【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、口紅、スティックアイシャドウ、スティックファンデーション、リップクリーム等の棒状化粧料を成形する方法に関し、特に、棒状化粧料の表層部にパール剤を付着する技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、この種の棒状化粧料のうち、例えば口紅には、きらきらとしたパール感を与えてスティックを魅力的に見せるため、例えば、酸化チタン被覆雲母等のようなパール剤が用いられている。
そして、パール感を鮮明にするために、粒径の大きいパール剤を用いたり、パール剤を多量に用いたりすることが行われている。
【０００３】
しかしながら、粒径の大きなパール剤を化粧料基剤に配合すると、酸化チタン被覆雲母の特有の性質から、スティックを塗布する際にざらざらした感触が生じ、塗布感触が著しく悪化するという問題があった。
【０００４】
また、パール剤を化粧料基剤に多量に配合した場合、パール剤がスティック表面にきれいに配向しないため、スティックの表面上で十分なパール感を得ることができなかった。
そのため、口紅の成形後、スティックの表面にパール剤を付着させたり、さらに、その後熱処理を加えてパール剤を定着させる技術が提案されている。
しかしながら、この場合においては、パール剤を付着する際に容器を汚したり、熱処理の際に口紅にダメージを与えるという問題があった。
【０００５】
他方、例えば、口紅等の固形化粧料の表面に着色塗剤を転写する技術として、予め、着色塗剤を用いて水溶性フィルム等の媒体に模様を描いておき、その媒体を固形化粧料に接着した後に溶出することによって、固形化粧料の表面に模様を描く技術が提案されているが（特許文献１参照）、このような従来技術をパール剤の付着に適用することは困難である。
【０００６】
【特許文献１】
特開平６−１０７５２３号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
従って、本発明の目的は、十分なパール感を呈し且つパール剤に起因する塗布感触の悪化を生じさせることのない棒状化粧料を簡便に成形する方法を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明は、流動性の化粧料基剤を成形型内に充填して棒状化粧料を成形する方法であって、前記成形型の内面にパール剤を付着させる第１の工程と、前記パール剤の付着された成形型内に前記化粧料基剤を充填し、固化させる第２の工程と、固化された前記化粧料基剤の表層部に前記パール剤が埋設された棒状化粧料を前記成形型から離型する第３の工程とを有することを特徴とする棒状化粧料の成形方法を提供することにより前記目的を達成したものである。
【００１０】
本発明によれば、パール剤を成形型の内面に付着させ、このパール剤と棒状化粧料を一体的に成形することにより、パール剤を口紅の表層部に形成して十分なパール感を呈すると共に、パール剤を口紅の表層部に埋設して塗布感触の悪化を生じさせない口紅を得ることができる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における棒状化粧料成形方法の好ましい一実施形態（第１実施形態）を、図面を参照して説明する。
図１（ａ）〜（ｄ）に示すように、本実施形態の口紅（棒状化粧料）１０の成形方法は、流動性の口紅バルク（化粧料基剤）１１を成形用のカプセル（成形型）１２内に充填して口紅１０を成形する方法であって、カプセル１２の内面にパール剤２を付着させる第１の工程と、パール剤２の付着されたカプセル１２内に口紅バルク１１を充填し、固化させる第２の工程と、固化された口紅バルク１１の表層部にパール剤２が埋設された口紅１０をカプセル１２から離型する第３の工程とを有する。
以下、かかる口紅１０の成形方法を詳細に述べる。
【００１２】
本実施形態では、カプセル１２を成形の型材として用いた、オジーブ・カプセル成形方法が採用される。この成形方法には、例えば、自動化されたオジーブ・カプセル成形機を用いる（図示せず）。このオジーブ・カプセル成形機は、複数の口紅容器を倒立状態で保持するホルダがチェーンコンベヤ上に取り付けられ、そのチェーンコンベヤが成形の各工程を通過するように構成されている。
【００１３】
予め、成形の各工程を行う前に、以下に示すような、カプセル（オジーブ）１２、口紅バルク（口紅基剤）１１、パール剤２、パール剤分散液４を用意しておく。
【００１４】
カプセル１２は、口紅１０のスティックの外形に相当し、樹脂を用いて、略尖頭アーチ状に形成されたものである。カプセル１２は、その内面にパール剤が均一に付着されているか否かを目視する観点から、透明又は半透明のものが用いられることが好ましい。
【００１５】
