JP2004134913A - 送信装置及び通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低出力電力送信が可能な送信装置及び通信装置を提供すること。
【解決手段】位相変調された送信信号に対して、電力の制御を行う電力制御器106を電力増幅器107の前段に設け、電力制御器106の利得を送信電力値に基づいて制御することにより、送信電力値が小さい場合は、電力制御器106によって前記電力増幅器107の入力電力を低く抑えることができる。従って、電力増幅器107の入出力アイソレーションが不足している場合であっても、入力信号の出力信号への漏れを抑えることができる。かくして、低出力電力での送信を可能とすることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】位相変調された送信信号に対して、電力の制御を行う電力制御器106を電力増幅器107の前段に設け、電力制御器106の利得を送信電力値に基づいて制御することにより、送信電力値が小さい場合は、電力制御器106によって前記電力増幅器107の入力電力を低く抑えることができる。従って、電力増幅器107の入出力アイソレーションが不足している場合であっても、入力信号の出力信号への漏れを抑えることができる。かくして、低出力電力での送信を可能とすることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システム等に用いられる送信装置及び通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線通信システムにおいては、送信装置の省電力化を図るために電力増幅器に高効率のもの用いられている。しかしながら、高効率の電力増幅器では、信号に非線形歪みが発生し易くなる。このように信号の歪みが発生すると、送信スペクトルが広がるため、隣接チャネルに干渉を及ぼす等の悪影響が生じる。
【0003】
この問題点を解決するための一つの方策として、高効率及び低歪みを両立させる非線形技術が送信装置に用いられている。この技術として、特に、ポラーループ送信装置は、定振幅信号を電力増幅器によって増幅し、この電力増幅器の出力電力を制御することで振幅変調を行うため、低歪みの送信信号を得るようになされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
すなわち、図10は、従来のポラーループ送信装置10の構成を示すブロック図である。図10に示すように、ポラーループ送信装置10は、変調信号入力端子11に入力された変調信号を位相/振幅弁別器12に受ける。
【0005】
位相/振幅弁別器12は、変調信号を位相情報及び振幅情報に弁別する。弁別された位相情報は、位相比較器13及びローパスフィルタ(LPF)14を介して電圧制御発振器15に供給される。
【0006】
電圧制御発振器15は、位相比較器13及びローパスフィルタ14を介して入力された位相情報に基づいて発振周波数を変化させることにより、送信信号の搬送周波数の位相変調信号を得る。この位相変調信号は、電力増幅器17に供給される。
【0007】
一方、位相/振幅弁別器12において弁別された振幅情報は、電圧比較器23及びローパスフィルタ24を介して電力増幅器17の電力制御端子に供給される。これにより、電力増幅器17は、電圧制御発振器15から供給される位相変調信号を、振幅情報に基づいて振幅変調し、増幅する。
【0008】
このように、電圧制御発振器15において位相変調され、電力増幅器17において振幅変調された信号は、信号抽出部18を介してアンテナ19に供給され、送信される。
【0009】
ここで、電力増幅器17の出力信号の一部は、信号抽出部18において抽出され、ミキサ20に供給される。ミキサ20は、発振器21から供給される発振信号を用いて、信号抽出部18において抽出された信号をダウンコンバートすることにより、変調信号を検波する。
【0010】
位相/振幅弁別器22は、ミキサ20によって検波された変調信号を、位相情報(以下、これを受信位相情報と称する)と振幅情報(以下、これを受信振幅情報と称する)とに分別し、分別された受信位相情報を位相比較器13に供給するとともに、分別された受信振幅情報を電圧比較器23に供給する。
【0011】
位相比較器13は、変調信号入力端子11に入力された変調信号から位相/振幅弁別器12において弁別された位相情報と、信号抽出部18において抽出された信号から位相/振幅弁別器22において弁別された受信位相情報と、を位相比較し、その誤差が小さくなるように電圧制御発振器15を制御する。
【0012】
また、電圧比較器23は、変調信号入力端子11に入力された変調信号から位相/振幅弁別器12において弁別された振幅情報と、信号抽出部18において抽出された信号から位相/振幅弁別器22において弁別された受信振幅情報と、を電圧比較し、その誤差が小さくなるように電力増幅器17を制御する。
【0013】
電力増幅器17は、振幅変調に加えて、送信電力制御等も行われる。この送信電力制御は、例えば、受信装置側で測定される現在の受信回線の品質を受信装置側から送信してもらい、その情報をもとにポラーループ送信装置10での送信電力を決定する制御である。
【0014】
かくして、ポラーループ送信装置10では、電力増幅器17に対して、振幅情報を持たない(すなわち一定振幅の)位相情報を入力し、その位相情報を、振幅情報に基づいて電力制御することで振幅変調を行うことにより、電力増幅器の入出力特性に線形性が要求されないようにすることができる。この結果、電力増幅器17として高効率のものを用いることができる。
【0015】
【特許文献1】
特開平07−94979号公報(第3−4ページ、図1)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のポラーループ送信装置10においては、電力増幅器17の入出力アイソレーションが不足していることにより、送信電力のダイナミックレンジが広い通信システム(例えば符号分割多元接続方式(CDMA:Code Division multiple Access))に適用する場合、低出力電力を送信する場合に適応が困難になるという問題があった。
【0017】
すなわち、電力増幅器17の出力電力を下げると、相対的にその入力電力が大きくなることにより、入力信号の出力信号への漏れが問題となる。
【0018】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、低出力電力送信が可能な送信装置及び通信装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の送信装置は、位相変調された送信信号に対して、目標とする送信電力値となるような電力増幅を行う電力増幅手段と、前記電力増幅手段に入力される前記送信信号の電力を、前記送信電力値に基づいて制御する電力制御手段と、を具備する構成を採る。
【0020】
この構成によれば、送信電力値に基づいて電力増幅手段の出力電力が低くなった場合には、その電力増幅手段に入力される信号の電力が、電力増幅手段の前段に設けられた電力制御手段によって低く抑えられることにより、電力増幅手段の入出力アイソレーションが不足している場合でも、入力信号の出力信号への漏れを抑えることができる。なお、「電力制御手段」とは、電力制御器及びその利得制御部を含む概念である。
【0021】
本発明の送信装置は、上記構成において、前記電力制御手段は、前記電力制御の条件を入力する電力制御条件入力手段を具備し、前記電力制御手段は、前記入力された電力制御条件に基づいて電力制御を行う構成を採る。
【0022】
この構成によれば、電力制御条件として、例えば変調方式を表す情報が入力される場合には、その変調方式が広いダイナミックレンジを必要とする場合、又はそれを必要としない場合で電力制御手段の利得制御の有無を決めることが可能となる。
【0023】
本発明の送信装置は、位相変調された送信信号に対して、目標とする送信電力値となるような電力制御を行う電力制御手段と、前記電力制御された送信信号に対して、振幅変調を行う電力増幅手段と、を具備する構成を採る。
【0024】
この構成によれば、電力制御手段によって送信電力値となるような電力制御を行った後、電力増幅手段による振幅変調を行うことにより、送信電力制御によって決定された送信電力値が低電力である場合、電力増幅手段に入力される信号の電力が電力制御手段によって低電力に制御されることとなり、電力増幅手段の入出力アイソレーションが不足していることによる入力信号の出力信号への漏れを抑えることができる。
【0025】
本発明の通信装置は、上記送信装置を具備する構成を採る。
【0026】
この構成によれば、電力増幅手段の入出力アイソレーションが不足している問題を解決し得る送信装置を有する通信装置を実現することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、電力増幅手段に入力される送信信号の電力を制御する電力制御手段を電力増幅手段の前段に設け、電力制御手段の利得を送信電力値に基づいて制御することにより、送信電力値が小さい場合は、電力制御手段によって前記電力増幅手段の入力電力を低く抑えることである。
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る送信装置であるポラーループ送信装置100の構成を示すブロック図である。
【0030】
図1に示すように、ポラーループ送信装置100は、変調信号入力端子101に入力された変調信号を位相/振幅弁別器102に受ける。
【0031】
位相/振幅弁別器102は、変調信号を位相情報及び振幅情報に弁別する。弁別された位相情報は、位相比較器(Phase Detector)103及びローパスフィルタ(LPF)104を介して電圧制御発振器105に供給される。
【0032】
