JP2004172142A - スパークプラグの製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 気泡等の残留を生じ難い釉焼を比較的低温にて行なうことができ、ひいては耐チッピング性の良好な釉薬層が得られるスパークプラグの製造方法を提供する。
【解決手段】 軟化点と線膨張係数とが互いに相違する複数の釉薬組成物を、各々釉薬の成分源となる成分源粉末を配合して溶融後、これを粉末化して、複数種類の要素釉薬粉末を製造する。そして、これらの要素釉薬粉末を混合して調整釉薬粉末となし、絶縁体に塗布して釉焼することにより、釉薬層を得る。
【選択図】 図1

Description

本発明はスパークプラグの製造方法に関する。
自動車エンジン等の内燃機関の点火用に使用されるスパークプラグは、一般に、接地電極が取り付けられる主体金具の内側に、アルミナ系セラミック等で構成された絶縁体が配置され、その絶縁体の内側に中心電極が配置された構造を有する。絶縁体は主体金具の後方側開口部から軸方向に突出し、その突出部の内側に端子金具が配置され、これがガラスシール工程により形成される導電性ガラスシール層や抵抗体等を介して中心電極と接続される。そして、その端子金具を介して高圧を印加することにより、接地電極と中心電極との間に形成されたギャップに火花放電が生ずることとなる。
ところが、プラグ温度が高くなったり、周囲の湿度が上昇したりするなどの条件が重なると、高圧印加してもギャップに飛火せず、絶縁体突出部の表面を回り込む形で端子金具と主体金具との間で放電する、いわゆるフラッシュオーバ現象が生じることがある。そのため、一般に使用されているほとんどのスパークプラグにおいては、主にこのフラッシュオーバ現象防止のために絶縁体表面に釉薬層が形成されている。他方、釉薬層は、絶縁体表面を平滑化して汚染を防止したり、化学的あるいは機械的強度を高めたりするといった役割も果たす。
スパークプラグ用のアルミナ系絶縁体の場合、従来は、釉焼時の流動性を高めるために、ケイ酸塩ガラスに比較的多量のPbOを配合して屈伏点を低下させた鉛ケイ酸塩ガラス系の釉薬を使用してきたが、環境保護に対する関心が地球規模で高まりつつある近年では、Pbを含有する釉薬は次第に敬遠されるようになってきている。例えばスパークプラグが多量に使用される自動車業界においては、廃棄スパークプラグによる環境への影響を考慮して、Pb含有釉薬を使用したスパークプラグの使用は将来全廃しようとの検討も進められている。
しかしながら、そのようなPb含有釉薬の代替品として検討されている硼珪酸ガラスやアルカリ硼珪酸ガラス系の無鉛釉薬は、ガラス転移点が高かったり、あるいは絶縁抵抗が不足したりする等の不具合が避けがたかった。この問題を解決するために、特開平11−106234号公報には、アルカリ成分の共添加効果により絶縁抵抗の向上を図った無鉛釉薬の組成がそれぞれ開示されている。
しかしながら、特開平11−106234号公報においては、ガラス骨格成分としてSiあるいはBを含有する釉薬の、アルカリ成分の共添加効果による絶縁抵抗向上に関して言及されてはいるが、絶縁体の構成セラミックスであるアルミナ系セラミックとの線膨張係数差の解消に関して十分な考慮が払われているとはいい難く、絶縁抵抗向上のレベルも必ずしも十分ではない。特にPbを含有しない釉薬の場合、アルミナ系セラミックとの線膨張係数差を縮小するには、SiやZn等の酸化物成分を増加させることが有効であるが、このような組成を採用した場合、釉薬の屈伏点が上昇して釉焼時の流動性が特に不足しがちとなりやすい。その結果、釉薬層に気泡が残留して、機械的あるいは熱的な衝撃等が加わったときの耐チッピング性が不足する不具合につながる。しかしながら、線膨張係数差を調整するために釉薬組成を大幅に変更することは、釉薬の性能(例えば耐電圧特性)が損なわれることにつながり、本末転倒の結果を招く。
本発明の課題は、気泡等の残留を生じ難い釉焼を比較的低温にて行なうことができ、ひいては耐チッピング性の良好な釉薬層が得られるスパークプラグの製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明は、中心電極と主体金具との間にアルミナ系セラミックからなる絶縁体が配置され、該絶縁体の表面の少なくとも一部を覆う形態で釉薬層が形成されたスパークプラグの製造方法に関し、上記の課題を解決するために
屈伏点と線膨張係数とが互いに相違する複数種類の要素釉薬粉末を製造する釉薬粉末製造工程と、
各釉薬組成物の線膨張係数のうち、最大のものをαmax、最小のものをαminとして、最終的な釉薬層の線膨張係数がαmaxとαminとの中間の値として得られるように複数の要素釉薬粉末を混合した、調整釉薬粉末を製造する調整釉薬粉末製造工程と、
