JP2004182668A - ジヒドロキシジフェニルスルホン異性体混合物の製造方法 - Google Patents

ジヒドロキシジフェニルスルホン異性体混合物の製造方法 Download PDF

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册雄 大井
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典男 柳瀬
Takayuki Kitahara
隆行 北原
Michimasa Yamamoto
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Abstract

【課題】簡便な操作により2, 4’−体含有量のより多いBS異性体混合物を製造できる方法を提供する。
【解決手段】出発原料として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよび50重量%以下の2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを含有する粗異性体混合物を使用し、出発原料に含まれる2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの合計に対して0.55当量より多く2当量以下のアルカリ性物質と出発原料と水系溶媒とを混合し、出発原料の少なくとも一部を溶解させ、残存物および/または析出物を分離回収することを特徴とする2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを65重量%未満含むジヒドロキシジフェニルスルホン異性体混合物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジヒドロキシジフェニルスルホン異性体混合物(以下「BS異性体混合物」ということがある)の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
2, 4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(以下、2, 4’−体ともいう)と4, 4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(以下、4, 4’−体ともいう)を含有するジヒドロキシジフェニルスルホン異性体混合物は、感熱紙用顕色剤などとして極めて有用である。そのため、最近、特に2, 4’−体含量のより多いBS異性体混合物の需要が高まっている。
【0003】
例えば、特許文献1には、高純度の2,4’−体を製造する方法が開示されているが、2, 4’−体含有量のより多いBS異性体混合物を製造できる方法については、ほとんど知られていない。
【0004】
【特許文献1】特開平10−139756号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の問題点を鑑み成されたものであって、簡便な操作により2, 4’−体含有量のより多いBS異性体混合物を製造できる方法を提供することを主な目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究の結果、特定の組成を有するBS異性体混合物と特定量のアルカリ性物質および水系溶媒とを混合し、残存物および/または析出物を分離回収することによって、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、以下の製造方法に係るものである。
1.出発原料として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよび50重量%以下の2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを含有する粗異性体混合物を使用し、出発原料に含まれる2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの合計に対して0.55当量より多く2当量以下のアルカリ性物質と出発原料と水系溶媒とを混合し、出発原料の少なくとも一部を溶解させ、残存物および/または析出物を分離回収することを特徴とする2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを65重量%未満含むジヒドロキシジフェニルスルホン異性体混合物の製造方法。
2.アルカリ性物質の使用量が、出発原料に含まれる2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの合計に対して0.6〜1.5当量である上記1に記載の製造方法。
3.出発原料が、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよび45重量%以下の2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを含有する粗異性体混合物である上記1または2に記載の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のジヒドロキシジフェニルスルホン異性体混合物の製造方法は、出発原料として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよび50重量%以下の2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを含有する粗異性体混合物を使用し、出発原料に含まれる2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの合計に対して0.55当量より多く2当量以下のアルカリ性物質と出発原料と水系溶媒とを混合し、出発原料の少なくとも一部を溶解させ、残存物および/または析出物を分離回収することを特徴とする2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを65重量%未満含むジヒドロキシジフェニルスルホン異性体混合物の製造方法である。