電圧制御発振器105は、位相比較器103及びローパスフィルタ104を介して入力された位相情報に基づいて発振周波数を変化させることにより、送信信号の搬送周波数の位相変調信号を得る。この位相変調信号は、電力制御器106を介して電力増幅器107に供給される。
【0033】
一方、位相/振幅弁別器102において弁別された振幅情報は、合成器117において、送信電力制御部115から供給される送信電力値に応じた電力制御信号と合成された後、電圧比較器113及びローパスフィルタ114を介して電力増幅器107の電力制御端子に供給される。これにより、電力増幅器107は、電圧制御発振器105から供給される位相変調信号を、振幅情報に基づいて振幅変調し、増幅する。
【0034】
なお、送信電力制御部115は、例えば、受信装置側で測定される受信回線の品質を受信装置側から送信してもらい、その情報をもとにポラーループ送信装置100での送信電力を決定する。そして、送信電力制御部115は、決定された送信電力値に応じた電力制御信号を、位相/振幅弁別器102から供給される振幅情報に合成して、電力増幅器107に供給することにより、電力増幅器107において、所望の送信電力値が得られるような増幅が、振幅変調に加えて行われる。これにより、電力増幅器107では、振幅変調とともに送信電力制御も行われる。
【0035】
かくして、電圧制御発振器105において位相変調され、電力増幅器107において振幅変調及び所定の送信電力に増幅された信号は、信号抽出部108を介してアンテナ109に供給され、送信される。
【0036】
ここで、電力増幅器107の出力信号の一部は、信号抽出部108において抽出され、ミキサ110に供給される。ミキサ110は、発振器111から供給される発振信号を用いて、信号抽出部108において抽出された信号をダウンコンバートすることにより、変調信号を検波する。
【0037】
位相/振幅弁別器112は、ミキサ110によって検波された変調信号を、位相情報(以下、これを受信位相情報と称する)と振幅情報(以下、これを受信振幅情報と称する)とに分別し、分別された受信位相情報を位相比較器103に供給するとともに、分別された受信振幅情報を電圧比較器113に供給する。
【0038】
位相比較器103は、変調信号入力端子101に入力された変調信号から位相/振幅弁別器102において弁別された位相情報と、信号抽出部108において抽出された信号から位相/振幅弁別器112において弁別された受信位相情報と、を位相比較し、その誤差が小さくなるように電圧制御発振器105を制御する。
【0039】
また、電圧比較器113は、合成器117で合成した振幅情報と、信号抽出部108において抽出された信号から位相/振幅弁別器112において弁別された受信振幅情報と、を電圧比較し、その誤差が小さくなるように電力増幅器107を制御する。
【0040】
かくして、ポラーループ送信装置100では、電力増幅器107に対して、振幅情報を持たない(すなわち一定振幅の)位相情報を入力し、その位相情報を、振幅情報に基づいて電力制御することで振幅変調を行うことにより、電力増幅器107の入出力特性に線形性が要求されないようにすることができる。この結果、電力増幅器107として高効率のものを用いることができる。
【0041】
ここで、ポラーループ送信装置100においては、送信電力制御部115から利得制御部116に対して、送信電力制御によって決定された送信電力値を供給するようになされている。すなわち、利得制御部116には、当該ポラーループ送信装置100の送信電力制御部115によって決定された送信電力値が供給され、利得制御部116は、この送信電力値を常にモニタしながら、送信電力値が低送信電力となった場合に、電力制御器106を制御して、電力増幅器107の入力電力を下げる。なお、送信電力制御部115はまた、電力増幅器107の入力電力が下がっても目標とする送信電力値となるように合成器117へ出力する電力制御信号を制御する。
【0042】
図2は、ポラーループ送信装置100の利得制御部116における、電力増幅器107の入力電力を制御する制御手順を示すフローチャートである。図2に示すように、利得制御部116は、ステップST101において、送信電力制御部115から供給される送信電力値をモニタする。
【0043】
そして、利得制御部116は、ステップST102に移って、上述のステップST101においてモニタした送信電力値に基づき、このときの送信電力値が予め設定されている値よりも小さいこと、すなわち、このときの送信電力制御の結果が低電力での送信を行うものであるか否かを判断する。
【0044】
ここで否定結果が得られると、このことは、送信電力制御によって決定された送信電力値、すなわち、電力増幅器107の出力電力が、電力増幅器107の入出力アイソレーション不足による影響(入力信号の出力信号への漏れ)を無視することができる程度に高いことを意味しており、このとき利得制御部116は、ステップST103に移って、電圧制御発振器105から出力された信号の電力を下げずに、そのまま電力増幅器107へ入力させるような、入力電力通常モードを実行する。
【0045】
これにより、電力制御器106に入力される、電圧制御発振器105からの位相変調信号は、当該電力制御器106においてその電力値が低減されることなく、電力増幅器107に供給される。
【0046】
これに対して、ステップST102において肯定結果が得られると、このことは、送信電力制御によって決定された送信電力値、すなわち、電力増幅器107の出力電力が、電力増幅器107の入出力アイソレーション不足を無視することができない程度に低いこと、すなわち、電力増幅器107の出力電力が低く制御されることで、電力増幅器107の入出力アイソレーション不足の影響により、その入力信号の出力信号への漏れが大きくなるおそれが生じることを意味しており、このとき、利得制御部116は、ステップST104に移って、電力制御器106の利得を制御することにより、電圧制御発振器105から出力された信号の電力を下げた後、電力増幅器107へ入力させるような、入力電力低減モードを実行する。
【0047】
これにより、送信電力制御によって電力増幅器107の出力が低くなる低出力電力時は、電力制御器106によって電力増幅器107への入力電力が低く抑えられることにより、電力増幅器107の入出力アイソレーションが不足しても、入力信号の出力信号への漏れが大きくなることを回避しながら低出力電力送信を行うことが可能となる。
【0048】
以上の構成において、ポラーループ送信装置100は、電力増幅器107の前段に電力制御器106を設け、この電力制御器106の利得を、送信電力値に基づいて制御することにより、送信電力制御によって送信電力値が下げられると、これに応じて、電力増幅器107の入力電力が下げられる。
【0049】
従って、送信電力値に基づいて電力増幅器107の出力電力が低くなるように当該電力増幅器107が制御されても、その入力信号が出力信号に漏れの影響を少なくすることができる。
【0050】
このように、本実施の形態のポラーループ送信装置100によれば、低出力電力時は、電力制御器106によって電力増幅器107の入力電力を低く抑えることができるため、電力増幅器107の入出力アイソレーションが不足しても、低出力電力送信が可能となる。
【0051】
なお、上述の実施の形態においては、本発明を単に無線通信システムの送信装置に適用する場合について述べたが、移動体通信システムの送信装置に適用することもできる。
【0052】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る送信装置であるポラーループ送信装置200の構成を示すブロック図である。但し、図1と同一の構成となるものについては、図1と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0053】
図3に示すポラーループ送信装置200は、図1について上述したポラーループ送信装置100と比べて、送信電力制御部115による送信電力制御を電力制御器106によって行う点が異なる。
【0054】
すなわち、ポラーループ送信装置200では、送信電力制御部115において決定された送信電力値を、利得制御部116に供給する。利得制御部116は、送信電力制御部115から供給された送信電力値に基づいて、電力制御器106の利得を制御することにより、電力制御器106の出力信号として、送信電力制御部115において決定された電力値の信号が得られるような電力制御が行われる。
【0055】
そして、電力制御器106から出力された信号は、電力増幅器107に供給され、振幅変調される。このように、電力制御器106において送信電力制御を行い、電力増幅器107において振幅変調を行うことにより、電力増幅器107の電力制御範囲が小さくなり、この結果、電力増幅器107の制御分解能を高めて変調精度を高めることができる。
【0056】
また、位相/振幅弁別器102の出力がディジタル信号であり、振幅情報がDAコンバータを介して出力されている場合についても、DAコンバータのビット数を下げて低消費電力化を図るか、又は、ビット数を変えずに制御分解能を高めて変調精度を高めることができる。
【0057】
以上の構成において、ポラーループ送信装置200では、送信電力制御部115において決定された送信電力値となるような電力制御が、電力制御器106にいて実行され、また、振幅制御が電力制御器106とは異なる電力増幅器107において実行される。
【0058】
従って、送信電力制御部115において決定された送信電力値が低い場合には、電力制御器106から出力される信号、すなわち、電力増幅器107に入力される信号の電力が送信電力制御によって低くなる。このことは、電力増幅器107において送信電力制御を行う場合に比べて、当該電力増幅器107の入出力アイソレーション不足の影響を考慮する必要が無くなることを意味している。
【0059】
従って、低送信電力時において、電力増幅器107における入力信号の出力信号への漏れの影響を少なくすることができる。
