JP2004145941A - 磁気ディスク及び磁気ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディスクの帯電を防止し、信頼性の高い磁気ディスク及び磁気ディスク装置を提供する。
【解決手段】導電性の回転軸2を磁気ディスク1と一体になるように固定し、磁気記録層4の上面に導電性の保護膜5を設ける。また、磁気ディスクの磁気記録層と磁気ヘッド17間の直接的な絶縁抵抗が、回路を経由した間接的な電気抵抗よりも高くなるようにし、また、磁気ディスクの回転軸を流体軸受15により支持し、流体軸受内に導電性のオイルを用いる。
【選択図】 図2
【解決手段】導電性の回転軸2を磁気ディスク1と一体になるように固定し、磁気記録層4の上面に導電性の保護膜5を設ける。また、磁気ディスクの磁気記録層と磁気ヘッド17間の直接的な絶縁抵抗が、回路を経由した間接的な電気抵抗よりも高くなるようにし、また、磁気ディスクの回転軸を流体軸受15により支持し、流体軸受内に導電性のオイルを用いる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーソナルコンピュータなどの外部記憶装置などに用いられる磁気ディスク装置及び、これらに用いられる磁気ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ハードディスク装置には、中心に回転穴が形成されてドーナツ形状をし、また、アルミニウムなどの非磁性基材に所要の磁性体を形成したディスクが用いられていた。また、ハードディスク装置のスピンドルモータには、ディスクの回転穴に嵌合させるためのハブが設けられ、クランパなどによってディスクを固定して回転できるようになっていた。軸受には、回転精度を高められるように流体軸受が用いられ始めている。そして、このディスクの所要トラックに対して磁気ヘッドを位置決めして、データを記録・再生できるよう構成されていた。
【0003】
また、高密度化対応のため磁気ヘッドの浮上量を少なくするようにそれぞれの部品に対して高精度化が行なわれてきた。さらには、機器の小型化に対応するためにディスクの非磁性基材も剛性を高くするようにガラスが多用されるようになってきた(特許文献1)。また、磁気ヘッドにおいても下記の特許文献2、特許文献3に示されるMR(Magnetoresistive)ヘッドから下記の特許文献4に示されるより感度の高いGMR(Giant Magnetoresistive)ヘッド、さらには、下記の特許文献5に示されるTMR(Tunnel Magnetoresistive)などが用いられようとしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−25040号公報(段落0015、図1)
【特許文献2】
特許第3228128号公報(段落0011、図3)
【特許文献3】
特許第3235085号公報(段落0016、図1)
【特許文献4】
特開2000−306217号公報(段落0006)
【特許文献5】
特開2000−276718号公報(段落0013)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の磁気ディスクにおいては、記録密度を高めるために、両面を高精度に研磨することで平面性を向上させ、また、小型・薄型化に伴ってディスクの基材自身も薄くする必要があり、剛性の低下を防ぐためにガラスの基材を用いるようにしてきたが、クランパによってディスクを固定することで発生する偏芯がサーボライトする際のRRO(Repeatable Run‐Out)を増加させ、結果として、TPIを高める障害となっていた。さらに、ディスクが帯電することで、磁気ヘッドへの影響が無視できないようになってきた。また、記録密度の向上に伴って、耐磨耗性に対しての要求も向上してきた。
【0006】
また、磁気ディスク装置においては、データの転送レートを高めるためにディスクの回転数を高める必要があるが、これと高感度の磁気ヘッドの組み合わせにより従来問題とならなかった、ディスクと空気との間で発生する静電気が原因で磁気ヘッドが破損するという問題があった。これは、高転送レート化と、低浮上量化で更に深刻な問題となって来ている。
【0007】
本発明は、従来のこれらの課題を解決するもので、安価でしかも精度の向上ができ、静電気帯電の低減できる磁気ディスクを提供することを目的とする。
また本発明は、従来のこれらの相反する課題を解決するもので、安価でしかも精度の向上ができる小型で信頼性の高い磁気ディスク装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明の磁気ディスクは上記目的を達成するために、
表面に磁気記録層が形成されるとともに、中心に穴が形成されたディスクと、
前記穴に嵌合するように形成された導電性の回転軸とを備え、
前記回転軸を前記穴に嵌合して前記ディスクと一体になるように固定した構成とし、前記穴から露出した前記回転軸の面に渡って連続するように、導電性の保護膜を設けたことを特徴とする。
この構成により、ディスクが全て軸基準で寸法規定できるとともに、磁気記録層への帯電が導電性の軸を経由して除電することが可能となる。また、これによって従来のディスクと同様の扱いをしても精度の確保と静電気に対する配慮をしなくて済むために作業性が低下することがない。また磁気ディスクの帯電が容易に除去できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の磁気ディスクにおいて、
前記導電性の保護膜が、主成分が炭素の非晶質であることを特徴とする。
この構成により、安価な炭素を用いているために安価なディスクが実現できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2のいずれか1つに記載の磁気ディスクを有する磁気ディスク装置であって、
磁気ディスクに対して記録再生を行う磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドが記録再生を行うための回路とを備え、
前記磁気ディスクの磁気記録層と磁気ヘッド間の直接的な絶縁抵抗が、前記回路を経由した間接的な電気抵抗よりも高いことを特徴とする。
この構成によれば、回転により空気との間で帯電した静電気が、抵抗値に低い経路を通って放電されるために感度低下などの磁気ヘッドの特性に影響することを防止でき、信頼性の高い磁気ディスク装置が実現できる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の磁気ディスク装置において、
前記磁気ディスクの回転軸を流体軸受により支持し、前記流体軸受内に導電性のオイルを用いたことを特徴とする。
この構成により、磁気ディスクと磁気ヘッドとの浮上量を少なくしても静電気が流体軸受を経由して放電できるために、磁気ヘッドに対して静電気放電することなく信頼性の高い磁気ディスク装置が実現できる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の磁気ディスク装置において、
前記磁気ヘッドが、磁気抵抗素子で構成されていることを特徴とする。
この構成により、静電気に対して脆弱な磁気抵抗素子を容易に用いることが可能となる。これにより、静電気に対しての特段な対策を施すことなく、高記録密度が達成できることで小型化が安価に実現できる。これにより携帯機器などに大容量の磁気ディスクの応用を可能とすることができる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項3から5のいずれか1つに記載の磁気ディスク装置において、
