JP2004191297A - マスク検査方法および検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より短時間で致命的な欠陥を検出でき、マスク検査のスループットを向上させることができるマスク検査方法および検査装置を提供する。
【解決手段】薄膜に所定のパターンで光または荷電粒子線の透過部が形成され、パターンの露光対象物への転写に用いられるマスクの検査方法であって、マスクを複数の領域に分割する工程と、領域内での欠陥発生確率に基づき、領域に検査重要度を設定する工程であって、欠陥発生確率が高い領域ほど検査重要度を高く設定する工程と、検査重要度が高い少なくとも一部の領域に対して、配置順に関係なく優先的に検査を行う工程と、除去できない欠陥が検出された時点で、マスクを不良と判定して検査を終了する工程とを有するマスク検査方法と、そのための検査装置。
【選択図】 図1
【解決手段】薄膜に所定のパターンで光または荷電粒子線の透過部が形成され、パターンの露光対象物への転写に用いられるマスクの検査方法であって、マスクを複数の領域に分割する工程と、領域内での欠陥発生確率に基づき、領域に検査重要度を設定する工程であって、欠陥発生確率が高い領域ほど検査重要度を高く設定する工程と、検査重要度が高い少なくとも一部の領域に対して、配置順に関係なく優先的に検査を行う工程と、除去できない欠陥が検出された時点で、マスクを不良と判定して検査を終了する工程とを有するマスク検査方法と、そのための検査装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リソグラフィ用マスクの検査方法と検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光リソグラフィ用のフォトマスクに対して行われてきた欠陥検査では、可視光や紫外光による顕微鏡像や、透過光および/または反射光強度が用いられてきた。マスク検査の装置や方法論は日々進化しつつも、ある程度完成された技術として半導体製造の現場で用いられている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−40485号公報
【非特許文献1】
Handbook of Microlithography, Micromachining, and Microfabrication, Volume 1: Microlithography, Edited by P. Rai-Choudhury [SPIE OpticalEngineering Press, Washington, 1997]
【非特許文献2】
H. C. Pfeiffer, Jpn. J. Appl. Phys. 34, 6658 [1995]
【非特許文献3】
L. R. Harriott, J. Vac. Sci. Technol B 15, 2130 [1997]
【非特許文献4】
D. T. Attwood, Soft X-rays and Ultraviolet Radiation [Cambridge University Press, Cambridge, 1999]
【非特許文献5】
S. Y. Chou et al., Nature 417, 835 (2002)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、デバイス回路パターンの微細化に伴い、フォトマスク上で検出すべき欠陥や異物のサイズも小さくなっている。したがって、マスク検査に要する時間とコストは大幅に増大する傾向にある。事実、増加し続けるマスク製造時間および/または費用のかなりの部分を欠陥検査が占めているといっても過言ではない。従来のマスク検査では、マスク全面を逐次的に検査し、露光に影響を与える欠陥を全て検出する。したがって、マスク製造の所要時間およびコストの増大は、不可避的な問題と言える。
【0005】
また、光リソグラフィの解像限界を打破するために開発されている次世代リソグラフィ(NGL)用のマスクでは、欠陥検査に対する要求がさらに厳しくなる。設計ルール70nm世代以降のマスクにとって致命的なサイズの欠陥または異物を検出するには、上記のような光を用いる従来の検査技術だけでなく、電子線を用いる検査技術および装置が必要となる場合もある。
【0006】
電子線を用いる検査装置は電子顕微鏡を応用したものであり、電子線をマスクに照射し、マスクからの反射電子またはマスクの透過電子を信号として検出する。しかしながら、電子線による検査装置は、光による検査装置にも増してスループットが低いという問題がある。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、したがって本発明は、より短時間で致命的な欠陥を検出できるマスク検査方法を提供することを目的とする。また、本発明は、マスク検査のスループットを向上させることができる検査装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のマスク検査方法は、薄膜と、前記薄膜に所定のパターンで形成された光または荷電粒子線の透過部とを有し、前記光または荷電粒子線の照射によって前記パターンが露光対象物に転写されるマスクの欠陥を検出するマスク検査方法であって、前記マスクを複数の領域に分割する工程と、前記領域内での欠陥発生確率に基づき、前記領域のそれぞれに検査重要度を設定する工程であって、前記欠陥発生確率が高い領域ほど、前記検査重要度を高く設定する工程と、前記複数の領域のうち、前記検査重要度が高い少なくとも一部の領域に対して、前記領域の配置順に関係なく、他の領域よりも優先的に検査を行う工程と、除去できない欠陥が検出された時点で、前記マスクを不良と判定して検査を終了する工程とを有することを特徴とする。
【0009】
前記検査重要度が高い少なくとも一部の領域に対して、優先的に検査を行う工程においては、全ての前記領域に対して、前記検査重要度の高い順に検査を行っても、あるいは、一部の優先的に検査を行う領域のみ、重要度が高い順に検査を行い、残りの領域については検査重要度の順に関係なく検査を行っても、いずれでもよい。
【0010】
あるいは、上記の目的を達成するため、本発明のマスク検査方法は、薄膜と、前記薄膜に所定のパターンで形成された光または荷電粒子線の透過部とを有し、前記光または荷電粒子線の照射によって前記パターンが露光対象物に転写されるマスクの欠陥を検出するマスク検査方法であって、前記マスクを複数の領域に分割する工程と、前記領域内での欠陥発生確率に基づき、前記領域のそれぞれに検査重要度を設定する工程であって、前記欠陥発生確率が高い領域ほど、前記検査重要度を高く設定する工程と、前記検査重要度が相対的に高い領域では、前記検査重要度が相対的に低い領域に比較して、欠陥の判断基準がより厳しくなるように各領域に検査を行う工程と、除去できない欠陥が検出された時点で、前記マスクを不良と判定して検査を終了する工程とを有することを特徴とする。
【0011】
これにより、マスク上で修正または除去できない致命的な欠陥を検出するまでの時間を短縮することができる。したがって、マスク検査のスループットを向上させることができる。これにより、マスク製造の全工程の所要時間を短縮することもできる。また、例えば検査装置の台数や稼動時間を削減することも可能であり、マスク製造のコストを低減することもできる。
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明の検査装置は、薄膜と、前記薄膜に所定のパターンで形成された光または荷電粒子線の透過部とを有し、前記光または荷電粒子線の照射によって前記パターンが露光対象物に転写されるマスクの欠陥を検出する検査装置であって、前記マスクを保持するマスク保持手段であって、前記マスク上で欠陥発生確率が高いと予想される領域に対して、前記領域の位置に関係なく、他の領域よりも優先的に検査が行われるように駆動される前記マスク保持手段を有することを特徴とする。
【0013】
あるいは、上記の目的を達成するため、本発明の検査装置は、薄膜と、前記薄膜に所定のパターンで形成された光または荷電粒子線の透過部とを有し、前記光または荷電粒子線の照射によって前記パターンが露光対象物に転写されるマスクの欠陥を検出する検査装置であって、欠陥の判断基準を設定する検査感度設定手段であって、前記マスク上の位置に応じて前記判断基準を変更でき、欠陥発生確率が高いと予想される領域に対して、より厳しい判断基準を設定できる前記検査感度設定手段を有することを特徴とする。
【0014】
これにより、欠陥発生確率の高い領域に優先的に検査を行うことが可能となり、マスク上で致命的な欠陥が検出されるまでの時間を短縮できる。したがって、マスク検査のスループットを向上させることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のマスク検査方法および検査装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。マスクの欠陥・異物検査において、従来は一定の検査感度でマスク全面が逐一検査されていた。それに対し、本実施形態の検査方法では、マスクをある単位領域ごとに分割して複数の検査領域(以下、領域とする。)を形成し、致命的な欠陥が生じる確率が高いと予想される領域を優先的に検査する。
【0016】
ここで、致命的な欠陥とは修正が不可能または困難な欠陥を指し、このような欠陥が生じる確率は理論的あるいは実験的に予測できる。マスクで致命的な欠陥が検出された場合、そのマスクは再作製される。本実施形態のマスク検査方法によれば、致命的欠陥を検出し、マスクの再作製を決断するまでの時間を短縮できる。
【0017】
検査感度とは定性的には、どの位の大きさのパターン形状異常を欠陥と判断するかの基準を指す。検査感度を高くすることは、より厳しい基準でパターン形状異常を欠陥と判断することに対応する。実際の欠陥検査装置においては、複数の入力パラメーターによりユーザーが検査感度を指定できる。
【0018】
検査感度が高すぎると、ウェハーへのパターン転写上問題のない部位も欠陥として検出されてしまう。これは、一般に擬似欠陥と呼ばれる。擬似欠陥は、検査のスループットが落ち、欠陥/擬似欠陥の判別・検証作業に時間がかかるという問題を引き起こすため、適切な検査感度を設定することが重要である。
【0019】
従来の欠陥検査の多くは、マスクの全面を逐次検査しなければならないという旧来のパラダイムに基づいている。それに対し、本実施形態のマスク検査方法は、マスク上の各領域には欠陥検査の観点から見た重要度(以下、検査重要度とする。)に差異があり、その差異に基づいて検査経路や検査感度を可変にすることが合理的であるという新しいパラダイムに基づいている。
【0020】