【0060】
また、送信電力制御部115において決定された電力値となるような制御を、電力増幅器107の前段に設けられている電力制御器106において制御することにより、電力制御器106において送信電力制御された位相変調信号が電力増幅器107に入力される。この電力増幅器107では、振幅変調のみが行われる。従って、電力増幅器107においては、当該電力増幅器107において送信電力制御結果に基づいた電力制御を行う場合に比べて、その電力制御範囲が狭くなり、この結果、その電力増幅器107の制御分解能を高めて変調精度を高めることが可能となる。
【0061】
また、位相/振幅弁別器102の出力がディジタル信号であり、振幅情報がDA(ディジタルアナログ)コンバータを介して出力されている場合には、DAコンバータのビット数を少なくして低消費電力化を図ること、又はビット数を変えずに制御分解能を高めて変調精度を高めることができる。
【0062】
このように、本実施の形態のポラーループ送信装置200によれば、電力増幅器107の前で位相変調信号を送信電力制御することにより、低送信電力時における、電力増幅器107の入出力アイソレーション不足の影響を少なくすることができる。
【0063】
なお、上述の実施の形態2においては、電力制御器106において、送信電力制御部115において決定された送信電力値となるような電力制御を行うことにより、送信電力値が低くなった場合であっても、電力増幅器107における従来の入出力アイソレーション不足を原因とする問題点を解決することが可能となっているが、これに加えて、送信電力制御部115において決定された送信電力値が高くなった場合において、電力制御器106における電力制御を一定値までに抑え、残りの増幅分を電力増幅器107において行わせるようにしてもよい。このようにすれば、電力増幅器107に入力される信号の電力を抑えることで、電力増幅器107の入出力アイソレーション不足による入力信号の出力信号への漏れを抑えることができる。
【0064】
また、上述の実施の形態2において、利得制御部116にパラメータ入力端子(図示せず)を設け、このパラメータ入力端子を介して、変調方式を表す情報、又は動作条件を表す情報等を利得制御部116に入力させるようにしてもよい。この場合、動作条件として、例えば、そのときの温度情報が入力されると、利得制御部116は、この入力された温度に適した増幅処理が電力制御器106において行われるように、電力制御器106に対する利得制御内容を修正する。
【0065】
これにより、電圧制御発振器105から出力される位相変調信号は、電力制御器106において、送信電力制御に基づく利得に対して温度に応じた修正が加えられた利得により増幅された後、電力増幅器107に供給される。
【0066】
なお、上述の実施の形態においては、本発明を単に無線通信システムの送信装置に適用する場合について述べたが、移動体通信システムの送信装置に適用することもできる。
【0067】
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3に係る送信装置であるポラーループ送信装置300の構成を示すブロック図である。但し、図1と同一の構成となるものについては、図1と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0068】
図4に示すポラーループ送信装置300は、図1について上述したポラーループ送信装置100と比べて、当該ポラーループ送信装置100の利得制御部116に変えて、パラメータ入力端子301を有する利得制御部316を設けた点が異なる。
【0069】
この利得制御部316は、利得制御部116と比べて、電力増幅器106の利得を、送信電力制御部115によって決定された送信電力値に基づいて制御すること、すなわち、送信電力値が低い状態では、電力制御器106から出力される信号の電力を低くすることについては、利得制御部116と同様の動作を行うものとする。
【0070】
そして、この利得制御部316は、利得制御部116と異なる点として、パラメータ入力端子301を有し、このパラメータ入力端子を介して、変調方式を表す情報、又は動作条件を表す情報等が入力される。例えば、動作条件として、そのときの温度情報が入力されると、利得制御部316は、この入力された温度に適した増幅処理が電力制御器106において行われるように、電力制御器106に対する利得制御内容を修正する。
【0071】
これにより、電圧制御発振器105から出力される位相変調信号は、電力制御器106において、送信電力制御に基づく利得に対して温度に応じた修正が加えられた利得により増幅された後、電力増幅器107に供給される。
【0072】
また、利得制御部316のパラメータ入力端子301に対して、変調方式を表す情報が入力される場合、利得制御部316は、変調方式を表す情報に基づいて、電力制御器106の利得制御を行う。これにより、電力制御器106では、変調方式に応じた利得制御が行われる。例えば、ダイナミックレンジが広い変調方式(CDMA等)では、そのダイナミックレンジの広さによって電力増幅器107の入出力アイソレーション不足による問題を、電力制御器106における電力制御によって克服するのに対して、その他の広いダイナミックレンジを必要としない変調方式では、電力制御器106による電力制御が不要となることにより、利得制御部316は、パラメータ入力端子301を介して入力される変調方式を表す情報に基づいて、電力制御器106に対する利得制御を行う。
【0073】
以上の構成において、ポラーループ送信装置300では、送信電力制御部115において決定された送信電力値となるような電力制御を電力制御器106において行うにあたって、利得制御部316に供給された変調方式や動作環境等の情報に基づいて、電力制御器106での利得を制御することにより、電力制御器106での利得制御は、送信電力制御部115において意図した送信電力となるよな制御が行われることとなる。
【0074】
このように、本実施の形態のポラーループ送信装置300によれば、送信電力制御部115において決定された送信電力値に基づく電力制御を電力制御器106において行う際に、変調方式や動作条件等の情報に基づいた利得制御を併せて行うことにより、高精度な電力制御を行うことができる。
【0075】
なお、上述の実施の形態においては、本発明を単に無線通信システムの送信装置に適用する場合について述べたが、移動体通信システムの送信装置に適用することもできる。
【0076】
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4に係る送信装置であるポラーループ送信装置400の構成を示すブロック図である。但し、図1と同一の構成となるものについては、図1と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0077】
図5に示すポラーループ送信装置400は、図1について上述したポラーループ送信装置100と比べて、電力制御部106及び電力増幅器107を共用制御部401によって制御している点が異なる。
【0078】
この共用制御部401は、ローパスフィルタ114の出力信号、すなわち、振幅情報及び送信電力制御部115において決定された送信電力値に応じた電力制御信号を含む信号に基づいて、電力制御器106の利得制御と、電力増幅器107の電力制御を行う。
【0079】
以上の構成において、共用制御部401は、ローパスフィルタ114から出力される信号の電力制御信号に基づいて、電力制御器106を制御することにより、送信電力値が低い場合、電力制御器106から出力される位相変調信号の電力値を低くすることで、電力増幅器107の入出力アイソレーション不足による入力信号の出力信号への漏れを少なくすることができるとともに、ローパスフィルタ114の出力信号に基づいて、電力増幅器107を電力制御することにより、当該電力増幅器107において振幅変調を行うことができる。
【0080】
このように、本実施の形態のポラーループ送信装置400によれば、共用制御部401において電力制御器106の利得制御、及び電力増幅器107の電力制御(振幅変調)を行うことにより、図1について上述した、電力制御器106に対して個別の制御部(利得制御部116)を設けたポラーループ送信装置100の構成に比べて、制御信号を減らすことができるとともに、電力制御器106と電力増幅器107の1パッケージ化が可能となり、装置の小型化を図ることができる。
【0081】
なお、上述の実施の形態においては、本発明を単に無線通信システムの送信装置に適用する場合について述べたが、移動体通信システムの送信装置に適用することもできる。
【0082】
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5に係る通信装置である無線通信装置500の構成を示すブロック図である。但し、図1と同一の構成となるものについては、図1と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0083】
図6に示すポラーループ送信装置500は、図1について上述したポラーループ送信装置100と比べて、アンテナ共用器(又はアンテナ切り替え器)501及び受信部502を有し、アンテナ109において受信した信号をアンテナ共用器501を介して受信部502に供給し、ここで復調信号を得るようになされている点が異なる。
【0084】
以上の構成において、無線通信装置500は、電力増幅器107の前段に電力制御器106を設け、この電力制御器106の利得を、送信電力値に基づいて制御することにより、送信電力制御によって送信電力値が下げられると、これに応じて、電力増幅器107の入力電力が下げられる。
【0085】
従って、送信電力値に基づいて電力増幅器107の出力電力が低くなるように当該電力増幅器107が制御されても、その入力信号が出力信号に漏れの影響を少なくすることができる。
