JP2004164865A - 全固体ポリマー電池用積層体の製造方法、全固体ポリマー電池用積層体、全固体ポリマー電池の製造方法、及び全固体ポリマー電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた特性を有する新規な全固体ポリマー電池を提供する。
【解決手段】相対向する一対の主面の一方の側1Aにおいて電極材料3が塗布されてなる集電体1を準備する。次いで、相対向する一対の主面の一方の側2Aにおいて触媒性金属材料4が塗布されてなる透明基板2を準備する。次いで、集電体1と透明基板2とを、電極材料3及び触媒性金属材料4とが互いに対向するようにして貼り合わせ、透明基板2側から紫外線を照射すると同時に加熱処理を行ない、電極材料3を重合固化させ、正極電極及び負極電極が形成された積層体を形成する。次いで、これらの積層体を電解質材料を介して貼り合わせることにより、目的とする全固体ポリマー電池を得る。
【選択図】 図1
【解決手段】相対向する一対の主面の一方の側1Aにおいて電極材料3が塗布されてなる集電体1を準備する。次いで、相対向する一対の主面の一方の側2Aにおいて触媒性金属材料4が塗布されてなる透明基板2を準備する。次いで、集電体1と透明基板2とを、電極材料3及び触媒性金属材料4とが互いに対向するようにして貼り合わせ、透明基板2側から紫外線を照射すると同時に加熱処理を行ない、電極材料3を重合固化させ、正極電極及び負極電極が形成された積層体を形成する。次いで、これらの積層体を電解質材料を介して貼り合わせることにより、目的とする全固体ポリマー電池を得る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全固体ポリマー電池用積層体の製造方法、全固体ポリマー電池用積層体、全固体ポリマー電池の製造方法、及び全固体ポリマー電池に関する。
【0002】
【従来技術】
従来の全固体ポリマー電池は、例えば光重合を利用した印刷原版を作製し、レーザー等の露光により光重合開始剤から活性ラジカルを生成して、エチレン性不飽和化合物の付加重合を起こさせることによって作製していた。この場合においては、酸素による重合阻害を受けやすいことから、前記光重合層上に酸素遮断性に優れた保護層を設ける等の工夫が行われている。このような酸素遮断性に優れた保護層は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のような水溶性ポリマーなどから構成することが知られている(特開2001−22079号公報参照)。
【0003】
また、パイボーラ型電池の一つとして、充放電容量のバラツキを有するパイボーラ電極ユニットを用いても、充電容量及び充放電サイクル特性が良好なパイボーラ電極ユニットの一または直列接続された二以上を有する第1組と、この第1組と同数のパイボーラ電極ユニットを有する第2組とが、端子電極に接続される電極板を中央として互いに鏡像関係となるように並列接続されており、さらに前記第1組に含まれる少なくとも一のパイボーラ電極ユニットと、これと鏡像関係にある前記第2組中のパイボーラ電極ユニットとからなる各複合集電体同士がリード線により直接電気的に接続するシート電池が提案されている(特開2000−195495号公報参照)。
【0004】
また、パイボーラ電極ユニットの正極活物質層と負極活物質層との間での自己放電が防止されたシート電池を得るため、一方の面が正極用集電体層であり他方の面が負極用集電体層である複合集電体の正極用集電体層の上に正極活物質層を有し、負極用集電体層の上に負極活物質層を有するパイボーラ電極ユニットを有し、かつ電解質として固体電解質を使用するシート電池が提案されている(特開2000−100471号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来技術においては、例えば特開2000−22079号公報に記載されているように、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等のような水溶性ポリマーからなる層を、親油性の光重合層の上に積層しようとすると、光重合層の低表面張力のため、保護層の親水性溶液は光重合層表面に塗れ広がらず、塗布ムラになるという問題があった。また、特開2000―195495号公報及び特開平2000−100471号公報に見られるようなパイボーラ型シート電池は、電極の構成や電極ユニットの接続に関するものであり、新規な全固体ポリマー電池に関する知見を何ら提供するものではない。
【0006】
本発明は、優れた特性を有する新規な全固体ポリマー電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明は、
相対向する一対の主面の一方の側において電極材料が塗布されてなる集電体を準備する工程と、
相対向する一対の主面の一方の側において触媒性金属材料が塗布されてなる透明基板を準備する工程と、
前記集電体と前記透明基板とを、前記電極材料及び前記触媒性金属材料が塗布されてなる前記主面同士が対向するようにして貼り合わせて積層体を形成する工程と、
前記積層体に対し、前記透明基板側から紫外線、放射線、及び電子線の少なくとも一種を照射するとともに、前記積層体に対して加熱処理を施し、前記電極材料を重合固化させて電極を形成する工程と、
前記透明基板を剥離する工程と、
を含むことを特徴とする、全固体ポリマー電池用積層体の製造方法に関する。
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、上述した全固体ポリマー電池用積層体の製造方法を発明するに至った。上記製造方法において、前記電極材料を所定の正極活物質を含むように構成すれば、正極を含む全固体ポリマー電池用積層体を作製することができる。また、前記電極材料を所定の負極活物質を含むように構成すれば、負極を含む全固体ポリマー電池用積層体を作製することができる。
【0009】
また、紫外線照射による光重合などと、加熱処理による熱重合とを組み合わせているので、重合することが困難な電極材料でも比較的短時間で重合することができる。
【0010】
したがって、上記のようにして作製した正電解質部分及び負電解質部分を以下に詳細に示すような方法で組み合わせることにより、優れた特性を有する新規な全固体ポリマー電池を製造することができるようになる。
【0011】
なお、正極電極及び負極電極を構成する電極材料は、重合開始剤を添加した重合性ポリマーとそれぞれの正極活物質、負極活物質を混合分散した後、所定の集電体上に塗布して紫外線照射を行なうことなく、加熱操作により硬化させようとしたが、空気中では特に硬化しにくく、また真空オーブン中でも、完全に硬化させるには2〜3時間程度の時間がかかることが判明した。この原因は断定できないものの、空気中の酸素によるラジカル重合阻害や、電極材料に添加混合するそれぞれの活物質によるラジカル重合阻害等が考えられる。
【0012】
また、正極電極、負極電極及び電解質ポリマー膜をそれぞれ別々に作製し、これらを積層することによりパイボーラ型シート電池を作製することを試みたが、これらは積層する時点で充分に乾燥されているため、前記正極電極と前記電解質ポリマー膜との間、並びに前記負極電極と前記電解質ポリマー膜との間にほとんど密着性がなく、これらを積層するのが困難であった。
【0013】
本発明のその他の特徴及び詳細、並びに全固体電池ポリマーの製造方法などについては、以下に詳述する。
【0014】
図1は、本発明の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法の一工程における、積層体アセンブリを示す図である。本発明においては、最初に、相対向する一対の主面の一方の側1Aにおいて電極材料3が塗布されてなる集電体1を準備する。
