JP2004155467A - 添加物提供方法、添加物提供装置、同装置用カップ用蓋及び添加物容器 - Google Patents
添加物提供方法、添加物提供装置、同装置用カップ用蓋及び添加物容器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】客に提供されるまでは、添加物の冷蔵保管に好適で、かつ、蓋の積み重ねが可能で保管スペースの最小化が可能な添加物提供方法を提供する。
【解決手段】カップ用蓋10の天板11に、その天板の一部により閉められている少なくとも一つの孔を開放し、その孔に貫通具40を上面から底面まで貫通可能で中に添加物を収容している容器20を周壁21において嵌合して固定し、そのカップ用蓋10を、中に飲食物を収容したカップ30の口に嵌着して提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】カップ用蓋10の天板11に、その天板の一部により閉められている少なくとも一つの孔を開放し、その孔に貫通具40を上面から底面まで貫通可能で中に添加物を収容している容器20を周壁21において嵌合して固定し、そのカップ用蓋10を、中に飲食物を収容したカップ30の口に嵌着して提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲食物をカップに入れた状態で飲食する客に、その飲食物に添加することを希望する添加物を提供する方法、その方法を使用する際に用いる添加物提供装置、及び同装置を構成するカップ用蓋並びに添加物容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ファスト・フード店や列車の車内では、コーヒーやシャーベット等の飲食物は使い捨てカップに入れて販売されることが多い。店員から受け取って、テーブル又はカウンタまで移動する間に、高温のコーヒー等を零して火傷等などの事故を起こすことを防ぐため、蓋を簡単に開かないように嵌合した使い捨て蓋付きカップが用いられている。
そして、例えばホットコーヒーの場合、飲む時には、蓋を開け、テーブル等に用意してあるミルクや砂糖などを、それを収容しているミニカップ又は袋等を指先で開けてカップ内の飲食物に添加して、再び蓋を閉め、蓋に形成してある飲み口から飲むようにしている。アイスコーヒーの場合は、ストロー挿入口を有する蓋を用い、ミルクや砂糖などを添加した後、ストロー挿入口からストローを差し込んで飲むようにしている。
【0003】
上記のように、ミルクや砂糖等の添加物が使い捨て蓋付カップから独立したミニカップ又は袋詰めになっている場合は、添加物をカップ内の飲食物に添加するため蓋を開ける際に、手が滑ってカップを転倒させてしまう恐れがあり、また、ミニカップ等を指先で開ける際に、添加物で指を汚すおそれがあり、さらに、飲食を終了した後は、使い捨て蓋付カップのほかに、添加物を消費して空になったミルクカップや袋及びストロー等の数々のゴミが発生し、ばらばらの状態で後片付けをしたり、ごみ箱まで運んで廃棄したりして、手間がかかるという問題があった。
【0004】
特開平9−2516号公報に、添加物を収容した容器(添加物容器)を蓋の天板にその天板から上方に突出するように一体に設け、その添加物容器を指先で強く摘むことにより、添加物容器の底面シールを破いて添加物をカップ内に流下させるようにしたもの、及び、添加物容器を蓋の天板にその天板から下方に突出するように一体に設け、ストローの尖端でその添加物容器を貫通して引き抜くことにより、添加物容器内の添加物をカップ内に流下させるようにしたものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記先行技術においては、次のような問題がある。すなわち、添加物容器は指先で摘んだ時に破れる底面シールを備えた特殊な構造を有して、蓋の天板と一体に成形されるので、(a)蓋の成形コストが高く付く、添加物容器への添加物の収容工程が容易でない、(b)生ミルク等の賞味期限が短く、冷蔵保管が必要な添加物に適用するには向かない、(c)添加物容器が天板の上方又は下方に突出されるため、客への提供に備えて蓋を用意してある段階で、蓋の積み重ねが不可能であり、大きな保管スペースを必要とするなどの問題があって、実用化されていない。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、第1の課題は、客に提供されるまでは添加物容器と蓋が分離されていて、添加物の冷蔵保管に好適であり、かつ、蓋の積み重ねが可能で保管スペースの最小限化が可能な添加物提供方法を提供することにある。
