JP2004170166A - グレイコードを用いた相対移動距離と相対ずれ角の測定方法およびそれを応用した装置とシステム - Google Patents
グレイコードを用いた相対移動距離と相対ずれ角の測定方法およびそれを応用した装置とシステム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】対象部位の相対移動量、相対移動角を高精度に計測できる方法と、それを応用して歩行者の歩幅と歩行角度、位置を高精度計測する装置およびシステムを提供する。
【解決手段】歩行者の位置検出では、左右の靴Sの前方と内側にそれぞれ、グレイコードを照射する発光器1と、照射光を受ける受光器2と、足の着床を検出するシートスイッチ4を設け、足の動きだしからスイッチ4が入ったときまでの受光強度の変化幅から歩幅を求め、また、スイッチ4が入ったときの受光強度の絶対値から足の踏み出し角度を求め、それらのデータに基づいて歩行者の位置を特定するようにした。
【選択図】 図6
【解決手段】歩行者の位置検出では、左右の靴Sの前方と内側にそれぞれ、グレイコードを照射する発光器1と、照射光を受ける受光器2と、足の着床を検出するシートスイッチ4を設け、足の動きだしからスイッチ4が入ったときまでの受光強度の変化幅から歩幅を求め、また、スイッチ4が入ったときの受光強度の絶対値から足の踏み出し角度を求め、それらのデータに基づいて歩行者の位置を特定するようにした。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、相対移動を生じる2つの部位の相対移動距離や移動方位のずれ角を算定する方法と、その方法を用いて人の歩幅と左右の足の相対角度(歩行角)を算定する装置、および算定した歩幅と歩行角から歩行者の位置を割り出す位置検知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
人の歩幅や歩行距離を計測する技術としては、下記の特許文献1、2に示されるものや、万歩計(登録商標)などがある。
【0003】
【特許文献1】
特許第2566563号公報
【特許文献2】
特開2000−249571号公報
【0004】
特許文献1の装置は、超音波距離計を用いて両足間の距離即ち歩幅を計測し、積算して歩行距離を求める。
【0005】
また、特許文献2の装置は、歩行時の足の前後方向の揺動角を検出して歩幅を算出し、万歩計(登録商標)はカウントした歩数とあらかじめ設定した歩幅とを乗じて歩行距離を推定する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1の装置は、足の相対位置を検出することは不可能であるし、小型化が困難で、高価になるという問題もある。
【0007】
また、万歩計(登録商標)を用いるものは、歩幅を推定して歩数と推定した歩幅から歩行距離を求めるので、測定精度が極端に悪くなる。特許文献2の装置における足の揺動角と歩幅の相関についても同様に精度が極端に低く、従って、これらでは正確な歩幅ならびに歩行距離の算定ができない。また、踏み出した足の方向を計測する手段が全く無いため、歩行者の位置を正確に算定することができない。引用文献2は推定した歩幅に基づいて歩行者の位置を検出するシステムについても言及しているが、同文献のシステムでは、歩行者が斜め、或いは横に足を踏み出して移動すると検出位置に狂いが生じる。
【0008】
この発明は、超音波に代えてグレイコード信号を相対移動距離の検出に利用し、これと相対移動の停止を検知する手段を組み合わせることで上記の課題を解決するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明においては、上記の課題の解決策として、相対移動を生じる部位にグレイコードを連続的に照射する発光器と受光器を対応して設け、さらに、前記2つの部位の相対移動停止を検知する手段を設け、この検知手段による相対移動停止検知時に前記受光器が受光したグレイコードの番地幅から相対移動距離を算定する相対移動距離測定方法を提供する。
【0010】
