JP2004193317A - 太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

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隆昭 向井
Meiji Takabayashi
明治 高林
Seiki Itoyama
誠紀 糸山
Hidehisa Makita
英久 牧田
Masaaki Matsushita
正明 松下
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Abstract

【課題】ラミネート装置を用いて加熱圧着する際、加圧部(ダイアフラム)が取り出し電極に追従しきれないため、取り出し電極周辺には空間が形成され、溶融した被覆材が前記空間に流れ出してしまう。流れ出した被覆材の形状は、太陽電池モジュールによってばらつき異なるため、取り出し電極に他の配線材を電気接続する場合、太陽電池モジュールによって電気接続する位置にバラツキが生じる。
【解決手段】取り出し電極を有する光起電力素子を被覆材で封止する封止工程を含む太陽電池モジュールの製造方法であって、封止工程前に、取り出し電極に突起部を形成しておき、封止工程においては、被覆材の端部が光起電力素子の端部と前記突起部との間にくるように被覆材と光起電力素子とを積層し加熱圧着することで、取り出し電極に沿って流れ出す被覆材の存在領域を制限することができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池モジュールの製造方法に係り、特に光起電力素子を樹脂被覆した太陽電池モジュールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
化石燃料の枯渇、二酸化炭素排出による地球温暖化現象の深刻化に伴い、無尽蔵且つクリーンなエネルギーである太陽光を利用する太陽光発電システムに対する注目度が年々増してきている。
【0003】
図1に太陽電池モジュールの従来例を示す。太陽電池モジュールの受光面側には、光起電力素子10の保護を目的とした透光性を有する表面部材11が、非受光面側には、光起電力素子10から太陽電池設置面にリーク電流が発生しないよう、絶縁性を有する裏面部材12がそれぞれ設けられている。
【0004】
また、光起電力素子の受光面及び非受光面には発生した電荷を集める電極13が設けられており、更に前記電極13には電気を外部に取り出すための取り出し電極14が電気接続されている。
【0005】
また、太陽電池モジュールに機械的な強度が不足する場合、裏面部材の非受光面側に補強板を設ける場合もある。
【0006】
表面部材11と光起電力素子10の接着及び裏面部材12と光起電力素子10の接着には、熱可塑性透明有機樹脂からなる充填材15を用い、ラミネート装置により加熱圧着する方法が一般的である。
【0007】
表面部材と裏面部材を光起電力素子に貼り合わせて太陽電池モジュールを製造するためのラミネート装置として、二重真空室式ラミネート装置、一重真空式ラミネート装置等が挙げられる。以下に、二重真空室式ラミネート装置、及び一重真空式ラミネート装置について説明する。
【0008】
一般的な二重真空室方式のラミネート装置を図2に示す。二重真空室方式のラミネート装置は、下方に向かって膨張自在なダイアフラム22を備えた上チャンバ20と、ヒータ盤23を備えた下チャンバ21によって構成されている。二重真空室方式のラミネート装置は、特公平4−65556号公報(特許文献1)の「太陽電池モジュールラミネート装置」、特公平6−52801号公報(特許文献2)の「太陽電池パネルの製造方法」等に開示されている。
【0009】
二重真空室方式のラミネート装置を用いて太陽電池モジュールを作製する手順は、まず下チャンバに設けられたヒータ盤に被ラミネート体24・25を載置した状態で上チャンバと下チャンバを閉じ、上チャンバ及び下チャンバを減圧する。そして、被ラミネート体を加熱して、上チャンバに大気を導入することにより被ラミネート体をヒータ盤23の上面とダイアフラム22との間で挟圧してラミネートする構成になっている。
【0010】
次に一般的な一重真空室方式のラミネート装置を図3に示す。一重真空室方式のラミネート装置は、二重真空室方式のラミネート装置から上チャンバを取り除いたような構造になっている。一重真空室方式のラミネート装置は、特開平9−51114号公報(特許文献3)の「真空ラミネート装置」、特開平9−36405号公報(特許文献4)の「太陽電池モジュール及びその製造方法」等に開示されている。