第2の課題は、上記方法を使用する際に用いるのに適する添加物提供装置を提供することにある。
第3の課題は、上記添加物提供装置の構成要素として好適なカップ用蓋を提供することにある。
さらに、第4の課題は、上記添加物提供装置の構成要素として好適な添加物容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る添加物提供方法は、上記第1の課題を解決するため、(a)カップ用蓋の天板にその天板の一部により閉められている少なくとも一つの孔を開放し、(b)前記カップ用蓋の孔に、貫通具を上面から底面まで貫通可能で、中に添加物を収容している容器を周壁において嵌合して固定し、(c)そのカップ用蓋を、中に飲食物を収容したカップの口に嵌着して提供することを特徴としている。
上記方法を使用すると、カップ用蓋に希望する添加物の個数と同じ数の孔を開け、その孔に添加物容器を嵌合して固定し、そのカップ用蓋を、飲食物が入れられたカップに嵌着し、これに貫通具を添付して客に提供される。客は、貫通具を添加物容器の上面から底面まで貫通した後、引き抜くと、添加物容器に収容されている添加物がカップ内に自重落下する。
【0008】
本発明による添加物提供装置は、天板にその天板の一部により閉められた開放可能な孔を一つ以上設けたカップ用蓋と、周壁において前記蓋の開放された孔に嵌合して固定され、貫通具を上面から底面まで貫通したのち引き抜くことにより中に収容されている添加物を自重により流下させる添加物容器とからなることを特徴としている。
カップ用蓋は通常の蓋の天板に開放可能な孔を形成しただけの構成であるので、製造のための追加コストは最小である。孔を開けない状態では積み重ねが可能である。添加物容器は、貫通具で上下方向に貫通可能であれば、既存の添加物容器が使用可能である。添加物を提供するときは、蓋に孔を開けて、添加物容器を嵌合固定するだけであるので、手数がかからない。
【0009】
請求項2に記載の添加物提供装置に用いるカップ用蓋は、天板の孔が天板に設けた弱め線により形成された小蓋を押し下げることにより開放されるものであることが望ましい。
上記カップ用蓋は、カップ用蓋の天板に、添加物容器の上面から底面まで貫通して引き抜き、小孔を形成するための貫通具を添着したものであることが望ましい。
【0010】
請求項2に記載の添加物提供装置に用いる添加物容器は、周壁の上端面と下端面に貫通具の貫通が容易な材料で作られたシールを固着したものであることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による添加物提供方法の使用に用いられる添加物提供装置の一実施の形態を示す斜視図、図2は添加物容器から添加物を飲食用容器に落下させる状態を示す断面図、図3は貫通具の一例を示す斜視図である。
【0012】
本発明による添加物提供方法を使用するためには、図1に例示するように、所定の開放可能な孔を有するカップ用蓋10と、添加物を収容した容器(本明細書においては、これを添加物容器という。)20とからなる添加物提供装置Aを用いる。
【0013】
カップ用蓋10は、好ましくは透明樹脂材料で薄肉に成形され、蓋10の天板11には、これに形成されたC字形の弱め線(切り線を含む。本明細書において同じ。)12により画成された小蓋13により閉められた開放可能な孔が、1個以上設けられている。孔が複数個設けられる場合は、大きさはすべて同じでも良いし、異なっても構わない。小蓋13を押し下げることにより、孔を開けることができるようになっている。
カップ用蓋10の周壁14の下部には、図2にも示すように、カップ本体30の開口部周辺に形成されている玉縁31に、カップ本体の揺れや多少の振動により簡単に外れないように緊密に嵌合して固定される嵌合縁15を有する。
【0014】
添加物容器20は、周壁21の上端面と下端面が密閉され、中に添加物(図示省略)が収容されたものであり、とくに、本発明において用いられる添加物容器20は、その上面22と下面23が串、楊枝又はその類似物などの貫通具を貫通して、それらに小孔を形成することができるものである。
