【0075】
(4)第1ピストン14及び第2ピストン15間に傘歯車機構21を設け、両ピストン14,15の一方の下降に伴う両リンク31,32の揺動により他方のピストンを上昇させるようにしている。従って、下降した第1ピストン14又は第2ピストン15を上昇させるための専用の機構を別途設けなくてもすむ。
【0076】
(5)出力軸17を中心として両中間軸22,23のなす角度を適宜に変更することで、ピストン14,15を並列(図1参照)に配置する以外にも、V字型に配置することができる。並列の配置は、各ピストン14,15の運動の方向が互いに平行となる配置である。また、V字型の配置は、各ピストン14,15の運動の方向がV字状に交わる配置である。例えば、図1の状態から、出力軸17を中心として、第1中間軸22を矢印A方向へ所定角度(例えば45°)回転し、第2中間軸23を反矢印A方向へ所定角度(例えば45°)回転させる。こうすると、第1ピストン14及び第2ピストン15の運動の方向が90°でV字型に交わる。
【0077】
なお、前述したV字型のピストン配置に際しては、出力軸17を中心として両中間軸22,23のなす角度を変更するだけでよく、運動方向変換構造19に部品を追加したり変更したりしなくてもすむ。
【0078】
(第2実施形態)
次に、本発明を4気筒内燃機関に具体化した第2実施形態について、図3及び図4に従って説明する。第2実施形態では、第1及び第2の両ピストン14,15に加え、下降及び上昇について第1ピストン14と同じ動きをする第3ピストン41と、第2ピストン15と同じ動きをする第4ピストン42とがピストンとしてシリンダ12内にそれぞれ収容されている。
【0079】
リンク31は、その中間部において第1中間軸22に一体に設けられている。このリンク31には、第1ピストン14及び第3ピストン41の各連結部材33,48が、第1中間軸22について点対称となる箇所にそれぞれ連結されている。この配置により、両ピストン14,41及び燃焼室16の位置関係がリンク31を挟んで反対向きとなっている。図4では、第3ピストン41に対応する燃焼室16が同第3ピストン41の下側に位置し、第1ピストン14に対応する燃焼室16が同第1ピストン14の上側に位置している。
【0080】
また、リンク32は、その中間部において第2中間軸23に一体に設けられている。このリンク32には、第2ピストン15及び第4ピストン42の各連結部材34,49が第2中間軸23について点対称となる箇所にそれぞれ連結されている。この配置により、両ピストン15,42及び燃焼室16の位置関係がリンク32を挟んで反対向きとなっている。図4では、第2ピストン15に対応する燃焼室16が同第2ピストン15の上側に位置し、第4ピストン42に対応する燃焼室16が同第4ピストン42の下側に位置している。
【0081】
前述した以外の構成は第1実施形態と同様である。このため、第1実施形態と同様の部材等については同一の符号を付して説明を省略する。
上記のように構成された運動方向変換構造19では、第1ピストン14又は第3ピストン41が下降すると、その運動が連結部材33,48を介してリンク31に伝達され、同リンク31が第1中間軸22を支点として揺動する。この揺動は連結部材48,33を介して他方のピストン41,14に伝達される。ここで、第1ピストン14及び第3ピストン41の各連結部材33,48が第1中間軸22について点対称の関係にあることから、両ピストン14,41はともに下降する。
【0082】
また、第2ピストン15又は第4ピストン42が下降すると、その運動が連結部材34,49を介してリンク32に伝達され、同リンク32が第2中間軸23を支点として揺動する。この揺動は連結部材49,34を介して他方のピストン42,15に伝達される。ここで、第2ピストン15及び第4ピストン42の各連結部材34,49が第2中間軸23について点対称の関係にあることから、両ピストン15,42はともに下降する。
【0083】
従って、第3ピストン41が下降する場合には、第1実施形態において第1ピストン14が下降する場合と同様の作用がなされる。すなわち、第3ピストン41の下降に伴うリンク31の揺動、傘歯車24〜27の回転等を通じて同第3ピストン41の運動が出力軸17の回転運動に変換される。また、リンク31,32の揺動により第2ピストン15及び第4ピストン42が上昇される。この上昇の際には、第2出力側傘歯車27は出力軸17に対して相対回転する。
【0084】
一方、第4ピストン42が下降する場合には、第1実施形態において第2ピストン15が下降する場合と同様の作用がなされる。すなわち、第4ピストン42の下降に伴うリンク32の揺動、傘歯車24〜27の回転等を通じて同第4ピストン42の運動が出力軸17の回転運動に変換される。また、リンク32,31の揺動により第1ピストン14及び第3ピストン41が上昇される。この上昇の際には、第1出力側傘歯車26が出力軸17に対して相対回転する。
【0085】
上記第2実施形態によれば、前述した(1)〜(4)に加え、次の効果が得られる。
(6)第1中間軸22及び第1入力側傘歯車24が、第1ピストン14及び第3ピストン41について、共通の中間軸及び共通の入力側傘歯車として機能する。また、第2中間軸23及び第2入力側傘歯車25が、第2ピストン15及び第4ピストン42について、共通の中間軸及び共通の入力側傘歯車として機能する。従って、第1実施形態の構成を単に2組設けて、4つのピストン14,15,41,42についてピストン毎に中間軸及び入力側傘歯車を用いる場合に比べ、部品点数の削減を図ることが可能となる。
【0086】
(7)下降及び上昇について、第1ピストン14及び第3ピストン41に互いに同じ動きをさせ、第2ピストン15及び第4ピストン42に互いに同じ動き(ピストン14,41とは逆の動き)をさせるようにしている。このため、運動方向変換構造19は2サイクル内燃機関に限らず、1燃焼サイクルが行われる期間に、上昇及び下降がそれぞれ2回行われる、いわゆる4サイクル内燃機関にも適用可能である。
【0087】
