JP2004187548A - 植物収穫方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】栽培瓶2と栽培瓶2中のキノコとを別々に把持すると共に、把持された栽培瓶2のみを下降させる複数の把持装置3と、把持装置3の各々をループ回路中を循環させる回転円板1と、把持装置3により把持されるようにキノコ入り栽培瓶2を前記ループ回路中に供給する栽培瓶供給装置4と、栽培瓶2とキノコとを把持した状態のままキノコを切断して栽培瓶2から切り離すキノコ切断機5と、把持装置3から開放された栽培瓶2を回収する栽培瓶回収テーブル30と、把持装置3から開放されたキノコを回収するキノコ回収テーブル8とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、広口瓶形状をした栽培瓶により人工栽培したキノコ等の植物を、栽培瓶から植物を傷つけないように収穫することが可能な、植物収穫方法および植物収穫装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シメジ等のキノコの人工栽培においては、例えば、図4に示すように、広口瓶形状をした栽培瓶31内に培地32を収容し、栽培瓶31上部の口からキノコ33を伸長させるようにしている。また、栽培瓶31の開口から伸長するキノコの形状を整えるため、栽培瓶31の開口部に上方が拡径された形状の生育ガイド筒34を嵌め合わせて、その内部にキノコ33を伸長させるようにしている。
【0003】
このようにして栽培されたキノコ33の収穫に際しては、人手によって栽培瓶31を一個ずつ手に取り、生育ガイド筒34を引き上げることにより、キノコ33を栽培瓶31内の培地32から分離させ、次いで、生育ガイド筒34内から取出し、石突きを切り取って販売用の容器に一個づつ収容して梱包している。
【0004】
しかしながら、述した人手による収穫方法は、作業能率が悪く、多くの人手を要すると同時に、キノコを何回も掴んだり離したりする作業を繰り返すために、キノコが損傷する等の問題があった。
【0005】
そこで、人手をかけずに自動的にキノコの収穫ができる自動収穫装置が特許文献1に開示されている。
【0006】
この自動収穫装置は、開口部に上方に拡開した筒状の生育ガイド筒が取り付けられ、キノコが伸長している栽培瓶を把持して所定位置に固定する瓶固定手段と、この瓶固定手段により固定された栽培瓶の生育ガイド筒の外側を把持するキノコ抜取用掴み装置と、このキノコ抜取用掴み装置を左右に揺動させながら上昇させる抜取駆動手段とを備えている。
【0007】
【特許文献1】特開2000−175560号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されたキノコ自動収穫装置には、次のような問題点があった。
【0009】
(1)栽培瓶を固定した状態で把持し、別の把持手段でキノコを揺動させながら、キノコを栽培瓶から抜き取るので、作業能率が低いと共に、揺動させることによりキノコが損傷しやすい。
【0010】
(2)抜き取ったキノコの食用に適さない部分の切除は、別工程で行なう必要がある。
【0011】
(3)キノコを抜き取った後の栽培瓶やキノコの回収が、能率よく行なえるようになっていない。
【0012】
従って、この発明の目的は、従来技術の上述のような問題点を解消することにあり、栽培瓶からキノコ等の植物を分離して収穫する作業を、植物を損傷させることなく一定の品質を維持しつつ、高能率で自動的に行なうことのできる植物収穫方法および装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、栽培瓶で栽培された植物を収穫する方法であって、下記工程、
(a)栽培瓶と植物とを把持手段により別々に把持する工程、
(b)前記栽培瓶と前記植物とを把持した状態のまま、または把持された前記栽培瓶のみを下降させるか、把持された植物のみを上昇させて、切断手段により不要部分を前記栽培瓶内に残して、植物を前記栽培瓶から切り取る工程、
(c)前記把持手段を開放して、前記栽培瓶を回収する工程、
