JP2004157008A - ナビゲーションシステムおよびナビゲーション装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者以外でも目的地・経路の設定を確実かつ容易に行うことが可能なナビゲーションシステムおよびナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】利用客は自己の端末装置5からセンター局1に接続して、出発地から目的地へ至る経路を設定することができ、センター局1は設定した経路に特定情報を付与して記憶するとともに、利用客に特定情報を通知する。利用客は、タクシー利用時に運転者を介し、または直接この特定情報を車両2のナビゲーション装置3へと入力する。ナビゲーション装置3は、センター局1に特定情報を送信し、対応する経路情報を受信して、この経路情報に基づいて車両2を目的地まで案内する。
【選択図】 図1
【解決手段】利用客は自己の端末装置5からセンター局1に接続して、出発地から目的地へ至る経路を設定することができ、センター局1は設定した経路に特定情報を付与して記憶するとともに、利用客に特定情報を通知する。利用客は、タクシー利用時に運転者を介し、または直接この特定情報を車両2のナビゲーション装置3へと入力する。ナビゲーション装置3は、センター局1に特定情報を送信し、対応する経路情報を受信して、この経路情報に基づいて車両2を目的地まで案内する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体特に車両を目的地へと案内するナビゲーションシステムおよびナビゲーション装置に関し、特に、タクシーに好適なナビゲーションシステムおよび装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載し、現在位置情報と格納されている地図情報を基にして目的地までの経路を案内するカーナビゲーション装置が知られている。また、地図情報から目的地までの経路を求め、これを基にしてタクシーの利用(乗車)料金を推定するシステムが考案されている(例えば、特許文献1)。この文献には、目的地までの経路を案内するとともに、目的地到達時の料金を予測するカーナビゲーション装置も開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−150330号公報(段落0067〜0074、図10)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、タクシーはバスや電車等の他の交通機関と異なり、予め設定された地点間を運行する交通機関ではなく、乗車地点、下車地点も交通規制を除いて比較的自由に設定できる。このため、運転手が乗客の望み通りの下車地点を設定するのは難しく、また、乗客が下車地点等の正確な情報(例えば、住所、道路名)を知っているとは限らないし、運転者と乗客が乗車地点から下車地点に至る経路や近辺について同程度の地理情報を有しているとも限らないため、著名な施設等を除くと下車地点、経路について口頭で複雑な説明を要したり、わかりやすく説明するために遠回りの経路を選択せざるを得なくなってしまう可能性もあり、利便性が損なわれる。
【0005】
そこで本発明は、運転者以外でも目的地・経路の設定を確実かつ容易に行うことが可能なナビゲーションシステムおよびナビゲーション装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るナビゲーションシステムは、センター局と通信を行い、移動体を目的地まで案内するナビゲーションシステムであって、センター局は、目的地までの経路情報を所定の特定情報と関連づけて記憶している記憶手段と、移動体から送られた特定情報に基づいて対応する経路情報を該移動体へと送信する制御手段を備え、移動体は、センター局に対して特定情報を送信して記憶手段から目的地までの経路情報を読み出す第1の端末装置と、移動体の位置を特定し、特定した現在位置と読み出した経路情報を基にして目的地までの経路案内を行う案内装置と、を備えているものである。
【0007】
目的地までの経路情報をセンター局に特定情報と関連づけて記憶させることで、移動体(例えば、タクシー等の車両)においては、この特定情報を指定してセンター局から経路情報を読み出すことができ、改めて目的地や経由地を詳細に設定する必要がなく、経路設定の利便性が向上する。移動体側の案内装置が地図情報を備えている場合には、経路情報は全経路の情報を有する必要はなく、主要な目的地、経由地、交通情報を含むものであれば足りる。
【0008】
このセンター局と通信接続される第2の端末装置をさらに備え、制御手段は、第2の端末装置から送信された目的地を特定する情報に基づいて目的地までの経路情報を設定し、特定情報を付与して記憶手段に格納するとともに、第2の端末装置に対して特定情報を送信することが好ましい。
【0009】
このようにすれば、移動体の利用客(例えば、タクシーの乗客)は、移動体の利用前に予め所望の経路を設定することができるので、経由地やルートについても細かく設定することが可能となる。
【0010】
第2の端末装置から通信または記憶媒体を介して特定情報を第1の端末装置へと受け渡してもよい。このようにすると、口頭で特定情報を伝達する必要がなく、言い間違いや聞き間違い、第1の端末装置への入力ミス等を防止することができ、特定情報を確実に伝達できるため、その利便性がさらに向上する。ここで、第2の端末装置は、パソコン等のほか、例えば、携帯電話等のモバイル情報機器も利用でき、公衆通信回線のほか、赤外線、無線等による通信やメモリーカード等の各種記憶媒体を介した情報伝達が利用できる。
【0011】
移動体はタクシーであって、センター局は目的地までの経路情報に基づいて目的地までの料金を概算する料金計算手段をさらに備え、センター局の制御手段は、利用客の操作する第2の端末装置に対して概算した料金を送信してもよい。このようにすると、乗車前にタクシー料金を見積もることができ、乗客の利便性が向上する。
【0012】
センター局は、利用客が料金計算手段で計算した料金で支払い予約または決済を行ったか否かを判定する支払判定手段と、利用客からタクシー事業者への料金決済を行う決済手段をさらに備えており、支払い予約または決済済みの場合に第1の端末装置に対する目的地までの経路情報の送信を許可し、目的地到達後決済手段による料金決済を行うことが好ましい。このようにすると、料金決済が簡便になり、利便性がさらに向上する。また、これを利用して回数券システムや一括清算方式等を導入することも可能となる。
【0013】
一方、本発明に係るナビゲーション装置は、車両に搭載され、センター局と通信を行って目的地まで車両を案内するナビゲーション装置であって、予め目的地までの経路情報を所定の特定情報と関連づけて管理しているセンター局に対して、特定情報を送信して目的地までの経路情報を受け取る端末装置と、自車両の現在位置を特定し、特定した現在位置と読み出した経路情報と自車両の現在位置を基にして目的地までの経路案内を行う案内装置と、を備えているものである。
【0014】
目的地までの経路情報をセンター局に特定情報と関連づけて記憶させることで、車両においては、この特定情報を指定してセンター局から経路情報を読み出すことができ、改めて目的地や経由地を詳細に設定する必要がなく、経路設定の利便性が向上する。そして、案内装置が地図情報を有していれば、経路情報は全経路の情報を有する必要はなく、主要な目的地、経由地、交通情報を含むものであれば足りる。
【0015】
利用客の所持する端末装置から通信により、あるいは記憶媒体を介して特定情報を受け取る特定情報受取手段をさらに備えていてもよい。このようにすると、利用客は口頭で特定情報を伝達する必要がなく、言い間違いや聞き間違い、端末装置への入力ミス等を防止して、特定情報を確実に伝達できるため、その利便性がさらに向上する。ここで、利用客の所持する端末装置は、パソコン等のほか、例えば、携帯電話等のモバイル情報機器も利用でき、公衆通信回線のほか、赤外線、無線等による通信やメモリーカード等の各種記憶媒体を介した情報伝達が利用できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
【0017】
図1に本発明に係るナビゲーションシステムの概略構成図を示す。以下、タクシー用のナビゲーションシステムを例に説明する。このナビゲーションシステムにおいては、移動体であるタクシーの車両2に搭載された本発明に係るナビゲーション装置3がセンター局1と通信を行い、通信結果とGPS(Global Positioning System)等を用いて特定した車両2の現在位置に基づいて目的地までの経路を案内する。この経路情報は、乗客が事前に端末装置5(本発明に係るナビゲーションシステムにおける第2の端末装置)により設定可能となっている。
【0018】
センター局1は、図2に示されるように、無線通信アンテナ10および公衆または専用回線(以下、有線回線と称する。)に接続される通信手段11と、これに接続される処理装置12および記憶手段13を有する。
【0019】