口紅バルク１１は、主に油性基剤と着色剤とからなる。油性基剤は常温で固体のワックスと液体のオイルの混合物である。油性基剤は、スティックの形状を整えると共に、成形の際に高温（例えば約８０℃）で溶解して流動性を有するものが好ましい。ワックス類には、例えば、天然系のものとして、カルナウバロウ、ミツロウ、キャンデリラロウ等があり、鉱物系ならびに合成のものとして、固形パラフィン、マイクロクリスタルワックス、ポリエチレンワックス、セレシン等がある。オイル類には、例えば、イソステアリン酸プロピル、イソノナン酸イソトリデシル等のモノエステル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル等のジエステル、オクチルドデカノ−ル等の高級アルコール、重質流動パラフィン、イソパラフィン、イソステアリン酸コレステリル、Ｎ−ラウロイル−グルタミン酸ジ（コレステリル・オクチルドデシル）、イソステアリン酸フィトステリル、マカデミアナッツ油フィトステリル等のステロール誘導体、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤等がある。
【００１６】
着色剤は、染料と、顔料に分類される。染料には、魅力的な外観を維持し、色調変化のないものが好ましく、例えば、赤色２０１号等がある。
顔料は、さらに、顔料色素そのものと、水溶性又は難溶性の染料を金属塩又は沈殿剤で水不溶化したレーキとに分類される。例えば、赤色２０２号、赤色１０４号Ａｌレーキなどがある。
外観の色調、明るさを調整するためには、二酸化チタン、ベンガラ等の無機顔料が用いられる。
【００１７】
パール剤２は、一般的な化粧料に用いられるものの１種又は２種以上の混合物であればよく、好ましい例として、酸化チタン被覆ガラス、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化チタン・シリカ多重被覆マイカ、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄・酸化チタン被覆マイカ等が挙げられる。
【００１８】
特に、口紅１０の表面上でのパール感を鮮明にする観点から用いられるパール剤２としては、酸化チタン被覆ガラス、酸化チタン被覆合成雲母、酸化チタン・シリカ多重被覆マイカ、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄・酸化チタン被覆マイカのうち少なくとも１種以上が、２０％〜１００％含有されているものが好ましい。
パール剤２の粒径は、特に限定されるものでないが、スティック外観の美しさという観点から、２０μｍ〜２００μｍであることが好ましい。パール剤は、必要に応じて化粧料粉体に用いられる表面処理、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、α−モノアルコキシポリジメチルシロキサン処理、アルキルシリル化処理、パーフルオロアルキルリン酸処理、シリカ処理、金属石鹸処理、Ｌ−ラウロイルリシン処理等を施すことができる。
【００１９】
パール剤分散液４は、パール剤２の含有量が１．０重量％〜５０．０重量％になるように、パール剤２をエタノール、揮発性シリコーン油等の揮発性溶媒３に分散させたものである。
【００２０】
口紅バルク１１とパール剤２の重量比は、特に限定されるものでないが、スティック外観の美しさという観点から、口紅バルク１１に対し、パール剤２が０．０５重量％〜１．０重量％であることが好ましい。
【００２１】
以下、本実施形態の成形方法の各工程を説明する。
第１の工程では、図１（ａ）に示すように、常温の下で、カプセル１２の内面にスプレーを用いてパール剤分散液４を噴霧し、パール剤分散液４をカプセル１２の内面に塗布する。このようなパール剤分散液を塗布する手段に替えて、例えば、カプセル１２内にパール剤分散液４を一旦注入して数回振った後にその余りのパール剤分散液４を捨てること等の手段にしてもよい。
【００２２】
図１（ｂ）に示すように、その後、カプセル１２を所定の時間放置し、揮発性溶媒３を気化させ、パール剤２をカプセル１２の内面に薄く付着させる。
この場合、パール剤２の付着の厚さを、スティック外観の美しさという観点から、０．１μｍ〜５．０μｍにすることが好ましい。
【００２３】
第２の工程では、図１（ｃ）に示すように、予め、倒立した口紅容器１３にカプセル１２を装着し、ピンホールの発生防止の観点から、カプセル１２に温風を当てることにより、カプセル１２を予め加熱しておく。
一方、口紅バルク１１を高温（約８０℃程度）に加熱し、口紅バルク１１に含まれるワックス成分を融解し、均一になるまで攪拌する。
【００２４】
このような流動的な口紅バルク１１を、減圧して気泡を抜いた後、図１（ｃ）に示す状況下で、口紅容器１３の底部（図１（ｃ）の上部）からカプセル１２内に充填する。
その後、収縮孔の発生防止の観点から、口紅容器１３の底部に温風を当てると共に、カプセル１２に冷風を当てて、口紅バルク１１を固化させる。
【００２５】