前記磁気ヘッドが、非動作中に前記ディスクと平面的に重ならない位置に退避することを特徴とする。
この構成により磁気ディスク装置が非動作中に、その回路がいかなる状態にあっても磁気ディスクから磁気ヘッドへ直接的に静電気が放電することを防止できるので、信頼性の向上が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明における磁気ディスクの斜視図、図2は図1の磁気ディスクの断面図、図3は磁気ディスクと磁気ディスク装置側の軸受の関係を示す分解斜視図、図4は、本発明における磁気ディスク装置の要部平面図、図5は、本発明における磁気ディスク・磁気ヘッド間における抵抗の比とヘッドの感度変化の特性を示す特性図である。
【0015】
まず、図1及び図2を用い磁気ディスクの構成を説明する。図1において、磁気ディスク1の主面1Aは、直径が約20mm(0.8“)、厚さが約0.3mmのケイ酸塩ガラス基材3の表面により構成される。ディスクの主面1Aと反対面の中央には、導電性を有し直径が約4mm、長さが0.8mmの軸2がディスクの主面1Aと一体になるように固定されている。軸2はステンレス製(SUS420など)のバー材を焼き入れ研磨して作られる。軸2には、ガラス基材3に設けられる小穴1Bに嵌合して固定するために突出した直径約1.5mmの固定部2Aが設けられている。軸2はガラス基材3に対して、ディスクの主面1Aと反対面から挿入されて固定部2Aの先端面がディスクの主面1Aと面一になるように一体化される。
【0016】
ディスクの主面1Aは、凹凸のきわめて少ない平坦面となっており、磁気記録するためにCo−Cr系などの磁気記録層4がスパッタリングなどにより付着させてある。磁気記録層4の上には、炭素を主成分とした非晶質のDLC(Diamond Like Carbon)による保護膜5が形成され、更に保護膜5の上には、フッ素系などの潤滑膜6が形成されている。磁気記録層4の構成については、使用する面記録密度や、ヘッドとの浮上量によって適宜決められる。本実施例における浮上量としてのFly Heightは、15〜20nm程度としてあり、磁気記録層4、保護膜5、潤滑膜6がそれぞれ13nm、5nm、2nm程度としてある。また、面記録密度は30Gbpsi(Giga Bit Per Square Inch)程度としている。
【0017】
また、磁気ディスク1のガラス基材3は、事前に所要の調合・調整を行なったガラスをカレットにしておき加熱・溶融して軟化点よりも高い粘度で成形できる状態にし、金型に入れ加圧することにより、ディスクの主面1A及び小穴1Bが成形されている。軸2とディスクの主面1Aを別に作る理由は、それぞれに求められる精度要求が異なるために最適な加工方法を取り得るからである。少し詳しく説明すると、ディスクの主面1Aには、高い平面度と表面荒さが要求され、微小な欠陥についても厳しい基準により規定されている。一方、軸2に関しては真円度と円筒度が要求される。そこで、ディスクの主面1Aに対しては、ラップ加工により仕上げられ、軸2に関しては、スーパーフィニッシュ加工によって仕上げられている。
【0018】
ディスクの主面1Aと軸2の固定部分は接着剤2Cによって固定される。接着に関しては、磁気記録層4などを成膜前に行なっても、成膜後に行なってもよく、接着剤2Cについては、導電性を有するもので発ガスの少ないものが望ましい。これは、磁気ディスク装置に発生するコンタミネーションを極力防止するためである。また、小穴1Bについては磁気ディスク1のハンドリングや、位置決めの基準などとして用いることも可能である。
【0019】
磁気記録層4の上に設けられた保護膜5は、図2に示すようにディスクの主面1Aの全体に設けられ、端面を通ってディスクの主面1Aの裏側にも設けられている。これによって、軸2とディスクの主面1Aとの間において連続する導電性を有する保護膜となるように構成されている。また、成形に用いられる金型の材質(SiCやZrO2など)や、表面の処理、コーティングなどは、使用するガラスの材質や成形温度、寿命などにより適宜選択することができる。
【0020】
次に磁気ディスク1に軸2が一体に設けられている点についての説明を行なう。この軸2については、前述のようにステンレスで機械加工により作られている。通常、従来のディスクは、回転穴を有するドーナツ型をしており、スピンドルモータに設けられた、回転穴と嵌合する円筒形のハブと呼ばれる部分に挿入して、クランパと呼ばれるリングなどを用いて固定することが知られている。しかしながら、記録密度が高まるに連れて、トラックピッチも高密度化する。このために、トラックの位置を検出するためのサーボ信号の記録には、自己サーボライトすることが用いられてきた。詳細は、特開2001−243733号公報などに記載されるように磁気転写などによるマスターパターンに対して実際使用するトラックに対するサーボパターンを書き込んで行く。これは、装置に組み込んだ時に発生するハブと内径部分とによる芯ずれ及び、スピンドルモータの軸振れとその位相ズレなどによって、RROが発生してしまうものである。
【0021】
本発明によれば、磁気ディスク1に一体に設けた軸2をスピンドルモータの軸そのものとすることができ、磁気転写や、組立ての基準が全て同じ軸を基準としているために、RROの発生を低減させることができ、高密度化したトラックピッチにおいても容易にしかも良好なサーボパターンを書き込むことが可能となる。さらには、クランパも不要とすることができ、コストの低減や、薄型化・軽量化についても可能となる。また、軸基準で主面の平面度を加工することも可能となるので、振れ回りの一部の成分を含めた形で平面を加工することもでき、このため、使用状態に近い条件で精度のよい加工が可能となり、記録密度の向上も可能となる。工程におけるハンドリングなどに対しても軸をつかんで行なうことが可能となるので、従来のようにディスクの外形をつかむ作業と比べて作業性の向上が得られる。また、主面の磁気記録層をつかまないので、磁気記録を行う面積が、組立加工の為に減少することもない。これによってディスクサイズ一杯に有効な磁気記録範囲が確保できる。
【0022】
また、この磁気ディスク1においては、軸2とディスクの主面1Aとの間において連続する導電性の保護膜5によって、磁気ディスク1全体を、ほぼ同電位にすることができ、特段の静電気対策を施すことなく、従来の工程と同じ状況においても静電気の帯電が防止でき、静電気の放電などに伴う磁気ディスク1の品質を低下させることがない。さらには、保護膜5であるDLC膜により磁気ヘッドとの間において接触することがあった場合でもDLCの硬度が高いので、磁気記録層4に対してのダメージを最小限に押さえられることができ、信頼性の高い磁気ディスク1が提供できる。このことは、更に言い替えると磁気ディスク1を作成する工程や、磁気ディスク1に磁気転写などによるマスタパターンを転写する際に発生するダメージを低減させることが可能となり、工程における歩留りが改善できるとともに、作業性の向上が得られることによって、コストの低減も可能である。
【0023】
また、製造の工程に対しても従来の工程がそのまま使用できるために高価な設備投資の必要も無い。本実施例においては、磁気記録層4と潤滑膜6については、ディスクの主面1Aの端部までとしてあるが、この形態に限定されるものでなく、適宜変更することは可能である。DLC膜5については、磁気記録層4と同様にスパッタによって成膜することができるので、設備投資の必要性も排除できる。