本実施形態のマスク検査方法は、従来のフォトマスクだけでなく、次世代リソグラフィ(NGL;new generation lithography)と呼ばれる様々な方法に用いられるマスクにも適用可能である。また、本実施形態のマスク検査方法は、様々なマスク検査装置に適用可能である。
【0021】
マスク上の各領域における検査重要度は、その領域に含まれるパターンの性質に依存する。したがって、検査対象となるマスクの構造的、材料学的あるいは物理的性質を検討することにより、マスク上の各領域に検査重要度を設定するための基準が得られる。以下、マスク上の各領域に検査重要度を設定するための基準を、単に検査重要度の基準と呼ぶ。マスクの構造的性質といった各種の性質は、理論的または実験的に検討しても、あるいはそれらの両方で検討してもよい。本発明には、パターンの性質から検査重要度の基準を抽出する方法も含まれる。
【0022】
以下、致命的な欠陥および異物を発見するに至る時間を短縮するための手法を具体的に示す。実施形態1から3は、各領域に既に検査重要度が設定されたマスクに対して検査を行う方法を示す。実施形態1から3では検査方法を一般化して説明しているため、これらの方法はマスクの種類によらず適用可能である。
一方、実施形態4から6では、検査重要度の基準を決定する方法を説明する。
【0023】
(実施形態1)
本実施形態では、マスクをある単位領域ごとに複数の領域に分割し、これらの領域に対して、欠陥発生確率が高い順に検査を行う。図1に、本実施形態のマスク検査方法のフローチャートを示す。図1を参照して、本実施形態のマスク検査方法の概略を説明する。
【0024】
ステップ1(ST1)
マスクをある単位領域ごとにk個の領域に分割する。単位領域の大きさは、例えば欠陥検査装置が一度に画像データを取得できる範囲としてもよいが、それより大きな領域でも構わない。例えば、矩形の領域がマトリクス状に配置されるようにマスクを分割することができるが、単位領域の形状や、領域の配置は特に限定されない。分割された領域の配置は、ライン状の配置や他の配置であってもよい。
【0025】
ステップ2(ST2)
予め決定された検査重要度の基準を参照して、各領域に検査重要度を設定する。この工程の詳細は後述する。
ステップ3(ST3)
各領域に検査重要度の高い順に順位(n=1,2,・・・k)をつける。
【0026】
ステップ4(ST4)
検査重要度がn番目に高い領域を検査する。
ステップ5(ST5)
ステップ4で、致命的な欠陥および/または異物が検出された場合は、マスクを不良と判定して破棄し、同じマスクを再作製する。
【0027】
ステップ6(ST6)
ステップ4で、修正や洗浄によって除去できる欠陥および/または異物が検出された場合は、マスクを修正および/または洗浄工程に戻す。マスクの修正方法としては、例えば集束イオンビームを用いたエッチングやカーボン膜の堆積が挙げられる。なお、除去可能な欠陥の数がある一定値よりも大きい場合には、マスクを破棄するという選択もありえる。
【0028】
ステップ7(ST7)
ステップ4で致命的な欠陥および/または異物が検出されず、n<kであれば、n=n+1を代入し、ステップ4以降を繰り返す。ステップ4で致命的な欠陥および/または異物が検出されず、n=kであれば、マスクを合格と判定し、マスク検査を終了する。
【0029】
次に、上記のステップ2について、図2を参照して説明する。図2に示すように、ステップ2ではマスクのGDS−IIデータ1がシミュレータ2に入力される。GDS−IIデータは、米国カルマ社が提案したマスクパターンデータの標準的な表現形式で表された、パターンの設計データを指す。シミュレータ2はソフトウェアを含む演算装置とする。
【0030】
シミュレータ2は、予め作成された欠陥データベース3を参照して、各領域の欠陥発生確率4を算出する。欠陥データベース3には、欠陥の分類(種類)や発生確率とパターンの特徴との関係などが登録されている。シミュレータ2で算出された欠陥発生確率4の高い順に、ステップ3で各領域に検査重要度の順位がつけられる。
【0031】
上記の本実施形態のマスク検査方法によれば、領域の配置順に関係なく、検査重要度の順に検査が行われる。例えば、図3(a)に示すように、マスクに領域が9個あると仮定し(k=9)、これらの領域を欠陥発生確率が高いほど数字が大きくなるように、1から9の数字で表す。すなわち、領域9の欠陥発生確率が最も高く、領域1の欠陥発生確率が最も低い。このとき、図3(b)に示すように、領域9、8、7、6、5、4、3、2、1という順で検査を行う。これにより、マスク上の致命的欠陥を短時間で効率良く発見でき、検査工程のスループット向上につながる。
【0032】
以下、本実施形態が適用可能なマスクおよび欠陥検査装置の種類を例示する。
本実施形態のマスク検査方法が適用可能なマスクとしては、第1に、フォトリソグラフィに用いられるフォトマスクや位相シフトマスクが挙げられる。フォトマスクは、例えばガラス基板上にクロムのような金属でパターンが形成されたものである。また、その基本構造から派生した様々な位相シフトマスクが知られている。これらは例えば非特許文献1に示されている。
【0033】
第2に、電子線またはイオンビーム転写リソグラフィ(EPL/IPL)に用いられるステンシルマスク、あるいは散乱メンブレンマスクが挙げられる。ステンシルマスクは、薄膜(メンブレン)に開口部が形成された構造を有し、例えば非特許文献2に示されている。また、散乱メンブレンマスクは、薄膜(メンブレン)上に荷電粒子線の散乱体が形成された構造を有し、例えば非特許文献3に示されている。
【0034】
第3に、X線リソグラフィ(PXL)に用いられる散乱メンブレンマスクが挙げられる。このマスクは、例えば前述した非特許文献1の第3章に示されている。
第4に、極紫外リソグラフィ(EUVL)に用いられる反射マスクが挙げられる。このマスクは、例えば非特許文献4に示されている。
第5に、ナノインプリントリソグラフィ(NIL)に用いられるモールドが挙げられる。このモールドは、例えば非特許文献5に示されている。
【0035】
上記のようなマスクで発生し、本実施形態のマスク検査方法および検査装置で検出される欠陥の分類について、図4を参照して説明する。図4は、ガラス基板(または石英基板)11上に遮光膜としてクロム膜12が形成されたフォトマスクの例を示す。
【0036】
図4に示すように、不要な部分にクロム膜12が形成された欠陥としては、パターンの突起13、ピンドット14、あるいはパターン間の接触15が挙げられる。また、必要なクロム膜12が形成されていない欠陥としては、ピンホール16、断線17、欠け18が挙げられる。上記以外にミスサイズ19、脱落20、位置不良21、エッジ不良22、ゴミ・汚れ23といった欠陥が検出される。
【0037】
次に、検査方式について説明する。マスクの検査方式にはマスクに形成されたパターン同士を比較する方式と、マスク上のパターンを設計データと比較する方式がある。前者には、2枚のマスク同士を比較する検査と、隣接するチップを比較するdie-to-die(D2D)検査がある。後者は、die-to-database(D2DB)検査と呼ばれる。
【0038】
図5に示すように、D2D検査では、チップAに形成されたパターンの画像aとチップBに形成されたパターンの画像bを対比して、パターンが異なる部分を欠陥として検出する。一方、D2DB検査では、検査装置31に予め設計データ(または描画データ)を登録する。設計データに基づく画像cを参照画像として、検査画像であるマスクパターンの画像aや画像bと対比する。
【0039】
D2D検査は検査感度が高い、スループットが高い、擬似欠陥が少ない、マスクデータから検査データへの変換が不要という利点がある。一方、D2DB検査には、複数個のチップを含まないマスクにも適用可能、チップ間に共通な欠陥の検出が可能、光近接効果補正(OPC;optical proximity correction)用データ処理時のミスも検出可能という利点がある。現在では、D2DB検査がフォトマスク検査の主流になっているが、本実施形態のマスク検査方法または検査装置は、いずれの方式にも適用可能である。
【0040】
次に、検査装置について説明する。上記の第1で挙げたフォトマスクおよび位相シフトマスクの検査装置に関しては、例えば、散乱光により欠陥や異物を検出するタイプ(例えば、KLA-Tencor社製Surfscan)や、反射光と透過光の組み合わせを用いるタイプ(例えば、KLA-Tencor社製TeraStarなど、いわゆるSTARlight(登録商標)検査と呼ばれるもの)が挙げられる。
【0041】
フォトマスクに光を照射すると、遮光膜が形成されている部分で散乱光が発生する。したがって、遮光膜以外の部分で散乱光が検出された場合や、散乱光が検出されるべき部分で散乱光が検出されなかった場合は、欠陥や異物の存在が確認される。散乱光を検出するタイプの検査装置は、装置構成が比較的単純であるという利点を有する。
【0042】
反射光と透過光の組み合わせにより欠陥や異物を検出する原理を、図6に示す。図6に示すように、光透過性基板41上に遮光膜42が形成されたフォトマスクに光を照射したときの反射光強度をR、透過光強度をTとする。図6(a)に示すように、異物がない場合は、反射光強度Rと透過光強度Tが遮光膜42部分とそれ以外の部分で反転し、反射光強度Rと透過光強度Tの合計は遮光膜42部分とそれ以外の部分で一定である。
【0043】
図6(b)に示すように、光透過性基板41上に例えば異物43が存在した場合、反射光強度Rが高くなり、透過光強度Tが低くなる。これにより、反射光強度Rと透過光強度Tの合計は、異物43の部分で局所的に小さくなり、異物43を検出できる。
【0044】
上記のタイプ以外に、紫外光による顕微鏡像を用いるタイプ(例えば、KLA-Tencor社製SL3UV)や、走査型電子顕微鏡を用いるタイプ(例えば、KLA-Tencor社製eS20)などもあり、本実施形態の検査装置のタイプは限定されない。
【0045】
上記の第2から第5で挙げたマスクは、まだ大量生産には用いられていないNGLマスクのため、欠陥検査方法も研究段階であるが、上記の各フォトマスク用検査装置を基本としているものが多い。但し、上記の第2で挙げたステンシルマスクについては、マスクの透過電子を用いる装置も開示されている(例えば、特許文献1参照)。本実施形態はNGL用マスクの検査装置にも適用可能である。
【0046】
(実施形態2)
本実施形態では、実施形態1と同様に、マスクをある単位領域ごとに複数の領域に分割し、欠陥発生確率の高い上位いくつかの領域(これを優先領域とする。)を優先的に検査する。その後、残りの領域(これを非優先領域とする。)を逐次検査する。
【0047】
優先領域については、領域の配置に関係なく、欠陥発生確率の高い順に検査を行う。一方、残りの領域については、領域の配置順に逐次検査を行う。図7および図8に、本実施形態のマスク検査方法のフローチャートを示す。図8は図7に続くフローを示す。図7および図8を参照して、本実施形態のマスク検査方法の概略を説明する。