従って、既存の添加物容器20に、上面から底面まで貫通具の貫通が可能なものがあれば、そのまま使用可能である。貫通具の貫通が可能なものがない場合は、周壁の21の上端面と下端面に例えばアルミホイル等の易貫通性のシールを接着又は溶着した新規な添加物容器を用意すれば良い。
添加物容器20に収容される添加物は、カップ本体30に収容される飲食物に通常添加することを希望されるものであり、飲食物がコーヒーや紅茶等の液体、ゼーリーや蜜豆等の流動体、アイスクリーム等の半凝固体、即席ラーメン、フリッツあるいはフレーク等の固形体等のいずれであるかにより、種々のものが有り得る。そのような添加物には、例えば、砂糖、生ミルク、シロップ、ハチ蜜、レモン液、塩、醤油、酢、胡椒その他の薬味などがある。
【0015】
客の求めに応じて飲食物を使い捨てカップ30に入れて給付する時は、そのカップを受け取った客が自席に移動する間に、あるいは、移動する売り子から受け取ったカップをテーブルに移動する間に、飲食物がカップから零れないようにカップ用蓋10をそのカップ30の開口周縁に嵌合固定する。その客が添加物を求めない場合は、カップ用蓋10の天板11の孔はすべて塞がれたままであるので、零れ防止効果が発揮される。また、その客が添加物を求める時は、図2に示すように、そのカップ用蓋10のいずれかの小蓋13を押し込んで孔を開け、その孔に客が求めた添加物を収容する添加物容器20をその孔に嵌合して、固定する。添加物容器20を蓋10の孔に嵌合固定するには、(ア)添加物容器20の周壁21を円錐台状又は角錐台状に形成して、嵌合途中で蓋10の孔縁に係止させるようにする、(イ)添加物容器20の上面部を周壁21の上端部から外側に延出させ、周壁21は円筒状又は多角筒状、あるいは、円錐台状又は角錐台状に形成する、のいずれでも良い。
【0016】
好ましくは、添加物を求めた客に渡すカップ30の蓋10には、その天板11に図3に例示するような貫通具40が剥離可能に添着されている。この貫通具40は、楊枝や串と同様の形状を有するものであり、一端を指先で握持して、添加物容器20を貫通して引き抜くと、その添加物容器に上下方向に貫通する小孔が形成される。
貫通具は、単独の構成でも良いが、図2,3に示す例のように、貫通具40の握持部にスプーン又はフォーク50が折り畳み可能に連結した飲食具として構成されても良い。折り畳み自在に連結するのは、折り畳んで短くすれば蓋10の天板11の上面に容易に添着又は添付できるからである。
貫通具40は、蓋に添着しなくとも、添加物容器を嵌合固定したカップ用蓋10の天板に載せて引き渡すようにしても良いし、テーブルの一隅に自由に取り出せるように備え置いても良い。この場合は、貫通具40とスプーン又はフォーク50を折り畳み自在に成形せずに、直線上に延長するものとしても良い。
【0017】
図2に示すように、蓋10の孔に添加物容器20が嵌合固定され、飲食物が入ったカップ30を受け取った客は、貫通具40を手に持ち、貫通具40の尖端を添加物容器20の上面から底面まで貫通した後、引く抜くことにより、添加物容器に上下方向に貫通する小孔が形成されるため、添加物容器内に収容されている添加物をカップ30内に容易に自重落下させることができる。
【0018】
客の好みにより、蓋10に二つ目の孔を開け、その孔からスプーン又はフォーク50を挿入して、飲食物と添加物を撹拌混合することができる。蓋10の天板に複数個の開放可能な孔を設けた場合は、一つのカップ30に対して複数個又は複数種類の添加物を提供することができる。天板11には、通常、添加量の多い添加物と少ない添加物に対応して大きさの異なる複数個の孔を設けておくことが望ましい。
【0019】
上記のようにして、添加物を添加して飲食を済ました後は、空になった添加物容器20を天板に嵌合固定したまま、あるいは、その嵌合固定している孔の中に押し込んでカップ30の中に落下させ、小さな添加物容器は、大きな添加物容器を外して開放させた孔からカップの中に投入することもできる。このようにして、使用済みの添加物容器はカップと一緒に持ち運んでごみ箱などに廃棄することができる。従って、飲食後の後片付けが簡単であり、また、ごみ箱などの死空間を大幅に削減することができる。換言すると、ごみ箱が満杯になるまでの時間を延長することができる。
【0020】