【0015】
上述したように、全固体電池ポリマーの正電解質部分を作製しようとする場合は電極材料3中に正極活物質を含有させるようにする。また全固体電池ポリマーの負電解質部分を作製しようとする場合は電極材料3中に負極活物質を含有させるようにする。
【0016】
正極暗物質としてはLiMn2O4、LiCoO2、Li2Cr2O7、Li2CrO4などのLi金属酸化物から選択し使用するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
【0017】
また、負極活物質としては、ハードカーボン、グラファイトカーボン、金属化合物、金属酸化物、Li金属化合物、Li金属酸化物から選択し使用する。金属化合物としては、LiAl、LiZn、Li3Bi、Li3Cd、Li3Sd、Li4Si、Li4.4Pb、Li4.4Sn、Li0.17C(LiC6)等から、金属酸化物としては、InO2、SiO、SnO、SnO2、SnSO4、ZnO、CoO、NiO、FeO等から、Li金属化合物としては、Li3FeN2、Li2.6Co0.4N、Li2.6Cu0.4N等から、Li金属酸化物としては、LixTiyOz等から選択し、使用する。形状は平板状、波板状、棒状、粉末状などが挙げられるがこれらに限定されない。負極材料のミクロ構造は積層状、球状、繊維状、螺旋状、フイブリル状が挙げられるがこれらに限定されない。
【0018】
また、電極材料3は、加熱処理は紫外線照射などによって重合固化する重合性ポリマーを含むことが好ましい。重合性ポリマーは、分子構造中に少なくともエーテル結合を有し、また末端に重合性官能基を有していることが好ましい。重合性官能基としては一般的な二重結合でよい。また、重合性ポリマーの基本骨格となる主鎖部を3〜6官能基とし、各官能基に連結する側鎖がエーテル結合を含むランダム共重合体とし、それぞれの末端に重合性官能基として二重結合を有するコポリマーとすることもできる。この構造とすることにより重合反応を行った場合、網目状の高分子化が可能となる。また、それぞれの側鎖のランダム共重合体を、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドから得ることもできる。また、前記重合性ポリマーに各種添加物を配合することもできる。
【0019】
さらに、電極材料3は、アセチレンブラックなどの導電助剤を含むことができる。これによって、電子伝導性を付与し、内部抵抗低減の効果を得ることができる。
【0020】
また、電極材料3は、熱重合開始剤及び紫外線重合開始剤を含むことが好ましい。これによって、後に示す加熱処理及び紫外線照射などの処理によって重合固化を短時間で効率的に実施することができるようになる。熱重合開始剤及び紫外線重合開始剤としては公知のものを用いることができる。
【0021】
さらに、電極材料3は、電解質支持塩を含むことが好ましい。これによって、電極材料3の加熱処理及び紫外線照射などの処理による重合固化を良好な状態で行なうことができるようになる。電解質支持塩は、Li(C2F5SO2)2N、LiC4F9SO3、LiCF3SO3、Li(C2F5PF3)等から選択し使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
上述のような電極活物質及び重合性ポリマーなどを含む電極材料3は、ホモミキサーなどで各成分が均一の配合されるように撹拌した後、集電体1上に塗布する。
【0023】
集電体1は、正極活物質を用いて正極電極を作製する場合、SUS、アルミニウム、アルミニウム合金、チタンなどの導電性金属から構成することができ、特にアルミニウムから構成することが好ましい。一方、負極活物質を用いて負極電極を作製する場合、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、ニッケル、銀、SUSなどの導電性金属から構成することができるが、特にSUS及びニッケル等から構成することが好ましい。また、これらの集電体を複合化した複合集電体(クラッド材)を用いることもできる。集電体1の厚さは、例えば1〜100μm程度に設定する。
【0024】
本発明においては、電極材料3が塗布されてなる集電体1を準備した後、相対向する一対の主面の一方の側2Aにおいて触媒性金属材料4が塗布されてなる透明基板2を準備する。
【0025】
触媒性金属材料4としては、アルミニウム、ニッケル、銅、SUS304、SUS430、SUS316L、金、白金、パラジウム等の貴金属等の少なくとも一種から構成することができるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0026】
透明基板2は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルムが好適であるが、ガラス等も使用できる。
【0027】
なお、触媒性金属材料4は、上述した材料などをスパッタリング法、プラズマCVD法、蒸着法などの公知の成膜技術を用いることにより、上述した材料からなる透明基板2上に堆積させることによって形成する。アルミニウムなどの触媒性金属材料4は、成膜手段に応じて平板状のターゲットやペレット状に形成する。
【0028】
次いで、本発明においては、図1に示すように、集電体1と透明基板2とを、電極材料3及び触媒性金属材料4とが互いに対向するようにして貼り合わせる。この時、望ましくは気泡がないように重ね合わせる。次いで、このようにして作製したアセンブリに対して、例えば紫外線露光装置を用いて、透明基板2側から紫外線を照射すると同時に加熱処理を行ない、電極材料3を重合固化する。
【0029】
紫外線露光装置としては、高圧水銀燈やメタルハライト等を用いることができるが、特にこれらに限定されるものではない。加熱処理はヒーターや赤外線ランプ等を用いることによって行なうことができるが、特にこれらに限定されるものではない。なお、高圧水銀燈等を用いる場合は、その出力によって加熱処理も同時に行うことができ、この場合、加熱処理用のヒーター等は特に必要としない。
【0030】
なお、紫外線の波長は300nm以下であることが好ましい。
【0031】
また、加熱処理は80〜140℃で行なうことが好ましく、さらには、電解質支持塩の分解温度以下であることが望ましい。
【0032】
なお、上述した紫外線照射に代えて、放射線照射や電子線照射を行なうことができる。放射線としてはα線などを好ましく用いることができる。
【0033】
また、電極材料3を重合固化させた後は十分真空乾燥を行うことが好ましい。これによって揮発性有機成分や微量の水分除去を行うことができるようになる。真空乾燥における到達真空度は、望ましくは10−1Paに設定する。
【0034】
電極材料3を重合固化した後は、所定の温度まで冷却した後に、透明基板2を剥離除去する。この際、透明基板2の、触媒性金属材料4が塗布された主面2Aに対して離型処理が施されていることが好ましい。これによって、透明基板2の剥離を簡易に行なうことができるようになる。離型処理は、シリコーンやフッ素系の離型処理剤をスプレーなどによって透明基板2の主面2A上に塗布することによって実施する。また、塗布後、過剰な離型処理剤は適宜に除去する。また、上述した離型処理剤に代えて、末端にシラノール基などの反応型の離型処理剤を用いることもできる。
【0035】
以上のような工程を経ることにより、全固体ポリマー電池に使用することのできる全固体ポリマー電池用積層体を製造することができる。
【0036】