ここでは、センター局1の通信手段1自体が無線回線、有線回線の双方に接続されているが、いずれか一方のみに接続され、他の回線には接続されているほうの回線を介して間接的に接続されていてもよい。この通信手段11は、インターネット、広域LAN等に接続されていることが好ましい。センター局1はネットワーク接続された複数の基地局に分散されていてもよく、この場合には、基幹局を備えていることが好ましい。処理装置12(本発明に係るナビゲーションシステムにおける制御手段)は、例えば、サーバーまたはワークステーションとして機能するコンピュータであって、ネットワークで接続された複数のコンピューターから構成されていてもよい。処理装置12は、それぞれ詳細は後述する経路情報算定手段121、料金計算手段122、支払判定手段123、決済手段124を有する。これらの各手段は、それぞれに専用のコンピュータにより構成されてもよいし、同一のコンピュータ中において単一または複数のソフトウェアプログラムによって単一または複数の手段を実現してもよい。記憶手段13には、ハードディスクドライブ、CD−Rドライブなどの各種の記憶装置を用いることができる。そして、少なくとも一部が情報の新規書き込みが可能であれば、残りの一部が読み込み専用の記憶装置で構成されていてもよい。この記憶手段13には、道路、住所、交通規制等の地図情報が蓄積記憶されているほか、所定の経路情報と後述する特定情報を対として蓄積記憶される。さらに、利用客とその決済情報を記憶してもよい。
【0020】
車両2に搭載されるナビゲーション装置3は、端末装置33(本発明に係るナビゲーションシステムにおいては第1の端末装置に該当する。)と案内装置34と、それぞれに接続される通信無線アンテナ31およびGPSアンテナ32を備えている。
【0021】
端末装置33は、CPU、メモリ等で構成される処理装置330と、通信無線アンテナ31を介してセンター局1に通信を行う通信手段331と、パネルディスプレイ等の表示装置35と、キーボード等の入力手段36と、ICカード、磁気メディア等の記憶媒体6に記憶されている内容を読み込み可能な記憶媒体読取手段332を備える。処理装置330には汎用のパーソナルコンピュータ等を用いることも可能である。タッチパネル式のディスプレイ装置のように表示装置35と入力手段36を兼ねる構成も採用することができる。通信手段331は、本ナビゲーションシステム専用の無線回線を用いても、タクシー無線や携帯電話等の他の無線回線を利用するシステムのいずれを用いてもよい。記憶媒体読取手段332は記憶媒体332に格納されている特定の情報を読み取ることが可能であれば足りるが、記憶媒体332への情報の書き込みや消去が可能な構成であってもよい。
【0022】
案内装置34は、CPU、メモリ等で構成され、GPSアンテナ32からの情報を受信可能なナビゲーションコンピュータ340と、これに接続される道路、住所、交通規制等の情報が蓄積記憶されている地図情報記憶手段341、車両2の旋回検出用のジャイロセンサ342、車速検出用のスピードセンサ343を備え、表示装置35と入力手段36は、処理装置330を介して端末装置33と共用している。地図情報記憶手段341には、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブのような読取専用の記憶装置のほか、ハードディスクのような読み書き可能な記憶装置を用いることができる。読取専用の記憶装置を主として用いる場合でも、記憶媒体に格納された情報の更新を可能とするため、読み書き可能な記憶装置を補助記憶手段として備えていることが好ましい。スピードセンサ343には、例えば、車輪の回転を基にして検出を行う車輪速センサを用いることができ、ジャイロセンサ342には、振動子を利用してコリオリ力を検出するセンサが使用できる。GPSアンテナ32はGPS衛星4からの信号を受信する。
【0023】
端末装置5には、デスクトップ型やノートブック型等の各種のパーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話のほか、インターネット等によりサーバー局1に通信接続可能な各種の端末装置を用いることができる。その基本構成は図4に示される通りである。端末装置5は、処理装置51を中心に構成され、無線通信アンテナ50や公衆または専用の有線回線でセンター局1に接続される通信手段52と、キーボード等の入力手段53、ディスプレイ装置などの表示手段54、データを一時記憶する不揮発メモリやハードディスク、メモリカード等からなる記憶手段55、前述した記憶媒体6に情報を読み書き可能な記憶媒体読書手段56を備える。デスクトップ型コンピュータの場合には、これらの一部が別々の装置として構成されているが、携帯電話などでは一体化されている。
【0024】
以下、本発明に係るナビゲーションシステム・装置の動作について説明する。まず、利用客による経路設定について図5、図6を参照して、説明する。図5は、処理フローチャートであり、図6は設定経路の一例を説明する図である。
【0025】
まず、ステップS1では、利用客の操作により端末装置5の処理装置51とセンター局1の処理装置12とをそれぞれの通信手段11、52を介して回線接続する。この接続は、例えば、インターネット接続により実現される。ステップS2では、利用客が端末装置5の入力手段53から出発地、目的地、経由地などの主要情報のいくつかを処理装置51へと入力して、センター局1の処理装置12へと送信する。具体的には、利用客が端末装置5から入力した情報を基にセンター局1の処理装置12は、記憶手段13から出発地、目的地、経由地の候補を検索し、これを端末装置5の処理装置51へと返信して絞り込むことで設定を行う。例えば、図6に示される駅S0前のタクシーターミナルAから目的地Bへ移動する場合を考える。この場合、候補検索の手法としては複数用意しておくことが好ましい。例えば、Bが著名な施設等の場合には、入力手段53から入力させた施設名を基にして目的地Bを設定できることが好ましい。あるいは、入力手段53から入力されたBの所在地、電話番号を基にして目的地Bを設定できるようにしてもよい。また、地図表示により候補検索を行ってもよい。この場合、入力手段53から入力された駅S0名やBの所在地を基にしてセンター局1の処理装置12は記憶手段13からその付近の地図情報を読み出して、端末装置5の処理装置51へと送り、表示手段54に表示させる。利用客は、表示された地図内で出発地Aや目的地B、経路R1等を入力手段53により選択してセンター局1へと送信する。
【0026】
ステップS3では、センター局1の処理装置12の経路情報算定手段121が、設定された出発地、目的地、経由地等と、記憶手段13に蓄積されている地図情報を基にして経路設定を行う。ステップS4では、設定した経路情報をセンター局1から端末装置5の処理装置51へと送り、表示手段54に表示せしめる。ステップS5では、利用客に表示手段54に表示された経路で経路設定を行うか別の経路を再検索するかを判定させる。再検索が選択された場合には、ステップS2に戻る。表示される経路でOKと設定された場合には、ステップS6へと移行する。ここでは、センター局1の経路情報算定手段121が経路を1つずつ設定する場合を説明したが、複数の経路を設定し、その中から利用客に選択させてもよい。
【0027】
ステップS6では、センター局1の処理装置12の料金計算手段122が設定された経路を基にしてタクシーの利用料金を計算する。ここで、タクシー料金は、一般に距離と時間を併用した料金体系が採られていることから、記憶手段13には距離情報だけでなく、制限速度、信号待ち時間、渋滞レベル等の交通情報も記憶させておき、目的地までに要する時間、経路上の速度変化等を算出してより精度の高い料金予測を行うことが好ましい。ステップS7では、計算した料金情報をセンター局1から端末装置5の処理装置51へと送り、表示手段54に表示せしめる。ステップS8では、利用客に表示手段54に表示された料金の経路で経路設定を行うか別の経路を再検索するかを判定させる。再検索が選択された場合には、ステップS2に戻る。表示される料金・経路でOKと設定された場合には、ステップS9へと移行する。ここでは、経路設定の後に料金計算を行う例を説明したが、経路計算後に料金計算を行い、経路と料金を同時に表示して利用客の選択回数を減らすとさらに好ましい。
【0028】
例えば、図6に示される経路でいえば、走行距離は図中R1で示す経路のほうが短くても、比較的路幅の広い経路を通るR2に比べて路幅が狭く、速度規制が厳しく、渋滞もしやすいため、通行時間がかかり、料金はR2のほうが安くなるケースもあり得る。逆に、R2のほうが渋滞が激しい場合もあり得る。また、センター局1で地図情報を管理するので工事情報等の交通情報を頻繁に更新することができ、また、経路、料金を利用客に表示することできめ細かい経路の設定が可能となる。
【0029】
ステップS9では、経路情報算定手段121は、固有の特定情報を設定する。この特定情報とは、例えば、所定の桁数の数字、記号からなる組み合わせであり、処理装置12では文字列あるいは数列として取り扱われる。ステップS10では、経路情報算定手段121は、この特定情報と設定した経路情報とを関連づけて記憶手段13に格納するとともに、端末装置5の処理装置51にこの特定情報を送信する。利用客は、端末装置5の処理装置51に送られた特定情報を表示手段54に表示させる。この特定情報は、タクシーの利用時にそのナビゲーション装置3で用いられることから、これを印刷あるいはメモしておいて、運転者に口頭または書面で提示して伝達してもよいが、誤操作防止のためには、記憶媒体読書手段56により所定の記憶媒体6に格納しておくことが好ましい。おな、端末装置5が持ち運び可能な端末装置、例えば、携帯電話やPDA等である場合には、端末装置5の記憶手段55に格納しておいてもよい。
