JP2004137462A - 難燃樹脂組成物 - Google Patents

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石田 克義
Atsushi Suzuki
鈴木 淳
Minoru Iwamoto
岩本 稔
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Abstract

【課題】ガス管などに使用される樹脂被覆金属管のシースが、良好な高温耐油性と難燃性と柔軟性を有し、焼却時に有害ガスを発生することがなく、さらには耐外傷性、易切断性、易引抜性をも兼ね備えるようにし、かかるシースをなす難燃樹脂組成物を得る。
【解決手段】ステンレス鋼製コルゲートパイプからなる可撓性金属管などの金属管1の外周面をシース2で被覆する。このシース2は、エチレン−酢酸ビニル共重合体および/またはエチレン−エチルアクリレート共重合体85〜97重量部と、シラングラフトマー3〜10重量部または熱可塑性架橋樹脂5〜20重量部を含むベースポリマー100重量部に、水酸化マグネシウム20〜100重量部または炭酸カルシウム40〜100重量部を配合してなり、その表面硬度がデュロメータD値で50以下である難燃樹脂組成物で形成されている。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガス管などに使用される樹脂被覆金属管と、この樹脂被覆金属管のシースを構成する難燃樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の樹脂被覆金属管としては、ステンレス鋼製のコルゲートパイプからなる可撓性金属管の外周面を可塑化塩化ビニル樹脂やポリエチレンからなるシースで被覆した可撓性を有するものが、敷設時の作業性等が良好であることから、広く使われている。
【0003】
ところが、シースが可塑化塩化ビニル樹脂からなるものでは、焼却処分時にダイオキシンなどの有害ガスが発生する問題があり、その使用が見直されている。また、ポリエチレンからなるシースを有するものでは、ポリエチレンが易燃焼性で建物内での使用に問題があり、かつ結晶性が高いためシースの柔軟性が不足し、樹脂被覆金属管としての可撓性が十分とは言えないこともあった。
【0004】
このため、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やエチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)などの柔軟性の高いポリオレフィン系樹脂に、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物を難燃剤として配合したノンハロゲン難燃樹脂組成物をシースとして用いることが考えられる。
【0005】
このシースを有する樹脂被覆金属管では、可撓性が確保でき、難燃性であり、焼却時に有害ガスを発生しないと言う利点がある。しかしながら、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やエチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)などは、軟化温度が低いため、ガス管に要求される155℃の食用油に10秒間浸漬してシースに割れ、裂けなどの欠陥が生じてはならないと言う規定(以下、高温耐油性という。)を満足することができない不都合がある。
【0006】
これに加えて、このような樹脂被覆金属管を敷設するなど際に、シースが傷つきにくい耐外傷性、シースを容易にかつきれいに切断できる易切断性、切断したシースを簡単に引き抜くことができる易引抜性などの良好な作業性が要求され、これらの特性もまた満足する必要がある。
この種の樹脂被覆金属管およびこれを構成する難燃樹脂組成物に関する先行技術文献としては以下のようなものがある。
【0007】
【特許文献1】
特許第2991696号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明における課題は、樹脂被覆金属管のシースが、良好な高温耐油性と難燃性と柔軟性を有し、焼却時に有害ガスを発生することがなく、さらには耐外傷性、易切断性、易引抜性をも兼ね備えるようにし、この特性のシースを構成する難燃樹脂組成物を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、
請求項1にかかる発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体および/またはエチレン−エチルアクリレート共重合体85〜97重量部と、シラングラフトマー3〜10重量部または熱可塑性架橋樹脂5〜20重量部を含むベースポリマー100重量部に、水酸化マグネシウム20〜100重量部または炭酸カルシウム40〜100重量部を配合してなり、その表面硬度がデュロメータD値で50以下である難燃樹脂組成物である。