次に、上述のようにして得た全固体ポリマー電池用積層体を用いて全固体ポリマー電池を製造する手順について説明する。
【0037】
図2は、本発明の全固体ポリマー電池の製造方法の一例(第1の方法)を説明するための図である。本発明の第1の方法では、上述した全固体ポリマー電池用積層体の製造方法に従って製造された、集電体11上に正極電極13が形成された積層体と、集電体21上に負極電極23が形成された積層体とを別個に作製する。その後、図2に示すように、これら2つの積層体を電解質材料15を介して貼り合わせ、その後所定の温度での加熱処理を施すことによって電解質材料15を重合固化させ、目的とする全固体ポリマー電池を製造するものである。なお、前記加熱処理に伴って、紫外線や、放射線、電子線などの照射処理を行なうこともできる。
【0038】
図3及び図4は、本発明の全固体ポリマー電池の製造方法の他の例(第2の方法)を説明するための図である。本発明の第2の方法では、最初に、上述した全固体ポリマー電池用積層体の製造方法に従って製造された、集電体31上に正極電極又は負極電極が形成された積層体を準備する。その後、この積層体上に電解質材料35を塗布するとともに、少なくとも一つの平滑面32Aを有する支持体32を平滑面33Aが電解質材料35と接触するようにして貼り合わせる。このとき、平滑面33Aと電解質材料35との間に気泡が入らないようにして貼り合わせる。次いで、紫外線、放射線、及び電子線の少なくとも一種を照射する照射処理及び加熱処理の少なくとも一方を施すことにより、電解質材料35を重合固化させる。
【0039】
支持体32は、ガラス、プラスチック、プラスチックフィルム、金属、金属箔等から選択し使用する。
【0040】
次いで、支持体32を剥離除去して、集電体31上にそれぞれ正極電極及び負極電極33と、この電極上に形成された重合固化した電解質材料35とを具える2組の積層体を作製した後、図4に示すように、これらの積層体を重合性ポリマー36を介して貼り合わせる。次いで、所定の温度での加熱処理を施すことによって、重合性ポリマー36を重合固化させ、目的とする全固体ポリマー電池を得ることができる。なお、前記加熱処理に伴って、紫外線や、放射線、電子線などの照射処理を行なうこともできる。
【0041】
なお、第2の方法において、支持体32の平滑面32Aに対し、シリコーンやフッ素系の離型処理剤をスプレーなどによって塗布する離型処理を施すことにより、支持体32の剥離除去を簡易に行なうことができるようになる。
【0042】
また、図4においては、正極電極上及び負極電極上に電解質材料を形成しているが、いずれか一方に形成すれば良い。
【0043】
電解質材料は、上述した電極材料と同様に、重合性ポリマーを含んでいることが好ましく、また、熱重合開始剤や紫外線重合開始剤等の重合開始剤を含んでいることが好ましい。さらには、上述した電解質支持塩を含んでいることが好ましい。なお、重合性ポリマーは前述した電極材料の場合と同様に、分子構造中に少なくともエーテル結合を有し、また末端に重合性官能基を有していることが好ましい。
【0044】
また、重合性ポリマー中に含まれる溶媒は、重合開始剤や電解質支持塩を溶解した後エバボレーター等で極力取り除くことが望ましい。ポリマー電池作製後は、溶媒の除去が極めて困難になる。さらに、重合性ポリマー中に、膜厚制御用添加物として各種フイラーを加えることができる。具体的にはテフロン(登録商標)微粒子、シリコン樹脂微粒子、プラスチック製繊維等を添加する。添加微粒子の直径及び繊維径は1〜100μmのものを用い、目的とする膜厚に応じて選択して使用する。
【0045】
【実施例】
以下、本発明について実施例及び比較例により説明する。
(実施例1)
正極電極用重合性ポリマー、負極電極用重合性ポリマー、電解質膜用重合性ポリマーとして、下記に示すポリエチレンオキシド・ポリプロピレン共重合体を用いた。
【0046】
正極電極用スラリーの作製は、0.31重量部のAIBN(アゾビスイソプチルニトリル)と79重量部の電解質支持塩Li(C2F5SO2)2Nとをn−ピロリドン溶媒に溶解したものを、重合性ポリマー166重量部に混合し、これに正極活物質としてLiMn2O4を260重量部、導電助剤としてアセチレンブラックを78重量部添加し、ホモミキサーで混合分散することにより、正極スラリーを作製した。
【0047】
次いで、前記正極スラリーをSUS316L集電体上に約50μmの塗布厚になるようコーターで塗布した。次いで、シリコン系離型剤を塗布したSUS316L触媒性金属層を表面に有する厚さ15μmの透明PETフィルムを前記触媒性金属層を内側にして、前記集電体上に積層し、高圧水銀燈を有する紫外線露光装置(オーク製作所HMW−449)を100W/cm2、3m/minでコンベアーにより通過させ重合を行ない、透明フィルムを取り除くことにより正極電極を作製した。
【0048】
前記触媒性金属層は、透明PETフィルムをアネルバ製RFスパック装置(SPF−210A)内に設置し、SUS316Lターゲットよりスパッタリングさせることによって形成した。
【0049】
負極電極用スラリーの作製は、負極活物質としてLi4Ti5O12を26重量部、導電助剤としてアセチレンブラックを8重量部、前述のAIBN(アゾビスイソブチルニトリル)0.1重量部、電解質支持塩Li(C2F5SO2)2N31重量部をn−ピロリドン溶媒に溶解したものを重合性ポリマー66重量部に混合し、ホモミキサーで混合分散した。これをSUS316L集電体上に約50μmの塗布厚になるようコーターで塗布した。この上にシリコン系離型剤を塗布したSUS316L触媒性金属層を表面に有する厚さ15μmの透明PETフィルムを触媒性金属層を内側にして積層し、高圧水銀燈を有する紫外線露光装置(オーク製作所IIIMW−449)で100W/cm2、3m/minでコンベアーにより通過させ重合を行ない、透明フィルムを取り除くことにより負極電極を作製した。
【0050】
電解質ポリマーの作製は、前述のポリエチレンオキシド・ポリプロピレン共重合体100重量部に対し、n−ピロリドン溶媒20重量部に0.1重量部のBDK(ペンジルジメチルケタール)と48重量部の電解質支持塩Li(C2F5SO2)2Nを溶解したものを添加混合した。これをロータリーエバボレーターを用いて浴温60℃で1時間処理し、溶媒(n−ピロリドン)の除去を行った。
【0051】
次いで、前記電解質ポリマーを前記正極電極の上に約60〜80μmになるよう塗布し、前記負極電極をこの上に電極面を内側にして重ね合わせ、120℃で1時間熱処理し、ポリマー電解質膜層を作製することにより、ポリマー電池を得ることができた。
【0052】
(実施例2)
実施例1で作製した正極電極及び負極電極の上に、同じく実施例1で作製した重合性電解質ポリマーをそれぞれの電極の上に約60〜80μmになるよう塗布し、この上にあらかじめシリコン系離型を塗布乾燥した約30μmのポリプロピレンフィルムを離型剤塗布面を内側にして重ね合わせ、紫外線を20分間照射しポリマーの重合を行った。硬化後ポリプロピレンフィルムを取り除き、90℃で真空乾燥して、正極電極及び負極電極の上にポリマー電解質膜を作製した。
【0053】
これらの正極電極及び負極電極を50mm×80mmの大きさにそれぞれ切り取り、ポリマー電解質面をそれぞれ内側にして張り合わせ、実施例2のポリマー電池を作製した。
【0054】
(実施例3)
実施例1で作製した正極電極の上に、同じく実施例1で作製した重合性電解質ポリマーを約60〜80μmになるよう塗布し、実施例2で作製した負極電極表面に電解質ポリマー層を有する負極電極を、電解質ポリマー面を内側にして重ね合わせ、120℃で1時間熱処理し、ポリマー電解質膜層を作製することにより、実施例3のポリマー電池を得た。