調整釉薬粉末を絶縁体の表面に塗布して釉薬粉末堆積層を形成する釉薬粉末堆積工程と、
その絶縁体を加熱することにより釉薬粉末堆積層を絶縁体表面に焼き付けて釉薬層となす釉焼工程と、
を含むことを特徴とする。
得るべき線膨張係数を有した釉薬層を、図2(a)に示すように、最終的な釉薬層の平均組成と同じ組成を有した単一の釉薬粉末(以下、非調整釉薬粉末という)を用いて形成しようとした場合、線膨張係数の調整を優先した組成を選択した結果、釉薬の屈伏点が上昇して釉焼時の流動性が特に不足し、釉薬層への気泡の残留等を招くことがある。そこで、本発明では、屈伏点と線膨張係数とが互いに相違する複数の釉薬組成物を各々要素釉薬粉末となし、最終的に得るべき釉薬層の線膨張係数を所期の値に調整するために、それら複数の釉薬粉末を配合した調整釉薬粉末を作り、これを絶縁体に塗布して釉焼することにより釉薬層を得る。
複数の要素釉薬粉末を配合して用いる場合、線膨張係数のうち最大のものをαmax、最小のものをαminとして、最終的な釉薬層の線膨張係数は必然的にαmaxとαminとの中間の値となる。換言すれば、目的とする線膨張係数の値をαmとしたとき、線膨張係数がαmよりも大きい要素釉薬粉末と、同じく小さい要素釉薬粉末とを適当な比率で配合した調整釉薬粉末を用いることで、狙いの線膨張係数αmを有した釉薬層を得る。この場合、調整釉薬粉末に配合される要素釉薬粉末の少なくとも1種は、前記した非調整釉薬粉末の屈伏点よりも低く設定できるから、図2(b)に示すように、釉焼時にその要素釉薬粉末(図では第一要素釉薬粉末である)が優先的に軟化し、釉焼時の流動性を全体として高めることができる。その結果、釉薬層への気泡の残留が生じにくくなり、釉薬層の耐チッピング性を大幅に改善することができる。特に非調整釉薬の屈伏点が上昇しやすい、Pbの含有率がPbO換算にて1mol%以下の組成となるように釉薬層が形成される場合に、上記効果は特に顕著に発揮される。
なお、釉薬層の耐チッピング性を高めるためには、得られた釉薬層表面において、100μm四方の領域に観察される気泡の個数が50個以下となっていることが望ましい。
釉薬層に前記貫入等の欠陥が生じる不具合を回避するためには、釉薬層の線膨張係数(平均値)が85×10−7/℃以下となるように、調整釉薬粉末の組成(すなわち要素釉薬粉末の各組成と、それらの混合比率)を調整することにより、アルミナ系セラミックからなる絶縁体との線膨張係数の差をなるべく縮小しておくことが望ましい。他方、釉薬層の線膨張係数を50×10−7/℃よりも小さくしようとすると、釉焼時の流動性が十分改善可能となるように調整釉薬粉末の組成を設定することが困難となる。
釉薬組成物はガラス骨格の主体がSiOにて構成されるため、該SiOに由来するSi成分の含有率は釉薬組成物屈伏点と線膨張係数の値にも大きく影響する。従って、上記本発明の製造方法においては、調整釉薬粉末に使用する複数の要素釉薬粉末はSi成分の含有率が互いに相違するものとしておくことが、釉焼時の流動性改善と線膨張係数調整の効果を両立させる観点において望ましい。他方、ZnOは、適量の配合により釉薬の屈伏点を低下させるとともに、釉薬の線膨張係数を低減させ、アルミナ系セラミックにて構成される絶縁体との線膨張係数差を縮小させる効果に優れる。そこで、複数の要素釉薬粉末を、Zn成分の含有率が互いに相違するものとしておくことも有効である。
以下、要素釉薬粉末の組成の具体例について説明する。
まず、釉薬層の主体(本明細書では50質量%以上)をなすべき主釉薬組成物として、以下の組成のものを用意する。すなわち、該主釉薬組成物は、Si成分をSiOに酸化物換算した値にて25〜45mol%、B成分をBに酸化物換算した値にて20〜40mol%、Zn成分をZnOに酸化物換算した値にて5〜25mol%、Ba及び/又はSr成分を、BaOないしSrOに酸化物換算した値にて合計で0.5〜15mol%、アルカリ金属成分として、NaはNaO、KはKO、LiはLiOに酸化物換算した値にて、それらの1種又は2種以上を合計で5〜10mol%それぞれ含有する。
また、該主釉薬組成物よりも線膨張係数が低く、かつ、屈伏点が高い副釉薬組成物として、以下の少なくともいずれかを用意する。
(第一副釉薬組成物)
Si成分をSiOに酸化物換算した値にて60〜80mol%、B成分をBに酸化物換算した値にて10〜25mol%、アルカリ金属成分として、NaはNaO、KはKO、LiはLiOに酸化物換算した値にて、それらの1種又は2種以上を合計で4〜8mol%それぞれ含有する。