【0030】
このよりな事前の経路設定を可能とすることで、利用客は出発地から目的地に至る経路を詳細に設定することが可能となり、また利用料金も予め推定できるのでタクシー利用の利便性が向上する。
【0031】
次に、設定した情報に基づくタクシーの経路案内処理を図7を参照して説明する。まず、ステップS21では、タクシーの運転者がナビゲーション装置1の端末装置33に利用客の提示した特定情報を入力する。この特定情報入力は、利用客が運転者に口頭または書面で提示して、運転者が入力手段36を操作することにより、行ってもよいし、利用客に直接入力手段36を操作させて入力してもよい。あるいは、利用客から特定情報が格納された記憶媒体6を受領し、記憶媒体読取手段332によって読み取ることで処理装置330に特定情報を入力してもよい。さらに、利用客が特定情報を記憶手段55内に格納している端末装置5を所持している場合には、端末装置5と端末装置33とを無線(赤外線や光接続を含む)または有線により接続して、処理装置330へ特定情報を入力してもよい。記憶媒体6を介して、あるいは、端末装置5、33を接続して特定情報を入力すれば、伝達ミスや入力ミスを確実に防止でき、また、利便性が向上する。
【0032】
ステップS22では、運転者の操作により端末装置33の処理装置330とセンター局1の処理装置12とをそれぞれの通信手段331、11を介して回線接続する。この接続は、例えば、携帯電話の無線回線を介したインターネット接続により実現される。あるいは、タクシー無線や専用無線回線を介して行ってもよい。
【0033】
ステップS23では、端末装置33の処理装置330から特定情報がセンター局1の処理装置12へと送られ、処理装置12は、記憶手段13からこの特定情報に関連づけられて記憶されている経路情報を読み出す。そして、読み出した経路情報を端末装置33の処理装置330へと送信する。センター局1の処理装置12から端末装置33の処理装置330へ送信する経路情報は経路の全てを指定するものでなく、目的地、主要な経由地、経由ルートのみを指定する簡略化されたものであってもよい。この場合には、利用客が事前に設定した経路と後述するステップS25で設定する経路とが異なる場合があり得るが、センター局1が記憶手段13に記憶し、端末装置33へと送信する経路データのサイズをコンパクト化する効果がある。
【0034】
ステップS24では、端末装置33の処理装置330は、有効に経路情報の受信が行われたか否かを判定する。例えば、対応する経路情報のない無効な特定情報であったとセンター局1から通知された場合やセンター局1から経路情報を受信したが、その経路が車両の現在位置から著しく離れているような場合には、無効な経路情報と判定してステップS31に移行し、有効な経路情報が受信できなかった旨を表示装置35により運転者、利用客に報知して処理を終了する。一方、経路が有効な場合には、ステップS25へと移行して、実際の経路案内に移行する。このとき、車両2の端末装置33側では、処理装置330が受信した経路情報を表示装置35に表示することにより、運転者、利用客に経路の確認を求めればさらに信頼性が向上する。
【0035】
ステップS25では、受信した経路情報を基にして案内装置34のナビゲーションコンピュータ340が地図情報記憶手段341に記憶されている地図情報および特定した自車の現在位置(その特定手法についてはステップS26の説明において詳述する。)から経路を設定する。このときに、設定されている経路では事故や工事等により問題があると考えられる場合には経路の修正を行うこともできる。
【0036】
ステップS26では、自車の現在位置を特定する。ナビゲーションコンピュータ340には、GPSアンテナ32によって受信したGPS衛星4からの信号が入力されているほか、スピードセンサ343からの信号、ジャイロセンサ342からの車両2の旋回量を表す信号がそれぞれ入力されている。複数のGPS衛星4からの信号を受信し、現在位置を算出する衛星航法と、スピードセンサ343の出力から求めた車両2の移動距離とジャイロセンサ342の出力から求めた車両2の移動方向から現在位置を算出する自立航法を組み合わせることで精度の高い現在位置特定を行う。さらに衛星航法の誤差補正データを受信して補正すると、より高い精度で現在位置を特定できる。
【0037】
ステップS27では、ナビゲーションコンピュータ340は、目的地に到達したか否かを判定する。目的地に到達したと判定した場合には、ステップS30に移行して表示装置35や図示していないスピーカーからの音声出力等を用いて運転者、利用客に目的地に到達した旨を報知し、案内処理を終了する。一方、目的地未到達の場合には、ステップS28に移行し、ナビゲーションコンピュータ340は、車両2がステップS25で設定した経路から外れていないかを判定する。経路上を移動している場合には、S29へと移動し、ナビゲーションコンピュータ340は、地図情報記憶手段341に記憶されている地図情報、交通情報を参照して分岐路、交差点、目的地等に接近に伴い、表示装置35や図示していないスピーカーからの音声出力等を用いて運転者に進路変更や減速等を指示する。そして、ステップS26へと戻ることで目的地までの経路案内を行う。一方、経路から外れている場合には、ステップS25へと戻り、経路を再設定することで、目的地への移動を支援する。
【0038】
このように事前に設定した経路を基にして経路案内を行うことにより、利用客が運転者に口頭や地図を示して目的地を説明する煩わしさがなく、運転者・利用客双方の利便性が向上する。また、運転者によって経路が異なるのを抑制することができ、同一経路を頻繁に移動するような場合も同一の経路を移動することができ、料金・時間の予測性が向上する。
【0039】
次に、本ナビゲーションシステムにおける料金決済について図8、図9を参照して説明する。この料金決済は、センター局1を介して利用客からタクシー事業者への料金決済を可能とするものである。図8は、利用客による事前設定処理を説明するフローチャートであり、図9は、タクシーとセンター局1間での決済処理を説明するフローチャートである。
【0040】
まず、図8を参照して利用客による事前設定処理を説明する。以下、図5の経路設定処理とは別に料金決済のための設定を行う例を説明するが、経路設定に引き続き処理を行ってもよい。
【0041】
ステップS40では、利用客の操作により端末装置5の処理装置51とセンター局1の処理装置12とをそれぞれの通信手段51、11を介して回線接続する。この接続は、例えば、インターネット接続により実現される。ステップS41では、利用客が端末装置5の入力手段53から図5のステップS9、10で発行された特定情報を入力して、センター局1の処理装置12へと送信する。ステップS42では、センター局1の支払判定手段123は、記憶手段13内に特定情報が記憶済みであるか否かを確認する。記憶手段13内に入力された特定情報が記憶されていない場合には、ステップS47へと移行してセンター局1から端末装置5に特定情報が不一致である旨を送信し、表示手段54にその旨を表示させて利用客に報知させる。このとき、センター局1の支払判定手段123は、特定情報が記憶されている場合には、この特定情報に関連づけて記憶されている経路情報を読み込み、この経路情報を端末装置5に送り、表示手段54に表示させることで、利用客に入力した特定情報が所望の経路情報に対応する特定情報であるか否かを確認させると、特に利用客が複数の経路を設定しているような場合に、特定情報の入力ミスを確実に防止することができ、好ましい。
【0042】
特定情報が確認された場合には、ステップS43へと移行し、利用客は端末装置5の入力手段53から決済情報を入力する。こうして処理装置51へ入力された決済情報はセンター局1の支払判定手段123へと送られる。この決済情報とは、クレジットカード決済の場合には、カード番号、有効期限、名義人等の予信情報であり、予め利用客とセンター局の運営者との間で金融機関に有する口座からの自動振替契約を締結しているような場合には、会員番号等の利用客を特定する情報である。
【0043】
ステップS44では、支払判定手段123は必要ならば通信手段52を介してクレジットカード会社や金融機関等のネットワークに接続して、決済情報が有効か否かの確認を行う。決済情報が有効な場合には、ステップS45へと移行して、決済承認済みを示す決済コードを設定する。この決済コードも特定情報と同様に、例えば、所定の桁数の数字、記号からなる組み合わせであり、処理装置12では文字列あるいは数列として取り扱われる。そして、続くステップS46では、決済コードを特定情報と関連づけて記憶手段13内に格納するとともに、端末装置5の処理装置51にこの決済カードを送信する。利用客は、端末装置5の処理装置51に送られた決済コードを表示手段54に表示させる。この決済コードは、タクシー料金の支払時にそのナビゲーション装置3で用いられることから、これを印刷あるいはメモしておいて、運転者に口頭または書面で提示して伝達してもよいが、誤操作や安全防止のため、記憶媒体読書手段56により所定の記憶媒体6に格納しておくことが好ましい。おな、端末装置5が持ち運び可能な端末装置、例えば、携帯電話やPDA等である場合には、端末装置5の記憶手段55に格納しておいてもよい。