ここで、4サイクル内燃機関は、混合気が燃焼室内に吸入されて燃焼ガスが排出されるまでの期間、すなわち1燃焼サイクルの間にピストンが2往復して4つの行程を行うタイプの内燃機関である。4つの行程は、周知のように、吸入行程、圧縮行程、爆発行程(膨張行程)及び排気行程である。この4サイクル内燃機関では、膨張行程が4つのピストンについて順に行われるところ、第2実施形態では、ピストン14,15,41,42のいずれかを膨張行程とすることができる。そのため、膨張行程での燃焼圧力を、他のピストンにおける吸入行程、圧縮行程、排気行程のためのエネルギーとして利用することで、全てのピストン14,15,41,42を作動させることができる。
【0088】
(8)上記(4)に関連して次の効果が得られる。ピストン14,41毎の中間軸を共通化している。そして、ピストン14,41の一方の下降を、第1中間軸22を支点とするリンク31の揺動を通じて他方に直接伝達して上昇させるようにしている。同様に、ピストン15,42毎の中間軸を共通化している。そして、ピストン15,42の一方の下降を、第2中間軸23を支点とするリンク32の揺動を通じて他方に直接伝達して上昇させるようにしている。このため、下降したピストン14,15,41,42をそれぞれ上昇させるための機構を別途設けなくてもすむ。また、第1実施形態とは異なり、ピストン14,41又は15,42の運動を傘歯車機構21を介さずにピストン41,14又は42,15に伝達するため、ピストン上昇用のエネルギーを効率よく抽出することができる。
【0089】
(第3実施形態)
次に、本発明を4気筒内燃機関に具体化した第3実施形態について、図5に従って説明する。第3実施形態では、第1及び第2の両ピストン14,15に加え、下降及び上昇について第1ピストン14と同じ動きをする第3ピストン41と、第2ピストン15と同じ動きをする第4ピストン42とがピストンとしてシリンダ12内にそれぞれ収容されている。第3及び第4の両ピストン41,42は、その往復動方向について、燃焼室16が第1及び第2の両ピストン14,15の燃焼室16と同じ側に位置するように配置されている。
【0090】
傘歯車機構21は、前述した第1中間軸22及び第2中間軸23に加え、第3中間軸46及び第4中間軸47を中間軸として備えている。第3中間軸46は、第3ピストン41の連結部材48に連結されるリンク51が設けられる中間軸である。第4中間軸47は、第4ピストン42の連結部材49に連結されるリンク52が設けられる中間軸である。各中間軸46,47は、その軸心が出力軸17の軸心に対して交差するように配置されており、軸受45により機関本体11に対し回転自在に支持されている。そして、リンク51は第3中間軸46を支点として揺動可能であり、リンク52は第4中間軸47を支点として揺動可能である。
【0091】
また、傘歯車機構21は、入力側傘歯車として、前述した第1入力側傘歯車24及び第2入力側傘歯車25に加え、第3中間軸46に設けられる第3入力側傘歯車53と、第4中間軸47に設けられる第4入力側傘歯車54とを備えている。
【0092】
さらに、傘歯車機構21は、出力側傘歯車として、前述した第1出力側傘歯車26及び第2出力側傘歯車27に加え第3出力側傘歯車55を備えている。第3出力側傘歯車55は、出力軸17上において第2出力側傘歯車27に背中合せの状態で一体回転可能に結合されており、第3入力側傘歯車53及び第4入力側傘歯車54に噛合わされている。なお、第3出力側傘歯車55と出力軸17との間には、他の出力側傘歯車26,27とは異なりワンウェイクラッチが設けられていない。
【0093】
前述した以外の構成は第1実施形態と同様である。このため、第1実施形態と同様の部材等については同一の符号を付して説明を省略する。
上記のように構成された運動方向変換構造19では、第1ピストン14又は第2ピストン15の下降に伴い第2出力側傘歯車27が回転すると、同傘歯車27に結合された第3出力側傘歯車55も一体となって同方向へ回転する。この第3出力側傘歯車55の回転に伴い、同傘歯車55に噛合わされた第3入力側傘歯車53及び第4入力側傘歯車54が互いに逆方向に回転する。第3入力側傘歯車53の回転方向は第1入力側傘歯車24の回転方向と逆であり、第4入力側傘歯車54の回転方向は第2入力側傘歯車25の回転方向と逆である。そして、第3入力側傘歯車53の回転に伴い、第3中間軸46を支点としてリンク51がリンク31と逆方向へ揺動し、第3ピストン41が第1ピストン14と同様に下降する。また、第4入力側傘歯車54の回転に伴い、第4中間軸47を支点としてリンク52がリンク32と逆方向へ揺動し、第4ピストン42が第2ピストン15と同様に下降する。
【0094】
一方、第3ピストン41又は第4ピストン42が下降すると、前記とは逆の動作が行われて第3出力側傘歯車55が回転する。そして、この回転が、第2出力側傘歯車27を介して第1入力側傘歯車24、第2入力側傘歯車25等に伝達され、運動方向の変換が行われる。すなわち、第3ピストン41の下降に伴うリンク51の揺動、傘歯車53,55,24〜27の回転等を通じて、同第3ピストン41の運動が出力軸17の回転運動に変換される。また、第4ピストン42の下降に伴うリンク52の揺動、傘歯車54,55,24〜27の回転等を通じて同第4ピストン42の運動が出力軸17の回転運動に変換される。そして、第3出力側傘歯車55は第4ピストン42の上昇時に出力軸17に対して相対回転する。
【0095】
上記第3実施形態によれば、前述した(1)〜(7)と同様の効果が得られる。ただし、上記(6)の部品点数の削減効果は、次のようにして第3ワンウェイクラッチ、第4出力側傘歯車及び第4ワンウェイクラッチに相当するものを省略することで得られる。
【0096】
第3ワンウェイクラッチは、本来ならば第3出力側傘歯車55と出力軸17との間に設けられるものである。これの省略が可能となるのは、第3出力側傘歯車55が結合された第2出力側傘歯車27の第2ワンウェイクラッチ30が、第3出力側傘歯車55のワンウェイクラッチとしても機能するからである。
【0097】
また、第4出力側傘歯車及び第4ワンウェイクラッチは、本来ならば第3出力側傘歯車55に対向する位置に設けられるものである。これらの省略が可能となるのは、第1出力側傘歯車26及び第1ワンウェイクラッチ29が、第4出力側傘歯車及び第4ワンウェイクラッチの各機能を発揮するからである。