第３の工程では、カプセル１２の離型促進の観点から、口紅容器１３及びカプセル１２の全面に冷風を当てた後、固化した口紅バルク１１をカプセル１２から離型する。これにより、図１（ｄ）に示すように、口紅バルク１１の表層部にパール剤２がほぼ均一に埋設されたスティック状の口紅１０を得る。
【００２６】
以上述べたように、本実施形態によれば、パール剤２をカプセル１２の内面に付着させ、このパール剤２と口紅バルク１１を一体的に成形したため、パール剤２の粒径や配合量に影響されずに、パール剤２を口紅１０の表層部に形成して十分なパール感を呈すると共に、パール剤２を口紅１０の表層部に埋設して塗布感触の悪化を生じさせない口紅１０を得ることができる。
【００２７】
また、本実施形態によれば、口紅１０の成形の際に用いるカプセル１２にパール剤２を付着するだけで足りるため、成形条件や成形装置を変更せずに、十分なパール感と塗布感触を兼ね備えた口紅１０を簡便に製造することができる。
【００２８】
さらに、本実施形態によれば、パール剤２を付着したカプセル１２内で口紅バルク１１を成形したため、従来技術において口紅容器を汚したり、口紅にダメージを与えるといった問題を解消することができる。
【００２９】
次に、本発明における棒状化粧料成形方法の好ましい他の実施形態（第２実施形態）を説明する。本実施形態は、上記第１実施形態と第１の工程が異なり、この点のみについて図面を参照して説明する。
本実施形態の口紅（棒状化粧料）１０の成形方法は、予め、成形の各工程を行う前に、上述した、カプセル１２、口紅バルク１１のほか、パール剤２（乾粉）を用意しておく。
ここでのパール剤２は、その成分や含有量について上記第１実施形態で用いたものと同様であるが、乾いたままの粉体状である点が異なる。
【００３０】
第１の工程では、図２（ａ）に示すように、常温の下で、パール剤２をカプセル１２内に投下する。その後、図２（ｂ）に示すように、そのカプセル１２をよく振り、パール剤２をカプセル１２の内面全体に付着させる。
この場合、カプセル１２は樹脂製であるため、その表面に静電気が生じており、その静電気によりパール剤２がカプセル１２の内面に付着する。
【００３１】
図２（ｃ）に示すように、倒立させたカプセル１２を机上面等に軽く叩きつけてカプセル１２に衝撃を与え、余分なパール剤２を落とすことにより、パール剤２をカプセル１２の内面に薄く付着する。
その後の工程は、上記第１実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【００３２】
以上述べたように、本実施形態によれば、樹脂の性質を利用して静電気によりパール剤２をカプセル１２の内面に付着させたため、上記第１実施形態のようにパール剤分散液４を用いた湿式によらなくても、パール剤２をカプセル１２の内面に薄く付着することができる。
その他の効果は、上記第１実施形態と同様である。
【００３３】
本発明は、上記第１、第２実施形態に限られるものでなく、種々の変更等を行うことができる。
口紅バルク１１の表層部にパール剤２が埋設された口紅１０を成形するためには、口紅バルク１１を充填する前に、カプセル１２の内面にパール剤２を付着させればよく、パール剤２の付着手段は、上記第１、第２実施形態で示したものに限られない。
【００３４】
この他、カプセル１２の内面に、マスキングを施したり、パール剤分散液４をはじくような油性剤等を塗布することにより、口紅１０のスティックの表面において、パール剤２を、部分的に付着したり、所定の絵柄模様やグラデーション模様等に形成することができる。
【００３５】
また、上記第１実施形態においては、成形型として、樹脂製のカプセル１２を用いたが、これに限られず、金型を用いることもできる。もっとも、上記第２実施形態のように成形型内に静電気を生じさせる点では、樹脂製のカプセル１２を用いることが好ましい。
【００３６】
【実施例】
［実施例１］
予め、パール剤２をエタノールに分散したパール剤分散液４を作成しておき、そのパール剤分散液４をカプセル１２の内面に噴霧して付着させた後、室温乾燥してパール剤２をカプセル１２の内面に付着した（成形前の湿式付着）。
一方、表１に示す組成の口紅バルク１１を加熱し、そのワックス成分を融解させて均一になるまで攪拌した。
その後、流動的な口紅バルク１１を、パール剤２の付着したカプセル１２内に充填し、室温まで冷却して固化させる。そして、カプセル１１を離型することにより、口紅１０を得た。
パール剤２は、酸化チタン被覆ガラス（日本板硝子社製、メタシャインＭＣ１０４０ＲＲの型式のもの）を用い、パール剤分散液４としては、口紅バルク１１が９９．９重量％、パール剤２が０．１重量％となるように、パール剤２の含有量２０％の分散液を用いた。
【００３７】
【表１】
【００３８】
［実施例２］
静電気が生じているカプセル１２の内面に、パール剤２を乾粉のまま付着した後、カプセル１２に衝撃を加えてパール剤２を薄く付着した（成形前の乾式付着）。その他の点は、実施例１と同様であるのでその説明を省略する。
【００３９】