【0044】
ステップS44で決済が承認されなかった場合には、ステップS48へと移行し、センター局1の支払判定手段123は、端末装置5の処理装置51へ決済が承認されなかった旨を送信し、表示手段54により利用客に決済不能であることを報知させる。
【0045】
なお、図5の処理に引き続いて決済処理を行う場合には、ステップS43〜S48の処理のみを引き続いて行えば足りる。決済コードをクレジットカード番号や自動振替の口座番号等からは独立した固有のコードとして設定すれば、決済コードは設定経路と関連づけられた支払情報にすぎないため、悪用されるおそれが少なく個人情報漏洩の危険性が少なく、セキュリティが向上する。
【0046】
次に、図9を参照して、利用客による事前設定処理を説明する。以下、図7の経路案内処理とは別に目的地到達後の支払時に料金決済を行う例を説明する。まず、ステップS51では、タクシーの運転者がナビゲーション装置1の端末装置33に利用客の提示した決済コードを入力する。この決済コード入力は、特定情報入力の場合と同様に利用客が運転者に口頭または書面で提示して、運転者が入力手段36を操作することにより、行ってもよいし、利用客に直接入力手段36を操作させて入力してもよい。あるいは、利用客から決済コードが格納された記憶媒体6を受領し、記憶媒体読取手段332によって読み取ることで処理装置330に決済コードを入力してもよい。さらに、利用客が決済コードを記憶手段55内に格納している端末装置5を所持している場合には、端末装置5と端末装置33とを無線(赤外線や光接続を含む)または有線により接続して、処理装置330へ決済コードを入力してもよい。記憶媒体6を介して、あるいは、端末装置5、33を接続して決済コードを入力すれば、伝達ミスや入力ミスを確実に防止でき、また、利便性が向上する。また、決済コードを記憶媒体6を介してあるいは端末装置5から通信により入力させる場合、決済コードを非表示とすれば、情報漏洩の危険性が少なく、セキュリティが向上する。
【0047】
ステップS52では、運転者の操作により端末装置33の処理装置330とセンター局1の処理装置12とをそれぞれの通信手段331、11を介して回線接続する。この接続は、例えば、携帯電話の無線回線を介したインターネット接続により実現される。あるいは、タクシー無線や専用無線回線を介して行ってもよい。
【0048】
ステップS53では、端末装置33の処理装置330から決済コードがセンター局1の処理装置12の決済手段124へと送られ、決済手段124は、記憶手段13からこの決済コードと関連づけられた特定情報を読み出す。そして、決済コードと先に読み出された特定情報が合致しているか否かを判定する。
【0049】
コードが存在しないか、特定情報と対応していない場合には、ステップS57へと移行し、決済手段124は、端末装置33の処理装置330へ決済コードが不一致であり、決済不能である旨を送信し、表示手段35により運転手、利用客に決済不能であることを報知させる。
【0050】
コードが合致した場合には、ステップS55へと移行し、決済手段124は、端末装置33の処理装置330へ決済コードが一致した旨を送信し、処理装置330は利用料金を返信する。ステップS57では、決済手段124は、利用料金の決済を行う。例えば、クレジットカード決済の場合には、オンラインでクレジットカード会社への利用料金請求を行い、タクシー事業者への支払いを行う。あるいは利用者の指定口座から指定日に指定期間内の料金をまとめて引き落とし、タクシー事業者の指定口座へと振り替える処理を行う。
【0051】
ここでは、料金支払い時に端末装置33からセンター局1に決済コードを通知する例を説明したが、乗車時に特定情報とともに決済コードをセンター局1に通知してもよい。この場合には、決済コードが未承認の場合には、センター局1からの経路情報通知を行わないようにすると、料金決済が確実になり、タクシー事業者、利用客にとっての利便性が向上する。
【0052】
また、経路設定時に推定された料金で支払い料金を固定するようにすると、交通状況による利用料金の変動がなくなり、利用者の利便性が向上する。また、前払い制の導入が容易になる。さらに、本システムを利用すれば、複数回利用する場合の割引運賃等の導入も容易になる。前払い制や割引運賃導入の場合には、決済コードを記憶させた記憶媒体を電子チケットとして用いると、安全性、利便性が向上して好ましい。
【0053】
以上の説明では、経路を設定する利用客と実際に乗車する利用客とが同一の例を説明したが、経路の設定者と乗車する客は異なってもよい。例えば、タクシーをある施設と駅間の送迎に利用するような場合、施設−駅間の経路を施設管理者が設定しておき、利用客に特定情報を通知しておくことで、施設への交通の利便性を向上させることができる。また、利用料金を乗客以外が負担するような場合も料金の予測性が高いので、利便性が向上する。利用客の多い経路については、センター局1側で予め特定情報を付与しておいてもよい。この場合、例えば、経験豊富な運転者が設定した経路を記憶手段13に記憶させれば、経路情報の付加価値を高めることができ好ましい。
【0054】
また、以上の説明では、タクシーを例に説明してきたが、本発明は、貸切バスのほか配送用車両、さらには、船舶等にも適用可能である。本発明により、これらの移動体を乗客、荷物の送り主または受取主として利用する客、または事業主が主体的に経路設定を行うことが可能となり、利便性が向上する。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、目的地までの経路情報を特定情報と関連づけてセンター局に記憶させておき、タクシー等の移動体に搭載されたナビゲーション装置は、この特定情報を指定してセンター局から経路情報を読み込んで経路案内を行うことにより、特定情報の伝達だけで経路指定ができ、利便性が向上する。
【0056】
この経路情報設定を利用客が自己または事業者の端末から行えるようにすると、きめ細かい経路の設定が容易になり、タクシー等の利便性がさらに向上する。
【0057】
さらに、料金決済と組み合わせることで、利便性が向上するとともに、多様なサービスの導入が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるナビゲーションシステムの基本構成図である。
【図2】図1におけるセンター局の概略構成図である。
【図3】図1における移動体(タクシー)搭載装置の構成図である。
【図4】図1における第2の端末装置の構成図である。
【図5】図1のシステムにおける経路登録処理を示すフローチャートである。
【図6】図5の処理フローにおいて設定する経路の一例を示す図である。
【図7】図1のシステムにおける登録経路読出処理を示すフローチャートである。
【図8】図1のシステムにおける料金決済処理のセンター局−第2の端末間での処理を示すフローチャートである。
【図9】図1のシステムにおける料金決済処理のセンター局−移動体間での処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…センター局、2…車両(移動体)、3…ナビゲーション装置、4…GPS衛星、5…端末装置(第2の端末装置)、6…記憶媒体、10…無線通信アンテナ、11…通信手段、12…処理装置、13…記憶手段、31…通信無線アンテナ、32…GPSアンテナ、33…端末装置(第1の端末装置)、34…案内装置、35…表示装置、36…入力手段、50…無線通信アンテナ、51…処理装置、52…通信手段、53…入力手段、54…表示手段、55…記憶手段、56…記憶媒体読書手段、121…経路情報算定手段、122…料金計算手段、123…支払判定手段、124…決済手段、330…処理装置、331…通信手段、332…記憶媒体読取手段、340…ナビゲーションコンピュータ、341…地図情報記憶手段、342…ジャイロセンサ、343…スピードセンサ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体特に車両を目的地へと案内するナビゲーションシステムおよびナビゲーション装置に関し、特に、タクシーに好適なナビゲーションシステムおよび装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載し、現在位置情報と格納されている地図情報を基にして目的地までの経路を案内するカーナビゲーション装置が知られている。また、地図情報から目的地までの経路を求め、これを基にしてタクシーの利用(乗車)料金を推定するシステムが考案されている(例えば、特許文献1)。この文献には、目的地までの経路を案内するとともに、目的地到達時の料金を予測するカーナビゲーション装置も開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−150330号公報(段落0067〜0074、図10)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、タクシーはバスや電車等の他の交通機関と異なり、予め設定された地点間を運行する交通機関ではなく、乗車地点、下車地点も交通規制を除いて比較的自由に設定できる。このため、運転手が乗客の望み通りの下車地点を設定するのは難しく、また、乗客が下車地点等の正確な情報(例えば、住所、道路名)を知っているとは限らないし、運転者と乗客が乗車地点から下車地点に至る経路や近辺について同程度の地理情報を有しているとも限らないため、著名な施設等を除くと下車地点、経路について口頭で複雑な説明を要したり、わかりやすく説明するために遠回りの経路を選択せざるを得なくなってしまう可能性もあり、利便性が損なわれる。
