JP2004186077A - 多点検出型磁気近接スイッチ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非磁性体からなるロッド状のハウジング10内に、先端が閉塞し後端が開放した複数のガイド孔13を設ける。ハウジング10内の複数のガイド孔13に、スイッチ本体20をスライド自在に挿入する。スイッチ本体20は、磁気感応部21と、磁気感応部21から後方に引き出された折曲自在なコード22とを有しており、ガイド孔13内で折曲しないようにコード22の太さが設定されている。伸縮自在な弾性体からなり、複数のコード22が各貫通する複数の貫通孔が設けられたブッシュ30を、ハウジング10の開放側の端部内に配置する。ハウジング10の開放側の端部に装着された締め付け部材50により、ブッシュ30を圧縮して複数のコード22を固定する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フロートスイッチや流体圧シリンダーにおけるストローク検出装置などに使用される多点検出型磁気近接スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
フロートスイッチや流体圧シリンダーにおけるストローク検出機構の一つとして、ロッド状のユニットからなる多点検出型磁気近接スイッチがある。この磁気近接スイッチは、外側を磁石が移動するロッド状で非磁性性のハウジングと、ハウジングのなかに挿入された複数のスイッチ本体とを備えている。スイッチ本体は磁気感応部と、該磁気感応部から引き出されたコードとからなり、複数のスイッチ本体の各磁気感応部は、磁石検出位置に対応するハウジング長手方向の複数位置に固定されている。これにより、ハウジング長手方向の複数点で磁石の近接が検出される。
【0003】
このような多点検出型磁気近接スイッチの一種として、磁石検出位置をハウジング長手方向で調節できるものが、特許文献1により提示されている。この磁気近接スイッチは、ハウジングとしての保護管と、保護管内に長手方向に移動自在に収容され、それぞれの内部にスイッチ本体が挿入固定された複数本のパイプとを備えている。複数本のパイプは、外部から操作される複数のネジと直接・間接に螺合しており、そのネジ操作によってハウジング内を軸方向に独立に直進駆動される。これにより、スイッチ本体の感応部がハウジング長手方向で独立に位置調節される。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−329112号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載された多点検出型磁気近接スイッチでは、スイッチ本体が挿入固定された複数本のパイプが、ハウジングとしての保護管内でいわゆるボールネジ形式により軸方向へ独立に操作されることにより、磁石検出位置がハウジング長手方向で調節される。しかしながら、その検出位置調節機構には以下のような問題がある。
【0006】
スイッチ本体が挿入固定された複数本のパイプが保護管の内部で軸方向に駆動されるため、保護管の長さによってパイプの駆動量が制限される。このため、検出位置の調節量が小さく制限され、大きな調節量を確保しようとすると、保護管の全長増大が避けられない。
【0007】
保護管の内部で複数本のパイプを独立に駆動するための径方向クリアランスが必要なため、保護管の大径化も避けられない。
【0008】
複数本のパイプを軸方向に駆動するためのボールネジ式の位置調節機構が嵩張り、この点からもスイッチの大型化が避けられない。
【0009】
ボールネジ式の位置調節機構は嵩張るだけでなく、構造が複雑である。このため、スイッチが高価になり、且つ位置調節機構の部分のシールが難しくなる。
【0010】
本発明の目的は、ハウジングに内蔵された複数のスイッチ本体の長手方向位置を広い範囲で任意に調節でき、しかも小型で経済性に優れ、更にはシール性に優れた多点検出型磁気近接スイッチを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の多点検出型磁気近接スイッチは、ロッド状の非磁性体からなり、その内部の長手方向に、一端が閉塞され他端が開放された複数のガイド孔が平行に設けられたハウジングと、折曲自在なコードの先端に磁気感応部が取付けられ、該磁気感応部がコードの端部と共に、前記ハウジング内の複数のガイド孔に開放側からスライド自在に挿入され、前記ガイド孔内で折曲しないように前記コードの太さが設定された複数のスイッチ本体と、伸縮自在な弾性体からなり、前記ハウジングの開放側の端部に閉塞側へ移動不能に配置されると共に、前記ハウジングの開放側へ引き出される複数のコードが各貫通する複数の貫通孔が設けられたブッシュと、該ブッシュを前記閉塞側へ押圧するべく前記ハウジングの開放側の端部に装着され、その押圧に伴う前記ブッシュの弾性変形により複数のコードを固定する締め付け部材とを具備している。