【0011】
一重真空室方式のラミネート装置を用いて太陽電池モジュールを作製する手順は、最初に基板30に被ラミネート体33・34を載置する。そして、基板全体を覆うようにダイアフラム31をかぶせ、真空ポンプを用いて脱気口32から空気を排出する。脱気している状態でラミネート装置を高温のオーブンに投入することで、被ラミネート体を基板30とダイアフラム31の間で挟圧してラミネートする構成になっている。
【0012】
【特許文献1】
特公平4−65556号公報
【特許文献2】
特公平6−52801号公報
【特許文献3】
特開平9−51114号公報
【特許文献4】
特開平9−36405号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
取り出し電極を有する光起電力素子に従来のラミネート装置を用いて被覆を施した太陽電池モジュールを図4に示す。ラミネート前の被覆材41の形状は長方形であるが、ラミネート後には取り出し電極43周辺で被覆材が流れ出した領域44が形成される。
【0014】
これは、加熱圧着時にラミネート装置の加圧部(ダイアフラム)51が、取り出し電極52に対して完全に追従できていないことが原因である。即ち、ラミネート装置の加圧部が取り出し電極に追従しきれないことで、図5に示すように取り出し電極周辺には空間53が形成され、溶融した被覆材が前記空間に流れ出している。
【0015】
流れ出した被覆材の形状は、太陽電池モジュールによってばらついて異なるため、太陽電池モジュールの取り出し電極に延長のための配線材等を電気接続する場合、流れ出した被覆材が電気接続する箇所に到達する場合があり、太陽電池モジュールによって配線材を電気接続する位置にバラツキが発生するという問題が生じることがあった。このようなバラツキが発生すると、前記太陽電池モジュールと他の配線材の電気接続作業を自動化する場合に、毎回電気接続する位置に合わせて電気接続用工具の位置合わせを行なわなければならないため、自動化装置の複雑化が避けられなくなってしまう。
【0016】
被覆材端部の位置及び形状にバラツキが発生するのを防止するために、電気接続工程の前に流れ出した被覆材を除去するといった方法も可能ではあるが、余計なゴミが発生する、完全な除去は難しい等といった問題がある。
【0017】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、ラミネート時に取り出し電極に沿って流れ出すおそれのある被覆材の存在領域を制限し、常に同じ位置で電気接続作業を行なうことを可能にする太陽電池モジュールの製造方法を提案することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
〔解決手段1〕
取り出し電極を有する光起電力素子を被覆材で封止する封止工程を含む太陽電池モジュールの製造方法であって、
封止工程前に、取り出し電極に突起部を形成しておき、
封止工程においては、被覆材の端部が光起電力素子の端部と前記突起部との間にくるように被覆材と光起電力素子とを積層し加熱圧着することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【0019】
〔解決手段2〕
前記突起部が、軟質材料からなることを特徴とする解決手段1に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【0020】
〔解決手段3〕
前記突起部が、エポキシ系の樹脂、ポリイミド系の樹脂、シリコーン系の樹脂の何れかからなることを特徴とする解決手段2に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【0021】
〔解決手段4〕
前記突起部が、ポッティングにより形成されてなることを特徴とする解決手段1から3のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【0022】
〔解決手段5〕
前記突起部が、前記取り出し電極にテープを巻くことで形成されてなることを特徴とする解決手段2又は3に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【0023】
〔解決手段6〕
前記封止工程において、光起電力素子の表面温度が突起部を形成する材料の軟化点よりも低くなるように、加熱圧着の温度設定をすることを特徴とする解決手段1から5のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【0024】