また、発光側のグレイコード信号に絶対番地を持たせ、受光器が受光したグレイコードの絶対番地から相対移動を生じる2つの部位の移動方位のずれ角を併せて算出するようにした相対移動角度測定方法も提供する。
【0011】
さらに、これらの方法を応用した装置として、
人体の左右の足に対応して取り付ける、グレイコードを連続的に照射する発光器と受光器、左右の足の着床を検出するスイッチおよび受光したグレイコードから歩幅を算出する歩幅算出装置を具備し、片方の足が着床して前記スイッチが入ったときに前記受光器が受光したグレイコードの番地幅から歩幅を算定する足の相対位置算定装置と、
発光側のグレイコード信号に絶対番地を持たせ、受光器が受光したグレイコードの絶対番地から左右の足の踏み出し角度も併せて算出するようにした足の相対位置算定装置と、
これらの相対位置算定装置で算出した歩幅と足の踏み出し角度に基づいて歩行者の位置を割り出すようにした位置検知システムを提供する。
【0012】
なお、各装置とも、発光側のグレイコードには強度が一定の割合で変化する濃度傾斜光を用いるのがよい。また、位置検知システムは、足の内側に取り付けた受光器で検出したグレイコードの濃度傾斜番地の相対位置から歩行者の内股、がに股の度合を計測し、この計測結果に基づく位置補正を行って歩行者の位置を割り出すものにしておくことができる。
【0013】
【作用】
パターン光投影法の一手法であるグレイコード投影法は、三角測量の原理に基づき、能動的に距離を算出する方法として知られており、物体の三次元形状などを計測する三次元計測装置に利用されている。
【0014】
この発明では、このグレイコードを用いて相対移動距離と、相対移動の角度を計測する。グレイコードを発光器から受光器に向けて連続的に照射し、対象部位の相対移動が止まるまでの受光グレイコードの番地変化を観察すれば、発光器と受光器間の距離および相関角度を瞬時に算定できる。この方法による計測は精度が高く、人の歩幅、歩行距離、歩行軌跡なども正確に求まる。従って、信頼性の高い歩行者の位置検出システムなどを実現することが可能になる。
【0015】
歩行者の内股、がに股の度合を計測して検出位置の補正を行うシステムは、より良い検出精度が望める。
【0016】
なお、この発明の方法を応用した装置は、超音波距離計を用いるものに比べると小型化や低コスト化も図りやすい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を添付図に基づいて説明する。図1は、相対移動距離の計測原理に関する概念図である。相対移動を生じる部位の一方に取り付けた発光器1には、光の強度に256段階の差を生じさせる濃度傾斜フィルム3を取り付けてあり、この濃度傾斜フィルム3を透して照射される濃度傾斜光を、相対移動部位の他方に取り付けた光分解能が256段階ある受光器2で受けて受光強度を読み取る。その読み取りのタイミングは、相対移動停止確認用のスイッチなどが作動したときとする。こうして前記スイッチが作動したときに受光している濃度傾斜光の強度変化分を求めると、濃度傾斜光の濃度は一定幅で変化しているのでトータルの変化幅から相対移動距離を計算して求めることができる。その距離の算出は算出装置によって行う。図1の場合、一段階の濃度変化が1cmの長さに相当すると仮定しており、受光強度の変化幅20、40から40cmおよび20cmの相対移動が生じたことを読み取ることができる。
【0018】
この図1において、発光器1が例えば左足に、受光器2が右足に各々取り付けられ、さらに左右の足の踵の着地を感圧センサを用いた着床スイッチが靴にセットされ、発光器1から照射される濃度傾斜光の照射領域内に常に右足があるように構成されているとすると、右の足が前進すると左足で受光している濃度傾斜光の濃度傾斜幅は距離に反比例して変化し(右足前進時に受光強度が増加するとしたら左足前進時は受光強度が減少する)、上記の原理によって歩幅を算定することができる。
【0019】
図2は、相対移動の角度計測に係わる原理の概念図である。相対移動を生じる部位の一方に取り付けた発光器1には、光の強度に256段階の差を生じさせる濃度傾斜フィルム3を取り付けてあり、この濃度傾斜フィルム3を透して照射される濃度傾斜光(一定の割合で強度が変化し、各強度領域に事前に絶対番地が与えられている)を、相対移動部位の他方に取り付けた光分解能が256段階ある受光器2で受けて受光強度を読み取る。その読み取りのタイミングは、相対移動停止確認用のスイッチなどが作動したときとする。こうして読み取った受光強度の絶対値と中心値との差を求める。