【0012】
本発明の多点検出型磁気近接スイッチにおいては、複数のスイッチ本体それ自体がハウジング内で長手方向に移動し、締め付け部材によるブッシュの弾性変形により、その移動位置に固定される。ここで、スイッチ本体のコードは、折曲自在である一方、ガイド孔で折曲しないようにその太さが設定されている。このため、スイッチ本体の移動操作は、ハウジング外へ引き出されたコードを押し込み、また引き抜くことにより可能となり、機械的な駆動機構を不要ならしめる。
【0013】
スイッチ本体の磁気感応部がハウジングの先端部から後端部へ移動する従い、スイッチ本体のコードはハウジングから逐次排出され、磁気感応部の移動ストロークを制限しない。ハウジングから排出されたコードは折曲自在であるため、ハウジング外で嵩張ることもない。これらのため、ハウジングの実質全長で、スイッチ本体の位置調節を行うことができる。
【0014】
ハウジングの構造としては、管状の外側ケースと、該外側ケース内に平行に挿入され、それぞれの内側に前記ガイド孔を形成する複数のガイド管とを組み合わせたものが、製作が容易で好ましい。すなわち、外側ケース内に挿入された複数のガイド管は、ハウジング内に複数のガイド孔を簡単な構造及び作業で形成できるのである。
【0015】
締め付け部材に関しては、ハウジングの開放側の端部にねじ込まれ、且つ内側を前記コードが挿通する環状のねじ込み部材が、ハウジング内のスイッチ本体の共回りを防止できる点から好ましい。また、そのねじ込み部材は、その内側のブッシュとの間に配置され、複数のコードが各貫通する複数の貫通孔が設けられた間座と組み合わせるのが好ましい。この組み合わせにより、ねじ込み部材が環状体であるにもかかわらず、ブッシュを効果的に弾性変形させることができる。
【0016】
スイッチ本体としては、ハウジングから引き出されたコードの途中に、磁気感応部の動作状態を発光表示する動作表示部を設けたものが好ましい。この構成によると、磁石位置を遠方から確認することができるだけでなく、発光の有無を見ながら検出位置を調節できるので、その調節作業が簡単になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す多点検出型磁気近接スイッチの側面図で半断面図、図2は図1中のA−A線矢示図、図3は図1中のB−B線矢示図、図4は図1中のC−C線矢示図である。
【0018】
本実施形態の多点検出型磁気近接スイッチは、フロートスイッチとして使用されたり、流体圧シリンダー内にストローク検出装置として組み込まれるロッド状のユニットである。この磁気検出スイッチは、図1及び図2に示すように、細棒状のハウジング10、ハウジング10内に後端側から挿入された複数のスイッチ本体20、ハウジング10の後端部内に収容されたブッシュ30及び間座40、並びにハウジング10の後端部に装着された締め付け部材50を備えている。
【0019】
ハウジング10は、先端が閉塞し後端が開放した円管状の外側ケース11と、その中に挿入された複数本、ここでは3本のガイド管12とを有している。外側ケース11は、管体からなるケース本体11aと、ケース本体11aの先端部に挿入固着されたヘッド11bと、ケース本体11aの後端部外面に固着された取付けベース11cとからなる。
【0020】
取付けベース11cは厚肉のスリーブであり、その後端をケース本体11aの後端から突出させることにより、ケース本体11aの後端側にブッシュ30及び間座40の収容部と、締め付け部材50のねじ込み部とを形成している。取付けベース11cの外面には、取付けのために雄ねじ部、0リングが嵌合する周溝及び六角形の工具係合部が設けられている。取付けベース11cの後部内面には、締め付け部材50をねじ込むために雌ねじ部が設けられている。
【0021】
3本のガイド管12は、図3に示すように、内側にガイド孔13を形成する細長い管体であり、三角形に組み合わされると共にケース本体11aの内面にほぼ内接した状態で、ケース本体11a内に平行に挿入されている。ガイド管12の後端は外側ケース11の後端に一致している。外側ケース11及びガイド管12は、非磁性の金属(ここでは(SUS304)により構成されている。
【0022】
複数のスイッチ本体20は、いずれも先端の磁気感応部21と、磁気感応部21から後方へ引き出された折曲自在なコード22とを有しており、磁気感応部21がコード22の先端部と共に複数のガイド管12内に後端側からスライド自在に挿入されている。磁気感応部21は、ガイド管12の内径より若干小さい外径をもつ円筒形状の非磁性体内にリードスイッチを樹脂により封入した構造になっている。コード22は、ガイド管12内で折曲しないようにガイド管12の内径より若干小さい外径(直径差で0.05〜1mm程度)に設計されており、その先端部を除く部分がハウジング10の後方に引き出されている。そして、その引き出し部分の途中に、磁気感応部21の動作状態を発光表示する動作表示部23が取り付けられている。
