JP2004203675A - 単結晶アルミナの加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】単結晶アルミナ表面に目的とする深い凹凸等を形成することが可能な単結晶アルミナの加工方法を提供する。
【解決手段】単結晶アルミナ表面に窒素を含む化合物からなるエッチングマスクを形成する工程と、
単結晶アルミナをエッチングマスクを用いてホウ素と塩素を含むプラズマによる反応性イオンエッチングを行う工程と
を含むことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】単結晶アルミナ表面に窒素を含む化合物からなるエッチングマスクを形成する工程と、
単結晶アルミナをエッチングマスクを用いてホウ素と塩素を含むプラズマによる反応性イオンエッチングを行う工程と
を含むことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単結晶アルミナ(Al2O3)の加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
単結晶アルミナは、光学部品や窒化ガリウム(GaN)のような青色発光ダイオード材料の結晶成長用の基板などに用いられている。このような用途において、単結晶アルミナの表面には光学部品の反射率低減や窒化ガリウムの結晶性向上のために0.1μm〜数μm程度の微細な凹凸を設けることが有効である。
【0003】
上述したような単結晶アルミナ表面の微細加工の方法としては、通常、薬液を用いるウェットエッチングが極めて困難であるため、プラズマ中の活性種を用いるドライエッチングが行なわれている。しかしながら、単結晶アルミナの化学的安定性が極めて高いため、イオンアシストによる大きな物理的エネルギー利用したプロセスが必要となり、エッチングマスクの耐性が不足し、深い凹凸の形成が困難であった。
【0004】
このようなことから非特許文献1には、サファイアウェハにフォトレジストを形成し、このフォトレジストをマスクとして前記サファイアウェハをCl2/BCl3/Arのプラズマによりエッチングすることが記載されている。
【0005】
【非特許文献1】
“High rate etching of sapphire wafer using Cl2/BCl3/Ar inductively coupled plasma” Y.J.Sung et al. Materials Science and Engineering B82 (2001) pp50-52
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記非特許文献1ではフォトレジストがCl2/BCl3/Arのプラズマに対する耐性が低いため、そのフォトレジストがエッチングマスクとして十分に機能せず、目的とする深い凹凸をサファイアウェハ表面に形成することが困難であった。
【0007】
本発明は、単結晶アルミナ表面に目的とする深い凹凸等を形成することが可能な単結晶アルミナの加工方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る単結晶アルミナの加工方法は、単結晶アルミナ表面に窒素を含む化合物からなるエッチングマスクを形成する工程と、
単結晶アルミナを前記エッチングマスクを用いてホウ素と塩素を含むプラズマによる反応性イオンエッチングを行う工程と
を含むことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
まず、単結晶アルミナ表面に窒素を含む例えば無機の化合物からなるエッチングマスクを形成する。
【0011】
前記単結晶アルミナは、例えば板状、ブロック状の形態で用いられる。
【0012】
前記窒素を含む無機化合物としては、例えばSiNx、TiNx、WNx、TaNx、CNx、AlNx等を挙げることができる。この無機化合物の中で、特にSiNx、TiNxが好適である。
【0013】
前記エッチングマスクの形成は、例えば前記単結晶アルミナ表面に窒素を含む無機化合物の膜を形成し、この膜にフォトリソグラフィー技術によりレジストパターンを形成した後、このレジストパターンをマスクとして前記無機化合物の膜をドライエッチング等で選択的に除去加工する方法が採用される。
【0014】
次いで、単結晶アルミナを前記エッチングマスクを用いてホウ素と塩素を含むプラズマによる反応性イオンエッチングを行って、例えば前記単結晶アルミナ表面に凹凸を形成する。
【0015】
前記ホウ素と塩素の供給源としては、BCl3が好ましいが、それぞれ別個に供給する方法(例えばBC、BN、B2H6、BBr3などのホウ素と塩素ガスを供給する方法等)でもよい。