【0098】
そして、上記の省略により、第1実施形態の運動方向変換構造19を2組用いて単純に並べたものに比べ、両ピストン41,42の追加に伴う第3ワンウェイクラッチ、第4出力側傘歯車及び第4ワンウェイクラッチの増加を抑制して部品点数の削減を図ることができる。
【0099】
(第4実施形態)
次に、本発明を、2気筒内燃機関に具体化した第4実施形態について、図6及び図7に従って説明する。
【0100】
第4実施形態では、下降及び上昇について互いに逆の動きをする第1ピストン14及び第2ピストン15がピストンとして出力軸17に沿って配列され、シリンダ12内にそれぞれ収容されている。両ピストン14,15は、その往復動方向について燃焼室16が互いに同じ側(図7では上側)に位置するように配置されている。
【0101】
傘歯車機構21は、中間軸として第1共通中間軸56を備えている。第1共通中間軸56は、その軸心が出力軸17の軸心に対して交差するように配置され、軸受57により機関本体11に回転自在に支持されている。第1共通中間軸56には、リンク58が、その中間部分において一体回転可能に設けられており、同リンク58が第1共通中間軸56を支点として揺動可能である。リンク58の一方(図7の右方)の端部には連結部材33を介して第1ピストン14が連結され、他方(図7の左方)の端部には連結部材34を介して第2ピストン15が連結されている。また、第1共通中間軸56には、第1共通入力側傘歯車59が入力側傘歯車として設けられている。
【0102】
さらに、傘歯車機構21は、出力側傘歯車として、互いに対向した状態で配置された第1出力側傘歯車26及び第2出力側傘歯車27を備えている。第1出力側傘歯車26は、出力軸17に第1ワンウェイクラッチ29を介して相対回転可能に設けられており、第1共通入力側傘歯車59に噛合わされている。第1ワンウェイクラッチ29は、第1出力側傘歯車26の回転が出力軸17に対する回転よりも速くなろうとするときに係合して、第1出力側傘歯車26の回転を出力軸17に伝達する。また、第2出力側傘歯車27は出力軸17に第2ワンウェイクラッチ30を介して相対回転可能に設けられており、第1共通入力側傘歯車59に噛合わされている。第2ワンウェイクラッチ30は、第2出力側傘歯車27の回転が出力軸17に対する回転よりも速くなろうとするときに係合して、第2出力側傘歯車27の回転を出力軸17に伝達する。
【0103】
前述した以外の構成は第1実施形態と同様である。このため、第1実施形態と同様の部材等については同一の符号を付して説明を省略する。
上記のように構成された運動方向変換構造19では、第1ピストン14又は第2ピストン15が燃焼圧力によって下降すると、その運動が連結部材33,34を介してリンク58に伝達され、同リンク58が第1共通中間軸56を支点として揺動する。この揺動は、連結部材34,33を介して第2ピストン15又は第1ピストン14に伝達される。この伝達により、ピストン15,14はピストン14,15とは逆の動き(上昇)をする。
【0104】
また、ピストン14,15の下降に伴う第1共通中間軸56の回転は、第1共通入力側傘歯車59に噛合わされた第1出力側傘歯車26及び第2出力側傘歯車27にそれぞれ伝達され、両出力側傘歯車26,27が互いに逆方向へ回転する。
【0105】
第1ピストン14の下降時において、その下降に伴う第1出力側傘歯車26の回転により第1ワンウェイクラッチ29が係合すると、出力軸17が第1ワンウェイクラッチ29及び第1出力側傘歯車26と一体となって回転する。このときには、第2出力側傘歯車27の回転方向が出力軸17の回転方向とは逆になり、第2ワンウェイクラッチ30が非係合状態となる。このことから、第2出力側傘歯車27の回転が出力軸17に伝達されず、同傘歯車27が出力軸17に対して相対回転する。従って、第2出力側傘歯車27の回転が出力軸17の回転の妨げとなることはない。
【0106】
また、第2ピストン15の下降時において、その下降に伴う第2出力側傘歯車27の回転により第2ワンウェイクラッチ30が係合すると、出力軸17が第2ワンウェイクラッチ30及び第2出力側傘歯車27と一体となって回転する。このときには、第1出力側傘歯車26の回転方向が出力軸17の回転方向と逆になり、同第1ワンウェイクラッチ29が非係合状態となる。このことから、第1出力側傘歯車26の回転が出力軸17に伝達されず、同傘歯車26が出力軸17に対して相対回転する。従って、第1出力側傘歯車26の回転が出力軸17の回転の妨げとなることはない。
【0107】
このように、第1ピストン14又は第2ピストン15の下降に伴うリンク58の揺動を通じて同ピストン14,15の運動が出力軸17の回転運動に変換される。
【0108】
従って、上記第4実施形態によれば、前述した(1)〜(4),(6),(8)と同様の効果が得られる。ただし、上記(6)の部品点数の削減効果は、次のようにして得られる。
【0109】
両ピストン14,15に共通の第1共通中間軸56を支点としてリンク58を交互に揺動させる構造としている。このため、リンク58に対し連結部材33,34によって両ピストン14,15をそれぞれ連結することで、両ピストン14,15を交互に上昇及び下降させることができる。従って、傘歯車機構21において第1共通中間軸56及び第1共通入力側傘歯車59に対向する側(図6の下側)に、中間軸及び入力側傘歯車を用いなくてすむ。その結果、入力側傘歯車24,25、中間軸22,23及び出力側傘歯車26,27によって傘歯車機構21を構成した第1実施形態に比べ、傘歯車機構21、ひいては運動方向変換構造19の部品点数削減を図ることが可能となる。
【0110】
(第5実施形態)
次に、本発明を4気筒内燃機関に具体化した第5実施形態について、図8及び図9に従って説明する。第5実施形態では、第1及び第2の両ピストン14,15に加え、下降及び上昇について第1ピストン14と同じ動きをする第3ピストン41と、第2ピストン15と同じ動きをする第4ピストン42とがピストンとしてシリンダ12内にそれぞれ収容されている。第3及び第4の両ピストン41,42は、出力軸17を挟んで両ピストン14,15とは反対側(図8の下側)において、出力軸17に沿って配列されている。第3及び第4の両ピストン41,42は、その往復動方向について、燃焼室16が第1及び第2の両ピストン14,15の燃焼室16と同じ側(図9では上側)に位置するように配置されている。