【0023】
ブッシュ30は、ゴムからなる比較的厚肉の円盤であり、ケース本体11aの後端面及びケース本体11a内のガイド管12の後端面に接した状態で、取付けベース11c内に収容されている。このブッシュ30には、図4に示すように、複数のスイッチ本体20の各コード22が貫通する複数の貫通孔31が独立して設けられている。貫通孔31の内径は、前記コード22の外径とほぼ同じに設定されている。
【0024】
間座40は、剛性のある樹脂円板であり、ブッシュ30の後端面に接した状態で、取付けベース11c内に収容されている。そして、この間座40にも、ブッシュ30と同様に、複数のスイッチ本体20の各コード22が貫通する複数の貫通孔が独立して設けられている。
【0025】
締め付け部材50は、取付けベース11cの後部内に後方からねじ込まれるボルト状のねじ込み部材であり、且つ内側を複数のコード22が挿通するスリーブ(環状体)である。取付けベース11cの後部内へのねじ込みにより、締め付け部材50は間座40の外周部をハウジング10の先端側へ押圧する。これにより、ブッシュ30は厚み方向に圧縮され、複数の貫通孔31が縮径することにより内側のコード22を固定すると共に同時に、コード22の外面をシールし、且つ全体が拡径することにより取付けベース11cの内面をシールする。
【0026】
次に、本実施形態の多点検出型磁気近接スイッチの使用方法について説明する。
【0027】
フロートスイッチとして使用する場合は、ハウジング10の先端部を下に向け、ハウジング10にスライド自在に外嵌する環状の磁石ユニット60をフロートと連結する。流体圧シリンダーのストローク検出装置として使用する場合は、ハウジング10をシリンダー内に組み込み、磁石ユニット60をシリンダー内のピストンと連結する。いずれの場合も、ハウジング10の長手方向における磁石ユニット60の移動位置が、ハウジング10内に挿入された複数のスイッチ本体20の磁気感応部21により検出されることにより、フロート位置や流体圧シリンダーおけるピストン位置が検出される。
【0028】
本実施形態の多点検出型磁気近接スイッチでは、使用に先立ち、磁石検出位置を調節する。これは次のようにして行う。締め付け部材50を緩める。これにより、ブッシュ30が無負荷状態となり、複数の貫通孔31が拡径することにより、複数の貫通孔31を挿通する複数のコード22が長手方向に移動自在となり、ハウジング10内に挿入された複数の磁気感応部21もガイド管12内をスライド自在となる。
【0029】
この状態で、ハウジング10の外に引き出されたコード22を操作することにより、複数の磁気感応部21をそれそれの磁石検出位置へ移動させる。このとき、磁気感応部21はハウジング10の先端部内まで挿入可能であり、またハウジング10の後端部内まで引き出し可能である。前者のとき、コード22はハウジング10内に収容されたガイド管12内のガイド孔13に引き込まれ、後者のとき、コード22はそのガイド孔13からハウジング10の外に排出される。ガイド管12内のガイド孔13に引き込まれたコード22は、ガイド管12により真っ直ぐに固定され、折曲を生じない。これにより、ハウジング10のほぼ全長にわたって磁気感応部21の位置調節が可能となる。
【0030】
すなわち、本実施形態の多点検出型磁気近接スイッチでは、ガイド管12のような剛性体をハウジング10内で移動させず、柔軟体であるコード22をガイド管12内で移動させるため、ハウジング10のほぼ全長を磁気感応部21の位置調節に用いることができるのである。したがって、同じストロークを確保する場合、ボールネジ式の位置調整機構と比べてハウジング10の長さを著しく縮小できる。
【0031】
位置調整機構自体が不要であるため、この点からもハウジング10の長さを縮小でき、外径も縮小できる。
【0032】
また、スイッチ本体20を通電状態としてハウジング10の長手方向に移動させれば、磁石ユニット60の内側にスイッチ本体20の磁気感応部21が位置したときに、そのコード22の途中に設けられた動作表示部23が発光する。このため、磁石検出位置の調節作業が大変簡単になる。
【0033】
磁石検出位置の調節が終わると、締め付け部材50をハウジング10の後端部内にねじ込む。先端側への移動が阻止されているブッシュ30は、このねじ込みにより厚み方向に圧縮され、全体が拡径すると共に複数の貫通孔31が縮径する。貫通孔31の縮径により、ハウジング10の後端部内を挿通する複数のコード22が各調節位置に固定されると共に、複数のコード22の各外面が確実にシールされる。また全体の拡径により、ハウジング10の後端部内面が確実にシールされる。これにより、ハウジング10内の複数の磁気感応部21が各調節位置に固定されると共に、ハウジング10の内部がブッシュ30により確実にシールされる。