【0020】
受光強度変化256段階を左右に振り分けて二等分すると中心が128となる。ここで、濃度傾斜光の照射範囲αが例えば128°とすると、一段階の濃度変化に対して0.5°の角度が割り当てられる。従って、図2においては、受光強度絶対値128から相対移動の角度=零°が、また、受光強度絶対値220から中心値との差分に比例する相対移動の角度β=(220−128)×0.5=4°が直接的に読み取れる。この原理により、発光器1と受光器2を左右の足に取り付けて足の踏み出し角を求めることができる。
【0021】
なお、歩行により両足の前後の位置、足の向き(内股・がに股)関係が変わるので、足の踏み出し角の算出は、両足に歩幅計測用とは別の発光器と受光器(図3の1Rs▲1▼、1Ls▲1▼と2Rs▲1▼、2Ls▲1▼)をそれぞれ取り付けて行う。
【0022】
図3は、左右の靴にそれぞれ発光器1と受光器2を2台づつ取り付け、両足を揃えた状態からスタートして、右、左、右と前進したときの経路とそのときの踏み出し角度を示したものであって、前進、横歩きのいずれでも、足の前後に取り付けた受・発光器と、左右の足の内側に取り付けた受・発光器で、前後、側進の別と歩幅と進行角度を読み取れる。この図における符号1は発光器を、2は受光器を表わす。また、1、2に付した付加記号のR、Lは右用と左用を区別するために、f、s、rは靴の前・内側・後ろを区別するために、また、▲1▼、▲2▼は片側にそれぞれ2台ある発光器1を区別するため、および片側にそれぞれ2台ある受光器2を区別するために用いた。
【0023】
図4は、図3の受・発光器の靴に対する装着状態を示している。右の靴の前方に発光器1Rf▲2▼、後方に受光器2Rr▲2▼、内側に発光器1Rs▲1▼、受光器2Rs▲1▼を取り付け、また、左の靴の前方に発光器1Lf▲2▼、後方に受光器2Lr▲2▼、内側に発光器1Ls▲1▼、受光器2Ls▲1▼を取り付けてある。また、左右の靴の踵部の靴底には着床検知用のシートスイッチ4R、4Lを組み込んである。全発光器が先に述べた傾斜濃度フイルムを備えており、濃度傾斜光を照射する。
【0024】
図5は、図4において右足の靴に取り付けた受・発光器と他のシステム構成機器の概略的なブロック図である。図中Sは靴、5は受光したグレイコードの絶対番地を読み取って足の踏み出し角度を算出する踏み出し角算定部、6は受光強度の変化幅から歩幅を計算する歩幅算定部、7は歩幅と歩行角に基づいて歩行者の位置を算定する位置算定部、8はデータや指令などのやり取りを行う無線送受信部、9はアンテナである。
【0025】
図4、図5の構成において今仮に、右足が前(後)に踏み出されて靴底の踵に装着されたシートスイッチ4Rが入ったら、このときに受光器2Rr▲2▼(2Lr▲2▼)で捕らえた濃度傾斜光のグレイコードを読み取り、動きだしから着床までの間の受光強度の変化幅から発光器との間の距離すなわち歩幅を計算する。また、受光器2Rs▲1▼(2Ls▲1▼)で捕らえた濃度傾斜光のグレイコードの絶対番地を読み取り、左足との相対角度を算定する。
【0026】
図6は、図4、図5の装置を歩行者が実装したときの概念図である。足元につけた各受発光器1、2(付加記号省略)から腰に取り付けた本体部10まではケーブル11で接続しており、本体部10には一体化した電源装置、歩幅算定部、歩行角度算定部、位置算定部のほかに、計測結果を外部に送るための信号伝送部を設けてある。信号伝送部は無線機のほかPHSなどを利用してもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明の方法によれば、相対移動を生じる部位の相対移動距離と、相対移動の角度をグレイコードと相対移動の停止を確認するスイッチなどの手段を用いて計測するので、計測の精度が高く、人の歩幅、歩行距離、歩行軌跡なども正確に求まる。従って、信頼性の高い歩行者の位置検出システムなどを実現することが可能になる。また、この発明の方法を応用した装置は、超音波距離計を用いるものに比べると小型化や低コスト化も図りやすい。