(d)前記把持手段を開放して、切り取られた植物を回収する工程
を備えたことに特徴を有するものである。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の植物収穫方法において使用する植物収穫装置であって、栽培瓶と前記栽培瓶中の植物とを別々に把持すると共に、把持された前記栽培瓶のみを下降、または把持された植物のみを上昇させる複数の把持手段と、前記把持手段の各々をループ回路中を循環させる把持手段循環手段と、前記把持手段により把持されるように植物入り前記栽培瓶を前記ループ回路中に供給する栽培瓶供給手段と、前記栽培瓶と植物とを把持した状態のまま、または把持された前記栽培瓶のみを下降させ、植物を切断して前記栽培瓶から切り離す植物切断手段と、前記把持手段から開放された前記栽培瓶を回収する栽培瓶回収手段と、前記把持手段から開放された植物を回収する植物回収手段とを備えたことに特徴を有するものである。
【0015】
この発明は、栽培瓶およびキノコ等の植物を別々に把持した状態で、植物を抜き取らずに、不要部分を栽培瓶内に残して植物を栽培瓶から切り離し、この後、栽培瓶と植物とを別々に回収するので、回収までに作業者が植物に触れることがなく、かつ植物を栽培瓶から抜き取らず、植物に負荷をかけることがない。従って、収穫する植物の品質を高く維持することができる。
【0016】
また、この発明は、栽培瓶および植物の把持作業、植物の切り離し作業、栽培瓶の回収作業および植物の回収作業を連続的かつ短時間に行なうことができるので、植物の品質を高く維持することができると共に、植物収穫作業を極めて高能率で行なうことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。なお、ここでは、収穫する植物として、キノコを例にあげるが、キノコ以外の食用植物、あるいは、鑑賞用草花等の収穫にも適用できることは勿論である。
【0018】
図1は、この発明の植物収穫装置を示す平面図、図2は、この発明の植物収穫装置に使用される把持装置の説明図であり、(a)は、把持装置の側面図、(b)は、把持装置の平面図、(c)は、(a)のA−A矢視図、図3は、把持装置によるキノコの把持状態を示す図であり、(a)は、キノコを立った状態で把持している場合、(b)は、キノコを寝かせた状態で把持している場合である。
【0019】
この発明の植物収穫装置は、栽培瓶2と栽培瓶2中のキノコとを別々に把持し、かつ把持された栽培瓶2のみを下降させることができるように構成された把持手段としての把持装置3と、把持装置3が取り付けられる回転円板1と、把持装置3により栽培瓶2と栽培瓶2中のキノコとを別々に把持できるように、キノコ入り栽培瓶2を把持装置3の通過位置(ループ回路)に供給する栽培瓶供給手段としての栽培瓶供給装置4と、栽培瓶2とキノコとを把持した状態のまま、把持されたキノコを、不要部分、すなわち、食用不適部分を栽培瓶2内に残して栽培瓶2から切り離す植物切断手段としてのキノコ切断機5と、把持装置3による把持を開放された栽培瓶2を回収する栽培瓶回収手段としての栽培瓶回収装置6と、把持装置3による把持を開放されたキノコ7を回収する植物回収手段としてのキノコ回収テーブル8とから構成されている。把持装置3は、回転円板1の回転により形成されるループ回路中を循環移動する。
【0020】
この植物収穫装置により、キノコを収穫する方法を説明すると、キノコの入った栽培瓶2は、栽培瓶供給テーブル9上を幅方向2列に整列された状態で、把持位置近傍まで運ばれてくる。そして、空の、すなわち、何も把持していない状態の把持装置3が把持位置まで回転してくると、回転円板1の回転が停止され、栽培瓶供給テーブル9上の栽培瓶2が、栽培瓶供給テーブル9の両側に配置された栽培瓶供給装置4により、それぞれ1個ずつ把持位置に供給される。
【0021】
栽培瓶供給装置4は、栽培瓶2の背後に押し当てられて栽培瓶2を押し出すための押出しバー4aと、押出しバー4aを把持位置に向かって前進させる移動体4bとから構成されている。栽培瓶2を把持位置まで移動させた後、押出しバー4aは、栽培瓶供給テーブル9上から退避すると共に、移動体4bは元の位置まで後退する。