【0009】
本発明において用いる出発原料は、2,4’−体と4,4’−体とを含有しており、出発原料中の2,4’−体の含有量が50重量%以下程度である限り特に制限されない。出発原料としては、例えば、ジヒドロキシジフェニルスルホンの反応生成物、該反応生成物からスルホン酸類等を除いたもの、市販の異性体混合物などを用いることができる。反応生成物を使用する場合には、例えば溶剤を濾別したもの、溶剤を蒸発乾固したものなどを用いることができる。なお、粗異性体混合物に溶剤が含まれる場合には、加熱処理の前または加熱処理の後であって冷却前に、分離処理を行い溶剤を除去してもよい。
【0010】
本発明において用いる出発原料には、通常50重量%以下程度、好ましくは45重量%以下程度、より好ましくは15〜40重量%程度の2,4’−体が含まれている。なお、出発原料として、溶液、懸濁液などの溶媒を含む原料を用いる場合には、溶媒を除去した固形分における2,4’−体の含有量が、通常50重量%以下程度であり、好ましくは45重量%以下程度、より好ましくは15〜40重量%程度である。
【0011】
出発原料は、その大部分が2,4’−体と4,4’−体であるが、本発明の効果が奏される範囲内においてトリヒドロキシトリフェニルジスルホン(以下、トリ体ともいう)、スルホン酸類、反応溶媒等の不純物を含有していても良い。
【0012】
本発明において用いられる水系溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜3のアルコールと水との混合溶媒などを用いることができ、水を好適に用いることができる。炭素数1〜3のアルコールと水との混合溶媒おける水の含有量は、通常80重量%以上程度である。
【0013】
水系溶媒の使用量は、特に制限されないが、出発原料に対する重量比として通常1〜10倍程度であり、好ましくは1.5〜7倍程度であり、より好ましくは2〜5倍程度である。
【0014】
本発明において用いるアルカリ性物質としては、例えばLiOH、NaOH、KOH等のアルカリ金属水酸化物;LiCO、NaCO、KCO等のアルカリ金属炭酸塩;LiHCO、NaHCO、KHCO等のアルカリ金属重炭酸塩;アンモニア、トリエチルアミン等のアミン化合物等が挙げられる。これらの中では、アルカリ金属水酸化物が好ましく、NaOHがより好ましい。
【0015】
アルカリ性物質の使用量は、出発原料に含まれる2,4’−体および4,4’−体の合計に対して、通常0.55当量より多く2当量以下程度であり、好ましくは0.6〜1.5当量程度であり、より好ましくは0.7〜1.2当量程度である。ここで1当量とは、2,4’−体と4, 4’−体1モルを2, 4’−体と4, 4’−体1モルの一アルカリ金属塩1モルに変えるのに必要なアルカリ性物質の量をいう。従って、アルカリとしてアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属重炭酸塩などを用いる場合には、出発原料中の2,4’−体および/または4, 4’−体1モルに対して通常0.55モルより多く2モル以下程度を用いる。また、アルカリとしてアルカリ金属炭酸塩を用いる場合には、出発原料中の2, 4’−体および/または4, 4’−体1モルに対して通常0.275モルより多く1モル以下程度を用いる。
【0016】
なお、アルカリ性物質は、一旦、上記の所定量以上の量を加えてもよい。この場合には、酸を添加することによって、過剰量のアルカリを消費し、最終的に出発原料に含まれる2,4’−体および4,4’−体の合計に対して、通常0.55当量より多く2当量以下程度、好ましくは0.6〜1.5当量程度、より好ましくは0.7〜1.2当量程度のアルカリ性物質を添加すればよい。過剰量のアルカリを消費するために添加する酸として、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、酢酸等の有機酸などを例示することができる。
【0017】
また、出発原料にトリ体および/またはスルホン酸類が含まれている場合には、上記使用量に加えて、トリ体1モルに対して1当量のアルカリ性物質および/またはスルホン酸類1モルに対して1当量のアルカリ性物質を添加することが好ましい。ここで、「トリ体およびスルホン酸類各々1モルに対して1当量とは、トリ体およびスルホン酸類各々1モルを、トリ体およびスルホン酸類各々1モルの一アルカリ金属塩1モルに変えるのに必要なアルカリ性物質の量をいう。
【0018】
所定量のアルカリ性物質と出発原料と水系溶媒とを混合する時間は、特に制限されないが、通常10時間以下程度、好ましくは0.1〜2時間程度である。
【0019】
本発明の方法では、出発原料の少なくとも一部を水系溶媒に溶解させ、残存物および/または析出物を分離回収する。例えば、出発物質と所定量のアルカリ性物質と水系溶媒とを混合しその一部を水系溶媒に溶解させると、4,4’−体が選択的に溶解するので、2,4’−体が出発原料より多く含まれる残存物を得ることができる。或いは、出発原料の全てを一旦水系溶媒に溶解させてBS異性体混合物を析出させても2,4’−体が出発原料より多く含まれるBS異性体混合物を得ることができる。出発原料を溶解させるときには、加熱してもよい。また、溶解させた後、必要に応じて活性炭処理を行っても良いし、還元剤、キレート剤などを添加して脱色操作を行っても良い。所定量のアルカリ性物質と出発原料と水系溶媒とを混合後、必要に応じて冷却してもよい。冷却すると、BS異性体混合物の収率が高くなる。