【0111】
傘歯車機構21は、前記第1共通中間軸56に加え第2共通中間軸61を中間軸として備えている。第2共通中間軸61は、その軸心が出力軸17の軸心に対して交差し、かつ第1共通中間軸56に対向するように配置され、軸受62により機関本体11に回転自在に支持されている。第2共通中間軸61には、リンク63が、その中間部分において一体回転可能に設けられており、そのリンク63が第2共通中間軸61を支点として揺動可能である。リンク63の一方の端部(図9の左方)には連結部材48を介して第3ピストン41が連結され、他方(図9の右方)の端部には連結部材49を介して第4ピストン42が連結されている。また、傘歯車機構21は、第1共通入力側傘歯車59に加え、第2共通中間軸61に設けられた第2共通入力側傘歯車64を入力側傘歯車として備えている。そして、この第2共通入力側傘歯車64に前記第1出力側傘歯車26及び第2出力側傘歯車27がそれぞれ噛合わされている。
【0112】
前述した以外の構成は第4実施形態と同様である。このため、第4実施形態と同様の部材等については同一の符号を付して説明を省略する。
上記のように構成された運動方向変換構造19では、第1ピストン14又は第2ピストン15の下降に伴い第1出力側傘歯車26及び第2出力側傘歯車27が回転すると、それらの出力側傘歯車26,27に噛合わされた第2共通入力側傘歯車64が第1共通入力側傘歯車59とは逆方向へ回転する。そして、第2共通入力側傘歯車64の回転に伴い、第2共通中間軸61を支点としてリンク63が前記リンク58とは逆方へ揺動する。その結果、第3ピストン41が第1ピストン14と同様に下降し、第4ピストン42が第2ピストン15と同様に下降する。
【0113】
一方、第3ピストン41又は第4ピストン42が下降すると、その運動が、連結部材48,49を介してリンク63に伝達され、同リンク63が第2共通中間軸61を支点として揺動する。この揺動が連結部材49,48を介して他方のピストン42,41に伝達され、同ピストン42,41が上昇される。
【0114】
また、前記ピストン41,42の下降に伴う第2共通中間軸61の回転は、第2共通入力側傘歯車64を介して第1出力側傘歯車26、第2出力側傘歯車27等に伝達され、運動方向の変換が行われる。すなわち、第3ピストン41の下降に伴うリンク63の揺動、出力側傘歯車26,27の回転等を通じて、同第3ピストン41の運動が出力軸17の回転運動に変換される。また、第4ピストン42の下降に伴うリンク63の揺動、出力側傘歯車26,27の回転等を通じて、同第4ピストン42の運動が出力軸17の回転運動に変換される。そして、第1出力側傘歯車26は、第3ピストン41の上昇時に出力軸17に対して相対回転する。また、第2出力側傘歯車27は、第4ピストン42の上昇時に出力軸17に対して相対回転する。
【0115】
上記第5実施形態によれば、前述した(1)〜(8)と同様の効果が得られる。ただし、上記(6)の部品点数の削減効果は、次のようにして得られる。
第2共通入力側傘歯車64を両出力側傘歯車26,27に噛合わせることで、傘歯車機構21の構成部品を、共通入力側傘歯車59,64及び出力側傘歯車26,27の4つとしている。こうすることで、傘歯車機構21では、第1出力側傘歯車26及び第1ワンウェイクラッチ29が、第1共通入力側傘歯車59の回転を出力軸17に伝達又は遮断するだけでなく、第2共通入力側傘歯車64の回転を出力軸17に伝達又は遮断する。また、第2出力側傘歯車27及び第2ワンウェイクラッチ30が、第1共通入力側傘歯車59の回転を出力軸17に伝達又は遮断するだけでなく、第2共通入力側傘歯車64の回転を出力軸17に伝達又は遮断する。
【0116】
このため、2つのピストン14,15を用いた第4実施形態の傘歯車機構21を単純に2組設ける場合に比べて、2つの出力側傘歯車が不要になり、その分、部品点数を少なくすることができる。ただし、両出力側傘歯車26,27及び両ワンウェイクラッチ29,30に加わる負荷が増加するため、前記のように単純に2組設ける場合に比べ、より耐久性の高い部品を用いる等、耐久性に配慮することが望ましい。
【0117】
(第6実施形態)
次に、本発明を具体化した第6実施形態について、図10及び図11に従って説明する。第6実施形態では、第1及び第2の両ピストン14,15に加え、下降及び上昇について第1ピストン14と同じ動きをする第3ピストン41と、第2ピストン15と同じ動きをする第4ピストン42とがピストンとしてシリンダ12内にそれぞれ収容されている。両ピストン41,42は、リンク58を挟んで両ピストン14,15に対向する箇所に配置されている。両ピストン41,42は、その往復動方向について、燃焼室16が両ピストン14,15の燃焼室16とは反対側(図11では下側)に位置するように配置されている。
【0118】
第1共通中間軸56に設けられるリンク58には、第1ピストン14の連結部材33と第3ピストン41の連結部材48とが、第1共通中間軸56について点対称となる箇所にそれぞれ連結されている。また、第2ピストン15の連結部材34と第4ピストン42の連結部材49とが第1共通中間軸56について点対称となる箇所にそれぞれ連結されている。
【0119】
なお、上記の構成により、第3ピストン41は往復動における下降及び上昇について第2ピストン15と逆の動きをする。例えば、第2ピストン15が上昇(図11の上方へ移動)するときには第3ピストン41は下降する(図11の上方へ移動する)。また、第4ピストン42は下降及び上昇について第1ピストン14と逆の動きをする。従って、第4ピストン42は、上昇及び下降について第2ピストン15と同一の動きをし、第1ピストン14及び第3ピストン41は、第2ピストン15と逆の動きをすることとなる。
【0120】
前述した以外の構成は第4実施形態と同様である。このため、第4実施形態と同様の部材等については同一の符号を付して説明を省略する。