上記実施の形態によれば、飲食物がカップ30に充填されて客に提供される時までは、添加物容器20は蓋10から分離された状態で管理可能であるので、添加物が生ミルクのように冷蔵保管が必要なものは、蓋に添加物容器が一体に固着されている先行技術と異なり、添加物の保管に無駄な空間が占有されることがなくなる。また、蓋10は添加物容器20が嵌合固定されていないので、積み重ねた状態で保管できるので、保管スペースの削減が可能である。さらに、添加物が客に求められた時は、単に蓋の天板の弱め線で囲まれた部分を押し下げて孔を開け、添加物容器を嵌合固定するだけで良いので、店員の負担がとくに増えることもない。
【0021】
【発明の効果】
請求項1の方法発明によれば、客に提供されるまでは添加物容器と蓋が分離されていているので、添加物の冷蔵保管に好適であり、蓋の積み重ねが可能であるので保管スペースの最小限化が可能である。また、添加物を提供する時は、蓋の一部を押し下げて所要の孔を簡単に開け、これに添加物容器を嵌合固定して、飲食物を入れたカップに嵌着するだけで良く、客又は店員の使用済み添加物容器及びカップの廃棄処理が大幅に簡略化される効果が得られる。
【0022】
請求項2の装置発明によれば、カップ用蓋は通常の蓋の天板に開放可能な孔を形成しただけの構成であるので、製造のための追加コストは最小であり、しかも、孔を開けない状態では積み重ねが可能であるので、保管スペースが増えることもない。また、添加物を提供するときは、蓋に孔を開けて、添加物容器を嵌合固定するだけであるので、手数がかからない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による添加物提供方法の使用に用いられる添加物提供装置の一実施の形態を示す斜視図。
【図2】添加物容器から添加物を飲食用容器に落下させる状態を示す断面図。
【図3】貫通具の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
A 添加物提供装置
10 カップ用蓋
11 天板
12 弱め線
13 小蓋
20 添加物容器
21 周壁
22 上面
23 下面
30 カップ
40 貫通具
50 スプーン又はフォーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲食物をカップに入れた状態で飲食する客に、その飲食物に添加することを希望する添加物を提供する方法、その方法を使用する際に用いる添加物提供装置、及び同装置を構成するカップ用蓋並びに添加物容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ファスト・フード店や列車の車内では、コーヒーやシャーベット等の飲食物は使い捨てカップに入れて販売されることが多い。店員から受け取って、テーブル又はカウンタまで移動する間に、高温のコーヒー等を零して火傷等などの事故を起こすことを防ぐため、蓋を簡単に開かないように嵌合した使い捨て蓋付きカップが用いられている。
そして、例えばホットコーヒーの場合、飲む時には、蓋を開け、テーブル等に用意してあるミルクや砂糖などを、それを収容しているミニカップ又は袋等を指先で開けてカップ内の飲食物に添加して、再び蓋を閉め、蓋に形成してある飲み口から飲むようにしている。アイスコーヒーの場合は、ストロー挿入口を有する蓋を用い、ミルクや砂糖などを添加した後、ストロー挿入口からストローを差し込んで飲むようにしている。
【0003】
上記のように、ミルクや砂糖等の添加物が使い捨て蓋付カップから独立したミニカップ又は袋詰めになっている場合は、添加物をカップ内の飲食物に添加するため蓋を開ける際に、手が滑ってカップを転倒させてしまう恐れがあり、また、ミニカップ等を指先で開ける際に、添加物で指を汚すおそれがあり、さらに、飲食を終了した後は、使い捨て蓋付カップのほかに、添加物を消費して空になったミルクカップや袋及びストロー等の数々のゴミが発生し、ばらばらの状態で後片付けをしたり、ごみ箱まで運んで廃棄したりして、手間がかかるという問題があった。
【0004】
