JP2004134717A - 太陽電池モジュール用の端子ボックス及びその端子ボックスの形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】端子ボックスの側壁面をなくして、出力ケーブルの端子を所定位置に半田付けする作業が容易となり、組立コストが低廉となり、生産作業効率も向上する太陽電池モジュール用の端子ボックス及びその端子ボックスの形成方法を提供すること。
【解決手段】端子ボックスを平板状のベース体と、このベース体に密閉状に冠設される略凹状のカバー体とで構成し、このベース体の内面側には電子部品を搭載したプリント回路を形成し、このプリント回路には出力ケーブルの端子を接合するための端子接続部を形成し、ベース体の外面側には太陽電池モジュールの両電極と接続可能となるターミナル部を形成し、出力ケーブルの端子をプリント回路の端子接続部と接合させ、前記カバー体の一部に充填小孔を形成し、ベース体とカバー体を組み合わせた状態で、ベース体とカバー体との間に存する充填空間部にシリコン樹脂材を隙間なく介在させたことを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】端子ボックスを平板状のベース体と、このベース体に密閉状に冠設される略凹状のカバー体とで構成し、このベース体の内面側には電子部品を搭載したプリント回路を形成し、このプリント回路には出力ケーブルの端子を接合するための端子接続部を形成し、ベース体の外面側には太陽電池モジュールの両電極と接続可能となるターミナル部を形成し、出力ケーブルの端子をプリント回路の端子接続部と接合させ、前記カバー体の一部に充填小孔を形成し、ベース体とカバー体を組み合わせた状態で、ベース体とカバー体との間に存する充填空間部にシリコン樹脂材を隙間なく介在させたことを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換するシステムとして、太陽光発電システムが広く実施されているが、そのシステムにおいては太陽電池モジュールが重要部品として使用されている。本発明は、この太陽電池モジュールに取り付ける端子ボックス及びその端子ボックスの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自然環境への配慮から、地球上に降り注がれる太陽光の天然エネルギーを電気エネルギーとして利用する太陽光発電システムが広く利用されるようになり、これに伴い各家庭においても家屋の屋根の上などに該システムの装置を設置するようになってきた。
【0003】
太陽電池モジュールは、複数枚の電池セルの前面に強化ガラス及び保護シートを貼設するとともに補強フレームにより支持されて構成され、この太陽電池モジュールを屋根の上などに複数セット設置することで、全体として太陽電池パネルと呼ばれるものを構成している。この太陽電池パネルで集められた電気エネルギーは、接続箱、インバータ及び分電盤などを介して各電気製品に電力を供給することとなる。
この太陽光発電システムは、複数セットの太陽電池モジュールを屋根上などに設置し、この複数セットの太陽電池モジュールの各電極間を電気的に集積可能な状態で接続することにより、その全体から得られた電気エネルギー(電力)をひとまとめにして、家庭用電源として利用する。
【0004】
上述した各太陽電池モジュールの裏面側(採光面の反対側)には、太陽電池モジュールで発生される電気エネルギーを、外部に引渡すためのプラス電極とマイナス電極とが備えられている。
一方、この太陽電池モジュールのプラス電極及びマイナス電極と接続可能となるターミナル部を備えた端子ボックスが別途存在し、この端子ボックスは太陽電池モジュールから電気エネルギーを引き出す働きをしている。この端子ボックスには先端にコネクタを取り付けた出力ケーブルが二本設けられ(プラス端子用とマイナス端子用)、この出力ケーブルを介在して隣接する各端子ボックスの対応部同士を相互に直列接続し、これにより太陽電池パネル全体として集積した電気エネルギー(電力)を、上述の如く家庭用電源として利用できる態勢をとっている。