【0048】
ステップ1(ST1)
マスクをある単位領域ごとにk個の領域に分割する。単位領域の大きさや形状、あるいは領域の配置などは、実施形態1と同様に適宜決定できる。
ステップ2(ST2)
予め決定された検査重要度の基準を参照して、各領域に検査重要度を設定する。この工程は、実施形態1と同様に行うことができる(図2参照)。
【0049】
ステップ3(ST3)
k個の領域を、検査重要度が相対的に高いj個の優先領域と、検査重要度が相対的に低いk−j個の非優先領域の2つのグループに分ける。jが0の場合、本実施形態と従来の検査方法に差異がなくなる。また、jがk−1またはkの場合、実施形態1と実施形態2に差異がなくなる。したがって、1≦j≦k−2とする。
【0050】
具体的なjの値を決定する際には、検査重要度が高い領域での欠陥発生確率や、検査重要度が高い(または低い)領域のマスク上での分布などを考慮する。jの値を変化させることにより、マスク検査の所要時間が変化するため、マスク検査の所要時間がより短くなるようにjの値を適宜決定する。
【0051】
ステップ4(ST4)
検査重要度が相対的に高いj個の領域(優先領域)に、検査重要度の高い順に順位(n=1,・・・j)をつける。
ステップ5(ST5)
検査重要度がn番目に高い領域を検査する。
ステップ6(ST6)
ステップ5で、致命的な欠陥および/または異物が検出された場合は、マスクを不良と判定して破棄し、同じマスクを再作製する。
【0052】
ステップ7(ST7)
ステップ5で、修正や洗浄によって除去できる欠陥および/または異物が検出された場合は、マスクを修正および/または洗浄工程に戻す。なお、実施形態1と同様に、除去可能な欠陥の数がある一定値よりも大きい場合には、マスクを破棄するという選択もありえる。
【0053】
ステップ8(ST8)
ステップ5で致命的な欠陥および/または異物が検出されず、n<jであれば、n=n+1を代入し、ステップ5以降を繰り返す。
ステップ9(ST9)
ステップ5で致命的な欠陥および/または異物が検出されず、n=jであれば、検査重要度が相対的に低いk−j個の領域(非優先領域)を配置順に逐次検査する。
ステップ10(ST10)
ステップ9で、致命的な欠陥および/または異物が検出された場合は、マスクを不良と判定して破棄し、同じマスクを再作製する。
【0054】
ステップ11(ST11)
ステップ9で、修正や洗浄によって除去できる欠陥および/または異物が検出された場合は、マスクを修正および/または洗浄工程に戻す。なお、実施形態1と同様に、除去可能な欠陥の数がある一定値よりも大きい場合には、マスクを破棄するという選択もありえる。ステップ9で致命的な欠陥および/または異物が検出されず、k−j個の非優先領域の検査が終了した場合、マスクを合格と判定し、マスク検査を終了する。
【0055】
上記の本実施形態のマスク検査方法を、実施形態1と同様に図3(a)の具体例を用いて説明する。ここでは例えばj=3として、9個の領域を2つのグループに分ける。したがって、9個の領域は3個の優先領域9、8、7とそれ以外の6個の非優先領域にグループ分けされる。
【0056】
まず、図9に示すように、検査重要度の高い3個の領域を、領域9、8、7の順に検査する。この過程で致命的欠陥が検出されれば、マスクは破棄される。これらの領域で致命的欠陥が検出されない場合、残りの非優先領域を欠陥発生確率に関係なく配置順に逐次検査する。既に検査された優先領域では検査を行わない。例えば、図9の左下端から領域4、5、1の順に検査を行い、続いて、中央の列で領域6、2の順に検査を行う。その後、右の列で領域3の検査を行う。
【0057】
マスク上の検査位置が領域間で移動する距離が大きいと、検査位置の移動に要する時間が長くなる。結果として、参照画像と比較されるマスク上の検査パターンを探す時間が長くなる。なお、参照画像とは、D2D検査の場合はダイ上のパターン、D2DB検査の場合はデータベースに登録された例えばGDS−IIデータから得られる画像をそれぞれさす。
【0058】
それに対し、マスク上の検査位置を隣接領域間で移動させた場合、検査位置の移動に要する時間は短い。領域の配置順に検査装置を移動させれば、移動の距離および所要時間を最短にできる。これにより、検査装置によるマスク上の検査位置が領域間を移動し、参照画像と比較される検査パターンを探す時間を短縮できる。したがって、致命的欠陥が検出されるまでに検査される領域の数や配置によっては、実施形態1よりもさらにスループットを向上させることができる。
【0059】
kの値に対するjの値の比は、全領域における優先領域の割合を表す。jの具体的な値はデータベースに基づいて決定する。このデータベースはシミュレーション、実験もしくは検査経験の蓄積により作成されるが、詳細は実施形態4以降で説明する。本実施形態のアルゴリズムで得られるスループットの利得と、離散的な領域間で検査位置が移動することによるスループットの損失とのバランスを考慮して、jの値を決定することが望ましい。
【0060】
本実施形態のマスク検査方法は、実施形態1で説明した各種のマスクの検査に適用可能である。また、本実施形態の検査装置は、上記の本実施形態のマスク検査方法のアルゴリズムに従って、マスクの検査を行う。本実施形態のマスク検査方法は、実施形態1で例示した各種のタイプの検査装置や検査方式に適用可能であり、本実施形態の検査装置はこれらを含む。
【0061】
(実施形態3)
本実施形態では、まず、実施形態1と同様に、マスクをある単位領域ごとに複数の領域に分割する。実施形態1では欠陥発生確率の高い順を検査重要度の高い順として、この順に各領域を検査するのに対し、本実施形態では、領域の検査重要度に応じて検査感度を変化させ、検査自体は端の領域から配置順に逐次的に行う。図10に、本実施形態のマスク検査方法のフローチャートを示す。図10を参照して、本実施形態のマスク検査方法の概略を説明する。
【0062】
ステップ1(ST1)
マスクをある単位領域ごとにk個の領域に分割する。単位領域の大きさや形状、あるいは領域の配置などは、実施形態1と同様に適宜決定できる。
ステップ2(ST2)
予め決定された検査重要度の基準を参照して、各領域に検査重要度を設定する。この工程は、実施形態1と同様に行うことができる(図2参照)。
【0063】
ステップ3(ST3)
検査重要度に基づいて、各領域に欠陥の検査感度を設定する。検査重要度の高い領域に対しては検査感度を上げ、逆に、検査重要度の低い領域に対しては検査感度を下げる。検査感度を下げることにより、その領域上での検査速度は高くなる。検査感度は検査重要度が互いに異なる領域ごとに設定しても、あるいは、検査重要度がある一定の範囲内にある領域に対して同一の検査感度を設定しても、いずれでもよい。
【0064】
例えば、検査感度を2段階で可変とする場合は、全領域を欠陥発生確率が相対的に高い領域と、相対的に低い領域の2つのグループに分け、それぞれに検査感度を設定する。逆に、各領域の欠陥発生確率が全て互いに異なる場合に、各領域にそれぞれ異なる検査感度を設定してもよい。検査感度を可変とすることにより、検査重要度の低い領域での検査時間を短縮できる反面、検査感度を変更する時間が必要となる。したがって、適切な検査感度とスループットを考慮して、何段階の検査感度を設けるか決定する。
【0065】
ステップ4(ST4)
ステップ3で設定された検査感度で、n個目の領域(n=1)を検査する。
ステップ5(ST5)
ステップ4で、致命的な欠陥および/または異物が検出された場合は、マスクを不良と判定して破棄し、同じマスクを再作製する。
【0066】
ステップ6(ST6)
ステップ4で、修正や洗浄によって除去できる欠陥および/または異物が検出された場合は、マスクを修正および/または洗浄工程に戻す。なお、実施形態1と同様に、除去可能な欠陥の数がある一定値よりも大きい場合には、マスクを破棄するという選択もありえる。
【0067】
ステップ7(ST7)
ステップ4で致命的な欠陥および/または異物が検出されず、n<kであれば、n=n+1を代入し、ステップ4以降を繰り返す。ここで、n個目の領域とn+1個目の領域は、原則として隣接しているものとする。n個目の領域とn+1個目の領域は必ずしも隣接しなくてもよいが、k個の領域を検査する検査経路が最短であることが好ましい。ステップ4で致命的な欠陥および/または異物が検出されず、n=kであれば、マスクを合格と判定し、マスク検査を終了する。
【0068】
上記の本実施形態のマスク検査方法を、実施形態1と同様に図3(a)の具体例を用いて説明する。例えば、図11に示すように、左下端から検査を行う場合、領域4、5、1、9、6、2、8、3、7の順に検査を行う。これらの領域を検査する際には、予め各領域に設定された検査感度で行う。
【0069】
上記の本実施形態の検査方法では、各領域に検査の優先順位を設けない従来方法と同様に、連続的にマスクの全面検査を行うが、予想される欠陥発生確率に応じて検査感度を可変にする。欠陥発生確率が低い領域では、検査感度を下げることにより、検査の所要時間が短縮される。
【0070】
一方、欠陥発生確率が高い領域で検査感度を上げることにより、迅速に欠陥が検出される。修正が不可能または困難である致命的な欠陥が見つかった場合には、マスクの再作製が決断されるため、迅速な検査が可能となる。また、欠陥発生確率が高い領域で検査感度を上げるため、欠陥が検出される確率は損なわれない。
【0071】
本実施形態のマスク検査方法は、実施形態1で説明した各種のマスクの検査に適用可能である。また、本実施形態の検査装置は、上記の本実施形態のマスク検査方法のアルゴリズムに従って、マスクの検査を行う。本実施形態のマスク検査方法は、実施形態1で例示した各種のタイプの検査装置や検査方式に適用可能であり、本実施形態の検査装置はこれらを含む。
【0072】
(実施形態4)
上記のように実施形態1から3では、各領域で予想される欠陥発生確率に従って、各領域の検査重要度に重みづけを行う。以下、実施形態4から6では、検査重要度の基準を決定する方法について説明する。本実施形態では、検査重要度の基準を、検査経験の蓄積により作成されるデータベースを用いて決定する。すなわち、過去に蓄積されたデータを用いて、各領域の欠陥発生確率を予想する。
【0073】
一般に、検査工程で検査対象となるマスクは全て異なるパターンを含むが、過去に作製されたマスクが再作製されたものや、あるいは設計データの類似したマスクも存在する。また、そうでなくても、ゲート層や配線層といった、そのマスクが対応するデバイス層によって、含まれるパターンにはある種の共通な特徴がある。あるいは、致命的欠陥で再作製になったマスクを検査する場合、前回に再作製の原因となった欠陥を重点的に検査することは合理的である。
【0074】
それらの検査結果をデータベースとして蓄積することにより、欠陥を起こしやすいパターンの特徴に関する情報を抽出できる。抽出された情報は、例えば次の2通りの方法で整理できる。