(第二副釉薬組成物)
Zn成分をZnOに酸化物換算した値にて45〜65mol%、B成分をBに酸化物換算した値にて30〜50mol%それぞれ含有する。
そして、主釉薬組成物からなる要素釉薬粉末(以下、主要素釉薬粉末という)に対し、副釉薬組成物からなる要素釉薬粉末(以下、副要素釉薬粉末という)を混合することにより、調整釉薬粉末を得る。なお、第一副釉薬組成物と第二副釉薬組成物とはいずれか1種類のみを用いてもよいし、2種類を併用するようにしてもよい。さらに、主釉薬組成物、第一副釉薬組成物及び第二副釉薬組成物の少なくともいずれかを、各々許容される組成範囲内で互いに組成の異なるものを複数種類組み合わせて使用することもできる。
上記の例では、環境問題への適合性を図るため、最終的に得られる釉薬層が、前述の通り、Pb成分の含有量がPbO換算にて1.0mol%以下(望ましくは0.1mol%以下、より望ましくは実質的に含有せず)とされる。そして、主釉薬組成物は、Pb含有量を上記のように低減しつつ、絶縁性能確保、釉焼温度の最適化及び釉焼面の仕上がり状態を良好に確保するために、主釉薬組成物は前記特有の組成が選択される。従来の釉薬においては、Pb成分が釉薬の屈伏点調整(具体的には釉薬の屈伏点を適度に下げ、釉焼時の流動性を確保する)に関して重要な役割を果たしていたが、無鉛釉薬では、B成分(B)やアルカリ金属成分が屈伏点調整に深く関係する。そして、B成分には、Si成分の含有量との関連において、釉焼面の仕上がり改善を図る上で好都合な前記した特有の含有量範囲が存在し、これを選択することで、釉焼時の流動性を確保でき、ひいては比較的低温で釉焼可能であって絶縁性に優れ、かつ平滑な釉焼面を有する釉薬層が得られる。
Si成分は、25mol%未満になると、十分な絶縁性能の確保が困難となる場合がある。また、Si成分が45mol%を超えると、釉焼が困難となる場合がある。B成分含有量が20mol%未満になると、釉薬の屈伏点が上昇し、釉焼が困難となる場合がある。他方、B成分含有量が40mol%を超えると、釉チヂレが引き起こされやすくなる。Zn成分含有量は、5mol%未満になると、釉薬層の熱膨張係数が大きくなりすぎ、釉薬層に貫入等の欠陥が生じやすくなる場合がある。また、Zn成分は釉薬の屈伏点を低下させる作用も有するので、これが不足すれば釉焼が困難となる場合がある。他方、Zn成分の含有量が25mol%を超えると、失透により釉薬層に白濁等を生じやすくなる。
Ba成分ないしSr成分は、釉薬層の絶縁性向上に寄与するほか、強度の向上にも効果がある。その合計含有量が0.5mol%未満になると、釉薬の絶縁性が低下し、耐フラッシュオーバー性が損なわれることにつながる場合がある。他方、合計含有量が20mol%を超えると、釉薬層の熱膨張係数が高くなりすぎ、釉薬層に貫入等の欠陥が生じやすくなる。また、釉薬層に白濁等も生じやすくなる。Ba及びSr成分の合計含有量は、絶縁性向上及び熱膨張係数調整の観点から、望ましくは0.5〜10mol%の範囲で設定するのがよい。なお、Ba成分とSr成分とは、いずれか一方を単独で含有させてもよいし、両者を混合して含有してもよい。ただし、原料コスト的な面においては、より安価なBa成分の使用が有利である。
また、Zn成分とBa及び/又はSr成分との合計含有量は、前記した酸化物換算にて8〜30mol%となっていることが望ましい。これらの合計含有量が30mol%を超えると釉薬層に白濁等を生じる場合がある。例えば、絶縁体の外面には、製造者等を特定するための文字や図形あるいは品番などの視覚情報を、色釉等を用いて印刷・焼付けすることが行われているが、白濁等により、印刷された視覚情報の読み取りが困難となる場合がある。また、8mol%未満では、釉薬の屈伏点が過度に上昇して釉焼が困難となり、また、外観不良の原因ともなりうる。なお、該合計含有量は、望ましくは10〜20mol%となっているのがよい。
アルカリ金属成分の合計含有量は、5〜10mol%とすることが望ましい。5mol%未満では釉薬の屈伏点が上昇し、釉焼が不能となる場合がある。また、10mol%を超えると、釉薬の絶縁性が低下し、耐フラッシュオーバー性が損なわれる場合がある。なお、アルカリ金属成分Na、K、Liのうち、K成分の割合を上記のように酸化物換算したモル含有量で、
0.4≦K/(Na+K+Li)≦0.8
の範囲に設定することが好ましい。これにより、絶縁性を向上させる効果が一層高められる。ただし、K/(Na+K+Li)の値が0.4未満では、その効果が不十分となる場合がある。