【0005】
ところで図8に示す、従来実施されている端子ボックス24は、コネクタを出力ケーブル25の一端に接続し、この出力ケーブルを二本(プラス電極用及びマイナス電極用)用意して、各出力ケーブル25におけるコネクタ取り付け端と反対側に位置する一端に、出力ケーブル25の芯線にカシメ止めされる一対の端子26(この端子は、出力ケーブルの芯線で兼用することもある)を取り付けている。
【0006】
さらにこの一対の端子26間には、電流の逆流を防止するための電子部品27、例えばバイパスダイオードが複数個(2〜4程度)設けられており、このバイパスダイオードのリード線28と前記端子26とは半田付けで接着されていた。この半田付けされた端子26を端子ボックス24内に仮設置した後、蓋29で端子ボックス24をふさぎ、その端子ボックス24内の充填空間部30にシリコン樹脂材を充填して固化させるという方法で、シールド性を確保した端子ボックスを製造していた。
このように、端子ボックス24内にシリコン樹脂材を充填する目的は、端子ボックス内のシールド性を高めることと、各接続部の接続状態保護を図ることと、さらに比較的高温になり易いバイパスダイオードの放熱を図ることである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の方法では、上述の如く端子ボックス内で出力ケーブル25の端子26とバイパスダイオードのリード線28との接続部(あるいはこれと同等な効果を発揮する電気的接続部を含む)とを半田付け、ねじ止め、スポット溶接止め、カシメ止め(以下これらを、まとめて半田付けと総称する)していた。この半田付け作業をするために、作業空間、及びその作業のための部材を確保する必要があるが、その場合に箱型を呈する従来の端子ボックス24にあっては、端子ボックス内で半田付け作業をすると、端子ボックスの側壁面31が作業の際に邪魔となり、半田付け作業は困難を強いられるという問題があった。
【0008】
上記の問題に対して、端子ボックス24を大型のものにして対応することも考えられるが、端子ボックスを大型のものにするとシリコン樹脂材を充填する充填空間部30も大きくなり、そこに充填される比較的高価なシリコン樹脂材の使用量も増えてしまい、結果として端子ボックスの組み立てのための費用が高額になるという問題があった。
【0009】
また、端子ボックス内のシリコン樹脂材の充填量が増えることから、充填されたシリコン樹脂材が乾燥して固化するまでに長時間、例えば半日ほどの時間がかかるようになってしまい、シリコン樹脂材が乾燥固化するまで太陽電池パネルを動かすことができなくなるので、その結果端子ボックスの生産作業効率が低くなるという問題もあった。
【0010】
このため、本発明は、半田付け作業をする際には、従来の側壁面31付き端子ボックス24の採用をやめ、側壁面などが邪魔にならない平板状のベース体の上で上記の作業を行うようにし、そのために端子ボックスを平板状のベース体と、このベース体に密閉状に冠設される略凹状のカバー体で構成することにより、上述のすべての問題点を解消させんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このため本発明の請求項1は、端子ボックスを平板状のベース体と、このベース体に密閉状に冠設される略凹状のカバー体とで構成し、このベース体の内面側にはバイパスダイオードなどの電子部品を搭載したプリント回路を形成し、このプリント回路には出力ケーブルの端子を接合するための端子接続部を形成し、ベース体の外面側には太陽電池モジュールのプラス電極及びマイナス電極と接続可能となるターミナル部を形成し、出力ケーブルの一端に設けられている端子をプリント回路の端子接続部と接合させ、前記カバー体の一部に充填小孔を形成し、ベース体とカバー体を組み合わせた状態で、ベース体とカバー体との間に存する充填空間部にシリコン樹脂材を隙間なく介在させたことを特徴とする太陽電池モジュール用の端子ボックスである。
【0012】