【0086】
このように、本実施の形態の無線通信装置500によれば、低出力電力時は、電力制御器106によって電力増幅器107の入力電力を低く抑えることができるため、電力増幅器107の入出力アイソレーションが不足しても、低出力電力送信が可能となる。
【0087】
なお、上述の実施の形態においては、本発明を単に無線通信システムの無線通信装置に適用する場合について述べたが、移動体通信システムの無線通信装置に適用することもできる。
【0088】
(実施の形態6)
図7は、本発明の実施の形態6に係る通信装置である無線通信装置600の構成を示すブロック図である。但し、図3と同一の構成となるものについては、図3と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0089】
図7に示す無線通信装置600は、図3について上述したポラーループ送信装置200と比べて、アンテナ共用器(又はアンテナ切り替え器)501及び受信部502を有し、アンテナ109において受信した信号をアンテナ共用器501を介して受信部502に供給し、ここで復調信号を得るようになされている点が異なる。
【0090】
以上の構成において、無線通信装置600では、送信電力制御部115において決定された送信電力値となるような電力制御が、電力制御器106にいて実行され、また、振幅制御が電力制御器106とは異なる電力増幅器107において実行される。
【0091】
従って、送信電力制御部115において決定された送信電力値が低い場合には、電力制御器106から出力される信号、すなわち、電力増幅器107に入力される信号の電力が送信電力制御によって低くなる。このことは、電力増幅器107において送信電力制御を行う場合に比べて、当該電力増幅器107の入出力アイソレーション不足の影響を考慮する必要性が無くなることを意味している。
【0092】
従って、低送信電力時において、電力増幅器107における入力信号の出力信号への漏れの影響を少なくすることができる。
【0093】
また、送信電力制御部115において決定された電力値となるような制御を、電力増幅器107の前段に設けられている電力制御器106において制御することにより、電力制御器106において送信電力制御された位相変調信号が電力増幅器107に入力される。この電力増幅器107では、振幅変調のみが行われる。従って、電力増幅器107においては、当該電力増幅器107において送信電力制御結果に基づいた電力制御を行う場合に比べて、その電力制御範囲が狭くなり、この結果、その電力増幅器107の制御分解能を高めて変調精度を高めることが可能となる。
【0094】
また、位相/振幅弁別器102の出力がディジタル信号であり、振幅情報がDA(ディジタルアナログ)コンバータを介して出力されている場合には、DAコンバータのビット数を少なくして低消費電力化を図ること、又はビット数を変えずに制御分解能を高めて変調精度を高めることができる。
【0095】
このように、本実施の形態の無線通信装置600によれば、電力増幅器107の前で位相変調信号を送信電力制御することにより、低送信電力時における、電力増幅器107の入出力アイソレーション不足の影響を少なくすることができる。
【0096】
なお、上述の実施の形態においては、本発明を単に無線通信システムの無線通信装置に適用する場合について述べたが、移動体通信システムの無線通信装置に適用することもできる。
【0097】
(実施の形態7)
図8は、本発明の実施の形態7に係る通信装置である無線通信装置700の構成を示すブロック図である。但し、図4と同一の構成となるものについては、図4と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0098】
図8に示す無線通信装置700は、図4について上述したポラーループ送信装置300と比べて、アンテナ共用器(又はアンテナ切り替え器)501及び受信部502を有し、アンテナ109において受信した信号をアンテナ共用器501を介して受信部502に供給し、ここで復調信号を得るようになされている点が異なる。
【0099】
以上の構成において、無線通信装置700では、送信電力制御部115において決定された送信電力値となるような電力制御を電力制御器106において行うにあたって、利得制御部316に供給された変調方式や動作環境等の情報に基づいて、電力制御器106での利得を制御することにより、電力制御器106での利得制御は、送信電力制御部115において意図した送信電力となるような制御が行われることとなる。
【0100】
このように、本実施の形態の無線通信装置700によれば、送信電力制御部115において決定された送信電力値に基づく電力制御を電力制御器106において行う際に、変調方式や動作条件等の情報に基づいた利得制御を併せて行うことにより、高精度な電力制御を行うことができる。
【0101】
なお、上述の実施の形態においては、本発明を単に無線通信システムの無線通信装置に適用する場合について述べたが、移動体通信システムの無線通信装置に適用することもできる。
【0102】
(実施の形態8)
図9は、本発明の実施の形態8に係る通信装置である無線通信装置800の構成を示すブロック図である。但し、図5と同一の構成となるものについては、図5と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0103】
図9に示す無線通信装置800は、図5について上述したポラーループ送信装置400と比べて、アンテナ共用器(又はアンテナ切り替え器)501及び受信部502を有し、アンテナ109において受信した信号をアンテナ共用器501を介して受信部502に供給し、ここで復調信号を得るようになされている点が異なる。
【0104】
以上の構成において、共用制御部401は、ローパスフィルタ114から出力される信号の送信電力値に基づいて、電力制御器106を制御することにより、送信電力値が低い場合、電力制御器106から出力される位相変調信号の電力値を低くすることにより、電力増幅器107の入出力アイソレーション不足による入力信号の出力信号への漏れを少なくすることができるとともに、ローパスフィルタ11の出力信号に基づいて、電力増幅器107を電力制御することにより、当該電力増幅器107において振幅変調を行うことができる。
【0105】
このように、本実施の形態の無線通信装置800によれば、共用制御部401において電力制御器106の利得制御、及び電力増幅器107の電力制御(振幅変調)を行うことにより、図6について上述した、電力制御器106に個別の制御部(利得制御部116)を設けた無線通信装置500の構成に比べて、制御信号を減らすことができるとともに、電力制御器106と電力増幅器107の1パッケージ化が可能となり、装置の小型化を図ることができる。
【0106】
なお、上述の実施の形態においては、本発明を単に無線通信システムの無線通信装置に適用する場合について述べたが、移動体通信システムの無線通信装置に適用することもできる。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、位相変調された送信信号に対して、電力の制御を行う電力制御手段を電力増幅手段の前段に設け、電力制御手段の利得を送信電力値に基づいて制御することにより、送信電力値が小さい場合は、電力制御手段によって前記電力増幅手段の入力電力を低く抑えることができる。従って、電力増幅手段の入出力アイソレーションが不足している場合であっても、入力信号の出力信号への漏れを抑えることができる。かくして、低出力電力での送信を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1に係る装置の動作を説明するためのフローチャート
【図3】本発明の実施の形態2に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態3に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態4に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態5に係る無線通信装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態6に係る無線通信装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態7に係る無線通信装置の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態8に係る無線通信装置の構成を示すブロック図
【図10】従来の送信装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
100、200、300、400 ポラーループ送信装置
102 位相/振幅弁別器
103 位相比較器
105 電圧制御発振器
106 電力制御器
107 電力増幅器
115 送信電力制御部
116、316 利得制御部
301 パラメータ入力端子
500、600、700、800 無線通信装置
502 受信部
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システム等に用いられる送信装置及び通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線通信システムにおいては、送信装置の省電力化を図るために電力増幅器に高効率のもの用いられている。しかしながら、高効率の電力増幅器では、信号に非線形歪みが発生し易くなる。このように信号の歪みが発生すると、送信スペクトルが広がるため、隣接チャネルに干渉を及ぼす等の悪影響が生じる。
【0003】