【0028】
なお、歩行者の位置検出システムは、外部から見えない位置にいる救助隊員などの位置の特定、誘導、危険な場所からの避難指示といった用途や、徘徊者の位置の特定などに有効に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】相対移動距離の計測原理に関する概念図
【図2】相対移動の角度計測に係わる原理の概念図
【図3】左右の足の前進経路と踏み出し角度を示す図
【図4】両足に受・発光器を取り付けたときの足元の状態を示す図
【図5】右足の靴に取り付けた受・発光器と他のシステム構成機器の概略的なブロック図
【図6】図4、図5の装置を歩行者が実装したときの概念図
【符号の説明】
1 発光器
2 受光器
3 濃度傾斜フィルム
4 シートスイッチ
5 踏み出し角度算定部
6 歩幅算定部
7 位置算定部
8 無線送受信部
9 アンテナ
10 本体部
11 ケーブル
S 靴
【発明の属する技術分野】
この発明は、相対移動を生じる2つの部位の相対移動距離や移動方位のずれ角を算定する方法と、その方法を用いて人の歩幅と左右の足の相対角度(歩行角)を算定する装置、および算定した歩幅と歩行角から歩行者の位置を割り出す位置検知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
人の歩幅や歩行距離を計測する技術としては、下記の特許文献1、2に示されるものや、万歩計(登録商標)などがある。
【0003】
【特許文献1】
特許第2566563号公報
【特許文献2】
特開2000−249571号公報
【0004】
特許文献1の装置は、超音波距離計を用いて両足間の距離即ち歩幅を計測し、積算して歩行距離を求める。
【0005】
また、特許文献2の装置は、歩行時の足の前後方向の揺動角を検出して歩幅を算出し、万歩計(登録商標)はカウントした歩数とあらかじめ設定した歩幅とを乗じて歩行距離を推定する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1の装置は、足の相対位置を検出することは不可能であるし、小型化が困難で、高価になるという問題もある。
【0007】
また、万歩計(登録商標)を用いるものは、歩幅を推定して歩数と推定した歩幅から歩行距離を求めるので、測定精度が極端に悪くなる。特許文献2の装置における足の揺動角と歩幅の相関についても同様に精度が極端に低く、従って、これらでは正確な歩幅ならびに歩行距離の算定ができない。また、踏み出した足の方向を計測する手段が全く無いため、歩行者の位置を正確に算定することができない。引用文献2は推定した歩幅に基づいて歩行者の位置を検出するシステムについても言及しているが、同文献のシステムでは、歩行者が斜め、或いは横に足を踏み出して移動すると検出位置に狂いが生じる。
【0008】
この発明は、超音波に代えてグレイコード信号を相対移動距離の検出に利用し、これと相対移動の停止を検知する手段を組み合わせることで上記の課題を解決するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明においては、上記の課題の解決策として、相対移動を生じる部位にグレイコードを連続的に照射する発光器と受光器を対応して設け、さらに、前記2つの部位の相対移動停止を検知する手段を設け、この検知手段による相対移動停止検知時に前記受光器が受光したグレイコードの番地幅から相対移動距離を算定する相対移動距離測定方法を提供する。
【0010】
また、発光側のグレイコード信号に絶対番地を持たせ、受光器が受光したグレイコードの絶対番地から相対移動を生じる2つの部位の移動方位のずれ角を併せて算出するようにした相対移動角度測定方法も提供する。
【0011】
さらに、これらの方法を応用した装置として、
人体の左右の足に対応して取り付ける、グレイコードを連続的に照射する発光器と受光器、左右の足の着床を検出するスイッチおよび受光したグレイコードから歩幅を算出する歩幅算出装置を具備し、片方の足が着床して前記スイッチが入ったときに前記受光器が受光したグレイコードの番地幅から歩幅を算定する足の相対位置算定装置と、