特開平9−2516号公報に、添加物を収容した容器(添加物容器)を蓋の天板にその天板から上方に突出するように一体に設け、その添加物容器を指先で強く摘むことにより、添加物容器の底面シールを破いて添加物をカップ内に流下させるようにしたもの、及び、添加物容器を蓋の天板にその天板から下方に突出するように一体に設け、ストローの尖端でその添加物容器を貫通して引き抜くことにより、添加物容器内の添加物をカップ内に流下させるようにしたものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記先行技術においては、次のような問題がある。すなわち、添加物容器は指先で摘んだ時に破れる底面シールを備えた特殊な構造を有して、蓋の天板と一体に成形されるので、(a)蓋の成形コストが高く付く、添加物容器への添加物の収容工程が容易でない、(b)生ミルク等の賞味期限が短く、冷蔵保管が必要な添加物に適用するには向かない、(c)添加物容器が天板の上方又は下方に突出されるため、客への提供に備えて蓋を用意してある段階で、蓋の積み重ねが不可能であり、大きな保管スペースを必要とするなどの問題があって、実用化されていない。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、第1の課題は、客に提供されるまでは添加物容器と蓋が分離されていて、添加物の冷蔵保管に好適であり、かつ、蓋の積み重ねが可能で保管スペースの最小限化が可能な添加物提供方法を提供することにある。
第2の課題は、上記方法を使用する際に用いるのに適する添加物提供装置を提供することにある。
第3の課題は、上記添加物提供装置の構成要素として好適なカップ用蓋を提供することにある。
さらに、第4の課題は、上記添加物提供装置の構成要素として好適な添加物容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る添加物提供方法は、上記第1の課題を解決するため、(a)カップ用蓋の天板にその天板の一部により閉められている少なくとも一つの孔を開放し、(b)前記カップ用蓋の孔に、貫通具を上面から底面まで貫通可能で、中に添加物を収容している容器を周壁において嵌合して固定し、(c)そのカップ用蓋を、中に飲食物を収容したカップの口に嵌着して提供することを特徴としている。
上記方法を使用すると、カップ用蓋に希望する添加物の個数と同じ数の孔を開け、その孔に添加物容器を嵌合して固定し、そのカップ用蓋を、飲食物が入れられたカップに嵌着し、これに貫通具を添付して客に提供される。客は、貫通具を添加物容器の上面から底面まで貫通した後、引き抜くと、添加物容器に収容されている添加物がカップ内に自重落下する。
【0008】
本発明による添加物提供装置は、天板にその天板の一部により閉められた開放可能な孔を一つ以上設けたカップ用蓋と、周壁において前記蓋の開放された孔に嵌合して固定され、貫通具を上面から底面まで貫通したのち引き抜くことにより中に収容されている添加物を自重により流下させる添加物容器とからなることを特徴としている。
カップ用蓋は通常の蓋の天板に開放可能な孔を形成しただけの構成であるので、製造のための追加コストは最小である。孔を開けない状態では積み重ねが可能である。添加物容器は、貫通具で上下方向に貫通可能であれば、既存の添加物容器が使用可能である。添加物を提供するときは、蓋に孔を開けて、添加物容器を嵌合固定するだけであるので、手数がかからない。
【0009】
請求項2に記載の添加物提供装置に用いるカップ用蓋は、天板の孔が天板に設けた弱め線により形成された小蓋を押し下げることにより開放されるものであることが望ましい。
上記カップ用蓋は、カップ用蓋の天板に、添加物容器の上面から底面まで貫通して引き抜き、小孔を形成するための貫通具を添着したものであることが望ましい。
【0010】
請求項2に記載の添加物提供装置に用いる添加物容器は、周壁の上端面と下端面に貫通具の貫通が容易な材料で作られたシールを固着したものであることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による添加物提供方法の使用に用いられる添加物提供装置の一実施の形態を示す斜視図、図2は添加物容器から添加物を飲食用容器に落下させる状態を示す断面図、図3は貫通具の一例を示す斜視図である。
【0012】
本発明による添加物提供方法を使用するためには、図1に例示するように、所定の開放可能な孔を有するカップ用蓋10と、添加物を収容した容器(本明細書においては、これを添加物容器という。)20とからなる添加物提供装置Aを用いる。
【0013】
カップ用蓋10は、好ましくは透明樹脂材料で薄肉に成形され、蓋10の天板11には、これに形成されたC字形の弱め線(切り線を含む。本明細書において同じ。)12により画成された小蓋13により閉められた開放可能な孔が、1個以上設けられている。孔が複数個設けられる場合は、大きさはすべて同じでも良いし、異なっても構わない。小蓋13を押し下げることにより、孔を開けることができるようになっている。