【0016】
前記反応性イオンエッチングは、例えば真空容器と、この真空容器内に配置され、エッチングマスクを有する単結晶アルミナを保持し、高周波電力が供給される基板保持電極と、前記真空容器に少なくともBCl3ガスを供給するガス供給手段と、前記チャンバ内のガスを排気するための排気手段とを備えた反応性イオンエッチング装置を用い、前記基板保持電極に前記エッチングマスクを有する単結晶アルミナを設置し、BCl3を含む反応ガスを前記ガス供給手段から前記真空容器内に供給し、排気手段で前記チャンバなのガスを排気して所定の真空度にした後、基板保持電極に高周波電力を供給して前記反応ガスを励起し、プラズマを生成することによりなされる。
【0017】
前記反応のガスとしては、例えばBCl3単独ガス、BCl3およびアルゴンからなる混合ガス、BCl3、Cl2およびアルゴンからなる混合ガスを用いることができる。この混合ガスは、BCl3が少なくとも50体積%以上含有することが好ましい。
【0018】
以上説明したように本発明によれば、単結晶アルミナを窒素を含む化合物(例えば窒素を含む無機化合物)からなるエッチングマスクを用いてホウ素と塩素を含むプラズマ、例えばBCl3を含むプラズマによる反応性イオンエッチングを行うことによって、エッチングマスクの耐性を利用して前記単結晶アルミナ表面に例えば目的とする深い凹凸等を形成することができる。
【0019】
すなわち、窒素を含む無機化合物からなるエッチングマスクを有する単結晶アルミナに対して、BCl3を含むプラズマによる反応性イオンエッチングを施すと、前記プラズマで生成したClラジカル、Bラジカル、BClxラジカルが前記単結晶アルミナ表面に吸着し、そこに各種の分子、原子イオンの衝撃が加わり、前記単結晶アルミナ中のAl−O結合の切断が生じる。切断により生成されたAlはClラジカルと反応してAl塩化物として揮発し、OはBラジカルと反応してのボロン酸化物として揮発することでエッチングの反応が進行する。一方、窒素を含む無機化合物からなるエッチングマスクもイオン衝撃のエネルギーによってエッチングされる。ただし、エッチング時に生ずる窒素がBラジカルと反応して揮発性の低いB−N結合を含む化合物がエッチングマスク表面に生じてエッチングを阻害する。つまり、反応性イオンエッチング時におけるエッチングマスクの耐性が向上される。
【0020】
事実、次のような実験により窒素を含む無機化合物からなるエッチングマスクがBCl3を含むプラズマによる反応性イオンエッチングにおいて優れたエッチング耐性を示すことが確認された。
【0021】
(実験例)
まず、単結晶アルミナ基板、単結晶Si基板表面に形成された熱酸化膜(SiO2)、CVDで成膜したSiNx、スパッタリングで成膜したTiNxおよびAl、フォトレジストの6種のサンプルを用意した。
【0022】
次いで、接地された真空容器内の基板保持電極上に前記各サンプルを設置し、ガス供給管からBCl3およびArをそれぞれ80sccm、20sccmの流量で前記真空容器内に供給し、排気手段で前記真空容器内のガスを排気して30mTorrの真空度にした後、前記基板保持電極に100Wの高周波電力を供給することにより、前記BCl3を励起してプラズマを生成し、反応性イオンエッチングを20分間行なった。このようなエッチングでの各サンプルのエッチング量を測定した。その結果を下記表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
前記表1から明らかなように窒素を含む無機化合物であるTiNxとSiNxは、エッチングレートが単結晶アルミナと同等もしくはそれより低く、優れたエッチング耐性を示すことがわかる。これに対し、TiNxとSiNx以外のSiO、レジスト、Alはエッチングレートが単結晶アルミナに比べて高く、エッチング耐性が低いことがわかる。特に、TiNxとSiNxとを比べると、SiNxがより高いエッチング耐性を有することがわかる。
【0025】
したがって、BCl3を含むプラズマによる反応性イオンエッチングにおいて窒化ケイ素のような窒素を含む無機化合物からなるエッチングマスクは単結晶アルミナに対して高いエッチング選択比を示すために、単結晶アルミナのエッチング過程で十分なマスク機能を発揮できる。その結果、前記単結晶アルミナ表面に例えば目的とする深い凹凸等を形成することが可能となる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
(実施例1)