【0075】
一つは、ある系列のデバイスに対応するマスクごとに、欠陥発生確率の高い領域のデータを蓄積し、データベースを作成する方法である。ここで、ある系列のデバイスとは、細部では設計データが異なっているが、概ね設計データが類似している一連のデバイスを意味する。これにより、検査工程に投入されるマスクが、どの系列のデバイスのどの層に対応するかを判断すれば、対応するデータベースを読み込むことで、領域の検査重要度に重みづけを行うことができる。
【0076】
別の方法として、欠陥を起こすパターンの図形的特徴と欠陥発生確率を対応させ、データベースを作成する方法もある。ここで、図形的特徴とは例えば形状、密度、間隔を含む。検査工程に投入されるマスクの設計データを読み込み、各領域の図形的特徴からデータベースを参照することにより、領域の検査重要度に重みづけを行うことができる。なお、検査工程に投入されるマスクの設計データは、OPCなどの処理が施されたデータであってもよい。
【0077】
データベース的なアプローチの利点は、検査経験の蓄積により、精度や信頼性が向上していくという点である。さらに、上記2つの方法のどちらも利用できるデータベースや、異なる検査装置で共用できるデータベースを構築することも可能である。このようなデータベースに基づいて、実施形態1から3のいずれかの方法で検査を行うことにより、致命的欠陥を迅速に発見できる。
【0078】
(実施形態5)
本実施形態では、機械的破損による欠陥発生確率のシミュレーションを行い、検査重要度の基準を決定する。実施形態1で挙げたマスクの具体例のうち、ステンシルマスクなど、特に機械的強度が小さいマスクにおいては、図12に示すように、パターン自体が機械的に破損してしまうことがある。このような機械的破損の発生率が高いパターンは、次の実施形態6で説明するように、実験的あるいは経験的に特定することもできるが、有限要素法などにより高精度に予想することもできる。
【0079】
例えば、図13(a)に示すステンシルマスクの大開口パターンの4隅にかかる応力集中を、角の丸まり半径Rの関数として有限要素法でシミュレーションした結果を、図13(b)に示す。図13(a)は実施形態1から3で説明した領域の一つに対応し、1辺が1.05mmの正方形とする。大開口パターンAの大きさはx方向で50μm、y方向で120μmとした。また、大開口パターンAを形成する前(開口部がない状態)のメンブレンの応力は10MPaと仮定した。図13(b)のaはx方向の引っ張り応力、bはy方向の引っ張り応力、cは剪断応力をそれぞれ示す。
【0080】
図13(b)に示すように、角の丸まり半径が小さくなると応力集中は急激に大きくなることが分かる。つまり、大開口パターンに関しては、角の丸まり半径が小さいほど、そこから周囲のメンブレンに亀裂が入る可能性が高い。大開口パターン以外の例えばライン・アンド・スペース・パターンなどに対しても、同様のシミュレーションを行うことにより、機械的な安定性を見積もることができる。
【0081】
上記のようなシミュレーション的アプローチの利点は、過去に蓄積されたデータが存在しない場合にも適用可能なことである。この方法を用いて検査重要度の基準を決定し、実施形態1から3のいずれかの方法で検査を行うことにより、致命的欠陥を迅速に発見できる。
【0082】
(実施形態6)
本実施形態では、検査重要度の重みづけを、パターンの面積密度など図形的な特徴に基づいて行う。ステンシルマスクのように、力学的強度が低い構造を有するマスクを検査する場合、検査重要度の基準として、パターンの(1)種類、(2)サイズおよび(3)密度などを用いることができる。
【0083】
(1)のパターンの種類の例としては、図14に示すような片持ち梁を含むパターン、縦横比の大きな開口部が並んだパターン(ライン・アンド・スペース・パターン)、周囲との距離が近接したパターンなどが挙げられる。例えば、図12に示した5本のライン・アンド・スペース・パターンでは、ラインに挫屈が見られ、さらにライン同士が一部で接触している。
【0084】
これらのパターンは、本質的に不安定な構造をもつ上に、マスクの洗浄工程などにおいても欠陥を生じる可能性が高いことが知られている。例えば、マスクに開口部を加工した後のウェット洗浄工程において、パターン側面と薬液との間に働く表面張力により、隣り合うパターン同士が貼り付いて欠陥が生じることがある。
【0085】
(2)のパターンサイズに関しては、サイズの大きなパターンの例として、例えば配線層のPADやイオン注入層の大面積ウェルに相当する大開口がある。一方、サイズの小さなパターンとして、メモリのゲート部分などがある。前者はマスク上で大きな面積を占めるが、欠陥発生確率が低いため、検査重要度は低いと言える。
【0086】
(3)のパターン密度については、図15から図17の具体例を用いて説明する。図15は、ある実デバイスパターンから1mm角の検査対象部分を取り出し、パターン密度の分布を表したものである。図15中の数字は、パターン密度を表すスケールであり、数値が大きいほどパターンが稠密に配置されていることを示す。図15の例では、大まかに左下部分でパターン密度が高く、右上部分、さらに右側中央部分でパターン密度が低くなっている。
【0087】
図15から分かるように、一般に、デバイスパターンの配置には顕著な粗密が存在する。図15でパターンの面積密度が高い領域を、実施形態1から3における欠陥発生確率の高い領域と定義する。これにより、以下に示す効率的な検査が可能となる。例えば、図15の検査対象部分を1辺が100μmの領域に分割し、各領域での平均的なパターン密度を検査重要度の基準に用いることができる。
【0088】
図16は、図15に示す検査対象部分に対して、検査重要度を考慮しない従来の全面検査を行う場合の手順を表す。この場合、例えば矢印の順序に沿って、領域の配置順に検査が行われる。一方、図17は、図15に示す検査対象部分に対して、本発明により検査を行う場合の手順を表す。この場合、図17に示すように、パターン密度の大きな部分から優先的に検査が行われる。これにより、修正不可能な致命的欠陥を発見するまでの時間が大幅に短縮でき、結果として、検査時間を短縮できる。
【0089】
図形的な特徴と欠陥発生確率との相関は、パラメーターを変化させたテストパターンを含む試作マスクにより実験的に調べることも、実際のマスクを用いて調べることもできる。
【0090】
上記の本発明の実施形態のマスク検査方法および検査装置によれば、マスクで致命的な欠陥が検出されるまでの時間を短縮できる。また、欠陥を検出できる確率は損なわれない。本発明のマスク検査方法および検査装置の実施形態は、上記の説明に限定されない。例えば、検査経験に基づく欠陥データベースを作成する実施形態4と、シミュレーションを行う実施形態5とを組み合わせて欠陥データベースを作成できる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0091】
【発明の効果】
本発明のマスク検査方法によれば、より短時間で致命的な欠陥を検出し、マスク検査やマスク製造の所要時間を短縮できる。本発明の検査装置によれば、マスク検査のスループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施形態1に係るマスク検査方法のフローチャートである。
【図2】図2は図1のステップ2(ST2)を説明する図である。
【図3】図3(a)および(b)は本発明の実施形態1に係るマスク検査方法を示す図である。
【図4】図4は本発明の実施形態1から3に係るマスク検査方法により検出される欠陥の分類を示す図である。
【図5】図5は本発明の実施形態1から3に係るマスク検査方法の検査方式の例を示す図である。
【図6】図6(a)および(b)は本発明の実施形態1から3に係る検査装置の原理を示す図である。
【図7】図7は本発明の実施形態2に係るマスク検査方法のフローチャートである。
【図8】図8は本発明の実施形態2に係るマスク検査方法のフローチャートであり、図7に続くフローを示す。
【図9】図9は本発明の実施形態2に係るマスク検査方法を示す図である。
【図10】図10は本発明の実施形態3に係るマスク検査方法のフローチャートである。
【図11】図11は本発明の実施形態3に係るマスク検査方法を示す図である。
【図12】図12は本発明の実施形態5および6に係り、機械的強度の弱いパターンの例を示す図である。
【図13】図13は本発明の実施形態5に係り、(a)は大開口パターン、(b)は(a)のパターンについてのシミュレーション結果を示す図である。
【図14】図14は本発明の実施形態6に係り、図形的特徴を有するパターンの例を示す。
【図15】図15は本発明の実施形態6に係り、パターン密度の分布の例を示す図である。
【図16】図16は本発明の実施形態6に係り、図15の例に対して、従来の方法で検査を行う手順を示す図である。
【図17】図17は本発明の実施形態6に係り、図15の例に対して、本発明の方法で検査を行う手順を示す図である。
【符号の説明】
1…GDS−IIデータ、2…シミュレータ、3…欠陥データベース、4…欠陥発生確率、11…ガラス基板、12…クロム膜、13…突起、14…ピンセット、15…接触、16…ピンホール、17…断線、18…欠け、19…ミスサイズ、20…脱落、21…位置不良、22…エッジ不良、23…ゴミ・汚れ、31…検査装置、41…光透過性基板、42…遮光膜、43…異物。
【発明の属する技術分野】
本発明は、リソグラフィ用マスクの検査方法と検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光リソグラフィ用のフォトマスクに対して行われてきた欠陥検査では、可視光や紫外光による顕微鏡像や、透過光および/または反射光強度が用いられてきた。マスク検査の装置や方法論は日々進化しつつも、ある程度完成された技術として半導体製造の現場で用いられている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−40485号公報
【非特許文献1】
Handbook of Microlithography, Micromachining, and Microfabrication, Volume 1: Microlithography, Edited by P. Rai-Choudhury [SPIE OpticalEngineering Press, Washington, 1997]
【非特許文献2】
H. C. Pfeiffer, Jpn. J. Appl. Phys. 34, 6658 [1995]
【非特許文献3】
L. R. Harriott, J. Vac. Sci. Technol B 15, 2130 [1997]
【非特許文献4】
D. T. Attwood, Soft X-rays and Ultraviolet Radiation [Cambridge University Press, Cambridge, 1999]