【0024】
次に図3を参照して磁気ディスク1と軸受の関係について説明する。図3において、磁気ディスク1に設けられた軸2の円周面はラジアルの流体軸受15により支持され、その端面はスラストの流体軸受15Bにより支持される。ラジアルの流体軸受15の内面には、軸2の回転により動圧を発生するための動圧溝15Aが設けられている。本実施例においては、動圧溝15Aの形状をへリングボーン形状としてある。同様に、スラストの流体軸受15Bにおいても、軸2の回転により動圧を発生するための動圧溝15Cが設けられている。これらの動圧溝15A、15Cについては、転造で作られている。動圧溝15A、15Cの形状や、本数、隙間などについては、所要の回転精度に対する特性が得られるように適宜変更は可能である。
【0025】
また、本実施例においての流体軸受15、15Bの材質は、黄銅を用いてあるが、ステンレスを用いてもよい。材質の検討には、温度膨張係数の差によって発生する軸2と流体軸受15、15Bとの隙間の変化や、加工性などを検討して選定することが肝要である。流体軸受15、15Bについての詳細な動作説明は省略するが、軸2の回転に伴って粘性によって流体が動圧溝15A、15Cに導かれ、この動圧溝15A、15Cが袋小路のように形成されているために面に垂直方向の圧力を発生させて軸2を支持するものである。流体軸受15、15Bを用いることによって、軸2の回転精度の向上と、静音化が得られる。
【0026】
また、流体軸受15、15Bに使用するオイルについては、粘度の温度係数特性がよく、しかも化学的に安定であり、飽和蒸気圧の少ないものが望ましい。本実施例においては、ベースオイルにフッ素系のオイルを用いてあり、所要の添加剤を加え特性を改善するとともに、導電性を与えるように、粒子サイズのそろった分散性のよいカーボンが適量加えてあり、所要の導電性を有するようにしてある。また、カーボンは、金属接触による磨耗をあたかも極圧剤のように挙動して防止すると考えられ、寿命特性がよくなる結果も得られている。添加剤については、ベースオイルとの相性や、活性などについて十分検討することが重要である。
【0027】
次に図4を参照して本発明における磁気ディスク装置(以下HDDと略すこともある)を説明する。図4において、図示しない回路部分を除くHDDを以下HDA(Head Disk Assemble)10と略す。HDA10は、略矩形箱状をしたアルミニウム製などのシャーシ11と、シャーシ11を塞ぐカバー(図示せず)とを有している。また、HDA10内には、前述のガラスの非磁性基材上にCo−Cr系などの磁性材をスパッタリングなどにより付着させ(磁気記録層4)、所要の潤滑膜6や保護膜5など形成した磁気記録媒体としての磁気ディスク1が配置されている。本実施例においては、磁気ディスク1の直径が約20mm(0.8“)と小径のものが用いられている。
【0028】
スピンドルモータ14は磁気ディスク1を一定速度で回転させる。スピンドルモータの軸受には、図3に示すようにへリングボーン型のグルーブを有する流体軸受15が用いてある。スピンドルモータ14の駆動形態は周対向型のDD(ダイレクト・ドライブ)モータである。磁気ディスク1に設けられた軸2がそのままスピンドルモータ14の軸としてある。また、前述のように磁気ディスク1の重心が軸2の部分にしてあるので、スピンドルモータ14は磁気ディスク1を高い回転精度で回転させ、RRO、NRROなどで規定される半径方向の振れを高精度で実現している。
【0029】
磁気ディスク1に対して情報の記録又は再生を行なう磁気ヘッド17は、磁気ヘッド17を支持するサスペンション16の先に、ジンバルばね(図示せず)に取り付けられ、ロードビーム(図示せず)により付勢力が伝達されるように構成されている。磁気ヘッド17は、スライダ(図示せず)に書き込み用の薄膜ヘッドと、読出し用のGMRヘッドとが取り付けられている。また、スライダには所要の形状を持たせたABS(Air Bearing Surface)面を持つ負圧スライダとしてある。
【0030】
サスペンション16は、ピボット軸受18により磁気ディスク1のトラック方向(半径方向)に対して回動自在に支持されている。アクチュエータはサスペンション16とコイルアーム19とで構成されている。アクチュエータはVCM(コイル20など)により回動及び位置決めされ、磁気ヘッド17を所要のトラック方向に移動又は、位置決めされるようになっている。磁気ディスク1の外周側には、アクチュエータ16、19の待避位置にランプ21が設けられており、サスペンション16の先端部に設けられたタブ22と協働してHDDの動作停止の際にアクチュエータ16、19を待避位置にアンロードし、HDDの非動作時にアクチュエータ16、19を待避位置に保持する。退避位置においては、磁気ヘッド17は磁気ディスク1と平面的に重ならない位置に配置される。本実施例においては、退避位置において磁気ヘッド17は、磁気ディスク1の端面から約0.5mm離れるようにしてある。
【0031】
シャーシ11の下面には、図示していない、モータの動作などを制御する駆動回路や、R/W回路、HDC(Hard Disk Controller)などが実装された回路基板が固定され、HDDとなる。このHDDは、ロード/アンロード機構の形態をとっている。磁気ディスク1の表面には、図示しないデータ及びサーボ情報が記録されたトラックが同心円状に配置されている。このサーボ情報については、前述のように磁気転写した後に自己サーボライトによって書かれている。トラックは、更に細かな、512バイト(Byte)単位などのセクタに分割されている。また、トラック位置によって線記録密度が、ほぼ一定になるようにゾーンビット記録をするようになっている。本実施例においては、8ゾーンに分割してある。
【0032】
本実施例におけるHDA10においては、1プラッター1ヘッドと称され、磁気ディスク1の上面のみを記録面とし、1つの磁気ヘッド17を用いる形態としている。磁気ヘッド17は、図示しない回路基板からデータを磁気ディスク1に記録、また磁気ディスク1に記録されたデータの読み出しを行なう。記録については、16−17の変調方式を用いてByte単位でコードの変換を行ない、記憶容量の向上と記録・再生の特性の向上を行なっている。これらの信号は、ヘッドアンプに接続されている、FPCなどを介して磁気ヘッド17との間で授受される。磁気ヘッド17は、サスペンション16により与えられる付勢力により磁気ディスク1に付勢されスライダのABS面と、磁気ディスク1の回転により発生する空気流の流入により、所要の正・負圧を生じ非常にわずかな浮上量で安定して浮動するようになっている。
【0033】
VCMは、コイル20と、図示しない上及び下ヨークとマグネット23などから構成されている。アクチュエータのコイルアーム19に固定されたコイル20の下端面には、所定の空隙を介してマグネット23が対向して配置されている。この構成により磁気回路を形成し、コイルアーム19を、上ヨークとマグネット23とに挟まれた空間に配置してあり、コイル20が回動可能となっている。マグネット23には、エネルギー積の高いNd−Fe系の焼結製のもので、表面をNiなどによる防錆処理をし、面内に2極に着磁して用いてある。ランプ21は、図示しないが、アンロード時のタブ22の運動方向、すなわち磁気ディスク1の径方向外側に向けて、複合的な平面が配置されて、シャーシ11に固定されている。なお、アクチュエータとVCMとランプとで、ロード/アンロード機構を構成している。
【0034】