〔解決手段7〕
前記突起部が、前記取り出し電極をプレス加工することで形成されてなることを特徴とする解決手段1に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【0025】
〔解決手段8〕
前記被覆材が、透明な充填材と、該充填材の外側の最表面に位置する透明な表面フィルムとの少なくとも二層以上で構成されていることを特徴とする解決手段1から7のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【0026】
〔解決手段9〕
前記表面フィルムが、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(TFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂(CTFE)の何れかであることを特徴とする解決手段8に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【0027】
〔解決手段10〕
前記充填材が、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EMAA)の何れかであることを特徴とする解決手段8又は9に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明は、取り出し電極を有する光起電力素子を被覆材で封止する封止工程を含む太陽電池モジュールの製造方法であって、封止工程前に、取り出し電極に突起部を形成しておき、封止工程においては、被覆材の端部が光起電力素子の端部と前記突起部との間にくるように被覆材と光起電力素子とを積層し加熱圧着する。
【0029】
図2〜図5を用いて説明したように、従来の方法では、ラミネート装置の加圧部(ダイアフラム)が取り出し電極に追従しきれないため、取り出し電極周辺部において光起電力素子及び被覆材を積層する設置面と加圧部との間に空間が発生し、その空間が溶融した被覆材の流出経路となっていた。本発明では、封止工程前に外部に電力を取り出すために光起電力素子の電極に電気的に接続された取り出し電極の、外部に延びる延在部に突起部を形成しておくことで、封止工程における加熱圧着時に溶融した被覆材の流出経路となる取り出し電極周辺部の空間の少なくとも一部を塞ぐことができる。
【0030】
よって、被覆材の流れ出しが突起部でせき止められ、取り出し電極に沿って流れ出す被覆材の位置にバラツキが発生するのを抑制できる。その結果、取り出し電極を別の配線材と電気接続する際、常に同じ位置で電気接続作業を行なうことが可能となり、作業を容易に自動化することができる。結果として、電気接続作業の作業効率を向上させ、且つ人件費を削減することができるため、太陽電池モジュールのコストダウンを図ることができる。
【0031】
突起部は、一般的に使用されているラミネート装置により与えられる挟圧力により変形可能な軟質材料であることが好ましい。このような軟質材料で突起部を形成しておくことにより、取り出し電極周辺に形成される空間の形状に応じて突起部も変形し、ほぼ完全に空間を塞ぐことができる。但し、上記挟圧力により被覆材と同様に流れ出してしまうほどに軟質であってはならず、弾性材料であることがより好ましい。このような突起部形成に好ましく用いることができる材料としては、例えばエポキシ系の樹脂、ポリイミド系の樹脂、シリコーン系の樹脂等が挙げられる。
【0032】
上記軟質材料等により突起部を付加的に形成する場合には、ポッティング、テープ巻きといった簡易に突起部を形成することができる方法が好ましい。
【0033】
図8は、ポッティングにより突起部を形成した形態を示す図であり、突起部の平面図(図8(a))及び断面図(図8(b))である。電極80に接続された取り出し電極81に、ポッティングにより突起部82が形成されている。ポッティングによって形成された突起部の断面は図8(b)に示すような形状になり、ラミネート装置の加圧部(ダイアフラム)の追従性が向上する。結果として、加圧部と取り出し電極の間の空間の少なくとも一部が塞がれることになるので、被覆材の流れ出しを防ぐことができるだけでなく、真空度の低下、気泡の発生等をも防ぐことができる。
【0034】