【0020】
残存物および/または析出物は、ろ過、遠心分離などの公知の固液分離手段などにより分離回収すればよい。分離回収する時の温度は、特に制限されないが、通常50℃以下程度であり、好ましくは45℃以下程度であり、20〜40℃程度であるのが特に好ましい。
【0021】
得られたBS混合物は、必要に応じて、公知の方法などにより精製してもよい。公知の精製方法の一例として、BS異性体混合物、水、アルカリ性物質などを混合し、必要に応じて活性炭処理した後、酸で中和し、析出物を分離回収する方法などを例示できる。用いる酸は特に制限されないが、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、酢酸等の有機酸等が挙げられる。
【0022】
本発明によると、出発原料よりも2, 4’−体の含量が多いBS異性体混合物を得ることができる。得られるBS異性体混合物には、若干のアルカリ塩が含まれていてもよく、異性体混合物中に含まれる2,4’− BSの含有量は、アルカリ塩を含めて、通常65重量%未満であり、好ましくは60重量%未満程度であり、より好ましくは20〜55重量%程度である。得られるBS異性体混合物中に含まれる2, 4’−体の含有量は、出発原料よりも通常3〜30重量%程度、条件によっては5〜20重量%程度多い。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、簡便な操作により2, 4’−体含有量のより多いBS異性体混合物を製造できる方法を提供できる。
【0024】
本発明によると、有機溶媒を使用せずにBS異性体混合物を製造できるので、本発明の方法は、操作性、安全性などにおいて優れている。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に制限されるものではない。
【0026】
実施例1
4,4’−体70重量%および2,4’−体30重量%を含有するBS異性体混合物100g(0.40モル)に水300gと水酸化ナトリウム12g(0.30モル)を加えて、35℃で3時間撹拌した。結晶を35℃においてろ過し、水洗することにより含水結晶を得た。
【0027】
得られた含水一次結晶105gには、67gのBS異性体混合物が含まれており、4,4’−体:2,4’−体の重量比は、59:41であった。ろ液にもBS異性体混合物が33g含まれており、4,4’−体:2,4’−体の重量比は、95:5であった。
【0028】
一次結晶105gに水300gと水酸化ナトリウム5g(0.13モル)を加えて昇温溶解し、活性炭処理をした後、硫酸で中和した。中和途中から結晶が析出し始めた。析出した結晶を35℃でろ過し、水洗、乾燥することにより白色のジヒドロキシジフェニルスルホン異性体混合物66gを得た。4,4’−体:2,4’−体の重量比は、59:41であった。
【0029】
実施例2
4,4’−体70重量%および2,4’−体30重量%を含有するBS異性体混合物100g(0.40モル)に水300gと水酸化ナトリウム19.2g(0.48モル)を加えて、35℃で3時間撹拌した。結晶を35℃においてろ過し、水洗することにより含水結晶を得た。
【0030】
得られた含水一次結晶60gには、39gのBS異性体混合物が含まれており、4,4’−体:2,4’−体の重量比は、50:50であった。ろ液には、BS異性体混合物が61g含まれており、4,4’−体:2,4’−体の重量比は、85:15であった。
【0031】
一次結晶60gに水200gと水酸化ナトリウム3g(0.08モル)を加えて昇温溶解し、活性炭処理した後、硫酸で中和した。中和途中から結晶が析出しはじめた。析出した結晶をろ過し、水洗、乾燥することにより白色のジヒドロキシジフェニルスルホン異性体混合物38gを得た。4,4’−体:2,4’−体の重量比は、50:50であった。
【0032】
実施例3
4,4’−体75重量%と2,4’−体25重量%とを含有するBS異性体混合物 100g(0.40モル)に水300gと水酸化ナトリウム14g(0.35モル)を加えて、35℃で3時間撹拌した。結晶を35℃においてろ過し、水洗することにより含水結晶を得た。
【0033】
得られた含水一次結晶102gには、BS異性体混合物が65g含まれており、4,4’−体:2,4’−体の重量比は、66:34であった。ろ液には、BS異性体混合物が、35g含まれており、4,4’−体:2,4’−体の重量比は、91:9であった。
【0034】
一次結晶102gに水300gと水酸化ナトリウム4g(0.10モル)を加えて昇温溶解し、活性炭処理した後、硫酸で中和した。中和途中から結晶が析出し始めた。析出した結晶をろ過し、水洗、乾燥することにより白色のジヒドロキシジフェニルスルホン異性体混合物64gを得た。4,4’−体:2,4’−体の重量比は、66:34であった。
【0035】
実施例4
1,2−ジクロロベンゼン655g及びフェノール216g(2.3モル)の混合物に、攪拌下で98%硫酸100g(1.0モル)を滴下した後、昇温した。155℃付近で内容物が沸騰し始め、1,2−ジクロロベンゼンと共に反応生成水が溜出し始めた。溜出物は、コンデンサーで凝縮され、トラップで分離された。下相の1,2−ジクロロベンゼン相は、連続的に反応系内に戻した。溜出開始から5時間後に反応物の温度が180℃になり、水の生成が停止し、トラップの水量が38mlで一定となった。更に一時間反応させた後、反応生成物をHPLCで分析した。結果、反応生成物には、溶剤である1,2−ジクロロベンゼン以外に、4,4’−体、2,4’−体、トリ体、フェノールスルホン酸が含まれ、4,4’−体/2,4’−体/トリ体の重量比は63/35/2であり、4,4’−体/2,4’−体およびトリ体の総重量は220gであり、フェノールスルホン酸の重量は21gであった。