まず、図1の(a)に示すように単結晶アルミナ基板1上にプラズマCVD法により厚さ200nmのSiNx膜2を成膜した。つづいて、図1の(b)に示すように前記SiNx膜2上にEB感応性レジストを塗布、乾燥して厚さ0.3μmのレジスト膜を形成した後、EB露光、現像の処理を施すことにより0.1μmのライン、スペースを有するレジストパターン3を形成した。
【0028】
次いで、接地された真空容器内の基板保持電極上に前記レジストパターン3が形成された単結晶アルミナ基板1を設置し、ガス供給管からArおよびCHF3をそれぞれ185sccm、15sccmの流量で前記真空容器内に供給し、排気手段で前記真空容器内のガスを排気して40mTorrの真空度にした後、前記基板保持電極に100Wの高周波電力を供給することにより、前記CHF3を励起してプラズマを生成し、反応性イオンエッチングを6.5分間行なった。この時、前記レジストパターン3をマスクとして露出するSiNx膜2が選択的にエッチング除去加工され、図1の(c)に示すようにレジストパターン3と同様な0.1μmのライン、スペースを有するSiNxパターン4が形成された。この後、レジストパターンをO2プラズマで除去した。
【0029】
次いで、接地された真空容器内の基板保持電極上に前記SiNxパターン4が形成された単結晶アルミナ基板1を設置し、ガス供給管からBCl3およびArをそれぞれ80sccm、20sccmの流量で前記真空容器内に供給し、排気手段で前記真空容器内のガスを排気して30mTorrの真空度にした後、前記基板保持電極に100Wの高周波電力を供給することにより、前記BCl3を励起してプラズマを生成し、反応性イオンエッチングを20分間行なった。この時、図1の(d)に示すように前記SiNxパターン4をマスクとして露出する単結晶アルミナ基板1表面が0.2μmの深さで選択的にエッチング除去加工された。この後、前記SiNxパターン4を除去することにより図1の(e)に示すように単結晶アルミナ基板1表面にSiNxパターン4に忠実で、深さ0.2μmの凹部が0.1μmのライン、スペースで形成された、つまり凹凸5が形成された。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば単結晶アルミナ表面をエッチングマスクを用いて反応性イオンエッチングにより選択的に除去加工する際、前記エッチングマスクを窒素を含む化合物(例えば窒素を含む無機化合物)から作ることによりエッチング耐性を向上できるため、前記単結晶アルミナ表面に目的とする深い凹凸等を形成することが可能な単結晶アルミナの加工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1の単結晶アルミナの加工工程を示す断面図。
【符号の説明】
1…単結晶アルミナ基板、
2…SiNx膜、
3…レジストパターン、
4…SiNxパターン、
5…凹凸。
【発明の属する技術分野】
本発明は、単結晶アルミナ(Al2O3)の加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
単結晶アルミナは、光学部品や窒化ガリウム(GaN)のような青色発光ダイオード材料の結晶成長用の基板などに用いられている。このような用途において、単結晶アルミナの表面には光学部品の反射率低減や窒化ガリウムの結晶性向上のために0.1μm〜数μm程度の微細な凹凸を設けることが有効である。
【0003】
上述したような単結晶アルミナ表面の微細加工の方法としては、通常、薬液を用いるウェットエッチングが極めて困難であるため、プラズマ中の活性種を用いるドライエッチングが行なわれている。しかしながら、単結晶アルミナの化学的安定性が極めて高いため、イオンアシストによる大きな物理的エネルギー利用したプロセスが必要となり、エッチングマスクの耐性が不足し、深い凹凸の形成が困難であった。
【0004】
このようなことから非特許文献1には、サファイアウェハにフォトレジストを形成し、このフォトレジストをマスクとして前記サファイアウェハをCl2/BCl3/Arのプラズマによりエッチングすることが記載されている。
【0005】
【非特許文献1】
“High rate etching of sapphire wafer using Cl2/BCl3/Ar inductively coupled plasma” Y.J.Sung et al. Materials Science and Engineering B82 (2001) pp50-52
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記非特許文献1ではフォトレジストがCl2/BCl3/Arのプラズマに対する耐性が低いため、そのフォトレジストがエッチングマスクとして十分に機能せず、目的とする深い凹凸をサファイアウェハ表面に形成することが困難であった。