【0055】
(比較例1)
正極電極の作製は、正極活物質としてLiMn2O4を26重量部、導電助剤としてアセチレンブラックを8重量部、更に前述のAIBN(アゾピスイソブチルニトリル)0.1重量部、電解質支持塩Li(C2F5SO2)2N31重量部をn−ピロリドン溶媒に溶解したものを重合性ポリマー66重量部に混合し、ホモミキサーで混合分散した。これをAl集電体上にコーターで塗布し、120℃のオーブンで6時間熱重合した。
【0056】
(比較例2)
負極電極の作製は、負極活物質としてLi4Ti5O12を26重量部、導電助剤としてアセチレンブラックを8重量部、更に前述のAIBN(アゾピスイソブチルニトリル)0.1重量部、電解質支持塩Li(C2F5SO2)2N31重量部をn−ピロリドン溶媒に溶解したものを重合性ポリマー66重量部に混合し、ホモミキサーで混合分散した。これをNi集電体上にコーターで塗布し、120℃のオーブンで6時間熱重合した。
【0057】
(比較例3)
正極活物質としてLiMn2O4を26重量部、導電助剤としてアセチレンブラックを8重量部、更に前述のAIBN(アゾピスイソブチルニトリル)0.1重量部、電解質支持塩Li(C2F5SO2)2N31重量部をn−ピロリドン溶媒に溶解したものを重合性ポリマー66重量部に混合し、ホモミキサーで混合分散した。これをAl集電体上にコーターで塗布し、そのうえに厚さ15μmのポリプロピレンフィルムを貼り付け、120℃のオーブンで6時間熱重合した。
【0058】
上述のようにして得た正極電極及び負極電極表面の重合性ポリマー重合状態の目視評価、及び重合が完了した膜は電池にした時の内部抵抗を測定した。
これらの評価結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
表1から明らかように、本発明の製造方法に従うことにより、上述した重合性ポリマーの重合が可能となり、前記製造方法に基づく新規な構成の全固体ポリマー電池用積層体、並びにこれを用いた全固体ポリマー電池が提供できることが分かる。
【0061】
以上、具体例を挙げながら本発明を発明の実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変更や変形が可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上、説明してきたように、本発明の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法及びその積層体によれば、優れた特性を有する新規な全固体ポリマー電池を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法の一工程における、積層体アセンブリを示す図である。
【図2】本発明の全固体ポリマー電池の製造方法の一例(第1の方法)を説明するための図である。
【図3】本発明の全固体ポリマー電池の製造方法の他の例(第2の方法)を説明するための図である。
【図4】同じく本発明の全固体ポリマー電池の製造方法の他の例(第2の方法)を説明するための図である。
【符号の説明】
1、11、21、31 集電体
2 透明基板
3 電極材料
4 触媒性金属材料
13 正極電極
15、35 電解質材料
23 負極電極
32 支持体
33 電極
36 重合性ポリマー
【発明の属する技術分野】
本発明は、全固体ポリマー電池用積層体の製造方法、全固体ポリマー電池用積層体、全固体ポリマー電池の製造方法、及び全固体ポリマー電池に関する。
【0002】
【従来技術】
従来の全固体ポリマー電池は、例えば光重合を利用した印刷原版を作製し、レーザー等の露光により光重合開始剤から活性ラジカルを生成して、エチレン性不飽和化合物の付加重合を起こさせることによって作製していた。この場合においては、酸素による重合阻害を受けやすいことから、前記光重合層上に酸素遮断性に優れた保護層を設ける等の工夫が行われている。このような酸素遮断性に優れた保護層は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のような水溶性ポリマーなどから構成することが知られている(特開2001−22079号公報参照)。
【0003】
また、パイボーラ型電池の一つとして、充放電容量のバラツキを有するパイボーラ電極ユニットを用いても、充電容量及び充放電サイクル特性が良好なパイボーラ電極ユニットの一または直列接続された二以上を有する第1組と、この第1組と同数のパイボーラ電極ユニットを有する第2組とが、端子電極に接続される電極板を中央として互いに鏡像関係となるように並列接続されており、さらに前記第1組に含まれる少なくとも一のパイボーラ電極ユニットと、これと鏡像関係にある前記第2組中のパイボーラ電極ユニットとからなる各複合集電体同士がリード線により直接電気的に接続するシート電池が提案されている(特開2000−195495号公報参照)。
【0004】
また、パイボーラ電極ユニットの正極活物質層と負極活物質層との間での自己放電が防止されたシート電池を得るため、一方の面が正極用集電体層であり他方の面が負極用集電体層である複合集電体の正極用集電体層の上に正極活物質層を有し、負極用集電体層の上に負極活物質層を有するパイボーラ電極ユニットを有し、かつ電解質として固体電解質を使用するシート電池が提案されている(特開2000−100471号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来技術においては、例えば特開2000−22079号公報に記載されているように、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等のような水溶性ポリマーからなる層を、親油性の光重合層の上に積層しようとすると、光重合層の低表面張力のため、保護層の親水性溶液は光重合層表面に塗れ広がらず、塗布ムラになるという問題があった。また、特開2000―195495号公報及び特開平2000−100471号公報に見られるようなパイボーラ型シート電池は、電極の構成や電極ユニットの接続に関するものであり、新規な全固体ポリマー電池に関する知見を何ら提供するものではない。
【0006】
本発明は、優れた特性を有する新規な全固体ポリマー電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明は、
相対向する一対の主面の一方の側において電極材料が塗布されてなる集電体を準備する工程と、
相対向する一対の主面の一方の側において触媒性金属材料が塗布されてなる透明基板を準備する工程と、
前記集電体と前記透明基板とを、前記電極材料及び前記触媒性金属材料が塗布されてなる前記主面同士が対向するようにして貼り合わせて積層体を形成する工程と、
前記積層体に対し、前記透明基板側から紫外線、放射線、及び電子線の少なくとも一種を照射するとともに、前記積層体に対して加熱処理を施し、前記電極材料を重合固化させて電極を形成する工程と、
前記透明基板を剥離する工程と、
を含むことを特徴とする、全固体ポリマー電池用積層体の製造方法に関する。
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、上述した全固体ポリマー電池用積層体の製造方法を発明するに至った。上記製造方法において、前記電極材料を所定の正極活物質を含むように構成すれば、正極を含む全固体ポリマー電池用積層体を作製することができる。また、前記電極材料を所定の負極活物質を含むように構成すれば、負極を含む全固体ポリマー電池用積層体を作製することができる。
【0009】