他方、K/(Na+K+Li)の値を0.8以下とするのは釉焼時の流動性を確保するためである。K/(Na+K+Li)の値を0.8以下とすることは、残部0.2以上(0.6以下)の範囲でK以外のアルカリ金属成分が共添加されることを意味する。なお、K/(Na+K+Li)の値は0.5〜0.7の範囲にて調整することがより望ましい。
また、アルカリ金属成分のうち、Li成分は、絶縁性改善のためのアルカリ共添加効果の発現と、釉薬層の熱膨張係数調整、さらには、釉焼時の流動性を確保でき、また機械的強度が向上させるため、なるべく含有させることが好ましい。Li成分は、前記のように酸化物換算したモル含有量で、
0.2≦Li/(Na+K+Li)≦0.5
の範囲に設定することが好ましい。
Liの割合が0.2未満では、下地のアルミナに比べて熱膨張係数が大きくなりすぎ、その結果、貫入(クレージング)等の欠陥が生じやすくなり、釉焼面の仕上がり確保が不十分となる場合がある。一方、Liの割合が0.5よりも大きくなると、Liイオンが、アルカリ金属イオンの中でも比較的移動度が高いことから、釉薬層の絶縁性能に悪影響を及ぼす場合がある。Li/(Na+K+Li)の値は、より望ましくは0.3〜0.45の範囲にて調整するのがよい。なお、アルカリ金属成分の共添加効果による絶縁性向上効果をさらに高めるため、アルカリ金属成分の合計含有量が過剰となって導電性が却って損なわれることにならない範囲にて、Na等の第三成分以降の、他のアルカリ金属成分を配合することも可能であり、特に望ましくは、Na、K及びLiの3つの成分を全て含有させるのがよい。
なお、上記主釉薬組成物は、Mo、W、Ni、Co、Fe及びMnの1種又は2種以上の成分を、MoはMoO、WはWO、NiはNi、CoはCo、FeはFe、MnはMnOにそれぞれ酸化物換算した値にて合計で0.5〜5mol%の範囲にて含有させることにより、釉焼時の流動性をさらに良好に確保できる。これらの合計含有量が0.5mol%未満では、釉焼時の流動性を改善して平滑な釉薬層を得やすくする効果が必ずしも十分達成できなくなる場合がある。他方、5mol%を超えると、釉薬の屈伏点の、過度の上昇により釉焼が困難あるいは不能となる場合がある。
また、Ti、Zr及びHfの1種又は2種以上の成分を、ZrはZrOに、TiはTiOに、HfはHfOにそれぞれ酸化物換算した値にて合計で0.5〜5mol%の範囲で含有させることもできる。Ti、ZrあるいはHfの配合により、耐水性が改善される。Zr成分あるいはHf成分に関しては、釉薬層の耐水性改善効果がTi成分に比して一層顕著である。なお、「耐水性が良好」とは、例えば粉末状の釉薬原料を水等の溶媒とともに混合し、釉薬スラリーの形で長時間放置した場合に、成分溶出による釉薬スラリーの粘性が高くなる不具合を生じにくくなるということを意味する。その結果、釉薬スラリーを絶縁体に塗布する場合に、その塗布厚さを適正化することが容易となり、また厚さのばらつきも小さくなる。その結果、釉焼により形成される釉薬層の厚さの適正化とばらつき低減とを効果的に図ることができる。なお、本成分の合計含有量が0.2mol%未満では効果に乏しく、5mol%を超えると釉薬層が失透しやすくなる。
上記の主要素釉薬粉末の組成は、Si量が低く抑えられているために屈伏点が低く、釉焼時における釉薬の流動性を高める効果をもつ。しかしながら、これ単独では線膨張係数が大きすぎ、アルミナ系セラミックからなる絶縁体との線膨張係数の差が大きくなって、得られる釉薬層に貫入等の欠陥が生じやすくなる。そこで、線膨張係数の小さい上記の副要素釉薬粉末を適量配合することにより、釉薬の線膨張係数を下げることができ、釉薬層に欠陥が生じることを防止できる。また、これらの副要素釉薬粉末はSiあるいはZnの含有率が高くなっているため、主要素釉薬粉末よりも相当高い屈伏点を有する。従って、釉焼時に主要素釉薬粉末が優先的に溶融した際に、副要素釉薬粉末の溶融相中への溶け込みが遅れ、流動性の高い溶融相が形成されている時間を延ばすことができる。その結果、釉薬粉末間に保持されていた気泡の排出が促され、耐チッピング性に優れた釉薬層を得ることができる。
調整釉薬粉末における、副要素釉薬粉末の混合量は5〜30質量%の範囲に調整することが望ましい。該混合量が5質量%未満では、得られる釉薬層の線膨張係数が大きすぎ、アルミナ系セラミックからなる絶縁体との線膨張係数の差が大きくなって、得られる釉薬層に貫入等の欠陥が生じやすくなる。副要素釉薬粉末混合による前述の効果が十分に達成できなくなり、30質量%を超えると釉焼時の流動性が悪化し、気泡除去等の効果が十分に達成できなくなる。