また請求項2記載の発明は、ベース体の内面側にはバイパスダイオードなどの電子部品を搭載したプリント回路を形成し、ベース体の外面側には太陽電池モジュールのプラス電極及びマイナス電極と接続可能なターミナル部を形成し、このベース体に密閉状に冠設される略凹状のカバー体を用意し、出力ケーブルの一端に設けられている端子をプリント回路の端子接続部と接合させた後、前記ベース体にカバー体を密閉状に冠設し、ついでカバー体に形成した充填小孔よりシリコン樹脂材をベース体とカバー体との間に存する充填空間部に隙間のない状態で充填するようにしたことを特徴とする太陽電池モジュール用の端子ボックスの形成方法である。
【0013】
さらに請求項3記載の発明は、ベース体の内面側の凹凸形状に対応するように、カバー体の膨隆部を形成したことを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール用の端子ボックスである。
【0014】
さらに請求項4記載の発明は、ベース体の内面側の凹凸形状に対応するように、カバー体の膨隆部を形成したことを特徴とする請求項2記載の太陽電池モジュール用の端子ボックスの形成方法である。
【0015】
本発明は、端子ボックスを平板状のベース体と、このベース体に密閉状に冠設される略凹状のカバー体で構成するようにしたため、端子ボックスの側壁面がなくなり、出力ケーブルの端子を所定位置に半田付けする作業が極めて容易に行え、シリコン樹脂材の使用量も減少するため、組み立てのためのコストが低廉となり、シリコン樹脂材の乾燥固化に要する時間も短縮するため、太陽電池モジュール用の端子ボックスの生産作業効率も向上する。
【0016】
また、ベース体の内面側の凹凸形状に対応するようにカバー体に膨隆部を形成することで、上記の効果をさらに向上させることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、本発明の内容はこの範囲に限られるものではない。
【0018】
図1は本発明のベース体とカバー体とを組み立てた状態の正面斜視図、図2は同分解状態の背面斜視図、図3は同分解状態の正面斜視図である。
また図4は、図1におけるA−A線断面図、図5は同B−B線断面図、図6は本発明の端子ボックス内にシリコン樹脂材を充填した状態の縦断面図、図7は本発明の端子ボックスを複数個連接させた状態の斜視図であり、図8は従来の端子ボックスの分解状態の正面斜視図である。
【0019】
本発明の端子ボックス1は、プリント基板のような平板状のベース体2と、このベース体2に密閉状に冠設される略凹状のカバー体3との部品で構成されている。
ベース体2の内面側には、プリント回路4が形成されており、このプリント回路4中にはバイパスダイオードなどの電子部品5が搭載されている。
またベース体2の外面側には、ターミナル部6が複数個形成され、このターミナル部6は、太陽電池モジュール10のプラス電極11、マイナス電極12と接続可能となる位置に設けられている。
【0020】
一方、ベース体2のプリント回路4には端子接続部7が形成されており、この端子接続部7には、出力ケーブル13の一端に設けられる端子14(通常は板状であるが、出力ケーブルの芯線で兼用することもある)が接合されることとなる。この出力ケーブル13の他端には、他の出力ケーブル13と接続可能となるコネクタ15が取り付けられている。もちろん、このコネクタ15は出力ケーブル同士の接続以外にも、通常のコネクタとして使用できることは言うまでもない。
【0021】
次いでカバー体3は、一面を開口8とした枡体のような略凹状の形態を呈するものであり、その一部には充填小孔9が穿設されている。このカバー体3は、好ましくは前記ベース体2の内面側の凹凸形状に対応する形状となるように、全体を成型する(図2又は3参照)。このようにすることで、ベース体2とカバー体3とは、無駄な空間部を作ることなくぴったりと冠設することができ、後述する充填空間を必要最低限度の大きさに構成できるようになる。
【0022】