また、紫外線照射による光重合などと、加熱処理による熱重合とを組み合わせているので、重合することが困難な電極材料でも比較的短時間で重合することができる。
【0010】
したがって、上記のようにして作製した正電解質部分及び負電解質部分を以下に詳細に示すような方法で組み合わせることにより、優れた特性を有する新規な全固体ポリマー電池を製造することができるようになる。
【0011】
なお、正極電極及び負極電極を構成する電極材料は、重合開始剤を添加した重合性ポリマーとそれぞれの正極活物質、負極活物質を混合分散した後、所定の集電体上に塗布して紫外線照射を行なうことなく、加熱操作により硬化させようとしたが、空気中では特に硬化しにくく、また真空オーブン中でも、完全に硬化させるには2〜3時間程度の時間がかかることが判明した。この原因は断定できないものの、空気中の酸素によるラジカル重合阻害や、電極材料に添加混合するそれぞれの活物質によるラジカル重合阻害等が考えられる。
【0012】
また、正極電極、負極電極及び電解質ポリマー膜をそれぞれ別々に作製し、これらを積層することによりパイボーラ型シート電池を作製することを試みたが、これらは積層する時点で充分に乾燥されているため、前記正極電極と前記電解質ポリマー膜との間、並びに前記負極電極と前記電解質ポリマー膜との間にほとんど密着性がなく、これらを積層するのが困難であった。
【0013】
本発明のその他の特徴及び詳細、並びに全固体電池ポリマーの製造方法などについては、以下に詳述する。
【0014】
図1は、本発明の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法の一工程における、積層体アセンブリを示す図である。本発明においては、最初に、相対向する一対の主面の一方の側1Aにおいて電極材料3が塗布されてなる集電体1を準備する。
【0015】
上述したように、全固体電池ポリマーの正電解質部分を作製しようとする場合は電極材料3中に正極活物質を含有させるようにする。また全固体電池ポリマーの負電解質部分を作製しようとする場合は電極材料3中に負極活物質を含有させるようにする。
【0016】
正極暗物質としてはLiMn2O4、LiCoO2、Li2Cr2O7、Li2CrO4などのLi金属酸化物から選択し使用するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
【0017】
また、負極活物質としては、ハードカーボン、グラファイトカーボン、金属化合物、金属酸化物、Li金属化合物、Li金属酸化物から選択し使用する。金属化合物としては、LiAl、LiZn、Li3Bi、Li3Cd、Li3Sd、Li4Si、Li4.4Pb、Li4.4Sn、Li0.17C(LiC6)等から、金属酸化物としては、InO2、SiO、SnO、SnO2、SnSO4、ZnO、CoO、NiO、FeO等から、Li金属化合物としては、Li3FeN2、Li2.6Co0.4N、Li2.6Cu0.4N等から、Li金属酸化物としては、LixTiyOz等から選択し、使用する。形状は平板状、波板状、棒状、粉末状などが挙げられるがこれらに限定されない。負極材料のミクロ構造は積層状、球状、繊維状、螺旋状、フイブリル状が挙げられるがこれらに限定されない。
【0018】
また、電極材料3は、加熱処理は紫外線照射などによって重合固化する重合性ポリマーを含むことが好ましい。重合性ポリマーは、分子構造中に少なくともエーテル結合を有し、また末端に重合性官能基を有していることが好ましい。重合性官能基としては一般的な二重結合でよい。また、重合性ポリマーの基本骨格となる主鎖部を3〜6官能基とし、各官能基に連結する側鎖がエーテル結合を含むランダム共重合体とし、それぞれの末端に重合性官能基として二重結合を有するコポリマーとすることもできる。この構造とすることにより重合反応を行った場合、網目状の高分子化が可能となる。また、それぞれの側鎖のランダム共重合体を、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドから得ることもできる。また、前記重合性ポリマーに各種添加物を配合することもできる。
【0019】
さらに、電極材料3は、アセチレンブラックなどの導電助剤を含むことができる。これによって、電子伝導性を付与し、内部抵抗低減の効果を得ることができる。
【0020】
また、電極材料3は、熱重合開始剤及び紫外線重合開始剤を含むことが好ましい。これによって、後に示す加熱処理及び紫外線照射などの処理によって重合固化を短時間で効率的に実施することができるようになる。熱重合開始剤及び紫外線重合開始剤としては公知のものを用いることができる。
【0021】
さらに、電極材料3は、電解質支持塩を含むことが好ましい。これによって、電極材料3の加熱処理及び紫外線照射などの処理による重合固化を良好な状態で行なうことができるようになる。電解質支持塩は、Li(C2F5SO2)2N、LiC4F9SO3、LiCF3SO3、Li(C2F5PF3)等から選択し使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
上述のような電極活物質及び重合性ポリマーなどを含む電極材料3は、ホモミキサーなどで各成分が均一の配合されるように撹拌した後、集電体1上に塗布する。
【0023】
集電体1は、正極活物質を用いて正極電極を作製する場合、SUS、アルミニウム、アルミニウム合金、チタンなどの導電性金属から構成することができ、特にアルミニウムから構成することが好ましい。一方、負極活物質を用いて負極電極を作製する場合、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、ニッケル、銀、SUSなどの導電性金属から構成することができるが、特にSUS及びニッケル等から構成することが好ましい。また、これらの集電体を複合化した複合集電体(クラッド材)を用いることもできる。集電体1の厚さは、例えば1〜100μm程度に設定する。
【0024】
本発明においては、電極材料3が塗布されてなる集電体1を準備した後、相対向する一対の主面の一方の側2Aにおいて触媒性金属材料4が塗布されてなる透明基板2を準備する。
【0025】
触媒性金属材料4としては、アルミニウム、ニッケル、銅、SUS304、SUS430、SUS316L、金、白金、パラジウム等の貴金属等の少なくとも一種から構成することができるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0026】
透明基板2は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルムが好適であるが、ガラス等も使用できる。
【0027】
なお、触媒性金属材料4は、上述した材料などをスパッタリング法、プラズマCVD法、蒸着法などの公知の成膜技術を用いることにより、上述した材料からなる透明基板2上に堆積させることによって形成する。アルミニウムなどの触媒性金属材料4は、成膜手段に応じて平板状のターゲットやペレット状に形成する。
【0028】
次いで、本発明においては、図1に示すように、集電体1と透明基板2とを、電極材料3及び触媒性金属材料4とが互いに対向するようにして貼り合わせる。この時、望ましくは気泡がないように重ね合わせる。次いで、このようにして作製したアセンブリに対して、例えば紫外線露光装置を用いて、透明基板2側から紫外線を照射すると同時に加熱処理を行ない、電極材料3を重合固化する。
【0029】