上記のように構成された運動方向変換構造19では、第1ピストン14又は第2ピストン15の下降によりリンク58が第1共通中間軸56を支点として揺動すると、その揺動は、連結部材48,49を介して第3ピストン41及び第4ピストン42に伝達される。ここで、第1共通中間軸56に設けられるリンク58には、連結部材33,48が第1共通中間軸56について点対称となる箇所にそれぞれ連結されている。また、連結部材34,49が第1共通中間軸56について点対称となる箇所にそれぞれ連結されている。このことから、第1共通中間軸56の回転の第3ピストン41及び第4ピストン42への伝達により、第3ピストン41が第1ピストン14と同様に下降し、第4ピストン42が第2ピストン15と同様に下降する。
【0121】
また、第3ピストン41又は第4ピストン42が燃焼圧力によって下降すると、その運動が、連結部材48,49を介してリンク58に伝達され、同リンク58が第1共通中間軸56を支点として揺動する。この揺動により、第4ピストン42又は第3ピストン41が上昇される。
【0122】
また、第3ピストン41又は第4ピストン42の下降に伴う第1共通中間軸56の回転は、第1共通入力側傘歯車59を介して第1出力側傘歯車26、第2出力側傘歯車27等に伝達され、運動方向の変換が行われる。すなわち、第3ピストン41の下降に伴うリンク58の揺動、傘歯車59,26,27の回転等を通じて同第3ピストン41の運動が出力軸17の回転運動に変換される。また、第4ピストン42の下降に伴うリンク58の揺動、傘歯車59,26,27の回転等を通じて同第4ピストン42の運動が出力軸17の回転運動に変換される。そして、第1出力側傘歯車26は、第3ピストン41の上昇時に出力軸17に対して相対回転する。また、第2出力側傘歯車27は、第4ピストン42の上昇時に出力軸17に対して相対回転する。
【0123】
上記第6実施形態によれば、前述した(1)〜(4),(6)〜(8)に加え、次の効果が得られる。
(9)一般的なクランク構造を用いた内燃機関では、ピストンの往復行程長(ストローク)が、クランクピンのクランク軸中心からのオフセット量によって決定される。このことから、ピストンのストロークが大きくなる程、クランクピンのオフセット量、すなわちクランク軸の回転半径が大きくなる。これに伴い、内燃機関においてクランク軸の周囲の箇所は、クランク軸との干渉を避けるためにクランク軸の径方向に大きくなり、結果として内燃機関の幅が大きくなってしまう。
【0124】
この点、第6実施形態では、第1共通中間軸56について点対称となる箇所に両連結部材33,48が配置されるとともに、同じく第1共通中間軸56について点対称となる箇所に両連結部材34,49が配置されている。このことから、第1〜第4の4つのピストン14,15,41,42が出力軸17の軸心に沿って配列されることとなる。加えて、各連結部材33,34,48,49に連結されるリンク58が出力軸17に略平行に揺動する。各ピストン14,15,41,42のストロークはリンク58の揺動量によって決定される。このため、各ピストン14,15,41,42のストロークを大きくしても、内燃機関の幅(出力軸の径方向(図10の上下方向)の長さ)には影響しない。このように、第6実施形態では、ピストン14,15,41,42の運動を出力軸17の回転運動に変換する機能を確保しつつ内燃機関の薄型化を図ることができる。
【0125】
ところで、上記(6)の部品点数の削減効果は、次のようにして得られる。
第1共通中間軸56、第1共通入力側傘歯車59、第1出力側傘歯車26及び第2出力側傘歯車27からなる傘歯車機構21が、第1ピストン14及び第2ピストン15だけでなく、第3ピストン41及び第4ピストン42用の傘歯車機構21を兼ねている。従って、第4実施形態の構成を単に2組設ける場合に比べて、部品点数の削減を図ることが可能となる。
【0126】
さらに、4つのピストン14,15,41,42をそれぞれ連結部材33,34,48,49によって共通のリンク58に連結している。このため、第5実施形態における第2共通中間軸61、第2共通入力側傘歯車64及びリンク63が不要になり、一層の部品点数削減を図ることができる。
【0127】
(第7実施形態)
次に、本発明を具体化した第7実施形態について、図12及び図13に従って説明する。第7実施形態では、第1及び第2の両ピストン14,15に加え、下降及び上昇について第1ピストン14と同じ動きをする第3ピストン41と、第2ピストン15と同じ動きをする第4ピストン42とがピストンとしてシリンダ12内にそれぞれ収容されている。両ピストン41,42は出力軸17について両ピストン14,15と同じ側(図13の上側)において、同出力軸17に沿って配列されている。従って、4つのピストン14,15,42,41は出力軸17に沿って1列に配列されていることとなる。両ピストン41,42は、その往復動方向について、燃焼室16が両ピストン14,15の燃焼室16と同じ側(図12では上側)に位置するように配置されている。
【0128】
傘歯車機構21は、前記第1共通中間軸56に加え、出力軸17について同第1共通中間軸56と同じ側(図13の上側)に設けられた第2共通中間軸61を中間軸として備えている。第2共通中間軸61は、その軸心が出力軸17の軸心に対して交差するように配置され、軸受62により機関本体11に回転自在に支持されている。第2共通中間軸61には、リンク63が、その中間部分において一体回転可能に設けられており、同リンク63が第2共通中間軸61を支点として揺動可能である。リンク63の一方(図12の左方)の端部には連結部材48を介して第3ピストン41が連結され、他方(図12の右方)の端部には連結部材49を介して第4ピストン42が連結されている。また、傘歯車機構21は第1共通入力側傘歯車59に加え、第2共通中間軸61に設けられた第2共通入力側傘歯車64を入力側傘歯車として備えている。
【0129】
さらに、傘歯車機構21は、前述した出力側傘歯車26,27に加え、第3出力側傘歯車55を出力側傘歯車として備えている。第3出力側傘歯車55は、第2出力側傘歯車27に対し背中合せの状態で、筒状をなす結合部材66によって一体回転可能に結合されている。そして、この第3出力側傘歯車55は第2共通入力側傘歯車64に噛合わされている。
【0130】