次にHDDについてその動作を説明する。回路基板により、スピンドルモータ14が駆動され、磁気ディスク1が所定の回転速度で回転する。本実施例においては、50S−1(3,000rpm)としてある。ランプ21に退避していた磁気ヘッド17がVCMによりピボット軸受18を中心に回動し、磁気ヘッド17をディスク面へとロードする。磁気ディスク1の回転により発生した空気流と、サスペンションの付勢力、スライダのABSの作用によって、磁気ディスク1との間で非常にわずかな浮上量(15〜20nm程度)にて安定して浮動する。これにより磁気ヘッド17のロードが完了する。
【0035】
続いて、トラック情報などを、読み取りアクワイヤーと呼ばれるトラック認識などの一連の動作が行なわれる。VCMはコイル20に通電されると、マグネット23からの磁束とコイル20の電流とに推力が発生する。コイル20は、マグネット23が固定されているのでその反作用として推力を発生し、アクチュエータをピボット軸受18に対して回動させる。これにより、アクチュエータはコイル20への通電量に応じた角度で回動される。サスペンション16に支持された磁気ヘッド17は、磁気ディスク1の半径方向に沿って、磁気ディスク1上を浮上状態で移動し、所望のトラックに位置決めし、磁気ディスク1に対して記録、再生が行なわれる。
【0036】
本実施例によるHDDにおいては、動作時においての磁気ディスク1の磁気記録層4と磁気ヘッド17間の直接的な絶縁抵抗が、回路基板、すなわち電気回路部分を経由した間接的な電気抵抗よりも高いようにしてある。磁気ディスク1が回転すると、周囲の空気との間において相対運動が起こり、これに伴って磁気ディスク1の表面には、静電気の帯電が起こる。ここで、流体軸受15は、軸2との間で非接触となるため、通常では、静電気の放電が行なわれにくい。このために磁気ディスク1に近接配置されている磁気ヘッド17との間での空気膜を経由して放電され、この際にGMR膜に影響を与えてしまい、磁気抵抗変化率としてのMR比が低下して再生信号の低下や、更にひどい場合には、磁気ヘッド17の破壊につながることもあった。
【0037】
しかしながら、本発明によれば、磁気記録層4と磁気ヘッド17間の直接的な絶縁抵抗が、回路基板すなわち電気回路部分を経由した間接的な電気抵抗よりも高いようにしてあるので、静電気の放電がより抵抗の少ない回路基板を経由して放電することができるために、磁気ヘッド17に対しての影響を防ぐことができる。さらには、流体軸受15の流体に導電性を有するように構成してあることにより、確実に磁気ヘッド17に対しての影響を防ぐことが可能となる。また、非動作中に磁気ヘッド17が、磁気ディスク1と平面的に重ならない位置に退避するように構成してあるので、磁気ディスク装置が非動作中に、外部よりの振動によって磁気ディスク1が帯電することがあった場合においても、磁気ヘッド17と磁気ディスク1との間での絶縁抵抗を十分高く保つことが可能となり、磁気ディスク1から磁気ヘッド17へ直接的に静電気が放電することを防止できるので、信頼性の向上が得られる。
【0038】
さて、次にこの効果を確認した実験例について図5を用いて説明する。図5においては、横軸に磁気記録層4から回路基板を通しての間接的な電気抵抗値(R間接)と磁気記録層から磁気ヘッドに対する直接的な絶縁抵抗値(R直接)との比をとってあり、縦軸には静電気を帯電させた後に放電させて磁気抵抗変化率(MR比)の変化の割合をとってある。相対湿度を十分下げて、帯電しやすい条件のもとで一定時間読出しを行なった後に、磁気ヘッド17のMR比を測定したものである。図5の曲線Aにおいて○印は、殆ど変化のなかったもの、△印は、若干劣化したもの、×印は、GMR膜の破壊などで出力が得られなかったものを示している。曲線Aから、変化のない○印はおおむね横軸の比で1以下であることがわかる。これは、静電気の放電が、より抵抗の低い経路によって行われたことを示しているものであり、本発明により、磁気ディスク装置における信頼性の向上が得られることがわかる。
【0039】
今後、更に高密度化や、高回転による高転送レートが要求されるサーバや、超小型の携帯用途などを考えると、磁気ヘッド17はGMRから、TMR、CPPへと、更に静電気に対して脆弱なヘッドの採用が予測されるとともに、軸受には流体軸受が必須となると考えられるが、本発明によれば、これらの動向に対しても十分に用いることができ、信頼性が向上できることが理解できよう。
【0040】
また、本発明によれば、軸2をスピンドルモータ14の軸と共用化することによりクランパーが廃止でき、薄型化・軽量化と、コストの低減や、高密度化が可能であることも理解されよう。以上説明した内容に対して、本実施例に限定されることなく適宜変更は可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の発明によれば、ディスクが全て軸基準で寸法規定できるとともに、磁気記録層への帯電が導電性の軸を経由して除電することが可能となる。また、これによって従来のディスクと同様の扱いをしても精度の確保と静電気に対する配慮をしなくて済むために作業性が低下することがない。また、磁気ディスクの帯電が容易に除去できる。
請求項2に記載の発明によれば、安価な炭素を用いているために安価なディスクが実現できる。
請求項3に記載の発明によれば、回転により空気との間で帯電した静電気が、抵抗値に低い経路を通って放電されるために感度低下などの磁気ヘッドの特性に影響することを防止でき、信頼性の高い磁気ディスク装置が実現できる。
請求項4に記載の発明によれば、磁気ディスクと磁気ヘッドとの浮上量を少なくしても静電気が流体軸受を経由して放電できるために、磁気ヘッドに対して静電気放電することなく信頼性の高い磁気ディスク装置が実現できる。
請求項5に記載の発明によれば、静電気に対して脆弱な磁気抵抗素子を容易に用いることが可能となる。これにより、静電気に対しての特段な対策を施すことなく、高記録密度が達成できることで小型化が安価に実現できる。これにより携帯機器などに大容量の磁気ディスクの応用を可能とすることができる。
請求項6に記載の発明によれば、磁気ディスク装置が非動作中に、その回路がいかなる状態にあっても磁気ディスクから磁気ヘッドへ直接的に静電気が放電することを防止できるので、信頼性の向上が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における磁気ディスクの斜視図
【図2】図1の磁気ディスクの断面図
【図3】本発明における磁気ディスクと軸受の関係を示す分解斜視図
【図4】本発明における磁気ディスク装置の要部平面図
【図5】本発明におけるディスク・ヘッド間における抵抗の比とヘッドの感度変化の特性を示す特性図
【符号の説明】
1 磁気ディスク
1A ディスクの主面
1B 小穴
2 軸
2A 固定部
2C 接着剤
3 ガラス基材
4 磁気記録層
5 保護膜(DLC膜)
6 潤滑膜
10 HDA
11 シャーシ
14 スピンドルモータ
15、15B 流体軸受
15A、15C 動圧溝
16 サスペンション(アクチュエータ)
17 磁気ヘッド
18 ピボット軸受
19 コイルアーム(アクチュエータ)
20 コイル
21 ランプ
22 タブ
23 マグネット