【非特許文献5】
S. Y. Chou et al., Nature 417, 835 (2002)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、デバイス回路パターンの微細化に伴い、フォトマスク上で検出すべき欠陥や異物のサイズも小さくなっている。したがって、マスク検査に要する時間とコストは大幅に増大する傾向にある。事実、増加し続けるマスク製造時間および/または費用のかなりの部分を欠陥検査が占めているといっても過言ではない。従来のマスク検査では、マスク全面を逐次的に検査し、露光に影響を与える欠陥を全て検出する。したがって、マスク製造の所要時間およびコストの増大は、不可避的な問題と言える。
【0005】
また、光リソグラフィの解像限界を打破するために開発されている次世代リソグラフィ(NGL)用のマスクでは、欠陥検査に対する要求がさらに厳しくなる。設計ルール70nm世代以降のマスクにとって致命的なサイズの欠陥または異物を検出するには、上記のような光を用いる従来の検査技術だけでなく、電子線を用いる検査技術および装置が必要となる場合もある。
【0006】
電子線を用いる検査装置は電子顕微鏡を応用したものであり、電子線をマスクに照射し、マスクからの反射電子またはマスクの透過電子を信号として検出する。しかしながら、電子線による検査装置は、光による検査装置にも増してスループットが低いという問題がある。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、したがって本発明は、より短時間で致命的な欠陥を検出できるマスク検査方法を提供することを目的とする。また、本発明は、マスク検査のスループットを向上させることができる検査装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のマスク検査方法は、薄膜と、前記薄膜に所定のパターンで形成された光または荷電粒子線の透過部とを有し、前記光または荷電粒子線の照射によって前記パターンが露光対象物に転写されるマスクの欠陥を検出するマスク検査方法であって、前記マスクを複数の領域に分割する工程と、前記領域内での欠陥発生確率に基づき、前記領域のそれぞれに検査重要度を設定する工程であって、前記欠陥発生確率が高い領域ほど、前記検査重要度を高く設定する工程と、前記複数の領域のうち、前記検査重要度が高い少なくとも一部の領域に対して、前記領域の配置順に関係なく、他の領域よりも優先的に検査を行う工程と、除去できない欠陥が検出された時点で、前記マスクを不良と判定して検査を終了する工程とを有することを特徴とする。
【0009】
前記検査重要度が高い少なくとも一部の領域に対して、優先的に検査を行う工程においては、全ての前記領域に対して、前記検査重要度の高い順に検査を行っても、あるいは、一部の優先的に検査を行う領域のみ、重要度が高い順に検査を行い、残りの領域については検査重要度の順に関係なく検査を行っても、いずれでもよい。
【0010】
あるいは、上記の目的を達成するため、本発明のマスク検査方法は、薄膜と、前記薄膜に所定のパターンで形成された光または荷電粒子線の透過部とを有し、前記光または荷電粒子線の照射によって前記パターンが露光対象物に転写されるマスクの欠陥を検出するマスク検査方法であって、前記マスクを複数の領域に分割する工程と、前記領域内での欠陥発生確率に基づき、前記領域のそれぞれに検査重要度を設定する工程であって、前記欠陥発生確率が高い領域ほど、前記検査重要度を高く設定する工程と、前記検査重要度が相対的に高い領域では、前記検査重要度が相対的に低い領域に比較して、欠陥の判断基準がより厳しくなるように各領域に検査を行う工程と、除去できない欠陥が検出された時点で、前記マスクを不良と判定して検査を終了する工程とを有することを特徴とする。
【0011】
これにより、マスク上で修正または除去できない致命的な欠陥を検出するまでの時間を短縮することができる。したがって、マスク検査のスループットを向上させることができる。これにより、マスク製造の全工程の所要時間を短縮することもできる。また、例えば検査装置の台数や稼動時間を削減することも可能であり、マスク製造のコストを低減することもできる。
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明の検査装置は、薄膜と、前記薄膜に所定のパターンで形成された光または荷電粒子線の透過部とを有し、前記光または荷電粒子線の照射によって前記パターンが露光対象物に転写されるマスクの欠陥を検出する検査装置であって、前記マスクを保持するマスク保持手段であって、前記マスク上で欠陥発生確率が高いと予想される領域に対して、前記領域の位置に関係なく、他の領域よりも優先的に検査が行われるように駆動される前記マスク保持手段を有することを特徴とする。
【0013】
あるいは、上記の目的を達成するため、本発明の検査装置は、薄膜と、前記薄膜に所定のパターンで形成された光または荷電粒子線の透過部とを有し、前記光または荷電粒子線の照射によって前記パターンが露光対象物に転写されるマスクの欠陥を検出する検査装置であって、欠陥の判断基準を設定する検査感度設定手段であって、前記マスク上の位置に応じて前記判断基準を変更でき、欠陥発生確率が高いと予想される領域に対して、より厳しい判断基準を設定できる前記検査感度設定手段を有することを特徴とする。
【0014】
これにより、欠陥発生確率の高い領域に優先的に検査を行うことが可能となり、マスク上で致命的な欠陥が検出されるまでの時間を短縮できる。したがって、マスク検査のスループットを向上させることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のマスク検査方法および検査装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。マスクの欠陥・異物検査において、従来は一定の検査感度でマスク全面が逐一検査されていた。それに対し、本実施形態の検査方法では、マスクをある単位領域ごとに分割して複数の検査領域(以下、領域とする。)を形成し、致命的な欠陥が生じる確率が高いと予想される領域を優先的に検査する。
【0016】
ここで、致命的な欠陥とは修正が不可能または困難な欠陥を指し、このような欠陥が生じる確率は理論的あるいは実験的に予測できる。マスクで致命的な欠陥が検出された場合、そのマスクは再作製される。本実施形態のマスク検査方法によれば、致命的欠陥を検出し、マスクの再作製を決断するまでの時間を短縮できる。
【0017】
検査感度とは定性的には、どの位の大きさのパターン形状異常を欠陥と判断するかの基準を指す。検査感度を高くすることは、より厳しい基準でパターン形状異常を欠陥と判断することに対応する。実際の欠陥検査装置においては、複数の入力パラメーターによりユーザーが検査感度を指定できる。
【0018】
検査感度が高すぎると、ウェハーへのパターン転写上問題のない部位も欠陥として検出されてしまう。これは、一般に擬似欠陥と呼ばれる。擬似欠陥は、検査のスループットが落ち、欠陥/擬似欠陥の判別・検証作業に時間がかかるという問題を引き起こすため、適切な検査感度を設定することが重要である。
【0019】
従来の欠陥検査の多くは、マスクの全面を逐次検査しなければならないという旧来のパラダイムに基づいている。それに対し、本実施形態のマスク検査方法は、マスク上の各領域には欠陥検査の観点から見た重要度(以下、検査重要度とする。)に差異があり、その差異に基づいて検査経路や検査感度を可変にすることが合理的であるという新しいパラダイムに基づいている。
【0020】
本実施形態のマスク検査方法は、従来のフォトマスクだけでなく、次世代リソグラフィ(NGL;new generation lithography)と呼ばれる様々な方法に用いられるマスクにも適用可能である。また、本実施形態のマスク検査方法は、様々なマスク検査装置に適用可能である。
【0021】
マスク上の各領域における検査重要度は、その領域に含まれるパターンの性質に依存する。したがって、検査対象となるマスクの構造的、材料学的あるいは物理的性質を検討することにより、マスク上の各領域に検査重要度を設定するための基準が得られる。以下、マスク上の各領域に検査重要度を設定するための基準を、単に検査重要度の基準と呼ぶ。マスクの構造的性質といった各種の性質は、理論的または実験的に検討しても、あるいはそれらの両方で検討してもよい。本発明には、パターンの性質から検査重要度の基準を抽出する方法も含まれる。
【0022】
以下、致命的な欠陥および異物を発見するに至る時間を短縮するための手法を具体的に示す。実施形態1から3は、各領域に既に検査重要度が設定されたマスクに対して検査を行う方法を示す。実施形態1から3では検査方法を一般化して説明しているため、これらの方法はマスクの種類によらず適用可能である。
一方、実施形態4から6では、検査重要度の基準を決定する方法を説明する。
【0023】
(実施形態1)
本実施形態では、マスクをある単位領域ごとに複数の領域に分割し、これらの領域に対して、欠陥発生確率が高い順に検査を行う。図1に、本実施形態のマスク検査方法のフローチャートを示す。図1を参照して、本実施形態のマスク検査方法の概略を説明する。
【0024】
ステップ1(ST1)
マスクをある単位領域ごとにk個の領域に分割する。単位領域の大きさは、例えば欠陥検査装置が一度に画像データを取得できる範囲としてもよいが、それより大きな領域でも構わない。例えば、矩形の領域がマトリクス状に配置されるようにマスクを分割することができるが、単位領域の形状や、領域の配置は特に限定されない。分割された領域の配置は、ライン状の配置や他の配置であってもよい。
【0025】
ステップ2(ST2)
予め決定された検査重要度の基準を参照して、各領域に検査重要度を設定する。この工程の詳細は後述する。
ステップ3(ST3)
各領域に検査重要度の高い順に順位(n=1,2,・・・k)をつける。
【0026】
ステップ4(ST4)
検査重要度がn番目に高い領域を検査する。
ステップ5(ST5)
ステップ4で、致命的な欠陥および/または異物が検出された場合は、マスクを不良と判定して破棄し、同じマスクを再作製する。
【0027】
ステップ6(ST6)
ステップ4で、修正や洗浄によって除去できる欠陥および/または異物が検出された場合は、マスクを修正および/または洗浄工程に戻す。マスクの修正方法としては、例えば集束イオンビームを用いたエッチングやカーボン膜の堆積が挙げられる。なお、除去可能な欠陥の数がある一定値よりも大きい場合には、マスクを破棄するという選択もありえる。
【0028】
ステップ7(ST7)
ステップ4で致命的な欠陥および/または異物が検出されず、n<kであれば、n=n+1を代入し、ステップ4以降を繰り返す。ステップ4で致命的な欠陥および/または異物が検出されず、n=kであれば、マスクを合格と判定し、マスク検査を終了する。