【0007】
本発明は、単結晶アルミナ表面に目的とする深い凹凸等を形成することが可能な単結晶アルミナの加工方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る単結晶アルミナの加工方法は、単結晶アルミナ表面に窒素を含む化合物からなるエッチングマスクを形成する工程と、
単結晶アルミナを前記エッチングマスクを用いてホウ素と塩素を含むプラズマによる反応性イオンエッチングを行う工程と
を含むことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
まず、単結晶アルミナ表面に窒素を含む例えば無機の化合物からなるエッチングマスクを形成する。
【0011】
前記単結晶アルミナは、例えば板状、ブロック状の形態で用いられる。
【0012】
前記窒素を含む無機化合物としては、例えばSiNx、TiNx、WNx、TaNx、CNx、AlNx等を挙げることができる。この無機化合物の中で、特にSiNx、TiNxが好適である。
【0013】
前記エッチングマスクの形成は、例えば前記単結晶アルミナ表面に窒素を含む無機化合物の膜を形成し、この膜にフォトリソグラフィー技術によりレジストパターンを形成した後、このレジストパターンをマスクとして前記無機化合物の膜をドライエッチング等で選択的に除去加工する方法が採用される。
【0014】
次いで、単結晶アルミナを前記エッチングマスクを用いてホウ素と塩素を含むプラズマによる反応性イオンエッチングを行って、例えば前記単結晶アルミナ表面に凹凸を形成する。
【0015】
前記ホウ素と塩素の供給源としては、BCl3が好ましいが、それぞれ別個に供給する方法(例えばBC、BN、B2H6、BBr3などのホウ素と塩素ガスを供給する方法等)でもよい。
【0016】
前記反応性イオンエッチングは、例えば真空容器と、この真空容器内に配置され、エッチングマスクを有する単結晶アルミナを保持し、高周波電力が供給される基板保持電極と、前記真空容器に少なくともBCl3ガスを供給するガス供給手段と、前記チャンバ内のガスを排気するための排気手段とを備えた反応性イオンエッチング装置を用い、前記基板保持電極に前記エッチングマスクを有する単結晶アルミナを設置し、BCl3を含む反応ガスを前記ガス供給手段から前記真空容器内に供給し、排気手段で前記チャンバなのガスを排気して所定の真空度にした後、基板保持電極に高周波電力を供給して前記反応ガスを励起し、プラズマを生成することによりなされる。
【0017】
前記反応のガスとしては、例えばBCl3単独ガス、BCl3およびアルゴンからなる混合ガス、BCl3、Cl2およびアルゴンからなる混合ガスを用いることができる。この混合ガスは、BCl3が少なくとも50体積%以上含有することが好ましい。
【0018】
以上説明したように本発明によれば、単結晶アルミナを窒素を含む化合物(例えば窒素を含む無機化合物)からなるエッチングマスクを用いてホウ素と塩素を含むプラズマ、例えばBCl3を含むプラズマによる反応性イオンエッチングを行うことによって、エッチングマスクの耐性を利用して前記単結晶アルミナ表面に例えば目的とする深い凹凸等を形成することができる。
【0019】
すなわち、窒素を含む無機化合物からなるエッチングマスクを有する単結晶アルミナに対して、BCl3を含むプラズマによる反応性イオンエッチングを施すと、前記プラズマで生成したClラジカル、Bラジカル、BClxラジカルが前記単結晶アルミナ表面に吸着し、そこに各種の分子、原子イオンの衝撃が加わり、前記単結晶アルミナ中のAl−O結合の切断が生じる。切断により生成されたAlはClラジカルと反応してAl塩化物として揮発し、OはBラジカルと反応してのボロン酸化物として揮発することでエッチングの反応が進行する。一方、窒素を含む無機化合物からなるエッチングマスクもイオン衝撃のエネルギーによってエッチングされる。ただし、エッチング時に生ずる窒素がBラジカルと反応して揮発性の低いB−N結合を含む化合物がエッチングマスク表面に生じてエッチングを阻害する。つまり、反応性イオンエッチング時におけるエッチングマスクの耐性が向上される。
【0020】
事実、次のような実験により窒素を含む無機化合物からなるエッチングマスクがBCl3を含むプラズマによる反応性イオンエッチングにおいて優れたエッチング耐性を示すことが確認された。
【0021】
(実験例)