この問題点を解決するための一つの方策として、高効率及び低歪みを両立させる非線形技術が送信装置に用いられている。この技術として、特に、ポラーループ送信装置は、定振幅信号を電力増幅器によって増幅し、この電力増幅器の出力電力を制御することで振幅変調を行うため、低歪みの送信信号を得るようになされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
すなわち、図10は、従来のポラーループ送信装置10の構成を示すブロック図である。図10に示すように、ポラーループ送信装置10は、変調信号入力端子11に入力された変調信号を位相/振幅弁別器12に受ける。
【0005】
位相/振幅弁別器12は、変調信号を位相情報及び振幅情報に弁別する。弁別された位相情報は、位相比較器13及びローパスフィルタ(LPF)14を介して電圧制御発振器15に供給される。
【0006】
電圧制御発振器15は、位相比較器13及びローパスフィルタ14を介して入力された位相情報に基づいて発振周波数を変化させることにより、送信信号の搬送周波数の位相変調信号を得る。この位相変調信号は、電力増幅器17に供給される。
【0007】
一方、位相/振幅弁別器12において弁別された振幅情報は、電圧比較器23及びローパスフィルタ24を介して電力増幅器17の電力制御端子に供給される。これにより、電力増幅器17は、電圧制御発振器15から供給される位相変調信号を、振幅情報に基づいて振幅変調し、増幅する。
【0008】
このように、電圧制御発振器15において位相変調され、電力増幅器17において振幅変調された信号は、信号抽出部18を介してアンテナ19に供給され、送信される。
【0009】
ここで、電力増幅器17の出力信号の一部は、信号抽出部18において抽出され、ミキサ20に供給される。ミキサ20は、発振器21から供給される発振信号を用いて、信号抽出部18において抽出された信号をダウンコンバートすることにより、変調信号を検波する。
【0010】
位相/振幅弁別器22は、ミキサ20によって検波された変調信号を、位相情報(以下、これを受信位相情報と称する)と振幅情報(以下、これを受信振幅情報と称する)とに分別し、分別された受信位相情報を位相比較器13に供給するとともに、分別された受信振幅情報を電圧比較器23に供給する。
【0011】
位相比較器13は、変調信号入力端子11に入力された変調信号から位相/振幅弁別器12において弁別された位相情報と、信号抽出部18において抽出された信号から位相/振幅弁別器22において弁別された受信位相情報と、を位相比較し、その誤差が小さくなるように電圧制御発振器15を制御する。
【0012】
また、電圧比較器23は、変調信号入力端子11に入力された変調信号から位相/振幅弁別器12において弁別された振幅情報と、信号抽出部18において抽出された信号から位相/振幅弁別器22において弁別された受信振幅情報と、を電圧比較し、その誤差が小さくなるように電力増幅器17を制御する。
【0013】
電力増幅器17は、振幅変調に加えて、送信電力制御等も行われる。この送信電力制御は、例えば、受信装置側で測定される現在の受信回線の品質を受信装置側から送信してもらい、その情報をもとにポラーループ送信装置10での送信電力を決定する制御である。
【0014】
かくして、ポラーループ送信装置10では、電力増幅器17に対して、振幅情報を持たない(すなわち一定振幅の)位相情報を入力し、その位相情報を、振幅情報に基づいて電力制御することで振幅変調を行うことにより、電力増幅器の入出力特性に線形性が要求されないようにすることができる。この結果、電力増幅器17として高効率のものを用いることができる。
【0015】
【特許文献1】
特開平07−94979号公報(第3−4ページ、図1)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のポラーループ送信装置10においては、電力増幅器17の入出力アイソレーションが不足していることにより、送信電力のダイナミックレンジが広い通信システム(例えば符号分割多元接続方式(CDMA:Code Division multiple Access))に適用する場合、低出力電力を送信する場合に適応が困難になるという問題があった。
【0017】
すなわち、電力増幅器17の出力電力を下げると、相対的にその入力電力が大きくなることにより、入力信号の出力信号への漏れが問題となる。
【0018】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、低出力電力送信が可能な送信装置及び通信装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の送信装置は、位相変調された送信信号に対して、目標とする送信電力値となるような電力増幅を行う電力増幅手段と、前記電力増幅手段に入力される前記送信信号の電力を、前記送信電力値に基づいて制御する電力制御手段と、を具備する構成を採る。
【0020】
この構成によれば、送信電力値に基づいて電力増幅手段の出力電力が低くなった場合には、その電力増幅手段に入力される信号の電力が、電力増幅手段の前段に設けられた電力制御手段によって低く抑えられることにより、電力増幅手段の入出力アイソレーションが不足している場合でも、入力信号の出力信号への漏れを抑えることができる。なお、「電力制御手段」とは、電力制御器及びその利得制御部を含む概念である。
【0021】
本発明の送信装置は、上記構成において、前記電力制御手段は、前記電力制御の条件を入力する電力制御条件入力手段を具備し、前記電力制御手段は、前記入力された電力制御条件に基づいて電力制御を行う構成を採る。
【0022】
この構成によれば、電力制御条件として、例えば変調方式を表す情報が入力される場合には、その変調方式が広いダイナミックレンジを必要とする場合、又はそれを必要としない場合で電力制御手段の利得制御の有無を決めることが可能となる。
【0023】
本発明の送信装置は、位相変調された送信信号に対して、目標とする送信電力値となるような電力制御を行う電力制御手段と、前記電力制御された送信信号に対して、振幅変調を行う電力増幅手段と、を具備する構成を採る。
【0024】
この構成によれば、電力制御手段によって送信電力値となるような電力制御を行った後、電力増幅手段による振幅変調を行うことにより、送信電力制御によって決定された送信電力値が低電力である場合、電力増幅手段に入力される信号の電力が電力制御手段によって低電力に制御されることとなり、電力増幅手段の入出力アイソレーションが不足していることによる入力信号の出力信号への漏れを抑えることができる。
【0025】
本発明の通信装置は、上記送信装置を具備する構成を採る。
【0026】
この構成によれば、電力増幅手段の入出力アイソレーションが不足している問題を解決し得る送信装置を有する通信装置を実現することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、電力増幅手段に入力される送信信号の電力を制御する電力制御手段を電力増幅手段の前段に設け、電力制御手段の利得を送信電力値に基づいて制御することにより、送信電力値が小さい場合は、電力制御手段によって前記電力増幅手段の入力電力を低く抑えることである。
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る送信装置であるポラーループ送信装置100の構成を示すブロック図である。
【0030】
図1に示すように、ポラーループ送信装置100は、変調信号入力端子101に入力された変調信号を位相/振幅弁別器102に受ける。
【0031】
位相/振幅弁別器102は、変調信号を位相情報及び振幅情報に弁別する。弁別された位相情報は、位相比較器(Phase Detector)103及びローパスフィルタ(LPF)104を介して電圧制御発振器105に供給される。
【0032】
電圧制御発振器105は、位相比較器103及びローパスフィルタ104を介して入力された位相情報に基づいて発振周波数を変化させることにより、送信信号の搬送周波数の位相変調信号を得る。この位相変調信号は、電力制御器106を介して電力増幅器107に供給される。
【0033】
一方、位相/振幅弁別器102において弁別された振幅情報は、合成器117において、送信電力制御部115から供給される送信電力値に応じた電力制御信号と合成された後、電圧比較器113及びローパスフィルタ114を介して電力増幅器107の電力制御端子に供給される。これにより、電力増幅器107は、電圧制御発振器105から供給される位相変調信号を、振幅情報に基づいて振幅変調し、増幅する。
【0034】
なお、送信電力制御部115は、例えば、受信装置側で測定される受信回線の品質を受信装置側から送信してもらい、その情報をもとにポラーループ送信装置100での送信電力を決定する。そして、送信電力制御部115は、決定された送信電力値に応じた電力制御信号を、位相/振幅弁別器102から供給される振幅情報に合成して、電力増幅器107に供給することにより、電力増幅器107において、所望の送信電力値が得られるような増幅が、振幅変調に加えて行われる。これにより、電力増幅器107では、振幅変調とともに送信電力制御も行われる。
【0035】
かくして、電圧制御発振器105において位相変調され、電力増幅器107において振幅変調及び所定の送信電力に増幅された信号は、信号抽出部108を介してアンテナ109に供給され、送信される。
【0036】
ここで、電力増幅器107の出力信号の一部は、信号抽出部108において抽出され、ミキサ110に供給される。ミキサ110は、発振器111から供給される発振信号を用いて、信号抽出部108において抽出された信号をダウンコンバートすることにより、変調信号を検波する。
【0037】
位相/振幅弁別器112は、ミキサ110によって検波された変調信号を、位相情報(以下、これを受信位相情報と称する)と振幅情報(以下、これを受信振幅情報と称する)とに分別し、分別された受信位相情報を位相比較器103に供給するとともに、分別された受信振幅情報を電圧比較器113に供給する。
【0038】