発光側のグレイコード信号に絶対番地を持たせ、受光器が受光したグレイコードの絶対番地から左右の足の踏み出し角度も併せて算出するようにした足の相対位置算定装置と、
これらの相対位置算定装置で算出した歩幅と足の踏み出し角度に基づいて歩行者の位置を割り出すようにした位置検知システムを提供する。
【0012】
なお、各装置とも、発光側のグレイコードには強度が一定の割合で変化する濃度傾斜光を用いるのがよい。また、位置検知システムは、足の内側に取り付けた受光器で検出したグレイコードの濃度傾斜番地の相対位置から歩行者の内股、がに股の度合を計測し、この計測結果に基づく位置補正を行って歩行者の位置を割り出すものにしておくことができる。
【0013】
【作用】
パターン光投影法の一手法であるグレイコード投影法は、三角測量の原理に基づき、能動的に距離を算出する方法として知られており、物体の三次元形状などを計測する三次元計測装置に利用されている。
【0014】
この発明では、このグレイコードを用いて相対移動距離と、相対移動の角度を計測する。グレイコードを発光器から受光器に向けて連続的に照射し、対象部位の相対移動が止まるまでの受光グレイコードの番地変化を観察すれば、発光器と受光器間の距離および相関角度を瞬時に算定できる。この方法による計測は精度が高く、人の歩幅、歩行距離、歩行軌跡なども正確に求まる。従って、信頼性の高い歩行者の位置検出システムなどを実現することが可能になる。
【0015】
歩行者の内股、がに股の度合を計測して検出位置の補正を行うシステムは、より良い検出精度が望める。
【0016】
なお、この発明の方法を応用した装置は、超音波距離計を用いるものに比べると小型化や低コスト化も図りやすい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を添付図に基づいて説明する。図1は、相対移動距離の計測原理に関する概念図である。相対移動を生じる部位の一方に取り付けた発光器1には、光の強度に256段階の差を生じさせる濃度傾斜フィルム3を取り付けてあり、この濃度傾斜フィルム3を透して照射される濃度傾斜光を、相対移動部位の他方に取り付けた光分解能が256段階ある受光器2で受けて受光強度を読み取る。その読み取りのタイミングは、相対移動停止確認用のスイッチなどが作動したときとする。こうして前記スイッチが作動したときに受光している濃度傾斜光の強度変化分を求めると、濃度傾斜光の濃度は一定幅で変化しているのでトータルの変化幅から相対移動距離を計算して求めることができる。その距離の算出は算出装置によって行う。図1の場合、一段階の濃度変化が1cmの長さに相当すると仮定しており、受光強度の変化幅20、40から40cmおよび20cmの相対移動が生じたことを読み取ることができる。
【0018】
この図1において、発光器1が例えば左足に、受光器2が右足に各々取り付けられ、さらに左右の足の踵の着地を感圧センサを用いた着床スイッチが靴にセットされ、発光器1から照射される濃度傾斜光の照射領域内に常に右足があるように構成されているとすると、右の足が前進すると左足で受光している濃度傾斜光の濃度傾斜幅は距離に反比例して変化し(右足前進時に受光強度が増加するとしたら左足前進時は受光強度が減少する)、上記の原理によって歩幅を算定することができる。
【0019】
図2は、相対移動の角度計測に係わる原理の概念図である。相対移動を生じる部位の一方に取り付けた発光器1には、光の強度に256段階の差を生じさせる濃度傾斜フィルム3を取り付けてあり、この濃度傾斜フィルム3を透して照射される濃度傾斜光(一定の割合で強度が変化し、各強度領域に事前に絶対番地が与えられている)を、相対移動部位の他方に取り付けた光分解能が256段階ある受光器2で受けて受光強度を読み取る。その読み取りのタイミングは、相対移動停止確認用のスイッチなどが作動したときとする。こうして読み取った受光強度の絶対値と中心値との差を求める。
【0020】