【0036】
得られた反応生成物を1,2−ジクロロベンゼンを含んだまま粗異性体混合物として用いた。粗異性体混合物に、水1000gと水酸化ナトリウムを添加した。水酸化ナトリウムの添加量は、粗異性体混合物中に含まれる2,4’−体と4,4’−体の合計に対して1.0当量となる量(35g、0.88モル)とトリ体およびフェノールスルホン酸各々1モルに対し1当量に相当する量(トリ体およびフェノールスルホン酸の中和相当量、5g、0.125モル)との合計量(45g、1.005モル)とした。水酸化ナトリウムと水を添加後、90℃まで加熱することにより、析出している2,4’−体と4,4’−体を水相へ溶解抽出し、1,2−ジクロロベンゼン相を分液除去した。
【0037】
得られた水相を35℃まで冷却し、冷却後に3時間攪拌した。撹拌後、析出している結晶を濾別、水洗して、含水一次結晶201gを得た。この含水一次結晶には119gの4,4’−体、2,4’−体およびトリ体が含まれており、その組成(重量比)は4,4’−体/2,4’−体/トリ体=56/44/0であった。
【0038】
この含水一次結晶201gに水700gと水酸化ナトリウム15gを加えて、昇温溶解し、活性炭処理をした後、硫酸で中和した。中和途中から結晶が析出し始めた。析出した結晶を35℃で濾過し、水洗乾燥することにより白色のジヒドロキシジフェニルスルホン異性体混合物117gを得た。4,4’−体/2,4’−体/トリ体の重量比は、56/44/0であった。
【0039】
実施例5
1,2−ジクロロベンゼン655g及びフェノール216g(2.3モル)の混合物に、攪拌下で98%硫酸100g(1.0モル)を滴下した後、昇温した。155℃付近で内容物が沸騰し始め、1,2−ジクロロベンゼンと共に反応生成水が溜出し始めた。溜出物は、コンデンサーで凝縮され、トラップで分離された。下相の1,2−ジクロロベンゼン相は、連続的に反応系内に戻した。溜出開始から5時間後に反応物の温度が180℃になり、水の生成が停止し、トラップの水量が38mlで一定となった。更に一時間反応させた後に反応を終了し、反応生成物を25℃まで冷却した。析出した結晶を濾別し、洗浄した後乾燥した。得られた結晶 (230g)をHPLCで分析した。結果、結晶には、4,4’−体、2,4’−体、トリ体、フェノールスルホン酸が含まれた。結晶に含まれる4,4’−体、2,4’−体およびトリ体の総重量は、210gであり、4,4’−体/2,4’−体/トリ体の重量比は、63/35/2であり、フェノールスルホン酸の重量は20gであった。
【0040】
この結晶(230g)を粗異性体混合物として用いた。粗異性体混合物に水1000gと水酸化ナトリウムを添加した。水酸化ナトリウムの添加量は、粗異性体混合物中に含まれる2,4’−体と4,4’−体の合計に対して1.0当量となる量(33.5g、0.84モル)とトリ体およびフェノールスルホン酸各々1モルに対し1当量に相当する量(トリ体およびフェノールスルホン酸の中和相当量、5g、0.125モル)との合計量(38g、0.95モル)とした。水酸化ナトリウムと水を添加後、35℃で3時間攪拌した後、結晶を濾別し、水洗して、含水一次結晶178gを得た。
【0041】
得られた含水一次結晶(178g)には、BS異性体混合物(110g)が含まれており、4,4’−体/2,4’−体/トリ体の重量比は、56/44/0であった。
【0042】
この含水一次結晶178gに水650gと水酸化ナトリウム15gを加えて昇温溶解し、活性炭処理した後、硫酸で中和した。中和途中から結晶が析出し始めた。析出した結晶を35℃で濾別し、水洗乾燥することにより白色のジヒドロキシジフェニルスルホン異性体混合物108gを得た。4,4’−体/2,4’−体/トリ体の重量比は56/44/0であった。

Claims (3)

  1. 出発原料として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよび50重量%以下の2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを含有する粗異性体混合物を使用し、出発原料に含まれる2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの合計に対して0.55当量より多く2当量以下のアルカリ性物質と出発原料と水系溶媒とを混合し、出発原料の少なくとも一部を溶解させ、残存物および/または析出物を分離回収することを特徴とする2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを65重量%未満含むジヒドロキシジフェニルスルホン異性体混合物の製造方法。
  2. アルカリ性物質の使用量が、出発原料に含まれる2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの合計に対して0.6〜1.5当量である請求項1に記載の製造方法。
  3. 出発原料が、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよび45重量%以下の2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを含有する粗異性体混合物である請求項1または2に記載の製造方法。
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