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーソナルコンピュータなどの外部記憶装置などに用いられる磁気ディスク装置及び、これらに用いられる磁気ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ハードディスク装置には、中心に回転穴が形成されてドーナツ形状をし、また、アルミニウムなどの非磁性基材に所要の磁性体を形成したディスクが用いられていた。また、ハードディスク装置のスピンドルモータには、ディスクの回転穴に嵌合させるためのハブが設けられ、クランパなどによってディスクを固定して回転できるようになっていた。軸受には、回転精度を高められるように流体軸受が用いられ始めている。そして、このディスクの所要トラックに対して磁気ヘッドを位置決めして、データを記録・再生できるよう構成されていた。
【0003】
また、高密度化対応のため磁気ヘッドの浮上量を少なくするようにそれぞれの部品に対して高精度化が行なわれてきた。さらには、機器の小型化に対応するためにディスクの非磁性基材も剛性を高くするようにガラスが多用されるようになってきた(特許文献1)。また、磁気ヘッドにおいても下記の特許文献2、特許文献3に示されるMR(Magnetoresistive)ヘッドから下記の特許文献4に示されるより感度の高いGMR(Giant Magnetoresistive)ヘッド、さらには、下記の特許文献5に示されるTMR(Tunnel Magnetoresistive)などが用いられようとしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−25040号公報(段落0015、図1)
【特許文献2】
特許第3228128号公報(段落0011、図3)
【特許文献3】
特許第3235085号公報(段落0016、図1)
【特許文献4】
特開2000−306217号公報(段落0006)
【特許文献5】
特開2000−276718号公報(段落0013)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の磁気ディスクにおいては、記録密度を高めるために、両面を高精度に研磨することで平面性を向上させ、また、小型・薄型化に伴ってディスクの基材自身も薄くする必要があり、剛性の低下を防ぐためにガラスの基材を用いるようにしてきたが、クランパによってディスクを固定することで発生する偏芯がサーボライトする際のRRO(Repeatable Run‐Out)を増加させ、結果として、TPIを高める障害となっていた。さらに、ディスクが帯電することで、磁気ヘッドへの影響が無視できないようになってきた。また、記録密度の向上に伴って、耐磨耗性に対しての要求も向上してきた。
【0006】
また、磁気ディスク装置においては、データの転送レートを高めるためにディスクの回転数を高める必要があるが、これと高感度の磁気ヘッドの組み合わせにより従来問題とならなかった、ディスクと空気との間で発生する静電気が原因で磁気ヘッドが破損するという問題があった。これは、高転送レート化と、低浮上量化で更に深刻な問題となって来ている。
【0007】
本発明は、従来のこれらの課題を解決するもので、安価でしかも精度の向上ができ、静電気帯電の低減できる磁気ディスクを提供することを目的とする。
また本発明は、従来のこれらの相反する課題を解決するもので、安価でしかも精度の向上ができる小型で信頼性の高い磁気ディスク装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明の磁気ディスクは上記目的を達成するために、
表面に磁気記録層が形成されるとともに、中心に穴が形成されたディスクと、
前記穴に嵌合するように形成された導電性の回転軸とを備え、
前記回転軸を前記穴に嵌合して前記ディスクと一体になるように固定した構成とし、前記穴から露出した前記回転軸の面に渡って連続するように、導電性の保護膜を設けたことを特徴とする。
この構成により、ディスクが全て軸基準で寸法規定できるとともに、磁気記録層への帯電が導電性の軸を経由して除電することが可能となる。また、これによって従来のディスクと同様の扱いをしても精度の確保と静電気に対する配慮をしなくて済むために作業性が低下することがない。また磁気ディスクの帯電が容易に除去できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の磁気ディスクにおいて、
前記導電性の保護膜が、主成分が炭素の非晶質であることを特徴とする。
この構成により、安価な炭素を用いているために安価なディスクが実現できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2のいずれか1つに記載の磁気ディスクを有する磁気ディスク装置であって、
磁気ディスクに対して記録再生を行う磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドが記録再生を行うための回路とを備え、
前記磁気ディスクの磁気記録層と磁気ヘッド間の直接的な絶縁抵抗が、前記回路を経由した間接的な電気抵抗よりも高いことを特徴とする。
この構成によれば、回転により空気との間で帯電した静電気が、抵抗値に低い経路を通って放電されるために感度低下などの磁気ヘッドの特性に影響することを防止でき、信頼性の高い磁気ディスク装置が実現できる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の磁気ディスク装置において、
前記磁気ディスクの回転軸を流体軸受により支持し、前記流体軸受内に導電性のオイルを用いたことを特徴とする。
この構成により、磁気ディスクと磁気ヘッドとの浮上量を少なくしても静電気が流体軸受を経由して放電できるために、磁気ヘッドに対して静電気放電することなく信頼性の高い磁気ディスク装置が実現できる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の磁気ディスク装置において、
前記磁気ヘッドが、磁気抵抗素子で構成されていることを特徴とする。
この構成により、静電気に対して脆弱な磁気抵抗素子を容易に用いることが可能となる。これにより、静電気に対しての特段な対策を施すことなく、高記録密度が達成できることで小型化が安価に実現できる。これにより携帯機器などに大容量の磁気ディスクの応用を可能とすることができる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項3から5のいずれか1つに記載の磁気ディスク装置において、
前記磁気ヘッドが、非動作中に前記ディスクと平面的に重ならない位置に退避することを特徴とする。
この構成により磁気ディスク装置が非動作中に、その回路がいかなる状態にあっても磁気ディスクから磁気ヘッドへ直接的に静電気が放電することを防止できるので、信頼性の向上が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明における磁気ディスクの斜視図、図2は図1の磁気ディスクの断面図、図3は磁気ディスクと磁気ディスク装置側の軸受の関係を示す分解斜視図、図4は、本発明における磁気ディスク装置の要部平面図、図5は、本発明における磁気ディスク・磁気ヘッド間における抵抗の比とヘッドの感度変化の特性を示す特性図である。
【0015】
まず、図1及び図2を用い磁気ディスクの構成を説明する。図1において、磁気ディスク1の主面1Aは、直径が約20mm(0.8“)、厚さが約0.3mmのケイ酸塩ガラス基材3の表面により構成される。ディスクの主面1Aと反対面の中央には、導電性を有し直径が約4mm、長さが0.8mmの軸2がディスクの主面1Aと一体になるように固定されている。軸2はステンレス製(SUS420など)のバー材を焼き入れ研磨して作られる。軸2には、ガラス基材3に設けられる小穴1Bに嵌合して固定するために突出した直径約1.5mmの固定部2Aが設けられている。軸2はガラス基材3に対して、ディスクの主面1Aと反対面から挿入されて固定部2Aの先端面がディスクの主面1Aと面一になるように一体化される。