上記のような構成部品をまず準備し、出力ケーブル13の端子14をベース体2のプリント回路4の端子接続部7に適宜の手段(半田付けを始め、ねじ止め、スポット溶接止め、カシメ止めなど)で接合させ、出力ケーブル13とベース体2とを接続させる。このとき、本発明のベース体2は全体が平板状のものであるため、その接続作業時に、ベース体2の無駄な張り出し部などが存在せず、このため従来のような作業上の困難な問題はまったく起こらない。さらに接続作業が容易に行えるため、作業上のミスも起こりにくく、安全性の見地からも好ましい結果が得られる。
【0023】
出力ケーブル13とベース体2との接続が完了した後、ベース体2にカバー体3を冠設する。両者の冠設状態は、後に充填するシリコン樹脂材20が接合部から漏れ出ない程度の液密性が確保されていれば、必要にして十分である。
【0024】
このように両者を組み立てた後、ベース体2とカバー体3との間に存する充填空間部16に、充填小孔9よりシリコン樹脂材20をシーリング材として隙間のない状態で充填する。このシリコン樹脂材の充填により、充填空間部16はシリコン樹脂材20で隙間なく埋め尽くされ、ベース体2とカバー体3の接合が完璧となって剥離しない状態となり、ベース体2の内面側に存在するプリント回路4、端子接続部7などが雨水などの悪影響を受けないものとなる。
このため、端子ボックス1内のシールド性が高められ、各接続部の接続状態が強固な状態で保持され、バイパスダイオードの放熱を効果的に行えるようになる。
【0025】
なお、図中の符号17はカバー体の出力ケーブル収納部、18は電子部品など突出部分を収めるためのカバー体の膨隆部、19は端子ボックス1を太陽電池モジュール10に取り付けるための両面テープなどで構成される取付部材である。
【0026】
上記のように構成された本発明の端子ボックス1は、図7に示すように太陽電池モジュール10に、取付部材19などを利用して取り付けられる。
その際、端子ボックス1のターミナル部6は、太陽電池モジュール10のプラス電極11、マイナス電極12と接触するように取り付けられ、出力ケーブル13のコネクタ15は、各端子ボックス1を連続するように取り付けられる。
【0027】
【発明の効果】
上記の構成にかかる本発明によれば、端子ボックスを平板状のベース体と、このベース体に密閉状に冠設される略凹状のカバー体で構成するようにしたため、端子ボックスの側壁面がなくなり、出力ケーブルの端子を所定位置に半田付けする作業が極めて容易に行え、シリコン樹脂材の使用量も減少するため、組み立てのためのコストが低廉となり、シリコン樹脂材の乾燥固化に要する時間も短縮するため、太陽電池モジュール用の端子ボックスの生産作業効率も向上するという効果を発揮する。
【0028】
また、ベース体の内面側の凹凸形状に対応するようにカバー体に膨隆部を形成することで、上記の効果をさらに向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のベース体とカバー体とを組み立てた状態の正面斜視図である。
【図2】同分解状態の背面斜視図である。
【図3】同分解状態の正面斜視図である。
【図4】図1におけるA−A線断面図である。
【図5】同B−B線断面図である。
【図6】本発明の端子ボックス内にシリコン樹脂材を充填した状態の縦断面図である。
【図7】本発明の端子ボックスを複数個連接させた状態の斜視図である。
【図8】従来の端子ボックスの分解状態の正面斜視図である。
【符号の説明】
1…端子ボックス
2…ベース体
3…カバー体
4…プリント回路
5…電子部品
6…ターミナル部
7…端子接続部
8…カバー体の開口
9…カバー体の充填小孔
10…太陽電池モジュール
11…太陽電池モジュールのプラス電極
12…太陽電池モジュールのマイナス電極
13…出力ケーブル
14…出力ケーブルの端子
15…出力ケーブルのコネクタ
16…充填空間部
17…出力ケーブル収納部
18…カバー体の膨隆部
19…取付部材
20…シリコン樹脂材
24…従来の端子ボックス
25…同出力ケーブル
26…同端子
27…同電子部品
28…同リード線
29…同蓋
30…同充填空間部
31…同側壁面
【発明の属する技術分野】