上記のような組成の主釉薬組成物を採用した場合、その線膨張係数は50×10−7/℃〜80×10−7/℃の範囲のものとなる。従って、副釉薬組成物としては、線膨張係数がこれよりも小さいものを採用する必要があり、望ましくは50×10−7/℃未満のものを採用することが、得られる釉薬層の平均的な線膨張係数を小さくし、貫入等の欠陥発生を抑制する観点において望ましい。なお、副釉薬組成物として、主釉薬組成物との線膨張係数の差が50×10−7/℃〜85×10−7/℃となっているものを採用することが、上記効果をより顕著なものとする観点において望ましい。
第一副釉薬組成物において、Si成分が60mol%未満になるか、B成分が25mol%を超え、あるいはアルカリ金属成分の合計が8mol%を超えた場合には、最終的に得られる釉薬層の線膨張係数が十分低減できなくなり、釉薬層に貫入等の欠陥が生じやすくなる。他方、Si成分が80mol%を超えるか、あるいはB成分が10mol%未満、あるいはアルカリ金属成分の合計が4mol%未満となった場合、釉薬層の透明性が損なわれやすくなり、配合量によっては釉焼時に生ずる溶融相の流動性が悪化して、本発明の効果を十分に達成できなくなる場合がある。
他方、第二副釉薬組成物において、Zn成分が45mol%未満になるか、B成分が50mol%を超えた場合には、最終的に得られる釉薬層の線膨張係数が十分低減できなくなり、釉薬層に貫入等の欠陥が生じやすくなる。他方、Zn成分が65mol%を超えるか、あるいはB成分が30mol%未満となった場合、釉薬層の透明性が損なわれやすくなり、配合量によっては釉焼時に生ずる溶融相の流動性が悪化して、本発明の効果を十分に達成できなくなる場合がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を参照して説明する。図3は、本発明の適用対象となるスパークプラグの一例を示す。該スパークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端部21が突出するようにその主体金具1の内側に嵌め込まれた絶縁体2、先端に形成された貴金属発火部31を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、及び主体金具1に一端が溶接等により結合されるとともに他端側が側方に曲げ返されて、その側面が中心電極3の先端部と対向するように配置された接地電極4等を備えている。また、接地電極4には上記発火部31に対向する貴金属発火部32が形成されており、それら発火部31と、対向する発火部32との間の隙間が火花放電ギャップgとされている。
主体金具1は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパークプラグ100のハウジングを構成するとともに、その外周面には、スパークプラグ100を図示しないエンジンブロックに取り付けるためのねじ部7と、六角部1eが形成されている。
絶縁体2の軸方向には貫通孔6が形成されており、その一方の端部側に端子金具13が挿入・固定され、同じく他方の端部側に中心電極3が挿入・固定されている。また、該貫通孔6内において端子金具13と中心電極3との間に抵抗体15が配置されている。この抵抗体15の両端部は、導電性ガラスシール層16,17を介して中心電極3と端子金具13とにそれぞれ電気的に接続されている。
絶縁体2は、内部に自身の軸方向に沿って中心電極3を嵌め込むための貫通孔6を有し、全体がアルミナ系セラミック焼結体として構成される。絶縁体2の軸方向中間には、周方向外向きに突出する突出部2eが例えばフランジ状に形成されている。そして、絶縁体2には、中心電極3の先端に向かう側を前方側として、該突出部2eよりも後方側がこれよりも細径に形成された本体部2bとされている。一方、突出部2eの前方側にはこれよりも細径の第一軸部2gと、その第一軸部2gよりもさらに細径の第二軸部2iがこの順序で形成されている。なお、本体部2bの外周面後端部にはコルゲーション部を形成させずに、外周面全体が円筒状に形成されている。また、第一軸部2gの外周面は略円筒状とされ、第二軸部2iの外周面は先端に向かうほど縮径する略円錐面状とされている。
他方、中心電極3の軸断面径は抵抗体15の軸断面径よりも小さく設定されている。そして、絶縁体2の貫通孔6は、中心電極3を挿通させる略円筒状の第一部分6aと、その第一部分6aの後方側(図面上方側)においてこれよりも大径に形成される略円筒状の第二部分6bとを有する。端子金具13と抵抗体15とは第二部分6b内に収容され、中心電極3は第一部分6a内に挿通される。中心電極3の後端部には、その外周面から外向きに突出して電極固定用凸部3cが形成されている。そして、上記貫通孔6の第一部分6aと第二部分6bとは、第一軸部2g内において互いに接続しており、その接続位置には、中心電極3の電極固定用凸部3cを受けるための凸部受け面6cがテーパ面あるいはアール面状に形成されている。