まず、単結晶アルミナ基板、単結晶Si基板表面に形成された熱酸化膜(SiO2)、CVDで成膜したSiNx、スパッタリングで成膜したTiNxおよびAl、フォトレジストの6種のサンプルを用意した。
【0022】
次いで、接地された真空容器内の基板保持電極上に前記各サンプルを設置し、ガス供給管からBCl3およびArをそれぞれ80sccm、20sccmの流量で前記真空容器内に供給し、排気手段で前記真空容器内のガスを排気して30mTorrの真空度にした後、前記基板保持電極に100Wの高周波電力を供給することにより、前記BCl3を励起してプラズマを生成し、反応性イオンエッチングを20分間行なった。このようなエッチングでの各サンプルのエッチング量を測定した。その結果を下記表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
前記表1から明らかなように窒素を含む無機化合物であるTiNxとSiNxは、エッチングレートが単結晶アルミナと同等もしくはそれより低く、優れたエッチング耐性を示すことがわかる。これに対し、TiNxとSiNx以外のSiO、レジスト、Alはエッチングレートが単結晶アルミナに比べて高く、エッチング耐性が低いことがわかる。特に、TiNxとSiNxとを比べると、SiNxがより高いエッチング耐性を有することがわかる。
【0025】
したがって、BCl3を含むプラズマによる反応性イオンエッチングにおいて窒化ケイ素のような窒素を含む無機化合物からなるエッチングマスクは単結晶アルミナに対して高いエッチング選択比を示すために、単結晶アルミナのエッチング過程で十分なマスク機能を発揮できる。その結果、前記単結晶アルミナ表面に例えば目的とする深い凹凸等を形成することが可能となる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
(実施例1)
まず、図1の(a)に示すように単結晶アルミナ基板1上にプラズマCVD法により厚さ200nmのSiNx膜2を成膜した。つづいて、図1の(b)に示すように前記SiNx膜2上にEB感応性レジストを塗布、乾燥して厚さ0.3μmのレジスト膜を形成した後、EB露光、現像の処理を施すことにより0.1μmのライン、スペースを有するレジストパターン3を形成した。
【0028】
次いで、接地された真空容器内の基板保持電極上に前記レジストパターン3が形成された単結晶アルミナ基板1を設置し、ガス供給管からArおよびCHF3をそれぞれ185sccm、15sccmの流量で前記真空容器内に供給し、排気手段で前記真空容器内のガスを排気して40mTorrの真空度にした後、前記基板保持電極に100Wの高周波電力を供給することにより、前記CHF3を励起してプラズマを生成し、反応性イオンエッチングを6.5分間行なった。この時、前記レジストパターン3をマスクとして露出するSiNx膜2が選択的にエッチング除去加工され、図1の(c)に示すようにレジストパターン3と同様な0.1μmのライン、スペースを有するSiNxパターン4が形成された。この後、レジストパターンをO2プラズマで除去した。
【0029】
次いで、接地された真空容器内の基板保持電極上に前記SiNxパターン4が形成された単結晶アルミナ基板1を設置し、ガス供給管からBCl3およびArをそれぞれ80sccm、20sccmの流量で前記真空容器内に供給し、排気手段で前記真空容器内のガスを排気して30mTorrの真空度にした後、前記基板保持電極に100Wの高周波電力を供給することにより、前記BCl3を励起してプラズマを生成し、反応性イオンエッチングを20分間行なった。この時、図1の(d)に示すように前記SiNxパターン4をマスクとして露出する単結晶アルミナ基板1表面が0.2μmの深さで選択的にエッチング除去加工された。この後、前記SiNxパターン4を除去することにより図1の(e)に示すように単結晶アルミナ基板1表面にSiNxパターン4に忠実で、深さ0.2μmの凹部が0.1μmのライン、スペースで形成された、つまり凹凸5が形成された。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば単結晶アルミナ表面をエッチングマスクを用いて反応性イオンエッチングにより選択的に除去加工する際、前記エッチングマスクを窒素を含む化合物(例えば窒素を含む無機化合物)から作ることによりエッチング耐性を向上できるため、前記単結晶アルミナ表面に目的とする深い凹凸等を形成することが可能な単結晶アルミナの加工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1の単結晶アルミナの加工工程を示す断面図。
【符号の説明】
1…単結晶アルミナ基板、
2…SiNx膜、