【0005】
そこで本発明は、運転者以外でも目的地・経路の設定を確実かつ容易に行うことが可能なナビゲーションシステムおよびナビゲーション装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るナビゲーションシステムは、センター局と通信を行い、移動体を目的地まで案内するナビゲーションシステムであって、センター局は、目的地までの経路情報を所定の特定情報と関連づけて記憶している記憶手段と、移動体から送られた特定情報に基づいて対応する経路情報を該移動体へと送信する制御手段を備え、移動体は、センター局に対して特定情報を送信して記憶手段から目的地までの経路情報を読み出す第1の端末装置と、移動体の位置を特定し、特定した現在位置と読み出した経路情報を基にして目的地までの経路案内を行う案内装置と、を備えているものである。
【0007】
目的地までの経路情報をセンター局に特定情報と関連づけて記憶させることで、移動体(例えば、タクシー等の車両)においては、この特定情報を指定してセンター局から経路情報を読み出すことができ、改めて目的地や経由地を詳細に設定する必要がなく、経路設定の利便性が向上する。移動体側の案内装置が地図情報を備えている場合には、経路情報は全経路の情報を有する必要はなく、主要な目的地、経由地、交通情報を含むものであれば足りる。
【0008】
このセンター局と通信接続される第2の端末装置をさらに備え、制御手段は、第2の端末装置から送信された目的地を特定する情報に基づいて目的地までの経路情報を設定し、特定情報を付与して記憶手段に格納するとともに、第2の端末装置に対して特定情報を送信することが好ましい。
【0009】
このようにすれば、移動体の利用客(例えば、タクシーの乗客)は、移動体の利用前に予め所望の経路を設定することができるので、経由地やルートについても細かく設定することが可能となる。
【0010】
第2の端末装置から通信または記憶媒体を介して特定情報を第1の端末装置へと受け渡してもよい。このようにすると、口頭で特定情報を伝達する必要がなく、言い間違いや聞き間違い、第1の端末装置への入力ミス等を防止することができ、特定情報を確実に伝達できるため、その利便性がさらに向上する。ここで、第2の端末装置は、パソコン等のほか、例えば、携帯電話等のモバイル情報機器も利用でき、公衆通信回線のほか、赤外線、無線等による通信やメモリーカード等の各種記憶媒体を介した情報伝達が利用できる。
【0011】
移動体はタクシーであって、センター局は目的地までの経路情報に基づいて目的地までの料金を概算する料金計算手段をさらに備え、センター局の制御手段は、利用客の操作する第2の端末装置に対して概算した料金を送信してもよい。このようにすると、乗車前にタクシー料金を見積もることができ、乗客の利便性が向上する。
【0012】
センター局は、利用客が料金計算手段で計算した料金で支払い予約または決済を行ったか否かを判定する支払判定手段と、利用客からタクシー事業者への料金決済を行う決済手段をさらに備えており、支払い予約または決済済みの場合に第1の端末装置に対する目的地までの経路情報の送信を許可し、目的地到達後決済手段による料金決済を行うことが好ましい。このようにすると、料金決済が簡便になり、利便性がさらに向上する。また、これを利用して回数券システムや一括清算方式等を導入することも可能となる。
【0013】
一方、本発明に係るナビゲーション装置は、車両に搭載され、センター局と通信を行って目的地まで車両を案内するナビゲーション装置であって、予め目的地までの経路情報を所定の特定情報と関連づけて管理しているセンター局に対して、特定情報を送信して目的地までの経路情報を受け取る端末装置と、自車両の現在位置を特定し、特定した現在位置と読み出した経路情報と自車両の現在位置を基にして目的地までの経路案内を行う案内装置と、を備えているものである。
【0014】
目的地までの経路情報をセンター局に特定情報と関連づけて記憶させることで、車両においては、この特定情報を指定してセンター局から経路情報を読み出すことができ、改めて目的地や経由地を詳細に設定する必要がなく、経路設定の利便性が向上する。そして、案内装置が地図情報を有していれば、経路情報は全経路の情報を有する必要はなく、主要な目的地、経由地、交通情報を含むものであれば足りる。
【0015】
利用客の所持する端末装置から通信により、あるいは記憶媒体を介して特定情報を受け取る特定情報受取手段をさらに備えていてもよい。このようにすると、利用客は口頭で特定情報を伝達する必要がなく、言い間違いや聞き間違い、端末装置への入力ミス等を防止して、特定情報を確実に伝達できるため、その利便性がさらに向上する。ここで、利用客の所持する端末装置は、パソコン等のほか、例えば、携帯電話等のモバイル情報機器も利用でき、公衆通信回線のほか、赤外線、無線等による通信やメモリーカード等の各種記憶媒体を介した情報伝達が利用できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
【0017】
図1に本発明に係るナビゲーションシステムの概略構成図を示す。以下、タクシー用のナビゲーションシステムを例に説明する。このナビゲーションシステムにおいては、移動体であるタクシーの車両2に搭載された本発明に係るナビゲーション装置3がセンター局1と通信を行い、通信結果とGPS(Global Positioning System)等を用いて特定した車両2の現在位置に基づいて目的地までの経路を案内する。この経路情報は、乗客が事前に端末装置5(本発明に係るナビゲーションシステムにおける第2の端末装置)により設定可能となっている。
【0018】
センター局1は、図2に示されるように、無線通信アンテナ10および公衆または専用回線(以下、有線回線と称する。)に接続される通信手段11と、これに接続される処理装置12および記憶手段13を有する。
【0019】
ここでは、センター局1の通信手段1自体が無線回線、有線回線の双方に接続されているが、いずれか一方のみに接続され、他の回線には接続されているほうの回線を介して間接的に接続されていてもよい。この通信手段11は、インターネット、広域LAN等に接続されていることが好ましい。センター局1はネットワーク接続された複数の基地局に分散されていてもよく、この場合には、基幹局を備えていることが好ましい。処理装置12(本発明に係るナビゲーションシステムにおける制御手段)は、例えば、サーバーまたはワークステーションとして機能するコンピュータであって、ネットワークで接続された複数のコンピューターから構成されていてもよい。処理装置12は、それぞれ詳細は後述する経路情報算定手段121、料金計算手段122、支払判定手段123、決済手段124を有する。これらの各手段は、それぞれに専用のコンピュータにより構成されてもよいし、同一のコンピュータ中において単一または複数のソフトウェアプログラムによって単一または複数の手段を実現してもよい。記憶手段13には、ハードディスクドライブ、CD−Rドライブなどの各種の記憶装置を用いることができる。そして、少なくとも一部が情報の新規書き込みが可能であれば、残りの一部が読み込み専用の記憶装置で構成されていてもよい。この記憶手段13には、道路、住所、交通規制等の地図情報が蓄積記憶されているほか、所定の経路情報と後述する特定情報を対として蓄積記憶される。さらに、利用客とその決済情報を記憶してもよい。
【0020】
車両2に搭載されるナビゲーション装置3は、端末装置33(本発明に係るナビゲーションシステムにおいては第1の端末装置に該当する。)と案内装置34と、それぞれに接続される通信無線アンテナ31およびGPSアンテナ32を備えている。
【0021】
端末装置33は、CPU、メモリ等で構成される処理装置330と、通信無線アンテナ31を介してセンター局1に通信を行う通信手段331と、パネルディスプレイ等の表示装置35と、キーボード等の入力手段36と、ICカード、磁気メディア等の記憶媒体6に記憶されている内容を読み込み可能な記憶媒体読取手段332を備える。処理装置330には汎用のパーソナルコンピュータ等を用いることも可能である。タッチパネル式のディスプレイ装置のように表示装置35と入力手段36を兼ねる構成も採用することができる。通信手段331は、本ナビゲーションシステム専用の無線回線を用いても、タクシー無線や携帯電話等の他の無線回線を利用するシステムのいずれを用いてもよい。記憶媒体読取手段332は記憶媒体332に格納されている特定の情報を読み取ることが可能であれば足りるが、記憶媒体332への情報の書き込みや消去が可能な構成であってもよい。
【0022】