受光強度変化256段階を左右に振り分けて二等分すると中心が128となる。ここで、濃度傾斜光の照射範囲αが例えば128°とすると、一段階の濃度変化に対して0.5°の角度が割り当てられる。従って、図2においては、受光強度絶対値128から相対移動の角度=零°が、また、受光強度絶対値220から中心値との差分に比例する相対移動の角度β=(220−128)×0.5=4°が直接的に読み取れる。この原理により、発光器1と受光器2を左右の足に取り付けて足の踏み出し角を求めることができる。
【0021】
なお、歩行により両足の前後の位置、足の向き(内股・がに股)関係が変わるので、足の踏み出し角の算出は、両足に歩幅計測用とは別の発光器と受光器(図3の1Rs▲1▼、1Ls▲1▼と2Rs▲1▼、2Ls▲1▼)をそれぞれ取り付けて行う。
【0022】
図3は、左右の靴にそれぞれ発光器1と受光器2を2台づつ取り付け、両足を揃えた状態からスタートして、右、左、右と前進したときの経路とそのときの踏み出し角度を示したものであって、前進、横歩きのいずれでも、足の前後に取り付けた受・発光器と、左右の足の内側に取り付けた受・発光器で、前後、側進の別と歩幅と進行角度を読み取れる。この図における符号1は発光器を、2は受光器を表わす。また、1、2に付した付加記号のR、Lは右用と左用を区別するために、f、s、rは靴の前・内側・後ろを区別するために、また、▲1▼、▲2▼は片側にそれぞれ2台ある発光器1を区別するため、および片側にそれぞれ2台ある受光器2を区別するために用いた。
【0023】
図4は、図3の受・発光器の靴に対する装着状態を示している。右の靴の前方に発光器1Rf▲2▼、後方に受光器2Rr▲2▼、内側に発光器1Rs▲1▼、受光器2Rs▲1▼を取り付け、また、左の靴の前方に発光器1Lf▲2▼、後方に受光器2Lr▲2▼、内側に発光器1Ls▲1▼、受光器2Ls▲1▼を取り付けてある。また、左右の靴の踵部の靴底には着床検知用のシートスイッチ4R、4Lを組み込んである。全発光器が先に述べた傾斜濃度フイルムを備えており、濃度傾斜光を照射する。
【0024】
図5は、図4において右足の靴に取り付けた受・発光器と他のシステム構成機器の概略的なブロック図である。図中Sは靴、5は受光したグレイコードの絶対番地を読み取って足の踏み出し角度を算出する踏み出し角算定部、6は受光強度の変化幅から歩幅を計算する歩幅算定部、7は歩幅と歩行角に基づいて歩行者の位置を算定する位置算定部、8はデータや指令などのやり取りを行う無線送受信部、9はアンテナである。
【0025】
図4、図5の構成において今仮に、右足が前(後)に踏み出されて靴底の踵に装着されたシートスイッチ4Rが入ったら、このときに受光器2Rr▲2▼(2Lr▲2▼)で捕らえた濃度傾斜光のグレイコードを読み取り、動きだしから着床までの間の受光強度の変化幅から発光器との間の距離すなわち歩幅を計算する。また、受光器2Rs▲1▼(2Ls▲1▼)で捕らえた濃度傾斜光のグレイコードの絶対番地を読み取り、左足との相対角度を算定する。
【0026】
図6は、図4、図5の装置を歩行者が実装したときの概念図である。足元につけた各受発光器1、2(付加記号省略)から腰に取り付けた本体部10まではケーブル11で接続しており、本体部10には一体化した電源装置、歩幅算定部、歩行角度算定部、位置算定部のほかに、計測結果を外部に送るための信号伝送部を設けてある。信号伝送部は無線機のほかPHSなどを利用してもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明の方法によれば、相対移動を生じる部位の相対移動距離と、相対移動の角度をグレイコードと相対移動の停止を確認するスイッチなどの手段を用いて計測するので、計測の精度が高く、人の歩幅、歩行距離、歩行軌跡なども正確に求まる。従って、信頼性の高い歩行者の位置検出システムなどを実現することが可能になる。また、この発明の方法を応用した装置は、超音波距離計を用いるものに比べると小型化や低コスト化も図りやすい。
【0028】
なお、歩行者の位置検出システムは、外部から見えない位置にいる救助隊員などの位置の特定、誘導、危険な場所からの避難指示といった用途や、徘徊者の位置の特定などに有効に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】相対移動距離の計測原理に関する概念図
【図2】相対移動の角度計測に係わる原理の概念図