【0010】
請求項2にかかる発明は、ベースポリマーには、0〜20重量部のポリエチレンが含まれる請求項1記載の難燃樹脂組成物である。
請求項3にかかる発明は、水酸化マグネシウムまたは炭酸カルシウムが、シランカップリング剤で表面処理されたものである請求項1または2記載の難燃樹脂組成物である。
【0011】
請求項4にかかる発明は、請求項1、2または3記載の難燃樹脂組成物からなるシースを金属管上に被覆した樹脂被覆金属管である。
請求項5にかかる発明は、金属管が、可撓性金属管である請求項4記載の樹脂被覆金属管である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に基づいて詳しく説明する。
図1は、本発明の樹脂被覆金属管の一例を示すもので、金属管としてコルゲートパイプからなる可撓性金属管を採用した例である。
【0013】
図1において、符号1は可撓性金属管を示す。この可撓性金属管1は、ステンレス鋼などの金属からなり、周壁の断面形状が波形となったいわゆるコルゲートパイプからなるものである。
この可撓性金属管1の外周面は、シース2で被覆されてこの例の樹脂被覆金属管となっている。
【0014】
このシース2の外面は、図1(a)に示すように、平坦になっており、内面は可撓性金属管1の外形に応じた波形となっており、かつ図1(b)に示すように、内面に可撓性金属管1の波形の方向とは直交する方向(周方向)に波形となっているもので、可撓性金属管1とシース2との間には、波形の隙間が形成されている。
このシース2は、可撓性金属管1上に周知の押出被覆法により押出成形された設けられたものである。
【0015】
そして、このシース2は、以下に説明するノンハロゲンの難燃樹脂組成物から構成されている。
この難燃樹脂組成物は、エチレン−酢酸ビニル共重合体および/またはエチレン−エチルアクリレート共重合体85〜97重量部と、シラングラフトマー3〜10重量部または熱可塑性架橋樹脂5〜20重量部を含むベースポリマー100重量部に、水酸化マグネシウム20〜100重量部または炭酸カルシウム40〜100重量部を配合し、その硬度がデュロメータ値で50以下のものである。
【0016】
この難燃樹脂組成物のベースポリマーの一部をなすエチレン−酢酸ビニル共重合体には、酢酸ビニル含有量5〜40wt%で、メルトフローレイト(温度190℃、荷重2.2kg、時間10分)が0.1〜5のものが用いられ、またエチレン−エチルアクリレート共重合体には、エチルアクリレート含有量が5〜30wt%で、メルトフローレイトが0.1〜5のものが用いられる。
【0017】
エチレン−酢酸ビニル共重合体とエチレン−エチルアクリレート共重合体とはそれぞれ単独もしくは混合して用いられ、両者を混合して用いるときは、その混合比率は限定されず、任意である。これらエチレン−酢酸ビニル共重合体およびエチレン−エチルアクリレート共重合体は、得られる難燃樹脂組成物に柔軟性を付与するものである。
【0018】
また、ベースポリマーの他の一部をなすシラングラフトマーとは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンポリマーのポリマー分子に多数のシラノール基がグラフト結合したもので、このグラフト結合したシラノール基が縮合することで分子間に架橋が形成される性質を有するポリマーである。
【0019】
このシラングラフトマーの具体的なものとしては、例えば「リンクロンXVF750N」(商品名、三菱化学社製)などが挙げられる。このシラングラフトマーは、得られる難燃樹脂組成物に耐熱性などを付与するものである。
【0020】
さらに、ベースポリマーの残部をなす熱可塑性架橋樹脂とは、イオン結合などを利用して擬似的な架橋がなされ、しかも熱可塑性であるポリマーであり、かかる擬似的架橋により150℃程度の温度においても自己形状保持機能を有するものである。このような熱可塑性架橋樹脂には、アイオノマーや日本ポリオレフィン(株)が提案しているRC樹脂などが該当する。
【0021】
このRC樹脂とは、エチレンとラジカル重合性酸無水物を必須構成要素とするエチレン系共重合体(a)と、分子内に水酸基を2以上有する多価アルコール化合物(b)と、反応促進剤(c)を含み、エチレン系共重合体(a)中におけるラジカル重合性酸無水物に由来する単位の割合が0.1〜20重量%であり、エチレン系共重合体(a)中の酸無水物基に対する多価アルコール化合物(b)由来の水酸基のモル比が0.1〜10の範囲であり、かつ反応促進剤(c)がエチレン系共重合体(a)100重量部に対して0.001〜20重量部の範囲である樹脂組成物を指す。