案内装置34は、CPU、メモリ等で構成され、GPSアンテナ32からの情報を受信可能なナビゲーションコンピュータ340と、これに接続される道路、住所、交通規制等の情報が蓄積記憶されている地図情報記憶手段341、車両2の旋回検出用のジャイロセンサ342、車速検出用のスピードセンサ343を備え、表示装置35と入力手段36は、処理装置330を介して端末装置33と共用している。地図情報記憶手段341には、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブのような読取専用の記憶装置のほか、ハードディスクのような読み書き可能な記憶装置を用いることができる。読取専用の記憶装置を主として用いる場合でも、記憶媒体に格納された情報の更新を可能とするため、読み書き可能な記憶装置を補助記憶手段として備えていることが好ましい。スピードセンサ343には、例えば、車輪の回転を基にして検出を行う車輪速センサを用いることができ、ジャイロセンサ342には、振動子を利用してコリオリ力を検出するセンサが使用できる。GPSアンテナ32はGPS衛星4からの信号を受信する。
【0023】
端末装置5には、デスクトップ型やノートブック型等の各種のパーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話のほか、インターネット等によりサーバー局1に通信接続可能な各種の端末装置を用いることができる。その基本構成は図4に示される通りである。端末装置5は、処理装置51を中心に構成され、無線通信アンテナ50や公衆または専用の有線回線でセンター局1に接続される通信手段52と、キーボード等の入力手段53、ディスプレイ装置などの表示手段54、データを一時記憶する不揮発メモリやハードディスク、メモリカード等からなる記憶手段55、前述した記憶媒体6に情報を読み書き可能な記憶媒体読書手段56を備える。デスクトップ型コンピュータの場合には、これらの一部が別々の装置として構成されているが、携帯電話などでは一体化されている。
【0024】
以下、本発明に係るナビゲーションシステム・装置の動作について説明する。まず、利用客による経路設定について図5、図6を参照して、説明する。図5は、処理フローチャートであり、図6は設定経路の一例を説明する図である。
【0025】
まず、ステップS1では、利用客の操作により端末装置5の処理装置51とセンター局1の処理装置12とをそれぞれの通信手段11、52を介して回線接続する。この接続は、例えば、インターネット接続により実現される。ステップS2では、利用客が端末装置5の入力手段53から出発地、目的地、経由地などの主要情報のいくつかを処理装置51へと入力して、センター局1の処理装置12へと送信する。具体的には、利用客が端末装置5から入力した情報を基にセンター局1の処理装置12は、記憶手段13から出発地、目的地、経由地の候補を検索し、これを端末装置5の処理装置51へと返信して絞り込むことで設定を行う。例えば、図6に示される駅S0前のタクシーターミナルAから目的地Bへ移動する場合を考える。この場合、候補検索の手法としては複数用意しておくことが好ましい。例えば、Bが著名な施設等の場合には、入力手段53から入力させた施設名を基にして目的地Bを設定できることが好ましい。あるいは、入力手段53から入力されたBの所在地、電話番号を基にして目的地Bを設定できるようにしてもよい。また、地図表示により候補検索を行ってもよい。この場合、入力手段53から入力された駅S0名やBの所在地を基にしてセンター局1の処理装置12は記憶手段13からその付近の地図情報を読み出して、端末装置5の処理装置51へと送り、表示手段54に表示させる。利用客は、表示された地図内で出発地Aや目的地B、経路R1等を入力手段53により選択してセンター局1へと送信する。
【0026】
ステップS3では、センター局1の処理装置12の経路情報算定手段121が、設定された出発地、目的地、経由地等と、記憶手段13に蓄積されている地図情報を基にして経路設定を行う。ステップS4では、設定した経路情報をセンター局1から端末装置5の処理装置51へと送り、表示手段54に表示せしめる。ステップS5では、利用客に表示手段54に表示された経路で経路設定を行うか別の経路を再検索するかを判定させる。再検索が選択された場合には、ステップS2に戻る。表示される経路でOKと設定された場合には、ステップS6へと移行する。ここでは、センター局1の経路情報算定手段121が経路を1つずつ設定する場合を説明したが、複数の経路を設定し、その中から利用客に選択させてもよい。
【0027】
ステップS6では、センター局1の処理装置12の料金計算手段122が設定された経路を基にしてタクシーの利用料金を計算する。ここで、タクシー料金は、一般に距離と時間を併用した料金体系が採られていることから、記憶手段13には距離情報だけでなく、制限速度、信号待ち時間、渋滞レベル等の交通情報も記憶させておき、目的地までに要する時間、経路上の速度変化等を算出してより精度の高い料金予測を行うことが好ましい。ステップS7では、計算した料金情報をセンター局1から端末装置5の処理装置51へと送り、表示手段54に表示せしめる。ステップS8では、利用客に表示手段54に表示された料金の経路で経路設定を行うか別の経路を再検索するかを判定させる。再検索が選択された場合には、ステップS2に戻る。表示される料金・経路でOKと設定された場合には、ステップS9へと移行する。ここでは、経路設定の後に料金計算を行う例を説明したが、経路計算後に料金計算を行い、経路と料金を同時に表示して利用客の選択回数を減らすとさらに好ましい。
【0028】
例えば、図6に示される経路でいえば、走行距離は図中R1で示す経路のほうが短くても、比較的路幅の広い経路を通るR2に比べて路幅が狭く、速度規制が厳しく、渋滞もしやすいため、通行時間がかかり、料金はR2のほうが安くなるケースもあり得る。逆に、R2のほうが渋滞が激しい場合もあり得る。また、センター局1で地図情報を管理するので工事情報等の交通情報を頻繁に更新することができ、また、経路、料金を利用客に表示することできめ細かい経路の設定が可能となる。
【0029】
ステップS9では、経路情報算定手段121は、固有の特定情報を設定する。この特定情報とは、例えば、所定の桁数の数字、記号からなる組み合わせであり、処理装置12では文字列あるいは数列として取り扱われる。ステップS10では、経路情報算定手段121は、この特定情報と設定した経路情報とを関連づけて記憶手段13に格納するとともに、端末装置5の処理装置51にこの特定情報を送信する。利用客は、端末装置5の処理装置51に送られた特定情報を表示手段54に表示させる。この特定情報は、タクシーの利用時にそのナビゲーション装置3で用いられることから、これを印刷あるいはメモしておいて、運転者に口頭または書面で提示して伝達してもよいが、誤操作防止のためには、記憶媒体読書手段56により所定の記憶媒体6に格納しておくことが好ましい。おな、端末装置5が持ち運び可能な端末装置、例えば、携帯電話やPDA等である場合には、端末装置5の記憶手段55に格納しておいてもよい。
【0030】
このよりな事前の経路設定を可能とすることで、利用客は出発地から目的地に至る経路を詳細に設定することが可能となり、また利用料金も予め推定できるのでタクシー利用の利便性が向上する。
【0031】
次に、設定した情報に基づくタクシーの経路案内処理を図7を参照して説明する。まず、ステップS21では、タクシーの運転者がナビゲーション装置1の端末装置33に利用客の提示した特定情報を入力する。この特定情報入力は、利用客が運転者に口頭または書面で提示して、運転者が入力手段36を操作することにより、行ってもよいし、利用客に直接入力手段36を操作させて入力してもよい。あるいは、利用客から特定情報が格納された記憶媒体6を受領し、記憶媒体読取手段332によって読み取ることで処理装置330に特定情報を入力してもよい。さらに、利用客が特定情報を記憶手段55内に格納している端末装置5を所持している場合には、端末装置5と端末装置33とを無線(赤外線や光接続を含む)または有線により接続して、処理装置330へ特定情報を入力してもよい。記憶媒体6を介して、あるいは、端末装置5、33を接続して特定情報を入力すれば、伝達ミスや入力ミスを確実に防止でき、また、利便性が向上する。
【0032】
ステップS22では、運転者の操作により端末装置33の処理装置330とセンター局1の処理装置12とをそれぞれの通信手段331、11を介して回線接続する。この接続は、例えば、携帯電話の無線回線を介したインターネット接続により実現される。あるいは、タクシー無線や専用無線回線を介して行ってもよい。
【0033】
ステップS23では、端末装置33の処理装置330から特定情報がセンター局1の処理装置12へと送られ、処理装置12は、記憶手段13からこの特定情報に関連づけられて記憶されている経路情報を読み出す。そして、読み出した経路情報を端末装置33の処理装置330へと送信する。センター局1の処理装置12から端末装置33の処理装置330へ送信する経路情報は経路の全てを指定するものでなく、目的地、主要な経由地、経由ルートのみを指定する簡略化されたものであってもよい。この場合には、利用客が事前に設定した経路と後述するステップS25で設定する経路とが異なる場合があり得るが、センター局1が記憶手段13に記憶し、端末装置33へと送信する経路データのサイズをコンパクト化する効果がある。