【0029】
次に、上記のステップ2について、図2を参照して説明する。図2に示すように、ステップ2ではマスクのGDS−IIデータ1がシミュレータ2に入力される。GDS−IIデータは、米国カルマ社が提案したマスクパターンデータの標準的な表現形式で表された、パターンの設計データを指す。シミュレータ2はソフトウェアを含む演算装置とする。
【0030】
シミュレータ2は、予め作成された欠陥データベース3を参照して、各領域の欠陥発生確率4を算出する。欠陥データベース3には、欠陥の分類(種類)や発生確率とパターンの特徴との関係などが登録されている。シミュレータ2で算出された欠陥発生確率4の高い順に、ステップ3で各領域に検査重要度の順位がつけられる。
【0031】
上記の本実施形態のマスク検査方法によれば、領域の配置順に関係なく、検査重要度の順に検査が行われる。例えば、図3(a)に示すように、マスクに領域が9個あると仮定し(k=9)、これらの領域を欠陥発生確率が高いほど数字が大きくなるように、1から9の数字で表す。すなわち、領域9の欠陥発生確率が最も高く、領域1の欠陥発生確率が最も低い。このとき、図3(b)に示すように、領域9、8、7、6、5、4、3、2、1という順で検査を行う。これにより、マスク上の致命的欠陥を短時間で効率良く発見でき、検査工程のスループット向上につながる。
【0032】
以下、本実施形態が適用可能なマスクおよび欠陥検査装置の種類を例示する。
本実施形態のマスク検査方法が適用可能なマスクとしては、第1に、フォトリソグラフィに用いられるフォトマスクや位相シフトマスクが挙げられる。フォトマスクは、例えばガラス基板上にクロムのような金属でパターンが形成されたものである。また、その基本構造から派生した様々な位相シフトマスクが知られている。これらは例えば非特許文献1に示されている。
【0033】
第2に、電子線またはイオンビーム転写リソグラフィ(EPL/IPL)に用いられるステンシルマスク、あるいは散乱メンブレンマスクが挙げられる。ステンシルマスクは、薄膜(メンブレン)に開口部が形成された構造を有し、例えば非特許文献2に示されている。また、散乱メンブレンマスクは、薄膜(メンブレン)上に荷電粒子線の散乱体が形成された構造を有し、例えば非特許文献3に示されている。
【0034】
第3に、X線リソグラフィ(PXL)に用いられる散乱メンブレンマスクが挙げられる。このマスクは、例えば前述した非特許文献1の第3章に示されている。
第4に、極紫外リソグラフィ(EUVL)に用いられる反射マスクが挙げられる。このマスクは、例えば非特許文献4に示されている。
第5に、ナノインプリントリソグラフィ(NIL)に用いられるモールドが挙げられる。このモールドは、例えば非特許文献5に示されている。
【0035】
上記のようなマスクで発生し、本実施形態のマスク検査方法および検査装置で検出される欠陥の分類について、図4を参照して説明する。図4は、ガラス基板(または石英基板)11上に遮光膜としてクロム膜12が形成されたフォトマスクの例を示す。
【0036】
図4に示すように、不要な部分にクロム膜12が形成された欠陥としては、パターンの突起13、ピンドット14、あるいはパターン間の接触15が挙げられる。また、必要なクロム膜12が形成されていない欠陥としては、ピンホール16、断線17、欠け18が挙げられる。上記以外にミスサイズ19、脱落20、位置不良21、エッジ不良22、ゴミ・汚れ23といった欠陥が検出される。
【0037】
次に、検査方式について説明する。マスクの検査方式にはマスクに形成されたパターン同士を比較する方式と、マスク上のパターンを設計データと比較する方式がある。前者には、2枚のマスク同士を比較する検査と、隣接するチップを比較するdie-to-die(D2D)検査がある。後者は、die-to-database(D2DB)検査と呼ばれる。
【0038】
図5に示すように、D2D検査では、チップAに形成されたパターンの画像aとチップBに形成されたパターンの画像bを対比して、パターンが異なる部分を欠陥として検出する。一方、D2DB検査では、検査装置31に予め設計データ(または描画データ)を登録する。設計データに基づく画像cを参照画像として、検査画像であるマスクパターンの画像aや画像bと対比する。
【0039】
D2D検査は検査感度が高い、スループットが高い、擬似欠陥が少ない、マスクデータから検査データへの変換が不要という利点がある。一方、D2DB検査には、複数個のチップを含まないマスクにも適用可能、チップ間に共通な欠陥の検出が可能、光近接効果補正(OPC;optical proximity correction)用データ処理時のミスも検出可能という利点がある。現在では、D2DB検査がフォトマスク検査の主流になっているが、本実施形態のマスク検査方法または検査装置は、いずれの方式にも適用可能である。
【0040】
次に、検査装置について説明する。上記の第1で挙げたフォトマスクおよび位相シフトマスクの検査装置に関しては、例えば、散乱光により欠陥や異物を検出するタイプ(例えば、KLA-Tencor社製Surfscan)や、反射光と透過光の組み合わせを用いるタイプ(例えば、KLA-Tencor社製TeraStarなど、いわゆるSTARlight(登録商標)検査と呼ばれるもの)が挙げられる。
【0041】
フォトマスクに光を照射すると、遮光膜が形成されている部分で散乱光が発生する。したがって、遮光膜以外の部分で散乱光が検出された場合や、散乱光が検出されるべき部分で散乱光が検出されなかった場合は、欠陥や異物の存在が確認される。散乱光を検出するタイプの検査装置は、装置構成が比較的単純であるという利点を有する。
【0042】
反射光と透過光の組み合わせにより欠陥や異物を検出する原理を、図6に示す。図6に示すように、光透過性基板41上に遮光膜42が形成されたフォトマスクに光を照射したときの反射光強度をR、透過光強度をTとする。図6(a)に示すように、異物がない場合は、反射光強度Rと透過光強度Tが遮光膜42部分とそれ以外の部分で反転し、反射光強度Rと透過光強度Tの合計は遮光膜42部分とそれ以外の部分で一定である。
【0043】
図6(b)に示すように、光透過性基板41上に例えば異物43が存在した場合、反射光強度Rが高くなり、透過光強度Tが低くなる。これにより、反射光強度Rと透過光強度Tの合計は、異物43の部分で局所的に小さくなり、異物43を検出できる。
【0044】
上記のタイプ以外に、紫外光による顕微鏡像を用いるタイプ(例えば、KLA-Tencor社製SL3UV)や、走査型電子顕微鏡を用いるタイプ(例えば、KLA-Tencor社製eS20)などもあり、本実施形態の検査装置のタイプは限定されない。
【0045】
上記の第2から第5で挙げたマスクは、まだ大量生産には用いられていないNGLマスクのため、欠陥検査方法も研究段階であるが、上記の各フォトマスク用検査装置を基本としているものが多い。但し、上記の第2で挙げたステンシルマスクについては、マスクの透過電子を用いる装置も開示されている(例えば、特許文献1参照)。本実施形態はNGL用マスクの検査装置にも適用可能である。
【0046】
(実施形態2)
本実施形態では、実施形態1と同様に、マスクをある単位領域ごとに複数の領域に分割し、欠陥発生確率の高い上位いくつかの領域(これを優先領域とする。)を優先的に検査する。その後、残りの領域(これを非優先領域とする。)を逐次検査する。
【0047】
優先領域については、領域の配置に関係なく、欠陥発生確率の高い順に検査を行う。一方、残りの領域については、領域の配置順に逐次検査を行う。図7および図8に、本実施形態のマスク検査方法のフローチャートを示す。図8は図7に続くフローを示す。図7および図8を参照して、本実施形態のマスク検査方法の概略を説明する。
【0048】
ステップ1(ST1)
マスクをある単位領域ごとにk個の領域に分割する。単位領域の大きさや形状、あるいは領域の配置などは、実施形態1と同様に適宜決定できる。
ステップ2(ST2)
予め決定された検査重要度の基準を参照して、各領域に検査重要度を設定する。この工程は、実施形態1と同様に行うことができる(図2参照)。
【0049】
ステップ3(ST3)
k個の領域を、検査重要度が相対的に高いj個の優先領域と、検査重要度が相対的に低いk−j個の非優先領域の2つのグループに分ける。jが0の場合、本実施形態と従来の検査方法に差異がなくなる。また、jがk−1またはkの場合、実施形態1と実施形態2に差異がなくなる。したがって、1≦j≦k−2とする。
【0050】
具体的なjの値を決定する際には、検査重要度が高い領域での欠陥発生確率や、検査重要度が高い(または低い)領域のマスク上での分布などを考慮する。jの値を変化させることにより、マスク検査の所要時間が変化するため、マスク検査の所要時間がより短くなるようにjの値を適宜決定する。
【0051】
ステップ4(ST4)
検査重要度が相対的に高いj個の領域(優先領域)に、検査重要度の高い順に順位(n=1,・・・j)をつける。
ステップ5(ST5)
検査重要度がn番目に高い領域を検査する。
ステップ6(ST6)
ステップ5で、致命的な欠陥および/または異物が検出された場合は、マスクを不良と判定して破棄し、同じマスクを再作製する。
【0052】
ステップ7(ST7)
ステップ5で、修正や洗浄によって除去できる欠陥および/または異物が検出された場合は、マスクを修正および/または洗浄工程に戻す。なお、実施形態1と同様に、除去可能な欠陥の数がある一定値よりも大きい場合には、マスクを破棄するという選択もありえる。
【0053】
ステップ8(ST8)
ステップ5で致命的な欠陥および/または異物が検出されず、n<jであれば、n=n+1を代入し、ステップ5以降を繰り返す。
ステップ9(ST9)
ステップ5で致命的な欠陥および/または異物が検出されず、n=jであれば、検査重要度が相対的に低いk−j個の領域(非優先領域)を配置順に逐次検査する。
ステップ10(ST10)
ステップ9で、致命的な欠陥および/または異物が検出された場合は、マスクを不良と判定して破棄し、同じマスクを再作製する。
【0054】
ステップ11(ST11)
ステップ9で、修正や洗浄によって除去できる欠陥および/または異物が検出された場合は、マスクを修正および/または洗浄工程に戻す。なお、実施形態1と同様に、除去可能な欠陥の数がある一定値よりも大きい場合には、マスクを破棄するという選択もありえる。ステップ9で致命的な欠陥および/または異物が検出されず、k−j個の非優先領域の検査が終了した場合、マスクを合格と判定し、マスク検査を終了する。
【0055】
上記の本実施形態のマスク検査方法を、実施形態1と同様に図3(a)の具体例を用いて説明する。ここでは例えばj=3として、9個の領域を2つのグループに分ける。したがって、9個の領域は3個の優先領域9、8、7とそれ以外の6個の非優先領域にグループ分けされる。