【0022】
エチレン系共重合体(a)におけるラジカル重合性酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが1種以上用いられる。また、これ以外に第3モノマーとして、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどのアクリル酸エステル、フマル酸メチル、フマル酸エチルなどのフマル酸エステルなどを共重合してもよい。
上記多価アルコール化合物(b)としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールエタンや分子内内に2以上の水酸基を有するエチレン−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体などの1種以上が用いられる。
【0023】
上記反応促進剤(c)としては、カルボン酸の金属塩またはカルボキシル基を有する重合体の金属塩などが用いられる。カルボン酸の金属塩としては、酢酸、酪酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、コハク酸、安息香酸、テレフタル酸などのカルボン酸と、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウムなどとの金属塩が挙げられる。
【0024】
また、カルボキシル基を有する重合体の金属塩としては、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の一部または全部のカルボキシル基と、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウムなどとの金属塩、もしくはエチレンとエチレン−(メタ)アクリル酸金属塩との共重合体が挙げられる。これ以外の反応促進剤(c)としては、トリエチルアミン、トリメチルアミン、テトラメチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどが挙げられる。
【0025】
この熱可塑性架橋樹脂の具体的なものとしては、例えば「レクスパールRC801」(商品名、日本ポリオレフィン社製)や「TRCポリマーGFA900」(商品名、三菱化学社製)などが挙げられる。この熱可塑性架橋樹脂は、得られる難燃樹脂組成物に耐熱性などを付与するものである。
【0026】
ベースポリマーを構成するこれらポリマーの配合割合は、エチレン−酢酸ビニル共重合体および/またはエチレン−エチルアクリレート共重合体が85〜97重量部、好ましくは90〜97重量部とされ、シラングラフトマーが3〜10重量部、好ましくは3〜5重量部とされ、熱可塑性架橋樹脂が5〜20重量部、好ましくは5〜10重量部とされる。
【0027】
エチレン−酢酸ビニル共重合体および/またはエチレン−エチルアクリレート共重合体が85重量部未満では樹脂組成物の可撓性、柔軟性が不足し、97重量部を越えると耐熱性が低下して高温耐油性が満足できなくなる。シラングラフトマーが3重量部未満では、耐熱性が低下して高温耐油性が満足できなくなり、10重量部を越えると柔軟性が低下する。また、熱可塑性架橋樹脂が5重量部未満では耐熱性が低下して高温耐油性が満足できなくなり、20重量部を越えると柔軟性が低下する。
【0028】
本発明では、ベースポリマーには、上記以外のポリマーを必要に応じて追加配合することができる。このようなポリマーとしては、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどの各種ポリエチレンなどが挙げられ、これを20重量部を上限として配合することができ、この配合により樹脂組成物の耐外傷性が改善されるが柔軟性が低下するので、その配合量に留意する必要がある。
【0029】
このベースポリマーを難燃化するための難燃剤には、難燃効果が高く、ノンハロゲンである水酸化マグネシウムまたは炭酸カルシウムが用いられる。この水酸化マグネシウムおよび炭酸カルシウムとしては、イソプロピルイソステアロイルチタネートなどのチタネートカップリング剤、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸、エポキシシラン、ビニルシラン、アミノシラン、メルカプトシランなどのシランカップリング剤で表面処理したものが、ベースポリマーとの親和性が向上し、樹脂組成物の機械的特性の低下が抑えられて好ましい。特に、ステアリン酸などの高級脂肪酸で表面処理されたものが好適である。
【0030】
水酸化マグネシウムの配合量は、難燃樹脂組成物に求められる難燃度合いによって決められるが、ベースポリマー100重量部に対して20〜100重量部、好ましくは40〜60重量部とされ、20重量部では十分な難燃性が得られず、100重量部を越えると機械的特性が低下する。