また、第一軸部2gと第二軸部2iとの接続部2hの外周面は段付面とされ、これが主体金具1の内面に形成された主体金具側係合部としての凸条部1cとリング状の板パッキン63を介して係合することにより、軸方向の抜止めがなされている。他方、主体金具1の後方側開口部内面と、絶縁体2の外面との間には、フランジ状の突出部2eの後方側周縁と係合するリング状の線パッキン62が配置され、そのさらに後方側にはタルク等の充填層61を介してリング状の線パッキン60が配置されている。そして、絶縁体2を主体金具1に向けて前方側に押し込み、その状態で主体金具1の開口縁をパッキン60に向けて内側に加締めることにより加締め部1dが形成され、主体金具1が絶縁体2に対して固定されている。
次に、絶縁体2の表面、具体的には図4に示すように、本体部2bの外周面には、釉薬層2dが形成されている。釉薬層2dは、該本体部2bの基端部外周面にてJIS:B0601に規定された方法に従い測定した釉薬層2dの表面粗さ曲線において、その最大高さRyが10μm以下の平滑なものとされる。また、その形成厚さは10〜150μm、望ましくは10〜50μmとされる。
上記スパークプラグ100は、例えば下記のような方法で製造される。
まず、絶縁体2は原料粉末として、アルミナ粉末と、Si成分、Ca成分、Mg成分、Ba成分及びB成分の各成分源粉末を、焼成後に酸化物換算にて前述の組成となる所定の比率で配合し、所定量の結合剤(例えばPVA)と水とを添加した成形用素地造粒物を成形することにより、絶縁体の原形となる成形体を作り、これを温度1400〜1600℃で焼成することで絶縁体2とする。
他方、釉薬スラリーの調製を以下のようにして行なう。
まず、Si、Al、B、Zn、Ba、Na、K及びLi等の各成分源となる成分源粉末(例えば、Si成分はSiO粉末、Al成分はAl粉末、B成分はHBO粉末、ZnはZnO粉末、Ba成分はBaCO粉末、NaはNaCO粉末、KはKCO粉末、LiはLiCO粉末)を用意する。そして、図1に示すように、前記した組成の主釉薬組成物と副釉薬組成物とがそれぞれ得られるように配合して混合する。次いで、その混合物を、例えば1000〜1500℃に加熱して溶融させ、その溶融物を水中に投じて急冷・ガラス化し、さらに平均粒径が例えば5〜45μm程度となるように微粉砕して、それぞれ主要素釉薬粉末及び副要素釉薬粉末とする。これらは、副要素釉薬粉末の含有率が例えば5〜30質量%となるように配合され、さらにカオリン、蛙目粘土等の粘土鉱物と有機バインダーとが適量添加され、水系溶媒(例えば工業用純水)と混合することにより調整釉薬スラリーとされる。そして、この調整釉薬スラリーを噴霧ノズルNから絶縁体2の必要な表面に噴霧・塗布することにより、調整釉薬粉末堆積層としての釉薬スラリー塗布層2d’を形成する。これを乾燥後、釉焼することにとり、図4に示すように釉薬スラリー塗布層2d’は釉薬層2dとなる。
調整釉薬粉末堆積層は、釉焼時には、図2(b)に示すように屈伏点の低い主要素釉薬粉末が先に軟化・溶融して液相を生ずる(ここでは、第一要素釉薬粉末が主要素釉薬粉末に相当し、第二要素釉薬粉末が副要素釉薬粉末に相当する)。このとき、先に軟化する主要素釉薬粉末(第一要素釉薬粉末)が副要素釉薬粉末(第二要素釉薬粉末)よりも、平均粒径が小さいもの(あるいは比表面積値が大きいもの)を採用することにより、釉焼時の主要素釉薬粉末の溶融を促進でき、釉焼時の流動性を一層高めることができる。
こうして得られる釉薬層2dは、釉焼温度を十分に高く設定するか、さらには釉焼時間を長く設定することで、主要素釉薬粉末をなす主釉薬組成物に、副要素釉薬粉末をなす副釉薬組成物が均一に混ざり合い、図5(b)に示すような単一釉薬組織が得られる。しかしながら、釉薬の溶融・流動による平滑化が完了する前にこのような単一相化が生ずると、釉焼後半では非調整釉薬粉末を用いたのと同じことになり、流動性が損なわれて十分に平滑な釉薬層が得られなくなる場合がある(これは、たとえば外観不良や耐フラッシュオーバ性の低下につながる)。そこで、屈伏点が相対的に高くなるように組成調整された副要素釉薬粉末の粒子の一部が、完全には溶融せずに残留する釉焼温度を採用することにより、図5(a)に示すように、最終的に得られる釉薬層を、主要素釉薬粉末の釉薬組成物を主体としたマトリックス釉薬ガラス相と、副要素釉薬組成物を主体とする分散釉薬ガラス相とからなるものとすることができる。これにより、より平滑な釉薬層を実現しやすくなるほか、釉焼中に分散釉薬ガラス相が骨材の役割を果たし、釉薬が過度に流動して釉薬ダレや膜厚不均一といった不具合も生じにくくなる。また、釉薬層の平均的な線膨張係数を、非調整釉薬粉末を用いた場合よりもさらに小さくでき、ひいては絶縁体との線膨張係数差をさらに縮小できる効果が得られる場合がある。