3…レジストパターン、
4…SiNxパターン、
5…凹凸。
Claims (4)
- 単結晶アルミナ表面に窒素を含む化合物からなるエッチングマスクを形成する工程と、
単結晶アルミナを前記エッチングマスクを用いてホウ素と塩素を含むプラズマによる反応性イオンエッチングを行う工程と
を含むことを特徴とする単結晶アルミナの加工方法。 - 前記窒素を含む化合物が、窒素を含む無機化合物であることを特徴とする請求項1記載の単結晶アルミナの加工方法。
- 前記窒素を含む無機化合物は、窒化ケイ素であることを特徴とする請求項2記載の単結晶アルミナの加工方法。
- ホウ素と塩素の供給源は、BCl3であることを特徴とする請求項1記載の単結晶アルミナの加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002374717A JP2004203675A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 単結晶アルミナの加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002374717A JP2004203675A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 単結晶アルミナの加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004203675A true JP2004203675A (ja) | 2004-07-22 |
Family
ID=32812653
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002374717A Pending JP2004203675A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 単結晶アルミナの加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004203675A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011158469A1 (ja) * | 2010-06-16 | 2011-12-22 | 株式会社アルバック | 基板エッチング方法およびサファイア基板の製造方法 |
US8084360B2 (en) * | 2010-04-28 | 2011-12-27 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Method of manufacturing semiconductor device |
WO2012046418A1 (ja) * | 2010-10-08 | 2012-04-12 | パナソニック株式会社 | 基板のプラズマ処理方法 |
JP2013101992A (ja) * | 2011-11-07 | 2013-05-23 | Ulvac Japan Ltd | プラズマエッチング装置 |
-
2002
- 2002-12-25 JP JP2002374717A patent/JP2004203675A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8084360B2 (en) * | 2010-04-28 | 2011-12-27 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Method of manufacturing semiconductor device |
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WO2012046418A1 (ja) * | 2010-10-08 | 2012-04-12 | パナソニック株式会社 | 基板のプラズマ処理方法 |
US9073385B2 (en) | 2010-10-08 | 2015-07-07 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Plasma processing method for substrates |
JP2013101992A (ja) * | 2011-11-07 | 2013-05-23 | Ulvac Japan Ltd | プラズマエッチング装置 |
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