太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換するシステムとして、太陽光発電システムが広く実施されているが、そのシステムにおいては太陽電池モジュールが重要部品として使用されている。本発明は、この太陽電池モジュールに取り付ける端子ボックス及びその端子ボックスの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自然環境への配慮から、地球上に降り注がれる太陽光の天然エネルギーを電気エネルギーとして利用する太陽光発電システムが広く利用されるようになり、これに伴い各家庭においても家屋の屋根の上などに該システムの装置を設置するようになってきた。
【0003】
太陽電池モジュールは、複数枚の電池セルの前面に強化ガラス及び保護シートを貼設するとともに補強フレームにより支持されて構成され、この太陽電池モジュールを屋根の上などに複数セット設置することで、全体として太陽電池パネルと呼ばれるものを構成している。この太陽電池パネルで集められた電気エネルギーは、接続箱、インバータ及び分電盤などを介して各電気製品に電力を供給することとなる。
この太陽光発電システムは、複数セットの太陽電池モジュールを屋根上などに設置し、この複数セットの太陽電池モジュールの各電極間を電気的に集積可能な状態で接続することにより、その全体から得られた電気エネルギー(電力)をひとまとめにして、家庭用電源として利用する。
【0004】
上述した各太陽電池モジュールの裏面側(採光面の反対側)には、太陽電池モジュールで発生される電気エネルギーを、外部に引渡すためのプラス電極とマイナス電極とが備えられている。
一方、この太陽電池モジュールのプラス電極及びマイナス電極と接続可能となるターミナル部を備えた端子ボックスが別途存在し、この端子ボックスは太陽電池モジュールから電気エネルギーを引き出す働きをしている。この端子ボックスには先端にコネクタを取り付けた出力ケーブルが二本設けられ(プラス端子用とマイナス端子用)、この出力ケーブルを介在して隣接する各端子ボックスの対応部同士を相互に直列接続し、これにより太陽電池パネル全体として集積した電気エネルギー(電力)を、上述の如く家庭用電源として利用できる態勢をとっている。
【0005】
ところで図8に示す、従来実施されている端子ボックス24は、コネクタを出力ケーブル25の一端に接続し、この出力ケーブルを二本(プラス電極用及びマイナス電極用)用意して、各出力ケーブル25におけるコネクタ取り付け端と反対側に位置する一端に、出力ケーブル25の芯線にカシメ止めされる一対の端子26(この端子は、出力ケーブルの芯線で兼用することもある)を取り付けている。
【0006】
さらにこの一対の端子26間には、電流の逆流を防止するための電子部品27、例えばバイパスダイオードが複数個(2〜4程度)設けられており、このバイパスダイオードのリード線28と前記端子26とは半田付けで接着されていた。この半田付けされた端子26を端子ボックス24内に仮設置した後、蓋29で端子ボックス24をふさぎ、その端子ボックス24内の充填空間部30にシリコン樹脂材を充填して固化させるという方法で、シールド性を確保した端子ボックスを製造していた。
このように、端子ボックス24内にシリコン樹脂材を充填する目的は、端子ボックス内のシールド性を高めることと、各接続部の接続状態保護を図ることと、さらに比較的高温になり易いバイパスダイオードの放熱を図ることである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の方法では、上述の如く端子ボックス内で出力ケーブル25の端子26とバイパスダイオードのリード線28との接続部(あるいはこれと同等な効果を発揮する電気的接続部を含む)とを半田付け、ねじ止め、スポット溶接止め、カシメ止め(以下これらを、まとめて半田付けと総称する)していた。この半田付け作業をするために、作業空間、及びその作業のための部材を確保する必要があるが、その場合に箱型を呈する従来の端子ボックス24にあっては、端子ボックス内で半田付け作業をすると、端子ボックスの側壁面31が作業の際に邪魔となり、半田付け作業は困難を強いられるという問題があった。