前述した以外の構成は第4実施形態と同様である。このため、第4実施形態と同様の部材等については同一の符号を付して説明を省略する。
上記のように構成された運動方向変換構造19では、第1ピストン14又は第2ピストン15の下降に伴い第2出力側傘歯車27が回転すると、結合部材66を介して同傘歯車27に結合された第3出力側傘歯車55も一体となって同方向へ回転する。この第3出力側傘歯車55の回転に伴い、同傘歯車55に噛合わされた第2共通入力側傘歯車64が、第1共通入力側傘歯車59の回転方向とは逆方向へ回転する。そして、第2共通入力側傘歯車64の回転に伴い、第2共通中間軸61を支点としてリンク63がリンク58とは逆方向へ揺動する。その結果、第3ピストン41が第1ピストン14と同様に下降し、第4ピストン42が第2ピストン15と同様に下降する。
【0131】
一方、第3ピストン41又は第4ピストン42が下降すると、その運動が、連結部材48,49を介してリンク63に伝達され、同リンク63が第2共通中間軸61を支点として揺動し、第4ピストン42又は第3ピストン41が上昇される。
【0132】
また、第3ピストン41又は第4ピストン42の下降に伴い第2共通入力側傘歯車64が回転され、その回転が第3出力側傘歯車55、結合部材66、第2出力側傘歯車27、第1共通入力側傘歯車59、第1出力側傘歯車26等に伝達され、運動方向の変換が行われる。すなわち、第3ピストン41の下降に伴うリンク63の揺動、傘歯車64,55,27,59,26の回転等を通じて同第3ピストン41の運動が出力軸17の回転運動に変換される。また、第4ピストン42の下降に伴うリンク63の揺動、傘歯車64,55,27,59,26の回転等を通じて同第4ピストン42の運動が出力軸17の回転運動に変換される。そして、第3出力側傘歯車55は第4ピストン42の上昇時に出力軸17に対して相対回転する。
【0133】
従って、第7実施形態によれば、前述した(1)〜(4),(6)〜(9)と同様の効果が得られる。ただし、上記(9)の薄型化の効果は、次のようにして得られる。
【0134】
第7実施形態の運動方向変換構造19では、4つのピストン14,15,41,42が出力軸17に沿って1列に配列されていて、リンク58,63が出力軸17に略平行に揺動する。各ピストン14,15,41,42のストロークは両リンク58,63の揺動量によって決定される。このため、リンク58,63を大きく揺動させて、各ピストン14,15,41,42のストロークを大きくしても、内燃機関の幅(出力軸17の径方向(図13の上下方向)の長さ)には影響しない。従って、第7実施形態によっても、ピストン14,15,41,42の運動を出力軸17の回転運動に変換する機能を確保しつつ、内燃機関の薄型化を図ることができる。
【0135】
(第8実施形態)
次に、本発明を具体化した第8実施形態について、図14及び図15に従って説明する。第8実施形態では、さらに、リンク32の揺動運動を規制する規制部材を含んで構成され、かつその規制部材により規制される揺動運動領域を変更する可変機構71が設けられている。詳しくは、可変機構71は、基台72と、基台72に対し軸73により回転自在に支持されたローラ74を備えている。ローラ74の側面において軸73から偏心した箇所からは、規制部材としてピン75が突出しており、このピン75がリンク32に形成された長孔76に係入されている。
【0136】
そのため、リンク32が揺動すると、ローラ74が回転して長孔76内におけるピン75の位置が変化し、リンク32の揺動範囲がピン75によって規制される。すなわち、ローラ74の回転によりピン75が最も高い位置へ移動すると、リンク32の上方への揺動が規制される。反対に、ピン75が最も低い位置へ移動すると、リンク32の下方への揺動が規制される。
【0137】
さらに、基台72にはスライド機構77が駆動連結されている。スライド機構77はモータ、油圧シリンダ等のアクチュエータを備えており、このアクチュエータの作動により基台72を図15において矢印で示すように、上下方向、水平方向等へ変位させることが可能である。
【0138】
前述した以外の構成は第2実施形態と同様である。このため、第2実施形態と同様の部材等については同一の符号を付して説明を省略する。
上記のように構成された運動方向変換構造19では、スライド機構77によって基台72を例えば上方又は下方へ変位させると、リンク32の揺動角度範囲が上方又は下方へずれる。これに伴い両連結部材34,49の移動範囲及び両ピストン15,42の往復動範囲が上方又は下方へずれる。その結果、両ピストン15,42の上死点位置が同じ量ずつ変わって圧縮比が変化する。圧縮比は、内燃機関の圧縮行程で混合気がどれだけ圧縮されるかを示す指標であり、燃焼室16の圧縮前の最大容積と、圧縮後の最小容積との比によって表される。また、傘歯車機構21を介してリンク32に駆動連結されたリンク31の揺動角度範囲も同時に上方又は下方へずれる。これに伴い両連結部材33,48の移動範囲及び両ピストン14,41の往復動範囲が上方又は下方へずれる。その結果、両ピストン14,41の上死点位置が同じ量ずつ変わって圧縮比が変化する。
【0139】
一方、スライド機構77によって基台72を水平方向、例えば第2中間軸23から離れる側(図15の左側)へ変位させると、第2中間軸23及び軸73間の距離が大きくなり、リンク32の揺動角度範囲が狭まる。そのため、両ピストン15,42のストロークが同じ長さずつ小さくなって、排気量が減少する。排気量は、ピストンが下死点から上死点に移動したときに排除する容積である。また、リンク31の揺動角度範囲も同時に狭まるため、両ピストン14,41のストロークが同じ長さずつ小さくなって、排気量が減少する。
【0140】
これとは逆に、スライド機構77によって基台72を第2中間軸23に近づく側(図15の右側)へ変位させると、第2中間軸23及び軸73間の距離が小さくなり、リンク32の揺動角度範囲が拡大する。そのため、両ピストン15,42のストロークが同じ長さずつ大きくなって、排気量が増大する。また、リンク31の揺動角度範囲も同時に拡大するため、両ピストン14,41のストロークが同じ長さずつ大きくなって、排気量が増大する。
【0141】