［比較例１］
カプセル１２にパール剤２を付着せずに、流動的な口紅バルク１１にパール剤２を配合し、その配合比を口紅バルク１１が９０％配合量、パール剤２が１０％配合量とした。これらの配合物を均一になるまで攪拌しつつ混合し、その混合物をカプセル１２内に充填した（成形時配合）。その他の点は、実施例１と同様であるのでその説明を省略する。
【００４０】
［比較例２］
口紅バルク１１とパール剤２の配合比を、口紅バルク１１が８０％配合量、パール剤２が２０％配合量とした点以外は、比較例１と同様であるのでその説明を省略する（成形時配合）。
【００４１】
［比較例３］
口紅バルク１１とパール剤２の配合比を、口紅バルク１１が７０％配合量、パール剤２が３０％配合量とした点以外は、比較例１と同様であるのでその説明を省略する（成形時配合）。
【００４２】
［比較例４］
パール剤２が付着されていないカプセル１２を用い、口紅１０を成形した後、そのスティックの表面に、パール剤分散液４を噴霧して付着させた後、室温乾燥してパール剤２をスティックの表面に付着した（成形後の湿式付着）。
【００４３】
［比較例５］
成形後の口紅１０のスティックの表面に、パール剤２を乾粉のまま付着した後、エアー噴射で余分なパール剤２を除去することにより、パール剤２をスティックの表面に付着した（成形後の乾式付着）。その他の点は、比較例４と同様であるのでその説明を省略する。
【００４４】
実施例１、２、及び比較例１〜５で得られた口紅について評価を行った。
その評価基準は、専門パネル１０名の回答によるもので、具体的には、「◎：１０名中９名以上が良好と回答」、「○：１０名中７〜８名が良好と回答」、「△：１０名中４〜６名が良好と回答」、「×：１０名中３名以下が良好と回答」に基づくものである。かかる評価結果を表２に示す。
【００４５】
【表２】
【００４６】
表２から明らかなように、パール剤２を成形前に湿式、乾式を問わずカプセル１２内に付着した場合、スティック外観のパール感・艶・光沢、塗布感触のすべてについて極めて良好であった。このことは、パール剤２を口紅１０の表層部に埋設したことによる。
パール剤２を成形時に口紅バルク１１と共に配合した場合、パール剤２の配合量が多くなるにつれてスティック外観のパール感、艶・光沢が良好になるものの、塗布感触が悪化した。このことは、口紅１０の中に含まれるパール剤２が多くなると、ざらつき感が増すことによる。
パール剤２を口紅１０の成形後に湿式、乾式を問わずスティックの表面に付着した場合、スティック外観のパール感が極めて良好であるものの、スティック外観の艶・光沢や塗布感触については、成形前にパール剤２を付着した場合に比べて劣っていた。このことは、パール剤２を口紅１０の表面に粒状に付着したことによる。
【００４７】
【発明の効果】
本発明によれば、十分なパール感を呈し且つパール剤に起因する塗布感触の悪化を生じさせることのない棒状化粧料を簡便に成形する方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】（ａ）：第１実施形態の口紅の成形方法の第１の工程（パール剤分散液の塗布）を示す図である。
（ｂ）：同成形方法の第１の工程（揮発性溶媒の気化）を示す図である。
（ｃ）：同成形方法の第２の工程（口紅バルクの充填）を示す図である。
（ｄ）：同成形方法によって得られた口紅の概略を示す図である。
【図２】（ａ）：第２実施形態の口紅の第１の工程（パール剤の投入）を示す図である。
（ｂ）：第２実施形態の口紅の第１の工程（パール剤の付着）を示す図である。
（ｃ）：第２実施形態の口紅の第１の工程（パール剤の薄い付着）を示す図である。
【符号の説明】
２ パール剤
３ 揮発性溶媒
４ パール剤分散液
１０ 口紅（棒状化粧料）
１１ 口紅バルク（化粧料基剤）
１２ カプセル[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for forming a stick-shaped cosmetic such as a lipstick, a stick eyeshadow, a stick foundation, a lip balm, etc., and particularly to a technique for attaching a pearl agent to the surface layer of the stick-shaped cosmetic.
[0002]
[Prior art]
In recent years, among stick cosmetics of this type, for example, lipsticks such as titanium oxide-coated mica have been used for lipsticks in order to give a pearly feeling and make the stick look attractive.