【0016】
ディスクの主面1Aは、凹凸のきわめて少ない平坦面となっており、磁気記録するためにCo−Cr系などの磁気記録層4がスパッタリングなどにより付着させてある。磁気記録層4の上には、炭素を主成分とした非晶質のDLC(Diamond Like Carbon)による保護膜5が形成され、更に保護膜5の上には、フッ素系などの潤滑膜6が形成されている。磁気記録層4の構成については、使用する面記録密度や、ヘッドとの浮上量によって適宜決められる。本実施例における浮上量としてのFly Heightは、15〜20nm程度としてあり、磁気記録層4、保護膜5、潤滑膜6がそれぞれ13nm、5nm、2nm程度としてある。また、面記録密度は30Gbpsi(Giga Bit Per Square Inch)程度としている。
【0017】
また、磁気ディスク1のガラス基材3は、事前に所要の調合・調整を行なったガラスをカレットにしておき加熱・溶融して軟化点よりも高い粘度で成形できる状態にし、金型に入れ加圧することにより、ディスクの主面1A及び小穴1Bが成形されている。軸2とディスクの主面1Aを別に作る理由は、それぞれに求められる精度要求が異なるために最適な加工方法を取り得るからである。少し詳しく説明すると、ディスクの主面1Aには、高い平面度と表面荒さが要求され、微小な欠陥についても厳しい基準により規定されている。一方、軸2に関しては真円度と円筒度が要求される。そこで、ディスクの主面1Aに対しては、ラップ加工により仕上げられ、軸2に関しては、スーパーフィニッシュ加工によって仕上げられている。
【0018】
ディスクの主面1Aと軸2の固定部分は接着剤2Cによって固定される。接着に関しては、磁気記録層4などを成膜前に行なっても、成膜後に行なってもよく、接着剤2Cについては、導電性を有するもので発ガスの少ないものが望ましい。これは、磁気ディスク装置に発生するコンタミネーションを極力防止するためである。また、小穴1Bについては磁気ディスク1のハンドリングや、位置決めの基準などとして用いることも可能である。
【0019】
磁気記録層4の上に設けられた保護膜5は、図2に示すようにディスクの主面1Aの全体に設けられ、端面を通ってディスクの主面1Aの裏側にも設けられている。これによって、軸2とディスクの主面1Aとの間において連続する導電性を有する保護膜となるように構成されている。また、成形に用いられる金型の材質(SiCやZrO2など)や、表面の処理、コーティングなどは、使用するガラスの材質や成形温度、寿命などにより適宜選択することができる。
【0020】
次に磁気ディスク1に軸2が一体に設けられている点についての説明を行なう。この軸2については、前述のようにステンレスで機械加工により作られている。通常、従来のディスクは、回転穴を有するドーナツ型をしており、スピンドルモータに設けられた、回転穴と嵌合する円筒形のハブと呼ばれる部分に挿入して、クランパと呼ばれるリングなどを用いて固定することが知られている。しかしながら、記録密度が高まるに連れて、トラックピッチも高密度化する。このために、トラックの位置を検出するためのサーボ信号の記録には、自己サーボライトすることが用いられてきた。詳細は、特開2001−243733号公報などに記載されるように磁気転写などによるマスターパターンに対して実際使用するトラックに対するサーボパターンを書き込んで行く。これは、装置に組み込んだ時に発生するハブと内径部分とによる芯ずれ及び、スピンドルモータの軸振れとその位相ズレなどによって、RROが発生してしまうものである。
【0021】
本発明によれば、磁気ディスク1に一体に設けた軸2をスピンドルモータの軸そのものとすることができ、磁気転写や、組立ての基準が全て同じ軸を基準としているために、RROの発生を低減させることができ、高密度化したトラックピッチにおいても容易にしかも良好なサーボパターンを書き込むことが可能となる。さらには、クランパも不要とすることができ、コストの低減や、薄型化・軽量化についても可能となる。また、軸基準で主面の平面度を加工することも可能となるので、振れ回りの一部の成分を含めた形で平面を加工することもでき、このため、使用状態に近い条件で精度のよい加工が可能となり、記録密度の向上も可能となる。工程におけるハンドリングなどに対しても軸をつかんで行なうことが可能となるので、従来のようにディスクの外形をつかむ作業と比べて作業性の向上が得られる。また、主面の磁気記録層をつかまないので、磁気記録を行う面積が、組立加工の為に減少することもない。これによってディスクサイズ一杯に有効な磁気記録範囲が確保できる。
【0022】
また、この磁気ディスク1においては、軸2とディスクの主面1Aとの間において連続する導電性の保護膜5によって、磁気ディスク1全体を、ほぼ同電位にすることができ、特段の静電気対策を施すことなく、従来の工程と同じ状況においても静電気の帯電が防止でき、静電気の放電などに伴う磁気ディスク1の品質を低下させることがない。さらには、保護膜5であるDLC膜により磁気ヘッドとの間において接触することがあった場合でもDLCの硬度が高いので、磁気記録層4に対してのダメージを最小限に押さえられることができ、信頼性の高い磁気ディスク1が提供できる。このことは、更に言い替えると磁気ディスク1を作成する工程や、磁気ディスク1に磁気転写などによるマスタパターンを転写する際に発生するダメージを低減させることが可能となり、工程における歩留りが改善できるとともに、作業性の向上が得られることによって、コストの低減も可能である。
【0023】
また、製造の工程に対しても従来の工程がそのまま使用できるために高価な設備投資の必要も無い。本実施例においては、磁気記録層4と潤滑膜6については、ディスクの主面1Aの端部までとしてあるが、この形態に限定されるものでなく、適宜変更することは可能である。DLC膜5については、磁気記録層4と同様にスパッタによって成膜することができるので、設備投資の必要性も排除できる。
【0024】
次に図3を参照して磁気ディスク1と軸受の関係について説明する。図3において、磁気ディスク1に設けられた軸2の円周面はラジアルの流体軸受15により支持され、その端面はスラストの流体軸受15Bにより支持される。ラジアルの流体軸受15の内面には、軸2の回転により動圧を発生するための動圧溝15Aが設けられている。本実施例においては、動圧溝15Aの形状をへリングボーン形状としてある。同様に、スラストの流体軸受15Bにおいても、軸2の回転により動圧を発生するための動圧溝15Cが設けられている。これらの動圧溝15A、15Cについては、転造で作られている。動圧溝15A、15Cの形状や、本数、隙間などについては、所要の回転精度に対する特性が得られるように適宜変更は可能である。
【0025】
また、本実施例においての流体軸受15、15Bの材質は、黄銅を用いてあるが、ステンレスを用いてもよい。材質の検討には、温度膨張係数の差によって発生する軸2と流体軸受15、15Bとの隙間の変化や、加工性などを検討して選定することが肝要である。流体軸受15、15Bについての詳細な動作説明は省略するが、軸2の回転に伴って粘性によって流体が動圧溝15A、15Cに導かれ、この動圧溝15A、15Cが袋小路のように形成されているために面に垂直方向の圧力を発生させて軸2を支持するものである。流体軸受15、15Bを用いることによって、軸2の回転精度の向上と、静音化が得られる。