紫外線露光装置としては、高圧水銀燈やメタルハライト等を用いることができるが、特にこれらに限定されるものではない。加熱処理はヒーターや赤外線ランプ等を用いることによって行なうことができるが、特にこれらに限定されるものではない。なお、高圧水銀燈等を用いる場合は、その出力によって加熱処理も同時に行うことができ、この場合、加熱処理用のヒーター等は特に必要としない。
【0030】
なお、紫外線の波長は300nm以下であることが好ましい。
【0031】
また、加熱処理は80〜140℃で行なうことが好ましく、さらには、電解質支持塩の分解温度以下であることが望ましい。
【0032】
なお、上述した紫外線照射に代えて、放射線照射や電子線照射を行なうことができる。放射線としてはα線などを好ましく用いることができる。
【0033】
また、電極材料3を重合固化させた後は十分真空乾燥を行うことが好ましい。これによって揮発性有機成分や微量の水分除去を行うことができるようになる。真空乾燥における到達真空度は、望ましくは10−1Paに設定する。
【0034】
電極材料3を重合固化した後は、所定の温度まで冷却した後に、透明基板2を剥離除去する。この際、透明基板2の、触媒性金属材料4が塗布された主面2Aに対して離型処理が施されていることが好ましい。これによって、透明基板2の剥離を簡易に行なうことができるようになる。離型処理は、シリコーンやフッ素系の離型処理剤をスプレーなどによって透明基板2の主面2A上に塗布することによって実施する。また、塗布後、過剰な離型処理剤は適宜に除去する。また、上述した離型処理剤に代えて、末端にシラノール基などの反応型の離型処理剤を用いることもできる。
【0035】
以上のような工程を経ることにより、全固体ポリマー電池に使用することのできる全固体ポリマー電池用積層体を製造することができる。
【0036】
次に、上述のようにして得た全固体ポリマー電池用積層体を用いて全固体ポリマー電池を製造する手順について説明する。
【0037】
図2は、本発明の全固体ポリマー電池の製造方法の一例(第1の方法)を説明するための図である。本発明の第1の方法では、上述した全固体ポリマー電池用積層体の製造方法に従って製造された、集電体11上に正極電極13が形成された積層体と、集電体21上に負極電極23が形成された積層体とを別個に作製する。その後、図2に示すように、これら2つの積層体を電解質材料15を介して貼り合わせ、その後所定の温度での加熱処理を施すことによって電解質材料15を重合固化させ、目的とする全固体ポリマー電池を製造するものである。なお、前記加熱処理に伴って、紫外線や、放射線、電子線などの照射処理を行なうこともできる。
【0038】
図3及び図4は、本発明の全固体ポリマー電池の製造方法の他の例(第2の方法)を説明するための図である。本発明の第2の方法では、最初に、上述した全固体ポリマー電池用積層体の製造方法に従って製造された、集電体31上に正極電極又は負極電極が形成された積層体を準備する。その後、この積層体上に電解質材料35を塗布するとともに、少なくとも一つの平滑面32Aを有する支持体32を平滑面33Aが電解質材料35と接触するようにして貼り合わせる。このとき、平滑面33Aと電解質材料35との間に気泡が入らないようにして貼り合わせる。次いで、紫外線、放射線、及び電子線の少なくとも一種を照射する照射処理及び加熱処理の少なくとも一方を施すことにより、電解質材料35を重合固化させる。
【0039】
支持体32は、ガラス、プラスチック、プラスチックフィルム、金属、金属箔等から選択し使用する。
【0040】
次いで、支持体32を剥離除去して、集電体31上にそれぞれ正極電極及び負極電極33と、この電極上に形成された重合固化した電解質材料35とを具える2組の積層体を作製した後、図4に示すように、これらの積層体を重合性ポリマー36を介して貼り合わせる。次いで、所定の温度での加熱処理を施すことによって、重合性ポリマー36を重合固化させ、目的とする全固体ポリマー電池を得ることができる。なお、前記加熱処理に伴って、紫外線や、放射線、電子線などの照射処理を行なうこともできる。
【0041】
なお、第2の方法において、支持体32の平滑面32Aに対し、シリコーンやフッ素系の離型処理剤をスプレーなどによって塗布する離型処理を施すことにより、支持体32の剥離除去を簡易に行なうことができるようになる。
【0042】
また、図4においては、正極電極上及び負極電極上に電解質材料を形成しているが、いずれか一方に形成すれば良い。
【0043】
電解質材料は、上述した電極材料と同様に、重合性ポリマーを含んでいることが好ましく、また、熱重合開始剤や紫外線重合開始剤等の重合開始剤を含んでいることが好ましい。さらには、上述した電解質支持塩を含んでいることが好ましい。なお、重合性ポリマーは前述した電極材料の場合と同様に、分子構造中に少なくともエーテル結合を有し、また末端に重合性官能基を有していることが好ましい。
【0044】
また、重合性ポリマー中に含まれる溶媒は、重合開始剤や電解質支持塩を溶解した後エバボレーター等で極力取り除くことが望ましい。ポリマー電池作製後は、溶媒の除去が極めて困難になる。さらに、重合性ポリマー中に、膜厚制御用添加物として各種フイラーを加えることができる。具体的にはテフロン(登録商標)微粒子、シリコン樹脂微粒子、プラスチック製繊維等を添加する。添加微粒子の直径及び繊維径は1〜100μmのものを用い、目的とする膜厚に応じて選択して使用する。
【0045】
【実施例】
以下、本発明について実施例及び比較例により説明する。
(実施例1)
正極電極用重合性ポリマー、負極電極用重合性ポリマー、電解質膜用重合性ポリマーとして、下記に示すポリエチレンオキシド・ポリプロピレン共重合体を用いた。
【0046】
正極電極用スラリーの作製は、0.31重量部のAIBN(アゾビスイソプチルニトリル)と79重量部の電解質支持塩Li(C2F5SO2)2Nとをn−ピロリドン溶媒に溶解したものを、重合性ポリマー166重量部に混合し、これに正極活物質としてLiMn2O4を260重量部、導電助剤としてアセチレンブラックを78重量部添加し、ホモミキサーで混合分散することにより、正極スラリーを作製した。
【0047】
次いで、前記正極スラリーをSUS316L集電体上に約50μmの塗布厚になるようコーターで塗布した。次いで、シリコン系離型剤を塗布したSUS316L触媒性金属層を表面に有する厚さ15μmの透明PETフィルムを前記触媒性金属層を内側にして、前記集電体上に積層し、高圧水銀燈を有する紫外線露光装置(オーク製作所HMW−449)を100W/cm2、3m/minでコンベアーにより通過させ重合を行ない、透明フィルムを取り除くことにより正極電極を作製した。
【0048】
前記触媒性金属層は、透明PETフィルムをアネルバ製RFスパック装置(SPF−210A)内に設置し、SUS316Lターゲットよりスパッタリングさせることによって形成した。
【0049】
負極電極用スラリーの作製は、負極活物質としてLi4Ti5O12を26重量部、導電助剤としてアセチレンブラックを8重量部、前述のAIBN(アゾビスイソブチルニトリル)0.1重量部、電解質支持塩Li(C2F5SO2)2N31重量部をn−ピロリドン溶媒に溶解したものを重合性ポリマー66重量部に混合し、ホモミキサーで混合分散した。これをSUS316L集電体上に約50μmの塗布厚になるようコーターで塗布した。この上にシリコン系離型剤を塗布したSUS316L触媒性金属層を表面に有する厚さ15μmの透明PETフィルムを触媒性金属層を内側にして積層し、高圧水銀燈を有する紫外線露光装置(オーク製作所IIIMW−449)で100W/cm2、3m/minでコンベアーにより通過させ重合を行ない、透明フィルムを取り除くことにより負極電極を作製した。
【0050】