位相比較器103は、変調信号入力端子101に入力された変調信号から位相/振幅弁別器102において弁別された位相情報と、信号抽出部108において抽出された信号から位相/振幅弁別器112において弁別された受信位相情報と、を位相比較し、その誤差が小さくなるように電圧制御発振器105を制御する。
【0039】
また、電圧比較器113は、合成器117で合成した振幅情報と、信号抽出部108において抽出された信号から位相/振幅弁別器112において弁別された受信振幅情報と、を電圧比較し、その誤差が小さくなるように電力増幅器107を制御する。
【0040】
かくして、ポラーループ送信装置100では、電力増幅器107に対して、振幅情報を持たない(すなわち一定振幅の)位相情報を入力し、その位相情報を、振幅情報に基づいて電力制御することで振幅変調を行うことにより、電力増幅器107の入出力特性に線形性が要求されないようにすることができる。この結果、電力増幅器107として高効率のものを用いることができる。
【0041】
ここで、ポラーループ送信装置100においては、送信電力制御部115から利得制御部116に対して、送信電力制御によって決定された送信電力値を供給するようになされている。すなわち、利得制御部116には、当該ポラーループ送信装置100の送信電力制御部115によって決定された送信電力値が供給され、利得制御部116は、この送信電力値を常にモニタしながら、送信電力値が低送信電力となった場合に、電力制御器106を制御して、電力増幅器107の入力電力を下げる。なお、送信電力制御部115はまた、電力増幅器107の入力電力が下がっても目標とする送信電力値となるように合成器117へ出力する電力制御信号を制御する。
【0042】
図2は、ポラーループ送信装置100の利得制御部116における、電力増幅器107の入力電力を制御する制御手順を示すフローチャートである。図2に示すように、利得制御部116は、ステップST101において、送信電力制御部115から供給される送信電力値をモニタする。
【0043】
そして、利得制御部116は、ステップST102に移って、上述のステップST101においてモニタした送信電力値に基づき、このときの送信電力値が予め設定されている値よりも小さいこと、すなわち、このときの送信電力制御の結果が低電力での送信を行うものであるか否かを判断する。
【0044】
ここで否定結果が得られると、このことは、送信電力制御によって決定された送信電力値、すなわち、電力増幅器107の出力電力が、電力増幅器107の入出力アイソレーション不足による影響(入力信号の出力信号への漏れ)を無視することができる程度に高いことを意味しており、このとき利得制御部116は、ステップST103に移って、電圧制御発振器105から出力された信号の電力を下げずに、そのまま電力増幅器107へ入力させるような、入力電力通常モードを実行する。
【0045】
これにより、電力制御器106に入力される、電圧制御発振器105からの位相変調信号は、当該電力制御器106においてその電力値が低減されることなく、電力増幅器107に供給される。
【0046】
これに対して、ステップST102において肯定結果が得られると、このことは、送信電力制御によって決定された送信電力値、すなわち、電力増幅器107の出力電力が、電力増幅器107の入出力アイソレーション不足を無視することができない程度に低いこと、すなわち、電力増幅器107の出力電力が低く制御されることで、電力増幅器107の入出力アイソレーション不足の影響により、その入力信号の出力信号への漏れが大きくなるおそれが生じることを意味しており、このとき、利得制御部116は、ステップST104に移って、電力制御器106の利得を制御することにより、電圧制御発振器105から出力された信号の電力を下げた後、電力増幅器107へ入力させるような、入力電力低減モードを実行する。
【0047】
これにより、送信電力制御によって電力増幅器107の出力が低くなる低出力電力時は、電力制御器106によって電力増幅器107への入力電力が低く抑えられることにより、電力増幅器107の入出力アイソレーションが不足しても、入力信号の出力信号への漏れが大きくなることを回避しながら低出力電力送信を行うことが可能となる。
【0048】
以上の構成において、ポラーループ送信装置100は、電力増幅器107の前段に電力制御器106を設け、この電力制御器106の利得を、送信電力値に基づいて制御することにより、送信電力制御によって送信電力値が下げられると、これに応じて、電力増幅器107の入力電力が下げられる。
【0049】
従って、送信電力値に基づいて電力増幅器107の出力電力が低くなるように当該電力増幅器107が制御されても、その入力信号が出力信号に漏れの影響を少なくすることができる。
【0050】
このように、本実施の形態のポラーループ送信装置100によれば、低出力電力時は、電力制御器106によって電力増幅器107の入力電力を低く抑えることができるため、電力増幅器107の入出力アイソレーションが不足しても、低出力電力送信が可能となる。
【0051】
なお、上述の実施の形態においては、本発明を単に無線通信システムの送信装置に適用する場合について述べたが、移動体通信システムの送信装置に適用することもできる。
【0052】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る送信装置であるポラーループ送信装置200の構成を示すブロック図である。但し、図1と同一の構成となるものについては、図1と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0053】
図3に示すポラーループ送信装置200は、図1について上述したポラーループ送信装置100と比べて、送信電力制御部115による送信電力制御を電力制御器106によって行う点が異なる。
【0054】
すなわち、ポラーループ送信装置200では、送信電力制御部115において決定された送信電力値を、利得制御部116に供給する。利得制御部116は、送信電力制御部115から供給された送信電力値に基づいて、電力制御器106の利得を制御することにより、電力制御器106の出力信号として、送信電力制御部115において決定された電力値の信号が得られるような電力制御が行われる。
【0055】
そして、電力制御器106から出力された信号は、電力増幅器107に供給され、振幅変調される。このように、電力制御器106において送信電力制御を行い、電力増幅器107において振幅変調を行うことにより、電力増幅器107の電力制御範囲が小さくなり、この結果、電力増幅器107の制御分解能を高めて変調精度を高めることができる。
【0056】
また、位相/振幅弁別器102の出力がディジタル信号であり、振幅情報がDAコンバータを介して出力されている場合についても、DAコンバータのビット数を下げて低消費電力化を図るか、又は、ビット数を変えずに制御分解能を高めて変調精度を高めることができる。
【0057】
以上の構成において、ポラーループ送信装置200では、送信電力制御部115において決定された送信電力値となるような電力制御が、電力制御器106にいて実行され、また、振幅制御が電力制御器106とは異なる電力増幅器107において実行される。
【0058】
従って、送信電力制御部115において決定された送信電力値が低い場合には、電力制御器106から出力される信号、すなわち、電力増幅器107に入力される信号の電力が送信電力制御によって低くなる。このことは、電力増幅器107において送信電力制御を行う場合に比べて、当該電力増幅器107の入出力アイソレーション不足の影響を考慮する必要が無くなることを意味している。
【0059】
従って、低送信電力時において、電力増幅器107における入力信号の出力信号への漏れの影響を少なくすることができる。
【0060】
また、送信電力制御部115において決定された電力値となるような制御を、電力増幅器107の前段に設けられている電力制御器106において制御することにより、電力制御器106において送信電力制御された位相変調信号が電力増幅器107に入力される。この電力増幅器107では、振幅変調のみが行われる。従って、電力増幅器107においては、当該電力増幅器107において送信電力制御結果に基づいた電力制御を行う場合に比べて、その電力制御範囲が狭くなり、この結果、その電力増幅器107の制御分解能を高めて変調精度を高めることが可能となる。
【0061】
また、位相/振幅弁別器102の出力がディジタル信号であり、振幅情報がDA(ディジタルアナログ)コンバータを介して出力されている場合には、DAコンバータのビット数を少なくして低消費電力化を図ること、又はビット数を変えずに制御分解能を高めて変調精度を高めることができる。
【0062】
このように、本実施の形態のポラーループ送信装置200によれば、電力増幅器107の前で位相変調信号を送信電力制御することにより、低送信電力時における、電力増幅器107の入出力アイソレーション不足の影響を少なくすることができる。
【0063】
なお、上述の実施の形態2においては、電力制御器106において、送信電力制御部115において決定された送信電力値となるような電力制御を行うことにより、送信電力値が低くなった場合であっても、電力増幅器107における従来の入出力アイソレーション不足を原因とする問題点を解決することが可能となっているが、これに加えて、送信電力制御部115において決定された送信電力値が高くなった場合において、電力制御器106における電力制御を一定値までに抑え、残りの増幅分を電力増幅器107において行わせるようにしてもよい。このようにすれば、電力増幅器107に入力される信号の電力を抑えることで、電力増幅器107の入出力アイソレーション不足による入力信号の出力信号への漏れを抑えることができる。
【0064】