In order to sharpen the pearly sensation, a pearl agent having a large particle size or a large amount of pearl agent is used.
[0003]
However, when a pearl agent having a large particle size is blended into a cosmetic base, there is a problem that a rough feel is generated when applying the stick due to the unique properties of the titanium oxide-coated mica, and the applied feel is significantly deteriorated. .
[0004]
Also, when a large amount of the pearl agent was added to the cosmetic base, the pearl agent did not orient properly on the stick surface, so that a sufficient pearl feeling could not be obtained on the surface of the stick.
Therefore, there has been proposed a technique in which a pearl agent is adhered to the surface of a stick after the lipstick is formed, and thereafter, the pearl agent is fixed by heat treatment.
However, in this case, there is a problem that the container is soiled when the pearl agent is adhered, and the lipstick is damaged during the heat treatment.
[0005]
On the other hand, for example, as a technique for transferring a color coating to the surface of a solid cosmetic such as lipstick, a pattern is previously drawn on a medium such as a water-soluble film using a coloring coating, and the medium is converted to a solid cosmetic. A technique of drawing a pattern on the surface of a solid cosmetic by dissolving after bonding has been proposed (see Patent Document 1), but it is difficult to apply such a conventional technique to the attachment of a pearl agent.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-6-107523
[Problems to be solved by the invention]
[0008]
Therefore, an object of the present invention is to provide a method for easily forming a bar-shaped cosmetic material that exhibits a sufficient pearly feeling and does not cause deterioration of the application feeling due to the pearling agent.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to a method of molding a stick-shaped cosmetic by filling a mold with a fluid cosmetic base, wherein a first step of attaching a pearl to the inner surface of the mold, A second step of filling and solidifying the cosmetic base in the mold with the pearl agent embedded in the surface layer of the solidified cosmetic base. The above object has been achieved by providing a method of molding a stick-shaped cosmetic, comprising a third step of releasing from a mold.
[0010]
According to the present invention, a pearl agent is adhered to the inner surface of a mold, and the pearl agent and the bar-shaped cosmetic are integrally formed, whereby the pearl agent is formed on the surface layer portion of the lipstick to exhibit a sufficient pearl feeling. At the same time, it is possible to obtain a lipstick in which the pearl agent is embedded in the surface layer portion of the lipstick and does not cause deterioration of the coating feeling.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, a preferred embodiment (first embodiment) of the method for molding a stick-shaped cosmetic according to the present invention will be described with reference to the drawings.
As shown in FIGS. 1 (a) to 1 (d), the method for forming a lipstick (stick-shaped cosmetic) 10 according to the present embodiment uses a fluid-type lipstick bulk (cosmetic base) 11 for forming a capsule (mold). A) a method of molding the lipstick 10 by filling the inside of the capsule 12 with a pearl agent 2 on the inner surface of the capsule 12 and filling the lipstick bulk 11 into the capsule 12 with the pearl agent 2 attached Then, the method includes a second step of solidifying and a third step of releasing the lipstick 10 in which the pearl agent 2 is embedded in the surface layer of the solidified lipstick bulk 11 from the capsule 12.
Hereinafter, a method of forming the lipstick 10 will be described in detail.
[0012]
In the present embodiment, an ogive capsule molding method using the capsule 12 as a mold material is employed. For this molding method, for example, an automated ogive capsule molding machine is used (not shown). This ogive capsule forming machine is configured such that a holder for holding a plurality of lipstick containers in an inverted state is mounted on a chain conveyor, and the chain conveyor passes through each step of molding.
[0013]
Before performing each molding step, a capsule (Ojibe) 12, a lipstick bulk (lipstick base) 11, a pearl agent 2, and a pearl agent dispersion 4 are prepared as described below.
[0014]
The capsule 12 corresponds to the external shape of the stick of the lipstick 10, and is formed in a substantially pointed arch shape using a resin. As the capsule 12, it is preferable to use a transparent or translucent one from the viewpoint of visually observing whether or not the pearl agent is uniformly attached to the inner surface.
[0015]
The lipstick bulk 11 mainly comprises an oily base and a colorant. The oleaginous base is a mixture of a wax that is solid at room temperature and a liquid oil. It is preferable that the oily base has a fluidity by adjusting the shape of the stick and dissolving at a high temperature (for example, about 80 ° C.) during molding. Examples of waxes include carnauba wax, beeswax, and candelilla wax as natural types, and solid paraffin, microcrystal wax, polyethylene wax, and ceresin as mineral types and synthetic types. Examples of the oils include monoesters such as propyl isostearate and isotridecyl isononanoate, diesters such as neopentyl glycol dicaprate and diisostearyl malate, higher alcohols such as octyldodecanol, heavy liquid paraffin, and isoparaffin. Cholesteryl isostearate, di (cholesteryl octyldodecyl) N-lauroyl-glutamate, sterol derivatives such as phytosteryl isostearate, phytosteryl macadamia nut oil, silicone oils such as dimethylpolysiloxane and methylphenylpolysiloxane, and fluorine such as perfluoropolyether Oils and the like.