上記のようにして得られた施釉済みの絶縁体2には、主体金具1や接地電極4等が組み付けられ、図3に示すスパークプラグ100が完成する。
実験例
本発明の効果を確認するために、以下の実験を行なった。
図9に示す形態のアルミナセラミック焼結体からなる絶縁体2を通常の方法により作製した。次に、釉薬スラリーを次のようにして調製した。まず、原料としてSiO粉末(純度99.5%)、Al粉末(純度99.5%)、HBO粉末(純度98.5%)、ZnO粉末(純度99.5%)、BaCO粉末(純度99.5%)、SrO粉末(純度99.5%)、NaCO粉末(純度99.5%)、KCO粉末(純度99%)、LiCO粉末(純度99%)、MoО粉末(純度99%)、Fe粉末(純度99.0%)、ZrO粉末(純度99.5%)、TiO粉末(純度99.5%)、CaCO粉末(純度99.8%)、MgO粉末(純度99.5%)、Bi粉末(純度99%)を用意した。これを用いて、表1及び表2に示す主要素釉薬粉末A、表3に示す副要素釉薬粉末B、表4に示す副要素釉薬粉末Cを、表5〜表8に示す各種釉薬組成となる質量比にて配合し、さらに1000〜1500℃に加熱して溶融させ、その溶融物を水中に投じて急冷・ガラス化した。そして、アルミナ製ポットを用いたボールミルにより粒径50μm以下に乾式粉砕して釉薬粉末とした。
Figure 2004172142
Figure 2004172142
Figure 2004172142
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そして、各主要素釉薬粉末には、表3〜表5に示す質量比率にて各副要素釉薬粉末を混合し(ただし、表3の番号5は、副要素釉薬粉末の混合を行なわない比較例である)、その混合物100質量部に対し粘土鉱物としてのニュージーランドカオリンを3質量部、及び有機バインダーとしてのPVAを2質量部配合し、さらに水を100質量部加えて混合することにより釉薬スラリー(調整釉薬粉末)を得た。
上記の釉薬スラリーを、噴霧ノズルより絶縁体2の表面に噴霧後、乾燥して釉薬スラリー塗布層を形成した。また、釉薬スラリーを投入した浴槽中に絶縁体2を浸漬させ、その後絶縁体2を引き上げることにより絶縁体2の表面に釉薬層を形成したものも作製した。なお、乾燥後の釉薬の塗布厚さは100μm程度である。この絶縁体2を900℃にて30分釉焼し、得られた釉薬層2dの形成状態を目視にて観察した。
また、釉薬層の耐熱衝撃性を以下のようにして評価した。すなわち、絶縁体の非施釉部分をシリコーンチューブで覆い、高温槽内で室温以上の一定温度T(℃)に保持した後、20℃の水中に投ずる試験を、保持温度Tを徐々に上げながら繰り返し、釉薬層に割れが生じ始めるときの温度Tを測定することにより、限界冷却温度差T−20℃を決定した。また、釉薬層の耐チッピング性を以下のようにして評価した。すなわち、図3に示すスパークプラグを作製し、以下のような衝撃試験を行った。すなわち、各スパークプラグ100の取付ねじ部7を試験品固定台のねじ孔にねじ込み、絶縁体2の本体部2bが上向きに突出するように固定する。そして、その本体部2bのさらに上方において、絶縁体2の中心軸線O上に位置する軸支点に対し、アームを旋回可能に取り付ける。なお、アームの長さは330mmであり、絶縁体2の後方側本体部2bに降り下ろしたときのアームの先端位置が、絶縁体2の後端面からの鉛直方向距離にして10mmとなるように、軸支点の位置が定められている。そして、アームの中心軸線Oからの旋回角度が所定値となるようにアームの先端を持ち上げて、後方側本体部2bに向けて自由落下により降り下ろす操作を、角度間隔2゜にて徐々に大きくしながら繰り返し、釉薬層に欠けや剥離が生じる耐衝撃角度値θを求める。
他方、個々の要素釉薬粉末と、釉薬スラリーを脱水プレスして乾燥粉末としたものとを用い、下記の実験を行った。
(1)線膨張係数:塊状試料から寸法5mm×5mm×10mmの測定試料を切り出し、公知のディラトメータ法により20℃から350℃までの平均値として測定している。また、絶縁体2からも上記寸法の測定試料を切り出し、同様の測定を行ったところ、その値は73×10−7/℃であった。
(2)屈伏点:粉末試料50mgを加熱しながら示差熱分析を行い、室温より測定開始し、第2番目の吸熱ピークとなった温度を屈伏点として測定した。
以上の結果を表5〜表8に示す。