また、上述の実施の形態2において、利得制御部116にパラメータ入力端子(図示せず)を設け、このパラメータ入力端子を介して、変調方式を表す情報、又は動作条件を表す情報等を利得制御部116に入力させるようにしてもよい。この場合、動作条件として、例えば、そのときの温度情報が入力されると、利得制御部116は、この入力された温度に適した増幅処理が電力制御器106において行われるように、電力制御器106に対する利得制御内容を修正する。
【0065】
これにより、電圧制御発振器105から出力される位相変調信号は、電力制御器106において、送信電力制御に基づく利得に対して温度に応じた修正が加えられた利得により増幅された後、電力増幅器107に供給される。
【0066】
なお、上述の実施の形態においては、本発明を単に無線通信システムの送信装置に適用する場合について述べたが、移動体通信システムの送信装置に適用することもできる。
【0067】
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3に係る送信装置であるポラーループ送信装置300の構成を示すブロック図である。但し、図1と同一の構成となるものについては、図1と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0068】
図4に示すポラーループ送信装置300は、図1について上述したポラーループ送信装置100と比べて、当該ポラーループ送信装置100の利得制御部116に変えて、パラメータ入力端子301を有する利得制御部316を設けた点が異なる。
【0069】
この利得制御部316は、利得制御部116と比べて、電力増幅器106の利得を、送信電力制御部115によって決定された送信電力値に基づいて制御すること、すなわち、送信電力値が低い状態では、電力制御器106から出力される信号の電力を低くすることについては、利得制御部116と同様の動作を行うものとする。
【0070】
そして、この利得制御部316は、利得制御部116と異なる点として、パラメータ入力端子301を有し、このパラメータ入力端子を介して、変調方式を表す情報、又は動作条件を表す情報等が入力される。例えば、動作条件として、そのときの温度情報が入力されると、利得制御部316は、この入力された温度に適した増幅処理が電力制御器106において行われるように、電力制御器106に対する利得制御内容を修正する。
【0071】
これにより、電圧制御発振器105から出力される位相変調信号は、電力制御器106において、送信電力制御に基づく利得に対して温度に応じた修正が加えられた利得により増幅された後、電力増幅器107に供給される。
【0072】
また、利得制御部316のパラメータ入力端子301に対して、変調方式を表す情報が入力される場合、利得制御部316は、変調方式を表す情報に基づいて、電力制御器106の利得制御を行う。これにより、電力制御器106では、変調方式に応じた利得制御が行われる。例えば、ダイナミックレンジが広い変調方式(CDMA等)では、そのダイナミックレンジの広さによって電力増幅器107の入出力アイソレーション不足による問題を、電力制御器106における電力制御によって克服するのに対して、その他の広いダイナミックレンジを必要としない変調方式では、電力制御器106による電力制御が不要となることにより、利得制御部316は、パラメータ入力端子301を介して入力される変調方式を表す情報に基づいて、電力制御器106に対する利得制御を行う。
【0073】
以上の構成において、ポラーループ送信装置300では、送信電力制御部115において決定された送信電力値となるような電力制御を電力制御器106において行うにあたって、利得制御部316に供給された変調方式や動作環境等の情報に基づいて、電力制御器106での利得を制御することにより、電力制御器106での利得制御は、送信電力制御部115において意図した送信電力となるよな制御が行われることとなる。
【0074】
このように、本実施の形態のポラーループ送信装置300によれば、送信電力制御部115において決定された送信電力値に基づく電力制御を電力制御器106において行う際に、変調方式や動作条件等の情報に基づいた利得制御を併せて行うことにより、高精度な電力制御を行うことができる。
【0075】
なお、上述の実施の形態においては、本発明を単に無線通信システムの送信装置に適用する場合について述べたが、移動体通信システムの送信装置に適用することもできる。
【0076】
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4に係る送信装置であるポラーループ送信装置400の構成を示すブロック図である。但し、図1と同一の構成となるものについては、図1と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0077】
図5に示すポラーループ送信装置400は、図1について上述したポラーループ送信装置100と比べて、電力制御部106及び電力増幅器107を共用制御部401によって制御している点が異なる。
【0078】
この共用制御部401は、ローパスフィルタ114の出力信号、すなわち、振幅情報及び送信電力制御部115において決定された送信電力値に応じた電力制御信号を含む信号に基づいて、電力制御器106の利得制御と、電力増幅器107の電力制御を行う。
【0079】
以上の構成において、共用制御部401は、ローパスフィルタ114から出力される信号の電力制御信号に基づいて、電力制御器106を制御することにより、送信電力値が低い場合、電力制御器106から出力される位相変調信号の電力値を低くすることで、電力増幅器107の入出力アイソレーション不足による入力信号の出力信号への漏れを少なくすることができるとともに、ローパスフィルタ114の出力信号に基づいて、電力増幅器107を電力制御することにより、当該電力増幅器107において振幅変調を行うことができる。
【0080】
このように、本実施の形態のポラーループ送信装置400によれば、共用制御部401において電力制御器106の利得制御、及び電力増幅器107の電力制御(振幅変調)を行うことにより、図1について上述した、電力制御器106に対して個別の制御部(利得制御部116)を設けたポラーループ送信装置100の構成に比べて、制御信号を減らすことができるとともに、電力制御器106と電力増幅器107の1パッケージ化が可能となり、装置の小型化を図ることができる。
【0081】
なお、上述の実施の形態においては、本発明を単に無線通信システムの送信装置に適用する場合について述べたが、移動体通信システムの送信装置に適用することもできる。
【0082】
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5に係る通信装置である無線通信装置500の構成を示すブロック図である。但し、図1と同一の構成となるものについては、図1と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0083】
図6に示すポラーループ送信装置500は、図1について上述したポラーループ送信装置100と比べて、アンテナ共用器(又はアンテナ切り替え器)501及び受信部502を有し、アンテナ109において受信した信号をアンテナ共用器501を介して受信部502に供給し、ここで復調信号を得るようになされている点が異なる。
【0084】
以上の構成において、無線通信装置500は、電力増幅器107の前段に電力制御器106を設け、この電力制御器106の利得を、送信電力値に基づいて制御することにより、送信電力制御によって送信電力値が下げられると、これに応じて、電力増幅器107の入力電力が下げられる。
【0085】
従って、送信電力値に基づいて電力増幅器107の出力電力が低くなるように当該電力増幅器107が制御されても、その入力信号が出力信号に漏れの影響を少なくすることができる。
【0086】
このように、本実施の形態の無線通信装置500によれば、低出力電力時は、電力制御器106によって電力増幅器107の入力電力を低く抑えることができるため、電力増幅器107の入出力アイソレーションが不足しても、低出力電力送信が可能となる。
【0087】
なお、上述の実施の形態においては、本発明を単に無線通信システムの無線通信装置に適用する場合について述べたが、移動体通信システムの無線通信装置に適用することもできる。
【0088】
(実施の形態6)
図7は、本発明の実施の形態6に係る通信装置である無線通信装置600の構成を示すブロック図である。但し、図3と同一の構成となるものについては、図3と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0089】
図7に示す無線通信装置600は、図3について上述したポラーループ送信装置200と比べて、アンテナ共用器(又はアンテナ切り替え器)501及び受信部502を有し、アンテナ109において受信した信号をアンテナ共用器501を介して受信部502に供給し、ここで復調信号を得るようになされている点が異なる。
【0090】
以上の構成において、無線通信装置600では、送信電力制御部115において決定された送信電力値となるような電力制御が、電力制御器106にいて実行され、また、振幅制御が電力制御器106とは異なる電力増幅器107において実行される。
【0091】
従って、送信電力制御部115において決定された送信電力値が低い場合には、電力制御器106から出力される信号、すなわち、電力増幅器107に入力される信号の電力が送信電力制御によって低くなる。このことは、電力増幅器107において送信電力制御を行う場合に比べて、当該電力増幅器107の入出力アイソレーション不足の影響を考慮する必要性が無くなることを意味している。
【0092】
従って、低送信電力時において、電力増幅器107における入力信号の出力信号への漏れの影響を少なくすることができる。
【0093】