カップ用蓋10の周壁14の下部には、図2にも示すように、カップ本体30の開口部周辺に形成されている玉縁31に、カップ本体の揺れや多少の振動により簡単に外れないように緊密に嵌合して固定される嵌合縁15を有する。
【0014】
添加物容器20は、周壁21の上端面と下端面が密閉され、中に添加物(図示省略)が収容されたものであり、とくに、本発明において用いられる添加物容器20は、その上面22と下面23が串、楊枝又はその類似物などの貫通具を貫通して、それらに小孔を形成することができるものである。
従って、既存の添加物容器20に、上面から底面まで貫通具の貫通が可能なものがあれば、そのまま使用可能である。貫通具の貫通が可能なものがない場合は、周壁の21の上端面と下端面に例えばアルミホイル等の易貫通性のシールを接着又は溶着した新規な添加物容器を用意すれば良い。
添加物容器20に収容される添加物は、カップ本体30に収容される飲食物に通常添加することを希望されるものであり、飲食物がコーヒーや紅茶等の液体、ゼーリーや蜜豆等の流動体、アイスクリーム等の半凝固体、即席ラーメン、フリッツあるいはフレーク等の固形体等のいずれであるかにより、種々のものが有り得る。そのような添加物には、例えば、砂糖、生ミルク、シロップ、ハチ蜜、レモン液、塩、醤油、酢、胡椒その他の薬味などがある。
【0015】
客の求めに応じて飲食物を使い捨てカップ30に入れて給付する時は、そのカップを受け取った客が自席に移動する間に、あるいは、移動する売り子から受け取ったカップをテーブルに移動する間に、飲食物がカップから零れないようにカップ用蓋10をそのカップ30の開口周縁に嵌合固定する。その客が添加物を求めない場合は、カップ用蓋10の天板11の孔はすべて塞がれたままであるので、零れ防止効果が発揮される。また、その客が添加物を求める時は、図2に示すように、そのカップ用蓋10のいずれかの小蓋13を押し込んで孔を開け、その孔に客が求めた添加物を収容する添加物容器20をその孔に嵌合して、固定する。添加物容器20を蓋10の孔に嵌合固定するには、(ア)添加物容器20の周壁21を円錐台状又は角錐台状に形成して、嵌合途中で蓋10の孔縁に係止させるようにする、(イ)添加物容器20の上面部を周壁21の上端部から外側に延出させ、周壁21は円筒状又は多角筒状、あるいは、円錐台状又は角錐台状に形成する、のいずれでも良い。
【0016】
好ましくは、添加物を求めた客に渡すカップ30の蓋10には、その天板11に図3に例示するような貫通具40が剥離可能に添着されている。この貫通具40は、楊枝や串と同様の形状を有するものであり、一端を指先で握持して、添加物容器20を貫通して引き抜くと、その添加物容器に上下方向に貫通する小孔が形成される。
貫通具は、単独の構成でも良いが、図2,3に示す例のように、貫通具40の握持部にスプーン又はフォーク50が折り畳み可能に連結した飲食具として構成されても良い。折り畳み自在に連結するのは、折り畳んで短くすれば蓋10の天板11の上面に容易に添着又は添付できるからである。
貫通具40は、蓋に添着しなくとも、添加物容器を嵌合固定したカップ用蓋10の天板に載せて引き渡すようにしても良いし、テーブルの一隅に自由に取り出せるように備え置いても良い。この場合は、貫通具40とスプーン又はフォーク50を折り畳み自在に成形せずに、直線上に延長するものとしても良い。
【0017】
図2に示すように、蓋10の孔に添加物容器20が嵌合固定され、飲食物が入ったカップ30を受け取った客は、貫通具40を手に持ち、貫通具40の尖端を添加物容器20の上面から底面まで貫通した後、引く抜くことにより、添加物容器に上下方向に貫通する小孔が形成されるため、添加物容器内に収容されている添加物をカップ30内に容易に自重落下させることができる。
【0018】
客の好みにより、蓋10に二つ目の孔を開け、その孔からスプーン又はフォーク50を挿入して、飲食物と添加物を撹拌混合することができる。蓋10の天板に複数個の開放可能な孔を設けた場合は、一つのカップ30に対して複数個又は複数種類の添加物を提供することができる。天板11には、通常、添加量の多い添加物と少ない添加物に対応して大きさの異なる複数個の孔を設けておくことが望ましい。
【0019】