[0016]
Colorants are classified into dyes and pigments. The dye is preferably a dye which maintains an attractive appearance and has no color change, and examples thereof include Red No. 201 and the like.
Pigments are further classified into pigment dyes themselves and lakes obtained by insolubilizing a water-soluble or poorly-soluble dye with a metal salt or a precipitant. For example, there are Red No. 202 and Red No. 104 Al lake.
In order to adjust the color tone and brightness of the appearance, inorganic pigments such as titanium dioxide and red iron oxide are used.
[0017]
The pearl agent 2 may be one or a mixture of two or more of those used in general cosmetics. Preferred examples thereof include titanium oxide-coated glass, titanium oxide-coated synthetic phlogopite, and titanium oxide-silica multi-coated mica. And mica coated with titanium oxide, mica coated with iron oxide, and mica coated with iron oxide and titanium oxide.
[0018]
In particular, as the pearl agent 2 used from the viewpoint of sharpening the pearl feeling on the surface of the lipstick 10, titanium oxide-coated glass, titanium oxide-coated synthetic mica, titanium oxide-silica multiple-coated mica, titanium oxide-coated mica, oxidized It is preferable that at least one or more of iron-coated mica and iron oxide / titanium oxide-coated mica be contained in an amount of 20% to 100%.
The particle size of the pearl agent 2 is not particularly limited, but is preferably from 20 μm to 200 μm from the viewpoint of the beauty of the stick appearance. The pearling agent may be used, if necessary, in a surface treatment used for cosmetic powders, for example, methylhydrogenpolysiloxane treatment, α-monoalkoxypolydimethylsiloxane treatment, alkylsilylation treatment, perfluoroalkylphosphoric acid treatment, silica treatment , Metal soap treatment, L-lauroyl lysine treatment and the like.
[0019]
The pearl agent dispersion liquid 4 was prepared by dispersing the pearl agent 2 in a volatile solvent 3 such as ethanol or volatile silicone oil such that the content of the pearl agent 2 was 1.0% by weight to 50.0% by weight. Things.
[0020]
The weight ratio of the lipstick bulk 11 to the pearl agent 2 is not particularly limited, but from the viewpoint of the beauty of the stick appearance, the pearl agent 2 is contained in the lipstick bulk 11 in an amount of 0.05% by weight to 1.0% by weight. It is preferable that
[0021]
Hereinafter, each step of the molding method of the present embodiment will be described.
In the first step, as shown in FIG. 1A, the pearl dispersion 4 is sprayed on the inner surface of the capsule 12 at normal temperature using a spray, and the pearl dispersion 4 is applied to the inner surface of the capsule 12. Apply. Instead of means for applying such a pearl dispersion liquid, for example, a method of once injecting the pearl dispersion liquid 4 into the capsule 12, shaking it several times, and then discarding the remaining pearl dispersion liquid 4 is used. It may be.
[0022]
After that, as shown in FIG. 1B, the capsule 12 is left for a predetermined time, the volatile solvent 3 is vaporized, and the pearl agent 2 is thinly adhered to the inner surface of the capsule 12.
In this case, the thickness of the adhesion of the pearl agent 2 is preferably 0.1 μm to 5.0 μm from the viewpoint of the beauty of the stick appearance.
[0023]
In the second step, as shown in FIG. 1 (c), the capsule 12 is previously attached to the inverted lipstick container 13, and the capsule 12 is exposed to warm air from the viewpoint of preventing the occurrence of pinholes. 12 is pre-heated.
On the other hand, the lipstick bulk 11 is heated to a high temperature (about 80 ° C.) to melt the wax component contained in the lipstick bulk 11 and stir until it becomes uniform.
[0024]
After such a fluid lipstick bulk 11 is depressurized to remove air bubbles, it is placed in the capsule 12 from the bottom of the lipstick container 13 (upper part of FIG. 1C) under the condition shown in FIG. Fill.
Thereafter, from the viewpoint of preventing the occurrence of shrinkage holes, hot air is applied to the bottom of the lipstick container 13 and cool air is applied to the capsule 12 to solidify the lipstick bulk 11.