【0031】
また、炭酸カルシウムの配合量も、難燃樹脂組成物に求められる難燃度合いによって決められるが、ベースポリマー100重量部に対して40〜100重量部、好ましくは45〜80重量部とされ、40重量部では十分な難燃性が得られず、100重量部を越えると機械的特性が低下する。
【0032】
また、水酸化マグネシウムまたは炭酸カルシウムの配合量を50重量部以下とすれば、得られる難燃樹脂組成物の難燃性は多少低いものとなるが、難燃樹脂組成物の比重を1.15以下にすることができ、これにより、シース2の廃棄物の分別回収の際に、水を用いた比重分別が可能となり、他のプラスチックとの分別が簡単に行え、リサイクルが容易になる。
【0033】
さらに、水酸化マグネシウムの添加量をベースポリマー100重量部当たりおよそ20〜50重量部、あるいは炭酸カルシウムの添加量を16〜48重量部とすることで、比重1.02〜1.18の範囲とすることができ、この比重範囲とすることで、塩化ビニル樹脂組成物、ポリエチレン組成物との比重分別が可能である。
【0034】
さらに、ノンハロゲンの難燃助剤を配合して水酸化マグネシウムまたは炭酸カルシウムの配合量を低減し、難燃樹脂組成物の比重を下げるとともに機械的特性の低下を抑えることもできる。
このような難燃助剤には、シリコーンパウダー、シリコーンガムなどのシリコーン化合物、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ポリリン酸アンモニウムなどのリン系難燃剤、硼酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛などの亜鉛化合物、メラミンシアヌレート、メラミン、メラムなどの窒素含有有機難燃剤、赤リン、カーボンブラック、N,N´−m−フェニレンジマレイミドなどのマレイミド化合物などが挙げられ、ベースポリマー100重量部に対して10重量部程度を上限として配合される。
【0035】
また、本発明の難燃樹脂組成物では、ステアリン酸、ステアリン酸アミド、オレイン酸、オレイン酸アミド、エルカ酸、エルカ酸アミド、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス、EVAワックス、金属石けん、パラフィン油などのシース2の表面に滑性を与える効果のある滑剤をベースポリマー100重量部に対して0.5〜10重量部程度を添加して、シース2の滑り特性を向上させることもできる。
【0036】
さらに、本発明では、紫外線吸収剤、老化防止剤、着色剤、帯電防止剤、防カビ剤、タルクなどの無機充填剤などの種々の添加剤を適宜必要に応じて配合することもできる。
【0037】
さらに、本発明の上記配合組成の難燃樹脂組成物にあっては、これをシース2などの成形物としたときの表面硬度が、デュロメータタイプDによる値で50以下、好ましくは30〜50であることが必要とされる。デュロメータタイプDによる表面硬度は、JIS K 7215に規定された試験方法で測定されるものである。表面硬度をこの範囲とすることで、シース2としたときに、耐外傷性と柔軟性との互いに相反する特性のバランスをうまく取ることができる。
【0038】
このようなシース2を有する樹脂被覆金属管にあっては、シース2の高温耐油性、耐外傷性、柔軟性、難燃性が優れ、敷設作業時においてはシース2をシースカッターで容易にかつきれいに切断することができ、切断したシース2を低温環境下でも容易に引き抜くことができる。さらに、シース2が柔軟性に優れるので、樹脂被覆金属管として可撓性が低下することもない。また、シース2を焼却処分した際に有害なハロゲン含有ガスを発生することがない。
【0039】
本発明においては、金属管1としては図1に示したコルゲートパイプからなる可撓性金属管に限定されることはなく、直管状の金属管であってもよい。
また、本発明の樹脂被覆金属管には、曲管や接続継手なども含まれるものとする。
さらに、シース2には、難燃樹脂組成物からなるテープを作製し、これを金属管1に巻き回して形成したもの、難燃樹脂組成物からなる熱収縮性チューブを作製し、このチューブを金属管1に被せて加熱して形成したものなどを含まれる。またさらに、シース2の断面形状も図1に示すようなものに限られない。
【0040】
以下、具体例を示す。
表1および表2に示す配合組成(重量部表示)の難燃樹脂組成物を混練りし、ペレットとした。一方、直径20mmのステンレス鋼(SUS304)製コルゲートパイプを用意した。上記難燃樹脂組成物のペレットを押出機に投入し、クロスヘッドダイを用いて上記コルゲートパイプの外周面に押出被覆してシースを形成し、図1に示すような樹脂被覆可撓性金属管を得た。
【0041】