電解質ポリマーの作製は、前述のポリエチレンオキシド・ポリプロピレン共重合体100重量部に対し、n−ピロリドン溶媒20重量部に0.1重量部のBDK(ペンジルジメチルケタール)と48重量部の電解質支持塩Li(C2F5SO2)2Nを溶解したものを添加混合した。これをロータリーエバボレーターを用いて浴温60℃で1時間処理し、溶媒(n−ピロリドン)の除去を行った。
【0051】
次いで、前記電解質ポリマーを前記正極電極の上に約60〜80μmになるよう塗布し、前記負極電極をこの上に電極面を内側にして重ね合わせ、120℃で1時間熱処理し、ポリマー電解質膜層を作製することにより、ポリマー電池を得ることができた。
【0052】
(実施例2)
実施例1で作製した正極電極及び負極電極の上に、同じく実施例1で作製した重合性電解質ポリマーをそれぞれの電極の上に約60〜80μmになるよう塗布し、この上にあらかじめシリコン系離型を塗布乾燥した約30μmのポリプロピレンフィルムを離型剤塗布面を内側にして重ね合わせ、紫外線を20分間照射しポリマーの重合を行った。硬化後ポリプロピレンフィルムを取り除き、90℃で真空乾燥して、正極電極及び負極電極の上にポリマー電解質膜を作製した。
【0053】
これらの正極電極及び負極電極を50mm×80mmの大きさにそれぞれ切り取り、ポリマー電解質面をそれぞれ内側にして張り合わせ、実施例2のポリマー電池を作製した。
【0054】
(実施例3)
実施例1で作製した正極電極の上に、同じく実施例1で作製した重合性電解質ポリマーを約60〜80μmになるよう塗布し、実施例2で作製した負極電極表面に電解質ポリマー層を有する負極電極を、電解質ポリマー面を内側にして重ね合わせ、120℃で1時間熱処理し、ポリマー電解質膜層を作製することにより、実施例3のポリマー電池を得た。
【0055】
(比較例1)
正極電極の作製は、正極活物質としてLiMn2O4を26重量部、導電助剤としてアセチレンブラックを8重量部、更に前述のAIBN(アゾピスイソブチルニトリル)0.1重量部、電解質支持塩Li(C2F5SO2)2N31重量部をn−ピロリドン溶媒に溶解したものを重合性ポリマー66重量部に混合し、ホモミキサーで混合分散した。これをAl集電体上にコーターで塗布し、120℃のオーブンで6時間熱重合した。
【0056】
(比較例2)
負極電極の作製は、負極活物質としてLi4Ti5O12を26重量部、導電助剤としてアセチレンブラックを8重量部、更に前述のAIBN(アゾピスイソブチルニトリル)0.1重量部、電解質支持塩Li(C2F5SO2)2N31重量部をn−ピロリドン溶媒に溶解したものを重合性ポリマー66重量部に混合し、ホモミキサーで混合分散した。これをNi集電体上にコーターで塗布し、120℃のオーブンで6時間熱重合した。
【0057】
(比較例3)
正極活物質としてLiMn2O4を26重量部、導電助剤としてアセチレンブラックを8重量部、更に前述のAIBN(アゾピスイソブチルニトリル)0.1重量部、電解質支持塩Li(C2F5SO2)2N31重量部をn−ピロリドン溶媒に溶解したものを重合性ポリマー66重量部に混合し、ホモミキサーで混合分散した。これをAl集電体上にコーターで塗布し、そのうえに厚さ15μmのポリプロピレンフィルムを貼り付け、120℃のオーブンで6時間熱重合した。
【0058】
上述のようにして得た正極電極及び負極電極表面の重合性ポリマー重合状態の目視評価、及び重合が完了した膜は電池にした時の内部抵抗を測定した。
これらの評価結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
表1から明らかように、本発明の製造方法に従うことにより、上述した重合性ポリマーの重合が可能となり、前記製造方法に基づく新規な構成の全固体ポリマー電池用積層体、並びにこれを用いた全固体ポリマー電池が提供できることが分かる。
【0061】
以上、具体例を挙げながら本発明を発明の実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変更や変形が可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上、説明してきたように、本発明の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法及びその積層体によれば、優れた特性を有する新規な全固体ポリマー電池を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法の一工程における、積層体アセンブリを示す図である。
【図2】本発明の全固体ポリマー電池の製造方法の一例(第1の方法)を説明するための図である。
【図3】本発明の全固体ポリマー電池の製造方法の他の例(第2の方法)を説明するための図である。
【図4】同じく本発明の全固体ポリマー電池の製造方法の他の例(第2の方法)を説明するための図である。
【符号の説明】
1、11、21、31 集電体
2 透明基板
3 電極材料
4 触媒性金属材料
13 正極電極
15、35 電解質材料
23 負極電極
32 支持体
33 電極
36 重合性ポリマー
Claims (29)
- 相対向する一対の主面の一方の側において電極材料が塗布されてなる集電体を準備する工程と、
相対向する一対の主面の一方の側において触媒性金属材料が塗布されてなる透明基板を準備する工程と、
前記集電体と前記透明基板とを、前記電極材料及び前記触媒性金属材料が塗布されてなる前記主面同士が対向するようにして貼り合わせて積層体を形成する工程と、
前記積層体に対し、前記透明基板側から紫外線、放射線、及び電子線の少なくとも一種を照射するとともに、前記積層体に対して加熱処理を施し、前記電極材料を重合固化させて電極を形成する工程と、
前記透明基板を剥離する工程と、
を含むことを特徴とする、全固体ポリマー電池用積層体の製造方法。 - 前記電極材料は正極活物質を含み、前記電極は正極電極として形成されることを特徴とする、請求項1に記載の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法。
- 前記集電体は、アルミニウム、SUS、ニッケル、あるいはこれらを片方の面に有するクラッド材から構成することを特徴とする、請求項2に記載の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法。
- 前記電極材料は負極活物質を含み、前記電極は負極電極として形成されることを特徴とする、請求項1に記載の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法。
- 前記集電体は、SUS及びニッケル、Cu、あるいはこれらを片方の面に有するクラッド材から構成することを特徴とする、請求項4に記載の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法。
- 前記電極材料は、重合性ポリマーを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法。
- 前記重合性ポリマーは、分子構造中に少なくともエーテル結合を有し、末端において重合性官能基を有することを特徴とする、請求項6に記載の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法。
- 前記電極材料は、導電助剤を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一に記載の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法。