【0034】
ここで、締め付け部材50は、複数のコード22が各貫通する複数の貫通孔をもつ構成でもよいが、その場合は締め付け操作に伴ってハウジング10内の複数のスイッチ本体20が中心線の周囲を回転する。しかるに、本実施形態では、この締め付け部材50が環状体であるため、これを回転させてもハウジング10内のスイッチ本体20が回転する事態は回避される。その一方で、ブッシュ30を圧縮変形させる効率は環状体の方が低い。しかるに、本実施形態では、ブッシュ30と締め付け部材50との間に、貫通孔付きの剛性体からなる間座40が介在している。このため、締め付け部材50が環状体であるにもかかわらず、ブッシュ30を圧縮変形させる効率は高い。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の多点検出型磁気近接スイッチは、ハウジングの開放側へ引き出される複数のコードが各貫通する複数の貫通孔が設けられたブッシュを、ハウジングの開放側の端部に装着された締め付け部材により、閉塞側へ押圧して弾性変形させることにより、複数のコードを固定する構成を採用することにより、ハウジングに内蔵された複数のスイッチ本体の長手方向位置を広い範囲で任意に調節できる。広い調整代を確保できるにもかかわらず、ハウジングを長手方向及び径方向の両方で小型化できる。調節機構を必要としないので、構造が簡単で経済性に優れる。ハウジング内のシール性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す多点検出型磁気近接スイッチの側面図で半断面図である。
【図2】図1中のA−A線矢示図である。
【図3】図1中のB−B線矢示図である。
【図4】図1中のC−C線矢示図である。
【符号の説明】
10 ハウジング
11 外側ケース
12 ガイド管
13 ガイド孔
20 スイッチ本体
21 磁気感応部
22 コード
23 動作表示部
30 ブッシュ
31 貫通孔
40 間座
41 貫通孔
50 締め付け部材
60 磁石ユニット
Claims (5)
- ロッド状の非磁性体からなり、その内部の長手方向に、一端が閉塞され他端が開放された複数のガイド孔が平行に設けられたハウジングと、折曲自在なコードの先端に磁気感応部が取付けられ、該磁気感応部がコードの端部と共に、前記ハウジング内の複数のガイド孔に開放側からスライド自在に挿入され、前記ガイド孔内で折曲しないように前記コードの太さが設定された複数のスイッチ本体と、伸縮自在な弾性体からなり、前記ハウジングの開放側の端部に閉塞側へ移動不能に配置されると共に、前記ハウジングの開放側へ引き出される複数のコードが各貫通する複数の貫通孔が設けられたブッシュと、該ブッシュを前記閉塞側へ押圧するべく前記ハウジングの開放側の端部に装着され、その押圧に伴う前記ブッシュの弾性変形により複数のコードを固定する締め付け部材とを具備することを特徴とする多点検出型磁気近接スイッチ。
- 前記ハウジングは、管状の外側ケースと、該外側ケース内に平行に挿入され、それぞれの内側に前記ガイド孔を形成する複数のガイド管とを有する請求項1に記載の多点検出型磁気近接スイッチ。
- 前記締め付け部材は、前記ハウジングの開放側の端部にねじ込まれ、且つ内側を前記コードが挿通する環状のねじ込み部材である請求項1に記載の多点検出型磁気近接スイッチ。
- 前記ねじ込み部材は、その内側のブッシュとの間に配置され、複数のコードが各貫通する複数の貫通孔が設けられた間座と組み合わされている請求項3に記載の多点検出型磁気近接スイッチ。
- 前記スイッチ本体は、前記ハウジングから引き出されたコードの途中に、磁気感応部の動作状態を発光表示する動作表示部を有する請求項1に記載の多点検出型磁気近接スイッチ。
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JP2002353910A JP3979934B2 (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | 多点検出型磁気近接スイッチ |
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KR20220156558A (ko) | 2020-03-25 | 2022-11-25 | 히타치 긴조쿠 가부시키가이샤 | 센서 |
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