なお、スライド機構77によって基台72を斜め方向(斜め上方、斜め下方)へ変位させると、圧縮比と排気量の両方が同時に変化する。
上記第8実施形態によれば、前述した(1)〜(4),(6)〜(8)に加え、次の効果が得られる。
【0142】
(10)運動方向変換構造19に可変機構71を追加している。このため、スライド機構77によって基台72を変位させることで、リンク32,31の両揺動角度範囲を上下方向へずらしたり、揺動角度範囲を変更したりすることができる。これに伴い全ピストン14,15,41,42の上死点位置やストロークを同じ量ずつ変化させ、圧縮比及び排気量の少なくとも一方を調整することが可能となる。
【0143】
(11)4つのピストン14,15,41,42を、連結部材33,34,48,49、リンク31,32及び傘歯車機構21を介して相互に動力伝達可能に連結している。これに加え、両ピストン14,41を第1中間軸22について点対称となる箇所に配置し、両ピストン15,42を第2中間軸23について点対称となる箇所に配置している。両ピストン14,41及び両ピストン15,42が下降及び上昇について互いに同じ動きをするように、入力側傘歯車24,25を両出力側傘歯車26,27に噛合わせている。このため、1組の可変機構71を用いるだけで、4つのピストン14,15,41,42の圧縮比及び排気量の少なくとも一方を同量ずつ変化させることができる。
【0144】
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・第2、第4〜第8実施形態では、リンク31,32,58,63を2つ以上のピストンに共通のものとしたが、これをピストン毎に分けてもよい。この場合には、ピストン毎のリンクを共通の中間軸22,23,56,61の互いに異なる箇所に設けることとなる。
【0145】
・本発明は1気筒を有する内燃機関にも適用可能である。この場合、例えば図1において、中間軸は、第1ピストン14の連結部材33に連結されるリンク31が設けられる第1中間軸22のみによって構成される。入力側傘歯車は、第1中間軸22に設けられる第1入力側傘歯車24のみによって構成される。出力側傘歯車は、出力軸17に第1ワンウェイクラッチ29を介して相対回転可能に設けられ、かつ第1入力側傘歯車24に噛合わされる第1出力側傘歯車26のみによって構成される。ただし、この場合には、下降した第1ピストン14を上昇させるべくリンク31をピストン下降時とは逆方向へ揺動させるための機構を別途設ける必要がある。
【0146】
・第6実施形態を2サイクル内燃機関に適用する場合には、第1共通中間軸56を挟んで互いに対向するピストン14,15が圧縮行程及び膨張行程について異なる行程を行い、第1共通中間軸56を挟んで互いに対向するピストン41,42が圧縮行程及び膨張行程について異なる行程を行うような関係にあればよい。従って、第6実施形態で説明したピストン14,15,41,42の配置のほかにも、例えば第3ピストン41及び第4ピストン42についても、リンク58に対し、第1ピストン14及び第2ピストン15と同じ側(図11の上側)に配置してもよい。
【0147】
・第7実施形態における結合部材66としては、第2出力側傘歯車27及び第3出力側傘歯車55を剛結合できるものであればよい。従って、第7実施形態におけるような筒状をなすものに限らず、例えばシャフトを結合部材として用いる等、任意に変更可能である。
【0148】
・第8実施形態における可変機構71を、他の実施形態(第1〜第7実施形態)に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態における運動方向変換構造の概略構成を示す部分斜視図
【図2】図1の運動方向変換構造の部分平面図。
【図3】本発明の第2実施形態における運動方向変換構造の概略構成を示す部分平面図。
【図4】図3の運動方向変換構造の部分正面図。
【図5】本発明の第3実施形態における運動方向変換構造の概略構成を示す部分平面図。
【図6】本発明の第4実施形態における運動方向変換構造の概略構成を示す部分平面図。
【図7】図6の運動方向変換構造の部分正面図。
【図8】本発明の第5実施形態における運動方向変換構造の概略構成を示す部分平面図。
【図9】図8の運動方向変換構造の部分正面図。
【図10】本発明の第6実施形態における運動方向変換構造の概略構成を示す部分平面図。
【図11】図10の運動方向変換構造の部分正面図。
【図12】本発明の第7実施形態における運動方向変換構造の概略構成を示す部分正面図。
【図13】図12の運動方向変換構造の部分平面図。
【図14】本発明の第8実施形態における運動方向変換構造の概略構成を示す部分平面図。
【図15】図14の運動方向変換構造の部分正面図。
【符号の説明】
12…シリンダ、14…第1ピストン、15…第2ピストン、17…出力軸、19…運動方向変換構造、22…第1中間軸、23…第2中間軸、24…第1入力側傘歯車、25…第2入力側傘歯車、26…第1出力側傘歯車、27…第2出力側傘歯車、29…第1ワンウェイクラッチ、30…第2ワンウェイクラッチ、31,32,51,52,58,63…リンク、33,34,48,49…連結部材、41…第3ピストン、42…第4ピストン、46…第3中間軸、47…第4中間軸、53…第3入力側傘歯車、54…第4入力側傘歯車、55…第3出力側傘歯車、56…第1共通中間軸、59…第1共通入力側傘歯車、61…第2共通中間軸、64…第2共通入力側傘歯車、71…可変機構、75…ピン(規制部材)。

Claims (9)

  1. シリンダ内に収容されたピストンの運動を出力軸の回転運動に変換する内燃機関の運動方向変換構造において、
    前記ピストンの連結部材に連結されるリンクが設けられる中間軸と、
    前記中間軸に設けられる入力側傘歯車と、
    前記出力軸にワンウェイクラッチを介して相対回転可能に設けられ、かつ前記入力側傘歯車に噛合わされる出力側傘歯車と
    を備え、前記ピストンの下降に伴う前記リンクの揺動を通じて前記ピストンの運動を前記出力軸の回転運動に変換するとともに、前記リンクの揺動により前記ピストンを上昇させ、前記出力側傘歯車は、前記ピストンを上昇させるときに前記出力軸に対して相対回転することを特徴とする内燃機関の運動方向変換構造。