【0008】
上記の問題に対して、端子ボックス24を大型のものにして対応することも考えられるが、端子ボックスを大型のものにするとシリコン樹脂材を充填する充填空間部30も大きくなり、そこに充填される比較的高価なシリコン樹脂材の使用量も増えてしまい、結果として端子ボックスの組み立てのための費用が高額になるという問題があった。
【0009】
また、端子ボックス内のシリコン樹脂材の充填量が増えることから、充填されたシリコン樹脂材が乾燥して固化するまでに長時間、例えば半日ほどの時間がかかるようになってしまい、シリコン樹脂材が乾燥固化するまで太陽電池パネルを動かすことができなくなるので、その結果端子ボックスの生産作業効率が低くなるという問題もあった。
【0010】
このため、本発明は、半田付け作業をする際には、従来の側壁面31付き端子ボックス24の採用をやめ、側壁面などが邪魔にならない平板状のベース体の上で上記の作業を行うようにし、そのために端子ボックスを平板状のベース体と、このベース体に密閉状に冠設される略凹状のカバー体で構成することにより、上述のすべての問題点を解消させんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このため本発明の請求項1は、端子ボックスを平板状のベース体と、このベース体に密閉状に冠設される略凹状のカバー体とで構成し、このベース体の内面側にはバイパスダイオードなどの電子部品を搭載したプリント回路を形成し、このプリント回路には出力ケーブルの端子を接合するための端子接続部を形成し、ベース体の外面側には太陽電池モジュールのプラス電極及びマイナス電極と接続可能となるターミナル部を形成し、出力ケーブルの一端に設けられている端子をプリント回路の端子接続部と接合させ、前記カバー体の一部に充填小孔を形成し、ベース体とカバー体を組み合わせた状態で、ベース体とカバー体との間に存する充填空間部にシリコン樹脂材を隙間なく介在させたことを特徴とする太陽電池モジュール用の端子ボックスである。
【0012】
また請求項2記載の発明は、ベース体の内面側にはバイパスダイオードなどの電子部品を搭載したプリント回路を形成し、ベース体の外面側には太陽電池モジュールのプラス電極及びマイナス電極と接続可能なターミナル部を形成し、このベース体に密閉状に冠設される略凹状のカバー体を用意し、出力ケーブルの一端に設けられている端子をプリント回路の端子接続部と接合させた後、前記ベース体にカバー体を密閉状に冠設し、ついでカバー体に形成した充填小孔よりシリコン樹脂材をベース体とカバー体との間に存する充填空間部に隙間のない状態で充填するようにしたことを特徴とする太陽電池モジュール用の端子ボックスの形成方法である。
【0013】
さらに請求項3記載の発明は、ベース体の内面側の凹凸形状に対応するように、カバー体の膨隆部を形成したことを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール用の端子ボックスである。
【0014】
さらに請求項4記載の発明は、ベース体の内面側の凹凸形状に対応するように、カバー体の膨隆部を形成したことを特徴とする請求項2記載の太陽電池モジュール用の端子ボックスの形成方法である。
【0015】
本発明は、端子ボックスを平板状のベース体と、このベース体に密閉状に冠設される略凹状のカバー体で構成するようにしたため、端子ボックスの側壁面がなくなり、出力ケーブルの端子を所定位置に半田付けする作業が極めて容易に行え、シリコン樹脂材の使用量も減少するため、組み立てのためのコストが低廉となり、シリコン樹脂材の乾燥固化に要する時間も短縮するため、太陽電池モジュール用の端子ボックスの生産作業効率も向上する。
【0016】
また、ベース体の内面側の凹凸形状に対応するようにカバー体に膨隆部を形成することで、上記の効果をさらに向上させることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、本発明の内容はこの範囲に限られるものではない。