[0025]
In the third step, from the viewpoint of accelerating the release of the capsule 12, the lipstick container 13 and the entire surface of the capsule 12 are exposed to cold air, and then the solidified lipstick bulk 11 is released from the capsule 12. Thereby, as shown in FIG. 1D, a stick-like lipstick 10 in which the pearl agent 2 is almost uniformly embedded in the surface layer of the lipstick bulk 11 is obtained.
[0026]
As described above, according to the present embodiment, the pearl agent 2 is adhered to the inner surface of the capsule 12, and the pearl agent 2 and the lipstick bulk 11 are integrally formed. Unaffected, the pearl agent 2 is formed on the surface layer of the lipstick 10 to give a sufficient pearly feeling, and the pearl agent 2 is embedded in the surface layer of the lipstick 10 to obtain the lipstick 10 which does not cause deterioration of the coating feel. be able to.
[0027]
Further, according to the present embodiment, since it is sufficient to simply attach the pearl agent 2 to the capsule 12 used for molding the lipstick 10, sufficient pearl feeling and coating feeling can be obtained without changing the molding conditions and the molding apparatus. The combined lipstick 10 can be easily manufactured.
[0028]
Furthermore, according to the present embodiment, since the lipstick bulk 11 is formed in the capsule 12 to which the pearl agent 2 is attached, it is possible to solve the problems of contaminating the lipstick container and damaging the lipstick in the related art.
[0029]
Next, another preferred embodiment (second embodiment) of the method for molding a stick-shaped cosmetic according to the present invention will be described. This embodiment is different from the first embodiment in the first step, and only this point will be described with reference to the drawings.
In the molding method of the lipstick (stick-shaped cosmetic) 10 of the present embodiment, the pearl agent 2 (dry powder) is prepared in addition to the capsule 12 and the lipstick bulk 11 described above before performing each molding step. .
The pearl agent 2 here is the same as the one used in the first embodiment in terms of its components and content, except that it is in a dry powder form.
[0030]
In the first step, as shown in FIG. 2A, the pearl agent 2 is dropped into the capsule 12 at normal temperature. Thereafter, as shown in FIG. 2B, the capsule 12 is shaken well, and the pearl agent 2 is adhered to the entire inner surface of the capsule 12.
In this case, since the capsule 12 is made of resin, static electricity is generated on the surface thereof, and the pearl agent 2 adheres to the inner surface of the capsule 12 due to the static electricity.
[0031]
As shown in FIG. 2 (c), the inverted capsule 12 is gently slammed against a desk surface or the like to give an impact to the capsule 12, and the excess pearl agent 2 is dropped. Adhere to.
Subsequent steps are the same as in the first embodiment, and a description thereof will be omitted.
[0032]
As described above, according to the present embodiment, the pearl agent 2 is adhered to the inner surface of the capsule 12 by static electricity utilizing the properties of the resin, so that the pearl agent dispersion liquid 4 is used as in the first embodiment. The pearl agent 2 can be thinly attached to the inner surface of the capsule 12 without using a wet method.
Other effects are the same as those of the first embodiment.
[0033]
The present invention is not limited to the above-described first and second embodiments, and various changes can be made.
In order to form the lipstick 10 in which the pearl agent 2 is embedded in the surface layer of the lipstick bulk 11, the pearl agent 2 may be adhered to the inner surface of the capsule 12 before filling the lipstick bulk 11. Is not limited to those shown in the first and second embodiments.
[0034]
In addition, by applying masking to the inner surface of the capsule 12 or applying an oily agent or the like that repels the pearl agent dispersion liquid 4, the pearl agent 2 is partially adhered to the surface of the stick of the lipstick 10. Or a predetermined picture pattern, gradation pattern, or the like.
[0035]
Further, in the first embodiment, the resin-made capsule 12 is used as the molding die. However, the present invention is not limited to this, and a mold may be used. However, in view of generating static electricity in the molding die as in the second embodiment, it is preferable to use the resin capsule 12.
[0036]
【Example】
[Example 1]
The pearl agent dispersion liquid 4 in which the pearl agent 2 is dispersed in ethanol is prepared in advance, and the pearl agent dispersion liquid 4 is sprayed and adhered to the inner surface of the capsule 12, and then dried at room temperature, and the pearl agent 2 is encapsulated. 12 (wet adhesion before molding).
On the other hand, the lipstick bulk 11 having the composition shown in Table 1 was heated, and the wax component was melted and stirred until it became uniform.
Thereafter, the fluid lipstick bulk 11 is filled in the capsule 12 to which the pearl agent 2 is attached, and cooled to room temperature to be solidified. The lipstick 10 was obtained by releasing the capsule 11 from the mold.
As the pearl agent 2, a titanium oxide-coated glass (manufactured by Nippon Sheet Glass Co., Ltd., type of Metashine MC1040RR) is used. As the pearl agent dispersion liquid 4, 99.9% by weight of the lipstick bulk 11 and 0. A dispersion having a content of 20% of the pearl agent 2 was used so as to be 1% by weight.