図12は、テープ巻きにより突起部を形成した形態を示す図であり、突起部の平面図(図12(a))及び断面図(図12(b))である。電極110に接続された取り出し電極111に、テープを巻き付けることにより突起部112が形成されている。テープの接着層に上記のような軟質材料を用いることにより、ラミネート装置で加熱圧着する際、加圧部(ダイアフラム)と取り出し電極との間に形成される空間の形状に合わせて突起部も変形し、空間をほぼ完全に塞ぐことができる。
【0035】
なお、突起部が加熱圧着時に軟化し流れ出すと、取り出し電極上の被覆材端部の位置にバラツキが発生してしまうため、被覆材と光起電力素子とを積層し加熱圧着する封止工程において、光起電力素子の表面温度が、突起部を形成する材料の軟化点よりも低いことが好ましい。
【0036】
一方、突起部は、取り出し電極自体をプレス加工することにより形成することもできる。図10は、この形態を示す図であり、取り出し電極の平面図(図10(a))及び断面図(図10(b)、(c))である。取り出し電極93をプレス加工することにより取り出し電極の一部を平板状に変形させ、突起部96を形成している。図10に示すように突起部において断面の厚みは薄くなり、プレス加工前と比較して加圧部(ダイアフラム)の追従性が向上するため、被覆材の流れ出しを抑えることができる。
【0037】
このような本発明の製造方法により製造された太陽電池モジュールの一例を図6に示す。
【0038】
図6に示した太陽電池モジュールは、光起電力素子60の受光面側及び非受光面側が被覆材61で封止された構成になっている。受光面側の被覆材は、表面保護フィルム61a及び充填材61bで、非受光面側の被覆材は充填材61b及び絶縁フィルム61cでそれぞれ構成されている。
【0039】
前記光起電力素子の受光面側及び非受光面側には電極62が設けられており、前記電極には取り出し電極63が電気接続されている。前記取り出し電極の光起電力素子外部に延びる延在部には突起部64が設けられており、光起電力素子を封止している被覆材の端部は、前記突起部よりも光起電力素子側に存在している。
【0040】
以下に、太陽電池モジュール及びそれを構成する構成要件を更に詳しく記載する。
【0041】
(太陽電池モジュール)
本発明において、太陽電池モジュールとは、光起電力素子単体あるいは2枚以上の光起電力素子の直列接続体又は並列接続体、取り出し電極、及び被覆材によって構成されている。
【0042】
本発明の太陽電池モジュールを構成する光起電力素子は、少なくとも基材、光電変換層、透明電極層、裏面反射層、裏面電極層、集電電極、及び取り出し電極を有する。
【0043】
(光電変換層)
光電変換層は光を電気に変える機能を有する。この光電変換層の材料としてはSi、C、Ge等のV族元素、SiGe、SiC等のIV族元素合金、GaAs、InSb、GaP、GaSb、InP、InAs等のIII−V族化合物、ZnSe、CdTe、ZnS、CdS、CdSe等のII−VI族化合物、CuInSe等のI−III−VI族化合物が挙げられるがこれに限られるものではない。
【0044】
光電変換層は、少なくとも一組のpn接合、pin接合、ヘテロ接合あるいはショットキー障壁を形成する。また、光電変換層の好適な形成方法としては、マイクロ波プラズマCVD法、VHFプラズマCVD法、RFプラズマCVD法等の各種化学気相成長法が挙げられる。
【0045】
(透明電極層)
透明電極層は、光を透過する光入射側の電極であると共に、その膜厚を最適化することによって反射防止膜としての役割も果たす。
【0046】
透明電極層は、光電変換層の吸収可能な波長領域において高い透過率を有すること、電気抵抗が低いことが必要とされ、その材料として、In23、SnO2、ITO(In23+SnO2)、ZnO、CdO、Cd2SnO4、TiO2、Ta25、Bi23、MoO3、NaxWO3等の導電性酸化物あるいはこれらを混合したものが好適に用いられる。
【0047】
透明電極層の形成方法として、微量の酸素を含有するスパッタ用ガスによりスパッタ形成する方法が好適に用いられる。
【0048】
(裏面反射層)
裏面反射層は、光電変換層で吸収しきれなかった光を再度光電変換層に反射する光反射層としての機能を有する。
【0049】
裏面反射層の材料としては、Au、Ag、Cu、Al、Ni、Fe、Cr、Mo、W、Ti、Co、Ta、Nb、Zr等の金属又はステンレス等の合金が挙げられるが、中でもAl、Cu、Ag、Au等の反射率の高い金属が特に好ましい。
【0050】
(裏面電極層)