- 前記電極材料は、熱重合開始剤を含むことを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一に記載の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法。
- 前記電極材料は、紫外線重合開始剤を含むことを特徴とする、請求項6〜9のいずれか一に記載の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法。
- 前記電極材料は、電解質支持塩を含むことを特徴とする、請求項6〜10のいずれか一に記載の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法。
- 前記触媒性金属材料は、アルミニウム、ニッケル、銅、及びSUS、または金、白金、パラジウム等の貴金属の少なくとも一種から構成することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一に記載の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法。
- 前記紫外線は、390nm以下の波長を有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一に記載の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法。
- 前記放射線は、α線であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一に記載の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法。
- 前記加熱処理は、80〜140℃の範囲で行なうことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一に記載の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法。
- 前記加熱処理は、前記電解質支持塩の分解温度以下で行なうことを特徴とする、請求項15に記載の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法。
- 前記透明基板の、前記触媒性金属材料が塗布されるべき前記一方の側の主面に対して、離型処理を施す工程を含むことを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一に記載の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法。
- 前記離型処理は、前記透明基板の、前記触媒性金属材料が塗布されるべき前記一方の側の主面に対して、シリコーン系離型剤及びフッ素系離型剤の少なくとも一方を塗布することによって実施することを特徴とする、請求項17に記載の全固体ポリマー電池用積層体の製造方法。
- 請求項1〜18のいずれか一に記載の方法によって製造されたことを特徴とする、全固体ポリマー電池用積層体。
- 請求項1〜18のいずれか一に記載の方法によって、正極電極を有する第1の積層体を製造する工程と、
請求項1〜18のいずれか一に記載の方法によって、負極電極を有する第2の積層体を製造する工程と、
前記第1の積層体の前記正極電極の表面及び前記第2の積層体の前記負極電極の表面の、少なくとも一方に電解質材料を塗布する工程と、
前記第1の積層体及び前記第2の積層体を、前記正極電極及び前記負極電極が対向するようにして貼り合わせて第3の積層体を形成する工程と、
前記第3の積層体に対して、紫外線、放射線、及び電子線の少なくとも一種を照射する照射処理及び加熱処理の少なくとも一方を施すことにより、前記重合性ポリマーを重合固化させる工程と、
を含むことを特徴とする、全固体ポリマー電池の製造方法。 - 請求項1〜18のいずれか一に記載の方法によって、正極電極を有する第1の積層体を製造する工程と、
請求項1〜18のいずれか一に記載の方法によって、負極電極を有する第2の積層体を製造する工程と、
前記第1の積層体の前記正極電極の表面及び前記第2の積層体の前記負極電極の表面に電解質材料を塗布する工程と、
前記第1の積層体及び前記第2の積層体に塗布された前記電解質材料に対し、少なくとも一つの平滑面を有する支持体を前記平滑面が接触するようにして貼り合わせて、第3の積層体及び第4の積層体を形成する工程と、
前記第3の積層体及び前記第4の積層体に対して、紫外線、放射線、及び電子線の少なくとも一種を照射する照射処理及び加熱処理の少なくとも一方を施すことにより、前記電解質材料を重合固化させる工程と、
前記第3の積層体及び前記第4の積層体から前記支持体を剥離する工程と、
前記支持体が剥離された後の、前記第3の積層体及び前記第4の積層体を、前記電解質材料を介して貼り合わせる工程と、
を含むことを特徴とする、全固体ポリマー電池の製造方法。 - 前記第3の積層体及び前記第4の積層体の貼り合わせは、前記第3の積層体及び前記第4の積層体の少なくとも一方の貼り合わせ面に対して重合性ポリマーを塗布し、紫外線、放射線、及び電子線の少なくとも一種を照射する照射処理及び加熱処理の少なくとも一方を施すことにより、前記電解質材料を重合固化させて実施することにより実施することを特徴とする、請求項21に記載の全固体ポリマー電池の製造方法。
- 前記電解質材料は、重合性ポリマーを含むことを特徴とする、請求項20〜22のいずれか一に記載の全固体ポリマー電池の製造方法。
- 前記重合性ポリマーは、分子構造中に少なくともエーテル結合を有し、末端において重合性官能基を有することを特徴とする、請求項23に記載の全固体ポリマー電池の製造方法。
- 前記電解質材料は、熱重合開始剤を含むことを特徴とする、請求項23又は24に記載の全固体ポリマー電池の製造方法。
- 前記電解質材料は、紫外線重合開始剤を含むことを特徴とする、請求項23〜25のいずれか一に記載の全固体ポリマー電池の製造方法。
- 前記電解質材料は、電解質支持塩を含むことを特徴とする、請求項23〜26のいずれか一に記載の全固体ポリマー電池の製造方法。
- 前記支持体の前記平滑面には離型処理が施されていることを特徴とする、請求項21に記載の全固体ポリマー電池の製造方法。
- 前記離型処理は、前記支持体の前記平滑面にシリコーン系離型剤及びフッ素系離型剤の少なくとも一方を塗布することによって実施することを特徴とする、請求項28に記載の全固体ポリマー電池の製造方法。
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JPWO2019069781A1 (ja) * | 2017-10-06 | 2020-10-22 | 株式会社エンビジョンAescエナジーデバイス | 電極の製造方法 |
CN113241476A (zh) * | 2021-04-14 | 2021-08-10 | 东北师范大学 | 一种非对称结构聚合物基固态电解质膜及其制备方法和应用、聚合物基固态锂电池 |
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US11616222B2 (en) | 2019-02-06 | 2023-03-28 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | All solid state battery and method for producing same |
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