[0037]
[Table 1]
[0038]
[Example 2]
After the pearl agent 2 was adhered to the inner surface of the capsule 12 where static electricity was generated as dry powder, an impact was applied to the capsule 12 to adhere the pearl agent 2 thinly (dry adhesion before molding). Other points are the same as those of the first embodiment, and the description thereof is omitted.
[0039]
[Comparative Example 1]
Without attaching the pearl agent 2 to the capsule 12, the pearl agent 2 was blended with the fluid lipstick bulk 11, and the blending ratio of the lipstick bulk 11 was 90% and the pearl agent 2 was 10%. These blends were mixed with stirring until uniform, and the blends were filled into capsules 12 (blended during molding). Other points are the same as those of the first embodiment, and the description thereof is omitted.
[0040]
[Comparative Example 2]
Except that the compounding ratio of the lipstick bulk 11 and the pearl agent 2 was 80% for the lipstick bulk 11 and 20% for the pearl agent 2, the description is omitted because it is the same as in Comparative Example 1. When blended).
[0041]
[Comparative Example 3]
Except that the compounding ratio of the lipstick bulk 11 and the pearl agent 2 was 70% compounding amount for the lipstick bulk 11 and 30% compounding amount for the pearl agent 2, the description is omitted because it is the same as in Comparative Example 1. When blended).
[0042]
[Comparative Example 4]
A lipstick 10 is formed using the capsule 12 to which the pearl agent 2 is not adhered, and then the pearl agent dispersion liquid 4 is sprayed and adhered to the surface of the stick. Adhered to the surface (wet adhesion after molding).
[0043]
[Comparative Example 5]
After the pearl agent 2 was adhered to the surface of the stick of the lipstick 10 after molding as dry powder, the extra pearl agent 2 was removed by air injection, whereby the pearl agent 2 was adhered to the surface of the stick (after molding). Dry adhesion). The other points are the same as those of the comparative example 4, and the description is omitted.
[0044]
The lipsticks obtained in Examples 1 and 2 and Comparative Examples 1 to 5 were evaluated.
The evaluation criteria were based on the responses of 10 specialized panels, and specifically, "◎: 9 or more out of 10 respondents are good", "O: 7 to 8 out of 10 respondents are good" , “Δ: 4 to 6 out of 10 respondents are good”, and “X: 3 or less out of 10 respondents are good”. Table 2 shows the evaluation results.
[0045]
[Table 2]
[0046]
As is clear from Table 2, when the pearl agent 2 was adhered to the capsule 12 regardless of the wet type or the dry type before molding, all of the pearly feeling, gloss, gloss and application feeling of the stick appearance were extremely good. This is because the pearl agent 2 was embedded in the surface layer of the lipstick 10.
When the pearl agent 2 was blended together with the lipstick bulk 11 at the time of molding, as the amount of the pearl agent 2 increased, the pearly feeling and gloss / gloss of the stick appearance became better, but the coating feeling deteriorated. This is because the more the pearl agent 2 contained in the lipstick 10 is, the more the roughness is increased.
When the pearl agent 2 adheres to the surface of the stick regardless of wet or dry after the molding of the lipstick 10, the pearly feeling of the stick appearance is extremely good, but the gloss / gloss of the stick appearance and the coating feeling are not improved before molding. It was inferior to the case where the pearl agent 2 was attached. This is because the pearl agent 2 adhered to the surface of the lipstick 10 in a granular form.
[0047]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the method of easily shaping | molding the stick-shaped cosmetic which shows sufficient pearl feeling and does not produce the deterioration of the coating feeling resulting from a pearl agent can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1A is a view showing a first step (application of a pearl agent dispersion) of a lipstick molding method according to a first embodiment.
(B): A diagram showing a first step (vaporization of a volatile solvent) of the molding method.
(C) is a view showing a second step (filling of lipstick bulk) of the molding method.
(D): It is a figure which shows the outline of the lipstick obtained by the said molding method.
FIG. 2A is a view showing a first step (input of a pearl agent) of a lipstick according to a second embodiment.
(B): It is a figure which shows the 1st process (adhesion of a pearl agent) of the lipstick of 2nd Embodiment.
(C): It is a figure which shows the 1st process (light adhesion of a pearl agent) of the lipstick of 2nd Embodiment.
[Explanation of symbols]
2 Pearl agent 3 Volatile solvent 4 Pearl agent dispersion 10 Lipstick (stick cosmetic)
11 Lipstick bulk (cosmetic base)
12 capsules