また、送信電力制御部115において決定された電力値となるような制御を、電力増幅器107の前段に設けられている電力制御器106において制御することにより、電力制御器106において送信電力制御された位相変調信号が電力増幅器107に入力される。この電力増幅器107では、振幅変調のみが行われる。従って、電力増幅器107においては、当該電力増幅器107において送信電力制御結果に基づいた電力制御を行う場合に比べて、その電力制御範囲が狭くなり、この結果、その電力増幅器107の制御分解能を高めて変調精度を高めることが可能となる。
【0094】
また、位相/振幅弁別器102の出力がディジタル信号であり、振幅情報がDA(ディジタルアナログ)コンバータを介して出力されている場合には、DAコンバータのビット数を少なくして低消費電力化を図ること、又はビット数を変えずに制御分解能を高めて変調精度を高めることができる。
【0095】
このように、本実施の形態の無線通信装置600によれば、電力増幅器107の前で位相変調信号を送信電力制御することにより、低送信電力時における、電力増幅器107の入出力アイソレーション不足の影響を少なくすることができる。
【0096】
なお、上述の実施の形態においては、本発明を単に無線通信システムの無線通信装置に適用する場合について述べたが、移動体通信システムの無線通信装置に適用することもできる。
【0097】
(実施の形態7)
図8は、本発明の実施の形態7に係る通信装置である無線通信装置700の構成を示すブロック図である。但し、図4と同一の構成となるものについては、図4と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0098】
図8に示す無線通信装置700は、図4について上述したポラーループ送信装置300と比べて、アンテナ共用器(又はアンテナ切り替え器)501及び受信部502を有し、アンテナ109において受信した信号をアンテナ共用器501を介して受信部502に供給し、ここで復調信号を得るようになされている点が異なる。
【0099】
以上の構成において、無線通信装置700では、送信電力制御部115において決定された送信電力値となるような電力制御を電力制御器106において行うにあたって、利得制御部316に供給された変調方式や動作環境等の情報に基づいて、電力制御器106での利得を制御することにより、電力制御器106での利得制御は、送信電力制御部115において意図した送信電力となるような制御が行われることとなる。
【0100】
このように、本実施の形態の無線通信装置700によれば、送信電力制御部115において決定された送信電力値に基づく電力制御を電力制御器106において行う際に、変調方式や動作条件等の情報に基づいた利得制御を併せて行うことにより、高精度な電力制御を行うことができる。
【0101】
なお、上述の実施の形態においては、本発明を単に無線通信システムの無線通信装置に適用する場合について述べたが、移動体通信システムの無線通信装置に適用することもできる。
【0102】
(実施の形態8)
図9は、本発明の実施の形態8に係る通信装置である無線通信装置800の構成を示すブロック図である。但し、図5と同一の構成となるものについては、図5と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0103】
図9に示す無線通信装置800は、図5について上述したポラーループ送信装置400と比べて、アンテナ共用器(又はアンテナ切り替え器)501及び受信部502を有し、アンテナ109において受信した信号をアンテナ共用器501を介して受信部502に供給し、ここで復調信号を得るようになされている点が異なる。
【0104】
以上の構成において、共用制御部401は、ローパスフィルタ114から出力される信号の送信電力値に基づいて、電力制御器106を制御することにより、送信電力値が低い場合、電力制御器106から出力される位相変調信号の電力値を低くすることにより、電力増幅器107の入出力アイソレーション不足による入力信号の出力信号への漏れを少なくすることができるとともに、ローパスフィルタ11の出力信号に基づいて、電力増幅器107を電力制御することにより、当該電力増幅器107において振幅変調を行うことができる。
【0105】
このように、本実施の形態の無線通信装置800によれば、共用制御部401において電力制御器106の利得制御、及び電力増幅器107の電力制御(振幅変調)を行うことにより、図6について上述した、電力制御器106に個別の制御部(利得制御部116)を設けた無線通信装置500の構成に比べて、制御信号を減らすことができるとともに、電力制御器106と電力増幅器107の1パッケージ化が可能となり、装置の小型化を図ることができる。
【0106】
なお、上述の実施の形態においては、本発明を単に無線通信システムの無線通信装置に適用する場合について述べたが、移動体通信システムの無線通信装置に適用することもできる。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、位相変調された送信信号に対して、電力の制御を行う電力制御手段を電力増幅手段の前段に設け、電力制御手段の利得を送信電力値に基づいて制御することにより、送信電力値が小さい場合は、電力制御手段によって前記電力増幅手段の入力電力を低く抑えることができる。従って、電力増幅手段の入出力アイソレーションが不足している場合であっても、入力信号の出力信号への漏れを抑えることができる。かくして、低出力電力での送信を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1に係る装置の動作を説明するためのフローチャート
【図3】本発明の実施の形態2に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態3に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態4に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態5に係る無線通信装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態6に係る無線通信装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態7に係る無線通信装置の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態8に係る無線通信装置の構成を示すブロック図
【図10】従来の送信装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
100、200、300、400 ポラーループ送信装置
102 位相/振幅弁別器
103 位相比較器
105 電圧制御発振器
106 電力制御器
107 電力増幅器
115 送信電力制御部
116、316 利得制御部
301 パラメータ入力端子
500、600、700、800 無線通信装置
502 受信部
Claims (5)
- 位相変調された送信信号に対して、目標とする送信電力値となるような電力増幅を行う電力増幅手段と、
前記電力増幅手段に入力される前記送信信号の電力を、前記送信電力値に基づいて制御する電力制御手段と、
を具備することを特徴とする送信装置。 - 前記電力制御手段は、前記電力制御の条件を入力する電力制御条件入力手段を具備し、前記電力制御手段は、前記入力された電力制御条件に基づいて電力制御を行うことを特徴とする請求項1記載の送信装置。
- 位相変調された送信信号に対して、目標とする送信電力値となるような電力制御を行う電力制御手段と、
前記電力制御された送信信号に対して、振幅変調を行う電力増幅手段と、
を具備することを特徴とする送信装置。 - 請求項1記載の送信装置を具備することを特徴とする通信装置。
- 請求項2記載の送信装置を具備することを特徴とする通信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002295615A JP2004134913A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 送信装置及び通信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2002295615A JP2004134913A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 送信装置及び通信装置 |
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---|---|
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JP (1) | JP2004134913A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007067729A (ja) * | 2005-08-30 | 2007-03-15 | Kyocera Corp | 送信装置及び送信方法 |
JP2011101441A (ja) * | 2011-02-22 | 2011-05-19 | Kyocera Corp | 送信装置及び送信方法 |
-
2002
- 2002-10-09 JP JP2002295615A patent/JP2004134913A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007067729A (ja) * | 2005-08-30 | 2007-03-15 | Kyocera Corp | 送信装置及び送信方法 |
JP2011101441A (ja) * | 2011-02-22 | 2011-05-19 | Kyocera Corp | 送信装置及び送信方法 |
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