この樹脂被覆可撓性金属管について、以下の通り、シースの表面硬度、高温耐油性、シースカット性、シース引抜性、難燃性、施工性について評価した。
【0042】
表面硬度は、JIS K7215に準じてデュロメータタイプDによって測定した。
高温耐油性は、上記樹脂被覆可撓性金属管を直径40mmの円筒に沿わせて180度曲げ、このものを155℃の大豆油に10秒間浸漬する。それぞれ10個の試料について実施し、すべての試料のシースに裂け、割れ、亀裂などの欠陥が生じないものを合格とし、1個の試料の一部にでも欠陥が生じたものは不合格とした。
【0043】
シースカット性およびシース引抜性は、市販のシースカッターを用いて管端末から10cmの位置でシースを切断し、切断面にしわ、たるみなどがなく、シースカッターの1回の回転で、きれいに切断されておれば合格とした。また、切断したシースを、周囲温度−5℃と20℃において、手で引き抜き、容易に引き抜ければ合格とした。
【0044】
難燃性は、上記樹脂被覆可撓性金属管を垂直に立て、これにバーナーを45度の角度に傾けたうえ、その火炎を5秒間だけ接炎し、火炎を離して15秒以上燃え続けなければ合格とした。
施工性は、シースの柔軟性、滑り性および傷つき性を総合的に評価して合否を判断した。
結果を表1および表2に示す。
【0045】
表1および表2において、
「EEA」は、エチルアクリレート含有量15wt%、メルトフローレイト0.5のエチレン−エチルアクリレート共重合体を、
「EVA」は、酢酸ビニル含有量20wt%、メルトフローレイト2.5のエチレン−酢酸ビニル共重合体を示す。
【0046】
「シラングラフトマー」は、「リンクロンXVF750N」(商品名、三菱化学社製)を、
「熱可塑性架橋樹脂1」は、「レクスパールRC801」(商品名、日本ポリオレフィン社製)を、
「熱可塑性架橋樹脂2」は、「TRCポリマーGFA900」(商品名、三菱化学社製)を示す。
【0047】
「水酸化マグネシウム」は、平均粒径0.8μm、ステアリン酸処理品「キスマ5A」協和化学社製を、
「炭酸カルシウム」は、平均粒径0.8μm、ステアリン酸処理品を、
「滑剤」は、ステアリン酸を、
「紫外線吸収剤」は、「チヌビン111FDL」チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製を、
「老化防止剤」は、「イルガノックス1010」チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製を示す。
【0048】
【表1】
Figure 2004137462
【0049】
【表2】
Figure 2004137462
【0050】
表1および表2の結果から、本発明の難燃樹脂組成物からなるシースを有する樹脂被覆金属管では、高温耐油性、シースカット性、シース引抜性、難燃性、施工性に優れていることがわかる。
【0051】
【発明の効果】
本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体および/またはエチレン−エチルアクリレート共重合体85〜97重量部と、シラングラフトマー3〜10重量部または熱可塑性架橋樹脂5〜20重量部を含むベースポリマー100重量部に、水酸化マグネシウム20〜100重量部または炭酸カルシウム40〜100重量部を配合してなり、その表面硬度がデュロメータD値で50以下である難燃樹脂組成物であるので、難燃性、高温耐油性などに優れる。
【0052】
また、この難燃樹脂組成物からなるシースを有する樹脂被覆金属管は、高温耐油性、シースカット性、シース引抜性、難燃性、施工性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の樹脂被覆金属管の一例を示す側断面図である。
【符号の説明】
1・・・金属管、2・・・シース

Claims (5)

  1. エチレン−酢酸ビニル共重合体および/またはエチレン−エチルアクリレート共重合体85〜97重量部と、シラングラフトマー3〜10重量部または熱可塑性架橋樹脂5〜20重量部を含むベースポリマー100重量部に、水酸化マグネシウム20〜100重量部または炭酸カルシウム40〜100重量部を配合してなり、その表面硬度がデュロメータD値で50以下である難燃樹脂組成物。
  2. ベースポリマーには、0〜20重量部のポリエチレンが含まれる請求項1記載の難燃樹脂組成物。
  3. 水酸化マグネシウムまたは炭酸カルシウムが、シランカップリング剤で表面処理されたものである請求項1または2記載の難燃樹脂組成物。
  4. 請求項1、2または3記載の難燃樹脂組成物からなるシースを金属管上に被覆した樹脂被覆金属管。
  5. 金属管が、可撓性金属管である請求項4記載の樹脂被覆金属管。
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