裏面電極層は、光電変換層の非受光面側で発生した電荷を集電する集電電極としての機能を有する。具体的な材料として、Al、Au、Ag、Cu、Ti、Ta、W等の金属が挙げられるがこれに限られるものではない。裏面電極層を形成する方法として、化学気相成長法、スパッタ法等が好適に用いられる。また、裏面電極層として、外部から加えられた力によって各層が破損しないように支持する支持基板としての機能を有する導電性基板が好適に用いられる。導電性基板の具体的な材料としては、Fe、Ni、Cr、Al、Mo、Au、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pb等の金属又はこれらの合金の薄膜およびその複合体が挙げられるがこれに限られるものではない。
【0051】
(基材)
基材は、外部から加えられた機械的な力によって光起電力素子を構成する各層が破損しないように支持する支持基板としての機能を有する。基材の具体的な材料としては、Fe、Ni、Cr、Al、Mo、Au、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pb等の金属又はこれらの合金の薄膜およびその複合体、ガラス等が挙げられるがこれに限られるものではない。
【0052】
(電極)
電極は、光起電力素子の光電変換層の受光面側及び非受光面側で発生した電荷を取り出す機能を有する。この電極は光起電力素子の透明電極層の受光面、及び裏面電極層又は基材の非受光面と電気的に接続されている。その接続方法として、銀ペースト、導電性テープ、スポット溶接、半田などが挙げられる。
【0053】
前記電極は、光起電力素子上に配置されるため、光起電力素子を封止する被覆材の厚みを薄くするためにはできるだけ薄い箔体であることが好ましい。具体的な材料としては、銅箔、すずメッキ銅箔、銀メッキ銅箔、ニッケルメッキ銅箔などが挙げられる。また、銅箔としては、無酸素銅、タフピッチ銅、りん脱酸銅のいずれかからなり、厚みが0.1mm以上0.3mm以下であるものが好適である。
【0054】
(取り出し電極)
取り出し電極は、光起電力素子で発生した電力を太陽電池モジュールの外部に取り出すための配線材であり、前記光起電力素子に設けた電極をそのまま使用することもできる。しかし、電極が箔体である場合、機械的強度が弱く断線する可能性があるため、線状の金属体を前記電極に電気接続するのが一般的である。その接続方法として銀ペースト、半田、スポット溶接等が好適に用いられる。また、取り出し電極の具体的な材料としては、絶縁被覆されていない裸の単線が好適に用いられるがこれに限定されるものではない。
【0055】
(被覆材)
被覆材は、光起電力素子を砂利等の飛来により受ける衝撃、温湿度の変化、酸性雨等の外部環境から守り、且つ光起電力素子から外部にリーク電流が発生するのを抑制する機能を有する。従って、被覆材には耐候性、耐熱性、耐衝撃性、耐絶縁性等が要求される。
【0056】
好ましくは、被覆材が、透明な充填材と前記充填材の外側の最表面に位置する透明な表面フィルムとの少なくとも二層以上で構成され、前記表面フィルムが、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(TFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂(CTFE)の何れかであること、前記充填材が、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EMAA)の何れかであることであるが、このような材料を単層で設けても構わない。
【0057】
また、樹脂の耐候性を高めるために、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤を添加してもよい。
【0058】
〔実施例1〕
本実施例の太陽電池モジュールを図7に示す。
【0059】
本例の太陽電池モジュールを構成する光起電力素子70は受光面側より、樹脂層71、透明電極層72、光電変換層73、裏面反射層74、裏面電極層75という構成になっており、樹脂層はアクリルウレタン系の樹脂、透明電極層はITO、光電変換層はP−I−N型の非晶質シリコン、裏面反射層はZnO及びAl、裏面電極層はステンレスによってそれぞれ構成されている。また、透明電極層の受光面には銀メッキ銅箔からなる電極76a、裏面電極層の非受光面には銅箔からなる電極76bが設けられている。
【0060】
前記太陽電池モジュールは、光起電力素子を二枚直列接続した直列接続体を有しており、前記直列接続体の電極には取り出し電極77が電気接続されている。ここで、前記取り出し電極は、絶縁被覆されていないφ0.8mm、長さ45mmの銅線からなり、電極に半田で電気接続されている。