【0018】
図1は本発明のベース体とカバー体とを組み立てた状態の正面斜視図、図2は同分解状態の背面斜視図、図3は同分解状態の正面斜視図である。
また図4は、図1におけるA−A線断面図、図5は同B−B線断面図、図6は本発明の端子ボックス内にシリコン樹脂材を充填した状態の縦断面図、図7は本発明の端子ボックスを複数個連接させた状態の斜視図であり、図8は従来の端子ボックスの分解状態の正面斜視図である。
【0019】
本発明の端子ボックス1は、プリント基板のような平板状のベース体2と、このベース体2に密閉状に冠設される略凹状のカバー体3との部品で構成されている。
ベース体2の内面側には、プリント回路4が形成されており、このプリント回路4中にはバイパスダイオードなどの電子部品5が搭載されている。
またベース体2の外面側には、ターミナル部6が複数個形成され、このターミナル部6は、太陽電池モジュール10のプラス電極11、マイナス電極12と接続可能となる位置に設けられている。
【0020】
一方、ベース体2のプリント回路4には端子接続部7が形成されており、この端子接続部7には、出力ケーブル13の一端に設けられる端子14(通常は板状であるが、出力ケーブルの芯線で兼用することもある)が接合されることとなる。この出力ケーブル13の他端には、他の出力ケーブル13と接続可能となるコネクタ15が取り付けられている。もちろん、このコネクタ15は出力ケーブル同士の接続以外にも、通常のコネクタとして使用できることは言うまでもない。
【0021】
次いでカバー体3は、一面を開口8とした枡体のような略凹状の形態を呈するものであり、その一部には充填小孔9が穿設されている。このカバー体3は、好ましくは前記ベース体2の内面側の凹凸形状に対応する形状となるように、全体を成型する(図2又は3参照)。このようにすることで、ベース体2とカバー体3とは、無駄な空間部を作ることなくぴったりと冠設することができ、後述する充填空間を必要最低限度の大きさに構成できるようになる。
【0022】
上記のような構成部品をまず準備し、出力ケーブル13の端子14をベース体2のプリント回路4の端子接続部7に適宜の手段(半田付けを始め、ねじ止め、スポット溶接止め、カシメ止めなど)で接合させ、出力ケーブル13とベース体2とを接続させる。このとき、本発明のベース体2は全体が平板状のものであるため、その接続作業時に、ベース体2の無駄な張り出し部などが存在せず、このため従来のような作業上の困難な問題はまったく起こらない。さらに接続作業が容易に行えるため、作業上のミスも起こりにくく、安全性の見地からも好ましい結果が得られる。
【0023】
出力ケーブル13とベース体2との接続が完了した後、ベース体2にカバー体3を冠設する。両者の冠設状態は、後に充填するシリコン樹脂材20が接合部から漏れ出ない程度の液密性が確保されていれば、必要にして十分である。
【0024】
このように両者を組み立てた後、ベース体2とカバー体3との間に存する充填空間部16に、充填小孔9よりシリコン樹脂材20をシーリング材として隙間のない状態で充填する。このシリコン樹脂材の充填により、充填空間部16はシリコン樹脂材20で隙間なく埋め尽くされ、ベース体2とカバー体3の接合が完璧となって剥離しない状態となり、ベース体2の内面側に存在するプリント回路4、端子接続部7などが雨水などの悪影響を受けないものとなる。
このため、端子ボックス1内のシールド性が高められ、各接続部の接続状態が強固な状態で保持され、バイパスダイオードの放熱を効果的に行えるようになる。
【0025】
なお、図中の符号17はカバー体の出力ケーブル収納部、18は電子部品など突出部分を収めるためのカバー体の膨隆部、19は端子ボックス1を太陽電池モジュール10に取り付けるための両面テープなどで構成される取付部材である。
【0026】
上記のように構成された本発明の端子ボックス1は、図7に示すように太陽電池モジュール10に、取付部材19などを利用して取り付けられる。