【0034】
ステップS24では、端末装置33の処理装置330は、有効に経路情報の受信が行われたか否かを判定する。例えば、対応する経路情報のない無効な特定情報であったとセンター局1から通知された場合やセンター局1から経路情報を受信したが、その経路が車両の現在位置から著しく離れているような場合には、無効な経路情報と判定してステップS31に移行し、有効な経路情報が受信できなかった旨を表示装置35により運転者、利用客に報知して処理を終了する。一方、経路が有効な場合には、ステップS25へと移行して、実際の経路案内に移行する。このとき、車両2の端末装置33側では、処理装置330が受信した経路情報を表示装置35に表示することにより、運転者、利用客に経路の確認を求めればさらに信頼性が向上する。
【0035】
ステップS25では、受信した経路情報を基にして案内装置34のナビゲーションコンピュータ340が地図情報記憶手段341に記憶されている地図情報および特定した自車の現在位置(その特定手法についてはステップS26の説明において詳述する。)から経路を設定する。このときに、設定されている経路では事故や工事等により問題があると考えられる場合には経路の修正を行うこともできる。
【0036】
ステップS26では、自車の現在位置を特定する。ナビゲーションコンピュータ340には、GPSアンテナ32によって受信したGPS衛星4からの信号が入力されているほか、スピードセンサ343からの信号、ジャイロセンサ342からの車両2の旋回量を表す信号がそれぞれ入力されている。複数のGPS衛星4からの信号を受信し、現在位置を算出する衛星航法と、スピードセンサ343の出力から求めた車両2の移動距離とジャイロセンサ342の出力から求めた車両2の移動方向から現在位置を算出する自立航法を組み合わせることで精度の高い現在位置特定を行う。さらに衛星航法の誤差補正データを受信して補正すると、より高い精度で現在位置を特定できる。
【0037】
ステップS27では、ナビゲーションコンピュータ340は、目的地に到達したか否かを判定する。目的地に到達したと判定した場合には、ステップS30に移行して表示装置35や図示していないスピーカーからの音声出力等を用いて運転者、利用客に目的地に到達した旨を報知し、案内処理を終了する。一方、目的地未到達の場合には、ステップS28に移行し、ナビゲーションコンピュータ340は、車両2がステップS25で設定した経路から外れていないかを判定する。経路上を移動している場合には、S29へと移動し、ナビゲーションコンピュータ340は、地図情報記憶手段341に記憶されている地図情報、交通情報を参照して分岐路、交差点、目的地等に接近に伴い、表示装置35や図示していないスピーカーからの音声出力等を用いて運転者に進路変更や減速等を指示する。そして、ステップS26へと戻ることで目的地までの経路案内を行う。一方、経路から外れている場合には、ステップS25へと戻り、経路を再設定することで、目的地への移動を支援する。
【0038】
このように事前に設定した経路を基にして経路案内を行うことにより、利用客が運転者に口頭や地図を示して目的地を説明する煩わしさがなく、運転者・利用客双方の利便性が向上する。また、運転者によって経路が異なるのを抑制することができ、同一経路を頻繁に移動するような場合も同一の経路を移動することができ、料金・時間の予測性が向上する。
【0039】
次に、本ナビゲーションシステムにおける料金決済について図8、図9を参照して説明する。この料金決済は、センター局1を介して利用客からタクシー事業者への料金決済を可能とするものである。図8は、利用客による事前設定処理を説明するフローチャートであり、図9は、タクシーとセンター局1間での決済処理を説明するフローチャートである。
【0040】
まず、図8を参照して利用客による事前設定処理を説明する。以下、図5の経路設定処理とは別に料金決済のための設定を行う例を説明するが、経路設定に引き続き処理を行ってもよい。
【0041】
ステップS40では、利用客の操作により端末装置5の処理装置51とセンター局1の処理装置12とをそれぞれの通信手段51、11を介して回線接続する。この接続は、例えば、インターネット接続により実現される。ステップS41では、利用客が端末装置5の入力手段53から図5のステップS9、10で発行された特定情報を入力して、センター局1の処理装置12へと送信する。ステップS42では、センター局1の支払判定手段123は、記憶手段13内に特定情報が記憶済みであるか否かを確認する。記憶手段13内に入力された特定情報が記憶されていない場合には、ステップS47へと移行してセンター局1から端末装置5に特定情報が不一致である旨を送信し、表示手段54にその旨を表示させて利用客に報知させる。このとき、センター局1の支払判定手段123は、特定情報が記憶されている場合には、この特定情報に関連づけて記憶されている経路情報を読み込み、この経路情報を端末装置5に送り、表示手段54に表示させることで、利用客に入力した特定情報が所望の経路情報に対応する特定情報であるか否かを確認させると、特に利用客が複数の経路を設定しているような場合に、特定情報の入力ミスを確実に防止することができ、好ましい。
【0042】
特定情報が確認された場合には、ステップS43へと移行し、利用客は端末装置5の入力手段53から決済情報を入力する。こうして処理装置51へ入力された決済情報はセンター局1の支払判定手段123へと送られる。この決済情報とは、クレジットカード決済の場合には、カード番号、有効期限、名義人等の予信情報であり、予め利用客とセンター局の運営者との間で金融機関に有する口座からの自動振替契約を締結しているような場合には、会員番号等の利用客を特定する情報である。
【0043】
ステップS44では、支払判定手段123は必要ならば通信手段52を介してクレジットカード会社や金融機関等のネットワークに接続して、決済情報が有効か否かの確認を行う。決済情報が有効な場合には、ステップS45へと移行して、決済承認済みを示す決済コードを設定する。この決済コードも特定情報と同様に、例えば、所定の桁数の数字、記号からなる組み合わせであり、処理装置12では文字列あるいは数列として取り扱われる。そして、続くステップS46では、決済コードを特定情報と関連づけて記憶手段13内に格納するとともに、端末装置5の処理装置51にこの決済カードを送信する。利用客は、端末装置5の処理装置51に送られた決済コードを表示手段54に表示させる。この決済コードは、タクシー料金の支払時にそのナビゲーション装置3で用いられることから、これを印刷あるいはメモしておいて、運転者に口頭または書面で提示して伝達してもよいが、誤操作や安全防止のため、記憶媒体読書手段56により所定の記憶媒体6に格納しておくことが好ましい。おな、端末装置5が持ち運び可能な端末装置、例えば、携帯電話やPDA等である場合には、端末装置5の記憶手段55に格納しておいてもよい。
【0044】
ステップS44で決済が承認されなかった場合には、ステップS48へと移行し、センター局1の支払判定手段123は、端末装置5の処理装置51へ決済が承認されなかった旨を送信し、表示手段54により利用客に決済不能であることを報知させる。
【0045】
なお、図5の処理に引き続いて決済処理を行う場合には、ステップS43〜S48の処理のみを引き続いて行えば足りる。決済コードをクレジットカード番号や自動振替の口座番号等からは独立した固有のコードとして設定すれば、決済コードは設定経路と関連づけられた支払情報にすぎないため、悪用されるおそれが少なく個人情報漏洩の危険性が少なく、セキュリティが向上する。
【0046】
次に、図9を参照して、利用客による事前設定処理を説明する。以下、図7の経路案内処理とは別に目的地到達後の支払時に料金決済を行う例を説明する。まず、ステップS51では、タクシーの運転者がナビゲーション装置1の端末装置33に利用客の提示した決済コードを入力する。この決済コード入力は、特定情報入力の場合と同様に利用客が運転者に口頭または書面で提示して、運転者が入力手段36を操作することにより、行ってもよいし、利用客に直接入力手段36を操作させて入力してもよい。あるいは、利用客から決済コードが格納された記憶媒体6を受領し、記憶媒体読取手段332によって読み取ることで処理装置330に決済コードを入力してもよい。さらに、利用客が決済コードを記憶手段55内に格納している端末装置5を所持している場合には、端末装置5と端末装置33とを無線(赤外線や光接続を含む)または有線により接続して、処理装置330へ決済コードを入力してもよい。記憶媒体6を介して、あるいは、端末装置5、33を接続して決済コードを入力すれば、伝達ミスや入力ミスを確実に防止でき、また、利便性が向上する。また、決済コードを記憶媒体6を介してあるいは端末装置5から通信により入力させる場合、決済コードを非表示とすれば、情報漏洩の危険性が少なく、セキュリティが向上する。
【0047】
ステップS52では、運転者の操作により端末装置33の処理装置330とセンター局1の処理装置12とをそれぞれの通信手段331、11を介して回線接続する。この接続は、例えば、携帯電話の無線回線を介したインターネット接続により実現される。あるいは、タクシー無線や専用無線回線を介して行ってもよい。
【0048】