【0056】
まず、図9に示すように、検査重要度の高い3個の領域を、領域9、8、7の順に検査する。この過程で致命的欠陥が検出されれば、マスクは破棄される。これらの領域で致命的欠陥が検出されない場合、残りの非優先領域を欠陥発生確率に関係なく配置順に逐次検査する。既に検査された優先領域では検査を行わない。例えば、図9の左下端から領域4、5、1の順に検査を行い、続いて、中央の列で領域6、2の順に検査を行う。その後、右の列で領域3の検査を行う。
【0057】
マスク上の検査位置が領域間で移動する距離が大きいと、検査位置の移動に要する時間が長くなる。結果として、参照画像と比較されるマスク上の検査パターンを探す時間が長くなる。なお、参照画像とは、D2D検査の場合はダイ上のパターン、D2DB検査の場合はデータベースに登録された例えばGDS−IIデータから得られる画像をそれぞれさす。
【0058】
それに対し、マスク上の検査位置を隣接領域間で移動させた場合、検査位置の移動に要する時間は短い。領域の配置順に検査装置を移動させれば、移動の距離および所要時間を最短にできる。これにより、検査装置によるマスク上の検査位置が領域間を移動し、参照画像と比較される検査パターンを探す時間を短縮できる。したがって、致命的欠陥が検出されるまでに検査される領域の数や配置によっては、実施形態1よりもさらにスループットを向上させることができる。
【0059】
kの値に対するjの値の比は、全領域における優先領域の割合を表す。jの具体的な値はデータベースに基づいて決定する。このデータベースはシミュレーション、実験もしくは検査経験の蓄積により作成されるが、詳細は実施形態4以降で説明する。本実施形態のアルゴリズムで得られるスループットの利得と、離散的な領域間で検査位置が移動することによるスループットの損失とのバランスを考慮して、jの値を決定することが望ましい。
【0060】
本実施形態のマスク検査方法は、実施形態1で説明した各種のマスクの検査に適用可能である。また、本実施形態の検査装置は、上記の本実施形態のマスク検査方法のアルゴリズムに従って、マスクの検査を行う。本実施形態のマスク検査方法は、実施形態1で例示した各種のタイプの検査装置や検査方式に適用可能であり、本実施形態の検査装置はこれらを含む。
【0061】
(実施形態3)
本実施形態では、まず、実施形態1と同様に、マスクをある単位領域ごとに複数の領域に分割する。実施形態1では欠陥発生確率の高い順を検査重要度の高い順として、この順に各領域を検査するのに対し、本実施形態では、領域の検査重要度に応じて検査感度を変化させ、検査自体は端の領域から配置順に逐次的に行う。図10に、本実施形態のマスク検査方法のフローチャートを示す。図10を参照して、本実施形態のマスク検査方法の概略を説明する。
【0062】
ステップ1(ST1)
マスクをある単位領域ごとにk個の領域に分割する。単位領域の大きさや形状、あるいは領域の配置などは、実施形態1と同様に適宜決定できる。
ステップ2(ST2)
予め決定された検査重要度の基準を参照して、各領域に検査重要度を設定する。この工程は、実施形態1と同様に行うことができる(図2参照)。
【0063】
ステップ3(ST3)
検査重要度に基づいて、各領域に欠陥の検査感度を設定する。検査重要度の高い領域に対しては検査感度を上げ、逆に、検査重要度の低い領域に対しては検査感度を下げる。検査感度を下げることにより、その領域上での検査速度は高くなる。検査感度は検査重要度が互いに異なる領域ごとに設定しても、あるいは、検査重要度がある一定の範囲内にある領域に対して同一の検査感度を設定しても、いずれでもよい。
【0064】
例えば、検査感度を2段階で可変とする場合は、全領域を欠陥発生確率が相対的に高い領域と、相対的に低い領域の2つのグループに分け、それぞれに検査感度を設定する。逆に、各領域の欠陥発生確率が全て互いに異なる場合に、各領域にそれぞれ異なる検査感度を設定してもよい。検査感度を可変とすることにより、検査重要度の低い領域での検査時間を短縮できる反面、検査感度を変更する時間が必要となる。したがって、適切な検査感度とスループットを考慮して、何段階の検査感度を設けるか決定する。
【0065】
ステップ4(ST4)
ステップ3で設定された検査感度で、n個目の領域(n=1)を検査する。
ステップ5(ST5)
ステップ4で、致命的な欠陥および/または異物が検出された場合は、マスクを不良と判定して破棄し、同じマスクを再作製する。
【0066】
ステップ6(ST6)
ステップ4で、修正や洗浄によって除去できる欠陥および/または異物が検出された場合は、マスクを修正および/または洗浄工程に戻す。なお、実施形態1と同様に、除去可能な欠陥の数がある一定値よりも大きい場合には、マスクを破棄するという選択もありえる。
【0067】
ステップ7(ST7)
ステップ4で致命的な欠陥および/または異物が検出されず、n<kであれば、n=n+1を代入し、ステップ4以降を繰り返す。ここで、n個目の領域とn+1個目の領域は、原則として隣接しているものとする。n個目の領域とn+1個目の領域は必ずしも隣接しなくてもよいが、k個の領域を検査する検査経路が最短であることが好ましい。ステップ4で致命的な欠陥および/または異物が検出されず、n=kであれば、マスクを合格と判定し、マスク検査を終了する。
【0068】
上記の本実施形態のマスク検査方法を、実施形態1と同様に図3(a)の具体例を用いて説明する。例えば、図11に示すように、左下端から検査を行う場合、領域4、5、1、9、6、2、8、3、7の順に検査を行う。これらの領域を検査する際には、予め各領域に設定された検査感度で行う。
【0069】
上記の本実施形態の検査方法では、各領域に検査の優先順位を設けない従来方法と同様に、連続的にマスクの全面検査を行うが、予想される欠陥発生確率に応じて検査感度を可変にする。欠陥発生確率が低い領域では、検査感度を下げることにより、検査の所要時間が短縮される。
【0070】
一方、欠陥発生確率が高い領域で検査感度を上げることにより、迅速に欠陥が検出される。修正が不可能または困難である致命的な欠陥が見つかった場合には、マスクの再作製が決断されるため、迅速な検査が可能となる。また、欠陥発生確率が高い領域で検査感度を上げるため、欠陥が検出される確率は損なわれない。
【0071】
本実施形態のマスク検査方法は、実施形態1で説明した各種のマスクの検査に適用可能である。また、本実施形態の検査装置は、上記の本実施形態のマスク検査方法のアルゴリズムに従って、マスクの検査を行う。本実施形態のマスク検査方法は、実施形態1で例示した各種のタイプの検査装置や検査方式に適用可能であり、本実施形態の検査装置はこれらを含む。
【0072】
(実施形態4)
上記のように実施形態1から3では、各領域で予想される欠陥発生確率に従って、各領域の検査重要度に重みづけを行う。以下、実施形態4から6では、検査重要度の基準を決定する方法について説明する。本実施形態では、検査重要度の基準を、検査経験の蓄積により作成されるデータベースを用いて決定する。すなわち、過去に蓄積されたデータを用いて、各領域の欠陥発生確率を予想する。
【0073】
一般に、検査工程で検査対象となるマスクは全て異なるパターンを含むが、過去に作製されたマスクが再作製されたものや、あるいは設計データの類似したマスクも存在する。また、そうでなくても、ゲート層や配線層といった、そのマスクが対応するデバイス層によって、含まれるパターンにはある種の共通な特徴がある。あるいは、致命的欠陥で再作製になったマスクを検査する場合、前回に再作製の原因となった欠陥を重点的に検査することは合理的である。
【0074】
それらの検査結果をデータベースとして蓄積することにより、欠陥を起こしやすいパターンの特徴に関する情報を抽出できる。抽出された情報は、例えば次の2通りの方法で整理できる。
【0075】
一つは、ある系列のデバイスに対応するマスクごとに、欠陥発生確率の高い領域のデータを蓄積し、データベースを作成する方法である。ここで、ある系列のデバイスとは、細部では設計データが異なっているが、概ね設計データが類似している一連のデバイスを意味する。これにより、検査工程に投入されるマスクが、どの系列のデバイスのどの層に対応するかを判断すれば、対応するデータベースを読み込むことで、領域の検査重要度に重みづけを行うことができる。
【0076】
別の方法として、欠陥を起こすパターンの図形的特徴と欠陥発生確率を対応させ、データベースを作成する方法もある。ここで、図形的特徴とは例えば形状、密度、間隔を含む。検査工程に投入されるマスクの設計データを読み込み、各領域の図形的特徴からデータベースを参照することにより、領域の検査重要度に重みづけを行うことができる。なお、検査工程に投入されるマスクの設計データは、OPCなどの処理が施されたデータであってもよい。
【0077】
データベース的なアプローチの利点は、検査経験の蓄積により、精度や信頼性が向上していくという点である。さらに、上記2つの方法のどちらも利用できるデータベースや、異なる検査装置で共用できるデータベースを構築することも可能である。このようなデータベースに基づいて、実施形態1から3のいずれかの方法で検査を行うことにより、致命的欠陥を迅速に発見できる。
【0078】
(実施形態5)
本実施形態では、機械的破損による欠陥発生確率のシミュレーションを行い、検査重要度の基準を決定する。実施形態1で挙げたマスクの具体例のうち、ステンシルマスクなど、特に機械的強度が小さいマスクにおいては、図12に示すように、パターン自体が機械的に破損してしまうことがある。このような機械的破損の発生率が高いパターンは、次の実施形態6で説明するように、実験的あるいは経験的に特定することもできるが、有限要素法などにより高精度に予想することもできる。
【0079】
例えば、図13(a)に示すステンシルマスクの大開口パターンの4隅にかかる応力集中を、角の丸まり半径Rの関数として有限要素法でシミュレーションした結果を、図13(b)に示す。図13(a)は実施形態1から3で説明した領域の一つに対応し、1辺が1.05mmの正方形とする。大開口パターンAの大きさはx方向で50μm、y方向で120μmとした。また、大開口パターンAを形成する前(開口部がない状態)のメンブレンの応力は10MPaと仮定した。図13(b)のaはx方向の引っ張り応力、bはy方向の引っ張り応力、cは剪断応力をそれぞれ示す。
【0080】
図13(b)に示すように、角の丸まり半径が小さくなると応力集中は急激に大きくなることが分かる。つまり、大開口パターンに関しては、角の丸まり半径が小さいほど、そこから周囲のメンブレンに亀裂が入る可能性が高い。大開口パターン以外の例えばライン・アンド・スペース・パターンなどに対しても、同様のシミュレーションを行うことにより、機械的な安定性を見積もることができる。
【0081】