  2. 下降及び上昇について互いに逆の動きをする第1ピストン及び第2ピストンが前記ピストンとして前記シリンダ内にそれぞれ収容され、
    前記第1ピストンの連結部材に連結されるリンクが設けられる第1中間軸、及び前記第2ピストンの連結部材に連結されるリンクが設けられる第2中間軸を前記中間軸として備え、
    前記第1中間軸に設けられる第1入力側傘歯車、及び前記第2中間軸に設けられる第2入力側傘歯車を前記入力側傘歯車として備え、
    前記出力軸に第1ワンウェイクラッチを介して相対回転可能に設けられ、かつ前記第1入力側傘歯車に噛合わされる第1出力側傘歯車、及び前記出力軸に第2ワンウェイクラッチを介して相対回転可能に設けられ、かつ前記第2入力側傘歯車に噛合わされる第2出力側傘歯車を前記出力側傘歯車として備え、
    前記第1入力側傘歯車には前記第2出力側傘歯車が噛合わされる一方、前記第2入力側傘歯車には前記第1出力側傘歯車が噛合わされる請求項1に記載の内燃機関の運動方向変換構造。
  3. 下降及び上昇について、前記第1ピストンと同じ動きをする第3ピストン及び前記第2ピストンと同じ動きをする第4ピストンが前記ピストンとして前記シリンダ内にそれぞれ収容され、
    前記第1中間軸に設けられるリンクには、前記第1ピストン及び前記第3ピストンの各連結部材が前記第1中間軸について点対称となる箇所にそれぞれ連結される一方、前記第2中間軸に設けられるリンクには、前記第2ピストン及び前記第4ピストンの各連結部材が前記第2中間軸について点対称となる箇所にそれぞれ連結される請求項2に記載の内燃機関の運動方向変換構造。
  4. 下降及び上昇について、前記第1ピストンと同じ動きをする第3ピストン及び前記第2ピストンと同じ動きをする第4ピストンが前記ピストンとして前記シリンダ内にそれぞれ収容され、
    前記第3ピストンの連結部材に連結されるリンクが設けられる第3中間軸、及び前記第4ピストンの連結部材に連結されるリンクが設けられる第4中間軸を前記中間軸として備え、
    前記第3中間軸に設けられる第3入力側傘歯車及び前記第4中間軸に設けられる第4入力側傘歯車を前記入力側傘歯車として備え、
    前記第2出力側傘歯車に結合され、かつ前記第3入力側傘歯車及び前記第4入力側傘歯車に噛合わされる第3出力側傘歯車を前記出力側傘歯車として備える請求項2に記載の内燃機関の運動方向変換構造。
  5. 下降及び上昇について互いに逆の動きをする第1ピストン及び第2ピストンが前記ピストンとして前記シリンダ内にそれぞれ収容され、
    前記第1ピストン及び前記第2ピストンの各連結部材に連結されるリンクが設けられる第1共通中間軸を前記中間軸として備え、
    前記第1共通中間軸に設けられる第1共通入力側傘歯車を前記入力側傘歯車として備え、
    前記出力軸に第1ワンウェイクラッチを介して相対回転可能に設けられ、かつ前記第1共通入力側傘歯車に噛合わされる第1出力側傘歯車と、前記出力軸に第2ワンウェイクラッチを介して相対回転可能に設けられ、かつ前記第1共通入力側傘歯車に噛合わされる第2出力側傘歯車とを前記出力側傘歯車として備える請求項1に記載の内燃機関の運動方向変換構造。
  6. 下降及び上昇について、前記第1ピストンと同じ動きをする第3ピストン及び前記第2ピストンと同じ動きをする第4ピストンが前記ピストンとして前記シリンダ内にそれぞれ収容され、
    前記第3ピストン及び前記第4ピストンの各連結部材に連結されるリンクが設けられる第2共通中間軸を前記中間軸として備え、
    前記第2共通中間軸に設けられる第2共通入力側傘歯車を前記入力側傘歯車として備え、
    前記第2共通入力側傘歯車には前記第1出力側傘歯車及び前記第2出力側傘歯車が噛合わされる請求項5に記載の内燃機関の運動方向変換構造。
  7. 下降及び上昇について、前記第1ピストンと同じ動きをする第3ピストン及び前記第2ピストンと同じ動きをする第4ピストンが前記ピストンとして前記シリンダ内にそれぞれ収容され、
    前記第1共通中間軸に設けられるリンクには、前記第1ピストン及び前記第3ピストンの各連結部材が前記第1共通中間軸について点対称となる箇所にそれぞれ連結されるとともに、前記第2ピストン及び前記第4ピストンの各連結部材が前記第1共通中間軸について点対称となる箇所にそれぞれ連結される請求項5に記載の内燃機関の運動方向変換構造。
  8. 下降及び上昇について、前記第1ピストンと同じ動きをする第3ピストン及び前記第2ピストンと同じ動きをする第4ピストンが前記ピストンとして前記シリンダ内にそれぞれ収容され、
    前記第3ピストン及び前記第4ピストンの各連結部材に連結されるリンクが設けられる第2共通中間軸を前記中間軸として備え、
    前記第2共通中間軸に設けられる第2共通入力側傘歯車を前記入力側傘歯車として備え、
    前記第2出力側傘歯車に結合され、かつ前記第2共通入力側傘歯車に噛合わされる第3出力側傘歯車を前記出力側傘歯車として備える請求項5に記載の内燃機関の運動方向変換構造。
  9. さらに、前記リンクの揺動運動を規制する規制部材を含んで構成され、前記規制部材により規制される揺動運動領域を変更する可変機構を備える請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関の運動方向変換構造。
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WO2011127502A1 (de) 2010-04-12 2011-10-20 Koenig Harald Hubkolbenmotor mit verbessertem massenausgleich
WO2015133765A1 (ko) * 2014-03-06 2015-09-11 이성주 피스톤식 유체펌프
DE102015000595B4 (de) 2015-01-16 2022-03-17 Michael Wagner Quadratkegelzahnradkurbelwelle

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