【図3】左右の足の前進経路と踏み出し角度を示す図
【図4】両足に受・発光器を取り付けたときの足元の状態を示す図
【図5】右足の靴に取り付けた受・発光器と他のシステム構成機器の概略的なブロック図
【図6】図4、図5の装置を歩行者が実装したときの概念図
【符号の説明】
1 発光器
2 受光器
3 濃度傾斜フィルム
4 シートスイッチ
5 踏み出し角度算定部
6 歩幅算定部
7 位置算定部
8 無線送受信部
9 アンテナ
10 本体部
11 ケーブル
S 靴
Claims (7)
- 相対移動を生じる部位にグレイコードを連続的に照射する発光器と受光器を対応して設け、さらに、前記2つの部位の相対移動停止を検知する手段を設け、この検知手段による相対移動停止検知時に前記受光器が受光したグレイコードの番地幅から相対移動距離を算定する相対移動距離測定方法。
- 相対移動を生じる部位にグレイコードを連続的に照射する発光器と受光器を対応して設け、さらに、前記2つの部位の相対移動停止を検知する手段を設け、発光側のグレイコード信号に絶対番地を持たせ、前記検知手段による相対移動停止検知時に前記受光器が受光したグレイコードの絶対番地から相対移動を生じる部位の移動方位のずれ角を算出する相対ずれ角の測定方法。
- 人体の左右の足に対応して取り付ける、グレイコードを連続的に送信する発光器と受光器、左右の足の着床を検出するスイッチおよび受光したグレイコードから歩幅を算出する歩幅算出装置を具備し、片方の足が着床して前記スイッチが入ったときに前記受光器が受光したグレイコードの番地幅から歩幅を算定する足の相対位置算定装置。
- 発光側のグレイコード信号に絶対番地を持たせ、受光器が受光したグレイコードの絶対番地から左右の足の踏み出し角度も併せて算出するようにした請求項3記載の足の相対位置算定装置。
- 発光側のグレイコードに強度が一定の割合で変化する濃度傾斜光を用いる請求項3または4記載の足の相対位置算定装置。
- 請求項4または5記載の足の相対位置算定装置で算出した歩幅と足の踏み出し角度に基づいて歩行者の位置を割り出すようにした位置検知システム。
- 足の内側に取り付けた受光器で検出したグレイコードの濃度傾斜番地の相対位置から歩行者の内股、がに股の度合を計測し、この計測結果に基づく位置補正を行って歩行者の位置を割り出す請求項6記載の位置検知システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002334578A JP2004170166A (ja) | 2002-11-19 | 2002-11-19 | グレイコードを用いた相対移動距離と相対ずれ角の測定方法およびそれを応用した装置とシステム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002334578A JP2004170166A (ja) | 2002-11-19 | 2002-11-19 | グレイコードを用いた相対移動距離と相対ずれ角の測定方法およびそれを応用した装置とシステム |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006308301A (ja) * | 2005-04-26 | 2006-11-09 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 計測装置、計測システム、および計測方法 |
CN104698434A (zh) * | 2015-01-16 | 2015-06-10 | 梁二 | 一种基于超宽带的室内应急定位方法 |
US11691289B2 (en) * | 2016-06-30 | 2023-07-04 | Brain Corporation | Systems and methods for robotic behavior around moving bodies |
-
2002
- 2002-11-19 JP JP2002334578A patent/JP2004170166A/ja active Pending
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