Figure 2004172142
Figure 2004172142
Figure 2004172142
Figure 2004172142
この結果からも明らかな通り、主要素釉薬粉末に対し副要素釉薬粉末を混合した調整釉薬粉末を用いることにより、非調整釉薬粉末(表6:番号9及び11)を用いたものと比較して、釉薬層の耐熱衝撃性及び耐チッピング性が顕著に改善されていることがわかる。
本発明に係るスパークプラグの製造方法の一例を示す工程説明図。 本発明に係るスパークプラグの製造方法の作用説明図。 本発明により製造可能なスパークプラグの一例を示す縦断面図。 釉焼後の絶縁体の外観を示す説明図。 釉薬層組織のいくつかの例を示す模式図。
符号の説明
2 絶縁体
2d 釉薬層
2d’ 釉薬スラリー塗布層(調整釉薬粉末堆積層)
3 中心電極
4 接地電極

Claims (8)

  1. 中心電極と主体金具との間にアルミナ系セラミックからなる絶縁体が配置され、該絶縁体の表面の少なくとも一部を覆う形態で釉薬層が形成されたスパークプラグの製造方法であって、
    屈伏点と線膨張係数とが互いに相違する複数種類の要素釉薬粉末を製造する釉薬粉末製造工程と、
    前記各釉薬組成物の線膨張係数のうち、最大のものをαmax、最小のものをαminとして、最終的な釉薬層の線膨張係数がαmaxとαminとの中間の値として得られるように前記要素釉薬粉末を混合した、調整釉薬粉末を製造する調整釉薬粉末製造工程と、
    前記調整釉薬粉末を絶縁体の表面に塗布して釉薬粉末堆積層を形成する釉薬粉末堆積工程と、
    その絶縁体を加熱することにより前記釉薬粉末堆積層を絶縁体表面に焼き付けて釉薬層となす釉焼工程と、
    を含むことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  2. 前記釉薬層を、Pbの含有率がPbO換算にて1mol%以下の組成となるように形成する請求項1記載のスパークプラグの製造方法。
  3. 前記釉薬層の線膨張係数が50×10−7/℃〜85×10−7/℃となるように、前記調整釉薬粉末の組成が調整される請求項1又は2に記載のスパークプラグの製造方法。
  4. 前記要素釉薬粉末はSi成分の含有率が互いに相違するものとして製造される請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法。
  5. 前記要素釉薬粉末はZn成分の含有率が互いに相違するものとして製造される請求項1ないし4のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法。
  6. 前記釉薬層を、Pbの含有率がPbO換算にて1mol%以下の組成となるように形成するとともに、
    Si成分をSiOに酸化物換算した値にて25〜45mol%、B成分をBに酸化物換算した値にて20〜40mol%、Zn成分をZnOに酸化物換算した値にて5〜25mol%、Ba及び/又はSr成分を、BaOないしSrOに酸化物換算した値にて合計で0.5〜15mol%、アルカリ金属成分として、NaはNaO、KはKO、LiはLiOに酸化物換算した値にて、それらの1種又は2種以上を合計で5〜10mol%それぞれ含有するものを主釉薬組成物として用意し、
    また、該主釉薬組成物よりも線膨張係数が低く、かつ、屈伏点が高い副釉薬組成物として、
    Si成分をSiOに酸化物換算した値にて60〜80mol%、B成分をBに酸化物換算した値にて10〜25mol%、アルカリ金属成分として、NaはNaO、KはKO、LiはLiOに酸化物換算した値にて、それらの1種又は2種以上を合計で4〜8mol%それぞれ含有する第一副釉薬組成物と、
    Zn成分をZnOに酸化物換算した値にて45〜65mol%、B成分をBに酸化物換算した値にて30〜50mol%それぞれ含有する第二副釉薬組成物との少なくともいずれかを用意し、
    前記主釉薬組成物からなる要素釉薬粉末(以下、主要素釉薬粉末という)に対し、前記副釉薬組成物からなる要素釉薬粉末(以下、副要素釉薬粉末という)を混合することにより、前記調整釉薬粉末とする請求項4又は5に記載のスパークプラグの製造方法。
  7. 前記調整釉薬粉末における、前記副要素釉薬粉末の混合量が5〜30質量%とされる請求項6記載のスパークプラグの製造方法。
  8. 前記副釉薬組成物として、線膨張係数が50×10−7/℃未満のものが使用される請求項6又は7に記載のスパークプラグの製造方法。
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