ステップS53では、端末装置33の処理装置330から決済コードがセンター局1の処理装置12の決済手段124へと送られ、決済手段124は、記憶手段13からこの決済コードと関連づけられた特定情報を読み出す。そして、決済コードと先に読み出された特定情報が合致しているか否かを判定する。
【0049】
コードが存在しないか、特定情報と対応していない場合には、ステップS57へと移行し、決済手段124は、端末装置33の処理装置330へ決済コードが不一致であり、決済不能である旨を送信し、表示手段35により運転手、利用客に決済不能であることを報知させる。
【0050】
コードが合致した場合には、ステップS55へと移行し、決済手段124は、端末装置33の処理装置330へ決済コードが一致した旨を送信し、処理装置330は利用料金を返信する。ステップS57では、決済手段124は、利用料金の決済を行う。例えば、クレジットカード決済の場合には、オンラインでクレジットカード会社への利用料金請求を行い、タクシー事業者への支払いを行う。あるいは利用者の指定口座から指定日に指定期間内の料金をまとめて引き落とし、タクシー事業者の指定口座へと振り替える処理を行う。
【0051】
ここでは、料金支払い時に端末装置33からセンター局1に決済コードを通知する例を説明したが、乗車時に特定情報とともに決済コードをセンター局1に通知してもよい。この場合には、決済コードが未承認の場合には、センター局1からの経路情報通知を行わないようにすると、料金決済が確実になり、タクシー事業者、利用客にとっての利便性が向上する。
【0052】
また、経路設定時に推定された料金で支払い料金を固定するようにすると、交通状況による利用料金の変動がなくなり、利用者の利便性が向上する。また、前払い制の導入が容易になる。さらに、本システムを利用すれば、複数回利用する場合の割引運賃等の導入も容易になる。前払い制や割引運賃導入の場合には、決済コードを記憶させた記憶媒体を電子チケットとして用いると、安全性、利便性が向上して好ましい。
【0053】
以上の説明では、経路を設定する利用客と実際に乗車する利用客とが同一の例を説明したが、経路の設定者と乗車する客は異なってもよい。例えば、タクシーをある施設と駅間の送迎に利用するような場合、施設−駅間の経路を施設管理者が設定しておき、利用客に特定情報を通知しておくことで、施設への交通の利便性を向上させることができる。また、利用料金を乗客以外が負担するような場合も料金の予測性が高いので、利便性が向上する。利用客の多い経路については、センター局1側で予め特定情報を付与しておいてもよい。この場合、例えば、経験豊富な運転者が設定した経路を記憶手段13に記憶させれば、経路情報の付加価値を高めることができ好ましい。
【0054】
また、以上の説明では、タクシーを例に説明してきたが、本発明は、貸切バスのほか配送用車両、さらには、船舶等にも適用可能である。本発明により、これらの移動体を乗客、荷物の送り主または受取主として利用する客、または事業主が主体的に経路設定を行うことが可能となり、利便性が向上する。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、目的地までの経路情報を特定情報と関連づけてセンター局に記憶させておき、タクシー等の移動体に搭載されたナビゲーション装置は、この特定情報を指定してセンター局から経路情報を読み込んで経路案内を行うことにより、特定情報の伝達だけで経路指定ができ、利便性が向上する。
【0056】
この経路情報設定を利用客が自己または事業者の端末から行えるようにすると、きめ細かい経路の設定が容易になり、タクシー等の利便性がさらに向上する。
【0057】
さらに、料金決済と組み合わせることで、利便性が向上するとともに、多様なサービスの導入が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるナビゲーションシステムの基本構成図である。
【図2】図1におけるセンター局の概略構成図である。
【図3】図1における移動体(タクシー)搭載装置の構成図である。
【図4】図1における第2の端末装置の構成図である。
【図5】図1のシステムにおける経路登録処理を示すフローチャートである。
【図6】図5の処理フローにおいて設定する経路の一例を示す図である。
【図7】図1のシステムにおける登録経路読出処理を示すフローチャートである。
【図8】図1のシステムにおける料金決済処理のセンター局−第2の端末間での処理を示すフローチャートである。
【図9】図1のシステムにおける料金決済処理のセンター局−移動体間での処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…センター局、2…車両(移動体)、3…ナビゲーション装置、4…GPS衛星、5…端末装置(第2の端末装置)、6…記憶媒体、10…無線通信アンテナ、11…通信手段、12…処理装置、13…記憶手段、31…通信無線アンテナ、32…GPSアンテナ、33…端末装置(第1の端末装置)、34…案内装置、35…表示装置、36…入力手段、50…無線通信アンテナ、51…処理装置、52…通信手段、53…入力手段、54…表示手段、55…記憶手段、56…記憶媒体読書手段、121…経路情報算定手段、122…料金計算手段、123…支払判定手段、124…決済手段、330…処理装置、331…通信手段、332…記憶媒体読取手段、340…ナビゲーションコンピュータ、341…地図情報記憶手段、342…ジャイロセンサ、343…スピードセンサ。
Claims (7)
- センター局と通信を行い、移動体を目的地まで案内するナビゲーションシステムであって、
前記センター局は、目的地までの経路情報を所定の特定情報と関連づけて記憶している記憶手段と、移動体から送られた特定情報に基づいて対応する経路情報を該移動体へと送信する制御手段を備え、
前記移動体は、前記センター局に対して特定情報を送信して前記記憶手段から目的地までの経路情報を読み出す第1の端末装置と、移動体の位置を特定し、特定した現在位置と読み出した経路情報を基にして目的地までの経路案内を行う案内装置と、を備えているナビゲーションシステム。 - 前記センター局と通信接続される第2の端末装置をさらに備え、前記制御手段は、前記第2の端末装置から送信された目的地を特定する情報に基づいて目的地までの経路情報を設定し、前記特定情報を付与して記憶手段に格納するとともに、前記第2の端末装置に対して前記特定情報を送信する請求項1記載のナビゲーションシステム。
- 前記第2の端末装置から通信または記憶媒体を介して前記特定情報を前記第1の端末装置へと受け渡す請求項2記載のナビゲーションシステム。
- 前記移動体はタクシーであって、前記センター局は前記目的地までの経路情報に基づいて目的地までの料金を概算する料金計算手段をさらに備え、前記センター局の制御手段は、利用客の操作する前記第2の端末装置に対して概算した料金を送信する請求項2記載のナビゲーションシステム。
- 前記センター局は、利用客が前記料金計算手段で計算した料金で支払い予約または決済を行ったか否かを判定する支払判定手段と、利用客からタクシー事業者への料金決済を行う決済手段をさらに備えており、支払い予約または決済済みの場合に前記第1の端末装置に対する目的地までの経路情報の送信を許可し、目的地到達後決済手段による料金決済を行う請求項4記載のナビゲーションシステム。
- 車両に搭載され、センター局と通信を行って目的地まで車両を案内するナビゲーション装置であって、
予め目的地までの経路情報を所定の特定情報と関連づけて管理しているセンター局に対して、特定情報を送信して目的地までの経路情報を受け取る端末装置と、
自車両の現在位置を特定し、特定した現在位置と読み出した経路情報を基にして目的地までの経路案内を行う案内装置と、
を備えているナビゲーション装置。 - 利用客の所持する端末装置から通信により、あるいは記憶媒体を介して前記特定情報を受け取る特定情報受取手段をさらに備えている請求項6記載のナビゲーション装置。
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JP2002322750A JP2004157008A (ja) | 2002-11-06 | 2002-11-06 | ナビゲーションシステムおよびナビゲーション装置 |
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JP2007033078A (ja) * | 2005-07-22 | 2007-02-08 | Pioneer Electronic Corp | ナビゲーションシステム、ナビゲーション方法及びナビゲーション用プログラム並びに情報記録媒体 |
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KR101856631B1 (ko) | 2017-08-29 | 2018-05-14 | 양한울 | 선불제 택시 요금 운영 시스템 장치 및 그 동작 방법 |
-
2002
- 2002-11-06 JP JP2002322750A patent/JP2004157008A/ja active Pending
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