【0022】
栽培瓶2が把持位置に供給されると、把持装置3が作動して、栽培瓶2と栽培瓶中のキノコとが別々に把持される。
【0023】
図2に示すように、把持装置3は、キノコ7を把持するキノコ把持部11と、栽培瓶2を把持する栽培瓶把持部12とから構成され、両者は同一支持部材13に支持されている。
【0024】
図2においては、キノコ把持部11および栽培瓶把持部12共、2組の栽培瓶2を把持できるように構成されているが、1組だけを把持するようにしてもよい。
【0025】
キノコ把持部11の機構を説明すると、キノコ把持部11は、左右1対の把持片14と、それぞれの把持片14を支持する支持部材15と、それぞれの支持部材15が接続されたラック16aおよび16bと、ラック16aおよび16bと噛み合い、それぞれを反対方向に移動させるピニオン17と、ピニオン17を正転または逆転させる電動機18とから構成されている。
【0026】
そして、ピニオン17により、ラック16aおよび16bを移動させることにより、ラック16aおよび16bに接続された1対の把持片14を、平行な状態で接近させてキノコ7を把持し、1対の把持片14を離間させてキノコ7を離すようになっている。
【0027】
栽培瓶把持部12は、栽培瓶2の口部近傍を把持する1対の把持片19と、それぞれの把持片19を支持し、ピン20の回りに回動可能に接続された支持部材21と、ピン20が設けられ、ガイドバー22に沿って昇降する昇降体23とから構成されている。
【0028】
そして、栽培瓶2を把持片19で把持する前には、昇降体23は上昇しているが、栽培瓶2が把持されると、昇降体23は、20mm程度下降し、その分だけキノコ7を栽培瓶2から抜き出した状態にする。これにより、栽培瓶2からキノコ7の切り離しを容易にすると共に、従来、キノコの食用不適部分まで抜き出していたことによるムダな作業時間を無くし、かつ品質の低下を防止することができる。
【0029】
なお、栽培瓶2が下降する機構に代えて、キノコ7が上昇する機構を採用してもよいし、場合によってはそのような機構を備えずに、把持した状態のままキノコ7の切り離しを行なってもよい。
【0030】
また、支持部材13は、回転円板1上から外方に向かって斜めに設けられた回動支持部材25(把持装置の両側に1個ずつ設けられている)に、ピン24により回動可能に支持されている。
【0031】
また、支持部材13は、回転円板1上に設けられた駆動シリンダー26に回動可能に接続されており、駆動シリンダー26のシリンダーロッドを前後進させることにより、ピン24を中心として回動できるようになっている。
【0032】
27は、支持部材13に接続部材28を介して接続される係止片であり、回転円板1に設けられた係止部材29と係合して、把持装置3により栽培瓶2およびキノコ7を把持するときに、把持動作中に支持部材13が回動しないようにするものである。
【0033】
栽培瓶2とキノコ7とを別々に把持した把持装置3は、回転円板1を回転させて、キノコ切断機5に向かって移動させる。そして、移動の途中において、前述したようにして栽培瓶2を下降させ、その状態でキノコ切断機5を通過させる。
切断機5の切断刃は円板状になっており、切断刃の先端は、把持装置3が通過するときに、栽培瓶2が下降してむき出しとなったキノコ7の部分に当たるようになっており、把持装置3の通過により、自動的にキノコ7が栽培瓶2から切り離される。
【0034】
把持装置3が栽培瓶回収装置6の設置された位置まで移動してくると、回転円板1の回転が停止され、内部にキノコ7の食用不適部が残されている栽培瓶2が把持状態から開放され、栽培瓶2は、栽培瓶回収装置6上に落とされる。そして、栽培瓶回収装置6を構成するプッシャー6aにより、栽培瓶回収テーブル30に押し出され、栽培瓶回収場所に搬送される。
【0035】
栽培瓶2が回収されると、再び回転円板1は、把持装置3がキノコ回収テーブル8の位置に移動するまで回転して停止する。回転円板1の回転が停止すると、図3(a)に示すように、立った状態で把持されているキノコ7を駆動シリンダー26のシリンダーロッドを前進させて、把持装置3全体を時計回りに回動させて、図3(b)に示すように、ねかせた状態にし、把持状態から開放させてキノコ回収テーブル8上に落とす。