上記のようにして、添加物を添加して飲食を済ました後は、空になった添加物容器20を天板に嵌合固定したまま、あるいは、その嵌合固定している孔の中に押し込んでカップ30の中に落下させ、小さな添加物容器は、大きな添加物容器を外して開放させた孔からカップの中に投入することもできる。このようにして、使用済みの添加物容器はカップと一緒に持ち運んでごみ箱などに廃棄することができる。従って、飲食後の後片付けが簡単であり、また、ごみ箱などの死空間を大幅に削減することができる。換言すると、ごみ箱が満杯になるまでの時間を延長することができる。
【0020】
上記実施の形態によれば、飲食物がカップ30に充填されて客に提供される時までは、添加物容器20は蓋10から分離された状態で管理可能であるので、添加物が生ミルクのように冷蔵保管が必要なものは、蓋に添加物容器が一体に固着されている先行技術と異なり、添加物の保管に無駄な空間が占有されることがなくなる。また、蓋10は添加物容器20が嵌合固定されていないので、積み重ねた状態で保管できるので、保管スペースの削減が可能である。さらに、添加物が客に求められた時は、単に蓋の天板の弱め線で囲まれた部分を押し下げて孔を開け、添加物容器を嵌合固定するだけで良いので、店員の負担がとくに増えることもない。
【0021】
【発明の効果】
請求項1の方法発明によれば、客に提供されるまでは添加物容器と蓋が分離されていているので、添加物の冷蔵保管に好適であり、蓋の積み重ねが可能であるので保管スペースの最小限化が可能である。また、添加物を提供する時は、蓋の一部を押し下げて所要の孔を簡単に開け、これに添加物容器を嵌合固定して、飲食物を入れたカップに嵌着するだけで良く、客又は店員の使用済み添加物容器及びカップの廃棄処理が大幅に簡略化される効果が得られる。
【0022】
請求項2の装置発明によれば、カップ用蓋は通常の蓋の天板に開放可能な孔を形成しただけの構成であるので、製造のための追加コストは最小であり、しかも、孔を開けない状態では積み重ねが可能であるので、保管スペースが増えることもない。また、添加物を提供するときは、蓋に孔を開けて、添加物容器を嵌合固定するだけであるので、手数がかからない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による添加物提供方法の使用に用いられる添加物提供装置の一実施の形態を示す斜視図。
【図2】添加物容器から添加物を飲食用容器に落下させる状態を示す断面図。
【図3】貫通具の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
A 添加物提供装置
10 カップ用蓋
11 天板
12 弱め線
13 小蓋
20 添加物容器
21 周壁
22 上面
23 下面
30 カップ
40 貫通具
50 スプーン又はフォーク
Claims (5)
- (a)カップ用蓋の天板にその天板の一部により閉められている少なくとも一つの孔を開放し、(b)前記カップ用蓋の孔に、貫通具を上面から底面まで貫通可能で、中に添加物を収容している容器を周壁において嵌合して固定し、(c)そのカップ用蓋を、中に飲食物を収容したカップの口に嵌着して提供することを特徴とする添加物提供方法。
- 天板にその天板の一部により閉められた開放可能な孔を一つ以上設けたカップ用蓋と、周壁において前記蓋の開放された孔に嵌合して固定され、貫通具を上面から底面まで貫通したのち引き抜くことにより中に収容されている添加物を自重により流下させる添加物容器とからなる添加物提供装置。
- 天板の孔は、天板に設けた弱め線により形成された小蓋を押し下げることにより開放されるものであることを特徴とする請求項2に記載の添加物提供装置用カップ用蓋。
- カップ用蓋の天板に、添加物容器の上面から底面まで貫通して引き抜き、小孔を形成するための貫通具を添着したことを特徴とする請求項2に記載の添加物提供装置用カップ用蓋。
- 周壁の上端面と下端面に貫通具の貫通が容易な材料で作られたシールが固着されていることを特徴とする請求項2に記載の添加物提供装置用添加物容器。
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- 2002-11-07 JP JP2002323619A patent/JP2004155467A/ja not_active Withdrawn
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