【0061】
前記取り出し電極は、電極端部から光起電力素子外部に向かって35mm突出しており、電極端部から10mm離れた位置に突起部78が設けられている。前記突起部は弾性を有するシリコーン樹脂からなる。
【0062】
以下に本例の太陽電池モジュールの製造方法を説明する。
【0063】
まず、二枚の光起電力素子を直列接続し直列接続体を形成する作業を行なう。光起電力素子間には5mmの間隔を設け、半田を用いて一方の光起電力素子の正極電極を他方の光起電力素子の負極電極に電気接続する。直列接続体を形成する作業と同時に、電極に取り出し電極を電気接続する作業を行なう。その際、半田を用いて電気接続する。
【0064】
次に、取り出し電極に突起部を設ける作業を行なう。前記突起部は、シリコーン樹脂を用いて、ポッティングによって形成する。取り出し電極が設けられた光起電力素子の直列接続体を、テフロン(登録商標)を含浸させたガラスクロスシート上に配置し、取り出し電極の先端から25mmの位置にポッティングを行なう。ポッティングによって形成された突起部は図8に示すような形状になり、加圧部(ダイアフラム)の追従性が向上する。結果として、加圧部と取り出し電極の間の空間の少なくとも一部が塞がれることになるので、被覆材の流れ出し、真空度の低下、気泡の発生等を防ぐことができる。
【0065】
前記シリコーン樹脂は常温で硬化することが可能であるが、作業時間を短縮するため本例では80℃に保たれたオーブン内で硬化させる。
【0066】
その後、二重真空室方式のラミネート装置に直列接続体及び被覆材79を積層する作業を行なう。光起電力素子の非受光面側には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及びポリエチレンテレフタレート(PET)からなるEVA/PET/EVAフィルム79bが、受光面側には四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)からなるETFE/EVAフィルム79aを配する。その際、前記被覆材79の端部が、光起電力素子70の端部と突起部77との間にくるように配する。
【0067】
最後に、直列接続体及び被覆材を二重真空室方式のラミネート装置により加熱圧着して冷却すれば完成となる。
【0068】
〔実施例2〕
本例の太陽電池モジュールの製造方法について以下に説明する。なお、ここに特記しない点に関しては、実施例1と同様である。本例の太陽電池モジュールに設けられた取り出し電極の平面図及び断面図を図12に示す。
【0069】
本例では、取り出し電極111にテープを3回巻くことで突起部112を形成する。前記テープは、基材がポリイミドからなり、接着層にシリコーン接着剤を有する。前記テープの接着層は弾性を有しているため、ラミネート装置で加熱圧着する際、加圧部(ダイアフラム)と取り出し電極との間に形成される空間の形状に合わせて前期突起部も変形し、前記空間をほぼ完全に塞ぐことができる。
【0070】
〔実施例3〕
本例の太陽電池モジュールの製造方法について以下に説明する。なお、ここに特記しない点に関しては、実施例1と同様である。本実施例に係わる太陽電池モジュールを図9に、取り出し電極を図10に、本例の太陽電池モジュールを用いて形成された太陽電池モジュールアレイの電気結線図を図11に示す。
【0071】
本例の太陽電池モジュールの製造方法は、最初にφ0.8mm、長さ45mmの銀メッキ銅線からなる取り出し電極93に突起部96を形成する作業を行なう。前記突起部は、取り出し電極の端部から20mmの位置にプレス加工を施すことで、取り出し電極の一部を平板状に変形させて形成される。図10に示すように前記突起部において断面の厚みは薄くなり、プレス加工前と比較して加圧部(ダイアフラム)の追従性が向上するため、被覆材の流れ出しを抑えることができる。
【0072】
次に、光起電力素子90を2枚直列接続して直列接続体を形成する作業、前記直列接続体の正極側の電極及び負極側の電極92に突起部を有する取り出し電極93を電気接続する作業を同時に行なう。取り出し電極を電気接続する際、突起部が電極の端部から10mm外側にくるように配置する。
【0073】
その後、被覆材91の端部が、光起電力素子の端部と突起部との間にくるように、二重真空室方式のラミネート装置に直列接続体及び被覆材を積層し、直列接続体及び被覆材を加熱圧着する作業を行なう。