【0036】
キノコ7を立った状態でキノコ回収テーブル8上に落とすと、キノコ7の上下方向の向きがバラバラになったり、上下方向が逆になったりするが、このようにねかせた状態にすると、搬送される全てのキノコ7の荷姿が同じになるので、次工程である包装作業が能率よく行える。
【0037】
キノコ7の回収が終わると、駆動シリンダー26のシリンダーロッドを後進させて、把持装置3を図3(a)の状態に戻し、回転円板1を回転させて、把持装置3を栽培瓶供給テーブル9の位置まで移動させ、次の栽培瓶2とキノコ7との把持に備える。
【0038】
なお、図1には、図が複雑になるため、把持装置3は1つしか描かれていないが、収穫能率を向上させる場合には、把持装置3を複数設けて、把持装置3の把持動作、栽培瓶回収動作およびキノコ回収動作を同時並行的に行うようにするとよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、収穫中に何回もキノコ等の植物を把持し直すことがないので、植物の品質を高度に維持することができ、また、複数の作業を同時並行的に進行させることができるので、作業能率を向上させることができるといった有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の植物収穫装置を示す平面図である。
【図2】この発明の植物収穫装置に使用される把持装置の説明図であり、(a)は、把持装置の側面図、(b)は、把持装置の平面図、(c)は、(a)のA−A矢視図である。
【図3】把持装置でのキノコの把持状態を示す図であり、(a)は、キノコを立った状態で把持している場合、(b)は、キノコを寝かせた状態で把持している場合である。
【図4】広口瓶によるキノコ栽培状況を示す図である。
【符号の説明】
1:回転円板
2:栽培瓶
3:把持装置
4:栽培瓶供給装置
4a:押出しバー
4b:移動体
5:キノコ切断機
6:栽培瓶回収装置
6a:プッシャー
7:キノコ
8:キノコ回収テーブル
9:栽培瓶供給テーブル
11:キノコ把持部
12:栽培瓶把持部
13:支持部材
14:把持片
15:支持部材
16a、16b:ラック
17:ピニオン
18:電動機
19:把持片
20:ピン
21:支持部材
22:ガイドバー
23:昇降体
24:ピン
25:回動支持部材
26:駆動シリンダー
27:係止片
28:接続部材
29:係止部材
30:栽培瓶回収テーブル
31:栽培瓶
32:培地
33:キノコ
34:生育ガイド筒
Claims (2)
- 栽培瓶で栽培された植物を収穫する方法であって、下記工程、
(a)栽培瓶と植物とを把持手段により別々に把持する工程、
(b)前記栽培瓶と植物とを把持した状態のまま、または把持された前記栽培瓶のみを下降させるか、把持された植物のみを上昇させて、切断手段により不要部分を前記栽培瓶内に残して、植物を前記栽培瓶から切り取る工程、
(c)前記把持手段を開放して、前記栽培瓶を回収する工程、
(d)前記把持手段を開放して、切り取られた植物を回収する工程
を備えたことを特徴とする植物収穫方法。 - 請求項1に記載の植物収穫方法において使用する植物収穫装置であって、栽培瓶と前記栽培瓶中の植物とを別々に把持すると共に、把持された前記栽培瓶のみを下降、または把持された植物のみを上昇させる複数の把持手段と、前記把持手段の各々をループ回路中を循環させる把持手段循環手段と、前記把持手段により把持されるように植物入り前記栽培瓶を前記ループ回路中に供給する栽培瓶供給手段と、前記栽培瓶と植物とを把持した状態のまま、または把持された前記栽培瓶のみを下降させ、植物を切断して前記栽培瓶から切り離す植物切断手段と、前記把持手段から開放された前記栽培瓶を回収する栽培瓶回収手段と、前記把持手段から開放された植物を回収する植物回収手段とを備えたことを特徴とする植物収穫装置。
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