その際、端子ボックス1のターミナル部6は、太陽電池モジュール10のプラス電極11、マイナス電極12と接触するように取り付けられ、出力ケーブル13のコネクタ15は、各端子ボックス1を連続するように取り付けられる。
【0027】
【発明の効果】
上記の構成にかかる本発明によれば、端子ボックスを平板状のベース体と、このベース体に密閉状に冠設される略凹状のカバー体で構成するようにしたため、端子ボックスの側壁面がなくなり、出力ケーブルの端子を所定位置に半田付けする作業が極めて容易に行え、シリコン樹脂材の使用量も減少するため、組み立てのためのコストが低廉となり、シリコン樹脂材の乾燥固化に要する時間も短縮するため、太陽電池モジュール用の端子ボックスの生産作業効率も向上するという効果を発揮する。
【0028】
また、ベース体の内面側の凹凸形状に対応するようにカバー体に膨隆部を形成することで、上記の効果をさらに向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のベース体とカバー体とを組み立てた状態の正面斜視図である。
【図2】同分解状態の背面斜視図である。
【図3】同分解状態の正面斜視図である。
【図4】図1におけるA−A線断面図である。
【図5】同B−B線断面図である。
【図6】本発明の端子ボックス内にシリコン樹脂材を充填した状態の縦断面図である。
【図7】本発明の端子ボックスを複数個連接させた状態の斜視図である。
【図8】従来の端子ボックスの分解状態の正面斜視図である。
【符号の説明】
1…端子ボックス
2…ベース体
3…カバー体
4…プリント回路
5…電子部品
6…ターミナル部
7…端子接続部
8…カバー体の開口
9…カバー体の充填小孔
10…太陽電池モジュール
11…太陽電池モジュールのプラス電極
12…太陽電池モジュールのマイナス電極
13…出力ケーブル
14…出力ケーブルの端子
15…出力ケーブルのコネクタ
16…充填空間部
17…出力ケーブル収納部
18…カバー体の膨隆部
19…取付部材
20…シリコン樹脂材
24…従来の端子ボックス
25…同出力ケーブル
26…同端子
27…同電子部品
28…同リード線
29…同蓋
30…同充填空間部
31…同側壁面
Claims (4)
- 端子ボックスを平板状のベース体と、このベース体に密閉状に冠設される略凹状のカバー体とで構成し、このベース体の内面側にはバイパスダイオードなどの電子部品を搭載したプリント回路を形成し、このプリント回路には出力ケーブルの端子を接合するための端子接続部を形成し、ベース体の外面側には太陽電池モジュールのプラス電極及びマイナス電極と接続可能となるターミナル部を形成し、出力ケーブルの一端に設けられている端子をプリント回路の端子接続部と接合させ、前記カバー体の一部に充填小孔を形成し、ベース体とカバー体を組み合わせた状態で、ベース体とカバー体との間に存する充填空間部にシリコン樹脂材を隙間なく介在させたことを特徴とする太陽電池モジュール用の端子ボックス。
- ベース体の内面側にはバイパスダイオードなどの電子部品を搭載したプリント回路を形成し、ベース体の外面側には太陽電池モジュールのプラス電極及びマイナス電極と接続可能なターミナル部を形成し、このベース体に密閉状に冠設される略凹状のカバー体を用意し、出力ケーブルの一端に設けられている端子をプリント回路の端子接続部と接合させた後、前記ベース体にカバー体を密閉状に冠設し、ついでカバー体に形成した充填小孔よりシリコン樹脂材をベース体とカバー体との間に存する充填空間部に隙間のない状態で充填するようにしたことを特徴とする太陽電池モジュール用の端子ボックスの形成方法。
- ベース体の内面側の凹凸形状に対応するように、カバー体の膨隆部を形成したことを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール用の端子ボックス。
- ベース体の内面側の凹凸形状に対応するように、カバー体の膨隆部を形成したことを特徴とする請求項2記載の太陽電池モジュール用の端子ボックスの形成方法。
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