【0026】
また、流体軸受15、15Bに使用するオイルについては、粘度の温度係数特性がよく、しかも化学的に安定であり、飽和蒸気圧の少ないものが望ましい。本実施例においては、ベースオイルにフッ素系のオイルを用いてあり、所要の添加剤を加え特性を改善するとともに、導電性を与えるように、粒子サイズのそろった分散性のよいカーボンが適量加えてあり、所要の導電性を有するようにしてある。また、カーボンは、金属接触による磨耗をあたかも極圧剤のように挙動して防止すると考えられ、寿命特性がよくなる結果も得られている。添加剤については、ベースオイルとの相性や、活性などについて十分検討することが重要である。
【0027】
次に図4を参照して本発明における磁気ディスク装置(以下HDDと略すこともある)を説明する。図4において、図示しない回路部分を除くHDDを以下HDA(Head Disk Assemble)10と略す。HDA10は、略矩形箱状をしたアルミニウム製などのシャーシ11と、シャーシ11を塞ぐカバー(図示せず)とを有している。また、HDA10内には、前述のガラスの非磁性基材上にCo−Cr系などの磁性材をスパッタリングなどにより付着させ(磁気記録層4)、所要の潤滑膜6や保護膜5など形成した磁気記録媒体としての磁気ディスク1が配置されている。本実施例においては、磁気ディスク1の直径が約20mm(0.8“)と小径のものが用いられている。
【0028】
スピンドルモータ14は磁気ディスク1を一定速度で回転させる。スピンドルモータの軸受には、図3に示すようにへリングボーン型のグルーブを有する流体軸受15が用いてある。スピンドルモータ14の駆動形態は周対向型のDD(ダイレクト・ドライブ)モータである。磁気ディスク1に設けられた軸2がそのままスピンドルモータ14の軸としてある。また、前述のように磁気ディスク1の重心が軸2の部分にしてあるので、スピンドルモータ14は磁気ディスク1を高い回転精度で回転させ、RRO、NRROなどで規定される半径方向の振れを高精度で実現している。
【0029】
磁気ディスク1に対して情報の記録又は再生を行なう磁気ヘッド17は、磁気ヘッド17を支持するサスペンション16の先に、ジンバルばね(図示せず)に取り付けられ、ロードビーム(図示せず)により付勢力が伝達されるように構成されている。磁気ヘッド17は、スライダ(図示せず)に書き込み用の薄膜ヘッドと、読出し用のGMRヘッドとが取り付けられている。また、スライダには所要の形状を持たせたABS(Air Bearing Surface)面を持つ負圧スライダとしてある。
【0030】
サスペンション16は、ピボット軸受18により磁気ディスク1のトラック方向(半径方向)に対して回動自在に支持されている。アクチュエータはサスペンション16とコイルアーム19とで構成されている。アクチュエータはVCM(コイル20など)により回動及び位置決めされ、磁気ヘッド17を所要のトラック方向に移動又は、位置決めされるようになっている。磁気ディスク1の外周側には、アクチュエータ16、19の待避位置にランプ21が設けられており、サスペンション16の先端部に設けられたタブ22と協働してHDDの動作停止の際にアクチュエータ16、19を待避位置にアンロードし、HDDの非動作時にアクチュエータ16、19を待避位置に保持する。退避位置においては、磁気ヘッド17は磁気ディスク1と平面的に重ならない位置に配置される。本実施例においては、退避位置において磁気ヘッド17は、磁気ディスク1の端面から約0.5mm離れるようにしてある。
【0031】
シャーシ11の下面には、図示していない、モータの動作などを制御する駆動回路や、R/W回路、HDC(Hard Disk Controller)などが実装された回路基板が固定され、HDDとなる。このHDDは、ロード/アンロード機構の形態をとっている。磁気ディスク1の表面には、図示しないデータ及びサーボ情報が記録されたトラックが同心円状に配置されている。このサーボ情報については、前述のように磁気転写した後に自己サーボライトによって書かれている。トラックは、更に細かな、512バイト(Byte)単位などのセクタに分割されている。また、トラック位置によって線記録密度が、ほぼ一定になるようにゾーンビット記録をするようになっている。本実施例においては、8ゾーンに分割してある。
【0032】
本実施例におけるHDA10においては、1プラッター1ヘッドと称され、磁気ディスク1の上面のみを記録面とし、1つの磁気ヘッド17を用いる形態としている。磁気ヘッド17は、図示しない回路基板からデータを磁気ディスク1に記録、また磁気ディスク1に記録されたデータの読み出しを行なう。記録については、16−17の変調方式を用いてByte単位でコードの変換を行ない、記憶容量の向上と記録・再生の特性の向上を行なっている。これらの信号は、ヘッドアンプに接続されている、FPCなどを介して磁気ヘッド17との間で授受される。磁気ヘッド17は、サスペンション16により与えられる付勢力により磁気ディスク1に付勢されスライダのABS面と、磁気ディスク1の回転により発生する空気流の流入により、所要の正・負圧を生じ非常にわずかな浮上量で安定して浮動するようになっている。
【0033】
VCMは、コイル20と、図示しない上及び下ヨークとマグネット23などから構成されている。アクチュエータのコイルアーム19に固定されたコイル20の下端面には、所定の空隙を介してマグネット23が対向して配置されている。この構成により磁気回路を形成し、コイルアーム19を、上ヨークとマグネット23とに挟まれた空間に配置してあり、コイル20が回動可能となっている。マグネット23には、エネルギー積の高いNd−Fe系の焼結製のもので、表面をNiなどによる防錆処理をし、面内に2極に着磁して用いてある。ランプ21は、図示しないが、アンロード時のタブ22の運動方向、すなわち磁気ディスク1の径方向外側に向けて、複合的な平面が配置されて、シャーシ11に固定されている。なお、アクチュエータとVCMとランプとで、ロード/アンロード機構を構成している。
【0034】
次にHDDについてその動作を説明する。回路基板により、スピンドルモータ14が駆動され、磁気ディスク1が所定の回転速度で回転する。本実施例においては、50S−1(3,000rpm)としてある。ランプ21に退避していた磁気ヘッド17がVCMによりピボット軸受18を中心に回動し、磁気ヘッド17をディスク面へとロードする。磁気ディスク1の回転により発生した空気流と、サスペンションの付勢力、スライダのABSの作用によって、磁気ディスク1との間で非常にわずかな浮上量(15〜20nm程度)にて安定して浮動する。これにより磁気ヘッド17のロードが完了する。
【0035】
続いて、トラック情報などを、読み取りアクワイヤーと呼ばれるトラック認識などの一連の動作が行なわれる。VCMはコイル20に通電されると、マグネット23からの磁束とコイル20の電流とに推力が発生する。コイル20は、マグネット23が固定されているのでその反作用として推力を発生し、アクチュエータをピボット軸受18に対して回動させる。これにより、アクチュエータはコイル20への通電量に応じた角度で回動される。サスペンション16に支持された磁気ヘッド17は、磁気ディスク1の半径方向に沿って、磁気ディスク1上を浮上状態で移動し、所望のトラックに位置決めし、磁気ディスク1に対して記録、再生が行なわれる。
【0036】