上記のようなシミュレーション的アプローチの利点は、過去に蓄積されたデータが存在しない場合にも適用可能なことである。この方法を用いて検査重要度の基準を決定し、実施形態1から3のいずれかの方法で検査を行うことにより、致命的欠陥を迅速に発見できる。
【0082】
(実施形態6)
本実施形態では、検査重要度の重みづけを、パターンの面積密度など図形的な特徴に基づいて行う。ステンシルマスクのように、力学的強度が低い構造を有するマスクを検査する場合、検査重要度の基準として、パターンの(1)種類、(2)サイズおよび(3)密度などを用いることができる。
【0083】
(1)のパターンの種類の例としては、図14に示すような片持ち梁を含むパターン、縦横比の大きな開口部が並んだパターン(ライン・アンド・スペース・パターン)、周囲との距離が近接したパターンなどが挙げられる。例えば、図12に示した5本のライン・アンド・スペース・パターンでは、ラインに挫屈が見られ、さらにライン同士が一部で接触している。
【0084】
これらのパターンは、本質的に不安定な構造をもつ上に、マスクの洗浄工程などにおいても欠陥を生じる可能性が高いことが知られている。例えば、マスクに開口部を加工した後のウェット洗浄工程において、パターン側面と薬液との間に働く表面張力により、隣り合うパターン同士が貼り付いて欠陥が生じることがある。
【0085】
(2)のパターンサイズに関しては、サイズの大きなパターンの例として、例えば配線層のPADやイオン注入層の大面積ウェルに相当する大開口がある。一方、サイズの小さなパターンとして、メモリのゲート部分などがある。前者はマスク上で大きな面積を占めるが、欠陥発生確率が低いため、検査重要度は低いと言える。
【0086】
(3)のパターン密度については、図15から図17の具体例を用いて説明する。図15は、ある実デバイスパターンから1mm角の検査対象部分を取り出し、パターン密度の分布を表したものである。図15中の数字は、パターン密度を表すスケールであり、数値が大きいほどパターンが稠密に配置されていることを示す。図15の例では、大まかに左下部分でパターン密度が高く、右上部分、さらに右側中央部分でパターン密度が低くなっている。
【0087】
図15から分かるように、一般に、デバイスパターンの配置には顕著な粗密が存在する。図15でパターンの面積密度が高い領域を、実施形態1から3における欠陥発生確率の高い領域と定義する。これにより、以下に示す効率的な検査が可能となる。例えば、図15の検査対象部分を1辺が100μmの領域に分割し、各領域での平均的なパターン密度を検査重要度の基準に用いることができる。
【0088】
図16は、図15に示す検査対象部分に対して、検査重要度を考慮しない従来の全面検査を行う場合の手順を表す。この場合、例えば矢印の順序に沿って、領域の配置順に検査が行われる。一方、図17は、図15に示す検査対象部分に対して、本発明により検査を行う場合の手順を表す。この場合、図17に示すように、パターン密度の大きな部分から優先的に検査が行われる。これにより、修正不可能な致命的欠陥を発見するまでの時間が大幅に短縮でき、結果として、検査時間を短縮できる。
【0089】
図形的な特徴と欠陥発生確率との相関は、パラメーターを変化させたテストパターンを含む試作マスクにより実験的に調べることも、実際のマスクを用いて調べることもできる。
【0090】
上記の本発明の実施形態のマスク検査方法および検査装置によれば、マスクで致命的な欠陥が検出されるまでの時間を短縮できる。また、欠陥を検出できる確率は損なわれない。本発明のマスク検査方法および検査装置の実施形態は、上記の説明に限定されない。例えば、検査経験に基づく欠陥データベースを作成する実施形態4と、シミュレーションを行う実施形態5とを組み合わせて欠陥データベースを作成できる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0091】
【発明の効果】
本発明のマスク検査方法によれば、より短時間で致命的な欠陥を検出し、マスク検査やマスク製造の所要時間を短縮できる。本発明の検査装置によれば、マスク検査のスループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施形態1に係るマスク検査方法のフローチャートである。
【図2】図2は図1のステップ2(ST2)を説明する図である。
【図3】図3(a)および(b)は本発明の実施形態1に係るマスク検査方法を示す図である。
【図4】図4は本発明の実施形態1から3に係るマスク検査方法により検出される欠陥の分類を示す図である。
【図5】図5は本発明の実施形態1から3に係るマスク検査方法の検査方式の例を示す図である。
【図6】図6(a)および(b)は本発明の実施形態1から3に係る検査装置の原理を示す図である。
【図7】図7は本発明の実施形態2に係るマスク検査方法のフローチャートである。
【図8】図8は本発明の実施形態2に係るマスク検査方法のフローチャートであり、図7に続くフローを示す。
【図9】図9は本発明の実施形態2に係るマスク検査方法を示す図である。
【図10】図10は本発明の実施形態3に係るマスク検査方法のフローチャートである。
【図11】図11は本発明の実施形態3に係るマスク検査方法を示す図である。
【図12】図12は本発明の実施形態5および6に係り、機械的強度の弱いパターンの例を示す図である。
【図13】図13は本発明の実施形態5に係り、(a)は大開口パターン、(b)は(a)のパターンについてのシミュレーション結果を示す図である。
【図14】図14は本発明の実施形態6に係り、図形的特徴を有するパターンの例を示す。
【図15】図15は本発明の実施形態6に係り、パターン密度の分布の例を示す図である。
【図16】図16は本発明の実施形態6に係り、図15の例に対して、従来の方法で検査を行う手順を示す図である。
【図17】図17は本発明の実施形態6に係り、図15の例に対して、本発明の方法で検査を行う手順を示す図である。
【符号の説明】
1…GDS−IIデータ、2…シミュレータ、3…欠陥データベース、4…欠陥発生確率、11…ガラス基板、12…クロム膜、13…突起、14…ピンセット、15…接触、16…ピンホール、17…断線、18…欠け、19…ミスサイズ、20…脱落、21…位置不良、22…エッジ不良、23…ゴミ・汚れ、31…検査装置、41…光透過性基板、42…遮光膜、43…異物。
Claims (17)
- 薄膜と、前記薄膜に所定のパターンで形成された光または荷電粒子線の透過部とを有し、前記光または荷電粒子線の照射によって前記パターンが露光対象物に転写されるマスクの欠陥を検出するマスク検査方法であって、
前記マスクを複数の領域に分割する工程と、
前記領域内での欠陥発生確率に基づき、前記領域のそれぞれに検査重要度を設定する工程であって、前記欠陥発生確率が高い領域ほど、前記検査重要度を高く設定する工程と、
前記複数の領域のうち、前記検査重要度が高い少なくとも一部の領域に対して、前記領域の配置順に関係なく、他の領域よりも優先的に検査を行う工程と、
除去できない欠陥が検出された時点で、前記マスクを不良と判定して検査を終了する工程とを有するマスク検査方法。 - 前記検査重要度が高い少なくとも一部の領域に対して、優先的に検査を行う工程は、全ての前記領域に対して、前記検査重要度の高い順に検査を行う工程を含む請求項1記載のマスク検査方法。
- 前記検査重要度が高い少なくとも一部の領域に対し、優先的に検査を行う工程は、前記複数の領域を前記検査重要度が高い優先領域と前記検査重要度が低い非優先領域にグループ分けする工程と、
前記優先領域に対して、前記領域の配置順に関係なく、前記検査重要度の高い順に検査を行う工程と、
前記優先領域の検査後、前記非優先領域に対して検査を行う工程とを含む請求項1記載のマスク検査方法。 - 前記非優先領域の検査を、前記領域の配置順に行う請求項3記載のマスク検査方法。
- 前記除去できない欠陥は、修正できない欠陥、修正が困難な欠陥および洗浄により除去できない異物を含む請求項1記載のマスク検査方法。
- 前記欠陥発生確率を、検査経験の蓄積により作成されるデータベースを参照して予想する工程を含む請求項1記載のマスク検査方法。
- 前記欠陥発生確率を、シミュレーションで得られるマスクの応力から予想する工程を含む請求項1記載のマスク検査方法。
- 前記欠陥発生確率を、パターンの図形的特徴から予想する工程を含む請求項1記載のマスク検査方法。
- 前記図形的特徴は前記パターンの形状、大きさ、密度のうち少なくとも一つを含む請求項8記載のマスク検査方法。
- 薄膜と、前記薄膜に所定のパターンで形成された光または荷電粒子線の透過部とを有し、前記光または荷電粒子線の照射によって前記パターンが露光対象物に転写されるマスクの欠陥を検出するマスク検査方法であって、
前記マスクを複数の領域に分割する工程と、
前記領域内での欠陥発生確率に基づき、前記領域のそれぞれに検査重要度を設定する工程であって、前記欠陥発生確率が高い領域ほど、前記検査重要度を高く設定する工程と、
前記検査重要度が相対的に高い領域では、前記検査重要度が相対的に低い領域に比較して、欠陥の判断基準がより厳しくなるように各領域に検査を行う工程と、
除去できない欠陥が検出された時点で、前記マスクを不良と判定して検査を終了する工程とを有するマスク検査方法。 - 前記除去できない欠陥は、修正できない欠陥、修正が困難な欠陥および洗浄により除去できない異物を含む請求項10記載のマスク検査方法。
- 前記欠陥発生確率を、検査経験の蓄積により作成されるデータベースを参照して予想する工程を含む請求項10記載のマスク検査方法。
- 前記欠陥発生確率を、シミュレーションで得られるマスクの応力から予想する工程を含む請求項10記載のマスク検査方法。
- 前記欠陥発生確率を、パターンの図形的特徴から予想する工程を含む請求項10記載のマスク検査方法。
- 前記図形的特徴は前記パターンの形状、大きさ、密度のうち少なくとも一つを含む請求項14記載のマスク検査方法。
- 薄膜と、前記薄膜に所定のパターンで形成された光または荷電粒子線の透過部とを有し、前記光または荷電粒子線の照射によって前記パターンが露光対象物に転写されるマスクの欠陥を検出する検査装置であって、
前記マスクを保持するマスク保持手段であって、前記マスク上で欠陥発生確率が高いと予想される領域に対して、前記領域の位置に関係なく、他の領域よりも優先的に検査が行われるように駆動される前記マスク保持手段を有する検査装置。 - 薄膜と、前記薄膜に所定のパターンで形成された光または荷電粒子線の透過部とを有し、前記光または荷電粒子線の照射によって前記パターンが露光対象物に転写されるマスクの欠陥を検出する検査装置であって、
欠陥の判断基準を設定する検査感度設定手段であって、前記マスク上の位置に応じて前記判断基準を変更でき、欠陥発生確率が高いと予想される領域に対して、より厳しい判断基準を設定できる前記検査感度設定手段を有する検査装置。
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