【0074】
最後に、極性が同じ2本の取り出し電極に、絶縁被覆されていないφ1.6mmの銅線をコの字に折り曲げて形成されたコの字電極95をリングスリーブ94により電気接続する作業を行なう。前記コの字電極は、直列接続体の端辺より3mm程度外側にくるように電気接続する。前記コの字電極103は、図11に示すような太陽電池モジュールアレイ形成時に、太陽電池モジュール100とバイパスダイオード105とを電気的に接続するバイパス電線として利用される。
【0075】
一部の太陽電池モジュールに影がかかると、太陽光が当たらず未発電状態の太陽電池モジュールに、前記未発電状態の太陽電池モジュールと直列に電気接続されている発電状態の太陽電池モジュールから逆バイアス電圧が印加され、太陽電池モジュールが破損する可能性が高い。しかし、太陽電池モジュールと並列にバイパスダイオードを設けることで、バイパス電流が光起電力素子内部をあまり通らず、その大部分がコの字電極を通りバイパスダイオードに流れ、その結果、未発電状態の太陽電池モジュールに逆バイアス電圧が印加され未発電状態の太陽電池モジュールが破損するのを防止することができる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、取り出し電極を有する光起電力素子を被覆材で封止する封止工程を含む太陽電池モジュールの製造方法であって、封止工程前に、取り出し電極に突起部を形成しておき、封止工程においては、被覆材の端部が光起電力素子の端部と前記突起部との間にくるように被覆材と光起電力素子とを積層し加熱圧着することで、封止工程の加熱圧着時に取り出し電極に沿って流れ出す被覆材の存在領域を制限し、常に同じ位置で電気接続作業を行なうことを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の太陽電池モジュールを示す図である。(a)は平面図である。(b)は断面図である。
【図2】従来の二重真空室式ラミネート装置を示す断面図である。
【図3】従来の一重真空室式ラミネート装置を示す断面図である。
【図4】従来の太陽電池モジュールを示す平面図である。
【図5】本発明が解決しようとしている課題点を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態例を示す太陽電池モジュールの図である。(a)は平面図である。(b)は断面図である。
【図7】本発明の実施例1を示す太陽電池モジュールの図である。(a)は平面図である。(b)は断面図である。(c)は部分拡大図である。
【図8】本発明の実施例1を示す突起部の図である。(a)は平面図である。(b)は断面図である。
【図9】本発明の実施例3を示す太陽電池モジュールの平面図である。
【図10】本発明の実施例3を示す取り出し電極の図である。(a)は平面図である。(b)、(c)は断面図である。
【図11】本発明の実施例3を示す太陽電池モジュールアレイの電気結線図である。(a)は全体構成図である。(b)は部分拡大図である。
【図12】本発明の実施例2を示す突起部の図である。(a)は平面図である。(b)は断面図である。
【符号の説明】
100 太陽電池モジュール
10、40、60、70、90、102 光起電力素子
11、12、15、41、61、79、91、101 被覆材
13、42、62、76、80、92、110 電極
14、43、52、63、77、81、93、104、111 取り出し電極
20 上チャンバ
21 下チャンバ
22、31、51 ダイアフラム
23 ヒータ盤
24、25、33、34 被ラミネート体
30、50 基板
32 脱気口
44 被覆材の流れ出し
53 空間
64、78、82、96、112 突起部
71 樹脂層
72 透明電極層
73 光電変換層
74 裏面反射層
75 裏面電極層
94 リングスリーブ
95、103 コの字電極
105 バイパスダイオード

Claims (1)

  1. 取り出し電極を有する光起電力素子を被覆材で封止する封止工程を含む太陽電池モジュールの製造方法であって、
    封止工程前に、取り出し電極に突起部を形成しておき、
    封止工程においては、被覆材の端部が光起電力素子の端部と前記突起部との間にくるように被覆材と光起電力素子とを積層し加熱圧着することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
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