本実施例によるHDDにおいては、動作時においての磁気ディスク1の磁気記録層4と磁気ヘッド17間の直接的な絶縁抵抗が、回路基板、すなわち電気回路部分を経由した間接的な電気抵抗よりも高いようにしてある。磁気ディスク1が回転すると、周囲の空気との間において相対運動が起こり、これに伴って磁気ディスク1の表面には、静電気の帯電が起こる。ここで、流体軸受15は、軸2との間で非接触となるため、通常では、静電気の放電が行なわれにくい。このために磁気ディスク1に近接配置されている磁気ヘッド17との間での空気膜を経由して放電され、この際にGMR膜に影響を与えてしまい、磁気抵抗変化率としてのMR比が低下して再生信号の低下や、更にひどい場合には、磁気ヘッド17の破壊につながることもあった。
【0037】
しかしながら、本発明によれば、磁気記録層4と磁気ヘッド17間の直接的な絶縁抵抗が、回路基板すなわち電気回路部分を経由した間接的な電気抵抗よりも高いようにしてあるので、静電気の放電がより抵抗の少ない回路基板を経由して放電することができるために、磁気ヘッド17に対しての影響を防ぐことができる。さらには、流体軸受15の流体に導電性を有するように構成してあることにより、確実に磁気ヘッド17に対しての影響を防ぐことが可能となる。また、非動作中に磁気ヘッド17が、磁気ディスク1と平面的に重ならない位置に退避するように構成してあるので、磁気ディスク装置が非動作中に、外部よりの振動によって磁気ディスク1が帯電することがあった場合においても、磁気ヘッド17と磁気ディスク1との間での絶縁抵抗を十分高く保つことが可能となり、磁気ディスク1から磁気ヘッド17へ直接的に静電気が放電することを防止できるので、信頼性の向上が得られる。
【0038】
さて、次にこの効果を確認した実験例について図5を用いて説明する。図5においては、横軸に磁気記録層4から回路基板を通しての間接的な電気抵抗値(R間接)と磁気記録層から磁気ヘッドに対する直接的な絶縁抵抗値(R直接)との比をとってあり、縦軸には静電気を帯電させた後に放電させて磁気抵抗変化率(MR比)の変化の割合をとってある。相対湿度を十分下げて、帯電しやすい条件のもとで一定時間読出しを行なった後に、磁気ヘッド17のMR比を測定したものである。図5の曲線Aにおいて○印は、殆ど変化のなかったもの、△印は、若干劣化したもの、×印は、GMR膜の破壊などで出力が得られなかったものを示している。曲線Aから、変化のない○印はおおむね横軸の比で1以下であることがわかる。これは、静電気の放電が、より抵抗の低い経路によって行われたことを示しているものであり、本発明により、磁気ディスク装置における信頼性の向上が得られることがわかる。
【0039】
今後、更に高密度化や、高回転による高転送レートが要求されるサーバや、超小型の携帯用途などを考えると、磁気ヘッド17はGMRから、TMR、CPPへと、更に静電気に対して脆弱なヘッドの採用が予測されるとともに、軸受には流体軸受が必須となると考えられるが、本発明によれば、これらの動向に対しても十分に用いることができ、信頼性が向上できることが理解できよう。
【0040】
また、本発明によれば、軸2をスピンドルモータ14の軸と共用化することによりクランパーが廃止でき、薄型化・軽量化と、コストの低減や、高密度化が可能であることも理解されよう。以上説明した内容に対して、本実施例に限定されることなく適宜変更は可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の発明によれば、ディスクが全て軸基準で寸法規定できるとともに、磁気記録層への帯電が導電性の軸を経由して除電することが可能となる。また、これによって従来のディスクと同様の扱いをしても精度の確保と静電気に対する配慮をしなくて済むために作業性が低下することがない。また、磁気ディスクの帯電が容易に除去できる。
請求項2に記載の発明によれば、安価な炭素を用いているために安価なディスクが実現できる。
請求項3に記載の発明によれば、回転により空気との間で帯電した静電気が、抵抗値に低い経路を通って放電されるために感度低下などの磁気ヘッドの特性に影響することを防止でき、信頼性の高い磁気ディスク装置が実現できる。
請求項4に記載の発明によれば、磁気ディスクと磁気ヘッドとの浮上量を少なくしても静電気が流体軸受を経由して放電できるために、磁気ヘッドに対して静電気放電することなく信頼性の高い磁気ディスク装置が実現できる。
請求項5に記載の発明によれば、静電気に対して脆弱な磁気抵抗素子を容易に用いることが可能となる。これにより、静電気に対しての特段な対策を施すことなく、高記録密度が達成できることで小型化が安価に実現できる。これにより携帯機器などに大容量の磁気ディスクの応用を可能とすることができる。
請求項6に記載の発明によれば、磁気ディスク装置が非動作中に、その回路がいかなる状態にあっても磁気ディスクから磁気ヘッドへ直接的に静電気が放電することを防止できるので、信頼性の向上が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における磁気ディスクの斜視図
【図2】図1の磁気ディスクの断面図
【図3】本発明における磁気ディスクと軸受の関係を示す分解斜視図
【図4】本発明における磁気ディスク装置の要部平面図
【図5】本発明におけるディスク・ヘッド間における抵抗の比とヘッドの感度変化の特性を示す特性図
【符号の説明】
1 磁気ディスク
1A ディスクの主面
1B 小穴
2 軸
2A 固定部
2C 接着剤
3 ガラス基材
4 磁気記録層
5 保護膜(DLC膜)
6 潤滑膜
10 HDA
11 シャーシ
14 スピンドルモータ
15、15B 流体軸受
15A、15C 動圧溝
16 サスペンション(アクチュエータ)
17 磁気ヘッド
18 ピボット軸受
19 コイルアーム(アクチュエータ)
20 コイル
21 ランプ
22 タブ
23 マグネット
Claims (6)
- 表面に磁気記録層が形成されるとともに、中心に穴が形成されたディスクと、
前記穴に嵌合するように形成された導電性の回転軸とを備え、
前記回転軸を前記穴に嵌合して前記ディスクと一体になるように固定し、前記穴から露出した前記回転軸の面に渡って連続するように、導電性の保護膜を設けた磁気ディスク。 - 前記導電性の保護膜は、主成分が炭素の非晶質である請求項1に記載の磁気ディスク。
- 請求項1又は2のいずれか1つに記載の磁気ディスクを有する磁気ディスク装置であって、
磁気ディスクに対して記録再生を行う磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドが記録再生を行うための回路とを備え、
前記磁気ディスクの磁気記録層と磁気ヘッド間の直接的な絶縁抵抗が、前記回路を経由した間接的な電気抵抗よりも高く設定されている磁気ディスク装置。 - 前記磁気ディスクの回転軸を流体軸受により支持し、前記流体軸受内に導電性のオイルを用いた請求項3に記載の磁気ディスク装置。
- 前記磁気ヘッドは、磁気抵抗素子で構成されている請求項3又は4に記載の磁気ディスク装置。
- 前記磁気ヘッドは、非動作中に前記ディスクと平面的に重ならない位置に退避するよう構成されている請求項3から5のいずれか1つに記載の磁気ディスク装置。
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JP2002307861A JP2004145941A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | 磁気ディスク及び磁気ディスク装置 |
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